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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】金属炭化物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 32/942 20170101AFI20241007BHJP
   C01B 32/935 20170101ALI20241007BHJP
   C01B 32/90 20170101ALI20241007BHJP
【FI】
C01B32/942
C01B32/935
C01B32/90
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021024955
(22)【出願日】2021-02-19
(65)【公開番号】P2022127038
(43)【公開日】2022-08-31
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金村 祥平
【審査官】廣野 知子
(56)【参考文献】
【文献】特表平01-502975(JP,A)
【文献】特公昭42-027262(JP,B1)
【文献】特公昭40-015495(JP,B1)
【文献】特開昭52-135811(JP,A)
【文献】特開2002-273163(JP,A)
【文献】特開2005-087897(JP,A)
【文献】特表2017-535688(JP,A)
【文献】特開2013-087302(JP,A)
【文献】特開昭57-088018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 32/00-32/991
JSTPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ金属炭化物とアルカリ土類金属炭化物との少なくとも一つを含む金属炭化物を製造する、金属炭化物の製造方法であって、
前記アルカリ金属炭化物を構成するアルカリ金属の単体と前記アルカリ土類金属炭化物を構成するアルカリ土類金属の単体との少なくとも一つの金属単体を準備する、金属単体準備工程と、
前記金属単体と、前記金属炭化物以外であって組成に炭素元素を含む炭素含有物質との混合物を溶融塩中において加熱することによって、前記金属単体と前記炭素含有物質との反応を自発的に進行させ、前記金属炭化物を生成する、金属炭化物生成工程と
を有し、
前記炭素含有物質は、二酸化炭素と、前記金属単体準備工程で準備する前記金属単体の炭酸塩との少なくとも1つである、
金属炭化物の製造方法。
【請求項2】
前記金属炭化物生成工程で生成された金属炭化物は、カーバイド法によってアセチレンと金属水酸化物とに変換される、
請求項に記載の金属炭化物の製造方法。
【請求項3】
前記金属単体準備工程では、前記金属水酸化物から生成された前記金属単体を準備する、
請求項に記載の金属炭化物の製造方法。
【請求項4】
前記金属炭化物生成工程では、前記金属水酸化物から生成された前記炭素含有物質を用いる、
請求項またはに記載の金属炭化物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、金属炭化物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルカリ金属およびアルカリ土類金属の炭化物は、金属炭化物の一種であり、カーバイド法により水と反応することによって、アセチレンが発生する。特に、炭化カルシウム(CaC)は、工業的に大量に生産されており、アセチレンの生成のための原材料として多く用いられている。
【0003】
一般に、炭化カルシウム(CaC)は、下記の反応式(A)に示すように、コークス(C)と石灰(CaO)を炉内で2000℃以上に加熱して、CaOを還元することで生成される。
【0004】
[反応式(A)]
CaO+3C=CaC+CO
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6777471号
【文献】特許第5498494号
【文献】特開昭63-112409号公報
【文献】特開昭61-44707号公報
【文献】特開昭61-178412号公報
【文献】特開昭59-50013号公報
【文献】特開昭58-2212号公報
【文献】特公昭59-9484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように炭化カルシウム(CaC)を生成する際には、一酸化炭素(CO)も生成される。そして、その一酸化炭素(CO)は、最終的には、酸化されて、二酸化炭素(CO)として放出される。
【0007】
また、上記の反応を自発的に進行させるためには、2000℃以上の反応温度が必要になる。その結果、多大なエネルギーを要する。
【0008】
このように、炭化カルシウム(CaC)などの金属炭化物を製造する際には、エネルギー消費の削減が容易でなく、二酸化炭素(CO)の排出を効果的に削減することが困難である。
【0009】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、エネルギー消費の削減が容易であって、二酸化炭素(CO)の排出を効果的に削減可能な、金属炭化物の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本実施形態の金属炭化物の製造方法は、金属単体準備工程と金属炭化物生成工程とを有し、アルカリ金属炭化物とアルカリ土類金属炭化物との少なくとも一つを含む金属炭化物を製造する。金属単体準備工程では、アルカリ金属炭化物を構成するアルカリ金属の単体とアルカリ土類金属炭化物を構成するアルカリ土類金属の単体との少なくとも一つの金属単体を準備する。金属炭化物生成工程では、金属単体と、金属炭化物以外であって組成に炭素元素を含む炭素含有物質との混合物を溶融塩中において加熱することによって、金属単体と炭素含有物質との反応を自発的に進行させ、金属炭化物を生成する。炭素含有物質は、二酸化炭素と、金属単体準備工程で準備する金属単体の炭酸塩との少なくとも1つである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1実施形態に係る金属炭化物の製造方法のフロー図である。
図2図2は、第1実施形態に係る金属炭化物の製造方法の概要を示す図である。
図3図3は、第1実施形態に係る金属炭化物生成工程(ST20)で生ずる反応において、反応温度(℃)と自由エネルギー差ΔG(kJ)との関係を示す図である。
図4図4は、第2実施形態に係る金属炭化物の製造方法の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1実施形態>
[A]金属炭化物の製造方法
第1実施形態に係る金属炭化物の製造方法について、図1および図2を用いて説明する。図1は、第1実施形態に係る金属炭化物の製造方法のフロー図である。図2は、第1実施形態に係る金属炭化物の製造方法の概要を示す図である。図2では、金属炭化物の製造方法における材料の関係を模式的に示している。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係る金属炭化物の製造方法は、金属単体準備工程(ST10)と金属炭化物生成工程(ST20)とを含み、各工程を順次実行することによって、図2に示すように、金属炭化物(20)を生成する。金属炭化物(20)は、アルカリ金属炭化物とアルカリ土類金属炭化物との少なくとも一つを含み、たとえば、炭化カルシウム(CaC)である。
【0014】
本実施形態に係る金属炭化物の製造方法における各工程に関して順次説明する。
【0015】
[A-1]金属単体準備工程(ST10)
金属単体準備工程(ST10)においては、図2に示すように、金属単体(10)を準備する。
【0016】
金属単体(10)は、アルカリ金属炭化物を構成するアルカリ金属の単体とアルカリ土類金属炭化物を構成するアルカリ土類金属の単体とのうち少なくとも一つであって、たとえば、アルカリ土類金属炭化物である炭化カルシウム(CaC)を金属炭化物(20)として生成する場合には、炭化カルシウム(CaC)を構成する金属カルシウム(Ca)を金属単体(10)として準備する。
【0017】
金属単体(10)は、たとえば、溶融塩電解を実行することによって準備される。ここでは、下記に示すように、反応式(1a)に示す反応がカソードで生じ、反応式(1b)に示す反応がアノードで生ずる溶融塩電解を実行することによって、金属カルシウム(Ca)を金属単体(10)として生成することができる。溶融塩電解は、たとえば、再生可能エネルギーから生じた電力や、余剰の電力を用いて実行することでできる。
【0018】
[反応式(1a)]
カソード:Ca2++2e=Ca
[反応式(1b)]
アノード:2Cl2-=Cl+2e
【0019】
この他に、下記に示すように、反応式(1c)に示す反応による熱還元法を実行することによって、酸化カルシウム(CaO)から金属カルシウム(Ca)を金属単体(10)として生成してもよい。
【0020】
[反応式(1c)]
CaO+Al=Ca(g)+CaO・Al
【0021】
なお、アルカリ金属炭化物およびアルカリ土類金属炭化物の混合物を生成する場合には、その生成するアルカリ金属炭化物を構成するアルカリ金属の単体、および、その生成するアルカリ土類金属炭化物を構成するアルカリ土類金属の単体を金属単体(10)として準備する。
【0022】
[A-2]金属炭化物生成工程(ST20)
金属炭化物生成工程(ST20)においては、図2に示すように、金属単体(10)と炭素含有物質(21)との混合物を加熱することによって、金属炭化物(20)を生成する。
【0023】
炭素含有物質(21)は、金属炭化物(20)以外であって組成に炭素元素を含む物質である。炭素含有物質(21)は、たとえば、炭素単体(C;黒鉛)、二酸化炭素(CO)、および、金属単体準備工程(ST10)で準備する金属単体(10)の炭酸塩の少なくとも1つである。このうち、炭素含有物質(21)である炭酸塩は、金属単体準備工程(ST10)で準備する金属単体(10)が金属カルシウム(Ca)である場合には、炭酸カルシウム(CaCO)である。
【0024】
金属炭化物生成工程(ST20)では、たとえば、溶融塩中において金属単体(10)と炭素含有物質(21)との混合物を加熱することで、金属炭化物(20)の生成を実行する。たとえば、金属炭化物(20)として、炭化カルシウム(CaC)が生成される。炭化カルシウム(CaC)の保管は、実質的に、炭素を固体として貯蔵するものであって、CCS(Carbon Capture and Storage)を実現することができる。
【0025】
なお、上記の他に、炭素含有物質(21)として有機化合物を用いてもよい。有機化合物は、たとえば、プラスチック、木くず、石炭などを含み、燃焼することで、炭素単体(C;黒鉛)や二酸化炭素(CO)に変換されるので、上記した物質と同様に利用可能である。
【0026】
[B]まとめ
図3は、第1実施形態に係る金属炭化物生成工程(ST20)で生ずる反応において、反応温度(℃)と自由エネルギー差ΔG(kJ)との関係を示す図である。
【0027】
図3のうち、反応式(A)は、本実施形態の場合と異なり、金属単体(Ca)と炭素含有物質(C,CaCO,CO)との混合物を加熱していない。この場合には、温度が500℃であるときに、自由エネルギー差ΔG(kJ)がゼロより大きいので、反応が金属炭化物(CaC)を生成する方向へ自発的に進行しない。本反応は、温度が2000℃程度であるときに、自由エネルギー差ΔG(kJ)がゼロより小さくなって進行する。
【0028】
[反応式(A)]
CaO+3C=CaC+CO ΔG>0(500℃)
【0029】
これに対して、反応式(A)以外の反応式(2a)~(2c)は、本実施形態の一例であって、金属単体(Ca)と炭素含有物質(C,CaCO,CO)との混合物を加熱した場合を示している。この場合には、温度が500℃であるときに、自由エネルギー差ΔG(kJ)がゼロより小さいので、反応が金属炭化物(CaC)を生成する方向へ自発的に進行する。
【0030】
[反応式(2a)]
Ca+C=CaC ΔG<0(500℃)
【0031】
[反応式(2b)]
5Ca+2CaCO=CaC+6CaO ΔG<0(500℃)
【0032】
[反応式(2c)]
5Ca+2CO=CaC+4CaO ΔG<0(500℃)
【0033】
したがって、本実施形態では、炭化カルシウム(CaC)などの金属炭化物を製造する際には、エネルギー消費の削減を容易に実現することができる。そして、これに伴って、二酸化炭素(CO)の排出を効果的に削減することが可能である。
【0034】
[C]実施例
本実施形態の実施例に関して、表1を用いて説明する。
【0035】
【表1】
【0036】
[C-1]例1
例1では、表1に示すように、金属単体(10)として、金属カルシウム(Ca)を準備した。そして、金属単体(10)である金属カルシウム(Ca)と炭素含有物質(21)である炭素(黒鉛)とを表1に示すモル比で混合することで混合物を得た。そして、温度が850℃である塩化カルシウム(CaCl)の溶融塩に、その混合物を添加した。ここでは、温度が850℃である状態を12時間保持させた。その後、溶融塩を冷却して凝固させることによってサンプルを回収した。
【0037】
そして、サンプルを水と反応させることによって発生したガスの成分を分析した。その結果、表1に示すように、アセチレンを検出したため、本例において金属炭化物(20)として炭化カルシウム(CaC)が生成されたことを確認することができた。
【0038】
[C-2]例2
例2では、表1に示すように、例1の場合と異なり、金属単体(10)である金属カルシウム(Ca)と炭素含有物質(21)である炭酸カルシウム(CaCO)とを表1に示すモル比で混合することで混合物を得た。そして、例1の場合と同様に、温度が850℃である塩化カルシウム(CaCl)の溶融塩に、その混合物を添加した。ここでは、温度が850℃である状態を12時間保持させた。その後、溶融塩を冷却して凝固させることによってサンプルを回収した。
【0039】
そして、サンプルを水と反応させることによって発生したガスの成分を分析した。その結果、表1に示すように、アセチレンを検出したため、本例において金属炭化物(20)として炭化カルシウム(CaC)が生成されたことを確認することができた。
【0040】
[C-3]例3
例3では、表1に示すように、例1と同様に、金属単体(10)として、金属カルシウム(Ca)を準備した。そして、温度が650℃であって、塩化カルシウム(CaCl)と塩化リチウム(LiCl)とが混合した溶融塩に、金属単体(10)である金属カルシウム(Ca)を添加すると共に、炭素含有物質(21)である二酸化炭素(CO)のガスを吹き込んだ。二酸化炭素(CO)のガスの吹き込みは、4時間、実行した。ここでは、金属単体(10)である金属カルシウム(Ca)と炭素含有物質(21)である二酸化炭素(CO)との混合比は、表1に示すモル比に相当する。その後、溶融塩を冷却して凝固させることによってサンプルを回収した。
【0041】
そして、サンプルを水と反応させることによって発生したガスの成分を分析した。その結果、表1に示すように、アセチレンを検出したため、本例において金属炭化物(20)として炭化カルシウム(CaC)が生成されたことを確認することができた。
【0042】
[C-4]例4
例4では、表1に示すように、例1と異なり、金属単体(10)として、金属ナトリウム(Na)を準備した。そして、金属単体(10)である金属ナトリウム(Na)と炭素含有物質(21)である炭素(黒鉛)とを表1に示す混合比(モル比)で混合することで混合物を得た。そして、温度が850℃であって塩化ナトリウム(NaCl)と塩化リチウム(LiCl)とが混合した溶融塩に、その混合物を添加した。ここでは、温度が850℃である状態を12時間保持させた。その後、溶融塩を冷却して凝固させることによってサンプルを回収した。
【0043】
そして、サンプルを水と反応させることによって発生したガスの成分を分析した。その結果、表1に示すように、アセチレンを検出したため、本例において金属炭化物(20)として炭化ナトリウム(Na)が生成されたことを確認することができた。
【0044】
[C-5]例5
例5では、表1に示すように、例4と同様に、金属単体(10)として、金属ナトリウム(Na)を準備した。そして、温度が650℃であって、塩化ナトリウム(NaCl)と塩化リチウム(LiCl)とが混合した溶融塩に、金属単体(10)である金属ナトリウム(Na)を添加すると共に、炭素含有物質(21)である二酸化炭素(CO)のガスを吹き込んだ。二酸化炭素(CO)のガスの吹き込みは、4時間、実行した。ここでは、金属単体(10)である金属ナトリウム(Na)と炭素含有物質(21)である二酸化炭素(CO)との混合比は、表1に示すモル比に相当する。その後、溶融塩を冷却して凝固させることによってサンプルを回収した。
【0045】
そして、サンプルを水と反応させることによって発生したガスの成分を分析した。その結果、表1に示すように、アセチレンを検出したため、本例において金属炭化物(20)として炭化ナトリウム(Na)が生成されたことを確認することができた。
【0046】
<第2実施形態>
[A]金属炭化物の製造方法
第2実施形態に係る金属炭化物の製造方法について、図4を用いて説明する。図4は、第2実施形態に係る金属炭化物の製造方法の概要を示す図である。図4では、図2と同様に、金属炭化物の製造方法における材料の関係を模式的に示している。
【0047】
図4に示すように、本実施形態では、金属炭化物の製造方法の一部が、第1実施形態(図2参照)の場合と異なる。このため、重複する事項については同一符号を付して適宜説明を省略する。
【0048】
本実施形態では、図4に示すように、金属炭化物生成工程(ST20)で生成された金属炭化物(20)は、水(101)と反応するカーバイド法の実行によって、アセチレン(110)と金属水酸化物(111)とに変換される。たとえば、下記の反応式(3a)に示すように、金属炭化物(20)である炭化カルシウム(CaC)と水(HO)とが反応することで、アセチレン(C)と水酸化カルシウム(Ca(OH))とが生成される。これにより、CCU(Carbon Capture and Utilization)が実現可能である。
【0049】
[反応式(3a)]
CaC+HO=C+Ca(OH)
【0050】
そして、本実施形態の金属単体準備工程(ST10)では、その金属水酸化物(111)から前記金属単体(10)を生成する。たとえば、溶融塩電解を実行することによって、金属単体(10)の準備を行う。
【0051】
この他に、本実施形態の金属炭化物生成工程(ST20)では、金属水酸化物(111)から生成された炭素含有物質(21)を用いる。たとえば、下記の反応式(3b)に示すように、金属水酸化物(111)である水酸化カルシウム(Ca(OH))と二酸化炭素(CO)との間において反応を生じさせることによって、炭酸カルシウム(CaCO)を生成させる。そして、その炭酸カルシウム(CaCO)を炭素含有物質(21)として金属炭化物生成工程(ST20)で用いる。
【0052】
[反応式(3b)]
Ca(OH)+CO=CaCO+H
【0053】
[B]まとめ
以上のように、本実施形態において、金属単体(10)および炭素含有物質(21)は、金属炭化物(20)からアセチレン(110)を生成する際に残渣として得られる金属水酸化物(111)を用いて生成されている。したがって、本実施形態では、炭化カルシウム(CaC)などの金属炭化物を効率的に製造することができる。
【0054】
<その他>
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0055】
10:金属単体、20:金属炭化物、21:炭素含有物質、101:水、110:アセチレン、111:金属水酸化物
図1
図2
図3
図4