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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】気化器デバイス用のカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20241007BHJP
   A61M 15/00 20060101ALI20241007BHJP
【FI】
A24F40/42
A61M15/00 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021523931
(86)(22)【出願日】2019-11-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(86)【国際出願番号】 US2019059793
(87)【国際公開番号】W WO2020097027
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-11-04
(31)【優先権主張番号】62/755,889
(32)【優先日】2018-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】523071097
【氏名又は名称】ジュール・ラブズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】JUUL Labs, Inc.
【住所又は居所原語表記】1000 F Street NW, Washington DC, 20004, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アリエル アトキンズ
(72)【発明者】
【氏名】アダム ボーウェン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ジェイムズ ロッサー
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0280774(US,A1)
【文献】特表2017-519492(JP,A)
【文献】国際公開第2013/083635(WO,A1)
【文献】特表2017-520263(JP,A)
【文献】国際公開第2018/099999(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
A61M 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気化器デバイス用のカートリッジであって、前記カートリッジは、
アトマイザであって、気化可能材料をリザーバから前記アトマイザ内へと実質的に吸引するように構成されたウィッキング要素と、前記気化可能材料を、気化した材料へと実質的に気化させるように構成された加熱要素と、を含むアトマイザと、
前記カートリッジを通って入口から出口へと延在するチャネルであって、前記チャネルは、前記入口と前記出口との間の第1の接合部で交差する空気流路と蒸気路とを有しており、前記空気流路は、空気を受け入れ、当該空気が実質的に流通することを許容するように構成されている、チャネルと、
を備えており、
前記アトマイザは、前記気化した材料が前記蒸気路内に流れるように、前記蒸気路に連通しており、前記蒸気路は、前記気化した材料を前記第1の接合部内へと方向付けるように構成されており、これにより前記気化した材料は前記空気と混合して、前記アトマイザの下流で、実質的にエアロゾルを形成し、
前記空気流路は、第1の空気流路区間と第2の空気流路区間とを含み、前記第1の空気流路区間は、前記アトマイザと連通しており、
前記第1の空気流路区間と前記第2の空気流路区間とは、前記第1の接合部の上流である第2の接合部で交差しており、前記第2の接合部は、前記第1の空気流路区間内に向かって前記アトマイザを通るように前記空気の第1の部分を実質的に方向転換させ、かつ、前記第2の接合部は、さらに、前記空気の第2の部分を前記第1の接合部に向かって方向転換させ、
前記空気の第1の部分は第1の体積を有しており、前記空気の第2の部分は前記第1の体積よりも大きな第2の体積を有している、
カートリッジ。
【請求項2】
前記第2の接合部は、T字形接合部である、請求項記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記空気の第1の部分は、前記気化した材料を前記アトマイザから前記第1の接合部内へと実質的に搬送するように構成されている、請求項記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記第1の接合部の下流にある前記空気流路の部分は、実質的に、前記エアロゾルが前記空気流路の前記部分を通過して前記チャネルの外へと出ることができるように構成されている、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記エアロゾルは、実質的に、前記第1の接合部で形成される、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記第1の接合部は、T字形接合部である、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項7】
気化器デバイスであって、
気化器本体と、
前記気化器本体に選択的に連結され、かつ前記気化器本体から取外し可能なカートリッジと、
を備え、前記カートリッジは、
アトマイザであって、気化可能材料をリザーバから前記アトマイザ内へと実質的に吸引するように構成されたウィッキング要素と、前記気化可能材料を気化した材料へと実質的に気化させるように構成された加熱要素と、を含むアトマイザと、
前記カートリッジを通って入口から出口へと延在するチャネルであって、前記チャネルは、前記入口と前記出口との間の第1の接合部で交差する空気流路と蒸気路とを有しており、前記空気流路は、空気を受け入れ、当該空気が流通することを実質的に許容するように構成されている、チャネルと、
を含んでおり、
前記アトマイザは、前記気化した材料が前記蒸気路内に流れるように、前記蒸気路に連通しており、前記蒸気路は前記気化した材料を前記第1の接合部内へと方向付けるように構成されており、これにより、前記気化した材料が前記空気と混合して前記アトマイザの下流でエアロゾルを実質的に形成し、
前記空気流路は、第1の空気流路区間と第2の空気流路区間とを含み、前記第1の空気流路区間は、前記アトマイザと連通しており、
前記第1の空気流路区間と前記第2の空気流路区間とは、前記第1の接合部の上流である第2の接合部で交差しており、前記第2の接合部は、前記第1の空気流路区間内に向かって前記アトマイザを通るように前記空気の第1の部分を実質的に方向転換させ、かつ、前記第2の接合部は、さらに、前記空気の第2の部分を前記第1の接合部に向かって方向転換させ、
前記空気の第1の部分は第1の体積を有しており、前記空気の第2の部分は前記第1の体積よりも大きな第2の体積を有している、
気化器デバイス。
【請求項8】
前記気化器本体は電源を含む、請求項記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に関する相互参照
本出願は、参照によりその開示の全体が本明細書に援用され、許可された範囲で適用される、2018年11月5日に出願された「Cartridges For Vaporizer Devices」と題する米国仮特許出願第62/755,889号の優先権を主張する。
【0002】
技術分野
本明細書に記載される対象は、気化器カートリッジを含む気化器デバイスに関する。
【0003】
背景技術
気化器、電子気化器デバイス、またはe気化器デバイスとも称され得る気化器デバイスは、気化デバイスのユーザによるエアロゾルの吸入による、1つ以上の有効成分を含むエアロゾル(例えば、空気または他の何らかの気体担体の静止しているまたは動いている質量中に懸濁された蒸気相および/または凝縮相の物質)の供給に使用することができる。例えば、電子ニコチン供給システム(ENDS)は、バッテリ電源が供給され、喫煙の体験をシミュレートするために使用することができるが、タバコまたは他の物質の燃焼を伴わない種類の気化器デバイスを含む。気化器デバイスは、薬剤の供給における規定された医療用途と、タバコ、ニコチン、および他の植物ベースの材料の消費との両方において、人気が高まっている。気化器デバイスは、携行可能であり、自給式であり、かつ/または使用に便利であり得る。
【0004】
気化器デバイスの使用において、ユーザは、口語で「蒸気」と称されるエアロゾルを吸入し、このエアロゾルは、液体、溶液、固体、ペースト、ワックス、および/または特定の気化器デバイスとの使用に適合する任意の他の形態であり得る気化可能材料を気化させる(例えば、液体または固体を少なくとも部分的に気相に移行させる)加熱要素によって生成され得る。気化器デバイスと共に使用される気化可能材料は、ユーザによるエアロゾルの吸入のための出口(例えばマウスピース)を含むカートリッジ(例えば、気化可能材料を含む気化器デバイスの分離可能部分)内部に供給され得る。
【0005】
気化器デバイスによって生成された吸入可能なエアロゾルを受け取るために、ユーザは、所定の例では、パフを行うことによって、ボタンを押すことによって、かつ/または何らかの他のアプローチによって、気化器デバイスを活性化させてもよい。本明細書で使用されるパフは、空気体積を気化器デバイス内に引き込ませる形式で行われるユーザによる吸入の意味であり、これにより、気化した気化可能材料と空気体積との組合せによって吸入可能なエアロゾルが生成される。
【0006】
典型的に、気化器デバイスは、気化可能材料を加熱し、煙の代わりに吸入可能なエアロゾルを供給するアトマイザを使用する。アトマイザは、気化器デバイスを通る主要な空気流上に配置され、これにより、加熱された気化可能材料がアトマイザ内で凝縮して、エアロゾルを生成し得る。こうして、気化可能材料の加熱、気化、および凝縮のすべては、アトマイザ内で行われる。これは、気化した気化可能材料の凝縮を空気流の制御とは別個に独立して制御することを妨げ得る。実際、凝縮の状態は、ユーザの吸入プロファイルに大きく依存するであろう。さらに、主要な空気流は、アトマイザに沿って流通する際にアトマイザを冷却する可能性があり、これにより、ユーザが気化器デバイスでパフを行うときなどに、所望量の気化可能材料を気化するための気化器デバイスの効率が減じられる。したがって、これらの問題を改善または克服する、改良された気化器デバイスおよび/または気化器カートリッジが求められる。
【0007】
概要
本対象の態様は、気化器デバイスおよび気化器デバイス内で使用するためのカートリッジに関する。
【0008】
いくつかのバリエーションでは、以下の特徴の1つ以上が、任意の実施可能な組合せにおいてオプションとして含まれてよい。
【0009】
1つの実施例では、気化器デバイス用のカートリッジが提供され、このカートリッジは、アトマイザと、カートリッジを通って入口から出口へと延在するチャネルとを含んでいる。アトマイザは、気化可能材料をリザーバからアトマイザ内へと実質的に吸引するように構成されたウィッキング要素と、気化可能材料を気化した材料へと実質的に気化させるように構成された加熱要素と、を含む。チャネルは、入口と出口との間の第1の接合部で交差する空気流路と蒸気路とを有しており、空気流路は、空気を受け入れ、当該空気が実質的に流通することを許容するように構成されている。アトマイザは、気化した材料が蒸気路内に流れるように、蒸気路に連通しており、この蒸気路は、気化した材料を第1の接合部内へと方向付けるように構成されており、これにより、気化した材料は空気と混合して、アトマイザの下流で、実質的にエアロゾルを形成する。
【0010】
いくつかの実施例では、第1の接合部は、T字形接合部である。いくつかの実施例では、エアロゾルは、実質的に、第1の接合部で形成され得る。
【0011】
空気流路は様々な構成を有することができる。例えば、いくつかの実施例では、空気流路は、第1の空気流路区間と第2の空気流路区間とを含むことができ、第1の空気流路区間は、アトマイザと連通することができる。第1の空気流路区間と第2の空気流路区間とは、第1の接合部の上流であり得る第2の接合部で交差することができ、第2の接合部は、第1の空気流路区間内に向かってアトマイザを通るように上記空気の第1の部分を実質的に方向転換させ、かつ、第2の接合部は、さらに、上記空気の第2の部分を第1の接合部に向かって方向転換させることができる。第2の接合部は、T字形接合部であり得る。上記空気の第1の部分は、気化した材料をアトマイザから第1の接合部内へと実質的に搬送するように構成され得る。上記空気の第1の部分は第1の体積を有することができ、上記空気の第2の部分は、第1の体積よりも大きな第2の体積を有することができる。
【0012】
いくつかの実施例では、第1の接合部の下流にある空気流路の部分は、実質的に、エアロゾルがそこを通過してチャネルの外へと出ることができるように構成され得る。
【0013】
別の実施例では、気化器デバイス用のカートリッジが提供され、このカートリッジは、空気流チャネルとアトマイザとを含んでいる。空気流チャネルは、カートリッジを通って延在する空気流路を画定しており、この空気流路は、空気を受け入れ、当該空気が実質的に空気流チャネル内へと流れて当該空気流チャネルを流通することを許容するように構成されている。アトマイザは、気化可能材料をリザーバからアトマイザ内へと実質的に吸引するように構成されたウィッキング要素と、気化可能材料を気化した材料へと実質的に気化させるように構成された加熱要素と、ウィッキング要素と空気流チャネルとに連通している蒸気チャンバと、を含む。蒸気チャンバは、気化した材料の少なくとも一部が流通して空気流チャネル内へと入ることを実質的に許容するように構成されており、これにより、気化した材料の部分が空気と混合して、アトマイザの外側でエアロゾルを形成する。
【0014】
蒸気チャンバは様々な構成を有することができる。例えば、いくつかの実施例では、蒸気チャンバの少なくとも一部が空気流チャネルと境を接し得、この蒸気チャンバの一部は、気化した材料が実質的に流通して空気流路内に入ることを許容するように構成され得る透過性の材料から形成され得る。別の実施例では、蒸気チャンバは、蒸気チャンバと空気流チャネルとの間に延在する少なくとも1つの通気口を含むことができ、この少なくとも1つの通気口は、気化した材料を蒸気チャンバから空気流路内へと実質的に方向付けるように構成され得る。このような実施例では、少なくとも1つの通気口に隣接して流れる空気の速度は、この少なくとも1つの通気口にわたってかつ蒸気チャンバと空気流チャネルとの間に差圧を生じさせ得る。
【0015】
ウィッキング要素は様々な構成を有することができる。例えば、いくつかの実施例では、ウィッキング要素は、第1の表面から、反対側の第2の表面へと延在することができ、第1の表面と第2の表面とはそれぞれ、空気流路に対して実質的に平行に延在することができる。加熱要素は、第1の表面と第2の表面との間に延在するウィッキング要素の側面全体にわたって熱を向けることができる。側面は、ウィッキング要素の大部分と蒸気チャンバとの間に位置し得る。
【0016】
別の実施例では、気化器デバイスが提供され、気化器デバイスは、気化器本体と、気化器本体に選択的に連結され、気化器本体から取外し可能なカートリッジとを含む。カートリッジは、アトマイザと、カートリッジを通って入口から出口へと延在するチャネルとを含む。アトマイザは、気化可能材料をリザーバからアトマイザ内へと実質的に吸引するように構成されたウィッキング要素と、気化可能材料を気化した材料へと実質的に気化させるように構成された加熱要素と、を含むことができる。チャネルは、入口と出口との間の第1の接合部で交差する空気流路と蒸気路とを有しており、空気流路は、空気を受け入れ、当該空気が流通することを実質的に許容するように構成され得る。アトマイザは、気化した材料が蒸気路内に流れるように蒸気路に連通しており、この蒸気路は気化した材料を第1の接合部内へと方向付けるように構成されており、これにより、気化した材料が空気と混合してアトマイザの下流でエアロゾルを実質的に形成する。
【0017】
いくつかの実施例では、気化器本体は電源を含むことができる。
【0018】
空気流路は様々な構成を有することができる。例えば、いくつかの実施例では、空気流路は、第1の空気流路区間と第2の空気流路区間とを含むことができ、第1の空気流路区間は、アトマイザと連通することができる。第1の空気流路区間と第2の空気流路区間とは、第1の接合部の上流にある第2の接合部で交差することができ、第2の接合部は第1の空気流路区間内に向かってアトマイザを通るように上記空気の第1の部分を実質的に方向転換させることができ、かつ、第2の接部は、さらに、上記空気の第2の部分を第1の接合部に向かって方向転換させることができる。
【0019】
本明細書に記載された主題の1つまたは複数のバリエーションの詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。本明細書に記載された主題の他の特徴および利点は、説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。本開示に続く特許請求の範囲は、保護される対象の範囲を定義することを意図している。
【0020】
本明細書に組み込まれてその一部分を成している添付の図面は、本明細書で開示される対象の特定の態様を示しており、その説明と併せて、開示される実施形態に関連するいくつかの原理を説明するのに役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1A】気化器デバイスのブロック図である。
図1B】気化器デバイス本体から分離された気化器カートリッジを示す、気化器デバイスの実施例の平面図である。
図1C】気化器デバイス本体に連結された気化器カートリッジを示す、図1Bの気化器デバイスの平面図である。
図1D図1Cの気化器デバイスの斜視図である。
図1E図1Bの気化器カートリッジの斜視図である。
図1F図1Eの気化器カートリッジの別の斜視図である。
図2】気化器カートリッジの別の実施例の概略図である。
図3】気化器カートリッジの別の実施例の概略図である。
図4】気化器カートリッジの別の実施例の概略図である。
図5】気化器カートリッジの別の実施例の概略図である。
【0022】
実施例において、同様の参照符号は、同様の構造、特徴、または要素を示す。
【0023】
詳細な説明
本対象の実施形態は、ユーザによる吸入のための1種以上の材料の気化に関する方法、装置、製造品、およびシステムを含む。例示的な実施形態には、気化器デバイスおよび気化器デバイスを含むシステムが含まれる。以下の説明および特許請求の範囲において使用される「気化器デバイス」なる語は、任意の自給式装置、2つ以上の分離可能な部品(例えばバッテリおよび他のハードウェアを含む気化器本体、ならびに気化可能材料を含むカートリッジ)を含む装置、および/またはこれらに類するものを意味する。本明細書で使用する「気化器システム」は、1つ以上の構成要素、例えば気化器デバイスを含むことができる。本対象の実施形態に一致する気化器デバイスの例には、電子気化器、電子ニコチン供給システム(ENDS)、および/またはこれらに類するものが含まれる。一般に、そのような気化器デバイスは、吸入可能な材料用量を提供するために、気化可能材料を(例えば、対流、伝導、放射、および/またはそれらの一部の組合せによって)加熱する手持ち式デバイスである。
【0024】
気化器デバイスと共に使用される気化可能材料は、カートリッジ(例えばリザーバまたは他の容器に気化可能材料を含む気化器デバイスの一部)内に提供することができ、カートリッジは、空になると補充可能であり得、または、同じもしくは異なる種類の追加的な気化可能材料を含む新しいカートリッジが使用され得るように使い捨て可能であり得る。気化器デバイスは、カートリッジを使用する気化器デバイス、カートリッジなしの気化器デバイス、またはカートリッジの有無にかかわらず使用可能な多用途気化器デバイスであり得る。例えば、気化器デバイスは、気化可能材料を直接加熱チャンバ内に収容するように構成された加熱チャンバ(例えば、材料が加熱要素によって加熱されるオーブンまたは他の領域)および/または気化可能材料を収容するためのリザーバ等を含んでいてよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、気化器デバイスは、液状の気化可能材料(例えば、有効成分および/もしくは不活性成分が溶液中に懸濁または保持されている担体溶液、または気化可能材料自体の液状形態)と共に使用するように構成することができる。液状の気化可能材料は、完全に気化され得るようにし得る。代替的に、吸引に適した材料のすべてが気化した後に、液状の気化可能材料の少なくとも一部が残り得る。
【0026】
図1Aのブロック図を参照すると、気化器デバイス100は、電源112(例えば、充電池であり得るバッテリ)と、気化可能材料102を凝集形態(例えば、液体、溶液、懸濁液、少なくとも部分的に未処理の植物材料の一部等)から気相へと変換させるためのアトマイザ141への熱の供給を制御するためのコントローラ104(例えば、ロジックを実行可能なプロセッサ、回路機構など)とを含むことができる。コントローラ104は、本対象の特定の実施形態に一致する1つ以上のプリント回路基板(PCB)の一部であり得る。
【0027】
気化可能材料102の気相への変換後、気相の気化可能材料102の少なくとも一部は、凝縮して、エアロゾルの部分としての気相と少なくとも部分的に局所的平衡状態にある粒子状物質を形成し得る。エアロゾルは、気化器デバイス100でユーザがパフしたり吸引したりする間に、気化器デバイス100によって提供される吸引可能量の一部または全部を形成し得る。気化器デバイス100によって生成されるエアロゾル中の気相と凝集相との間の相互作用は、エアロゾルの1つ以上の物理パラメータに影響を与えることがある要因、例えば、周囲温度、相対湿度、化学的性質、空気流路(気化器デバイスの内部およびヒトまたは他の動物の気道の内部の両方)における流動条件、および/または気相もしくはエアロゾル相の気化可能材料102と他の空気流との混合などの要因により、複雑かつ動的であり得ることを理解されたい。いくつかの気化器デバイスでは、特に揮発性の気化可能材料の供給のために構成された気化器デバイスでは、吸入可能量は、主に気相で存在し得る(例えば、凝集相粒子の形成は極めて制限される場合がある)。
【0028】
気化器デバイス100内のアトマイザ141は、気化可能材料102を気化するように構成することができる。気化可能材料102は液体であり得る。気化可能材料102の例には、原液の液体、懸濁液、溶液、混合物、および/またはこれらに類似のものが含まれる。アトマイザ141は、気化可能材料102の所定量を、加熱要素(図1Aには示さず)を含むアトマイザ141の一部に搬送するように構成されたウィッキング要素(例えば、ウィック)を含むことができる。
【0029】
例えば、ウィッキング要素は、気化可能材料102を収容するように構成されたリザーバ140から、気化可能材料102を引き出すように構成することができる。こうして、気化可能材料102が加熱要素から供給される熱によって気化され得る。ウィッキング要素は、オプションとして、空気がリザーバ140に入り込み、除去された気化可能材料102の体積と置き換わることを許容することもできる。本対象のいくつかの実施形態では、加熱要素による気化のために毛管作用が気化可能材料102をウィック内に引き込み得、空気がウィックを通してリザーバ140に戻ってリザーバ140内の圧力を少なくとも部分的に均等化し得る。圧力を均等化するためにリザーバ140に空気を戻すことができる他の方法も、本対象の範囲内である。
【0030】
本明細書で使用する場合、「ウィック」または「ウィッキング要素」という用語は、毛管圧を介して流体運動を引き起こすことのできる任意の材料を含む。
【0031】
加熱要素は、導電性ヒータ、放射性ヒータ、および/または対流性ヒータのうちの1つ以上を含んでいてよい。加熱要素の1つの形式は、抵抗性加熱要素であり、抵抗性加熱要素は、加熱要素の1つ以上の抵抗セグメントに電流が流されたときに、電力を熱の形で散逸させるように構成された材料(例えば、金属または合金、例えばニッケルクロム合金、または非金属抵抗)を含むことができる。本対象のいくつかの実施形態では、アトマイザ141は、抵抗コイルを含む加熱要素、または、ウィッキング要素に巻き付けられる、ウィッキング要素内に配置される、ウィッキング要素のバルク形状に統合される、圧入されてウィッキング要素に熱接触する、あるいはウィッキング要素に熱を伝達するようにその他の形式で配置される他の加熱要素を含むことができ、これにより、気化可能材料102は、ウィッキング要素によってリザーバ140から引き出されて、その後のユーザによる吸入のために気相および/または凝集相(例えば、エアロゾル粒子または液滴)に気化される。他のウィッキング要素、加熱要素、および/またはアトマイザアッセンブリ構造も可能である。
【0032】
加熱要素は、気化器デバイス100のマウスピース130をユーザがパフすること(例えば、吸引、吸入など)に伴って活性化し得る。パフによって、空気が空気入口からアトマイザ141(すなわち、ウィッキング要素および加熱要素)を通る空気流路に沿って流れる。オプションとして、空気は、空気入口から1つ以上の凝縮領域またはチャンバを通って、マウスピース130における空気出口へと流れることができる。空気流路に沿って流れる流入空気は、アトマイザ141を通過または貫流して、ここで気相の気化可能材料102は、空気に混入される。加熱要素は、本明細書で説明するようにオプションとして気化器本体110の一部であり得るコントローラ104を介して活性化し得る。コントローラ104は、電源112から抵抗性加熱要素を含む回路に電流を流通させる。抵抗性加熱要素は、本明細書で説明するようにオプションとして気化器カートリッジ120の一部である。本明細書で述べるように、混入される気相の気化可能材料102は、空気流路の残りを通過するときに凝縮され得、これにより、エアロゾル形態の気化可能材料102の吸入可能な量が、ユーザによる吸入のための空気出口(例えば、マウスピース130)から送出され得る。
【0033】
加熱要素の活性化は、1つ以上のセンサ113によって生成された1つ以上の信号に基づくパフの自動検出によって行うこともできる。これらのセンサ113およびセンサ113によって生成される信号は、周囲圧力に対する空気流路に沿った圧力を検出するために(またはオプションとして、絶対圧力の変化を測定するために)配置される1つ以上の圧力センサ、気化器デバイス100の1つ以上のモーションセンサ(例えば、加速度計)、気化器デバイス100の1つ以上のフローセンサ、気化器デバイス100の容量性のリップセンサ、1つ以上の入力デバイス116(例えば、気化器デバイス100のボタン、またはその他の触覚制御デバイス)を介したユーザと気化器デバイス100との対話の検出、気化器デバイス100と通信するコンピューティングデバイスからの信号の受信、および/または、パフが行われている又は行われそうであることを決定するためのその他のアプローチのうちの1つ以上を含むことができる。
【0034】
本明細書で説明するように、本対象の実施形態と一致する気化器デバイス100は、気化器デバイス100と通信する1つのコンピューティングデバイス(またはオプションとして2つ以上のデバイス)に(例えば、無線でまたは有線接続を介して)接続するように構成され得る。このために、コントローラ104は、通信ハードウェア105を含むことができる。コントローラ104は、メモリ108も含むことができる。通信ハードウェア105は、ファームウェアを含むことができ、かつ/または通信のための1つ以上の暗号化プロトコルを実行するためのソフトウェアによって制御され得る。
【0035】
コンピューティングデバイスは、気化器デバイス100も含む気化器システムの構成要素であり得、気化器デバイス100の通信ハードウェア105との無線通信チャネルを確立することができる通信用の固有のハードウェアを含み得る。例えば、気化器システムの一部として使用されるコンピューティングデバイスは、汎用コンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、その他のポータブルデバイス、例えばスマートウォッチ等)を含み得る。汎用コンピューティングデバイスは、ユーザが気化器デバイス100と対話できるようにするためのユーザインタフェースを生成するソフトウェアを実行する。本対象の他の実施形態では、気化器システムの一部として使用されるそのようなデバイスは、1つ以上の物理的なまたはソフト的な(すなわち、画面または他のディスプレイデバイス上で構成可能であり、タッチパネル、またはマウス、ポインタ、トラックボール、カーソルボタンなどの他の入力デバイスとのユーザの対話を介して選択可能な)インターフェースコントロールを有するリモコンまたはその他の無線もしくは有線デバイスのような、ハードウェアの専用部分であってよい。また、気化器デバイス100は、1つ以上のアウトプット117またはユーザに情報を提供するためのデバイスを含み得る。例えば、アウトプット117は、気化器デバイス100の状態および/または動作モードに基づいてユーザにフィードバックを提供するように構成された1つ以上の発光ダイオード(LED)を含むことができる。
【0036】
コンピューティングデバイスが抵抗性加熱要素の活性化に関連する信号を提供する例において、または気化器デバイス100を様々な制御もしくは他の機能を実行するためのコンピューティングデバイスに結合させる他の例において、コンピューティングデバイスは、1つ以上のコンピュータ命令セットを実行して、ユーザインタフェースおよび基礎となるデータ処理を提供する。一例では、1つ以上のユーザインタフェース要素とユーザとの対話をコンピューティングデバイスが検出することにより、コンピューティングデバイスが気化器デバイス100に信号を送り、加熱要素が活性化して蒸気/エアロゾルの吸入可能な用量を生成するための動作温度に達する。気化器デバイス100の他の機能は、気化器デバイス100と通信するコンピューティングデバイス上のユーザインタフェースとユーザとの対話によって制御され得る。
【0037】
気化器デバイス100の抵抗性加熱要素の温度は複数の要因に依存し得る。この要因には、抵抗性加熱要素に供給される電力量および/または電力が供給されるデューティサイクル、電子気化器デバイス100の他の部分および/または環境への伝導性熱伝達、気化可能材料102の気化に起因するウィッキング要素および/またはアトマイザ141全体の潜熱損失、ならびに空気流(すなわち、ユーザが気化器デバイス100で吸入したときに加熱要素またはアトマイザ141全体にわたって移動する空気)に起因する対流熱損失が含まれる。本明細書で述べる通り、加熱要素を確実に活性化するために、または加熱要素を所望の温度まで加熱するために、本対象のいくつかの実施形態において、気化器デバイス100は、センサ113(例えば、圧力センサ)からの信号を利用して、ユーザが吸入している時間を決定してもよい。センサ113は、空気流路に配置され得るし、かつ/または、気化器デバイス100に入る空気のための入口と、生じた蒸気および/またはエアロゾルをユーザが吸入するための出口と、を含む空気流路に(例えば、通路または他の流路によって)接続され得る。これにより、センサ113は、空気が気化器デバイス100を通って空気入口から空気出口へと流通することに伴う変化(例えば、圧力変化)を検知する。本対象のいくつかの実施形態では、加熱要素は、ユーザのパフに関連して、例えば、パフの自動検出によって、または、空気流路における(圧力変化のような)変化を検出するセンサ113によって、活性化され得る。
【0038】
センサ113は、コントローラ104(例えば、プリント回路基板アセンブリまたは他の形式の回路基板)上に配置され得るか、または、コントローラ104に連結(すなわち、物理的接続または無線接続を介して電気的または電子的に接続)され得る。測定を正確に行い、気化器デバイス100の耐久性を維持するために、空気流路を気化器デバイス100の他の部分から分離するのに十分な弾性を有するシール127を設けることが有益であり得る。ガスケットであり得るシール127は、少なくとも部分的にセンサ113を取り囲むように構成され得、これにより、気化器デバイス100の内部回路機構へのセンサ113の接続部が空気流路に曝されたセンサ113の部分から分離される。カートリッジに基づく気化器デバイスの例では、シール127は、気化器本体110と気化器カートリッジ120との間の1つ以上の電気接続部の一部を分離することもできる。気化器デバイス100内のシール127のこのような配置は、蒸気相または液相の水、あるいは、気化可能材料102のような他の流体等のような、環境要因との相互作用に起因する、気化器構成要素への潜在的で破壊的な影響を緩和するのに役立ち得、かつ/または、気化器デバイス100内の特定の空気流路からの空気の漏れを低減するのに役立ち得る。気化器デバイス100の回路機構を通過および/または接触する望ましくない空気、液体、またはその他の流体は、圧力読取り値の変化のような様々な望ましくない作用を引き起こし得、かつ/または、気化器デバイス100の一部での湿気、過剰な気化可能材料102等のような望ましくない材料の堆積を招き得る。それらの結果、圧力信号の不良、センサ113または他の構成要素の劣化、および/または気化器デバイス100の寿命低下が生じ得る。また、シール127での漏れは、吸引するには望ましくないであろう材料を包含したり、このような材料から成る気化器デバイス100の部位を通って流通する空気をユーザが吸引する結果をもたらし得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、気化器本体110は、コントローラ104と、電源112(例えば、バッテリ)と、1つ以上のセンサ113と、(例えば電源112を充電するための)充電接点と、シール127と、カートリッジ受け口118とを含む。カートリッジ受け口118は、1つ以上の様々な取付け構造を介して気化器本体110と連結する気化器カートリッジ120を受け入れるように構成される。いくつかの例において、気化器カートリッジ120は、気化可能材料102を収容するためのリザーバ140と、吸入可能な用量をユーザに供給するためのエアロゾル出口を有するマウスピース130とを含む。気化器カートリッジ120は、ウィッキング要素および加熱要素を有するアトマイザ141を含むことができる。あるいは代替的に、ウィッキング要素および加熱要素のうちの一方または両方を気化器本体110の一部とすることができる。アトマイザ141の任意の部分(すなわち、加熱要素および/またはウィッキング要素)が気化器本体110の一部である実施形態では、気化器デバイス100は、気化器カートリッジ120内のリザーバ140から気化可能材料102を気化器本体110に含まれるアトマイザ141の1以上の部位に供給するように構成され得る。
【0040】
電源112が気化器本体110の一部とされ、かつ、加熱要素が気化器カートリッジ120内に配置されて気化器本体110に連結されるように構成される気化器デバイス100の実施例では、気化器デバイス100は、複数の電気接続機能(例えば、回路を完成させるための手段)を含むことができる。これらの電気接続機能は、コントローラ104(例えば、プリント回路基板、マイクロコントローラなど)と、電源112と、加熱要素(例えば、アトマイザ141内の加熱要素)とを含む回路を完成させる。これらの電気接続機能は、気化器カートリッジ120の下面における1つ以上の接点(本明細書ではカートリッジ接点124aおよび124bと称される)と、気化器デバイス100のカートリッジ受け口118の基部付近に配置された少なくとも2つの接点(本明細書では受け口接点125aおよび125bと称される)とを含むことができ、カートリッジ接点124aおよび124bと受け口接点125aおよび125bとは、気化器カートリッジ120がカートリッジ受け口118に挿入されて連結されたときに電気的に接続する。これら電気的な接続によって完成された回路は、電流を加熱要素に供給することを可能とし、さらに、付加的な機能のために利用することができる。この付加的な機能として、例えば、加熱要素の抵抗率の熱係数に基づく加熱要素の温度の決定および/または制御において利用するための加熱要素の抵抗測定等がある。
【0041】
本対象のいくつかの実施形態では、カートリッジ接点124aおよび124bと受け口接点125aおよび125bとは、少なくとも2つの向きのいずれかで電気的に接続するように構成され得る。換言すれば、気化器デバイス100の動作に必要な1つ以上の回路は、カートリッジ受け口118に気化器カートリッジ120を(気化器本体110のカートリッジ受け口118に気化器カートリッジ120を挿入する方向の軸線を中心として)第1の回転方向で挿入することにより完成され得、これにより、カートリッジ接点124aは受け口接点125aに電気的に接続され、カートリッジ接点124bは受け口接点125bに電気的に接続される。さらに、気化器デバイス100の動作に必要な1つ以上の回路は、カートリッジ受け口118に気化器カートリッジ120を第2の回転方向で挿入することにより完成され得、これにより、カートリッジ接点124aは受け口接点125bに電気的に接続され、カートリッジ接点124bは受け口接点125aに電気的に接続される。
【0042】
例えば、気化器カートリッジ120または気化器カートリッジ120のうち少なくとも挿入可能な端部122は、気化器カートリッジ120をカートリッジ受け口118に挿入する方向の軸線を中心として180°回転するとき対称であってよい。このような構成では、気化器デバイス100の回路機構は、気化器カートリッジ120のどちらの対称的な向きが生じるかにかかわらず、同じ動作をサポートすることができる。
【0043】
気化器カートリッジ120を気化器本体110に連結するための取付け構造の一例では、気化器本体110は、カートリッジ受け口118の内面から内方に突出した1つ以上のディテント(例えば、くぼみ、突出部など)、カートリッジ受け口118内に突出する部分を含むように形成された追加材料(例えば、金属、プラスチックなど)、および/またはこれらに類するものを含む。気化器カートリッジ120の1つ以上の外面は、気化器本体110上のカートリッジ受け口118に気化器カートリッジ120が挿入されたときにそのようなディテントまたは突出部に嵌合および/またはその他の形式でスナップ結合し得る対応凹部(図1Aには示されていない)を含むことができる。気化器カートリッジ120と気化器本体110とが(例えば、気化器本体110のカートリッジ受け口118への気化器カートリッジ120の挿入により)連結される際には、気化器本体110のディテントまたは突出部が気化器カートリッジ120の凹部内に嵌合、かつ/またはその他の形式で保持され得、組み立て時において気化器カートリッジ120の位置を保持する。このようなアセンブリは、カートリッジ接点124a,124bと受け口接点125a,125bとの間の良好な接触を保証する位置に気化器カートリッジ120を保持するのに十分なサポートを提供し得、その一方で、ユーザが気化器カートリッジ120をカートリッジ受け口118から取り外すために気化器カートリッジ120に適度な力を加えて引っ張った際に気化器カートリッジ120が気化器本体110から離脱することを許容する。
【0044】
いくつかの実施形態では、気化器カートリッジ120または気化器カートリッジ120のうち少なくともカートリッジ受け口118への挿入用に構成された挿入可能な端部122は、気化器カートリッジ120をカートリッジ受け口118に挿入する方向の軸線を横切る非円形断面を有することができる。例えば、非円形断面は、近似の長方形、近似の楕円形(すなわち、近似の長円形)、2組の平行なまたはほぼ平行な対向する辺を有しているが長方形ではない(すなわち、平行四辺形のような形状を有する)非長方形、または少なくとも2回対称の他の形状であり得る。この文脈では、近似の形状とは、記述された形状に対する基本的な類似性は明らかであるが、問題となっている形状の側面が完全に直線状である必要はなく、頂点が完全に鋭角である必要がないことを示す。断面形状の縁部もしくは頂点の双方または一方の丸みは、本明細書において言及した任意の非円形の断面として説明される。
【0045】
カートリッジ接点124a,124b及び受け口接点125a,125bは、様々な形態を取ることができる。例えば、一方または両方の接点セットは、導電ピン、タブ、端子、ピンまたは端子のための受容孔またはこれらに類するものを含むことができる。いくつかのタイプの接点は、気化器カートリッジ120上の接点と気化器本体110上の接点との間のより良好な物理的および電気的な接続を容易にするために、ばねまたは他の特徴を含むことができる。電気接点は、オプションとして金メッキすることができ、かつ/または他の材料を含むことができる。
【0046】
図1B図1Dは、気化器カートリッジ120を取外し可能に挿入することができるカートリッジ受け口118を有する気化器本体110の実施例を示している。図1Bおよび図1Cは、気化器デバイス100の平面図を示していて、それぞれ、気化器本体110内へ挿入するために配置された気化器カートリッジ120、および気化器本体110内に挿入された気化器カートリッジ120を示している。図1Dは、気化可能材料102の充填レベルが気化器カートリッジ120に沿った窓132(例えば、半透明の材料)から見えるように、全体または一部が半透明材料から形成されている気化器カートリッジ120のリザーバ140を示す。気化器カートリッジ120は、気化器本体110の気化器カートリッジ受け口118によって挿入可能に収容された場合に窓132が見えたままになるように構成され得る。例えば、1つの例示的な構成では、窓132は、気化器カートリッジ120がカートリッジ受け口118に連結された際にマウスピース130の下縁と気化器本体110の上縁との間に位置し得る。
【0047】
図1Eは、気化器デバイス100をユーザがパフする間に形成される空気流路134の一例を示す。空気流路134は、ウィックハウジング内に含まれる気化チャンバ150(図1F参照)へと空気を方向付けることができ、気化チャンバ150において、空気は、マウスピース130を介してユーザに供給される吸入可能なエアロゾルと混合される。マウスピース130は、気化器カートリッジ120の一部であってもよい。例えば、ユーザが気化器デバイス100でパフを行うと、気化器カートリッジ120の外面(例えば、図1Dに示された窓132)と気化器本体110上のカートリッジ受け口118の内面との間を空気が流通し得る。その後、空気は、気化器カートリッジ120の挿入可能な端部122内に引き込まれて、加熱要素とウィックとを含むか又は収容する気化チャンバ150を通過して、ユーザに吸引可能なエアロゾルを供給するためのマウスピース130における出口136から流出する。
【0048】
図1Eに示したように、この構成により、空気は、気化器カートリッジ120の挿入可能な端部122の周囲でカートリッジ受け口118内へと流れ落ち、次いで、気化チャンバ150に向かってカートリッジ本体内へと入る際には、気化器カートリッジ120の挿入可能な端部122(例えば、マウスピース130を含む端部の反対側の端部)の周囲を流通して、反対方向に逆流する。このとき、空気流路134は、気化器カートリッジ120の内部を貫通して、例えば(図1Fに示されたカニューレ128のような)1つ以上の管または内部通路を介して、さらに、マウスピース130に形成された(出口136のような)1つ以上の出口を通って延在する。マウスピース130は、気化器カートリッジ120の分離可能な構成要素であってもよいし、気化器カートリッジ120の他の構成要素と一体形成(例えば、リザーバ140および/またはこれに類するものとの一体構造として形成)されてもよい。
【0049】
図1Fは、本対象の実施形態に一致する気化器カートリッジ120に含まれ得る付加的な特徴を示す。例えば、気化器カートリッジ120は、挿入可能な端部122に配置された(カートリッジ接点124a,124bのような)複数のカートリッジ接点を含むことができる。カートリッジ接点124a,124bは、オプションとしてそれぞれ、抵抗性加熱要素の2つの端部のうちの一方に接続された(導体構造126のような)導体構造を形成する単一の金属片の一部であり得る。導体構造は、オプションとして、加熱チャンバの逆側に形成することができ、気化器カートリッジ120の外壁への熱の伝達を減じるためのヒートシールドおよび/またはヒートシンクとして機能することができる。また、図1Fには、気化器カートリッジ120内のカニューレ128が示されている。このカニューレは、導体構造126とマウスピース130との間に形成された加熱チャンバ間の空気流路134の一部を画定している。
【0050】
上述したように、既存の気化器デバイスは、一般的に、気化可能材料を気化した材料へと加熱するように構成されるアトマイザを含むことができる。気化した材料は、次いで、アトマイザにわたって流れて気化器デバイスを貫通する主流の空気流と結びつき、これにより吸入可能なエアロゾルが生成される。結果として、気化可能材料は、アトマイザ内において、加熱され、気化し、凝縮する。このことは、気化した材料の凝縮の制御をデバイスを流通する主流の空気流から独立して行うことを阻害し得る。さらに、このような設計構造では、主流の空気流が気化した材料を凝縮するための冷却空気源となることを強いられる。したがって、低温の主流の空気流がアトマイザ全体を流通してアトマイザが冷却され、これにより熱損失が生じる結果となる。これらの状況下では、ユーザが気化器デバイスでパフを行うときなどに、所望量の気化可能材料を気化する気化器デバイスの効率が低下し得る。これらの問題を改善または克服する、様々な特徴とデバイスとを以下に説明する。
【0051】
本明細書で説明される気化器カートリッジによって、気化した材料の一次凝縮を、アトマイザの外側で行わせることができる。すなわち、気化器カートリッジは、典型的にはアトマイザ内で起こるであろう気化した材料の核形成を遅らせるように構成されており、もたらされる粒子のサイズをより精密に制御できるようになる。さらに、核形成をアトマイザの下流とすることで、気化した材料をより速く冷却できるようになり得、これにより、より小さくかつより均一なサイズであり得る粒子を含むエアロゾルが生成される。本明細書で使用される場合、「核形成」とは、新規の熱力学的な相または新規の構造の(例えば、自己集合および/または自己組織化を介した)初期形成を意味する。例えば、気化した材料の核形成とは気化した材料の一次凝縮を意味し得、この一次凝縮において、気相の気化した材料の少なくとも一部が凝縮してエアロゾル粒子を形成する。
【0052】
一般に、気化器カートリッジはチャネル構造を含む。このチャネル構造では、アトマイザで生成された気化した材料の流れの下流が、接合部(例えばT字形接合部)においてカートリッジを通る主流の空気流と結びつく。この接合部において、気化した材料は主流の空気流によって実質的に冷却され、これにより凝縮されて吸入可能なエアロゾルが形成される。
【0053】
図2は、例示的な気化器カートリッジ200を示している。この気化器カートリッジ200は、図1A図1Dに示した気化器本体110のような気化器本体に選択的に連結され得、かつこの気化器本体から取り外すことができる。より詳細には、気化器カートリッジ200は、アトマイザ202と、チャネル204とを含む。チャネル204は、入口206から出口208へと気化器カートリッジ200を貫通するように構成される。チャネル204は、空気流路210と蒸気路212とを含み、これらの流路は、入口206と出口208との間の第1の接合部214で交差する。空気流路210は、例えば、気化器カートリッジ200に連結されたマウスピース205でユーザがパフする際に、破線矢印213として示した空気を受け入れて当該空気が流通することを実質的に許容するように構成される。単純化するために、気化器カートリッジ200のいくつかの構成要素は図示されていない。
【0054】
アトマイザ202は様々な構成を有することができるが、図2に示したアトマイザ202は、ウィッキング要素216と加熱要素218とを含む。ウィッキング要素216は、気化可能材料(図示せず)をリザーバ220からアトマイザ202へと実質的に引き込むように構成され得る。加熱要素218は、気化可能材料を破線矢印219として示した気化した材料へと実質的に気化させるように構成され得る。適したウィッキング要素および加熱要素の実施例は上述されている。
【0055】
図示したように、アトマイザ202は、蒸気路212と連通しているので、気化した材料219は、蒸気路212内を流通することができる。蒸気路212は、気化した材料219を第1の接合部214内へと方向付けるように構成されており、これにより、気化した材料219は空気213に混ざり得る、こうして、アトマイザ202の下流で、破線矢印222として示されたエアロゾルが形成される。
【0056】
蒸気路212は、様々な形状およびサイズを有することができる。例えば、図2に示したように、蒸気路212は、アトマイザ202から延びており、第1の接合部214で空気流路210に交わる。すなわち、使用中、気化した材料219は、蒸気路212を通って移動し、第1の接合部214で空気213と結びつき、その結果として、気化した材料219は実質的に凝縮してエアロゾル222となり、続いて、このエアロゾルが出口208を通って、したがってマウスピース205を通って、ユーザによって吸引される。第1の接合部214は、様々な構成を有することができるが、第1の接合部214は、図2に示したように、蒸気路212が空気流路210に直交的に(例えば、ほぼ90°で)交わるT字形接合部である。蒸気路212と空気流路210との間の三叉路接合部のその他のバリエーションを含む別の構造もこの場合、考えられる。
【0057】
いくつかの実施例では、気化器カートリッジ200は、例えば第1のカートリッジ接点224aや第2のカートリッジ接点224bのような2つ以上のカートリッジ接点を含む。気化器本体110との1つ以上の電気接続を形成するために、2つ以上のカートリッジ接点は、例えば受け口接点125a,125bに連結するように構成され得る。これらの電気接続により完成される回路は、アトマイザ202内の加熱要素218へと電流を供給することを可能にし得る。また、この回路は、付加的な機能を提供し得る。この付加的な機能は、例えば、加熱要素218の抵抗率の熱係数に基づく加熱要素218の温度の決定および/または制御において利用するための加熱要素218の抵抗測定のような機能である。
【0058】
いくつかの実施例では、空気流路は、空気の一部を当該空気流路から気化器カートリッジの別の領域に向けるように構成され得る2つ以上の区間を含み得る。例えば、分岐された空気の1つ以上の部分は、気化した材料が第1の接合部に流通することの手助けとして使用され得る。
【0059】
図3は、別の例としての気化器カートリッジ300を示している。この気化器カートリッジ300は、図1A図1Dに示した気化器本体110のような気化器本体に選択的に連結され得、かつ気化器本体から取り外すことができる。後述する相違点以外は、気化器カートリッジ300は、気化器カートリッジ200(図2)に類似し得る。そのため、類似の特徴はここでは詳しくは説明しない。
【0060】
図示したように、第1の接合部314の上流である第2の接合部328において、空気流路310は、第1の空気流路区間310aと第2の空気流路区間310bとに分岐する。第1および第2の空気流路区間310a,310bは様々な構成を有することができるが、この図示した実施例では、第1および第2の空気流路区間310a,310bの少なくとも一部は、第2の接合部328から、互いに直交する方向に延在している。使用中、空気313が、第2の接合部328に達すると、空気313は、破線矢印313aとして示された空気の第1の部分と、破線矢印313bとして示された空気の第2の部分とに分かれる。空気の第1の部分313aは第1の空気流路区間310aに入ってそこを流通し、空気の第2の部分313bは第2の空気流路区間310bを通って第1の接合部314へと流通する。
【0061】
第1の空気流路区間310aは、アトマイザ302と連通している。したがって、使用中、空気の第1の部分313aはアトマイザ302を通って流通する。第1の空気流路区間310aを通り、結果としてアトマイザ302を通って流通するであろう空気313の量は限定されないが、空気の第1の部分313aのような空気313の任意の分岐部分は、気化した材料319を、アトマイザ302から蒸気路312を介して第1の接合部314内へと実質的に流通させるように構成されている。例えば、第1の空気部分313aは第1の体積を有することができ、第2の空気部分313bは第1の体積よりも大きな第2の体積を有することができる。したがって、第2の接合部328は、空気313の大部分が第1の空気流路区間310a内へと逸れることを実質的に阻止するように構成され得る。このため、空気313の一部がアトマイザ302を通過しつつ、気化した材料319の凝縮の大部分が第1の接合部314で起こってエアロゾル322が生成される。
【0062】
図4は、別の例としての気化器カートリッジ400を示している。気化器カートリッジ400は、図1A図1Dに示した気化器本体110のような気化器本体に選択的に連結することができ、かつ気化器本体から取り外すことができる。より詳細には、気化器カートリッジ400は、アトマイザ402と、空気流チャネル404とを含む。空気流チャネル404は、気化器カートリッジ400を貫通するように構成された空気流路410を画定する。空気流路410は、例えば気化器カートリッジ400に連結されたマウスピース405をユーザがパフする際に、破線矢印413として示した空気を受け入れ、当該空気が実質的にそこを流通できるように構成されている。単純化するために、気化器カートリッジ400のいくつかの構成要素は図示されていない。
【0063】
アトマイザ402は様々な構成を有することができるが、図4に示したアトマイザ402は、ウィッキング要素416と加熱要素418とを含む。ウィッキング要素416は、気化可能材料(図示せず)をリザーバ420からアトマイザ402へと実質的に引き込むように構成され得る。ウィッキング要素416は、第1の表面416aから反対側の第2の表面416bへと延在し得る。第1および第2の表面416a,416bはそれぞれ、図4に示すように、空気流路410に対して実質的に平行に延在し得る。加熱要素418は、気化可能材料を気化した材料へと気化させるように構成され得る。例えば、加熱要素418は、破線矢印421として示した熱を、ウィッキング要素416の側面416c全体にわたって向けることができ、これによりウィッキング要素416内の気化可能材料の少なくとも一部(例えば、少なくとも、ウィッキング要素416の側面416cにおける気化可能材料)は気化する。図示したように、側面416cは、ウィッキング要素416の大部分と蒸気チャンバ430との間に位置している。適したウィッキング要素および加熱要素の実施例は上述されている。
【0064】
図4に示したアトマイザ402は、ウィッキング要素416と空気流チャネル404とに連通している蒸気チャンバ430を含む。蒸気チャンバ430は様々な構成を有することができるが、図4に示すように、蒸気チャンバ430は、3つの壁430a,430b,430cによって画定されていて、実質的に長方形の形状である。別の実施例では、蒸気チャンバ430は任意の他の適切な形状を有することができる。
【0065】
蒸気チャンバ430は、気化した材料の少なくとも一部が通過して空気流チャネル404内へと流入することを実質的に許容するように構成され得、これにより、気化した材料の一部が空気413と混合し、空気流路410を通って流通して、アトマイザ402の外側でエアロゾルを形成する。例えば、図4に示したように、ウィッキング要素416の側面416cに隣接している壁430aは、透過性の材料から形成され得る。代替的にまたは付加的に、壁430aは、気化した材料が実質的に通過して蒸気チャンバ430内に入ることを許容するように構成された1つ以上の貫通孔を含み得る。
【0066】
蒸気チャンバ430は、アトマイザ402内の様々な位置に配置され得る。例えば、図4に示したように、蒸気チャンバ430の少なくとも一部は、空気流チャネル404と境を接している。蒸気チャンバ430のこの部分は、気化した材料が実質的に通過して空気流路410内に流入することを許容するように構成された透過性の材料から形成され得る。代替的にまたは付加的に、蒸気チャンバ430のこの部分は、気化した材料が実質的に通過して空気流路410内に流入することを許容するように構成された少なくとも1つ以上の貫通孔を含み得る。
【0067】
いくつかの実施例では、気化器カートリッジ400は、例えば第1のカートリッジ接点424aや第2のカートリッジ接点424bのような2つ以上のカートリッジ接点を含む。気化器本体110との1つ以上の電気接続を形成するために、2つ以上のカートリッジ接点は、例えば受け口接点125aおよび125bに連結するように構成することができる。これらの電気接続により完成される回路は、アトマイザ402内の加熱要素418に電流を供給することを可能にし得る。また、この回路は、付加的な機能を提供し得る。この付加的な機能は、例えば、加熱要素の抵抗率の熱係数に基づく加熱要素の温度の決定および/または制御において利用するための加熱要素418の抵抗測定のような機能である。
【0068】
図5は、別の例としての気化器カートリッジ500を示している。気化器カートリッジ500は、図1A図1Dに示した気化器本体110のような気化器本体に選択的に連結することができ、かつ気化器本体から取り外すことができる。後述する相違点以外は、気化器カートリッジ500は、気化器カートリッジ400(図4)に類似していてよいので、類似の特徴はここでは詳しくは説明しない。
【0069】
いくつかの実施例では、蒸気チャンバ530は、蒸気チャンバ530と空気流チャネル504との間に延在する1つ以上の通気口を含む。図5に示した例では、蒸気チャンバ530は、気化した材料を蒸気チャンバ530から空気流路510内へと実質的に方向付けるように構成された通気口532を含んでいる。通気口532は、蒸気チャンバ530内の気化した材料が空気流路510内へと流入することを実質的に許容するように構成された任意の寸法を有することができる。いくつかの実施例では、通気口532に隣接して流れる空気の速度は、実質的に、通気口532にわたってかつ蒸気チャンバ530と空気流チャネル504との間に差圧を生じさせ得る。例えば、通気口532に隣接して流れる空気の速度は、負圧の領域を形成し得る。この負圧の領域では、通気口532の一方の側における空気流路510の第1の領域における圧力が、通気口532の反対側における蒸気チャンバ530の第2の領域における圧力より低い。このような差圧によって、気化した材料は、蒸気チャンバ530から通気口532を介して空気流路510内へと引き込まれ得る。
【0070】
用語
本教示を説明および定義する目的で、別段の指示がない限りは、「実質的に」という用語は、本明細書では、任意の定量的比較、値、測定、または他の表現に起因し得る内在的な不確実性の程度を表すために使用されていることに留意されたい。「実質的に」という用語はまた、問題の主題の基本的な機能に変化をもたらすことなく、定量的表現が、記載した基準から変化し得る程度を表現するためにも、本明細書で用いられている。
【0071】
ある特徴または要素が、本明細書において別の特徴または要素の「上」にあるものとして言及される場合、その特徴または要素は、他の特徴または要素のすぐ上にあるものとすることができるし、あるいは介在する特徴および/または要素が存在してもよい。これとは対照的に、ある特徴または要素が、別の特徴または要素の「すぐ上」にあるものとして言及される場合、介在する特徴または要素は存在しない。また、ある特徴または要素が、別の特徴または要素に「接続されている」、「取り付けられている」、または「連結されている」ものとして言及される場合、その特徴または要素は、他の特徴または要素に直接、接続することができ、取り付けることができ、または連結することができるし、あるいは介在する特徴または要素が存在してもよいことは理解されるであろう。これとは対照的に、ある特徴または要素が、別の特徴または要素に「直接接続されている」、「直接取り付けられている」、または「直接連結されている」ものとして言及される場合、介在する特徴または要素は存在しない。
【0072】
1つの実施例に関して説明または図示されているが、そのように説明または図示された特徴および要素は、他の実施例にも適用可能である。また、別の特徴に「隣接して」配置された構造または特徴に関する言及は、隣接する特徴と重なり合う部分またはその下にある部分を有する場合もあることを、当業者には理解されるであろう。
【0073】
本明細書で使用される用語は、特定の実施例および実施形態のみを説明する目的で使用されており、限定することを意図していない。例えば本明細書で用いられる単数形の不定冠詞および定冠詞は、文脈から明確に別段の指示がない限りは、複数形も同様に含むことを意図している。
【0074】
上記の説明および特許請求の範囲において、「のうちの少なくとも1つ」または「のうちの1つまたは複数」などの語句が、要素または特徴の連言的なリストに続いて現れる場合がある。「および/または」という用語は、2つ以上の要素または特徴のリスト中に現れる場合もある。使用された文脈によって他のやり方で暗黙的もしくは明示的に否定されない限り、そのような語句は、列挙された要素または特徴のいずれかを個別に意味すること、あるいは列挙された要素または特徴のいずれかと他の列挙された要素または特徴のいずれかとの組合せを意味することを意図している。例えば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」、「AおよびBのうちの1つ以上」、ならびに「Aおよび/またはB」との語句は、それぞれ、「Aのみ、Bのみ、またはAおよびBともに」を意味することを意図している。3つ以上の項目を含むリストについても同様の解釈が意図されている。例えば、「A、BおよびCのうちの少なくとも1つ」、「A、BおよびCのうちの1つ以上」、ならびに「A、Bおよび/またはC」との語句は、それぞれ、「Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBともに、AおよびCともに、BおよびCともに、またはAおよびBおよびCともに」を意味することを意図している。これまでの記載および特許請求の範囲における用語「に基づく」の使用は、列挙されていない特徴または要素も許容されるように、「に少なくとも部分的に基づく」を意味することを意図している。
【0075】
「前方」、「後方」、「下方に」、「下側に」、「下部に」、「上方に」、「上部に」およびこれらに類するものなどの空間的に相対的な用語が、図面に示されているような1つの要素または特徴と、他の要素または特徴との関係を説明するための記述を容易にするために、本明細書において使用されてよい。空間的に相対的な用語が、図面に描かれている配向に加え、使用時または動作時におけるデバイスの様々な配向を包含することを意図していることは理解されるであろう。例えば、図中のデバイスが反転されたならば、その場合には他の要素または特徴の「下方に」または「真下に」と記載された要素は、他の要素または特徴の「上方に」配向されることになる。したがって、例として挙げた用語「の下方に」は、上方と下方との配向の双方を包含し得るものである。デバイスは(90度回転させられるかまたは他の配向で)別の向きで配向されてよく、本明細書で使用される空間的に相対する記述もそれに応じて解釈され得る。同様に、用語「上方に向かって」、「下方に向かって」、「垂直に」、「水平に」およびこれらに類するものは、具体的に別段の指示がない限りは、本明細書では説明の目的で用いられるにすぎない。
【0076】
本明細書では、様々な特徴/要素(ステップを含む)を説明するために用語「第1の」および「第2の」が用いられる場合があるが、これらの特徴/要素は、文脈が別段の指示をしない限り、これらの用語によって限定されるものではない。これらの用語は、1つの特徴/要素を別の特徴/要素から区別するために使用することができる。したがって、本明細書で提供される教示から逸脱することなく、以下で述べる第1の特徴/要素は、第2の特徴/要素と称することができ、同様に、以下で述べる第2の特徴/要素は、第1の特徴/要素と称することができる。
【0077】
実施例において使用される場合を含め、特に別段の指定がない限りは、本明細書および特許請求の範囲において使用されているすべての数は、「約」または「ほぼ」といった単語が、たとえこれらの用語が明確に現れていないにしても、前置きされているかのように読むことができる。大きさおよび/または位置を説明する場合、これらの「約」または「ほぼ」という語句は、記載される値および/または位置が、当該値および/または位置の妥当な予測範囲内にあることを示すために使用される場合がある。例えば、数値は、所定値(または値の範囲)の+/-0.1%、所定値(または値の範囲)の+/-1%、所定値(または値の範囲)の+/-2%、所定値(または値の範囲)の+/-5%、所定値(または値の範囲)の+/-10%などの値を含むことができる。本明細書で与えられる任意の数値は、文脈により別段の指定がない限り、その値付近の、またはほぼ同じ値を含むものと理解されたい。例えば値「10」が開示されているならば、その場合には「約10」も開示されている。本明細書で挙げられているいずれの数値範囲も、その中に包含されるすべての部分範囲を含むことを意図している。また、ある値が開示されている場合には、当業者が適切に理解するように、その値「以下」、「その値以上」、およびそれらの値の間の可能な範囲も開示されていることが理解されよう。例えば、値「X」が開示されているならば、「X以下」ならびに「X以上」(例えば、Xは数値)も開示されている。また、本出願全体を通して、データが多くの異なる形式で提供されていること、ならびにこのデータは、終了点および開始点、およびこれらのデータ点の任意の組合せに関する範囲を表すことが理解されよう。例えば、特定のデータポイント「10」および特定のデータポイント「15」が開示されているならば、10および15より大きい、10および15以上の、10および15より小さい、10および15以下の、ならびに10および15と等しいことも、10と15との間の範囲と同様に開示されていると見なされることが理解されよう。また、2つの特定のユニット間の各ユニットも開示されているということも理解される。例えば10および15が開示されているならば、その場合には11、12、13および14も開示されている。
【0078】
様々な例示的な実施例を上述したが、本明細書の教示から逸脱することなく、様々な実施例に対して多数の変更のいずれかを行うことができる。例えば、記載された様々な方法ステップが実行される順序は、代替的な実施例では多くの場合、変更されてもよく、他の代替的な実施例では、1つ以上の方法ステップが完全にスキップされてもよい。様々なデバイスおよびシステムの実施例のオプションとしての特徴は、いくつかの実施例には含まれ、他の実施例には含まれなくてもよい。したがって、前述の説明は、主に例示の目的で提供されており、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0079】
本明細書に記載された対象の1つ以上の態様または特徴は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計された特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはこれらの組合せにおいて実現することができる。これらの様々な態様または特徴は、特別または汎用的であり得る少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステム上で実行可能および/または解釈可能な1つ以上のコンピュータプログラムへの実装を含むことができ、当該プログラマブルプロセッサは、ストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイスおよび少なくとも1つの出力デバイスからデータおよび命令を受信および送信するように連結される。プログラマブルシステムまたはコンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは概して互いにリモートの状態にあり、通常、通信ネットワークを介して相互作用する。クライアントおよびサーバの関係は、個々のコンピュータ上で実行され、クライアント-サーバ関係を相互に有するコンピュータプログラムによって発生する。
【0080】
プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、コンポーネント、またはコードとも呼ぶことができるこれらのコンピュータプログラムは、プログラマブルプロセッサのための機械命令を含み、高水準手続き言語、オブジェクト指向プログラミング言語、関数型プログラミング言語、論理プログラミング言語、および/またはアセンブリ/機械語で実施することができる。本明細書で使用されるときに、「機械可読媒体」という用語は、機械可読信号としての機械命令を受け取る機械可読媒体を含め、プログラム可能なプロセッサに機械命令および/またはデータを提供するために使用される、例えば磁気ディスク、光ディスク、メモリ、およびプログラマブルロジックデバイス(PLDs)などの任意のコンピュータプログラム製品、装置、および/またはデバイスを指す。「機械可読信号」という用語は、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに供給するために使用される任意の信号のことを指す。この機械可読媒体は、そのような機械命令を、例えば非一時的なソリッドステートメモリもしくは磁気ハードドライブまたは任意の同等の記憶媒体などのように非一時的に記憶することができる。機械可読媒体は、代替的または付加的に、そのような機械命令を、例えばプロセッサキャッシュかまたは1つ以上の物理プロセッサコアに関連付けられた他のランダムアクセスメモリなどのように一時的に記憶することができる。
【0081】
本明細書に含まれる実施例および図面は、限定としてではなく例示として、本対象を実施することができる特定の実施例を示している。上述のように、本開示の範囲から逸脱することなく構造的および論理的な置き換えおよび変更を行うことができるように、他の実施形態を利用することができ、そこから導き出すことができる。本発明の対象のこうした実施例は、2つ以上が実際に開示されているならば、単に便宜上「発明」という用語によって本明細書では個別にもしくは集約的に言及することができ、この出願の範囲を任意の単一の発明または発明概念に自発的に限定することを意図するものではない。したがって、本明細書では特定の実施形態を図示および説明してきたが、同じ目的を達成するために計算されたあらゆる配置を、図示された特定の実施形態に置き換えることができる。本開示は、様々な実施例の任意のおよびすべての適応形態または変形形態をカバーすることを意図している。上述の実施例と、本明細書に具体的に記載されていない他の実施例との組合せは、上述の説明を精査すれば、当業者には明らかになるであろう。本明細書の記載および特許請求の範囲における用語「に基づく」の使用は、列挙されていない特徴または要素も許容されるように、「に少なくとも部分的に基づく」を意味することを意図している。
【0082】
本明細書に記載した対象は、所望の構成に応じて、システム、装置、方法、および/または物品において具体化することができる。前述の説明に記載した実施形態は、本明細書に記載した対象に一致するすべての実施形態を表しているわけではない。むしろ、前述の説明に記載した実施形態は、記載した対象に関連する側面と一致するいくつかの例にすぎない。本明細書ではいくつかのバリエーションが詳細に説明されたが、他の変更または追加も可能である。特に、本明細書に記載したものに加えてさらなる特徴および/またはバリエーションを提供することができる。例えば、本明細書に記載した実施形態は、開示した特徴の様々な組合せおよび部分的組合せならびに/または本明細書に開示したいくつかのさらなる特徴の組合せおよび部分的組合せに対して参照されてもよい。さらに、添付の図面に示した、かつ/または本明細書に記載したロジックフローは、所望の結果を達成するために、示した特定の順番または順序を必ずしも必要としない。他の実施形態も、以下の特許請求の範囲内にあってよい。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2
図3
図4
図5