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特許7566645制御装置、プログラム、システム、及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】制御装置、プログラム、システム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/26 20090101AFI20241007BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20241007BHJP
   H04W 76/10 20180101ALI20241007BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20241007BHJP
   B64D 47/00 20060101ALI20241007BHJP
   H04W 84/06 20090101ALI20241007BHJP
【FI】
H04W16/26
H04W16/28
H04W76/10
B64C39/02
B64D47/00
H04W84/06
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021006007
(22)【出願日】2021-01-18
(65)【公開番号】P2022110534
(43)【公開日】2022-07-29
【審査請求日】2023-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中沢 英嗣
【審査官】田部井 和彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-336408(JP,A)
【文献】特開2020-167485(JP,A)
【文献】国際公開第2019/216357(WO,A1)
【文献】特開2019-140427(JP,A)
【文献】特開2019-047467(JP,A)
【文献】平田 孝佑 他,UAVによる動的ミリ波メッシュバックホールの設計,電子情報通信学会技術研究報告,日本,一般社団法人電子情報通信学会,2020年11月11日,第120巻
【文献】SUDHEESH, P. G. et al.,Sum-Rate Analysis for High Altitude Platform (HAP) Drones With Tethered Balloon Relay [online],IEEE COMMUNICATIONS LETTERS, VOL. 22, NO. 6, JUNE 2018, [検索日: 2022年3月17日],2017年12月21日,pp. 1240-1243,インターネット <URL: https://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=8233141>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
B64C 39/02
B64D 47/00
DB名 3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成層圏プラットフォームとして機能し、ビームを照射することによって無線通信エリアを形成して前記無線通信エリア内のユーザ端末に無線通信サービスを提供する通信装置を搭載する複数のサービス飛行体の位置を示すサービス飛行体位置情報を取得する飛行体位置情報取得部と
記サービス飛行体位置情報に基づいて、前記複数のサービス飛行体のうちの一のサービス飛行体の通信を中継する中継飛行体の配置を決定する配置決定部と、
前記配置決定部によって決定された配置に従って移動して前記一のサービス飛行体と無線通信接続を確立するよう前記中継飛行体を制御する飛行体制御部と
を備え、
前記配置決定部は、前記一のサービス飛行体及び地上のゲートウェイの両方と無線通信接続を確立できるよう前記中継飛行体の配置を決定し、
前記飛行体制御部は、前記一のサービス飛行体と前記ゲートウェイとの間の通信を中継するよう前記中継飛行体をさらに制御する、
御装置。
【請求項2】
前記配置決定部は、前記一のサービス飛行体及び前記ゲートウェイの両方と無線通信接続を確立できる範囲内において、前記中継飛行体と前記ゲートウェイとの間の距離がより短くなるよう前記中継飛行体の配置を決定する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
成層圏プラットフォームとして機能し、ビームを照射することによって無線通信エリアを形成して前記無線通信エリア内のユーザ端末に無線通信サービスを提供する通信装置を搭載する複数のサービス飛行体の位置を示すサービス飛行体位置情報を取得する飛行体位置情報取得部と、
前記サービス飛行体位置情報に基づいて、前記複数のサービス飛行体のうちの一のサービス飛行体の通信を中継する中継飛行体の配置を決定する配置決定部と、
記配置決定部によって決定された配置に従って移動して前記一のサービス飛行体と無線通信接続を確立するよう前記中継飛行体を制御する飛行体制御部と
を備え、
記配置決定部は、前記一のサービス飛行体及び前記複数のサービス飛行体のうちの他のサービス飛行体の両方と無線通信接続を確立できるよう前記中継飛行体の配置を決定し、
前記飛行体制御部は、前記他のサービス飛行体と無線通信接続を確立し、前記一のサービス飛行体と前記他のサービス飛行体との間の通信を中継するよう前記中継飛行体をさらに制御する
御装置。
【請求項4】
成層圏プラットフォームとして機能し、ビームを照射することによって無線通信エリアを形成して前記無線通信エリア内のユーザ端末に無線通信サービスを提供する通信装置を搭載する複数のサービス飛行体の位置を示すサービス飛行体位置情報を取得する飛行体位置情報取得部と、
前記サービス飛行体位置情報に基づいて、前記複数のサービス飛行体のうちの一のサービス飛行体の通信を中継する中継飛行体の配置を決定する配置決定部と、
前記配置決定部によって決定された配置に従って移動して前記一のサービス飛行体と無線通信接続を確立するよう前記中継飛行体を制御する飛行体制御部と
を備え、
記配置決定部は、前記一のサービス飛行体及び他の中継飛行体の両方と無線通信接続を確立できるよう前記中継飛行体の配置を決定し、
前記飛行体制御部は、前記他の中継飛行体と無線通信接続を確立し、前記一のサービス飛行体と前記他の中継飛行体との間の通信を中継するよう前記中継飛行体をさらに制御する
御装置。
【請求項5】
前記中継飛行体と無線通信接続されている前記複数のサービス飛行体のそれぞれの前記無線通信エリアの優先度を設定する優先度設定部をさらに備え、
前記飛行体制御部は、前記優先度設定部が設定した前記優先度に基づいて、予め定められた通信容量を前記複数のサービス飛行体に配分するよう前記中継飛行体をさらに制御する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記複数のサービス飛行体のそれぞれが形成する前記無線通信エリアの降雨量を示す降雨量情報を含む、前記複数のサービス飛行体のそれぞれが形成する前記無線通信エリアの天候に関する天候関連情報を受信する天候関連情報受信部をさらに備え、
前記配置決定部は、前記天候関連情報に含まれる前記降雨量情報に基づいて、前記複数のサービス飛行体のうち、形成している前記無線通信エリアの前記降雨量が予め定められた降雨量閾値より多い前記一のサービス飛行体の通信を中継する前記中継飛行体の配置を決定する、請求項1から5のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記複数のサービス飛行体のそれぞれが形成する前記無線通信エリアの予測降雨量を示す予測降雨量情報を含む、前記複数のサービス飛行体のそれぞれが形成する前記無線通信エリアの天候に関する天候関連情報を受信する天候関連情報受信部をさらに備え、
前記配置決定部は、前記天候関連情報に含まれる前記予測降雨量情報に基づいて、前記複数のサービス飛行体のうち、形成している前記無線通信エリアの前記予測降雨量が予め定められた予測降雨量閾値より多い前記一のサービス飛行体の通信を中継する前記中継飛行体の配置を決定する、請求項1から5のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記複数のサービス飛行体の通信速度に関する通信速度関連情報を取得する通信速度関連情報取得部をさらに備え、
前記配置決定部は、前記通信速度関連情報に基づいて、前記複数のサービス飛行体のうち、前記ユーザ端末との通信速度が第1通信速度閾値より低い、又は、地上のゲートウェイとの通信速度が第2通信速度閾値より低い前記一のサービス飛行体の通信を中継する前記中継飛行体の配置を決定する、請求項1から7のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記制御装置は、前記中継飛行体に搭載される、請求項1から8のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1から9のいずれか一項に記載の制御装置として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか一項に記載の制御装置と、
前記中継飛行体と
を備える、システム。
【請求項12】
前記中継飛行体は、前記無線通信サービスを提供する機能を有さない、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
コンピュータによって実行される制御方法であって、
成層圏プラットフォームとして機能し、ビームを照射することによって無線通信エリアを形成して前記無線通信エリア内のユーザ端末に無線通信サービスを提供する通信装置を搭載する複数のサービス飛行体の位置を示すサービス飛行体位置情報を取得する飛行体位置情報取得段階と
記サービス飛行体位置情報に基づいて、前記複数のサービス飛行体のうちの一のサービス飛行体の通信を中継する中継飛行体の配置を決定する配置決定段階と、
前記配置決定段階によって決定された配置に従って移動して前記一のサービス飛行体と無線通信接続を確立するよう前記中継飛行体を制御する飛行体制御段階と
を備え、
前記配置決定段階は、前記一のサービス飛行体及び地上のゲートウェイの両方と無線通信接続を確立できるよう前記中継飛行体の配置を決定し、
前記飛行体制御段階は、前記一のサービス飛行体と前記ゲートウェイとの間の通信を中継するよう前記中継飛行体をさらに制御する、
御方法。
【請求項14】
コンピュータによって実行される制御方法であって、
成層圏プラットフォームとして機能し、ビームを照射することによって無線通信エリアを形成して前記無線通信エリア内のユーザ端末に無線通信サービスを提供する通信装置を搭載する複数のサービス飛行体の位置を示すサービス飛行体位置情報を取得する飛行体位置情報取得段階と、
前記サービス飛行体位置情報に基づいて、前記複数のサービス飛行体のうちの一のサービス飛行体の通信を中継する中継飛行体の配置を決定する配置決定段階と、
前記配置決定段階によって決定された配置に従って移動して前記一のサービス飛行体と無線通信接続を確立するよう前記中継飛行体を制御する飛行体制御段階と
を備え、
前記配置決定段階は、前記一のサービス飛行体及び前記複数のサービス飛行体のうちの他のサービス飛行体の両方と無線通信接続を確立できるよう前記中継飛行体の配置を決定し、
前記飛行体制御段階は、前記他のサービス飛行体と無線通信接続を確立し、前記一のサービス飛行体と前記他のサービス飛行体との間の通信を中継するよう前記中継飛行体をさらに制御する、
制御方法。
【請求項15】
コンピュータによって実行される制御方法であって、
成層圏プラットフォームとして機能し、ビームを照射することによって無線通信エリアを形成して前記無線通信エリア内のユーザ端末に無線通信サービスを提供する通信装置を搭載する複数のサービス飛行体の位置を示すサービス飛行体位置情報を取得する飛行体位置情報取得段階と、
前記サービス飛行体位置情報に基づいて、前記複数のサービス飛行体のうちの一のサービス飛行体の通信を中継する中継飛行体の配置を決定する配置決定段階と、
前記配置決定段階によって決定された配置に従って移動して前記一のサービス飛行体と無線通信接続を確立するよう前記中継飛行体を制御する飛行体制御段階と
を備え、
前記配置決定段階は、前記一のサービス飛行体及び他の中継飛行体の両方と無線通信接続を確立できるよう前記中継飛行体の配置を決定し、
前記飛行体制御段階は、前記他の中継飛行体と無線通信接続を確立し、前記一のサービス飛行体と前記他の中継飛行体との間の通信を中継するよう前記中継飛行体をさらに制御する、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、プログラム、システム、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、HAPS(High Altitude Platform Station)を用いた通信システムが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2019-135823号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、制御装置が提供される。制御装置は、成層圏プラットフォームとして機能し、ビームを照射することによって無線通信エリアを形成して上記無線通信エリア内のユーザ端末に無線通信サービスを提供する通信装置を搭載する複数のサービス飛行体の位置を示すサービス飛行体位置情報を取得する飛行体位置情報取得部を備えてよい。制御装置は、予め定められた条件及び上記サービス飛行体位置情報に基づいて、上記複数のサービス飛行体のうちの一のサービス飛行体の通信を中継する中継飛行体の配置を決定する配置決定部を備えてよい。制御装置は、上記配置決定部によって決定された配置に従って移動して上記一のサービス飛行体と無線通信接続を確立するよう上記中継飛行体を制御する飛行体制御部を備えてよい。
【0004】
上記配置決定部は、上記一のサービス飛行体及び地上のゲートウェイの両方と無線通信接続を確立できるよう上記中継飛行体の配置を決定してよい。上記飛行体制御部は、上記一のサービス飛行体と上記ゲートウェイとの間の通信を中継するよう上記中継飛行体をさらに制御してよい。上記配置決定部は、上記一のサービス飛行体及び上記ゲートウェイの両方と無線通信接続を確立できる範囲内において、上記中継飛行体と上記ゲートウェイとの間の距離がより短くなるよう上記中継飛行体の配置を決定してよい。上記配置決定部は、上記一のサービス飛行体及び上記複数のサービス飛行体のうちの他のサービス飛行体の両方と無線通信接続を確立できるよう上記中継飛行体の配置を決定してよい。上記飛行体制御部は、上記他のサービス飛行体と無線通信接続を確立し、上記一のサービス飛行体と上記他のサービス飛行体との間の通信を中継するよう上記中継飛行体をさらに制御してよい。上記配置決定部は、上記一のサービス飛行体及び他の中継飛行体の両方と無線通信接続を確立できるよう上記中継飛行体の配置を決定してよい。上記飛行体制御部は、上記他の中継飛行体と無線通信接続を確立し、上記一のサービス飛行体と上記他の中継飛行体との間の通信を中継するよう上記中継飛行体をさらに制御してよい。
【0005】
制御装置は、上記中継飛行体と無線通信接続されている上記複数のサービス飛行体のそれぞれの上記無線通信エリアの優先度を設定する優先度設定部をさらに備えてよい。上記飛行体制御部は、上記優先度設定部が設定した上記優先度に基づいて、予め定められた通信容量を上記複数のサービス飛行体に配分するよう上記中継飛行体をさらに制御してよい。制御装置は、上記複数のサービス飛行体のそれぞれが形成する上記無線通信エリアの降雨量を示す降雨量情報を含む、上記複数のサービス飛行体のそれぞれが形成する上記無線通信エリアの天候に関する天候関連情報を受信する天候関連情報受信部をさらに備えてよい。上記配置決定部は、上記天候関連情報に含まれる上記降雨量情報に基づいて、上記複数のサービス飛行体のうち、形成している上記無線通信エリアの上記降雨量が予め定められた降雨量閾値より多い上記一のサービス飛行体の通信を中継する上記中継飛行体の配置を決定してよい。制御装置は、上記複数のサービス飛行体のそれぞれが形成する上記無線通信エリアの予測降雨量を示す予測降雨量情報を含む、上記複数のサービス飛行体のそれぞれが形成する上記無線通信エリアの天候に関する天候関連情報を受信する天候関連情報受信部をさらに備えてよい。上記配置決定部は、上記天候関連情報に含まれる上記予測降雨量情報に基づいて、上記複数のサービス飛行体のうち、形成している上記無線通信エリアの上記予測降雨量が予め定められた予測降雨量閾値より多い上記一のサービス飛行体の通信を中継する上記中継飛行体の配置を決定してよい。
【0006】
制御装置は、上記複数のサービス飛行体の通信速度に関する通信速度関連情報を取得する通信速度関連情報取得部をさらに備えてよい。上記配置決定部は、上記通信速度関連情報に基づいて、上記複数のサービス飛行体のうち、上記ユーザ端末との通信速度が第1通信速度閾値より低い、又は、地上のゲートウェイとの通信速度が第2通信速度閾値より低い上記一のサービス飛行体の通信を中継する上記中継飛行体の配置を決定してよい。制御装置は、上記中継飛行体に搭載されてよい。
【0007】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを、上記制御装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0008】
本発明の一実施態様によれば、システムが提供される。システムは、上記制御装置を備えてよい。システムは、中継飛行体を備えてよい。
【0009】
上記中継飛行体は、上記無線通信サービスを提供する機能を有さなくてよい。
【0010】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータによって実行される制御方法が提供される。制御方法は、成層圏プラットフォームとして機能し、ビームを照射することによって無線通信エリアを形成して上記無線通信エリア内のユーザ端末に無線通信サービスを提供する通信装置を搭載する複数のサービス飛行体の位置を示すサービス飛行体位置情報を取得する飛行体位置情報取得段階を備えてよい。制御方法は、予め定められた条件及び上記サービス飛行体位置情報に基づいて、上記複数のサービス飛行体のうちの一のサービス飛行体の通信を中継する中継飛行体の配置を決定する配置決定段階を備えてよい。制御方法は、上記配置決定段階によって決定された配置に従って移動して上記一のサービス飛行体と無線通信接続を確立するよう上記中継飛行体を制御する飛行体制御段階を備えてよい。
【0011】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】システム10の一例を概略的に示す。
図2】中継飛行体200の配置の一例を説明するための説明図である。
図3】中継飛行体200の配置の他の一例を説明するための説明図である。
図4】複数の中継飛行体200の配置の一例を説明するための説明図である。
図5】制御装置300による処理の一例を説明するための説明図である。
図6】制御装置300による処理の他の一例を説明するための説明図である。
図7】制御装置300の機能構成の一例を概略的に示す。
図8】サービス飛行体100、中継飛行体200、及び制御装置300の処理の流れの一例を説明するための説明図である。
図9】制御装置300として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
サービスリンク(Service Link;SL)を提供中のHAPS間で通信ネットワークを構築した場合、HAPSは定点滞空しているため、柔軟で高度かつ変更可能なNW(Network)構成とすることが難しい。本実施形態に係るシステム10は、例えば、上述の課題を解決するためのHAPS間通信専用のHAPS(以下、「インターHAPS」と記載する場合がある。)及びNW運用制御装置に関するものである。インターHAPSは、例えば、滞空位置を自由に移動する機能、ハブ機能、ルータ機能、5G MEC(Mobile Edge Computing)機能、及び、異種HAPS間を中継可能する相互接続IF(Interface)機能を搭載する。これにより、本実施形態に係るシステム10は、サービス提供用HAPSの定点滞空位置の制限、HAPS間通信距離の制限、気象条件による制限、及び、GW(Gateway)の設置場所の制限等の制限をクリアしつつ、(1)インターHAPSに搭載されたハブ機能を利用したNW構成、(2)インターHAPSによるフィーダリンク(Feeder Link;FL)の中継、(3)複数のインターHAPSのそれぞれに搭載されたルーター機能を利用したメッシュ/リング型NW構成、(4)インターHAPSに搭載された5G MEC機能を利用した5G低遅延サービス、及び(5)インターHAPSに搭載された相互接続IF機能を利用した異種HAPS間通信を実現し得る。
【0014】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0015】
図1は、システム10の一例を概略的に示す。本実施形態に係るシステム10は、中継飛行体200及び制御装置300を備える。図1では、1機の中継飛行体200を図示しているが、システム10は2機以上の中継飛行体200を備えてよい。システム10は、サービス飛行体100を備えてよい。図1では、1機のサービス飛行体100を図示しているが、システム10は2機以上のサービス飛行体100を備えてよい。システム10は、ゲートウェイ40を備えてよい。システム10は、ゲートウェイ50を備えてよい。
【0016】
サービス飛行体100は、主翼部121、本体部122、プロペラ124、太陽電池パネル130、アンテナ132、アンテナ134、及びアンテナ136を有する。本体部122は、通信装置150と、不図示のバッテリ及び飛行制御装置とを含む。バッテリは、太陽電池パネル130によって発電された電力を蓄電する。飛行制御装置は、サービス飛行体100の飛行を制御する。飛行制御装置は、例えば、バッテリに蓄電された電力を用いてプロペラ124を回転させることによって、サービス飛行体100を飛行させる。
【0017】
通信装置150は、アンテナ132を用いてビームを照射することによって無線通信エリア142を形成して、無線通信エリア142内のユーザ450が所有するユーザ端末400に無線通信サービスを提供する。通信装置150は、アンテナ132を用いて、無線通信エリア142内のユーザ端末400との間で無線通信接続を確立してよい。通信装置150と飛行制御装置とは一体であってもよい。
【0018】
通信装置150は、アンテナ134を用いて、地上のゲートウェイ40との間で無線通信接続を確立してよい。例えば、通信装置150は、ゲートウェイ40及びネットワーク20を介して、制御装置300と通信する。
【0019】
ネットワーク20は、通信事業者によって提供されるコアネットワークを含んでよい。コアネットワークは、例えば、5G(5th Generation)通信システムに準拠する。コアネットワークは、6G(6th Generation)通信システム以降の移動体通信システムに準拠してもよい。コアネットワークは、3G(3rd Generation)通信システムに準拠してもよい。コアネットワークは、LTE(Long Term Evolution)通信システムに準拠してもよい。ネットワーク20は、インターネットを含んでもよい。
【0020】
アンテナ134は、例えば、右旋偏波の電波を送受信する機能を有する。アンテナ134は、例えば、左旋偏波の電波を送受信する機能を有する。アンテナ134は、右旋偏波の電波及び左旋偏波の電波の両方を送受信する機能を有してもよい。
【0021】
通信装置150は、アンテナ136を用いて、中継飛行体200との間で無線通信接続を確立してよい。例えば、通信装置150は、中継飛行体200を介して、制御装置300と通信する。
【0022】
通信装置150は、アンテナ136を用いて、他のサービス飛行体100との間で無線通信接続を確立してもよい。例えば、通信装置150は、他のサービス飛行体100を介して、制御装置300と通信する。
【0023】
サービス飛行体100は、複数のアンテナ136を有してよい。サービス飛行体100は、例えば、2本のアンテナ136を有する。サービス飛行体100は、2本より多くのアンテナ136を有してもよい。
【0024】
アンテナ136は、例えば、右旋偏波の電波を送受信する機能を有する。アンテナ136は、例えば、左旋偏波の電波を送受信する機能を有する。アンテナ136は、右旋偏波の電波及び左旋偏波の電波の両方を送受信する機能を有してもよい。
【0025】
サービス飛行体100は、例えば、成層圏を飛行してユーザ端末400に無線通信サービスを提供する。サービス飛行体100は、成層圏プラットフォームとして機能してよい。
【0026】
サービス飛行体100は、例えば、カバー対象のエリアの上空を巡回しながら、無線通信エリア142によって当該エリアをカバーする。また、サービス飛行体100は、例えば、カバー対象のエリアの一部を無線通信エリア142によってカバーしながら、エリアの上空を移動することによって、領域の全体をカバーする。
【0027】
サービス飛行体100は、例えば、サービス飛行体100の位置情報を取得する機能を有する。サービス飛行体100は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)機能を用いて、サービス飛行体100の位置情報を取得する。サービス飛行体100は、通信装置150を介して、取得したサービス飛行体100の位置情報を制御装置300に送信する。
【0028】
サービス飛行体100は、例えば、通信装置150の通信速度情報を取得する機能を有する。サービス飛行体100は、通信装置150を介して、取得した通信速度情報を制御装置300に送信する。
【0029】
中継飛行体200は、主翼部221、本体部222、プロペラ224、太陽電池パネル230、アンテナ234、及びアンテナ236を有する。本体部222は、中継装置250と、不図示のバッテリ及び飛行制御装置とを含む。バッテリは、太陽電池パネル230によって発電された電力を蓄電する。飛行制御装置は、中継飛行体200の飛行を制御する。飛行制御装置は、例えば、バッテリに蓄電された電力を用いてプロペラ224を回転させることによって、中継飛行体200を飛行させる。
【0030】
中継装置250は、アンテナ234を用いて、地上のゲートウェイ50との間で無線通信接続を確立してよい。例えば、中継装置250は、ゲートウェイ50及びネットワーク20を介して、制御装置300と通信する。中継装置250と飛行制御装置とは一体であってもよい。
【0031】
ゲートウェイ50は、例えば、中継飛行体200専用のゲートウェイである。ゲートウェイ50は、サービス飛行体100及び中継飛行体200が利用可能なゲートウェイであってもよい。
【0032】
ゲートウェイ50は、電源や光回線等のインフラが既に整備されているポイントに設置されてよい。例えば、ゲートウェイ50は、移動体通信事業者(Mobile Network Operator;MNO)が所有する建物やデータセンタの屋上に設置される。
【0033】
アンテナ234は、例えば、右旋偏波の電波を送受信する機能を有する。アンテナ234は、例えば、左旋偏波の電波を送受信する機能を有する。アンテナ234は、右旋偏波の電波及び左旋偏波の電波の両方を送受信する機能を有してもよい。
【0034】
中継装置250は、アンテナ236を用いて、サービス飛行体100との間で無線通信接続を確立してよい。例えば、中継装置250は、サービス飛行体100の通信を中継する。中継装置250は、例えば、サービス飛行体100と地上のゲートウェイ50との間の通信を中継する。中継装置250は、サービス飛行体100と他のサービス飛行体100との間の通信を中継してもよい。
【0035】
中継装置250は、アンテナ236を用いて、他の中継飛行体200との間で無線通信接続を確立してもよい。例えば、中継装置250は、他の中継飛行体200の通信を中継する。中継装置250は、例えば、他の中継飛行体200と地上のゲートウェイ50との間の通信を中継する。中継装置250は、サービス飛行体100と他の中継飛行体200との間の通信を中継してもよい。
【0036】
中継飛行体200は、複数のアンテナ236を有してよい。中継飛行体200は、例えば、2本のアンテナ236を有する。中継飛行体200は、2本より多くのアンテナ236を有してもよい。
【0037】
アンテナ236は、例えば、右旋偏波の電波を送受信する機能を有する。アンテナ236は、例えば、左旋偏波の電波を送受信する機能を有する。アンテナ236は、右旋偏波の電波及び左旋偏波の電波の両方を送受信する機能を有してもよい。
【0038】
中継飛行体200は、成層圏を飛行してサービス飛行体100又は他の中継飛行体200の通信を中継してよい。中継飛行体200は、例えば、サービス飛行体100又は他の中継飛行体200が飛行する高度と同じ高度を飛行する。
【0039】
中継飛行体200は、サービス飛行体100又は他の中継飛行体200が飛行する高度とは異なる高度を飛行してもよい。例えば、中継飛行体200は、サービス飛行体100又は他の中継飛行体200が飛行する高度より高い高度する。中継飛行体200は、サービス飛行体100又は他の中継飛行体200が飛行する高度より低い高度を飛行してもよい。
【0040】
中継飛行体200は、例えば、サービス飛行体100の通信を中継するために、飛行しながら上空に待機している。中継飛行体200は、サービス飛行体100の通信を中継するために、停止した状態で地上に待機していてもよい。
【0041】
中継飛行体200は、例えば、中継飛行体200の位置情報を取得する機能を有する。例えば、中継飛行体200は、GNSS機能を用いて、中継飛行体200の位置情報を取得する。中継飛行体200は、中継装置250を介して、取得した中継飛行体200の位置情報を制御装置300に送信する。
【0042】
中継飛行体200は、ユーザ端末400に無線通信サービスを提供する機能を有していなくてよい。無線通信サービスを提供する機能を有していない中継飛行体200は、無線通信サービスを提供するために必要な構成を搭載しないので、無線通信サービスを提供する機能を有する中継飛行体200と比較して機体を軽量化できる。よって、無線通信サービスを提供する機能を有していない中継飛行体200は、無線通信サービスを提供する機能を有する中継飛行体200と比較して、大型で高性能のアンテナ234やアンテナ236を搭載できる。これにより、無線通信サービスを提供する機能を有していない中継飛行体200は、当該中継飛行体200からより離れたポイントに位置するゲートウェイ50やサービス飛行体100等と無線通信接続を確立できる。尚、中継飛行体200は、ユーザ端末400に無線通信サービスを提供する機能を有していてもよい。
【0043】
ユーザ端末400は、通信装置150を介して制御装置300と通信可能な通信端末であればどのような端末であってもよい。例えば、ユーザ端末400は、スマートフォン等の携帯電話、タブレット端末及びウェアラブル端末等である。
【0044】
制御装置300は、中継飛行体200を制御する。例えば、制御装置300は、サービス飛行体100の通信を中継する中継飛行体200の配置を決定し、決定した配置に従って移動してサービス飛行体100と無線通信接続を確立するよう中継飛行体200を制御する。
【0045】
制御装置300は、例えば、サービス飛行体100及びゲートウェイ50の両方と無線通信接続を確立できるように、中継飛行体200の配置を決定する。制御装置300は、サービス飛行体100と他のサービス飛行体100の両方と無線通信接続を確立できるように、中継飛行体200の配置を決定してもよい。
【0046】
制御装置300は、例えば、地上に設置される。制御装置300は、例えば、ネットワーク20上に設置される。制御装置300は、サービス飛行体100に搭載されてもよい。制御装置300は、中継飛行体200に搭載されてもよい。
【0047】
天候関連情報管理サーバ500は、複数のサービス飛行体100のそれぞれが形成する無線通信エリア142の天候に関する天候関連情報を管理する。天候関連情報管理サーバ500は、ネットワーク20を介して、天候関連情報を制御装置300に送信する。
【0048】
従来システムにおいて、無線通信サービスを提供している飛行体と地上のゲートウェイとの間の通信ネットワークは、当該飛行体と地上のゲートウェイ又は無線通信サービスを提供している他の飛行体との間で無線通信接続を確立することによって構成されている。しかしながら、無線通信サービスを提供している飛行体は、形成する無線通信エリアの中心周辺の上空を飛行しなければならないので、自由に移動することができない。また、無線通信サービスを提供している飛行体間で無線通信接続可能な距離は、最大で約200kmであり、無線通信サービスを提供している飛行体が地上のゲートウェイと無線通信接続可能な距離は最大で約100kmである。そのため、無線通信サービスを提供している飛行体は、当該飛行体から無線通信接続可能な距離の範囲に位置する地上のゲートウェイや無線通信サービスを提供している他の飛行体としか無線通信接続を確立できない。特に、無線通信サービスを提供している飛行体が形成する無線通信エリアが気象条件の悪いエリア等のゲートウェイを設置できないエリアである場合、当該飛行体と無線通信接続可能なゲートウェイが存在しない。そのため、従来のシステムは、無線通信サービスを提供している飛行体と地上のゲートウェイとの間の通信ネットワークを柔軟に構築できない。
【0049】
これに対して、本実施形態に係るシステム10によれば、自由に移動することができる中継飛行体200をさらに用いて、サービス飛行体100と地上のゲートウェイとの間の通信ネットワークを構成する。中継飛行体200がサービス飛行体100の通信を中継することによって、当該サービス飛行体100は、中継飛行体200を介して、当該サービス飛行体100から無線通信接続可能な距離より離れている他のサービス飛行体100や地上のゲートウェイ50と無線通信できる。これにより、本実施形態に係るシステム10は、従来のシステムと比較して、サービス飛行体100と地上のゲートウェイとの間の通信ネットワークを柔軟に構築できる。
【0050】
図2は、中継飛行体200の配置の一例を説明するための説明図である。中継飛行体200は、例えば、地上のゲートウェイ50から複数のサービス飛行体100までの通信ネットワークがツリー型の通信ネットワークを構成するよう配置される。図2では、サービス飛行体101~サービス飛行体112のそれぞれが無線通信エリア142を形成している場合における中継飛行体200の配置について説明する。
【0051】
中継飛行体200は、ゲートウェイ50、サービス飛行体101、及びサービス飛行体107と無線通信接続を確立できるよう配置されている。この場合、中継飛行体200は、サービス飛行体101及びサービス飛行体107がゲートウェイ50と無線通信するためのハブとして機能する。
【0052】
中継飛行体200は、例えば、サービス飛行体101とゲートウェイ50との間の通信を中継する。中継飛行体200は、例えば、サービス飛行体107とゲートウェイ50との間の通信を中継する。中継飛行体200は、サービス飛行体101とサービス飛行体107との間の通信を中継してもよい。
【0053】
例えば、中継飛行体200は、ゲートウェイ50から信号を受信し、当該信号に含まれるサービス飛行体の識別子情報に基づいて、当該信号をサービス飛行体101又はサービス飛行体107に送信する。この場合、中継飛行体200は、サービス飛行体101及びサービス飛行体107のルータとして機能する。
【0054】
図3は、中継飛行体200の配置の他の一例を説明するための説明図である。ここでは、サービス飛行体101~サービス飛行体112のそれぞれが無線通信エリア142を形成している場合における中継飛行体200の配置について説明する。
【0055】
図3に示す例において、中継飛行体200は、MECとして機能する。中継飛行体200は、MECサーバ600を搭載する。また、サービス飛行体101、サービス飛行体110、及びサービス飛行体112は、中継飛行体200と同様に、MECとして機能する。サービス飛行体101、サービス飛行体110、及びサービス飛行体112は、MECサーバ600を搭載する。サービス飛行体101、サービス飛行体110、及びサービス飛行体112は、例えば、アーバンエリア等のエリアに無線通信サービスを提供している。
【0056】
一方、サービス飛行体102、サービス飛行体103、サービス飛行体104、サービス飛行体105、サービス飛行体106、サービス飛行体107、サービス飛行体108、サービス飛行体109、及びサービス飛行体111は、MECとして機能しない。サービス飛行体102、サービス飛行体103、サービス飛行体104、サービス飛行体105、サービス飛行体106、サービス飛行体107、サービス飛行体108、サービス飛行体109、及びサービス飛行体111は、例えば、ルーラルエリア等のエリアに無線通信サービスを提供している。
【0057】
MECサーバ600は、サービス飛行体100が提供している無線通信サービスに関する処理を実行する。MECサーバ600は、当該処理を実行するためにネットワーク20を介してサービス飛行体100と通信する必要がない。よって、MECサーバ600は、当該処理を実行するためにネットワーク20を介してサービス飛行体100と通信しなければならないネットワーク20上のサーバと比較して、当該処理を低遅延で実行できる。MECサーバ600は、制御装置300の一例であってよい。
【0058】
中継飛行体200は、例えば、MECサーバ600を搭載していないサービス飛行体100が提供している無線通信サービスに関する処理が低遅延で実行される必要がある場合に、当該サービス飛行体100と無線通信接続できるよう配置される。また、中継飛行体200は、無線通信サービスに関する処理を実行するネットワーク20上のサーバの処理負荷が軽減される必要がある場合に、当該無線通信サービスを提供しているサービス飛行体100と無線通信接続できるよう配置されてもよい。図3において、中継飛行体200は、ゲートウェイ50、MECサーバ600を搭載していないサービス飛行体103、及び、MECサーバ600を搭載していないサービス飛行体107と無線通信接続を確立できるよう配置されている。
【0059】
中継飛行体200に搭載されたMECサーバ600は、サービス飛行体103が提供している無線通信サービスに関する処理を実行してよい。また、中継飛行体200に搭載されたMECサーバ600は、サービス飛行体107が提供している無線通信サービスに関する処理を実行してよい。
【0060】
本実施形態に係るシステム10によれば、無線通信サービスに関する処理が恒常的にMECサーバ600によって実行される必要があるエリアの無線通信サービスは、MECサーバ600を搭載したサービス飛行体100によって提供される。その一方で、無線通信サービスに関する処理が恒常的にMECサーバ600によって実行される必要がないエリアの無線通信サービスは、MECサーバ600を搭載していないサービス飛行体100によって提供される。そして、当該エリアの無線通信サービスに関する処理が一時的にMECサーバ600によって実行される必要がある場合、中継飛行体200に搭載されたMECサーバ600が、当該エリアの無線通信サービスに関する処理を実行する。これにより、本実施形態に係るシステム10は、全てのサービス飛行体100にMECサーバ600が搭載されているシステムより少ない数のMECサーバ600で、サービス飛行体100によって提供される無線通信サービスに関する処理を低遅延で実行できる。
【0061】
また、本実施形態に係るシステム10によれば、無線通信サービスに関する処理を実行するネットワーク20上のサーバの処理負荷が軽減される必要がある場合に、中継飛行体200に搭載されたMECサーバ600が、ネットワーク20上のサーバに代わって当該処理を実行できる。これにより、本実施形態に係るシステム10は、無線通信サービスに関する処理を実行するネットワーク20上のサーバの処理負荷を軽減できる。
【0062】
図4は、複数の中継飛行体200の配置の一例を説明するための説明図である。複数の中継飛行体200は、例えば、メッシュ型の通信ネットワークを構成するよう配置される。複数の中継飛行体200は、リング型の通信ネットワークを構成するよう配置されてもよい。図4では、中継飛行体201、中継飛行体202、及び中継飛行体203の配置について説明する。
【0063】
中継飛行体201は、ゲートウェイ50、サービス飛行体103、中継飛行体202、及び中継飛行体203と無線通信接続できるよう配置されている。中継飛行体202は、サービス飛行体101及び中継飛行体203と無線通信接続できるよう配置されている。中継飛行体203は、サービス飛行体102と無線通信接続できるよう配置されている。
【0064】
中継飛行体201は、例えば、サービス飛行体103とゲートウェイ50の間の通信を中継する。中継飛行体201、例えば、中継飛行体202とゲートウェイ50との間の通信を中継する。中継飛行体201は、例えば、中継飛行体203とゲートウェイ50との間の通信を中継する。
【0065】
中継飛行体201は、サービス飛行体103と中継飛行体202との間の通信を中継してよい。中継飛行体201は、サービス飛行体103と中継飛行体203との間の通信を中継してもよい。中継飛行体201は、中継飛行体202と中継飛行体203との間の通信を中継してもよい。
【0066】
例えば、中継飛行体201は、ゲートウェイ50から信号を受信し、当該信号に含まれるサービス飛行体の識別子情報に基づいて、当該信号をサービス飛行体103、中継飛行体202、又は中継飛行体203に送信する。この場合、中継飛行体201は、サービス飛行体101、サービス飛行体102、及びサービス飛行体103のルータとして機能する。
【0067】
中継飛行体202は、例えば、サービス飛行体101と中継飛行体201との間の通信を中継する。中継飛行体202は、例えば、中継飛行体201と中継飛行体203との間の通信を中継する。中継飛行体202は、サービス飛行体101と中継飛行体203との間の通信を中継してもよい。
【0068】
例えば、中継飛行体202は、中継飛行体201から信号を受信し、当該信号に含まれるサービス飛行体の識別子情報に基づいて、当該信号をサービス飛行体101又は中継飛行体203に送信する。この場合、中継飛行体202は、サービス飛行体101及びサービス飛行体102のルータとして機能する。
【0069】
中継飛行体203は、例えば、サービス飛行体102と中継飛行体201との間の通信を中継する。中継飛行体203は、例えば、中継飛行体201と中継飛行体202との間の通信を中継する。中継飛行体203は、サービス飛行体102と中継飛行体202との間の通信を中継してもよい。
【0070】
例えば、中継飛行体203は、中継飛行体201から信号を受信し、当該信号に含まれるサービス飛行体の識別子情報に基づいて、当該信号をサービス飛行体102又は中継飛行体202に送信する。この場合、中継飛行体203は、サービス飛行体101及びサービス飛行体102のルータとして機能する。
【0071】
図4において、中継飛行体200が、中継飛行体201、中継飛行体202、及び中継飛行体203の通信ネットワークに追加されてもよい。追加の中継飛行体200は、例えば、中継飛行体201、中継飛行体202、及び中継飛行体203と共にメッシュ型の通信ネットワークを構成するよう配置される。追加の中継飛行体200は、中継飛行体201、中継飛行体202、及び中継飛行体203と共にリング型の通信ネットワークを構成する配置されてもよい。
【0072】
本実施形態に係るシステム10によれば、複数の中継飛行体200が、メッシュ型又はリング型の通信ネットワークを構成するよう配置される。これにより、本実施形態に係るシステム10は、地上のゲートウェイ50から複数のサービス飛行体100までの通信ネットワークの冗長性を高めることができる。
【0073】
図5は、制御装置300による処理の一例を説明するための説明図である。ここでは、制御装置300が中継飛行体201の通信容量を配分する場合における制御装置300の処理ついて説明する。
【0074】
サービス飛行体101、サービス飛行体102、サービス飛行体103、サービス飛行体104、及びサービス飛行体107によってそれぞれ形成される無線通信エリア142には、ゲートウェイ40が設置されている。サービス飛行体101、サービス飛行体102、サービス飛行体103、サービス飛行体104、及びサービス飛行体107はそれぞれ、無線通信エリア142内のゲートウェイ40と無線通信接続を確立している。ここでは、制御装置300が中継飛行体201の通信容量を配分する前のサービス飛行体101、サービス飛行体102、サービス飛行体103、サービス飛行体104、及びサービス飛行体107の通信容量がそれぞれ、1000Mbpsであるものとして説明を続ける。
【0075】
一方、サービス飛行体105及びサービス飛行体106によってそれぞれ形成される無線通信エリア142には、ゲートウェイ40が設置されていない。また、サービス飛行体105及びサービス飛行体106は、無線通信接続を確立している。
【0076】
中継飛行体201は、ゲートウェイ50、中継飛行体202、及び中継飛行体203と無線通信接続できるよう配置されている。中継飛行体202は、サービス飛行体101及びサービス飛行体102と無線通信接続できるよう配置されている。中継飛行体203は、サービス飛行体105及び中継飛行体204と無線通信接続できるよう配置されている。中継飛行体204は、サービス飛行体107と無線通信接続できるよう配置されている。
【0077】
ゲートウェイ50と無線通信接続を確立している中継飛行体200は、マスタ中継飛行体であってよい。図5において、中継飛行体201は、マスタ中継飛行体である。一方、ゲートウェイ50と無線通信接続を確立していない中継飛行体200は、スレーブ中継飛行体であってよい。図5において、中継飛行体202、中継飛行体203、及び中継飛行体204は、スレーブ中継飛行体である。
【0078】
制御装置300は、中継飛行体201と地上のゲートウェイ50との間の無線通信の通信容量をサービス飛行体101、サービス飛行体102、サービス飛行体105、サービス飛行体106、及びサービス飛行体107に配分するために、中継飛行体201~中継飛行体204を制御してよい。ここでは、中継飛行体201の通信容量が、左旋偏波の電波の通信容量(=1000Mbps)及び右旋偏波の電波の通信容量(=1000Mbps)の和(1000Mbps+1000Mbps=2000Mbps)であるものとして説明を続ける。
【0079】
例えば、制御装置300は、サービス飛行体101、サービス飛行体102、サービス飛行体105、サービス飛行体106、及びサービス飛行体107によってそれぞれ形成される無線通信エリア142の優先度に基づいて、中継飛行体201の通信容量を中継飛行体202及び中継飛行体203に配分するよう中継飛行体201を制御する。中継飛行体201は、制御装置300による制御に従って、中継飛行体201の通信容量を中継飛行体202及び中継飛行体203に配分する。ここでは、中継飛行体201が、2000Mbpsの通信容量のうち750Mbpsの通信容量を中継飛行体202に配分し、1250Mbpsの通信容量を中継飛行体203に配分するものとして説明を続ける。
【0080】
次に、制御装置300は、サービス飛行体101及びサービス飛行体102によってそれぞれ形成される無線通信エリア142の優先度に基づいて、中継飛行体202に配分された通信容量をサービス飛行体101及びサービス飛行体102にさらに配分するよう中継飛行体202を制御する。中継飛行体202は、制御装置300による制御に従って、中継飛行体202に配分された通信容量をサービス飛行体101及びサービス飛行体102にさらに配分する。ここでは、中継飛行体202が、750Mbpsの通信容量のうち250Mbpsの通信容量をサービス飛行体101に配分し、500Mbpsの通信容量をサービス飛行体102に配分するものとして説明を続ける。
【0081】
次に、制御装置300は、サービス飛行体105、サービス飛行体106、及びサービス飛行体107によってそれぞれ形成される無線通信エリア142の優先度に基づいて、中継飛行体203に配分された通信容量をサービス飛行体105及び中継飛行体204にさらに配分するよう中継飛行体203を制御する。中継飛行体203は、制御装置300による制御に従って、中継飛行体203に配分された通信容量をサービス飛行体105及び中継飛行体204にさらに配分する。ここでは、中継飛行体203が、1250Mbpsの通信容量のうち250Mbpsの通信容量をサービス飛行体105に配分し、1000Mbpsの通信容量を中継飛行体204に配分するものとして説明を続ける。
【0082】
次に、制御装置300は、中継飛行体204に配分された通信容量をサービス飛行体107に割り当てるよう中継飛行体204を制御する。中継飛行体204は、制御装置300による制御に従って、中継飛行体204に配分された通信容量をサービス飛行体107に割り当てる。ここでは、中継飛行体204が、1000Mbpsの通信容量をサービス飛行体107に割り当てるものとして説明を続ける。
【0083】
次に、制御装置300は、サービス飛行体105及びサービス飛行体106によってそれぞれ形成される無線通信エリア142の優先度に基づいて、サービス飛行体105に配分された通信容量をサービス飛行体106にさらに配分するようサービス飛行体105を制御する。サービス飛行体105は、制御装置300による制御に従って、サービス飛行体105に配分された通信容量をサービス飛行体106にさらに配分する。ここでは、サービス飛行体105が、250Mbpsの通信容量のうち50Mbpsをサービス飛行体106に配分するものとして説明を続ける。
【0084】
上述の処理によって、中継飛行体201の通信容量の配分が完了する。中継飛行体201の通信容量の配分が完了した後のサービス飛行体101~サービス飛行体107の通信容量は、以下のとおりである。
【0085】
サービス飛行体101の通信容量は、1000Mbps+250Mbps=1250Mbpsである。サービス飛行体102の通信容量は、1000Mbps+500Mbps=1500Mbpsである。
【0086】
サービス飛行体103の通信容量は、1000Mbpsである。サービス飛行体104の通信容量は、1000Mbpsである。
【0087】
サービス飛行体105の通信容量は、200Mbpsである。サービス飛行体106の通信容量は、50Mbpsである。サービス飛行体107の通信容量は、1000Mbps+1000Mbps=2000Mbpsである。
【0088】
本実施形態に係るシステム10によれば、制御装置300は、複数のサービス飛行体100のそれぞれによって形成される無線通信エリア142の優先度に基づいて、マスタ中継飛行体の通信容量を複数のサービス飛行体100に配分するよう複数の中継飛行体200を制御する。これにより、本実施形態に係るシステム10は、複数のサービス飛行体100のそれぞれによって形成される無線通信エリア142の優先度を考慮して、通信容量を複数のサービス飛行体100に適切に配分できる。
【0089】
図6は、制御装置300による処理の他の一例を説明するための説明図である。ここでは、サービス飛行体100が形成する無線通信エリア142内の天候が悪天候である場合における制御装置300の処理について説明する。
【0090】
制御装置300は、天候関連情報管理サーバ500から、ネットワーク20を介して、サービス飛行体100が形成する無線通信エリア142の天候に関する天候関連情報を受信する。制御装置300は、受信した天候関連情報に基づいて、無線通信エリア142が悪天候であるか否かを決定する。ここでは、無線通信エリア142が悪天候であると制御装置300が決定したものとして説明を続ける。
【0091】
制御装置300は、無線通信エリア142が悪天候であると決定したことに応じて、当該無線通信エリア142を形成しているサービス飛行体100及び地上のゲートウェイ50の両方と無線通信接続を確立できるよう中継飛行体200の配置を決定する。その後、制御装置300は、決定された配置に従って移動してサービス飛行体100及び地上のゲートウェイ50の両方と無線通信接続を確立するよう中継飛行体200を制御する。中継飛行体200は、制御装置300による制御に従って、移動を開始してサービス飛行体100及び地上のゲートウェイ50の両方と無線通信接続を確立し、サービス飛行体100と地上のゲートウェイ50との間の通信を中継する。
【0092】
サービス飛行体100とゲートウェイ40との間の無線通信には、雨等の影響を受けやすい周波数帯域の電波が用いられる。したがって、無線通信エリア142の天候が悪天候である場合、当該無線通信エリア142を形成しているサービス飛行体100がゲートウェイ40と正常に無線通信できない場合がある。
【0093】
これに対して、本実施形態に係るシステム10によれば、制御装置300は、無線通信エリア142が悪天候であると決定した場合に、当該無線通信エリア142を形成しているサービス飛行体100と地上のゲートウェイ50との間の通信を中継するよう中継飛行体200を制御する。これにより、サービス飛行体100は、中継飛行体200及び地上のゲートウェイ50を介して、ネットワーク20にアクセスできる。以上より、本実施形態に係るシステム10は、無線通信エリア142が悪天候である場合でも、当該無線通信エリア142に無線通信サービスを提供できる。
【0094】
図7は、制御装置300の機能構成の一例を概略的に示す。制御装置300は、格納部302、飛行体位置情報取得部304、配置決定部306、飛行体制御部308、優先度設定部310、天候関連情報受信部312、及び通信速度関連情報取得部314を有する。なお、制御装置300がこれらの全ての構成を含むことは必須とは限らない。
【0095】
格納部302は、各種情報を格納する。格納部302は、例えば、ゲートウェイ50の設置位置を示す設置位置情報を格納する。
【0096】
飛行体位置情報取得部304は、飛行体の位置情報を取得する。飛行体位置情報取得部304は、例えば、複数のサービス飛行体100の位置を示すサービス飛行体位置情報を取得する。例えば、飛行体位置情報取得部304は、複数のサービス飛行体100のそれぞれに搭載された通信装置150を介して、当該通信装置150を搭載したサービス飛行体100の位置情報を受信することによって、サービス飛行体位置情報を取得する。飛行体位置情報取得部304は、取得したサービス飛行体位置情報を格納部302に格納する。
【0097】
飛行体位置情報取得部304は、中継飛行体200の位置を示す中継飛行体位置情報を取得してもよい。例えば、飛行体位置情報取得部304は、中継飛行体200に搭載された中継装置250を介して、当該中継飛行体200の位置情報を受信することによって、中継飛行体位置情報を取得する。飛行体位置情報取得部304は、取得した中継飛行体位置情報を格納部302に格納する。
【0098】
配置決定部306は、中継飛行体200の配置を決定する。配置決定部306は、例えば、予め定められた条件及び格納部302に格納されているサービス飛行体位置情報に基づいて、複数のサービス飛行体100のうちの一のサービス飛行体100の通信を中継する中継飛行体200の配置を決定する。配置決定部306は、格納部302に格納されている設置位置情報にさらに基づいて、当該中継飛行体200の配置を決定してもよい。配置決定部306は、格納部302に格納されている中継飛行体位置情報にさらに基づいて、当該中継飛行体200の配置を決定してよい。
【0099】
配置決定部306は、例えば、複数のサービス飛行体100のうちの一のサービス飛行体100及び地上のゲートウェイ50の両方と無線通信接続を確立できるよう中継飛行体200の配置を決定する。配置決定部306は、当該一のサービス飛行体100及びゲートウェイ50の両方と無線通信接続を確立できる範囲内において、中継飛行体200とゲートウェイ50との間の距離がより短くなるよう中継飛行体200の配置を決定してもよい。
【0100】
配置決定部306は、例えば、複数のサービス飛行体100のうちの一のサービス飛行体100と中継飛行体200との間の距離が予め定められた距離閾値より短い場合、中継飛行体200が当該一のサービス飛行体100と無線通信接続を確立できると決定する。配置決定部306は、例えば、ゲートウェイ50と中継飛行体200との間の距離が予め定められた距離閾値より短い場合、中継飛行体200がゲートウェイ50と無線通信接続を確立できると決定する。
【0101】
配置決定部306は、例えば、複数のサービス飛行体100のうちの一のサービス飛行体100及び他のサービス飛行体100の両方と無線通信接続を確立できるよう中継飛行体200の配置を決定する。配置決定部306は、当該一のサービス飛行体100及び他の中継飛行体200の両方と無線通信接続を確立できるよう中継飛行体200の配置を決定してもよい。配置決定部306は、例えば、中継飛行体200と他の中継飛行体200との間の距離が予め定められた距離閾値より短い場合、中継飛行体200が他の中継飛行体200と無線通信接続を確立できると決定する。
【0102】
飛行体制御部308は、飛行体を制御する。飛行体制御部308は、例えば、サービス飛行体100を制御する。飛行体制御部308は、例えば、中継飛行体200を制御する。
【0103】
飛行体制御部308は、例えば、サービス飛行体100を制御するサービス飛行体制御情報を生成し、生成したサービス飛行体制御情報をサービス飛行体100に送信することによって、サービス飛行体100を制御する。サービス飛行体制御情報は、例えば、サービス飛行体100の飛行を制御するための制御情報を含む。サービス飛行体制御情報は、サービス飛行体100に搭載された通信装置150を制御するための制御情報を含んでもよい。
【0104】
飛行体制御部308は、例えば、無線通信エリア142を形成して、無線通信エリア142内のユーザ端末400に無線通信サービスを提供するようサービス飛行体100を制御する。サービス飛行体100は、制御装置300による制御に従って、無線通信エリア142を形成して、無線通信エリア142内のユーザ端末400に無線通信サービスを提供する。
【0105】
飛行体制御部308は、例えば、中継飛行体200を制御する中継飛行体制御情報を生成し、生成した中継飛行体制御情報を中継飛行体200に送信することによって、中継飛行体200を制御する。中継飛行体制御情報は、例えば、中継飛行体200の飛行を制御するための制御情報を含む。中継飛行体制御情報は、中継飛行体200に搭載された中継装置250を制御するための制御情報を含んでもよい。
【0106】
飛行体制御部308は、例えば、配置決定部306によって決定された配置に従って移動して複数のサービス飛行体100のうちの一のサービス飛行体100と無線通信接続を確立するよう中継飛行体200を制御する。例えば、配置決定部306が当該一のサービス飛行体100及び地上のゲートウェイ50の両方と無線通信接続を確立できるよう中継飛行体200の配置を決定した場合、飛行体制御部308は、当該一のサービス飛行体100とゲートウェイ50との間の通信を中継するよう中継飛行体200をさらに制御する。
【0107】
例えば、配置決定部306が複数のサービス飛行体100のうちの一のサービス飛行体100及び他のサービス飛行体100の両方と無線通信接続を確立できるよう中継飛行体200の配置を決定した場合、飛行体制御部308は、当該他のサービス飛行体100と無線通信接続を確立し、当該一のサービス飛行体100と当該他のサービス飛行体100との間の通信を中継するよう中継飛行体200をさらに制御する。例えば、配置決定部306が当該一のサービス飛行体100及び他の中継飛行体200の両方と無線通信接続を確立できるよう中継飛行体200の配置を決定した場合、飛行体制御部308は、他の中継飛行体200と無線通信接続を確立し、当該一のサービス飛行体100と他の中継飛行体200との間の通信を中継するよう中継飛行体200をさらに制御する。
【0108】
優先度設定部310は、複数のサービス飛行体100のそれぞれによって形成される無線通信エリア142の優先度を設定する。優先度設定部310は、例えば、配置決定部306によって配置が決定された中継飛行体200と無線通信接続されている複数のサービス飛行体100のそれぞれによって形成される無線通信エリア142の優先度を設定する。優先度設定部310は、例えば、制御装置300が備える不図示の入力デバイスが無線通信エリア142の優先度の入力を受け付けることによって、当該無線通信エリア142の優先度を設定する。
【0109】
飛行体制御部308は、優先度設定部310が設定した優先度に基づいて、中継飛行体200を制御してよい。飛行体制御部308は、例えば、予め定められた通信容量を複数のサービス飛行体100に配分するよう中継飛行体200を制御する。飛行体制御部308は、優先度設定部310が設定した優先度に基づいて、サービス飛行体100を制御してよい。飛行体制御部308は、例えば、予め定められた通信容量を他のサービス飛行体100に配分するようサービス飛行体100を制御する。
【0110】
予め定められた通信容量は、例えば、マスタ中継飛行体の通信容量である。予め定められた通信容量は、例えば、スレーブ中継飛行体の通信容量である。予め定められた通信容量は、例えば、サービス飛行体100の通信容量であってもよい。
【0111】
天候関連情報受信部312は、ネットワーク20を介して、天候関連情報管理サーバ500から天候関連情報を受信する。天候関連情報は、例えば、複数のサービス飛行体100のそれぞれが形成する無線通信エリア142の降雨量を示す降雨量情報を含む。天候関連情報は、例えば、複数のサービス飛行体100のそれぞれが形成する無線通信エリア142の予測降雨量を示す予測降雨量情報を含む。天候関連情報受信部312は、受信した天候関連情報を格納部302に格納する。
【0112】
配置決定部306は、格納部302に格納されている天候関連情報にさらに基づいて、中継飛行体200の配置を決定してよい。配置決定部306は、例えば、形成している無線通信エリア142が悪天候であるサービス飛行体100の通信を中継する中継飛行体200の配置を決定する。
【0113】
配置決定部306は、例えば、複数のサービス飛行体100のうち、形成している無線通信エリア142の降雨量が予め定められた降雨量閾値より多い一のサービス飛行体100の通信を中継する中継飛行体200の配置を決定する。配置決定部306は、複数のサービス飛行体100のうち、形成している無線通信エリア142の予測降雨量が予め定められた予測降雨量閾値より多い一のサービス飛行体100の通信を中継する中継飛行体200の配置を決定してもよい。
【0114】
通信速度関連情報取得部314は、複数のサービス飛行体100の通信速度に関する通信速度関連情報を取得する。例えば、通信速度関連情報取得部314は、複数のサービス飛行体100のそれぞれに搭載された通信装置150を介して、当該通信装置150を搭載したサービス飛行体100の通信速度情報を受信することによって、通信速度関連情報を取得する。通信速度関連情報取得部314は、取得した通信速度関連情報を格納部302に格納する。
【0115】
通信速度情報は、例えば、サービス飛行体100とユーザ端末400との間の通信速度を示す情報を含む。通信速度情報は、例えば、サービス飛行体100と複数のユーザ端末400のそれぞれとの間の通信速度の平均通信速度を示す情報を含む。通信速度情報は、サービス飛行体100と地上のゲートウェイ40との間の通信速度を示す情報を含んでもよい。
【0116】
配置決定部306は、格納部302に格納されている通信速度関連情報にさらに基づいて、中継飛行体200の配置を決定してよい。この場合、配置決定部306は、MECサーバ600を搭載した中継飛行体200の配置を決定してよい。
【0117】
配置決定部306は、例えば、複数のサービス飛行体100のうち、ユーザ端末400との通信速度が第1通信速度閾値より低い一のサービス飛行体100の通信を中継する中継飛行体200の配置を決定する。配置決定部306は、例えば、複数のサービス飛行体100のうち、複数のユーザ端末400のそれぞれとの間の通信速度の平均通信速度が平均通信速度閾値より低い一のサービス飛行体100の通信を中継する中継飛行体200の配置を決定する。配置決定部306は、複数のサービス飛行体100のうち、地上のゲートウェイ40との通信速度が第2通信速度閾値より低い一のサービス飛行体100の通信を中継する中継飛行体200の配置を決定してもよい。
【0118】
図8は、サービス飛行体100、中継飛行体200、及び制御装置300の処理の流れの一例を説明するための説明図である。図8では、格納部302がサービス飛行体位置情報を格納している状態を開始状態として説明する。
【0119】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102において、配置決定部306は、複数のサービス飛行体100のうちの一のサービス飛行体100の通信を中継する中継飛行体200の配置を決定する。S104において、飛行体制御部308は、中継飛行体200が配置決定部306によって決定された配置に従って移動して当該一のサービス飛行体100と無線通信接続を確立するために、中継飛行体制御情報を生成する。飛行体制御部308は、生成した中継飛行体制御情報を中継飛行体200に送信する。
【0120】
S106において、中継飛行体200は、制御装置300から中継飛行体制御情報を受信する。中継飛行体200は、受信した中継飛行体制御情報に従って移動を開始する。中継飛行体200は、移動が完了したことに応じて、当該一のサービス飛行体100と無線通信接続を確立する。S108において、中継飛行体200は、当該一のサービス飛行体100の通信の中継を開始する。
【0121】
図9は、制御装置300として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、上記実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、上記実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、上記実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0122】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ1226、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブ1226は、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボード1242のようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0123】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0124】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD-ROM1227等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0125】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0126】
プログラムは、DVD-ROM1227又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0127】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM1227、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0128】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ1226(DVD-ROM1227)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0129】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0130】
上で説明したプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0131】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0132】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0133】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0134】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0135】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0136】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0137】
10 システム、20 ネットワーク、40 ゲートウェイ、50 ゲートウェイ、100 サービス飛行体、101 サービス飛行体、102 サービス飛行体、103 サービス飛行体、104 サービス飛行体、105 サービス飛行体、106 サービス飛行体、107 サービス飛行体、108 サービス飛行体、109 サービス飛行体、110 サービス飛行体、111 サービス飛行体、112 サービス飛行体、121 主翼部、122 本体部、124 プロペラ、130 太陽電池パネル、132 アンテナ、134 アンテナ、136 アンテナ、142 無線通信エリア、150 通信装置、200 中継飛行体、201 中継飛行体、202 中継飛行体、203 中継飛行体、204 中継飛行体、221 主翼部、222 本体部、224 プロペラ、230 太陽電池パネル、234 アンテナ、236 アンテナ、250 中継装置、300 制御装置、302 格納部、304 飛行体位置情報取得部、306 配置決定部、308 飛行体制御部、310 優先度設定部、312 天候関連情報受信部、314 通信速度関連情報取得部、400 ユーザ端末、450 ユーザ、500 天候関連情報管理サーバ、600 MECサーバ、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1226 DVDドライブ、1227 DVD-ROM、1230 ROM、1240 入出力チップ、1242 キーボード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9