(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H03K 5/08 20060101AFI20241007BHJP
【FI】
H03K5/08 E
(21)【出願番号】P 2021131590
(22)【出願日】2021-08-12
【審査請求日】2023-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 庸行
【審査官】柳下 勝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-064261(JP,A)
【文献】特開2000-114891(JP,A)
【文献】特開2013-239898(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0301551(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電圧が印加される第1端と、第1ノードに電気的に接続される第2端及びゲートと、を有する第1スイッチ素子と、
前記第1電圧の比較対象とされる第2電圧が印加される第1端と、前記第1ノードに電気的に接続される第2端及びゲートと、を有する第2スイッチ素子と、
前記第2電圧が印加される第1端と、第2ノードに電気的に接続される第2端と、前記第1ノードに接続されるゲートと、を有する第3スイッチ素子と、
前記第1ノードに電気的に接続される第1電流源と、
前記第2ノードに電気的に接続される第1素子と、
前記第2ノードに接続されるゲートを有する第4スイッチ素子と、
前記第4スイッチ素子の第1端に電気的に接続され、前記第2ノードの電圧に基づ
き、前記第1電圧と前記第2電圧の比較結果に応じた信号を出力する第1端子と、
を備える、
半導体装置。
【請求項2】
前記半導体装置は、
前記第1スイッチ素子と前記第1ノードとの間に設けられ、前記第1スイッチ素子の第2端及びゲートに接続されるアノードと、前記第1ノードに接続されるカソードと、を有する第1ダイオードと、
前記第2スイッチ素子と前記第1ノードとの間に設けられ、前記第2スイッチ素子の第2端及びゲート、並びに前記第3スイッチ素子のゲートに接続されるアノードと、前記第1ノードに接続されるカソードと、を有する第2ダイオードと、
をさらに備える、
請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1スイッチ素子の第1端はソースであり、前記第1スイッチ素子の第2端はドレインであり、
前記第2スイッチ素子の第1端はソースであり、前記第2スイッチ素子の第2端はドレインであり、
前記第3スイッチ素子の第1端はソースであり、前記第3スイッチ素子の第2端はドレインである、
請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記半導体装置は、
前記第1スイッチ素子と前記第1ノードとの間に設けられ、前記第1スイッチ素子のドレインに接続されるドレインと、前記第1スイッチ素子のゲートとともに、前記第1ノードに接続されるソース及びゲートと、を有する第5スイッチ素子と、
前記第2スイッチ素子と前記第1ノードとの間に設けられ、前記第2スイッチ素子のドレインに接続されるドレインと、前記第2スイッチ素子のゲートとともに、前記第1ノードに接続されるソース及びゲートと、を有する第6スイッチ素子と、
前記第3スイッチ素子と前記第2ノードとの間に設けられ、前記第3スイッチ素子のドレインに接続されるドレインと、前記第3スイッチ素子のゲートとともに、前記第1ノードに接続されるゲートと、前記第2ノードに接続されるソースを有する第7スイッチ素子と、
をさらに備える、
請求項3記載の半導体装置。
【請求項5】
前記半導体装置は、
前記第1スイッチ素子のソースに接続されるソースと、前記第1スイッチ素子のゲートとともに、前記第1ノードに接続されるゲートと、前記第1電圧が印加されるドレインと、を有する第8スイッチ素子と、
前記第2スイッチ素子のソースに接続されるソースと、前記第2スイッチ素子のゲートとともに、前記第1ノードに接続されるゲートと、前記第2電圧が印加されるドレインと、を有する第9スイッチ素子と、
前記第3スイッチ素子のソースに接続されるソースと、前記第3スイッチ素子のゲートとともに、前記第1ノードに接続されるゲートと、前記第2電圧が印加されるドレインを有する第10スイッチ素子と、
をさらに備える、
請求項3記載の半導体装置。
【請求項6】
前記半導体装置は、
前記第3スイッチ素子の第2端に接続される第1端と、ゲートと、前記第2ノードに接続される第2端と、を有する第11スイッチ素子と、
前記第3スイッチ素子の第2端、及び前記第11スイッチ素子の第1端に接続される反転入力端子と、前記第1ノードに接続される非反転入力端子と、前記第11スイッチ素子のゲートに接続される出力端子と、を有するオペアンプと、
をさらに備える、
請求項1記載の半導体装置。
【請求項7】
前記半導体装置は、
第3電圧が印加される第1端と、ゲートと、前記第1端子に接続される第2端と、を有する第12スイッチ素子、
を含む、
請求項1記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第12スイッチ素子のゲートは、前記第2ノードに接続される、
請求項7記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1スイッチ素子の第1端、又は前記第2スイッチ素子の第1端は、前記第12スイッチ素子の第1端に接続される、
請求項7記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2つの電圧の高さを比較し、当該比較した結果に基づく信号を出力するための半導体装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-341097号公報
【文献】特開2013-141113号公報
【文献】特開2016-027336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
消費電力の増加を抑制しつつ、チップサイズの増加を抑制する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体装置は、第1電圧が印加される第1端と、第1ノードに電気的に接続される第2端及びゲートと、を有する第1スイッチ素子と、第2電圧が印加される第1端と、上記第1ノードに電気的に接続される第2端及びゲートと、を有する第2スイッチ素子と、上記第2電圧が印加される第1端と、第2ノードに電気的に接続される第2端と、上記第1ノードに接続されるゲートと、を有する第3スイッチ素子と、上記第1ノードに電気的に接続される第1電流源と、上記第2ノードに電気的に接続される第1素子と、上記第2ノードに接続されるゲートを有する第4スイッチ素子と、上記第4スイッチ素子の第1端に電気的に接続され、上記第2ノードの電圧に基づく信号を出力する第1端子と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態に係る半導体装置の構成の一例を説明するための回路図。
【
図2】第1変形例に係る半導体装置の構成の一例を説明するための回路図。
【
図3】第2変形例に係る半導体装置の構成の一例を説明するための回路図。
【
図4】第3変形例に係る半導体装置の構成の一例を説明するための回路図。
【
図5】第4変形例に係る半導体装置の構成の一例を説明するための回路図。
【
図6】第5変形例に係る半導体装置の構成の一例を説明するための回路図。
【
図7】第6変形例に係る半導体装置の構成の一例を説明するための回路図。
【
図8】第7変形例に係る半導体装置の構成の一例を説明するための回路図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する構成要素については、共通する参照符号を付す。
【0008】
1. 実施形態
実施形態に係る半導体装置について説明する。
【0009】
1.1 構成
実施形態に係る半導体装置の構成について説明する。
【0010】
1.1.1 半導体装置の全体構成
実施形態に係る半導体装置の構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、実施形態に係る半導体装置の構成の一例を説明するための回路図である。
【0011】
半導体装置1は、例えば、IC(Integrated Circuit)チップである。半導体装置1は、電流源10及び比較部11を含む。電流源10及び比較部11は、1つの基板の上面上に設けられる。また、半導体装置1は、端子PVDD、PV1、PV2、及びPOUTを含む。端子PVDD、PV1、及びPV2にはそれぞれ、半導体装置1の外部の電源(図示せず)から電圧VDD、V1、V2が印加される。端子POUTからは、半導体装置1の外部の負荷2に信号Sが出力される。電圧VDDは、半導体装置1の駆動に使用される電圧である。電圧V1及びV2は、半導体装置1内における比較対象の電圧である。信号Sは、電圧V1及びV2の比較結果に基づく信号である。
【0012】
比較部11は、電圧V1及びV2の高さを比較する回路である。
【0013】
電流源10は、電圧VDDに基づく電流を、比較部11に供給する回路である。
【0014】
1.1.2 半導体装置の回路の構成
実施形態に係る半導体装置1の回路の構成について、引き続き
図1を用いて説明する。
【0015】
1.1.2.1 電流源
まず、電流源10の回路の構成について説明する。
【0016】
電流源10は、スイッチ素子Qs1及びQs2、並びに抵抗Rs1を含む。スイッチ素子Qs1は、Pチャネル型のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)である。スイッチ素子Qs2は、Nチャネル型のMOSFETである。
【0017】
スイッチ素子Qs1のソースには、端子PVDDを介して電圧VDDが印加される。スイッチ素子Qs1のドレイン及びゲートは、ノードN1に接続される。スイッチ素子Qs1には、電圧VDDに基づく電流が流れる。
【0018】
抵抗Rs1の第1端は、ノードN1に接続される。抵抗Rs1の第2端は、ノードN2に接続される。
【0019】
スイッチ素子Qs2のドレイン及びゲートは、ノードN2に接続される。スイッチ素子Qs2のソースは、接地される。スイッチ素子Qs2には、スイッチ素子Qs1を流れる電流が抵抗Rs1を介して供給される。すなわち、スイッチ素子Qs2に流れる電流は、電圧VDDに基づく。
【0020】
1.1.2.2 比較部
次に、実施形態に係る比較部11の構成について説明する。
【0021】
比較部11は、スイッチ素子Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、及びQ6、抵抗R1、並びにダイオードD1及びD2を含む。スイッチ素子Q1、Q2、Q4、及びQ5は、Pチャネル型のMOSFETである。スイッチ素子Q3及びQ6は、Nチャネル型のMOSFETである。
【0022】
スイッチ素子Q1のソースには、端子PV1を介して電圧V1が印加される。スイッチ素子Q1のドレイン及びゲートは、ダイオードD1に共通に接続される。すなわち、ダイオード接続されたスイッチ素子Q1が、端子PV1とダイオードD1との間に設けられる。これにより、スイッチ素子Q1は飽和領域で動作し、スイッチ素子Q1には、電流I1が流れる。
【0023】
ダイオードD1のアノードは、スイッチ素子Q1のドレイン及びゲートに接続される。ダイオードD1のカソードは、ノードN3に接続される。
【0024】
スイッチ素子Q2のソースには、端子PV2を介して電圧V2が印加される。スイッチ素子Q2のドレイン及びゲートは、ノードN4に共通に接続される。すなわち、ダイオード接続されたスイッチ素子Q2が、端子PV2とノードN4との間に設けられる。これにより、スイッチ素子Q2は飽和領域で動作し、スイッチ素子Q2には、電流I2が流れる。スイッチ素子Q2のゲート長及びチャネル幅、並びに電流-電圧特性はそれぞれ、スイッチ素子Q1のゲート長及びチャネル幅、並びに電流-電圧特性と同等である。
【0025】
ダイオードD2のアノードは、ノードN4に接続される。ダイオードD2のカソードは、ノードN3に接続される。ダイオードD2の電流-電圧特性は、ダイオードD1の電流-電圧特性と同等である。
【0026】
スイッチ素子Q3は、電流源10のスイッチ素子Qs2とカレントミラー回路を構成する。スイッチ素子Q3のドレインは、ノードN3に接続される。スイッチ素子Q3のソースは、接地される。スイッチ素子Q3のゲートは、ノードN2を介して電流源10に接続される。スイッチ素子Q3には、電流源10の働きにより、定電流ISが流れる。定電流ISは、電流I1及びI2の和である。
【0027】
スイッチ素子Q4は、スイッチ素子Q2とカレントミラー回路を構成する。すなわち、スイッチ素子Q4のソースは、端子PV2に接続される。スイッチ素子Q4のドレインは、ノードN5に接続される。スイッチ素子Q4のゲートは、ノードN4に接続される。スイッチ素子Q4には、電流IMが流れる。ここで、スイッチ素子Q4のゲート長及びチャネル幅、並びに電流-電圧特性はそれぞれ、スイッチ素子Q2のゲート長及びチャネル幅、並びに電流-電圧特性と同等である。これにより、電流IMは、電流I2のミラー電流になる。
【0028】
スイッチ素子Q5は、電流源10のスイッチ素子Qs1とカレントミラー回路を構成する。すなわち、スイッチ素子Q5のソースには、端子PVDDを介して電圧VDDが印加される。スイッチ素子Q5のドレインは、端子POUTに接続される。スイッチ素子Q5のゲートは、ノードN1を介して電流源10に接続される。スイッチ素子Q5には、電流源10の働きにより、定電流が流れる。
【0029】
スイッチ素子Q6のドレインは、端子POUTに接続される。スイッチ素子Q6のソースは接地される。スイッチ素子Q6のゲートはノードN5に接続される。スイッチ素子Q6の閾値電圧は、電流IMが定電流ISの半分である場合のノードN5の電圧と同等である。すなわち、電流IMが定電流ISの半分以上である場合に、スイッチ素子Q6はオン状態となる。また、電流IMが定電流ISの半分よりも小さい場合に、スイッチ素子Q6はオフ状態となる。
【0030】
抵抗R1の第1端は、ノードN5に接続される。抵抗R1の第2端は、接地される。
【0031】
なお、スイッチ素子Q3に流れる定電流ISは、電流I1が定電流ISとほとんど等しい場合(電流I2がほとんど流れない場合)におけるスイッチ素子Q1のゲート-ソース間の電圧が、スイッチ素子Q1の定格電圧RVGS1よりも低くなるような電流である。また、定電流ISは、電流I2が定電流ISとほとんど等しい場合(電流I1がほとんど流れない場合)におけるスイッチ素子Q2のゲート-ソース間の電圧が、スイッチ素子Q2の定格電圧RVGS2よりも低くなるような電流である。半導体装置1は、このような定電流ISがスイッチ素子Q3に流れるように構成される。
【0032】
1.2 動作
実施形態に係る半導体装置1を用いた動作について説明する。
【0033】
半導体装置1を用いた動作において、端子PVDDに電圧VDDが印加される。これにより、比較部11のスイッチ素子Q3及びQ5には、それぞれ電圧VDDに基づく定電流が流れる。
【0034】
また、端子PV1及びPV2には、それぞれ電圧V1及びV2が印加される。これにより、スイッチ素子Q1及びQ2にそれぞれ、電流I1及びI2が流れる。
【0035】
電圧V1が電圧V2よりも高い場合には、電流I1は定電流ISの半分(IS/2)よりも大きくなり、電流I2は定電流ISの半分よりも小さくなる。また、電圧V1が電圧V2以下である場合には、電流I1は定電流ISの半分以下になり、電流I2は定電流ISの半分以上になる。
【0036】
スイッチ素子Q2及びQ4を含むカレントミラー回路の働きにより、スイッチ素子Q4には、電流I2と等しい電流IMが流れる。すなわち、電圧V1が電圧V2よりも高い場合には、電流IMは定電流ISの半分よりも小さくなる。また、電圧V1が電圧V2以下である場合には、電流IMは、定電流ISの半分以上となる。
【0037】
上述の通り、ノードN5の電圧は、電流IMが定電流ISの半分となる場合にスイッチ素子Q6の閾値電圧と等しくなるように構成される。これにより、電圧V1が電圧V2よりも高い場合には、スイッチ素子Q6はオフ状態になる。このため、端子POUTには、スイッチ素子Q5を介して電圧VDDが供給され、端子POUTから“H”レベルの信号Sが出力される。また、電圧V1が電圧V2以下である場合には、スイッチ素子Q6はオン状態となる。このため、端子POUTは、スイッチ素子Q6を介して接地され、端子POUTから、“L”レベルの信号Sが出力される。
【0038】
1.3 本実施形態に係る効果
実施形態によれば、消費電力の増加を抑制しつつ、チップサイズの増加を抑制することができる。実施形態の効果について、以下に説明する。
【0039】
実施形態に係る半導体装置1は、電圧V1が印加されるソースと、ノードN3に接続されるドレイン及びゲートとを有するスイッチ素子Q1、電圧V2が印加されるソースと、ノードN3に接続されるドレイン及びゲートとを有するスイッチ素子Q2、並びにノードN3に接続されるドレインを有するスイッチ素子Q3を備える。このような構成により、電流I1及びI2の各々を、定電流IS以下に抑制できる。このため、電圧V1及びV2の高さにかかわらず、スイッチ素子Q1及びQ2のゲート-ソース間の電圧の上限値を定電流ISに基づいて設定できる。このため、抵抗等の素子を用いて電圧V1及びV2を分圧する等の手段を用いることなく、スイッチ素子Q1及びQ2のゲート-ソース間の電圧の上昇を抑制できる。したがって、抵抗等の素子を用いる場合よりも、消費電力の増加を抑制すると共に、素子の増加によるチップサイズの増加を抑制することができる。
【0040】
補足すると、スイッチ素子に流れる電流に対応するスイッチ素子のゲート-ソース間の電圧が一意に定まらない場合に、スイッチ素子のゲート-ソース間の電圧がスイッチ素子の定格電圧を超えてしまうことで、スイッチ素子が破壊される可能性がある。このような事象を回避する手法の一つとして、例えばスイッチ素子のゲート又はソースに印加される電圧を分圧するための抵抗等の素子を設けることにより、スイッチ素子に印加される電圧を低減する手法が知られている。しかしながら、当該手法によれば、半導体装置に含まれる素子の数の増加により、半導体装置の消費電力、及びチップサイズが増加してしまう可能性がある。
【0041】
実施形態によれば、スイッチ素子Q1及びQ2のソースに印加される電圧V1及びV2の高さによらず、スイッチ素子Q1及びQ2のゲート-ソース間の電圧の上限値をそれぞれ、スイッチ素子の定格電圧RVGS1及びRVGS2よりも低い範囲に抑制することができる。これにより、半導体装置1は、比較対象となる電圧を分圧する等の手段を含まなくても、スイッチ素子Q1及びQ2の破壊を抑制することができる。このため、抵抗等の素子の増加が抑制される。したがって、半導体装置1の消費電力の増加を抑制しつつ、チップサイズの増加を抑制することができる。
【0042】
また、スイッチ素子のゲート又はソースに印加される電圧を分圧するための抵抗等の素子を含む場合には、半導体装置は、消費電流の増加を抑制するために、例えば抵抗値の大きな抵抗を備える。しかしながら、一般的に、抵抗値の増加に伴って抵抗のサイズも増加するため、チップサイズが増加してしまう。このため、消費電流の増加の抑制と、チップサイズの増加の抑制とがトレードオフの関係となってしまう。実施形態によれば、抵抗の増加を抑制することができるため、抵抗のサイズに依存する消費電流の増加を抑制しつつ、チップサイズの増加を抑制することができる。
【0043】
また、スイッチ素子のゲート又はソースに印加される電圧を分圧するための抵抗を含む場合には、半導体装置は、抵抗の温度特性により、温度に依存して消費電流が増加してしまう可能性がある。実施形態によれば、抵抗の増加を抑制することができるため、温度に依存した消費電流の増加を抑制することもできる。
【0044】
また、実施形態によれば、半導体装置1は、スイッチ素子Q1のドレイン及びゲートに接続されたアノードと、ノードN3に接続されたカソードと、を有するダイオードD1、及びスイッチ素子Q2のドレイン及びゲートに接続されたアノードと、ノードN3に接続されたカソードと、を有するダイオードD2を備える。すなわち、スイッチ素子Q1とノードN3との間において、電流は、ダイオードD1を介して、スイッチ素子Q1からノードN3の方向に流れる。また、スイッチ素子Q2とノードN3との間において、電流は、ダイオードD2を介して、スイッチ素子Q2側からノードN3の方向に流れる。したがって、ノードN3から電圧V1の電圧源への電流の逆流、及びノードN3から電圧V2の電圧源への電流の逆流を抑制することができる。
【0045】
補足すると、Pチャネル型のスイッチ素子において、ドレインとソースとの間には、ボディダイオードが存在する。ボディダイオードのアノードは、対応するスイッチ素子のドレインに接続される。ボディダイオードのカソードは、対応するスイッチ素子のソースに接続される。これにより、スイッチ素子のドレイン側に電流が供給される場合に、スイッチ素子のボディダイオードを介してスイッチ素子のドレイン側からソース側へ、電流が流れる(逆流する)可能性がある。実施形態によれば、ダイオードD1及びD2は、それぞれ、ノードN3からスイッチ素子Q1のドレインへの電流の供給、及びノードN3からスイッチ素子Q2のドレインへの電流の供給を抑制することができる。したがって、スイッチ素子Q1のボディダイオードを介した電流の逆流、及びスイッチ素子Q2のボディダイオードを介した電流の逆流を抑制することができる。
【0046】
2. 変形例
なお、上述の実施形態は、種々の変形が可能である。
【0047】
以下に、変形例に係る半導体装置について説明する。以下では、変形例に係る半導体装置の構成及び動作について、実施形態に係る半導体装置と相違する点を中心に説明する。変形例に係る半導体装置によっても、実施形態と同様の効果が奏される。
【0048】
2.1 第1変形例
上述の実施形態では、スイッチ素子Q1を介した電流の逆流、及びスイッチ素子Q2を介した電流の逆流を抑制するためにダイオードD1及びD2が設けられる例を示したが、これに限られない。例えば、ダイオードD1及びD2の代わりにスイッチ素子を含む構成により、電圧V1の電圧源、及び電圧V2の電圧源への電流の逆流を抑制してもよい。
【0049】
第1変形例に係る半導体装置1の構成について、
図2を用いて説明する。
図2は、第1変形例に係る半導体装置1の構成の一例を説明するための回路図である。なお、第1変形例に係る半導体装置1の電流源10の構成は、実施形態と同等であるため、その説明を省略する。以下では、第1変形例に係る比較部11の構成のうち、実施形態に係る比較部11の構成とは異なる構成について、主に説明する。
【0050】
第1変形例に係る比較部11は、スイッチ素子Q7、Q8、及びQ9を含む。スイッチ素子Q7、Q8、及びQ9は、Pチャネル型のMOSFETである。
【0051】
スイッチ素子Q1のドレインは、スイッチ素子Q7に接続される。スイッチ素子Q1のゲートは、ノードN3に接続される。
【0052】
スイッチ素子Q2のドレインは、スイッチ素子Q8に接続される。スイッチ素子Q2のゲートは、ノードN3に接続される。
【0053】
スイッチ素子Q4のゲートは、ノードN3に接続される。スイッチ素子Q4のドレインは、スイッチ素子Q9に接続される。
【0054】
スイッチ素子Q7のドレインは、スイッチ素子Q1のドレインに接続される。スイッチ素子Q7のソース及びゲートは、ノードN3に接続される。
【0055】
スイッチ素子Q8のドレインは、スイッチ素子Q2のドレインに接続される。スイッチ素子Q8のソース及びゲートは、ノードN3に接続される。
【0056】
スイッチ素子Q9のドレインは、スイッチ素子Q4のドレインに接続される。スイッチ素子Q9のソースは、ノードN5に接続される。スイッチ素子Q9のゲートは、ノードN3に接続される。
【0057】
その他の構成は、ダイオードD1及びD2を含まないことを除き、実施形態に係る比較部11の構成と実質的に同等である。
【0058】
第1変形例に係る動作は、実施形態に係る動作と実質的に同等であるため、その説明を省略する。
【0059】
第1変形例によれば、スイッチ素子Q7は、端子PV1とノードN3との間の電流経路において、スイッチ素子Q7のボディダイオードの向きがスイッチ素子Q1のボディダイオードの向きと異なるように配置される。また、スイッチ素子Q8は、端子PV2とノードN3との間の電流経路において、スイッチ素子Q8のボディダイオードの向きがスイッチ素子Q2のボディダイオードの向きと対向するように配置される。また、スイッチ素子Q9は、端子PV2とノードN5との間の電流経路において、スイッチ素子Q9のボディダイオードの向きがスイッチ素子Q4のボディダイオードの向きと異なるように配置される。このような構成によっても、実施形態と同等に電圧V1の電圧源、又は電圧V2の電圧源への、電流の逆流を抑制することができる。
【0060】
また、第1変形例によれば、ダイオードの順方向電圧による電圧降下を抑制することができる。これにより、例えばノードN3の電圧の低下を抑制し、ダイオードを含む場合と比較して、定電流ISを大きくすることができる。したがって、比較部11の信頼性の低下を抑制することができる。
【0061】
2.2 第2変形例
第1変形例では、スイッチ素子Q1のドレイン、スイッチ素子Q2のドレイン、及びスイッチ素子Q4のドレインがそれぞれ、対応するスイッチ素子のドレインに接続される場合を示したが、これに限られるものではない。比較部11は、スイッチ素子Q1のソース、スイッチ素子Q2のソース、及びスイッチ素子Q4のソースがそれぞれ、対応するスイッチ素子のソースに接続されるように構成されてもよい。
【0062】
第2変形例に係る半導体装置1の構成について、
図3を用いて説明する。
図3は、第2変形例に係る半導体装置1の構成の一例を説明するための回路図である。なお、第2変形例に係る半導体装置1の電流源10の構成は、実施形態と同等であるため、その説明を省略する。以下では、第2変形例に係る比較部11の構成のうち、実施形態に係る比較部11の構成とは異なる構成について、主に説明する。
【0063】
第2変形例に係る比較部11は、スイッチ素子Q10、Q11、及びQ12を含む。スイッチ素子Q10、Q11、及びQ12は、Pチャネル型のMOSFETである。
【0064】
スイッチ素子Q1のソースは、スイッチ素子Q10に接続される。スイッチ素子Q1のゲート及びドレインは、ノードN3に接続される。
【0065】
スイッチ素子Q2のソースは、スイッチ素子Q11に接続される。スイッチ素子Q2のゲート及びドレインは、ノードN3に接続される。
【0066】
スイッチ素子Q4のソースは、スイッチ素子Q12に接続される。スイッチ素子Q4のゲートは、ノードN3に接続される。スイッチ素子Q4のドレインは、ノードN5に接続される。
【0067】
スイッチ素子Q10のソースは、スイッチ素子Q1のソースに接続される。スイッチ素子Q10のドレインは、端子PV1に接続される。スイッチ素子Q10のゲートは、ノードN3に接続される。
【0068】
スイッチ素子Q11のソースは、スイッチ素子Q2のソースに接続される。スイッチ素子Q11のドレインは、端子PV2に接続される。スイッチ素子Q11のゲートは、ノードN3に接続される。
【0069】
スイッチ素子Q12のソースは、スイッチ素子Q4のソースに接続される。スイッチ素子Q12のドレインは、端子PV2に接続される。スイッチ素子Q12のゲートは、ノードN3に接続される。
【0070】
その他の構成は、ダイオードD1及びD2を含まないことを除き、実施形態に係る比較部11の構成と実質的に同等である。
【0071】
第2変形例に係る動作は、実施形態に係る動作、及び第1変形例に係る動作と実質的に同等であるため、その説明を省略する。
【0072】
このような構成によっても、実施形態及び第1変形例と同等に、電圧V1の電圧源、又は電圧V2の電圧源への、電流の逆流を抑制することができる。また、第1変形例と同等に、比較部11の信頼性の低下を抑制することができる。
【0073】
2.3 第3変形例
上述の実施形態では、スイッチ素子Q2のゲート及びドレインと、スイッチ素子Q4のゲートとが、それぞれ等電位になる場合を示したが、これに限られない。比較部11は、スイッチ素子Q4のゲートに加えて、スイッチ素子Q4のドレインが、スイッチ素子Q2のゲート及びドレインと等電位になるように制御する構成を含んでもよい。
【0074】
第3変形例に係る半導体装置1の構成について、
図4を用いて説明する。
図4は、第3変形例に係る半導体装置1の構成の一例を説明するための回路図である。なお、第3変形例に係る半導体装置1の電流源10の構成は、実施形態と同等であるため、その説明を省略する。以下では、第3変形例に係る比較部11の構成のうち、実施形態に係る比較部11の構成とは異なる構成について、主に説明する。
【0075】
第3変形例に係る比較部11は、オペアンプAMP及びスイッチ素子Q13を含む。スイッチ素子Q13は、Pチャネル型のMOSFETである。
【0076】
オペアンプAMPの反転入力端子(-)は、ノードN6に接続される。ノードN6は、スイッチ素子Q4のドレインに接続される。オペアンプAMPの非反転入力端子(+)は、ノードN4に接続される。オペアンプAMPの出力端子は、スイッチ素子Q13に接続される。
【0077】
スイッチ素子Q13のソースは、オペアンプのノードN6に接続される。スイッチ素子Q13のドレインは、ノードN5に接続される。スイッチ素子Q13のゲートは、オペアンプAMPの出力端子に接続される。
【0078】
上述の構成において、オペアンプAMPは、非反転入力端子(+)に印加されるノードN4の電圧と、反転入力端子(-)に印加されるノードN6の電圧とに基づいて、オペアンプAMPの出力端子からの電圧の出力を制御する(スイッチ素子Q13の状態(オン状態及びオフ状態)を制御する)。これにより、オペアンプAMPは、ノードN4の電圧と、ノードN6の電圧とが同等になるように制御する。
【0079】
その他の構成は、実施形態に係る比較部11の構成と実質的に同等である。
【0080】
第3変形例に係る動作は、実施形態に係る動作と実質的に同等であるため、その説明を省略する。
【0081】
第3変形例によれば、オペアンプAMPは、ノードN4の電圧と、ノードN6の電圧とが同等になるように制御する。すなわち、スイッチ素子Q2のドレインの電圧と、スイッチ素子Q4のドレインの電圧とを同等にすることができる。これにより、スイッチ素子Q2及びQ4により構成されるカレントミラー回路において、比較部11は、電流I2及びIMの誤差が大きくなることを抑制することができる。このため、誤った信号Sが出力されることを抑制することができる。
【0082】
2.4 第4変形例
上述の実施形態では、比較部11が、負荷として抵抗R1を含む場合を示したが、これに限られない。比較部11は、負荷として、抵抗R1の代わりにダイオードを含んでもよい。
【0083】
第4変形例に係る半導体装置1の構成について、
図5を用いて説明する。
図5は、第4変形例に係る半導体装置1の構成の一例を説明するための回路図である。なお、第4変形例に係る半導体装置1の電流源10の構成は、実施形態と同等であるため、その説明を省略する。以下では、第4変形例に係る比較部11の構成のうち、実施形態に係る比較部11の構成とは異なる構成について、主に説明する。
【0084】
第4変形例に係る比較部11は、ダイオードD3を含む。
【0085】
ダイオードD3のアノードはノードN5に接続される。ダイオードD3のカソードは、接地される。
【0086】
その他の構成は、抵抗R1を含まないことを除き、実施形態に係る比較部11の構成と実質的に同等である。
【0087】
第4変形例に係る動作は、実施形態に係る動作と実質的に同等であるため、その説明を省略する。
【0088】
このような構成によっても、実施形態、第1変形例、第2変形例、及び第3変形例と同等の効果が奏される。
【0089】
2.5 第5変形例
上述の実施形態、第1変形例、第2変形例、第3変形例、及び第4変形例では、スイッチ素子Q6の状態に応じて端子POUTから出力される信号Sが決定される場合を示した。しかしながら、これに限られない。端子POUTから出力される信号Sは、スイッチ素子Q6の状態に加えて、スイッチ素子Q5の状態に基づいて決定されてもよい。
【0090】
第5変形例に係る半導体装置1の構成について、
図6を用いて説明する。
図6は、第5変形例に係る半導体装置1の構成の一例を説明するための回路図である。以下では、第5変形例に係る半導体装置1の構成のうち、実施形態に係る半導体装置1の構成とは異なる構成について、主に説明する。
【0091】
第5変形例に係る比較部11のスイッチ素子Q5のゲートは、電流源10の代わりに、ノードN5に接続される。スイッチ素子Q5の閾値電圧の絶対値は、電流IMが定電流ISの半分である場合のノードN5の電圧と、電圧VDDとの間の差分の絶対値と同等である。すなわち、電流IMが定電流ISの半分よりも小さい場合に、スイッチ素子Q5はオン状態となる。また、電流IMが定電流ISの半分以上である場合に、スイッチ素子Q5はオフ状態となる。
【0092】
その他の構成は、実施形態に係る比較部11の構成と実質的に同等である。
【0093】
次に、第5変形例に係る半導体装置1の動作について説明する。
【0094】
第5変形例に係る半導体装置1は、例えば電圧V1が電圧V2よりも高い(電流IMが定電流ISの半分よりも小さい)場合には、スイッチ素子Q5はオン状態となり、スイッチ素子Q6はオフ状態となる。このため、端子POUTには、スイッチ素子Q5を介して電圧VDDが供給され、端子POUTから“H”レベルの信号Sが出力される。また、電圧V1が電圧V2以下である(電流IMが定電流ISの半分以上である)場合に、スイッチ素子Q5はオフ状態になり、スイッチ素子Q6はオン状態となる。このため、端子POUTは、スイッチ素子Q6を介して接地され、端子POUTから、“L”レベルの信号Sが出力される。
【0095】
その他の動作は、実施形態に係る動作と同等である。
【0096】
このような構成によっても、実施形態、第1変形例、第2変形例、第3変形例、及び第4変形例と同等の効果を奏することができる。
【0097】
2.6 第6変形例
上述の実施形態、第1変形例、第2変形例、第3変形例、第4変形例、及び第5変形例では、電圧V1及びV2の高さを比較する場合を示したが、これに限られない。半導体装置1は、例えば電圧VDD及びV2の高さを比較するように構成されてもよい。すなわち、半導体装置は、電圧VDDを基準とした電圧V2の高さを判定する。
【0098】
第6変形例に係る半導体装置1の構成について、
図7を用いて説明する。
図7は、第6変形例に係る半導体装置1の構成の一例を説明するための回路図である。なお、第6変形例に係る半導体装置1の電流源10の構成は、実施形態と同等であるため、その説明を省略する。以下では、第6変形例に係る比較部11の構成のうち、実施形態に係る比較部11の構成とは異なる構成について、主に説明する。
【0099】
第6変形例に係る比較部11のスイッチ素子Q1のソースは、スイッチ素子Q5のソースとともに、電流源10の端子PVDDに接続される。これにより、スイッチ素子Q1のソースには、実施形態における電圧V1の代わりに、電圧VDDが印加される。
【0100】
その他の構成は、実施形態に係る比較部11の構成と同等であるため、それらの説明を省略する。
【0101】
次に、第6変形例に係る半導体装置1の動作について説明する。
【0102】
第6変形例に係る半導体装置1の動作では、電圧VDDと電圧V2とを比較する。それ以外の動作は、実施形態に係る動作と実質的に同等である。
【0103】
これにより、電圧V2が電圧VDDよりも低い場合には、端子POUTから“H”レベルの信号Sが出力される。また、電圧V2が電圧VDD以上である場合には、端子POUTから、“L”レベルの信号Sが出力される。
【0104】
このような構成によっても、実施形態、第1変形例、第2変形例、第3変形例、第4変形例、及び第5変形例と同等の効果を奏することができる。
【0105】
2.7 第7変形例
第6変形例では、半導体装置1が、電圧VDD及びV2の高さを比較する場合を示したが、これに限られない。半導体装置1は、電圧V1及びVDDの高さを比較するように構成されてもよい。すなわち、半導体装置は、電圧VDDを基準とした電圧V1の高さを判定する。
【0106】
第7変形例に係る半導体装置1の構成について、
図8を用いて説明する。
図8は、第7変形例に係る半導体装置1の構成の一例を説明するための回路図である。なお、第7変形例に係る半導体装置1の電流源10の構成は、実施形態と同等であるため、その説明を省略する。以下では、第7変形例に係る比較部11の構成のうち、実施形態に係る比較部11の構成とは異なる構成について、主に説明する。
【0107】
第7変形例に係る比較部11のスイッチ素子Q2のソースは、電流源10の端子PVDDに接続される。これにより、スイッチ素子Q2のソースには、実施形態における電圧V2の代わりに、電圧VDDが印加される。
【0108】
その他の構成は、実施形態に係る比較部11の構成と同等であるため、それらの説明を省略する。
【0109】
次に、第7変形例に係る半導体装置1の動作について説明する。
【0110】
第7変形例に係る半導体装置1の動作では、電圧V1と電圧VDDとを比較する。それ以外の動作は、実施形態に係る動作と実質的に同等である。
【0111】
これにより、電圧V1が電圧VDDよりも高い場合には、端子POUTから“H”レベルの信号Sが出力される。また、電圧V1が電圧VDD以下である場合には、端子POUTから、“L”レベルの信号Sが出力される。
【0112】
このような構成によっても、実施形態、第1変形例、第2変形例、第3変形例、第4変形例、第5変形例、及び第6変形例と同等の効果を奏することができる。
【0113】
3. その他
なお、上述の実施形態、及び第1変形例~第7変形例では、スイッチ素子Q1、Q2、及びQ4のそれぞれの電流-電圧特性、並びにゲート長及びチャネル幅が、互いに同等である場合を例に説明したが、これに限られない。スイッチ素子Q4の電流-電圧特性、並びにゲート長及びチャネル幅は、スイッチ素子Q1及びQ2のそれぞれの電流-電圧特性、並びにゲート長及びチャネル幅と異なっていてもよい。この場合、スイッチ素子Q4に流れる電流IMは、スイッチ素子Q2に流れる電流I2の定数倍(等倍を除く)の大きさになる。
【0114】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0115】
1…半導体装置、2…負荷、10…電流源、11…比較部、Q1~Q13、Qs1、Qs2…スイッチ素子、D1、D2、D3…ダイオード、PV1、PV2、PVDD、POUT…端子、AMP…オペアンプ、R1、Rs1…抵抗。