(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】エンジン装置
(51)【国際特許分類】
F02B 77/00 20060101AFI20241007BHJP
F02B 67/00 20060101ALI20241007BHJP
【FI】
F02B77/00 P
F02B67/00 Z
(21)【出願番号】P 2022073478
(22)【出願日】2022-04-27
(62)【分割の表示】P 2020206461の分割
【原出願日】2016-04-08
【審査請求日】2022-04-27
【審判番号】
【審判請求日】2023-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関田 浩喜
【合議体】
【審判長】山本 信平
【審判官】河端 賢
【審判官】倉橋 紀夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-12497(JP,A)
【文献】特開2015-8581(JP,A)
【文献】特開2015-183638(JP,A)
【文献】実開昭60-107334(JP,U)
【文献】実開昭56-70114(JP,U)
【文献】特開2012-111265(JP,A)
【文献】特開2002-79893(JP,A)
【文献】特開平5-1565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 77/00
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤハーネスにハーネスコネクタが接続されるエンジン装置において、
前記ワイヤハーネスが
クランク軸方向に延びる側部で分岐して、前記
クランク軸方向に延びる側部と、吸排気方向に延びる側部に沿って延設され、
前記
吸排気方向に延びる側部のうち、冷却ファン設置側の側部に沿って前記ワイヤハーネスの一部が吸気側から排気側に設けられ
、
前記冷却ファン設置側の側部に沿ったワイヤハーネスの一部がさらに分岐し、インジェクタに接続されるエンジン装置。
【請求項2】
分岐した前記ワイヤハーネスは、過給機に設けられる各種センサに電気接続される請求項
1に記載のエンジン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、エンジン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、エンジンの駆動制御は急速に電子化が進み、エンジンには多数の電子デバイスが搭載されるようになってきた(例えば特許文献1参照)。それに伴い、エンジンには多数のワイヤハーネス(電線)が組み付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、複数のワイヤハーネスをハーネス集合体として束ねたり、ワイヤハーネスの中途部に中継コネクタを設けるなどしてワイヤハーネスの取り扱いを容易にするために様々な工夫がなされているが、ワイヤハーネスのさらなる取扱性向上が望まれている。
【0005】
本願発明は、上記の課題を鑑みて、ワイヤハーネスに電気接続されるハーネスコネクタの取扱性を向上させることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明にかかるエンジン装置は、電子デバイス及びそれに電気接続されるワイヤハーネスを備えたエンジン装置において、前記ワイヤハーネスはハーネスコネクタに電気接続され、前記ハーネスコネクタは、コネクタブラケットを介してシリンダブロックの一側部に取り付けられるものである。
【0007】
本願発明のエンジン装置は、例えば、シリンダヘッドの一側部に吸気マニホールドが取り付けられ、前記ハーネスコネクタは、前記吸気マニホールドの下方に配置されるようにしてもよい。
【0008】
さらに、例えば、前記ハーネスコネクタに電気接続される前記ワイヤハーネスはハーネス集合体であって、前記ハーネス集合体は、前記シリンダブロックの前記一側部において複数のワイヤハーネスに分岐されるようにしてもよい。
【0009】
また、例えば、前記シリンダブロックの前記一側部にコモンレールが配置され、前記複数のワイヤハーネスは、少なくとも前記コモンレールに接続されるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
上記の構成によれば、ハーネスコネクタの取扱性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図9】シリンダブロック及びフライホイールハウジングを示す平面図である。
【
図10】シリンダブロック及びフライホイールハウジングを示す左側面図である。
【
図11】シリンダブロック及びフライホイールハウジングを示す右側面図である。
【
図15】フライホイールハウジングの内部を示す斜視図である。
【
図16】燃料供給ポンプの取付位置を示す斜視図である。
【
図23】オイルパン及びシリンダブロックを一部切り欠いてコモンレールのコネク タを示す底面図である。
【
図24】オイルクーラブラケットを示す平面図である。
【
図25】オイルクーラブラケットを示す斜視図である。
【
図26】オイルクーラブラケット及びオイルクーラの取付構造を示す分解斜視図で ある。
【
図27】オイルクーラブラケット取付座を示す右側面図である。
【
図28】オイルクーラブラケットの取付け状態を示す右側面図である。
【
図29】シリンダブロックを一部断面で示す背面図である。
【
図30】オイルクーラブラケット取付座周辺を拡大して示す一部断面背面図である 。
【
図31】ワイヤハーネス及びハーネスブラケットを示す平面図である。
【
図32】ワイヤハーネス及びハーネスブラケットを示す右側面図である。
【
図33】ワイヤハーネス及びハーネスブラケットを示す斜視図である。
【
図34】ハーネスコネクタ周辺を拡大して示す斜視図である。
【
図35】ワイヤハーネス及びハーネスブラケットを拡大して示す斜視図である。
【
図36】ワイヤハーネス及びハーネスブラケットを拡大して示す斜視図である。
【
図37】ハーネスコネクタ周辺を拡大して示す右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。まず、
図1~
図8を参照しながら、ディーゼルエンジンからなるエンジン(エンジン装置)1の全体構造について説明する。なお、以下の説明では、クランク軸5と平行な両側部(クランク軸5を挟んで両側の側部)を左右、フライホイールハウジング7設置側を前側、冷却ファン9設置側を後側と称して、これらを便宜的に、エンジン1における四方及び上下の位置関係の基準としている。
【0013】
図1~
図8に示す如く、エンジン1におけるクランク軸5と平行な一側部に吸気マニホールド3を、他側部に排気マニホールド4を配置している。実施形態では、シリンダヘッド2の右側面に吸気マニホールド3がシリンダヘッド2と一体に成形されており、シリンダヘッド2の左側面に排気マニホールド4が設置されている。シリンダヘッド2は、クランク軸5とピストン(図示省略)が内蔵されたシリンダブロック6上に搭載されている。シリンダブロック6はクランク軸5を回転自在に軸支する。
【0014】
シリンダブロック6の前後両側面から、クランク軸5の前後先端側を突出させている。エンジン1におけるクランク軸5と交差する一側部(実施形態ではシリンダブロック6の前側面側)に、フライホイールハウジング7が固設されている。フライホイールハウジング7内にフライホイール8が配置されている。フライホイール8はクランク軸5の前端側に軸支されていて、クランク軸5と一体的に回転するように構成されている。作業機械(例えば油圧ショベルやフォークリフト等)の作動部に、フライホイール8を介してエンジン1の動力を取り出すように構成されている。エンジン1におけるクランク軸5と交差する他側部(実施形態ではシリンダブロック6の後側面側)に、冷却ファン9が設けられている。クランク軸5の後端側からVベルト10を介して冷却ファン9に回転力を伝達するように構成されている。
【0015】
シリンダブロック6の下面にはオイルパン11を配置する。オイルパン11内には潤滑油が貯留されている。オイルパン11内の潤滑油は、シリンダブロック6のフライホイールハウジング7との連結部分であってシリンダブロック6の右側面側に配置されたオイルポンプ12(
図11参照)にて吸引され、シリンダブロック6の右側面に配置されたオイルクーラ13並びにオイルフィルタ14を介して、エンジン1の各潤滑部に供給される。各潤滑部に供給された潤滑油は、その後オイルパン11に戻される。オイルポンプ12はクランク軸5の回転にて駆動するように構成されている。
【0016】
シリンダブロック6のフライホイールハウジング7との連結部分に、燃料を供給するための燃料供給ポンプ15が取り付けられ、燃料供給ポンプ15がEGR装置24下方に配置される。コモンレール16が、シリンダヘッド2の吸気マニホールド3下側でシリンダブロック6側面に固定されており、燃料供給ポンプ15上方に配置されている。ヘッドカバー18で覆われているシリンダヘッド2上面部に、電磁開閉制御型の燃料噴射バルブを有する4気筒分の各インジェクタ17(
図17参照)が設けられている。
【0017】
各インジェクタ17が、燃料供給ポンプ15及び円筒状のコモンレール16を介して、作業車両に搭載される燃料タンク118(
図17参照)が接続されている。燃料タンクの燃料が燃料供給ポンプ15からコモンレール16に圧送され、高圧の燃料がコモンレール16に蓄えられる。各インジェクタ17の燃料噴射バルブ119(
図17参照)をそれぞれ開閉制御することによって、コモンレール16内の高圧の燃料が各インジェクタ17からエンジン1の各気筒に噴射される。
【0018】
シリンダヘッド2上面部に設ける吸気弁及び排気弁(図示省略)などを覆うヘッドカバー18上面に、エンジン1の燃焼室などからシリンダヘッド2上面側に漏れ出たブローバイガスを取入れるブローバイガス還元装置19が設けられている。ブローバイガス還元装置19のブローバイガス出口が、還元ホース68を介して、二段過給機30の吸気部に連通される。ブローバイガス還元装置19内にて潤滑油成分が除去されたブローバイガスは、二段過給機30を介して、吸気マニホールド3に還元される。
【0019】
フライホイールハウジング7にエンジン始動用のスタータ20が取り付けられ、スタータ20が排気マニホールド4下方に配置される。スタータ20は、シリンダブロック6とフライホイールハウジング7との連結部下方となる位置で、フライホイールハウジング7に取り付けられる。
【0020】
シリンダブロック6の後面左寄りの部位には、冷却水循環用の冷却水ポンプ21が冷却ファン9の下方に配置されている。クランク軸5の回転にて、冷却ファン駆動用Vベルト10を介して、冷却ファン9と共に冷却水ポンプ21が駆動される。作業車両に搭載されるラジエータ(図示省略)内の冷却水が、冷却水ポンプ21の駆動にて、冷却水ポンプ21に供給される。そして、シリンダヘッド2及びシリンダブロック6に冷却水が供給され、エンジン1を冷却する。
【0021】
排気マニホールド4下方に配置されるとともにラジエータの冷却水出口と連通される冷却水入口管22が、シリンダブロック6の左側面であって冷却水ポンプ21と同一高さ位置に固設されている。一方、ラジエータの冷却水入口と連通される冷却水出口管23が、シリンダヘッド2の後部に固設されている。シリンダヘッド2は、吸気マニホールド3後方に突設させた冷却水排水部35を有しており、当該冷却水排水部35上面に冷却水出口管23が設置される。
【0022】
吸気マニホールド3の入口側は、後述するEGR装置24(排気ガス再循環装置)のコレクタ25を介してエアクリーナ(図示省略)に連結されている。エアクリーナに吸い込まれた新気(外部空気)は、当該エアクリーナにて除塵・浄化されたのち、コレクタ25を介して吸気マニホールド3に送られ、そして、エンジン1の各気筒に供給される。実施形態では、EGR装置24のコレクタ25が、シリンダヘッド2と一体成形されてシリンダヘッド2の右側面を構成している吸気マニホールド3の右側方に連結している。すなわち、シリンダヘッド2の右側面に設けられる吸気マニホールド3の入口開口部に、EGR装置24のコレクタ25の出口開口部が連結されている。なお、本実施形態では、後述するように、EGR装置24のコレクタ25は、インタークーラ(図示省略)及び二段過給機30を介して、エアクリーナに連結している。
【0023】
EGR装置24は、エンジン1の再循環排気ガス(排気マニホールド4からのEGRガス)と新気(エアクリーナからの外部空気)とを混合させて吸気マニホールド3に供給する中継管路としてのコレクタ25と、エアクリーナにコレクタ25を連通させる吸気スロットル部材26と、排気マニホールド4にEGRクーラ27を介して接続する還流管路の一部となる再循環排気ガス管28と、再循環排気ガス管28にコレクタ25を連通させるEGRバルブ部材29とを有している。
【0024】
EGR装置24は、シリンダヘッド2における吸気マニホールド3の右側方に配置されている。すなわち、EGR装置24は、シリンダヘッド2の右側面に固定され、シリンダヘッド2内の吸気マニホールド3と連通されている。EGR装置24は、コレクタ25がシリンダヘッド2右側面の吸気マニホールド3に連結するとともに、再循環排気ガス管28のEGRガス入口がシリンダヘッド2右側面の吸気マニホールド3前方部分と連結して固定される。また、コレクタ25の前後それぞれにEGRバルブ部材29及び吸気スロットル部材26が連結され、EGRバルブ部材29の後端に再循環排気ガス管28のEGRガス出口が連結される。
【0025】
EGRクーラ27は、シリンダヘッド2の前側面に固定されており、シリンダヘッド2内を流れる冷却水とEGRガスがEGRクーラ27に流出入し、EGRクーラ27においてEGRガスが冷却される。シリンダヘッド2の前側面は、その左右位置にEGRクーラ27を連結するEGRクーラ連結台座33,34を突設し、連結台座33,34にEGRクーラ27が連結されている。すなわち、EGRクーラ27は、EGRクーラ27後端面とシリンダヘッド2の前側面とが離間するようにして、フライホイールハウジング7上方位置であってシリンダヘッド2前方位置に配置されている。
【0026】
排気マニホールド4の側方(実施形態では左側方)に、二段過給機30が配置されている。二段過給機30は、高圧過給機51と低圧過給機52とを備える。高圧過給機51が、タービンホイール(図示省略)を内蔵した高圧タービン53とブロアホイール(図示省略)を内蔵した高圧コンプレッサ54とを有するとともに、低圧過給機52が、タービンホイール(図示省略)を内蔵した低圧タービン55とブロアホイール(図示省略)を内蔵
した低圧コンプレッサ56とを有する。
【0027】
排気マニホールド4に高圧タービン53の排気ガス入口57を連結させ、高圧タービン53の排気ガス出口58に高圧排気ガス管59を介して低圧タービン55の排気ガス入口60を連結させ、低圧タービン55の排気ガス出口61に排気ガス排出管(図示省略)の排気ガス取入れ側端部を連結させている。一方、低圧コンプレッサ56の新気取入れ口(新気入口)63に給気管62を介してエアクリーナ(図示省略)の新気供給側(新気出口側)を接続し、低圧コンプレッサ56の新気供給口(新気出口)64に低圧新気通路管65を介して高圧コンプレッサ54の新気取入れ口66を連結させ、高圧コンプレッサ54の新気供給口67に高圧新気通路管(図示省略)を介してインタークーラ(図示省略)の新気取り込み側を接続させる。
【0028】
高圧過給機51が排気マニホールド4の排気ガス出口58に連結して、排気マニホールド4の左側方に固定される一方、低圧過給機52が高圧排気ガス管59及び低圧新気通路管65を介して高圧過給機51と連結して、排気マニホールド4の上方に固定される。すなわち、小径となる高圧過給機51と排気マニホールド4とが、大径となる低圧過給機52下方で左右に並設されることで、二段過給機30が排気マニホールド4の左側面及び上面を囲うように配置される。すなわち、排気マニホールド4と二段過給機30とが、背面視(正面視)で矩形状に配置されるようにして、シリンダヘッド2左側面にコンパクトに固定されている。
【0029】
次に、
図9~
図13を参照しながらシリンダブロック6の構成について説明する。シリンダブロック6には、クランク軸5のクランク軸心300方向に沿った左側面301及び右側面302における前側面303側の端部に、フライホイールハウジング7が複数のボルトにより固設される左側ハウジングブラケット部304及び右側ハウジングブラケット部305(突出部)が成形されている。左側面301の側壁と左側ハウジングブラケット部304の間に、上方側(トップデッキ部側)か下方側(オイルパンレール部側)に向かって順に、左側第1補強リブ306、左側第2補強リブ307、左側第3補強リブ308、左側第4補強リブ309が成形されている。また、右側面302の側壁と右側ハウジングブラケット部305の間に、上方側から下方側に向かって順に、右側第1補強リブ310、右側第2補強リブ311が成形されている。ハウジングブラケット部304,305及び補強リブ306~311はシリンダブロック6に一体成形されたものである。
【0030】
補強リブ306~311は、それぞれ、クランク軸心300方向に沿って延設されるとともに、平面視でハウジングブラケット部304,305が広い略三角形状を有する。また、左側の補強リブ307,308,309及び右側第2補強リブ311は、略三角形状部分からシリンダブロック6の後側面312側に延設された直線状部分307a,308a,309a,311aを有する(
図7及び
図8も参照)。補強リブ306,307,308はシリンダブロック6のシリンダ部に配置されている。補強リブ309,310,311はシリンダブロック6のスカート部に配置されている。
【0031】
左側面301及び右側面302には、エンジン1と車体を連結するエンジンマウントを取り付けるためのマウント取付座317がそれぞれ前後方向に2つずつオイルパンレール部寄りの部位に突設されている。左側第4補強リブ309は左側面301に突設された2つのマウント取付座317に連結されている。右側第2補強リブ311は右側面302に突設された2つのマウント取付座317に連結されている。なお、
図2に示すように、シリンダブロック6の後側面312に、クランクケース部の内部がエンジン1の外部に露出しないようにクランク軸5の周囲を覆うクランクケース部カバー部材326がボルトにより固着されている。クランクケース部カバー部材326の下面にはオイルパン11がボル
ト締結される。
【0032】
シリンダブロック6に一体成形されたハウジングブラケット部304,305及び補強リブ306~311は、シリンダブロック6の剛性、特にシリンダブロック6の前側面303近傍の剛性及び強度を向上させており、ひいてはエンジン1の振動騒音を低減できる。さらに、ハウジングブラケット部304,305及び補強リブ306~311はシリンダブロック6の表面積を増加させているので、シリンダブロック6の冷却効率、ひいてはエンジン1の冷却効率を高めることができる。
【0033】
また、シリンダブロック6の左側面301における後側面312寄りの部位に、冷却水ポンプ21(
図2等参照)が取り付けられる冷却水ポンプ取付部319と、冷却水入口管22(
図3等参照)が取り付けられる入口管取付座320が突設されている。冷却水ポンプ取付部319及び入口管取付座320はシリンダブロック6に一体成形されている。また、入口管取付座320の後側面312側の部位は冷却水ポンプ取付部319に連結されている。冷却水ポンプ取付部319及び入口管取付座320は、クランク軸5から離れる方向に突設されており、シリンダブロック6の剛性、強度及び冷却効率を向上できる。
【0034】
シリンダブロック6の内部に、カム軸313を収容するカム軸ケース部314(
図13参照)が形成されている。詳細は省略するが、シリンダブロック6の前側面303には、クランク軸5に固定されたクランクギヤ331と、カム軸313に固定されたカムギヤ332が配置され、クランクギヤ331に連動してカムギヤ332及びカム軸313を回転させ、カム軸313に関連させた動弁機構(図示省略)を駆動させることによって、エンジン1の吸気弁や排気弁(図示省略)が開閉作動するように構成されている。この実施形態のエンジン1は、いわゆるオーバーヘッドバルブの動弁系を有する。
【0035】
カム軸ケース部314は、シリンダブロック6のシリンダ部における左側面301寄りの位置に配置されている。カム軸313及びカム軸ケース部314はクランク軸心300方向に沿って配置されている。また、シリンダブロック6の左側面301に成形された左側第2補強リブ307及び左側第3補強リブ308の略三角形状部分及び直線状部分307a,308aは、側方視でカム軸ケース部314の配置位置に近設配置され、より具体的にはカム軸ケース部314の配置位置と重なる位置に配置されている。
【0036】
この実施形態は、左側第2補強リブ307及び左側第3補強リブ308によってカム軸ケース部314周辺の剛性が向上されているので、カム軸ケース部314の歪みを防止できる。これにより、カム軸ケース部314の歪みに起因するカム軸313の回転抵抗や回転摩擦の変動を防止でき、カム軸313を適切に回転させて吸気弁や排気弁(図示省略)の適切な開閉作動を行える。
【0037】
また、シリンダブロック6内に形成される潤滑油通路のうち一部の潤滑油通路、ここでは潤滑油吸入通路315と潤滑油供給通路316がシリンダブロック6のスカート部における右側面302寄りの位置に配置されている。潤滑油供給通路316はシリンダブロック6のスカート部においてシリンダ部寄りの位置に配置されている。潤滑油吸入通路315は潤滑油供給通路316に対してオイルパンレール部寄りの位置に配置されている。
【0038】
潤滑油吸入通路315の一端はシリンダブロック6のオイルパンレール部下面(オイルパン11に対向する面)に開口され、オイルパン11内に配置される潤滑油吸入管(図示省略)に接続される。潤滑油吸入通路315の他端はシリンダブロック6の前側面303に開口され、前側面303に固設されるオイルポンプ12(
図11参照)の吸入口に接続される。潤滑油供給通路316の一端はシリンダブロック6の前側面303に潤滑油吸入通路315の開口とは異なる位置で開口され、オイルポンプ12の吐出口に接続される。潤滑油供給通路316の他端はシリンダブロック6の右側面302に突設されたオイルクーラブラケット取付座318に開口され、オイルクーラブラケット取付座318に配置されるオイルクーラ13(
図4等参照)の吸入口に接続される。なお、シリンダブロック6内には潤滑油吸入通路315と潤滑油供給通路316以外にも潤滑油通路が形成されている。
【0039】
シリンダブロック6の右側面302において、右側第1補強リブ310は、側方視で潤滑油供給通路316の配置位置に近設配置され、より具体的には側方視で潤滑油供給通路316の配置位置と重なって配置されている。また、右側第2補強リブ311は、側方視で潤滑油吸入通路315の配置位置に近設配置されている。補強リブ310,311及び通路315,316はそれぞれクランク軸心300方向に沿って延設されている。
【0040】
この実施形態は、右側ハウジングブラケット部305、右側第1補強リブ310及び右側第2補強リブ311により、潤滑油吸入通路315、オイルポンプ12及び潤滑油供給通路316の近傍の冷却効率を高めることができる。特に、側方視で潤滑油供給通路316に重なる位置に配置された右側第1補強リブ310は、潤滑油供給通路316近傍の熱を効率的に外部へ放散する。これにより、オイルクーラ13に流入する潤滑油温度を低減でき、オイルクーラ13で必要とされる熱交換量を低減できる。
【0041】
次に、
図10~
図16を参照しながら、エンジン1のギヤトレイン構造について説明する。シリンダブロック6の前側面303とハウジングブラケット部304,305とフライホイールハウジング7で囲まれる空間内にギヤケース330が形成されている。
図12及び
図14に示すように、クランク軸5及びカム軸313の各前先端部は、それぞれシリンダブロック6の前側面303から突出して配置されている。クランク軸5の前先端部にクランクギヤ331が固着されている。カム軸313の前先端部にカムギヤ332が固着されている。カムギヤ332におけるフライホイールハウジング7側の側面には、ドーナツ盤状のカム軸用パルサ339が、カムギヤ332と一体回転するようにボルト締結されている。
【0042】
図12、
図13及び
図16に示すように、シリンダブロック6の右側ハウジングブラケット部305に設けられた燃料供給ポンプ15は、クランク軸5の回転軸心と平行状に延びる回転軸としての燃料供給ポンプ軸333を備えている。燃料供給ポンプ軸333の前端側は、右側ハウジングブラケット部305の前側面305aから突出して配置されている。燃料供給ポンプ軸333の前先端部に燃料供給ポンプギヤ334が固着されている。
図13に示すように、シリンダブロック6の右側ハウジングブラケット部305は、右側第1補強リブ310よりも上方側の部位に燃料供給ポンプ15を配置するための燃料供給ポンプ取付座323を有する。燃料供給ポンプ取付座323には、燃料供給ポンプギヤ334を通過可能な大きさの燃料供給ポンプ軸挿入孔324が形成されている。
【0043】
図11及び
図12に示すように、燃料供給ポンプギヤ334の下方側で右側ハウジングブラケット部305の前側面305aに配置されるオイルポンプ12は、クランク軸5の回転軸心と平行状に延びる回転軸としてのオイルポンプ軸335を備えている。オイルポンプ軸335の前先端部にオイルポンプギヤ336が固着されている。
【0044】
シリンダブロック6の前側面303のうちクランク軸5、カム軸313、燃料供給ポンプ軸333及びオイルポンプ軸335で囲まれた部位には、クランク軸5の回転軸心と平行状に延びるアイドル軸337が設けられている。アイドル軸337はシリンダブロック6の前側面303に固定されている。アイドル軸337には、アイドルギヤ338が回転可能に軸支されている。
【0045】
アイドルギヤ338は、クランクギヤ331、カムギヤ332、燃料供給ポンプギヤ334及びオイルポンプギヤ336の4つに噛み合っている。クランク軸5の回転動力は、クランクギヤ331からアイドルギヤ338を介してカムギヤ332、燃料供給ポンプギヤ334及びオイルポンプギヤ336の3つに伝達される。このため、カム軸313、燃料供給ポンプ軸333及びオイルポンプ軸335は、クランク軸5に連動して回転することになる。実施形態では、クランク軸5の2回転に対してカム軸313が1回転し、クランク軸5の1回転に対して燃料供給ポンプ軸333及びオイルポンプ軸335が1回転するように、各ギヤ331,332,334,336,338間のギヤ比が設定されている。
【0046】
この場合、クランク軸5と共に回転するクランクギヤ331に連動してカムギヤ332及びカム軸313を回転させ、カム軸313に関連して設けられた動弁機構(図示省略)を駆動させることによって、シリンダヘッド2内に設けられた吸気弁や排気弁(図示省略)が開閉作動するように構成されている。また、クランクギヤ331に連動して燃料供給ポンプギヤ334及び燃料供給ポンプ軸333を回転させ、燃料供給ポンプ15を駆動させることによって、燃料タンク118の燃料をコモンレール16に圧送して、高圧の燃料をコモンレール16に蓄えるように構成されている。また、クランクギヤ331に連動してオイルポンプギヤ336及びオイルポンプ軸335を回転させ、オイルポンプ12を駆動させることによって、オイルパン11内の潤滑油を潤滑油吸入通路315、潤滑油供給通路316、オイルクーラ13及びオイルフィルタ14等を含む潤滑系回路(詳細は省略)を介して各摺動部品等に供給するように構成されている。
【0047】
図16に示すように、クランク軸5の回転に連動して作動する補機としての燃料供給ポンプ15は右側ハウジングブラケット部305の燃料供給ポンプ取付座323にボルトにより固着されている。燃料供給ポンプ取付座323に右側第1補強リブ310が近接配置されている。また、燃料供給ポンプ15の直下に右側第1補強リブ310が配置され、右側第1補強リブ310の直下に右側第2補強リブ311が配置されている。補強リブ310,311は、燃料供給ポンプ取付座323の剛性を向上させるとともに、燃料供給ポンプ15への下方側からの泥水や跳石などの異物の接触を防止して、燃料供給ポンプ15を保護することができる。
【0048】
次に、
図10~
図12、
図14及び
図15を参照しながら、ギヤトレインを収容するギヤケース330について説明する。シリンダブロック6及び左右のハウジングブラケット部304,305の前側面303,304a,305aを含む領域の周縁に沿って、前側面303,304a,305aの周縁部にフライホイールハウジング7と接合されるブロック側凸条部321が立設されている。ブロック側凸条部321は、シリンダブロック6の左右のオイルパンレール部の間の部分に切欠き部321aが形成されている。側方視でブロック側凸条部321の端面と前側面303,304a,305aの間の空間はブロック側ギヤケース部322を形成する。
【0049】
図14及び
図15に示すように、例えば鋳鉄製のフライホイールハウジング7はフライホイール8を収容するフライホイール収容部401を有する。フライホイール収容部401は、フライホイール8の外周側を覆う略円筒形状の周囲壁面部402と後側面側(シリンダブロック6側の面)を覆う後側壁面部403が連結されてなる有底円筒形状を有し、周囲壁面部402及び後側壁面部403で囲まれる空間にフライホイール8を収容する。周囲壁面部402は後側壁面部403側ほど半径が小さくなる略円錐台状に形成されている。後側壁面部403の中央部に、クランク軸5が挿入されるクランク軸挿入孔404が形成されている。
【0050】
後側壁面部403に、シリンダブロック6のブロック側凸条部321の形状に応じた環状のハウジング側凸条部405がクランク軸挿入孔404配置位置を囲うようにして連結されている。ハウジング側凸条部405の中央部はクランク軸挿入孔404に対して上方側へずれた位置に配置されている。ハウジング側凸条部405の下方部位は左右方向に延設されるとともにクランク軸挿入孔404に近設して後側壁面部403に連結される。
【0051】
また、ハウジング側凸条部405の上方部位及び左右部位は後側壁面部403の外側に配置されている。後側壁面部403の外側に位置するハウジング側凸条部405の前側部位と周囲壁面部402の前側部位は外壁部406で連結される。外壁部406は、クランク軸5から離れる方向に凸状の湾曲傾斜形状を有している。フライホイールハウジング7において、フライホイール収容部401の下方部位はハウジング側凸条部405に対してクランク軸5から離れる方向へ突出配置されている。
【0052】
側方視で後側壁面部403とハウジング側凸条部405の端面の間の空間はハウジング側ギヤケース部407を形成する。ハウジング側ギヤケース部407と前述のブロック側ギヤケース部322によりギヤケース330が形成される。
【0053】
フライホイールハウジング7の内部で、フライホイール収容部401の周囲壁面部402の外壁と外壁部406の内壁の間に肉抜き空間408が形成されている。肉抜き空間408内に、周囲壁面部402と外壁部406を連結する複数のリブ409が配置されている。また、フライホイールハウジング7には、ハウジング側凸条部405の外側で周囲壁面部402及びハウジング側凸条部405に連結され、ハウジング側凸条部405と面一なスタータ取付座410を有するスタータ取付部411が形成されている。スタータ取付部411には、周囲壁面部402の内壁とスタータ取付座410の間を貫通する貫通孔412が形成されている。フライホイールハウジング7は、シリンダブロック6のブロック側凸条部321の13箇所のボルト孔351及び前側面303の2箇所のハウジング用ボルトボス部352の各ボルト孔353でシリンダブロック6の前側面303側にボルト締結される。
【0054】
図10、
図12及び
図13に示すように、シリンダブロック6の左側ハウジングブラケット部304は、その周縁部がフライホイールハウジング7の周縁部に対して凹状に形成されたブラケット凹状部325を有する。シリンダブロック6にフライホイールハウジング7が固設された状態でブラケット凹状部325の下方に露出するフライホイールハウジング7のスタータ取付座410に、スタータ20が配置される。
図14に示すように、フライホイール8の外周側には、スタータ20用の環状のリングギヤ501と、クランク軸用パルサ502がフライホイール8の厚み方向に沿って互いに逆側から嵌め込み固定されている。スタータ20は、貫通孔412内に配置されるとともにリングギヤ501に離脱可能に噛み合うピニオンギヤ503(
図12参照)を有している。
【0055】
スタータ取付座410の周辺において、左側ハウジングブラケット部304の前側面304aの周縁部に立設されたブロック側凸条部321(
図12及び
図14参照)に鋳鉄製のフライホイールハウジング7がボルト締結されている。さらに、シリンダブロック6では、スタータ取付座410に近接される左側ハウジングブラケット部304のブラケット凹状部325の近傍に、左側ハウジングブラケット部304と左側面301を連結する左側第4補強リブ309が配置されている。これにより、スタータ取付座410周辺の剛性が向上されている。また、左側ハウジングブラケット部304のブラケット凹状部325及び前側面303でブラケット凹状部325に連続してスタータ取付座410近傍に設けられたブロック側凸条部321(
図12参照)も、スタータ取付座410周辺の剛性を向上している。
【0056】
この実施形態では、左側第4補強リブ309等による剛性の高い部位にスタータ20を取付け可能になるので、スタータ取付座410や左側ハウジングブラケット部304の歪みによるスタータ20の位置ずれや変形を防止でき、スタータ20の故障や、スタータ20のピニオンギヤ503とフライホイール8のリングギヤ501の噛み合わせ不良を防止できる。
【0057】
次に、
図17を参照して、コモンレールシステム117とエンジン1の燃料系統構造を説明する。
図17に示す如く、エンジン1に設けられた四気筒分の各インジェクタ17に、燃料供給ポンプ15とコモンレールシステム117を介して、燃料タンク118が接続されている。各インジェクタ17は電磁開閉制御型の燃料噴射バルブ119をそれぞれ有する。コモンレールシステム117は円筒状のコモンレール16を有する。コモンレール16は、シリンダブロック6の右側面302に設けられ、吸気マニホールド3に近接させて配置されている。
【0058】
燃料供給ポンプ15の吸入側には、燃料フィルタ121及び低圧管122を介して燃料タンク118が接続される。燃料タンク118内の燃料が燃料フィルタ121及び低圧管122を介して燃料供給ポンプ15に吸い込まれる。一方、燃料供給ポンプ15の吐出側には、高圧管123を介してコモンレール16が接続される。円筒状のコモンレール16の長手方向の中間に高圧管コネクタ124を設け、高圧管コネクタ124に高圧管123の端部が高圧管コネクタナット125の螺着にて連結されている。
【0059】
また、コモンレール16には、4本の燃料噴射管126を介して四気筒分の各インジェクタ17がそれぞれ接続されている。円筒状のコモンレール16の長手方向に四気筒分の燃料噴射管コネクタ127を設け、燃料噴射管コネクタ127に燃料噴射管126の端部が燃料噴射管コネクタナット128の螺着にて連結されている。
【0060】
また、コモンレール16の長手方向の端部に、コモンレール16内の燃料の圧力を制限する余剰燃料戻し用の戻り管コネクタ129(管継手部材)が接続されている。戻り管コネクタ129は燃料戻り管130を介して燃料タンク118に接続される。燃料供給ポンプ15の余剰燃料はポンプ余剰燃料戻り管131を介して戻り管コネクタ130に送られる。各インジェクタ17の余剰燃料はインジェクタ余剰燃料戻り管132を介して戻り管コネクタ130に送られる。即ち、燃料供給ポンプ15の余剰燃料とコモンレール16の余剰燃料と各インジェクタ17の余剰燃料は、戻り管コネクタ129で合流されて燃料戻り管130を介して、燃料タンク118に回収される。なお、戻り管コネクタ129は燃料フィルタ121に設けられたフィルタ余剰燃料戻し用の管継手部材(図示省略)を介して燃料タンク118に接続されることもある。
【0061】
コモンレール16の戻り管コネクタ129とは反対側の端部に、コモンレール16内の燃料圧力を検出する燃料圧力センサ601が設けられている。エンジンコントローラ600の制御により、燃料圧力センサ601の出力からコモンレール16内の燃料圧力が監視されつつ、燃料供給ポンプ15の吸入調量弁602の開度具合が調整されて燃料供給ポンプ15の燃料吸入量、ひいては燃料吐出量が調整されながら、燃料タンク118の燃料が燃料供給ポンプ15によってコモンレール16に圧送され、高圧の燃料がコモンレール16に蓄えられる。エンジンコントローラ600の制御により各燃料噴射バルブ119がそれぞれ開閉制御されることによって、コモンレール16内の高圧の燃料が各インジェクタ17からエンジン1の各気筒に噴射される。即ち、各燃料噴射バルブ119を電子制御することによって、各インジェクタ17から供給される燃料の噴射圧力、噴射時期、噴射期間(噴射量)を高精度にコントロールできる。したがって、エンジン1から排出される窒素酸化物(NOx)を低減できる。エンジン1の騒音振動を低減できる。なお、エンジンコントローラ600には、コモンレール16内の圧力を調節する電磁駆動式の減圧弁603と、燃料供給ポンプ15内の燃料温度を検出する燃料温度センサ604も電気接続される。また、図示は省略するが、エンジンコントローラ600には、他の機器、例えばエンジン1に設けられた各種センサも電気接続される。
【0062】
次に、
図18を参照して、エンジン1に付設するハーネス構造の一部を説明する。エンジン1の各部品をエンジンコントローラ600(
図17参照)及びバッテリ(図示省略)に接続させるハーネスコネクタ701(主ハーネスコネクタ)がコネクタブラケット702を介してシリンダブロック6の右側面302に固設される。ハーネスコネクタ701及びコネクタブラケット702は、オイルクーラ13とオイルフィルタ14と燃料供給ポンプ15とコモンレール16で囲まれた部位に配置されている。
【0063】
ハーネスコネクタ701から延びる主ハーネス集合体703は、シリンダブロック6の右側面302とコネクタブラケット702の間を通ってエンジン1下方側へ導かれた後、右側第2補強リブ311の直線状部分311aに沿って右側面302とオイルフィルタ14の間を通ってエンジン1後方側へ導かれる。さらに、主ハーネス集合体703は、オイルフィルタ14よりもエンジン1後方側でエンジン1上方へ湾曲し、オイルクーラ13のエンジン1後方側を通ってシリンダヘッド2側へ導かれる。
【0064】
主ハーネス集合体703は、シリンダヘッド2とシリンダブロック6の接合面の近傍で吸排気系ハーネス集合体704と燃料系ハーネス集合体705に分岐される。吸排気系ハーネス集合体704はシリンダヘッド2の右側面に沿ってエンジン1上方側へ導かれ、ヘッドカバー18の右側面の上部後寄り部位の近傍で吸気系ハーネス集合体706と排気系ハーネス集合体707に分岐される。吸気系ハーネス集合体706はヘッドカバー18の右側面に沿ってエンジン1前方側へ導かれる。排気系ハーネス集合体707はヘッドカバー18の右側面から後面に沿ってエンジン1左方側へ導かれる。
【0065】
燃料系ハーネス集合体705は、オイルクーラ13とEGR装置24のコレクタ25の間を通ってエンジン1前方側へ導かれ、
図17に示すコモンレール16の燃料圧力センサ601及び減圧弁603と燃料供給ポンプ15の吸入調量弁602及び燃料温度センサ604に繋がる各ハーネスに分岐される。
【0066】
図19から
図23を参照しながら、コモンレール16の周辺のレイアウトについて説明する。略円筒状のコモンレール16は、その長手方向がクランク軸心300(
図11参照)に沿うようにして、シリンダブロック6の右側面302の上部前寄り部位に取り付けられる。コモンレール16は、シリンダヘッド2の右側面にシリンダヘッド2と一体に成形された吸気マニホールド3の下方に配置されている。コモンレール16の前端部(一端部)はギヤケース330上及びフライホイールハウジング7上に配置されている。コモンレール16はコモンレール16内の燃料の圧力を制限する余剰燃料戻し用の戻り管継手129(管継手部材)を前端部に備え、例えば戻り管継手129がフライホイールハウジング7上に配置されている。
【0067】
シリンダブロック6の右側面302の上部前角部の近傍に、シリンダブロック6の右側ハウジングブラケット部305に設けられたブラケット部凹状部620とフライホイールハウジング7に設けられたハウジング凹状部621が配置されている。
図19に示すように、凹状部621,622は、右側面302の上部前角部の近傍でフライホイールハウジング7と右側ハウジングブラケット部305の接合部がシリンダブロック6上面よりも低くなるように形成されている。これにより、シリンダブロック6の右側面302に取り付けられたコモンレール16の前端部は、凹状部621,622の上を通ってフライホイールハウジング7上方に向けて延設可能になっている。
【0068】
戻り管継手129は、燃料戻り管130(
図17参照)の一端が接続される接続部130aと、ポンプ余剰燃料戻り管131(
図17参照)の一端が接続される接続部131aと、インジェクタ余剰燃料戻り管132(
図17参照)の一端が接続される接続部132aを備えている。戻り管継手129の内部には、接続部130a,131a,132aを接続する内部流路(図示省略)と、その内部流路とコモンレール16の内部空間の間に配置された燃料調圧弁(図示省略)が設けられている。また、シリンダヘッド2において、シリンダ形態ではシリンダヘッド2の右側面と前側面が交差する角部の近傍、より具体的にはシリンダヘッド2の右側面の前端部上部寄り部位に、インジェクタ17(
図17参照)からのブロック6の右側面302と前側面303(
図12参照)の交差部の近傍、この実施余剰燃料出口132bが設けられている。余剰燃料出口132bと戻り管継手129の接続部132aの間にインジェクタ余剰燃料戻り管132cが接続される。また、余剰燃料出口132bは、シリンダヘッド2の側壁内部に形成された余剰燃料通路(図示省略)と、シリンダヘッド2内部に配置されるとともにインジェクタ余剰燃料戻り管132(
図17参照)を介して各インジェクタ17(
図17参照)の余剰燃料出口と接続される。
【0069】
エンジンコントローラ600(
図17参照)に電気接続されるコモンレール16の燃料圧力センサ601のコネクタ601a及び減圧弁603のコネクタ603aは、シリンダヘッド2の吸気マニホールド3の下方に配置されている。また、
図13及び
図23に示すように、シリンダブロック6の右側面302に、シリンダブロック6の内部のウォーターレール610(冷却水通路)の形状に応じた凹凸表面部位611が形成されている。燃料圧力センサ601のコネクタ601aは、凹凸表面部位611のうち凹状部位612の上方に配置されており、コネクタ601aの接続部は、側方視で凹状部位612に向けて配置されている。減圧弁603のコネクタ603aの接続部は例えばエンジン1右側方へ向けて配置されている。
【0070】
コモンレール16からシリンダヘッド2側へ延設される4本の燃料噴射管126は、シリンダヘッド2とEGR装置24(排気ガス再循環装置)の間を通って各インジェクタ17(
図17参照)に接続されている。
図22に示すように、4本の燃料噴射管126の中途部は、シリンダヘッド2に直接又はスペーサ部材613を介して取り付けられた燃料噴射管固定具614によりシリンダヘッド2に取り付けられている。燃料噴射管126の中途部がシリンダヘッド2に固定されることにより、燃料噴射管126の振動が低減され、振動に起因する燃料噴射管126の破損が防止されている。また、この実施形態では、4本の燃料噴射管126のエンジン1前方側の2本の燃料噴射管126の各中途部は、略円筒形のスペーサ部材613を介してシリンダヘッド2に固定されている。スペーサ部材613を所望の長さに調節することにより、燃料噴射管126の中途部をシリンダヘッド2の側面から任意の距離だけ離れた位置で固定でき、シリンダヘッド2の表面形状を設計変更しなくても燃料噴射管126を任意の形状で取り回しできる。
【0071】
また、
図20に示すように、シリンダブロック6の右側ハウジングブラケット部305に取り付けられる燃料供給ポンプ15は、EGR装置24の下方に配置されている。上述のように、燃料供給ポンプ15の直下に右側第1補強リブ310が配置され、右側第1補強リブ310の直下に右側第2補強リブ311が配置されており、燃料供給ポンプ15への下方側からの泥水や跳石などの異物の接触が防止されている(
図16参照)。
【0072】
この実施形態のエンジン1では、シリンダブロック6の右側面302(一側部)に取り付けられるコモンレール16の一端部がフライホイールハウジング7の上方に配置されるので、コモンレール16の全体がシリンダブロック6の右側面302に配置される構成と比較して、シリンダブロック6の右側面302でコモンレール16の配置領域が占める面積を小さくすることができる。したがって、シリンダブロック6の右側面302における他の部材のレイアウトの自由度を向上させることができる。例えば、この実施形態のエンジン装置1では、コモンレール16の後側端部のエンジン1後方側にオイルクーラ13を配置しており、オイルクーラ13を吸気マニホールド3及びEGR装置24に近接させてこれらの部品のコンパクトな配置構成を実現できる。
【0073】
また、この実施形態のエンジン1では、エンジンコントローラ600に電気接続されるコモンレール16の燃料圧力センサ601のコネクタ601aと減圧弁603のコネクタ603aは、シリンダヘッド2に一体成形された吸気マニホールド3の下方に配置されているので、吸気マニホールド3によりコネクタ601a,603aを異物の接触から保護できる。また、吸気マニホールド3に取り付けられたEGR装置24も、同様にコネクタ601a,603aを保護する。
【0074】
また、コネクタ601aの接続口は、側方視で、ウォーターレール610の形状に応じた凹凸表面部位611の凹状部位612に向けて配置されているので、コネクタ601aにハーネス側コネクタを凹状部位612に沿って取り付けることができ、ハーネス取付けの作業性が向上する。さらに、コネクタ601aの接続口がエンジン1の外側に向けて配置されている構成と比較してコネクタ601aをシリンダブロック6寄りに配置でき、ひいてはエンジン1全体の幅を低減できる。
【0075】
また、この実施形態のエンジン1では、コモンレール16は前端部に余剰燃料戻し用の戻り管コネクタ129を備え、シリンダヘッド2において、平面視でシリンダブロック6の右側面302と前側面303の交差部の近傍に各インジェクタ17からの余剰燃料出口132bが設けられている。戻り管コネクタ129はフライホイールハウジング7の上方に配置されているので、戻り管コネクタ129の接続部132aと余剰燃料出口132bの間を接続するインジェクタ余剰燃料戻り管132c(余剰燃料戻し経路)を短く、かつ簡素にすることができる。これにより、インジェクタ17からの余剰燃料戻し経路が長く複雑化してしまっていた従来技術の不具合を解消できる。また、例えばエンジン1が搭載される作業機や車両に燃料フィルタ121(
図17参照)が搭載される場合、フライホイールハウジング7上の空き空間を利用して、戻り管コネクタ129の接続部130aと燃料フィルタ121の間の配管の経路を短く且つ簡素にできるとともに、当該配管経路の設計の自由度が向上する。
【0076】
また、この実施形態のエンジン1では、排気マニホールド4から排出される排気ガスの一部を新気に混入するEGR装置24が吸気マニホールド3に連結されており、コモンレール16からシリンダヘッド2側へ延設される4本の燃料噴射管126がシリンダヘッド2とEGR装置24の間を通っている。これにより、EGR装置24によって各燃料噴射管126を保護することができ、燃料噴射管がエンジン装置の外周部に組み付けられる従来技術で生じていた、エンジン装置の搬送時の他部材との接触や異物落下等によって燃料噴射管が変形したり燃料漏れが生じたりする不具合を解消できる。
【0077】
また、この実施形態のエンジン1では、シリンダブロック6に取り付けられるとともにコモンレール16に燃料を供給する燃料供給ポンプ15がEGR装置24の下方に配置されているので、例えば組立て時の工具落下などの上部からの異物接触から燃料供給ポンプ15を保護することができ、燃料供給ポンプ15の損傷を防止できる。
【0078】
さらに、燃料供給ポンプ15はシリンダブロック6の右側面302に突設された右側ハウジングブラケット部305に取り付けられるとともに、燃料供給ポンプ15の下方に右側面302と右側ハウジングブラケット部305の間を連結する補強リブ310,311が配置されているので、例えば飛び石などの下部からの異物接触から燃料供給ポンプ15を保護することができ、燃料供給ポンプ15の損傷をさらに防止できる。
【0079】
また、この実施形態では、
図20に示すように、オイルクーラ13を取り外さなくても燃料供給ポンプギヤ334(
図12参照)が固着された状態の燃料供給ポンプ15を右側ハウジングブラケット部305から取り外せるように、オイルクーラ13と燃料供給ポンプ15の間に空間が設けられている。そして、
図18に示すように、オイルクーラ13と燃料供給ポンプ15の間にハーネスコネクタ701及びコネクタブラケット702を配置することにより、オイルクーラ13と燃料供給ポンプ15の間に空間を有効に活用しながら、ハーネスコネクタ701をオイルクーラ13、オイルフィルタ14、燃料供給ポンプ15及びEGR装置24で囲まれる位置に配置して保護できる。
【0080】
次に、
図24から
図28を参照しながらオイルクーラ13及びオイルフィルタ14の取付構造について説明する。オイルクーラ13とオイルフィルタ14は、オイルクーラブラケット631(ブラケット部材)を介してシリンダブロック6の右側面302に配置されている。この実施形態では、オイルクーラ13は、複数のプレート部材を積層することでオイル流路と冷却水流路が積層方向で交互に形成された多板式のプレート積層型熱交換器である。オイルクーラブラケット631は右側面302に突設されたオイルクーラブラケット取付座318(取付部)にブラケット用ボルト632により締結固定される。
【0081】
オイルクーラブラケット631は大きく分けてオイルクーラ取付部633と連結部634とオイルフィルタ取付部635で構成される。オイルクーラブラケット631は鋳物であり、オイルクーラ取付部633、連結部634及びオイルフィルタ取付部635は一体成形されたものである。
【0082】
オイルクーラ取付部633は、略平板状であり、オイルクーラブラケット取付座318との接合面636とは反対側の面にオイルクーラ取付面637を備えている。オイルクーラ取付部633の周縁部には、接合面636に沿って外周側へ突設された複数のフランジ部が設けられており、当該フランジ部に、ブラケット用ボルト632が挿通されるボルト挿通孔638が形成されている。また、オイルクーラ取付面637の中央部にはブラケット用ボルト632の頭部を収容するボルト配置凹部639が2箇所設けられている。ボルト配置凹部639の底部には接合面636に貫通するボルト挿通孔638が形成されている。
【0083】
連結部634はオイルクーラ取付部633の周縁部に立設されるとともに、オイルクーラ取付面637におおよそ直交する方向で接合面636とは反対側へ突設されている。連結部634は、オイルクーラブラケット631がオイルクーラブラケット取付座318に取り付けられた状態で下方側に位置するオイルクーラ取付部633部位に配置されている。
【0084】
連結部634の先端側にオイルフィルタ取付部635が設けられている。オイルフィルタ取付部635は円環状のオイルフィルタ取付面640を有する。オイルフィルタ取付面640はオイルフィルタ取付部635のうちオイルクーラ取付面637に取り付けられるオイルクーラ13とは反対側の部位に設けられている。
【0085】
オイルクーラ取付部633には、オイルクーラ13の冷却水導入口13aに接続される冷却水流入孔641と、オイルクーラ13の冷却水導出口13bに接続される冷却水流出孔642と、オイルクーラ13の潤滑油導入口13cに接続される潤滑油流入孔643と、オイルクーラ13の潤滑油導出口13dに接続される潤滑油流出孔644が設けられている。冷却水流入孔641、冷却水流出孔642、潤滑油流入孔643及び潤滑油流出孔644は接合面636とオイルクーラ取付面637の間を貫通している。冷却水流出孔642の流路断面積(口径)は冷却水流入孔641の流路断面積よりも小さくされている。
【0086】
また、オイルクーラブラケット631には、オイルクーラ取付部633の接合面636から連結部634内部を通ってオイルフィルタ取付部635のオイルフィルタ取付面640側へ繋がる潤滑油導入通路645と潤滑油導出通路646が設けられている。潤滑油導入通路645及び潤滑油導出通路646は、接合面636に直交する方向へ、接合面636からオイルフィルタ取付部635にそれぞれ延設される。潤滑油導入通路645は、オイルフィルタ取付部635内部でオイルフィルタ取付面640に直交する方向へ屈曲され、オイルフィルタ取付面640の中央位置に開口している。また、潤滑油導出通路646は、オイルフィルタ取付部635内部で潤滑油導入通路645の周囲に形成された略円筒状の通路に連結され、円環状のオイルフィルタ取付面640の内側で潤滑油導入通路645を囲って円環状に開口している。
【0087】
図27に示すように、オイルクーラブラケット取付座318には、シリンダブロック6内部のウォーターレール610(
図13及び
図23参照)につながる冷却水出口647と、シリンダブロック6内部の冷却水戻り通路(図示省略)につながる冷却水戻り口648と、シリンダブロック6内部の潤滑油供給通路316(
図11及び
図13参照)につながる潤滑油出口649と、シリンダブロック6内部の潤滑油送り通路(図示省略)につながる潤滑油戻り口650が設けられている。
また、オイルクーラブラケット取付座318には、冷却水出口647からの冷却水をオイルクーラブラケット631の冷却水流入孔641へ導く冷却水流入通路651と、潤滑油出口649からの潤滑油を潤滑油流入孔643へ導く潤滑油流入通路652と、潤滑油流出孔644からの潤滑油を潤滑油導入通路645へ導く潤滑油中継通路653と、潤滑油導出通路646からの潤滑油を潤滑油戻り口650へ導く潤滑油流出通路654が形成されている。また、潤滑油流入通路652と潤滑油中継通路653の間にはバイパス通路655が形成されている。
【0088】
これらの通路651,652,653,654,655はオイルクーラブラケット取付座318の表面に形成された凹状の溝からなり、オイルクーラブラケット631の接合面636で覆われることにより流体が流通可能な通路を形成する。なお、バイパス通路655は、オイルクーラ13内部での過剰な油圧上昇を防止するために潤滑油出口649からの潤滑油を潤滑油流入通路652から潤滑油中継通路653へバイパスさせる通路である。バイパス通路655の溝幅及び溝深さ、つまり流路断面積は、潤滑油流入通路652及び潤滑油中継通路653のそれよりも小さく形成されている。また、オイルクーラブラケット取付座318には、オイルクーラブラケット631のボルト挿通孔638に対応する位置に、ブラケット用ボルト632が挿入されるブラケット用ボルト孔656が形成されている。
【0089】
図25に示すように、オイルクーラブラケット631の接合面636には、オイルクーラブラケット631がオイルクーラブラケット取付座318に取り付けられた状態で、冷却水流入通路651の外周を囲うシール部材収容溝657と、冷却水戻り口648の外周を囲うシール部材収容溝658と、潤滑油流入通路652、潤滑油中継通路653及びバイパス通路655の外周を囲うシール部材収容溝659と、潤滑油流出通路654の外周を囲うシール部材収容溝660が形成されている。これらのシール部材収容溝657,658,659,660に例えば弾性部材からなるシール部材(図示省略)が収容された状態でオイルクーラブラケット631がオイルクーラブラケット取付座318に取り付けられることにより、オイルクーラブラケット631とオイルクーラブラケット取付座318の間のシール性が確保される。
【0090】
図24及び
図25に示すように、オイルクーラブラケット631のオイルクーラ取付面637の周縁部に複数のクーラ用ボルト孔661が形成されている。オイルクーラ13の周縁部に形成されたボルト挿通孔にクーラ用ボルト662が挿通され且つクーラ用ボルト孔661に締結されて、オイルクーラ13がオイルクーラブラケット631に固定される。オイルクーラ取付面637には、冷却水流入孔641、冷却水流出孔642、潤滑油流入孔643及び潤滑油流出孔644の各外周を囲う4つの円形のシール部材収容溝663が形成されている。各シール部材収容溝663に例えばOリング等の弾性部材からなるシール部材(図示省略)が収容された状態でオイルクーラ13がオイルクーラブラケット631に取り付けられることにより、オイルクーラ13とオイルクーラブラケット631の間のシール性が確保される。オイルフィルタ14は、そのケーシングの周縁部に設けられた雌ねじと、オイルクーラブラケット631のオイルフィルタ取付面640周縁部に設けられた雄ねじが締付け固定されることにより、オイルフィルタ取付面640に取り付けられる。
【0091】
この実施形態のエンジン1は、オイルクーラ13及びオイルフィルタ14を支持するとともにシリンダブロック6に取り付けられるオイルクーラブラケット631を備え、シリンダブロック6のオイルクーラブラケット取付座318に冷却水出口647、冷却水戻り口648、潤滑油出口649及び潤滑油戻り口650が設けられ、オイルクーラブラケット631を介してオイルクーラ13に冷却水及び潤滑油が流通されるとともにオイルフィルタ14に潤滑油が流通される。したがって、この実施形態のエンジン1は、オイルクーラ13に接続される冷却水配管や、オイルクーラ13、オイルフィルタ14間を接続する潤滑油配管部材を設ける必要がなくなり、部品点数を削減できる。さらに、オイルクーラ13とオイルフィルタ14が同一のオイルクーラブラケット631に支持されることにより、オイルクーラ13及びオイルフィルタ14の配置をコンパクト化できる。さらに、単一のオイルクーラブラケット631によりオイルクーラ13及びオイルフィルタ14が支持されるので、オイルクーラ13及びオイルフィルタ14の取付構造を簡易化できる。
【0092】
また、オイルクーラブラケット631は、冷却水出口647に接続される冷却水流入孔641と冷却水戻り口648に接続される冷却水流出孔642を備え、冷却水流出孔642の流路断面積は冷却水流入孔641の流路断面積よりも小さくされている。これにより、オイルクーラブラケット取付座318に設けられた冷却水出口647から冷却水流入孔641、オイルクーラ13内冷却水通路を介して冷却水流出孔642までの冷却水経路内の水圧を上昇させることができる。したがって、冷却水流入孔642から冷却水戻り口648へ必要以上に冷却水が流出してシリンダブロック6内部の冷却水通路内の水圧が低下するのを防止でき、ひいてはエンジン1の冷却効率の低下を防止できる。
【0093】
また、オイルクーラブラケット631は、オイルクーラブラケット取付座318との接合面636と平行なオイルクーラ取付面637にオイルクーラ13を取り付けるオイルクーラ取付部633を備えるとともに、オイルクーラ取付部635に立設された連結部634の先端側に、オイルフィルタ14をオイルクーラ13とは反対側に取り付けるオイルフィルタ取付部635を備えている。これにより、オイルフィルタ14をシリンダブロック6の右側面302(側部)に略平行に突設でき、オイルクーラ13及びオイルフィルタ14をコンパクトに配置できるとともに、シリンダブロック6の右側面302に対するオイルフィルタ14の突出距離を小さくしてエンジン1のコンパクト化を図れる。
【0094】
また、
図29及び
図30に示すように、オイルフィルタ14をオイルクーラブラケット631に支持させることにより、シリンダブロック6の右側面302とオイルフィルタ14の間に、オイルフィルタ14がシリンダブロック6に直接取り付けられる構成例では実現できない空間を形成できる。例えば、右側面302とオイルフィルタ14の間に空間に、右側第2補強リブ311の直線状部分311aを配置してシリンダブロック6の強度及び放熱性能を向上させたり、主ハーネス集合体703を通して主ハーネス集合体703の引回し距離を短くしたりできる。なお、右側面302とオイルフィルタ14の間に空間は、これら以外の用途にも活用できる。このように、オイルクーラブラケット631によりオイルフィルタ14をシリンダブロック6とは離間して配置することにより、エンジン1の設計の自由度が向上する。
【0095】
また、主ハーネス集合体703を右側第2補強リブ311の直線状部分311aに沿って配置することにより、ブラケットを設置せずに主ハーネス集合体703を配策して部品点数を低減できるとともに、他部品等の異物からの干渉を防止しながら下方側からの塵埃等から主ハーネス集合体703を保護できる。
【0096】
次に、
図31から
図37を参照しながら、エンジン1に付設するハーネス構造を説明する。
図18を参照しながら説明したように、ハーネスコネクタ701がコネクタブラケット702を介してシリンダブロック6の右側面302に固設され、ハーネスコネクタ701から延びる主ハーネス集合体703は右側第2補強リブ311の直線状部分311aに沿って右側面302とオイルフィルタ14の間を通ってシリンダヘッド2側へ導かれる。
【0097】
コネクタブラケット702は、例えば板金製であり、エンジン1右側方から見て略L字形状を有し、上端部がシリンダブロック6側へ直角に折り曲げられた後、エンジン1上方側へさらに直角に折り曲げられた部位の2箇所がシリンダブロック6にボルト締結されるとともに、右下端部がシリンダブロック6側へ直角に折り曲げられた後、エンジン1前方側へさらに直角に折り曲げられた部位の1箇所がシリンダブロック6にボルト締結される。コネクタブラケット702はボルト締結部位を除いてシリンダブロック6とは離間しており、コネクタブラケット702に取り付けられたハーネスコネクタ701はシリンダブロック6とコネクタブラケット702の間の空間でシリンダブロック6とは離間している。
【0098】
主ハーネス集合体703は、オイルクーラブラケット631と直線状部分311aの間の2箇所と、オイルクーラブラケット631のエンジン1後方側の2箇所の合計4箇所で例えばハーネスクランプからなる係止部材801によりシリンダブロック6に固定されている。
【0099】
主ハーネス集合体703は、シリンダヘッド2とシリンダブロック6の接合面の近傍で吸排気系ハーネス集合体704と燃料系ハーネス集合体705と吸気温度センサハーネス708に分岐される。吸気温度センサハーネス708は吸気マニホールド3に挿入される吸気温度センサ751に電気接続される。
【0100】
燃料系ハーネス集合体705は、オイルクーラ13とEGR装置24のコレクタ25の間を通ってエンジン1前方側へ導かれる。燃料系ハーネス集合体705の先端側は係止部材802によりコレクタ25の下端部位に固定される。燃料系ハーネス集合体705はコネクタブラケット702の上方で第2燃料系ハーネス集合体709と、コモンレール16の減圧弁603(
図20参照)に接続される減圧弁ハーネス710に分岐される。第2燃料系ハーネス集合体709の先端側は係止部材803によりコネクタブラケット702の上面に固定される。
【0101】
第2燃料系ハーネス集合体709は、コモンレール16の燃料圧力センサ601(
図2
0参照)に電気接続される燃料圧力センサハーネス711と、燃料供給ポンプ15の吸入
調量弁602(
図16参照)に電気接続される吸入調量弁ハーネス712と、燃料供給ポ
ンプ15の燃料温度センサ604(
図16参照)に電気接続される燃料温度センサハーネ
ス713に分岐される。
【0102】
吸排気系ハーネス集合体704の基端側は係止部材804によりシリンダヘッド2の右側面に固定される。吸排気系ハーネス集合体704はシリンダヘッド2の右側面に沿ってエンジン1上方側へ導かれ、吸気系ハーネス集合体706と排気系ハーネス集合体707に分岐される。吸排気系ハーネス集合体704の中途部から、シリンダヘッド2内の冷却水通路内部温度を検出する冷却水温センサ752に電気接続される冷却水温センサハーネス714と、吸気スロットル部材26に電気接続される吸気スロットルバルブハーネス715が分岐される。
【0103】
吸気系ハーネス集合体706はヘッドカバー18の右側面(側部)に沿ってエンジン1前方側へ導かれるとともに右ハーネスブラケット731に固定される。右ハーネスブラケット731はヘッドカバー18上面の右側寄り部位の4箇所でハーネスブラケット固定用ボルト750によりボルト締結されている。右ハーネスブラケット731は、例えば板金製であり、おおよそヘッドカバー18右側面に沿って一部湾曲して延設されるハーネス固定面732と、ハーネス固定面732の前端部と後端部の2箇所でそれぞれ鉛直方向に立設される連結部733と、前側の連結部733の先端部と後側の連結部733の先端部の前寄り部位と後寄り部位からそれぞれヘッドカバー18上面に向かって突設される3つのボルト締結部734を備えている。ハーネス固定面732は、その後部寄り部位が一部切り欠かれ、その切欠き部分に吸排気系ハーネス集合体704の先端部が配置されている。吸気系ハーネス集合体706は、5つの係止部材805によりハーネス固定面732の上面に固定される。
【0104】
吸気系ハーネス集合体706の中途部から、ヘッドカバー18内部のブローバイガス圧力を検出するブローバイガス圧力センサ753に電気接続されるブローバイガス圧力センサハーネス716が分岐されている。
【0105】
吸気系ハーネス集合体706は、ヘッドカバー18の前側面と右側面が交差する角部近傍でEGRバルブ部材29に電気接続されるEGRバルブハーネス718と、再循環排気ガス管28内の排気ガス温度を検出するEGRガス温度センサ755に電気接続されるEGRガス温度センサハーネス719と、回転角センサハーネス集合体720と、排気マニホールド4内の排気ガス温度を検出する排気ガス温度センサ756に電気接続される第1排気ガス温度センサハーネス721に分岐されている。
【0106】
回転角センサハーネス集合体720は吸気系ハーネス集合体706の先端部からエンジン1左斜め下側へ湾曲されてヘッドカバー18前側面前方を通ってシリンダヘッド2前側面上端中央部へ導かれ、そこから略水平にエンジン1左側方へ導かれ、シリンダヘッド2上部左前角部近傍で下方側へ湾曲されてEGRクーラ27左側方を通ってフライホイールハウジング7上面へ導かれている。回転角センサハーネス集合体720の中途部はヘッドカバー18前側面に配置された前ハーネスブラケット735のハーネス固定面736の左右2箇所で係止部材806によりハーネス固定面736に固定される。回転角センサハーネス集合体720の先端部は係止部材807によりフライホイールハウジング7の上面に固定される。回転角センサハーネス集合体720は、フライホイールハウジング7の上方で、フライホイールハウジング7の上部左側前寄り部位に配置されてクランク軸5(
図12参照)の回転角を検出するクランク軸回転角センサ413に電気接続されるクランク軸回転角センサハーネス724と、フライホイールハウジング7の上部左側後寄り部位に配置されてカムギヤ332(
図12参照)の回転角を検出するカム軸回転角センサ416に電気接続されるカム軸回転角センサハーネス725に分岐される。
【0107】
前ハーネスブラケット735は、例えば板金製であり、ヘッドカバー18の前側面に対向配置されたハーネス固定面736と、ハーネス固定面736の上端部からヘッドカバー18上面に向かって突設されるボルト締結部737を備えている。ボルト締結部737は中央部が一部切り欠かれて左右に分割されている。ボルト締結部737の後側左右端部がそれぞれハーネスブラケット固定用ボルト750によりヘッドカバー18上面前寄り部位にボルト締結されている。
【0108】
また、第1排気ガス温度センサハーネス721は、吸気系ハーネス集合体706の先端部からエンジン1左側方へ湾曲されてヘッドカバー18前側面側へ導かれ、中継コネクタ722と第2排気ガス温度センサハーネス723を介して排気ガス温度センサ756に電気接続される。中継コネクタ722は係止部材(図示省略)により前ハーネスブラケット735のハーネス固定面736の中央部右寄り部位に固定される。第2排気ガス温度センサハーネス723の中途部は係止部材808によりハーネス固定面736の左側周縁部位に固定される。
【0109】
第2排気ガス温度センサハーネス723は中継コネクタ722からヘッドカバー18前側面に沿って左側方へ導かれ、ヘッドカバー18左前角部近傍で左斜め後方側へ湾曲されるとともにヘッドカバー18左側面側へ導かれて排気ガス温度センサ756に電気接続される。第2排気ガス温度センサハーネス723は中継コネクタ722により第1排気ガス温度センサハーネス721に着脱自在に電気接続される。
【0110】
また、吸排気系ハーネス集合体704から分岐される排気系ハーネス集合体707は、ヘッドカバー18右側面後方寄り部位からヘッドカバー18側部に沿ってヘッドカバー18後側面に導かれ、中継コネクタ726に接続される。排気系ハーネス集合体707の基端側は右ハーネスブラケット731のハーネス固定面732後端部に係止部材809により固定される。排気系ハーネス集合体707の中途部からはインジェクタ用コネクタ727に電気接続されるインジェクタ用ハーネス集合体728が分岐している。インジェクタ用コネクタ727はシリンダヘッド2の後側面に挿入されて各インジェクタ17(
図17参照)に電気接続される。
【0111】
ヘッドカバー18の後側面に後ハーネスブラケット738が配置されており、後ハーネスブラケット738のハーネス固定面739に中継コネクタ726が係止部材(図示省略)により固定される一方、インジェクタ用ハーネス集合体728の基端側がハーネス固定面739に係止部材810により固定される。
【0112】
後ハーネスブラケット738は、例えば板金製であり、ヘッドカバー18の後側面に対向配置されたハーネス固定面739と、ハーネス固定面736の上端部からヘッドカバー18上面に向かって突設されるボルト締結部740と、ハーネス固定面739の左側端部からエンジン1前方側にヘッドカバー18左側面に沿って突設されたハーネス固定面741を備えている。ボルト締結部740は中央部が一部切り欠かれて左右に分割されている。ボルト締結部740の後側左右端部がそれぞれハーネスブラケット固定用ボルト750によりヘッドカバー18上面後寄り部位にボルト締結されている。
【0113】
中継コネクタ726からヘッドカバー18の側部に沿って第2排気系ハーネス集合体729が延設されている。第2排気系ハーネス集合体729は、後ハーネスブラケット738のハーネス固定面736,739に沿って、中継コネクタ726からエンジン1左側方へ導かれた後、エンジン1前方側へ導かれる。図示は省略するが、第2排気系ハーネス集合体729は二段過給機30に設けられる各種センサに電気接続されるワイヤハーネスに分岐される。第2排気系ハーネス集合体729は係止部材811によりハーネス固定面739に固定されている。
【0114】
図37に示すように、ハーネスコネクタ701にはエンジンコントローラ600(
図17参照)につながるコネクタ部材743が接続される。コネクタ部材743とエンジンコントローラ600の間の電線744のコネクタ部材743側の端部は、コネクタブラケット702に設けられた固定用穴745に取り付けられる係止部材746により、コネクタブラケット702に固定される。これにより、ハーネスコネクタ701とコネクタ部材743と電線744のコネクタ部材743側の端部はコネクタブラケット702に固定されるので、これらの部材の振動系が同一になり、ハーネスコネクタ701とコネクタ部材743の接続不良を防止できる。また、ハーネスコネクタ701とコネクタ部材743は排気マニホールド4やEGR装置24のコレクタ25の下方に配置されるので、例えばエンジン1が作業機等に搭載された状態でも雨水等の水進入からハーネスコネクタ701及びコネクタ部材743を保護できる。
【0115】
この実施形態のエンジン1では、吸気系ハーネス集合体706や排気系ハーネス集合体707、回転角センサハーネス集合体720、第1及び第2排気ガス温度センサハーネス721,723、第2排気系ハーネス集合体729などの複数のワイヤハーネスが、シリンダブロック6上にシリンダヘッド2を介して搭載されたヘッドカバー18ーの側部に沿って延設されるとともにヘッドカバー18の上面にボルト締結されたハーネスブラケット731,735,738に固定されている。これにより、ハーネスブラケット固定用ボルト750の取付け作業及び取外し作業をエンジン1上方から実施でき、ハーネスブラケット731,735,738及びそれに固定されたハーネス集合体706,707,720,729及びワイヤハーネス721,723の組付け作業性及び取外し作業性が向上し、ひいてはワイヤハーネスの取扱性が向上する。例えば、ヘッドカバー18を開けてエンジン1のメンテナンスを行う場合、ハーネスブラケット固定用ボルト750を取り外すことにより、ヘッドカバー18の周囲のワイヤハーネスをハーネスブラケット731,735,738とともにヘッドカバー18から容易に取り外すことができるので、エンジン1のメンテナンス作業性が向上する。
【0116】
また、この実施懈怠のエンジン1では、複数のワイヤハーネスはシリンダブロック2の右側面で主ハーネス集合体703として一まとめにされて1つの主ハーネスコネクタ701に電気接続されているので、エンジンコントローラ600(
図17参照)につながる1つのコネクタ部材743(
図37参照)をハーネスコネクタ701に着脱自在に接続するだけでエンジン1に搭載された各電子デバイスとエンジンコントローラ600を容易に電気接続できる。さらに、ハーネスコネクタ701及び主ハーネス集合体703は吸気マニホールド3側に配置され、高温になるなど周囲環境が厳しい排気マニホールド4側から離れた位置に配置されているので、熱によるハーネスコネクタ701及び主ハーネス集合体703の劣化を低減できるとともに、比較的耐熱温度が低い素材からなるハーネスコネクタ701及び主ハーネス集合体703を用いて製造コストの低減を実現できる。
【0117】
また、ハーネスコネクタ701は、吸気マニホールド3及びEGR装置24のコレクタ25の下方に配置されるとともに、シリンダブロック6の右側面302に設置される燃料供給ポンプ15とオイルクーラ13とオイルフィルタ14で囲われる部位に配置されるので、吸気マニホールド3、コレクタ25、燃料供給ポンプ15、オイルクーラ13及びオイルフィルタ14によりハーネスコネクタ701及びコネクタ部材743への異物の接触を防止でき、ハーネスコネクタ701及びコネクタ部材743の損傷や接触不良を防止できる。
【0118】
また、シリンダヘッド2の右側面側からヘッドカバー18の側部に沿ってシリンダヘッド2の左側面側へ延設される一連の第1及び第2排気ガス温度センサハーネス721,723の中途部に中継コネクタ722が設けられている。また、シリンダヘッド2の右側面側からヘッドカバー18の側部に沿ってシリンダヘッド2の左側面側へ延設される一連の気系ハーネス集合体707と第2排気系ハーネス集合体729の中途部に中継コネクタ726が設けられている。これにより、排気マニホールド4側でのエンジン1構成部品の変更によりワイヤハーネスの構成を変更する際に、中継コネクタ722,726に着脱自在に接続される第2排気ガス温度センサハーネス723や第2排気系ハーネス集合体729の構成を変更するだけで対応できる。例えば、排気マニホールド2側での過給機関連部品などの構成のみが異なっている場合に、第2排気系ハーネス集合体729については機種ごとに用意し、主ハーネス集合体703や燃料系ハーネス集合体705、吸気系ハーネス集合体706などの吸気マニホールド3側のワイヤハーネスについては複数機種で共通化して、ワイヤハーネスの管理工数及び組立工数を低減できる。
【0119】
また、排気マニホールド4側の第2排気ガス温度センサハーネス723及び第2排気系ハーネス集合体729と、主ハーネス集合体703などの吸気マニホールド3側のワイヤハーネスとを分けて、それぞれ適切な仕様の電線等を選定できる。例えば、第2排気ガス温度センサハーネス723及び第2排気系ハーネス集合体729については比較的耐熱温度が高い素材で形成されているようにすれば熱による損傷を低減できる。また、主ハーネス集合体703などの吸気マニホールド3側のワイヤハーネスについては比較的耐熱温度が低い素材を用いて製造コストの低減を実現できる。
【0120】
なお、本願発明における各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【符号の説明】
【0121】
1 エンジン
2 シリンダヘッド
3 吸気マニホールド
4 排気マニホールド
5 クランク軸
6 シリンダブロック
13 オイルクーラ
14 オイルフィルタ
15 燃料供給ポンプ
18 ヘッドカバー
300 クランク軸心
413 クランク軸回転角センサ
416 カム軸回転角センサ
701 ハーネスコネクタ
702 コネクタブラケット
703 主ハーネス集合体
706 吸気系ハーネス集合体
707 排気系ハーネス集合体
716 ブローバイガス圧力センサハーネス
718 EGRバルブハーネス
719 EGRガス温度センサハーネス
720 回転角センサハーネス集合体
721 第1排気ガス温度センサハーネス
722 中継コネクタ
723 第2排気ガス温度センサハーネス
724 クランク軸回転角センサハーネス
725 カム軸回転角センサハーネス
726 中継コネクタ
727 インジェクタ用コネクタ
728 インジェクタ用ハーネス集合体
729 第2排気系ハーネス集合体
731,735,738 ハーネスブラケット
751 吸気温度センサ
752 冷却水温センサ
753 ブローバイガス圧力センサ
755 EGRガス温度センサ
756 排気ガス温度センサ