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特許7566636メロシアニン、及び少なくとも1つのアルキルカーボネート又はアルキレンカーボネートを含む油性相を含む化粧用組成物又は皮膚科用組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】メロシアニン、及び少なくとも1つのアルキルカーボネート又はアルキレンカーボネートを含む油性相を含む化粧用組成物又は皮膚科用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/41 20060101AFI20241007BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20241007BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20241007BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20241007BHJP
【FI】
A61K8/41
A61K8/37
A61K8/49
A61Q17/04
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020572514
(86)(22)【出願日】2019-06-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 EP2019067228
(87)【国際公開番号】W WO2020002537
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2020-12-24
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】1855828
(32)【優先日】2018-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】マハシン・サフォウアン
(72)【発明者】
【氏名】アメリー・バロン
(72)【発明者】
【氏名】ジュリー・グリュメラール
【合議体】
【審判長】木村 敏康
【審判官】小石 真弓
【審判官】阪野 誠司
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-533708(JP,A)
【文献】国際公開第2017/042227(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/111562(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/111568(WO,A1)
【文献】特表2016-540005(JP,A)
【文献】特表2014-529337(JP,A)
【文献】Merocyanine derivatives for cosmetic use,IP.COM JOURNAL,米国,IP.COM INC,2004年03月04日,p.1-194
【文献】USE OF MEROCYANINE DERIVATIVES AS UV ABSORBERS IN COSMETIC FORMULATIONS (I),IP COM JOURNAL,米国,IP.COM.INC.,2009年02月23日,p.1-62
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)以下の式(3)
【化1】

(式中、
Aは、-O-又は-NHであり;
Rは、C~C22アルキル基、C~C22アルケニル基、C~C22アルキニル基、C~C22シクロアルキル基、又はC~C22シクロアルケニル基であり、前記基は、1つ又は複数のOで中断されていてもよい)
に相当するもの、そしてまたそのE/E-又はE/Z-幾何異性体の形態から選択される、少なくとも1つのメロシアニンと、
b)組成物の総質量に対して、1質量%から15質量%の濃度で存在する、少なくとも1つのジアルキルカーボネート又はアルキレンカーボネートを含む少なくとも1つの油性相と、
を含み、
前記ジアルキルカーボネートのアルキル基がC2~C4アルキル基であり、前記アルキレンカーボネートのアルキレン基がC2~C4アルキレン基であり、かつ
前記メロシアニンが、組成物の総質量に対して、0.1質量%から10質量%の量である、化粧用組成物又は皮膚科用組成物。
【請求項2】
式(3)のメロシアニンは、以下の化合物:
【化2】
【化3】
そしてまたそれらのE/E-又はE/Z-幾何異性体の形態から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
式(3)のメロシアニンは、前記化合物2-エトキシエチル(2Z)-シアノ{3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]シクロヘキサ-2-エン-1-イリデン}エタノエート(25)及び/又は前記化合物エチル(2Z)-シアノ[3-[(3-メトキシプロピル)アミノ]シクロヘキサ-2-エン-1-イリデン]エタノエート(14)並びにそれらの混合物から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記メロシアニンは、前記組成物の総質量に対して、0.5質量%から10質量%の範囲の濃度で存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記アルキレンカーボネートは、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、及び1,2-ブチレンカーボネートから選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記ジアルキルカーボネートは、ジエチルカーボネート及びジプロピルカーボネートから選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
追加のUVスクリーニング剤を含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
ケラチン物質をケアし、及び/又はメイクアップする非治療的な美容的方法であって、前記ケラチン物質の表面に、請求項1~7のいずれか一項に記載の少なくとも1つの組成物を塗布することを含む美容的方法。
【請求項9】
皮膚の黒ずみを制限し、及び/又は肌の色及び/又は肌色の均一性を向上させる非治療的な美容的方法であって、ケラチン物質の表面に、請求項1~7のいずれか一項に記載の少なくとも1つの組成物を塗布することを含む美容的方法。
【請求項10】
ケラチン物質の老化の徴候を予防し、及び/又は処置する非治療的な美容的方法であって、ケラチン物質の表面に、請求項1~7のいずれか一項に記載の少なくとも1つの組成物を塗布することを含む美容的方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は:
a)以下で詳細に定義される式(1)又は式(2)の少なくとも1つのメロシアニン、及び
b)少なくとも1つのアルキルカーボネート又はアルキレンカーボネートを含む少なくとも1つの油性相
を含む化粧用組成物又は皮膚科用組成物に関する。
【0002】
本発明はまた、ケラチン物質をケアし、及び/又はメイクアップする非治療的な美容的方法であって、前記ケラチン物質の表面に、先で定義されるような本発明に従う少なくとも1つの組成物を塗布することを含む美容的方法に関する。
【0003】
本発明はまた、皮膚の黒ずみを制限し、及び/又は肌の色及び/又は肌色の均一性を向上させる非治療的な美容的方法であって、ケラチン物質の表面に、先で定義される少なくとも1つの組成物を塗布することを含む美容的方法に関する。
【0004】
本発明はまた、ケラチン物質の老化の徴候を予防し、及び/又は処置する非治療的な美容的方法であって、ケラチン物質の表面に、先で定義される少なくとも1つの組成物を塗布することを含む美容的方法に関する。
【背景技術】
【0005】
波長が280nmから400nmである放射線が、ヒト表皮を日焼けさせることが可能であること、そして波長が280から320nmである、UVB放射線の名で知られている放射線が、自然な日焼けの進行を損なうことが知られている。曝露はまた、表皮の生体力学的特性の減損を誘発する傾向があり、これは、しわの外観によって反映されるものであり、皮膚の早期老化に至る。
【0006】
また、波長が320から400nmであるUVA放射線は、UVB放射線よりも皮膚に深く侵入することが知られている。UVA放射線は、皮膚の即時及び持続的な褐色化を引き起こす。正常な状態で、UVA放射線に毎日曝露されると、たとえ短期間であっても、コラーゲン繊維及びエラスチンに損傷が生じる虞があり、これは、皮膚の微小起伏、しわの外観、及びむらのある色素沈着(肝斑、肌色の不均一)への改変によって反映される。
【0007】
したがって、UVA放射線及びUVB放射線からの保護が必須である。有効な光防護製品であれば、UVA放射線及びUVB放射線の双方から保護するに違いない。
【0008】
現在まで、UVA放射線及び/又はUVB放射線によって誘導される作用を克服するための多くの光防護組成物が提唱されてきた。これらは一般に、有機UVスクリーニング剤及び/又は無機UVスクリーニング剤を含有しており、これらは、それら自体の化学的性質に従って、そしてそれら自体の特性に従って、UV放射線の吸収、反射、又は散乱によって、機能する。これらは一般に、脂溶性の有機スクリーニング剤及び/又は水溶性のUVスクリーニング剤の、金属酸化物色素、例えば二酸化チタン又は酸化亜鉛と組み合わされた混合物を含有する。
【0009】
現在まで、皮膚の黒ずみを制限すること、そして肌の色及び肌色の均一性を向上させることが意図される多くの化粧用組成物が提唱されてきた。そのような組成物は、UVスクリーニング剤、特にUVBスクリーニング剤を用いて得られ得ることが、日焼け止め製品の分野において周知である。一部の組成物が、UVAスクリーニング剤も含有し得る。このスクリーニング系は、色素沈着全体を促進するメラニンのネオ合成を制限及び制御する目的で、UVB保護をカバーしなくてはならないが、皮膚を黒ずませている既存のメラニンの酸化を制限及び制御するために、UVA保護もカバーしなくてはならない。
【0010】
しかしながら、色に関して、そしてその機械的弾性特性に関して、皮膚の光防護に、特に皮膚の質の向上に特に適していると考えられるUVスクリーニング剤の特定の組合せを含有する組成物を見出すことは、極めて困難である。
【0011】
好都合にも、この向上は、色素メラニンの負荷も、皮膚内に既に存在するメラニンの構造も増大させない目的で、既に着色されている皮膚に特に所望されている。
【0012】
実際、大部分の有機UVスクリーニング剤は、280から370nmの波長範囲で吸収する芳香族化合物からなる。それらの太陽放射線スクリーニング能力に加えて、所望される光防護化合物はまた、良好な化粧特性、通常の溶媒中での、特に脂質、例えば油中での良好な溶解性、そしてまた、良好な光安定性を単独で、又は他のUVスクリーニング剤と組み合わせて有していなければならない。また、無色であるか、少なくとも、消費者にとって美容的に許容可能な色を有していなければならない。
【0013】
これらの組成物のこれまで知られている主要な欠点の1つが、UVスペクトルの全体にわたってUV放射線をスクリーニングする系によって、光誘導性色素沈着及びその発生を制御する目的で、これらのスクリーニング系の、UV放射線に対する、特に波長が370nmを超える長いUVA放射線に対する効率が、不十分であるということである。
【0014】
この目的のために推奨されてきた全ての化合物のうち、炭化されたメロシアニン誘導体からなるUVスクリーニング剤の有利なファミリが提唱されており、これは、米国特許第4195999号明細書、国際公開第2004/006878号パンフレット、及び2004年4月3日出版の文献IP COM Journal 4(4),16 No.IPCOM000011179Dに記載されている。これらの化合物は、長いUVA照射領域において非常に良好なスクリーニング特性を有するが、溶解性が、通常の溶媒中で、特に脂質、例えば油中で十分に満足のいくものではなく、そして一部のメロシアニンについて、光安定性が不満足なものである。
【0015】
通常の溶媒中でのより良好な溶解性及びより良好な光安定性を有する他のメロシアニンを探す目的で、国際公開第2013/011094号パンフレットは、ヒドロキシル官能基及びエーテル官能基からなる極性基を含むメロシアニンを提唱しており、これは良好な、長いUVAスクリーニング効率を示す。しかしながら、この特定のメロシアニンの油溶性は、まだ完全に満足のいくものではなく、多くの場合、細心の製剤化プロセスを必要とする。さらに、このタイプのメロシアニンを溶解させるのに必要とされる多量の溶媒が、塗布に及ぼす粘着性のベタベタした作用等の化粧の欠点の原因となる虞がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ゆえに、少なくとも1つの油性相を含む光防護製剤において、特に長期間に亘る、これらのメロシアニンの溶解性を向上させる必要がある。
【0017】
驚くべきことに、本出願人は、アルキルカーボネート又はアルキレンカーボネートを用いることによって、低温下及び長期間に亘るこれらのメロシアニンの油性相中の溶解性を実質的に向上させることが可能であることを発見した。この発見が、本発明の基礎を形成する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
ゆえに、本発明の主題の1つに従えば、特に:
a)以下で詳細に定義される式(1)又は式(2)の少なくとも1つのメロシアニン、及び
b)少なくとも1つのアルキルカーボネート又はアルキレンカーボネートを含む少なくとも1つの油性相
を含む、化粧用組成物又は皮膚科用組成物をここに提唱する。
【0019】
本発明はまた、ケラチン物質をケアし、及び/又はメイクアップする非治療的な美容的方法であって、前記ケラチン物質の表面に、先で定義される本発明に従う少なくとも1つの組成物を塗布することを含む美容的方法に関する。
【0020】
本発明はまた、皮膚の黒ずみを制限し、及び/又は肌の色及び/又は肌色の均一性を向上させる非治療的な美容的方法であって、ケラチン物質の表面に、先で定義される少なくとも1つの組成物を塗布することを含む美容的方法に関する。
【0021】
本発明はまた、ケラチン物質の老化の徴候を予防し、及び/又は処置する非治療的な美容的方法であって、ケラチン物質の表面に、先で定義される少なくとも1つの組成物を塗布することを含む美容的方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の他の特徴、態様、及び利点は、後に続く詳細な説明を読めば直ぐに明らかとなろう。
【0023】
用語「ケラチン物質」は、(体、顔、そして眼周辺の)皮膚、毛髪、睫毛、眉、体毛、爪、唇、又は粘膜を意味する。
【0024】
用語「生理的に許容可能な」は、皮膚及び/又はその外皮と適合することを意味し、これは、好感の持てる色、匂い、及び感触を有し、そして消費者にこの組成物を使うことを思い留まらせがちな、少しも容認できない不快感(ヒリヒリ感、緊縮性、又は赤み)を生じさせない。
【0025】
用語「XからY」は、境界X及びYも含む値の範囲を意味する。
【0026】
本発明に従えば、用語「予防する」又は「予防」は、所定の現象、すなわち、本発明に従えば、ケラチン物質の老化の徴候の発生のリスクを引き下げ、又は発生を遅らせることを意味する。
【0027】
メロシアニン
本発明に従えば、本発明に従うメロシアニン化合物は、以下の式(1)又は式(2)
【化1】
(式中、
及びRは、互いに独立して、水素;C~C22アルキル基、C~C22アルケニル基、又はC~C22アルキニル基であり、これらの基は、少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されていてもよいし、そうでなければ少なくとも1つの-O-で中断されていてもよく;そうでなければR及びRは、これらを結合する窒素原子と一緒に、場合によっては-O-又は-NH-で中断されていてもよい-(CH-環を形成し;
は、-(C=O)OR基;又は-(CO)NHR基であり;
は、C~C22アルキル基、C~C22アルケニル基、C~C22アルキニル基、C~C22シクロアルキル基、又はC~C22シクロアルケニル基であり、前記基は、1つ又は複数のOHで置換されていてもよく;
及びRは、水素であり;或いはR及びRは、C~Cアルキル基で置換されていてもよいし、及び/又は1つ又は複数の-O-で、若しくは-NH-で中断されていてもよい-(CH-環を形成し;
nは、2から7の数であり;
及びRは、互いに独立して、水素;C~C22アルキル基、C~C22アルケニル基、C~C22アルキニル基であり、前記基は、1つ又は複数のOで中断されていてもよいし、及び/又は1つ又は複数のOHで置換されていてもよく;C~C22シクロアルキル基或いはC~C22シクロアルケニル基であり、前記基は、1つ又は複数の-O-で中断されていてもよく;
そうでなければR及びRは、これらを結合する窒素と一緒に、1つ又は複数の-O-で中断されていてもよい-(CH-環を形成し;
及びR10は、水素であり;或いはR及びR10は、C~Cアルキルで置換されていてもよいし、及び/又は-O-若しくは-NH-で中断されていてもよい-(CH-環を形成し;
nは、2から7の数であり;
Aは、-O-;又は-NHであり;
11は、C~C22アルキル基;C~C22アルケニル基;C~C22アルキニル基;C~C22シクロアルキル基、若しくはC~C22シクロアルケニル基であり、前記基は、1つ又は複数のOで中断されていてもよく;又はC~C22シクロアルキル基若しくはC~C22シクロアルケニル基で置換されているC~C22アルキル基若しくはC~C22アルケニル基であり、前記C~C22シクロアルキル基又はC~C22シクロアルケニル基は、1つ又は複数の-O-で中断されていてもよい)
に相当する。
【0028】
好ましくは、式(1)又は式(2)の化合物は、以下の特徴を有する:
(I)R、R、又はR基の少なくとも1つが、ヒドロキシルで置換されており;
(II)Rの1つがヒドロキシエチルを示すならば、Rは、水素も、メチルも、エチルも、ヒドロキシエチルも示さず;Rが水素を示すならば、Rは、1-ヒドロキシ-3-メチルブタ-2-イルでなく;
(III)Rが1つ又は複数のOHで置換されているならば、R又はRの1つが、C~C22アルキル基であり;そうでなければR及びRは、これらが結合する窒素と一緒に、ピペリジル又はモルホリニルラジカルを形成し;
(IV)R、R、又はR11基のうちの少なくとも1つが、1つ又は複数の-O-で中断されている。
【0029】
好ましい化合物は、式(1)又は(2)式のものであり、式中:
及びRは、互いに独立して、水素、C~C12アルキル基;若しくはC~C12ヒドロキシアルキル基であり;又はR若しくはRの少なくとも1つが、C~C12ヒドロキシアルキル基であり、R、R、及びRは、先に示されるのと同じ意味を有する。
【0030】
好ましい化合物はまた、式(1)のものであり、式中:
は、C~C12アルキル基であり、これは、1つ又は複数のヒドロキシルで置換されていてもよい。
【0031】
最も優先される化合物もまた、式(1)のものであり、式中:
は、C~C12アルキル基であり、これは、1つ又は複数のヒドロキシルで置換されていてもよく;
又はR基の1つが、C~C22アルキル基であり;そうでなければR及びRは、これらを結合する窒素と一緒に、-O-及び/又は-NH-で中断されていてもよい-(CH-環を形成し;そして
及びR、並びにnは、先に示されるのと同じ意味を有する。
【0032】
好ましい化合物は、式(2)のものであり、式中:
11は、-(CH-O-R12基であり、式中
12は、C~C12アルキル基;又はC~Cアルコキシ-C~Cアルキル基であり;
mは、1から5の数であり;そして
、R、R、R10、及びAは、先に示されるのと同じ意味を有する。
【0033】
さらに優先される化合物は、式(1)又は式(2)のものであり、式中:
及びRが一方で、そしてR及びRが他方で、それぞれ、これらがそれぞれ結合する窒素原子と一緒に、ピペリジルラジカル又はモルホリニルラジカルを形成する。
【0034】
好ましい化合物はまた、式(1)及び式(2)のものであり、式中:
及びR、並びにR及びR10は、それぞれ、6個の炭素原子を含有する炭素ベースの環を形成する。
【0035】
最も優先される化合物は、式(1)のものであり、式中:
及びRは、互いに独立して、水素;若しくはC~C22アルキル基;若しくはC~C22ヒドロキシアルキル基であり;又はR及びRは、これらが結合する窒素原子と一緒に、ピペリジル若しくはモルホリニルラジカルを形成し;
は、-(C=O)OR基;又は-(CO)NHR基であり;
は、C~C22アルキル基であり、これは、1つ又は複数の-OHで置換されていてもよく;
及びRは、水素であり;又はR及びRは、一緒に結合して、6個の炭素原子を含有する炭素ベースの環を形成する。
【0036】
最も優先される化合物は、式(1)のものであり、式中:
及びRは、互いに独立して、水素又はC~C22ヒドロキシアルキル基であり;R基及びR基の少なくとも1つが、C~C22ヒドロキシアルキル基であり;
は、-(C=O)OR基;又は-(C=O)NHR基であり;
は、C~C22アルキル基であり;
及びRは、水素であり;又はR及びRは、一緒に結合して、6個の炭素原子を含有する炭素ベースの環を形成する。
【0037】
最も優先される化合物は、式(2)のものであり、式中:
及びRは、互いに独立して、水素又はC~Cアルキル基であり、これは、1つ又は複数の-O-と一緒でもよく;
Aは、-O-又は-NHであり;
11は、C~C22アルキルであり;そして
及びR10は、水素であり;又はR及びR10は、一緒に結合されて、6個の炭素原子を含有する炭素ベースの環を形成する。
【0038】
最も優先される化合物は、式(2)のものであり、式中:
及びRは、これらが結合する窒素原子と一緒に、モルホリニル又はピペリジルラジカルを形成し;
Aは、-O-又は-NHであり;
11は、C~C22アルキル基であり、これは、1つ又は複数の-O-で中断されていてもよく;そして
及びR10は、水素であり;又はR及びR10は、一緒に結合されて、6個の炭素原子を含有する炭素ベースの環を形成する。
【0039】
さらに優先される化合物は、式(2)のものであり、式中:
11は、-(CH-O-R12基であり、式中、
12は、C~Cアルキル基;又はC~Cアルコキシ-C~Cアルキル基であり;
mは、1から3の数であり;そして
及びRは、互いに独立して、水素;1つ又は複数のOで中断されていてもよいC~C12アルキル基であり;或いはR及びRは、これらが結合する窒素原子と一緒に、モルホリニル又はピペリジルラジカルを形成し;
及びR10は、水素であり、又は一緒に、6個の炭素原子を含有する炭素ベースの環を形成し;そして
Aは、-O-又は-NHである。
【0040】
本発明のメロシアニン化合物は、E/E-、E/Z-、又はZ/Z幾何異性体の形態であってよい。
【0041】
アルキル鎖、シクロアルキル鎖、アルケニル鎖、アルキリデン鎖、又はシクロアルケニル鎖は、直鎖状であっても、分枝状であっても、単環式であっても、多環式であってもよい。
【0042】
~C22アルキル基として、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、n-オクチル、1,1,3,3-テトラメチルブチル、2-エチルヘキシル、ノニル、デシル、n-オクタデシル、エイコシル、又はドデシルがある。
【0043】
置換されているアルキル基として、例えば、メトキシエチル、エトキシプロピル、2-エチルヘキシル、ヒドロキシエチル、クロロプロピル、N,N-ジエチルアミノプロピル、シアノエチル、フェネチル、ベンジル、p-tert-ブチルフェネチル、p-tert-オクチルフェノキシエチル、3-[2,4-ビス-(tert-アミル)フェノキシ]プロピル、エトキシカルボニルメチル-2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル、又は2-フリルエチルがある。
【0044】
ヒドロキシ置換されているアルキル基として、例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシヘキシル、ヒドロキシヘプチル、ヒドロキシオクチル、ヒドロキシノニル、又はヒドロキシデシルがある。
【0045】
~C22アルケニル基として、例えば、直鎖状のC~C12アルケニル鎖、又は優先的に、分枝状のC~C12アルケニル鎖がある。C~C22アルケニルとして、例えば、ビニル、アリル、2-プロペン-2-イル、2-ブテン-1-イル、3-ブテン-1-イル、1,3-ブタジエン-2-イル、2-シクロブテン-1-イル、2-ペンテン-1-イル、3-ペンテン-2-イル、2-メチル-1-ブテン-3-イル、2-メチル-3-ブテン-2-イル、3-メチル-2-ブテン-1-イル、1,4-ペンタジエン-3-イル、2-シクロペンテン-1-イル、2-シクロヘキセン-1-イル、3-シクロヘキセン-1-イル、2,4-シクロヘキサジエン-1-イル、1-p-メンテン-8-イル、4(10)-ツジェン-10-イル、2-ノルボルネン-1-イル、2,5-ノルボルナジエン-1-イル、7,7-ジメチル-2,4-ノルカラジエン-3-イル、又はヘキセニル、オクテニル、ノエニル、デセニル、若しくはドデセニルの種々の異性体がある。
【0046】
~C12シクロアルキル基として、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、若しくはトリメチルシクロヘキシル、又は優先的にシクロヘキシルがある。
【0047】
本発明に従うメロシアニンの例を、表Aにおいて一覧にする:
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
本発明の特に好ましい一形態に従えば、以下の式(3):
【化2】
(式中、
Aは、-O-又は-NHであり;
Rは、C~C22アルキル基、C~C22アルケニル基、C~C22アルキニル基、C~C22シクロアルキル基、又はC~C22シクロアルケニル基であり、前記基は、1つ又は複数のOで中断されていてもよい)
に相当するメロシアニンのファミリ、そしてまた、そのE/E-又はE/Z-幾何異性体の形態が用いられることとなる。
【0053】
本発明のメロシアニン化合物は、そのE/E-又はE/Z-幾何異性体の形態であってよい。
【化3】
【0054】
さらに優先される式(3)の化合物は、式中:
Aが、-O-であり;Rが、C~C22アルキルであり、これは、1つ又は複数のOで中断されていてもよい、ものである。
【0055】
式(3)の化合物のうち、以下の群から選択されるもの、そしてまた、それらのE/E-又はE/Z-幾何異性体の形態が特に用いられることとなる:
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】
【0058】
その中でも特に好ましい本発明の一形態に従えば、化合物(14)及び/又は化合物(25)並びにそれらの混合物、その中でも特に化合物(25)が、そのE/E及び/又はE/Z幾何異性体の形態で用いられることとなる。
【0059】
E/Z形態は、以下の構造を有する:
【化4】
【0060】
E/E形態は、以下の構造を有する:
【化5】
【0061】
本発明に従うスクリーニングメロシアニンは、本発明に従う組成物中に、組成物の総質量に対して、0.1質量%から25質量%、優先的に0.2質量%から20質量%、より良好には0.5質量%から10質量%に及ぶ濃度で存在してよい。
【0062】
式(1)及び式(2)の、そして特に式(3)の化合物は、例えば、J.Org.Chem.USSR(英語版)26(8),page 1562f(1990);J.Heterocycl.Chem.33(3),pages 763-766(1996);Khimiya Geterotsiklicheskikh Soedinenii 11,pages 1537-1543(1984);Khimiya Geterotsiklicheskikh Soedinenii 3,pages 397-404(1982);Chem.Heterocycl.Comp.(英語版)24(8),914-919(1988)に、そしてSynthetic Communications Vol.33,No.3,2003,p367-371に記載されるような既知のプロセスに従って調製され得る。
【0063】
本発明で用いられる化合物の合成は、米国特許出願公開第2003/0181483A1号明細書、国際公開第0234710号パンフレット、Eur.J.Org.Chem.2003,2250-2253、J.Med.Chem.1996,39,1112-1124、及びJ.Org.Chem.,Vol.37,No.8,1972,1141-1145にも、以下のように記載されている。
【化6】
【0064】
CH酸ビニログ性(vinylogen)化合物が、アミドアセタールと反応する。
【0065】
J.Heterocyclic Chem.,27,1990,1143-1151において、アミノアクリル酸エステル又はアミノアクリルニトリルが、エトキシメチレンシアノアセテートとエタノール中で反応して、本発明の対応する化合物を形成する。
【0066】
一方でR及びRが、又は他方でR及びR10が一緒に、それぞれ、6個の炭素原子を含有する炭素環を形成する式(1)又は式(2)の化合物は、国際公開第2007/071582号パンフレット、IP.com Journal(2009),9(5A),29-30 IPCOM000182396D、表題「Process for producing 3-amino-2-cyclohexan-1-ylidene compounds」、及び米国特許第A4749643号明細書、第13欄第66行~第14欄第57行に、そしてこの点に関して引用される参考文献に記載されるプロトコルに従って、調製され得る。
【0067】
アルキルカーボネート又はアルキレンカーボネート
一実施形態に従えば、本発明に従う組成物中に存在するアルキレンカーボネートのアルキレン鎖及び/又はアルキルカーボネートのアルキル基は、1~6個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子、より好ましくは2~4個の炭素原子を含み、1つ又は複数のヒドロキシル基で置換されていてもよい。
【0068】
他の実施形態に従えば、本発明に従う組成物中に存在するアルキレンカーボネートのアルキレン鎖の炭素の合計及び/又はアルキルカーボネートのアルキル基の炭素の合計は、炭素原子2~6個に及ぶ。
【0069】
アルキレンカーボネートは、特に、以下の式(4):
【化7】
(式(4)中、
R’は、水素原子、直鎖状又は分枝状C~Cアルキル基、直鎖状又は分枝状C~Cヒドロキシアルキル基を表し;
R’’は、水素原子、直鎖状又は分枝状C~Cアルキル基、直鎖状又は分枝状C~Cヒドロキシアルキル基を表し;
mは、1、2、又は3である)
のものから選択される。
【0070】
好ましくは、R’基は、水素原子、直鎖状又は分枝状C~Cアルキル基、直鎖状又は分枝状C~Cヒドロキシアルキル基を表す。
【0071】
R’’は、水素原子、直鎖状又は分枝状C~Cアルキル基、直鎖状又は分枝状C~Cヒドロキシアルキル基を表す。
【0072】
好ましくは、mは1である。
【0073】
特に有利なアルキレンカーボネートの例として、R’基が、水素原子(エチレンカーボネートに相当)、メチル基(プロピレンカーボネートに相当)、エチル(1,2-ブチレンカーボネートに相当)、ヒドロキシメチル(R’=-CHOH;グリセリルカーボネートに相当)を表す化合物を挙げることができる。
【0074】
好ましくは、使用されるアルキレンカーボネートはプロピレンカーボネートである。
【0075】
アルキルカーボネートは、特に、以下の式(5):
R’-O-CO-O-R’’
(式(5)中、
R’は、直鎖状又は分枝状C~Cアルキル基、直鎖状又は分枝状C~Cヒドロキシアルキル基を表し;
R’’は、直鎖状又は分枝状C~Cアルキル基、直鎖状又は分枝状C~Cヒドロキシアルキル基を表し;
R’及びR’’の炭素の合計は2~6に及ぶ)
のものから選択される。
【0076】
好ましくは、R’基は、直鎖状C~Cアルキル基、直鎖状C~Cヒドロキシアルキル基を表す。
【0077】
R’’は、直鎖状C~Cアルキル基、直鎖状C~Cヒドロキシアルキル基を表す。
【0078】
より詳細には、ジエチルカーボネート及びジプロピルカーボネートを挙げることができる。
【0079】
本発明に従うカーボネートは、好ましくはアルキレンカーボネートであり、より詳細にはプロピレンカーボネートである。
【0080】
アルキルカーボネート又はアルキレンカーボネートは、本発明に従う組成物中に、組成物の総質量に対して、好ましくは0.1質量%~98質量%、特に0.5質量%~50質量%、より優先的には1質量%~20質量%に及ぶ濃度、さらに優先的には5質量%~15質量%に及ぶ濃度で存在する。
【0081】
油性相
本発明に従う組成物は、少なくとも1つの油性相を含む。
【0082】
本発明の目的のために、用語「油性相」は、少なくとも1つの油、並びに、本発明の組成物の製剤化に用いられる脂溶性の成分及び親油性の成分並びに脂質の全てを含む相を意味する。
【0083】
用語「油」は、室温(20~25℃)及び大気圧(760mmHg)にて液体形態であるあらゆる脂質を意味する。
【0084】
油性相は、メロシアニンスクリーニング剤並びに、場合によっては、追加の親油性のスクリーニング剤及びN,N-二置換アミドの他に、本発明に従って、少なくとも1つの揮発性若しくは非揮発性の炭化水素ベースの油、並びに/又は1つの揮発性のシリコーン油若しくは非揮発性のシリコーン油、並びに/又は1つの揮発性のフルオロ油若しくは非揮発性のフルオロ油を含んでよい。
【0085】
本発明の目的のために、用語「シリコーン油」は、少なくとも1つのケイ素原子、特に少なくとも1つのSi-O基を含む油を意味する。
【0086】
用語「炭化水素ベースの油」は、主に、水素原子及び炭素原子、並びに場合によっては1つ又は複数のヘテロ原子、特に窒素及び酸素を含有する油を意味する。ゆえに、当該油は、とりわけ、1つ又は複数の、カルボキシル、エステル、エーテル、又はヒドロキシル官能基を含有してよい。
【0087】
用語「フルオロ油」は、少なくとも1つのフッ素原子を含む油を意味する。
【0088】
本発明の目的のために、用語「揮発性油」は、皮膚又はケラチン繊維と接触して直ぐに、1時間未満で、室温及び大気圧にて蒸発することができる油を意味する。本発明の揮発性油は、室温にて液体であり、そして室温、特に0.13Paから40000Pa(10-3から300mmHg)に及ぶ、特に1.3Paから13000Pa(0.01から100mmHg)に及ぶ、特に1.3Paから1300Pa(0.01から10mmHg)に及ぶ大気圧にて蒸気圧がゼロでない、揮発性の化粧用油である。
【0089】
用語「非揮発性油」は、室温及び大気圧にて少なくとも数時間、皮膚又はケラチン繊維上に残り、そして特に、蒸気圧が10-3mmHg(0.13Pa)未満である油を意味する。
【0090】
炭化水素ベースの油
特に、本発明に従って用いられ得る非揮発性の炭化水素ベースの油として、以下が言及され得る:
(i)植物起源の炭化水素ベースの油、例えばグリセリドトリエステル;これは一般に、脂肪酸の、そしてグリセロールのトリエステルであり、この脂肪酸は、鎖長がCからC24まで変化に富んでよく、これらの鎖は、飽和していることも不飽和であることも、そして直鎖状であることも分枝状であることも可能である;これらの油として、特に、小麦麦芽油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、胡麻油、トウモロコシ油、アプリコット油、ヒマシ油、シア油、アボカド油、オリーブ油、ダイズ油、スイートアーモンド油、パーム油、ナタネ油、綿実油、ヘイゼルナッツ油、マカダミア油、ホホバ油、アルファルファ油、ポピー油、カボチャ油、ゴマ油、マロー油、クロフサスグリ油、マツヨイグサ油、ミレット油、オオムギ油、キノア油、ライムギ油、サフラワー油、ククイノキ油、トケイソウ油、及びマスクローズ油;又はカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えば、Stearineries Dubois社によって販売されるもの、又はMiglyol 810(登録商標)、812(登録商標)、及び818(登録商標)の名でDynamit Nobel社によって販売されるもの;
(ii)10から40個の炭素原子を有する合成エーテル;
(iii)鉱物起源又は合成起源の直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えば石油ゼリー、ポリデセン、水素化ポリイソブテン、例えばParleam、スクアラン、及びそれらの混合物;
(iv)合成エステル、例えば式RCOOR’の油;式中、Rは、1から40個の炭素原子を含有する直鎖状脂肪酸残基又は分枝状脂肪酸残基を表し、R’は、特に分枝状の、1から40個の炭素原子を含有する炭化水素ベースの鎖を表し、R+R’が≧10である条件にあり、例えば、パーセリン油、(オクタノン酸セトステアリル)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、安息香酸アルキルC12~C15、例えば、Finsolv TN(登録商標)若しくはWitconol TN(登録商標)の商標名でWitco社によって、又はTegosoft TN(登録商標)の商標名でEvonik Goldschmidt社によって販売される製品、安息香酸2-エチルフェニル、例えば、X-Tend 226(登録商標)の名でISP社によって販売される市販の製品、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、エルカ酸オレイル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル、セバシン酸ジイソプロピル、例えば、Dub Disの名でStearinerie Dubois社によって販売される製品、アルコール又はポリアルコールのオクタノエート、デカノエート、又はリシノレエート、例えばプロピレングリコールジオクタノエート;水酸化エステル、例えば乳酸イソステアリル又はリンゴ酸ジイソステアリル;及びペンタエリトリトールエステル;シトレート又はタルトレート、例えばジ(直鎖状C12~C13アルキル)タルトレート、例えば、Cosmacol ETI(登録商標)の名でEnichem Augusta Industriale社によって販売されるもの、そしてまたジ(直鎖状C14~C15アルキル)タルトレート、例えば、Cosmacol ETL(登録商標)の名で同企業によって販売されるもの;或いはアセテート;
(v)室温にて液体であり、及び12から26個の炭素原子を含み、分枝状及び/又は不飽和である炭素系鎖を含む脂肪アルコール、例えばオクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノール、又は2-ウンデシルペンタデカノール;
(vi)高級脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸、又はリノレン酸;
(vii)カーボネート、例えばジカプリリルカーボネート、例えばCetiol CC(登録商標)の名でCognis社によって販売される製品;
並びにそれらの混合物がある。
【0091】
本発明に従って用いられ得る非揮発性の炭化水素ベースの油のうち、特にグリセリドトリエステル、特にカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、合成エステル、そして特にイソノナン酸イソノニル、エルカ酸オレイル、安息香酸アルキルC12~C15、安息香酸2-エチルフェニル、及び脂肪アルコール、特にオクチルドデカノールが優先されることとなる。
【0092】
本発明に従って用いられ得る揮発性の炭化水素ベースの油として、特に、8から16個の炭素原子を含有する炭化水素ベースの油、特に、分枝状C~C16アルカン、例えば石油起源のC~C16イソアルカン(イソパラフィンとしても知られている)、例えばイソドデカン(2,2,4,4,6-ペンタメチルヘプタンとしても知られている)、イソデカン又はイソヘキサデカン、Isopar又はPermethylの商標名で販売される油、分枝状C~C16エステル、ネオペンタン酸イソヘキシル、及びそれらの混合物が言及され得る。
【0093】
また、Cognisの国際公開第2007/068371号パンフレット又は国際公開第2008/155059号パンフレットに記載されるアルカン(少なくとも1つの炭素によって異なる別のアルカンの混合物)が言及され得る。当該アルカンは、脂肪アルコールから得られ、これはそれ自体、ココナッツ穀粒又はパーム油から得られる。Cognis社の国際公開第2008/155059号パンフレットの実施例1及び実施例2において得られるn-ウンデカン(C11)及びn-トリデカン(C13)の混合物が言及され得る。また、Parafol 12-97及びParafol 14-97(登録商標)の各リファレンスでSasolによって販売されるn-ドデカン(C12)及びn-テトラデカン(C14)、並びにそれらの混合物が言及され得る。
【0094】
他の揮発性の炭化水素ベースの油、例えば石油蒸留物、特にShell Solt(登録商標)の名でShell社によって販売されるものが用いられてもよい。一実施形態に従えば、揮発性の溶媒は、8から16個の炭素原子を有する揮発性の炭化水素系油及びその混合物から選択される。
【0095】
b)シリコーン油
不揮発性シリコーン油は、特に、不揮発性ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコーン鎖から突き出ており(pendent)及び/又はシリコーン鎖の末端にあるアルキル基又はアルコキシ基であって、2~24個の炭素原子をそれぞれ有する基を含むポリジメチルシロキサン、フェニルシリコーン、例えば、フェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、及び2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケートから選択され得る。
【0096】
言及され得る揮発性のシリコーン油の例として、揮発性の直鎖状又は環状のシリコーン油、特に
粘度が≦8センチストーク(8×10-6/s)であり、特に、2から7個のケイ素原子を含むものが挙げられ、当該シリコーンは、場合によっては、1から10個の炭素原子を含むアルキル基又はアルコキシ基を含む。本発明で用いられ得る揮発性のシリコーン油として、特に、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、及びドデカメチルペンタシロキサン、並びにそれらの混合物が言及され得る。
【0097】
また、一般式(I):
【化8】
(式中、Rは、2から4個の炭素原子を含むアルキル基を表し、その1つ又は複数の水素原子は、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてよい)
の揮発性の直鎖状アルキルトリシロキサン油が言及され得る。
【0098】
一般式(I)の油のうち、以下が言及され得る:
3-ブチル-1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン、
3-プロピル-1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン、及び
3-エチル-1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン、
これらは、式(I)の油に相当し、Rは、それぞれ、ブチル基、プロピル基、又はエチル基である。
【0099】
フルオロ油
揮発性のフルオロ油、例えばノナフルオロメトキシブタン、デカフルオロペンタン、テトラデカフルオロヘキサン、ドデカフルオロペンタン、及びそれらの混合物もまた用いられ得る。
【0100】
本発明に従う油性相は、油と混合され、又は油中に溶解した、他の脂質を含んでもよい。
【0101】
油性相中に存在し得る別の脂質として、例えば、以下があり得る:
8から30個の炭素原子を含む脂肪酸、例えばステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、及びオレイン酸から選択される脂肪酸;
ワックス、例えば、ラノリン、蜜蝋、カルナウバワックス若しくはキャンデリラワックス、パラフィンワックス、亜炭ワックス、ミクロクリスタリンワックス、セレシン若しくはオゾケライト、又は合成ワックス、例えばポリエチレンワックス若しくはFischer-Tropschワックスから選択されるワックス;
シリコーンゴム(ジメチコノール)から選択されるゴム;
ペースト状の化合物、例えばポリマーシリコーン化合物又は非ポリマーシリコーン化合物、グリセロールオリゴマーのエステル、プロピオン酸アラキジル、脂肪酸トリグリセリド、及びそれらの誘導体;
並びにそれらの混合物。
【0102】
優先的に、油性相全体は、この同じ相中に溶解することができる組成物の全親油性物質を含み、組成物の総質量に対して、5質量%から98質量%、優先的に10質量%から80質量%を表す。
【0103】
水性相
本発明に従う組成物はまた、少なくとも1つの水性相を含んでもよい。
【0104】
水性相は、水、及び場合によっては他の水溶性又は水混和性の有機溶媒を含有する。
【0105】
本発明での使用に適した水性相は、例えば、天然の湧き水、例えばLa Roche-Posay由来の水、Vittel由来の水、Saint-Gervais由来の水、若しくはVichy由来の水、又はフローラルウォーターから選択される水を含んでよい。
【0106】
本発明での使用に適した水溶性又は水混和性の溶媒は、短い鎖のモノアルコール、例えばC~Cモノアルコール、例えばエタノール及びイソプロパノール;ジオール又はポリオール、例えばエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2-エトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、グリセロール、及びソルビトール、並びにそれらの混合物を含む。
【0107】
好ましい実施形態に従えば、特に、エタノール、プロピレングリコール、グリセロール、及びそれらの混合物が用いられ得る。
【0108】
水は、組成物の総質量に対して5質量%~95質量%を占め得る。
【0109】
本発明の特定の一形態に従えば、水性相全体は、この同じ相中に溶解することができる組成物の全親水性物質を含み、組成物の総質量に対して、5質量%から95質量%、好ましくは10質量%から80質量%を表す。
【0110】
添加剤
a)追加のUVスクリーニング剤:
本発明に従う組成物はまた、親水性、親油性、若しくは不溶の有機UVスクリーニング剤、及び/又は1つ又は複数の鉱物色素から選択される1つ又は複数の追加のUVスクリーニング剤を含有してもよい。これは優先的に、少なくとも1つの親水性、親油性、又は不溶の有機UVスクリーニング剤で構成されることとなる。
【0111】
用語「親水性UVスクリーニング剤」は、UV放射線をスクリーニングするあらゆる化粧用又は皮膚科用の有機化合物又は無機化合物を意味し、これは、液体水性相中で分子の形態で完全に溶解され得、又は液体水性相中でコロイド状の形態で(例えばミセル形態で)溶解され得る。
【0112】
用語「親油性スクリーニング剤」は、UV放射線をスクリーニングするあらゆる化粧用又は皮膚科用の有機化合物又は無機化合物を意味し、これは、液体脂肪相中で分子の形態で完全に溶解され得、又は液体脂肪相中でコロイド状の形態で(例えばミセル形態で)溶解され得る。
【0113】
用語「不溶のUVスクリーニング剤」は、UV放射線をスクリーニングするあらゆる化粧用又は皮膚科用の有機化合物又は無機化合物を意味し、これは、水中の溶解性が0.5質量%未満であり、及び大部分の有機溶媒、例えば流動パラフィン、脂肪アルコールベンゾエート、及び脂肪酸トリグリセリド、例えば、Dynamit Nobel社によって販売されるMiglyol 812(登録商標)中の溶解性が0.5質量%未満である。この溶解性は、70℃にて判定されて、室温に戻した後に懸濁液中に過剰の固体が存在する平衡時の溶媒における、溶液中の製品の量と定義される。これは、ラボで容易に評価され得る。
【0114】
追加の有機UVスクリーニング剤は、特に、ケイ皮化合物;アントラニレート化合物;サリチル酸化合物(salicylic compound);ジベンゾイルメタン化合物;ベンジリデンカンファー化合物;ベンゾフェノン化合物;β,β-ジフェニルアクリレート化合物;トリアジン化合物;ベンゾトリアゾール化合物;ベンザルマロネート化合物、特に、米国特許第5624663号明細書に引用されるもの;ベンズイミダゾール誘導体;イミダゾリン化合物;欧州特許669323号明細書及び米国特許第2463264号明細書に記載されるビスベンザゾリル化合物;p-アミノ安息香(PABA)化合物;米国特許第5237071号明細書、米国特許第5166355号明細書、英国特許第2303549号明細書、独国特許第19726184号明細書、及び欧州特許第893119号明細書に記載されるメチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)化合物;欧州特許第0832642号明細書、欧州特許第1027883号明細書、欧州特許第1300137号明細書、及び独国特許第10162844号明細書に記載されるベンゾキサゾール化合物;スクリーニングポリマー及びスクリーニングシリコーン、例えば、特に、国際公開第93/04665号パンフレットに記載されるもの;α-アルキルスチレンベースのダイマー、例えば独国特許第19855649号明細書に記載されるもの;欧州特許第0967200号明細書、独国特許第19746654号明細書、独国特許第19755649号明細書、欧州特許出願公開第A-1008586号明細書、欧州特許第1133980号明細書、及び欧州特許第133981号明細書に記載される4,4-ジアリールブタジエン化合物、並びにそれらの混合物から選択される。
【0115】
有機光防護剤の例として、以下にINCI名で示されるものが言及され得る:
【0116】
ケイ皮化合物:
特に、Parsol MCX(登録商標)の商標名でDSM Nutritional Productsによって販売されるメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、
メトキシケイ皮酸イソプロピル、
Neo Heliopan E 1000(登録商標)の商標名でSymriseによって販売されるp-メトキシケイ皮酸イソアミル、
メトキシケイ皮酸DEA、
ジイソプロピルケイ皮酸メチル、
ジメトキシケイ皮酸エチルヘキサン酸グリセリル。
【0117】
ジベンゾイルメタン化合物:
特に、Parsol 1789(登録商標)の商標名でDSM Nutritial Productsによって販売される、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
イソプロピルジベンゾイルメタン。
【0118】
para-アミノ安息香酸化合物(para-Aminobenzoic compound):
PABA、
エチルPABA、
エチルPABAジヒドロキシプロピル、
特に、Escalol 507(登録商標)の名でISPによって販売されるジメチルPABAエチルヘキシル、
グリセリルPABA、
Uvinul P 25(登録商標)の名でBASFによって販売されるPEG-25 PABA。
【0119】
サリチル酸化合物:
Eusolex HMS(登録商標)の名でRona/EM Industriesによって販売されるホモサレート、
Neo Heliopan OS(登録商標)の名でSymriseによって販売されるサリチル酸エチルヘキシル、
Dipsal(登録商標)の名でScherによって販売されるサリチル酸ジプロピレングリコール、
Neo Heliopan TS(登録商標)の名でSymriseによって販売されるサリチル酸TEA。
【0120】
β,β-ジフェニルアクリレート化合物:
特に、Uvinul N 539(登録商標)の商標名でBASFによって販売されるオクトクリレン、
特に、Uvinul N 35(登録商標)の商標名でBASFによって販売されるエトクリレン。
【0121】
ベンゾフェノン化合物:
Uvinul 400(登録商標)の商標名でBASFによって販売されるベンゾフェノン-1、
Uvinul D 50(登録商標)の商標名でBASFによって販売されるベンゾフェノン-2、
Uvinul M 40(登録商標)の商標名でBASFによって販売されるベンゾフェノン-3又はオキシベンゾン、
Uvinul MS 40(登録商標)の商標名でBASFによって販売されるベンゾフェノン-4、
ベンゾフェノン-5、
Helisorb 11(登録商標)の商標名でNorquayによって販売されるベンゾフェノン-6、
Spectra-Sorb UV-24(登録商標)の商標名でAmerican Cyanamidによって販売されるベンゾフェノン-8、
Uvinul DS 49(登録商標)の商標名でBASF社によって販売されるベンゾフェノン-9、
ベンゾフェノン-12、
Uvinul A Plus(登録商標)の商標名で、又はメトキシケイ皮酸オクチルとの混合物として、Uvinul A Plus B(登録商標)の商標名でBASFによって販売されるn-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、
例えば国際公開第2007/071584号パンフレットに記載される、1,1’-(1,4-ピペラジンジイル)ビス[1-[2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]フェニル]メタノン](CAS 919803-06-8);この化合物は、有利には、微粒状にされた形態(0.02から2μmの平均サイズ)で(これは、例えば、英国公開特許第A-2303549号明細書及び欧州特許出願公開第A-893119号明細書に記載される微粉化プロセスに従って得られ得る)、そして特に水性分散系の形態で、用いられる。
【0122】
ベンジリデンカンファー化合物:
Mexoryl SD(登録商標)の名でChimexによって製造される3-ベンジリデンカンファー、
Eusolex 6300(登録商標)の名でMerckによって販売される4-メチルベンジリデンカンファー、
Mexoryl SL(登録商標)の名でChimexによって製造されるベンジリデンカンファースルホン酸、
Mexoryl SO(登録商標)の名でChimexによって製造されるメト硫酸カンファーベンザルコニウム、
Mexoryl SX(登録商標)の名でChimexによって製造されるテレフタリリデンジカンファースルホン酸、
Mexoryl SW(登録商標)の名でChimexによって製造されるポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー。
【0123】
フェニルベンズイミダゾール化合物:
特に、Eusolex 232(登録商標)の商標名でMerckによって販売されるフェニルベンズイミダゾールスルホン酸。
【0124】
ビスベンゾオキサゾリル化合物:
Neo Heliopan AP(登録商標)の商標名でHaarmann and Reimerによって販売されるフェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム。
【0125】
フェニルベンゾトリアゾール化合物:
Silatrizole(登録商標)の名でRhodia Chimieによって販売されるドロメトリゾールトリシロキサン。
【0126】
メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)化合物:
メチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール、特に固体形態(例えば、Mixxim BB/100(登録商標)の商標名でFairmount Chemicalによって販売される製品)、又は微粒状にされた粒子の水性分散系の形態(平均粒子サイズが0.01から5μm、より優先的に0.01から2μm、特に0.020から2μmに及び、構造C2n+1O(C10Hを有する少なくとも1つのアルキルポリグルコシド界面活性剤を伴い、式中、nは、8から16の整数であり、xは、(C10)単位の平均重合度であり、1.4から1.6に及び、特に、英国公開特許第A-2303549号明細書に記載され、Tinosorb M(登録商標)の商標名でBASF社によって販売される)、又は微粒状にされた粒子の水性分散系(平均粒子サイズが0.02から2μm、より優先的に0.01から1.5μm、特に0.02から1μmに及び、少なくとも1つのポリグリセリルモノ(C~C20)アルキルエステルの存在下で、グリセロール重合度が少なくとも5である)、例えば国際公開第2009/063392号パンフレットに記載される水性分散系の形態。
【0127】
トリアジン化合物:
Tinosorb S(登録商標)の商標名でBASFによって販売されるビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、
特に、Uvinul T 150(登録商標)の商標名でBASFによって販売されるエチルヘキシルトリアゾン、
Uvasorb HEB(登録商標)の商標名でSigma 3Vによって販売されるジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
2,4,6-トリス(ジネオペンチル4’-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(ジイソブチル4’-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
2,4-ビス(n-ブチル4’-アミノベンゾエート)-6-(アミノプロピルトリシロキサン)-s-トリアジン、
2,4-ビス(ジネオペンチル4’-アミノベンザルマロネート)-6-(n-ブチル4’-アミノベンゾエート)-s-トリアジン、
米国特許第6225467号明細書、国際公開第2004/085412号パンフレット(化合物6及び化合物9参照)、又は文献「Symmetrical Triazine Derivatives」,IP.COM IPCOM000031257 Journal,INC West Henrietta,NY,US(2004年9月20日)に記載されるナフタレニル基又はポリフェニル基で置換されている対称性トリアジンスクリーニング剤、特に2,4,6-トリス(ジフェニル)トリアジン及び2,4,6-トリス(テルフェニル)トリアジン、これはまた、国際公開第06/035000号パンフレット、国際公開第06/034982号パンフレット、国際公開第06/034991号パンフレット、国際公開第06/035007号パンフレット、国際公開第2006/034992号パンフレット、及び国際公開第2006/034985号パンフレットでも言及されており、これらの化合物は、有利には、微粒状にされた形態(0.02~3μmの平均粒子サイズ)(例えば、英国公開特許第A-2303549号明細書及び欧州特許出願公開第A-893119号明細書に記載される微粉化プロセスに従って得られ得る)、特に水性分散系の形態で用いられる、
欧州特許第0841341号明細書に記載される、2つのアミノベンゾエート基で置換されたシリコーントリアジン、特に、2,4-ビス(n-ブチル4’-アミノベンザルマロネート)-6-[(3-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリルオキシ]ジシロキサニル}プロピル)アミノ]-s-トリアジン。
【0128】
アントラニル酸化合物(anthranilic compound):
Neo Heliopan MA(登録商標)の商標名でSymriseによって販売されるアントラニル酸メンチル。
【0129】
イミダゾリン化合物:
ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオン酸エチルヘキシル。
【0130】
ベンザルマロネート化合物:
ベンザルマロネート官能基を含むポリオルガノシロキサン、例えば、Parsol SLX(登録商標)の商標名でHoffmann-LaRocheによって販売されるPolysilicone-15。
【0131】
4,4-ジアリールブタジエン化合物:
1,1-ジカルボキシ(2,2’-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン。
【0132】
ベンゾキサゾール化合物:
Uvasorb K2A(登録商標)の名でSigma 3Vによって販売される2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンズオキサゾール-2-イル(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン。
【0133】
優先される有機スクリーニング剤は、以下から選択される:
メトキシケイ皮酸エチルヘキシル
サリチル酸エチルヘキシル、
ホモサレート、
ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
オクトクリレン、
フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、
ベンゾフェノン-3、
ベンゾフェノン-4、
ベンゾフェノン-5、
n-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、
4-メチルベンジリデンカンファー、
テレフタリリデンジカンファースルホン酸、
フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、
メチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール、
ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、
エチルヘキシルトリアゾン
ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
2,4,6-トリス(ジネオペンチル4’-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(ジイソブチル4’-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、
2,4-ビス(n-ブチル4’-アミノベンゾエート)-6-(アミノプロピルトリシロキサン)-s-トリアジン、
2,4-ビス(ジネオペンチル4’-アミノベンザルマロネート)-6-(n-ブチル4’-アミノベンゾエート)-s-トリアジン、
2,4-ビス(n-ブチル4’-アミノベンザルマロネート)-6-[(3-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル}プロピル)アミノ]-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(ジフェニル)トリアジン、
2,4,6-トリス(テルフェニル)トリアジン、
ドロメトリゾールトリシロキサン、
ポリシリコーン-15、
1,1-ジカルボキシ(2,2’-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、
2,4-ビス[5-(1-ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン、
及びそれらの混合物。
【0134】
特に好ましい有機スクリーニング剤は、以下から選択される:
サリチル酸エチルヘキシル、
ホモサレート、
ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
オクトクリレン、
n-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、
テレフタリリデンジカンファースルホン酸、
ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、
エチルヘキシルトリアゾン、
ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
2,4-ビス(n-ブチル4’-アミノベンザルマロネート)-6-[(3-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル}プロピル)アミノ]-s-トリアジン、
ドロメトリゾールトリシロキサン
及びそれらの混合物。
【0135】
本発明に従って用いられる無機UVスクリーニング剤は、金属酸化物色素である。より優先的に、本発明の無機UVスクリーニング剤は、平均基本粒子サイズが0.5μm以下、より優先的に0.005から0.5μm、さらに優先的に0.01から0.2μm、より良好には0.01から0.1μm、特に0.015から0.05μmである金属酸化物粒子である。
【0136】
これは特に、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウム、及び酸化セリウム、又はそれらの混合物から選択されてよい。
【0137】
そのようなコーティングされた、又はコーティングのない金属酸化物色素は、特に、欧州特許出願公開第A-0518773号明細書に記載されている。言及され得る市販の色素として、Sachtleben Pigments社、テイカ株式会社、Merck社、及びDegussa社によって販売される製品が挙げられる。
【0138】
金属酸化物色素は、コーティングされていてもよいし、コーティングされていなくてもよい。
【0139】
コーティングされた色素は、化合物、例えばアミノ酸、蜜蝋、脂肪酸、脂肪アルコール、陰イオン界面活性剤、レシチン、脂肪酸のナトリウム、カリウム、亜鉛、鉄、若しくはアルミニウム塩、(チタン又はアルミニウムの)金属アルコキシド、ポリエチレン、シリコーン、タンパク質(コラーゲン、エラスチン)、アルカノールアミン、酸化ケイ素、金属酸化物、又はヘキサメタリン酸ナトリウムによる、化学的性質、電子的性質、機械化学的性質、及び/又は機械的性質の1つ又は複数の表面処置を受けた色素である。
【0140】
コーティングされた色素は、特に、以下でコーティングされた酸化チタンである:
シリカ、例えば、池田物産株式会社の製品Sunveil(登録商標)、
シリカ及び酸化鉄、例えば、池田物産株式会社の製品Sunveil F(登録商標)、
シリカ及びアルミナ、例えば、テイカ株式会社の製品Microtitanium Dioxide MT 500 SA(登録商標)及びMicrotitanium Dioxide MT 100 SA、並びにTioxide社のTioveil、
アルミナ、例えば石原産業株式会社の製品Tipaque TTO-55(B)(登録商標)及びTipaque TTO-55(A)(登録商標)、並びにSachtleben Pigments社のUVT 14/4、
アルミナ及びステアリン酸アルミニウム、例えばテイカ株式会社の製品Microtitanium Dioxide MT 100 T(登録商標)、MT 100 TX(登録商標)、MT 100 Z(登録商標)、及びMT-01(登録商標)、Unigema社の製品Solaveil CT-10 W(登録商標)、及びSolaveil CT 100(登録商標)、Merck社の製品Eusolex T-AVO(登録商標)、
シリカ、アルミナ、及びアルギン酸、例えばテイカ株式会社の製品MT-100 AQ(登録商標)、
アルミナ及びラウリン酸アルミニウム、例えばテイカ株式会社の製品Microtitanium Dioxide MT 100 S(登録商標)、
酸化鉄及びステアリン酸鉄、例えばテイカ株式会社の製品Microtitanium Dioxide MT 100 F(登録商標)、
酸化亜鉛及びステアリン酸亜鉛、例えばテイカ株式会社の製品BR 351(登録商標)、
シリカ及びアルミナ、そしてシリコーン処理、例えばテイカ株式会社の製品Microtitanium Dioxide MT 600 SAS(登録商標)、Microtitanium Dioxide MT 500 SAS(登録商標)、又はMicrotitanium Dioxide MT 100 SAS(登録商標)、
シリカ、アルミナ、及びステアリン酸アルミニウム、そしてシリコーン処理、例えばチタン工業株式会社の製品STT-30-DS(登録商標)、
シリカ、そしてシリコーン処理、例えばSachtleben Pigments社の製品UV-Titan X 195(登録商標)、
アルミナ、そしてシリコーン処理、例えば石原産業株式会社の製品Tipaque TTO-55(S)(登録商標)、又はSachtleben Pigments社の製品UV Titan M 262(登録商標)、
トリエタノールアミン、例えばチタン工業株式会社の製品STT-65-S、
ステアリン酸、例えば石原産業株式会社の製品Tipaque TTO-55(C)(登録商標)、
ヘキサメタリン酸ナトリウム、例えばテイカ株式会社の製品Microtitanium Dioxide MT 150 W(登録商標)、
オクチルトリメチルシランで処理されたTiO(T 805(登録商標)の商標名でDegussa Silices社によって販売される)、
ポリジメチルシロキサンで処理されたTiO(70250 Cardre UF TiO2SI3(登録商標)の商標名でCardre社によって販売される)、
ポリジメチルヒドロゲノシロキサンで処理されたアナタース/ルチルTiO(Microtitanium Dioxide USP Grade Hydrophobic(登録商標)の商標名でColor Techniques社によって販売される)、
トリエチルヘキサノインで、ステアリン酸アルミニウムで、そしてアルミナでコーティングされたTiO(Solaveil CT-200-LQ-(WD)の商標名でCrodaより販売される)、
ステアリン酸アルミニウムで、アルミナで、そしてシリコーンでコーティングされたTiO(Solaveil CT-12W-LQ-(WD)の商標名でCrodaより販売される)、
ラウロイルリジンでコーティングされたTiO(LL 5 Titanium Dioxide CR 50の名で大東化成工業株式会社によって販売される)、
9~15フルオロアルコールリン酸及び水酸化アルミニウムでコーティングされたTiO(PFX-5 TiO2 CR-50の名で大東化成工業株式会社によって販売される)。
【0141】
また、少なくとも1つの遷移金属、例えば鉄、亜鉛、又はマンガン、特にマンガンでドープされたTiO色素が言及され得る。好ましくは、前記ドープされた色素は、油性の分散系の形態である。油性の分散系中に存在する油は、好ましくは、カプリン酸/カプリル酸のものが挙げられるトリグリセリドから選択される。酸化チタン粒子の油性の分散系は、1つ又は複数の分散剤、例えばソルビタンエステル、例えばイソステアリン酸ソルビタン、又はグリセロールのポリオキシアルキレン化脂肪酸エステル、例えばクエン酸TRI-PPG-3ミリスチルエーテル及びポリリシノレイン酸ポリグリセリル-3を含んでもよい。好ましくは、酸化チタン粒子の油性の分散系は、グリセロールのポリオキシアルキレン化脂肪酸エステルから選択される少なくとも1つの分散剤を含む。特に、クエン酸TRI-PPG-3ミリスチルエーテル及びポリリシノレイン酸ポリグリセリル-3及びイソステアリン酸ソルビタンの存在下での、カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド中の、マンガンでドープされたTiO粒子(INCI名:二酸化チタン(及び)クエン酸TRI-PPG-3ミリスチルエーテル(及び)リシノレイン酸ポリグリセリル-3(及び)イソステアリン酸ソルビタンを有する)の油性の分散系が言及され得、例えば、Optisol TD50(登録商標)の商標名でCroda社によって販売される製品がある。
【0142】
コーティングのない酸化チタン色素は、例えば、Microtitanium Dioxide MT 500 B又はMicrotitanium Dioxide MT 600 B(登録商標)の商標名でテイカ株式会社によって、P 25の名でDegussa社によって、Transparent titanium oxide PW(登録商標)の名でWacker社によって、UFTR(登録商標)の名で三好化成株式会社によって、ITS(登録商標)の名で株式会社トーメンによって、そしてTioveil AQの名でTioxide社によって販売される。
【0143】
コーティングのない酸化亜鉛色素は、例えば以下のものである:
Z-Coteの名でSunsmart社によって販売されるもの;
Nanox(登録商標)の名でElementis社によって販売されるもの;
Nanogard WCD 2025(登録商標)の名でNanophase Technologies社によって販売されるもの。
【0144】
コーティングされた酸化亜鉛色素は、例えば以下のものである:
Zinc Oxide CS-5(登録商標)の名でToshibi社によって販売されるもの(ポリメチルヒドロゲノシロキサンでコーティングされたZnO);
Nanogard Zinc Oxide FN(登録商標)の名でNanophase Technologies社によって販売されるもの(Finsolv TN(登録商標)、安息香酸アルキルC12~C15中の40%の分散系として);
Daitopersion Zn-30(登録商標)及びDaitopersion Zn-50(登録商標)の名で大東化成工業株式会社によって販売されるもの(シクロポリメチルシロキサン/オキシエチレン化ポリジメチルシロキサン中の分散系、シリカ及びポリメチルヒドロゲノシロキサンでコーティングされた30%又は50%の酸化亜鉛を含有);
NFD Ultrafine ZnO(登録商標)の名でダイキン工業株式会社によって販売されるもの(リン酸ペルフルオロアルキルでコーティングされたZnO、及びシクロペンタシロキサン中の分散系としての、パーフルオロアルキルエチルに基づくコポリマー);
SPD-Z1(登録商標)の名で信越化学工業株式会社によって販売されるもの(シリコーングラフト化アクリルポリマーでコーティングした、シクロジメチルシロキサン中に分散したZnO);
Escalol Z100(登録商標)の名でISP社によって販売されるもの(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル/PVP-ヘキサデセンコポリマー/メチコン混合物中に分散した、アルミナ処理されたZnO);
Fuji ZnO-SMS-10(登録商標)の名で冨士色素株式会社によって販売されるもの(シリカ及びポリメチルシルセスキオキサンでコーティングされたZnO);
Nanox Gel TN(登録商標)の名でElementis社によって販売されるもの(ヒドロキシステアリン酸重縮合体を有する安息香酸アルキルC12~C15中で55%の濃度にて分散したZnO)。
【0145】
コーティングのない酸化セリウム色素は、例えば、Colloidal Cerium Oxide(登録商標)の名でRhone-Poulenc社によって販売されるものであってよい。
【0146】
コーティングのない酸化鉄色素は、例えば、Nanogard WCD 2002(登録商標)(FE 45B(登録商標))、Nanogard Iron FE 45 BL AQ、Nanogard FE 45R AQ(登録商標)、及びNanogard WCD 2006(登録商標)(FE 45R(登録商標))の名でArnaud社によって、又はTY-220(登録商標)の名でMitsubishi社によって販売される。
【0147】
コーティングされた酸化鉄色素は、例えば、Nanogard WCD 2008(FE 45B FN)(登録商標)、Nanogard WCD 2009(登録商標)(FE 45B 556(登録商標))、Nanogard FE 45 BL 345(登録商標)、及びNanogard FE 45 BL(登録商標)の名でArnaud社によって、又はTransparent Iron Oxide(登録商標)の名でBASF社によって販売される。
【0148】
また、金属酸化物の、特に二酸化チタンの、そして二酸化セリウムの混合物が言及され得、Sunveil A(登録商標)の名で池田物産株式会社によって販売されるシリカでコーティングされた二酸化チタン及び二酸化セリウムの等質量混合物、そしてまた、Sachtleben Pigments社によって販売される製品M 261(登録商標)等の、アルミナ、シリカ、及びシリコーンでコーティングされた、又はSachtleben Pigments社によって販売される製品M 211(登録商標)等の、アルミナ、シリカ、及びグリセロールでコーティングされた、二酸化チタン及び二酸化亜鉛の混合物が挙げられる。
【0149】
本発明に従えば、コーティングされた、又はコーティングのない酸化チタン色素が、特に好ましい。
【0150】
本発明に従う追加のUVスクリーニング剤は、好ましくは、本発明に従う組成物中に、組成物の総質量に対して、0.1質量%から60質量%、特に5質量%から30質量%に及ぶ含有量で存在する。
【0151】
b)他の添加剤:
本発明に従う組成物はまた、特に有機溶媒、イオン性又は非イオン性の増粘剤、軟化剤、湿潤剤、乳白剤、安定化剤、皮膚軟化剤、シリコーン、泡止め剤、芳香剤、保存剤、陰イオン、陽イオン、非イオン、双性イオン、若しくは両性の界面活性剤、活性剤、充填剤、ポリマー、推進剤、塩基性化剤若しくは酸性化剤、又は化粧品分野及び/又は皮膚科分野で一般的に用いられる他のあらゆる成分から選択される、従来の化粧用アジュバントを含んでもよい。
【0152】
有機溶媒のうち、先で定義されるC~Cモノアルカノール以外のアルコール、特に短鎖のC~Cポリオール、例えばグリセロール又はジオール、例えばカプリリルグリコール、1,2-ペンタンジオール、プロパンジオール、ブタンジオール、グリコール、及びグリコールエーテル、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、又はジエチレングリコールが言及され得る。
【0153】
増粘剤として、カルボキシビニルポリマー、例えばCarbopols(登録商標)(カルボマー)及びPemulens、例えばPemulen TR1(登録商標)及びPemulen TR2(登録商標)(アクリレート/C10~C30アルキルアクリレートコポリマー);ポリアクリルアミド、例えば、Sepigel 305(登録商標)(CTFA名:ポリアクリルアミド/C13~14イソパラフィン/Laureth 7)又はSimulgel 600(CTFA名:アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80)の名でSEPPIC社によって販売される架橋コポリマー;場合によっては架橋及び/又は中和されている、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ポリマー及びコポリマー、例えば、Hostacerin AMPS(登録商標)(CTFA名:ポリアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム)の商標名でHoechst社によって販売される、又はSimulgel 800(登録商標)(CTFA名:ポリアクリロイルジメチルタウリンナトリウム/ポリソルベート80/オレイン酸ソルビタン)の商標名でSEPPIC社によって販売されるポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸);2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の、そしてアクリル酸ヒドロキシエチルのコポリマー、例えばSEPPIC社によって販売されるSimulgel NS(登録商標)及びSepinov EMT 10(登録商標);セルロース誘導体、例えばヒドロキシエチルセルロース;多糖、特にゴム、例えばキサンタンゴム;水溶性又は水分散性のシリコーン誘導体、例えばアクリルシリコーン、ポリエーテルシリコーン、及び陽イオンシリコーン、並びにそれらの混合物が言及され得る。
【0154】
言及され得る酸性化剤は、例えば、鉱酸又は有機酸、例えば塩酸、正リン酸、又は硫酸、カルボン酸、例えば酢酸、酒石酸、クエン酸、及び乳酸、並びにスルホン酸である。
【0155】
塩基性化剤のうち、言及され得る例として、水性アンモニア、アルカリ金属炭酸塩、アルカノールアミン、例えばモノ-、ジ-、そしてトリエタノールアミン及びそれらの誘導体、水酸化ナトリウム、又は水酸化カリウムが挙げられる。
【0156】
好ましくは、化粧用組成物は、アルカノールアミン、特にトリエタノールアミン、及び水酸化ナトリウムから選択される1つ又は複数の塩基性化剤を含む。
【0157】
直接エマルジョンの場合、本発明に従う組成物のpHは一般に、おおよそ3から12、好ましくはおおよそ5から11、特に6から8.5である。
【0158】
ケラチン物質、例えば皮膚、唇、頭皮、毛髪、睫毛、又は爪をケアする活性剤のうち、言及され得る例として、以下が挙げられる:
ビタミン及びその誘導体又は前駆体(単独で、又は混合物として);
抗酸化剤;
フリーラジカルスカベンジャ;
汚染防止剤;
セルフタンニング剤;
アンチグリケーション剤;
鎮静剤;
デオドラント;
精油;
NO-シンターゼインヒビタ;
真皮又は表皮の巨大分子の合成を誘発し、及び/又はそれらの分解を防止する剤;
線維芽細胞増殖を刺激する剤;
ケラチン生成細胞増殖を刺激する剤;
筋弛緩薬;
清涼剤;
張力剤、
艶消し剤;
脱色剤;
色素沈着促進剤;
角質溶解剤;
剥離剤;
モイスチャライザ;
抗炎症剤;
抗菌剤;
減量剤;
細胞のエネルギー代謝に作用する剤;
駆虫剤;
サブスタンスP又はCGRPアンタゴニスト;
脱毛阻止剤;
アンチリンクル剤;
アンチエイジング剤。
【0159】
当業者であれば、皮膚、毛髪、睫毛、眉、及び爪に及ぶ所望の効果に従って、前記活性剤を選択するであろう。
【0160】
勿論、当業者であれば、上述の任意選択の追加の化合物及び/又はその量を、本発明に従う組成物に本質的に付随する有利な特性が、想定される付加によって悪影響を受けない、又は実質的に受けないように注意して選択するであろう。
【0161】
本発明の好ましい実施形態に従えば、組成物は:
a)少なくとも1つの、式(3):
【化9】
(式中:
Aは、-O-又は-NHであり;
Rは、C1~C22アルキル基、C2~C22アルケニル基、C2~C22アルキニル基、C3~C22シクロアルキル基、又はC3~C22シクロアルケニル基であって、前記基は、1つ又は複数のOで中断されていてもよい)
に相当するメロシアニン、そしてまた、E/E-又はE/Z-幾何異性体の形態;
b)組成物の総質量に対して、好ましくは0.1質量%~98質量%、好ましくは0.5質量%~50質量%、より優先的には1質量%~20質量%に及ぶ範囲の濃度で存在する少なくとも1つのアルキルカーボネート又はアルキレンカーボネートを含む少なくとも1つの油性相;
を含む。
【0162】
呈示形態
本発明に従う組成物は、当業者に周知の技術に従って調製され得る。当該組成物は特に、単純又は複雑なエマルジョン(O/W、W/O、O/W/O、又はW/O/W)、例えばクリーム、乳、又はクリーム状のゲルの形態であってよい。
【0163】
当該組成物は、無水形態、例えば油の形態であってもよい。用語「無水組成物」は、1質量%未満の水、又は0.5質量%未満の水を含有する、特に水を含まない組成物を意味し、水は、組成物の調製中に加えられず、混合成分によって提供される残留水に相当する。当該組成物は、場合によっては、エーロゾルの形態でパックされていてもよく、そしてムース又はスプレーの形態であってよい。
【0164】
水中油又は油中水のエマルジョンの形態の組成物の場合、用いられ得る乳化プロセスは、パドル又はインペラ、ローター-ステーター、及びHPHのタイプのものである。
【0165】
エマルジョンは、一般に、単独で、又は混合物として用いられる、両性、陰イオン、陽イオン、又は非イオンの乳化剤から選択され、好ましくは陰イオン乳化剤である、少なくとも1つの乳化剤を含む。乳化剤は、得られるべきエマルジョン(W/Oエマルジョン又はO/Wエマルジョン)に従って、適切に選択される。
【0166】
組成物がエマルジョンである場合、このエマルジョンの水性相は、知られているプロセスに従って調製される非イオン性の小胞性の分散系を含んでよい(Bangham,Standish and Watkins,J.Mol.Biol.13,238(1965)、仏国特許第2315991号明細書及び仏国特許第2416008号明細書)。
【0167】
本発明に従う組成物は、多数の処置、特に、皮膚、唇、及び頭皮を含む毛髪の美容的処置、特に皮膚、唇、及び/又は毛髪を保護し、及び/又はケアするための、及び/又は皮膚及び/又は唇をメイクアップするための美容的処置における用途を見出す。
【0168】
本発明の別の主題は、先で定義される本発明に従う組成物の、皮膚、唇、爪、毛髪、睫毛、眉、及び/又は頭皮の美容的処置のための製品、特にケア製品、日焼け止め製品、及びメイクアップ製品の製造のための使用で構成される。
【0169】
本発明に従う化粧用組成物は、例えば、メイクアップ製品として用いられてよい。
【0170】
本発明の別の主題は、ケラチン物質をケアし、及び/又はメイクアップする非治療的な美容的方法で構成され、これは、前記ケラチン物質の表面に、先で定義される本発明に従う少なくとも1つの組成物を塗布することからなる。
【0171】
本発明に従う化粧用組成物は、例えば、顔及び/又は体用のケア製品及び/又は日焼け止め製品として用いられてよく、硬さは、液体から半液体、例えば乳、多かれ少なかれ滑らかなクリーム、ゲルクリーム、ペースト又はローションである。化粧用組成物は、場合によっては、エーロゾル形態でパックされていてもよく、そしてムース又はスプレーの形態であってよい。
【0172】
本発明に従って気化可能な流体ローションの形態の、本発明に従う組成物は、細かい粒子の形態で、加圧装置によって皮膚又は毛髪に塗布される。本発明に従う装置は、当業者に周知であり、そして、非エーロゾルポンプ又は「アトマイザ」、推進剤を含むエーロゾルコンテナ、及び圧縮空気を推進剤として用いるエーロゾルポンプを備える。これらの装置は、米国特許第4077441号明細書及び米国特許第4850517号明細書に記載されている。
【0173】
本発明に従うエーロゾル形態でパックされる組成物は一般に、従来の推進剤、例えばハイドロフルオロ化合物、ジクロロジフルオロメタン、ジフルオロエタン、ジメチルエーテル、イソブタン、n-ブタン、プロパン、又はトリクロロフルオロメタンを含有する。これらは好ましくは、組成物の総質量に対して、15質量%から50質量%に及ぶ量で存在する。
【0174】
アセンブリ
別の態様に従えば、本発明はまた、以下を含む化粧用アセンブリに関する:
i)1つ又は複数のコンパートメントを区切るコンテナであって、クロージング部材によって閉じられており、そして場合によってはシールされていないコンテナ;並びに
ii)前記コンパートメントの内側に入れられている、本発明に従うメイクアップ組成物及び/又はケア組成物。
【0175】
コンテナは、例えば、ビン又は箱の形態であってよい。
【0176】
クロージング部材は、蓋の形態であってよく、前記メイクアップ組成物及び/又はケア組成物を収容するコンテナに対する平行移動(translation)によって、又は枢動によって移動することができるように載せられたキャップを含む。
【0177】
後に続く実施例は、本発明の実例となる役目を果たすが、事実上限定されない。これらの実施例では、組成物の成分の量は、組成物の総質量に対する質量パーセンテージとして与えられる。
【実施例
【0178】
溶解性を評価するプロトコル
油性溶液中でのメロシアニンの溶解性を、肉眼的に、そして顕微鏡的に評価する。室温にて、溶液が半透明(clear and translucent)であるように眼に見えるならば、そして光学顕微鏡又は偏光顕微鏡(対物レンズ×20~×40)下で少しも可視結晶を示さないならば、メロシアニンは可溶であるとみなす。溶液が調製された日に、そしてその後経時的に、溶解性を室温にて評価する。この期間、溶液を遮光下で、室温及び/又は4℃にて保存する。
【0179】
実施例1~6:油性組成物
後述の方法に従い以下の油性組成物を調製した。
【0180】
【表7】
【0181】
【表8】
【0182】
実施例7~12:油性-アルコール性(oleo-alcoholic)組成物
上述の方法に従い以下の組成物を調製した。
【0183】
【表9】
【0184】
【表10】
【0185】
実施例13~15:油性-アルコール性組成物
後述の方法に従い以下の組成物を調製した。
【0186】
【表11】
【0187】
油調製方法:
実施例1及び15に記載した組成物を、以下のように調製する:スクリーニング剤及び油を、コンテナ中に逐次導入してから、磁気スターラーによって撹拌して、メロシアニンが溶解するまで、90℃にて10分~1時間加熱する。
【0188】
実施例16~17:逆相エマルジョン組成物
以下の組成物を調製した。
【0189】
【表12】
【0190】
これらの結果は、本発明に従うアルキルカーボネート又はアルキレンカーボネートが、メロシアニンの溶解性を室温下及び低温下で長期間維持することを可能にすることを示す。