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特許7566785相互接続された保管構造と共通のロボットフリートを共有する製造セルを備える製造システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】相互接続された保管構造と共通のロボットフリートを共有する製造セルを備える製造システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20241007BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20241007BHJP
   B65G 1/10 20060101ALI20241007BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20241007BHJP
【FI】
B65G1/137 A
B65G1/00 501C
B65G1/10 Z
G05B19/418 Z
【請求項の数】 53
(21)【出願番号】P 2021568303
(86)(22)【出願日】2020-06-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-18
(86)【国際出願番号】 IB2020055479
(87)【国際公開番号】W WO2020250166
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-01-14
(31)【優先権主張番号】62/860,024
(32)【優先日】2019-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520440490
【氏名又は名称】アタボティックス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ATTABOTICS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100170597
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】スコット グラヴェル
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-256799(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0305122(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
B65G 1/00
B65G 1/10
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動保管・検索(ASRS)構造、ワークピース、工具、及びワークピース支持体の供給部、ロボット保管/検索車両のフリート、前記ASRS構造の外側で連続的な配置となるように構成された複数の製造セル、並びに前記ロボット保管/検索車両の各々と動作可能に通信するコンピュータ制御システムを備える製造システムであって、
前記ASRS構造は、該ASRS構造内の複数の保管レベルで前記ASRS構造の2次元領域全体に分布する保管場所の3次元アレイを有し、
前記供給部は、商品を製造する際に使用するために前記ASRS構造の前記保管場所内に保管され、
前記フリート内の前記ロボット保管/検索車両の各々は、前記3次元アレイ内の前記保管場所にアクセスするために、3次元で前記ASRS構造内を操縦可能で、
前記ロボット保管/検索車両の各々は、前記ASRS構造の前記保管場所に保管するのに適合するサイズ及び形状の保管ユニットを運搬するように構成され、前記保管ユニットは少なくとも前記ワークピース及び前記工具を保持するように構成され、
前記保管ユニットは、前記ASRS構造の前記保管場所へ移送され、前記ASRS構造の前記保管場所から移送され、及び前記複数の製造セル間で移送されるように構成され、前記複数の製造セルの前記連続的な配置に基づいて前記保管ユニットの識別もスキャンも不要で、
前記コンピュータ制御システムは、前記複数の製造セルの各々と前記ASRS構造とを相互接続する2次元グリッド状トラック構造上での前記ロボット保管/検索車両の動きを調整し、前記ロボット保管/検索車両が、対応する作業順序に基づいてグループ化された前記保管ユニットを丁度よい時間に特定のシーケンスで前記複数の製造セルへ供給するのを始動させることで、製造処理の任意の段階でサブアセンブリを丁度よい時間での製造を容易にし、任意の数の製造処理を任意の順序で複数回完了させることを可能にする、
製造システム。
【請求項2】
請求項1に記載の製造システムであって、前記製造セルの各々は、前記製造処理の複数の処理工程の1つ以上を実行するために前記ワークピースを複数回受け取るように構成される、製造システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の製造システムであって、前記ワークピースは、前記製造処理の複数の処理工程を実行するために前記製造セルのうちの第1製造セルで受け取られ、その後、前記ASRS構造の保管場所に保管され、前記製造セルのうちの第2製造セルへの前記ワークピースの移送のために前記ASRS構造の保管場所から取り出される、製造システム。
【請求項4】
請求項1に記載の製造システムであって、
前記ASRS構造に取り付けられ、前記ASRS構造の2次元領域を超えて延びることで延長部分を規定するトラック構造をさらに備え、
前記トラック構造は、前記ロボット保管/検索車両が操縦可能で、かつ前記製造セルが分布する移動経路を規定するように構成される、
製造システム。
【請求項5】
請求項1に記載の製造システムであって、
前記工具は、前記保管ユニット内の前記ASRS構造に保管され、前記ASRS構造から取り出され、前記ロボット保管/検索車両の前記フリートによって前記複数の製造セルに供給される、
製造システム。
【請求項6】
請求項1に記載の製造システムであって、
前記保管ユニットは、前記保管場所及び前記製造セルに対して前記保管ユニットを移送する前記ロボット保管/検索車両によって運ばれるように構成され、
前記保管ユニットは、
前記各々が前記ワークピースを保持するように構成されるワークピース保管ユニットと、
各々が前記工具を保持するように構成される工具保管ユニットと、
を含む、
製造システム。
【請求項7】
請求項6に記載の製造システムであって、
前記ワークピース保管ユニットは、在庫保管ユニットとキット保管ユニットを含み、
前記在庫保管ユニットの各々は、多数の在庫ワークピースを収容するように構成され、
前記キット保管ユニットの各々は混合ワークピースのキットを収容するように構成され、前記混合ワークピースは、前記製造セルの1つに供給されると前記混合ワークピースに対して実行される製造処理に従って、前記在庫保管ユニットから取り出される、
製造システム。
【請求項8】
請求項7に記載の製造システムであって、
少なくとも1つのキッティング用作業ステーションを更に備え、
前記少なくとも1つのキッティング用作業ステーションは、該少なくとも1つのキッティング用作業ステーションで前記在庫保管ユニットから前記在庫ワークピースを取り出すことを可能にするように、前記ロボット保管/検索車両による前記ASRS構造からの前記在庫保管ユニットの供給を受け入れるように構成される、
製造システム。
【請求項9】
請求項8に記載の製造システムであって、
前記少なくとも1つのキッティング用作業ステーションは、前記ロボット保管/検索車両の前記フリートによる前記ワークピース保管ユニットの降ろしおよび前記少なくとも1つのキッティング用作業ステーションを通る前記ワークピース保管ユニットの操縦を受け入れるように構成される、
製造システム。
【請求項10】
請求項6に記載の製造システムであって、
前記製造セルの各々は、対応する製造セルでの処理を待っている前記ワークピースを保持するように構成された少なくとも1つのワークピース保持領域を備え、
前記少なくとも1つのワークピース保持領域は、該領域の上に前記ワークピース保管ユニットのうちの1つの設置を受け入れるように構成される、
製造システム。
【請求項11】
請求項1に記載の製造システムであって、
前記ワークピース支持体の各々は、商品の製造中に前記ワークピースを所定の位置に保持するように構成され、
前記ワークピース支持体は、前記ASRS構造内に保管され、
前記ワークピース支持体は、前記ASRS構造から取り出し可能であり、ロボット保管/検索車両の前記フリートによって前記製造セルに供給可能である、
製造システム。
【請求項12】
請求項11に記載の製造システムであって、
前記ワークピース支持体の各々は、前記ASRS構造の前記保管場所内に適合するように構成された前記保管ユニットの各々として標準化された形状及びサイズの共通の領域で、
前記ワークピース支持体の各々は、前記ASRS構造の前記保管場所内に適合するように構成された標準化された形状及びサイズの基部を含む、
製造システム。
【請求項13】
請求項12に記載の製造システムであって、前記ワークピース支持体の各々及び前記保管ユニットの各々は、前記ロボット保管/検索車両が前記ワークピース支持体及び前記保管ユニットと相互作用することで前記ロボット保管/検索車両へのワークピース支持体及び保管ユニットの積み下ろしを可能にするように一致するレイアウトのインターフェース特徴部を有するように構成される、製造システム。
【請求項14】
請求項1に記載の製造システムであって、前記製造セルの各々は、該製造セルでの処理を待っている前記ワークピースを保持するように構成された少なくとも1つのワークピース保持領域を備える、製造システム。
【請求項15】
請求項14に記載の製造システムであって、
前記製造セルの各々は、2つのワークピース保持領域を含み、
前記2つのワークピース保持領域のそれぞれは、該2つのワークピース保持領域のそれぞれで必要とされるワークピースのそれぞれの組を保持するように構成される、
製造システム。
【請求項16】
請求項14に記載の製造システムであって、
前記製造セルは2次元グリッド状トラック構造に配置され、
前記2次元グリッド状トラック構造は、前記ロボット保管/検索車両が2次元で操縦可能な交差するレールの組を含み、
前記2次元のそれぞれにおける前記ワークピース保持領域の幅は概して、前記2次元グリッド状トラック構造の2つの隣接する平行なレール間で測定される距離の整数倍に等しい、
製造システム。
【請求項17】
請求項16に記載の製造システムであって、前記2次元のそれぞれにおける前記ワークピース保持領域の前記幅は、前記2次元グリッド状トラック構造の前記2つの隣接する平行なレールの間で測定された距離を超えない、
製造システム。
【請求項18】
請求項14に記載の製造システムであって、
前記製造セルの各々は、前記ワークピース保持領域から前記ワークピースを取り出すように動作可能な少なくとも1つのロボットピッカーを備え、
前記製造セルの各々は、前記少なくとも1つのロボットピッカーによって取り出されたワークピースが前記ワークピース保持領域から移送される作業領域を更に備える、
製造システム。
【請求項19】
請求項16に記載の製造システムであって、
前記製造セルの少なくとも一部からなる組は、前記2次元グリッド状トラック構造に配置され、
前記一部からなる組内の前記製造セルの各々は、前記製造セルの各々で必要とされる工具を保持するように構成された少なくとも1つの工具保持領域を備え、
前記2次元のそれぞれにおける前記工具保持領域の幅は、前記2次元グリッド状トラック構造の前記2つの隣接する平行なレール間で測定される距離の整数倍に等しい、
製造システム。
【請求項20】
請求項19に記載の製造システムであって、
2つの次元のそれぞれにおける前記工具保持領域の前記幅は、前記2次元グリッド状トラック構造の前記2つの隣接する平行レールの間で測定された距離を超えない、製造システム。
【請求項21】
請求項19に記載の製造システムであって、
前記一部からなる組内の前記製造セルの各々は、前記2次元グリッド状トラック構造上に又はその内部に設置される取付け基部上に取り付けられた少なくとも1つの作業用ロボットを備え、
前記2次元のそれぞれにおける前記取付け基部の幅は、前記2次元グリッド状トラック構造の前記2つの隣接する平行なレールの間で測定される距離の整数倍に略等しい、
製造システム。
【請求項22】
請求項21に記載の製造システムであって、
前記2次元のそれぞれにおける前記取付け基部の前記幅は、前記グリッド状トラック構造の2つの隣接する平行レールの間で測定された距離を超えない、
製造システム。
【請求項23】
請求項16に記載の製造システムであって、
前記2次元グリッド状トラック構造は、正方形のスポットを含み、
前記正方形のスポットの各々は、第1方向に横たわる前記2次元グリッド状トラック構造の第1組の平行レールと、前記第1方向に垂直な第2方向に横たわる前記2次元グリッド状トラック構造の第2組の平行レールによって区切られ、
前記製造セルの各々は、所定数の前記正方形のスポットに等しい面積のセル空間を占める、製造システム。
【請求項24】
請求項23に記載の製造システムであって、
前記セル空間は正方形の空間で、該正方形の空間の面積が9つの正方形の部分空間に分割可能で、
前記9つの正方形の部分空間のそれぞれは、前記2次元グリッド状トラック構造の前記正方形のスポットの1つと面積が等しく、
前記9つの正方形の部分空間のうち4つの隅の部分空間は、前記製造セルが必要とする供給部を保持するための保持領域として構成され、
前記セル空間の対向する周縁側部の第1対において前記4つの隅の部分空間の間に配置された中間周縁部分空間の第1対は、作業用ロボットによって占有され、
前記作業用ロボットの間に位置する中央部分空間は、前記ワークピースが移送され、前記作業用ロボットによって処理される作業領域として構成される、
製造システム。
【請求項25】
請求項24に記載の製造システムであって、
前記作業領域は、前記セル空間の対向する周縁側部の第2対において前記4つの隅の部分空間の間に配置された中周部分空間の第2対に隣接し、
前記中間周縁部分空間の第2対の少なくとも1つは、前記ロボット保管/検索車両が前記作業領域に出入りするように構成された何もない開放領域である、
製造システム。
【請求項26】
請求項25に記載の製造システムであって、
前記中間周縁部分空間の第2対の両方は何もない開放領域であり、それによって前記ロボット保管/検索車両は、対応する製造セルを通って完全に移動する、
製造システム。
【請求項27】
請求項1に記載の製造システムであって、前記複数の製造セルはマルチレベル構造内に配置され、前記マルチレベル構造は、前記複数の製造セルを複数のレベルで含む、製造システム。
【請求項28】
請求項27に記載の製造システムであって、
前記複数のレベルの各々は前記2次元グリッド状トラック構造を含み、
前記2次元グリッド状トラック構造は、前記ロボット保管/検索車両が2次元で操縦可能な交差するレールの組を含み、
前記2次元グリッド状トラック構造は、複数のレベルの交差するレールを相互接続する直立フレーム部材と、
を備える、製造システム。
【請求項29】
請求項28に記載の製造システムであって、
前記直立フレーム部材は、該直立フレーム部材上での前記ロボット保管/検索車両が上昇方向及び下降方向に横断することで前記複数のレベル間を移行するように構成される、
製造システム。
【請求項30】
請求項29に記載の製造システムであって、
前記マルチレベル構造の前記複数のレベルの1つにおける前記2次元グリッド状トラック構造は、前記ロボット保管/検索車両が前記ASRS構造と前記マルチレベル構造との間を移行する前記ASRS構造における前記保管レベルのうちの対応する保管レベルに取り付けられる、
製造システム。
【請求項31】
請求項1又は16に記載の製造システムであって、
前記製造セルは、完全自動化製造セル、及び、前記ロボット保管/検索車両が前記2次元で操縦可能な交差レールの組を含む前記2次元グリッド状トラック構造に関して構成された人間関与型製造セルを含み、
前記完全自動化製造セルは、前記2次元グリッド状トラック構造の主要な内部領域全体に分布した位置に配置され、
前記人間関与型製造セルは、前記2次元グリッド状トラック構造の外周領域に配置されている、
製造システム。
【請求項32】
請求項8に記載の製造システムであって、
前記コンピュータ制御システムは、通信ネットワークに結合されたネットワークインターフェースと、該ネットワークインターフェースに結合された少なくとも1つのプロセッサと、該プロセッサに通信可能に結合された非一時的コンピュータ可読記憶媒体とを含み、
前記非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラム命令を保管するように構成され、前記コンピュータプログラム命令は、プロセッサにより実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに前記ロボット保管/検索車両を起動させて、(a) 前記ASRS構造内部及び前記製造セル全体を移動する工程、(b) 前記ASRS構造の前記保管場所に保管される前記保管ユニットに含まれる前記ワークピースを取り出す工程、(c) 前記キット保管ユニットにキッティングするために前記少なくとも1つのキッティング用作業ステーションに前記保管ユニットに含まれる前記ワークピースを供給する工程、
(d)前記少なくとも1つのキッティング用作業ステーションから前記キット保管ユニットを取り出す工程、(e)前記ASRS構造の前記保管場所に前記キット保管ユニットを返却して保管する工程、(f)前記キット保管ユニットのうちの少なくとも1つと、前記保管ユニットに含まれる前記ワークピースと、前記保管ユニットに含まれる前記工具と、前記ワークピース支持体を前記ASRS構造から取り出す工程、(g)前記キット保管ユニットと、前記保管ユニットに含まれる前記ワークピースと、前記保管ユニットに含まれる前記工具と、前記ワークピース支持体を、商品の製造のために前記製造セルに供給する工程、並びに(h)前記商品を最終ワークピース支持部上で前記ASRS構造に誘導する工程、
を実行させる。
製造システム。
【請求項33】
自動保管・検索(ASRS)構造、ワークピース、工具、及びワークピース支持体の供給部、ロボット保管/検索車両のフリート、前記ASRS構造の外側に配置された複数の製造セル、コンピュータ制御システム、並びにトラック構造を備える製造システムであって、
前記ASRS構造は、該ASRS構造内の複数の保管レベルで前記ASRS構造の2次元領域全体に分布する保管場所の3次元アレイを有し、
前記ASRS構造は、2次元グリッド状トラックレイアウトを含む少なくとも1つのトラック配備レベルをさらに備え、
前記供給部は、商品を製造する際に使用するために前記ASRS構造の前記保管場所内に保管され、
前記フリートは、前記2次元グリッド状トラックレイアウト上を少なくとも2次元で前記ASRS構造内を操縦可能で、
前記ロボット保管/検索車両の各々は、前記ASRS構造の前記保管場所に保管するのに適合するサイズ及び形状の保管ユニットを運搬するように構成され、前記保管ユニットは少なくとも前記ワークピース及び前記工具を保持するように構成され、
前記複数の製造セルの各々は複数のモジュール部品を含み、
前記複数の製造セルは、前記ASRS構造の外側で連続的な配置となるように構成され、
前記保管ユニットは、前記ASRS構造の前記保管場所へ移送され、前記ASRS構造の前記保管場所から移送され、及び前記複数の製造セル間で移送されるように構成され、前記複数の製造セルの前記連続的な配置に基づいて前記保管ユニットの識別もスキャンも不要で、
前記トラック構造は、前記ASRS構造に接続され、かつ、前記ASRS構造から前記ロボット保管/検索車両が横断可能な操縦経路を割り付け、
前記複数の製造セルの少なくとも一部からなる組は前記トラック構造に沿って配置され、
前記コンピュータ制御システムは、前記複数の製造セルの各々と前記ASRS構造とを相互接続する2次元グリッド状トラック構造上での前記ロボット保管/検索車両の動きを調整し、前記ロボット保管/検索車両が、対応する作業順序に基づいてグループ化された前記保管ユニットを丁度よい時間に特定のシーケンスで前記複数の製造セルへ供給するのを始動させることで、製造処理の任意の段階でサブアセンブリを丁度よい時間での製造を容易にし、任意の数の製造処理を任意の順序で複数回完了させることを可能にする、
製造システム。
【請求項34】
請求項33に記載の製造システムであって、前記トラック構造は、前記ロボット保管/検索車両が前記少なくとも2次元で操縦可能な交差レールの組を含むグリッド状トラック構造である、製造システム。
【請求項35】
請求項34に記載の製造システムであって、前記複数のモジュール部品は面積を有し、前記少なくとも2次元のうちの少なくとも1次元における前記面積の幅は、前記グリッド状トラック構造の2つの隣接する平行なレールの間で測定される距離の整数倍に略等しい、製造システム。
【請求項36】
請求項34に記載の製造システムであって、前記2次元のうちの1次元における前記複数のモジュール部品の面積の幅は、前記グリッド状トラック構造の2つの隣接する平行レールの間で測定された距離を超えない、製造システム。
【請求項37】
請求項35に記載の製造システムであって、
前記工具は、前記保管ユニット内の前記ASRS構造内部に保管され、
前記工具は、前記ASRS構造から取り出し可能であり、ロボット保管/検索車両の前記フリートによって前記製造セルに供給可能である、
製造システム。
【請求項38】
請求項33に記載の製造システムであって、前記モジュール部品の各々は、前記複数の製造セルの各々が要求する供給部を保持するように構成される保持ステーションモジュールを含む、製造システム。
【請求項39】
請求項38に記載の製造システムであって、
前記保管ユニットは、前記保管場所及び前記製造セルに対して前記保管ユニットを移送する前記ロボット保管/検索車両によって運ばれるように構成され、
前記保持ステーションモジュールは、前記保管ユニットを受けるように構成される、
製造システム。
【請求項40】
請求項33に記載の製造システムであって、
前記保管ユニットは、
各々が前記ワークピースを保持するように構成される複数のワークピース保管ユニット、
各々が前記工具を保持するように構成される複数の工具保管ユニット、
を含む、
製造システム。
【請求項41】
請求項33に記載の製造システムであって、前記トラック構造は、前記ASRS構造のトラック装備レベルの前記2次元グリッド状トラックレイアウトを延長したものである、製造システム。
【請求項42】
製造システム内でワークフローを実行する方法であって、(a) 前記製造システムの自動保管・検索システム(ASRS)構造内において、ワークピース、工具、及びワークピース支持体を前記ASRS構造のそれぞれの保管場所に保管する工程であって、前記ワークピースは、前記保管場所のワークピース保管ユニットに保管され、前記工具は前記保管場所の工具保管ユニット内に保管される工程と、(b) 前記ASRS構造内部で操縦可能なロボット保管/検索車両のフリートを用い、前記ASRS構造外部に配置されて前記ASRS構造に隣接する複数の製造セルで実行される複数の製造処理の要件に従って、前記ASRS構造から前記ワークピース保管ユニットと複数の選択されたワークピース支持体を取り出し、前記ASRS構造外部で前記複数の製造セルが連続的に配置されていることに基づいて前記保管ユニットの識別もスキャンも不要な前記複数の製造セルへ、前記ワークピース保管ユニットと前記選択されたワークピース支持体を別個に供給する工程と、(c) 前記複数の製造セルの各々にて、前記複数の製造セルの作業体がアクセス可能な複数の作業位置に前記選択されたワークピース支持体を配置する工程と、(d) 前記複数の製造セルにて、前記選択されたワークピース支持体を前記作業位置に維持した状態で、(i) 前記ワークピースを前記ワークピース保管ユニットから前記複数の選択されたワークピース支持体へ搬送する工程と、(ii) 前記複数の選択されたワークピース支持体上に保持される前記ワークピースに前記製造処理の処理工程を実行する工程と、(e) コンピュータ制御システムによって、前記複数の製造セルの各々と前記ASRS構造とを相互接続する2次元グリッド状トラック構造上での前記ロボット保管/検索車両の動きを調整し、前記ロボット保管/検索車両が、対応する作業順序に基づいてグループ化された前記保管ユニットを丁度よい時間に特定のシーケンスで前記複数の製造セルへ供給するのを始動させることで、製造処理の任意の段階でサブアセンブリを丁度よい時間での製造を容易にし、任意の数の製造処理を任意の順序で複数回完了させることを可能にする、工程、
を有する方法。
【請求項43】
請求項42に記載の方法であって、前記ASRS構造内部で操縦可能なロボット保管/検索車両のフリートを用いる工程は、前記ロボット保管/検索車両を用いて、前記ワークピース保管ユニットと前記複数の選択されたワークピース支持体の両方の取り出し並びに前記ASRS構造から前記複数の製造セルへの前記ワークピース保管ユニットと前記複数の選択されたワークピース支持体の両方の供給を実行する工程を含む、方法。
【請求項44】
請求項42に記載の方法であって、
前記ワークピース、前記工具、及び前記ワークピース支持体を前記ASRS構造のそれぞれの保管場所に保管する工程は、
前記製造処理に用いられる前記工具を保持するように構成される工具保管ユニットを前記ASRS構造内に保管する工程と、
前記複数の選択されたワークピース支持体上に保持される前記ワークピースに前記製造処理の処理工程を実行する工程の前に、前記ロボット保管/検索車両のうちの1つを用いて、前記ASRS構造から前記工具保管ユニットの一部からなる組を取り出し、前記工具保管ユニットの一部からなる組を前記複数の製造セルへ供給する工程、
をさらに有する方法。
【請求項45】
請求項42又は44に記載の方法であって、
前記複数の選択されたワークピース支持体上に保持される前記ワークピースに前記製造処理の処理工程を実行する工程は、前記複数の製造処理の前記複数の処理工程を実行する前に、複数の作業用ロボットによって前記複数のワークピースに実行される前記複数の製造処理の要件に従って、前記工具保管ユニットの一部からなる組から選択された工具を前記複数の製造セルの前記作業用ロボットに取り付ける工程を含む、
方法。
【請求項46】
請求項42に記載の方法であって、
前記ワークピース保管ユニットと複数の選択されたワークピース支持体を取り出す工程はさらに、
少なくとも2つのワークピース保管ユニットを、ある製造セルの2つのそれぞれの保持領域に供給する工程と、
前記2つのそれぞれの保持領域に停留された2つのワークピース保管ユニットから2つのワークピースを、ある選択されたワークピース支持体上へそれぞれ移送する工程、
を含む、方法。
【請求項47】
請求項42に記載の方法であって、
選択されたワークピースが既に取り除かれ、かつ、前記複数の製造セルでの前記複数の製造処理にとってさらなるワークピースが要求されない不要又は空のワークピース保管ユニットを前記複数の製造セルから取り除く工程と、
前記ロボット保管/検索車両のうちの1つを用いて、追加のワークピースを含む追加のワークピース保管ユニットを前記複数の製造セルへ供給する工程、
をさらに有する方法。
【請求項48】
請求項47に記載の方法であって、
前記追加のワークピースは、前記製造セルで実行される別の製造処理で使用するためのもので、
前記選択されたワークピース支持体及び該選択されたワークピース支持体に取り付けられた前記ワークピースを前記製造セルから取り除く工程と、
前記ロボット保管/検索車両のうちの1つを用いて、前記別の製造処理で用いため、他のワークピース支持体を前記製造セルへ供給する工程と、
前記他のワークピース支持体を作業位置で支持する工程と、
前記追加のワークピースを、前記製造セルへ供給された前記追加のワークピース保管ユニットから前記他のワークピース支持体へ搬送する工程と、
前記追加のワークピースに前記別の製造処理の複数の処理工程を実行する工程、
方法。
【請求項49】
請求項48に記載の方法であって、
前記追加のワークピース保管ユニットを前記製造セルへ供給した前記ロボット保管/検索車両とは異なるロボット保管/検索車両を用いる前記不要又は空のワークピース保管ユニットを取り除く工程をさらに有する、方法。
【請求項50】
請求項42に記載の方法であって、前記複数の製造セルにて前記複数のワークピースの処理によって完成品を完成させた後、前記ロボット保管/検索車両のうちの1つ上の前記ASRS構造へ前記完成品を導入する工程をさらに有する方法。
【請求項51】
請求項42に記載の方法であって、前記製造セルで前記ワークピースを処理することによって完成品を完成させた後、前記完成品を完成させるために最終処理工程が実行された最終ワークピース支持体上の前記ASRS構造へ前記完成品を導入する工程をさらに有する方法。
【請求項52】
請求項42に記載の方法であって、前記複数の製造処理の要件に従って様々なワークピースのキットで前記ワークピース保管ユニットの各々を充填する工程をさらに有する方法。
【請求項53】
請求項52に記載の方法であって、
前記ワークピース保管ユニットの各々の充填は、前記ASRS構造へ接続されるキッティング作業ステーションで実行され、
前記キッティング作業ステーションでは、
前記ロボット保管/検索車両のフリートは、前記ASRS構造内のそれぞれの保管位置から取り出された在庫保管ユニットを供給するように構成され、前記在庫保管ユニットは在庫ワークピースを収容するように構成され、
前記キットの前記様々なワークピースは、前記在庫保管ユニット内に保管される前記在庫ワークピースから取り出され、前記ワークピース保管ユニットにまとめられ、
前記ワークピース保管ユニットの各々は、前記ロボット保管/検索車両によって前記キッティング作業ステーションから運び去られ、その後前記ASRS構造から取り出すため、前記ASRS構造内の保管場所のそれぞれの場所に堆積される、
方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2019年6月11日に米国特許商標庁(USPTO)に出願された出願番号62/860,024の「相互接続された保管構造と共通のロボットフリートを共有する製造セルを備える製造施設」と題する仮特許出願の優先権とその利益を主張するものである。上記参照特許出願の明細書は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本明細書の実施形態は概して製造に関する。より詳細には、本明細書の実施形態は、相互接続された自動保管・検索システム(ASRS)と、ロボット保管/検索車両(RSRV)の共通のフリートとを共有する製造セルを備える製造システムに関する。前記RSRV は、ASRS構造内を操縦し、前記ASRS構造から当該製造システムの様々な製造セルに部品類を供給する。
【背景技術】
【0003】
製造における自動化とは、一般に、加工、組立、材料処理などの機械的反復作業を完全に自動で実行するシステムを実装することを意味する。自動化された製造は、製造処理の工程を自動化する工程に加えて、製造施設の様々な製造セルで必要とされる特定の部品類-ワークピース、ワークピース支持体、工具など-を、製造セルのそれぞれで実施される特定の製造処理に従って供給することを自動化する工程を含む。自動化技術の進歩に伴い、製造施設におけるほとんどの作業は、通常、最小限の人間の介入で自動機械やロボットを用いて行われている。自動化された製造設備では、加工作業の順序が製造装置の構成によって固定されており、ある順序から別の順序に変更することができないものもある。プログラマブル・オートメーションを実装している他の自動製造設備では、注文ごとに製造装置の再プログラミング及び切り替えは時間がかかり、不稼働時間を長くなしてしまうため、製造率が低下してしまう。製造装置の時間集約的な再プログラミング及び切り替えを考慮するために、他の自動化製造設備は、製造される商品の数及び種類を実質的に制限し、それによって製造率をさらに低下させる。
【0004】
従来、製造は直線的なワークフローに従うものであり、その直線的なワークフローでは、各製造工程は、コンベヤシステム又は搬送経路の典型的な一方向の流れによって規定される順序で発生する。一旦ワークフローが設計され、コンベヤが工場フロアにボルトで固定されると、製造ワークフローは、変化する要件に合わせて変更することが実質的に困難になる。カスタマイズされた製品への顧客の期待が急速に高まる中、メーカーは顧客体験を重視することで差別化を図ろうとしている。そのため、自動化システムや製造システムには、状況の変化に容易かつ柔軟に対応できる能力が求められす。
【0005】
従来の製造施設は、散在して、ほとんど切り離された、あるいはは分離したラインに分けられた2つ以上の製造領域を含む。そのライン中で製造セルは、広範囲で長距離のコンベヤシステムと搬送路によって相互に連結される。従来の製造施設のレイアウトは典型的には、広範囲で長距離のコンベヤシステム、ラック間の多数の通路、及び、広く間隔をあけて不連続な製造領域に依存しているため、空間、サービス及び設備を大量に必要とする。従来のシステムは、各製造工程を、固定されたベルトコンベア又は地上の輸送手段で結ばれた独立した工程管理部によって管理される別々の機能に分ける。製造処理には通常、サブアセンブリの受入工程、キッティング工程、及び構築工程、並びに最終組立工程が含まれる。これらの工程は通常、リニアコンベア又は地上搬送で接続された独立した製造装置によって提供される別個の工程である。組立工程によっては、製造セルは通常、最終組立を完了するために必要な多くの輸送経路を持つ単一のサブアセンブリ向けに構成される。長距離コンベアや地上輸送を必要としない単一の自動材料処理システムと、必要に応じてソフトウェア的に構成可能であり、プログラム可能である製造セルによってすべての製造処理を完了させることが必要とされている。
【0006】
一部の製造工場で使用されている自動保管・検索システム(ASRS)は通常、製造セルから切り離されているため、製造セルで製造処理を実行するために必要であってASRSに保管される部品類にアクセスすることが困難になっている。しかもASRS装置は、適切な時間と順序でサービス領域に商品を届けるために、下流での仕分けによる解決法に依存している。ワークピースやワークピースキットと共に関連する工具やワークピース支持体などの豊富な部品類への便利なアクセスを提供することで商品の製造を最適化するため、拡張可能な製造セルをASRSに接続することによって相当量の在庫を処理できるASRSを製造環境に統合することが求められている。しかも多種多様な製造処理のために動作中の製造セルを設定し、すべての製造セル間で物品を任意の順序で搬送し、それによって任意の数の処理を任意の順序で複数回完了させることを可能にする必要がある。さらに、製造処理の任意の工程でサブアセンブリをちょうどよい時間に製造するために、ワーク、工具、およびワークピース支持体を製造セルにちょうどよい時間に供給することが求められている。
【0007】
従来の製造アプローチのもう一つの困難は、一方通行のコンベア及び処理間での流通路に依存するため、流通量が異なる場合にはバッファ保管が必要となることである。バッファ保管がなければ、上流処理が任意の時間で下流処理よりも速く商品を処理する場合、材料はすぐに蓄積され、システムを停止させるほどの量になってしまう恐れがある。各処理のバッファ保管は複雑でコストがかかるため、従来の自動化による解決法では、装置とワークフローの設計を前もって慎重に行い、運転中は工程間で許容できるフローを確保するために細心の注意を払って管理することで問題を解決しようと試みている。その結果、一度確立されたワークフローは柔軟に変更することができず、メーカーは不測の事態による中断に対して脆弱なままである。
【0008】
しかも従来の方法では、ワークピースなどの部品は、ある製造セルから別の製造セルへ物理的に移動させなければならない。さらに各製造セルは、例えばバーコードスキャン、無線周波数識別(RFID)スキャンなどによって部品類を受け取り、識別して、工程管理部間での保管の論理的移転を完了するが、これは、従来の物流の別の欠点である。さらに、従来の自動化された解決法は、数キロメートルに及ぶ地面に固定されたコンベヤ又は走行路に依存するため、操作全体の面積は相対的に大きくなる。コンベヤシステム及び作業ステーション上方の垂直空間のほとんどが使用されないためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って関連技術に関連する上述の問題に対処しつつ、時間、空間及びサービス効率で商品を製造するために、相互接続したASRS、及び、ASRS構造内を操縦し、ASRS構造から製造システムの様々な製造セルに部品類を供給するロボット保管/検索車両(RSRV)の共通のフリートが共有される製造セルを有する製造システムが長い間必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この要約は、詳細な説明でさらに開示される概念の選択を簡略化した形で紹介するために提供される。この要約は、請求された主題の範囲を決定することを意図していない。
【0011】
本明細書における実施形態は、相互接続された自動保管及び検索システム(ASRS)と製造セルを備える製造システムであって、前記製造セルは、時間、空間及びサービス効率良く商品を製造するため、ASRS構造内を操縦し、前記ASRS構造から当該製造システムの様々な製造セルに部品類を供給するロボット保管/検索車両(RSRV)の共通のフリートを共有する製造システムに対する上述の必要性に対処するものである。本明細書に開示される製造システムは、変化する条件に容易かつ柔軟に適応可能である。本明細書の実施形態は、長距離コンベア又は地上輸送を必要としない単一の自動化製造システムによって全ての製造処理を完了することを可能にし、前記製造セルは必要に応じてソフトウェア的に構成可能である。本明細書の実施形態は、商品の製造を最適化するために、拡張可能な製造セルをASRSに接続してワークピース及びワークピースキットと共に関連する工具及びワークピース支持体などの部品類の複数の項目への便利なアクセスを提供することによって、かなりの量の在庫を取り扱うことができるASRSを製造環境に統合する。
【0012】
本明細書に開示される製造システムにおいて、前記製造セルは、多種多様な製造処理のために動作中に必要に応じて構成可能である。しかも当該製造システムは、コンベアを用いて直線的にではなく、すべての製造セル間で任意の順序及びシーケンスで部品類及び物品を搬送し、それによって、任意の数の処理を任意の順序で複数回完了させることができる。さらに本明細書で開示される製造システムは、製造処理の任意の工程でのサブアセンブリのジャストインタイム製造のために、前記製造セルへの部品類のジャストインタイム搬入を実行する。さらに本明細書に開示される製造システムは、前記製造セルで実行される処理の間に前記ASRS構造における部品類及び完成品のバッファリングを可能にする。さらに前記ASRS構造の各々と前記ASRS構造の外側の前記製造セルとの間の連続性は、前記部品類及び前記完成品の識別又はスキャンすることなく前記部品類及び前記完成品の直接的な物理的移送を可能にする。
【0013】
本明細書に開示される製造システムは、ASRS構造、ワークピース供給部、及びRSRVのフリートを含む保管装置を備える。前記ASRS構造は、該ASRS構造内の複数の保管レベルで前記ASRS構造の2次元(2D)領域全体に分布する保管場所の3次元(3D)アレイを有する。前記ワークピース供給部は、前記ワークピースから商品を製造する際に使用するために前記ASRS構造の前記保管場所内に保管される。前記フリート内の前記RSRVの各々は、前記3Dアレイ内の前記保管場所にアクセスするために、3次元で前記ASRS構造内を操縦可能である。ある実施形態では、前記ASRS構造は、2Dグリッド状トラックレイアウトを有する少なくとも1つのトラックを備えるレベルを含む。RSRVの前記フリートは、前記2Dグリッド状トラックレイアウト上において少なくとも2次元で前記ASRS構造内を操縦可能である。本明細書に開示される製造システムは、前記ASRS構造の外側に配置された複数の製造セルをさらに備える。ある実施形態では、本明細書に開示される製造システムは、前記ASRS構造に取り付けられ、前記ASRS構造の2D領域を超えて延びることでその延長部分を規定するトラック構造をさらに備える。ある実施形態では、前記トラック構造は、ASRS構造のトラック装備レベルの2Dグリッド状トラックレイアウトを延長したものである。前記トラック構造は、前記RSRVが操縦可能で、かつ前記製造セルが分布する1つ以上の移動経路を規定するように構成される。前記ASRS構造内を3次元で操縦可能なRSRVの同一フリートは、前記製造セルに前記ワークピースを供給するように動作可能である。ある実施形態では、前記ワークピースは、任意の順序で前記製造セルの各々の間で搬送可能である。別の実施形態では、前記ワークピースは、製造処理の複数の処理工程のうちの1つ以上を実行するために前記製造セルのうちの第1製造セルで受け取られ、その後、前記ASRS構造の保管場所に保管され、前記製造セルのうちの第2製造セルへの前記ワークピースの移送のために前記ASRS構造の保管場所から取り出される。別の実施形態では、前記製造セルの各々は、製造処理の処理工程の1つ以上を実行するために前記ワークピースを複数回受け取るように構成される。
【0014】
ある実施形態では、本明細書に開示される製造システムの保管装置は、商品の製造に使用するための工具の供給部を更に備える。前記工具は、前記ワークピースと同一のASRS構造に保管される。前記工具は、前記同一のASRS構造から取り出し可能であり、RSRVの同一フリートによって前記製造セルに供給可能である。
【0015】
ある実施形態では、本明細書に開示される製造システムの保管装置は、前記ASRS構造の保管場所に保管するのに適合するサイズ及び形状の保管ユニットの供給部を更に備える。前記保管ユニットは、前記保管場所及び前記製造セルに対して前記保管ユニットを移送する前記RSRVによって運ばれるように構成される。ある実施形態では、前記保管ユニットは、ワークピース保管ユニット若しくは工具保管ユニット又はそれらの任意の組み合わせを含む。前記ワークピース保管ユニットの各々は、前記ワークピースの1つ以上を保持するように構成される。前記工具保管ユニットの各々は、前記工具の1つ以上を保持するように構成される。ある実施形態では、前記製造セルは、前記ASRS構造の外側で連続的に配置されるように構成される。この実施形態では、前記保管ユニットは、前記製造セルの連続的な配置により、前記保管ユニットの識別が不要で、前記ASRS構造の保管場所へ/から移送され、及び前記製造セル間で移送されるように構成されている。
【0016】
ある実施形態では、前記ワークピース保管ユニットは、在庫保管ユニットとキット保管ユニットを含む。前記在庫保管ユニットの各々は、多数の在庫ワークピースを収容するように構成される。前記キット保管ユニットの各々は、前記製造セルの1つに供給されると混合ワークピースに対して実行される製造処理に従って、前記在庫保管ユニットの1つ以上から取り出された混合ワークピースのキットを収容するように構成されている。別の実施形態では、本明細書に開示される製造システムは、少なくとも一つのキッティング作業ステーションを更に備える。前記キッティング作業ステーションは、該(複数の)キッティング作業ステーションで前記在庫保管ユニットから前記在庫ワークピースを取り出すことを可能にするように、前記RSRVによる前記ASRS構造からの前記在庫保管ユニットの供給を受け入れるように構成される。ある実施形態では、前記キッティング作業ステーションは、RSRVの同一フリートによるワークピース保管ユニットの降ろしおよび/または前記キッティング作業ステーションを通る前記ワークピース保管ユニットの走行を受け入れるように構成される。
【0017】
ある実施形態では、本明細書に開示される製造システムの保管装置は、ワークピース支持体の供給部をさらに備える。前記ワークピース支持体の各々は、商品の製造中に前記ワークピースの1つ以上を所定の位置に保持するように構成される。前記ワークピース支持体は、前記ワークピースと同一のASRS構造内に保管される。前記ワークピース支持体は、同じASRS構造から取り出し可能であり、RSRVの前記同一フリートによって前記製造セルに供給可能である。ある実施形態では、前記ワークピース支持体の各々は、前記ASRS構造の前記保管場所内に適合するように構成された互換性のサイズ及び形状の保管ユニットの供給部の各々として、標準化された形状及びサイズの共通の領域である。前記ワークピース支持体の各々は、前記ASRS構造の前記保管場所内に適合するように構成された標準化された形状及びサイズの基部を含む。ある実施形態では、前記ワークピース支持体の各々及び前記保管ユニットの各々は、前記RSRVが前記ワークピース支持体及び前記保管ユニットと相互作用することで前記RSRVへのワークピース支持体及び保管ユニットの積み下ろしを可能にするように一致するレイアウトのインターフェース特徴部を有するように構成される。
【0018】
ある実施形態では、前記ASRS構造の保管場所内に保管される前記ワークピースの供給部に加えて、前記保管装置は、前記ASRS構造内に保管される工具の供給部又はワークピース支持体の供給部のいずれかを含む。前記工具の各々は、前記商品の製造中に前記ワークピースの1つ以上に対する製造処理の1つ以上の処理工程の実行に有用である。前記ワークピース支持体の各々は、前記商品の製造中に前記ワークピースの1つ以上を所定の位置に保持するように構成される。この実施形態では、RSRVのフリートは、前記保管場所から前記ワークピースと、前記工具及び前記ワークピース支持体のうちの少なくとも1つとの両方を取り出すように動作可能である。前記ASRS構造内を3次元で操縦可能なRSRVの同一のフリートは、前記製造セルの間で、例えば、前記ワークピースと前記工具及び/又は前記ワークピース支持体のような供給品又は部品類を供給するように動作可能である。ある実施形態では、前記部品類は、任意の順序で前記製造セルの各々の間で搬送可能である。別の実施形態では、前記製造セルの各々は、前記製造処理の1つ以上の処理工程の実行のために前記部品類を複数回受け取るように構成される。
【0019】
ある実施形態では、前記製造セルの各々は、対応する製造セルでの処理を待っている前記ワークピースを保持するように構成された少なくとも1つのワークピース保持領域を備える。前記(複数の)ワークピース保持領域は、その上に前記ワークピース保持ユニットのうちの1つの設置を受け入れるように構成される。ある実施形態では、前記ワークピース保持領域は、2つのワークピース保持領域を含む。前記2つのワークピース保持領域のそれぞれは、前記対応する製造セルで必要とされるワークピースのそれぞれの組を保持するように構成される。
【0020】
ある実施形態では、前記製造セルの少なくとも一部からなる組は、前記トラック構造に配置されるか、又は前記トラック構造の領域内に配置される。ある実施形態では、前記トラック構造は、前記RSRVが2次元で操縦可能な交差するレールの組を含むグリッド状のトラック構造である。ある実施形態では、前記2次元のそれぞれにおける前記ワークピース保持領域の幅は概して、前記グリッド状トラック構造の2つの隣接する平行なレール間で測定される距離の整数倍に等しい。別の実施形態では、前記2次元のそれぞれにおける前記ワークピース保持領域の幅は、グリッド状トラック構造の2つの隣接する平行なレールの間で測定された距離を超えない。
【0021】
ある実施形態では、前記グリッド状トラック構造は、正方形のスポットを含む。前記正方形のスポットの各々は、第1方向に横たわる第1組の平行レールと、前記第1方向に垂直な第2方向に横たわる第2組の平行レールによって区切られる。前記製造セルの各々は、所定数の前記正方形のスポットに等しい面積のセル空間を占める。ある実施形態では、少なくとも1つのセル空間は、その面積が9つの正方形の部分空間に分割可能な正方形の空間である。前記9つの正方形の部分空間のそれぞれは、前記グリッド状トラック構造の前記正方形のスポットの1つと面積が等しい。前記9つの正方形の部分空間のうち4つの隅の部分空間は、対応する製造セルが必要とする供給部を保持するための保持領域として構成される。ある実施形態において、前記セル空間の対向する周縁側部の第1対において前記4つの隅の部分空間の間に配置された中間周縁部分空間の第1対は、作業用ロボットによって占有される。ある実施形態では、前記作業用ロボットの間に位置する中央部分空間は、前記ワークピースが移送され、前記作業用ロボットによって前記ワークピースが処理される作業領域として構成される。ある実施形態では、前記作業領域は、前記セル空間の対向する周縁側部の第2対において前記4つの隅の部分空間の間に配置された中周部分空間の第2対によって隣接している。ある実施形態では、前記中間周縁部分空間の第2対の少なくとも1つは、前記RSRVが前記作業領域に出入りするように構成された何もない開放領域である。別の実施形態では、前記中間周縁部分空間の第2対の両方は何もない開放領域であり、それによって前記RSRVは、対応する製造セルを通って完全に移動するように構成される。
【0022】
ある実施形態では、前記製造セルの各々は、前記ワークピース保持領域から前記ワークピースを取り出すように動作可能な少なくとも1つのロボットピッカーを備える。別の実施形態では、前記製造セルの各々は、前記(複数の)ロボットピッカーによって取り出されたワークピースが前記ワークピース保持領域から移送される作業領域を更に備える。
【0023】
ある実施形態では、前記部分空間内の前記製造セルの各々は、対応する製造セルで必要とされる工具を保持するように構成された少なくとも1つの工具保持領域を備える。ある実施形態では、2つの次元のそれぞれにおける前記工具保持領域の幅は、前記グリッド状トラック構造の2つの隣接する平行なレールの間で測定された距離に略等しい。別の実施形態では、2つの次元のそれぞれにおける前記工具保持領域の幅は、前記グリッド状トラック構造の2つの隣接する平行レールの間で測定された距離を超えない。ある実施形態では、前記部分空間内の前記製造セルの各々は、前記グリッド状トラック構造上に又はその内部に設置される取付基部上に取り付けられた少なくとも1つの作業用ロボットを備える。ある実施形態では、2つの次元のそれぞれにおける前記取付け基部の幅は、前記グリッド状トラック構造の2つの隣接する平行なレールの間で測定される距離の整数倍に略等しい。別の実施形態では、2つの次元のそれぞれにおける前記取付け基部の幅は、前記グリッド状トラック構造の2つの隣接する平行レールの間で測定された距離を超えない。
【0024】
ある実施形態では、本明細書に開示される製造システムの製造セルは、複数のレベルの製造セルを含むマルチレベル構造で構成される。ある実施形態では、前記マルチレベル構造は、各レベルのグリッド状トラック構造及び直立フレーム部を備える。前記グリッド状トラック構造は、前記RSRVが2次元で操縦可能な交差するレールの組を含む。前記直立フレーム部材は、前記レベルの交差するレールを相互に接続する。ある実施形態では、前記直立フレーム部の1つ以上は、該1つ以上の直立フレーム部上での前記RSRVが上昇方向及び/又は下降方向に横断することで前記レベル間を移行するように構成されている。ある実施形態では、前記マルチレベル構造のレベルの1つにおける前記グリッド状トラック構造は、前記RSRVが前記ASRS構造と前記マルチレベル構造との間を移行するように構成されている前記ASRS構造における前記保管レベルのうちの対応する保管レベルに取り付けられる。
【0025】
ある実施形態では、前記製造セルは、完全自動化製造セル、及び、前記グリッド状トラック構造に関して構成された1つ以上の人間関与型製造セルを含む。前記完全自動化製造セルは、前記グリッド状トラック構造の主要な内部領域全体に分布した位置に配置される。前記人間関与型製造セルは、前記グリッド状トラック構造の外周領域に配置されている。
【0026】
ある実施形態では、本明細書に開示される製造システムは、RSRVのフリートと動作可能に通信するコンピュータ化された制御システム(CCS)をさらに含む。前記CCSは、通信ネットワークに結合されたネットワークインターフェースと、該ネットワークインターフェースに結合された少なくとも1つのプロセッサと、該プロセッサに通信可能に結合された非一時的コンピュータ可読記憶媒体とを含む。前記非一時的コンピュータ可読記憶媒体-例えばメモリユニット-は、コンピュータプログラム命令を保管するように構成される。前記コンピュータプログラム命令は、(複数の)プロセッサにより実行されると、前記(複数の)プロセッサに前記RSRVの一つ以上を起動させて、(a)前記ASRS構造内部及び/又は前記製造セル全体を移動する工程、(b)前記ASRS構造の前記保管場所から1つ以上の保管ユニットに含まれる前記ワークピースの1つ以上を取り出す工程、(c)1つ以上のキット保管ユニットにキッティングするために少なくとも1つのキッティング作業ステーションに1つ以上の保管ユニットに含まれる前記1つ以上のワークピースを供給する工程、(d)前記キッティング用作業ステーションから1つ以上のキット保管ユニットを取り出す工程、(e)前記ASRS構造の前記保管場所に1つ以上のキット保管ユニットを返却して保管する工程、(f)1つ以上のキット保管ユニットと、前記保管ユニットのうちの別の1つ以上に含まれる前記ワークピースの1つ以上と、前記保管ユニットのうちの別の1つ以上に含まれる1つ以上の工具、及び1つ以上のワークピース支持体の少なくとも1つを同一ASRS構造から取り出す工程、(g)1つ以上のキット保管ユニット、他の1つ以上の保管ユニットに含まれる前記ワークピースの1つ以上と、他の1つ以上の保管ユニットに含まれる1つ以上の工具と、1つ以上のワークピース支持体とのうちの少なくとも1つを、商品の製造のために前記製造セルに供給する工程、並びに(h)商品を最終ワークピース支持部上で前記ASRS構造に誘導する工程、のうちの一つ以上を実行させる。
【0027】
製造システムにおいてワークフローを実行するための方法も本明細書に開示されている。本明細書で開示される方法では、ワークピース及びワークピース支持体は、前記ASRS構造のそれぞれの保管場所に保管される。前記ワークピースは、前記保管場所のワークピース保管ユニットに保管される。ある実施形態では、前記ワークピース保管ユニットの各々は、前記製造処理の要件に従って、様々なワークピースのキットで充填される。ある実施形態では、前記ワークピース保管ユニットの各々は、前記ASRS構造に接続されるキッティング作業ステーションで充填される。前記キッティング作業ステーションにおいて、RSRVのフリートは、前記ASRS構造内のそれぞれの保管場所から取り出された在庫ワークピースを含む在庫保管ユニットを供給するように構成される。前記キットの様々なワークピースが前記在庫保管ユニット内の在庫ワークピースから取り出され、前記ワーク保管ユニットにまとめられる。前記ワークピース保管ユニットのそれぞれは、前記RSRVの1つによって前記キッティング作業ステーションから運び去られ、後続の前記ASRS構造からの取り出しのため、前記ASRS構造内の保管場所のそれぞれの場所に堆積される。
【0028】
ある実施形態では、前記製造処理で使用するための工具を保持するように構成された工具保管ユニットが、前記ASRS構造に保管される。前記ASRS構造内で操縦可能なRSRVのフリートを用いて、前記ワークピース保管ユニットの1つ以上及び選択されたワークピース支持体は、前記ASRS構造外部に配置された製造セルで実行されるべき製造処理の要件に従って前記ASRS構造から取り出され、別々に前記製造セルに供給される。ある実施形態では、同じ型のRSRVが、前記ASRS構造からの前記(複数の)ワークピース保管ユニットと前記の選択されたワークピース支持体の両方の取り出しと前記製造セルへの搬入を単独で行うように構成される。前記製造セルにおいて、前記の選択されたワークピース支持体は、前記製造セルの1つ以上の作業体がアクセス可能な作業位置に配置される。前記製造セルにおいて、前記の選択されたワークピース支持体が前記作業位置に維持された状態で、(i)前記ワークピースの1つ以上が前記(複数の)ワークピース保管ユニットから前記の選択されたワークピース支持体に移され、(ii)前記製造処理の処理工程が前記選択されたワークピース支持体に保持されたワークピースに実施される。ある実施形態では、前記製造処理の処理工程を実行する前に、前記工具保管ユニットの一部からなる組は、前記ASRS構造から抽出され、前記RSRVの1つを使用して前記製造セルに供給される。ある実施形態では、前記製造処理の処理工程を実行する前に、前記工具保管ユニットの一部からなる組からの選択された工具の1つが、ロボット作業用ロボットによって前記(複数の)ワークピースに実行されるべき前記製造処理の要件に従って、前記製造セルの前記ロボット作業用ロボットに取り付けられる。
【0029】
ある実施形態では、前記(複数の)ワークピース保管ユニットは、2つのワークピース保管ユニットを含む。この実施形態では、前記2つのワークピース保管ユニットは、前記製造セルの2つのそれぞれの保持領域に供給される。2つのワークピースは、2つのそれぞれの保持領域に停留された前記2つのワークピース保管ユニットから、前記の選択されたワークピース支持体上にそれぞれ移送される。
【0030】
ある実施形態では、前記(複数の)ワークピースを前記(複数の)ワークピース保管ユニットから前記の選択されたワークピース支持体上に移送した後、選択されたワークピースが取り出され、かつ、前記製造セルでの前記製造処理にとってさらなるワークピースが必要とされない前記ワークピース保管ユニットのうちの不要な又は空のワークピース保管ユニットが、前記製造セルから取り除かれる。本実施形態では、前記RSRVの1つを用いて、前記製造セルで必要とされる1つ以上の追加のワークピースを含む追加のワーク保管ユニットが、前記製造セルに供給される。ある実施形態では、前記(複数の)追加のワークピースは、同一の製造セルで実行される別の製造処理で使用するためのものである。ある実施形態では、前記ワークピース保管ユニットのうち前記不要な又は空のワークピース保管ユニットは、前記追加のワークピース保管ユニットを前記製造セルに供給するRSRVとは異なるRSRVを用いて取り出される。ある実施形態では、前記異なるRSRVは、前記ワークピース保管ユニットのうちの異なるワークピース保管ユニットを異なる製造セルに降ろし、前記ワークピース保管ユニットのうちの異なるワークピース保管ユニットの内容物を前記異なる製造セルに供給した後、前記ワークピース保管ユニットのうちの前記不要な又は空のワークピース保管ユニットを取り除くように構成される。前記の選択されたワークピース支持体上に保持された前記(複数の)ワークピースに対して前記製造処理の処理工程が実行された後、処理された前記の選択されたワークピース支持体とその上の前記(複数の)ワークピースが前記製造セルから取り除かれ、別のワークピース支持体が、別の製造処理で使用するために前記RSRVの1つを用いて前記製造セルに供給され、前記ワークピース支持体は前記作業位置で支持され、前記追加のワークピースが前記追加のワークピース保管ユニットから前記ワークピース支持体に移され、前記別の製造処理の1以上の処理工程が前記(複数の)追加ワークピースに実行される。
【0031】
本明細書に開示された方法では、1つ以上の製造セルでの前記(複数の)ワークピースの処理によって完成品が完成した後、前記完成品は前記RSRVの1つ上の前記ASRS構造に誘導される。ある実施形態では、前記完成品は、該完成品を完成させるために1つ以上の最終処理工程が実施された最終ワークピース支持体上の前記ASRS構造に誘導される。ある実施形態では、前記最終ワークピース支持体は、前記(複数の)ワークピースが移送されたのと同一の選択されたワークピース支持体である。
【0032】
本明細書に開示される製造システム及び方法は、前記複数の製造セルにわたって様々な製造処理を実行するように、前記ASRS構造を前記複数の製造セルと統合する。本明細書に開示される製造システム及び方法において、前記ASRS構造の下部2Dグリッドに取り付けられた前記グリッド状トラック構造は、前記ASRS構造への往復、及び前記製造セルのそれぞれへの往復を行うように操縦可能なRSRVの同一フリートによる前記製造セルの全てに対する連続的な供給を可能にする。
【0033】
1つ以上の実施形態において、関連システムは、本明細書に開示される方法を実行するための回路及び/又はプログラムを備える。前記回路及び/又はプログラムは、システム設計者の設計上の選択に応じて本明細書に開示された方法を実行するように構成されたハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組合せである。ある実施形態では、前記システム設計者の前記設計上の選択に応じて、様々な構成要素が採用される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
前述の概要、および以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むとよりよく理解される。本明細書の実施形態を説明するために、実施形態の例示的な構造が図面に示されている。しかしながら、本明細書の実施形態は、本明細書に開示された特定の構造、構成要素、及び方法に限定されるものではない。図面中の数字によって参照される構造、又は構成要素、又は方法工程の説明は、本明細書中の任意の後続の図面においてその同じ数字によって示されるその構造、構成要素、又は方法工程の説明にも適用可能である。
図1】本明細書の一実施形態による、キッティング領域及び製造センターに隣接する自動保管・検索システム(ASRS)構造を含む製造システムの上面図を表す。
図2】本明細書の実施形態による、図1に示す製造システムの側面斜視図を表す。
図3】本明細書の実施形態による、製造システムのASRS構造を画定する三次元グリッド状保管構造の上面等角図を表す。
図4A】本明細書の実施形態による、製造システムのASRS構造において用いられるロボット保管/検索車両(RSRV)及び互換性を有する保管ユニットを示す図を表す。
図4B図4Aに示されるRSRV及び互換性を有する保管ユニットを示し、本明細書の実施形態による、保管ユニットと係合して保管ユニットをRSRVから押し出す又はRSRV上に引き出すようにRSRVのタレットアームを延長している様子を示す。
図4C】本明細書の実施形態による、図4Aに示される保管ユニットの底面図である。
図4D】本明細書の実施形態による図4Aに示される保管ユニットの部分断面図を表し、図4A-4Bに示されるRSRVと適合させるために構成された保管ユニットの下面上のインターフェース部を示す。
図5A】本明細書の実施形態による、ASRS構造に保管可能なワークピース支持体の平面斜視図である。
図5B】本明細書の実施形態による、図5Aに示すワークピース支持体の平面図を表す。
図5C】本明細書の実施形態による、図5Aに示されたワークピース支持体の側面図を示す。
図6A図5Aに示されたワークピース支持体の平面斜視図を表し、ワークピース支持体内で保持されたワークピースを示す。
図6B】本明細書の実施形態による、ワークピース支持体とその内部に保持されたワークピースの平面図を表す。
図7】本明細書の一実施形態による、図1-2に示される製造システムのキッティング領域の平面図を表す。
図8A】本明細書の様々な実施形態による図1-2に示す製造システムの製造センターの部分平面図を表し、完全自動化製造セルと隣接する人間関与型製造セルとを示している。図中、製造ワークフローにおいて様々な保管ユニットが用いられている。
図8B】本明細書の様々な実施形態による図1-2に示す製造システムの製造センターの部分平面図を表し、完全自動化製造セルと隣接する人間関与型製造セルとを示している。図中、製造ワークフローにおいて様々な保管ユニットが用いられている。
図8C】本明細書の様々な実施形態による図1-2に示す製造システムの製造センターの部分平面図を表し、完全自動化製造セルと隣接する人間関与型製造セルとを示している。図中、製造ワークフローにおいて様々な保管ユニットが用いられている。
図8D】本明細書の様々な実施形態による図1-2に示す製造システムの製造センターの部分平面図を表し、完全自動化製造セルと隣接する人間関与型製造セルとを示している。図中、製造ワークフローにおいて様々な保管ユニットが用いられている。
図9A】本明細書の実施形態による、図1-2に示された製造センターの完全自動化製造セルのうちの1つを示す斜視図を表す。図中、第1ワークピース保管ユニットからRSRV担持ワークピース支持体上に第1型の第1ワークピースを搬入するロボットピッカーが示されている。
図9B】本願実施形態による製造セルの斜視図を表す。図中、ロボットピッカーが、処理作業ロボットによってRSRV担持ワークピース支持体上の第1型の第1ワークピースに取り付けるために第2ワークピース保管ユニットから第2型の第2ワークピースをRSRV担持ワークピース支持体に搬送し、かつ、RSRVは、異なる後続製造処理用に製造セルを備えるために第1型の残留ワークピースを含む第1ワークピース保管ユニットを取り外す。
図9C】本明細書の一実施態様による製造セルの斜視図を表している。図中、RSRVが、取り外されたワークピース保管ユニットを置き換えるために第3型のワークピースを含む第3ワークピース保管ユニットを製造セルに供給して、同時に処理作業ロボットは、RSRV担持ワークピース支持体上の第1ワークピースに第2ワークピースを接合するために工具保管ユニットから自動選択工具を取り出している。
図9D】本明細書の一実施態様による製造セルの斜視図を表す。図中、接合された第1ワークピース及び第2ワークピースの完成したサブアセンブリがRSRV担持ワークピース支持体上で製造セルを出発し、後続の製造処理中に、新しいワークピース支持体が、第3型のワークピースとの組み立てを行うために別のRSRVで運ばれた第4型のワークピースを運ぶ。
図9E】本明細書の一実施形態による製造セルの斜視図を表している。図中、ロボットピッカーが、第3型の第3ワークピースを第3ワーク保管ユニットから新しいRSRV担持ワークピース支持体上に搬送し、処理作業ロボットが、第3ワークピースを新しいRSRV担持ワークピース支持体上の第4ワークピースに接合するために工具保管ユニットから自動選択工具を取り出している、
図9F】本明細書の実施形態による製造セルの斜視図を表している。図中、新しいRSRV担持ワークピース支持体上で第3ワークピースを第4ワークピースに接合するためのロボットピッカーと処理作業用ロボットの間での協働の様子が示されている。
図10】本明細書の実施形態による図1-2に示す製造センターの平面図を表している。図中、製造センター内の様々な製造セルでの複数の製造段階を通してワークピース支持体を移動させるためにRSRVの1つが通過する多重停止経路の例が示されいる。
図11】本明細書の実施形態による図1-2に示される製造センターの平面図を表している。図中、ASRS構造と製造センターの製造セルとの間でワークピース及び工具を搬送するためにRSRVが通過する多重停止経路の例が示されている。
図12A】本明細書の実施形態による、マルチレベル構造で構成された複数の製造セルを有する製造センターを示す、製造システムの側面斜視図を表す。
図12B】本明細書の実施形態による、図12Aに示される製造センターの拡大部分斜視図を表す。
図13】本明細書の実施形態による、製造システムにおいてワークフローを実行する方法のフローチャートを示す。
図14】本明細書の実施形態による、製造システムにおけるワークフローのキッティング動作を実行するための方法のフローチャートを示す図である。
図15A】本明細書の実施形態による、製造システムにおける作業命令を満たすためにワークピース保管ユニットを使用して製造動作を実行する方法のフローチャートを示す。
図15B】本明細書の実施形態による、製造システムにおける作業命令を満たすためにワークピース保管ユニットを使用して製造動作を実行するための方法のフローチャートを示す。
図15C】本明細書の実施形態による、製造システムにおける作業命令を満たすためのワークピース保管ユニットを使用して製造動作を実行するための方法のフローチャートを示す。
図16A】本明細書の実施形態による、製造システムにおける作業命令を満たすためのキット保管装置を使用して製造動作を実行する方法のフローチャートである。
図16B】本明細書の実施形態による、製造システムにおける作業命令を満たすためのキット保管装置を使用して製造動作を実行する方法のフローチャートである。
図16C】本明細書の実施形態による、製造システムにおける作業命令を満たすためのキット保管装置を使用して製造動作を実行する方法のフローチャートである。
図17】本明細書の実施形態による、製造システムにおいて製品を製造する方法のフローチャートを示す。
図18】本明細書の実施形態による製造システムのアーキテクチャブロック図を表し、コンピュータ化された制御システムと製造システムの構成要素との間の通信をも示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本開示の様々な態様は、構成要素および/または構造のシステム、方法、および/またはその上に保管された1つ以上のコンピュータ読み取り可能なプログラムコードを有する非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として具現化されてもよい。したがって、本開示の様々な実施形態は、例えば、電子部品、情報処理部品、回路、マイクロコード、ファームウェア、ソフトウェアなどとともに機械的構造を含むハードウェアおよびソフトウェアの実施形態の組み合わせの形をとることができる。
【0036】
図1は、本明細書の一実施形態による、キッティング着地領域102および製造センター105に隣接する自動保管・検索システム(ASRS)構造101を含む製造システム100の平面図を示す。キッティング着地領域102は、ASRS構造101の外周101aにおいて、ASRS構造101に隣接して取り付けられている。キッティング着地領域102は、1つ以上のキッティング作業ステーション、例えば、図7の詳細な説明に開示されているような、人間操作型、または人間補助型、または人間関与型キッティング作業ステーション103およびロボットキッティング作業ステーション104を含む。また、製造センター105は、ASRS構造101の外周部101aにおいて、ASRS構造101に隣接して取り付けられている。図2は、本明細書の一実施形態による、図1に示す製造システム100の側面斜視図を表す。図2は、キッティング着地領域102および製造センター105が配置されているASRS構造101の側面を示している。説明のために、図1-2は、ASRS構造101にその同じ外周側面101aで隣接するキッティング着地領域102および製造センター105を示しているが、本明細書で開示する製造システム100の範囲は、ASRS構造101の同じ外周側面101aでのキッティング着地領域102および製造センター105の配置に限定されず、ASRS構造101の任意の1つ以上の外周側面でのキッティング着地領域102および製造センター105のいずれかまたは両方の配置に拡張されてもよい。
【0037】
本明細書に開示される製造システム100は、図3および図4A-4Bに示されるように、ASRS構造101と、ロボット保管/検索車両(RSRV)306のフリートを含む保管装置を備える。ASRS構造101は、ASRS構造101内の複数の保管レベルにおいて、ASRS構造101の2次元(2D)面積全体に分布した保管場所の3次元(3D)アレイを含む。一実施形態では、ASRS構造101は、図3に示されるように、3Dグリッド状保管構造300として構成される。フリート内のRSRV306の各々は、3Dアレイ内の保管位置にアクセスするように3次元のASRS構造101内で操縦可能である。RSRV306は、以下に開示されるように、ASRS構造101の保管場所に保管ユニット-例えば、容器、トレイ、箱、パレットなど-を預け、保管場所から保管ユニットを取り出すように動作可能である。一実施形態では、ASRS構造101は、図3に示されるように、2Dグリッド状トラックレイアウト302を含む少なくとも1つのトラック装備レベルを備える。RSRVのフリート306は、図3に図示されているような2Dグリッド状トラックレイアウト302上で、ASRS構造101内を少なくとも2次元的に操縦可能である。
【0038】
本明細書に開示される製造システム100は、ASRS構造101の外側に配置された複数の製造セル106および107をさらに備える。製造セル106、107は、製造システム100の製造センター105を構成する。製造セル106、107は、様々な製造処理向けに分類され、標準化され、モジュール化されて構成されている。一実施形態では、本明細書に開示される製造システム100は、ASRS構造101に取り付けられ、かつ、ASRS構造101の2D領域を超えて延長することで、その延長部を画定するトラック構造108をさらに備える。ある実施形態では、トラック構造108は、ASRS構造101のトラック搭載レベルの2Dグリッド状トラックレイアウト302の延長部である。製造セル106は、トラック構造108に関して構成される。トラック構造108は、RSRVs306が操縦可能であり、かつ製造セル106がそれに沿って分配される1つ以上の移動経路を画定するように構成される。3次元のASRS構造101内で操縦可能なRSRV306の同じフリートは、部品類-例えば、保管ユニットに含まれるワークピースおよび/または工具、ワークピース支持体-を製造セル106および107に供給するように動作可能である。一実施形態では、部品類は、製造セル106および107のそれぞれの間で、任意の順序で搬送可能である。別の実施形態では、製造セル106および107のそれぞれは、製造処理の1つ以上の処理工程を実行するために、部品類を複数回受け取るように構成される。一実施形態では、製造セル106および107のそれぞれは、製品に対して中立の装置を備え、製品固有の基本機能を実施するように構成される。別の実施形態では、製造セル106の各々は、処理に特有の機器を用いて個別に拡張され得る。製造セル106は、複数の製造処理-例えば、溶接、接着結合、打ち抜き、ろう付け、クリンチ-を実行するように構成される。製造処理の後続の処理工程用の構成要素は、中断されない製造の以前の処理の実行中に間断なく各製造セル106に送られる。一実施形態では、製造セル106の少なくとも一部からなる組は、トラック構造108に、またはトラック構造108の領域内に配置される。実施形態では、トラック構造108は、RSRV306が2次元で操縦可能な交差するレールの組を含むグリッド状のトラック構造である。
【0039】
製造センター105は、ASRS構造101の2Dグリッド状下側トラックレイアウト302に接続されているトラック構造108の2D領域にわたって離間して分布する複数の完全自動化またはロボット化された製造セル106を含む。製造センター105のグリッド状トラック構造108は、ASRS構造101のグリッド状下部トラックレイアウト302の共面延長部を形成する。それによりASRS構造101を操縦させるRSRV306の同じフリートが、保管ユニットをASRS構造101に堆積し、かつ、保管ユニットをASRS構造101から抽出し、さらには抽出された保管ユニットを製造セル106、107に供給し、製造センター105でもはや不要になったときに抽出された保管ユニットをASRS構造101に戻すことをも可能にする。図1-2に示す実施形態では、製造セル106は例えば、各製造セル106を矩形配列のそれぞれの行およびそれぞれの列にある他の製造セル106と位置合わせするように矩形配列で配置される。他の実施形態では、製造セル106は、異なる構成のアレイに配置される。同様に、図1-2に例示された実施形態では16個の製造セル106が示されているが、製造セル106の数量は、製造セル106が長方形のアレイ、別の均一に分布したパターンまたはアレイ、または均一またはその他の任意の他の様式のレイアウトであるか否かにかかわらず、変化してもよく、平方数である必要はない。
【0040】
図1-2に示されているように、完全に自動化された製造セル106は、グリッド状トラック構造108の主な内部領域に広がっている。すなわち、完全に自動化された製造セル106は、グリッド状トラック構造108の主な内部領域全体に分布した場所に配置されている。実施形態では、全自動製造セル106のそれぞれは、それぞれの製造セル106に構成された保持領域から部品類-例えば、ワークピース、工具-を取り出すように動作可能な少なくとも1つのロボットピッカー109を備える。図1-2に示されているような実施形態では、製造センター105は、例えば、グリッド状のトラック構造108の外周着地領域108aに配置された1つ以上の人間操作型、または人間支援型、または人間関与型製造セル107をさらに備える。一実施形態では、人間関与型製造セル107は、特に、ASRS構造101から最も遠いグリッダードトラック構造108の遠方側に配置されるが、他の実施形態では、人間関与型製造セル107は、加えて又は代わりに、ASRS構造101の外周側101aから外方に延びるグリッド状トラック構造108の2つの側方側108bおよび108cのいずれかに配置される。さらに、図示の目的で、図1-2は、ASRS構造101が単一の製造センター105に隣接している状態を示しており、ここでは、グリッド状トラック構造108全体および製造セル106、107の全人口が、ASRS構造101の単一の側面101aに配置されている。別の実施形態では、本明細書に開示される製造システム100は、単一の製造センター105のグリッド状トラック構造108がASRS構造101の複数の側面を占めるように構成される。別の実施形態では、別々の製造センターのグリッド状トラック構造間のRSRV306の操縦が、ASRS構造101のグリッド状下部トラックレイアウト302を介して実行されるように、それぞれのグリッド状トラック構造を含む複数の製造センターが、ASRS構造101の異なるそれぞれの側面に隣接する。
【0041】
一実施形態では、本明細書に開示される製造システム100は、RSRVs306のフリートと動作可能な通信を行う、図18に示されるようなコンピュータ制御システム(CCS)131をさらに備える。製造システム100で実行されるワークフローの様々な段階で、CCS131は、RSRV306の1つ以上を起動して、(a)ASRS構造101内および/または製造セル106、107を介して操縦すること、(b)ASRS構造101の保管場所から1つ以上の保管ユニットに含まれるワークピースの1つ以上を取り出すこと、(c)1つ以上の保管ユニットに含まれる1つ以上のワークピースを、1つ以上のキット保管ユニットにキッティングするために、少なくとも1つのキッティング作業ステーション103、104に引き渡すこと、(d)(複数の)キッティング作業ステーション103、104から1つ以上のキット保管ユニットをピックアップすること、1つ以上のキット保管ユニットをASRS構造101の保管場所に戻して保管すること、(f)同一のASRS構造101から、1つ以上のキット保管ユニットと、別の1つ以上の保管ユニットに含まれる1つ以上のワークピースと、別の1つ以上の保管ユニットに含まれる1つ以上の工具と、1つ以上のワークピース支持体とのうち、少なくとも1つを回収すること、(g)1つ以上のキット保管部のうちの少なくとも1つと、他の1つ以上の保管部に含まれる1つ以上のワーク、他の1つ以上の保管ユニットに含まれる1つ以上の工具、および1つ以上のワークピース支持体を、商品の製造のために製造セル106、107に引き渡すこと、(h)完成した商品を、最終的なワークピース支持体上のASRS構造101に誘導することのうちの1つ以上を実行する。商品が変更されると、製造セル106、107は、新しいタスクのために自動的に更新される。一実施形態では、CCS131は、新しいタスクのために製造セル106,107を自動的に更新する。特定の製造セルで作業体が検査や保守を行っている間に、タスクを他の製造セルに転送して、中断のない製造を行うことができる。製造セル106,107は、任意の製造セル106,107での製造処理を中断することなく、必要に応じてその場で構成される。
【0042】
本明細書に開示される製造システム100のワークフローの例を考える。ワークピースなどの材料は、保管ユニットに導入され、ASRS構造101に保管される。同様に、工具は、保管ユニットに導入され、ASRS構造101に保管される。さらに、ワークピースの支持体、例えば、ジグがASRS構造101に導入され、保管される。CCS131は、定義された材料またはワークピースキット/工具キットおよび関連する処理命令を有するデジタル生産計画を受け取る。ソフトウェアへのデジタル指示は、商品または製品を製造するように製造セル106を構成する。生産計画は、商品を製造するために必要なすべての処理の詳細を含んでいる。詳細は、例えば、各工程が1つ以上の製造セル106に割り当てられている良品の製造に関わる全ての順次工程のリスト、各工程を完了するために必要な材料のリスト、各工程を完了するために必要な工具のリスト、各工程を完了するために作業用ロボットに要求される工程/仕様のリストなどを含む。例えば、ワークピースキッティング用容器と工具キッティング用容器を含むキット保管ユニットは、キッティング作業ステーション103,104で構築され、ASRS構造101に保管される。ワークピースを保管したワークピースキッティング用容器は、キッティング作業ステーション103または104のピッキングアクセスポートを循環させて、人間の作業者またはロボットの作業体が各製造工程に必要なすべてのワークピースをピッキングできるようにする。工具を含む工具キッティング用容器は、人間の作業者またはロボットの作業体が各製造工程に必要なすべてのワークピースをピッキングできるように、キッティング作業ステーション103または104のピッキングアクセスポートを介して循環させられる。一実施形態では、ワークピースキッティング用容器および/または工具キッティング用容器は、作業用ロボットがワークピースを扱うことができるか、工具を扱うことができるかに応じて、ワークピースおよび/または工具を配置するために、例えば、発泡スチロール、インサートなどのカセットを含む。組み立て後、ワークピースのキッティング用容器と工具のキッティング用容器は、ASRS構造101に戻って保管される。
【0043】
CCS131は、生産命令または作業命令を受け取り、命令の優先順位を使用して、1つ以上の製造セル106,107を製造処理に割り当てる。RSRVs306は、割り当てられた製造セル106の保持ステーションに1つ以上のワークピースキッティング用容器および工具キッティング用容器を回収して輸送するようにルーティングされる。RSRV306は、ワークピース支持体または治具を回収して、(複数の)割り当てられた製造セル106の治具滑走路に搬送するようにルーティングされている。割り当てられた製造セル106の第1作業用ロボット、例えばロボットピッカーは、ワークピースキッティング用容器からワークピースを取り出し、取り出したワークピースをワークピース支持体に配置するか、ワークピース支持体に既に配置されている別のワークピースに組み付けるためにワークピースを正確に位置決めする。割り当てられた製造セルの第2作業用ロボット、例えば処理作業用ロボットがワークピースを加工する。作業用ロボットの動作は、ワークピースキッティング用容器内のすべてのワークピースに対して繰り返され、アセンブリおよび/またはサブアセンブリが作成される。別の逐次処理が必要な場合、RSRV306は、部分的に完成したサブアセンブリを含むワークピース支持体を、予め構成された別の人間またはロボットの製造セル106、107に搬送し、および/または製造能力がない場合、部分的に完成したサブアセンブリを含むワークピース支持体を、将来の処理のためにASRS構造101に戻すように構成される。完成した場合、RSRV306は、完成したアセンブリ/サブアセンブリを含むワークピース支持体をASRS構造101に戻すように構成される。
【0044】
一実施形態では、RSRV306は、以下のように製造システム100を横断する。RSRV306は、ASRS構造101から必要なワークピースキッティング用容器を取り出す。RSRV306は、必要なワークピースキッティング用容器を、製造セル106の1つにおける指定された空の保管場所に輸送する。このRSRV306は、指定された製造セル106に移動して、必要のないワークピースキッティング用容器をピックアップし、必要のないワークピースキッティング用容器をASRS構造101に輸送して保管する。別のRSRV306は、必要な工具キッティング用容器を、製造セル106の指定された空の保管場所に輸送する。この別のRSRV306は、指定された製造セル106に移動し、必要とされていないワークピースキッティング用容器をピックアップし、必要とされていないワークピースキッティング用容器を保管のためにASRS構造101に輸送する。別の実施形態では、必要なワークピースキッティング済み容器を指定された製造セル106に届けたのと同じRSRV306が、その指定された製造セル106から必要のないワークピースキッティング済み容器を持ち去る。同様に、必要な工具キッティング済み容器を指定された製造セル106に送達する同じRSRV306は、その指定された製造セル106から必要のない工具キッティング済み容器を奪う。
【0045】
図3は、本明細書の一実施形態による、図1-2に示す製造システム100の自動保管・検索システム(ASRS)構造101を画定する3次元(3D)グリッド状保管構造300の上面等角図である。一実施形態では、製造システム100のASRS構造101および関連するロボット保管/検索車両(RSRV)306および保管ユニット303を定義する3Dグリッド状保管構造300は、出願人米国特許出願番号15/568,646、16/374,123、16/374,143、および16/354,539に開示されている型のものであり、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。3Dグリッド状保管構造300の小規模な例が、図3に示されている。図3に示されているように、グリッド状保管構造300は、トラックを備えた最上部または屋根裏レベルおよびトラックを備えた最下部または地下レベルにそれぞれ2次元(2D)のグリッド状トラックレイアウト301および302が配置されている。すなわち、グリッド状保管構造300は、一致する上方の高い水平面に配置されたグリッド状上部トラックレイアウト301と、地面レベルに近い下方の水平面に配置されて位置合わせされたグリッド状下部トラックレイアウト302とを含む。これらの位置合わせされたグリッド状の上部および下部トラックレイアウト301、302の間には、最上部の屋根裏レベルと最下部の地下レベルとの間の複数の中間保管レベルを占める保管場所の3Dアレイがある。3Dアレイの保管場所のそれぞれは、その中にそれぞれの保管ユニット303を保持することができる。一実施形態では、保管ユニット303は、図3に示された型のものである。他の実施形態では、保管ユニット303は、異なる種類のホルダーとして構成されているか、または、容器、トレイ、トート、パレットなど、その上またはその中に物品を支持することができるコンテナとして構成されている。保管場所は、等しい正方形の領域の保管場所が互いに整列している垂直保管列304に配置されている。各垂直保管カラム304は、垂直に直立したシャフト305によって隣接されており、このシャフトを通して垂直保管カラム304の保管場所にアクセスすることができる。RSRVのフリート306は、2次元で各グリッド状トラックレイアウト301,302を水平に横断し、開口直立シャフト305を介して3次元で2つのグリッド状トラックレイアウト301,302の間を垂直に横断するように構成されている。
【0046】
グリッド状トラックレイアウト301,302のそれぞれは、それぞれの水平面のX方向に横たわる一組のX方向レール307と、同じ水平面のY方向にX方向レール307と垂直に交差する一組のY方向レール308を含む。交差するX方向レール307およびY方向レール308は、3次元グリッド保管構造300の水平基準グリッドを規定し、そのうちの各水平グリッド列は、隣接する一組のX方向レール307の間で区切られ、各水平グリッド列は、隣接する一組のY方向レール308の間で区切られる。水平グリッド列の1つと水平グリッド列の1つとの各交点は、それぞれの垂直保管柱304またはそれぞれの直立軸305の位置を示す。すなわち、各垂直保管柱304および各直立軸305は、X方向レール307のうちの2本とY方向レール308のうちの2本との間に結ばれたそれぞれの領域において、水平基準グリッドのそれぞれの直交座標点に配置される。グリッド状トラックレイアウト301または302のいずれかにおいて、4本のレール307および308の間に拘束されるそれぞれのそのような領域は、本明細書ではグリッド状トラックレイアウト301または302のそれぞれの「スポット」とも呼ばれる。3Dグリッド状保管構造300における各保管場所の3Dアドレス付けは、所定の保管場所がそれぞれの垂直保管カラム304内に存在する所定の垂直保管カラムレベルによって完了する。すなわち、各保管場所の3Dアドレスは、3Dグリッド状保管構造300における保管場所の水平グリッド行、水平グリッド列、および垂直保管列レベルによって定義される。
【0047】
それぞれの直立フレーム部材309は、X方向レール307とY方向レール308との間の各交点において、グリッド状上側トラックレイアウト301とグリッド状下側トラックレイアウト302との間を垂直方向に広がり、それによって、トラックレール307および308と協働して、3Dグリッド状保管構造300のフレームワークを画定し、このフレームワーク内に保管ユニット303の3Dアレイを収容および編成する。その結果、3Dグリッド状保管構造300の各直立シャフト305は、その4つのコーナーで直立シャフト305の全高に及ぶ4つの垂直フレーム部材309を備える。各フレーム部材309は、垂直なフレーム部材309の2つの側面に、3次元立体グリッド状保管構造物300の垂直なZ方向に直列に配置されたそれぞれのラック歯のセットを有する。したがって、各直立軸305は、直立軸305の各角部に2セットのラック歯を備えた合計8セットのラック歯を有し、これらのラック歯は、図4A-4Bに図示されたRSRV306のそれぞれに設けられた8つのピニオンホイール311a,311bと協働して、3次元グリッド状保管構造300の直立軸305を介して、上昇方向および下降方向にグリッド状の上下のトラックレイアウト301,302の間でRSRV306を横断できる。
【0048】
図4Aは、本明細書の一実施形態による、図1-2に示す製造システム100の自動保管・検索システム(ASRS)構造101に採用されたロボット保管・検索車両(RSRV)306および適合する保管ユニット303を示す。各RSRV306は、丸い搬送輪311aと歯付きのピニオン輪311bを含む車輪付きのフレームまたはシャーシ310備える。搬送輪311aは、トラック走行モードでグリッド状上下のトラックレイアウト301,302上をRSRV306が搬送するように構成されている。歯付きピニオンホイール311bは、シャフトトラバースモードで、図3に図示された3次元(3D)グリッド状保管構造300のラック付き直立シャフト305を介してRSRV306を横断するために、搬送ホイール311aの内側に配置される。各歯付きピニオンホイール311bと、それぞれの搬送ホイール311aとは、組み合わされた単数ホイールユニットの一部であり、そのうちの全体、または少なくとも搬送ホイール311aは、グリッド状トラックレイアウト301または302のいずれかにトラック走行モードで搬送ホイール311aを使用するために、RSRV306からアウトボード方向に水平に伸長可能である。そして、歯付きピニオンホイール311bが直立シャフト305の縦フレーム部材309のラック歯と噛み合うシャフトトラバースモードでの歯付きピニオンホイール311bの使用のために、RSRV306のインボード方向に水平方向に保管可能である。
【0049】
4つのX方向ホイールユニットの組が、RSRV306の対向する2つの側面に対になって配置され、RSRV306を、3次元グリッド状保管構造300のグリッド状トラックレイアウト301または302のいずれかのX方向レール307上で駆動する。RSRV306の他の2つの対向する側面には、4つのY方向のホイールユニットのセットが対になって配置されており、RSRV306をグリッド状トラックレイアウト301または302のいずれかのY方向のレール308上で駆動する。一方の組のホイールユニットは、他方の組のホイールユニットに対して昇降可能であり、RSRV306をX方向走行モードとY方向走行モードとの間で切り替えることができる。グリッド状の上部トラックレイアウト301に着座したアウトボード位置にあるときに1組のホイールユニットを上げることは、他の1組のホイールユニットを直立シャフト305のラック歯と係合するように下げるためにも操作可能であり、その後、上げられたホイールユニットも直立シャフト305内に収まるようにインボードにシフトされ、それによって、RSRV306のトラック走行モードからシャフト横断モードへの移行が完了し、歯付きピニオンホイール311bの駆動動作によって直立シャフト305を介してRSRV306を降下させることができる。同様に、グリッド状の下側トラックレイアウト302に着座したアウトボード位置にあるときに1組のホイールユニットを下降させることは、他の1組のホイールユニットを直立シャフト305のラック歯と係合するように上昇させるためにも動作可能であり、その後、下降したホイールユニットもインボードにシフトされ、それによって、歯付きピニオンホイール311bの駆動動作によって直立シャフト305を介してRSRV306の上昇を可能にするために、RSRV306のトラック走行モードからシャフト横断モードへの移行を完了することができる。一実施形態では、グリッド状下側トラックレイアウト302内の外部持ち上げ装置(図示せず)は、追加的または代替的に、グリッド状下側トラックレイアウト302から上にある直立シャフト305内へのRSRV306の持ち上げを支援または実行するために使用される。
【0050】
各RSRV 306は、任意の保管ユニット303がRSRV 306による運搬のためにその上で受容可能な上部支持プラットフォーム312を備える。上部支持プラットフォーム312は、固定された外側デッキ面314によって囲まれた回転可能なタレット313を含む。回転可能なタレット313は、回転可能なタレット313の径方向スロットに取り付けられ、回転可能なタレット313の外周から外側に延びる展開位置への直線移動および展開位置からの直線移動のためにそこに移動可能に支持された、本明細書では「タレットアーム」と呼ばれる伸縮可能なアーム315を備える。
【0051】
図4Bは、本明細書の実施形態による、保管ユニット303をRSRV306から押し出すまたはRSRV306に引き込むために、保管ユニット303と係合するためのRSRV306のタレットアーム315の延長部を示す、図4Aのロボット保管/回収車(RSRV)306および互換性のある保管ユニット303を示す図である。タレットアーム315は、例えば、保管ユニット303の下面にある嵌合するつかみ機能と係合するために、タレットアーム315に沿って前後に移動可能なシャトル上で、その上につかみ部材316を運ぶ。タレット313の回転可能な機能とともに、つかみ部材316を備えたタレットアーム315は、RSRV306の4つの側面すべてにおいて、保管ユニット303を上部支持プラットフォーム312上に引き上げること、および保管ユニット303を上部支持プラットフォーム312から押し出すことを可能にし、それによって、各RSRV306は、図3に示された3次元(3D)グリッド状保管構造300における任意の直立シャフト305の任意の側面にある保管ユニット303にアクセスすることができる。3は、3Dグリッド状保管構造300における保管密度を最大化するために、直立シャフト305の4つの側面すべてに垂直な保管カラム304によってそれぞれ囲まれている、完全に囲まれた直立シャフト305を含む。すなわち、各RSRV306は、直立シャフト305のいずれかの内部の4つの異なる作業位置で、直立シャフト305の4つの異なる側面のいずれかの保管場所にアクセスして、それぞれの保管ユニット303を選択された保管場所に預けたり、そこから取り出したりするように動作可能である。実施形態では、タレットとアームの組み合わせの代わりに、保管ユニット303の4面での出し入れを可能にする4つの異なる作業位置が可能な代替機構が採用される。
【0052】
一実施形態では、3Dグリッド状保管構造300のフレームワークは、各保管場所に一組の棚付けブラケットを設けて、保管場所に現在保管されている保管ユニット303のための棚を協働して形成し、それによって、任意の所定の保管ユニット303は、同じ保管カラム304内の所定の保管ユニット303の上下にある保管ユニット303を混乱させることなく、RSRV306の1つによってその保管場所から取り外すことができる。同様に、一組のシェルフブラケットによって定義されたシェルフは、3Dグリッド状保管構造300における保管位置の3Dアレイ内の任意の保管レベルで、保管ユニット303を所定の保管位置に戻すことを可能にする。したがって、グリッド状トラックレイアウト301、302の2次元の水平方向の操縦によって、各RSRV306は、直立シャフト305のいずれかにアクセスすることができ、その中を3次元の上昇方向または下降方向に垂直に移動して、保管場所のいずれかにアクセスし、そこから保管ユニット303を預けたり、取り出したりすることができる。一実施形態では、3Dグリッド状保管構造300は、図2に図示されているように、その外周の周りに外部的にクラッド化されており、ここで、3Dグリッド状保管構造300のグリッド状下部トラックレイアウト302の選択された部分は、例えば、図9A-9Fに図示されている127および128のようなクラッド化されていない入口/出口ポートを通して見えるようになっており、これによって、RSRV306は、図1-2に図示されている製造センター105のグリッド状トラック構造108と、3Dグリッド状保管構造300のグリッド状下部トラックレイアウト302との間を移行する。
【0053】
図4Cは、本明細書の一実施形態による、図4Aに示された保管ユニット303の底面平面図である。図4Cに示されているように、一次つかみチャネル317は、容器型保管ユニット303の下面に配置されている。一次つかみチャネル317は、図4Dに図示された保管ユニット303のフロアパネル321の中心点318の周りの360度の円形の経路を、中心点318とフロアパネル321の外周との間の中間の半径方向の距離でたどる円形の開底チャネルである。図4Dは、本明細書の一実施形態による、図4A-4Bに示すロボット保管/回収車(RSRV)306との互換性のために構成された保管ユニット303の下面のインターフェース特徴を示す、図4Aに示す保管ユニット303の部分的な断面図である。図4Dに示されているように、一次つかみチャネル317は、保管ユニット303の最下段の平面から上方に凹んでおり、図4A-4Bに示されているRSRV306のタレットアーム315のつかみ部材316が、保管ユニット303のRSRV306への出し入れを可能にするために受けることができる連続した円形スロットを形成している。フロアパネル321の4辺の外周のすぐ内側には、保管ユニット303の下面が、RSRV306のタレットアーム315のつかみ部材316による二次つかみ凹部319の選択的な係合のために、保管ユニット303の最下面から上方に凹んだそれぞれの二次つかみ凹部319を構成している。例えば、RSRV306の延長されたタレットアーム315による保管ユニット303の係合を試みた際に、タレットアーム315のつかみ部材316が一次つかみチャネル317をつかみできなかった場合などに使用される。各二次つかみ凹部319は、比較的小さな矩形のスロットまたはキャビティであり、保管ユニット303のフロアパネル321のそれぞれの外周側の中間に位置している。したがって、4つの二次つかみ凹部319は、保管ユニット303の外周のすぐ内側にある保管ユニット303のフロアパネル321の中心点318の周りに、互いに90度の間隔で配置されている。
【0054】
図4A-4Bに示されているように、回転可能なタレット313およびRSRV306の上部支持プラットフォーム312の周囲の外側デッキ面314は、RSRV306の上部支持プラットフォーム312上に運ばれたときに保管ユニット303が着座する正方形の着地領域を集合的に規定する。この着地領域は、各保管ユニット303の下面と同等またはほぼ同等のサイズおよび形状である。したがって、RSRV306の上部支持プラットフォーム312上に完全かつ適切に着座した状態の保管ユニット303は、RSRV306の上部支持プラットフォーム312の外周からはみ出すことなく、着地領域の完全またはほぼ全体を占める。したがって、着地領域上の適切に着座した位置では、保管ユニット303の領域全体が、RSRV306の上部支持プラットフォーム312の外周または着地領域内に配置される。
【0055】
保管ユニット303がRSRV306の着地領域上で完全に受け取られ、適切に位置合わせされることを保証する目的で、実施形態では、上部支持プラットフォーム312は、図4A-4Bに図示されているように、上部支持プラットフォーム312の外周に沿って間隔を空けた位置に近接して配置された一組の荷重状態センサ401を含んでいる。図示された例では、荷重状態センサ401は、着陸場の外側デッキ面314に凹設された光学センサであり、4個の数量で提供される。荷重状態センサ401の各々は、ランディング着地領域の4つの外角のうちのそれぞれの1つに近接して配置される。タレットアーム315の後退を利用して、図3に図示された3次元(3D)グリッド型保管構造300の保管場所からRSRV306上に保管ユニット303を引き込む、積み込みルーチンの一部として、荷重状態センサ401に通信可能に接続された、RSRV306に搭載された例えばローカルプロセッサであるコンピュータプロセッサは、4つの荷重状態センサ401の状態をチェックして、荷重状態センサ401の上の保管ユニット303の下面の検出された存在を確認する。したがって、4つの荷重状態センサ401からの正の検出信号は、着地領域の4つの角に保管ユニット303が存在することを確認し、それによって、保管ユニット303が着地領域上で完全に受け止められ、着地領域上で適切に四角く整列していることを確認する。この確認により、保管ユニット303の一次つかみチャネル317がRSRV306のつかみ部材316によって適切に係止されていることが確認される。つのロードステータスセンサ401の全てから正の検出信号が得られなかった場合は、一次つかみチャネル317の係合が失敗し、その結果、保管ユニット303をRSRV306に適切に搭載できなかったことを示しており、これに応答して、RSRV306のタレットアーム315が再伸長されて、失敗した、または不適切に搭載された保管ユニット303をそれぞれの保管場所に押し戻し、その後、保管ユニット303の取り出しが再試行されることになる。貯留ユニット303がRSRV306に適切に装填されると、一次つかみチャネル317は、回転可能なタレット313が、RSRV306の上部支持プラットフォーム312上に静止している貯留ユニット303の下で、相対的に回転することを可能にする。実施形態では、この相対的な回転は、保管ユニット303がRSRV306から降ろされることになっている目標とする目的地に従って、保管ユニット303がそこに積載されていたところからRSRV306の異なる側に保管ユニット303を後に降ろすことを可能にする。
【0056】
一実施形態では、積載状況検出のためにRSRV306に反射型光学センサが採用されており、反射型光学センサの光ビームエミッタによって送信された光エネルギーは、反射型光学センサの上に保管ユニット303が存在するときに保管ユニット303の下面から反射して反射型光学センサの光レシーバに戻り、それによって保管ユニット303の存在を正常に判定することができる。一実施形態では、飛行時間計算、すなわち、光パルスの放出と反射された光パルスの検出との間の時間の差を用いて、RSRV306の着陸領域に座っている保管ユニット303の下面からの反射と、反射型光学センサからさらに離れて配置された別の表面からの反射とを区別する。他の実施形態では、負荷状態の検出のために、光学センサ以外の異なる型のセンサが採用される。例えば、保管ユニット303の下面に接触することで機械的に作動するリミットスイッチや、保管ユニット303の下面に検出可能な磁界を発する協働する磁気素子が存在することで作動する磁気センサが、負荷状態の検出のために採用される。光学センサを使用することで、可動部品や、磁気的な統合やその他の特殊な構成を必要とせず、保管ユニット303を使用することができる。
【0057】
一次つかみチャネル317および二次つかみ凹部319に加えて、図4Cに図示されている保管ユニット303の下側は、フロアパネル321の4つのコーナーにおいて、フロアパネル321の外周のすぐ内側に配置された4つの突出要素またはボス320を備える。ボス320の下端は、保管ユニット303の最下層面に拡大された固体表面領域を形成する。この領域は、フロアパネル321の穿孔された骨格またはウェブ状の構造により、他の方法ではほとんど占有されないオープン空間である。ボス320の下端のこれらの拡大された固体表面領域は、保管ユニット303がその上の整列した位置に適切に積載されたときに、RSRV306の上部支持プラットフォーム312の角にある一連の荷重状態センサ401と整列し、それによって検出されるように配置される。フロアパネル321が中実の構造または穴の少ない構造である実施形態では、フロアパネル321の下面は、円形の一次つかみチャネル317および4つの二次つかみ凹部319を除いて、一次つかみチャネル317からフロアパネル321の外側の角まで途切れずに広がる連続した中実の表面であり、それによって、図4Cに示されるようなフロアパネル321の骨格またはウェブ状の構造のボス320の必要性が省略されている。
【0058】
図1-2に図示された製造システム100の保管配置は、ワークピースから物品を製造する際に使用するために、図3に図示された3Dグリッド状保管構造300の保管場所内に保管されたワークピースの供給をさらに備える。保管ユニット303は、図1-2に図示された製造システム100の製造セル106,107で実行される様々な製造処理で必要とされるワークピース、例えば、原材料、組み立て済み部品、組み立て済みサブアセンブリなどを保管するために、3Dグリッド状保管構造300で使用される。実施形態では、保管ユニット303は、製造セル106,107でロボットまたは人間の作業者が様々な製造処理を実行するために必要な工具を保管するために、3Dグリッド状保管構造300でも使用される。ワークピースを保管する保管ユニットは、本明細書では「ワークピース保管ユニット」と呼ばれ、工具を保管する保管ユニットは、本明細書では「工具保管ユニット」と呼ばれる。一実施形態では、ワークピース保管ユニットおよび工具保管ユニットは、互いに同一である。別の実施形態では、ワークピース保管ユニットおよび工具保管ユニットは、互いに同一ではないが、例えば、図4C-4Dに図示された一次つかみチャネル317、二次つかみ凹部319、および/またはセンサ検出可能なボス面320などの同一のインターフェース機能の一部または全部を共有しており、これにより、保管ユニット303は、RSRV306へのロードおよびRSRV306からの搬出のために、RSRV306と機能的に互換性がある。別の実施形態では、3Dグリッド型保管構造300は、ワークピース支持体の供給も保管し、そのうちの1つは、図5A-5Cに示されている。
【0059】
図5Aは、本明細書の一実施形態による、図1-3に示す3次元(3D)グリッド状保管構造300を含む自動保管・検索システム(ASRS)構造101に保管可能なワークピース支持体501の上側斜視図を示すものである。ワークピース支持部501は、商品または製品の製造において、再現性、正確性、および交換性を提供するように構成されている。各ワークピース支持体501は、図1-2に示される製造センター105の製造セル106の1つ以上で製造工程を受ける1つ以上のワークピースをその上に保持するように構成された治具または固定具である。各ワークピース支持体501は、ワークピースに対する製造処理の1つ以上の処理工程の実行を可能にするために、1つ以上のワークピースを特定の所定のまたは固定された位置で受けて保持するように構成される。各ワークピース支持部501は、製造処理中に工具を案内するように構成される。図5Bは、本明細書の実施形態による、図5Aに示すワークピース支持体501の上面平面図を示す。図5Cは、本明細書の実施形態による、図5Aに示されたワークピース支持部501の側面立面図を示している。保管ユニット303と同様に、ワークピース支持体501は、ASRS構造101の棚レール上に保管されており、したがって、保管ユニット303と同様の底面インターフェースを有している。
【0060】
図5A-5Cに図示されているような実施形態では、各ワークピース支持体501は、すべてのワークピース支持体と同一の構造の標準化されたベースパネル502と、図4C-4Dに図示されている保管ユニット303のフロアパネル321と一致する領域および一致するまたは同等の下面構成を有する。各ワークピース支持体501は、ASRS構造101の任意の保管場所に各ワークピース支持体501および保管ユニット303を保管できるように、保管ユニット303と一致する領域を共有している。したがって、各ワークピース支持体501のベースパネル502の下面は、図4C-4Dに図示された保管ユニット303の下面の一次つかみチャネル317と同様に、ベースパネル502の中心点の周りに広がる一次つかみチャネルを有する。別の実施形態では、各ワークピース支持部501のベースパネル502の下側は、図4C-4Dに図示された保管ユニット303の下側の二次つかみ凹部319と同様に、ベースパネル502の外周に近い位置に配置された二次つかみ凹部をさらに備える。別の実施形態では、各ワークピース支持体501のベースパネル502の下面は、図4C-4Dに図示されたフロアパネル321の下面における骨格構造のボス320の下端、または図4A-4Bに図示されたロボット保管/回収車(RSRV)306の荷重状態センサ401によるこれらの表面の読み取りのためのその滑らかな連続下面の領域のいずれかと同様のベースパネル502の角部付近のセンサ検出可能な表面をさらに備える。保管ユニット303と同等または実質的に類似した面積および形状の領域で、ワークピース支持部501のベースパネル502は、ASRS構造101の各保管場所のその棚の上に収まり、同様に、図4A-4Bに図示された各RSRV306の上部支持プラットフォーム312の上に、その所定の着陸領域内に収まるように構成されている。ワークピース支持体501の下側のインターフェース特徴部は、保管ユニット303のそれと同様であり、ワークピース支持体501とRSRV306との互換性を可能にする。各ワークピース支持体501は、保管ユニット303と同じRSRVインターフェース特徴部を共有しているので、各ワークピース支持体501も、保管ユニット303と同じ方法で各RSRV306に搬入および搬出されるように構成されている。ワークピース支持体501および各保管ユニット303のベースパネル502による一致するRSRVインターフェース特徴部のこの共有使用は、RSRVインターフェース特徴部がタレットベースのRSRV306と共に使用するために本明細書に特に開示されたものであるか、またはRSRV306の変形例と互換性のある何らかの他の構成のものであるかにかかわらず、ワークピース支持体501および保管ユニット303を同じ3Dグリッド保管構造300に入出庫するためのRSRV306の同じフリートの使用を可能にすることが理解されよう。
【0061】
図6Aは、図5Aに示すワークピース支持体501の上側斜視図であり、ワークピース支持体501内に保持されたワークピース601を示している。ワークピース601は、例えば、図1-2に示された製造システム100の製造セル106,107で実行される様々な製造処理で必要とされるプレハブ部品、組み立て済みのサブアセンブリなどを含む。図6Bは、本明細書の一実施形態による、ワークピース601がその中に保持されたワークピース支持部501の平面図である。
【0062】
図7は、本明細書の一実施形態による、図1-2に示す製造システム100のキッティング領域102の上平面図である。フルケースの量で製造施設に到着した新しいワークピースは、図3に示された3次元(3D)グリッド状保管構造300に移され、導入されてもよい。自動保管検索システム(ASRS)構造101を定義する図3は、一般的な在庫として、同一の型の複数のワークピース701が、ここでは「在庫保管ユニット」と呼ばれる共有のワークピース保管ユニットに移される。そこからより少量のワークピースが後で、図1-2に図示された製造センター105の製造セル106、107のいずれかで実行される製造処理の要件に従って、単一型のワークピースを含むワークピース保管ユニット303bまたは様々なワークピースのキットのいずれかをまとめるように引き出される。異なる在庫保管ユニット303aからまとめられた異なるワークピースのキット化されたコレクションは、この保管ユニット303cを、一般在庫ワークピース701を含む在庫保管ユニット303aおよび単一型のワークピースを含むワークピース保管ユニット303bと区別するために、ここでは「キット保管ユニット」と呼ばれる別の保管ユニットに入れられる。一般在庫ワーク701を複数の在庫保管庫303aからワーク保管庫303bまたはキット保管庫303cに移すキッティング処理は、1台以上のキッティング作業ステーション103,104を備えたキッティング領域102で行われる。キッティング作業ステーション103,104の数は、様々な実施形態で異なっていてもよい。実施形態では、これらのキッティング作業ステーション103、104は、その全体が参照により本明細書に組み込まれているPCT特許出願番号PCT/IB2020/054380に開示されている型のピッキング作業ステーションと同一または類似している。
【0063】
図7に示すような実施形態では、キッティング作業ステーション103および104のそれぞれは、ASRS構造101の周囲側面101aから外側に突出する第1脚部103a、104aと、ASRS構造101の周囲側面101aに平行に延びる第2脚部103b、104bとを備えるL字型の構成を有する。各キッティング作業ステーション103,104の内部は密閉されており、それに応じて、各キッティング作業ステーション103,104は、図2に示されているように、その側面でそれぞれのキッティング作業ステーション103,104を囲む直立した外壁で構成されており、そのグリッド状の下側トラックレイアウト302で3Dグリッド状保管構造300に開口する内側の側面を除く。各キッティング作業ステーション103,104は、その下側が各キッティング作業ステーション103,104の内部天井を規定し、その対向する上側が外部のカウンタートップ作業面を規定するトップカバーパネル110をさらに備える。
【0064】
第1脚部103a,104aの内部には、それぞれのキッティング作業ステーション103,104の下側トラックがある。各キッティング作業ステーション103,104の下側トラックは、3Dグリッド状保管構造300のグリッド状下側トラックレイアウト302の延長線上にある。一実施形態では、各キッティング作業ステーション103,104の下側トラックは、2つのスポット幅を有し、3Dグリッド状保管構造300の外周側に垂直に走る2ウェイトラックである。3Dグリッド状保管構造300のグリッド状下部トラックレイアウト302と同様に、各キッティング作業ステーション103,104の下部トラックは、下部トラックの正方形のスポットを区切る垂直に交差するレールを含む。第1脚部103a、104aの外側、すなわち第2脚部103b、104bに対向する側に沿って走る第1一連のスポットは、第1脚部103a、104aの双方向の下部トラックの外向きの半分を定義し、その上でロボット保管/検索車両(RSRV)306が、そのグリッド状下部トラックレイアウト302で3Dグリッド状保管構造300を出て、それぞれのキッティング作業ステーション103、104の第1脚部103a、104aの内側で3Dグリッド状保管構造300から離れるように走行する。第1脚部103a,104aの対向する内側に沿って走る第2一連のスポットは、第1脚部103a,104aの双方向下側トラックのインバウンドハーフを規定し、その上でRSRV306は、そのグリッド状下側トラックレイアウト302上の3Dグリッド状保管構造300に戻って移動することができる。RSRV306が3Dグリッド状保管構造300から出て、それぞれのキッティング作業ステーション103、104の第1脚103a、104aを通って、3Dグリッド状保管構造300の中に戻ってくるこの循環経路は、図7の矢印702によって示されている。
【0065】
下側トラックのインバウンド側半分のアクセススポットの上方には、ピッキングアクセスポート111が、トップカバーパネル110を介して、そのカウンタートップ作業面から、それぞれのキッティング作業ステーション103,104の第1脚部103a,104aの内部空間に開口している。したがって、それぞれのキッティング作業ステーション103,104の第1脚部103a,104aを走行するRSRV306が、その走行の往路半分のアクセススポットに停止すると、L字型作業ステーション103,104の角部付近に立っている、または取り付けられているそれぞれのキッティング作業ステーション103,104の人間の作業者703またはロボットの作業体704が、RSRV306の上に載せられた在庫保管ユニット303aと対話して、そこから1つ以上の在庫ワーク701を選ぶことができる。この在庫保管ユニット303aは、その後、それぞれのキッティング作業ステーション103、104の下側トラックのアクセススポットから、そのグリッド状下側トラックレイアウト302上の3Dグリッド状保管構造300に戻って、先に進められる。
【0066】
それぞれのキッティング作業ステーション103,104の第2脚部103b,104bは、同様に、最初に空のワークピース保管ユニットまたは最初に空のキット保管ユニットが受け取られる別のアクセススポットの上に位置して、そのカウンタートップ作業面からそれぞれのキッティング作業ステーション103,104のトップカバーパネル110を貫通する配置アクセスポート112を備える。この配置アクセスポート112は、したがって、ピッキングアクセスポート111を通過して循環した1つ以上の在庫保管ユニット303aからピッキングされた在庫ワークピース701をその中に配置するために、空のワークピース保管ユニットまたは空のキット保管ユニットへのアクセスを可能にする。配置アクセスポート112でのRSRV306の長期的な静止駐車は、その間にその特定のRSRV306を他の作業に割り当てることを妨げる、無駄な資源と考えられ、したがって、実施形態では、それぞれのキッティング作業ステーション103、104の第2脚部103b、104bは、この第2脚部103b、104bを通る保管ユニットの車両運搬式の移動のための車両トラックを含まない。車両トラックの代わりに、第2脚部103b,104bは、第1脚部103a,104aから最も遠いその遠位端から、配置アクセスポート112の下にあるアクセススポットまで、第2脚部103b,104bに沿って走る内部コンベア114aを含んでいる。RSRV306が、3Dグリッド状保管構造300のグリッド状下部トラックレイアウト302の外周にあるドロップオフ/ピックアップスポット113から内部コンベア114a上に空のワークピース保管ユニットまたは空のキット保管ユニットをアンロードし、キッティング作業ステーション103,104の内部コンベア114aが、空のワークピース保管ユニットまたは空のキット保管ユニットを配置アクセスポート112に進め、在庫保管ユニット303aからピッキングされた在庫ワークピース701がワークピース保管ユニット303bまたはキット保管ユニット303cに配置される。ワークピース保管ユニット303bまたはキット保管ユニット303cが完全にコンパイルされると、充填されたワークピース保管ユニット303bまたは充填されたキット保管ユニット303cは、キッティング作業ステーション103,104から、キッティング作業ステーション103,104の内部コンベア114aの方向とは反対方向に走行するリターンコンベア114b上に変位され、充填されたワークピース保管ユニット303bまたは充填されたキット保管ユニット303cをドロップオフ/ピックアップスポット113に戻して、そこで別のRSRV306にピックアップさせる。このRSRV306は、次に、充填されたワークピース保管ユニット303bまたは充填されたキット保管ユニット303cを3Dグリッド状保管構造300内に運び、充填されたキット保管ユニット303cを、図1-2に図示された製造セル106または107で必要なときにそこから後で取り出すために利用可能な保管場所に預ける。
【0067】
したがって、各キッティング作業ステーション103,104は、在庫保管ユニット303aおよびワークピース保管ユニット303bまたはキット保管ユニット303cがそれぞれ、キッティング作業ステーション103,104を通って移行するそれぞれの保管ユニット303a,303b,303cからワークピース701をピッキングおよび配置するためにアクセス可能なそれぞれのアクセスポート111,112を介して、キッティング作業ステーション103,104を通って移送可能な2つの移動経路を含む。キッティング作業ステーション103,104を通る1つの移動経路は、3Dグリッド状保管構造300の延長トラック上でのそれぞれの保管ユニット303a,303b,303cの車両による移動を含み、他の移動経路は、それぞれの保管ユニット303a,303b,303cのドロップオフおよびピックアップがRSRVのフリート306によっても実行される、短いコンベアベースの経路である。
【0068】
図8A-8Dは、図1-2に示す製造システム100の製造センター105の部分的な上面平面図であり、本明細書の異なる実施形態による、異なる保管ユニット303b、303c、303dが製造ワークフローに採用されている、完全に自動化された製造セル106および隣接する人間が付き添う製造セル107を示している。図8Aおよび図8Cは、製造ワークフローに採用されたワークピース保管ユニット303bおよび工具保管ユニット303dを示す図である。図8Bおよび図8Dは、製造ワークフローに採用されるキット保管ユニット303cおよび工具保管ユニット303dを示す。
【0069】
図8A-8Dに図示されているように、製造センター105のグリッド状のトラック構造108は、図3および図4A-4Bに図示されているRSRV306が2次元で操縦可能な交差するレールの組を含む。組の交差するレールのうち、1組の交差するレールは、図1-3に図示されたASRS構造101を規定する3次元(3D)グリッド状保管構造300のグリッド状下部トラックレイアウト302の対応するレールの延長線上にある。図8A-8Dに図示されているような実施形態では、延長レール115は、3次元グリッド状保管構造300のグリッド状下部トラックレイアウト302と製造センター105のグリッド状トラック構造108とが共有する2次元(2D)基準面のX方向に走り、したがって、3次元グリッド状保管構造300のグリッド状下部トラックレイアウト302のX方向レール307とインラインで接続する。延長レール115は、グリッド状トラック構造108のクロスレール116と垂直に交差しており、このクロスレール116は、図示の例では、共有された2D基準面のY方向に走っている。したがって、クロスレール116は、3Dグリッド保管構造300の外周から外側に向かって間隔を空けて、3Dグリッド保管構造300のグリッド状下部トラックレイアウト302のY方向レール308と平行に横たわっている。グリッド状トラック構造108は、それぞれが隣接する一対の平行な延長レール115と隣接する一対の交差レール116との間で区切られた正方形のスポット117を含む。
【0070】
図8A-8Bに示されているような実施形態では、グリッド状トラック構造108のスポット117は、正方形のみである。図8C-8Dに例示されているような別の実施形態では、3Dグリッド状保管構造300のグリッド状下側トラックレイアウト302におけるすべてのX方向レール307が、それに取り付けられたそれぞれの延長レール115を有するわけではないので、グリッド状トラック構造108におけるスポット117は、正方形だけではない。本実施形態では、クロスレール116が一定の規則的な間隔で配置されている一方で、延長レール115は、自動製造セル106を通過するような位置では省略されている。その結果、本実施形態では、グリッド状トラック構造108をそのX方向に横断して、隣接する2本の延長レール115の間で測定された内側の幅を有する帯状の領域を「列」という用語で表すと、グリッド状トラック構造108は、自動製造セル106によって占有され、幅の広い長方形のスポット119で構成された幅広の列と、その反対側で各幅広の列に隣接するように対で配置された幅狭の列とを有する。そのY方向にグリッド状トラック構造108をまたぎ、2つの隣接するクロスレール116を横切って測定された内側の幅を有するストリップ状の領域を指称するのに行という用語を使用すると、グリッド状トラック構造108は、図8A-8Dに示されているように、等しい幅の均一な行を有する。
【0071】
図8A-8Bに図示されている実施形態では、グリッド状トラック構造108は、グリッド状トラック構造108全体にわたって規則的で一貫した間隔でフルセットの延長レール115を構成しており、その際、グリッド状トラック構造108のすべてのスポットは正方形構成であり、すべての列および行は均一で等しい幅である。各正方形のスポット117は、製造セル106およびそのモジュラー構成要素のサイズが測定されるグリッド状トラック構造108の基準単位を示す。図8A-8Dに例示的に示されているように、自動化された製造セル106の各々は、グリッド状トラック構造108の9つの方形スポット117に等しい面積の方形セル空間を占める。その結果、実施形態では、正方形のセル空間は、9つの正方形の部分空間の集合体に分割される。9つの正方形空間の各々は、グリッド状トラック構造108の正方形スポット117と同等の面積である。
【0072】
図8A-8Dに例示されているように、自動製造セル106のそれぞれは、4つのモジュール式保持ステーション118a、118b、118c、118d、第1作業用ロボットモジュール120a、および第2作業用ロボットモジュール120bを含む。4つのモジュール式保持ステーション118a、118b、118c、118dは、製造セル106の4つのコーナー部分空間を占める。第1作業用ロボットモジュール120aは、製造セル106の正方形の周囲の第1側面において、コーナー部分空間のうちの2つの間に位置する第1中間周囲部分空間を占有する。第2作業用ロボットモジュール120bは、製造セル106の正方形の周囲の対向する第2側面において、他の2つのコーナー部分空間の間に配置された第2中間周囲部分空間を占有する。一実施形態では、保持ステーションモジュール118a-118d及びロボットワーカーモジュール120a,120bの各々は、製造セル106の単数の正方形部分空間に概ね等しい領域面積を有する正方形領域モジュールである。したがって、保持ステーションモジュール118a-118dおよびロボットワーカーモジュール120a,120bのそれぞれのX方向およびY方向の両方の幅は、正方形スポット117の対向する側面にある2つの平行なレールの間で測定された、同じ方向の正方形スポット117の幅を超えないようになっている。図8A-8Dに示される実施形態では、保持ステーションモジュール118a-118dおよび作業用ロボットモジュール120a、120bのそれぞれは、グリッド状トラック構造108の単一の基準ユニットまたは正方形スポット117のみを占有する単一ユニットの1×1モジュールである。他の実施形態では、マルチユニットまたはマルチスポットモジュールが追加的または代替的に採用され、各マルチユニットまたはマルチスポットモジュールは、グリッド状トラック構造108のそれぞれの数の全ユニットまたはスポットを占有する。例えば、1つの次元で2ユニットの幅を測定し、他の次元で1ユニットの幅を測定するデュアルユニット2×1モジュールは、グリッド状トラック構造108の2ユニットを占める。いずれにしても、保持ステーションモジュール118a-118dおよび作業用ロボットモジュール120a、120bのそれぞれのいずれかの方向の幅は、一般に、本明細書で「ユニット幅」とも呼ばれる、任意の正方形のスポット117の幅の整数倍に等しい。図8A-8Dでは、説明のために、2つの作業用ロボット123a、123bを備えた3x3の正方形スポットが1つの製造セル106を構成している様子を示しているが、本明細書で開示する製造センター105の範囲は、2つの作業用ロボット123a、123bを備えた3x3の正方形スポットを含む各製造セル106に限定されるものではなく、X方向またはY方向に正方形スポットと作業用ロボットを追加したスケーラブルな製造セルを含むように拡張してもよい。例えば、製造センター105は、4つの作業用ロボットと6つの保管ユニットを備えた3x5の正方形のスポットを含むスケーラブルな製造セル106を備えるように構成されている。
【0073】
一実施形態では、各モジュラー保持ステーション118a、118b、118c、118dは、その上に保管ユニット303b、303c、303dのうちの1つを配置することを収容するサイズの棚付けアセンブリである。図9Aに示されているように、棚付けアセンブリは、4つの構造支持体または直立体121のセットによって支持された一対の平行な棚レール129を含んでいる。各アップライト121は、製造セル106の正方形の部分空間のそれぞれのコーナーにおいて、グリッド状のトラック構造108の2つの垂直なレール115,116の交差部に設置される。各棚レール129は、正方形の部分空間のそれぞれの側面に沿って走り、2つの棚レール129の間の距離は、各正方形の底部を有する保管ユニット303b、303c、または303dの幅よりも小さい。つの棚レール129の間のオープン空間は、製造セル106での保管ユニット303b、303c、または303dのドロップオフの際に、RSRV306から保管ユニット303b、303c、または303dを棚レール129上に押し出すために、図4A-4Bに図示されたRSRV306のタレットアーム315を2つの棚レール129の間に挿入することができる。同様に、棚レール129の間の空間は、図4A-4Bに示されたRSRV306の上部支持プラットフォーム312の下降によって、保管ユニット303b、303c、または303dの下面との係合から一旦下降したRSRV306のタレットアーム315の後退を可能にする。図4A-4Bに示されるRSRV306の上部支持プラットフォーム312の下降によって、保管ユニット303b、303c、または303dが棚レール129に着座すると、それによって保管ユニット303b、303c、または303dが製造セル106に駐車され、RSRV306が他の製造セル106のための他の検索および配送タスクを実行するために自由になる。保管装置303b、303c、または303dの後のピックアップ時には、RSRV306のタレットアーム315をシェルフレール129の間に伸ばし、RSRV306の上部支持プラットフォーム312を上昇させて、伸ばしたタレットアーム315を保管装置303b、303c、または303dの下面と係合させ、その後、タレットアーム315を後退させて保管装置303b、303c、または303dをRSRV306の上部支持プラットフォーム312上に引き上げることを含む逆の処理が実行される。したがって、保持ステーション118a-118dにおける保管ユニット303b、303c、303dの脱着は、3次元グリッド状保管構造300の垂直保管柱304の棚金具が保持ステーション118a-118dの棚レール129と同等の間隔で配置されていることから、3次元グリッド状保管構造300の棚付き保管場所への保管ユニット303b、303c、303dの脱着と同じであるといえる。
【0074】
図8Aおよび図8Cに例示的に示されているような実施形態では、第1作業用ロボットモジュール120aの反対側にある2つのモジュール式保持ステーション118a、118bは、製造セル106での製造処理に必要な2種類のワークピース701a、701bを製造セル106に供給するために、RSRV306によってワークピース保管ユニット303bが送出される第1および第2ワークピース保持領域として指定されている。図8Bおよび図8Dに例示的に示されているような別の実施形態では、第1作業用ロボットモジュール120aの反対側にある2つのモジュール式保持ステーション118a,118bは、製造セル106での製造処理に必要なワークピースの特定の組み合わせを製造セル106に供給するために、RSRVs306によってキット保管ユニット303cが配送される第1および第2ワークピース保持領域として指定される。第2作業用ロボットモジュール120bの反対側にある他の2つのモジュール保持ステーション118c,118dは、製造セル106での製造工程に必要な特定の組み合わせの工具801を製造セル106に供給するために、RSRVs306によって工具保管ユニット303dが配送される第1および第2ツール保持着地領域とされている。第1ワーク保持着地領域および第1ツール保持着地領域は、製造セル106で実行される第1製造処理にワーク701a、701bおよびツール801を供給するための第1対の組の保持着地領域として指定され、第2ワークピース保持着地領域および第2ツール保持着地領域は、製造セル106で実行される異なる第2製造処理にワーク701a、701bおよびツール801を供給するための第2対の組の保持着地領域として指定される。
【0075】
作業用ロボットモジュール120a、120bのそれぞれは、それぞれの作業用ロボットモジュール120a、120bが設置されている製造セル106の割り当てられた部分空間の境界を超えないように、それぞれの作業用ロボットモジュール120a、120bのシングルスポットまたはマルチスポットの領域を定義する正方形または長方形の形状の取り付けベース122を含んでいる。一実施形態では、取り付けベース122は、割り当てられた部分空間の4つの角にある4つのアップライト121のセットの間に吊り下げられる。図8A-8Dに示されるような実施形態では、各作業用ロボットモジュール120a,120bが、製造セル106のすぐに隣接する部分空間で2つの保持ステーション118a,118bまたは118c,118dに隣接している場合、各作業用ロボットモジュール120a,120bは、2つの隣接する保持ステーション118a,118bまたは118c,118dのそれぞれと2つのアップライト121を共有する。例えば多軸多関節ロボットアームの形をした作業用ロボット123a,123bは、取り付けベース122の上に配置されている。実施形態では、第1作業用ロボットモジュール120aの作業用ロボット123aは、作業用ロボットモジュール120aに隣接する2つのワークピース保持着地領域の保持ステーション118a,118bからワークピース701a,701bをピッキングするためのロボットピッカーとして使用される。第2作業用ロボットモジュール120bの作業用ロボット123bは、ロボットピッカー123aによってピッキングされたワーク701a,701bに対して製造工程の工程を実行する工程作業用ロボットとして使用される。処理作業用ロボット123bは、工具支持体が、異なる工具801を選択的に結合して、異なる工具801を用いた異なる製造処理工程の実行を可能にすることができる自動ツール交換インターフェースを備える型のものである。したがって、処理作業用ロボット123bは、ロボットワーカーモジュール120bに隣接する2つのツール保持着地領域のモジュール保持ステーション118c,118dの上に駐留された工具保管ユニット303dに保持された2組の工具801のいずれかから、1つ以上のワークピース701a,701bに対して実行される特定の処理工程に必要な工具801を選択して取り付けることができる。
【0076】
図8A-8Dに示されているように、保持ステーション118a-118dおよび作業用ロボットモジュール120a、120bは、製造セル106の9つの部分空間のうちの6つの部分空間をその反対側で占めている。残りの3つの部分空間は、占有された2つの部分空間のセットの間で占有されずに残っている。これらの3つの占有されていない部分空間のうち、2つの作業用ロボットモジュール120a、120bの間の中央部分空間は、製造セル106の作業領域を定義しており、この作業領域には、ワークピース支持体501を担持したRSRV306を駐車して、ワークピース支持体501を2つの作業用ロボット123a、123bの間の作業位置に配置して、作業用ロボット123a、123bによるアクセスを可能にすることができる。ワークピース支持体501のこの作業位置は、工具保持ステーション118c,118dに保持された工具のセットの中から加工作業用ロボット123bによって自動的に選択されて取り付けられた適切な工具801を使用して、次に加工作業用ロボット123bによって支持されたワークピース(複数)に実行されるべき1つ以上の製造処理工程に従って、いずれかのワークピース保持着地領域から1つ以上のワークピース701a,701bを所定の位置および向きでロボットピッカー123aによってワークピース支持体501上に配置することを可能にする。製造セル106の他の2つの占有されていない部分空間は、製造セル106のそれぞれの側面において、ワーク保持着地領域の1つとツール保持着地領域の1つとの間にそれぞれ開放されている中周の部分空間124a,124bである。この3つの部分空間は、ワークピース支持部501を搭載したRSRV306が製造セル106内をその一方の側から他方の側に移動する際に、ワークピース支持部501上へのワークピース701a,701bの配置および処理に対応するために、中央の部分空間で途中で一時停止するスルーパスを形成する。図8Aおよび図8Cは、本明細書の一実施形態による、2種類のワークピース701a、701bを保管した2つのワークピース保管部303bを製造工程で使用する場合の製造セル106を示す図である。本実施形態では、製造セル106に複数のワークピース保管部303bが保管され、取り出され、受け渡される。さらに、製造セル106内の各ワーク保管ユニット303bに対して、1つの工具保管ユニット303dが設けられている。ワークピース保管ユニット303bは、3Dグリッド状保管構造300から取り出され、製造セル106での一連の組立工程で引き渡され、使用される。図8Bおよび図8Dは、本明細書の一実施形態による、異なる型のワークピースの特定の組み合わせを含む2つのキット保管ユニット303cが製造処理で使用される場合の製造セル106を示す。一例では、図8Bおよび図8Dに図示されている右側のキット保管ユニット303cは、現在組み立てられている保管ユニットであり、左側のキット保管ユニット303cは、その後の製造処理で使用される保管ユニットである。
【0077】
図9Aは、本明細書の一実施形態による、第1ワークピース保管装置303bからRSRV担持ワークピース支持体501上に第1型の第1ワークピース701aを搬入するロボットピッカー123aを示す、図1-2に示す製造センター105の全自動製造セル106の1つの斜視図である。図9Aに示されるように、ワークピース支持体501を担持するRSRV306は、3次元(3D)グリッド状保管構造300を含むASRS構造101を、RSRV306が3Dグリッド状保管構造300のグリッド状下側トラックレイアウト302から製造センター105のグリッド状トラック構造108上に乗り移る貫通口127で出ることができ、その後、グリッド状トラック構造108に沿って、ワークピース支持体501が宛てがわれた製造セル106に乗り移ることができる。RSRV306は、製造セル106の一方の側の中周部分空間124aで製造セル106の貫通路に入り、ワークピース支持体501にワーク701a,701bが載置されて処理されるまで製造セル106の中央部分空間に駐留し、その後、製造セル106の対向側の中周部分空間124bを経由して製造セル106を出発する。RSRV306は、ワークピース支持体501およびその上で処理された(複数の)ワークピースを、RSRV306が製造センター105のグリッド状トラック構造108から3Dグリッド状保管構造300のグリッド状下側トラックレイアウト302上に乗り移る被覆されていない再進入ポート128を介して、その保管場所に保管するために3Dグリッド状保管構造300に戻して輸送する。
【0078】
図10に示されているような実施形態では、現在の製造セル106から出ると、RSRV306は別の製造セル106に向かって走行することができ、このセルでは、追加のワークピースがワークピース支持部501およびその上の以前に処理された(複数の)ワークピースに追加され得る。実施形態では、複数の製造セル106を通るRSRV306のこのルーティングは、複数の製造セル106で実行される一連の製造処理によって完成品、例えば、完成品または完成サブアセンブリが製造されるまで、繰り返され、その際、完成品または完成サブアセンブリは、3Dグリッド状保管構造300に戻され、その中のそれぞれの保管場所に堆積される。
【0079】
本明細書に開示されている製造セル106の特定のサイズ、および図9A-9Fに図示されているモジュール式構成要素の数、型、およびレイアウト、ならびにその中の占有されていない空間は、例として提供されており、異なる可能性がある。正方形単位のグリッド状トラック構造108に対する製造セル106の構成要素のモジュール性は、製造施設の新たなまたは変化するニーズに応じて、製造セル106のいずれかをカスタマイズおよび再編成する大きな柔軟性を可能にする。実施形態では、以下の例示的な製造シナリオに開示されているように、製造セル106での非生産的な時間を最小化するために、各製造セル106に2つのワークピース保持着地領域が設けられている。
【0080】
図9Aに示されるように、第1ワークピース保持ステーション118aは、第1型、例えば、A型の複数のワークピース701aを保持し、第2ワークピース保持ステーション118bは、異なる第2型、例えば、B型の複数のワークピース701bを保持している。図9Aに示されるように、ロボットピッカー123aは、既にA型のワークピース701aおよびB型のワークピース701bを、それぞれのワークピース保管ユニット303bから、製造セル106の中央部分空間に駐車されたRSRV担持のワークピース支持体501上に配置しており、第1セットからA型の別のワークピース701aをワークピース支持体501上に配置している様子が示されている。図9Aに示す例では、ワークピース支持部501は、A型の複数のワークピース701aを、B型のワークピース701bをA型のそれぞれのワークピース701aに接合するのに適した所定の向きで保持するように構成されている。必要な数のA型のワークピース701aがワークピース支持部501上に配置されると、空のRSRV306は、3Dグリッド状保管構造300から出口ポート127を介して製造セル106に移動し、図9Bに図示されているように、第1保持ステーション118aから今は不要なワークピース保管ユニット303bをピックアップし、ワークピース保管ユニット303bを再入力ポート128を介して3Dグリッド状保管構造300に戻すことができる。
【0081】
図9Bは、製造セル106の斜視図である。9Bは、製造セル106の斜視図であり、ロボットピッカー123aが、処理作業用ロボット123bによってRSRV運搬ワークピース支持体501上のA型の第1ワークピース701aに取り付けるために、第2ワークピース保管ユニット303bからB型の第2ワークピース701bをRSRV運搬ワークピース支持体501上にロードしている状態を示す。と、本明細書の実施形態に従って、製造セル106を異なる後続の製造処理のために準備するために、A型の残りのワークピース701aを含む第1ワークピース保管ユニット303bを取り外すRSRV306とを備える。この第1ワークピース保持ステーション118aからの今は不要なワークピース保管ユニット303bのピックアップの間に、ロボットピッカー123aは、第2ワークピース保持ステーション118bからB型のワークピース701bをピックアップし、B型のワークピース701bを製造セル106の中央部分空間に駐車されているワークピース支持部501に移すとともに、B型のワークピース701bを、既に配置されているA型のワークピース701aの1つに所定の位置および向きで配置または保持して、それに取り付ける。一方、処理作業用ロボット123bは、工具保持領域の1つである工具保持ステーション118dに駐留している工具保管部303dから所定の工具801を選択して自己装着する。
【0082】
図9Cは、製造セル106の斜視図であり、RSRV306が、取り外したワークピース保管ユニット303bを交換するために、第3型、例えば、C型のワークピース701cを保管した第3ワークピース保管ユニット303bを製造セル106に送出している状態を示す図である。処理作業用ロボット123bが、本明細書の実施形態に従って、RSRVで搬送されたワークピース支持部501上のA型の第1ワークピース701aにB型の第2ワークピース701bを接合するために、自動的に選択された工具801を工具保管部303dからピッキングしている間。処理作業用ロボット123bは、付属の工具801を使用して、ロボットピッカー123aによって保持されているB型のワークピース701bを、以前にワークピース支持体501上に置かれたA型のワークピース701aのうちの1つに接合し、別のRSRV306は、C型のワークピース701cを含む第3ワークピース保管ユニット303bを、今は取り外されたワークピース保管ユニット303bによって以前に占有されていた第1ワークピース保持ステーション118aに送出する。一実施形態では、図1-2および図7に示された製造システム100のキッティング領域102でのキッティング作業によって組み立てられるキット保管ユニットは、単一の製造工程のために複数のワークピース保管ユニット303bを検索して製造セル106に送出することを妨げるために、特定の製造工程に必要な様々な型のワークピースの特定の組み合わせを含むように構成される。
【0083】
図9Dは、製造セル106の斜視図であり、接合された第1および第2ワークピース701aおよび701bの完成したサブアセンブリが、RSRVで運ばれたワークピース支持体501上で製造セル106を出発し、本明細書の一実施形態による、後続の製造処理中にC型のワークピース701cとそれを組み立てるために別のRSRV306で届けられた第4型、例えば型Dのワークピース701dを運ぶ新しいワークピース支持体501を示す。図9Dは、ワークピース支持部501が、2つの作業用ロボット123a,123bの上記開示された協力によってA型のそれぞれのワークピース701aに接合されたB型のワークピース701bを含むサブアセンブリを保持している状態を示している。ワークピース支持体501およびその上のサブアセンブリは、ワークピース支持体501が搭載されたRSRV306によって製造セル106から追い出され、一方で、3次元グリッド状保管構造300からD型の複数のワークピース701dを搭載した別のRSRV306が、サブアセンブリが出発している製造セル106に到着する。一実施形態では、出発するワークピース支持体501およびその上のサブアセンブリは、RSRV306によって、保管のために3Dグリッド状保管構造300の中に運ばれる。別の実施形態では、出発するワークピース支持体501およびその上のサブアセンブリは、さらなる処理のために、RSRV306によって別の製造セル106へと運ばれる。次に、第1ワークピース保持ステーション118a上に駐車された第3ワークピース保管ユニット303bからのC型のワークピース701cは、ロボットピッカー123aによってD型のワークピース701dと適切な関係で配置または保持され、一方、処理作業用ロボット123bは、必要に応じて、工具保持ステーション118dで工具を交換し、その後、D型のワークピース701dをC型のワークピース701cに接合するための接合処理を実行する。
【0084】
図9Eは、製造セル106の斜視図であり、ロボットピッカー123aが第3ワークピース保管部303bからC型の第3ワークピース701cを、新しいRSRVに乗せている状態を示す。9Eは、製造セル106の斜視図であり、ロボットピッカー123aが、第3ワークピース保管ユニット303bからC型の第3ワークピース701cを新しいRSRV担持ワークピース支持体501上に搬入している一方で、処理作業用ロボット123bが、本明細書の実施形態に従って、C型の第3ワークピース701cを新しいRSRV担持ワークピース支持体501上のD型の第4ワークピース701dに接合するために、自動的に選択された工具801を工具保管ユニット303dからピッキングしている状態を示す図である。
【0085】
図9Fは、本明細書の実施形態による、新しいRSRV担持ワークピース支持体501上のC型の第3ワークピース701cと型Dの第4ワークピース701dとを接合するためのロボットピッカー123aと処理作業用ロボット123bとの協力関係を示す、製造セル106の斜視図である。ロボットピッカー123aは、第3ワークピース701cと第4ワークピース701dとをワークピース支持体501上で所定の向きに保持し、処理作業用ロボット123bは、選択された工具801を用いて第3ワークピース701cと第4ワークピース701dとを接合する。
【0086】
前述の例は、製造セル106が他のワークピース保持領域からのワークピースの配置および処理に取り組んでいる間に、2つのワークピース保持領域のうちの一方のワークピース保管ユニット303bをどのように交換することができるかを示しており、これは、製造セル106を異なる製造処理のために準備するために実行されるかどうかを問わない。前述の例で考えられているように、または、同じ製造処理の繰り返しのために製造セル106を補充するために、空のワークピース保管ユニット303bを、同じ型またはキットのワークピースを有する完全な保管ユニット303bまたは303cと交換するかどうか。同様に、前述の例は、第2ワークピース支持体501を運ぶRSRV306が、第1ワークピース支持体501のワークピース内容に対する製造処理の完了前に、製造セル106にキューイングされることができることを示している。このようにして、第1ワークピース支持体501がそのRSRV306に乗って製造セル106を出発すると同時に、第2ワークピース支持体501は、製造セル106の中央の作業用ロボット123a,123bの間の作業位置に進入するのである。前述の例は、製造セル106に搬入されるワークピース支持体501が、空のワークピース支持体、または、処理済みのワークピースまたは組み立て済みのサブアセンブリが以前に処理または組み立てられた占有ワークピース支持体のいずれかであることが可能であり、そのような以前の処理または組み立てが、同じ製造セル106で先に行われたか、異なる製造セルで行われたかを問わないことも示している。到着したワークピース支持体501が占有されたワークピース支持体である場合、ワークピース支持体501は、別の製造セルから直接到着してもよいし、ワークピース支持体501が製造処理の間に一時的に保管またはバッファリングされた3Dグリッド状保管構造300の保管場所から到着してもよい。
【0087】
図10は、本明細書の一実施形態による、製造センター105内の様々な製造セル106における複数の製造ステージを介して、図9A-9Fに図示されたワークピース支持体501を移動させるためにRSRVの1つ306によって横断されるマルチストップパスの例を示す、図1-2に示された製造センター105の上面平面図である。一実施形態では、製造セル106は、グリッド状のトラック構造108上の任意の製造セル順序を使用して、複数の製造処理を順次実行するためにデイジーチェーン接続される。別の実施形態では、個々の製造処理が各製造セル106に割り当てられ、可用性が許す限り完了される。例えば、図10に図示された工程1、2、3、および4は、製造セル106の優先順位および利用可能性に応じて、任意の組み合わせで実行することができる。図10に示されるように、その上にワークピースを有するワークピース支持部501を運ぶRSRV306は、完成したサブアセンブリをASRS構造101に戻す前に、4つの異なる製造セル106において、複数の停止位置、例えば4つの停止位置を有する経路を横断する。ワークピース支持体501上に配置されたワークピースは、完成品、例えば、完成品または完成したサブアセンブリの製造のために、製造セル106のそれぞれで製造処理の1つ以上の処理工程を受ける。その後、同じRSRV306は、完成品をASRS構造101に引き渡し、その中に保管する。
【0088】
一実施形態では、コンピュータ制御システム(CCS)131は、保管ユニットを保持するための各製造セル106の保持ステーションをランダムに割り当てる。例えば、CCS131は、現在の処理のワークピースのキッティングされた容器のための1つの保持ステーション、現在の処理の工具のキッティングされた容器のための別の保持ステーション、後続の処理のワークピースのキッティングされた容器のための別の保持ステーション、および後続の処理の工具のキッティングされた容器のための別の保持ステーションを割り当てる。CCS131は、製造セル106内の他のスポットをさらに以下のように割り当てる:RSRVで運ばれたワークピース支持体501のための滑走路として構成された(複数の)スポットと、作業用ロボット、例えば、ワークピース支持体501上で処理されるべきワークピースを把持するためのロボットピッカーと、ワークピース支持体501上でワークピースを処理するために工具を使用するための処理作業用ロボットを収容するためのスポットと。製造工程がロボット処理には複雑すぎる場合や、保管装置よりも大きなワークピースを扱う場合には、人が常駐する製造セル107が用いられる。人間付き製造セル107では、ワークのキッティング用容器と工具のキッティング用容器の両方が人間の作業者に引き渡される。CCS131は、人間が常駐する製造セル107に配置されたHMI(Human-Machine Interface)に指示を出す。保管装置の種類に応じてレンダリングされた指示は、人間が常駐する製造セル107のポートに提示される。
【0089】
図11は、本明細書の実施形態による、ASRS構造101と製造センター105の製造セル106との間でワークピースおよび工具を輸送するために、一対のRSRV306によって横断されるマルチストップパスの例を示す、図1-2に示す製造センター105の上平面図である。図9A-9Fに図示された2つのツール保持ステーション118c、118dの一方で、他方のツール保持ステーションからの1つ以上の工具が製造セル106で利用されている間に、1つの工具保管ユニット303dを他の工具に交換することは、製造時間の損失なしに、製造セル106を1つの製造処理から別の製造処理に切り替えるのに有用である。つのワークピース保持領域と2つのツール保持領域の使用は、図11に示されている。11では、ワークピース保管ユニット303bまたはキット保管ユニット303cを1つの製造セル106のワークピース保持着地領域に送出するために3Dグリッド型保管構造300から送り出されたRSRV306が、別の製造セル106から空のまたは不要なワークピース保管ユニット303bまたは空のまたは不要なキット保管ユニット303cをピックアップし、その後、この空のまたは不要なワークピース保管ユニット303bまたは空のまたは不要なキット保管ユニット303cを3Dグリッド型保管構造300に戻してそこに保管するために使用することができる。同様に、1つの製造セル106のツール保持領域に工具保管ユニット303dを届けるために3Dグリッド型保管構造300から送り出されたRSRV306は、別の製造セル106から不要な工具保管ユニット303dをピックアップし、その後、この空または不要な工具保管ユニット303dを3Dグリッド型保管構造300に戻してそこに保管するために使用することができる。一方、各製造セル106に2つのワークピース保持着地領域と2つのツール保持着地領域があると、他の保持着地領域が空になって補充されている間に、まだ占有されている保持着地領域で製造を続けることによって、製造セル106での非生産的な時間を回避することができる。実施形態では、同じRSRV306が、必要なワークピース保管ユニット303bをドロップオフした後に、空または不要な工具保管ユニット303dをピックアップするか、またはその逆を行うように構成されている。すなわち、必要なワークピース保管ユニット303bまたはキット保管ユニット303cを製造セル106にドロップオフするために使用される同じRSRV306は、空または不要な工具保管ユニット303dを製造セル106からピックアップするように構成することができる。同様に、必要な工具保管ユニット303dを製造セル106にドロップオフするために使用される同じRSRV306は、空のまたは必要のないワークピース保管ユニット303bまたはキット保管ユニット303cを製造セル106からピックアップするように構成することができる。二重タスクの割り当て、すなわち、必要な保管ユニットのドロップオフおよび空または不要な保管ユニットのピックアップを、3Dグリッド状保管構造300からRSRVfs306のシングルトリップアウトに割り当てることで、製造処理の効率が向上するが、RSRV306の単一タスクルーティングも採用することができる。
【0090】
全自動製造セル106は、グリッド状トラック構造108の主な内部領域全体に分散されており、グリッド状トラック構造108の少なくとも1つの行または列は、RSRV306がその間を移動できるように、任意の2つの隣接する製造セル106の間で開いたままになっている。図10-11に例示されている実施形態では、RSRV306と1つの製造セル106との相互作用が、隣接する製造セル106との別のRSRVfs306の相互作用を妨害することを排除するために、隣接する製造セル106の各対の間に2つの行または2つの列が開いたままになっている。
【0091】
一実施形態では、各人間関与型製造セル107は、出願人米国特許出願番号16/374,123および16/374,143に開示されている作業ステーションと同じ構造であり、各人間付き製造セル107は、RSRV306が乗って保管ユニットを下部トラック上のアクセススポットに届けることができる下部トラックを備え、このアクセススポットでは、保管ユニットが、下部トラックを覆うカウンタートップ126のアクセス開口部125を介して、人間関与型製造セル107の人間の作業者にアクセス可能である。図1-2および図10-12Bに示されているような実施形態では、複数の人間関与型製造セル107は、それらの下部トラックが集合的に、製造センター105のグリッド状トラック構造108の外周108aのそれぞれの側に隣接するグリッド状トラック構造108の単数の行または列を占めるように、互いに直列に配置される。図示された例では、4つの人間関与型製造セル107が、製造センター105の遠い側のグリッ ド式トラック構造108の最も外側の列を占める。一実施形態では、人間関与型製造セル107は、追加的または代替的に、グリッダードトラック構造108の横側108bおよび108cの一方または両方において、グリッダードトラック構造108のそれぞれの列に配置される。完全に自動化された製造セル106が配置されている同じグリッド状トラック構造108の行または列を占める人間関与型製造セル107の下側トラックは、したがって、完全に自動化された製造セル106がRSRV306によって提供されることによって、3Dグリッド状保管構造300のグリッド状下側トラックレイアウト302の同じ延長線上の一部である。RSRV306は、したがって、図1-2および図7に図示されたキッティング領域102の在庫保管ユニット303aから内容物がまとめられたワークピース保管ユニット303bまたはキット保管ユニット303cを、人間が付き添う製造セル107に引き渡すように動作可能である。一実施形態では、RSRV306はまた、それらの工具が、人間関与型製造セル107の人間の作業体、作業用ロボット、または自動製造装置の別の部分、例えばコンピュータ数値制御(CNC)マシン、またはそれらの任意の組み合わせによって必要とされ、使用されるかどうかに関わらず、それらの人間関与型製造セル107に現在割り当てられている製造処理の処理工程を実行するために、人間関与型製造セル107で必要とされる工具を含む工具保管ユニット303dを送出する。
【0092】
CNCマシンまたは他の自動化された製造装置を含む人間関与型製造セル107と同様に、実施形態では、完全に自動化された製造セル106の1つ以上がそのような装置を含む。例えば、ロボットピッカーが自動製造セル106の1つ以上のワークピース保持領域からワークピースをRSRV担持ワークピース支持体501に配置する代わりに、ロボットピッカーはワークピースをCNCマシン、例えば、ミル、ドリル、旋盤、レーザーカッター、プラズマカッター、ウォータージェットカッターなど。または他の自動製造装置の一部に配置し、そして任意に、処理されたワークピースをCNCマシンまたは他の自動製造装置からRSRV306上に戻し、例えば、ASRS構造101内に戻すためにその上に担持されたワークピース保管ユニットに入れるか、またはASRS構造101内にその移動のために、または別の自動製造セル106への往路の移動のためにRSRV306上に担持されたワークピース支持体501に移す。RSRV306は、製造セル106および107で使用される特定の機器およびレイアウトに関係なく、ASRS構造101のグリッド状トラック構造108または他のトラックを定義する延長部から1つ以上の製造セル106および107にサービスを提供するために使用される。同様に、図示の実施形態では、完全に自動化された製造セル106をグリッド構造108の主な内部領域に使用し、人間関与型製造セル107をグリッドトラック構造108の外周領域108aに配置しているが、実施形態では、人間関与型製造セル107は、グリッドトラック構造108の内部領域内に代替的に配置されるが、そのような人間関与型製造セル107との間の安全なアクセスが、人間の作業者とグリッドトラック構造108を横断するRSRV306との間の潜在的な衝突を回避する方法で確立されることが条件となる。
【0093】
図12Aは、本明細書の実施形態による、マルチレベル構造で構成された複数の製造セル106を含む製造センター105を示す、製造システム100の側面斜視図である。マルチレベル構造では、製造センター105は、複数のレベルの製造セル106で構成されている。すなわち、製造センター105は、複数のトラック操縦された製造レベル、例えば、図12A-12Bに示されるように、2つのトラック操縦された製造レベル130aおよび130bを含む。図12Bは、本明細書の一実施形態による、図12Aに示された製造センター105の拡大部分斜視図を示す。トラック操縦された製造レベル130a、130bのそれぞれは、図8A-8Cの詳細な説明に開示された型の2次元(2D)グリッド化トラック構造108を含む。2Dグリッド状トラック構造108は、図8A-8Cに示されているように、RSRV306が2次元で操縦可能な交差レール115、116の組を含む。トラック操縦可能な製造レベル130a、130bのそれぞれの2Dグリッド状トラック構造108は、各製造レベル130a、130bのグリッド状トラック構造108上に設置された製造セル106のそれぞれの組を含む。図12A-12Bに示されているように、2レベルの例におけるトラック操縦された製造レベル130aの最下位のグリッド状トラック構造108は、1レベルの実施形態について図8A-8Cの詳細な説明で開示されたものと同一のグランドレベルのトラック構造であり、したがって、ASRS構造101を規定する図3に示された3次元(3D)グリッド状保管構造300のグリッド状下部トラックレイアウト302に接続されている。地上レベルのトラック構造の上に配置された後続の各高いレベル、例えば、第2トラック操縦された製造レベル130bは、3Dグリッド状保管構造300の対応するグリッド状トラックレイアウト302への直接的な接続を欠いている。
【0094】
一実施形態では、マルチレベル構造は、直立フレーム部材309をさらに備える。直立フレーム部材309は、レベル130a,130bの交差するレール115,116を相互に接続する。実施形態では、直立フレーム部材309のうちの1つ以上は、レベル130a,130b間を移行するために、その上のRSRV306を上昇方向および/または下降方向に横断するように構成される。一実施形態では、マルチレベル構造のレベルの1つにおける2Dグリッド状トラック構造108は、RSRV306がASRS構造101とマルチレベル構造との間を移行するように構成されている、ASRS構造101における保管レベルの対応する1つに取り付けられている。地上レベルのトラック構造から後続する各高レベルのトラック構造へのRSRVのアクセスを可能にするために、図3に図示された3Dグリッド状保管構造300で使用されるのと同じ型のラック歯付き直立フレーム部材309が、RSRV306が3Dグリッド状保管構造300の直立シャフト305を通って上方および下方に移動するのと同じ方法で、異なるレベル間でのRSRV306の上昇および下降移動を可能にするために、異なるレベルのトラックレール115、116を相互接続するために使用される。実施形態では、ラック歯付きフレーム部材309は、任意の製造セルのセル構成要素、例えば、保持ステーション、作業用ロボットなどによって占有されていないグリッド状トラック構造108内の任意の占有されていない正方形のスポットの4つの角で、RSRV306の上昇および下降の移動のために使用される。一実施形態では、ラック歯付きフレーム部材は、マルチレベル構造全体で使用され、1つのレベル上の任意の占有されていない正方形スポットと次のレベル上の一致する占有されていない正方形スポットとの間の垂直空間が、RSRV306がそれらのレベル間を昇降できる直立した進行シャフトとして機能することができるようになっている。これにより、1つ以上のレベルの製造セルのレイアウトまたは機器が、以前に利用可能だったトラベルシャフトを妨害するように再構成された場合でも、他のトラベルシャフトがRSRV306のレベル間移動のために利用可能なままであるように、柔軟性が維持される。別の実施形態では、ラック歯付きフレーム部材309に加えて、またはそれに代えて、マルチレベル構造は、2019年6月10日に出願された出願人の共同係属中のPCT出願番号PCT/CA2019/050815に開示されている型のリフティング機構を組み込んでおり、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。一実施形態では、RSRV306がマルチレベル構造のより高いレベルのそれに上向きに上昇しなければならないグリッド状トラックレイアウトのそれぞれにおいて、リフティング機構が、RSRV306が上記のより高いレベルに上昇するそれぞれのシャフトの下のグリッド状トラックレイアウトの送り出しスポットに配置される。
【0095】
図12A-12Bに例示されているような実施形態では、製造センター105のマルチレベル構造は、ASRS構造101よりも低い高さの2レベル構造であり、それによって、マルチレベル構造の最上位レベル130bは、ASRS構造101を規定する図3に例示されている3Dグリッド状保管構造300のグリッド状上部トラックレイアウト301よりも低い高さにある。他の実施形態では、製造センター105のマルチレベル構造は、ASRS構造101と同等またはそれ以上の高さであり、その場合、マルチレベル構造の最上位または中間レベルは、そのグリッド状トラック構造108が3Dグリッド状保管構造300のグリッド状上部トラックレイアウト301に取り付けられていてもよく、その場合、RSRV306は、ASRS構造101および製造センター105の複数のレベルでASRS構造101と製造センター105との間を移行してもよい。別の実施形態では、3Dグリッド状保管構造300は、そのグリッド状上側および下側トラックレイアウト301および302の間の中間レベルで、製造センター105のマルチレベル構造の1つ以上のそれぞれのレベルで、グリッド状トラック構造108に開口する出口および戻り口を任意に備える。3Dグリッド状保管構造300のそのような中間レベルは、3Dグリッド状保管構造300の上部および底部にあるものと同様の完全にグリッド状トラックレイアウトを備える。別の実施形態では、保管密度の低下を回避するために、3Dグリッド化保管構造300は、そのグリッド状上部および下部トラックレイアウト301および302の間の中間レベルで、3Dグリッド化保管構造300の外側シャフトに出口ポートを任意に備え、外側シャフトを通って上昇または下降するRSRV306が製造センター105のマルチレベル構造に移行できるようにする。これを達成するために、一実施形態では、外側シャフトは、その外側シャフトのフレーム部材309の間に懸架され、製造センター105のマルチレベル構造のそれぞれのレベルにあるグリッド状トラック構造108のそれぞれの対のレールと整列する一対の移送レールを備える。この実施形態では、3Dグリッド状保管構造300と製造センター105との間の移行は、必ずしも、グリッド状トラックレイアウトが定義されている3Dグリッド状保管構造300のレベルにある必要はない。
【0096】
さらに、他の実施形態では、ASRS構造101と製造セル106との間の中間コンベヤまたは他の装置の必要性を回避するために、1つ以上の製造セル106に直接サービスを提供するためのASRS構造101からのRSRV306の使用は、必ずしも、ASRS構造101に取り付けられた2Dグリッド状トラック構造108によって達成される必要はない。実施形態では、ASRS構造101のグリッド状トラックレイアウトから外側に延び、そこに戻るトラックのネットワークが、RSRV306をASRS構造101からそのトラックのネットワークに沿って分散された1つ以上の製造セル106に出かけることを可能にするために使用される。実施形態では、トラックのネットワークは、図1-2に示されているように、その中に分散された製造セル106のアレイを有する1つ以上の2Dグリッド状トラック構造108を含むが、そのような2Dグリッド状トラック構造108はそれぞれ、ASRS構造101から離間して配置され、ネットワークの他のトラックによってASRS構造101に接続されている。一実施形態では、ネットワークの他のトラックは、ASRS構造101からグリッド状トラック構造108へのRSRVs306の往路移動専用の少なくとも1つの配送トラックと、グリッド状トラック構造108からASRS構造101へ戻るRSRVs306の復路移動専用の少なくとも1つの戻りトラックとを含む。
【0097】
図示された実施形態では、RSRV306は、そのグリッド状下部トラックレイアウト302の延長を介してASRS構造101を画定する3Dグリッド状保管構造300を出発するが、他の実施形態では、RSRV306をそこから(複数の)外部製造セル106に出発させるために、3Dグリッド状保管構造300の上部グリッド状トラックレイアウト301の延長を代替的に採用する。一実施形態では、トラックのネットワークは、3Dグリッド保管構造300のグリッド状上部トラックレイアウト301、またはグリッド状上部トラックレイアウトと下部トラックレイアウト301、302との間の3Dグリッド保管構造300の中間レベルに接続され、製造施設の他の領域で3Dグリッド保管構造300の遠隔地に配置された1つ以上の製造セル106へとそこから外に向かって延びる1つ以上のオーバーヘッドトラックを含む。地上レベルまたはオーバーヘッドトラック上のグリッド状上部トラックレイアウト301よりも低い任意の高さに配置されている場合、実施形態では、製造セル106は、オーバーヘッドトラックに接続され、3Dグリッド状保管構造300の同じラック歯付きフレーム部材309から構築され、オーバーヘッドトラックに沿って適切な間隔で設置されたドロップダウンシャフトを介して提供され、RSRV306がオーバーヘッドトラックから下降し、RSRVで運ばれた保管ユニットを製造セル106にドロップオフすることを可能にする。実施形態では、各ドロップダウンシャフトは、個々の製造セル、または、2Dのグリッド状トラック構造内に分散された複数の製造セル、または、下の高さの1次元トラックに沿って分散された製造セルにサービスを提供する。製造センター105の製造能力は、2Dグリッド状トラック構造を拡大するか、または製造センター105の構造にさらにレベルを追加することによって増加する。
【0098】
図13は、本明細書の実施形態による、製造システムにおいてワークフローを実行する方法のフローチャートを示す。本明細書に開示される製造システムは、図1-12Bの詳細な説明に開示されるように、自動化された保管・検索システム(ASRS)構造およびロボット保管・検索車両(RSRV)のフリートを有する保管配置と、ASRS構造の外側に配置された複数の製造セルとを備える。一実施形態では、保管アレンジメントは、ワークピースの供給を備える。ワークピースの供給は、ワークピースから物品を製造する際に使用するために、ASRS構造の保管場所内に保管される。ASRS構造内を3次元的に操縦可能なRSRVの同じフリートは、ワークピースを製造セルに届けるように動作可能である。実施形態では、ワークは、任意の順序で各製造セルの間で搬送可能である。本明細書で開示する製造システムでは、コンベアで直線的に搬送するのではなく、任意の順序・順番で各製造セル間でワークを搬送することができる。別の実施形態では、ワークピースは、製造処理の複数の処理工程のうちの1つ以上を実行するために、製造セルのうちの第11つで受け取られ、その後、ASRS構造の保管場所に保管され、ワークピースを製造セルのうちの第21つに移送するために、ASRS構造の保管場所から取り出される。別の実施形態では、製造セルの各々は、製造処理の1つ以上の処理工程を実行するために、ワークピースを複数回受け取るように構成される。
【0099】
一実施形態では、本明細書に開示された製造システムの保管配置は、物品の製造に使用するための工具の供給をさらに備える。工具は、ワークピースと同じASRS構造に保管される。工具は、同じASRS構造から検索可能であり、RSRVの同じフリートによって製造セルに配信可能である。
【0100】
一実施形態では、本明細書に開示される製造システムの保管装置は、ASRS構造の保管場所に保管するための適合するサイズおよび形状の保管ユニットの供給をさらに備える。保管ユニットは、保管場所との間、および製造セルとの間の保管ユニットの移送のために、RSRVによって運ばれるように構成されている。本明細書で開示される製造システムは、異なる製造セルで実行される各処理間で、ASRS構造内の保管ユニットをバッファリングすることを可能にする。一実施形態では、保管ユニットは、ワークピース保管ユニットまたは工具保管ユニットまたはそれらの任意の組み合わせを含む。ワークピース保管ユニットの各々は、1つ以上のワークピースを保持するように構成されている。工具保管ユニットの各々は、1つ以上の工具を保持するように構成される。一実施形態では、製造セルは、ASRS構造の外側に連続した配置で構成されている。本実施形態では、製造セルが連続的に配置されていることにより、保管ユニットは、保管ユニットを識別することなく、ASRS構造の保管場所と製造セルの間を行き来するように構成されている。ASRS構造と、ASRS構造の外側にある異なる製造セルのそれぞれとの間の連続性により、保管ユニットの識別またはスキャンを行うことなく、保管ユニットを直接物理的に転送することができる。
【0101】
一実施形態では、ワークピース保管ユニットは、在庫保管ユニットおよびキット保管ユニットを含む。在庫保管ユニットの各々は、在庫ワークピースのコレクションを含むように構成される。キット保管ユニットの各々は、製造セルの1つに届けられた後に混合ワークピースに対して実行される製造処理に従って、在庫保管ユニットの1つ以上からピックアップされた混合ワークピースのキットを含むように構成される。別の実施形態では、本明細書に開示される製造システムは、図7の詳細な説明で開示されるように、(複数の)キッティング作業ステーションで在庫保管ユニットから在庫ワークピースのピッキングを可能にするために、RSRVによるASRS構造からの在庫保管ユニットの配送を受け入れるように構成される少なくとも1つのキッティング作業ステーションをさらに備える。一実施形態では、キッティング作業ステーションは、RSRVの同じフリートによるワークピース保管ユニットのドロップオフおよび/またはキッティング作業ステーションを通過するワークピース保管ユニットの移動を受け取るように構成される。
【0102】
実施形態において、本明細書に開示される製造システムの保管装置は、図5A-5C及び図6A-6Bの詳細な説明に開示されるようなワークピース支持体の供給を更に備える。ワークピース支持体の各々は、商品の製造中に1つ以上のワークピースを所定の位置に保持するように構成される。ワークピース支持体は、ワークピースと同じASRS構造内に保管される。ワークピース支持体は、同じASRS構造から取り出し可能であり、同じフリートのRSRVによって製造セルに配送可能である。実施形態において、ワークピース支持体の各々は、ASRS構造の保管場所内に適合するように構成された互換性のあるサイズ及び形状の保管ユニットの供給の各々として、標準化された形状及びサイズの共通の領域のものである。ワークピース支持体の各々は、ASRS構造の保管場所内に適合するように構成された標準化された形状及びサイズの基部を含んでいる。実施形態において、ワークピース支持体の各々及び保管ユニットの各々は、RSRVへのワークピース支持体及び保管ユニットの積み下ろしを可能にするためにRSRVがワークピース支持体及び保管ユニットと相互作用するインターフェース特徴部の一致したレイアウトを有するように構成される。
【0103】
一実施形態では、ASRS構造の保管場所内に保管されたワークピースの供給に加えて、保管装置は、ASRS構造に保管された工具の供給またはワークピース支持体の供給のいずれかを備える。工具の各々は、物品の製造中に、ワークピースの1つ以上に対して製造処理の1つ以上の処理工程を実行するのに有用である。工作物支持体の各々は、物品の製造中に、工作物の1つ以上を所定の位置に保持するように構成されている。本実施形態では、RSRVのフリートは、保管場所からワークピースと、工具およびワークピース支持体のうちの少なくとも1つとを取り出すように動作可能である。ASRS構造内を3次元的に操縦可能なRSRVの同じフリートは、製造セルの間で、例えば、ワークピースと工具および/またはワークピース支持体などの供給品または部品類を配送するように動作可能である。一実施形態では、部品類は、任意の順序で製造セルの各々の間で搬送可能である。別の実施形態では、製造セルの各々は、製造処理の1つ以上の処理工程を実行するために、部品類を複数回受け取るように構成される。
【0104】
一実施形態では、製造セルの各々は、対応する製造セルでの処理を待つワークピースを保持するように構成された少なくとも1つのワークピース保持領域を備える。(複数の)ワークピース保持領域は、その上にワークピース保管ユニットのうちの1つの配置を受け入れるように構成される。一実施形態では、ワークピース保持着地領域は、2つのワークピース保持着地領域を含む。2つのワークピース保持着地領域の各々は、対応する製造セルで必要とされるワークピースのそれぞれの組を保持するように構成される。
【0105】
実施形態では、製造セルの少なくともサブセットは、トラック構造に、またはトラック構造の領域内に配置される。実施形態では、トラック構造は、図8A-8Cおよび図9A-9Fの詳細な説明に開示されているように、RSRVが2次元で操縦可能な交差するレールのセットを含むグリッド状のトラック構造である。一実施形態では、2つの次元のそれぞれにおけるワークピース保持領域の幅は、グリッド状トラック構造の2つの隣接する平行なレールの間で測定された距離の整数倍に概ね等しい。別の実施形態では、2つの寸法のそれぞれにおけるワークピース保持領域の幅は、グリッド状トラック構造の2つの隣接する平行なレールの間で測定された距離を超えない。
【0106】
一実施形態では、グリッド状トラック構造は、正方形のスポットを有する。正方形スポットの各々は、第1方向に横たわる第1対の平行レールと、第1方向に垂直な第2方向に横たわる第2対の平行レールとによって区画される。製造セルの各々は、正方形のスポットの所定の数に等しい面積のセル空間を占める。一実施形態では、少なくとも1つのセル空間は、その面積が9つの正方形の部分空間に分割可能な正方形の空間である。9つの正方形の部分空間のそれぞれは、グリッド状トラック構造の正方形のスポットの1つと面積が等しい。9つの正方形の部分空間のうち、4つの角の部分空間は、対応する製造セルが必要とする物資を保持するための保持着地領域として構成されている。実施形態では、セル空間の対向する周辺の第1対において、4つのコーナー部分空間の間に配置された第1対の中周部分空間は、作業用ロボットによって占有される。実施形態では、作業用ロボットの間に配置された中央部分空間は、ワークピースが移送され、作業用ロボットによってワークピースが処理される作業領域として構成される。実施形態では、作業領域は、セル空間の対向する第2対の外周側において、4つのコーナー部分空間の間に配置された第2対の中周部分空間に隣接している。一実施形態では、第2対の中間部部分空間の少なくとも1つは、RSRVが作業領域に出入りするように構成された無人のオープン着地領域である。別の実施形態では、第2対の中間部部分空間の両方が占有されていないオープン着地領域であり、それによってRSRVが対応する製造セルを完全に移動するように構成されている。
【0107】
一実施形態では、製造セルの各々は、ワークピース保持着地領域からワークピースをピックするように動作可能な少なくとも1つのロボットピッカーを備える。別の実施形態では、製造セルの各々は、ロボットピッカーによってワークピース保持領域からピッキングされたワークピースが移送される作業領域をさらに備える。
【0108】
一実施形態では、一部からなる組内の製造セルの各々は、対応する製造セルで必要とされる工具を保持するように構成された少なくとも1つのツール保持着地領域を備える。一実施形態では、2つの次元のそれぞれにおける工具保持領域の幅は、グリッド状トラック構造の2つの隣接する平行なレールの間で測定された距離と概ね等しい。別の実施形態では、2つの次元のそれぞれにおけるツール保持領域の幅は、グリッド状トラック構造の2つの隣接する平行なレールの間で測定された距離を超えない。一実施形態では、サブセット内の製造セルのそれぞれは、グリッド状トラック構造上またはその内部に設置された取り付けベースの上に取り付けられた少なくとも1つのロボットワーカーを備える。一実施形態では、2つの寸法のそれぞれにおける取り付けベースの幅は、グリッド状トラック構造の2つの隣接する平行なレールの間で測定された距離の整数倍に概ね等しい。別の実施形態では、2つの寸法のそれぞれにおける取付基部の幅は、グリッド状トラック構造の2つの隣接する平行なレールの間で測定された距離を超えない。
【0109】
図13に示されているように、本明細書に開示されている方法では、ワークピースおよびワークピース支持体が、ASRS構造のそれぞれの保管場所に1301を保管する。ワークピースは、保管場所のワークピース保管ユニットに保管される。実施形態では、ワークピース保管ユニットの各々は、製造処理の要件に応じて、異なるワークピースのキットで満たされる。実施形態では、ワークピース保管ユニットのそれぞれは、ASRS構造に接続されたキッティング作業ステーションで充填される。キッティング作業ステーションにおいて、RSRVのフリートは、ASRS構造のそれぞれの保管場所から取り出された在庫ワークピースを含む在庫保管ユニットを送出するように構成され、キットの異なるワークピースは、在庫保管ユニット内の在庫ワークピースからピッキングされ、ワークピース保管ユニットにまとめられ、ワークピース保管ユニットのそれぞれは、RSRVの1つによってキッティング作業ステーションから運び出され、ASRS構造からの後続の取り出しのために、ASRS構造のそれぞれの保管場所の1つに預けられる。
【0110】
一実施形態では、製造処理で使用するための工具を保持するように構成された工具保管ユニットが、ASRS構造に保管される。本明細書に開示される方法では、ASRS構造内で操縦可能なRSRVのフリートを使用して、ワークピース保管ユニットおよび選択されたワークピース支持体のうちの1つ以上が、ASRS構造の外側に配置された製造セルで実行される製造処理の要件に従って、ASRS構造から抽出され1302、製造セルに別々に引き渡される1303。一実施形態では、同じ型のRSRVが、ASRS構造から製造セルへのワークピース保管ユニットおよび選択されたワークピース支持体の両方の抽出および送出を単独で行うように構成される。製造セルにおいて、選択されたワークピース支持体は、製造セルの1つ以上の作業体がアクセス可能な作業位置に1304配置される。製造セルでは、選択されたワークピース支持体が作業位置1305に維持された状態で、(i)1つ以上のワークピースがワークピース保管ユニットから選択されたワークピース支持体上に移送され、(ii)製造処理の処理工程が、選択されたワークピース支持体上に保持されたワークピース上で1305b実行される。一実施形態では、製造処理の処理工程を実行する前に、工具保管ユニットのサブセットがASRS構造から抽出され、RSRVの1つを使用して製造セルに送出される。実施形態では、製造処理の処理工程を実行する前に、工具保管ユニットのサブセットからの工具のうちの選択された1つが、ロボットワーカーによってワークピースに実行されるべき製造処理の要件に従って、製造セルのロボットワーカーに取り付けられる。
【0111】
一実施形態では、(複数の)ワークピース保管ユニットは、2つのワークピース保管ユニットを含む。本実施形態では、2つのワークピース保管ユニットは、製造セルの2つのそれぞれの保持領域に届けられる。つのワークピースは、それぞれ、2つのそれぞれの保持領域に停められた2つのワークピース保管ユニットから、選択されたワークピース支持体の上に移送される。
【0112】
一実施形態では、ワークピース保管ユニットから選択されたワークピース支持体上に(複数の)ワークピースを移送した後、選択されたワークピースが取り出され、製造セルでの製造処理のためにそれ以上のワークピースが必要とされないワークピース保管ユニットのうちの不要なまたは空の1つが、製造セルから取り出される。本実施形態では、RSRVの1つを用いて、製造セルで必要とされる1つ以上の追加ワークを含む追加ワーク保管ユニットが製造セルに引き渡される。実施形態では、追加ワークは、同じ製造セルで実行される別の製造処理で使用するためのものである。実施形態では、ワークピース保管部のうち不要なものまたは空のものが、追加のワークピース保管部を製造セルに引き渡すRSRVとは異なるRSRVを用いて取り出される。実施形態では、異なるRSRVは、異なる製造セルにワークピース保管ユニットの異なる1つのコンテンツを供給するために、異なる製造セルでワークピース保管ユニットの異なる1つをドロップオフした後に、ワークピース保管ユニットの不要なまたは空の1つを除去するように構成される。選択されたワークピース支持体上に保持されたワークピースに対して製造処理の処理工程が実行された後、選択されたワークピース支持体およびその上で処理されたワークピースが製造セルから取り出され、RSRVの1つを使用して異なる製造処理で使用するために別のワークピース支持体が製造セルに送出され、ワークピース支持体が作業位置に支持され、追加のワークピースが追加のワークピース保管ユニットからワークピース支持体上に移され、追加のワークピースに対して異なる製造処理の1つ以上の処理工程が実行される。
【0113】
本明細書に開示される方法では、1つ以上の製造セルでの(複数の)ワークピースの処理による完成品の完成後、完成品は、RSRVの1つ上のASRS構造に導入される。一実施形態では、完成品は、完成品を完成させるために1つ以上の最終処理工程が実行された最終ワークピース支持体上のASRS構造に導入される。一実施形態では、最終ワークピース支持体は、(複数の)ワークピースが転送されたのと同じ選択されたワークピース支持体である。
【0114】
図14は、本明細書の一実施形態による、製造システムにおけるワークフローのキッティング動作を実行する方法のフローチャートを示す。本明細書で「キッティングされた容器」と呼ばれるキット保管ユニットの作業命令が受信される例を考える。工程1401では、作業命令を受信すると、キッティング作業が開始される。工程1402では、製造システムのコンピュータ制御システム(CCS)が、必要なキッティング用容器の作業指示を受信する。工程1403で、CCSは、本明細書では「空の容器」と呼ばれる空の保管ユニットを取得するように、第1ロボット保管/検索車両(RSRV)に指示する。工程1404で、第1RSRVは、自動保管・検索システム(ASRS)構造から空の容器を回収し、製造システムのキッティング領域にあるキッティング作業ステーションのプットポートまたは配置アクセスポートに空の容器を提示する。工程1405で、CCSは、第2RSRVに、必要なワークピース保管ユニット、例えば、必要な単一ストックキーピングユニット(SKU)の容器を取り出すように指示する。工程1406で、第2RSRVは、ASRS構造から単一のSKU容器を取得し、単一のSKU容器をキッティング作業ステーションのピックポートまたはピッキングアクセスポートに提示する。工程1407で、作業体、すなわち、人間の作業者またはロボットの作業体が、単一のSKU容器から必要な数のワークピースをピッキングし、キッティング作業ステーションの配置ポートで、ピッキングされたワークピースをキッティングされている空の容器に配置する。工程1408で、CCSは、第2RSRVに単一SKU容器を保管するように指示する。工程1409で、第2RSRVは、単一のSKU容器をASRS構造に保管する。工程1410で、CCSは、作業命令に基づいて、キッティングされた容器に必要なワークピースがより多くあるかどうかを判断する。キッティングされた容器に必要なワークピースがさらにある場合、キッティングされた容器に必要なワークピースがなくなるまで、本明細書に開示される方法の工程1405から1409が繰り返される。キッティングされた容器に必要なワークピースがこれ以上ない場合、工程1411で、CCSは、キッティングされたSKU容器を保管するように第1RSRVに指示する。工程1412で、第1RSRVは、キッティングされたSKU容器をASRS構造に保管する。キッティングされたSKU容器が処理され、保管されると、キッティング動作は1413を終了する。実施形態では、上記のキッティング動作は、キッティングされた工具容器または工具キット保管ユニットを作成するために、工具に対しても実行される。
【0115】
図15A-15Cは、本明細書の一実施形態による、製造システムにおいて作業命令を履行するためのワークピース保管装置を使用して製造動作を実行する方法のフローチャートを示す。工程1501において、製造システムが組立のためのワーク命令を受信すると、製造動作が開始される。工程1502において、製造システムのコンピュータ化された制御システム(CCS)は、必要な組立のための作業命令をソフトウェア命令で受信する。工程1503で、ソフトウェア命令を実行すると、CCSは、実行されるべき製造作業に関連する作業支援を取得するように、第1ロボット保管/回収車(RSRV)に指示する。工程1504で、第1RSRVは、自動化された保管・回収システム(ASRS)構造から関連するワークピース支持体を回収し、ワークピース支持体を製造システムの製造センターで割り当てられた完全自動化またはロボット化された製造セルに提示する。工程1505で、CCSは、第2RSRVに必要なワークピース保管部を取り出すように指示する。工程1506で、第2RSRVは、ASRS構造から必要なワークピース保管箱を回収し、ワークピース保管箱を割り当てられたロボット製造セルのワークピース保持ステーションに配置する。工程1507で、CCSは、第3RSRVに必要な工具保管庫を取り出すように指示する。工程1508で、第3RSRVは、ASRS構造から必要な工具保管庫を取り出し、割り当てられたロボット製造セルの工具保持ステーションに工具保管庫を配置する。
【0116】
工程1509で、CCSは、作業用ロボット、すなわち、割り当てられたロボット製造セルの別の取り付けベースに動作可能に結合されたロボットピッカーに、割り当てられたワークピースをピッキングするように指示する。工程1510で、ロボットピッカーは、ワークピース保管ユニットから割り当てられたワークピースをピックする。工程1511で、CCSは、割り当てられたワークを作業位置に配置するようにロボットピッカーに指示する。工程1512で、CCSは、割り当てられたワークピースが、ワークピース支持部に配置されたサブアセンブリに、作業命令に基づいて締結されるかどうかを決定する。締結が必要でない場合、製造作業は以下に開示する工程1516に進む。割り当てられたワークピースがワークピース支持体上に配置されたサブアセンブリに締結されるべきである場合、工程1513において、CCSは、別の作業用ロボット、すなわち、割り当てられたロボット製造セルにおいて取り付けベースに動作可能に結合された処理作業用ロボットに、工具保管装置から割り当てられた工具を取得またはピックするように指示する。工程1514で、処理作業用ロボットは、工具保管装置から割り当てられた工具を取得する。工程1515で、CCSは、取得した工具を使用して、ワークピースをサブアセンブリに固定するように、処理作業用ロボットに指示する。工程1516で、CCSは、サブアセンブリにさらにワークピースが必要かどうかを判断する。サブアセンブリにおいてより多くのワークピースが必要とされる場合、本明細書に開示される方法の工程1509から1515は、それ以上のワークピースが必要とされなくなるまで繰り返される。サブアセンブリにそれ以上のワークピースが必要ない場合、工程1517で、CCSは、第2RSRVまたは第4RSRVにワークピース保管部を保管するように指示する。一実施形態では、CCSは、ワークピース保管ユニットを製造セルに配送したのと同じ第2RSRVに、ワークピース保管ユニットを保管するように指示する。別の実施形態では、CCSは、別のRSRV、すなわち、第4RSRVに、ワークピース保管ユニットを保管するように指示する。工程1518で、第2RSRVまたは第4RSRVは、ワークピース保管ユニットをASRS構造に保管する。工程1519で、CCSは、第3RSRVまたは第5RSRVに、工具保管ユニットを保管するように指示する。一実施形態では、CCSは、工具保管ユニットを製造セルに配送したのと同じ第3RSRVに、工具保管ユニットを保管するよう指示する。別の実施形態では、CCSは、別のRSRV、すなわち、第5RSRVに、工具保管ユニットを保管するように指示する。工程1520で、第3RSRVまたは第5RSRVは、工具保管装置をASRS構造に保管する。工程1521で、CCSは、サブアセンブリに異なるワークピースが必要かどうかを判断する。異なるワークピースがサブアセンブリで必要とされる場合、異なるワークピースがサブアセンブリで必要とされなくなるまで、本明細書で開示される方法の工程1505から1520が繰り返される。工程1522で、CCSは、ワークピース支持体が製造センターの別の製造セルで必要とされるかどうかを判断する。ワークピース支持体が別の製造セルで必要とされる場合、工程1523で、CCSは、サブアセンブリと共にワークピース支持体を次の製造セルに輸送するように第1RSRVに指示する。工程1524で、第1RSRVは、サブアセンブリと共にワークピース支持体を次の製造セルに輸送し、ここで、工程1505から1522と同様の工程が実行される。ワークピース支持体が別の製造セルで必要とされない場合、工程1525で、CCSは、第1RSRVに、完成したサブアセンブリと共にワークピース支持体を保管するよう指示する。工程1526で、第1RSRVは、ASRS構造にワーク命令用の完成したサブアセンブリと一緒にワークピース支持体を保管する。作業命令が完了すると、製造動作は1527を終了する。
【0117】
図16A-16Cは、本明細書の一実施形態による、製造システムにおいて作業命令を履行するためのキット記憶装置を使用して製造動作を実行する方法のフローチャートを示す。工程1601において、製造システムが組立のための作業命令を受信すると、製造動作が開始される。工程1602において、製造システムのコンピュータ制御システム(CCS)は、必要な組立のための作業命令をソフトウェア命令で受信する。工程1603で、ソフトウェア命令を実行すると、CCSは、実行されるべき製造作業に関連した作業支援を回収するように、第1ロボット保管/回収車(RSRV)に指示する。工程1604で、第1RSRVは、自動化された保管・検索システム(ASRS)構造から関連するワークピース支持体を回収し、ワークピース支持体を製造システムの製造センターで割り当てられた完全自動化またはロボット化された製造セルに提示する。工程1605で、CCSは、第2RSRVに、「ワークピース・キット・容器」とも呼ばれる必要なワークピース・キット保管ユニットを取り出すように指示する。工程1606で、第2RSRVは、必要なワークピースキッティング用容器をASRS構造から取り出し、ワークピースキッティング用容器を割り当てられたロボット製造セルのワークピース保持ステーションに配置する。工程1607で、CCSは、第3RSRVに、「工具キッティング用容器」とも呼ばれる必要な工具キット保管ユニットを取り出すように指示する。工程1608において、第3RSRVは、ASRS構造から必要な工具セット容器を取り出し、割り当てられたロボット製造セルの工具セット保持ステーションに工具セット容器を配置する。
【0118】
工程1609で、CCSは、作業用ロボット、すなわち、割り当てられたロボット製造セルにおいて別の取り付けベースに動作可能に結合されたロボットピッカーに、割り当てられたワークピースをピッキングするように指示する。工程1610で、ロボットピッカーは、ワークピースキッティング用容器から割り当てられたワークピースをピックする。工程1611で、CCSはロボットピッカーに割り当てられたワークを作業位置に置くように指示する。工程1612で、CCSは、割り当てられたワークピースが、ワークピース支持体]上に配置されたサブアセンブリに、作業命令に基づいて締結されるべきかどうかを決定する。締結が必要でない場合、製造作業は以下に開示する工程1616に進む。割り当てられたワークピースがワークピース支持体上に配置されたサブアセンブリ上に締結される場合、工程1613において、CCSは、別の作業用ロボット、すなわち、割り当てられたロボット製造セルにおいて取り付けベースに動作可能に結合された処理作業用ロボットに、工具キッティング用容器から割り当てられた工具を取得またはピックするように指示する。工程1614で、処理作業用ロボットは、工具キッティング用容器から割り当てられた工具を取得する。工程1615で、CCSは、取得した工具を使用して、ワークピースをサブアセンブリに固定するように、処理作業用ロボットに指示する。工程1616で、CCSは、サブアセンブリにさらにワークピースが必要かどうかを判断する。サブアセンブリにおいてより多くのワークピースが必要とされる場合、本明細書に開示される方法の工程1609から1615は、それ以上のワークピースが必要とされなくなるまで繰り返される。これ以上のワークピースがサブアセンブリ内で必要とされない場合、工程1617において、CCSは、ワークピースのキッティング用容器を保管するように第2RSRVまたは第4RSRVに指示する。一実施形態では、CCSは、ワークピースキッティング済み容器を製造セルに配送したのと同じ第2RSRVに、ワークピースキッティング済み容器を保管するように指示する。別の実施形態では、CCSは、別のRSRV、すなわち、第4RSRVに、ワークピースキッティング済み容器を保管するよう指示する。工程1618で、第2RSRVまたは第4RSRVは、ワークピースのキッティングされた容器をASRS構造に保管する。工程1619で、CCSは、第3RSRVまたは第5RSRVに、工具のキッティングされた容器を保管するように指示する。一実施形態では、CCSは、工具キッティング済み容器を製造セルに配送したのと同じ第3RSRVに、工具キッティング済み容器を保管するよう指示する。別の実施形態では、CCSは、別のRSRV、すなわち、第5RSRVに、工具・キッティングド・容器を保管するよう指示する。工程1620で、第3RSRVまたは第5RSRVは、工具のキッティングされた容器を、ASRS構造に保管する。工程1621で、CCSは、ワークピース支持体が製造センターの別の製造セルで必要かどうかを判断する。ワークピース支持体が別の製造セルで必要とされる場合、工程1622で、CCSは、第1RSRVに、サブアセンブリと共にワークピース支持体を次の製造セルに輸送するよう指示する。工程1623で、第1RSRVは、サブアセンブリを有するワークピース支持体を次の製造セルに輸送し、ここで、工程1605-1621と同様の工程が実行される。ワークピース支持体が別の製造セルで必要とされない場合、工程1624で、CCSは、第1RSRVに、完成したサブアセンブリと共にワークピース支持体を保管するよう指示する。工程1625で、第1RSRVは、作業命令の完成したサブアセンブリを有するワークピース支持体をASRS構造に保管する。製造動作は、作業命令が完了すると1626を終了する。
【0119】
図17は、本明細書の一実施形態による、製造システムで製品を製造する方法のフローチャートを示す。製造システムが、所定の数量の製品である製品Xの購入注文を1701年に受け取り、所定の数量の製品Xの製造に必要な原材料の購入を1702年に進める例を考える。製品_Xを製造するための原材料が製造システムで受信されると、工程1703で、原材料は、自動保管・検索システム(ASRS)構造のワークピース保管ユニットに導入される。工程1704で、製造システムのコンピュータ制御システム(CCS)は、製品Xを含む複数のサブアセンブリの各々の量を製造するための1つ以上の種類のワークピースを含むキットまたはキット保管ユニットを作成するために、図14の詳細な説明に開示されているように、製造システムのキッティング領域でキッティング動作を始動させる。工程1705で、CCSは、製造センターが、製品Xのサブアセンブリの各々の数量を製造するために利用可能な容量を有するかどうかを決定する。利用可能な容量がある場合、工程1706で、CCSは、製品_Xのサブアセンブリの各々の数量を製造するために、製造センターの完全自動化またはロボット化された製造セルの1つを構成する。工程1707で、CCSは、ロボット製造セルに、製品Xサブアセンブリのそれぞれの数量を製造するように指示する。ロボット製造セルは、図16A-16Cの詳細な説明に開示されているような製造動作を実行することにより、製品Xサブアセンブリの各々の数量を製造する。製品Xのサブアセンブリの各々の製造後、工程1708において、CCSは、必要な数量に達するためにさらに製品Xのサブアセンブリを製造する必要があるかどうかを判断する。必要量に達するために製造する必要のあるサブアセンブリがさらにある場合、工程1705から1707は、必要量に達するまで繰り返される。必要な数量に達した場合、工程1709で、CCSは、製造センターが、所定の数量で製品Xを製造するために利用可能な容量を持っているかどうかを判断する。利用可能な容量がある場合、工程1710で、CCSは、所定の数量の製品X最終組立品を製造するために、製造センターの完全自動化またはロボット化された製造セルの1つを構成する。工程1711で、CCSは、ロボット製造セルに、製品Xのサブアセンブリを使用して所定数量の製品Xの最終アセンブリを製造するように指示する。製造操作は、その数量の製品Xが製造されると1712を終了する。本明細書に開示される製造システムは、可変量の製品の多数の変形例およびモデルの製造を可能にする。
【0120】
図18は、本明細書の一実施形態による、コンピュータ制御システム(CCS)131と製造システム100の構成要素との間の通信を示す、製造システム100のアーキテクチャブロック図である。製造システム100の構成要素は、自動保管・検索システム(ASRS)構造101、ロボット保管・検索車両(RSRV)306のフリート、キッティング作業ステーション103、104、および図1-2に示された製造センター105の製造セル106、107を含む。CCS131は、RSRVs306のフリート、キッティング作業ステーション103,104のヒューマンマシンインターフェース(HMI)138および導光システム139、全自動またはロボット製造セル106の作業用ロボット123a,123b、および人間関与型製造セル107のHMI140と動作可能に通信している。キッティング作業ステーション103,104のHMI138は、図1-2および図7に示されるように、製造システム100のキッティング領域102でキッティング作業を行うための指示を人間の作業者703に表示するための表示画面で構成されている。ライト誘導システム139は、例えば、プット・トゥ・ライト誘導システムとピック・トゥ・ライト誘導システムとを含む。CCS131は、通信ネットワークに結合されたネットワークインターフェース134と、ネットワークインターフェース134に結合された少なくとも1つのプロセッサ132とを備える。本明細書において、「通信ネットワーク」とは、例えば、インターネット、無線ネットワーク、Bluetooth Sig, Inc.のBluetooth(R)を実装した通信ネットワーク、Wi-Fi Alliance CorporationのWi-Fi(R) を実装したネットワーク、Wi-Fi Alliance CorporationのWi-Fi(R) を実装した通信網、GPRS(General Packet Radio Service)通信網、GSM(Global System for Mobile)通信網、CDMA(Code Division Multiple Access)通信網、第3世代(3G)移動通信網、第4世代(4G)移動通信網、第5世代(5G)移動通信網、LTE(Long Term Evolution)移動通信網などの移動通信網、公衆電話網など。ローカル着地領域ネットワーク、ワイド着地領域ネットワーク、インターネット接続ネットワーク、赤外線通信ネットワークなど、またはこれらのネットワークを任意に組み合わせて形成されたネットワークである。ネットワークインターフェース134は、CCS131の通信ネットワークへの接続を可能にする。一実施形態では、ネットワークインターフェース134は、ラインカードとも呼ばれるインターフェースカードとして提供される。ネットワークインタフェース134は、例えば、赤外線インタフェース、Wi-Fi Alliance CorporationのWi-Fi(R)を実装したインタフェース、ユニバーサルシリアルバスインタフェース、Apple Inc.のFireWire(R)インタフェースの1つ以上である。イーサネットインタフェース、フレームリレーインタフェース、ケーブルインタフェース、デジタルサブスクライバーラインインタフェース、トークンリングインタフェース、ペリフェラルコントローラインタコネクトインタフェース、ローカル着地領域ネットワークインタフェース、ワイド着地領域ネットワークインタフェース、シリアルプロトコルを用いたインタフェース、パラレルプロトコルを用いたインタフェース、イーサネット通信インタフェース、非同期転送モードインタフェース、高速シリアルインタフェース、ファイバ分散データインタフェース、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコルに基づくインタフェース、衛星技術、高周波技術、近距離無線通信などの無線通信技術に基づくインタフェースなどのうちの1つである。
【0121】
一実施形態では、CCS131は、高レベルコンピュータプログラミング言語を用いてプログラム可能なコンピュータシステムである。CCS131は、プログラムされた目的に応じたハードウェアを用いて実装される。本明細書に開示される製造システム100では、CCS131は、ASRS構造101、RSRVs306、キッティング作業ステーション103、104、および製造セル106、107とインタフェースしており、したがって、製造システム100においてワークフローを実行するために、複数の具体的にプログラムされたコンピューティングシステムが使用される。CCS131は、(複数の)プロセッサ132に通信可能に結合された非一過性のコンピュータ可読記憶媒体、例えば、メモリユニット137をさらに備える。本明細書で使用される「非一過性のコンピュータ可読記憶媒体」とは、コンピュータプログラムおよびデータを含み、保存するすべてのコンピュータ可読媒体を指す。コンピュータ可読媒体の例は、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、光ディスクまたは磁気ディスク、メモリチップ、リードオンリーメモリ(ROM)、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、ランダムアクセスメモリ(RAM)などで構成される。プロセッサ132は、コンピュータプログラムまたは一連のコマンド、命令、または状態遷移を実行することができる、任意の1つ以上のマイクロプロセッサ、CPU(Central Processing Unit)デバイス、有限状態機械、コンピュータ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、論理、論理デバイス、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、チップなど、またはそれらの任意の組み合わせを指す。一実施形態では、プロセッサ132は、例えば、プログラムされたマイクロプロセッサと、数学またはグラフィックのコプロセッサを含むプロセッサセットとして実装される。なお、CCS131は、プロセッサ132を採用することに限定されない。一実施形態では、CCS131は、コントローラまたはマイクロコントローラを採用する。プロセッサ132は、CCS131の例えば137a-137dのモジュールを実行する。
【0122】
メモリユニット137は、プログラム命令、アプリケーション、およびデータを保管するために使用される。メモリユニット137は、例えば、CCS131のモジュール137a-137dによって定義されるコンピュータプログラム命令を保管する。メモリユニット137は、製造システム100におけるワークフローを実行するために、CCS131の例えば137a-137dのモジュールによって定義されたコンピュータプログラム命令を実行するために、プロセッサ132に動作可能かつ通信可能に結合される。メモリユニット137は、例えば、RAM(Random-Access Memory)または他の型の動的記憶装置であり、プロセッサ132による実行のための情報および命令を記憶する。また、メモリユニット137は、プロセッサ132による命令の実行中に使用される一時的な変数やその他の中間情報を記憶する。実施形態では、CCS131は、プロセッサ132による実行のための静的な情報および命令を保管するROM(Read Only Memory)または他の型の静的記憶装置をさらに備える。実施形態では、CCS131のモジュール、例えば、137a-137eは、メモリユニット137に保管されている。
【0123】
メモリユニット137は、コンピュータプログラム命令を保管するように構成されており、このコンピュータプログラム命令は、(複数の)プロセッサ132によって実行されると、(複数の)プロセッサ132に、RSRV306のうちの1つ以上を作動させて、以下の1つ以上を実行させる。(a)ASRS構造101内および/または製造セル106、107内を操縦すること、(b)ASRS構造101の保管場所から1つ以上の保管ユニットに含まれるワークピースの1つ以上を取り出すこと。(c)1つ以上の保管ユニットに含まれる1つ以上のワークピースを、1つ以上のキット保管ユニットにキッティングするために、少なくとも1つのキッティング作業ステーション103、104に引き渡すこと、(d)(複数の)キッティング作業ステーション103、104から1つ以上のキット保管ユニットをピックアップすること、1つ以上のキット保管ユニットをASRS構造101の保管場所に戻して保管すること。(f)同一のASRS構造101から、1つ以上のキット保管ユニットと、別の1つ以上の保管ユニットに含まれる1つ以上のワークピースと、別の1つ以上の保管ユニットに含まれる1つ以上の工具と、1つ以上のワークピース支持体とのうち、少なくとも1つを回収すること。(g)商品の製造のために、1つ以上のキット保管ユニットのうちの少なくとも1つと、他の1つ以上の保管ユニットに含まれる1つ以上のワークピースと、他の1つ以上の保管ユニットに含まれる1つ以上の工具と、1つ以上のワークピース支持体とを、製造セル106、107に引き渡すこと、および(h)最終的なワークピース支持体上のASRS構造101に商品を誘導すること。
【0124】
図18に示されるように、CCS131は、データバス136、表示装置133、および共通モジュール135をさらに備える。データバス136は、CCS131の例えば132、133、134、135、137の各モジュール間の通信を許可する。表示器133は、GUI(Graphical User Interface)133aを介して、例えば、システム管理者などのユーザが、製造システム100におけるワークフローを実行するために、作業指示のためのデジタルレコードの更新をトリガしたり、在庫情報を入力したり、データベーステーブルを更新したりするための情報、表示インタフェース、チェックボックスなどのユーザインタフェース要素、入力テキストフィールドなどを表示する。CCS131は、システム管理者からの入力を受けて、GUI133aを表示部133にレンダリングする。GUI133aは、例えば、オンラインウェ容器タフェース、ウェブベースのダウンロード可能なアプリケーションインタフェース、モバイルベースのダウンロード可能なアプリケーションインタフェース等で構成される。表示部133は、GUI133aを表示する。CCS131の共通モジュール135は、例えば、I/O(Input/Output)コントローラ、入力デバイス、出力デバイス、ハードディスクなどの固定メディアドライブ、リムーバブルメディアを受信するためのリムーバブルメディアドライブなどで構成される。CCS131の操作には、コンピュータのアプリケーションやプログラムが使用される。プログラムは、固定メディアドライブにロードされ、リムーバブルメディアドライブを介してメモリユニット137にロードされる。一実施形態では、コンピュータアプリケーションおよびプログラムは、通信ネットワークを介して直接メモリユニット137にロードされる。
【0125】
図18に示す例示的な実施形態では、CCS131は、命令管理モジュール137aと、キッティング管理モジュール137bと、記憶装置割り当てモジュール137cと、ロボット起動モジュール137dと、設備データベース137eとを備えている。命令管理モジュール137aは、製造システム100におけるワークフローを実行するためのソフトウェア命令で、作業指示を受け付けるためのコンピュータプログラム命令を定義する。命令管理モジュール137aは、設備データベース137e内の作業命令のデジタルレコードを更新するように構成されている。キッティング管理モジュール137bは、作業命令および製造要件に基づいて、製造システム100のキッティング領域102でキッティング作業を実行するためのコンピュータプログラム命令を定義する。キッティング管理モジュール137bは、少なくとも1つのキッティング作業ステーション103に参加している人間の作業者703が閲覧できるように、キッティング領域102のHMI138に指示や通知を送信する。一実施形態では、キッティング管理モジュール137bは、キッティング領域102でのピッキングおよび配置作業を案内するライトガイダンスシステム139も制御する。保管ユニット割り当てモジュール137cは、ワークピース、ワークピースの特定の組み合わせ、ワークピース支持体、工具、工具の特定の組み合わせなどを、ASRS構造101のアドレス指定された保管場所に保管するための保管ユニットを割り当てるためのコンピュータプログラム命令を定義する。ロボット起動モジュール137dは、上で開示したように、キッティング領域102でのキッティング作業中、および製造センター105の製造セル106、107での製造ワークフロー中に、様々な保管、検索、配送、および返却作業を行うために、1つ以上のRSRV306を起動する。
【0126】
CCS131のプロセッサ132は、上に開示されたそれぞれの機能を実行するために、命令管理モジュール137a、キッティング管理モジュール137b、保管ユニット割り当てモジュール137c、およびロボット起動モジュール137dによって定義された命令を検索する。プロセッサ132は、例えば137a-137dのモジュールを実行するための命令を、記憶装置137から取得する。プロセッサ132が処理後にメモリユニット137から取得した命令は、デコードされる。処理および復号化の後、プロセッサ132は、それぞれの命令を実行し、それにより、それらの命令によって定義される1つ以上の処理を実行する。CCS131のオペレーティングシステムは、入力デバイス、出力デバイス、およびメモリユニット137を、例えば、137a-137eのモジュールの実行のために割り当てるために必要な複数のタスクを実行するための複数のルーチンを実行する。オペレーティングシステムが実行するタスクは、例えば、モジュール、例えば137a-137eなどや、CCS131が使用するデータへのメモリの割り当て、メモリユニット137とディスクユニットとの間でのデータの移動、および、入出力操作の処理などを含む。オペレーティングシステムは、操作による要求に応じてタスクを実行し、タスクの実行後、実行制御をプロセッサ132に戻す。プロセッサ132は、1つ以上の出力を得るために実行を継続する。
【0127】
説明のため、詳細な説明では、例えば137a-137eのモジュールが単一のコンピュータシステム上でローカルに実行されることを参照しているが、本明細書で開示される製造システム100および方法の範囲は、例えば137a-137eのモジュールがオペレーティングシステムおよびプロセッサ132を介して単一のコンピュータシステム上でローカルに実行されることに限定されるものではなく、ウェブブラウザおよびリモートサーバ、携帯電話、または他の電子機器を採用することによって、通信ネットワークを介してリモートに実行されるように拡張されてもよい。一実施形態では、本明細書に開示された製造システム100の1つ以上のコンピューティング部分は、通信ネットワークに結合された1つ以上のコンピュータシステム(図示せず)に分散される。
【0128】
本明細書で開示される非一時的のコンピュータ可読記憶媒体は、製造システム100におけるワークフローを実行するための、プロセッサ132によって実行可能なコンピュータプログラム命令を保管している。コンピュータプログラム命令は、上で開示した様々な実施形態の処理を実装し、製造システム100におけるワークフローを実行するために必要とされ、企図され得る追加の工程を実行する。コンピュータプログラム命令がプロセッサ132によって実行されると、コンピュータプログラム命令は、プロセッサ132に、上で開示した製造システム100においてワークフローを実行するための方法の工程を実行させる。一実施形態では、コンピュータプログラム命令を含むコンピュータプログラムコードの単一のピースが、上で開示された方法の1つ以上の工程を実行する。プロセッサ132は、これらのコンピュータプログラム命令を取得し、実行する。
【0129】
本明細書で使用されるモジュール、またはエンジン、またはユニットとは、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの任意の組み合わせを指す。一例として、モジュール、またはエンジン、またはユニットは、マイクロコントローラなどのハードウェアと、マイクロコントローラによって実行されるように適合されたコンピュータプログラムコードを保管するための非一時的なコンピュータ可読記憶媒体とが関連付けられたものを含むことができる。したがって、実施形態におけるモジュール、またはエンジン、またはユニットへの言及は、非一過性のコンピュータ可読記憶媒体に保持されるコンピュータプログラムコードを認識および/または実行するように特別に構成されたハードウェアを意味する。コンピュータ可読で実行可能な命令を含むコンピュータプログラムコードは、任意のプログラミング言語で実装することができ、例えば、C、C++、C#、Java(R) 、JavaScript(R) 、Fortran、Ruby、Perl(R) 、Python(R) 、Visual Basic(R) 、hypertext preprocessor(PHP)、Microsoft(R) .NET、Objective-C(R) また、他のオブジェクト指向、関数型、スクリプト型、および/または論理型のプログラミング言語も使用できる。一実施形態では、コンピュータプログラムコードまたはソフトウェアプログラムは、オブジェクトコードとして1つ以上の媒体上または媒体内に保管される。別の実施形態では、「モジュール」または「エンジン」または「ユニット」という用語は、マイクロコントローラと非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体との組み合わせを指す。多くの場合、別々のものとして図示されているモジュールまたはエンジンまたはユニットの境界は、共通して変化し、潜在的に重複している。例えば、モジュール、エンジン、またはユニットは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせを共有することがあるが、潜在的にいくつかの独立したハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアを保持している。様々な実施形態において、モジュールまたはエンジンまたはユニットは、任意の適切な論理を含む。
【0130】
本明細書に開示される製造システム100では、グリッド付きトラック構造上に分散するスケーラブルな製造セルをASRS構造101の2次元(2D)グリッド付き下部トラックレイアウトに接続すると、各製造セルが、関連する工具、工具キット、及びワークピース支持体と共に豊富なワークピースとワークピースキットにアクセスすることができるようにする。これにより、各製造セルは、CCSソフトウェアのみを使用して、多種多様な製造処理に対して必要に応じて構成可能である。また、RSRV306がワークピース、工具、ワークピース支持体を適時に製造セルに供給することで、製造工程のどの段階でもサブアセンブリの適時製造が可能となる。製造工程の間に各サブアセンブリをASRS構造101に保管することができるため、容量が利用可能になると、任意の製造工程を完了することができるので、最大限の柔軟性を得ることができる。
【0131】
さらに、本明細書で開示する製造システム100では、製造セルに納入されるすべての構成要素または部品類は、標準化された保管ユニット領域を使用する。すべての製造ワークフローのための単一の自動化解決法における標準化された保管ユニット領域の使用は、すべての製造処理のためのすべての物品および材料を高密度に保管し、任意の数の製造処理を有する単一の協働システムとして単一の構成要素によって予測可能に管理することを可能にする。本明細書に開示された製造システム100は、受け入れ、キッティング、サブアセンブリの構築、および最終アセンブリなどを含むすべての製造処理を、コンベヤや地上輸送を必要としない1つの自動材料処理システムで完了させることができ、製造セルは必要に応じてソフトウェアで構成可能である。開示された発明では、すべての製造工程を、コンベアや地上輸送を必要としない1つの自動マテリアルハンドリングシステムによって完成させることができ、製造セルは必要に応じてソフトウェアで構成可能である。
【0132】
明細書に開示された製造システム100は、下側の2Dグリッドがすべての製造セルを相互に接続しているので、オンデマンドで製造作業を構成することができ、すべての製造セル間の物品の輸送を任意の順序で行うことができる。これにより、例えばサブアセンブリを新しい仕様に作り直すなど、必要に応じて任意の数の処理を任意の順序で、複数回完了させることができる。また、ソフトウェアのコマンドで製造セルを構成することができるため、工場の製造要件が変化しても、新しい製造工程を簡単かつ柔軟に追加することができる。カスタマイズされた製品への顧客の期待が急速に高まっているため、メーカーは顧客の経験を重視することで差別化を図る。本明細書に開示された製造システム100は、待ち時間がなく、生産や製造の時間を失うことなく、変化する状況や製品の種類に簡単かつ柔軟に適応する。
【0133】
さらに、本明細書に開示される製造システム100では、同一の記憶媒体、すなわちASRS構造101を、キッティング領域102およびすべての製造セル106における相互に接続されたすべての処理で使用して、処理フローの違いを緩衝することができる。これにより、製造業者は最大限の柔軟性を得ることができ、材料を無期限に保存できるため、外部環境に対する運用上の感度を最小限に抑えることができる。さらに、すべての製造セル106が相互に接続され、同じRSRV306のフリートによって管理され、また、同じRSRV306のフリートが操縦するASRS構造101に接続されているので、あるサービス着地領域から別のサービス着地領域に構成要素を物理的に移す必要がなく、システムロジックが単純化される。その結果、構成要素間、すなわち、ASRS構造101、キッティング領域102、および製造センター105の製造セル106の間での論理的な保管場所の移動を完了するために、各処理によって、例えば、バーコードスキャン、RFID(Radio Frequency Identification)スキャンなどを用いて、在庫を受け取り、識別する必要がない。
【0134】
さらに、本明細書に開示される製造システム100は、サービス着地領域間搬送に使用される下部2Dグリッドの上に垂直保管を統合することにより、従来の自動化ソリューションが提供する相対的に大きな領域の問題を是正し、保管密度を最大化し、無駄な垂直空間を実質的に削減する。その結果、エンド・ツー・エンドの製造ソリューションは、従来の解決法に比べて数分の一のサイズとなり、同じ成果を得るために必要な面積大きさも大幅に削減される。これにより、製造業者は、既存の施設内に保管を統合して、ビジネスを拡大することができる。
【0135】
製造システム100および方法の上記の開示された実施形態は、製造が達成される方法の大きなシフトを形成し、自動化システムの「仮想コンベヤ」およびソート機能を提供するものである。本技術の2Dグリッド型トラック構造により、RSRVs306は、2Dグリッド型トラック構造に取り付けられた任意の製造セル間で物品を搬送することができる。2Dグリッドトラック構造上のRSRVs306の動きは、CCS131によって調整され、これにより、保管ユニットをジャストインタイムで提示したり、作業命令によってグループ化したり、さらには特定の順序で製造セルに配送することができる。従来のASRSでは、商品を適切なタイミングと順序でサービス着地領域に届けるために、下流の仕分け法に依存していたため、この機能がなければ、複雑な処理を単一の統合された自動化ソリューションで解決することはできませんでした。その後、CCS131は、製造セルを構成し、ソフトウェアコマンドで製造作業を行う。本明細書に開示される製造システム100は、製造システム100のサイズをモジュール式に拡張することができる、総容量のスケーラビリティを高める。本明細書に開示された製造システム100は、標準化された製造装置および部品類が再現可能な方法で提供されることを支援する柔軟性を提供する。
【0136】
本明細書に開示された実施形態は、特定のコンピュータシステムプラットフォーム、プロセッサ、オペレーティングシステム、または通信ネットワークに限定されない。本明細書に開示される実施形態の1つ以上は、1つ以上のコンピュータシステム、例えば、1つ以上のクライアントコンピュータに1つ以上のサービスを提供するように構成されたサーバ、または分散システムにおいて完全なタスクを実行するように構成されたサーバの間で分散される。例えば、本明細書に開示された実施形態の1つ以上は、様々な実施形態に従って複数の機能を実行する1つ以上のサーバシステムに分散された構成要素を構成するクライアント-サーバシステム上で実行される。これらの構成要素は、例えば、実行可能コード、中間コード、またはインタプリタコードで構成され、通信プロトコルを使用してネットワーク上で通信する。本明細書に開示された実施形態は、任意の特定のシステムまたはシステム群で実行可能であることに限定されず、任意の特定の分散アーキテクチャ、ネットワーク、または通信プロトコルに限定されない。
【0137】
前述の例および様々な実施形態の例示的な実装例は、単に説明のために提供されたものであり、決して本明細書に開示された実施形態を限定するものとして解釈されるものではない。本実施形態は、様々な例示的な実装、図面、および技術を参照して説明されてきたが、本明細書で使用されてきた言葉は、限定の言葉ではなく、説明および例示の言葉であることが理解される。さらに、本明細書では、特定の手段、材料、技術、および実装を参照して実施形態を説明してきたが、本明細書の実施形態は、本明細書に開示された特定のものに限定されることを意図したものではなく、むしろ、本実施形態は、添付の請求項の範囲内にあるような、機能的に等価な構造、方法、および使用にまで及ぶ。本明細書の教示の恩恵を受けた当業者は、本明細書に開示された実施形態の範囲および精神から逸脱することなく、本明細書に開示された実施形態は修正が可能であり、他の実施形態を実現し、それに変更を加えることができることを理解するであろう。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図17
図18