(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】暗視デバイスのための性能パラメータの使用法及び温度補償
(51)【国際特許分類】
H04N 23/70 20230101AFI20241007BHJP
H04N 23/40 20230101ALI20241007BHJP
H01J 31/50 20060101ALI20241007BHJP
H01J 43/24 20060101ALI20241007BHJP
H04N 5/30 20060101ALI20241007BHJP
H04N 23/65 20230101ALN20241007BHJP
【FI】
H04N23/70 100
H04N23/40
H01J31/50 D
H01J31/50 Z
H01J43/24
H04N5/30
H04N23/65
(21)【出願番号】P 2021534758
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(86)【国際出願番号】 US2019066830
(87)【国際公開番号】W WO2020180385
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2022-12-01
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512169604
【氏名又は名称】エルビット システムズ オブ アメリカ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ミハルスキ,マーク
(72)【発明者】
【氏名】キャッスルベリー,ランサム ハル
(72)【発明者】
【氏名】バルボーニ,ジョン エー.
(72)【発明者】
【氏名】スミス,アーリン ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】シャボー,レイモン リオ
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05949063(US,A)
【文献】特開2010-027484(JP,A)
【文献】米国特許第05218194(US,A)
【文献】米国特許第04166213(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222- 5/257
H04N 23/00
H04N 23/40 -23/76
H04N 23/90 -23/959
H04N 5/30 - 5/33
H04N 23/11
H04N 23/20 -23/30
H04N 25/00
H04N 25/20 -25/61
H04N 25/615-25/79
H01J 29/36 -29/45
H01J 31/08
H01J 31/26 -33/04
H01J 40/00 -49/48
H05B 37/00 -39/10
H02M 3/00 -3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
暗視デバイスの性能を制御する方法であって、
前記暗視デバイスは、電源と、前記電源と通信する光増倍器と、を備え、
前記方法は、
前記電源によって、前記光増倍器のマイクロチャネルプレートに、前記マイクロチャネルプレートのゲインを制御する制御電圧を供給するステップと、
前記暗視デバイスの作動環境の温度の変化に起因する制御電圧の変化に基づいて、前記制御電圧に適用するための補償量を決定するステップと、
前記補償量にしたがって前記制御電圧を調整して、補償制御電圧を取得する、ステップと、
前記電源によって、前記光増倍器の前記マイクロチャネルプレートに前記補償制御電圧を供給するステップと、
前記暗視デバイスが所定時間、使用されたかどうか決定するステップと、
前記暗視デバイスが前記所定時間、使用された後にだけ、前記光増倍器の前記マイクロチャネルプレートに前記補償制御電圧を供給するステップと、
を含む、
方法。
【請求項2】
前記所定時間は、
500時間である、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記暗視デバイスが所定時間使用されたかどうか決定するステップは、
前記電源の中央演算処理装置と通信するか、又は、前記電源内の制御ロジックと関係する、クロノメータをモニタリングするステップを含む、
請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記制御電圧を調整するステップは、前記制御電圧に補正ファクタを加算するステップを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記補正ファクタは、前記暗視デバイスが高光量状態にさらされた時間の量に基づいており、前記制御電圧の設定点に時間の関数として加算される補正であり、温度による補正である、
請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記高光量状態は、2×10
-4fcより大きい光レベルに相当する、
請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記暗視デバイスの作動環境の前記温度の変化は、-50°C~+50°Cの範囲である、
請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記補償量を決定するために使用される係数は、前記暗視デバイスの作動環境の前記温度と光レベルとに基づいて選択される、
請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記係数は、
2×10
-4fc未満の光レベル及び23℃~+50℃の温度に対して用いられる第1係数、
2×10
-4fc未満の光レベル及び23℃~-50℃の温度に対して用いられる第2係数、
2×10
-4fcより大きい光レベル及び23℃~+50℃の温度に対して用いられる第3係数、及び
2×10
-4fcより大きい光レベル及び23℃~-50℃の温度に対して用いられる第4係数、
のうちの1つである、
請求項8記載の方法。
【請求項10】
暗視デバイスの光増倍器用の電源であって、
前記電源は、
前記光増倍器に制御電圧を供給するように構成された電源回路と、
クロノメータと、
温度センサと、
制御ロジックを記憶するように構成されたメモリと、
前記クロノメータ、前記温度センサ及び前記メモリと通信するプロセッサであって、前記プロセッサは、
前記電源によって、前記光増倍器のマイクロチャネルプレートに、前記マイクロチャネルプレートのゲインを制御する制御電圧を供給し、
前記クロノメータの値に基づいて、前記暗視デバイスが所定時間、使用されたかどうか決定し、
前記暗視デバイスが所定時間、使用された場合は、前記温度センサの値に基づく前記暗視デバイスの作動環境の温度の変化に起因する制御電圧の変化に基づいて、前記制御電圧に適用するための補償量を決定し、
前記補償量にしたがって前記制御電圧を調整して、補償制御電圧を取得し、
前記電源回路によって、前記光増倍器の前記マイクロチャネルプレートに前記補償制御電圧を供給する、制御ロジックを実行するように構成されたプロセッサと、
を備える、電源。
【請求項11】
前記所定時間は、約500時間である、
請求項
10記載の電源。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記制御電圧に補正係数を加算することによって、前記制御電圧を調整するように構成されている、
請求項11記載の電源。
【請求項13】
前記補正係数は、前記暗視デバイスが2×10
-4fcを超える高光量状態にさらされた時間に基づいており、前記制御電圧の設定点に時間の関数として加算される補正であり、温度による補正である、
請求項
12記載の電源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暗視デバイスに関し、暗視デバイスの電源に関し、より具体的には、拡張された使用及び温度極値を受ける暗視デバイスの性能を維持するためのデジタル及びソフトウェア技術に関する。
【背景技術】
【0002】
暗視デバイス又はナイトビジョンデバイスは、多くの産業用途及び軍事用途に使用され得る。例えば、かかるデバイスは、パイロットのナイトビジョンを強化するため、天体を撮影するため、及び網膜色素変性症(夜盲症)の兵士又は患者にナイトビジョンを提供するために使用される。このデバイスは、しばしば、低強度光を増幅するため、又は非可視光を可視容易な画像(readily viewable images)に変換するために使用されるイメージ増倍器を組み込んでいる。かるイメージ増倍器の一つは、イメージ増倍管である。
【0003】
イメージ増倍管は、典型的には、真空ハウジング内に配置された、例えば、ガリウムヒ素(GaAs)活性層及びマイクロチャネルプレート(MCP)と共に、フォトカソードを含む。可視及び赤外エネルギーは、例えば、フォトカソードに衝突し、カソード活性層に吸収され、それによって電子/正孔対が生成され得る。生成された電子は真空キャビティ内に放出され、MCPによって増幅される。
【0004】
より具体的には、電子がフォトカソードから出るとき、MCPの入力表面とフォトカソードとの間の電位差によって、MCPの入力表面に向かって電子が加速され、この電位差は、MCP対カソード間隔及びMCP構成(フィルム化(filmed)又は未フィルム化(un-filmed))に依存し、約200~900ボルトである。電子がMCPの入力表面に衝突すると、二次電子がMCP内で生成される。すなわち、MCPは、入力表面に入る電子1個につき数百個の電子を生成することができる。MCPはまた、その入力表面とその出力面との間の、典型的には約700~1200ボルトの電位差にさらされる。この電位差は、MCPにおける電子増倍を可能にする。
【0005】
増倍された電子がMCPを出ると、電子は、蛍光体スクリーンとMCPの出力表面との間のさらに別の電位差によって、蛍光体スクリーン(又は他のアノード表面)に向かって真空キャビティを通して加速される。MCPの出力表面の電位(This latter potential)は、約4200~5400ボルトのオーダーであり得る。
【0006】
イメージ増倍管と一体化された、又は封入された(potted)電源は、概して、上述の種々の電位差を生成し提供するために、また、イメージ増倍管の種々の構成要素に制御電圧をさらに提供するために使用される。電源及び増倍管は、例えば、比較的低光量条件、比較的高光量条件を含む様々な照明条件下で、様々な温度範囲にわたり、かつ、長時間にわたって作動することが期待される。これらの全ての条件を取り扱うために電源を構成し制御することは、困難である。
【発明の概要】
【0007】
本明細書には、暗視デバイスの性能を制御する方法が記載されている。方法は、電源によって、イメージ増倍管のマイクロチャネルプレートに、マイクロチャネルプレートのゲインを制御する制御電圧を供給するステップと、暗視デバイスの作動環境の温度の変化に起因する制御電圧の変化に基づいて、制御電圧に適用するための補償量を決定するステップと、補償量にしたがって制御電圧を調整して、補償制御電圧を取得する、ステップと、電源によって、光増倍管のマイクロチャネルプレートに補償制御電圧を供給するステップと、を含む。方法は、さらに、暗視デバイスが所定時間使用されたかどうか決定するステップを含み、その所定時間の後にのみ、マイクロチャンネルプレートにアルゴリズム的に決定された補償制御電圧を供給するように構成されている方法である。
【0008】
他の実施形態では、暗視デバイスの性能を制御するための方法が提供される。暗視デバイスは、電源と、電源と通信するイメージ増倍管とを備える。方法は、電源によって、イメージ増倍管のマイクロチャネルプレートに、マイクロチャネルプレートのゲインを制御する第2制御電圧を供給するステップと、第2制御電圧と、第2制御電圧よりも早い時間に供給される第1制御電圧との間の差異が所定の値未満かどうか決定するステップと、差異が所定の値未満である場合に、暗視デバイスが所定時間使用されたかどうか決定するステップと、暗視デバイスが所定時間使用された後にだけ、第2制御電圧を調整して、使用時間の結果生じる第2制御電圧の変化を補償して、第3制御電圧を取得する、ステップと、電源によって、光増倍管のマイクロチャネルプレートに第3制御電圧を供給するステップと、
を含む。
【0009】
さらに別の実施形態では、暗視デバイスの光増倍器用の電源が提供される。電源は、イメージ増倍器に制御電圧を供給するように構成された電源回路と、クロノメータと、温度センサと、制御ロジックを記憶するように構成されたメモリと、クロノメータ、温度センサ及びメモリと通信するプロセッサと、を備える。プロセッサは、電源によって、光増倍器のマイクロチャネルプレートに、マイクロチャネルプレートのゲインを制御する制御電圧を供給し、クロノメータの値に基づいて、暗視デバイスがストレス状態において所定時間使用されたかどうか決定し、暗視デバイスがストレス状態において所定時間使用された場合は、ストレス曝露に基づいて制御電圧を印加するための補償量を決定する、制御ロジックを実行するように構成されている。さらに、温度センサの値に基づく暗視デバイスの作動環境の温度の変化に起因する制御電圧の変化は、過去のストレス曝露の有無にかかわらす存在することがあり、電源は、補償量にしたがって制御電圧を調整して、補償制御電圧を取得し、電源回路によって、光増倍器の前記マイクロチャネルプレートに前記補償制御電圧を供給する、
ように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態による、デジタル制御された電源及び関連するイメージ増倍器をブロック図で示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態による出力輝度対光レベルのプロットを示す図である。
【
図3】
図3は、電源の3つの制御電圧が、アクティブ補償なしで温度の変化にどのように反応するかを示すプロットを示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態による、V
3(アノード電圧)の変化に対する出力ゲイン(室温で測定)の増倍管の応答を示す。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態による、フォトカソードとMCP入力との間の電界強度の変化に伴って光応答(PR)がどのように変化するかを示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態による、3つの動作温度のスペクトル応答曲線を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態による、いくつかの試験された増倍管の信頼性について時間の関数として正規化されたゲインを示す図である。
【
図8A】
図8Aは、本発明の実施形態による、正規化されたゲイン曲線を示す図である。
【
図8B】
図8Bは、本発明の実施形態による、同じゲインを維持するために室温V
2設定点に加算される電圧差を時間の関数として示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態による、暗視デバイスの性能を制御するための一連の動作又はプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
同様の参照番号は、本開示全体を通じて同様の要素を識別するために使用されている。
【0012】
図1は、本発明の実施形態による、デジタル制御された電源及び関連するイメージ増倍器をブロック図で示す図である。具体的には、
図1は、デジタル制御電源150によって給電され制御されるイメージ増倍管110を示す。増倍管110は、フォトカソード112と、マイクロチャネルプレート(MCP)114と、蛍光体層118を含むアノード116とを含む。
【0013】
デジタル電源(又は単に「電源」)150は、電源150自身によって使用され、増倍管110に伝達される電力を供給するバッテリ155又は他のエネルギー源を含む。電源150は、特に、制御ロジック180及び状態変数(又は設定)185(以下にさらに説明する)を格納する中央処理ユニット(CPU)160及びメモリ170をさらに含む。バッテリ155は、制御電圧V1、V2、及びV3のそれぞれに電力を供給し、制御電圧V1、V2、及びV3はそれぞれ、増倍管110の構成要素に印加される。これらの制御電圧の値は、制御ロジック180から受け取った命令にしたがってCPU160によって設定されることができる。
【0014】
可能な実施形態では、CPU160は、フォトカソード112、MCP114及びアノード116への電圧V1、V2、V3の印加をそれぞれ制御する回路を制御する。演算増幅器195は、アノード116に流れる電流I3をセンシングするように構成される。電流I3は、フォトカソード112で受光されている光10の輝度を表し、ここで、V1及びV2は、蛍光体スクリーンの出力輝度を制御するように変更されていない。電流I3の値は、制御ロジック180及びCPU160によって使用されることができ、例えば、V1又はV2の値を調整することができる(例えば、高輝度については高いV1又はV2、低輝度については低いV1又はV2)。電源150は、温度センサ164及びクロノメータ165も含む。
【0015】
デジタル制御電源150の利点は、入力光10の関数として増幅管110の出力輝度を調整する制御スキームを、制御スキームがハードウェアに組み込まれている従来のアナログ電源とは異なり、電源が組み立てられた後に選択できることができることである。電源150のデジタル制御は、異なるパラメータ又は設定の調整を可能にし、特定の特徴を作動させ、及び/又は暗視デバイスが例えば輸出制限に適合することを確実にする。電源150のデジタル制御は、温度及び/又は使用法の観点から性能パラメータを補償するためにも使用されることができる。
【0016】
固定輝度制御
【0017】
電源150及び制御ロジック180の一つの機能は、入力光レベルの関数として増倍管110の出力輝度を制御することであり、増倍されたシーンが過度に明るくなることからユーザを保護することである。これに関して、
図2は、本発明の実施形態による出力輝度対光レベルのプロットを示す図である。図示のように、出力輝度は、受光した光の所定のレベルを超えて、(所定の輝度限界の間に)ほぼ固定されているが、それにもかかわらず、典型的なアナログ電源の場合には、曲線210によって示されるように、アナログ回路の固有動作のために、わずかに上昇する傾向がある。
【0018】
一方、デジタル制御では、本発明の実施形態は、曲線210と同様であるが、曲線210のゆっくりとした上昇のない、出力輝度対光レベル曲線220を生成することができる。すなわち、曲線220は、輝度が約2×10-5fc (フットキャンドル)の後も正確に(truly)固定されたままであることを示す。この安定輝度出力は、制御電圧(例えば、フォトカソード制御電圧V1)をドライブし、スクリーン電流(I3)と固定値電流との間にゼロ差を作り出し、所望のスクリーン輝度を達成する制御ロジック180の結果である。制御電圧の操作について以下に説明する。
【0019】
温度補償
【0020】
例えば-50℃から+50℃の、極端な範囲の作動条件下では、増倍管110及び電源150は、低光量レベルで安定した利得を維持し、より高い光レベルで出力輝度を制限することが期待される。上述のように、電源150内のパラメータ及び制御プロセスのいくつかは、電圧(V
1及びV
2)並びにI
3電流設定の調整によって達成される。ある条件下では。実施形態において、ゲイン補正アルゴリズムは、<2×10
-4fcの光レベルと、>2×10
-4fcの光レベルとに対応する2つの動作範囲を有する。より低いレベルの照明(<2×10
-4fc)では、増倍管110の出力は、MCP電圧(V
2)を変化させることによって制御され得る。しかしながら、増倍器が十分に高い光レベルにさらされると、イメージは明るすぎる(>2×10
-4fc照明)ようになり、全光出力はI
3値を制限することによってキャップされる。
図2に関連して説明したように、I
3電流をユーザ定義限界以下に保ことが可能である。この方法は自動輝度制御(Automatic Brightness Control:ABC)と称され、全ての調整パラメータが最低の制御設定に達するまで、スクリーン電流(I
3)が設定点を超えないようにします。このレベルのスクリーン電流を発生させる光レベルでは、電源はまず、V
2を変化させることによって出力の輝度を制御し、固定温度での最大許容出力輝度に対応する最大許容電流値I
3
maxを下回るスクリーン電流(出力輝度に線形的に関連する)を保つ。光レベルが増加するにつれて、V
2は最終的に最小値まで低下する。一旦V
2が第1の下限に達すると、カソード又はV
1電圧のデューティファクタを減少させることによって、発光出力が調節される。
【0021】
ABCがアクティブでない照明レベルの下では、MCP電圧又はV
2を変更することによってゲイン温度補償が実行される。全てのより高い光レベルにおいて、出力輝度を変更するためにV
2を変更する代わりに、許容されるスクリーン電流を変化させ、室温よりも高温又は低温の環境において発光出力を制御する。電源150内の制御ロジック180は、温度と共に変化し得る供給電圧を制御するように構成される。この点に関し、温度センサ164が提供されており、CPU160の一部であってもよく、又は、図示のように、CPU160(
図1)と通信する別個の構成要素であってもよい。
【0022】
温度の経過に伴って見られる電圧出力の変化は、光増倍器構成要素の変化、増倍管と電源とのインタフェースの変化(非理想的であるが、時には存在する)、及び電源が提供する電圧の変化によって駆動される。例えば、
図3は、電源150の3つの制御電圧が、アクティブ補償なしで温度の変化にどのように反応するかを示すプロットを示す図である。
図3のプロット線は、12個の電源の平均的反応を表す。図に示すように、-50°Cから+50°CまでのV
3の揺動は、室温(RT)値の周りで100ボルトを超える。
【0023】
図4は、増倍管と対になった場合の、V
3(アノード電圧)の変化に対する出力ゲイン(室温で測定)の増倍器の応答を示す。
【0024】
温度の関数としての蛍光体光強度の依存性は、以下に示される:
【数1】
【0025】
活性化エネルギー(Ea)に依存して、蛍光体の強度は、温度が低下するにつれて増加し得るか、又は一定に近くなり得る。実施形態による蛍光体システムでは、蛍光体の強度は、温度が低下するにつれて増加する。実施形態によれば、蛍光体効率変化に関するデータが収集され、制御ロジック180によって使用されて、動作温度の範囲にわたって電源150を補償する。
【0026】
MCP114の入力への光電流は、放出確率に対するV
1電圧効果及び温度の関数としての材料特性の変化によって制御される。V
1は、
図3に示すように、温度範囲にわたって約20ボルト変化する。光応答(PR)は、フォトカソード112とMCP114の入力との間の電界強度の変化に伴って変化する。間隔は、温度と共に変化しないので、フォトカソード電流は、
図5に示すように変化する。
【0027】
図5における依存性は、下記の式(2)によって記載される:
【数2】
【0028】
式(2)において、QEは量子効率であり、Eは、V
1及びカソード出力とMCP入力との間の間隔によって制御される電界である。この式の唯一の他の因子は、βであり、カソード表面の放出確率の尺度(measure)である。温度が変化するにつれて、フォトカソードバンドギャップも変化し、バンドギャップは温度が低下するにつれて大きくなる。バンドギャップが大きくなると、典型的には放出確率が高くなり、βが大きくなる。ただし、バンドギャップが大きくなると、スペクトルカットオフ周波数が大きくなる方向にシフトする。つまり、カソードはより長い波長の光子に対して感度が低くなる。これらの2つのシフトは、
図6下の3つの動作温度に対するスペクトル応答曲線に示されている。
【0029】
最大の高さは改善された放出確率を示し、右側のスペクトルシフトはバンドギャップのシフトを示す。一旦、2,856Kの光源スペクトルでコンボリュートされる(convoluted)と、これは、カソード電圧が固定されたままであれば、温度の変化を伴うフォトカソードからの等価な光電流を導く。
【0030】
複数の作動値は、(上述のように)温度が変化するにつれて、イメージ増倍器アセンブリで変化する。概して、電源及び増倍管は、室温よりも低温でより効率的に作動し、より高温で劣っている(よりノイズが多い)。高温及び低温での挙動に関する米国政府の公式試験である温度試験(Temperature Extremes)は、測定が行われる3つの機能温度:ベースライン温度又は室温(~23℃)、高温(公称+50℃)及び低温(公称-50℃)を有する。補正しないままでは、様々なシフトが組み合わさって、温度で顕著な出力輝度の変化を引き起こす。出力輝度の変化(ゲイン)の程度は、室温でゲインが仕様内にある増倍器アセンブリが、出力輝度の典型的な70%の増加により、低温で仕様外になるのに十分である。
【0031】
MCP114のゲインは、温度変化当たり0.1%変化すると考えられる。MCPゲインは温度に伴って変化しないが、V2(T)のみに伴って変化するため、この変数の調整はかなり良く制御され、これが、より低い光レベルに対するゲイン制御パラメータとして選ばれる理由である。
【0032】
一実施形態では、暗視デバイスは、温度駆動電圧変化の変化に伴う出力輝度の変化をモデル化するために、経験的データから導出された帰属輝度関係(Imputed Brightness Relationship)と称される作動電圧と発光出力との間の線形関係に基づいて構成される。
【0033】
輝度Bはフットランバート(foot Lamberts)又はflで与えられている場合、BとV
1、V
2及びV
3の関係は以下の通りである。数値係数は、パーセンテージの発光出力変化を表すことに留意されたい。
【数3】
【0034】
この式は、帰属輝度関係として知られており、V
2が3つの作動電圧のうちで、出力輝度に対して最も強い寄与因子であることを示している。したがって、V
2のボルト変化毎に、出力輝度は1.5%変化するが、V
3のボルト変化に対しては0.05%ゲイン変化する。V
3への変化は大きさが大きいが(
図3参照)、V
3のボルト変化当たりの出力輝度変化は、V
2電圧のボルト変化の場合よりも30倍小さい。一実施形態では、周囲温度の関数としての作動電圧の電源変化は、各電源の最終テスト中に得られ、これらの変化は、温度でのMCP電圧(V
2)を変更するためにも使用できる。
【0035】
図3及び
図4は、-50℃で、主にV
2及びV
3電圧の変化のために、I
3センシング電流設定点のいかなる増加も伴わずに、増倍管の出力輝度が増加することを示している。これは、温度と共に変化する画像管蛍光体効率の変化を考慮していない。
【0036】
温度範囲にわたって低光量レベルゲインを制御するために、1つのアルゴリズムは、温度の関数としてのV
2の線形補正であり、ここで、勾配は、その1つの変化を補償するためにのみ調整される単純な勾配よりも大きい。上述のように、電源、時にはインタフェース及び増倍管の温度に伴う変化が存在する。増加した勾配mは、V
3変化、蛍光体効率変化、V
1変化(光応答及びMCPゲインを増加させる)、及びV
2変化を含むこれらの全ての変化を説明する。この線形関係を式(4)に示す:
【数4】
【0037】
ABC範囲の輝度変化(>2×10
-4fc)を補償するために、電源150では、I
3センシング電流が温度の関数として減少し、一次線形方程式として以下に表される:
【数5】
【0038】
式(5)において、mは、温度の関数としての全ての電源(sources)からの効率変化の結果としてのゲイン変化の勾配を最適に説明する補正ファクタのゲイン勾配である。
【0039】
製造環境では、温度にわたって効率が変化するために、各構成要素及び各電源を特徴付けることは実用的ではない。
このように、全般的な(general)経験的関係が、増倍管の通常の挙動及び個々の電源固有の変化(前述の電源レベルの最終試験データから)を説明するために使用される。
【0040】
また、ゲイン変化率は、室温を超える温度の方がより低い温度よりも大きい。V2は、光レベル<2×10-4fcにおいて変調され、I3
maxは、2×10-4fcを超える光レベルについて変調される。したがって、4つの線形ゲイン変化係数が、-50℃から+50℃の範囲にわたって、低レベル及び高レベルの光に対して、イメージ増倍器アセンブリの発光出力を一定に維持するために採用される。式(4)及び(5)のm値の代わりとなる各係数は、以下のとおりである。
【0041】
C1=23℃から+50℃までの低光量レベル(<2×10-4fc)に対する係数;V2は変化する (6)
C2=23℃から-50℃までの低光量レベル(<2×10-4fc)の係数;V2は変化する (7)
C3=23℃ から+50℃までの高光量レベル(>2×10-4fc)に対する係数;I3
maxは変化する (8)
C4=23℃から-50℃までの高光量レベル(>2×10-4fc)に対する係数;I3
maxは変化する (9)
【0042】
係数を決定するために、イメージ増倍器アセンブリを+50℃、23℃及び-50℃において評価した。
これらの温度では、ゲインが測定される(fl/fcでの光出力/光入力)。
【0043】
以下に述べるモデルでは、採用される用語は以下の通りである:
【0044】
Gxは温度レベルxにおけるゲインである (10)。
【0045】
ゲインの差は、xとyが2つの温度レベルである場合、ΔGxy=Gx-Gyとして与えられる。
【0046】
Txはレベルxにおける温度
【0047】
TR=室温又は23℃ (12)
【0048】
TH=高温・公称50℃ (13)
【0049】
TC=低温又は-公称50℃ (14)
【0050】
温度差はΔTxy=Tx-Tyと表され、ここでxとyは2つの温度レベルである。 (15)
【0051】
V2ボルトあたりのゲイン変化はδvで与えられ、0.015の値を保持する。 (16)
【0052】
温度xから温度yへのV2の変化ΔVxyである (17)
【0053】
℃当たりの正規化されたゲイン変化は、Θで与えられ、ここで、正規化ファクタは室温ゲインGRである (18)
【0054】
光レベル<2×10
-6fcに対するV
2変化のモデルの基本形は:
【数6】
【0055】
2つの温度xとyに対して線形係数Cnが用いられる。低光量係数を導出するために、最初に極端な温度での2×10-4fcのゲイン変化が計算される。この例では、-50℃の低温が使用される。
【0056】
【0057】
【0058】
また、°C(又はK)当たりのfl/fcのゲイン変化は、次のようになる:
【数9】
【0059】
ベースライン室温ゲインを基準にしてゲイン変化を正規化するために、この量を室温2×10
-6fcゲインで割り、Θと称される項で得られるベースラインゲインによって正規化された、度ごとのフラクタルゲイン変化を示す。
【数10】
【0060】
冷温ゲイン(Cold gain)を室温ゲインと同じに保つために必要なV
2変化を与えるために、ΘをδVで割る。この量は、室温と冷温との間のゲイン変化に対する線形係数である。
【数11】
ここで、
【数12】
【0061】
その後、V
2変化は、T
2<T
Rであり、光レベルが<2×10
-6fcであるような、所与の温度T
2における温度変化のC2倍である。
【数13】
【0062】
同様に、23℃<T
2+50℃に対するV
2の変化の表現は、
【数14】
であり、ただし、光レベルは<2×10
-6fcである。
【0063】
高光量条件2×10
-4fcについて、スクリーン電流の変化が含まれることを除いて、同様のアプローチが取られる。なお、発光ゲインとスクリーン電流値は線形比例するので、以下に示す比率は等しいと仮定されることに留意されたい。ここで、I
xは温度xにおけるスクリーン電流である。(28)では、室温でのスクリーン電流(x=R)と上昇温度(x=2)との関係が示される。
【数15】
【0064】
そして、スクリーン電流の変化δ
I・Iは、次の形である。
【数16】
【数17】
又は、
【数18】
【0065】
ここで、δIは、発光ゲイン線形係数(Cn)に対するスクリーン電流と、TRからの温度差と、の積である。ΔT2Rは、T2とTR間の温度差である。
【0066】
ここでは、C
nは電圧項の係数の場合と同じ形式であることに留意されたい:
【数19】
そして、以後
【数20】
【数21】
及び
【数22】
である。
【0067】
光レベル≧=2×10
-4fcであるTR以下の温度では、モデルI
2=δ
II
1+I
1は次のようになる。
【数23】
【0068】
また、光レベルが>2×10
-4fcである、TRを超える温度では:
【数24】
【0069】
したがって、ABCが呼び出されるのに十分高い光レベルでの温度にわたる発光出力を補正するために、式(37)及び(38)の一般化されたバージョンが使用される。
【数25】
【0070】
ここでも、上記の線形制御方程式は、温度補償の最も基本的なバージョンである。より複雑なアルゴリズムは、さらに多くのパラメータで実装することができる。
【0071】
補償使用方法(Usage Compensation)
【0072】
光増倍器110の動作中、その応答は、MCP114から抽出された電荷の量が増加するにつれて低下する傾向がある。加速信頼性試験は、平均故障間隔を決定するために、増倍器110及び関連する電源150を温度上昇及び高光量状態にさらすように設計され得る。この場合、故障は、所定の最低レベルまで性能が低下することである。信頼性試験中に、ゲイン、SNR、EBI(等価背景強度:Equivalent Background Intensity)の3つの基準が評価され得る。一般的に、EBIは信頼性試験が継続するにつれて低下する傾向にあり、ほとんどの場合、その値は仕様を下回っている。SNRは、通常、ゲインと同じレートではないが、信頼性試験では低下する。したがって、低ゲインがイメージ増倍器の典型的な故障モードである。上述のV2及びI3ABCの温度補償は、異なる光レベルの下でMCP114から抽出される電流量をある程度制御するのに役立つ。
【0073】
使用補償技術を開発するための最初のステップは、増倍器がI3ABC点に到達すると、MCP114のゲインが抽出された電荷の関数として時間とともに減衰することを理解することである。クロノメータ165を含むデジタル制御電源150を使用すると、電源150は、増倍器をストレス下に置く条件、即ちABC電流制限を強制的に実行する条件に対してカウンターをインクリメントすることができる。電源150は、CPU160に組み込まれることができるか、別の構成要素であることができるか、又は制御ロジック180の一部であることさえできる。次のステップは、MCP114から電荷が抽出されるとき、MCP V2電圧がどれだけ調整されなければならないかを決定し、温度がゲイン減衰に役割を果たすかどうかを決定することである。最後のステップは、製造された大多数の増倍器をカバーするが、分布の外部ユニット(outlying units)のための調整に限界を有するアルゴリズム又はモデルの開発である。
【0074】
図7は、本発明の実施形態による、いくつかの試験された増倍管110の信頼性について時間の関数として正規化されたゲインを示す図である。破線は、5つのフィルム化された(filmed)増倍管の平均であり、実線は、5つの個別のフィルム化されていない(unfilmed)増倍管である。
【0075】
フィルム化された増倍管の場合、ゲインは、試験の初期段階の間に増加するか、又は同一に保たれる。フィルム化されていない増倍管は、ストレス下に置かれると、ほぼすぐにゲインが低下することがわかる。ここでも、これらの曲線は、高光量パルス及び上昇温度を含む典型的な加速信頼性試験からのものである。補償アルゴリズムの係数を決定するために、フィルム化した増倍器を、温度の有無にかかわらず、同じ光レベルにさらし、V2電圧をリセットして、時間の進行につれてゲインを維持した。
【0076】
図8Aの曲線は、破線曲線が上昇温度であり、実線曲線が室温の場合の正規化されたゲイン曲線を示し、各曲線は5つの増倍管の平均である。正規化されたゲインの広がりの一部は、ゲイン測定機器の再現性によるものである。
図8Bは、好ましくは、同じゲインを維持するために室温V
2設定点に加算される電圧差を、信頼性試験の時間の関数として示す図である。室温での試験で約500時間後、V
2調整は100時間毎に約1.2ボルト、昇温調整は100時間毎に1.8ボルトである。結論として、温度を上昇させることは減衰速度を増加させるので、あらゆる使用補償アルゴリズムは、好ましくは、これを考慮に入れる。先に指摘したように、フィルム化されていない増倍管は、ほぼ直ちにゲインの減衰を経験するのに対して、フィルム化された増倍管は、ゲインが増加するか又は同じであり得る初期期間を有する。したがって、アルゴリズム又はモデルは、好ましくは、所定の期間が経過するまで、すなわちV
2増加の遅延、補正係数を適用しないように、構成される。最後に、分布の一部はいっそうゆっくりとした減衰を経験する可能性がある。そのような装置にフル補正を適用すると、補正されたゲインが許容上限を外れることになり得る。この場合、アルゴリズム又はモデルは、好ましくは、許容される電圧変化を最大補正にキャップし、その時点以降、電源150はV
2を増加させず、増倍器のゲインは低下し始める。前述したことを考慮して、一実施形態では、例示的使用アルゴリズムのパラメータは、t
delay、ΔV
2、δ(T)、ΔV
2max、Δtを含み、ここで、t
delayは、アルゴリズムが適用される前に経過しなければならない時間であり、ΔV
2は、時間の関数としてV
2設定点に加えられる補正であり、δ(T)は、温度による補正であり、Δtは、高光量条件における時間の量であり、ΔV
2maxは、最大許容V
2調整である。このようなパラメータでは、補償アルゴリズムの例は次のようになる。
[外1]
【0077】
当業者は、他のアルゴリズム又はモデルが、異なる及び/又はより多くのパラメータを用いて可能であることを理解するであろう。
【0078】
図9は、本発明の実施形態による、暗視デバイスの性能を制御するための一連の動作、方法又はプロセスを示すフローチャートである。説明したように、暗視デバイスは、電源と、電源と通信する
、光増倍器としてのイメージ増倍管とを備える。902において、本方法は、電源によって、
光増倍器としての光増倍管のマイクロチャネルプレートに、マイクロチャネルプレートのゲインを制御する制御電圧を供給するステップを含む。904において、本方法は、暗視デバイスの作動環境の温度の変化に起因する制御電圧の変化に基づいて、制御電圧に適用するための補償量を決定するステップと、を含む。906において、本方法は、補償量にしたがって制御電圧を調整して、補償制御電圧を取得するステップを含む。908において、本方法は、電源によって、イメージ増倍管の前記マイクロチャネルプレートに補償制御電圧を供給するステップを含む。一実施形態では、使用を考慮に入れて、方法は、さらに、暗視デバイスが所定の期間使用されたかどうか決定するステップ、を含むことができ、方法は、暗視デバイスが前記所定時間使用された後にだけ、光増倍管のマイクロチャネルに補償制御電圧を供給するように構成された方法である。
【0079】
要約すると、本明細書に記載する実施形態は、とりわけ、使用時間及び動作環境温度を考慮し、かつそれらを補償することによって、暗視デバイスの性能を制御するための強化された制御プロセスを提供する光増倍管のためのデジタル制御電源を提供する。
【0080】
開示された発明は、1つ以上の特定の実施例に具体化されたものとして本明細書に図示及び記載されているが、本発明の範囲から逸脱することなく、特許請求の範囲と均等の範囲内で、様々な修正及び構造的変更を行うことができるため、示された詳細に限定されることを意図するものではない。さらに、実施形態のうちの1つからの種々の特徴を、実施形態の別のものに組み込むことができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、以下の特許請求の範囲に記載されている開示の範囲と一致する方法で広範に解釈されることが適切である。