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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】閉鎖システムを備えた履物製品
(51)【国際特許分類】
   A43B 23/02 20060101AFI20241007BHJP
   A43C 11/16 20060101ALI20241007BHJP
【FI】
A43B23/02 106
A43B23/02 101Z
A43C11/16
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021182918
(22)【出願日】2021-11-10
(65)【公開番号】P2022080858
(43)【公開日】2022-05-30
【審査請求日】2022-12-28
(31)【優先権主張番号】63/115,162
(32)【優先日】2020-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/517,274
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390023593
【氏名又は名称】アクシュネット カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ACUSHNET COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 英治
(72)【発明者】
【氏名】ジョン エフ. スウィガート
(72)【発明者】
【氏名】ポール オウ. ティーター
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-162885(JP,A)
【文献】特開2009-189814(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0020767(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0027286(US,A1)
【文献】特開2016-221232(JP,A)
【文献】特表平07-509395(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 23/02
A43C 11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物製品において、
可撓性アッパーと、
アウトソールおよびミッドソールを具備するソールと、
バイトラインと、
ヒール領域、中足領域、および前足領域と、
上記前足領域から上記ヒール領域に延びる内側サイドと、
上記前足領域から上記ヒール領域に延び、上記内側サイドと反対であり、全般的に上記内側サイドと平行である外側サイドと、
レースと、上記ヒール領域に結合された調整可能ダイアルとを有する閉鎖システムであって、上記調整可能ダイアルは上記レースを締めたり緩めたりして上記レースの張力を加減する上記閉鎖システムと、
上記中足領域の上記内側サイドまたは上記外側サイドに沿って、上記バイトラインに近接して上記履物製品にピボット状に結合された少なくとも1つのフラップであって、当該少なくとも1つのフラップは、上記可撓性アッパーに対面するように構成された第1表面と、上記第1表面と反対側の第2表面とを含み、当該少なくとも1つのフラップは、(i)上記少なくとも1つのフラップの上記第1表面が上記可撓性アッパーと接触する係合位置と、(ii)上記少なくとも1つのフラップの上記第1表面が上記可撓性アッパーから離れて位置付けられる解放位置との間を移動するように構成された、上記少なくとも1つのフラップとを有し、
上記レースの一端が上記調整可能ダイアルに結合され、かつ、上記レースが締められるときに上記レースが上記少なくとも1つのフラップの上記第2表面に係合して上記少なくとも1つのフラップが上記可撓性アッパーに保持されるように上記レースのアンカーまたはガイドの少なくとも1つが上記少なくとも1つのフラップの上記第2表面に設けられ、上記少なくとも1つのフラップは、当該少なくとも1つのフラップが上記可撓性アッパーに保持されるときに上記可撓性アッパーを安定加させて横方向の支持を供給するように構成されることを特徴とする履物製品。
【請求項2】
下向きの圧力が上記ソールに加えられると、上記レースがぴんと引っ張られる請求項1に記載の履物製品。
【請求項3】
上記下向きの圧力が除かれ、上記前足領域に屈曲があるときに、たるみが上記レースに導入される請求項2に記載の履物製品。
【請求項4】
上記レースは、(i)上記履物製品の上記外側サイドまたは上記内側サイドの一方に設けられたレースガイドまたはレースアンカーから、(ii)上記履物製品の上記外側サイドまたは上記内側サイドの他方へと延びるレースセグメントを有する請求項1に記載の履物製品。
【請求項5】
上記レースセグメントの一部が上記少なくとも1つのフラップの上記第2表面の上を横切るように構成される請求項4に記載の履物製品。
【請求項6】
上記レースの他端が上記少なくとも1つのフラップの下側領域上に設けられたレースアンカーに結合される請求項1に記載の履物製品。
【請求項7】
履物製品において、
可撓性アッパーと、
アウトソールおよびミッドソールを具備するソールと、
バイトラインと、
ヒール領域、中足領域、および前足領域と、
上記前足領域から上記ヒール領域に延びる内側サイドと、
上記前足領域から上記ヒール領域に延び、上記内側サイドと反対であり、全般的に上記内側サイドと平行である外側サイドと、
1つのレースおよび複数のレースガイドを具備する閉鎖システムであって、上記レースは、上記バイトラインに近接して配置された少なくとも1つのレースガイドに通される、上記閉鎖システムと、
上記中足領域の上記内側サイドまたは上記外側サイドに沿って、上記バイトラインに近接して上記履物製品に結合された少なくとも1つのフラップであって、当該少なくとも1つのフラップは、第1表面と、上記第1表面と反対側の第2表面とを含み、当該少なくとも1つのフラップは、(i)上記少なくとも1つのフラップの上記第1表面が上記可撓性アッパーと接触する係合位置と、(ii)上記少なくとも1つのフラップの上記第1表面が上記可撓性アッパーから離れて位置付けられる解放位置との間を移動するように構成された、上記少なくとも1つのフラップとを有し、
上記閉鎖システムの上記レースは、当該レースが締め付けれられて上記少なくとも1つのフラップの上記第1表面を上記可撓性アッパーに保持するときに、上記少なくとも1つのフラップの上記第2表面に係合するように構成され、
上記レースは、上記ヒール領域に設けられたレース調整機構に結合された一端、上記少なくとも1つのフラップに結合された他端、および、(i)上記履物製品の上記外側サイドまたは上記内側サイドの一方に設けられたレースガイドまたはレースアンカーから、(ii)上記履物製品の上記外側サイドまたは上記内側サイドの他方へと延びるレースセグメントを有し、
上記レースセグメントの一部が上記少なくとも1つのフラップの上記第2表面の上を横切るように構成されることを特徴とする履物製品。
【請求項8】
上記レースガイドはループである請求項に記載の履物製品。
【請求項9】
上記複数のレースガイドは上記履物製品のアイステイに近接する少なくとも1つのレースガイドを含む請求項に記載の履物製品。
【請求項10】
上記複数のレースガイドは前足領域に近接して少なくとも1つのレースガイドを含む請求項に記載の履物製品。
【請求項11】
上記複数のレースガイドは、上記前足領域に2つのレースガイドを含み、上記レースがXパターンで上記可撓性アッパーを横切る請求項に記載の履物製品。
【請求項12】
下向きの圧力が加えられるとレースがぴんと引っ張られ、上記下向きの圧力が持ち上げられて上記前足領域に屈曲があるとたるみが導入される請求項に記載の履物製品。
【請求項13】
履物製品において、
可撓性アッパーと、
アウトソールおよびミッドソールを具備するソールと、
バイトラインと、
ヒール領域、中足領域、および前足領域と、
上記前足領域から上記ヒール領域に延びる内側サイドと、
上記前足領域から上記ヒール領域に延び、上記内側サイドと反対であり、全般的に上記内側サイドと平行である外側サイドと、
レースおよび上記ヒール領域に結合されたレース締め付け機構を有し、上記レース締め付け機構は上記レースの張力を加減するように構成される閉鎖システムと、
前足端部、ヒール端部、および最上点を具備するフラップであって、上記フラップは、上記中足領域の上記内側サイドまたは上記外側サイドに沿って、上記バイトラインに近接して上記履物製品に結合され、上記フラップは第1表面および当該第1表面と反対側の第2表面を含み、上記フラップは、(i)上記フラップの上記第1表面が上記可撓性アッパーと接触する係合位置と、(ii)上記フラップの上記第1表面が上記可撓性アッパーから離れて位置付けられる解放位置との間をピボット状に揺動可能である、上記フラップとを有し、
上記閉鎖システムの上記レースは、当該レースが締め付けれられて上記フラップの上記第1表面を上記可撓性アッパーに保持するときに、上記フラップの上記第2表面に係合するように構成され、
上記フラップは、上記フラップの上記第1表面が上記可撓性アッパーに保持されるときに、上記履物製品の上記中足領域に対して横方向の支持を供給するように構成され、
上記レースは上記レース締め付け機構に結合された第1端部と、上記フラップの下側領域に設けられたレースアンカーに結合された第2端部とを有することを特徴とする履物製品。
【請求項14】
上記レースは、当該レースが上記可撓性アッパーを横切って延びるときに当該レース自体を横切るように構成される請求項13に記載の履物製品。
【請求項15】
上記フラップは剛性変化を有し、最も大きな剛性点は、上記バイトラインの位置またはその近くであり、最も小さな剛性点は、上記フラップの最も上側の位置またはその近くである請求項13に記載の履物製品。
【請求項16】
上記フラップの厚さは、上記フラップの上記最も上側の位置から、上記フラップの下側の位置へと増加して、上記剛性変化を形成する請求項15に記載の履物製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全般的には、履物の分野に関する。より具体的には、本開示は、安定性のための閉鎖システム(クロージャ―システム)およびフラップを備えた履物の分野に関する。
【概要】
【0002】
以下は、本開示のいくつかの側面の基本的な理解を提供するために、本開示の簡略化された要約を提示する。この要約は、開示の広範な概要ではない。開示の重要な要素を特定したり、開示の範囲を説明したりすることを意図したものではない。その唯一の目的は、他の場所で提示されているより詳細な説明の前置きとして、開示のいくつかの概念を簡略化された形で提示することである。
【0003】
一実施例において、履物製品は、可撓性アッパー、アウトソールおよびミッドソールを具備するソール、バイトライン、ヒール領域、および前足領域を有して良い。履物製品は、前足領域からヒール領域に延びる内側(medial)サイドを具備して良い。履物製品は、前足領域からヒール領域に延びる外側(lateral)サイドを具備して良く、外側サイドは、内側サイドと反対であり、概して当該内側サイドと平行である。履物製品は、締めたり緩めたりすることができる履物を固定するための閉鎖システムをさらに具備して良い。履物製品は、バイトラインに近接して履物製品に結合された少なくとも1つのフラップをさらに有して良い。閉鎖システムは、フラップと相互作用するように構成されて良く、締めると、閉鎖システムは、フラップをアッパーに固定するように構成されて良い。
【0004】
他の実施例において、履物製品は、可撓性アッパー、アウトソールおよびミッドソールを具備するソール、バイトライン、ヒール領域、および前足領域を有して良い。履物製品は、前足領域からヒール領域に延びる内側サイドを具備して良い。履物製品は、前足領域からヒール領域に延びる外側サイドを具備して良く、外側サイドは、内側サイドと反対であり、概して当該内側サイドと平行である。履物製品は、レース(靴ひも)およびレースガイドを有する閉鎖システムをさらに有して良く、レースは、バイトラインに近接して配置された少なくとも1つのレースガイドに通される。履物製品は、バイトラインに近接して履物製品に結合された少なくとも1つのフラップをさらに有して良い。
【0005】
さらに他の実施例において、履物製品は、可撓性アッパー、アウトソールおよびミッドソールを具備するソール、バイトライン、ヒール領域、および前足領域を有して良い。履物製品は、前足領域からヒール領域に延びる内側サイドを具備して良い。履物製品は、前足領域からヒール領域に延びる外側サイドを具備して良く、外側サイドは、内側サイドと反対であり、概して当該内側サイドと平行である。履物製品は、調節可能な閉鎖システムおよびフラップをさらに有して良い。フラップは、前足端部、ヒール端部、および最上点を具備して良い。フラップは、バイトラインに近接して履物製品に結合されて良い。フラップは、係合位置と弛緩位置との間で可変であって良い。係合位置では、フラップは、履物製品の中間足領域に横方向の支持を提供して良い。
【図面の簡単な説明】
【0006】
この発明を特徴付ける新規な技術は、添付の特許請求の範囲に示される。しかしながら、この発明の好ましい実施例が、他の目的、および付随する効果とともに、添付図面と関連する以下の詳細な説明を参照して最も良好に理解される。
図1図1は、1実施例に従う履物製品の側面図である。
図2図2は、他の実施例に従う図1の履物製品の側面図である。
図3図3は、他の実施例に従う図1の履物製品の側面図である。
図4図4は、他の実施例に従う図1の履物製品の側面図である。
図5図5は、1実施例に従う図1の履物製品の底面図である。
図6図6は、1実施例に従う履物製品の反対側の側面図である。
図7図7は、他の実施例に従う図1の履物製品の反対側の側面図である
図8図8は、1実施例に従う履物製品の上面斜視図である。
図9図9は、他の実施例に従う履物製品の上面斜視図である。
図10図10は、1実施例に従う履物製品の背面図である。
図11図11は、1実施例に従う履物製品の一部分解斜視図である。
【発明の詳細な説明】
【0007】
この発明は、当該発明の実施例が示されている添付の図を参照して、より完全に説明される。しかしながら、この発明は、ここに記載の実施例に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例は、本開示が十分かつ完全であり、この発明の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。図面において、同様の数字は全体を通して同様の要素を指す。一部の要素の厚さと寸法は、わかりやすくするために誇張されている場合がある。
【0008】
ここで使用される用語は、特定の実施例を説明することのみを目的としており、この発明を限定することを意図するものではない。ここで使用される場合、単数形(「a」、「an」、および「the」)は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数形も含むことを意図している。
【0009】
ある要素が別の要素に「取り付けられている」(「attached」)、「結合されている」(「coupled」)または「接続されている」(「connected」)と呼ばれる場合、それは他の要素に直接的に取り付けられ、結合され、または接続されて良く、または、他の要素が介在して良い。対照的に、要素が別の要素に「直接取り付けられて入り」、「直接結合されている」、または「直接接続されている」と呼ばれる場合、介在する要素は存在しない。
【0010】
一実施例に関して記載された任意の1つまたは複数の側面または特徴は、それに関連して具体的に記載されていないけれども、異なる実施例に組み込まれて良いことに留意されたい。すなわち、任意の実施例のすべての側面および/または特徴は、任意の方法および/または組み合わせで組み合わせることができる。出願人は、最初に提出された請求を変更する権利、またはそれに応じて新しい請求を提出する権利を留保する。これには、元々その方法で請求されていないものの、他の請求に依存する、および/または他の請求の機能を組み込むように最初に提出された請求を修正できる権利が含まれる。この発明のこれらおよび他の目的および/または側面は、以下に示す明細書で詳細に説明されている。
【0011】
履物製品10は、図1~10に示され、可撓性アッパー100およびソール110を含む。図1に示されるように、履物製品10は、ヒール領域130、前足領域140、閉鎖システム150、およびフラップ160をさらに含んで良い。
【0012】
ヒール領域130は、全般的には、足の後部、すなわち、アキレス腱の周囲および下の領域、踵の後部、ならびに距骨および踵骨に対応し得る。前足領域140は、全般的には、足の前部、すなわち、つま先および中足骨、指骨、および種子骨に対応し得る。中足領域135は、全般的には、足の中央、すなわち、アーチおよび舟状骨、立方骨、楔状骨に対応し得る。ヒール領域130、中足領域135、および前足領域140は、履物の一般的な領域を表すことを意図しており、正確な領域を区別することを意図していないことに留意されたい。
【0013】
履物製品10は、前足領域140からヒール領域130に延びる内側サイド(medial)と、前足領域140からヒール領域130に延びる外側サイド(lateral)とを具備して良い。外側サイドおよび内側サイドは、互いに反対になって良い。いくつかの実施例において、外側サイドおよび内側サイドは、概して互いに平行であって良い。外側サイドは、全般的には、足の外側領域およびユーザーの他の足とは反対側を向く表面に対応して良い。内側サイドは、全般的には、足の内側領域およびユーザーのもう一方の足に面する表面に対応して良い。
【0014】
アッパー100は、内側表面102および外側表面104を具備して良い。内側表面102は、ユーザーの足を受け入れるように構成された領域を部分的に形成して良い。アッパー100は、ユーザーの足の上に、足の内側サイドおよび外側サイドに沿って、そして足の前足領域およびヒール領域の周りに延びるように構成されて良い。ユーザーの足を受け入れるように構成された領域は、カラー106によって形成される足首開口部からアクセスされて良い。
【0015】
アッパー100は、現在知られている、または後に開発される任意の適切な材料から構築することができ、これは、皮革、スエード、布地、帆布、織り物、ニット、人工ポリマー繊維、ナイロン、ポリエステル、または綿を含むけれども、これに限定されない。アッパー100は弾性があって良い。代替的には、アッパー100の少なくとも一部は弾性であって良い。他の実施例において、アッパー100は非弾性であって良い。アッパー100の少なくとも一部は、柔軟性がなく、剛性または半剛性であって良い。
【0016】
アッパー100は、ヒール領域130にヒールカウンタ132をさらに含んで良い。ヒールカウンタ132は、アッパー100を補強し、ユーザーのヒールの動きを制限することができる。ヒールカウンタ132は、ヒール領域130を包み込み、外側サイドおよび内側サイドの双方に沿って前方に延びて良い。
【0017】
ソール110は、アウトソール112、ミッドソール114、およびインソール116を含んで良い。ソール110は、バイトライン105でアッパー100に結合されて良い。ソール110は、力を減衰させるか、またはサポートまたはクッションを提供するように構成されて良い。いくつかの実施例において、ミッドソール114は、クッション性を提供する圧縮性材料から形成されて良い。他の実施例において、ミッドソール114は、プレートを含むか、または安定性を高めるために高密度材料から形成されて良い。
【0018】
アウトソール112は、ミッドソール114の下にあって良く、かつ、地面と相互作用するように設計されて良い。アウトソール112は、牽引力を与えるように設計されて良い。いくつかの実施例において、追加の牽引のためのスパイク、クリート、または他のデバイスは、アウトソール112に結合されて良い。そのようなデバイスは、アウトソール112に取り外し可能に結合されて良い。他の実施例において、そのようなデバイスは、アウトソール112に固定的に結合されて良い。いくつかの実施例において、アウトソール112は、図5に示されるように、複数のパッドまたは隆起から構成されて良い。
【0019】
インソール116は、ユーザーにクッション性または快適さを提供するように設計されて良い。インソール116は取り外し可能であって良く、使用中はミッドソール114より上にあって良い。いくつかの実施例において、インソール116はサポートを提供するように設計されて良い。インソール116は、可撓性、半剛性、または剛性であって良い。
【0020】
履物製品10は、閉鎖システム150を含んで良い。閉鎖システム150は、当技術分野で知られている、または後に開発される任意の適切な閉鎖システムであって良い。一実施例において、閉鎖システム150は、ユーザーの足の周りにアッパー100を固定するための靴ひもを含んで良い。他の実施例において、閉鎖システム150は、少なくとも1つの弾性ゴアをさらに含んで良く、その結果、ユーザーは、バンプ120およびカラー106に近接するアッパー100を引っ張り、足首開口部を拡大して、履物製品の10のアッパー100内の足の配置を容易にすることができる。
【0021】
さらに他の実施例において、閉鎖システム150は、少なくとも1つのレース152、調整可能なダイヤル154、およびレースガイド156を使用する調整可能なひもシステムを含んで良い。例えば、閉鎖システム150は、米国特許第10,070,695号に記載されているような靴紐システムであって良く、その内容は参照してここに組み入れる。他の実施例において、閉鎖システム150は、レース152の張力を制御するために調整可能なダイヤル154を利用せず、そのような張力は、他の手段によって増加または減少されて良い。張力を増加させると、レース152が締め付けられ、張力を減少させると、レース152が緩んで良い。レース152は、現在知られている、または後に開発される任意の方法で固定することができる。いくつかの実施例において、レース152は、当該レース152の端部を互いに結ぶことによって固定されて良い。
【0022】
レース152は、伸張性レースであって良い。いくつかの実施例において、レース152はワイヤである。レース152の張力が増加すると、レース152は、ユーザーの足の周りにアッパー100を固定することができる。レース152は、調節可能なダイヤル154を使用して選択的に調整することができる。レース152の張力は、調節可能なダイヤル154を使用して減少させて、ユーザーが足を少なくとも部分的にアッパー100内に配置できるようにすることができる。ユーザーは、調節可能なダイヤル154を使用してレース152への張力を増加させて、レース152を締め、アッパー100を使用者の足の周りに固定することができる。
【0023】
レースガイド156は、調整可能なダイヤル154を使用して張力が増加または減少したときにレース152がループを通ってスライドすることを可能にするループであって良い。いくつかの実施例において、レースガイド156は低摩擦である。レースガイド156は、ユーザーがアッパー100をその足に固定することを可能にする戦略的ポイントでアッパー100に結合することができる。レースガイド156は、締められたときにレース152がユーザーに不快感を引き起こさないように戦略的に配置することができる。レースガイド156の配置は、足を安定させるのを支援することができる。いくつかの実施例において、閉鎖システム150およびレースガイド156の配置は、圧力、剪断力、地面力、など、ユーザーの足に作用する力、または屈曲または運動性能を減衰させることができる。
【0024】
図1~4に示されるように、いくつかの実施形例において、レース152は、アッパー100の上にあり、アッパーの外側表面104と相互作用するように構成されて良い。レース152は、全体的または部分的に見えることができる。他の実施例において、レースガイド156は、レース152がアッパー100と直接接触しないように配置することができる。
【0025】
他の実施例において、レース152は、アッパーの外側表面104とアッパーの内側表面102との間にあって良い。そのような実施例において、アッパーの外側表面104とアッパーの内側表面102との間にレース用のチャネルがあって良い。レースガイド156は、また、アッパーの外側表面104とアッパーの内側表面102との間に配置されて良い。
【0026】
いくつかの実施例において、レース152の一部は、アッパーの外側表面104とアッパーの内側表面102との間にあって良く、レース152の一部は、アッパーの外側表面104より上にあって良い。
【0027】
レース152の少なくとも一部がアッパーの外側表面104より上にある実施例において、アッパー100は、オプションに、調節可能なダイヤル154が締められたときに、レース152の配置を容易にするための溝(図示しない)を具備して良い。溝は、調整可能なダイヤル154が締められるとき、レース152を固定し、溝はレース152を固定し、レース152が滑ったり、履物製品またはユーザーの足に作用する力に影響を及ぼし得る望ましくない場所でレース152が締められたりするのを防ぐことができる。溝は、また、ユーザーがレース152を再調整する必要がないように、レース152に信頼できる位置を提供して良い。
【0028】
図10に示されるように、調節可能ダイヤル154は、ヒール領域130で履物製品10の後方にあって良い。いくつかの実施例において、調節可能ダイヤルは、一般に、カラー106とバイトライン105との間の中間にあって良い。調節可能ダイヤル154が履物製品10の後方にあるので、レース152の張力を調整するときに力が加えられるので有益であろう。ヒール領域130に調節可能ダイヤル154を配置することにより、履物製品10の安定性が向上し得る。
【0029】
調節可能ダイヤル154の配置は、下向きの圧力がソール110に加えられたときに増加した安定性を提供し得る。調節可能ダイヤル154の配置は、また、下向きの圧力が持ち上げられたときの動きの自由度を増加させ得る。レースガイド156の戦略的な配置は、下向きの圧力がソール110に加えられたときの安定性を高め、下向きの圧力が持ち上げられたときの動きの自由度を高めることができる。いくつかの実施例において、レース152は、前足領域に近接するXパターンで交差して良い。Xパターン構成は、より大きな機械的な優位性を提供する場合がある。いくつかの実施例において、ヒール領域130での調整可能なダイヤル154とレースガイド156の戦略的配置との組み合わせは、下向きの圧力がソールに加えられたときに安定性を向上させ、かつ下向きの圧力が持ち上げられたときや前足領域140が屈曲しているときに動きの自由度を向上させることができる。前足領域140の屈曲は、背側屈曲であって良い。
【0030】
下向き圧力を持ち上げると、前足領域140に屈曲がある場合、レース152にたるみを導入される。いくつかの実施例において、たるみは、閉鎖システム150の張力をさらに調整する必要なしに導入され得る。したがって、前足領域140に屈曲があるときにたるみが導入され、ソール110に下向きの圧力が加えられるとレース152がぴんと張られるように、ひも構成を使用して自動的に調整することができる。ユーザーが足を入れると、レース152の気密性が増し、それにより、履物製品10をさらに安定させることができる。緊張したレース152は、以下でさらに説明するようにフラップ160に係合し、それにより、横方向荷重に対する安定性を追加することができる。これにより、ユーザーの足が入るときの安定性が向上し、下向きの圧力が持ち上げられて前足が曲げられたときの動きの自由度が向上した履物製品10が得られるであろう。そのような履物製品10は、ユーザーの足が入れられたときの安定性を向上させながら、ユーザーが歩いたり、他の歩行活動に従事したりするのに快適であり得る。
【0031】
いくつかの実施例において、調節可能ダイヤル154は、アイステイ122に近接した位置でアッパー100に結合されて良い。他の実施例において、調節可能ダイヤルは、履物製品10のクォーターでアッパー100に結合されて良い。
【0032】
いくつかの実施例において、図8に示されるように、少なくとも1つのレースガイド156は、アイステイ122の近くに配置されて良い。
【0033】
レース152は、第1の端部で、調節可能ダイヤル154に結合されて良く、第2の端部でレースアンカー158に結合されて良い。レースアンカー158は、バイトライン105に近接して履物製品10に結合されて良い。いくつかの実施例において、レースアンカー158は、履物製品10に固定的に結合されている。いくつかの実施例において、レースガイド156は、フラップ160に隣接するバイトライン105で結合されて良い。いくつかの実施例において、レースガイド156および/またはレースアンカー158は、どこでもフラップ160に結合することができる。例えば、レースガイド156およびレースアンカー158は、フラップの上部、中間、または下部領域でフラップ160に結合されて良い。レースガイド156およびレースアンカー158の位置は、互いに独立しており、同じ領域にある必要はない。
【0034】
履物製品10は、少なくとも1つのフラップ160を含んで良い。いくつかの実施例において、一対の靴の各靴は、フラップ160を具備して良い。フラップ160は、履物製品10の少なくとも一部をさらに安定化させて履いているときの剪断力の影響を低減することによって、ユーザーに利益を提供し得る。フラップ160は、係合されると、履物製品10の領域を安定させ、加えられた圧力を履物の所望の領域に分散させる締め付け作用を生み出す。
【0035】
フラップ160は、剛性または半剛性であって良い。フラップ160によって提供される安定化の量は、その剛性に応じて変化し得、剛性の増加は、より高い安定化効果を提供し得る。いくつかの実施例において、フラップ160は、不均一な剛性を有して良い。例えば、フラップ160は、バイトラインおよびその近くの領域など、剛性が増加した領域を具備して良い。いくつかの実施例において、フラップは剛性勾配を有して良く、ここで、最も剛性の高い点はバイトラインの近くにあり、最も剛性の低い点は最上部の点162にある。剛性は、剛性の増強が望まれる場所で、材料の厚さを増加させて変化させて良い(例えば、付加的な材料層を加える)。いくつかの実施例において、フラップ160は可撓性であって良い。
【0036】
フラップ160は、皮革、布、炭素繊維、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、または現在知られている、または後に開発される最適な剛性を有する任意の適切な材料から形成することができる。いくつかの実施例において、フラップ160は、自己強化ポリマー複合材料を有する。自己強化ポリマー複合材料は、複合材料業界で一般的に知られており、強化繊維とポリマーマトリックスとを有する繊維強化複合材料を指し、高配向性強化繊維は、マトリックスが作られるのと同じポリマーから製造される。たとえば、ポリプロピレンマトリックスはポリプロピレン繊維で補強することができる。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、液晶ポリマー、ポリ乳酸、およびポリアミドを含む、異なる熱可塑性ポリマーを使用することができる。自己強化ポリマー複合材料は、例えば、Pure(商標)(DITBVおよびMillikenUSA(旧称Lankhorst Pure Composites、オランダ))、Armordon(商標)(Don&Low、Ltd.スコットランド、英国)、およびCurv(r)(Propex Furnishing Solutions GmbH&Co.KG(Gronau、ドイツ)の商標で市販および販売されている。
【0037】
自己強化複合材料は、熱間圧縮および共押出し法を含む様々な技術を使用して製造することができる。一般に、熱間圧縮とは、高度に配向したポリマーテープを加熱する方法を指す。加熱により、ポリマーテープのごく一部が溶けるようになる。圧力が加えられると、この溶融ポリマーはテープの格子構造を通って流れ、連続マトリックスを形成する。次に、圧力をかけたままシートを冷却してマトリックスを固化させる。繊維の伸線プロセスは、繊維の表面が溶けるにつれて、より高い剛性を実現する。溶融したスキンは再結晶化してポリマーマトリックスを形成し、非常に硬く滑らかな複合シートが生成される。次に、この剛性シートを熱成形して、ここに説明する1つまたは複数の実施例に従って構築されたフラップにすることができる。
【0038】
共押出しプロセスにおいて、高融点グレードのポリマーを使用して、高度に配向されたポリマーテープを押出しする。このプロセス中に、同じポリマーファミリーの低融点グレードがテープの表面に押し出される。次に、これらのテープを織って布を形成することができる。成形部品および物品への後処理中に、テープの外層は、配向したポリマーの内核の前に溶融する。圧力下では、低溶融グレードのポリマーが布全体に流れる。冷却すると、この低融点ポリマーは再凝固して複合マトリックスを形成し、複合シートが生成される。
【0039】
これらの自己強化複合材料は、軽量であり、高強度を有する。他の有利な特性には、例えば、高剛性、高引張強度、および卓越した耐衝撃性が含まれる。強化繊維とマトリックスは同じポリマーでできているため、化学的に適合性があり、界面破壊が少なくなる。
【0040】
具体的には、これらの自己強化複合材料は、密度が低く、好ましくは約1.0g/cm未満、より好ましくは0.95g/cm未満である(ISO1183に従って測定される場合)。同じポリマーで作られた高度に配向されたテープとマトリックスの組み合わせは、強度、靭性、弾性率などの優れた物理的特性を備えた軽量材料を提供するのに役立つ。
【0041】
複合材料は、また、高い衝撃強度を有する。シャルピー衝撃強度は、90kJ/mを超え、より好ましくは100kJ/mを超え、さらにより好ましくは110kJ/mを超える(EN ISO 179/2に従って測定)。破壊までの引張ひずみ(DIN EN ISO 527に従って測定)は、少なくとも10%であることが好ましい。圧縮強度(フラットワイズ)(EN ISO 604に従って測定)は、200MPaを超えることが好ましく、250MPaを超えることが好ましい。
【0042】
複合材料は、低温で延性を維持する延性材料である。つまり、これらの複合材料は靭性を維持し、低温でも脆くならない。さらに、これらの複合材料は、補強材がポリマーマトリックスと同じポリマーでできているため、簡単にリサイクルできる。複合材料は完全に熱可塑性プラスチックでできているため、構成部品を分解し、再溶解してから再粒状化して、新しい部品の作成に使用できる。
【0043】
これらの自己強化ポリマー複合材料および製造方法は、例えば、米国特許第9,873,239号;第9,873,239号;8,871,333;8,268,439;8,052,913;および8,021,592(Ward等、Propex);米国特許第7,318,961号(Loos等、Lankhurst);米国特許第7,960,024号(Nair等);米国特許第7,300,691号(Callaway、Milliken)に説明されている。
【0044】
Propex Furinishing Solughes GmbH&Co.KG(Gronau、ドイツ)から入手可能なポリプロピレン自己強化複合材料、Curv(登録商標)は、特に好ましい材料である。Curv(登録商標)複合材料は、ポリプロピレンホモポリマーで作られた高度に延伸されたテープに基づく。正確に制御された加熱プロセスにより、ポリプロピレンテープが加熱され、テープの薄い外層のみが溶融する。外側の溶融材料はテープを結合し、テープはほとんどの厚さで配向を維持する。Curv(登録商標)複合材料は、熱成形プロセスを使用してモールドされてベースを形成できる。Curv(登録商標)複合材料は、モールド温度でも比較的高い剛性を持っているため、材料を成形するために適度な圧力が必要である。1つのプロセスでは、Curv(登録商標)複合材料のシートを、当該シートの収縮が低く保たれる適度な温度で加熱される。Curv(登録商標)複合材料は適度な圧力の圧縮成形によって成形される。Curv(登録商標)複合材料は高剛性であるので、真空熱成形は使用されない。
【0045】
フラップ160は、任意の形状であって良い。図1~4に示されるように、フラップ160は、実質的に半円形の形状を有して良い。フラップ160は、実質的に半円形、三角形、卵形、または長方形であって良いことが企図される。いくつかの実施例において、フラップ160は不規則な形状を有して良いことが予想される。フラップ160は、丸いエッジまたは鋭いエッジを有して良い。フラップ160は、最上点162、ヒール端164、および前足端166を有して良い。いくつかの実施例において、フラップ160は、完全に中足領域135内にある。他の実施例では、ヒール端164は、ヒール領域130または前足端166は、前足領域140内に延びて良い。他の実施例において、前足端166は、一般に、前足屈曲領域の後方にある。フラップ160は、フラップ全体にわたって一般的に均一である幅を有して良い。代替的には、フラップ160は、安定性を高めるために可変幅を有して良い。いくつかの実施例において、フラップ160の幅は、バイトライン105に近接してより厚く、最上点162に向かって延びるにつれて先細になって良い。フラップ160は、レース152の適切な配置を容易にするための溝を有して良い。
【0046】
フラップ160は、下向きの圧力がソール110に加えられたときに横方向の支持を提供するように構成されて良い。閉鎖システム150は、フラップ160を履物製品10の中心に向かって押す、または引くことによって、フラップ160に係合することができる。フラップ160は内側で結合され、閉鎖システム150は、フラップ160を外側に向かって内側に押したり引いたりすることができる。フラップ160が外側で結合されている場合、閉鎖システム150は、フラップを内側に向かって内側に押したり引いたりすることができる。フラップ160を係合させることにより、アッパー100がユーザーの足の周りでねじれるのを防ぎ、足が履物製品10内で中外側に直線的に滑るのを防ぐ。
【0047】
フラップ160は、様々なタイプの生体力学的運動に対して安定性を提供し得る。たとえば、ゴルフクラブのスイングに関連する生体力学では、体重を後足から前足に急速にシフトする必要がある。せん断力は、スイングを介して両足に適用される。バックスイング中、後足は安定している必要がある。後足でウェイトを不適切にシフトすると、ボールとの接触が不適切になる可能性がある。さらに、生体力学により、後足は外側に転がったり、最初の足の配置からずれたりする可能性がある。したがって、体重移動が減少し、回転が失われる可能性がある。ダウンスイングでは、体重が前足に移動する。前足は比較的安定している必要がある。足の安定性を高めると、ゴルフスイングの効果と品質が向上する可能性がある。
【0048】
一対の靴のフラップ160が係合されると、足はそれぞれの靴内にさらに固定されたままであり、ゴルフクラブを振っている間に移動することが防止される。したがって、フラップ160が係合しているとき、足は、また、より容易に定位置に配置される。バックスイング中、フラップ160は、外転および外旋を低減することによって、トレイルフットを安定させる。後足の外転と外旋を減らすことで、ユーザーは後股関節の脚の筋肉により多くの負荷をかけることができ、それによってダウンスイングの前に股関節と肩の間の分離を増やすことができる。
【0049】
フラップ160は、様々な活動のために足の所望の部分を安定させることができると考えられ、現在の開示の有用性を制限する意図はない。例えば、フラップ160は、内側中足領域の少なくとも一部を安定させることができる。
【0050】
図11に示されるように、フラップ160は、バイトライン105で履物製品10に結合されて良い。これらの実施例において、フラップ160が係合しているときに、バイトライン領域に横方向の剛性を追加することによって、フラップ160は、ユーザーが着用したときに履物牽引システムと基層との間に発生する中外側剪断力の影響を低減する。いくつかの実施例において、フラップ160は、アッパー100に結合されて良い。いくつかの実施例において、フラップ160は、上述のように、後足の側面に結合されるように構成される。いくつかの実施例において、レース152は、フラップ160を覆ってよい。
【0051】
フラップ160は、アッパー100に取り付けられていなくても良い。いくつかの実施例において、フラップ160がバイトライン105にのみ取り付けられている場合、取り付け点はヒンジ接続であって良く、フラップ160は、部分的に外向きおよび下向きに回転することができる。他の実施例において、図11に示すように、フラップ160をバイトライン105に結合することにより、フラップ160がバイトライン105の周りで部分的に外向きおよび下向きに回転することができるので、ヒンジ接続は必要ない場合がある。しかし、代替的な実施例において、フラップ160は、縫製または接着を含む当技術分野で知られている様々な手段を使用して、アッパー100の近くに取り付けることができる。例えば、フラップ160は、アッパー100の周りに巻き付けられた剛性層であって良いけれども、アッパーの最上部の点162は、依然として、アッパー100を横切って自由に引っ張られる。
【0052】
フラップ160は、2つの一般的な位置の間で可変であって良い。フラップ160は、当該フラップがアッパー100にしっかりと保持または引っ張られていない弛緩位置を有して良く、これは、図1に示されている。フラップ160は、下向きの圧力がソール110から解放されるとき、前足領域140に屈曲があるとき、または閉鎖システム150が締められていないときに、弛緩位置にあることができる。フラップ160は、また、フラップ160がアッパーに固定されていない係合位置を有して良い。
【0053】
弛緩位置では、フラップ160の一部は、アッパー100と接触しなくて良い。フラップ160は、連続的な支持を適用するのとは対照的に、アッパー100に対してスライドするように構成されて良い。いくつかの実施例において、閉鎖システム150は、フラップ160を横切る。閉鎖システムのレース152が締められるとき、フラップ160は、しっかりと保持され、係合位置でアッパー100に固定されて良い。これにより、横方向の安定性が向上する場合がある。しかしながら、フラップ160が常に増加した安定性を提供することになっている場合、履物製品10は、剛性で不快にされる可能性がある。フラップ160が係合位置にある状態で長時間の歩行運動を行うことは痛みを伴う可能性がある。したがって、レース152がたるんでいるとき、フラップ160は、アッパー100から横方向に外側に弧を描くことができる。フラップ160の解放は、履物製品10の快適性を高め、柔軟性を改善することができる。
【0054】
いくつかの実施例において、図2、4、7、および9に見られるように、バンプ120に近接する二次閉鎖システム170があって良い。二次閉鎖システムは、靴ひも172およびタング174を含んで良い。靴ひも172を受け入れるように構成されたアイステイに近接するアイローにアイレット176があって良い。靴ひも172は、非弾性または弾力弾性であって良い。靴ひも172は、第1の端部および第2の端部を有することができ、各端部はさらにアグレットを有して良い。靴ひも172は、ぴんと張った状態で引っ張られたときに、アッパー100およびタング174がユーザーの足をアッパー100内に固定するように、アイレット176に通すことができる。
【0055】
二次閉鎖システムは、また、フックおよびループ閉鎖を備えたバンド、バックル、ボタン、フック、スナップ、または現在知られているまたは後に開発される任意の他の固定装置などの様々な固定機構を含んで良いことが理解されよう。
【0056】
履物製品10は、様々なレベルの安定性および使用の容易さを提供する3つの一般的な実施例を有して良い。第1の実施例は、フラップ160および閉鎖システム150を有する履物製品10に関連して良い。第1の実施例は、また、二次閉鎖システム170を有して良い。フラップ160は、バイトライン105で履物製品10に結合されて良い。しかし、それ以外の場合において、移動可能であり、閉鎖システム150を使用してアッパー100に調整可能に締め付けられるように構成されている。前足領域のレースガイド156は、バイトライン105に近接していてもよく、またはバイトライン105の上で、アッパーの外側表面104上にあって良い。レースは、ファブリックチューブチャネルまたは他の手段を使用して見えなくして良い。いくつかの実施例において、レース152は、前足領域140のバンプ120でXパターンで交差することができる。代替的には、レース152は、中足領域135でXパターンで交差することができる。これは、前足領域140からヒール領域130までの閉鎖システムの長さにより、安定性、強さおよび張力を増強する。
【0057】
足の横方向荷重は、バイトライン105に近接して比較的小さくて良い。レースガイド156は、バイトライン105に結合されるか、またはそれに近接して良い。バイトライン105に近接するレースガイド156を使用するレーシング構成は、バンプ120および中足領域135において過剰圧力を減少させる。対照的に、靴ひもおよびアイレットなどの典型的な閉鎖システムは、過度の下向きの圧力を加えて、レースの噛み付きをもたらす。横荷重がバイトライン105より上で安定している場合でも、足が転がったり、置き間違えたりする可能性がある。したがって、横方向の荷重がバイトライン105で安定化される場合、それは増加した安定性を提供する。フラップ160が係合位置にあるとき、横方向荷重はバイトライン105で安定する。いくつかの実施例において、レースガイド156および/またはレースアンカー158は、フラップ160の他の領域に結合されて良い。例えば、レースガイド156および/またはレースアンカー158は、フラップ160の上部に結合されて配置されて、履物製品10の下部/上部の長さに沿って張力がかかった状態でフラップ160を配置して良い。これらの実施例において、フラップ160は、好ましくは、依然としてバイトライン105にピボット可能に取り付けられたままである。
【0058】
Xパターンは、レース152の張力の増減をさらに促進することができる。下向きの力がソール110に加えられると、レース152を締めることができる。締められたレース152は、フラップ160をアッパー100に近接して固定することができる。したがって、レース152の張力は、自動的にアクティブ化されて良い。前足領域140に屈曲がある場合、履物製品10は、たるみがレース152に導入され得るように移動されて良い。たるみレース152は、フラップ160が係合位置から弛緩位置に移行することを可能にして良い。
【0059】
第2の実施例は、フラップ160および閉鎖システム150を有する履物製品10に関連して良い。閉鎖システム150は、典型的な靴紐システムに、より類似して良く、少なくとも1つのレースガイド156がアイステイ122に近接して良い。レース152の張力は自動的に作動されて良いけれども、履物製品10は、Xパターンを採用するレース構成に較べると安定性に劣り、これは、フラップ160をアッパー100にきつく保持させなくてよいレース構成であるからである。
【0060】
第3の実施例は、フラップ160、閉鎖システム150、および二次閉鎖システム170を有する履物製品10に関連して良い。二次閉鎖システム170は、一次閉鎖システムとして機能して良く、閉鎖システム150は、安定性の向上が望まれる前に、フラップ160が安定性の向上を提供するように調整および締め付けられるように設計されて良い。例えば、使用中、ユーザーは、ゴルフボールを振る前に手動で張力を増加させて、横方向の足の支持を増加させることができる。履物製品10は他の方法で固定することができるけれども、閉鎖システム150はフラップ160を作動させることができる。安定性の向上がもはや望まれなくなったら、閉鎖システム150を調整して、フラップ160がアッパーに締め付けられないようにレース152の張力を低下させることができる。たとえば、ゴルフスイングを完了し、次のショットまで歩くことを予想すると、ユーザーは歩き始める前に緊張を和らげることができる。いくつかの実施例において、レース152のたるみは、ソール110に下向きの圧力が解放されても自動的に伝達されない場合がある。したがって、フラップ160からの安定性の増加または減少が望まれるたびに、閉鎖システム150を調整する必要があって良い。
【0061】
図示の様々な構成要素、ならびに示されていない構成要素の多くの異なる配置が、本開示の精神および範囲から逸脱することなく可能である。本開示の実施例は、限定的ではなく例示的であることを意図して説明されてきた。代替的な実施例は、当該範囲から逸脱することなく、当業者には明らかになるであろう。当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、上述の改善を実施するための代替手段を開発することができる。
【0062】
所定の特徴およびサブコンビネーションは有用であり、他の特徴およびサブコンビネーションを参照せずに使用することができ、これは特許請求の範囲内であることが企図されることが理解されよう。
図1
図2
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図11