(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20241007BHJP
G03G 21/14 20060101ALI20241007BHJP
B65H 1/00 20060101ALI20241007BHJP
【FI】
G03G21/00 370
G03G21/14
B65H1/00 501A
(21)【出願番号】P 2020211243
(22)【出願日】2020-12-21
【審査請求日】2023-12-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123559
【氏名又は名称】梶 俊和
(74)【代理人】
【識別番号】100177437
【氏名又は名称】中村 英子
(72)【発明者】
【氏名】石川 晋平
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-223903(JP,A)
【文献】特開2010-122702(JP,A)
【文献】特開2009-265286(JP,A)
【文献】特開2016-215396(JP,A)
【文献】特開2002-023576(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0041494(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 21/14
B65H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱可能であり、記録媒体を収容する収容部と、
前記収容部から搬送された前記記録媒体に画像形成を行う画像形成手段と、
を備え、前記画像形成手段により前記記録媒体に前記画像形成を行う前に、所定の画像形成速度で前記画像形成の準備動作を行うことが可能な画像形成装置であって、
前記収容部に収容された記録媒体のサイズを検知する第1の検知手段と、
前記第1の検知手段により検知した前記記録媒体のサイズに基づいて、前記準備動作を実施するか否かを判断する判断手段と、
前記第1の検知手段により検知された前記記録媒体のサイズに応じて前記画像形成を行う際の前記画像形成速度を決定する決定手段と、
を備え
、
前記判断手段は、前記第1の検知手段により前記記録媒体の搬送方向に直交する方向の長さである幅が、第1の幅以上である場合には前記準備動作を実施すると判断し、前記第1の幅未満である場合には前記準備動作を実施しないと判断することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記記録媒体の前記幅が前記第1の幅以上である場合には前記画像形成速度を第1の速度に決定し、前記第1の幅未満である場合には前記画像形成速度を前記第1の速度とは異なる第2の速度に決定することを特徴とする請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記判断手段は、前記第1の検知手段により前記記録媒体の前記幅を検知していない場合には、前記記録媒体が前記第1の幅以上であると仮定して、前記準備動作を実施すると判断することを特徴とする請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記決定手段は、前記第1の検知手段により前記記録媒体の前記幅を検知していない場合には、前記画像形成速度を第1の速度に決定することを特徴とする請求項
3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
複数の前記収容部と、
前記複数の前記収容部にそれぞれ記録媒体が収容されているか否かを検知する第2の検知手段と、
を備え、
前記第1の検知手段は、前記複数の前記収容部に収容されたそれぞれの記録媒体のサイズを検知し、
前記収容部と、前記第1の検知手段により検知された前記収容部に収容された記録媒体の幅と、を関連付けた情報が記憶される記憶部を備え、
前記判断手段は、前記第2の検知手段により前記複数の前記収容部のいずれにも記録媒体が収容されていないと判断した場合、前記準備動作を実施しないと判断することを特徴とする請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記決定手段は、前記画像形成の際に指定された収容部に収容された記録媒体の前記幅が前記第1の幅以上である場合には前記画像形成速度を第1の速度に決定し、前記第1の幅未満である場合には前記画像形成速度を前記第1の速度とは異なる第2の速度に決定することを特徴とする請求項
5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記判断手段は、前記複数の前記収容部のうち前記記録媒体の前記幅が検知されていない収容部がある場合には、前記記録媒体が前記第1の幅以上であると仮定して、前記準備動作を実施すると判断することを特徴とする請求項
5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記決定手段は、前記記録媒体に両面印刷を行う際の裏面に画像形成を行う場合、前記画像形成速度を表面について決定した画像形成速度に決定することを特徴とする請求項
2又は請求項
6に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1の検知手段は、前記記録媒体が搬送される搬送路に配置され、前記収容部の記録媒体が交換された後の最初に搬送された記録媒体の幅を検知することを特徴とする請求項1から請求項
8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第1の検知手段は、前記収容部に配置され、前記収容部に収容された記録媒体の幅を検知することを特徴とする請求項1から請求項
8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、例えば、記録媒体を搬送し、画像形成動作を行う画像形成装置の画像形成準備動作の実施判断に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、画像形成指示に先行して画像形成準備指示を出す技術がある。これにより、画像形成に必要な動作の一部を先行して実施し、画像形成指示後の動作を短縮することでファースト・プリント・アウト時間(以下、FPOTとする)を短縮する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、記録媒体に応じて複数の画像形成速度を備える画像形成装置では、画像形成指示のタイミングで決定する画像形成速度と、画像形成の準備指示によって準備動作をしている画像形成速度とが異なる場合がある。このような場合、画像形成速度を切り替えてから画像形成を行う必要があるため、FPOTが却って遅くなってしまうおそれがある。また、画像形成速度の切り替え動作中も感光ドラムなどが消耗してしまうため、消耗品の寿命の消耗を増加させてしまうおそれもある。
【0005】
本発明は、このような状況のもとでなされたものである。例えば、複数の画像形成速度を有する画像形成装置で、ファーストプリントアウト時間の短縮を図りつつ、画像形成速度の切り替え動作の発生を抑えてファーストプリントアウト時間が長くなることや消耗品寿命の進行を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、以下の構成を備える。
(1)着脱可能であり、記録媒体を収容する収容部と、前記収容部から搬送された前記記録媒体に画像形成を行う画像形成手段と、を備え、前記画像形成手段により前記記録媒体に前記画像形成を行う前に、所定の画像形成速度で前記画像形成の準備動作を行うことが可能な画像形成装置であって、前記収容部に収容された記録媒体のサイズを検知する第1の検知手段と、前記第1の検知手段により検知した前記記録媒体のサイズに基づいて、前記準備動作を実施するか否かを判断する判断手段と、前記第1の検知手段により検知された前記記録媒体のサイズに応じて前記画像形成を行う際の前記画像形成速度を決定する決定手段と、を備え、前記判断手段は、前記第1の検知手段により前記記録媒体の搬送方向に直交する方向の長さである幅が、第1の幅以上である場合には前記準備動作を実施すると判断し、前記第1の幅未満である場合には前記準備動作を実施しないと判断することを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の画像形成速度を有する画像形成装置で、ファーストプリントアウト時間の短縮を図りつつ、画像形成速度の切り替え動作の発生を抑えてファーストプリントアウト時間が長くなることや消耗品寿命の進行を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】実施例1の用紙サイズ検知機構を示す要部斜視図
【
図6】実施例2の用紙サイズ検知機構を示す要部斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態を、実施例により図面を参照しながら詳しく説明する。
【実施例1】
【0010】
実施例1の画像形成装置は、記録媒体に画像形成を行う前に、所定の画像形成速度で画像形成の準備動作(以下、プレスタート動作という)を行うことが可能である。プリント指示が受信されるタイミングよりも前に、画像コントローラ部からプレスタート動作(準備動作)を指示されたとき、次のような制御を行う。すなわち、記録媒体のサイズを検知する検知手段の検知結果に基づいて、画像形成動作時の画像形成速度がプレスタート動作時の画像形成速度と同じかどうかを判断し、各画像形成速度が異なる場合にはプレスタート動作を行わないと判断する。以下、詳細に説明する。
【0011】
[画像形成装置の全体構成]
図1は実施例1の画像形成装置の断面図である。画像形成装置100は記録媒体を収容する収容部である着脱可能な給紙カセット140を備え、給紙カセット140の着脱状態はカセット有無センサ141で検知できる。給紙カセット140の記録媒体の有無は紙有無センサ142で検知できる。また、画像形成装置100はカートリッジ120を備え、カートリッジ120は帯電ローラ121、感光ドラム122、現像スリーブ123から構成されており、画像形成装置100から着脱可能な構成になっている。
【0012】
画像形成装置100は、給紙カセット140が記録媒体を積載しているときにパーソナルコンピュータなどの外部装置から画像コントローラ経由で画像形成準備動作指示(以下、プレスタート指示という)を受けると、モータ(不図示)を駆動させる。分離ローラ101、レジストレーションローラ(以下、レジローラという)102、転写ローラ103、帯電ローラ121、感光ドラム122、現像スリーブ123、加熱フィルム131、加圧ローラ132、排出ローラ104はモータによって駆動される。感光ドラム122の表面は、帯電ローラ121によって例えば負の極性の所定の電位で一様に帯電される。
【0013】
画像形成装置100はモータの駆動に加え、給紙ソレノイド(不図示)を駆動する。給紙ソレノイドを駆動すると、ピックアップローラ105が所定時間駆動しつつ記録媒体の用紙面に降下し、記録媒体を一枚搬送路へと送り出す。記録媒体が分離ローラ101、レジローラ102を通過し、レジセンサ110に到達すると、露光装置111から出射されたレーザー光によって感光ドラム122の表面に静電潜像が形成される。感光ドラム122に形成された静電潜像は、現像スリーブ123によってトナーが付着され、トナー像として可視化される。
【0014】
トナー像は感光ドラム122の回転に合わせて転写ローラ103通過時に記録媒体に転写される。未定着のトナー像を担持した記録媒体は定着器130に導入され、加熱フィルム131と加圧ローラ132とにより形成されるニップ部で加圧される。未定着のトナー像は、サーミスタ133によって検知される温度が好適な定着温度になるように制御されるヒータ134によって加熱されることで定着される。画像が定着した後の記録媒体は排出ローラ104により排出トレイ112に排出される。記録媒体に画像形成が行われる際に寄与する上述した各部材が画像形成手段である画像形成部として機能する。なお、画像形成装置100は、1枚の記録媒体の表面及び裏面の両方に画像形成を行う両面印刷を実行することも可能であり、両面搬送路(不図示)も備えるものとする。また、本発明を適用することが可能な画像形成装置は、
図1で説明した画像形成装置100に限定されず、他の実施例についても同様である。
【0015】
[紙幅検知機構]
続いて、実施例1の紙幅検知機構について詳しく説明する。ここで、紙幅とは、記録媒体の搬送方向に直交する方向の長さ(幅)である。
図2は紙幅検知機構のメカ構成図であり、搬送方向及び左右方向も示す。記録媒体が紙幅検知機構を通過すると、左右に配置されているフラグ201及びフラグ202が手前側に回動する。フラグ201は紙幅を検知するために用いられるフラグであり、フラグ202はレジセンサ110に含まれるフラグである。また、記録媒体の搬送方向は、
図2の奥側から手前側に向かう方向である。さらに左右とは、
図2の手前側から見て、記録媒体の搬送方向に直交する方向において規定される。
【0016】
左右に配置されているフラグ201が回動すると、リンク203の抑えになっている部分も回動する。すると、ばね204の作用によって、リンク203が回動しフォトインタラプタ205が遮光された状態(以下、単に遮光という)から光が透過する状態(以下、単に透過という)となる。すなわち、搬送路の左右に配置されているフラグ201がどちらも記録媒体の通過を検知した場合にのみ、本検知機構は記録媒体を検知することが可能な構成となっている。フラグ201、リンク203、ばね204、フォトインタラプタ205を含めた機構全体を、実施例1では紙幅センサという。フラグ201は、実施例1において、第1の幅を有するA4サイズ未満の記録媒体では検知できず、A4サイズ以上の記録媒体を確実に検知可能な位置に配置されているものとする。また、フラグ201によって検知できるA4サイズ以上(第1の幅以上)の記録媒体を幅広といい、検知できないA4サイズ未満(第1の幅未満)の記録媒体を幅狭という。しかし、フラグ201の配置はこれに制限されるものではなく、装置の特性によって適宜決定してよい。すなわち、第1の幅を有する記録媒体を他のサイズの記録媒体としてもよい。
【0017】
一方、フラグ202が回動すると、フォトインタラプタ206を遮光しているフラグの一部も回動する。フラグ202とフォトインタラプタ206を単一のセンサユニットとして図示したものが、
図1のレジセンサ110となる。フォトインタラプタ205及びフォトインタラプタ206はほぼ同じタイミングで遮光から透過となる。このため、記録媒体の中心付近にあるレジセンサ110が記録媒体を検知している間にフォトインタラプタ205が遮光か透過かを確認することで、記録媒体の紙幅が正しく検知できる。すなわち、記録媒体の紙幅は、紙幅センサとレジセンサ110とによって検知される。
【0018】
[画像形成装置の速度制御システム構成]
次に、画像形成装置100の速度制御システムについて説明する。
図3は、画像形成装置100の速度制御システム構成を説明するためのブロック図である。主制御装置300は画像コントローラ301からプレスタート指示を受け付けると、プレスタート実施判断部302で速度を判断し、プリント制御部303を予め定められた所定の設定で動作させる。プリント制御部303はメインモータ304を駆動させるとともに、帯電制御部305で例えば負極性の帯電電圧を帯電ローラ121に印加し、感光ドラム122を一様に帯電させる。また、帯電制御部305で生成された負極性の帯電電圧は転写ローラ103にも印加される。その後、転写制御部306から所定の正極性の転写電圧を出力すると、転写ローラ103には負極性の帯電電圧と正極性の転写電圧とを重畳した電圧が印加される。転写電流検知部307で転写ローラ103に流れる電流値を検知する。転写電流検知部307に流れる電流値が一定となるように転写制御部306を調整することで、画像形成に好適な電位設定が行われる。この制御をActive Transfer Voltage Control(以降ATVC)と称する。
【0019】
一般的に、画像を形成する記録媒体の種類やサイズによって、適した帯電電圧や画像形成の速度(以下、画像形成速度という)は異なるため、画像コントローラ301はプリント指示で記録媒体の種類(以下、紙種指定ともいう)やサイズ情報を確定させる。記録媒体の種類は、例えば普通紙、薄紙、厚紙、光沢紙、記録媒体の坪量等の情報等を含む。サイズ情報には、A4、B4といった定型用紙サイズ、非定型用紙サイズの情報等を含む。プリント指示を受けると、主制御装置300はプリント時速度判断部308で搬送速度や帯電電圧の設定を確定し、プリント制御部303に通知する。プリント制御部303は、プレスタート指示で動作させていた搬送速度の設定や帯電電圧の設定と、プリント時速度判断部308から受けた通知とが一致するかを比較し、異なる場合は切り替え制御を指示する。切り替え制御に関しては後述する。切り替え制御が不要な場合、又は切り替え動作が完了した場合、プリント制御部303は給紙ソレノイド309を駆動させ、記録媒体を給紙し、画像形成を開始する。
【0020】
第1の検知手段であるサイズ検知部310は記録媒体の先端をレジセンサ110が検知してから所定時間が経過した後に紙幅センサ311の論理を確認することで記録媒体の幅情報を検知し、検知結果を記憶部(不図示)に記憶する。サイズ検知部310は、例えば、給紙カセット140の記録媒体が交換された後の最初に搬送された記録媒体の幅を検知し、記憶部に記憶する。第2の検知手段であるカセット有無検知部312はカセット有無センサ141の論理を常時監視している。カセット有無検知部312は、カセットありからカセットなしに論理が変化すると、サイズ検知部310にカセットなしを通知し、サイズ検知部310は給紙カセット140に紐づけられた記録媒体の幅情報をクリアする。プリント制御部303は、給紙ソレノイド309を制御しピックアップローラ105を動作させる。
【0021】
[速度判断フローチャート]
(プレスタート実施判断処理)
図4(a)は判断手段であるプレスタート実施判断部302が行う処理を示すフローチャートである。主制御装置300が画像コントローラ301からプレスタート指示を受け付けると、プレスタート実施判断部302はステップ(以下、Sとする)400以降の処理を実施する。S400でプレスタート実施判断部302は、サイズ検知部310によって記録媒体のサイズ(以下、用紙サイズという)が測定された(測定済み)か否かを判断する。S400でプレスタート実施判断部302は、用紙サイズが未測定であると判断した場合、処理をS401に進め、測定済みであると判断した場合、処理をS402に進める。S401でプレスタート実施判断部302は、幅広の用紙が給紙カセット140にセットされていると仮定してプレスタートを実施すると判断し、処理を終了する。S402でプレスタート実施判断部302は、給紙カセット140に紐づけて記憶部に記憶された用紙サイズ情報を参照し、用紙サイズ情報が幅狭か否かを判断する。S402でプレスタート実施判断部302は、用紙サイズ情報が幅狭であると判断した場合、処理をS403に進め、幅狭ではなく幅広であると判断した場合、処理をS401に進める。S403でプレスタート実施判断部302は、用紙サイズが幅狭の場合には低速でプリントする、すなわち低速の画像形成速度で画像形成を行う必要があるため、プレスタートを実施しないと判断し、処理を終了する。
【0022】
(プリント時速度判断処理)
図4(b)は決定手段であるプリント時速度判断部308が行う処理を示すフローチャートである。主制御装置300がプリント指示を受けると、プリント時速度判断部308はS404以降の処理を実施する。S404でプリント時速度判断部308は、画像コントローラ301から強制低速指示を受けたか否かを判断する。S404でプリント時速度判断部308は、強制低速指示があると判断した場合、処理をS405に進め、ないと判断した場合、処理をS406に進める。S405でプリント時速度判断部308は、画像形成速度(以下、単に速度ともいう)を第1の速度とは異なる第2の速度である2速と判断し、処理を終了する。S406でプリント時速度判断部308は、記録媒体の紙種指定を参照して普通紙又は薄紙が指定されているか否かを判断する。S406でプリント時速度判断部308は、普通紙又は薄紙が指定されていると判断した場合、処理をS407に進め、普通紙又は薄紙が指定されていないと判断した場合、処理をS405に進める。
【0023】
S407でプリント時速度判断部308は、定型用紙サイズが指定されているか否かを判断する。S407でプリント時速度判断部308は、定型用紙サイズが指定されていると判断した場合、処理をS408に進め、定型用紙サイズが指定されていないと判断した場合、処理をS409に進める。S408でプリント時速度判断部308は、指定されている用紙サイズを参照し、用紙サイズが幅狭であるか否かを判断する。S408でプリント時速度判断部308は、用紙サイズが幅狭であると判断した場合、処理をS405に進め、用紙サイズが幅広であると判断した場合、処理をS409に進める。
【0024】
S409でプリント時速度判断部308は、印字面を参照し、印字面が表面か否かを判断する。S409でプリント時速度判断部308は、印字面が表面であると判断した場合、処理をS411に進め、裏面であると判断した場合、処理をS410に進める。S410でプリント時速度判断部308は、表面と速度を合わせるために表面の速度判断を引き継ぎ、処理を終了する。S411でプリント時速度判断部308は、サイズ検知部310によって用紙サイズを測定したか否かを判断する。S411でプリント時速度判断部308は、用紙サイズを測定済みであると判断した場合、処理をS413に進め、測定済みではないと判断した場合、処理をS412に進める。S412でプリント時速度判断部308は、幅広の用紙が給紙カセット140にセットされていると仮定して画像形成速度を第1の速度である1速と判断し、処理を終了する。S413でプリント時速度判断部308は、記憶部に記憶された用紙サイズ情報が幅狭か否かを判断する。S413でプリント時速度判断部308は、用紙サイズが幅狭であると判断した場合、処理をS405に進め、用紙サイズ情報が幅広であると判断した場合、処理をS412に進める。なお、実施例1では、2速は例えば1速よりも低速とする。また、準備動作時の所定の画像形成速度は、1速とする。
【0025】
このように実施例1では、
図4(a)、
図4(b)の判断を組み合わせることで、次のような制御を行う。実施例1ではプリント指示を受けたタイミングで確定する情報に依らず、プレスタート指示の段階でサイズ検知部310により記憶された用紙幅情報によって速度切り替えが発生することが判断できる場合は、プレスタートを実施しない。以降で、プレスタートを実施しないことによる制御の変化と効果について、具体的に説明する。
【0026】
[プリント開始~給紙制御開始までのタイミングチャート]
図5は実施例1のプレスタート指示から記録媒体の給紙までのタイミングチャートである。
図5(a)はプレスタートを実施し、プリント指示を受けて速度切り替えを実施する場合、
図5(b)はプレスタートを実施せず、プリント指示を受けてから低速でプリント動作を開始し、記録媒体を給紙するまでのタイミングチャートである。また、両図において、(i)はメインモータ304の速度(1速、2速等)を示し、(ii)は転写制御部306が行う制御(クリーニング、ATVC、非通紙時制御等)を示す。(iii)は帯電制御部305が行う制御(普通紙設定、プリント指示向け設定等)を示し、(iv)は給紙ソレノイド309のオン(ON、ハイレベルで示す)とオフ(OFF、ローレベルで示す)を示す。横軸はいずれも時間を示す。以降では
図5(a)と
図5(b)を比較して説明する。
【0027】
図5(a)の場合、画像コントローラ301からプレスタート指示を受けると、メインモータ304は1速で駆動を開始する。帯電制御部305は普通紙設定で帯電電圧を印加し、感光ドラム122を一様に帯電させる。感光ドラム122が一様に帯電されるまでの区間、転写制御部306は転写制御を実施しない。そのため、転写ローラ103上は帯電電圧によって負極性の電圧が印加され、負極性のトナーを感光ドラム122上に吐き出すクリーニング制御となる。感光ドラム122が一様に帯電されると、転写制御部306は正電圧を印加し、ATVCを開始する。画像コントローラ301からプリントの指示を受け、プリント時速度判断部308が2速と判断すると、帯電制御部305はプリント指示に応じた帯電電圧設定(プリント指示向け設定)に制御を切り替える。切り替えた帯電電圧設定で感光ドラム122が一様に帯電されるのを待って、プリント制御部303はメインモータ304の速度を2速に切り替える。転写制御部306は、記録媒体の給紙が開始されるまでATVCを実施し、記録媒体の給紙が開始されると、非通紙時制御を実施する。非通紙時とは、転写ローラ103を記録媒体が通過していないときをいい、非通紙時制御は公知の制御であるため説明を省略する。このように制御することによって、感光ドラム122が一様に帯電されたタイミングを正確に判断している。帯電電圧設定が変更されているので、転写ローラ103に流れる電流の関係が変化する。画像を好適な設定で形成するために、転写制御部306はATVCを再実行する。ATVCが完了すると、プリント制御部303は給紙ソレノイド309に給紙の指示を出すことができる。
【0028】
一方で
図5(b)の場合、画像コントローラ301からプレスタート指示を受けてもプレスタート実施判断部302の判断によってプリント制御部303はプレスタートを実施しない。プリント制御部303は画像コントローラ301からプリント指示を受信して、プリント時速度判断部308が2速と判断するとメインモータ304は最初から2速で駆動を開始し、帯電制御部305もプリント指示に応じた帯電電圧設定で帯電電圧を印加する。感光ドラム122が一様に帯電されるのを待って転写制御部306はATVCを開始し、ATVCが完了すると、プリント制御部303は給紙ソレノイド309に給紙の指示を出すことができる。
【0029】
図5(a)と
図5(b)とを比較すると、プレスタート指示からプリント指示まで1速で駆動している区間と、メインモータ304の速度切り替えまでの速度差がある区間において、感光ドラム122の寿命が
図5(a)のほうが進行してしまう。また、プレスタート指示から給紙ソレノイド309の駆動までを比較すると、
図5(b)のようにプレスタートを実施しないほうが、早く給紙できる。
【0030】
以上のようにプレスタート指示を受け付けた段階で、プレスタートを実施すべきか否かを判断し、場合によってはプレスタートを実施しないことによって、消耗品の寿命をむやみに減らさず、かつプレスタート指示から給紙までの時間を状況に応じて最適化できる。
以上、実施例1によれば、複数の画像形成速度を有する画像形成装置で、ファーストプリントアウト時間の短縮を図りつつ、画像形成速度の切り替え動作の発生を抑えてファーストプリントアウト時間が長くなることや消耗品寿命の進行を抑えることができる。
【実施例2】
【0031】
画像形成装置100の断面図に関しては実施例1と同等であるため省略する。実施例2では、搬送路上の紙幅センサではなく、給紙カセット140上の用紙幅規制板のサイズ検知機構を用いた場合における、プレスタート実施判断部302の判断方法について説明する。
【0032】
[紙幅検知機構]
図6は給紙カセット140上に配置された用紙幅規制板と、用紙幅規制板を用いたサイズ検知機構の構成を示した図である。用紙幅規制部材600を用紙に合わせてスライドさせると、カセットカム601が連動して移動する。その後、給紙カセット140が画像形成装置100にセットされると、カセットカム601の右端リブ602が、本体カム603のリブ部604を押すことで、スライド可変抵抗605の突起部が移動する。スライド可変抵抗605の抵抗値を検知することで、用紙サイズ幅を検知することが可能である。用紙幅規制部材600を用いて用紙幅を検知する機構を、以下、位置センサ701という。
【0033】
[画像形成装置の速度制御システム構成]
用紙幅規制板を用いた場合の速度制御システムについて説明する。
図7は、速度制御システム構成を説明するためのブロック図である。
図3と同じ構成の部分は説明を省略する。サイズ検知部310は給紙カセット140が主制御装置300にセットされたタイミング以降の、位置センサ701の検知結果を取得し、記憶部(不図示)に記憶する。
【0034】
[速度判断フローチャート]
(プレスタート実施判断処理)
実施例2のプレスタート実施判断部302、プリント時速度判断部308の判断について、
図8を用いて説明する。
図8(a)はプレスタート実施判断部302のフローチャートである。S800でプレスタート実施判断部302は、サイズ検知部310で位置センサ701によって検知した用紙サイズ情報を参照し、用紙サイズ情報が幅狭か否かを判断する。S800でプレスタート実施判断部302は、用紙サイズ情報が幅狭であると判断した場合、処理をS802に進め、用紙サイズ情報が幅広であると判断した場合、処理をS801に進める。S801でプレスタート実施判断部302は、プレスタートを実施すると判断し、処理を終了する。S802でプレスタート実施判断部302は、低速でプリントする必要があるため、プレスタートを実施しないと判断し、処理を終了する。
【0035】
(プリント時速度判断処理)
図8(b)はプリント時速度判断部308のフローチャートである。
図8(b)のS803~S809の処理は、
図4(b)のフローチャートのS404~S410の処理と同じであるため、説明は省略する。S808でプリント時速度判断部308が、印字面が表面であると判断した場合、処理をS810の処理に進める。これは、画像コントローラ301によって強制低速指示がない、記録媒体の紙種指定で普通紙又は薄紙が指定されている、非定型のサイズが指定されている又は指定用紙サイズが幅広の定型紙である、印字面が表面である場合である。S810でプレスタート実施判断部302は、記憶部に記憶されている用紙サイズ情報を参照し、用紙サイズ情報が幅狭であるか否かを判断する。S810でプレスタート実施判断部302は、用紙サイズ情報が幅広であると判断した場合、処理をS811に進める。S811でプレスタート実施判断部302は、画像形成速度を1速と判断し、処理を終了する。S810でプレスタート実施判断部302は、用紙サイズ情報が幅狭であると判断した場合、S804で画像形成速度を2速と判断し処理を終了する。
【0036】
以上のように、給紙カセット140に位置センサ701を備えるような画像形成装置の場合、位置センサ701を用いて速度制御を行う。この場合、給紙カセット140の抜き差し動作を伴った場合でもその直後から用紙サイズに応じてプレスタート実施判断部302でプレスタートの判断を好適に行えるようになる。また、実施例2では給紙カセット140に配置された位置センサ701単独で用紙の幅を検知する構成について説明した。しかし、規制板はユーザーが適切に設置せずに利用される場合も考えられるため、実施例1のような搬送路上の紙幅センサと組み合わせて用いることも考えられる。例えば、サイズ検知部310は位置センサ701が用紙を幅広と判断できる位置にあったとしても、搬送された用紙のサイズ情報が幅狭であると判断された場合には、次のように処理してもよい。すなわち、給紙カセット140の入れ替えが行われるまでの間、給紙カセット140には幅狭の用紙がセットされているものとして扱ってもよい。
以上、実施例2よれば、複数の画像形成速度を有する画像形成装置で、ファーストプリントアウト時間の短縮を図りつつ、画像形成速度の切り替え動作の発生を抑えてファーストプリントアウト時間が長くなることや消耗品寿命の進行を抑えることができる。
【実施例3】
【0037】
実施例3では、画像形成装置100が複数の給紙カセットを備える場合のプレスタート実施判断部302、及びプリント時速度判断部308の判断方法について説明する。
【0038】
[画像形成装置の全体構成]
図9は実施例3の画像形成装置100の断面図である。
図1と同じ構成の部分についての説明は省略する。画像形成装置100は第2の給紙カセット900を備え、給紙カセット900の着脱状態はカセット2有無センサ901で検知できる。給紙カセット900の記録媒体の有無はカセット2紙有無センサ902で検知できる。画像形成装置100は、画像コントローラ301からプリント指示の段階で、給紙カセット140の記録媒体か給紙カセット900の記録媒体かのいずれかを指定される。給紙カセット900からプリントを行う場合はメインモータ304の駆動に加え、給紙ソレノイド(不図示)を駆動する。給紙カセット900に対応する給紙ソレノイドを駆動すると、ピックアップローラ904が所定時間駆動しつつ記録媒体の用紙面に降下し、分離ローラ903によって記録媒体が一枚搬送路へと送り出される。給紙カセット900は、カセット2有無センサ901、カセット2紙有無センサ902を有している。実施例3の紙幅検知機構は、実施例1のものと同一のものを用いるため、説明を省略する。
【0039】
[画像形成装置の速度制御システム構成]
実施例3の画像形成装置100の速度制御システムについて説明する。
図10は、速度制御システム構成を説明するためのブロック図である。
図3と同じ構成の部分は説明を省略する。画像コントローラ301はプリント指示で
図3の情報に加えて、複数の給紙カセットの中から使用する給紙カセット情報を確定させる。プリント制御部303は給紙カセット情報に対応した給紙ソレノイド309又は給紙ソレノイド1000を駆動させ、記録媒体を給紙し、画像を形成する。サイズ検知部310は記録媒体の先端をレジセンサ110が検知して所定時間後に紙幅センサ311の論理を確認することで記録媒体の幅情報を検知し、検知結果を給紙した給紙カセットに紐づけて(関連付けて)記憶部(不図示)に記憶する。したがって、カセット有無検知部312によって給紙カセット140の用紙なしが通知されると、サイズ検知部310は給紙カセット140に紐づけられた記録媒体の幅情報をクリアする。また、カセット2有無検知部1001は、カセット2有無センサ901の論理を常時監視しており、給紙カセットありから給紙カセットなしに論理が変化すると、サイズ検知部310に給紙カセット900の用紙なしを通知する。そして、サイズ検知部310は給紙カセット900に紐づけられた記録媒体の幅情報をクリアする。
【0040】
以上のように制御することで、複数の給紙口(給紙カセット140、900)に対して単一の紙幅検知機構しか持たない画像形成装置においても、複数の給紙口毎に記録媒体のサイズ情報を管理することが可能になる。続いて、実施例3のプレスタート実施判断部302及びプリント時速度判断部308の判断方法について説明する。
【0041】
[速度判断フローチャート]
(プレスタート実施判断処理)
図11は、実施例3のプレスタート実施判断部302、プリント時速度判断部308の判断フローチャートである。
図11(a)はプレスタート実施判断部302のフローチャートである。S1100でプレスタート実施判断部302は、いずれかの給紙カセットの用紙があるか否かを判断する。すなわち、プレスタート実施判断部302は、カセット有無検知部312及びカセット2有無検知部1001の検知結果に基づいて、いずれか1つ以上の給紙カセットに記録媒体があるか否かを判断する。S1100でプレスタート実施判断部302は、すべてのカセットが用紙なし又は給紙カセットなしであると判断した場合、処理をS1101に進める。S1101でプレスタート実施判断部302は、プレスタートを実施しないと判断し、処理を終了する。S1100でプレスタート実施判断部302は、いずれか1つ以上の給紙カセットに記録媒体があると判断した場合、処理をS1102に進める。
【0042】
S1102でプレスタート実施判断部302は、サイズ検知部310によって用紙サイズをまだ測定していない(以下、用紙サイズ未測定とする)の給紙カセットがあるか否かを判断する。1102でプレスタート実施判断部302は、用紙サイズ未測定の給紙カセットがあると判断した場合、処理をS1103に進め、ないと判断した場合、処理をS1104に進める。S1103でプレスタート実施判断部302は、プレスタートを実施すると判断し、処理を終了する。S1104でプレスタート実施判断部302は、測定(確定)済みの全ての給紙カセットの用紙サイズ情報が幅狭であるか否かを判断する。S1104でプレスタート実施判断部302は、すべての用紙サイズ情報が幅狭であると判断した場合、処理をS1101に進め、S1101ではプレスタートを実施しないと判断し、処理を終了する。S1104でプレスタート実施判断部302は、1つでも幅広の用紙サイズ情報を持つ給紙カセットが存在すると判断した場合、処理をS1103に進め、S1103ではプレスタートを実施すると判断し、処理を終了する。
【0043】
(プリント時速度判断処理)
図11(b)はプリント時速度判断部308のフローチャートである。
図4の制御フローチャートと同じ処理には同じステップ番号(S404~S410、S412)を付し説明は省略する。プリント時速度判断部308は、S409で印字面が表面であると判断した場合、S1105の処理を行う。すなわち、画像コントローラ301によって強制低速指示がない、記録媒体の紙種指定が普通紙又は薄紙である、非定型のサイズが指定されている又は指定用紙サイズが幅広の定型紙である、印字面が表面である場合、次の処理を行う。S1105でプリント時速度判断部308は、画像コントローラ301から指定された給紙カセットの用紙サイズ情報を参照し、サイズ検知部310が測定済みか否かを判断する。S1105でプリント時速度判断部308は、用紙サイズを未測定であると判断した場合、処理をS412に進め、S412では幅広の記録媒体が指定された給紙カセットにセットされていると仮定して画像形成速度を1速と判断し、処理を終了する。
【0044】
S1105でプリント時速度判断部308は、用紙サイズが測定済みであると判断した場合、処理をS1106に進める。S1106でプリント時速度判断部308は、指定された給紙カセットの用紙サイズ情報を参照し、用紙サイズ情報が幅狭であるか否かを判断する。S1106でプリント時速度判断部308は、用紙サイズ情報が幅広であると判断した場合、処理をS412に進め、S412で画像形成速度を1速と判断し、処理を終了する。S1106でプリント時速度判断部308は、用紙サイズ情報が幅狭であると判断した場合、処理をS405に進め、S405で画像形成速度を2速と判断し、処理を終了する。
【0045】
実施例3では、
図11(a)と
図11(b)のフローチャートを組み合わせて判断することにより、複数の給紙カセットを持つ画像形成装置においても、プレスタートを実施するか否かをプレスタート指示のタイミングで可能な限り判断することができる。そして、プレスタート実施判断部302でプレスタートの判断を好適に行えるようになる。なお、実施例3では、紙幅検知機構は搬送路上の紙幅センサですべての給紙カセットに対して紙幅を判断している。しかし、実施例2のように、給紙カセットの規制板の位置センサを備える給紙カセットを用い、給紙カセットの用紙サイズの判断に給紙カセットの位置センサを用いるようにしてもよい。
以上、実施例3によれば、複数の画像形成速度を有する画像形成装置で、ファーストプリントアウト時間の短縮を図りつつ、画像形成速度の切り替え動作の発生を抑えてファーストプリントアウト時間が長くなることや消耗品寿命の進行を抑えることができる。
【符号の説明】
【0046】
100 画像形成装置
120 カートリッジ
140 給紙カセット
302 プレスタート実施判断部
310 サイズ検知部