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特許7566786不連続導通モード電圧レギュレータの並列配置を有する電圧レギュレータ回路
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  • 特許-不連続導通モード電圧レギュレータの並列配置を有する電圧レギュレータ回路 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】不連続導通モード電圧レギュレータの並列配置を有する電圧レギュレータ回路
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20241007BHJP
【FI】
H02M3/155 H
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2021568332
(86)(22)【出願日】2020-03-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-18
(86)【国際出願番号】 US2020023975
(87)【国際公開番号】W WO2020256802
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2023-03-15
(31)【優先権主張番号】16/449,129
(32)【優先日】2019-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】バートン,エドワード
【審査官】佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-072798(JP,A)
【文献】特開2007-135373(JP,A)
【文献】特開2018-074719(JP,A)
【文献】特開2017-212797(JP,A)
【文献】特表2009-535014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力ノードにおいて調整出力電圧を提供するための、第1の電圧レギュレータ及び第2の電圧レギュレータを含む不連続モード電圧レギュレータの並列配置と、
前記調整出力電圧が第1の下限閾値を下回るとき、前記第1の電圧レギュレータを充電状態に切り替え、前記調整出力電圧が前記第1の下限閾値とは異なる第2の下限閾値を下回るとき、前記第2の電圧レギュレータを充電状態に切り替え、前記調整出力電圧が第1の上限閾値よりも大きいとき、前記第1の電圧レギュレータを充電状態から放電状態に切り替え、前記調整出力電圧が前記第1の上限閾値とは異なる第2の上限閾値よりも大きいとき、前記第2の電圧レギュレータを充電状態から放電状態に切り替える制御回路と
を含む回路。
【請求項2】
前記制御回路は、さらに、
前記第1及び第2の電圧レギュレータを充電状態から放電状態に切り替え、
それぞれの前記第1又は第2の電圧レギュレータのインダクタを通る電流がゼロであるという決定に基づいて、前記第1及び第2の電圧レギュレータを放電状態から充電状態に切り替える、請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記第1及び第2の電圧レギュレータは、それぞれ、
前記出力ノードと中間ノードとの間に結合されたインダクタと、
前記中間ノードと供給電圧を受ける供給レールとの間に結合されたプルアップトランジスタと、
前記中間ノードと接地端子との間に結合されたプルダウントランジスタと
を含む、請求項2に記載の回路。
【請求項4】
前記第1の電圧レギュレータを充電状態に切り替えるために、前記制御回路は、前記第1の電圧レギュレータの前記プルアップトランジスタをオンにする、請求項3に記載の回路。
【請求項5】
前記第1の電圧レギュレータを充電状態から放電状態に切り替えるために、前記制御回路は、前記プルアップトランジスタをオフにして前記プルダウントランジスタをオンにし、
前記第1の電圧レギュレータを放電状態からトライステートモードに切り替えるために、前記制御回路は、前記プルダウントランジスタをオフにし、前記プルダウントランジスタはオフに留める、請求項4に記載の回路。
【請求項6】
前記第1の電圧レギュレータの前記インダクタは、前記第2の電圧レギュレータの前記インダクタよりも大きいインダクタンスを有する、請求項3乃至5のうちいずれか1項に記載の回路。
【請求項7】
前記第1の電圧レギュレータの前記プルアップトランジスタは、前記第2の電圧レギュレータの前記プルアップトランジスタよりも小さい、請求項3乃至5のうちいずれか1項に記載の回路。
【請求項8】
前記第2の下限閾値は前記第1の下限閾値未満であり、前記第1の上限閾値は前記第2の上限閾値未満である、請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の回路。
【請求項9】
前記不連続モード電圧レギュレータの並列配置は、2つよりも多くの不連続モード電圧レギュレータを含む、請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の回路。
【請求項10】
前記調整出力電圧は、前記不連続モード電圧レギュレータのみによって提供される、請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載の回路。
【請求項11】
前記制御回路は、前記出力ノードの第1の感知点からの第1のフィードバック信号に基づいて、前記調整出力電圧が第1の下限閾値を下回るとき、前記第1の電圧レギュレータを充電状態に切り替え、
前記第1の感知点とは異なる前記出力ノードの第2の感知点からの第2のフィードバック信号に基づいて、前記調整出力電圧が前記第1の下限閾値未満である第2の下限閾値を下回るとき、前記第2の電圧レギュレータを充電状態に切り替える、請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載の回路。
【請求項12】
負荷と、
互いに並列に結合された2つ以上の電圧レギュレータであり、前記電圧レギュレータは、出力ノードにおいて調整出力電圧を前記負荷に提供し、前記電圧レギュレータのそれぞれは、
前記出力ノードと中間ノードとの間に結合されたインダクタと、
前記中間ノードと供給電圧を受ける供給レールとの間に結合されたプルアップトランジスタと、
前記中間ノードと接地端子との間に結合されたプルダウントランジスタと
を含む、2つ以上の電圧レギュレータと、
前記調整出力電圧がそれぞれの前記電圧レギュレータの下限閾値未満であることを検出し、前記調整出力電圧がそれぞれの前記電圧レギュレータの前記下限閾値未満であるという検出に応答して前記プルアップトランジスタをオンにし、前記調整出力電圧がそれぞれの前記電圧レギュレータの上限閾値よりも大きいことを検出し、前記調整出力電圧がそれぞれの前記電圧レギュレータの前記上限閾値よりも大きいという検出に応答して前記プルアップトランジスタをオフにして前記プルダウントランジスタをオンにする制御回路であり、前記2つ以上の電圧レギュレータの異なる電圧レギュレータは異なる下限閾値を有し、前記2つ以上の電圧レギュレータの異なる電圧レギュレータは異なる上限閾値を有する、制御回路と
を含む回路。
【請求項13】
前記制御回路は、前記電圧レギュレータを第1の状態にするために前記プルアップトランジスタをオンにし、前記制御回路は、さらに、
前記電圧レギュレータを前記第1の状態から第2の状態に切り替えるために前記プルアップトランジスタをオフにして前記プルダウントランジスタをオンにし、
前記インダクタを通る電流がゼロであることを検出し、
前記検出に応じて、前記電圧レギュレータを前記第2の状態から第3の状態に切り替えるために前記プルダウントランジスタをオフにする、請求項12に記載の回路。
【請求項14】
第1の電圧レギュレータの前記インダクタは、第2の電圧レギュレータの前記インダクタよりも大きいインダクタンスを有する、請求項12又は13に記載の回路。
【請求項15】
第1の電圧レギュレータの前記プルアップトランジスタは、第2の電圧レギュレータの前記プルアップトランジスタよりも小さい、請求項12乃至14のうちいずれか1項に記載の回路。
【請求項16】
前記プルアップトランジスタは、第1のプルアップトランジスタであり、前記プルダウントランジスタは、第1のプルダウントランジスタであり、各電圧レギュレータは、
前記第1のプルアップトランジスタと前記中間ノードとの間に結合された第2のプルアップトランジスタと、
前記第1のプルダウントランジスタと前記中間ノードとの間に結合された第2のプルダウントランジスタと
を更に含む、請求項12乃至15のうちいずれか1項に記載の回路。
【請求項17】
前記2つ以上の電圧レギュレータ及び前記負荷は、同じ集積回路ダイ上にある、請求項12乃至16のうちいずれか1項に記載の回路。
【請求項18】
集積回路を含むシステムであって、
前記集積回路は、
回路ブロックと、
調整出力電圧を前記回路ブロックに提供するために互いに並列に結合された第1の電圧レギュレータ及び第2の電圧レギュレータを含む2つ以上の不連続モード電圧レギュレータであり、前記不連続モード電圧レギュレータのそれぞれは、内部ノードと供給電圧を受ける電源レールとの間に結合されたプルアップトランジスタと、前記内部ノードと接地端子との間に結合されたプルダウントランジスタとを含む、2つ以上の不連続モード電圧レギュレータと、
前記2つ以上の不連続モード電圧レギュレータに結合された制御回路であり、前記制御回路は、
前記調整出力電圧が第1の下限閾値を下回ったとき、前記第1の電圧レギュレータの前記プルアップトランジスタをオンにし、
前記調整出力電圧が前記第1の下限閾値とは異なる第2の下限閾値を下回ったとき、前記第2の電圧レギュレータの前記プルアップトランジスタをオンにし、
前記調整出力電圧が第1の上限閾値よりも大きいとき、前記第1の電圧レギュレータの前記プルアップトランジスタをオフにして前記プルダウントランジスタをオンにし、
前記調整出力電圧が前記第1の上限閾値とは異なる第2の上限閾値よりも大きいとき、前記第2の電圧レギュレータの前記プルアップトランジスタをオフにして前記プルダウントランジスタをオンにする、制御回路と、
前記集積回路に結合されたメモリ回路、ディスプレイ又はアンテナのうちの1つ以上と
を含むシステム。
【請求項19】
前記第2の下限閾値は前記第1の下限閾値未満であり、前記第1の上限閾値は前記第2の上限閾値未満である、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記制御回路は、それぞれの前記不連続モード電圧レギュレータのインダクタを通る電流がゼロになるまで前記プルダウントランジスタをオンにし、次いで、前記プルダウントランジスタをオフにする、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記不連続モード電圧レギュレータは、出力ノードにおいて前記調整出力電圧を提供し、前記不連続モード電圧レギュレータのそれぞれは、それぞれの前記内部ノードと前記出力ノードとの間に結合されたインダクタを更に含む、請求項18乃至20のうちいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
前記第1の電圧レギュレータの前記インダクタは、前記第2の電圧レギュレータの前記インダクタよりも大きいインダクタンスを有する、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1の電圧レギュレータの前記プルアップトランジスタは、前記第2の電圧レギュレータの前記プルアップトランジスタよりも小さい、請求項22に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2019年6月21日に出願された「VOLTAGE REGULATOR CIRCUIT WITH PARALLEL ARRANGEMENT OF DISCONTINUOUS CONDUCTION MODE VOLTAGE REGULATORS」という名称の米国出願第16/449,129号に対する優先権を主張する。
【0002】
[技術分野]
本発明の実施形態は、概して電子回路の技術分野に関し、より具体的には、不連続導通モード電圧レギュレータの並列配置を有する電圧レギュレータ回路に関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書で提供される背景技術の説明は、本開示の文脈を一般的に提示するためのものである。この背景技術の箇所に記載されている範囲における本発明者の研究、及び出願時に他の点で従来技術として適さないことがある説明の側面は、明示的にも黙示的にも本開示に対する従来技術として認められるものではない。本明細書に特に示されない限り、この箇所に記載された手法は、本開示の特許請求の範囲に対する従来技術ではなく、この箇所に含めることによって従来技術であると認められるものではない。
【0004】
ヒステリシス不連続導通モード(DCM, discontinuous conduction mode)電圧レギュレータは、低電流負荷において良好な性能特性(例えば、高効率及び低リップル)を有する。しかし、これらのDCM電圧レギュレータは、比較的低い電流ハンドリング能力を有する。DCM電圧レギュレータは、電流ハンドリング能力を高めるように修正できるが、これは効率及び/又は電圧リップルを犠牲にする。電圧レギュレータは、典型的には、最悪の場合の負荷に対処するように設計される。したがって、連続導通モード(CCM, continuous conduction mode)電圧レギュレータは、ほとんど発生しないが、仮に高い電流引き込みが発生する場合の、高い電流引き込みが存在し得る用途に典型的に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
実施形態は、添付の図面と共に以下の詳細な説明によって容易に理解される。この説明を容易にするために、同様の参照番号は、同様の構成要素を示す。実施形態は例示として示されており、添付の図面の図に決して限定されるものではない。
図1】様々な実施形態による、不連続導通モード(DCM)電圧レギュレータの並列配置を含む電圧レギュレータ回路を示す。
図2】様々な実施形態による、図1の回路に使用され得る不連続モード電圧レギュレータを示す。
図3】様々な実施形態による、複数の検知点を有する電圧レギュレータ回路を示す。
図4】様々な実施形態による、本明細書に記載の装置及び方法を使用するように構成された例示的なシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面に参照が行われ、ここで、同様の数字は、全体を通じて同様の部分を示しており、図面には実施可能な実施形態が例示によって示されている。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用されてもよく、構造的又は論理的な変更が行われてもよいことが理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲及びこれらの均等物によって定義される。
【0007】
様々な動作は、特許請求の範囲の対象物を理解するのに最も有用な方式で、複数の個別の動作又は順番の動作として記載され得る。しかし、記載の順序は、これらの動作が必ずしも順序に依存することを意味するものとして解釈されるべきではない。特に、これらの動作は、提示の順序で実行されなくてもよい。記載の動作は、記載の実施形態とは異なる順序で実行されてもよい。様々な更なる動作が実行されてもよく、及び/又は、記載の動作が更なる実施形態において省略されてもよい。
【0008】
「実質的に」、「近い」、「およそ」、「ほとんど」及び「約」という用語は、一般的に、目標値の+/-10%以内であることを示す。他に指定のない限り、共通の物体を記述するための「第1」、「第2」及び「第3」等の順序形容詞の使用は、単に同様の物体の異なるインスタンスが参照されていることを示し、このように記載された物体が、時間的、空間的、順位付け又は他の方式のいずれかで、所与の順序になければならないことを意味することを意図するものではない。
【0009】
本開示の目的で、「A及び/又はB」及び「A又はB」という語句は、(A)、(B)又は(A及びB)を意味する。本開示の目的で、「A、B及び/又はC」という語句は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)又は(A、B及びC)を意味する。
【0010】
説明は、「一実施形態では」又は「実施形態では」という語句を使用することがあるが、これは、同じ実施形態又は異なる実施形態の1つ以上をそれぞれ示してもよい。さらに、本開示の実施形態に関して使用される「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」等の語句は同義語である。
【0011】
本明細書で使用される「回路」という用語は、特定用途向け集積回路(ASIC, Application Specific Integrated Circuit)、電子回路、プロセッサ(共有、専用又はグループ)、組み合せ論理回路、及び/又は記載の機能を提供する他の適切なハードウェアコンポーネントを示してもよく、これらの一部でもよく、或いは、これらを含んでもよい。本明細書で使用される「コンピュータ実施方法」は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプロセッサを有するコンピュータシステム、スマートフォン(1つ以上のプロセッサを含んでもよい)のようなモバイルデバイス、タブレット、ラップトップコンピュータ、セットトップボックス、ゲームコンソール等によって実行されるいずれかの方法を示してもよい。
【0012】
本実施形態は、調整出力電圧を負荷(例えば、回路ブロック)に提供するための電圧レギュレータの並列配置を提供する。個々の電圧レギュレータは、ドライバに結合されたインダクタを含んでもよい。様々な実施形態では、個々の電圧レギュレータは、ヒステリシスDCM電圧レギュレータのような不連続モード(DCM)電圧レギュレータでもよい。したがって、電圧レギュレータがトリガされたとき(例えば、出力電圧が下限閾値を下回ったとき)、電圧レギュレータは、(例えば、プルアップトランジスタ又はハイサイドトランジスタとも呼ばれる第1のトランジスタを介して)ドライバがインダクタを電源に結合する第1の状態に遷移し、それによって、電流がインダクタを通って流れ、電流を負荷に供給する。
【0013】
その後、電圧レギュレータは、第1の状態から第2の状態に切り替えてもよい。例えば、電圧レギュレータは、出力電圧が上限閾値に達したとき、第1の状態において所定の期間の後に、及び/又は1つ以上の他の基準に基づいて、第2の状態に切り替えてもよい。第2の状態において、ドライバは、インダクタを電源から切り離し、(例えば、プルダウントランジスタ又はローサイドトランジスタとも呼ばれる第2のトランジスタを介して)インダクタを接地に結合してもよく、それによって、インダクタを通る電流を減少させる。インダクタを通る電流がゼロに達したとき、電圧レギュレータは第3の状態に切り替えてもよく、インダクタが電源及び接地端子の双方から切り離される(例えば、第1及び第2のトランジスタの双方がオフである)。電圧レギュレータは、電圧レギュレータが再度トリガされるまで、第3の状態に留まってもよい。
【0014】
上記のように、個々の電圧レギュレータは、回路の出力電圧が下限閾値を下回ったときに、第1の状態に入るようにトリガされてもよい。様々な実施形態では、下限閾値は、電圧レギュレータの並列配置の異なる電圧レギュレータについて異なってもよい。さらに、異なる電流能力のために異なる電圧レギュレータが設計されてもよい。
【0015】
例えば、第1の電圧レギュレータは、より低い電流レベルのために設計されてもよい。第1の電圧レギュレータは、より大きい下限閾値を有してもよく、その結果、負荷が電流を引き込むとき、1つ以上の他の電圧レギュレータの前にオンになる。第1の電圧レギュレータは、1つ以上の他の電圧レギュレータよりも小さい第1のトランジスタ(プルアップトランジスタ)及び/又は高いインダクタンスを含んでもよい。したがって、第1の電圧レギュレータは、高効率を有し、低リップルでの出力電圧及び低い電流引き込みでの厳密な制御を提供してもよい。負荷の低い電流引き込みにおいて、第1の電圧レギュレータは、調整出力電圧を排他的に供給してもよい(1つ以上の他の電圧レギュレータは、第3の状態に留まってもよい)。
【0016】
負荷の電流引き込みが増加するにつれて、第1の電圧レギュレータは、負荷によって必要とされる全ての電流を供給できない可能性があり、出力電圧は、第1の電圧レギュレータの下限閾値よりも下に降下する可能性がある。並列配置の第2の電圧レギュレータは、第1の電圧レギュレータの下限閾値未満である下限閾値を有してもよく、したがって、負荷の電流引き込みが増加したとき、第1の状態に入るようにトリガされてもよい。第2の電圧レギュレータは、第1の電圧レギュレータよりも大きい第1のトランジスタ(プルアップトランジスタ)及び/又は低いインダクタンスを有してもよい。したがって、第2の電圧レギュレータは、第1の電圧レギュレータよりも多くの電流を提供するように調整されてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、個々の電圧レギュレータは、ヒステリシスDCM電圧レギュレータでもよい。したがって、電圧レギュレータは、出力電圧が上限閾値を上回ったとき、第1の状態から第2の状態に切り替えてもよい。いくつかの実施形態では、異なるヒステリシスDCM電圧レギュレータについての上限閾値は異なってもよい。例えば、より高い下限閾値を有する電圧レギュレータは、より低い下限閾値を有する電圧レギュレータよりも低い上限閾値を有してもよい。他の実施形態では、異なるヒステリシスDCM電圧レギュレータは、同じ上限閾値を有してもよい。
【0018】
さらに、他の実施形態では、個々の電圧レギュレータは、1つ以上の他の基準に基づいて、第1の状態から第2の状態に切り替えてもよい。例えば、個々の電圧レギュレータは、所定の時間に第1の状態にあってもよく、その後、電圧レギュレータは、第2の状態に切り替える。いくつかの実施形態では、異なる電圧レギュレータは、第1の状態から第2の状態に切り替えるために異なる基準を使用してもよい。
【0019】
さらに、いくつかの実施形態では、及び/又はいくつかの条件下で、電圧レギュレータは、第3の状態を通過することなく、第2の状態から第1の状態に直接切り戻してもよい。これは、電圧レギュレータがより高い電流を負荷に送ることを可能にし得る。例えば、いくつかの実施形態では、電圧レギュレータは、インダクタ電流がゼロに達する前に、1つ以上の基準が満たされた場合(例えば、出力電圧が下限電圧閾値又は他の電圧閾値を下回った場合)、第2の状態から第1の状態に切り替えてもよい。
【0020】
本明細書に記載の回路は、2~8個又はそれ以上の電圧レギュレータのような、異なる下限及び/又は上限閾値、異なるインダクタンス、及び/又は異なるサイズのプルアップトランジスタによって並列に結合された、いずれか適切な数の電圧レギュレータを有してもよい。本開示の目的で、より大きい(greater)、より小さい(lesser)、より大きい(larger)、より小さい(smaller)、異なる等のような相対的な用語は、10%をよりも大きい差(例えば、トランジスタのインダクタンス又は特徴サイズにおける差)を示し、特に、意図しない比較的小さい値の差を生じる可能性のある通常の製造変動又は他の現象による差を除外する。
【0021】
図1は、様々な実施形態による回路100を示す。回路100は、互いに並列に結合された複数の電圧レギュレータ102a~102cを含んでもよい。電圧レギュレータ102a~cは、出力ノード106において調整供給電圧を負荷104に提供するように、負荷104に結合されてもよい。各電圧レギュレータ102a~cは、DCM電圧レギュレータでもよい。個々の電圧レギュレータ102a~102cは、調整供給電圧が下限閾値を下回ったとき、第1の状態(充電状態)に切り替わるようにトリガされてもよい。
【0022】
例えば、図2は、いくつかの実施形態において、個々の電圧レギュレータ102a~fに対応し得る電圧レギュレータ200の一例を示す。他の実施形態は、電圧レギュレータ102a~fの他の適切な設計、及び/又は、図2に示すものよりも多い、少ない若しくは異なる構成要素を含んでもよい。
【0023】
電圧レギュレータ200は、インダクタ204に結合された駆動(ドライバ)回路202を含んでもよい。電圧レギュレータ200は、調整出力電圧の電圧レベルに基づいて駆動回路202を制御するように、駆動回路202に結合された制御回路206を更に含んでもよい。制御回路206は、負荷210(例えば、負荷104に対応する)に結合された出力ノード208における電圧レベルに基づいて、駆動回路202を制御してもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、電圧レギュレータ200のインダクタ204は、出力ノード208と駆動回路202の内部ノード212との間に結合されてもよい。駆動回路202は、内部ノード212と供給レール216との間に結合されたプルアップトランジスタ214(パワートランジスタとも呼ばれる)を含んでもよい。供給レール216は、供給電圧(例えば、Vcc)を受けてもよい。駆動回路202は、内部ノード212と接地端子220との間に結合されたプルダウントランジスタ218を更に含んでもよい。
【0025】
図2に示す駆動回路202は、プルアップトランジスタ214と内部ノード212との間に結合された更なるプルアップトランジスタ215と、プルダウントランジスタ218と内部ノード212との間に結合された更なるプルダウントランジスタ219とを含むカスコード構成を有する。いくつかの実施形態では、プルアップトランジスタ215は、プルアップトランジスタ214と同じ制御信号を受信してもよく、及び/又は、プルダウントランジスタ219は、プルダウントランジスタ218と同じ制御信号を受信してもよい。他の実施形態では、プルアップトランジスタ214~215及び/又はプルダウントランジスタ218~219は、異なる制御信号を受信してもよい。
【0026】
駆動回路202の他の実施形態は、駆動回路202及び/又はインダクタ204の更なる構成要素、より少ない構成要素及び/又は異なる構成を含んでもよい。例えば、駆動回路202は、単一のプルアップトランジスタ及び/又はプルダウントランジスタのみを含んでもよい。代替として、駆動回路202は、供給レール216と内部ノード212との間に結合された1つ以上の更なるトランジスタ、及び/又は内部ノード212と接地端子220との間に結合された1つ以上の更なるトランジスタを含んでもよい。
【0027】
様々な実施形態では、制御回路206は、プルアップトランジスタ214~215及びプルダウントランジスタ218~219のゲート端子にそれぞれの制御信号を提供し、駆動回路202の動作を制御してもよい。例えば、出力ノード208の電圧レベルが第1の閾値を下回ったとき、制御回路206は、電圧レギュレータ200を第1の状態(例えば、充電状態)にしてもよい。第1の状態の一部として、制御回路206は、インダクタ204を介して出力ノード208を供給レール216に導電的に結合するために、プルアップトランジスタ214をオンにしてもよい。これにより、電流がインダクタ204を通って出力ノード208に流れ、それによって出力ノード208における電圧レベルを上昇させる。プルダウントランジスタ218は、第1のモードの間にオフでもよい。
【0028】
その後、制御回路206は、1つ以上の基準に基づいて、電圧レギュレータ200を第1の状態から第2の状態に切り替えてもよい。例えば、制御回路206は、出力電圧が上限閾値に達したとき、第1の状態において所定の期間の後に、及び/又は1つ以上の他の基準に基づいて、電圧レギュレータ200を第1の状態から第2の状態に切り替えてもよい。電圧レギュレータ200を第1の状態から第2の状態に切り替えるために、制御回路206は、プルアップトランジスタ214をオフにし、出力ノード208を供給レール216から導電的に切り離してもよい。さらに、制御回路206は、プルダウントランジスタ218をオンにし、出力ノード208を接地端子220に導電的に結合してもよい。
【0029】
電圧レギュレータ200は、インダクタ204を通る電流がゼロに低下するまで、第2の状態(例えば、プルダウントランジスタ218をオンにした状態)に留まってもよい。そのとき、制御回路206は、電圧レギュレータ200を第2の状態から第3の状態(例えば、トライステートモード)に切り替えてもよく、ここで、プルダウントランジスタ218及びプルアップトランジスタ214は共にオフである。例えば、制御回路206は、電流がゼロに達したときを検出するためにインダクタ204を通る電流を監視してもよく、検出に応じてプルダウントランジスタ218をオフにしてもよい(一方、プルアップトランジスタ214はオフに留まる)。
【0030】
いくつかの実施形態では、及び/又はいくつかの条件下で、制御回路206は、電圧レギュレータ200を、第3の状態を通過することなく、第2の状態から第1の状態に直接切り戻してもよい。これは、電圧レギュレータ200がより高い電流を負荷に供給することを可能にし得る。例えば、いくつかの実施形態では、電圧レギュレータ200は、インダクタ204を通るインダクタ電流がゼロに達する前に、1つ以上の基準が満たされた場合(例えば、出力電圧が下限電圧閾値又は他の電圧閾値を下回る場合)、第2の状態から第1の状態に切り替えてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、制御回路206の1つ以上の構成要素は、電圧レギュレータの並列の組み合わせの他の電圧レギュレータ(例えば、電圧レギュレータ102a~102c)の制御回路と共有されてもよい。他の実施形態では、異なる電圧レギュレータの制御回路206は分離していてもよい。
【0032】
再び図1を参照すると、様々な実施形態では、回路100の異なる電圧レギュレータ102a~cの下限閾値は異なってもよい。例えば、電圧レギュレータ102aは、電圧レギュレータ102cよりも大きい下限閾値を有してもよい。電圧レギュレータ102bの下限閾値は、電圧レギュレータ102aの下限閾値と電圧レギュレータ102cの下限閾値との間でもよい。したがって、電圧レギュレータ102aは、電圧レギュレータ102b及び102cよりも、回路100の調整出力電圧のより大きい電圧レベル(例えば、負荷104のより低い電流引き込み)でオンになってもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、電圧レギュレータ102a~cはまた、異なる上限閾値を有してもよい。例えば、電圧レギュレータ102aは、電圧レギュレータ102b及び/又は102cよりも小さい上限閾値を有してもよい。他の実施形態では、電圧レギュレータ102a~cは、同じ上限閾値を有してもよく、及び/又は、1つ以上の他の基準に基づいて、第1の状態から第2の状態に切り替えてもよい。
【0034】
さらに、いくつかの実施形態では、異なる電圧レギュレータ102a~cは、異なる電流能力について設計されてもよい。例えば、電圧レギュレータ102aは、より小さいプルアップトランジスタ(パワートランジスタ、例えば、プルアップトランジスタ214)及び/又はより高いインダクタンス(例えば、より大きいインダクタンス値を有するインダクタ204)を含んでもよい。したがって、電圧レギュレータ102aは、高効率を有し、低リップルでの出力電圧及び低い電流引き込みでの厳密な制御を提供してもよい。電圧レギュレータ102cのより大きいプルアップトランジスタ及び/又はより低いインダクタンスは、電圧レギュレータ102cが電圧レギュレータ102aよりも高い電流を供給することを可能にし得る。電圧レギュレータ102bは、電圧レギュレータ102aと電圧レギュレータ102cとの値の間にあるプルアップトランジスタサイズ及び/又はインダクタンスを含んでもよい。
【0035】
負荷104の低い電流引き込みにおいて、電圧レギュレータ102aは出力電圧を排他的に調整してもよい。例えば、電圧レギュレータ102aは、出力電圧が電圧レギュレータ102aの下限閾値を下回ったとき、第1の状態に切り替えてもよく、出力電圧が電圧レギュレータ102aの上限閾値を上回ったとき、及び/又は1つ以上の他の基準(例えば、第1の状態における時間の量)に基づいて、第1の状態から第2の状態に切り替えてもよい。電圧レギュレータ102aの比較的小さいプルアップトランジスタ及び/又は比較的大きいインダクタンスは、電圧レギュレータ102aが低リップルで出力電圧を効率的に調整することを可能にし得る。
【0036】
負荷104の電流引き込みが増加すると、電圧レギュレータ102aは、負荷104によって必要とされる全ての電流を供給できない可能性があり、出力電圧は、電圧レギュレータ102bの下限閾値よりも下に降下する可能性がある。したがって、電圧レギュレータ102bは、電流を負荷106に供給して電圧レギュレータ102aと共に出力電圧を調整するために、第1の状態に切り替えるようにトリガされてもよい。(例えば、負荷104の電流引き込みに基づいて)出力電圧の電圧レベルが更に低下した場合、1つ以上の更なる電圧レギュレータ(例えば、電圧レギュレータ102c、及び/又は電圧レギュレータ102bと電圧レギュレータ102cとの間の1つ以上の中間電圧レギュレータ)は、第1の状態に切り替えるようにトリガされてもよい。
【0037】
したがって、上記のように、回路100は、負荷104の低い電流引き込みにおいて高効率且つ低リップルで調整出力電圧を提供してもよく、一方、必要なときに高い電流引き込みも提供できる。さらに、回路100は、全く連続導通モード(CCM)電圧レギュレータを含まなくてもよい(例えば、全ての電圧レギュレータ102a~102cがDCM電圧レギュレータでもよい)。したがって、回路100は、CCM電圧レギュレータによって必要とされる更なる補償回路及び/又は他の回路(例えば、パルス幅変調器等)を含まなくてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、電圧レギュレータの並列配置の異なる電圧レギュレータは、出力ノードの異なる位置において異なる感知点を介して受ける出力電圧に基づいてトリガされてもよい。例えば、複数の回路ブロックは、調整出力電圧を受けるように、出力ノードに結合されてもよい。第1の電圧レギュレータは、出力ノードの第1の感知点からの第1のフィードバック信号に基づいてトリガされてもよく、一方、第2の電圧レギュレータは、第1の感知点とは異なる第2の感知点からの第2のフィードバック信号に基づいてトリガされてもよい。
【0039】
例えば、図3は、様々な実施形態による、複数の感知点を有する電圧レギュレータ回路300(以下、「回路300」という)を示す。回路300は、出力ノード306において調整出力電圧を提供するために、複数の電圧レギュレータ302a~cを含んでもよい。電圧レギュレータ302a~cは、本明細書に記載の電圧レギュレータ102a~cと同様でもよい。回路300は、出力ノード306に結合された複数の回路ブロック304a~cを更に含んでもよい。回路ブロック304a~cは、出力ノード306において(例えば、電源として)出力電圧をそれぞれ受けてもよい。様々な実施形態では、異なる電圧レギュレータ302a~cは、出力ノード306の異なる感知点からの異なるフィードバック信号に基づいてトリガされてもよい。例えば、電圧レギュレータ302aは、出力ノード306における感知点307aからの第1のフィードバック信号に基づいてトリガされてもよく、一方、電圧レギュレータ302b及び302cは、出力ノード306における感知点307bからの第2のフィードバック信号に基づいてトリガされてもよい。異なる感知点及び関連する電圧レギュレータの他の配置が考えられることは明らかである。
【0040】
いくつかの電圧ドメインは、電圧ドメイン内のいくつかの位置においてのみ受ける、及び/又は最初にある、局所電圧低下を受けてもよい。例えば、ベクトル処理ユニット(VPU, vector processing unit)は、同じ電圧ドメインに結合された他の回路(例えば、中央処理装置(CPU, central processing unit))によって(例えば、同時に)受けない局所電圧低下を引き起こしてもよい。回路300によって提供される異なる感知点307a~bは、電圧レギュレータ302aが感知点307aにおける出力電圧の局所的な低下に迅速に応答することを可能にしてもよく、一方、他の電圧レギュレータ(例えば、電圧レギュレータ302b~c)は、1つ以上の他の感知点における出力電圧の低下に応答してもよい。
【0041】
図4は、様々な実施形態による、本明細書に記載の装置及び/又は方法(例えば、回路100、電圧レギュレータ200、回路300等)を使用し得る例示的な計算デバイス300を示す。図示のように、計算デバイス400は、1つ以上のプロセッサ404(1つが図示されている)及び少なくとも1つの通信チップ406のような複数の構成要素を含んでもよい。様々な実施形態では、1つ以上のプロセッサ404は、1つ以上のプロセッサコアをそれぞれ含んでもよい。様々な実施形態では、少なくとも1つの通信チップ406は、1つ以上のプロセッサ404に物理的及び電気的に結合されてもよい。更なる実装では、通信チップ406は、1つ以上のプロセッサ404の一部でもよい。様々な実施形態では、計算デバイス400は、印刷回路基板(PCB, printed circuit board)402を含んでもよい。これらの実施形態では、1つ以上のプロセッサ404及び通信チップ406は、その上に配置されてもよい。代替の実施形態では、様々な構成要素は、PCB 402を使用せずに結合されてもよい。
【0042】
その用途に依存して、計算デバイス400は、PCB402に物理的及び電気的に結合されてもよく或いは結合されなくてもよい他の構成要素を含んでもよい。これらの他の構成要素は、メモリコントローラ405、揮発性メモリ(例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM, dynamic random access memory)408)、読み取り専用メモリ(ROM, read only memory)410のような不揮発性メモリ、フラッシュメモリ412、記憶デバイス411(例えば、ハードディスクドライブ(HDD, hard-disk drive))、I/Oコントローラ414、デジタルシグナルプロセッサ(図示せず)、暗号プロセッサ(図示せず)、グラフィックスプロセッサ416、1つ以上のアンテナ418、ディスプレイ(図示せず)、タッチスクリーンディスプレイ420、タッチスクリーンコントローラ422、バッテリ424、オーディオコーデック(図示せず)、ビデオコーデック(図示せず)、グローバルポジショニングシステム(GPS, global positioning system)デバイス428、コンパス430、加速度計(図示せず)、ジャイロスコープ(図示せず)、スピーカ432、カメラ434、及び大容量記憶デバイス(ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、コンパクトディスク(CD, compact disk)、デジタル多用途ディスク(DVD, digital versatile disk)等)を含むが、これらに限定されない。様々な実施形態では、プロセッサ404は、システム・オン・チップ(SoC, System on Chip)を形成するように、他の構成要素と同じダイに集積されてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、1つ以上のプロセッサ404、フラッシュメモリ412及び/又は記憶デバイス411は、1つ以上のプロセッサ404によるプログラミング命令の実行に応じて、計算デバイス400が本明細書に記載の方法の全ての態様又は選択された態様を実施することを可能にするように構成されたプログラミング命令を記憶する関連ファームウェア(図示せず)を含んでもよい。様々な実施形態では、これらの態様は、さらに或いは代替として、1つ以上のプロセッサ404、フラッシュメモリ412又は記憶デバイス411から分離したハードウェアを使用して実装されてもよい。
【0044】
様々な実施形態では、計算デバイス400の1つ以上の構成要素は、回路100、電圧レギュレータ200、回路300を含んでもよく、及び/又は本明細書に記載の技術を使用してもよい。例えば、プロセッサ404、通信チップ406、I/Oコントローラ414、メモリコントローラ405、及び/又は計算デバイス400の他の構成要素は、回路100、電圧レギュレータ200、回路300を含んでもよく、及び/又は本明細書に記載の技術を使用してもよい。
【0045】
通信チップ406は、計算デバイス400との間でのデータの転送のために、有線及び/又は無線通信を可能にしてもよい。「無線」という用語及びその派生語は、非固体媒体を通じた変調電磁放射の使用を通じてデータを通信し得る回路、デバイス、システム、方法、技術、通信チャネル等を記述するために使用されてもよい。この用語は、関連するデバイスが有線を含まないことを意味するものではないが、いくつかの実施形態では、有線を含んでもよい。通信チップ406は、IEEE702.20、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、5G、GPRS(General Packet Radio Service)、Ev-DO(Evolution Data Optimized)、HSPA+(Evolved High Speed Packet Access、HSDPA+(Evolved High Speed Downlink Packet Access)、HSUPA+(Evolved High Speed Uplink Packet Access)、GSM(Global System for Mobile Communications)、EDGE(Enhanced Data rates for GSM Evolution)、符号分割多元接続(CDMA, Code Division Multiple Access)、時分割多元接続(TDMA, Time Division Multiple Access)、DECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、ブルートゥース(登録商標)、これらの派生物、並びに3G、4G、5G及びそれ以降として指定されたいずれかの他の無線プロトコルを含むが、これらに限定されない、複数の無線標準又はプロトコルのいずれかを実装してもよい。計算デバイス400は、複数の通信チップ406を含んでもよい。例えば、第1の通信チップ406は、Wi-Fi及びブルートゥース(登録商標)のようなより短い範囲の無線通信に専用のものでもよく、第2の通信チップ406は、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev-DO等のようなより長い範囲の無線通信に専用のものでもよい。
【0046】
様々な実装では、計算デバイス400は、ラップトップ、ネットブック、ノートブック、ウルトラブック、スマートフォン、計算タブレット、パーソナルデジタルアシスタント(PDA, personal digital assistant)、ウルトラモバイルPC、携帯電話、デスクトップコンピュータ、サーバ、プリンタ、スキャナ、モニタ、セットトップボックス、エンターテイメント制御ユニット(例えば、ゲームコンソール又は自動車エンターテイメントユニット)、デジタルカメラ、自動車、医療デバイス、アプライアンス、ポータブル音楽プレーヤ、デジタルビデオレコーダ、電子センサ、スマートホームデバイス、モノのインターネット(IoT, internet of things)デバイス等でもよい。更なる実装では、計算デバイス400は、データを処理するいずれかの他の電子デバイスでもよい。
【0047】
様々な実施形態のいくつかの非限定的な例が以下に提供される。
【0048】
例1は、出力ノードにおいて調整出力電圧を提供するための、第1の電圧レギュレータ及び第2の電圧レギュレータを含む不連続モード電圧レギュレータの並列配置と、制御回路とを含む回路である。制御回路は、調整出力電圧が第1の下限閾値を下回るとき、第1の電圧レギュレータを充電状態に切り替え、調整出力電圧が第1の下限閾値未満である第2の下限閾値を下回るとき、第2の電圧レギュレータを充電状態に切り替える。
【0049】
例2は例1の回路であり、制御回路は、さらに、第1及び第2の電圧レギュレータを充電状態から放電状態に切り替え、それぞれの第1又は第2の電圧レギュレータのインダクタを通る電流がゼロであるという決定に基づいて、第1及び第2の電圧レギュレータを放電状態から充電状態に切り替える。
【0050】
例3は例2の回路であり、第1及び第2の電圧レギュレータは、それぞれ、出力ノードと中間ノードとの間に結合されたインダクタと、中間ノードと供給電圧を受ける供給レールとの間に結合されたプルアップトランジスタと、中間ノードと接地端子との間に結合されたプルダウントランジスタとを含む。
【0051】
例4は例3の回路であり、第1の電圧レギュレータを充電状態に切り替えるために、制御回路は、第1の電圧レギュレータのプルアップトランジスタをオンにする。
【0052】
例5は例4の回路であり、第1の電圧レギュレータを充電状態から放電状態に切り替えるために、制御回路は、プルアップトランジスタをオフにしてプルダウントランジスタをオンにし、第1の電圧レギュレータを放電状態からトライステートモードに切り替えるために、制御回路は、プルダウントランジスタをオフにし、プルダウントランジスタはオフに留める。
【0053】
例6は例3~5のいずれかの回路であり、第1の電圧レギュレータのインダクタは、第2の電圧レギュレータのインダクタよりも大きいインダクタンスを有する。
【0054】
例7は例3~6のいずれかの回路であり、第1の電圧レギュレータのプルアップトランジスタは、第2の電圧レギュレータのプルアップトランジスタよりも小さい。
【0055】
例8は例1~7のいずれかの回路であり、制御回路は、さらに、調整出力電圧が第1の上限閾値よりも大きいとき、第1の電圧レギュレータを充電状態から放電状態に切り替え、調整出力電圧が第1の上限閾値とは異なる第2の上限閾値よりも大きいとき、第2の電圧レギュレータを充電状態から放電状態に切り替える。
【0056】
例9は例1~8のいずれかの回路であり、不連続モード電圧レギュレータの並列配置は、2つよりも多くの不連続モード電圧レギュレータを含む。
【0057】
例10は例1~9のいずれかの回路であり、調整出力電圧は、不連続モード電圧レギュレータのみによって提供される。
【0058】
例11は例1~10のいずれかの回路であり、制御回路は、出力ノードの第1の感知点からの第1のフィードバック信号に基づいて、調整出力電圧が第1の下限閾値を下回るとき、第1の電圧レギュレータを充電状態に切り替え、第1の感知点とは異なる出力ノードの第2の感知点からの第2のフィードバック信号に基づいて、調整出力電圧が第1の下限閾値未満である第2の下限閾値を下回るとき、第2の電圧レギュレータを充電状態に切り替える。
【0059】
例12は、負荷と、互いに並列に結合された2つ以上の電圧レギュレータとを含む回路であり、電圧レギュレータは、出力ノードにおいて調整出力電圧を負荷に提供する。電圧レギュレータのそれぞれは、出力ノードと中間ノードとの間に結合されたインダクタと、中間ノードと供給電圧を受ける供給レールとの間に結合されたプルアップトランジスタと、中間ノードと接地端子との間に結合されたプルダウントランジスタとを含む。例12の回路は、調整出力電圧がそれぞれの電圧レギュレータの閾値未満であることを検出する制御回路であり、2つ以上の電圧レギュレータの異なる電圧レギュレータは異なる閾値を有し、検出に応答してプルアップトランジスタをオンにする制御回路を更に含む。
【0060】
例13は例12の回路であり、制御回路は、電圧レギュレータを第1の状態にするためにプルアップトランジスタをオンにし、制御回路は、さらに、電圧レギュレータを第1の状態から第2の状態に切り替えるためにプルアップトランジスタをオフにしてプルダウントランジスタをオンにし、インダクタを通る電流がゼロであることを検出し、検出に応じて、電圧レギュレータを第2の状態から第3の状態に切り替えるためにプルダウントランジスタをオフにする。
【0061】
例14は例12又は13の回路であり、第1の電圧レギュレータのインダクタは、第2の電圧レギュレータのインダクタよりも大きいインダクタンスを有する。
【0062】
例15は例12~14のいずれかの回路であり、第1の電圧レギュレータのプルアップトランジスタは、第2の電圧レギュレータのプルアップトランジスタよりも小さい。
【0063】
例16は例12~15のいずれかの回路であり、プルアップトランジスタは、第1のプルアップトランジスタであり、プルダウントランジスタは、第1のプルダウントランジスタであり、各電圧レギュレータは、第1のプルアップトランジスタと中間ノードとの間に結合された第2のプルアップトランジスタと、第1のプルダウントランジスタと中間ノードとの間に結合された第2のプルダウントランジスタとを更に含む。
【0064】
例17は例12~16のいずれかの回路であり、2つ以上の電圧レギュレータ及び負荷は、同じ集積回路ダイ上にある。
【0065】
例18は、集積回路を含むシステムであり、集積回路は、回路ブロックと、調整出力電圧を回路ブロックに提供するために互いに並列に結合された第1の電圧レギュレータ及び第2の電圧レギュレータを含む2つ以上の不連続モード電圧レギュレータとを含む。不連続モード電圧レギュレータのそれぞれは、内部ノードと供給電圧を受ける電源レールとの間に結合されたプルアップトランジスタと、内部ノードと接地端子との間に結合されたプルダウントランジスタとを含む。集積回路は、2つ以上の不連続モード電圧レギュレータに結合された制御回路を更に含み、制御回路は、調整出力電圧が第1の上限閾値を上回ったとき、第1の電圧レギュレータのプルアップトランジスタをオンにし、調整出力電圧が第1の上限閾値よりも大きい第2の上限閾値を上回ったとき、第2の電圧レギュレータのプルアップトランジスタをオンにする。例18に記載のシステムは、集積回路に結合されたメモリ回路、ディスプレイ又はアンテナのうちの1つ以上を更に含む。
【0066】
例20は例19のシステムであり、制御回路は、さらに、調整出力電圧が第1の上限閾値よりも大きいとき、第1の電圧レギュレータのプルアップトランジスタをオフにしてプルダウントランジスタをオンにし、調整出力電圧が第2の上限閾値よりも大きいとき、第2の電圧レギュレータのプルアップトランジスタをオフにしてプルダウントランジスタをオンにし、第1の上限閾値は、第2の上限閾値未満である。
【0067】
例21は例20のシステムであり、制御回路は、それぞれの不連続モード電圧レギュレータのインダクタを通る電流がゼロになるまでプルダウントランジスタをオンにし、次いで、プルダウントランジスタをオフにする。
【0068】
例22は例19~21のいずれか1つのシステムであり、不連続モード電圧レギュレータは、出力ノードにおいて調整出力電圧を提供し、不連続モード電圧レギュレータのそれぞれは、それぞれの内部ノードと出力ノードとの間に結合されたインダクタを更に含む。
【0069】
例23は例22のシステムであり、第1の電圧レギュレータのインダクタは、第2の電圧レギュレータのインダクタよりも大きいインダクタンスを有する。
【0070】
例24は例19~23のいずれかの回路であり、第1の電圧レギュレータのプルアップトランジスタは、第2の電圧レギュレータのプルアップトランジスタよりも小さい。
【0071】
特定の実施形態が説明の目的のために本明細書に例示及び記載されているが、本出願は、本明細書で議論される実施形態のいずれかの適合又は変形をカバーすることを意図する。したがって、本明細書に記載の実施形態は、特許請求の範囲によってのみ限定されることを明らかに意図する。
【0072】
開示が1つ(「a」)若しくは「第1の」要素又はその等価な物を記載する場合、このような開示は、2つ以上のこのような要素を必要とせず、また排除もしない1つ以上のこのような要素を含む。さらに、識別される要素のための順序の指標(例えば、第1、第2又は第3)は、要素を区別するために使用され、このような要素の必要数又は限られた数を示したり或いは暗示したりするものではなく、また、特に明記しない限り、このような要素の特定の位置又は順序を示すものでもない。
図1
図2
図3
図4