(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G01J 3/02 20060101AFI20241007BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20241007BHJP
G01J 3/46 20060101ALI20241007BHJP
【FI】
G01J3/02 C
B41J2/01 451
G01J3/46 Z
(21)【出願番号】P 2022190239
(22)【出願日】2022-11-29
(62)【分割の表示】P 2020066507の分割
【原出願日】2020-04-02
【審査請求日】2022-12-28
【審判番号】
【審判請求日】2023-05-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】磯川 宏
【合議体】
【審判長】川俣 洋史
【審判官】桐山 愛世
【審判官】門 良成
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-226128(JP,A)
【文献】特開2008-17431(JP,A)
【文献】特開2012-4868(JP,A)
【文献】特開2016-104544(JP,A)
【文献】特開2019-14051(JP,A)
【文献】特開2007-30340(JP,A)
【文献】特開2015-226127(JP,A)
【文献】特開2014-230038(JP,A)
【文献】特開2006-109408(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01- 2/215
B41J 29/393
G06T 1/00
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送経路で媒体を搬送する搬送部と、
複数の撮像センサーを有し、前記搬送経路上で前記媒体の表面を撮像する撮像部と、
前記搬送部による搬送方向において前記撮像部よりも下流側に設けられ、前記搬送経路上で前記媒体の表面を測色する測色部と、
前記媒体の搬送方向において前記撮像部の上流側に設けられ、前記媒体の表面に検査画像を形成する形成部と、
を備え、
前記複数の撮像センサーの各々は、前記搬送方向に直交する幅方向について異なる位置を撮像する複数の撮像素子が並んだものであり、
前記複数の撮像センサーは、前記幅方向について互いに異なる範囲を撮像可能なように配置され、
前記複数の撮像センサーの各々による撮像可能な範囲が、他の前記撮像センサーの撮像可能な範囲との間で重複部分を有し、
前記形成部は、前記媒体の表面であって前記複数の撮像センサーの各々の撮像可能な範囲に前記検査画像を形成し、
前記媒体の搬送方向における前記測色部が設けられている位置を前記媒体が通過する間に前記測色部を前記幅方向に移動させて、前記幅方向における複数の位置に形成されている前記検査画像を測色した結果、及び前記複数の撮像センサーが前記検査画像を撮像した結果に基づいて、前記複数の撮像センサーを較正し、撮像センサー間の調整を行う
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記測色部は、前記複数の撮像センサーの各々の撮像可能な範囲で測色可能である
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記測色部は往復移動が可能である
ことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記測色部は、測色時には固定されて測色を行う
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記測色部は支持部材に沿って移動可能である
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記幅方向において、前記支持部材は前記撮像部の撮像可能な範囲よりも長い
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記測色部は、一つの測色位置での測色が終了した後、次の測色位置へ移動する
ことを特徴とする請求項1~
6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記複数の撮像センサーは、前記搬送方向の異なる位置に配置されている
ことを特徴とする請求項1~
7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記複数の撮像センサーの各々は、前記幅方向について撮像可能な範囲が隣り合う前記撮像センサーとの間で、前記幅方向の端部が前記搬送方向に重複している、
ことを特徴とする請求項
8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記形成部は、前記搬送部による前記媒体の搬送速度と、前記測色部の前記幅方向への移動速度とに基づいて、前記検査画像の前記搬送方向についての位置を異ならせる
ことを特徴とする請求項1~
9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記搬送部による前記媒体の搬送速度を変更可能であり、前記測色部の前記幅方向への移動速度と、複数の前記検査画像の前記搬送方向についての位置のずれ量とに基づいて、前記搬送部による前記媒体の搬送速度を定める
ことを特徴とする請求項1~
9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記形成部は、前記複数の撮像センサーの各々の前記端部が撮影可能な範囲に前記検査画像を形成する
ことを特徴とする請求項
9記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記形成部は、前記複数の撮像センサーの各々の前記端部以外の部位が撮影可能な範囲にも前記検査画像を形成する
ことを特徴とする請求項
12記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記複数の撮像センサーの前記搬送方向の間隔よりも長い距離を前記撮像部から離れた位置に前記測色部が設けられている
ことを特徴とする請求項
8又は9記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
媒体上に画像を形成する画像形成装置、特に、商業用といった高品質を要求する用途に用いられるものには、高精度の較正(キャリブレーション)や速やかな異常の検出が必要になる。そのため、形成した画像を撮像して濃度むらの検出や画質不良の検出などを行う技術がある。撮像には、媒体の搬送方向に平行な面内で当該搬送方向と交差する向きに媒体の搬送方向と直交する幅にわたって複数の撮像素子が並ぶ撮像センサーが用いられて、二次元画像が取得される。
【0003】
このような画像形成装置において、単一の撮像センサーを形成画像のサイズに合わせて長尺化すると、コストが増大したり、製造時の歩留まりが低下したりするという問題がある。これに対し、複数の撮像センサーを並べて並列に撮像を行うことで、全体として媒体の全幅の撮像を行う技術がある(特許文献1)。この場合、撮像センサー間で感度特性をそろえる調整を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、画質の向上に応じて色合いなどの絶対値の調整が必要になってくると、撮像センサー間の調整では不十分であり、従来、画像形成装置の外部で処理を行う手間などが必要となっているという課題がある。
【0006】
この発明の目的は、より容易かつ精度よく各撮像センサーの較正を行うことができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
搬送経路で媒体を搬送する搬送部と、
複数の撮像センサーを有し、前記搬送経路上で前記媒体の表面を撮像する撮像部と、
前記搬送部による搬送方向において前記撮像部よりも下流側に設けられ、前記搬送経路上で前記媒体の表面を測色する測色部と、
前記媒体の搬送方向において前記撮像部の上流側に設けられ、前記媒体の表面に検査画像を形成する形成部と、
を備え、
前記複数の撮像センサーの各々は、前記搬送方向に直交する幅方向について異なる位置を撮像する複数の撮像素子が並んだものであり、
前記複数の撮像センサーは、前記幅方向について互いに異なる範囲を撮像可能なように配置され、
前記複数の撮像センサーの各々による撮像可能な範囲が、他の前記撮像センサーの撮像可能な範囲との間で重複部分を有し、
前記形成部は、前記媒体の表面であって前記複数の撮像センサーの各々の撮像可能な範囲に前記検査画像を形成し、
前記媒体の搬送方向における前記測色部が設けられている位置を前記媒体が通過する間に前記測色部を前記幅方向に移動させて、前記幅方向における複数の位置に形成されている前記検査画像を測色した結果、及び前記複数の撮像センサーが前記検査画像を撮像した結果に基づいて、前記複数の撮像センサーを較正し、撮像センサー間の調整を行う
ことを特徴とする画像形成装置である。
【0009】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、
前記測色部は、前記複数の撮像センサーの各々の撮像可能な範囲で測色可能である
ことを特徴とする。
【0010】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の画像形成装置において、
前記測色部は往復移動が可能である
ことを特徴とする。
【0011】
また、請求項4記載の発明は、請求項1~3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記測色部は、測色時には固定されて測色を行う
ことを特徴とする。
【0012】
また、請求項5記載の発明は、請求項1~4のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記測色部は支持部材に沿って移動可能である
ことを特徴とする。
【0013】
また、請求項6記載の発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、
前記幅方向において、前記支持部材は前記撮像部の撮像可能な範囲よりも長い
ことを特徴とする。
【0016】
また、請求項7記載の発明は、請求項1~6のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記測色部は、一つの測色位置での測色が終了した後、次の測色位置へ移動する
ことを特徴とする。
【0018】
また、請求項8記載の発明は、請求項1~7のいずれか一項に記載の画像形成装置
において、
前記複数の撮像センサーは、前記搬送方向の異なる位置に配置されている
ことを特徴とする。
【0019】
また、請求項9記載の発明は、請求項8に記載の画像形成装置において、
前記複数の撮像センサーの各々は、前記幅方向について撮像可能な範囲が隣り合う前記撮像センサーとの間で、前記幅方向の端部が前記搬送方向に重複している、
ことを特徴とする。
【0021】
また、請求項10記載の発明は、請求項1~9のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記形成部は、前記搬送部による前記媒体の搬送速度と、前記測色部の前記幅方向への移動速度とに基づいて、前記検査画像の前記搬送方向についての位置を異ならせる
ことを特徴とする。
【0022】
また、請求項11記載の発明は、請求項1~9のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記搬送部による前記媒体の搬送速度を変更可能であり、前記測色部の前記幅方向への移動速度と、複数の前記検査画像の前記搬送方向についての位置のずれ量とに基づいて、前記搬送部による前記媒体の搬送速度を定める
ことを特徴とする。
また、請求項12記載の発明は、請求項9記載の画像形成装置において、
前記形成部は、前記複数の撮像センサーの各々の前記端部が撮影可能な範囲に前記検査画像を形成する
ことを特徴とする。
また、請求項13記載の発明は、請求項12記載の画像形成装置において、
前記形成部は、前記複数の撮像センサーの各々の前記端部以外の部位が撮影可能な範囲
にも前記検査画像を形成する
ことを特徴とする。
また、請求項14記載の発明は、請求項8又は9記載の画像形成装置において、
前記複数の撮像センサーの前記搬送方向の間隔よりも長い距離を前記撮像部から離れた位置に前記測色部が設けられている
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明に従うと、より容易かつ精度よく各撮像センサーの較正を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態の画像形成装置の全体構成を正面から見た模式図である。
【
図2】ヘッドユニット、撮像部及び測色部について説明する図である。
【
図3】画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】撮像センサーの較正について説明する図である。
【
図5】検査用画像の位置関係について説明する図である。
【
図6】較正制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
【
図7】検査用画像の形成位置及び較正動作の変形例1を示す図である。
【
図8】変形例1の較正制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
【
図9】検査用画像の形成位置及び較正動作の変形例2を示す図である。
【
図10】変形例2の較正制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
【
図12】変形例3の較正制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態の画像形成装置1の全体構成を正面から見た模式図である。
【0026】
画像形成装置1は、媒体供給部10と、形成部20と、媒体排出部30と、制御部40(
図3参照)などを備えている。この画像形成装置1では、制御部40による制御動作に基づいて、画像が形成される媒体Mが媒体供給部10から形成部20に送出され、画像が形成された後に媒体排出部30に排出される。
【0027】
媒体供給部10は、媒体供給トレー11と供給搬送部12などを有する。
媒体供給トレー11は、媒体Mを一又は複数載置可能に設けられた板状部材である。媒体供給トレー11は、載置された媒体Mの量に応じて上下動し、媒体Mのうち一番上のものが供給搬送部12による搬送開始位置に保持される。
媒体Mとしては、種々の厚さの印刷用紙、セル、フィルムや布帛など種々のものが用いられる。媒体Mは、インクが内部に浸透しない非吸収性の材質の表面を有するものであってもよい。
供給搬送部12は、複数(例えば、2本)のローラー121、122と、内側面でローラー121、122により支持された輪状のベルト123と、媒体供給トレー11上に載置された媒体Mのうち一番上のものをベルト123に受け渡す図示略の供給部と、を有する。供給搬送部12は、ローラー121、122の回転によるベルト123の周回移動に従って供給部によりベルト123上に受け渡された媒体Mを搬送して形成部20へ送る。
【0028】
形成部20は、画像形成ドラム21と、受け渡しユニット22と、ヘッドユニット23(形成動作部)と、定着部24と、撮像部25と、測色部26と、デリバリー部27などを備える。
【0029】
画像形成ドラム21は、円筒状の外周形状を有し、当該外周面(搬送面)上に媒体Mが載置されて、その回転動作に応じた(所定の)搬送経路で媒体Mを移動させる。この画像形成ドラム21の内面側には、ヒーターが設けられ、搬送面上に載置された媒体Mが所定の設定温度になるように搬送面を加熱し得る。
【0030】
受け渡しユニット22は、供給搬送部12から受け渡された媒体Mを画像形成ドラム21に受け渡す。受け渡しユニット22は、媒体供給部10の供給搬送部12と画像形成ドラム21との間の位置に設けられている。受け渡しユニット22は、供給搬送部12により送られてきた媒体Mの一端を把持する爪部221と、爪部221に把持された媒体Mを誘導する円筒状の受け渡しドラム222などを有する。爪部221により供給搬送部12から取得された媒体Mは、受け渡しドラム222に送られると回転する受け渡しドラム222の外周面に沿って移動し、そのまま画像形成ドラム21の外周面に誘導されて受け渡される。
【0031】
ヘッドユニット23は、媒体Mが載置された画像形成ドラム21の回転に応じて搬送経路上を移動していく当該媒体Mの表面の各所に対し、媒体Mと対向するインク吐出面に設けられた複数のノズル開口からインクの液滴を吐出していくことで画像を形成する。本実施形態の画像形成装置1では、ヘッドユニット23は、画像形成ドラム21の外周面から予め設定された距離だけ離隔されて、所定の間隔で4つ配置されている。4つのヘッドユニット23は、例えば、CMYK4色(シアン、マゼンタ、イエロー、黒色)のインクをそれぞれ出力する。ここでは、媒体Mの搬送方向について上流側から順番にC、M、Y、Kの各色インクがそれぞれ吐出されるがこれに限られない。インクとしては、任意のものが用いられ得るが、ここでは、温度に応じてゾル状態とゲル状態との間で相変化し、また、所定の活性エネルギー線、例えば、紫外線の照射により硬化、定着するインクが用いられる。ゾル状態でヘッドユニット23から吐出されたインクは、媒体M上に着弾すると温度が低下して速やかにゲル化して粘度が増大し、定着部24から照射される紫外線によりインクが媒体Mに定着する。
ヘッドユニット23の各々は、ここでは、画像形成ドラム21の回転との組み合わせにより媒体M上の画像形成幅にわたって画像を形成可能なラインヘッドを有する。
【0032】
定着部24は、媒体Mの表面に対して所定の活性エネルギー線、ここでは、上述のように紫外線を照射する。定着部24は、例えば、紫外線発光するLEDランプなどを有する。定着部24は、画像形成ドラム21の外周面の近傍であって、画像形成ドラム21の回転により搬送される媒体M上にヘッドユニット23からインクの吐出がなされた後、媒体Mが画像形成ドラム21からデリバリー部27に渡る前の範囲で当該媒体Mに紫外線を照射可能に配置されている。定着部24は、遮蔽部材を有し、搬送面上の媒体Mの所定の範囲以外への紫外線の照射量を当該所定の範囲と比較して十分に低下させている。
【0033】
撮像部25は、搬送経路上の搬送方向についてヘッドユニット23及び定着部24の下流側で、媒体Mの表面を撮像して、読み取りデータとして制御部40に出力する。撮像部25は、ラインセンサー(撮像センサー)を複数有している。ラインセンサーは、特には限られないが、例えばCMOSセンサーなどであってよい。撮像部25は、RGBの3波長での光の入射量を計測し、それぞれ輝度値として取得する。
【0034】
測色部26は、搬送経路上の搬送方向についてヘッドユニット23及び定着部24の下流側、ここでは撮像部25よりもさらに下流側で、媒体Mの表面の測色を行い、測色結果を制御部40に出力する。測色部26の測色位置は、画像形成ドラム21上ではなく、デリバリー部27のベルト273上であるが、これに限るものではない。測色部26の計測により得られる色空間は、変更可能であってよく、例えば、L*a*b*色空間での色値を出力することができる。
【0035】
デリバリー部27は、インクが吐出、定着された媒体Mを画像形成ドラム21から媒体排出部30に搬送する。デリバリー部27は、複数(例えば、2本)のローラー271、272と、内側面でローラー271、272に支持された輪状のベルト273と、円筒状の受け渡しローラー274などを有する。デリバリー部27は、受け渡しローラー274により画像形成ドラム21上の媒体Mをベルト273上に誘導し、受け渡された媒体Mをローラー271、272の回転に伴い周回移動するベルト273と共に移動させることで搬送して媒体排出部30に送り出す。
【0036】
媒体排出部30は、形成部20から送り出された画像形成後の媒体Mをユーザーにより取り出されるまで格納する。媒体排出部30は、デリバリー部27により搬送された媒体Mが載置される板状の媒体排出トレー31などを有する。
【0037】
図2は、ヘッドユニット23を画像形成ドラム21の搬送面側から見た底面図(a)、撮像部25の光入射面を画像形成ドラム21の外周面に対向する側から見た図(b)、及び測色部26をベルト273の外周面の上方から見た図(c)である。
【0038】
図2(a)に示すように、ヘッドユニット23は、底面において複数のノズルNの開口が所定の範囲内(配列範囲)に配列されたインクジェットヘッド231を複数有する。ここでは、一つのヘッドユニット23が8個のインクジェットヘッド231を有しているが、これに限られない。8個のインクジェットヘッド231には、それぞれ搬送方向に直交する幅方向にノズルNの開口が並ぶノズル列が搬送方向に2列に配列され、これら2列のノズルNの開口位置は、それぞれ幅方向について互い違いの千鳥格子状となっている。なお、ノズルNの開口のサイズ及び数は、ここでは説明のために大きくかつ少なく示しており、実際とは異なっている。
【0039】
図2(b)に示すように、撮像部25は、複数の撮像素子Pへの光入射口が幅方向について所定の範囲に位置する撮像センサー251を複数有する。ここでは、撮像部25は、第1撮像センサー2511、第2撮像センサー2512、第3撮像センサー2513及び第4撮像センサー2514の4個を有しているが、これに限られない。本実施形態では、少なくとも第1撮像センサー2511が第1のセンサーであり、第3撮像センサー2513も複数の第1のセンサーに含まれてよい。第2撮像センサー2512及び第4撮像センサー2514は、その他のセンサー(第2のセンサー)に含まれる。撮像センサー251は、千鳥格子状に位置しており、各撮像センサー251における光入射口への光入射範囲、すなわち撮像範囲は、隣り合う撮像センサー251の間で重複部分D1~D3を有する。各撮像素子Pの光入射口の位置と各々の受光センサーの位置とは、幅方向について同一であってもよく、例えば、コンタクトイメージセンサー(CIS)であってもよいし、受光センサーが幅方向中心付近にまとめて位置するようにミラー及びレンズなどによる縮小光学系をなしていてもよい。また、ラインセンサーの撮像素子Pは、主にRGBによるカラー撮像を行う場合、幅方向にのみ一次元配列されている必要はない。なお、光入射口は、ここでは説明のために大きくいくつかに区切って示しているが、実際にはひとつながりであってよく、あるいは、受光センサーの解像度(素子数)などに応じてより細かく各々区切られていてもよい。撮像部25の撮像解像度とヘッドユニット23の画像形成解像度との大小関係は、ここでは特には限られない。
【0040】
図2(c)に示すように、測色部26は、幅方向について媒体Mの一部のエリアにおける測色を行う。測色部26は、支持部材261に沿って幅方向に移動可能である。支持部材261には、例えば、レールとベルトなどが設けられ、ベルトの移動に応じて測色部26がレール上を往復運動することができてもよい。測色部26は、測色時には固定されて測色範囲の測色を行う。
【0041】
図3は、本実施形態の画像形成装置1の機能構成を示すブロック図である。
画像形成装置1は、上述の形成部20に加えて、制御部40と、搬送駆動部45と、画像処理部46と、記憶部50と、通信部61と、表示部62と、操作受付部63と、バス90などを備える。
【0042】
形成部20は、上述の撮像部25、測色部26及びノズルN(ヘッドユニット23に含まれる)に加えて、ノズルNからインクを吐出させるヘッド駆動部28と、定着部24を動作させる定着駆動部29などを有する。
【0043】
ヘッド駆動部28は、各ノズルNに連通してインクを供給するインク流路において、当該インクに圧力を加える機構を動作させて、ヘッドユニット23(インクジェットヘッド231)に画像形成動作を行わせる。例えば、ヘッド駆動部28は、インク流路中に設けられた加圧部(圧力室)の壁面を変形させる圧電素子に対する駆動電圧信号を生成して当該圧電素子に出力する。ヘッド駆動部28は、制御部40からの制御信号に基づいて予め記憶された電圧波形パターンを選択して電力増幅した駆動電圧信号を生成し、記憶部50から入力された形成対象画像データに応じて各圧電素子に対する駆動電圧信号の出力可否をそれぞれ切り替える。圧電素子の変形により圧力室が変形してインクに対して所定パターンで圧力変動が与えられ、これに応じてノズルNの開口から所定のインク着弾位置(平面視位置)に対して、所望の液量のインク液滴が所望の速度で吐出される。
【0044】
定着駆動部29は、定着部24に駆動信号を出力して、所定の活性エネルギー線(ここでは紫外線)を出射(発光)させる。
【0045】
制御部40は、画像形成装置1の全体動作を統括し、各部の動作を制御する。制御部40は、CPU41(Central Processing Unit)と、RAM42(Random Access Memory)などを備える。
【0046】
CPU41は、各種演算処理を行い、画像形成装置1における媒体Mの搬送、インクの供給、温度管理及び吐出、撮像、測色、並びにメンテナンス動作などの制御を行う。また、CPU41は、記憶部50から読み出されたプログラムに従って画像データ、各部のステータス信号やクロック信号などに基づく画像形成に係る種々の処理を行う。
【0047】
RAM42は、CPU41に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。RAM42には、不揮発性メモリーが含まれていてもよく、この不揮発性メモリーに記憶されるデータと記憶部50に記憶されるデータとは、適宜割り振られる。
【0048】
画像処理部46は、画像データの各種処理を行う。各種処理には、撮像部25の撮像結果及び測色部26の測色結果に基づいて撮像センサー251の較正に係る処理を含む。画像処理部46は、CPU及びRAMを有していてもよいし、これに加えて又は代えて専用のハードウェア回路などを有していてもよい。また、画像処理部46のハードウェアとしての構成は、制御部40のCPU41及びRAM42が兼用するものであってもよい。
【0049】
画像処理部46は、媒体M上に形成された画像などが撮像部25により撮像された場合には、複数の撮像センサー251により各々得られた画像をつなげて1つの撮像データを生成する。
図2に示した重複部分D1~D3では、それぞれ隣り合う2個の撮像センサー251のうちいずれにより撮像されたデータを用いるかを予め定めておき、用いられないデータは廃棄されてもよい。
【0050】
記憶部50は、通信部61を介して外部から取得された画像形成に係るジョブデータ52、並びに制御部40及び画像処理部46の各種制御動作に係る制御プログラム及び設定データなどを記憶する。ジョブデータ52やその処理データを一時記憶する構成としては、主にDRAMが用いられ、制御プログラムや設定データを記憶する構成としては、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリーなどが用いられるが、これに限られない。例えば、ジョブデータ52が不揮発性メモリーに記憶されてもよいし、初期プログラムや初期設定データなどは、書き換え更新のできないマスクROMなどに記憶されてもよい。また、通常の画像ではなく、検査用などの特定の画像のデータ及び当該特定の画像を形成させる設定データなどは、不揮発性メモリーに記憶されていてもよい。制御プログラムには、撮像センサー251間の感度調整を行う較正用のプログラム51が含まれる。
【0051】
また、記憶部50に記憶されるデータには、プログラム51の実行により得られた較正データ53が含まれる。例えば、撮像部25による撮像データは、較正データ53により較正されてから解析処理される。
【0052】
搬送駆動部45は、供給搬送部12、画像形成ドラム21、受け渡しユニット22やデリバリー部27など、媒体Mを搬送する各部の動作を行わせる媒体搬送部71と、測色部26を移動させる測色移動部72とを有する。
【0053】
媒体搬送部71は、各ローラーやドラムなどを回転動作させ、また爪部221の動作を行わせるモーターなどを備える。上記各構成のうち、少なくとも画像形成ドラム21及び搬送駆動部45が本実施形態の画像形成装置1において媒体Mを所定の搬送経路で移動させる搬送部を構成する。
【0054】
測色移動部72は、測色部26による測色範囲を幅方向に移動させる。例えば、支持部材261に対して上述のようにレール及びベルトが設けられている場合、測色移動部72は、ベルトを所定の速度で所望の距離移動させることで、ベルトに固定された測色部26も同距離移動させる。
【0055】
通信部61は、外部機器との間での通信動作を制御する通信インターフェイスである。通信インターフェイスとしては、例えば、LANカードなど、各種通信プロトコルに対応したものが一又は複数含まれる。通信部61は、制御部40の制御に基づいて外部機器から形成対象の画像データや画像形成に係る設定データ(ジョブデータ)を取得し、また、外部機器に対してステータス情報などを送信することができる。
【0056】
表示部62は、制御部40からの制御信号に応じて、画像形成装置1のステータスや操作メニューなどの表示を行う。表示部62は、液晶画面といった表示画面などを有する。また、表示部62は、報知動作に用いられるLEDなどを有していてもよい。
【0057】
また、操作受付部63は、ユーザーの操作を受け付けて制御部40に出力する。操作受付部63は、例えば、表示画面と重ねて設けられるタッチセンサーなどを有する。制御部40は、表示画面に表示させたメニューの内容や位置の情報と、操作受付部63が受け付けたユーザーのタッチ操作の種別や位置の情報とを対応付けて、操作に応じた処理を画像形成装置1の各部に行わせる制御動作を行う。操作受付部63は、押しボタンスイッチやテンキーなどを備えていてもよい。
【0058】
バス90は、制御部40と上記の各構成との間を電気的に接続して信号のやり取りを行う信号伝送経路である。
上記各構成のうち、上記搬送部と、撮像部25と、測色部26と、制御部40とにより本実施形態の画像読取装置が構成される。また、この実施形態の画像読取装置には、測色移動部72が含まれてもよい。
【0059】
次に、本実施形態の画像形成装置1における撮像部25の撮像センサー251の動作及び調整について説明する。
【0060】
図4は、撮像センサー251の較正について説明する図である。
4個の撮像センサー251の撮像結果をつなぎ合わせて一枚の撮像データに統合して生成する場合、これらの撮像センサー251の撮像特性には差異があるので、撮像データの出力特性を合わせる。本実施形態の画像形成装置1では、まず、
図4(a)に示すように、第1撮像センサー2511の撮像範囲(基準撮像範囲)内に同一パターンの検査用画像It1、It2(所定の検査画像)を搬送方向について同一位置に形成させ、第1撮像センサー2511による検査用画像It2の撮像結果(基準撮像結果)と当該第1撮像センサー2511の撮像範囲内の範囲W1における検査用画像It1の測色結果との比較により、第1撮像センサー2511を較正する。次いで、重複部分D1(第1撮像センサー2511との間で重複する第1の重複部分)における検査用画像It2の第1撮像センサー2511による撮像結果を基準とした第2撮像センサー2512による撮像結果のずれ(差異)に基づいて第2撮像センサー2512の較正度合を設定し、較正を行う。なお、第1撮像センサー2511、第2撮像センサー2512内の幅方向についての各位置での感度むらなどの相対的な調整(補正)は、別途周知の技術により行われてよい。
【0061】
同様に、
図4(b)に示すように、検査用画像It3、It4を搬送方向について同一位置に形成させ、第3撮像センサー2513による検査用画像It4の撮像結果と当該第3撮像センサー2513の撮像範囲内の範囲W3における検査用画像It3の測色結果との比較により第3撮像センサー2513を較正する。次いで、重複部分D3における検査用画像It4の第3撮像センサー2513による撮像結果を基準とした第4撮像センサー2514による撮像結果のずれに基づいて、第4撮像センサー2514の較正度合を設定し、較正を行う。
すなわち、本実施形態では、第2撮像センサー2512が第1撮像センサー2511に対して定められた範囲に含まれ、第4撮像センサー2514が第3撮像センサー2513に対して定められた範囲に含まれる。
【0062】
較正動作は、検査用画像It1、It2の撮像センサー251と測色部26とによる読み取り結果を合わせることで行われる。例えば、画像処理部46は、測色部26で計測されたL*a*b*色空間による測色値をRGB輝度値に変換し、このRGB値を撮像センサー251で得られたRGB値と近くすることで、較正量が算出される。
【0063】
範囲W1での測色後、測色部26は、範囲W3に移動される。したがって、検査用画像It1、It2と、検査用画像It3、It4とは、搬送方向について異なる位置に形成される。
【0064】
図5は、検査用画像It1~It4の位置関係について説明する図である。
図5(a)に示すように、検査用画像It1、It2の搬送方向についての位置と比較して、検査用画像It3、It4は、測色部26を移動させて読み取りを開始させるのに必要な時間分だけ搬送経路に沿った方向について異なる位置、すなわち、下流側に位置している。範囲W1、W3の間(例えば各中心位置間)の距離(測色部26の移動距離)dw13と、測色部26の移動速度V2と、媒体Mの搬送速度V1(媒体Mの移動速度)とに基づいて、検査用画像It1の最上流(後端)の位置と、検査用画像It3の最下流(先頭)の位置との間の距離dt13が、dt13≧dw13×(V2/V1)として定められ得る。また、距離dt13を短くするためなどに、所望の距離dt13と距離dw13との関係(検査用画像It1~It4の位置関係)、及び移動速度V2などに応じて搬送速度V1を低下(変更)させることもできる。
【0065】
検査用画像It1~It4は、例えば、較正に必要な各色(各濃度)の小領域(パッチ画像)が順に搬送方向に配置されたものである。
図5(b)に示すように、測色部26の測色範囲は、検査用画像It1の範囲W1での測色が終了してから、媒体Mの搬送移動によって検査用画像It2が測色位置に来るまでの間に範囲W3へと移動される。その後、範囲W3で検査用画像It2の測色が行われる。
【0066】
図6は、本実施形態の較正方法を含む較正制御処理の制御部40による制御手順を示すフローチャートである。
較正制御処理が開始されると、制御部40(CPU41)は、測色部26の測色範囲を範囲W1に合わせる(ステップS101)。制御部40は、媒体搬送部71による媒体Mの搬送速度を設定し、搬送動作を開始させるとともに、搬送される媒体M上に上記位置関係で検査用画像It1~It4を形成させる(ステップS102)。
【0067】
制御部40は、形成された検査用画像It2、It4が撮像部25による撮像範囲に到達するのに合わせて、検査用画像It2、It4を順次撮像させる(ステップS103)。制御部40は、形成された検査用画像It1が測色部26による測色範囲に到達するのに合わせて、検査用画像It1を測色させる(ステップS104)。
【0068】
制御部40は、移動速度V2で測色部26を範囲W3に移動させる(ステップS105)。移動終了後、制御部40は、検査用画像It3が測色部26による測色範囲に到達するのに合わせて、検査用画像It3を測色させる(ステップS106)。
【0069】
制御部40は、測色部26による検査用画像It1、It3の測色結果をRGB輝度値に変換する(ステップS107)。制御部40は、検査用画像It1の測色結果と第1撮像センサー2511による検査用画像It2の撮像結果とを比較し、第1撮像センサー2511の読み取りに係る補正量を算出する(ステップS108;第1較正ステップ)。制御部40は、検査用画像It2の第1撮像センサー2511と第2撮像センサー2512の撮像結果を比較し、第1撮像センサー2511の撮像結果を基準として第2撮像センサー2512の補正値を算出する(ステップS109;第2較正ステップ)。
【0070】
制御部40は、検査用画像It3の測色結果と第3撮像センサー2513による検査用画像It4の撮像結果とを比較し、第3撮像センサー2513の読み取りに係る補正量を算出する(ステップS110)。制御部40は、検査用画像It4の第3撮像センサー2513と第4撮像センサー2514の撮像結果を比較し、第3撮像センサー2513の撮像結果を基準として第4撮像センサー2514の補正値を算出する(ステップS111)。
【0071】
制御部40は、検査用画像It1~It4について、各較正設定を行う(ステップS112)。そして、制御部40は、較正制御処理を終了する。
【0072】
[変形例1]
図7は、検査用画像It1~It4の形成位置及び較正動作の変形例1を示す図である。
上記実施の形態では、媒体Mの搬送に合わせて検査用画像It1~It4を搬送方向について異なる位置に形成したが、検査用画像It1、It2を読み取った媒体Mを逆送させた後、搬送方向について所定の測色範囲を複数回媒体Mが通過するように媒体搬送部71を動作させて、残りの検査用画像It3、It4を読み取らせることができる場合には、媒体Mの搬送方向について同一位置に検査用画像It1~It4が形成されてもよい。あるいは、画像形成ドラム21上で媒体M上の画像を測色できるように測色部26を画像形成ドラム21の外周面に対向させて位置させることで、媒体Mを画像形成ドラム21から剥離させずに複数回(2回)周回させながら媒体Mの搬送方向について同一位置における検査用画像It1~It4が測色範囲を通過する際に各周回で測色させてもよい。また、測色部26が範囲W1、W3の両方で同時に測色可能な場合にも、検査用画像It1~It4が搬送方向について同一の位置であってよい。
【0073】
図8は、この変形例1の検査用画像It1~It4に係る較正制御処理の制御部40による制御手順を示すフローチャートである。この較正制御処理は、上記実施形態の較正制御処理に対してステップS121、S122の処理が追加された点を除き、処理内容は同一であり、同一の処理内容には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0074】
ステップS104の処理で、検査用画像It1の測色が終了した後、媒体Mの上流端が受け渡しローラー274(及び画像形成ドラム21の外周面)から離れる前に、制御部40は、媒体搬送部71による通常の搬送方向への搬送動作を中止させ、媒体Mを、検査用画像It1~4の下流端(先頭)が測色部26の測色範囲よりも搬送方向について上流側に戻るまで逆送させる(ステップS121)。それから、制御部40の処理は、ステップS105へ移行する。
【0075】
ステップS105の処理の後、制御部40は、媒体Mの搬送方向への搬送を再開させる(ステップS122)。それから、制御部40の処理は、ステップS106へ移行する。なお、ステップS105の処理は、ステップS121及び/又はステップS122の処理と並行して行われてもよい。
【0076】
[変形例2]
図9は、検査用画像It11~It13の形成位置及び較正動作の変形例2を示す図である。
上記実施形態及び変形例1では、測色されて直接構成される撮像センサーと撮像センサー間で比較較正される撮像センサーとが1:1とされていたが、ここでは、1:2とされる。
【0077】
図9(a)に示すように、3個の撮像センサー251aは、第1撮像センサー2511a(本変形例の第2のセンサー)と第2撮像センサー2512a(本変形例の第1のセンサー)とが重複部分D11(本変形例の第1の重複部分)を有し、第2撮像センサー2512aと第3撮像センサー2513a(本変形例の第4のセンサー)とが重複部分D12(本変形例の第3の重複部分)を有する。
【0078】
図9(b)に示すように、幅方向について中央の撮像センサー2512aの撮像範囲に測色部26による測色が行われる範囲W11が定められる。また、重複部分D11、D12のいずれもが撮像センサー251a間の比較較正に用いられる。これらに合わせて、測色の範囲W11及び重複部分D11、D12には、検査用画像It11~It13が形成される。
【0079】
ここでは、3個の撮像センサー251aの較正に対し、範囲W11の一箇所のみで測色がなされるので、測色部26を移動させる必要はなく、固定されていてもよい。なお、撮像センサー251aが4個以上(6個など)ある場合には、3個以外の撮像センサーの撮像範囲に移動されてよい。
【0080】
測色結果と、重複部分D11又はD12における第2撮像センサー2512aによる撮像結果(本変形例の基準撮像結果)との比較結果に基づいて、第2撮像センサー2512aが較正される。また、重複部分D11の第1撮像センサー2511aと第2撮像センサー2512aによる撮像結果の比較により、較正結果が得られた第2撮像センサー2512aに対する第1撮像センサー2511aの較正が行われる。また、重複部分D12の第2撮像センサー2512aと第3撮像センサー2513aによる撮像結果の比較により、較正結果が得られた第2撮像センサー2512aに対する第3撮像センサー2513aの較正が行われる。
【0081】
図10は、変形例2の較正制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
較正制御処理が開始されると、制御部40は、測色範囲を範囲W11に合わせる(ステップS121)。上述のように、測色部26が固定されている場合にはこの処理は不要である。
【0082】
制御部40は、媒体搬送部71による媒体Mの搬送速度を設定し、搬送動作を開始させる。また、搬送される媒体M上に上記位置関係で検査用画像It11~It13を形成させる(ステップS122)。制御部40は、検査用画像It11~It13が撮像部25による撮像範囲に到達するタイミングで検査用画像It11、It13を撮像させる(ステップS123)。制御部40は、測色部26により範囲W11で測色を行わせる(ステップS124)。
【0083】
制御部40は、測色部26による検査用画像It12の測色結果をRGB輝度値に変換する(ステップS125)。制御部40は、検査用画像It12の測色結果と第2撮像センサー2512aによる検査用画像It11(検査用画像It13でもよい)の撮像結果とを比較し、第2撮像センサー2512aの読み取りに係る補正量を算出する(ステップS126)。
【0084】
制御部40は、検査用画像It11の第1撮像センサー2511aと第2撮像センサー2512aの撮像結果を比較し、第2撮像センサー2512aの撮像結果を基準として第1撮像センサー2511aの補正値を算出する(ステップS127)。制御部40は、検査用画像It13の第2撮像センサー2512aと第3撮像センサー2513aの撮像結果を比較し、第2撮像センサー2512aの撮像結果を基準として第3撮像センサー2513aの補正値を算出する(ステップS128)。
【0085】
制御部40は、各撮像センサー251aの較正量の設定を行う(ステップS129)。そして、制御部40は、較正制御処理を終了する。
【0086】
[変形例3]
図11は、較正動作の変形例3を示す図である。
本変形例3では、撮像センサー間の相対的な較正動作を複数段階直列で行う。測色部26が測色を行う範囲W21が撮像部25の端部である第1撮像センサー2511a(本変形例の第1のセンサー)の撮像範囲にある場合に、第2撮像センサー2512a(本変形例の第2のセンサー)の較正は、重複部分D11における第1撮像センサー2511aとの比較により行われる。さらに、第3撮像センサー2513a(本変形例の第3のセンサー)の較正は、重複部分D12(第2の重複部分)における第2撮像センサー2512aと第3撮像センサー2513aとの比較により行われる。これらに併せて、検査用画像It11、It13の他、検査用画像It12に代えて検査用画像It21が範囲W21に合わせて形成される。
【0087】
すなわち、第3撮像センサー2513aの較正は、測色部26の測色結果と直接比較されていない第2撮像センサー2512aの撮像結果との比較と、第2撮像センサー2512aの較正度合とに基づいて間接的に行われることになる。なお、このような較正動作は、第3撮像センサー2513aまでではなく、更に複数段階重ねて行うことができるが、通常では、段階が増えるほど精度が低下するので、適宜最大の段階数が設定されてよい。
【0088】
図12は、変形例3の較正制御処理の制御手順を示すフローチャートである。この較正制御処理は、変形例2の較正制御処理における各処理のうち、ステップS121~S124、S126、S127がそれぞれステップS121a、S122a、S124a、S126a、S127aに置き換えられたものである。その他の処理は同一であり、同一の処理内容には同一の符号を付すこととする。
【0089】
較正制御処理が開始されると、制御部40は、測色部26による測色範囲を範囲W21に合わせる(ステップS121a)。この処理も、上記変形例2と同様に、測色部26が固定されている場合には不要である。
【0090】
制御部40は、媒体搬送部71による媒体Mの搬送速度を設定し、搬送動作を開始させる。また、搬送される媒体M上に上記位置関係で検査用画像It11、It13、It21を形成させる(ステップS122a)。制御部40は、検査用画像It11、It13が撮像部25による撮像範囲に到達するタイミングで検査用画像It11、It13を撮像させる(ステップS123)。制御部40は、測色部26により範囲W21で測色を行わせる(ステップS124a)。
【0091】
制御部40は、測色部26による検査用画像It12の測色結果をRGB輝度値に変換する(ステップS125)。制御部40は、検査用画像It21の測色結果と第1撮像センサー2511aによる検査用画像It11の撮像結果とを比較し、第1撮像センサー2511aの読み取りに係る補正量を算出する(ステップS126a)。
【0092】
制御部40は、検査用画像It11の第1撮像センサー2511aと第2撮像センサー2512aの撮像結果を比較し、第1撮像センサー2511aの撮像結果を基準として第2撮像センサー2512aの補正値を算出する(ステップS127a)。制御部40は、検査用画像It13の第2撮像センサー2512aと第3撮像センサー2513aの撮像結果を比較し、第2撮像センサー2512aの撮像結果を基準として第3撮像センサー2513aの補正値を算出する(ステップS128)。
【0093】
制御部40は、各撮像センサー251aの較正量の設定を行う(ステップS129)。そして、制御部40は、較正制御処理を終了する。
【0094】
以上のように、本実施形態の画像形成装置1は、所定の搬送経路で媒体Mを移動させる搬送部としての媒体搬送部71及び画像形成ドラム21と、複数の撮像センサー251(2511~2514)を有し、搬送経路上で媒体Mの表面を撮像する撮像部25と、搬送経路上で媒体Mの表面を測色する測色部26と、制御部40と、を備える。複数の撮像センサー2511~2514の各々による撮像範囲は、搬送経路に沿った搬送方向に直交する幅方向(搬送面に平行な面内で)について隣り合う撮像センサーの間で重複部分D1~D3を有する。制御部40は、複数の撮像センサー251のうち第1撮像センサー2511の基準撮像範囲内での検査用画像It1の測色結果と、基準撮像範囲内での同一パターンの検査用画像It2の基準撮像結果とに基づいて、第1撮像センサー2511の較正動作を行い、重複部分D1での複数の撮像センサー2512、2513による撮像結果を比較して、第1撮像センサー2511(第3撮像センサー2513)の基準撮像結果を基準とした当該第1撮像センサー2511(第3撮像センサー2513)と異なる他のセンサー、ここでは、第2撮像センサー2512(第4撮像センサー2514)の較正動作を行う。
このように、一部の撮像センサー251が測色部26を用いて精度よく較正される一方、撮像センサー251の撮像範囲の重複部分を用いた検査用画像It2、It4などの撮像結果の比較により他の撮像センサー251間で相対的に調整を行うので、精度と調整の手間及び時間を両立し、より容易かつ精度よく画像形成装置1における各撮像センサー251の較正を行うことができる。
【0095】
また、測色部26による測色範囲は、第1撮像センサー2511(第3撮像センサー2513)による基準撮像範囲のうち重複部分以外である。すなわち、較正動作において、測色と撮像は異なる位置で行われてもよい。
【0096】
また、他のセンサーは、第1撮像センサー2511との間で重複部分D1を有する第2撮像センサー2512を含む。制御部40は、重複部分D1でそれぞれ得られた第2撮像センサー2512の撮像結果と第1撮像センサー2511の撮像結果との差異に基づいて、較正動作がなされた第1撮像センサー2511に対する第2撮像センサー2512の較正度合を定める。このように、精度のよい較正がなされた第1撮像センサー2511と重複部分D1を有する第2撮像センサー2512の較正を当該重複部分D1での同一の検査用画像It2の撮像結果の比較により行うので、いずれも別個に測色を行う場合と比較して時間や手間を短縮しつつ従来よりも精度よく複数の撮像センサー251の較正が可能となる。
【0097】
また、変形例3のように、他のセンサーは、第2撮像センサー2512aとの間で重複部分D12を有する第3撮像センサー2513aを含んでもよい。制御部40は、重複部分D12で得られた第2撮像センサー2512aの撮像結果と第3撮像センサー2513aの撮像結果との差異と、第2撮像センサー2512aの第1撮像センサー2511aとの間での比較に基づいてなされた較正度合とに基づいて、第3撮像センサー2513aの較正度合を定める。
このように、重複部分を利用した撮像センサー251a間の比較は、複数段階であってもよい。これにより、3個以上の撮像センサー251aに対し、1回の測色結果に基づいて絶対値の較正を行うことが可能となるので、画像形成装置1では、より効率よく精度のよい較正が可能となる。
【0098】
また、変形例2のように、他のセンサーは、基準となる第2撮像センサー2512aとの間で先に比較較正が行われる第1撮像センサー2511aとの重複部分D11とは異なる重複部分D12を有する第3撮像センサー2513aを含んでもよい。制御部40は、重複部分D12でそれぞれ得られた第2撮像センサー2512aと第3撮像センサー2513aの各撮像結果の差異に基づいて、較正動作がなされた第2撮像センサー2512aに対する第3撮像センサー2513aの較正度合を定める。すなわち、両端で重複部分を各々有する第2撮像センサー2512aを基準として、当該第2撮像センサー2512aでの1回の測色結果に基づいて、両側の重複部分D11、D12を利用してそれぞれ第1撮像センサー2511a及び第3撮像センサー2513aを精度よく較正することができる。したがって、より効率よく精度のよい較正が可能となる。また、特に撮像センサーが3個の場合に、撮像幅の中央付近で測色が可能となるので、端部付近と比較して安定して精度よく測色が行われやすい。
【0099】
また、基準となる撮像センサーを複数、例えば、第1撮像センサー2511及び第3撮像センサー2513の2個、備え、これらの撮像センサー2511、2513の各々について測色部26による測色を行う。制御部40は、各撮像センサー2511、2513ごとにそれぞれ定められた範囲の他のセンサーの較正動作を行う。
撮像センサー251の数が3又は4個以上の場合で、1回の測色結果との比較ではカバーしづらい場合などには、選択的に複数の撮像センサーを測色対象としてもよい。これにより、較正動作の効率を大きく下げずに十分な較正精度を得ることができる。
【0100】
また、画像形成装置1は、測色部26を幅方向に移動させる測色移動部72を備える。制御部40は、複数の基準となる撮像センサー(第1撮像センサー2511、第3撮像センサー2513)に対応して各々定められた測色位置で測色を行わせる。このように、使用頻度の高くない測色部26を移動可能とすることで、較正時に複数箇所で測色が必要な場合に効率よく精度のよい較正を行うことができる。
【0101】
また、画像形成装置1は、搬送経路上で媒体Mの表面に画像を形成するヘッドユニット23を備える。制御部40は、搬送部による媒体Mの移動速度と、測色移動部72による測色部26の移動速度とに基づいて、複数の測色位置にそれぞれ形成させる検査用画像の搬送経路に沿った方向についての位置を異ならせる。
上記のように測色部26を移動させて異なる位置の測色を行う場合、媒体Mを搬送させながらこれらの異なる位置の測色を同時には行えないので、測色部26の移動時間に応じて検査用画像の位置を適宜ずらして形成させることで、媒体Mの搬送の流れの中で手間をかけずに効率よく精度のよい較正動作が可能となる。
【0102】
また、制御部40は、搬送部による媒体Mの移動速度を変更可能であり、測色移動部72による測色部26の移動速度と、ヘッドユニット23により媒体M上に形成させる複数の検査用画像の位置関係とに基づいて、媒体Mの移動速度を定める。したがって、媒体Mのサイズ上検査用画像の配置に制限がある場合や、媒体M上における検査用画像の形成長さを節約したい場合などに、移動速度を変化、特に低下させることで、容易に検査用画像の配置に応じて適切な較正動作の調整を行うことができる。
【0103】
また、変形例1のように、搬送部は、較正動作を行う場合に、媒体Mが測色部26により測色される搬送方向についての位置を複数回通過するように搬送部により媒体Mの移動動作を行わせてもよい。すなわち、搬送部は、搬送ドラムを周回させたり、媒体Mを逆送させて戻したりしてもよい。これにより、媒体Mを搬送させながらの較正動作において、検査用画像It1~It4の位置をずらす必要がなく、媒体Mの搬送方向について、検査用画像It1~It4お形成範囲を節約することができる。
【0104】
また、制御部40は、ヘッドユニット23により媒体M上に複数の検査用画像It1~It4を形成させる。画像形成装置1自体で検査用画像を形成させることで、複数の検査用画像It1~It4の位置を容易に調整しやすい。
【0105】
また、制御部40は、搬送部による媒体の移動速度を変更可能である。したがって、較正時には、通常の画像形成動作と異なる速度で処理がなされてもよいなどの柔軟な対応が可能である。
【0106】
第1撮像センサー2511の基準撮像範囲内で測色される検査用画像It1と、基準撮像結果の取得に係る検査用画像It2とは、媒体Mの搬送方向について同一位置である。これにより、比較対象となる検査用画像It1、It2の搬送むらなどに応じた記録の濃淡などの影響を受けず、別個の画像であっても高い精度で比較が可能となる。
【0107】
また、上記画像形成装置1のうちヘッドユニット23を除いた構成を有する画像読取装置でも、測色部26を有し、これを用いてインライン処理により較正動作を行うことで、より精度よく手間をかけずに撮像部25の読み取り感度などを調整することができる。
【0108】
また、本実施形態の撮像センサー251の較正方法は、複数の撮像センサー251のうち基準となる第1撮像センサー2511の基準撮像範囲内での所定の検査用画像It1の測色部26による測色結果と、基準撮像範囲内での検査用画像It1と同一パターンの検査用画像It2の基準撮像結果とに基づいて、第1撮像センサー2511の較正動作を行う第1較正ステップ、重複部分D1、D3などでの複数の撮像センサー251による撮像結果を比較して、基準撮像結果を基準とした第1撮像センサー2511と異なる第2撮像センサー2512などの較正動作を行う第2較正ステップ、を含む。
このように、画像形成装置1に設けられた測色部26によるインラインでの測色結果を撮像結果と比較して各撮像センサー251の較正を行うことで、位置合わせやデータ送受信などの手間を省き、容易に撮像センサー251の較正を行うことができる。特に、複数の撮像センサー251のうち一部に対してのみ測色を行い、残りについては、重複部分D1、D2などでの複数の撮像センサーによる撮像結果の比較により調整を行うので、短時間で効率よくかつ精度よくこれら複数の撮像センサー251の較正を行うことができる。
【0109】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、複数の撮像センサー251は、千鳥格子状に配置されるものとして説明したが、幅方向について重複部分を有する配置であれば、特には限られない。
【0110】
また、上記実施の形態では、撮像センサーをラインセンサーとして説明したが、搬送方向にも所定の幅でまとめて撮像可能な二次元センサーであってもよい。また、測色部26が1台の測色計を有する場合に限られず、複数の重複部分に合わせて各々設けられていてもよい。
【0111】
また、上記実施の形態では、測色移動部72による移動速度V2を一定であるものとして説明したが、移動開始時に速度が漸増し、移動終了時に速度が漸減するようなものであってもよい。一方で、媒体搬送部71による媒体Mの搬送速度V1は、可変でなくてもよい。ここでいう可変とは、複数の速度のいずれかで選択的に搬送可能なものをいい、搬送開始時及び終了時に速度を漸増/漸減させる途中の速度を考慮しない。
【0112】
また、上記実施の形態では、範囲W1、W3を各撮像センサー251による撮像範囲の中央付近に定めたが、これに限られるものではない。適宜定められてもよい。例えば、重複部分D1、D3と重複していてもよい。この場合、上記実施形態における検査用画像It1、It3は、それぞれ検査用画像It2、It4と併用されてよい。
【0113】
また、検査用画像It1~It4の幅は、独立に適宜調整されてよい。重複部分D1、D3の幅に併せて検査用画像It2、It4が形成されてもよく、測色部26が測色可能な幅に応じて検査用画像It1、It3が形成されてもよい。
【0114】
また、上記変形例では、媒体Mを逆送させて、再度順方向に搬送している途中で2回目以降の測色を行うこととしたが、逆送中に測色が行われてもよい。特に、3回以上の測色を行う場合には、往路と復路の両方で測色を可能とすることで、往復回数を低減させることができる。
【0115】
また、検査用画像It1~It4は、画像形成装置1自身で形成されたものに限らない。重複部分D1、D3や測色の範囲W1、W3などとの位置合わせが適正に可能であれば、予め用意された検査用紙上の検査用画像It1~It4が撮像、測色されてもよく、また、一度形成された検査用紙を複数回再利用してもよい。
【0116】
また、上記実施の形態でいう画像形成は、有色インクによる平面画像に限られない。無色のインクや透明な(光透過性の)インクが含まれていてもよく、また、立体的な構造を有するものであってもよい。媒体Mの搬送は、円筒状の画像形成ドラム21ではなくてもよく、平面に沿って媒体Mを搬送するベルト部材などが用いられてもよい。
【0117】
また、上記実施の形態では、全ての較正度合が決定されてからまとめて較正が行われるものとして説明したが、較正度合が決定された順に随時較正が行われてもよい。撮像センサーの撮像画像間の比較などでは、一方の較正が行われてから、当該較正済みの撮像画像と較正前の撮像画像とが比較されてもよい。
【0118】
また、上記実施の形態では、測色用の検査用画像It1(It3)と、撮像用の検査用画像It2(It4)とがそれぞれ搬送方向について同一位置に形成されたがこれに限られない。搬送むらなどに伴う搬送方向についての濃度むらなどの考慮が不要である場合には、搬送方向に異なる位置に形成されていてもよい。また、同一パターン(小領域の各色の組合せ)であれば、順番が異なっていてもよい。また、小領域の数は、必要に応じて適宜調整されてよい。また、小領域の形状は、矩形に限られない。必要な精度で読取可能であればよい。また、読取り結果は、小領域内の複数点における平均値などの代表値などであってもよい。
【0119】
また、上記実施の形態では、ラインヘッドを有する画像形成装置を例に挙げて説明したが、ヘッドユニット23を媒体Mに対してスキャン(走査)させながら画像を形成させるタイプのものであっても、複数の撮像センサーをつないで長尺の撮像部25を構成しているものであれば、較正に上記開示の内容を適用することができる。
【0120】
また、上記実施の形態では、画像形成装置としてインクジェット方式のもの(インクジェット記録装置)を例に挙げて説明したが、その他の方式による画像形成装置、例えば、電子写真方式によるものなどであってもよい。また、インク吐出の方式は、圧電素子を用いたピエゾ式や発熱体を用いたサーマル式など、任意のものであってよい。
【0121】
また、上記実施形態及び変形例1~3で示した構成や処理動作などは、互いに矛盾したり本発明の特徴が消滅又は相殺されたりしない範囲において任意に組み合わされ、又は除外されてよい。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、処理動作の内容及び手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載した発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【符号の説明】
【0122】
1 画像形成装置
10 媒体供給部
11 媒体供給トレー
12 供給搬送部
20 形成部
21 画像形成ドラム
22 ユニット
23 ヘッドユニット
24 定着部
25 撮像部
251、251a 撮像センサー
2511、2511a 第1撮像センサー
2512、2512a 第2撮像センサー
2513、2513a 第3撮像センサー
2514 第4撮像センサー
26 測色部
261 支持部材
27 デリバリー部
28 ヘッド駆動部
29 定着駆動部
30 媒体排出部
31 媒体排出トレー
40 制御部
41 CPU
42 RAM
45 搬送駆動部
46 画像処理部
50 記憶部
51 プログラム
52 ジョブデータ
53 較正データ
61 通信部
62 表示部
63 操作受付部
71 媒体搬送部
72 測色移動部
90 バス
D1~D3、D11、D12、D21 重複部分
It1~It4、It11~It13、It21 検査用画像
M 媒体
V1 搬送速度
V2 移動速度