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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】装置、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/76 20060101AFI20241007BHJP
【FI】
B29C45/76
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022512674
(86)(22)【出願日】2021-03-31
(86)【国際出願番号】 JP2021014080
(87)【国際公開番号】W WO2021201189
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】P 2020064423
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 一平
(72)【発明者】
【氏名】森田 竜也
【審査官】田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】特開平4-35923(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂成形を支援する装置であって、
前記樹脂成形の複数の成形因子のそれぞれの、樹脂成形体の複数の解析対象特性に対する影響度を算出する算出部と、
前記影響度に基づいて、前記複数の成形因子のうち少なくとも1つの成形因子を選択する選択部と、
表示装置による前記複数の成形因子の表示において、前記複数の解析対象特性に対する成形因子の影響度を表示するとともに、前記選択した少なくとも1つの成形因子を強調表示させるための表示処理を実行する表示処理部とを備え
前記算出部は、前記複数の成形因子のそれぞれについて、対応する前記成形因子を変化させた場合の前記解析対象特性の変化率の絶対値を前記影響度として算出し、
前記選択部は、第1の解析対象特性に対する前記影響度が第1閾値よりも大きい成形因子であって、当該成形因子の変化に伴って第2の解析対象特性が予め定められた範囲から外れない成形因子を選択する
装置。
【請求項2】
前記表示処理部は、前記選択した少なくとも1つの成形因子の表示の近傍に前記影響度の順位を前記表示装置に表示させる、および複数の前記影響度の内の少なくとも一部を予め定めた方式で前記表示装置に表示させる、のうちの少なくとも1つのための表示処理を実行する
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記選択部は、前記複数の成形因子のうち、前記影響度が大きい順に予め定められた順位以内の少なくとも1つの成形因子を選択する、および前記複数の成形因子のうち、前記影響度が予め定められた閾値以上である少なくとも1つの成形因子を選択する、のうちの少なくとも1つを実行する
請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記複数の成形因子の値から前記解析対象特性の予測データを生成するモデルを有し、前記樹脂成形の前記複数の成形因子の少なくとも1つについてのデータを入力したことに応じて、前記モデルを用いて前記解析対象特性の前記予測データを生成する予測部をさらに備える
請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
予め樹脂成形を行った結果における前記複数の成形因子の値と前記解析対象特性の値との組を含む学習データを取得する取得部と、
前記学習データを用いて、前記複数の成形因子の値から前記解析対象特性の予測データを生成するモデルを学習する学習部とを
さらに備える請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の解析対象特性のうちの少なくとも1つの解析対象特性の指定、及び前記解析対象特性の目標とする変化の指定のうちの少なくとも1つをユーザから受け取る入力部を備える
請求項からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記表示処理部は、前記複数の成形因子の影響度を示す平行座標プロット又は多角形グラフを前記表示装置に表示させるための表示処理を実行する
請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
樹脂成形を支援する方法であって、
前記樹脂成形の複数の成形因子のそれぞれの、樹脂成形体の複数の解析対象特性に対する影響度を算出する段階と、
前記影響度に基づいて、前記複数の成形因子のうち少なくとも1つの成形因子を選択する段階と、
表示装置による前記複数の成形因子の表示において、前記複数の解析対象特性に対する成形因子の影響度を表示するとともに、前記選択した少なくとも1つの成形因子を強調表示させるための表示処理を実行する段階とを備え
前記算出する段階は、前記複数の成形因子のそれぞれについて、対応する前記成形因子を変化させた場合の前記解析対象特性の変化率の絶対値を前記影響度として算出する段階を有し、
前記選択する段階は、第1の解析対象特性に対する前記影響度が第1閾値よりも大きい成形因子であって、当該成形因子の変化に伴って第2の解析対象特性が予め定められた範囲から外れない成形因子を選択する段階を有する
方法。
【請求項9】
前記複数の成形因子の現在の組み合わせを前記表示装置に表示させるとともに、該現在の組み合わせにおける前記解析対象特性の予測データを前記表示装置に表示させるための表示処理を実行する段階をさらに備える
請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の成形因子の複数の組み合わせのうちの最適な組み合わせを前記表示装置に表示させるための表示処理を実行する段階をさらに備える
請求項に記載の方法。
【請求項11】
コンピュータに、
樹脂成形の複数の成形因子のそれぞれの、樹脂成形体の複数の解析対象特性に対する影響度を算出する段階と、
前記影響度に基づいて、前記複数の成形因子のうち少なくとも1つの成形因子を選択する段階と、
表示装置による前記複数の成形因子の表示において、前記複数の解析対象特性に対する成形因子の影響度を表示するとともに、前記選択した少なくとも1つの成形因子を強調表示させるための表示処理を実行する段階とを実行させるためのプログラムであって、
前記算出する段階は、前記複数の成形因子のそれぞれについて、対応する前記成形因子を変化させた場合の前記解析対象特性の変化率の絶対値を前記影響度として算出する段階を有し、
前記選択する段階は、第1の解析対象特性に対する前記影響度が第1閾値よりも大きい成形因子であって、当該成形因子の変化に伴って第2の解析対象特性が予め定められた範囲から外れない成形因子を選択する段階を有する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置、方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂の成形品を成形する場合、不良品の発生を低減するべく、製造装置の操作者が成形条件を調整する必要がある。特許文献1には、操作者に対する支援として、成形条件による評価項目の変動を予測してグラフ表示することが記載されている。
特許文献1 特開2006-123172号公報
【0003】
しかし、特許文献1では、操作者は、多数の成形条件について変動させて評価項目の変動を検討することになり、成形条件の調整に時間がかかってしまう。
【0004】
本発明の第1の態様においては、樹脂成形を支援する装置を提供する。装置は、樹脂成形の複数の成形因子のそれぞれの、樹脂成形体の解析対象特性に対する影響度を算出する算出部を備えてよい。装置は、影響度に基づいて、複数の成形因子のうち少なくとも1つの成形因子を選択する選択部を備えてよい。装置は、表示装置による複数の成形因子の表示において、選択した少なくとも1つの成形因子を強調表示させるための表示処理を実行する表示処理部を備えてよい。
【0005】
表示処理部は、選択した少なくとも1つの成形因子の表示の近傍に影響度の順位を表示装置に表示させる、および複数の影響度の内の少なくとも一部を予め定めた方式で表示装置に表示させる、のうちの少なくとも1つのための表示処理を実行してよい。
【0006】
選択部は、複数の成形因子のうち、影響度が大きい順に予め定められた順位以内の少なくとも1つの成形因子を選択する、および複数の成形因子のうち、影響度が予め定められた閾値以上である少なくとも1つの成形因子を選択する、のうちの少なくとも1つを実行してよい。
【0007】
算出部は、複数の成形因子のそれぞれについて、対応する成形因子を変化させた場合の解析対象特性の変化率の絶対値を影響度として算出してよい。
【0008】
装置は、複数の成形因子の値から解析対象特性の予測データを生成するモデルを有し、樹脂成形の複数の成形因子の少なくとも1つについてのデータを入力したことに応じて、モデルを用いて解析対象特性の予測データを生成する予測部を備えてよい。
【0009】
装置は、予め樹脂成形を行った結果における複数の成形因子の値と解析対象特性の値との組を含む学習データを取得する取得部を備えてよい。装置は、学習データを用いて、複数の成形因子の値から解析対象特性の予測データを生成するモデルを学習する学習部を備えてよい。
【0010】
算出部は、複数の成形因子のそれぞれについて、複数の解析対象特性に対する影響度を算出してよい。選択部は、指定された少なくとも1つの解析対象特性に対する影響度が第1閾値よりも大きく、他の少なくとも1つの解析対象特性に対する影響度が第2閾値よりも小さい少なくとも1つの成形因子を選択してよい。
【0011】
選択部は、第1の解析対象特性に対する影響度が第1閾値よりも大きい成形因子であって、当該成形因子の変化に伴って第2の解析対象特性が予め定められた範囲から外れない成形因子を選択してよい。
【0012】
算出部は、複数の成形因子のそれぞれについて、複数の解析対象特性に対する影響度を算出してよい。選択部は、各解析対象特性に目標とする変化を生じさせる場合における各解析対象特性に対する影響度に基づいて、少なくとも1つの成形因子を選択してよい。
【0013】
選択部は、第1の解析対象特性に目標とする変化を生じさせる場合における第1の解析対象特性に対する影響度が第3閾値よりも大きい成形因子であって、当該成形因子の変化に伴って第2の解析対象特性に目標とする変化を生じさせる成形因子を選択してよい。
【0014】
複数の解析対象特性のうちの少なくとも1つの解析対象特性の指定、及び解析対象特性の目標とする変化の指定のうちの少なくとも1つをユーザから受け取る入力部を備えてよい。
【0015】
表示処理部は、複数の成形因子の影響度を示す平行座標プロット又は多角形グラフを表示装置に表示させるための表示処理を実行してよい。
【0016】
算出部は、各成形因子について、他の成形因子は最適値で固定した状態で、基準から予め定められた範囲で変化させた場合の変化の度合いを影響度として算出してよい。算出部は、複数の基準で複数の範囲の影響度を算出してよい。
【0017】
装置は、製造装置に成形条件を送信する送信部を備えてよい。
【0018】
本発明の第2の態様においては、樹脂成形を支援する方法を提供する。方法は、樹脂成形の複数の成形因子のそれぞれの、樹脂成形体の解析対象特性に対する影響度を算出する段階を備えてよい。方法は、記影響度に基づいて、複数の成形因子のうち少なくとも1つの成形因子を選択する段階を備えてよい。方法は、表示装置による複数の成形因子の表示において、選択した少なくとも1つの成形因子を強調表示させるための表示処理を実行する段階を備えてよい。
【0019】
方法は、複数の成形因子の現在の組み合わせを表示装置に表示させるとともに、該現在の組み合わせにおける解析対象特性の予測データを表示装置に表示させるための表示処理を実行する段階を備えてよい。
【0020】
方法は、複数の成形因子の複数の組み合わせのうちの最適な組み合わせを表示装置に表示させるための表示処理を実行する段階を備えてよい。
【0021】
本発明の第2の態様においては、プログラムを提供する。プログラムは、コンピュータに、樹脂成形の複数の成形因子のそれぞれの、樹脂成形体の解析対象特性に対する影響度を算出する段階を実行させてよい。プログラムは、コンピュータに、影響度に基づいて、複数の成形因子のうち少なくとも1つの成形因子を選択する段階を実行させてよい。プログラムは、コンピュータに、表示装置による複数の成形因子の表示において、選択した少なくとも1つの成形因子を強調表示させるための表示処理を実行する段階を実行させてよい。
【0022】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本実施形態に係るシステム1を示す。
図2】本実施形態の表示部70により表示される画面200の一例を示す。
図3】本実施形態の表示部70により表示される画面300の他の例を示す。
図4】本実施形態の支援装置3におけるモデルの学習フローを示す。
図5】本実施形態の支援装置3における成形因子の表示フローを示す。
図6】本実施形態の表示部70により表示される平行座標プロットの一例を示す。
図7】本実施形態の表示部70により表示される平行座標プロットの他の例を示す。
図8】本実施形態の表示部70により表示される多角形グラフの一例を示す。
図9】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0025】
図1は、本実施形態に係るシステム1を示す。システム1は、樹脂の成形条件を調整して樹脂成形物を製造する。システム1は、樹脂成形物の製造装置2および支援装置3を備える。
【0026】
樹脂成形物の製造に用いる樹脂組成物は、一例として、ポリエチレン、アクリロニトリル、ポリアミド等、または樹脂にガラス繊維等を追加した強化プラスチックである。
【0027】
製造装置2は、支援装置3に有線または無線で接続され、射出成形、またはインモールド成型等により所望の形状に成形した樹脂成形物を製造する。製造装置2は、成形した樹脂(樹脂成形体)について複数の解析対象特性を評価して、複数の成形因子および成形した樹脂の解析対象特性を示すデータを支援装置3に送信してよい。
【0028】
ここで、複数の成形因子は、樹脂成形物の品質に影響する因子であってよく、製造装置2において設定する成形の条件を含んでよい。複数の成形因子は、一例として、金型厚さ、金型温度、樹脂種、冷却時間、射出温度、射出圧力最大値、保圧圧力、スクリュー回転数、および計量値等のうちの少なくとも1つであってよい。また、複数の成形因子は、製造装置2が設置された環境の温度、湿度、および成形の形状等のうちの少なくとも1つを含んでよい。
【0029】
解析対象特性は、樹脂成形物が不良品か否かを判断する評価項目であってよい。解析対象特性は、一例として、樹脂成形物の寸法、目標の寸法からの誤差、樹脂成形物に生じる欠陥のモード、数、面積、または密度、および不良が生じる位置等のうちの少なくとも1つを含んでよい。
【0030】
支援装置3は、樹脂成形を支援する装置の一例である。支援装置3は、製造装置2の操作者等のユーザに対して、複数の成形因子を表示することにより、成形条件の調整を支援することができる。支援装置3は、取得部10と、学習部20と、入力部30と、予測部40と、算出部50と、選択部60と、表示部70とを備える。
【0031】
取得部10は、製造装置2に接続される。取得部10は、予め樹脂成形を行った結果における複数の成形因子の値と解析対象特性の値との組を含む学習データを取得する。取得部10は、製造装置2、ウェブサイト、および外部の記録媒体の少なくとも1つから学習データを取得してよい。複数の成形因子の値と解析対象特性の値との組は、製造装置2において予め樹脂成形を行った際の複数の成形因子の設定値と、当該樹脂成形で製造された樹脂成形物を評価して得られた解析対象特性の値との組であってよい。
【0032】
学習部20は、取得部10に接続される。学習部20は、取得部10が取得した学習データを用いて、複数の成形因子の値から解析対象特性の予測データを生成するモデルを学習する。学習部20は、学習データを用いてモデルを生成および更新してよい。
【0033】
入力部30は、ユーザ4からの入力を受け取るためのものであってよく、一例として、キーボード、マウス、またはタッチパネル等である。入力部30は、支援装置3で表示するための少なくとも1つの表示条件を示すデータ(例えば、複数の解析対象特性のうちの少なくとも1つの解析対象特性の指定、及び解析対象特性の目標とする変化の指定のうちの少なくとも1つ)をユーザ4から入力される。表示条件は、例えば、複数の成形因子の範囲、複数の成形因子の特定の値の組み合わせ、および解析対象特性のうちの少なくとも1つを含む。なお、入力部30は、ユーザ4の端末(パソコン、タブレット、またはスマートフォン等)から表示条件を示すデータを受信してもよい。さらに、入力部30は、製造装置2で成形を行うための成形条件の入力を受け取ってもよい。
【0034】
予測部40は、学習部20および入力部30に接続される。予測部40は、複数の成形因子の値から解析対象特性の予測データを生成するモデルを学習部20から受け取り保持する。予測部40は、入力部30から、樹脂成形の複数の成形因子の少なくとも1つについてのデータを入力したことに応じて、モデルを用いて解析対象特性の予測データを生成し、算出部50に送信する。予測部40は、取得部10が取得した学習データを、算出部50に送信してもよい。
【0035】
算出部50は、予測部40に接続される。算出部50は、樹脂成形の複数の成形因子のそれぞれの、成形した樹脂の解析対象特性に対する影響度を算出する。算出部50は、予測部40から受け取った予測データを用いて影響度を算出してよい。算出部50は、複数の成形因子のそれぞれについて、複数の解析対象特性に対する影響度を算出してもよい。
【0036】
選択部60は、算出部50に接続される。選択部60は、算出部50から受け取った影響度に基づいて、複数の成形因子のうち少なくとも1つの成形因子を選択する。選択部60は、強調表示の対象となる影響度の大きい1または複数の成形因子を選択してよい。
【0037】
表示部70は、選択部60に接続される。表示部70は、表示処理部72と表示装置74とを有する。表示処理部72は、表示処理部72による複数の成形因子の表示において、選択した少なくとも1つの成形因子を強調表示するさせるための表示処理を実行する。表示処理部72は、表示画面を生成する処理、表示に必要なデータ(複数の成形因子を示すデータ、表示画面のデータ、強調表示する対象を示すデータ、強調表示する方法を示すデータ等)を表示装置74に無線又は有線で出力する処理等を実行してよい。表示装置74は、支援装置3が有する表示画面であってよい。表示部70は、各成形因子の名前と、樹脂の種類名と、単位と、設定可能範囲(例えば、入力部30を介して入力された成形因子の範囲)と、最新の設定値(例えば現在の最適値)とのうちの少なくとも1つを表示してよい。表示部70は、解析対象特性の名前と、評価条件と、予測データとのうちの少なくとも1つをさらに表示してよい。
【0038】
表示部70は、選択した少なくとも1つの成形因子について、色、パターン、マーカー、符号、影響度の値、影響度の順位、数値の大きさ、文字のフォント、および文字の大きさのうちの少なくとも1つを用いて強調表示してよい。例えば、表示処理部72は、選択部60で選択した少なくとも1つの成形因子の表示の近傍に影響度の順位を表示装置74に表示させる、および複数の影響度の内の少なくとも一部を予め定めた方式で表示装置74に表示させる、のうちの少なくとも1つのための表示処理を実行することにより、表示装置74において強調表示してよい。表示部70は、当該表示部70の画面に複数の成形因子を表示してよい。また、表示部70は、外部のディスプレイに複数の成形因子を表示するためのデータを出力してもよい。さらに、支援装置3は、製造装置2に成形条件を送信する送信部80を有していてもよい。送信部80は、入力部30に入力された成形条件を受け取って製造装置2に送信してよい。
【0039】
図2は、本実施形態の表示部70により表示される画面200の一例を示す。表示部70は、画面200上に、各成形因子の項目名210と、成形因子の設定可能範囲を示すスライドバー220と、スライドバー220上の現在の値の位置を示すポインタ230と、成形因子の現在の値240と、樹脂の種類名のリストボックス250と、成形因子の現在の値の組み合わせの場合の解析対象特性の予測値260とを表示する。図2においては、解析対象特性の予測値260は、射出成形での樹脂成形物の強度の予測値が100であることを示す。ユーザ4は、当該画面200を見ながら、マウス(入力部30)を用いて、マウスカーソルでポインタ230を動かして成形因子の値を変化させ、当該成形因子の値の組の変化に応じて予測部40で予測した解析対象特性の予測値260が画面上でリアルタイムに変化するため、容易に成形条件を決定することができる。この際、影響度に応じた強調表示の対象の成形因子も変化してよい。
【0040】
本実施形態において、表示部70は、選択部60で選択した影響度が1~3位の成形因子について、項目名(図2では、樹脂種、射出速度、および温度1)のボックスの色を他と異なる色(またはパターン)で表示し、さらに、項目名に隣接する位置に影響度の順位を示すことにより、強調表示している。
【0041】
図3は、本実施形態の表示部70により表示される画面300の他の例を示す。表示部70は、画面300上に、横軸が各成形因子の項目名を示し、縦軸が各成形因子の影響度を示すグラフを表示する。表示部70は、図3のグラフにおいて、影響度が大きい順に複数の成形因子を配置することにより、強調表示している。図3において表示部70は、影響度の合計が1となるように算出部50によって規格化された影響度の値を縦軸に示してよい。
【0042】
図4は、本実施形態の支援装置3におけるモデルの学習フローを示す。ステップS400において、製造装置2は、樹脂成形を行う。製造装置2は、樹脂成形物の成形条件を変化させながら複数回の樹脂成形を行ってよい。
【0043】
ステップS410において、取得部10は、製造装置2から学習データを取得する。取得部10は、複数の成形因子の値と解析対象特性の値との複数の組み合わせを製造装置2から受信してよい。また、取得部10は、複数の成形因子の値と、樹脂成形物の測定データ(成形した樹脂の寸法の計測値、および画像データ等)とを製造装置2から取得して、取得部10が樹脂成形物を評価して解析対象特性の値を取得してもよい。
【0044】
ステップS420において、学習部20は、取得部10が取得した学習データを用いて、複数の成形因子の値から解析対象特性の予測データを生成するモデルを学習する。モデルは、一例として、リカレント型またはタイムディレイ型などのニューラルネットワーク、ランダムフォレスト、勾配ブースティング、ロジスティック回帰、および、サポートベクタマシン(SVM)などを含む機械学習アルゴリズムであってよい。例えば、モデルは、成形因子の各要素に対応するノードを入力層に含み、解析対象特性に対応するノードを出力層に含んでよい。成形因子の1つの要素に対する入力層のノードは1つでもよいし複数でもよい。入力層および出力層の間には、1または複数のノードを含む中間層(隠れ層)が介在してよい。学習部20は、ノード間をつなぐエッジの重み、および、出力ノードのバイアス値を調整することで学習処理を実行してよい。
【0045】
学習部20は、定期的に、S410において取得部10が学習データを取得することに応じて、またはユーザ4からの入力に応じて、モデルを学習して、更新してよい。支援装置3の電源がオフになると学習フローを終了してよい。
【0046】
図5は、本実施形態の支援装置3における成形因子の表示フローを示す。ステップS500において、入力部30は、ユーザ4から解析対象特性(例えば強度等)の指定を取得する。
【0047】
ステップS510において、予測部40は、モデルを用いて、複数の成形因子から、入力部30で取得した特定の解析対象特性の予測データを生成する。予測部40は、複数の成形因子のうちの、対応する成形因子を予め定められた範囲で変化させた場合の解析対象特性の複数の値(または変化)を予測データとして生成してよい。変化させる予め定められた範囲は、例えば、各成形因子について、ユーザ4から入力部30を介して入力された範囲、または製造装置2から取得部10を介して取得した当該製造装置2の設定可能範囲であってよい。
【0048】
ステップS520において、算出部50は、予測部40からの予測データ、入力部30で取得した入力データ、および取得部10が取得した学習データ等を用いて影響度を算出してよい。算出部50は、複数の成形因子の値の複数の組み合わせのうち、解析対象特性が最も良好になる(または目標値に最も近くなる)値の組み合わせである現在の最適値を基準に影響度を算出してよい。また、算出部50は、取得部10で取得した複数の成形因子の最も新しい値の組み合わせ、または、入力部30を介して入力された複数の成形因子の値の組み合わせを、最適値として基準にしてよい。算出部50は、各成形因子について、他の成形因子は(例えば最適値で)固定した状態で、基準から予め定められた範囲(±x%)(x>0)で変化させた場合の変化の度合いを影響度として算出してよい。算出部50は、複数の基準で複数の範囲の影響度を算出してよい。当該変化させる予め定められた範囲は、予測部40において用いる予め定められた範囲より小さい範囲または同じ範囲であってよく、成形因子毎に異なる範囲であってよい。
【0049】
算出部50は、複数の成形因子のそれぞれについて、対応する成形因子を変化させた場合の解析対象特性の変化の程度(例えば、変化率の絶対値)を影響度として算出してよい。例えば、算出部50は、予め定められた範囲を区切った複数の区間(単位区間)での解析対象特性の変化率の絶対値をそれぞれ算出し、複数の区間の変化率の絶対値を平均して、影響度としてよい。これにより、算出部50は、解析対象特性の変化率がマイナスからプラスに変化する場合にも変化の度合いをより正確に算出できる。また、算出部50は、成形因子の現在の値が含まれる微少な単位区間での変化率(微分した値)の絶対値を影響度として算出してよい。
【0050】
算出部50は、算出した影響度を全ての成形因子の影響度の合計で割って、規格化した値を算出してよい。ここで、算出部50は、成形因子の値を変化させる単位区間についても、全ての成形因子について、対応する成形因子の設定可能範囲(最大値と最小値との間の幅)で割って規格化した値が同じになるように設定してよい。これにより、設定可能範囲が大きい成形因子と小さい成形因子との間で精度良く影響度を算出できる。
【0051】
算出部50は、複数の成形因子のそれぞれについて影響度を選択部60に送信する。
【0052】
ステップS530において、選択部60は、算出部50が算出した影響度に基づいて成形因子を選択する。選択部60は、複数の成形因子のうち、影響度が大きい順(または小さい順)に予め定められた順位以内の少なくとも1つの成形因子を選択する、および複数の成形因子のうち、影響度が予め定められた閾値以上(または未満)である少なくとも1つの成形因子を選択する、のうちの少なくとも1つを実行してよい。選択部60は、解析対象特性毎に予め定められた個数またはユーザ4から入力部30を介して指定された個数の成形因子を影響度が大きい順(または小さい順)に選択してよい。また、選択部60は、影響度が、解析対象特性毎に予め定められた閾値またはユーザ4から入力部30を介して指定された閾値以上(または未満)である成形因子を選択してよい。
【0053】
ステップS540において、表示部70は、画面上で、複数の成形因子を表示するとともに、選択部60で選択された成形因子を強調表示する。表示部70は、例えば、図2または3のような画面を生成して表示してよい。表示部70は、複数の成形因子の現在の組み合わせを表示するとともに、該現在の組み合わせにおける解析対象特性の予測データを表示してよい。表示部70は、複数の成形因子の複数の組み合わせのうちの最適な値の組み合わせ、最も新しく取得した現在の値の組み合わせ、またはユーザから入力部を介して入力された値の組み合わせを表示してよい。表示部70は、画面のデータを生成して出力し、ユーザ4の端末または製造装置22等の外部のディスプレイに表示させてもよい。
【0054】
ここで、支援装置3は、入力部30から成形因子の少なくとも1つを変更する入力を取得することに応じて、変更後の複数の成形因子の組について、ステップS510、S520、およびS530のいずれかからフローを開始してよい。これにより、支援装置3は、変更後の複数の成形因子についての変化した影響度に応じてリアルタイムに表示を変更(例えば強調表示する成形因子の変更等)できる。支援装置3は、電源がオフされると処理を終了してよい。
【0055】
本実施形態により、ユーザは、特定の解析対象特性に対する影響が大きい成形因子を容易に判別し、製造装置2における成形条件を効率的に調整することができる。また、予測した解析対象特性に応じて影響度を算出することによって、実際に多数の樹脂成形を行うことなく影響度を算出して成形条件を調整することができ、樹脂成形コストの削減、製品の樹脂成形までの期間の短縮、製造装置の稼動率向上等を達成することができる。
【0056】
なお、支援装置3は、製造装置2に接続されていなくてもよく、取得部10は、学習データとして、他の製造装置における樹脂成形のデータ、記録媒体に記録されたデータ、またはウェブサイトのデータを取得してよい。
【0057】
また、支援装置3は、学習部20を備えていなくてもよく、外部の学習装置からモデルを提供されてもよい。
【0058】
また、支援装置3は、ユーザ4により複数の解析対象特性が指定されると、複数の解析対象特性について影響度を算出して、強調表示することができる。算出部50は、複数の解析対象特性のそれぞれの影響度を算出して、合計の影響度に応じて成形因子を選択してよい。例えば、算出部50は、成形因子を単位区間で変化させた場合の複数の解析対象特性の値の変化を、それぞれ、対応する解析対象特性の変動可能範囲における最大値と最小値との間の幅で割って規格化する。そして、算出部50は、解析対象特性の規格化された変化の合計を求めて、当該合計を影響度としてよい。
【0059】
なお、支援装置3の算出部50は、複数の成形因子のそれぞれについて、複数の解析対象特性に対する影響度を算出してよい。以下において、上記の実施形態と同様の機能、動作等については省略する。
【0060】
ステップS500において、入力部30は、ユーザ4から、1又は複数の第1の解析対象特性及び他の1又は複数の第2の解析対象特性のうちの少なくとも1つの指定を取得する。ステップS510において、予測部40は、モデルを用いて、複数の成形因子から、第1の解析対象特性の予測データ及び第2の解析対象特性の予測データを生成する。1又は複数の第2の解析対象特性は、ユーザ4から入力部30を介して第1の解析対象特性とともに取得したものであってよく、又は予め定められたものであってもよい。ステップS520において、算出部50は、予測部40からの予測データ、入力部30で取得した入力データ、および取得部10が取得した学習データ等を用いて、第1の解析対象特性及び第2の解析対象特性に対する複数の成形因子の影響度を算出してよい。
【0061】
ステップS530において、選択部60は、影響度に基づいて成形因子を選択する。選択部60は、指定された少なくとも1つの第1の解析対象特性に対する影響度が第1閾値よりも大きく、他の少なくとも1つの第2の解析対象特性に対する影響度が第2閾値よりも小さい少なくとも1つの成形因子を選択してよい。これにより、選択部は、指定された第1の解析対象特性に対する影響度が第1閾値よりも大きい成形因子であって、当該成形因子の変化に伴って第2の解析対象特性が予め定められた範囲から外れない成形因子を選択してよい。また、選択部60は、例えば算出した第1の解析対象特性への影響度及び第2の解析対象特性への影響度のうち、第1の解析対象特性への影響度が最も大きい1又は複数の成形因子を選択してよい。第1閾値及び第2閾値は、ユーザ4から入力部30を介して解析対象特性とともに取得した値、予め定められた値、又は予め定められた規則に従った値であってもよい。
【0062】
一例として、強度に対しては影響度が大きいが耐衝撃性には影響度が小さい成形因子(例えば金型温度等)を選択部60が選択して、表示装置74に表示させることができる。
【0063】
また、ステップS530において、選択部60は、各解析対象特性に目標とする変化を生じさせる場合における各解析対象特性に対する影響度に基づいて、少なくとも1つの成形因子を選択してよい。選択部60は、第1の解析対象特性に目標とする変化を生じさせる場合における第1の解析対象特性に対する影響度が第3閾値よりも大きい成形因子であって、当該成形因子の変化に伴って第2の解析対象特性に目標とする変化を生じさせる成形因子を選択してよい。目標とする変化は、解析対象特性の現在の値(例えば現在の最適条件における値)からの変化であってよく、対応する解析対象特性のプラス又はマイナスの変化、対応する解析対象特性の目標範囲、及び複数の解析対象特性の影響度の比の範囲の少なくとも1つであってよい。目標とする変化は、ユーザ4から入力部30を介して解析対象特性に対応付けて取得された変化であってよく、また、予め定められた変化又は予め定められた規則に従った変化であってもよい。
【0064】
具体的には、ステップS500において、ユーザ4が入力部30に解析対象特性である強度をプラス、欠陥数をマイナスにするという目標とする変化を入力する。これに従って、選択部60は、強度をプラスにするための影響度は第3閾値より大きく、欠陥数を少なくともマイナスにする成形因子を選択してよい。
【0065】
ステップS540において、表示部70は、表示装置74の画面上で、複数の解析対象特性複数に対する成形因子の影響度を表示するとともに、選択部60で選択された成形因子を強調表示する。表示処理部72は、複数の成形因子の影響度を示す平行座標プロット又は多角形グラフを表示装置74に表示させるための表示処理を実行してよい。表示画面の例を以下に示す。
【0066】
図6は、複数の成形因子の影響度を示す平行座標プロットの一例を示す。図6のグラフにおいて、縦軸は、対応する成形因子を変化させた場合の解析対象特性の変化の程度を影響度として示し、横軸は、成形因子の種類を示す。図6において、ヤング率を強調表示するために影響度を実線で表示してよい。
【0067】
図7は、複数の成形因子の影響度を示す平行座標プロットの他の例を示す。図7のグラフにおいて、縦軸は、対応する成形因子を変化させた場合の解析対象特性の基準値からの変化を影響度として示し、横軸は、成形因子の種類を示す。図7において、ヤング率を強調表示するために影響度を実線で表示してよい。図7においては、解析対象特性について基準値(例えば現在の最適条件における値等)からのプラス/マイナスが明確である。
【0068】
図8は、複数の成形因子の影響度を示す多角形グラフの一例を示す。図8のグラフにおいて、5つの項目は、成形因子の種類を示し、対応する成形因子を変化させた場合の解析対象特性の変化の程度を影響度として示す。図8において、ヤング率を強調表示するために影響度を実線で表示してよい。
【0069】
以上のような実施形態により、複数の解析対象特性の影響度に応じて、実際に多数の樹脂成形を行うことなく成形条件を効率的に調整することができるため、樹脂成形コストの削減、製品の樹脂成形までの期間の短縮、製造装置の稼動率向上等を達成することができる。なお、表示装置74は、ユーザ4が有する端末の表示画面又は製造装置2の表示画面等の支援装置3の外部の表示装置であってもよい。また、支援装置3は、PC、サーバ、又は携帯端末等であってよい。
【0070】
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0071】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0072】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0073】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0074】
図9は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0075】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0076】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0077】
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0078】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0079】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0080】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0081】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0082】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0083】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0084】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。
【0085】
請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0086】
1 システム
2 製造装置
3 支援装置
10 取得部
20 学習部
30 入力部
40 予測部
50 算出部
60 選択部
70 表示部
72 表示処理部
74 表示装置
80 送信部
200 画面
210 項目名
220 スライドバー
230 ポインタ
240 現在の値
250 リストボックス
260 予測値
300 画面
2200 コンピュータ
2201 DVD-ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インタフェース
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD-ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9