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▶ レッドレンザー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフトの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】フラッシュライト
(51)【国際特許分類】
   F21L 4/00 20060101AFI20241007BHJP
   H01H 15/10 20060101ALI20241007BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20241007BHJP
【FI】
F21L4/00 411
H01H15/10
F21V23/04 150
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022536799
(86)(22)【出願日】2021-03-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-08
(86)【国際出願番号】 DE2021100200
(87)【国際公開番号】W WO2021190691
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2023-07-14
(31)【優先権主張番号】102020108165.0
(32)【優先日】2020-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519421433
【氏名又は名称】レッドレンザー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】LEDLENSER GMBH & CO. KG
【住所又は居所原語表記】Kronenstrasse 5-7, D-42699 Solingen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ウルリヒ ショルツ
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-503805(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0145912(US,A1)
【文献】実開平06-061473(JP,U)
【文献】独国実用新案第202010009881(DE,U1)
【文献】特表2013-531353(JP,A)
【文献】米国特許第4152755(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21L 4/00
F21V 23/00
H01H 15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラッシュライトであって、
発光ユニット(18)を有するフラッシュライトヘッド(2)と、
グリップピースとして形成されており、長手方向軸線(L)に沿って延び、かつ後方に閉じられた端区分(4)を有するハウジング(3)と、
当該フラッシュライト(1)を操作するためにスライダ(5)を有するスライドスイッチと、
を備え、
前記スライダ(5)は、スライド式に可動で、かつ紛失防止されて前記ハウジング(3)に支持されている、フラッシュライトにおいて、
前記スライダ(5)がL字形に形成され、第1の区分(6)と第2の区分(9)とを備えており、前記第1の区分(6)は、前記ハウジング(3)に沿って長手方向軸線の方向に延びており、前記第2の区分(9)は、前記ハウジング(3)に設けられた、閉じられた前記端区分(4)に背後から係合しており、これにより前記スライドスイッチが互いに異なるグリップポジションで操作可能であることを特徴とする、フラッシュライト。
【請求項2】
前記スライダ(5)は、前記スライドスイッチを操作するために、ばねの力に抗して可動であることを特徴とする、請求項1記載のフラッシュライト。
【請求項3】
前記ばねは圧縮ばね(13)として形成されていて、前記ハウジング(3)の前記端区分(4)の端面と、前記スライダ(5)の前記第2の区分(9)との間に支持されていることを特徴とする、請求項2記載のフラッシュライト。
【請求項4】
前記スライダ(5)の紛失防止された支持のために、前記スライダ(5)の前記第1の区分(6)が、フロント側で、前記フラッシュライトヘッド(2)に設けられた円筒状の収容部(8)内に係合しており、かつ/または、前記スライダ(5)の前記第2の区分(9)が、ガイド面(10)と係止フック(11)とを備えたガイドエレメント(21)を有しており、前記係止フック(11)は、前記ハウジング(3)の後方の前記端区分(4)に設けられた、アンダカットされた収容部(12)にスナップイン式に係止されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載のフラッシュライト。
【請求項5】
前記スライダ(5)は、当付け面(7)と後方の前記端区分(4)との間の区分(22)で前記ハウジング(3)によって部分的に覆われており、前記区分(22)において前記ハウジング(3)に設けられたガイド通路(23)の内部に延びていることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載のフラッシュライト。
【請求項6】
前記スライドスイッチは磁気的なスイッチとして形成されており、このために磁気感受性のセンサ(19)が、前記フラッシュライトヘッド(2)または前記ハウジング(3)に配置されており、前記磁気感受性のセンサ(19)は、前記スライダ(5)のスライド運動によって、前記スライダ(5)に接続されている磁気エレメント(14)に作用接続されるようになっていることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載のフラッシュライト。
【請求項7】
前記磁気エレメント(14)は、前記スライダ(5)の、前記フラッシュライトヘッド(2)の前記円筒状の収容部(8)内に係合する区分に配置されていることを特徴とする、請求項4を引用する請求項記載のフラッシュライト。
【請求項8】
前記磁気エレメント(14)は、前記スライダ(5)の、前記フラッシュライトヘッド(2)の前記円筒状の収容部(8)内に係合する区分に配置されていることを特徴とする、請求項4を引用する請求項5を引用する請求項6記載のフラッシュライト。
【請求項9】
前記スライダ(5)はボールばね(15)を有しており、前記スライダ(5)の操作時に、ボール(16)が乗上げ斜面(17)に沿って転動することを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載のフラッシュライト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラッシュライト(Taschenlampe)であって、発光ユニットを有するフラッシュライトヘッドと、グリップピースとして形成されており、長手方向軸線に沿って延び、かつ後方に、閉じられた端区分を有するハウジングと、フラッシュライトを操作するためにスライダを有するスライドスイッチと、を備え、スライダがスライド式に可動で、かつ紛失防止されてハウジングに支持されている、フラッシュライトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術によれば、種々異なる方式で操作することができる円筒状のフラッシュライトが知られている。操作は、フラッシュライトの規定通りの使用時における好適なグリップポジションまたは姿勢に適合されている。フラッシュライトを手で握ったときのグリップポジションは、クラシカルなグリップポジションと、いわゆるタクティカルなグリップポジションとの間で区別することができる。
【0003】
クラシカルなグリップポジションでは、フラッシュライトヘッドを備えたフラッシュライトの前側の区分が実質的に親指と人差し指との間に収まるようにフラッシュライトが握られる。このようなフラッシュライトは、フラッシュライトの前側の領域に配置されているスイッチを有しており、このスイッチは親指で操作される。このスイッチは、スライドスイッチまたはプッシュスイッチとして形成されていてよい。このようなフラッシュライトは、たとえば独国実用新案第202010009881号明細書に開示されている。
【0004】
特に軍や警察等の任務部隊によって好んで用いられるタクティカル(戦術的)なグリップポジションでは、フラッシュライトは180°反転されて逆手で保持されるので、フラッシュライトヘッドを備えたフラッシュライトの区分は、手のひらの外縁の領域で、すなわち実質的に小指と小指球との間で、閉じられた手から進出する。このようなフラッシュライトは、一般にプッシュスイッチを有しており、このプッシュスイッチは、ハウジングの端区分に、好ましくはエンドキャップの内部に支持されていて、やはり親指で操作される。たとえば、国際公開第2012/010126号には、このようなエンドキャップスイッチを備えたフラッシュライトが記載されている。
【0005】
従来技術により公知のフラッシュライトには、欠点がある。それは、公知のフラッシュライトは、それぞれ規定された1つのグリップポジションでしか片手で簡便に操作可能でないからである。フラッシュライトが、予め規定されていないグリップポジションで保持される場合、フラッシュライトを操作のために180°反転しなければならないか、またはスイッチの操作のために他方の手の助けを借りなければならない。たしかに、同一機能の2つの別個のスイッチを備えたフラッシュライトも知られているが、このようなフラッシュライトは、製造に手間がかかり、したがって高価となる。なぜならば、相応するケーブル接続を備えたそれぞれ2つの別個のスイッチメカニズムが準備されて、据え付けられなければならないからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の課題は、グリップポジションに関わらず片手で簡便に操作可能であって、しかも廉価に製造可能であるようなフラッシュライトを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1に記載のフラッシュライトによって解決される。本発明の構成では、スライダがL字形に形成されていて、第1の区分と第2の区分とを備えており、第1の区分は、ハウジングに沿って長手方向軸線の方向に延びており、第2の区分は、ハウジングに設けられた、閉じられた端区分に背後から係合しており(または、閉じられた端区分を背後から把持しており)、これによりスライドスイッチを互いに異なるグリップポジションで操作可能である。これにより、フラッシュライトは、クラシカルなグリップポジションでもタクティカルなグリップポジションでも、片手で簡便に、かつ面倒な握り返しなしに操作することができる。クラシカルなグリップポジションでは、親指がスライダの第1の区分に載せられているので、スライダを長手方向軸線の方向にスライドさせることによりフラッシュライトを操作することができる。タクティカルなグリップポジションでは、親指がスライダの第2の区分に載せられているので、これによりスライダは、エンドキャップスイッチのプッシュスイッチまたはタッチスイッチのように操作することができる。このようなフラッシュライトの自在の操作可能性にもかかわらず、1つのスイッチメカニズムしか必要とならない。このことは、2つの別個の、しかも同一機能のスイッチを互いに異なる個所に有するようなフラッシュライトに比べて、本発明によるフラッシュライトのコストを低減させる。
【0008】
以下では、かつ従属形式の各請求項では、本発明の好適な実施態様が記載される。
【0009】
本発明の第1の有利な構成では、スライダが、スライドスイッチを操作するために、ばねの力に抗して可動であり、このばねは、好ましくは圧縮ばねとして形成されていて、ハウジングの端区分の端面と、スライダの第2の区分との間に支持されている。スライダの、ばね付勢された支持に基づき、フラッシュライトの誤操作によるスイッチオンまたはスイッチオフが阻止される。
【0010】
スライダの紛失防止された支持のためには、好ましくは、スライダの第1の区分が、フロント側で、フラッシュライトヘッドに設けられた円筒状の収容部内に係合しており、かつ/または、スライダの第2の区分が、ガイド面と係止フックとを備えたガイドエレメントを有しており、係止フックが、ハウジングの後方の端区分に設けられた、アンダカットされた収容部にスナップイン式に係止されている。
【0011】
本発明の別の有利な改良形の枠内では、スライダが、当付け面と後方の端区分との間の区分でハウジングによって部分的に覆われており、この区分においてハウジングに設けられたガイド通路の内部に延びている。これにより、フラッシュライトが極めてしっかりと保持されている場合でも、スライダの操作がひっかかりなくスムーズに可能となる。
【0012】
本発明の特に好適な構成では、フラッシュライトが磁気的なスイッチを有しており、このために、磁気感受性のセンサが、フラッシュライトヘッドまたはフラッシュライトのハウジングに配置されており、磁気感受性のセンサは、スライダのスライド運動によって、このスライダに接続されている磁気エレメントに作用接続されるようになっている。この場合、好ましくは、磁気エレメントはスライダの、フラッシュライトヘッドの円筒状の収容部内に係合する区分に配置されている。このような磁気的なスイッチに対して代替的に、スイッチは機械的なプッシュスイッチまたはタッチスイッチとして形成されていてもよい。このために、同じくフラッシュライトヘッドの円筒状の収容部内にタッチスイッチまたはプッシュスイッチが配置されていてよい。この場合、タッチスイッチとスライダとの間にはゴムダイヤフラムが配置されているので、ハウジングの内部はダスト、汚れおよび水に対して防護されている。
【0013】
さらに、本発明の好適な構成では、スライダがボールばねを有しており、スライダの操作時に、ボールが乗上げ斜面に沿って転動する。ボールばねはこの場合、好ましくはスライダに設けられたボールばね収容部内に配置されている。乗上げ斜面の形状の選択およびボールばねのばね力により、スライドスイッチの操作時における触覚的な感覚を調節することができ、この場合、操作者は、スライダがフラッシュライトのハウジングに対してどの位置を占めているのか、そしてフラッシュライトを操作するためにはスライダをなおどれくらいの移動量をスライドさせなければならないのか、をいつでも感じられるようになる。
【0014】
このようなフラッシュライトは、実質的に任意の材料、たとえばプラスチックおよび/またはアルミニウムから形成されていてよく、スライダとフラッシュライトハウジングとは、必要に応じて互いに異なる材料から形成されていてもよい。
【0015】
以下に、本発明の具体的な構成を図面に基づき説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1a】フラッシュライトの平面図である。
図1b図1aに示したフラッシュライトの横断面図である。
図2a】フラッシュライトの側面図である。
図2b図2aに示したフラッシュライトの横断面図である。
図3a】フラッシュライトの平面図である。
図3b図3aに示したフラッシュライトの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1aには、本発明によるフラッシュライト1の具体的な実施形態が全体的な平面図で示されている。フラッシュライト1は、発光ユニット18(図1b)を備えたフラッシュライトヘッド2を有している。フラッシュライトヘッド2はハウジング3に結合されており、このハウジング3はグリップピースとして形成され、長手方向軸線Lに沿って延びている。ハウジング3は後方に、閉じられた端区分4を有している。フラッシュライト1を操作するために、スライダ5を備えたスライドスイッチが設けられている。スライダ5は矢印方向24にスライド式に可動で、かつ紛失防止されてハウジング3に支持されている。この場合、スライダ5のスライド可能性は、前側のストッパと後側のストッパとにより制限されている。クラシカルなグリップポジションでもタクティカルなグリップポジションでも、スライダ5を操作できるようにするために、スライダ5はL字形に形成されており、まず、ハウジング3に沿って長手方向軸線の方向に延びる第1の区分6を有している。図1aには、スライダ5のこの第1の区分6が平面図で図示されており、スライダ5は前側の領域に、クラシカルなグリップポジションにおける親指を用いた操作のための粗面化された当付け面7を有している。
【0018】
図1bには、横断平面A-Aに沿ったフラッシュライト1の横断面図が示されており、この横断面図では、スライダ5のL字形の構成を見て取ることができる。スライダ5をまずハウジング3において紛失防止して支持するために、スライダ5の第1の区分6の少なくとも所定の領域が、フラッシュライトヘッド2に設けられた円筒状の収容部8内に係合している。フラッシュライト1の後端部では、スライダ5が第2の区分9を有しており、この第2の区分9は第1の区分6に対して実質的に直角に向いており、ハウジング3の閉じられた端区分4に背後から係合している(または、端区分4を背後から把持している)。この第2の区分9は、タクティカルなグリップポジションにおいてフラッシュライト1を操作するために用いられ、親指によって押圧することができる。図示の実施形態では、スライダ5が圧縮ばね13の力に抗してスライド式に可動に支持されており、圧縮ばね13は、ハウジング3の後方の端区分4とスライダ5の第2の区分9との間に配置されている。スライダ5の第1の区分6の領域では、スライダ5が、信号発生器として磁気エレメント14を有している。この磁気エレメント14は、スライダ5をスライドさせることによってフラッシュライト1を操作するために、フラッシュライトヘッド2に配置されている信号受信器である磁気感受性のセンサ19と作用接続されるようになっている。さらに、スライダ5はボールばね15を有している。ボールばね15は、スライダ5に設けられた円筒状のボールばね収容部20の内部に支持されており、ボールばね15のボール16は、スライダ5が操作されると、フラッシュライト1のハウジング3に形成されている乗上げ斜面17に沿って転動する。
【0019】
図2aには、図1aおよび図1bに示したフラッシュライト1が全体的な側面図で示されている。図2bには、偏心的に配置された横断平面B-Bに沿った横断面図が示されている。図面から判るように、スライダ5は、スライダ5の紛失防止された支持のために、互いに間隔を置いて配置された2つのガイドエレメント21をさらに有しており、これらのガイドエレメント21はガイド面10と係止フック11とを備えている。これらの係止フック11は、ハウジング3の後方の端区分4に設けられた、アンダカットされた収容部12にスナップイン式に係止される。
【0020】
図3aおよび図3bには、本発明によるフラッシュライト1の別の具体的な実施形態が示されている。この実施形態では、スライダ5が、当付け面7と後方の端区分4との間の区分22においてハウジング3によって部分的に覆われている。スライダ5は、この区分22において、ハウジング3に設けられたガイド通路23の内部に延びており、これにより、クラシカルなグリップポジションとタクティカルなグリップポジションのいずれかに関わらず、フラッシュライト1が極めてしっかりと保持されている状態でも、スライダ5の操作がひっかかりなくスムーズに可能となる。
【符号の説明】
【0021】
1 フラッシュライト
2 フラッシュライトヘッド
3 ハウジング
4 端区分
5 スライダ
6 第1の区分
7 当付け面
8 円筒状の収容部
9 第2の区分
10 ガイド面
11 係止フック
12 収容部
13 圧縮ばね
14 磁気エレメント
15 ボールばね
16 ボール
17 乗上げ斜面
18 発光ユニット
19 磁気感受性のセンサ
20 ボールばね収容部
21 ガイドエレメント
22 区分(部分的に覆われたスライダを有する)
23 ガイド通路
24 矢印方向
L 長手方向軸線
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b