(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】材料取り扱いシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/06 20060101AFI20241007BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20241007BHJP
【FI】
B65G1/06 M
B65G1/00 501C
(21)【出願番号】P 2022508885
(86)(22)【出願日】2020-08-14
(86)【国際出願番号】 US2020046263
(87)【国際公開番号】W WO2021030647
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2023-08-09
(32)【優先日】2019-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509196718
【氏名又は名称】オペックス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スティーブンス、 アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァリンスキー、 ジョセフ
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-034964(JP,A)
【文献】特開昭53-027971(JP,A)
【文献】実開平06-042810(JP,U)
【文献】特開2010-089932(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0185657(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108706266(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/06
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の格納場所を有する格納集合体にアイテムを運搬する方法であって、
可動軌道に隣接した場所に水平面に沿って車両を駆動させるステップと、
前記車両を動作させて前記可動軌道を持ち上げるステップと、
前記車両を水平方向に駆動させて前記可動軌道を前記格納集合体に隣接した場所に運ぶステップと、
前記車両を前記可動軌道に沿って垂直上方に高所へ駆動させるステップと、
前記車両が前記高所にある間に前記車両と前記格納集合体内の格納場所との間でアイテムを移動させるステップと、
前記アイテムを移動させるステップの後で、前記可動軌道を垂直に下って前記車両を駆動させるステップと、を含むことを特徴とする、格納集合体にアイテムを運搬する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の格納集合体にアイテムを運搬する方法であって、
前記可動軌道が、前記車両を受け入れるように構成されたフレームを含んで前記車両を前記フレーム内に駆動させるステップを含む、方法。
【請求項3】
前記車両を前記フレーム内に駆動させるステップが、前記車両の垂直駆動要素を前記可動軌道の垂直な軌道に動作可能に係合させるステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記可動軌道と一体的に前記車両を駆動させるステップの後で、前記可動軌道を下降させるステップを含む、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記車両を制御して前記可動軌道を変位させ、前記可動軌道を前記格納集合体に着脱可能に接続するステップを含む、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記接続するステップが、前記可動軌道を前記格納集合体に着脱可能に接続して、少なくも1つの水平軸に沿った前記格納集合体に対する前記可動軌道の変位を妨げるステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記可動軌道を持ち上げるステップが、第1方向に前記車両の垂直駆動システムを動作させるステップを含み、
前記車両を垂直上方に駆動させるステップが、前記第1方向の反対側の第2方向に前記垂直駆動システムを駆動させるステップを含む、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記車両を前記可動軌道と一体的に駆動させるステップが、前記可動軌道が地面から離れて持ち上げられている間に前記車両を水平に駆動させるステップを含む、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
複数の格納場所を有する格納集合体にアイテムを運搬する方法であって、
車両を水平方向に駆動させるための第1駆動システムと第2駆動システムとを有する前記車両を提供するステップと、
前記車両の一部を受け入れるように構成された開口部を有する可動軌道を提供するステップと、
前記第1駆動システムを作動させて前記可動軌道に隣接した場所に水平面に沿って前記車両を駆動させるステップと、
前記車両を前記可動軌道における前記開口部と整列させるステップと、
少なくとも前記車両の一部を前記開口部内に駆動させるステップと、
前記第2駆動システムを作動させて、前記可動軌道を垂直に持ち上げ、前記可動軌道を地面から離れて持ち上げるステップと、
前記第1駆動システムを作動させて前記格納集合体に向かって水平方向に前記可動軌道と一体的に前記車両を駆動させるステップと、
前記第2駆動システムを作動させて前記格納場所の1つに隣接した位置に前記可動軌道上方へ垂直に前記車両を駆動させるステップと、
前記車両が前記格納場所に隣接している間に前記車両と前記格納場所との間でアイテムを移動させるステップと、
前記第2駆動システムを作動させて地面に向けて下方に前記車両を駆動させるステップと、を含むことを特徴とする、格納集合体にアイテムを運搬する方法。
【請求項10】
請求項9に記載の格納集合体にアイテムを運搬する方法であって、
前記アイテムを移動させるステップが、前記格納場所から前記車両上にアイテムを移動させるステップを含み、
前記アイテムと一体的に前記車両を水平に駆動させて前記アイテムを前記格納場所から離れた位置に運搬するステップを含む、方法。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載の格納集合体にアイテムを運搬する方法であって、
前記可動軌道が、前記車両を受け入れるように構成されたフレームを含み、
少なくとも前記車両の一部を前記開口部内に駆動させるステップが、前記車両を前記フレーム内に駆動させて前記第2駆動システムを前記可動軌道の垂直な軌道に動作可能に係合させる配置とするステップを含む、方法。
【請求項12】
前記車両を制御して、前記可動軌道を変位させて前記可動軌道を前記格納集合体に着脱可能に接続するステップを含む、請求項9乃至請求項11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
複数のアイテムを格納する複数の格納場所を有する格納集合体と連携可能な材料取り扱いシステムであって、
運ばれる1つ以上のアイテムを支持する面が一体となった車両を備え、該車両が、
水平面に沿って水平に前記車両を駆動させる水平駆動手段と、
前記車両を垂直上方に駆動させる垂直駆動手段と、
前記車両と前記格納場所との間でアイテムを移動させるために前記格納されたアイテムの一面と係合するように構成された変位可能な要素を備えた移載機構と、
前記水平駆動手段と前記垂直駆動手段に電力を供給する電源と、を含み、
前記水平面上の可動軌道をさらに備え、該可動軌道が、
前記車両の前記垂直駆動手段と連携可能な垂直の軌道を含み、
前記可動軌道が、少なくとも前記車両の一部を受け入れるように構成された開口部を含み、
前記垂直駆動手段が前記垂直の軌道と係合可能になるように、前記車両が、前記可動軌道に入り込むように構成され、
前記垂直駆動手段が、前記垂直の軌道と係合可能であり:
(ア)前記垂直駆動手段が、第1の方向に駆動可能で前記可動軌道を前記水平面から離れて持ち上げ、かつ、
(イ)前記垂直駆動手段が、第2の方向に駆動可能で前記垂直の軌道を上って高所へ前記車両を駆動させて格納場所と前記車両との間でアイテムの移動を容易にすることを特徴とする、材料取り扱いシステム。
【請求項14】
前記可動軌道が、前記車両が前記垂直の軌道上の前記高所にあるとき、前記垂直の軌道を垂直方向に支持するように構成された支持構造と、前記車両とを含む、請求項13に記載の材料取り扱いシステム。
【請求項15】
前記可動軌道が、該可動軌道を前記格納集合体に着脱可能に接続するコネクタを含む、請求項14に記載の材料取り扱いシステム。
【請求項16】
前記可動軌道のコネクタが、少なくも1つの水平軸に沿った前記格納集合体に対する前記可動軌道の変位を妨げるように構成されている、請求項15に記載の材料取り扱いシステム。
【請求項17】
前記垂直駆動手段が、前記車両から外向きに突き出し、
前記支持構造が、前記垂直駆動手段と整列して前記車両が前記支持構造に入るのを容易にするように構成された間隙を含む、請求項14に記載の材料取り扱いシステム。
【請求項18】
複数のアイテムを格納する複数の格納場所を有して作業面に沿って位置する格納集合体と連携可能な材料取り扱いシステムであって、
所望の格納場所と整列させるために前記格納集合体に対して所望の場所へ前記作業面に対して移動可能な可動軌道を備え、該可動軌道が、高所の格納場所と整列させるために、前記作業面に対して垂直方向に延伸し、
所望の場所と前記格納集合体の前記格納場所との間でアイテムを運ぶ車両をさらに備え、該車両が、
前記車両と前記格納場所との間でアイテムを移動させる移載機構と、
前記作業面から離れた方向に前記可動軌道を係合させて持ち上げ、前記作業面に対して前記可動軌道の移動を容易にするように構成された垂直駆動アセンブリと、
前記垂直駆動アセンブリが作動して前記可動軌道を係合させて持ち上げ、前記可動軌道が高所の格納場所と整列するように、水平駆動アセンブリが作動して前記格納集合体に対して持ち上げられた前記可動軌道と一体的に所望の場所に前記車両を駆動させるように、前記作業面に沿って前記車両を駆動させて前記可動軌道と作動可能に係合させるように構成された水平駆動アセンブリと、を有し、
前記垂直駆動アセンブリと前記水平駆動アセンブリに電力を供給する電源をさらに備え、
前記垂直駆動アセンブリが、前記車両と所望の格納場所との間で前記移載機構によりアイテムを移動するために前記可動軌道と係合して前記可動軌道に沿って前記車両を駆動させ、前記所望の格納場所と整列させるように構成されていることを特徴とする、材料取り扱いシステム。
【請求項19】
前記可動軌道が、前記車両が前記垂直の軌道上の前記高所にあるとき、前記垂直の軌道を垂直方向に支持するように構成された支持構造と、前記車両とを含む、請求項18に記載の材料取り扱いシステム。
【請求項20】
前記可動軌道が、該可動軌道を前記格納集合体に着脱可能に接続するコネクタを含み、
前記可動軌道のコネクタが、少なくとも1つの水平軸に沿った前記格納集合体に対する前記可動軌道の変位を妨げる、請求項19に記載の材料取り扱いシステム。
【請求項21】
前記コネクタが、前記可動軌道と前記格納集合体との相対的な垂直変位が前記コネクタを前記格納集合体に接続するように構成されている、請求項20に記載の材料取り扱いシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の参照】
【0001】
本出願は、2019年8月14日に出願された米国仮特許出願第62/886,602号に対して米国特許法119条の下で優先権を主張する。米国特許出願第62/886,602号の開示全体が、引用により本明細書に援用される。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般に、倉庫、保管庫、及び/又は流通環境で用いることが可能な自動材料及び物品取り扱いシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
通信販売の倉庫、サプライチェーン流通センター及び特注品の製造施設で用いられるような現代の材料取り扱いシステムは、在庫物品のリクエストに応じる上で重大な課題に直面している。
一般に、企業は、その初期段階において、少なくとも現在のニーズには十分なレベルの自動化に投資するものである。
しかし、在庫管理システムの規模が、より多数かつ多種の物品を収容すべく拡大するにつれ、在庫管理システムが対象としている梱包、格納、補充及びその他の在庫管理タスクを同時に終えるように在庫管理システムを運用する費用と複雑性も大きくなる。
【0004】
在庫管理施設においてスペース、設備及び労働力のような資源を効率的に活用することができないと、処理量が低下し、応答時間が長くなり、及び、未完了のタスクが未処理のまま増大する結果となる。
施設の既存の自動化インフラストラクチャーの能力を徐々に増大することによって、特に、この増大がよく練られた成長計画に従うものである場合は、一時的には、効率の増大がしばしば達成されるかもしれない。
しかし、遅かれ早かれ、収穫逓減点に直面する。
すなわち、能力及び/又は機能性における更なる増大を達成することは、仮にそのような増大が実現可能であるとしても、利用可能な代替案と比べて、法外な費用がかかるものとなる。
収穫逓減点に達すると、施設の運営者は、既存の材料取り扱いインフラストラクチャーを廃して、このインフラストラクチャーを全く新しい自動化プラットフォームで置き換えることを強いられる可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、材料取り扱い及び/又は格納及び回収プロセスに関する多数の発明の側面を提供する。
【0006】
一態様によると、複数の格納場所を有する格納ラック、フローラックからなる格納集合体にアイテムを運搬する方法が提供される。
この格納集合体にアイテムを運搬する方法は、水平方向に車両を駆動させるための第1駆動システム、及び、第2駆動システムを有する車両を提供するステップを含む。
この車両の一部を受け入れるように構成された開口部を有する可動軌道(可動ラック)が提供される。
そして、前記第1駆動システムは、可動軌道に隣接した場所に、水平面に沿って車両を駆動させるように作動する。
前記車両は、可動軌道の開口部に整列される。
少なくとも、この車両の一部が、開口部内に駆動される。
前記第2駆動システムは、可動軌道を垂直に持ち上げて、この可動軌道を地面から離れて持ち上げるように作動する。
前記第1駆動システムは、格納集合体に向かって水平方向に、可動軌道と一体的に車両を駆動させるように作動する。
前記第2駆動システムは、可動軌道を垂直に上って前記格納場所の1つに隣接した場所に車両を駆動させるように作動する。
アイテムは、車両が格納場所の1つに隣接している間に、車両と格納場所の1つとの間を移動する。
さらに、前記第2駆動システムは、地面に向かって下方へ車両を駆動させるように作動する。
【0007】
他の態様によると、複数の格納場所を有する格納集合体にアイテムを運搬する方法が提供される。
この格納集合体にアイテムを運搬する方法は、複数のステップを含み、水平面に沿って可動軌道に隣接した場所に車両を駆動させるステップを含んでもよい。
前記格納集合体にアイテムを運搬する方法は、車両を動作させて可動軌道を持ち上げるステップを含んでもよい。
選択的に、前記格納集合体にアイテムを運搬する方法は、車両を水平方向に駆動させて可動軌道を格納集合体に隣接した場所に運ぶステップを含む。
さらに、前記格納集合体にアイテムを運搬する方法は、可動軌道に沿って垂直上方に高所へ車両を駆動させるステップを含んでもよい。
さらに、前記格納集合体にアイテムを運搬する方法は、車両が高所にある間に、この車両と格納集合体内の格納場所との間でアイテムを移動させるステップを選択的に含んでもよい。
前記格納集合体にアイテムを運搬する方法は、前記アイテムを移動させるステップの後で、垂直に可動軌道を下って車両を駆動させるステップを含んでもよい。
【0008】
他の態様によると、格納集合体にアイテムを運搬する方法は、格納場所から車両上にアイテムを移動させるステップを含んでもよく、前記格納集合体にアイテムを運搬する方法は、アイテムと一体的に車両を水平に駆動させてアイテムを格納場所の1つから離れた場所に運搬するステップを含む。
【0009】
さらに他の態様によると、格納集合体にアイテムを運搬する方法は、車両を受け入れるように構成されたフレームを含む可動軌道を含んでもよく、前記格納集合体にアイテムを運搬する方法は、車両をフレーム内に駆動させるステップを含んでもよい。
【0010】
さらなる態様によると、格納集合体にアイテムを運搬する方法は、車両の垂直駆動アセンブリを可動軌道の垂直な軌道に動作可能に係合させるステップを含んでもよい。
【0011】
追加的な態様によると、格納集合体にアイテムを運搬する方法は、水平駆動システムを作動させて前記可動軌道と一体的に車両を駆動させるステップの後、車両の垂直駆動アセンブリを作動させて可動軌道を下げるステップを含んでもよい。
【0012】
他の態様によると、格納集合体にアイテムを運搬する方法は、車両を制御して可動軌道を変位させ、この可動軌道を格納集合体に着脱可能に接続するステップを含んでもよい。
選択的に、前記接続するステップは、可動軌道を格納集合体に着脱可能に接続して、少なくも1つの水平軸に沿った前記格納集合体に対する可動軌道の変位を妨げるステップを含んでもよい。
【0013】
さらなる態様によると、この格納集合体にアイテムを運搬する方法は、コネクタを有する可動軌道を含むものであってもよく、車両の水平駆動アセンブリを駆動させて可動軌道を垂直に変位させ、この可動軌道のコネクタを格納集合体に接続するステップを含んでもよい。
【0014】
追加的な態様によると、格納集合体にアイテムを運搬する方法は、車両を制御して可動軌道を格納集合体から取り外すステップを含んでもよい。
選択的に、前記可動軌道を格納集合体から取り外すステップは、可動軌道を垂直に変位させるステップを含む。
【0015】
他の態様によると、格納集合体にアイテムを運搬する方法は、車両の垂直駆動アセンブリを作動させて第1方向に前記垂直駆動システムを駆動させることによって可動軌道を持ち上げるステップを含んでもよい。
【0016】
さらなる態様によると、格納集合体にアイテムを運搬する方法は、車両の垂直駆動アセンブリを作動させて、第1方向の反対側の第2方向に垂直駆動システムを駆動させることによって、車両を垂直に上昇させるステップを含んでもよい。
【0017】
他の態様によると、格納集合体にアイテムを運搬する方法は、車両が上昇する際に、この車両の方向を水平線に対して維持しながら、車両の垂直駆動システムを作動させて、車両を垂直に上昇させるステップを含んでもよい。
前記車両の方向を水平線に対して維持するステップは、垂直駆動アセンブリの複数の要素を同期的に駆動させるステップを含む。
【0018】
他の態様によると、格納集合体にアイテムを運搬する方法は、車両上の移載機構を作動させることによって、車両と格納場所との間でアイテムを移動させるステップを含んでもよい。
前記移載機構を作動させるステップは、格納場所の1つに向かって移載機構を水平に延伸させるステップを含む。
この移載機構は、水平駆動システムに接続されてもよく、前記移載機構を作動させるステップは、水平駆動システムを駆動させるステップを含む。
【0019】
さらなる態様によると、格納集合体にアイテムを運搬する方法は、車両の水平駆動システムを作動させて可動軌道が地面から離れて持ち上げられている間に、車両を水平に駆動させることによって、車両を可動軌道と一体的に駆動させるステップを含んでもよい。
前記可動軌道が地面から離れて持ち上げられている間に車両を水平に駆動させるステップは、格納場所の1つが位置する前記格納集合体の列を特定し、可動軌道における移動開口部が前記列における開口部と整列するように、可動軌道を前記列に合わせるステップを含む。
前記移動させるステップは、移動開口部を通じてアイテムを移動させるステップを含む。
【0020】
本発明は、材料取り扱い及び/又は格納及び回収システムに関する多数の発明の側面を提供する。
【0021】
たとえば、一態様によると、本発明は、格納集合体、車両及び可動軌道を含む材料取り扱いシステムを提供する。
この格納集合体は、アイテムを格納するための複数の高所にある格納場所を含んでもよい。
前記車両は、格納場所にアイテムを運搬し、この格納場所からアイテムを回収するように構成されてもよく、車両は、この車両を水平方向に駆動させるための第1駆動アセンブリと、第2駆動アセンブリとを含む。
前記可動軌道は、車両の一部を受け入れるように構成された開口部を有してもよい。
さらに、この可動軌道は、第2駆動システムと係合するための係合要素を含んでもよい。
第1方向に第2駆動システムを駆動させることが、可動軌道を地面から離れて持ち上げるように機能し、また、第2方向に第2駆動システムを駆動させることが、高所へ垂直上方に車両を駆動させるように機能するように、前記係合要素は、第2駆動システムと連携してもよい。
前記車両は、格納集合体に隣接した場所に、水平面に沿って車両を駆動させるように構成される。
さらに、前記車両が格納場所に隣接した高所にある間に、車両と格納集合体の格納場所との間でアイテムを移動させるように構成された移動手段を含んでもよい。
【0022】
他の態様によると、本発明は、複数のアイテムを格納するための複数の格納場所を有する格納集合体と連携可能な材料取り扱いシステムを提供する。
前記材料取り扱いシステムは、車両と可動軌道とを含んでもよい。
前記車両は、地面に沿って水平に車両を駆動させるように構成された水平駆動アセンブリと、垂直上方に車両を駆動させるように構成された垂直駆動アセンブリとを含んでもよい。
前記車両は、この車両と格納場所との間でアイテムを移動させるための移載機構を含んでもよい。
前記車両は、水平駆動アセンブリと垂直駆動アセンブリに電力を供給するための電源をさらに含んでもよい。
前記可動軌道は、選択的に、車両の垂直駆動アセンブリと連携可能な垂直の軌道と、この垂直な軌道を垂直に配向して支持するように構成され支持構造とを含む。
前記可動軌道は、少なくとも車両の一部を受け入れるように構成された開口部を含んでもよい。
前記車両が可動軌道内の開口部に入り込むとき、前記垂直駆動アセンブリが垂直な軌道と係合すると、第1方向に垂直駆動アセンブリを駆動させることが前記可動軌道を持ち上げるように機能することになるように、前記垂直駆動アセンブリ及び垂直な軌道は、構成され、配置されてもよい。
選択的に、第2方向に垂直駆動アセンブリを駆動させることが、前記軌道を上って高所へ車両を駆動させて、格納場所と車両との間でアイテムの移動を容易にするように機能するようにしてもよい。
さらに、前記支持構造は、車両が垂直な軌道上の高所にあるとき、この車両を支持するように構成されてもよい。
【0023】
さらなる態様によると、材料取り扱いシステムは、車両と、この車両を受け入れる開口部を有する列を形成するフレームを含む支持構造を有する可動軌道とを含んでもよい。
【0024】
さらなる態様によると、材料取り扱いシステムは、可動軌道を格納集合体に着脱可能に接続するためのコネクタを有する可動軌道を含んでもよい。
前記コネクタは、少なくも1つの水平軸に沿って、格納集合体に対する可動軌道の変位を妨げるように構成されてもよい。
さらに、前記コネクタは、可動軌道のフレームと格納集合体との間の相対的な垂直変位が前記コネクタを格納集合体に接続するように、構成されてもよい。
さらに、前記コネクタの格納集合体に対する垂直変位が可動軌道を格納集合体から取り外すように機能することになるように、前記コネクタは、構成されてもよい。
【0025】
さらなる態様によると、材料取り扱いシステムは、可動軌道を垂直に上がって車両を上昇させるための垂直駆動システムを有する車両を含んでもよく、前記垂直駆動アセンブリは、車両が上昇する際に車両の方向を水平線に対して維持するように構成されてもよい。
選択的に、前記可動軌道は、垂直上方に延伸する複数の軌道区画を含み、また、前記垂直駆動アセンブリを同期して作動させることが、前記軌道区画を上がって車両を上昇させて車両の水平配向を維持するように、前記垂直駆動アセンブリは、相互に接続された複数の垂直駆動要素を含む。
【0026】
さらなる態様によると、材料取り扱いシステムは、水平方向に車両を駆動するための水平駆動アセンブリと、移載機構とを有する車両とを含んでもよい。
前記水平駆動アセンブリを駆動させることが、格納場所に向かって車両から移載機構を追い出すように機能するように、前記移載機構は、水平駆動アセンブリの一つと接続されてもよい。
前記材料取り扱いシステムは、前記移載機構を水平駆動アセンブリと選択的に係合させ、解除するためのクラッチを含む。
【0027】
他の態様によると、材料取り扱いシステムは、垂直駆動システムと、支持構造を有する可動軌道とを有する車両を含んでもよい。
前記垂直駆動アセンブリは、車両から外向きに突出してもよく、また、前記支持構造は、前記垂直駆動システムと整列して、車両が前記支持構造に入るのを容易にするように構成された間隙を含んでもよい。
前記可動軌道は、垂直な軌道を含み、この垂直な軌道は、垂直駆動アセンブリと連携するようにそれぞれ構成された複数の歯を含む上部及び下部を有している。
前記上部及び下部は、歯の間に同様のピッチを有してもよく、また、前記下部は、間隔を提供して、垂直駆動が下部の中を通って駆動されるのを容易にするように、隣接する歯の間に間隙を有してもよい。
垂直駆動アセンブリは、歯ピッチを有する複数の平歯車を含み、各平歯車は、軸の周囲を回転可能である。
前記平歯車の軸は、ほぼ平行である。
さらに、前記下部の歯の間の間隔は、前記平歯車の回転軸と平行な線に沿って前記平歯車が水平に移動するとき、この平歯車の歯が前記間隙の間を通るのに十分な間隔を提供する。
前記平歯車の歯先円(addendum circle)が前記軌道内の歯の歯先線(addendum line)と重複するように、平歯車と垂直な軌道は、構成され、配置されている。
さらに、前記垂直な軌道は、上部と下部を含んでもよく、前記上部は、上部歯底(upper root)と、上部歯元のたけ(upper dedendum)とを有する上部歯形を有し、前記下部は、歯の下部歯底(lower root)が前記上部歯底よりも距離を空けて前記垂直駆動アセンブリから内向きに延伸するように、下部歯底と、上部歯元のたけよりも大きい下部歯元のたけ(lower dedendum)とを有する下部歯形を有する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明の詳細な説明は、添付の図面に示す実施形態を参照することができる。
ただし、添付の図面は、この発明の実施形態を示すものに過ぎず、その範囲に限定されない。
【0031】
【0032】
図2Aは、
図1に示す材料取り扱いシステムの自動搬送車両の斜視図である。
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
図2Gは、
図1に示す材料取り扱いシステムの格納ラックの一部の平面図である。
【0039】
【0040】
図2Iは、
図2Hに示す自動搬送車両及び格納ラックの部分拡大図である。
【0041】
図3Aは、3A-3A線にわたる
図2Aの自動搬送車両の断面図である。
【0042】
図3Bは、
図2Aの自動搬送車両の部分的に切欠いた下面図である。
【0043】
図4Aは、4A-4A線にわたる
図2Aの自動搬送車両の断面図である。
【0044】
図4Bは、4B-4B線にわたる
図2Aの自動搬送車両の断面図で、解除位置にあるクラッチ機構を示す。
【0045】
図4Cは、
図4Bの自動搬送車両の断面図で、係合位置にあるクラッチ機構を示す。
【0046】
図4Dは、
図2Aの自動搬送車両の部分的に切欠いた側面図で、第1位置にあるアクチュエータ機構を示す。
【0047】
図4Eは、
図4Dの自動搬送車両の側面図であり、第2位置にあるアクチュエータ機構を示す。
【0048】
;
【0049】
図5Aは、
図1に示す材料取り扱いシステムの可動ラックの側面図である。
【0050】
【0051】
図5Cは、
図5Aに示す可動ラックの一部の部分的に切欠いた部分拡大図である。
【0052】
図5Dは、
図5Aに示す可動ラックの一部の部分拡大図で、持ち上げられた状態にある可動ラックを示す。
【0053】
図5Eは、
図5Bに示す可動ラックの側面図で、持ち上げられた状態にある可動ラックを示す。
【0054】
図5Fは、
図5Bに示す可動ラックの正面図で、高所にある自動搬送車両と一体となった可動ラックを示す。
【0055】
図6Aは、
図1に示す材料取り扱いシステムの可動ラック及びフローラックの拡大透視図である。
【0056】
図6Bは、
図6Aに示す可動ラック及びフローラックの側面図である。
【0057】
図6Cは、
図6Bに示す可動ラック及びフローラックの側面図で、接続状態で示す。
【0058】
図6Dは、
図6Aに示す可動ラック及びフローラックの正面斜視図である。
【0059】
図6Eは、
図6Aに示す可動ラック及びフローラックの平面図である。
【0060】
図6Fは、
図6Eに示す可動ラック及びフローラックの拡大平面図である。
【0061】
図7は、
図1に示す材料取り扱いシステムのラック部分の拡大部分透視図である。
【0062】
図8は、
図1に示す材料取り扱いシステムのラックシステムの通路の正面図である。
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
図12は、複数の自動搬送車両のサブシステムを示すブロック図である。
【0067】
図13は、
図1に示す材料取り扱いシステムの制御装置の略ブロック図である。
【0068】
図面を例示することで、材料取り扱いシステム及び方法を本明細書で説明する。
しかし、対応する機能付属モジュールを用いて在庫管理タスクの各サブセットを実行するための材料取り扱いシステム及び方法は、実施形態や図面に限定されない。
図面及びその詳細な説明は、特定の実施形態を限定することを意図していない。
むしろ、特許請求の範囲によって定義される、対応する機能付属モジュールを用いて在庫管理タスクの各サブセットを実行するための材料取り扱いシステム及び方法の範囲内にあるすべての修正、同等及び代替態様を網羅することを意図している。
本明細書で使用する見出しは、文章構成のためであり、特許請求の範囲を限定することを意図していない。
本明細書で使用される「してもよい」という単語は、強制的な意味(すなわち、必須を意味するもの)ではなく、許容的な意味(すなわち、潜在的可能性を有することを意味するもの)で使用される。
同様に、「含む」という単語は、構成要素を含むことを意味し、構成要素を限定することを意味していない。
【発明を実施するための形態】
【0069】
在庫管理システムにおいて在庫管理タスクを実行するための方法と装置のさまざまな実施形態が記載される。
以下の詳細な説明では、クレームされた主題の十分な理解を与えるため、多数の具体的詳細が記載される。
しかし、クレームされた主題は、これらの具体的詳細なしに実行してもよい。
他の例では、当業者に知られる方法、装置又はシステムは、クレームされた主題を分かりにくくしないように、詳細に記載されていない。
【0070】
後述する詳細な説明の一部は、特定装置、専用計算装置又は専用計算プラットフォームの、メモリに格納されている2値デジタル信号に対する演算のアルゴリズム又は記号的な表象の観点で提示されている。
この明細書の文脈において、特定装置などの用語には、プログラムソフトウェアからの指令に従って特定の機能を実行するようにプログラムされている、汎用コンピュータが含まれる。
アルゴリズム的記述又は記号的な表象は、信号処理又は関連技術の当業者によって、他の当業者にその仕事の内容を伝えるために用いられる技術の例示である。
ここで、アルゴリズムは、所望の結果につながる自己無撞着の一連の演算又は同様の信号処理であり、一般にそのようにみなされている。
この文脈では、演算又は処理には、物理量の物理的処理が含まれる。
必ずではないが、通常、このような物理量は、格納、転送、組み合わせ、比較、又はその他の処理が可能な、電気信号又は磁気信号の形態をとることができる。
主に、一般的に使用されているという理由で、これらの信号を、ビット、データ、値、要素、記号、文字、用語、数、数字などとする。
しかし、これらの用語や同様の用語は、適切な物理量に関係し、単なる都合のよいラベルに過ぎない。
【0071】
特に明記されていない限り、「処理」、「計算」、「判断」などの用語を使用する本明細書の議論では、専用計算機又は同様の専用電子計算装置などの特定の装置の、アクション又はプロセスを指す。
したがって、本明細書の文脈において、専用コンピュータ又は同様の専用電子計算装置は、メモリ、レジスタ、又は他の情報記憶装置、伝送装置、専用計算機又は同様の専用電子計算装置の表示装置内の、物理的な電子量又は磁気量として通常表現される信号を処理又は変換可能である。
【0072】
次に、本発明について詳細に言及し、その例を添付の図面に示す。
可能な限り、同じ参照符号が、同一または同様の部品を参照するために、図面全体にわたって使用される。
【0073】
ここで、
図1を参照すると、アイテムを格納し回収するための設備である材料取り扱いシステムは、概して10で示されている。
アイテムを格納し回収するための設備である材料取り扱いシステム10は、格納ラック800又はフローラック600からなる格納集合体に配置された格納エリアのような、複数の格納場所の1つにアイテムを運搬し、及び/又は、複数の格納場所の1つからアイテムを回収するための1つ以上の運搬機構を含む。
そして、この運搬機構は、アイテムを運ぶ1つ以上の車両200を含んでもよい。
たとえば、車両200は、格納ラック800内の格納場所820からアイテムを回収し、また、オペレータが車両200からアイテムを回収することができる作業所500にアイテムを運搬してもよい。
そして、この車両200は、格納ラック800内の格納エリアに戻って、オペレータによって回収されなかった残りのアイテムを格納してもよい。
車両200は、それから、別の格納エリアまで進み、回収される次のアイテムを取得することができる。
このように、材料取り扱いシステムは、アイテムをオペレータに渡すことができるように、さまざま格納エリアにアイテムを格納し、さまざま格納エリアからアイテムを回収するための機構を有してもよい。
軌道などの案内は、車両200が垂直に格納ラック800を上ってこの格納ラック800からアイテムを回収できるように、格納ラック800に隣接して配置されてもよい。
材料取り扱いシステムは、車両200によって運ばれるように構成された可動ラック700を含んでもよい。
この車両200は、可動ラック700を格納ラック800に隣接した位置に運んでもよい。
車両200は、それから、可動ラック700を垂直に上って、車両200と格納ラック800内の格納場所820との間でアイテムを運んでもよい。
【0074】
この材料取り扱いシステム全体のさまざまなアイテム及びサブアセンブリは、単独で、又は、図面に示され、以下に記載されている材料取り扱いシステムとは異なる構造又は動作を有する材料取り扱いシステムと組み合わせて、使用することができる。
【0075】
図1および
図7に示すように、材料取り扱いシステムは、1つ以上の格納ラック800を組み込んでもよい。
各格納ラック800は、複数の格納場所820を含んでもよい。
格納場所820は、1つ以上の垂直列810に配列されてもよい。
図1は、複数の格納ラック800を示し、また、各格納ラック800は、複数の垂直列810を含んでもよく、各垂直列810は、複数の格納場所820を含む。
また、この材料取り扱いシステムによって取り扱われるアイテムは、格納場所820に直接格納されてもよい。
アイテムは、容器又はトート55に格納されてもよく、格納場所820は、
図1及び
図7-
図9に示すように、トート55を格納するように構成されてもよい。
したがって、以下の説明では、トートと言及するとき、このトートとの用語は、単に必ずしもコンテナに収容されないアイテムであることはもちろんのこと、1つ以上のアイテムを収容するためのコンテナを含む。
この材料取り扱いシステムは、トートを用いるものとして記載されているが、パレット又は同様のプラットフォームのような多種の格納機構のいずれかを用いることができる。
<車両>
【0076】
図2A-
図2Iは、
図1に示す車両200の1つの詳細を示している。
上述のように、材料取り扱いシステムが車両200を組み込む場合、車両200の構造は変わる可能性がある。
したがって、後述される車両200の特徴のそれぞれは、用途に応じて変更され、除去される可能性がある、選択的な特徴である。
【0077】
車両200は、この車両200を駆動するための車載用電源を含む、自律システムであってもよい。
また、車両200は、中央制御装置450のような、各車両200と制御要素との間で制御信号を無線で受信し送信するための通信システムを含んでもよい。
このように、車両200は、アイテムを回収する位置、及び、車両200がアイテムを運搬する位置に関する制御信号を受信してもよい。
【0078】
ここで、
図2A乃至
図2Iを参照すると、本実施形態に従って製作され、
図1に示す材料取り扱いシステムにおいて在庫管理タスクを実行するように構成された自動搬送車両200が示されている。
各自動搬送車両200は、車載用電源のみならず、第1モータ式駆動システム及び第2モータ式駆動システムを有する自動搬送車両であってもよい。
【0079】
また、車両200は、水平方向に車両200を駆動するための水平駆動アセンブリを含んでもよい。
そして、この水平駆動アセンブリは、軌道に沿って、又は、床面のような開放水平面に沿って車両200を駆動させるように構成されてもよい。
たとえば、水平駆動アセンブリのための一選択肢は、車輪又はローラのような複数の回転可能な要素を含む。
この回転可能な要素の向きを変えるために、1つ以上の駆動機構が提供されてもよい。
さらに、回転可能な要素は、左右に向きを変えて、車両を操舵してもよい。
【0080】
図2A-
図4Eに示す車両200は、水平方向に車両200を駆動させるための水平駆動アセンブリを含む。
そして、この水平駆動アセンブリは、軌道に沿って、又は、床面のような開放水平面に沿って車両200を駆動させるように構成されてもよい。
たとえば、水平駆動アセンブリの一選択肢は、車輪又はローラのような複数の回転可能な要素を含む。
そして、この回転可能な要素の向きを変える1つ以上の駆動機構が提供されてもよい。
さらに、回転可能な要素は、左右に向きを変えて、車両を操舵してもよい。
【0081】
上述のように、車両200は、車両200の進行方向を制御するための多種の操舵機構のいずれかを有してもよい。
たとえば、任意の操舵機構は、実質的に前進することなく車両200の方向を変えることができるゼロ旋回機構である。
このゼロ旋回機構は、車両200を貫通して延びる垂直軸の周りで車両200を回転させるための手段を提供する。
【0082】
このゼロ旋回機構は、車両200の片側の車輪又はローラを、車両200の反対側の車輪又はローラと異なる速度で回転できるようにするリンク機構を含む。
このリンク機構は、車両200の片側の車輪又はローラを、車両200の反対側の車輪又はローラと異なる方向に回転できるようにする。
このように、車両200の片側の車輪又はローラの速度及び/又は回転方向を、車両200の反対側の車輪又はローラの速度及び/又は回転方向に対して変化させることによって、ゼロ旋回機構は、進行方向を変えて、車両200を操舵する。
【0083】
たとえば、
図2A-
図4Eに示すように、車両200は、車軸の周囲など、第1軸の周囲を回転可能な複数のローラ252、254、256から形成された水平駆動アセンブリを有してもよい。
さらに、各ローラ252、254、256は、単軸の周囲の回転に制限されてもよい。
たとえば、水平駆動アセンブリは、一対の中央ローラ252a、252b並びに第1組の外側ローラ254a、254b及び第2組の外側ローラ256a、256bを含んでもよい。
そして、第1組の外側ローラ254a、254bは、中央ローラ252a、252bの前方に配置されてもよく、第2組の外側ローラ256a、256bは、中央ローラの後方に配置されてもよい。
また、外側ローラ254a、254b及び外側ローラ256a、256bの各組は、
図2Eに示すように、車両200の各側の一対のローラを含んでもよい。
【0084】
図2C及び
図2Fを参照して、水平駆動システムの詳細を説明する。
しかし、水平駆動システムを提供するために、多種の要素及び構成を組み込むことができる。
したがって、以下の説明は、水平駆動システムの一例に過ぎない。
図2Cに示すように、車両200は、倉庫又は流通センターの床面のような下層支持面S上で車両200を進ませるような寸法にされ、配置される。
図2Cの実施形態では、第2駆動システムは、車両200の第2駆動モータ250aと、車両200の第3駆動モータ250bとを含む。
そして、第2駆動モータ250a及び第3駆動モータ250bのそれぞれの相対速度及び/又は回転方向を動的に制御することによって、車両200は、
図2Fに示す面Sのような下層支持面S上で、いかなる方向にも駆動することができる。
【0085】
図2Cを参照すると、車両200の第2駆動システムは、第2駆動モータ250aによって第1回転軸A1の周囲を回転する第1駆動要素252と、第3駆動モータ250bによって第2回転軸A2の周囲を回転する第2駆動要素252bとを含む。
これらの第1駆動要素252a及び第2駆動要素252bのそれぞれは、下層支持面S上での車両200の移動のために、各々、下層支持面Sの各部分と係合するような寸法にされ、配置される。
図2C及び
図2Fに示す車両200において、第1回転軸A1及び第2回転軸A2は、同軸であり、第1駆動要素252a及び第2駆動要素252bは、平坦な水平面によって支持される。
この車両200の第2駆動システムは、第1組の車輪254a、254b及び第2組の車輪256a、256bからなる複数の全方向車輪を選択的に含む。
この全方向車輪は、第1組の車輪254a、254b、第2組の車輪256a、256bのそれぞれが、車軸258a、258bのような、対応する駆動軸とそれぞれ固定された状態で、下層支持面S(
図2F)の各部分と摩擦係合するような寸法にされ、配置されてもよい。
【0086】
図2C及び
図2D乃至
図2Fを特に参照すると、車両200は、シャフトから垂下する一連のガイド233、235を組み込んでもよい。
これらのガイド233、235のそれぞれは、シャフトの下部に回転可能に取り付けられる。
車両200は、下層支持面S上で操作され、割り当てられた在庫管理タスクを実行する過程で車両200が入ることができる1つ以上の他の構造と整列されるので、ガイド233、235は、車両200の整列を容易にする。
図2Cでは、例えば、ガイド233、235のいくつかが、車両200の長手方向の中心線Lに沿って配列されている。
図2Eは、断面図で示され、下層支持面S上に載置された1組の平行なレール内におけるガイド233の整列を示している。
一適用例において、レールR1及びレールR2は、
図8-
図10に示すように、垂直に配列された格納セルの下方で車両200が入り、出て及び/又は動かされる経路に沿って、配列される。
【0087】
図2A及び
図2D-
図2Fを参照すると、車両200の垂直駆動システムは、軌道のような垂直ガイドに沿って車両200を運ぶように駆動する垂直駆動ギア220のような複数の駆動要素を選択的に含む。
この垂直駆動ギア220は、2つの平行で離間した駆動軸215(
図2F参照)に取り付けられ、垂直駆動ギア220のうちの2つが車両200の前縁に沿って配置され、この垂直駆動ギア220のうちの2つが車両の後縁に沿って配置される。
【0088】
ここで、
図3A及び
図3Bを参照すると、
図3Aは、
図2Aの3A-3A線にわたる断面視による、
図2A-
図2Fの自動搬送車両の前方からの正面図であり、そして、
図3Bは、
図2A-
図2Fの自動搬送車両の底面図である。
図3Aで見るように、第1駆動システムは、1組の内側の遊び滑車224a、224b、及び、各駆動ベルト226a、226bが駆動すると、同じ駆動軸に取り付けられた垂直駆動ギア220を回転させ、それによって(軌道の駆動面に沿って)列内で垂直方向に車両を進ませる1組の外側の滑車222a、222bをさらに含む。
そして、前記遊び滑車224a、224bは、車軸に対して自由に回転し、駆動ベルト226a、226bの張力を維持する。
各外側の滑車222a、222bは、それぞれが取り付けられる駆動軸215に対して固定される。
第1駆動システムは、車載の第1駆動モータ230(
図3B)によって回転する1組の反転ギア228a、228bをさらに含む。
このように駆動して、駆動ベルト226a、226b及び外側の滑車222a、222bを駆動させ、外側の滑車222a、222bのこの回転動作が、対応する駆動軸215に取付けられた垂直駆動ギア220を回転させる。
したがって、車両200が垂直に移動すると、ギア220が車両200の重量と車両200上のあらゆるアイテムを支える
【0089】
図3A及び
図3Bの実施形態では、駆動軸215が、それらの間隔が互いに固定されたままとなるように、筐体232内に回転可能に取り付けられる。
簡潔に説明されるように、いくつかの実施形態による、駆動軸215間の固定された間隔は、垂直に配列された格納エリア(
図1)の間を延伸し、その中にガイドシステムが取り付けられる列に車両200が入る前に、ガイドシステム(たとえば、軌道)との整列ステップを必要とする。
【0090】
代替的な実施形態では(図示せず)、垂直駆動ギア220及び駆動軸215が正確な整列の要件を緩和するように内側に移動することを許容し、さらに、垂直駆動ギア220又はガイドシステムに対するあらゆる損傷のリスクも排除する態様で、垂直駆動ギア220及び駆動軸215のような第1駆動システムの要素が、筐体232内に取り付けられてもよい。
後者の複数の実施形態では、かなりの積載量があると見込まれる車両200は、駆動軸215間の間隔を一時的に狭めるモータ駆動手段を必要としてもよく、それによって格納エリア間の列に車両200を入り込ませる。
【0091】
図3A及び
図3Bを引き続き参照して、駆動ベルト226a、226bを駆動させて、両方の駆動軸215と、対応する垂直駆動ギア220とを同期的な態様で回転させるように、第1駆動モータ230が、反転ギア228a、228bと動作可能なように接続される。
このように、車両200用の第1駆動システムは、軌道又は他の案内システムに対して垂直な方向で車両200を同期的に駆動させるように構成されている。
特に、各垂直駆動ギア220は、駆動軸215に対する垂直駆動ギア220の回転を実質的に妨げる態様で、駆動軸215の1つの端に接続される。
このように、各駆動軸215は、同期的な態様で、取り付けられた2つの垂直駆動ギア220を駆動させる。
さらに、4つの垂直駆動ギア220すべてが同期的な態様で駆動するように、両方の駆動軸215が同期的な態様で駆動する。
【0092】
単一の第1駆動モータ230が、両方の駆動軸215を駆動するのに用いられる。
外側の滑車222a、222bは、駆動軸215に剛結合されて、外側の滑車222a、222bの駆動軸215に対する回転を防ぐタイミングプーリとして機能する。
同様に、タイミングプーリ(図示せず)は、第1駆動モータ230によって駆動する反転ギア228a、228bに接続される。
駆動ベルト226aは、外側の滑車、すなわち、タイミングプーリ222aを、反転ギア228aを通じて第1駆動モータ230によって直接的に駆動するタイミングプーリに接続し、さらに、駆動ベルト226bは、外側の滑車、すなわち、タイミングプーリ222bを、反転ギア228bを通じて第1駆動モータ230によって間接的に駆動するタイミングプーリに接続する。
駆動ベルト226a及び226bは、第1駆動モータ230の回転が駆動軸215の回転と正確に関連付けられるように、それぞれ、タイミングベルトである。
【0093】
図3A及び
図3Bで示す単一モータ配置の他に、駆動軸215を同期的に駆動するのに用いることができる、さまざまな他の機構が存在する。
たとえば、駆動軸を駆動させるのに一対の駆動モータを用いることができ、また、一対の駆動モータを同期することができる。
第1駆動モータ230は、第1駆動モータ230の回転を検知し、それによって車両200が進んだ距離を決定するように作動可能なセンサを含む。
垂直駆動ギア220は、第1駆動モータ230と同期的に接続される軸に剛結合されるので、車両200が移動する垂直距離は、第1駆動モータ230が変位する距離と相関するように制御される。
たとえば、センサは、ホールセンサのようなセンサでもよい。
このセンサは、第1駆動モータ230の回転を検知し、中央プロセッサに信号を送り、中央プロセッサは、経路及びセンサが第1駆動モータ230のために検知した回転に関する既知情報に基づいて、指定された経路に沿って車両200がどれくらい進んだかを決定する。
【0094】
車両200は、この車両200と、格納場所820のなどの行き先との間で、アイテムを移動する選択的な移載機構を含んでもよい。
【0095】
たとえば、この移載機構210は、車両200のプラットフォーム面と、複数の行き先エリア810の1つとの間で、アイテムを移動するように動作可能であってもよい。
図2Aに示すように、プラットフォーム面は、概して211で示される複数のローラの外表面によって選択的に定義される。
【0096】
そして、前記移載機構210は、アイテムを車両200に積み、車両200からアイテムを格納エリアの1つに降ろす多種の機構のいずれかであってもよい。
さらに、移載機構210は、特定の用途に特に合わせられてもよい。
この移載機構210は、格納場所820に格納されたアイテムと係合し、アイテムを車両200に乗せるように構成された1つ以上の変位可能な要素を含む。
より具体的には、車両200は、格納場所820でトートに向かって移動し、着脱自在にトートと係合するように構成された1つ以上の変位可能な要素を含む。
変位可能な要素がトートに係合した後、各変位可能な要素は格納場所820から離れて変位し、それによってトートを車両200に乗せる。
【0097】
そして、移載機構210の変位可能な要素は、バー、ロッド又はたとえばトートのなどの、アイテムと係合するように構成された他の要素のような、多種のアイテムのいずれかであってもよい。
たとえば、
図2A、
図2B及び
図2G乃至
図2Iを参照すると、移載機構210は、1つ以上の変位可能なピン212a、212bを含んでもよい。
さらに、移載機構210は、ピン212a、212bを変位させる駆動要素を含んでもよい。
たとえば、移載機構210は、駆動ベルト又は図示された駆動チェーン214a、214bのような無端搬送体の形態の2つの駆動要素を含む。
そして、前記各ピン212a、212bは、車両の長手方向の中心線に向かって突出し又は内側に延伸する。
移載機構210は、望ましくは、トートの1つと連携して、着脱可能にトートと係合するように構成される。
たとえば、ピン212a、212bは、移載機構210がトートと係合できるように、トート上の窪みと接続するように構成される。
しかし、移載機構210は、移動して車両200に積まれ、車両200から降ろされるアイテムと係合するための多種の要素のいずれかを含んでもよい。
【0098】
車両200は、移載機構210を駆動するための1つ以上の駆動要素を含む。
この車両200は、移載機構210を駆動する1つ以上のモータを含む。
たとえば、車両駆動システムの1つ以上のモータは、駆動チェーン214a、214bを駆動させて、格納場所820に向けて又は格納場所820から駆動チェーン214a、214b及びピン212a、212bを選択的に移動してもよい。
【0099】
そして、前記車両200が格納場所820に近づいてトートTを回収する際に、ピン212a、212bがトートTの底面の溝又は切り欠きの下にあるように、駆動チェーン214a、214bは、格納場所820に向かって変位可能なピン212a、212bを駆動してもよい。
図2Iに示すように、ピン212a、212b(又はバー)が溝又は切り欠きに配置されるまで、車両200は、上方に短い距離を進む。
駆動チェーン214a、214bは、それから、ピン212a、212bが格納場所820から離れるまで、反転する。
そして、これらのピン212a、212bが格納場所820から離れる際に、ピン212a、212bは、切り欠き内でトートTと係合するので、トートTは車両200の表面に乗せられる。
このように、移載機構210は、格納場所820からアイテムを回収するように作動可能である。
同様に、
図7の場所820のような格納場所にアイテムを格納するために、移載機構210の駆動チェーン214a、214bは、アイテムが格納場所820に位置するまで、格納場所820に向かってピン212a、212bを駆動させる。
車両200は、それから、下方に移動して、トートTからピン212a、212bを外し、それによってトートTを解放する。
【0100】
図2Hに見られるように、トートT1及びT2のような2つ以上のトートは、それぞれ、概して283a、283bで示されている組み合わせコネクタを用いて、連結され、互いに分離されてもよい。
トートT1及びT2は、車両200の一連の持ち上げ動作及び分離動作を通じて、連結され、互いに分離されてもよい。
移載機構210は、前向きの(“先頭の”)トートT1を、車両200によって完全に支持されるように、ローラ211(
図2G)に乗せるように作動してもよい。
もし、トートが着脱可能に接続されていると、この乗せる動作は、背向するトートT2(すなわち、先頭のトートT1のすぐ後についているもの)を、通路に面する場所に進ませる。
車両200の第1駆動機構は、それから、車両200が先頭のトートT1を背向するトートT2から分離するのに十分な垂直距離を進むように作動する。
そして、分離が完了すると、第2駆動システムが再び作動し、先頭のトートT1を車両200の中心に置く。
【0101】
車両200は、移載機構210を駆動させるための別個の駆動要素を含んでもよい。
この移載機構210は、車両200の水平要素又は駆動要素の1つと相互に接続されてもよい。
具体的には、駆動システムが、車両200の駆動と、移載機構210の駆動との間で、選択的に動作可能であるように、移載機構210は、駆動システムの1つと接続されてもよい。
【0102】
たとえば、この移載機構210は、選択的に、第1の配向において駆動システムが車両200を水平に駆動させ、また、第2の配向において駆動システムが移載機構210を駆動させるような選択可能な接続を有する水平駆動システムの1つと接続されてもよい。
図2C、
図3B及び
図4A乃至
図4Gを参照すると、車両200の実施形態が示されている。
車両200は、選択的なクラッチ機構400(
図4B及び
図4C)をさらに含む。
このクラッチ機構400は、係合され(
図4C)及び解除されて(
図4B)、それぞれ、水平駆動システムの第1駆動モータ230から移載機構210まで、動力の伝達を開始し及び終了することが可能であり、それによって、第2駆動システムが、移載機構210から独立して作動してもよい。
このクラッチ機構400は、車両200の長手方向の中心線に対して対称的に配置された2つのクラッチ組立部品として構成されてもよく、これら2つのクラッチ組立部品は、
図2C及び
図3Bに、概して400a、400bで示されている。
図4B及び
図4Cには、第1クラッチ組立部品400aが、確認でき、第1回動可能搬送体410を含む。
さらに、第2クラッチ組立部品400bは、第1クラッチ組立部品400aと実質的に同様に製作され、それ自体、第2回動可能搬送体412(
図2C参照)を含む。
【0103】
図4Bで見るように、第1クラッチ組立部品400aは、第1位置と第2位置との間で回動可能な第1回動可能搬送体410のような、回動可能搬送体を含む。
第1クラッチ組立部品400aは、第1位置と第2位置との間で第1クラッチ組立部品400aを作動させるための駆動機構を含んでもよい。
第1回動可能搬送体410は、第2位置に向かって付勢されてもよい。
たとえば、第1回動可能搬送体410は、第2位置に向かって付勢され、また、付勢要素は、車両200の重量が付勢要素の付勢に打ち勝って第1回動可能搬送体410を第1位置に回動させるのに十分なように構成されてもよい。
具体的には、第1回動可能搬送体410は、車両200の全重量が車輪254a、254b、256a、256b、252a及び252bに分散されながら、下層支持面Sに対して第1角度方向に維持される。
図4Cは、持ち上げられた状態にある車両200を示し、この状態で、付勢要素がクラッチを第2位置に向かって付勢するように、車両200の重量が解放されている。
具体的には、車両200が下層支持面Sから離れる方向に垂直に移動する際に、第1回動可能搬送体410、第2回動可能搬送体412は、圧縮されたコイルばね414によって第2角度位置へと促され、第2角度位置は、
図4Cに示されている少なくとも寸法g1の、下層支持面Sより上の高さに車両200が到達したときに達される。
図4Bを参照すると、第1伝達駆動要素280は、第1回動可能搬送体410に回転可能に連結され、第1無限ループ要素284は、第1伝達駆動要素280に回転動力を伝達する。
第1無限ループ要素284は、チェーン又はベルトのような多種の動力伝達要素のいずれかであってもよい。
たとえば、第1無限ループ要素284は、ベルトである。
【0104】
第1被駆動要素、すなわち、第1伝達駆動要素280は、車両200の第2駆動モータ250aによって駆動される滑車又はギアであってもよい。
同様に、第1クラッチ組立部品400aは、車両200の第3駆動モータ250bによって駆動してもよい。
第1伝達駆動要素280は、第1無限ループ要素284と係合して、第3駆動モータ250bが回転するときはいつでも、第1被駆動要素、すなわち、第1伝達駆動要素280を駆動させる寸法にされ、配置される。
つまり、クラッチ機構組立部品、すなわち、第1クラッチ組立部品400a及び第2クラッチ組立部品400bが係合して、移載機構210を駆動させるか否かにかかわらず、第1被駆動要素280及び第2被駆動要素270は、それぞれ、第2駆動モータ250a及び第3駆動モータ250bと一緒に回転する。
【0105】
そして、車両200が寸法H(
図4C)だけ下層支持層Sに対して持ち上げられているとき、第2駆動モータ250a及び第3駆動モータ250bは、移載機構210と係合するように連結される。
このように持ち上げられることで、第1回動可能搬送体410は、
図4Bに示す第1角度方向から
図4Cに示す第2角度方向に回動する。
図4Bに示す第1位置では、第1伝達駆動要素280は、駆動要素282から離間している。
駆動要素282は、移載機構210と接続され、移載機構210を駆動させる駆動力を提供する。
そして、前記第1伝達駆動要素280が駆動要素282から離間した第1位置では、移載機構210のための駆動要素282は、第2駆動モータ250a及び第3駆動モータ250bから切断される。
図4Cに示す第2位置では、移載機構のための駆動要素282が第2駆動モータa又は第3駆動モータ250bと接続するように、伝達ギア、すなわち、第1伝達駆動要素280が回動して駆動要素282と係合する。
【0106】
図4A乃至
図4Cに示すように、第1クラッチ組立部品400a、第2クラッチ組立部品400bが第1位置から第2位置に回動すると、移載機構210a、210bのための駆動要素282は、第2駆動モータ250a、第3駆動モータ250bと接続される。
第2駆動モータ250a、第3駆動モータ250bは、第1スプロケット290a、290bを回転させる。
第1スプロケット290a、290bは、第1駆動チェーン214a及び第2駆動チェーン214bに、ピン212a(
図4A)及びピン212b(
図4B)を、車両200に又は車両200から移動されるコンテナに向かって移動させ、又は、コンテナから離れさせる。
図4Bに示すように、車両200の車輪が再び下層支持面S上に位置するとき、駆動要素282は、再び分離される。
その結果、車両200の第2駆動モータ及び第3駆動モータが下層支持面S上で車両200を進ませる継続的な動作は、移載機構210に影響を与えなくなる。
【0107】
車両200は、上述のトートとは異なるアイテムを積み降ろすように構成されるのが望ましい場合がある。
たとえば、多種の箱、カートン、トレーなどのいずれか又はこれらのあらゆる組み合わせを積み降ろすように作動可能に車両200を構成するのが望ましい場合がある。
こうしたアイテムは、代替的な又は付加的な荷降ろし補助手段を組み込んだ移載機構210によって収容される。
図2G及び
図4A乃至
図4Bを参照すると、スプロケット290の回転が、第1駆動チェーン214a、第2駆動チェーン214bに従動スプロケット217を駆動させ、従動スプロケット217のそれぞれが、ローラ211(
図2G)のような、対応するローラの1つを回転させることがわかる。
従動スプロケット217の組が回転する方向は、移載機構210のローラ211が作動して、アイテムの積み降ろしを補助するか否かを決定する。
【0108】
図4D及び
図4Eは、
図2A-
図2Fの自動搬送車両200の側面図であり、第1位置(
図4D)と第2位置(
図4E)との間で選択的に移動可能な、動力付与部材402を有する選択的なアクチュエータ機構400を示すために、側面の外側カバープレートは、省略されている。
図4Fは、
図4D及び
図4Eに示すアクチュエータ機構400の拡大図であり、動力付与部材402は、第1動力非付与位置にある。
図4Gは、
図4D乃至
図4Fに示すアクチュエータ機構の拡大図であり、その動力付与部材402は、第2動力付与位置にある。
【0109】
図4Fの議論において前述のように、車輪220は、
図2Fに示す駆動軸215のような2つの平行で離間した駆動軸に取り付けられて、車輪220のうちの2つが車両の前縁に沿って配置され、車輪220のうちの2つが車両200の後縁に沿って配置される。
選択的なアクチュエータ機構400は、各駆動軸215のねじ部404と、搬送体406の各組とを含む。
各搬送体406は、駆動軸215のねじ部404を受け入れるような寸法にされ、配置された、対応してねじ切りされた穴を有し、また、1組の動力付与部材402の1つを持っている。
この動力付与部材402は、複数のローラであり、駆動軸215によって定められる軸に対して横向きである回転軸の周囲を搬送体406内で自由に回転可能である。
【0110】
そして、この動力付与部材402は、動力付与部材402を駆動させる専用モータを必要とせずに、作動可能であってもよい。
第1駆動モータ230(
図3B)の回転は、駆動軸215を回転させ、駆動軸215の連続が搬送体406のさらなる移動を生み出さないようになる停止位置に搬送体406が出会うまで、搬送体406を前進させる。
図4Gに示すように配置されているとき、各動力付与部材402は、たとえば、車輪252a、車輪252bが、それぞれ、第2駆動モータ250a及び第3駆動モータ250bによって駆動している間のようなときに、車輪の1つの面に垂直抗力を及ぼす。
そして、前記動力付与部材402のそのような作動は、車輪252a及び車輪252bの摩擦接触を増加させ、それによって車両200が車輪252a及び車輪252bの下層支持面Sを横切って移動する際に(
図4G)、より良い方向制御を提供する。
車輪252a及び車輪252bは、車両200が格納エリア215の配列の外側にある間に必要とされるにすぎないので、第1駆動モータ230及び駆動軸215は、2つの目的を果たすことができる。
【0111】
図3B及び
図4D乃至4Gを引き続き参照すると、車両200は、第1組のモータ駆動式の全方向ローラと、第2組のモータ駆動式の全方向ローラとを含み、各組の第1全方向ローラは、第1回転軸の周囲を回転するような寸法にされ、配置され、各組の第2全方向ローラは、第2回転軸の周囲を回転するために駆動し、第5ローラが、第1駆動モータ230及び第2駆動モータ250aの1つによって駆動し、第1位置から第2位置に移動可能なアクチュエータ機構400が下層支持面Sに向かった方向に選択的に第5ローラを促し、第1及び第2組の全方向ローラのそれぞれの面及び第5ローラの面が、アクチュエータ機構400が第1位置に維持されている間、下層支持面Sに接触するような寸法にされ、配置され、アクチュエータ機構400の第2位置への移動が、1つ以上の全方向ローラから第5ローラに荷重を移動させる。
【0112】
そして、前記車両200は、連続する充電レールに沿った接触のような外部電源95によって、又は、代替的に電磁誘導電力伝送コイルを使用して、いずれかが車両200を駆動させるのに必要とされる電力を提供するのに用いられて、電力が供給されてもよい。
しかし、この車両200は、第1駆動モータ230と、第2駆動システムを駆動させる第2駆動モータ250a及び第3駆動モータ250bの両方に電力を提供する車載用電源を含む。
この車載用電源は、充電可能であってもよい。
その点については、電源は、充電可能な電池、キャパシタ240(
図3B)の一揃いのようなウルトラキャパシタ又はこれらの組み合わせのような電源を含んでもよい。
たとえば、ウルトラキャパシタは、充電動作において、非常に高い電流量を許容することができる。
高電流を用いることによって、ウルトラキャパシタは、適切な電池を充電するのに必要とされる可能性のある時(hours)と較べて、秒(seconds)又は分(minutes)で計測可能な、比較的、非常に短い間に充電可能である。
一方で、1台以上の車両を作動させるプロセスの一部として、放電した電池を充電した電池で置き換えるプロセスを自動化するように備えることができる。
【0113】
充電レールが用いられる場合、車両200は、電源を充電する1つ以上の接点を含んでもよい。
車両200は、ブラシが外側に付勢されるように、ばねで留められた銅ブラシのような複数のブラシを含んでもよい。
このブラシは、以下で説明するように、充電レールと連携して、電源を充電する。
たとえば、1組の充電レールは、車両200が一連の1つ以上の格納及び/又は回収タスクの間に移動する列に沿って配置されてもよい。
あるいは、垂直な及び/又は水平な充電レールが、作業所500の近くに配置された充電ステーション内に配置されてもよい(
図7)。
【0114】
充電レールは、電源に接続された導体片である。
車両200の充電用接点は、導体片と係合して、ウルトラキャパシタを再充電する。
具体的には、ブラシの付勢手段が、充電用接点に向かって外側にブラシを付勢する。
充電用接点を通じて流れる電気は、一連の在庫管理タスク又はサブタスクの間に消費される電力量に応じて、秒又は分で計測可能な間隔でウルトラキャパシタを充電することができる、高い電流量の低電圧源を提供する。
【0115】
電源としてウルトラキャパシタを利用する車両200は、積み込み列内を進むたびに、及び/又は、在庫管理タスクを実行する過程で通る経路に沿って配置された充電ステーションを利用するたびに、再充電してもよい。
【0116】
各車両200は、アイテムが車両200に積まれたことを検知する1つ以上の荷重センサを含んでもよい。
荷重センサは、アイテムが車両200上に適切に配置されているか確認する。
たとえば、荷重センサは、重量の変化を検出する力検出器又は車両200上のアイテムの位置を検出する赤外線センサを含んでもよい。
【0117】
車両200は、半自律的又は代替的に完全に自律的であってもよい。
後者の点については、絶対座標で自動搬送車両200の実際の位置を連続的に決定し、及び、航行パラメータ(たとえば、X、Y及び進行方向)を初期化して累積誤差を空値にし、それによって車両を再参照する目的で、多数の非接触システムが提案されている。
これらのいずれかが、本開示の実施形態と一致する在庫管理システムにおける自動搬送車両200のための位置参照の実施に利用されてもよい。
このような参照システムは、事実上、超音波、無線周波数(RF)又は光学的なものとなり得、超音波及び光学は屋内の状況に特に適している。
これら後者2つのカテゴリーでは、光学システムは、より正確であり、商業的な実務において、より広く採用されている。
【0118】
位置検出システムは、予め定められ実測された現場に巧妙に配置された固定ロケーションと連携して作動するスキャン機構を利用する。
このようなスキャン機構は、固定能動ビーコンエミッタ付きのスキャン検出器、受動再帰反射性目標付きの走査エミッタ/検出器、能動トランスポンダ目標付きの走査エミッタ/検出器、及び、固定検出器目標付きの回転エミッタを含んでもよい。
【0119】
そして、前記車両200は、走査型レーザ三角測量スキーム(SLTS)により、車両200の車載型自立航法システムに位置の更新情報を提供してもよい。
たとえば、1分間あたり2回転で回転するレーザエミッタは、車両200からおよそ15メートル離れた既知の位置にある壁又は支柱に貼り付けられた受動再帰反射性バーコード目標を照らす。
このバーコードは、参照目標を積極的に特定し、動作領域内で他の反射面からの誤った戻りによる曖昧さを取り除くのに用いられる。
各車両200の車載型コンピュータは、単純な三角測量によってX-Y位置の更新情報を算出し、累積誤差を空値にする。
【0120】
各車両200は、選択的に、範囲及び角度方向の両方を各車両200が決定することができる態様で、動作領域中に分配された再帰反射性目標を利用してもよい。
たとえば、車両200上のサーボ機構で制御される回転鏡は、選択的に、たとえば20Hzの更新レートで、90度の水平弧によって、近赤外線のレーザ光線を全面的に動かしてもよい。
レーザ光線が既知の寸法の目標をさっと走査すると、有限の持続時間の帰還信号が検出器によって感知される。
再帰反射性目標がすべて同じ大きさである場合は、近い目標によって生成された信号は、遠くの目標からのものよりも長い持続時間となる。
スキャナが、右から、反射信号の検出がタイミングシーケンスを終わらせる左へと、首を振り始めると、角度測定が開始される。
【0121】
車両200に採用される可能性のある、さらに別の位置参照技術としては、レーザを利用した走査ビーコンシステムが、反射板付きの協調電子トランスポンダを用いて車両位置と進行方向を算出することがある。
このようなスキャン機構は、インクリメンタル方式光学エンコーダの垂直軸に対して、たとえば、45度の角度で取り付けられた回転鏡を含む。
方位角の正確性を改善するために、選択的に、タイマーが、エンコーダによるカウントの間を補間する。
扇形のレーザ光線は、でこぼこした床面を横切りながら遠距離の目標検出を確かにするため、4度の広がり角で垂直に発散する。
各目標は、一意的に符号化され、多くの(たとえば、32個の)目標は、車両200のX-Y位置が100ミリ秒ごとに算出されて、単一走査で処理されることができる。
【0122】
各車両200は、施設内の自身の位置の内蔵マップをメモリに保持してもよい。
さらに、各車両200は、走行平面上の位置、速度、角度方向のようなデータを含む信号を中央制御装置450に提供し、走行データの選択された経路を施設内の他の車両に提供する。
車両200は、他の車両200に関するそのようなデータを受信することができるように、受信機を含んでもよい。
車両200は、他の車両200に関するそのようなデータを、他の車両200から直接、又は、中央制御装置450から、いずれかから受信してもよい。
車両データを用いて、各車両200は、当該車両200が割り当てられた在庫管理施設内の特定区域におけるすべての車両200の位置を反映する、動的に更新された地図を保持する。
動的に更新された位置データが各車両200でローカルに入手可能となるとき、タスクは、中央制御装置450によって車両200に割り当てられ、割り当てられたタスクの要素が実行される位置に到達するために車両200が通る経路区域が車両200によって選択されることを含んでもよい。
【0123】
各車両200は、メモリに格納された航行プロセスの複数のステップを実行するように構成されたプロセッサを含んでもよく、複数のステップは、車両200の現在の位置から、割り当てられたタスクの次のサブタスクが実行される行き先への最短経路を、車両200に進ませる。
前記中央制御装置450は、(バックアップ制御方式が望まれない限り)交通管制及び衝突回避機能を実行するように構成される必要はないが、その代わりに、この中央制御装置450は、各車両200に割り当てられる次のタスクを特定し、それらのタスクが実行される施設内のさまざまな場所を指定する命令を表す信号を送信するように構成されてもよい。
一方、車両200は、タスク割り当て承認、位置更新、状況更新(たとえば、完了又は実行中のサブタスク、現在の電力状態など)、及び、車両200が割り当てを待つタスクを実行する相対能力を評価するのに中央制御装置450が必要とする他の情報を表す信号を中央制御装置450に送信するように構成されてもよい。
【0124】
完全に自律的な方式では、各車両200は、あるいは、在庫管理施設の1つ以上の区域において下層支持面Sに取り付けられたしるしを感知して、移動の速度と方向を決定し、その位置データを施設内の他の車両200と交換し、さらに動的に更新された局所地図を保持して、他の位置検出手法を用いた上述したのと同様の態様で、分散型交通管制の一形態を実現するローカルプロセッサを利用してもよい。
【0125】
自動搬送車両(AGV)とも呼ばれる車両200の半自律的な構成では、制御装置450のような中央制御装置が、たとえば、車両200同士の衝突、及び/又は、車両200の一部が割り当てられた施設の1つ以上の区域に存在する可能性のある車両200の移動に対するあらゆる潜在的な障害との衝突を防ぐために必要とされる交通管制機能を提供する。
そして、前記中央制御装置450は、車両200から伝達される更新信号の形で、現在の位置と方位のデータを受信する。
受信した位置と方位のデータは、中央制御装置450によって車両に伝達された以前の速度と進行方向の命令から中央制御装置450が導き出した推定と比較される。
この比較に基づいて、中央制御装置450は、衝突を防ぐために必要とされる1台以上の車両200の1つ以上の速度と方向に対する補正を決定し、もしそうであれば、これらの命令を車両200に伝達する。
【0126】
1つ以上の半自律的な実施形態では、各車両200は、車両200が走行する下層支持面Sに取り付けられた、及び/又は、格納エリア115(
図1C)の配列に合わせられたアクセス列に位置するしるしを読み取る読み取り機を含んでもよい。
第1グループのしるしの各しるしは、格子位置を形成する固有の位置に対応する。
これらの位置は、車両200のプロセッサ、中央制御装置450のプロセッサ又は両者のプロセッサにアクセス可能なメモリ内のデータ表に記憶されてもよい。
これらのしるしの特定の配列と交差するように設計された通路を進むことによって、各車両200は、車両200の半自律的な誘導が中央制御装置450によって車両200に伝達された命令によって実現するとすぐに、しるしを通過して、しるしを確認する際に、しるしの識別子を中央制御装置450に伝達してもよい。
この情報及び各車両200によって伝えられる他のデータから、中央制御装置450は、各車両200の移動の速度、方向及び経路を確認することができる。
前記中央制御装置450は、速度と方向のデータを利用して、衝突回避の方策を実施し、各車両200の位置及びパワーリザーブ状態に応じて在庫管理タスクを割り当て、及び、安全のために、エリア内で許可されたあらゆる職員から適切な距離を保つ。
【0127】
さらなるしるしが、各格納場所に隣接した位置において、アクセス列内に、又は、格納されたトートそれ自体に貼り付けられてもよい。
ここで、各しるしは、固有のバーコードを持ち、含んでもよく、各車両200の読み取り装置は、アイテムが運搬され又は回収される格納場所の周囲のエリアをスキャンしてもよい。
そして、前記中央プロセッサ450が有する、車両200が進まなければならない経路に関するデータ、及び、第1駆動モータ230の回転に関するデータに基づいて車両200が進んだ距離に関するデータは、車両200が格納エリア内の適当な格納場所に配置されるか否かを決定するのに十分である可能性がある。
そのような場合であっても、格納エリアに隣接するしるしは、アイテムが適当な格納場所に降ろされ又は適当な格納場所から回収される前に、車両200の位置の冗長検査を容認する。
したがって、スキャナは、車両200が停止される位置の格納場所に関する情報をスキャンし読み込むように作動されてもよい。
このスキャンされたデータが、格納場所が適当な格納場所であることを示す場合、車両200は、そのアイテムを格納場所に降ろす。
同様に、車両200は、車両200の後端に隣接するしるしを読み取る第2読み取り装置を有してもよい。
この第2読み取り装置は、
図1に示されるように、システムが、アクセス列の前側に沿った一連の第1格納場所、及び、アクセス列の後側に沿った一連の第2格納場所を利用するように構築される用途に用いられてもよい。
【0128】
そして、車両200の自律的な又は半自律的な誘導の機能は、1つ以上の機能性付属品に組み込まれてもよい。
このような手法は、在庫管理施設内のいくつかの区域では正確な位置検出が必要とされるが、他の区域では正確性がより低い位置検出手法が容認可能であってもよい場合に有用である可能性がある。
たとえば、
図1に示すような実施形態では、機能性付属品700は、作業所においてオペレータへのアイテムの必要な供給を維持するために補助的な役割を果たすものとして示される。
【0129】
上述の説明では、車両200は、垂直駆動ギア220を有し、垂直駆動ギア220は、以下でさらに議論されるように、ラック800の格納エリア820に隣接して配置された軌道と相互に作用するような寸法にされ、配置されている。
そして、この垂直駆動ギア220は、第1駆動モータ230の回転方向に応じて、車両200の上昇又は下降をもたらす。
その上、機能性付属品は、車両200が関係している機能性付属品を上げ下げすることを許すように垂直駆動ギア220と連携する軌道を組み込んでもよい。
【0130】
各車両200のプロセッサは、中央プロセッサ450から受信された信号に応じて車両200の動作を制御する。
さらに、車両200は、軌道に沿って進む際に中央プロセッサ450と継続的に通信できるように無線トランシーバを含む。
いくつかの用途では、車両200が移動する可能性のある経路に沿って複数のセンサ又は標識を組み込むのが望ましい場合がある。
車両200は、センサ又は標識に応じて車両200の動作を制御する中央プロセッサ450のみならず、センサ信号及び/又は標識を感知する読み取り機を含んでいてもよい。
【0131】
図1に示すように、材料取り扱いシステム10は、多くの異なるエリア又は作業所WSを含んでいてもよい。
たとえば、この材料取り扱いシステム10は、多くの格納ラック800に配置された多数の格納場所を含んでいてもよい。
そして、格納ラックは、何千又は何万もの格納場所を収容してもよい。
さらに、材料取り扱いシステム10は、選択的に、大量に増加する足早のアイテムを収容するように設計された、フローラック600と呼ばれる小規模のラックを含んでいてもよい。
これらのフローラック600は、作業所WSのオペレータがすぐにアイテムを取り出せるように、作業所WSのそばに配置されてもよい。
車両200は、フローラック600及び格納ラック800を含むが、これらには限定されない、システムのさまざまな様相で作動するように構成されてもよい。
<可動軌道>
【0132】
作業所WSに隣接する場所では、1つ以上のフローラック600が、作業所WSのオペレータに、需要予測に基づいて必要とされる又は必要と見込まれる在庫のアイテムを供給し、次回の在庫管理間隔で在庫管理要求を満たす(たとえば、1回以上のピッキング周期の間に電子商取引又は通信販売を満足させる)ことができる。
【0133】
図1及び
図6A-
図6Fを参照する。
前記車両200は、多種のフローラック構造600にアイテムを供給するように作動可能であってもよい。
このフローラック構造600は、トート55又は他のコンテナのように複数のアイテムを受け入れる複数の格納場所を含んでもよい。
格納場所は、複数の列605に配置されてもよい。
そして、この各列605は、選択的に、トート55を支持する複数の水平支持要素を支持する複数の垂直レール610を含む。
たとえば、垂直レール610は、互いに垂直に離間した複数の概して水平な棚を支持してもよい。
この棚の間の間隔は、同一の列605内でさまざまな高さを有する格納場所を提供するように異なっていてもよい。
【0134】
格納場所は、概して水平な場所である。
この格納場所612は、格納場所612内のアイテムが
図6Bに示される格納場所612の前端に向かって移動しやすくなるように、水平線に対して角度が付けられてもよい。
垂直な縁又はフランジのような要素が、アイテムが格納場所612の前端から滑り落ちるのを妨げる障害物を形成してもよい。
【0135】
フローラックの裏側615は、垂直レールが各格納場所(すなわち、段又は棚612)に開口部を構成するように、通常、開放されている。
この開口部は、フローラック600と搬送システムとの間で供給アイテムを移動させるためのアクセスを提供する。
たとえば、トート55は、フローラック600に搬送されてもよく、オペレータは、フローラック600の裏側を通じてトート55を棚の上に乗せてもよい。
【0136】
格納場所612は、複数のトート55を収容するのに十分な大きさがあってもよい。
具体的には、多くのトート55が格納場所612に入れられ、一連の整列したトート55を形成することができるように、各格納場所612は、複数のトート55の長さよりも長くてもよい。
オペレータが格納場所612の前面に最も近いトート55を空にすると、トート55が取り除かれ、空のトート55の後ろのトート55は、前方へ動くか、又は、格納場所612の前面へと前方に運ばれる。
【0137】
いくつかの用途では、車両200を用いてフローラック600に直接トート55を搬送するのが望ましい場合がある。
したがって、材料取り扱いシステム10は、車両200がフローラック600内の格納場所612にトート55を移動できるように、車両200を持ち上げて適当な格納場所612と整列させる、車両200が上ることができるオプション軌道を含んでもよい。
【0138】
図5A-
図5Fを参照すると、車両200と連携して車両200を持ち上げるように構成されたオプション構造である可動軌道は、可動ラック700と指定されている。
そして、この可動ラック700は、車両200を持ち上げるための動力付き要素を含むエレベータのような昇降機であってもよい。
可動ラック700は、車両200と連携して、外部電源機構なしに、車両200を持ち上げるように構成された案内又は軌道を含んでいてもよい。
たとえば、この可動ラック700は、車両200の垂直駆動ギア220と連携するように構成された軌道620を含んでいてもよい。
車両200は、軌道620を上って、フローラック600内の所望の格納場所612にトート55を乗せてもよい。
【0139】
そして、前記可動ラック700は、フローラック600内のさまざまな列605に移動できるように、移動可能である。
さらに、この可動ラック700は、車両200が可動ラック700を所望の場所に移動することができるように、車両200と連携するように構成される。
さらに、車両200が可動ラック700を垂直に持ち上げて、フローラック600の列605の1つに向かう経路に沿ってなど、格納場所612に向かう経路に沿って、水平に可動ラック700を運ぶことができるように、この可動ラック700は、車両200と連携するように構成されてもよい。
このように、可動ラック700は、車両200が上ることができる軌道720を有する。
車両200は、軌道720を所望の場所へと垂直に又は水平に移動させて、それから軌道720を上るように構成されてもよい。
【0140】
図5A-
図5Bを参照すると、可動ラック700からなる可動軌道を提供するオプション構造が示されている。
可動ラック700は、垂直列810を形成する支持構造を含む。
この垂直列810は、複数の離間した垂直柱710a、710b、710c、710dを含む。
垂直柱710a-710dは、概して、互いに対して平行かつ離間され、車両200の長さと幅に対応する長さと幅を有する列を形成している。
特に、垂直柱710a、垂直柱710bが車両200の幅と少なくとも同じ幅の開口部を形成するように、垂直柱710a、垂直柱710bは、離間している。
垂直柱710cは、垂直柱710aに対して平行に、かつ、少なくとも車両200のおおよその長さと同じ距離だけ垂直柱710aから離間している。
垂直柱710dは、垂直柱710b及び垂直柱710cと平行であり、垂直柱710cとともに、車両200と格納場所との間でアイテムを移動させるための吐き出し口を形成している。
可動列700は、垂直柱710a-710dを相互に接続する複数の水平レール712及び/又は複数の垂直柱710a-710dを接続して自立構造を形成する十字ブラケットを含んでもよい。
【0141】
そして、前記可動ラック700は、車両200が上方に上ることができるように、車両200の垂直駆動ギア220と連携する構造を含んでもよい。
たとえば、可動ラック700は、車両200と連携して、車両200を上方に上がらせることができるようにする1つ以上の軌道要素を含んでもよい。
この軌道要素は、軌道720に沿って垂直に離間した複数の歯を含んでもよい。
軌道720は、車両200の上昇、すなわち、垂直駆動ギア220と連携した、均一のピッチで離間した歯を有してもよい。
そして、この軌道720は、複数の歯を有するが、軌道720は、車両200が上方に上ることを可能にする多種の構造のいずれかであり得る。
したがって、軌道との用語は、軌道720と連携して車両200の垂直な変位を容易にするように構成された、あらゆる案内を意味する可能性がある。
【0142】
軌道720は、車両200の垂直駆動ギア220の制御に応じて、多種の方向に可動ラック700と接続されてもよい。
そして、この軌道720は、車両200の垂直駆動ギア220と連携するように配向される。
前記車両200の配向を水平に保ちながら車両200が垂直に上ることができるように、軌道720は、車両200と連携するように可動ラックと接続される。
言い換えれば、車両200が水平線に対して傾くことなく軌道720を上ることができるように、軌道720は、可動ラック700と接続されてもよい。
【0143】
たとえば、第1軌道要素720aは、垂直柱710aの内部に取り付けられてもよく、第2軌道要素720bは、垂直柱710bの内部に取り付けられてもよい。
2つの軌道要素720a、720bは、車両200の垂直駆動ギア220間の距離に対応する距離だけ離間してもよい。
同様に、第3及び第4軌道要素は、垂直柱710c、垂直柱710dの内部に取り付けられ、車両200の垂直駆動ギア220間の距離に対応する距離だけ離間してもよい。
したがって、この車両200の水平配向を保って、車両200が水平線に対して斜めになるのを防ぎながら、車両200が軌道720を上ることができるように、車両200の垂直駆動ギア220は、同期して駆動してもよい。
【0144】
図5A-
図5Cを参照すると、可動軌道700は、下降位置にある車両200とともに示され、車両200は、床面のような水平面にある。
可動軌道700は、車両200と同じ水平面上にあってもよい。
図5D-
図5Eには、車両200が軌道720を持ち上げた上昇位置にある可動軌道700が示されている。
具体的には、車両200が列700内に配置されているとき、第1方向に垂直駆動ギア220を作動させることで、垂直駆動ギア220に軌道720を上方に駆動させ、それによって可動ラック700を持ち上げる。
車両200が可動ラック700を持ち上げると、水平駆動部252、254、256は、車両200を水平に変位させて、可動ラック700を水平に移動させるように、作動可能である。
【0145】
さらに、車両200が可動ラック700内に配置されている間に、もし、軌道720が持ち上げられていると、第2方向に垂直駆動ギア220を駆動させることで、車両200に可動ラック700を下げさせる。
あるいは、もし、可動ラック700が床面又は同様の水平面上に支持されると、第2方向に垂直駆動ギア220を駆動させることで、車両200を軌道720に沿って上方に駆動させる。
同様に、もし、この車両200が地面より上の軌道720内にあれば、第1方向に垂直駆動ギア220を駆動させることで、車両200を地面に到達するまで垂直下方に駆動させる。
【0146】
そして、前記車両200の垂直駆動ギア220は、垂直駆動ギア220が垂直駆動ギア220間の距離を縮めるために内側に変位可能となるように構成されてもよい。
このように、垂直駆動ギア220は、内側に移動されて、車両200が可動ラック700に入る際に、軌道720と垂直駆動ギア220との間に間隔を提供することができる。
上述のように、垂直駆動ギア220は、各垂直駆動ギア220の回転軸が水平な進行方向に対してほぼ平行となるように、駆動軸215に取り付けられてもよい。
さらに、垂直駆動ギア220の回転軸は、垂直駆動ギア220の各組間の横方向距離がほぼ一定となるように、ほぼ一定であってもよい。
したがって、可動ラック700に入るために、垂直駆動ギア220の歯は、垂直駆動ギア220の歯が軌道720内の歯を通るように、軌道720内の歯と合わせられる。
【0147】
図5Cを参照すると、垂直駆動ギア220が軌道720に対して移動されたとき、軌道720に衝突又は接触しないように、軌道720と垂直駆動ギア220は、向きを調整される。
たとえば、軌道720の歯間の間隔は、垂直駆動ギア220が垂直駆動ギア220の回転軸に平行な線に沿って水平に移動するとき、垂直駆動ギア220の歯が軌道720の歯の間の間隙を通るのに十分な間隔を提供する。
より具体的には、垂直駆動ギア220の歯先円(addendum circle)が軌道720の歯の歯先線(addendum line)と重複するように、垂直駆動ギア220及び軌道720は、構成され、配置されてもよい。
前記垂直駆動ギア220の歯先円が軌道720の歯先線と重複しながら、垂直駆動ギア220の歯は、軌道720内の歯の間の間隙を通るように構成され、配向される。
【0148】
再び、
図5Cを参照すると、選択的に、垂直駆動ギア220及び軌道720は、車両200が可動ラック700の中に入るとき(すなわち、垂直駆動ギア220の回転軸が可動軌道700の中へ水平に移動するように、垂直駆動ギア220が移動するとき)、垂直駆動ギア220が軌道720を通るように、間隔を増すように構成され、配向されてもよい。
たとえば、軌道720は、上部及び下部725を有してもよい。
上部は、垂直駆動ギア220の歯と接続する歯ピッチ及び構成を有してもよい。
下部725は、上部の歯ピッチとほぼ同様の歯ピッチを有してもよいが、下部の歯形は、上部と大きく異なっていてもよい。
たとえば、下部725の歯は、上部の歯よりも大幅に狭くてもよい。
たとえば、下部725の歯は、少なくとも、10%狭くてもよく、望ましくは、20%狭くてもよい、
さらに、下部725の歯は、上部の歯元のたけ(dedendum)よりも大幅に大きい歯元のたけを有してもよい。
たとえば、歯の歯底(root)が上部の歯の歯底(root)よりも大きな距離だけ垂直駆動ギア220から離れて内側に延伸するように、下部725の歯元のたけは、上部の歯元のたけよりも大きくてもよい。
たとえば、下部725の歯元のたけは、10%大きくてもよく、望ましくは、20%大きい。
【0149】
さらに、歯が下部725の高さを進むにつれて、隣り合う歯の間の間隔が次第に小さくなるように、下部725は、選択的に、先細のピッチ線を有してもよい。
言い換えれば、下部725の下側の隣り合う歯の間の間隔728が最大であり、また、下部725の上側の隣り合う歯の間の間隔が最小であり、間隔が最大から最低へと次第に小さくなる。
【0150】
上述のように構成されて、垂直駆動ギア220は、選択的に、垂直駆動ギア220が軌道720と整列されるように、軌道720内の開口部を通るように構成されてもよい。
以上でさらに説明したように、垂直駆動ギア220が軌道720と整列された後、垂直駆動ギア220は、軌道720と連携して、軌道720を持ち上げる又は/及び軌道を上がるように配置される。
【0151】
また、可動ラック700は、材料取り扱いシステム10の他の要素と連携して用いられてもよい。
たとえば、上述のように、この材料取り扱いシステム10は、選択的に、フローラック600のような格納場所612のラックを含んでいてもよい。
可動ラック700を任意のフローラック600のような材料取り扱いシステム10の別の部分と接続するのが望ましい場合がある。
したがって、この可動ラック700上にコネクタが提供されるのが望ましい場合があり、コネクタは、フローラック600、又は、軌道720が着脱自在に接続される他の要素と着脱自在に係合されるように構成される。
【0152】
図6Bに示されるように、可動ラック700は、可動軌道700をフローラック600と着脱自在に接続するコネクタ727を組み込んでもよい。
そして、このフローラック600は、可動ラック700上でコネクタ727と噛合して係合するコネクタ627のような組み合わせコネクタを含んでいてもよい。
コネクタ727、コネクタ627は、本例では、多種の機械式コネクタのいずれかであってもよい。
コネクタ727、コネクタ627は、フローラック600に対する列605の相対的な垂直変位が2つのコネクタ727、コネクタ627を接続するように構成される。
フローラック600に対する列605の反対方向への相対的な垂直変位が、2つのコネクタ727、627を解放する。
さらに、可動ラック700は、フローラック600に取り付けられた複数のコネクタ627a、コネクタ627bと連携する一連のコネクタ727a、コネクタ727bを含んでいてもよい。
このように、1つ以上のコネクタは、可動ラック700をフローラック600に相互接続して、フローラック600のような材料取り扱いシステム10の別のアイテムに対する可動ラック700の横方向の変位を妨げる。
【0153】
上述のように構成されて、材料取り扱いシステム10は、フローラック600のような材料取り扱いシステム10の一部と連携して、車両200がアイテムを高所に運搬することを可能とする。
具体的には、車両200は、中央制御装置450のような制御装置に制御されて、車両200を受け入れるように構成された開口部に合わせるように車両200を案内してもよい。
可動軌道700は、可動する列、すなわち、可動ラックからなり、車両200は、可動ラック700の内部への開口部に合わせられる。
車両200は、それから開口部を通って、可動ラック700の中に入ってもよい。
車両200の駆動機構が軌道720に係合するように、車両200は、可動ラック700内の軌道720に合わせるように駆動してもよい。
たとえば、前記車両200は、軌道720と連係する垂直駆動機構220を含む。
【0154】
そして、この垂直駆動ギア220が、軌道720に合わせられると、材料取り扱いシステム10は、垂直駆動ギア220を制御して、車両200を支持する表面より上に可動軌道、すなわち、可動ラック700を持ち上げ又は上昇させるように作動する垂直駆動ギア220を第1方向に駆動させてもよい。
軌道720が上昇すると、車両200は、水平方向に駆動し、可動ラック700を別の場所に移動させる。
車両200の水平駆動システム252は、車両200を駆動させるように制御する。
たとえば、可動ラック700の開口部がフローラック600の開口部に合わせられるように、車両200は、フローラック600のような構造に向かって駆動してもよい。
さらに、可動ラック700のコネクタ727がフローラック600に接続されたコネクタ627に合わせられるように、車両200は水平に変位されてもよい。
コネクタ727、コネクタ627が合わせられると、車両200の垂直駆動ギア220を第2方向に駆動させることで、可動ラック700を垂直下方に下降させるように作動する。
車両200の垂直駆動ギア220を第2方向に駆動させることで、可動ラック700のコネクタ727を下降させて、フローラック600のコネクタ627と係合させて、可動ラック700をフローラック600に着脱自在に接続する。
【0155】
そして、可動ラック700を移動させるのに加えて、車両200は、可動ラック700を上がるように構成される。
たとえば、可動ラック700は、垂直上方に延伸する軌道720を含んでいてもよく、可動ラック700がフローラック600に隣接する地面に配置されると、垂直駆動220を第2方向に駆動させることで、軌道720を垂直に上がって車両200を上昇させるように作動する。
図6Dに示すように、車両200が可動列700内の開口部並びにフローラック600及びフローラック600の棚のような格納場所612の後ろの開口部に合わせられるまで、車両200は、垂直上方に駆動されてもよい。
車両200は、棚に合わせられると、フローラック600の格納場所612にトートのようなアイテムを移動させてもよい。
車両200は、格納場所612から車両200にアイテムを移動させてもよい。
このように、車両200は、可動ラック700を移動させ、可動ラック700を上り、車両200と格納場所612との間でアイテムを移動させるように作動可能である。
【0156】
上述のように、車両200は、可動ラック700を移動させ、フローラック600のような格納機構に可動ラック700を接続させるように作動可能である。
可動ラック700をフローラック600に接続した後、可動ラック700をフローラック600に合わせ、かつ、フローラック600と接続したまま、車両200は、可動ラック700から出ていってもよい。
車両200が可動ラック700を出た後、可動ラック700がフローラック600に接続したまま、第2車両200が可動ラック700に入ってもよい。
第2車両200は、それから軌道720を上がって、アイテムを格納場所612の1つに運搬し、及び/又は、格納場所612からアイテムを取り除いてもよい。
たとえば、第2車両200は、格納場所612bに合わせて上昇し、移載機構210を、可動ラック700内の開口部を通って格納場所612にアイテムを移動させるように作動させてもよい。
第2車両200は、それから軌道720に沿って垂直に移動し、第2車両200を格納場所612aに合わせ、移載機構210を、格納場所612から第2車両200にアイテムを移動させるように作動させてもよい。
第2車両200は、それから下降し、その後、可動ラック700から出て、別の格納場所612又はオペレータのような別のエリアにアイテムを運搬してもよい。
【0157】
図6Aに示すように、車両200は、別個の格納システム内の複数の列の1つに可動ラック700を選択的に合わせてもよい。
たとえば、フローラック600のような格納システムは、複数の列を含んでいてもよい。
材料取り扱いシステム10は、どの列が可動ラック700と連携することになるかを特定してもよく、制御装置は、特定された列に可動ラック700を駆動させるように車両200に命令してもよい。
【0158】
いくつかのフローラック構造600は、もっぱら重力によって補助される、一方向送り用の無動力ローラを用いた作業所WSに物品を供給してもよい。
図6Dに示されているように、フローラック構造600は、アイテムを集荷所に向かって又は集荷所から進ませるため、平行ベルト628又は他の搬送要素の双方向ネットワークを利用してもよい。
第1方向に1つ以上の平行ベルト628を駆動させることで、車両200から離れて、及び、集荷所に向かって、物品を運ぶ。
さらに、第1方向とは反対の第2方向に平行ベルト628を駆動させることで、車両200に向かって物品を運ぶ。
【0159】
ここで、
図6Cを参照すると、可動ラック700のフローラック構造600との結合及びタスク活動区域Z内での車両200の上昇に続く、
図6A及び
図6Bの実施例の側面図が示されている。
図示されているように、フローラック構造600は、概して612a、612b、612cでそれぞれ示される3段の格納場所を含む。
車両200は、最上の格納段612cに合わせられた可動ラック700のタスク活動区域Z内で垂直高度に達しているのが示され、また、車両の移載機構210のローラは、フローラック構造600の目標面にコンテナCを進ませるように既に作動されている。
【0160】
在庫管理システムの1つ以上の他の実施形態では、車両200は、車両200のクラッチ機構400を備えた第2駆動システム及び移載機構210の特徴を組み込んでもよい。
そのような実施形態では、車両200の車載モータは、車両200を活動区域Z内で上げるように作動される。
そして、車両200の歯車は、軌道720の歯に対して回転する。
結果として、前側の全方向車輪及び後側の全方向車輪は、それぞれの支持位置を下層支持層S上のままとする。
さらに、第1回動可能搬送体410は、第2駆動要素252bを切り離し、そして、同時に、1つ以上のクラッチ機構400が係合される。
このクラッチ機構400の係合は、今度は、移載機構210のスプロケット290の回転を可能とする。
1つ以上の追加的なモータの回転は、無端搬送体214a、214bを駆動させ、移載機構210に、コンテナCをフローラック格納構造600の表面612c上に進ませる。
【0161】
図6Cを参照すると、格納段612cのピッチ角が十分であれば、コンテナCは、たとえば、受動ローラ又はシュート構造において、もっぱら重力の作用で進む可能性がある。
しかし、
図6D乃至
図6Gの実施形態では、在庫管理システムの多層フローラック構造600は、各層に荷降ろし補助手段を含む。
荷降ろし補助手段は、複数の平行ベルト628と、選択的に、車両200のような車両によって置かれた在庫アイテムを収集人に最も近い端に向けて進ませるタイミングを決定するためのセンサを含む。
【0162】
在庫管理システムは、電子商取引用途による受注処理施設に配置される。
車両200は、コンテナC1、コンテナC2のような、複数の個別の在庫アイテムを収容する可能性があるコンテナを供給する。
この例では、施設の倉庫管理システム(WMS)は、概してIS1、IS2、IS3、IS4、IS5及びIS6で示される在庫アイテムのサブセットが、フローラック構造600内での継続的な載置を正当化する現在の又は近づいてくる在庫管理間隔の間に、十分な量、必要となることを決定している。
車両200と可動ラック700を利用する在庫アイテムの動的な載置が、アイテムが電子商取引業務の一部として出荷のために梱包されることが可能となるように、アイテムを回収するのに必要な時間を減らす。
人間のオペレータは、梱包所と、フローラック600に隣接するアイテム移動エリアAとの間で移動し、フローラック600は、アイテム移動エリアで作動する車両200から人間のオペレータを隔離する。
【0163】
図6D及び
図6Eを参照すると、車両200は、可動ラック700のタスク管理区域内で上昇を中止し、複数の3段目の位置に関連した移動位置で停車していることがわかり、この移動位置は、概して612cで示され、
図6Dに符号606で、
図6Eに606a-606gでまとめて特定もされている。
【0164】
少なくとも、サブセットIs1乃至サブセットIs5のような、アイテムのいくつかのサブセットは、施設によって処理される他のアイテムと比べて、現在の又は近づいてくる在庫管理間隔の間、コンテナC1及び格納エリア606g内のコンテナの中身と同様に、フローラック600に十分な量が必要とされ続ける可能性がある。
本例では、現在の在庫管理間隔のより初期の段階の間(及び/又は先行する段階の間)、回収のためコンテナC2に格納されているアイテムのような、フローラック600に格納されている他のアイテムが、フローラック600内に同じ量で存在するだけの優先度を、もはや又は全く有しないと、WMSは判断している。
複数の実施形態では、同じ車両200及び可動ラック700が用いられて、コンテナC2を別のコンテナで置き換えてもよい。
このような置き換え動作は、
図6G乃至
図11を参照することで説明されるであろう。
【0165】
図6Eは、
図6A乃至
図6Dの実施形態を示す平面図であり、フローラック600の格納場所612に連動して合わせられた位置への、可動ラック700の一時的な配置を示している。
この位置にある間、車両200は、可動ラック700のタスク活動区域内で上昇され、上述した態様でコンテナC2を回収し、それから、車両200は、下層支持面Sに戻る。
垂直駆動ギア220のさらなる動作は、下層支持面Sから可動ラック700を上昇させ、車両200は、可動ラック700を
図6Eに示される実線の位置に移動させる。
図6Eの実施形態では、車両200の移動は、
図6Eに示される車両200b-車両200dの移動と同様に、各車両200の1つ以上の画像センサによって感知される、632で示される基準マークのグリッドによって案内される。
しかし、他の位置検出システム及び技術が、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、利用されてもよい。
<自律的格納>
【0166】
再び、
図1及び
図7を参照すると、材料取り扱いシステム10は、選択的に行又は通路850を形成するように配列されてもよい複数の格納ラック800を含んでもよい。
たとえば、通路850aが2つの格納ラックの間に形成されるように、第1格納ラック820aは、第2格納ラック820bから離間されてもよい。
特に第1格納ラック820aは、第2格納ラック820bとほぼ平行で、ほぼ一様な幅を有する通路を形成してもよい。
さらに、材料取り扱いシステム10は、複数の通路850を形成する複数のラックを含んでいてもよい。
通路850は、
図7に平行なものとして示されているが、もし材料取り扱いシステム10が複数の格納ラック800を組み込むのであれば、格納ラック800は多種の構成に配列されてもよく、もし材料取り扱いシステム10が複数の通路850を含むのであれば、通路850は平行である必要はないことが理解されるべきである。
車両200に割り当てられた在庫管理タスクの1つは、格納場所820からアイテムを回収することであってもよい。
このタスクは、車両200の現在の位置又は開始位置から出ること、開始位置と格納場所820の配列への進入地点に隣接する中間目的地との間で車両200を運ぶ経路を通過すること、及び、中間目的地において、車両200を進入地点に整列させることを含む、一連のサブタスクとして見ることができる。
回収タスクのさらなるサブタスクとして、整列された車両200は、格納場所820の配列に入って、車両200がその中で配列される列に到達するまで、その整列を維持し、さらに他のサブタスクによると、格納エリア820の目標エリアに到達するまで上がるように作動される。
回収プロセスのさらなるサブタスクとして、車両200の移載機構210は、アイテムを回収し、車両200が下層支持面Sに載るまで、列内で下降し、それから格納場所820の配列を出るように作動される。
回収動作の最後のサブタスクとして、車両200は、オペレータが車両200からアイテムを回収することができる出力所500への通路に沿って進む。
【0167】
前記材料取り扱いシステム10は、格納場所からトートを格納し、回収する自動要素を含む。
そのような自動要素は、自律車両200である。
たとえば、自動要素は、複数の自律車両200を含んでいてもよい。
さらに、この自律車両200は、トート55を作業所500に運ぶように構成されてもよい。
作業所500では、1つ以上のアイテムが、車両200のうちの1台上のトートから取り除かれてもよい。
人間のオペレータが、車両200からアイテムを取り除いてもよい。
しかし、自動機構が車両200からアイテムを取り除いてもよい。
したがって、作業所500でアイテムを取り扱うオペレータは、人間のオペレータ又は自動機構又はこの2つの組み合わせであってもよい。
【0168】
材料取り扱いシステム10及び/又は材料取り扱いシステム10のさまざまな構成要素は、マイクロコンピュータのような中央制御装置450によって制御されてもよい。
そして、この中央制御装置450は、センサのようなさまざまな要素から信号を受信し、さまざまな構成要素から受信された信号に基づいて、材料取り扱いシステム10のさまざまな側面を制御してもよい。
この中央制御装置450は、材料取り扱いシステム10から回収されるさまざまなアイテムの場所に関するデータを格納してもよい。
さらに、中央制御装置450は、顧客の注文に応じるアイテムの数及びそうしたアイテムの量のような、受信されるアイテムの識別に関するデータを含んでいてもよい。
このように、中央制御装置450は、様々な要素の動作を制御及び調整し、多種のアイテムの格納場所からの回収及び処理の予定を立ててもよい。
【0169】
図7は、
図1に示す材料取り扱いシステム10の一部を形成し、自律車両200を利用して、集荷エリアと格納場所820の垂直配列との間で行ったり来たり、在庫アイテムのコンテナ55を移動させる可能性のある在庫管理システムの一部を示す図である。
この在庫管理システムは、車両200及び格納場所820の配列を、自動格納回収システム(AS/RS)の要素として組み込んでもよい。
車両200は、上述の車両200の態様で構成されてもよい。
しかし、車両200は、必要に応じて、システム内の他のタスクのための変更点を有してもよい。
【0170】
ここで、
図1及び
図7-
図13を参照して、格納場所820の配列内におけるアイテムの格納及び回収のためのシステムが、ここで詳細に説明される。
まず、
図1及び
図7を参照すると、複数の自動搬送車両200a-車両200fが、ラック構造800の内部又は周囲で動作するものとして示されている。
前述の複数の実施形態のように、車両200a-車両200fは、さまざまなアイテム補充及び/又はアイテム回収タスクを実行し、この例では、それらのタスクのいくつかは、格納場所820からコンテナを回収すること、又は、コンテナ(若しくはトート)を格納場所820に戻すことを伴う。
【0171】
上述のように、材料取り扱いシステム10は、離間して1つ以上の通路850を形成する複数の格納ラック800を含んでもよい。
軌道840は、1つ以上の格納ラック800に沿って配列されてもよい。
たとえば、軌道840は、格納ラック800に固定して接続されてもよい。
さらに、車両200が垂直列810を上がったり下がったりして垂直列810内の格納場所に運ばれることができるように、軌道840は、車両200を垂直に案内するように構成されてもよい。
さらに、第1軌道を、格納ラック800aに沿ってなど、通路の片側の格納ラックに沿って、第2軌道を、格納ラック800bに沿ってなど、通路の反対側のラックに沿って配置するのが望ましい場合がある。
車両200の片側が格納ラック800aの軌道840aに沿って垂直に移動しながら、移動する通路850aを車両200が進み、同時に、車両200の第2側が格納ラック800bの軌道840bに沿って垂直に移動するように、車両200は構成されてもよい。
【0172】
各垂直列810は、複数の垂直柱815によって形成されてもよい。
図8-
図10に示されているように、複数の垂直柱が列の片側で平行関係に整列され、また、複数の垂直柱が第1側の垂直柱の反対側にある垂直列の第2側で平行関係に整列されるように、垂直柱は配置されてもよい。
図8に示すように、それぞれの側の垂直柱815は、垂直列810の奥行き方向に延伸する複数の水平支持部材817によって相互に接続されてもよい。
【0173】
水平支持部材817は、もっぱら垂直列810に構造支持体を提供する別個の要素であってもよい。
この水平支持部材817は、格納場所820に格納されたアイテムを支持してもよい。
たとえば、水平支持部材817は、棚が格納場所820を形成するように、この棚を形成する平面要素であってもよい。
しかし、水平支持部材817は、多種の構成のいずれかであってもよい。
たとえば、
図9に示す実施形態では、この水平支持部材817は、長尺の水平棚を形成し、格納場所820の奥行方向にトート55の縁を支持するL字型のブラケット817である。
そして、この水平ブラケット817は、垂直柱815の高さまで互いに離間して、水平に離間した格納場所820の列を形成してもよい。
【0174】
ラック800の垂直列810は、
図8から見て、水平ブラケット817の長さと同様の奥行を有する。
垂直列810は、トート55の長さと同様の又はそれ以上の奥行を有する。
たとえば、垂直列810は、少なくとも1つのトート55を収容するのに十分な奥行きを有してもよい。
しかし、トート55は、通路850から張り出してもよく、垂直列810は、トート55の長さよりもわずかに短い奥行きを有することになる。
図8に示すように、垂直列810は、端から端まで配置された複数のトート55を収容するのに十分な奥行きを有してもよい。
図8に示す例では、各格納場所820が、端から端まで整列され、各トート55が車両200の長さとほぼ同様である、3つのトート55を収容できるように、ラック800は、十分な奥行きがある。
【0175】
上述のように、車両200は、長さと幅を有する。
図2Bに示すように、車両200は、その幅“W2”よりも十分に長い長さ“L”を有する。
図7-
図11を参照すると、各垂直列810が、その奥行よりも大幅に短い幅を有するように格納ラック800は構成される。
具体的には、各垂直列810の幅は、車両200の幅と同様であり、また、垂直列810の奥行きは、車両200の幅よりも大幅に長い。
図8及び
図10に示すように、この垂直列810は、車両の幅の2倍以上の奥行きを有する。
さらに、垂直列810の奥行きは、選択的に、車両200の長さよりも長くてもよい。
【0176】
図8は、格納ラック800及び格納場所820に対して異なる向きの複数の車両200を示している。
たとえば、第1車両200aは、通路850の長さを横断する経路860cに沿って、水平移動のために配向されている。
第2車両200b、cは、通路850の長さと平行な経路860b、860b’に沿って、格納ラック800の下で水平移動のために配向されている。
さらに、第3車両200dは、通路850内に配置され、通路850のいずれか一方の側で、格納ラック800に沿って、垂直な軌道を上がる。
第4車両200eも、通路850内に配置され、垂直列810の上部の格納場所820へと軌道840a、bを上がる。
最後に、第5車両200fは、格納ラック800の下に配置され、車両200aの方向と車両200bの方向との間の中間位置に配向されている。
特に、ラック800は、車両200が格納ラック800の下で水平回転するのを容易にするように構成されてもよい。
第5車両200fは、第1経路から第2経路へと、格納ラック800の下で回転する途中の車両200を示している。
【0177】
上述のように、格納ラック800は、車両200が格納場所820の下のさまざま場所に入り、さまざま場所から出ることができるような寸法にされ、配置されて、集荷所及び/又は補充所の設置の際の柔軟性を許容する。
材料取り扱いシステム10が1つ以上の格納ラック800を利用する場合、車両200が材料取り扱いシステム10に組み込まれる可能性がある1つ以上の通路850を通って又は通路850に沿って進むことができるだけでなく、格納ラック800の下を進むことができるように、格納ラック800は構成されてもよい。
たとえば、
図7を参照すると、車両200は、通路850に平行な又は通路850を横断する可能性がある1つ以上の経路区域に沿って進む経路をたどってもよい。
そのような第1経路は、経路860aで表される。
経路860aは、通路850aの長さ以内で、この通路850aの長さに平行である。
そのような第2経路は、通路850aの長さに平行であるが、この通路850aから離間する経路860bで表される。
具体的には、経路860bは、格納ラック800bの下に位置する。
格納ラック800bは、車両200が通路850aの長さに平行な経路860bに沿ってラック800bの下を通ることができるように、最下の格納場所820の下に車両200の移動用の間隔を提供するように構成されてもよい。
第3の経路は、経路860a及び経路860bを横断する経路860cで表される。
図8に示されているように、経路860cは、垂直列810の奥行きに平行である。
【0178】
図8及び
図10を参照すると、格納ラック800の垂直列810が、通路850の長さにほぼ平行な各垂直列810の下で、多数の経路を提供するのに十分な奥行きを有するように、格納ラック800は選択的に構成される。
具体的には、
図8に示すように、通路850に隣接する垂直柱815は、通路850から離れた垂直柱815から離間して、車両200の幅の2倍以上の幅を有する開口部を形成してもよい。
【0179】
図10は、通路850に平行な経路860bに沿って移動する第2車両200b、及び、経路860bに平行な経路860b’に沿って移動する第3車両200cを示している。
望ましくは、経路860b’は、通路850に隣接した垂直柱815から、車両200の長さ“L”の半分以上離間した中心線を有する(
図2Bを参照)。
同様に、望ましくは、経路860bは、通路850から離れた垂直列810の後端の垂直柱815から、車両200の長さの半分以上の距離だけ離間した中心線を有する。
【0180】
通路850に平行なラック800の下の経路860b、860b’は、離間して、経路860bに沿って進む車両200bが、この経路860b’に沿って反対方向に進む車両のような、経路860b’に沿って配列された車両200cを通過させることができる間隙を提供してもよい(
図2B参照)。
たとえば、経路860bは、車両200の幅“W2”以上の距離だけ、経路860b’から離間してもよい。
【0181】
さらに、車両200は、この車両200を貫通する垂直回転軸の周囲を回転することによって方向を変えてもよい。
特に、垂直回転軸は、車両200の中心を貫通してもよい。
垂直列810は、望ましくは、車両200が格納ラック800の下で垂直列810に配列されながら、車両200が垂直回転軸の周囲を回転するのを容易にするのに十分な奥行きを有する。
具体的には、経路860b、860b’のそれぞれは、望ましくは、垂直回転軸から車両200の角のそれぞれまでの距離以上の距離だけ垂直柱815から離間している。
【0182】
車両200がラック800の下で回転するとき、車両200は、さまざまな角度のいずれに回転してもよい。
車両200は、90度ずつ回転してもよい。
特に、車両200が通路850内の軌道840を上った後、格納ラック800の下で通路850に平行に進むように、車両200は、通路850から出た後、90度又は270度のいずれか回転する。
【0183】
図9は、トートTa、Tb、Tc及びTdを含む多数のコンテナ又はトートが投入された複数の垂直列810a-810fを含む、格納ラック800を示す側面図である
複数の車両200は、在庫管理システムの一部として、さまざまなアイテム補充及び/又はアイテム回収タスクを実行するように作動している。
車両200aは、最左端の垂直駆動列810aに入ったところであるのが示されている。
この点で、及び、ここで、
図10を参照すると、格納ラック800が、レール間の間隙gGを定める、レールR1及びレールR2のような平行な案内レールの配列を組み込んでもよいことがわかるであろう。
間隙は、車両200の対応する整列構造を受け入れて、車両200が互いに対して、及び、以下でさらに議論されるように、格納ラック800に損傷を与えることなく、車両200が進入、退出及び方向再設定できるようにする寸法にされ、配置されている。
【0184】
この材料取り扱いシステム10は、車両200が進む際に、車両200を案内する又は整列させる1つ以上の案内880を含んでいてもよい。
たとえば、
図2Eおよび
図10を参照すると、案内880は、ルート又は溝を含んでもよく、また、車両200は、案内880と連携して、車両200の移動を制御する、対応する案内要素235を含んでいてもよい。
この案内要素235の一例は、フォロワ235である。
フォロワ235は、案内880と係合する又は連携するように構成されたいかなる要素であってよい。
車両200は、垂直軸の周囲を回転する軸受のような回転要素を含む、中央フォロワ233を含む。
フォロワが車両200の下面から下方へなど、車両200の面から離れて突出するように、中央フォロワ233は、シャフトを含む。
中央フォロワ233は、案内880内のルートに係合して、車両200の水平移動を抑制する。
【0185】
車両200は、1つ以上の側面案内部材235を含んでいてもよい。
この側面案内部材235は、案内880の外面と連携して、車両200の移動を抑制してもよい。
たとえば、案内880は、車両200の回転を案内するための周面を有する円形ガイドを含んでもよい。
車両200は、案内880の周面の直径に等しい距離だけ互いに離間した一対の側面案内部材235を有していてもよい。
このように、側面案内部材235は、案内880の周面に係合し、車両200が回転移動するのを抑制する
【0186】
図10を参照すると、案内880は、複数の交差する案内路を含む。
たとえば、案内880は、車両200の中央フォロワ233の幅と実質的に同様の距離を離間した壁を有する溝又はルートの形態で第1案内路882を含んでもよい。
第1案内路882は、経路860に平行に延伸するように配向されてもよい。
さらに、案内880は、車両200のフォロワ233の幅と実質的に同様の距離を離間した壁を有する溝又はルートの形態で第2案内路884を含んでいてもよい。
第2案内路884は、経路860を横断して延伸するように配向されてもよい。
本例では、第2案内路884は、経路860と実質的に直角に延伸する。
このように、案内880の第1及び第2案内路882、884は、望ましくは通路850と平行な又は直角な直線方向に延伸する。
【0187】
案内880は、直線でない案内路を含む。
たとえば、案内880の外周は、
図10に886で特定された非線形の案内面を形成してもよい。
具体的には、案内880は、環状軸受面を形成するほぼ円形の外形を有してもよい。
円形の外形の直径は、車両200の側面案内部材235の間の距離に相当する直径を有してもよい(
図2D参照)。
【0188】
案内880の案内路は、車両200が進行方向を変えるのを容易にするように交差する。
たとえば、第1案内路882は、第2案内路884と交差して、通路850に対して平行から、通路850に対して直角に、又は、その反対に、車両200が方向を変えるのを容易にしてもよい。
第1案内路882及び第2案内路884は、案内880の中心点で交差してもよい。
このように、案内880は、車両200が垂直軸の周囲を回転するのを容易にし、第1案内路882に沿った進行方向から、第2案内路884に沿った第2進行方向に、車両200を回転させる。
【0189】
以下のように、案内880は、車両200を案内して、方向を変えてもよい。
車両200は、中央フォロワ233が第1案内路882又は第2案内路884と係合して、線形経路から離れて横方向に変位するのを妨げながら、この線形経路に沿って移動してもよい。
車両200の側面案内部材235が環状の案内路886に係合しながら、中央フォロワ233が案内880の中心点に配置されるまで、車両200は、線形経路に沿って水平方向に進む。
車両200は、垂直軸の周囲を回転して、進行方向を変える。
たとえば、駆動輪252aは、第1方向に回転してもよく、さらに、駆動輪252bは、ゼロ半径回転を実行するために、第1方向とは反対の第2方向に回転してもよい。
この駆動輪252a、252bが、回転軸を軸として車両200を回転させる間、側面案内部材235は、車両200が回転経路から離れて横方向に変位するのを妨げる。
【0190】
案内880は、(通路850に隣接する)垂直列810の前又は(通路850から離れた)垂直列810の後ろの垂直柱815の間の開口部に車両200の幅を合わせながら、垂直列810に合わせられて、垂直列810内での車両200の回転を容易にする。
【0191】
図10に示すように、材料取り扱いシステム10は、間隙gGを離された一対の板状部材からなる、床面取り付け型の側面整列システム890を含んでもよい。
車両200が、駆動列D1乃至D6内で概して一定の回転角度を維持しながら、構造の全幅を素早くかつ容易に横切ることができるように、側面整列システム890によって定められる間隙は、整列システム895によって定められた間隙に合わせて配向される。
【0192】
上述のように、軌道要素840のような複数の案内要素は、格納ラック800に取り付けられ、車両200を床面上に配置された格納場所820と整列させて案内する。
たとえば、軌道840は、複数の垂直な軌道区画を含んでもよい。
具体的には、垂直軌道区画は、通路850内の各垂直柱815に取り付けられてもよい。
図11を参照すると、垂直軌道区画は、車両200の垂直駆動ギア220と係合する形状を有するものであってもよい。
たとえば、軌道840は、垂直柱815の高さまで延伸する格納ラック800を形成する複数の歯を有するものであってもよい。
【0193】
図11に示すように、第1軌道が垂直列810の第1側に沿って垂直上方に延伸し、第2軌道が垂直列810の第2側に沿って上方に延伸するように、軌道840は、通路850にまたがっていてもよい。
たとえば、
図10の柱D1及び車両200eが、
図11に示されている。
柱D1は、幅を有する開口部を形成する、2つの離間した垂直柱815を有する。
具体的には、第1柱は、第1垂直端E1及び第2垂直端E2を有し、また、第2柱は、第1垂直端E3及び第2垂直端E4を有する。
第2垂直端E2と第1垂直端E3との間の距離は、車両200の幅W1以上である(
図2B参照)。
第2垂直端E2と第1垂直端E3との間の距離は、車両200の幅W2未満である。(
図2B参照)。
このように、垂直列810の幅は、車両200の垂直駆動ギア220の外側の頂点間の距離未満であってもよい。
したがって、垂直列810の大部分は、車両200の幅の最も広い部位より狭くてもよい。
【0194】
軌道840は、この軌道840の第1垂直端E1が第1垂直列に向かって突出して第1垂直列に案内面を提供し、また、軌道840の第2垂直端E2が第2垂直列に向かって突出して隣接する垂直列に案内面を提供するように構成されてもよい。
たとえば、軌道840は、駆動列D1に向かって突出する一組の第1歯、及び、駆動列D2に向かって突出する一組の第2歯を提供してもよい。
【0195】
さらに、垂直柱815は、車両200が軌道840を上る際に車両200の横方向の変位を妨げる停止位置を提供するように構成されてもよい。
たとえば、
図11を参照すると、垂直柱815の第1垂直端E3が、軌道840の歯の歯底を超えて、望ましくは、軌道840の頂上に向かって延伸するように、垂直柱815は軌道840の歯と重複する。
このように、垂直柱815が垂直駆動ギア220を垂直列810の奥行きに横方向に平行に変位するのを妨げつつ、垂直軌道ギア220の歯は、軌道840とかみ合う。
【0196】
車両200の垂直駆動ギア220は、この垂直駆動ギア220が垂直駆動ギア220間の距離を縮めるように内側に変位可能なように構成されてもよい。
このように、垂直駆動ギア220は、内側に移動して、車両200が垂直列810に入る際に、軌道840と垂直駆動ギア220との間に間隔を提供することができる。
上述のように、垂直駆動ギア220は、各垂直駆動ギア220の回転軸が水平な進行方向にほぼ平行になるように駆動軸215に取り付けられてもよい。
さらに、垂直駆動ギア220の回転軸は、この垂直駆動ギア220の各組の間の横方向距離がほぼ一定となるように、ほぼ一定であってもよい。
垂直柱815に入るために、垂直駆動ギア220の歯は、垂直駆動ギア220の歯が軌道840の歯を通るように、軌道840の歯と整列される。
【0197】
図11を参照すると、垂直駆動ギア220が軌道840に対して移動されたとき、軌道840に衝突又は接触しないように、この軌道840と垂直駆動ギア220とは、整列されてもよい。
たとえば、軌道840の歯間の間隔は、垂直駆動ギア220が垂直駆動ギア220の回転軸に平行な線に沿って水平に移動するとき、垂直駆動ギア220の歯が軌道840の歯の間の間隙を通るのに十分な間隔を提供する。
より具体的には、垂直駆動ギア220の歯先円(addendum circle)が軌道840の歯の歯先線(addendum line)と重複するように、垂直駆動ギア220及び軌道840は、構成され、配置されてもよい。
そして、この垂直駆動ギアの歯先円(addendum circle)が軌道840の歯先線(addendum line)と重複しながら、垂直駆動ギア220の歯は、軌道840内の歯の間の間隙を通るように構成され、配向される。
【0198】
再び、
図11を参照すると、垂直駆動ギア220及び軌道840は、車両200が垂直列810の幅を形成する垂直柱815の間の開口部に入るとき(すなわち、垂直駆動ギア220の回転軸が通路850に対して直角な水平方向に移動するように垂直駆動ギア220が移動するとき)、垂直駆動ギア220が軌道840を通るように間隔を増すように構成され、配向されてもよい。
たとえば、軌道840は、上部及び下部842を有してもよい。
上部は、垂直駆動ギア220の歯と接続する歯ピッチ及び構成を有してもよい。
下部842は、上部の歯ピッチとほぼ同様の歯ピッチを有してもよいが、下部842の歯形は、上部と大きく異なっていてもよい。
たとえば、下部842の歯は、上部の歯よりも大幅に狭くてもよい。
たとえば、下部842の歯は、少なくとも、10%狭くてもよく、望ましくは、20%狭くてもよい、
さらに、下部842の歯は、上部の歯元のたけ(dedendum)よりも大幅に大きい歯元のたけ(dedendum)を有してもよい。
たとえば、歯の歯底(root)が上部の歯の歯底(root)よりも大きな距離だけ垂直駆動ギア220から離れて内側に延伸するように、下部842の歯元のたけ(dedendum)が上部の歯元のたけ(dedendum)よりも大きくてもよい。
たとえば、下部842の歯元のたけ(dedendum)は、10%大きくてもよく、望ましくは、20%大きい。
【0199】
さらに、歯が下部842の高さに進むにつれて、隣り合う歯の間の間隔が次第に小さくなるように、下部842は、先細のピッチ線を有してもよい。
言い換えれば、下部842の下側の隣り合う歯の間の間隔845が最大であり、下部842の上側の隣り合う歯の間の間隔728が最小であり、間隔が最大から最低へと次第に小さくなる。
【0200】
垂直柱815は、垂直駆動ギア220が垂直柱815の間の開口部を通るのを容易にする可変幅を有する。
たとえば、上述のように、垂直柱815は、垂直柱815の第1垂直端E3が軌道840の歯の歯底を超えて延伸するように、第1幅を有してもよい。
さらに、垂直柱815の下部816a、bは、垂直柱815の上部に対して狭められた幅を有してもよい。
具体的には、垂直柱815は、垂直柱815の端が歯の歯底の下で終わるように、狭められた幅を有してもよい。
このように垂直柱815の下部816a、bは、垂直柱815の上部よりも狭い幅を有する。
同様に、下部の垂直柱816aと下部の垂直柱816bとの間の距離は、第2垂直端E2と第1垂直端E3との間の距離以上である。
さらに、垂直柱815の下部816aと下部816bとの間の垂直列810の開口部は、車両200の最も広い幅W2以上である。
【0201】
上述のように構成されて、垂直駆動ギア220は、垂直駆動ギア220が軌道840と整列されるように、軌道840の開口部を通るように構成されてもよい。
以上でさらに説明したように、垂直駆動ギア220が軌道840と整列された後、この垂直駆動ギア220は、軌道840と連携して、軌道840を持ち上げる又は/及び軌道840を上がるように配置される。
【0202】
上述のように、中央制御装置450は、車両200を制御する制御信号を提供してもよい。
たとえば、中央制御装置450は、車両200が格納ラック800を通って経路860をたどり、格納ラック800内の垂直列810の1つの格納場所820からトート55を回収する動作を制御してもよい。
車両200は、地面に沿って経路860をたどり、車両200の幅を、格納ラック800の2つの垂直柱815の間の開口部を通って延伸する経路860と整列させてもよい。
車両200は、格納ラック800内の複数の垂直列810を通って横切る経路860に沿って進んでもよい。
中央制御装置450は、車両200cが第1経路に対して平行な第2経路に沿って進むように、そして、車両200bと同じ格納ラック800の下で、車両200cが格納ラック800の下で車両200bを追い越すように、車両200cを制御する信号を提供してもよい。
【0203】
車両200が格納ラック800の下で複数の垂直列810を通った後、この車両200は、選ばれた格納場所820が位置する格納ラック800内の垂直列810に到達する。
中央制御装置450は、車両200の経路860に沿った前進を停止する信号を提供する。
この中央制御装置450は、格納ラック800の下で車両200を回転させ、車両200を垂直列810内の開口部と整列させる信号を提供する。
回転後、車両200は、垂直列810内の開口部を通って通路850に入るように、垂直列810の奥行きと平行な経路860に沿って前進する。
車両200を通路850内に前進させるステップは、垂直駆動要素を垂直列810内の開口部の間隙と整列させるステップを含む。
通路850内で一度、車両200が所望の格納場所820と整列されるまで、車両200は垂直上方に駆動する。
車両200は、移載機構210を作動させ、格納場所820から車両200上にアイテムを移動させる。
選択的に、格納場所820は、格納場所820の前端にアイテムを含んでもよく、格納場所820で、所望のアイテムから車両200を分離させる。
したがって、この車両200は、格納場所820の前端のアイテムを車両200に移動させ、今度は、所望のアイテムを格納場所820の前端に引き寄せる。
車両200は、それから、アイテムを受け取る開放型の場所を有する格納場所820へ垂直に駆動する。
車両200は、それから、開放型の場所に向かってアイテムを移動させる。
車両200は、それから、所望のアイテムを有する格納場所820に垂直に移動し、移載機構210を駆動させて、所望のアイテムを車両200上に移動させる。
所望のアイテムを回収した後、車両200は、垂直駆動機構を作動させて、車両200が床面のような水平駆動面と係合するまで、垂直列810を下降する。
車両200の水平駆動は、通路850を横切る方向に垂直列810内の開口部を通って車両200を駆動させるように係合する。
通路850から出た後、車両200は、水平方向に駆動し続け、格納ラック800を出る。
たとえば、車両200は、通路850を横切る経路860に沿って進み続け、1つ以上のさらなる格納ラック800の下を通り、1つ以上のさらなる通路850を横切る。
そのような経路860をたどって、車両200が通る各垂直列810の開口部と、車両200の幅が整列されるように、車両200の経路860は、制御される。
あるいは、車両200が格納ラック800の下にとどまっている間に、車両200は、通路850に沿った経路860に合わせられながら、車両200を回転させる垂直軸の周囲を回転する。
そして、この車両200は、それから、車両200が格納ラック800の下から出るまで、格納ラック800の1つ以上の垂直列810の下を横切る。
【0204】
車両200が格納ラック800を出た後、中央制御装置450は、車両200を制御し、車両200を複数の作業所500の1つに移動させてもよい。
作業所500では、アイテムは、オペレータに渡され、車両200から1つ以上のアイテムを取り除く。
中央制御装置450は、それから車両200を制御して、車両200を経路860に沿って移動させ、車両200が運んでいるアイテムを格納ラック800内のオープン型格納場所820に格納させ、さらに別の格納場所820で次のアイテムを回収させる。
このように、中央制御装置は、複数の車両200に制御信号を提供し、車両200を複数の経路860の1つに沿って移動させ、格納場所820から複数のアイテムを回収させ、アイテムを作業所500に運搬させる。
<制御プロセス>
【0205】
図12は、1つ以上の実施形態による、複数の搬送車両200-1乃至搬送車両200-nのサブシステムを示すブロック図である。
各車両200は、車両200-1のように、中央処理ユニット(CPU)286と、メモリ287と、通信インタフェースとを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、通信インタフェースは、IEEE 802.11のような対応する無線伝送プロトコルに準拠している1つ以上の無線トランシーバからなり、搬送車両200のインタフェースは、ピア・ツー・ピア型トポロジにおけるように他の車両200と、又は、中央制御装置450と通信するのに用いられている。
後者の点については、搬送車両200-1乃至搬送車両200-nは、位置センサ280及び物体センサ282を含み、インタフェースを用いて、感知した情報を中央制御装置450のような主幹制御器とやりとりする。
位置センサ280は、車両200が下層支持面Sに配置された基準マーク上をいつ通過したかを決定する、機載画像センサを含む。
しかし、搬送車両200-1乃至搬送車両200-nは、互いに対するそれぞれの位置を決定する、又は、中央制御装置450が決定できるようにする信号の三角測量法及び/又はその他の従来技術を利用してもよい。
【0206】
各搬送車両200-1は、電源288を含み、この電源288は、たとえば、ウルトラキャパシタ、1つ以上の電池、又は、これらの組み合わせからなる充電可能な電源であってもよい。
そして、電源288は、第1駆動システムの第1駆動モータ230を駆動させる。
第1駆動システムは、第1駆動モータ230によって駆動され、たとえば、車両200を垂直に駆動させるのに用いられる歯車をさらに含んでもよい。
本例では、電源288は、第2駆動システムにも電力を供給し、第2駆動システムは、第2駆動モータ250aと、第3駆動モータ250bとを含む。
【0207】
CPU286は、データ処理及び保管を容易にする1つ以上の商業的に入手可能なマイクロプロセッサ又はマイクロ制御装置を含んでもよい。
さまざまな支持回路が、CPU286の動作を容易にし、1つ以上のクロック回路、電源、キャッシュ、入力/出力回路などを含む。
メモリ287は、リード・オンリ・メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、ディスク駆動記憶装置、光記憶装置、リムーバブル記憶装置などのうちの少なくとも1つを含む。
【0208】
図13は、倉庫自動システム(WMS)1440から受信した命令に応答して、AGVタスクグループ902-1、904-1、906-1及び908-1に割り当てられたもののような、複数の車両及び部分組立品(たとえば、可動ラック700又はフローラック600)による在庫管理タスク活動の割り当て及び実行を調整することが可能な中央制御装置450の略ブロック図である。
そして、この中央制御装置450は、中央処理ユニット(CPU)951と、支持回路955と、メモリ952と、ユーザインタフェース構成要素954(たとえば、タッチ式スクリーン付きのディスプレイ又は別個のキーボード)と、通信インタフェース953とからなる。
サーバ450は、IEEE 802.11のような対応する無線伝送プロトコルに準拠している1つ以上の無線トランシーバを含む。
【0209】
CPU951は、データ処理及び保管を容易にする1つ以上の商業的に入手可能なマイクロプロセッサ又はマイクロ制御装置を含んでもよい。
さまざまな支持回路955が、CPU951の動作を容易にし、1つ以上のクロック回路、電源、キャッシュ、入力/出力回路などを含む。
メモリ952は、リード・オンリ・メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、ディスク駆動記憶装置、光記憶装置、リムーバブル記憶装置などのうちの少なくとも1つを含む。
このメモリ952は、オペレーティングシステム956と、1つ以上の在庫管理アプリケーションとを含む。
在庫管理アプリケーションは、タスクエージェントマネージャモジュール960と、AGV交通管理モジュール970と、状態/事象監視モジュール980と、データリポジトリ990とを含む。
タスクエージェントマネージャモジュール960は、在庫管理タスクプロセッサ961、動的在庫投入解析プログラム962、サブタスク順序識別子963、タスク優先順位マネージャ964、事象通知検知器965、状態遷移検知器966及びAGVセレクタ967によって構成されている。
また、前記在庫管理タスクプロセッサ961は、CPU951による命令の実行によって、WMS940から受け取った在庫管理タスク要求を処理する。
【0210】
AGVの交通管理は、中央制御装置450の交通管理モジュール470によって実行される。
そのような場合、位置、速度及び方向のデータが、中央制御装置によって、一定の間隔をおいて車両から収集される。
位置データは、分析され、経路区域セレクタ974は、次回の制御インターバルにわたる各車両200の経路を選択し、他の車両200、職員又は固定構造物との衝突がないことを確認する。
進路と方位を含む、経路選択に応じて更新された命令は、中央制御装置によって、車両200に戻って伝達される。
しかし、別の実施形態では、車両200は、相対位置決め命令のためではなく、むしろ方位とタスク割り当てのためだけに、制御装置に頼ることなく、車両200は、代わりに、内部データ収集及び空間分析能力に頼る。
【0211】
前述の動作を容易にするために、
図13の中央制御装置450は、施設内の車両位置のマップだけでなく、管理及び配置責任がWMSによって割り当てられているすべての在庫アイテムの最新のロケーションを反映するデータリポジトリを含む。
さらに、予防保守手順のスケジューリングを容易にするために、稼働統計が、可動部品を有するすべてのAGVについて収集されるので、一定の間隔をおいて、部品を検査し、潤滑油を差し、及び/又は交換することができる。
【0212】
本明細書内に記載されている本方法の順序を変更してもよく、さまざまな要素を追加し、並べ替え、組み合わせ、省略し、又は他の方法で修正してもよい。
本明細書に記載されているすべての実施例は、非限定的に提示されている。
様々な修正及び変更を加えてもよい。
複数の実施形態による実施方法を、特定の実施形態の文脈で説明してきた。
これらの実施形態は、例示的であり、限定することを意味しない。
多くの変形、修正、追加及び改良が可能である。
したがって、本明細書で一例として記載されている構成要素に、複数の例を適用してもよい。
さまざまな要素、動作、及びデータストアの間の境界は多少恣意的であり、特定の動作が、特定の例示的な文脈で示されている。
機能の割り当てが異なることも想定され、そのような場合でも、後述の請求の範囲に含まれる場合がある。
最後に、構成例で別個の構成要素として提示されている構造と機能とを、組み合わされた構造又は構成要素として実施してもよい。
これらの及び他の変形、修正、追加、及び改善は、後述の特許請求の範囲で定義される実施形態の範囲内に含まれる場合がある。
【0213】
したがって、上述の内容は、本発明の実施形態に向けられているが、本発明の他の及びさらなる実施形態は、その基本的な範囲から逸脱することなく考案されてもよく、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。