(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 31/12 20060101AFI20241007BHJP
【FI】
H01L31/12 C
H01L31/12 F
(21)【出願番号】P 2021152824
(22)【出願日】2021-09-21
【審査請求日】2023-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 佳
(72)【発明者】
【氏名】堀 将彦
【審査官】桂城 厚
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-274548(JP,A)
【文献】特開2021-089971(JP,A)
【文献】特開2015-056531(JP,A)
【文献】特開2015-050281(JP,A)
【文献】国際公開第2015/129178(WO,A1)
【文献】特開2002-134823(JP,A)
【文献】特開2003-084173(JP,A)
【文献】特開2005-294494(JP,A)
【文献】特開2005-123274(JP,A)
【文献】米国特許第05654559(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00-31/0392
H01L 31/08-31/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向及び第2方向に延伸する第1面を有する基板と、
前記基板の前記第1面上に設けられ
、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向を向いた第2面を有し、前記第2面上に設けられた第1電極及び第2電極を含む第1のMOSFETと、
前記基板の前記第1面の上方に設けられ、前
記第3方向に延伸する支持台と、
前記支持
台の前記第1方向を向いた第
3面に接
し、前記第1方向を向いた第4面を有し、前記第4面上に設けられた第3電極及び第4電極を含む受光素子と、
前記受光素子の前
記第4面に接する発光素子と
、
前記第1電極と前記第3電極とに接続される第1配線と、
前記第2電極と前記第4電極とに接続される第2配線と
を備える半導体装置。
【請求項2】
前記第
3面及び前記第
4面は、前記第1方向の前記第1のMOSFETが配置されている側を向いている、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記受光素子の受光面は、前記第
4面上に設けられ、
前記発光素子の照射面は、前記受光面と向かい合う、
請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1面上に設けられた第2のMOSFETを更に備え、
前記第1のMOSFETのソースと、前記第2のMOSFETのソースとが電気的に接続される、
請求項1乃至
3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1面上に設けられた第5電極を更に備え、
前記発光素子は、前記第
1方向を向いた第5面上に設けられた第6電極を含み、
前記第5電極と前記第6電極とは電気的に接続される、
請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第5電極と前記第6電極とに接続され、前記第5電極との接続位置から前記第3方向に延伸する部分と、前記第6電極との接続位置から前記第1方向に延伸して折れ曲がる部分とを含む第3配線を更に備える、
請求項5に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置として、フォトリレー装置が知られている。フォトリレー装置は、発光素子及び受光素子を含む半導体リレー装置である。フォトリレー装置は、無接点のリレーであり、交流信号または直流信号の伝送に用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5985452号公報
【文献】特開2003-84173号公報
【文献】特開2005-123274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高周波信号の伝送特性を改善できる半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体装置は、第1方向及び第2方向に延伸する第1面を有する基板と、基板の第1面上に設けられ、第1方向及び第2方向と交差する第3方向を向いた第2面を有し、第2面上に設けられた第1電極及び第2電極を含む第1のMOSFETと、基板の第1面の上方に設けられ、第3方向に延伸する支持台と、支持台の第1方向を向いた第3面に接し、第1方向を向いた第4面を有し、第4面上に設けられた第3電極及び第4電極を含む受光素子と、受光素子の第4面に接する発光素子と、第1電極と第3電極とに接続される第1配線と、第2電極と第4電極とに接続される第2配線とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るフォトリレー装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係るフォトリレー装置の基板の平面及び支持台の平面を示す図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係るフォトリレー装置の断面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係るフォトリレー装置の回路図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係るフォトリレー装置における受光素子及び発光素子を縦方向に配置する工程を示す図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係るフォトリレー装置の斜視図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態に係るフォトリレー装置の基板の平面及び支持台の平面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に実施形態が図面を参照して記述される。以下の記述において、略同一の機能及び構成を有する構成要素は同一符号を付され、繰り返しの説明は省略される場合がある。また、ある実施形態についての記述は全て、明示的に又は自明的に排除されない限り、別の実施形態の記述としても当てはまる。
【0008】
本明細書及び特許請求の範囲において、ある第1要素が別の第2要素に「接続されている」とは、第1要素が直接的又は常時あるいは選択的に導電性となる要素を介して第2要素に接続されていることを含む。
【0009】
1.第1実施形態
第1実施形態について、説明する。本実施形態では、半導体装置の例として、フォトリレー装置について説明する。
【0010】
1.1 全体構成
まず、
図1及び
図2を参照して、フォトリレー装置1の全体構成の一例について説明する。
図1は、フォトリレー装置1の斜視図である。
図2は、フォトリレー装置1の基板10の平面及び支持台30の平面を示す図である。以下の説明では、フォトリレー装置1の基板10に平行な方向をX方向とする。基板10に平行であり、X方向と交差する方向をY方向とする。基板10に垂直であり(基板10と交差し)、X方向及びY方向に交差する方向をZ方向(または「縦方向」と表記する)とする。なお、
図2では、説明を簡略化するためは、電極間を接続する配線は省略されている。
【0011】
図1及び
図2に示すように、フォトリレー装置1は、基板10、2つのMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)20a及び20b、支持台30、受光素子40、発光素子60、電極70及び71、入力端子80及び81、出力端子82a及び82b、配線90~96、並びに封止樹脂100を含む。
【0012】
基板10は、例えば、ポリイミドを用いたフレキシブル基板(FPC:Flexible Printed Circuits)である。なお、基板10は、フレキシブル基板に限定されない。基板10は、例えば、X方向及びY方向に延伸する板状の形状を有する。
【0013】
MOSFET20a及び20bは、例えばエンハンスメント型のnチャネルMOSトランジスタである。MOSFET20a及び20bは、伝送する交流信号または直流信号の制御に用いられる。MOSFET20a及び20bがオン状態の場合、フォトリレー装置1は、信号を伝送し、MOSFET20a及び20bがオフ状態の場合、フォトリレー装置1は、信号を伝送しない。
【0014】
MOSFET20a(以下、「MOS1」とも表記する)は、電極21a、22a、及び23aを含む。電極21aは、MOSFET20aのドレイン電極として機能する。電極22aは、MOSFET20aのソース電極として機能する。電極23aは、MOSFET20aのゲート電極として機能する。電極21aは、基板10のZ方向を向いた面S1上に設けられる。すなわち、電極21aは、基板10の面S1上に設けられたダイパッドとも呼べる。電極21a上に、MOSFET20aが設けられている。MOSFET20aの電極21aと接する面と対向するZ方向を向いた面S3には、電極22a及び電極23aが設けられている。
【0015】
MOSFET20b(以下、「MOS2」とも表記する)は、MOSFET20aと同じ構造を有する。例えば、MOSFET20bは、基板10の面S1の上方において、MOSFET20aと、Y方向に並んで配置されている。なお、MOSFET20a及びMOSFET20bの配置は任意である。
【0016】
MOSFET20bは、電極21b、22b、及び23bを含む。電極21bは、MOSFET20bのドレイン電極として機能する。電極22bは、MOSFET20bのソース電極として機能する。電極23bは、MOSFET20bのゲート電極として機能する。電極21bは、基板10のZ方向を向いた面S1上に設けられる。すなわち、電極21bは、基板10の面S1上に設けられたダイパッドとも呼べる。電極21b上に、MOSFET20bが設けられている。MOSFET20bの電極21bと接する面と対向するZ方向を向いた面S3には、電極22b及び電極23bが設けられている。
図2の例では、電極22b及び電極23bは、MOSFET20aの電極22a及び電極23aと、X方向を中心軸として、対称となるように配置されている。
【0017】
MOSFET20aの電極22aとMOSFET20bの電極22bとは、配線90により共通に接続されている。すなわち、MOSFET20aのソースとMOSFET20bのソースが共通に接続されている。なお、配線90の本数は、1本以上であればよい。
【0018】
支持台30は、受光素子40及び発光素子60を支持する。支持台30は、導電体であってもよいし、絶縁体であってもよい。支持台30は、Y方向及びZ方向に延伸する板状の形状を有する。支持台30は、例えば、基板10の面S1に対して、縦方向(垂直、またはZ方向)に配置される。
【0019】
受光素子40は、PDA(Photo Diode Array)、またはフォトトランジスタ等である。以下では、受光素子40がPDAである場合について説明する。受光素子40は、X方向を向いた支持台30の面S4に接する。より具体的には、支持台30の面S4は、X方向のMOSFET20a及び20bが配置されている側を向いている。受光素子40は、基板10に対して縦方向に配置される。受光素子40は、支持台30に接する面と対向するX方向を向いた面S5に、受光面を有する。換言すれば、受光素子40の面S5は、X方向のMOSFET20a及び20bが配置されている側を向いている。受光素子40は、電極41~44を含む。電極41~44は、受光素子40の支持台30に接する面と対向するX方向を向いた面S5上に、設けられている。例えば、電極41及び43は、受光素子40内において共通に接続されている。例えば、電極42及び44は、受光素子40内において共通に接続されている。電極41は、配線93を介して、MOSFET20aの電極22aに接続される。電極42は、配線95を介して、MOSFET20aの電極23aに接続される。電極43は、配線94を介して、MOSFET20bの電極22bに接続される。電極44は、配線96を介して、MOSFET20bの電極23bに接続される。
【0020】
発光素子60は、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。発光素子60は、接着層50を介して、受光素子40の面S5上に配置される。発光素子60は、基板10に対して縦方向に配置される。なお、接着層50には、透光性を有する絶縁材料が用いられる。発光素子60の光の照射面は、受光素子40の受光面、すなわち、受光素子40の面S5と向かい合う。発光素子60は、電極61及び62を含む。電極61及び62は、発光素子60の受光素子40と接する面と対向するX方向を向いた面S6上に設けられる。換言すれば、発光素子60の面S6は、X方向のMOSFET20a及び20bが配置されている側を向いている。電極61及び62は、いずれか一方が発光素子60のアノード電極であり、他方が発光素子60のカソード電極である。
【0021】
電極70及び71は、基板10の面S1上に設けられる。電極70は、配線91を介して、発光素子60の電極61に接続される。電極71は、配線92を介して、発光素子60の電極62に接続される。配線91は、例えば、Z方向に延伸し、一端が電極61に接続され、他端が、電極70に接続される。同様に、配線92は、例えば、Z方向に延伸し、一端が電極62に接続され、他端が、電極71に接続される。
【0022】
入力端子80及び81、並びに出力端子82a及び82bは、基板10の面S1と対向する面S2上に設けられる。
【0023】
入力端子80及び81は、外部に設けられた図示せぬ直流電源に接続される。入力端子80及び81には、フォトリレー装置1を制御するための電圧が印加される。入力端子80は、基板10を貫通する図示せぬ導電体を介して電極70に電気的に接続される。入力端子81は、基板10を貫通する図示せぬ導電体を介して電極71に電気的に接続される。
【0024】
出力端子82a及び82bは、外部に設けられた回路等にそれぞれ接続される。出力端子82aは、基板10を貫通する導電体を介してMOSFET20aの電極21aに電気的に接続される。出力端子82bは、基板10を貫通する導電体を介してMOSFET20bの電極21bに電気的に接続される。MOSFET20a及び20bがオン状態の場合、出力端子82a及び82bは電気的に接続される。これにより、フォトリレー装置1を介して交流または直流信号が伝送される。
【0025】
配線90~96は、導電材料により構成される。なお、配線91~96は、ワイヤボンディングにより形成されたワイヤであってもよいし、フレキシブル基板の配線であってもよい。
【0026】
封止樹脂100は、基板10の面S1の上方に配置された、MOSFET20a及び20b、受光素子40、発光素子60、並びに配線90~96を覆い保護する。また、封止樹脂100は、縦方向に配置された支持台30、受光素子40、及び発光素子60の位置を固定する。なお、封止樹脂100は、複数の樹脂材を含んでいてもよい。例えば、封止樹脂100は、発光素子60を被覆する第1封止樹脂と基板10の面S1の上方全体を被覆する第2封止樹脂により構成されていてもよい。
【0027】
1.2 フォトリレー装置の断面構成
次に、
図3を参照して、フォトリレー装置1の断面構成の一例について説明する。
図3は、Y方向を向いた側面から見たフォトリレー装置の断面図である。
【0028】
図3に示すように、X方向に向かって支持台30の面S3上に受光素子40及び発光素子60が積層されている。支持台30、受光素子40、及び発光素子60の積層構造体は、基板10の面S1の上方に配置されている。そして、支持台30の面S4、受光素子40の面S5、及び発光素子60の面S6は、X方向のMOSFET20a及び20bが配置されている側を向いている。支持台30、受光素子40、及び発光素子60の積層構造体は、基板10及びMOSFET20a及び20bに対して、縦方向に配置されている。
【0029】
受光素子40の受光面45は、受光素子40の面S5に設けられている。発光素子60の光の照射面63は、受光素子40の受光面、すなわち、受光素子40の面S5と向かい合う。
【0030】
電極70は、入力端子80と、基板10を関する導電体85を介して電気的に接続されている。電極71と、入力端子81との接続も同様である。
【0031】
MOSFET20aの電極21aは、出力端子82aと、基板10を関する導電体87aを介して電気的に接続されている。なお、
図3の例では、3つの導電体87aが設けられているが、導電体87aは、1つ以上あればよい。MOSFET20bの電極21bと、出力端子82bとの接続も同様である。
【0032】
受光素子40及び発光素子60を縦方向に配置することにより、受光素子40の電極41~44と、MOSFET20a及び20bの電極22a、22b、23a、及び23bとの距離を、受光素子40及び発光素子60をMOSFET20a及び20bの横に配置した場合よりも、短くすることができる。すなわち、配線93~96の長さを比較的短くできる。同様に、発光素子60の電極61及び62と、基板10上に設けられた電極70及び71と接続する配線91及び92の長さを比較的短くできる。
【0033】
なお、
図3の例では、支持台30は、基板10の面S1の上方に設けられ、基板10と接していないが、Z方向に延伸して、基板10と接してもよい。
【0034】
1.3 フォトリレー装置の回路構成
次に、
図4を参照して、フォトリレー装置1の回路構成の一例について説明する。
図4は、フォトリレー装置1の回路図である。
【0035】
図4に示すように、発光素子60は入力端子80及び81に接続される。入力端子80及び81には、フォトリレー装置1を制御するための入力電圧が印加される。
【0036】
受光素子40は、例えば、制御回路40aと、直列に接続された数個~数十個のフォトダイオード40bとを含むフォトダイオードアレイである。直列接続された複数のフォトダイオード40bの両端は、制御回路40aに接続される。
【0037】
MOSFET20a及び20bのゲートは、受光素子40のアノードに共通に接続される。MOSFET20a及び20bのソースは、受光素子40のカソードに共通に接続される。MOSFET20aのドレインは、出力端子82aに接続される。MOSFET20bのドレインは、出力端子82bに接続される。
【0038】
入力側の発光素子60がオン状態(発光状態)になると、MOSFET20a及び20bを駆動する受光素子40は、発光素子60から受光して、例えば、7V~10数Vの電圧を発生させる。これにより、MOSFET20a及び20bがオン状態とされ、出力端子82a及び82bが電気的に接続される。また、発光素子60がオフ状態となると、MOSFET20a及び20bはオフ状態とされ、出力端子82a及び82bは、電気的に非接続状態とされる。
【0039】
1.4 製造方法
次に、
図5を参照してフォトリレー装置1の製造方法の一例について説明する。本実施形態では、受光素子40及び発光素子60を縦方向に配置する工程に着目して説明する。
図5は、受光素子40及び発光素子60を縦方向に配置する工程を示す図である。
【0040】
図5に示すように、例えば、支持台30の面S4がZ方向を向いた状態で、支持台30、受光素子40、及び発光素子60の積層構造体が、基板10と隣り合って配置されている。この状態で、各電極が電気的に接続される。例えば、
図5の例では、MOSFET20aの電極22aと、受光素子40の電極42とが、配線95を介して電気的に接続される。MOSFET20aの電極23aと、受光素子40の電極41とが、配線93を介して電気的に接続される。発光素子60の電極61と、電極70とが、配線91を介して電気的に接続される。他の電極も同様である。
【0041】
次に、例えば、支持台30、受光素子40、及び発光素子60の積層構造体は、基板10のX方向の端部を起点として、90度回転されて、縦方向の配置とされる。その後、封止樹脂100により、MOSFET20a及び20b、受光素子40、並びに発光素子60が覆われる。なお、受光素子40及び発光素子60を縦方向に配置する方法はこれに限定されない。
【0042】
1.5 本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成であれば、例えば、1GHz以上の高周波信号の伝送特性を改善できる。本効果につき、詳述する。
【0043】
例えば、フォトリレー装置において、受光素子及び発光素子を、MOSFET(出力端子)と、電極(入力端子)との間に配置することがある。この場合、受光素子と入力端子との間、及び受光素子と出力端子との間で結合容量が生じる。この結合容量の影響により、例えば1GHz以上の高周波伝送特性が劣化することがある。また、例えば、受光素子とMOSFETとを接続する配線の長さが長くなるとオープンスタブの影響により、より低い周波数領域で、伝送特性が劣化する。
【0044】
これに対し、本実施形態に係る構成であれば、フォトリレー装置1は、受光素子40及び発光素子60を縦方向に配置できる。これにより、受光素子40と入力端子80及び81との間、及び受光素子40と出力端子82a及び82bとの間で生じる結合容量を低減できる。更に、入力端子80と入力端子81との間で生じる結合容量を低減できる。また、受光素子40及び発光素子60を縦方向に配置することにより、受光素子40の電極と、MOSFET20a及び20bの電極とを接続する配線の長さを比較的短くできる。同様に、発光素子60の電極61及び62と、基板10上に設けられた電極70及び71と接続する配線の長さを比較的短くできる。したがって、オープンスタブの影響をより高周波領域にシフトさせることができる。従って、半導体装置の高周波信号の伝送特性を改善できる。
【0045】
更に、本実施形態に係る構成であれば、受光素子40及び発光素子60を縦方向に配置することにより、フォトリレー装置1の設置面積を低減できる。すなわち、フォトリレー装置1を小型化できる。
【0046】
2.第2実施形態
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態と異なるフォトリレー装置1の構成について説明する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0047】
2.1 全体構成
図6及び
図7を参照して、フォトリレー装置1の全体構成の一例について説明する。
図6は、フォトリレー装置1の斜視図である。
図7は、フォトリレー装置1の基板10の平面及び支持台30の平面を示す図である。なお、
図7では、説明を簡略化するためは、電極間を接続する配線は省略されている。
【0048】
図6及び
図7に示すように、本実施形態のフォトリレー装置1のMOSFET20a及び20b、受光素子40、並びに発光素子60の配置は、第1実施形態の
図1と同様である。
【0049】
本実施形態の電極70は、例えば、Y方向において、MOSFET20aよりも基板10の端部に配置されている。同様に、電極71は、例えば、Y方向において、MOSFET20bよりも基板10の端部に配置されている。
【0050】
配線91及び92は、第1実施形態と配線レイアウトが異なる。配線91は、例えば、電極61との接続位置からY方向に延伸して、電極70の上方において、電極70に向かって折れ曲がっている。そして、配線91は、Z方向に延伸して電極70に接続されている。同様に、配線92は、例えば、電極62との接続位置からY方向に延伸して、電極71の上方において、電極71に向かって折れ曲がっている。そして、配線92は、Z方向に延伸して電極71に接続されている。これにより、Y方向において、配線91と配線92との間に、X方向に延伸する配線93~94が配置されている。
【0051】
2.2 本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成であれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0052】
更に、本実施形態に係る構成であれば、配線91及び92と、配線93~96との距離を比較的大きくできる。これにより、配線間の電磁干渉を低減できる。
【0053】
3.その他
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0054】
1…フォトリレー装置、20a、20b…MOSFET、21a、21b、22a、22b、23a、23b、41~44、61、62、70、71…電極、30…支持台、40…受光素子、40a…制御回路、40b…フォトダイオード、45…受光面、50…接着層、60…発光素子、63…照射面、80、81…入力端子、82a、82b…出力端子、85、87a…導電体、90~96…配線、100…封止樹脂