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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】関節式バイオコンテナ
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/50 20060101AFI20241007BHJP
   B65D 88/22 20060101ALI20241007BHJP
   B65D 30/20 20060101ALI20241007BHJP
【FI】
B65D85/50
B65D88/22 A
B65D30/20 Z
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022541191
(86)(22)【出願日】2020-09-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(86)【国際出願番号】 US2020049846
(87)【国際公開番号】W WO2021050484
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-04-27
(31)【優先権主張番号】62/898,402
(32)【優先日】2019-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504115013
【氏名又は名称】イー・エム・デイー・ミリポア・コーポレイシヨン
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラマザ,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ガニュ,ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】ディー,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】クリーブランド,シャノン
(72)【発明者】
【氏名】バルラモバ,マリナ
(72)【発明者】
【氏名】サラゴサ,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】デコステ,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】カカーチェ,ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン,モヤ
(72)【発明者】
【氏名】ベルティ・ペレス,ステファノ
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-136687(JP,A)
【文献】特表2018-515144(JP,A)
【文献】特表2018-516209(JP,A)
【文献】実開昭57-188690(JP,U)
【文献】特開2010-030264(JP,A)
【文献】特開2008-105752(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0193897(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/50
B65D 88/22
B65D 30/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオコンテナであって、
内側および外側を有する第1のフィルムと、
第1のフィルム上または第1のフィルム内に配置された関節要素であって、関節要素が、折り曲げられたヒンジ、密閉された接合部、薄くなった経路、湾曲したパス、埋め込まれたポリマーまたは金属の円筒形の繊維あるいはロッドのうちの少なくとも1つを含む、関節要素と、
閉鎖容積を有するバイオコンテナを形成するために第1のフィルムに接合された関節要素を任意選択的に含む第2のフィルムと
を備え、
関節要素が、バイオコンテナが関節要素に沿って拡張およびつぶれることを可能にし、
第1のフィルムは、内側接触領域を形成する第1の層と、ガス不透過領域を形成する第2の層と、第2の層の外側に配置され外側強度領域を形成する第3の層とを有する多層フィルムであり、
二重接合関節が、二方向に可撓性を有する接合部を作り出し、二重接合関節を、一方向に折り曲げることと反対方向に展開するとロックすることとを可能にするパターンと組み合わせる、
バイオコンテナ。
【請求項2】
少なくとも2つの壁と、少なくとも2つの壁によって画定された内部容積とを有し、
少なくとも2つの壁のうち第1の壁は、第1のフィルムによって形成され、少なくとも2つの壁のうち第2の壁は、第2のフィルムによって形成され、第2のフィルムは多層フィルムであり、
多層フィルムがさらに、接触領域とガス不透過性領域との間の多層フィルムに組み込まれた基材を含み、
基材が、繊維材料で形成されている、請求項1に記載のバイオコンテナ。
【請求項3】
織布および不織布の繊維材料で構成される群から選択される材料で形成された基材をさらに含む、請求項1に記載のバイオコンテナ。
【請求項4】
基材が、織布材料および不織布材料で構成される群から選択される形態の繊維材料で構成される群から選択される材料から形成され、繊維材料が、ナイロン、ポリエステル、アラミド、炭素、金属およびポリオレフィンで構成される群から選択される材料から作製される、請求項1に記載のバイオコンテナ。
【請求項5】
第1のフィルムの多層フィルムがさらに、接触領域とガス不透過性領域との間に配置された基材を含み、基材が繊維材料から形成される、請求項1に記載のバイオコンテナ。
【請求項6】
基材が、観察窓、液体、粉末、加工助剤を添加するための1つ以上のポート、温度、pH、導電率、酸素レベル、二酸化炭素レベル、泡高さおよび他のプロセス変数を監視するための1つ以上のポート、生物学的流体を除去するための1つ以上のポート、および/またはセンサを収容するための1つ以上のポートの群から選択されるデバイスを提供するために、基材の中に形成された1つ以上の開口部を有する、請求項3に記載のバイオコンテナ。
【請求項7】
基材が、バイオコンテナの内部に観察窓を設けるために、基材に形成された1つ以上の細長い開口部を有する、請求項3に記載のバイオコンテナ。
【請求項8】
基材が、ポリマー、金属繊維、炭素繊維およびガラス繊維から構成される群から選択される材料から形成される、請求項3に記載のバイオコンテナ。
【請求項9】
関節接合部を作るための関節領域および非関節領域をさらに備える、請求項1に記載のバイオコンテナ。
【請求項10】
バイオコンテナが、独立型バイオコンテナであることを可能にする強度および/または剛性を有する、請求項1に記載のバイオコンテナ。
【請求項11】
二次容器または別個の支持構造体の支持なしに拡張状態を維持することができ、支持されるシステムと比較して低減されたフットプリントを有するシステムを可能にする、請求項1に記載のバイオコンテナ。
【請求項12】
バイオコンテナが、著しく大きい曲げ耐久性を有し、破損することなく多数回折り曲げられまたは圧縮され、拡張され、折り曲げられまたは圧縮され、拡張され得る、請求項1に記載のバイオコンテナ。
【請求項13】
バイオコンテナが、生物学的流体を貯蔵することができる2次元(2D)または3次元(3D)バイオコンテナを含む、請求項1に記載のバイオコンテナ。
【請求項14】
一体構造を形成するように接着されたフィルムの複数のパネルを含む、請求項1に記載のバイオコンテナ。
【請求項15】
バイオコンテナの剛性は、より堅い非関節領域を構築することによってさらに高めることができる、請求項1に記載のバイオコンテナ。
【請求項16】
関節接合部を作るために異なる厚さを有する異なるパネルが使用される、請求項1に記載のバイオコンテナ。
【請求項17】
関節が、第1のフィルムの断面を薄くすることによって作られる、請求項1に記載のバイオコンテナ。
【請求項18】
関節が、第1のフィルムの断面を厚くすることによって作られる、請求項1に記載のバイオコンテナ。
【請求項19】
関節が、第1のフィルムの断面を薄くすることと厚くすることによって作られる、請求項1に記載のバイオコンテナ。
【請求項20】
第1のフィルムの一方の面を指向的に加熱するが他方の面を加熱しないことによって、薄くなったパスが作られる、請求項1に記載のバイオコンテナ。
【請求項21】
第1のフィルムをエッチング、筋付け、アブレーティングすることによって、薄くなったパスが作られる、請求項1に記載のバイオコンテナ。
【請求項22】
第1のフィルムを支持するテーブルまたは装置上の窪みに対応して第1のフィルムに熱および圧力を加える部材を使用することによって、湾曲したパスが作られる、請求項1に記載のバイオコンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその全体が組み込まれる、2019年9月10日付けの米国仮特許第62/898,402号明細書に対する優先権の利益を主張する。
【0002】
本開示は、バイオプロセス動作のためのバイオコンテナおよびバッグに関する。より詳細には、本開示内に説明されるバイオコンテナおよびバッグの実施形態は、予測可能な方法でつぶれるおよび関節運動することができるフィルムを含む構造に関する。
【背景技術】
【0003】
バイオプロセス産業では、使い捨てバイオリアクタ、バッグ、および他のバイオコンテナの使用が増加している。フィルムを含むこれらのバイオリアクタ、バッグ、およびバイオコンテナは、生物学的流体と接触する。したがって、バイオリアクタ、バッグ、およびバイオコンテナは、生物学的流体が鋼と接触する必要がないという点でステンレスタンクに取って代わり、これは洗浄および滅菌が困難で高価である。原料、中間体、および完成品などの液体および固体の貯蔵および輸送のためのトートおよびビンも高価である。プロセスは、細胞培養および他のバイオプロセス、例えば所望の生成物の生成、例えば植物および動物系細胞で使用するためのウイルスの不活性化を含む。
【0004】
バッグは、典型的には多層プラスチックフィルム積層体から製造され、一般に嵩高い。典型的には、積層体は、4つ以上のフィルム区域(一般に4~10シート)を含む。シートは、少なくとも、バッグ内の液体または固体と接触する表面を有する内側シートと、外側シートまたは積層体とを有する。内側シートは、多数のフィルムを含み、耐薬品性および強度について指定されたポリエチレンなど、抽出可能性の低いほぼ不活性な材料を含む。外側シートは、バイオコンテナの残りのシートに支持、耐破裂性、強度、および何らかの保護手段を提供し、一般に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(ナイロン)などの1つ以上のプラスチックフィルムから形成される。少なくとも1つのバリアシートが内側シートと外側シートとの間に配置され、このバリアシートは、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリエチレンビニルアルコール(EVOH)などの1つ以上のガス不透過性フィルムを有することが多い。典型的には厚い布地基材を含む追加の外側強度シートは、通常、外側シート上に配置される。バリアシートは、第1の内側シートまたは外側シートと積層されてもよい。ガス不透過性フィルムは、結晶性である傾向があり、したがって脆く、および/または亀裂および/または割れの影響を受けやすい、プラスチック材料で形成される。
【0005】
過去のバッグは、互いに溶接されたシート材料から構成される、型抜きされたパネル、ダイカットから形成される。バッグは空気で膨張され、完全性を試験される。試験後、バッグは技術者によって折り畳まれる。しかしながら、バッグを所望の設計に折り畳むことは、技術者の能力および経験に大きく依存する。さらに、バッグは、異なる設計を有し、異なるポリマー材料から形成されてもよく、および/または異なるもしくは可変の厚さを有してもよい。したがって、バッグは繰り返し折り畳まれたり圧縮されたりすることができず、予測不可能な折り目、すなわち品質の問題をもたらす。試験、梱包、開梱、および/またはバイオプロセスでの使用中のバッグまたはバイオコンテナの折り畳み、取り扱い、および操作は、フィルムに応力を与え、欠陥、例えば応力集中および亀裂の形成をもたらす。これらの亀裂は、層内亀裂および層間亀裂として伝播して広がる傾向があり、最終的にはバイオコンテナを損ない、ひいてはバイオコンテナを損傷する。これらの有害な破損は、漏れ、およびバッグまたはバイオコンテナの内部容積内の無菌性の喪失を引き起こし、生物学的産物の損失をもたらす。したがって、バイオコンテナおよびバッグ製品の返品および/または生物学的製品の損失は法外に高価になる。さらに、バイオリアクタ、バッグ、およびバイオコンテナ、特により大きなサイズ、例えば200Lを超えるサイズは、独立することができず、強力なシェル(ステンレス鋼シェルなど)と共に収容されなければならない。
【0006】
指定された接合部に沿って関節運動し、任意選択的に支持装置なしで独立することができる、薄さと柔軟性を維持しながら、応力集中および亀裂に耐性がある新しいバイオコンテナ、バッグ、ライナー、および/またはバイオリアクタは、当技術の進歩を表す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のいくつかの実施形態によるバイオコンテナは、関節接合部を作るための領域または関節、および非関節領域を含む。いくつかの実施形態では、バイオコンテナは、独立型バイオコンテナであることを可能にする強度および/または剛性を有し、周囲の支持構造をほとんどまたは全く有さず、すなわち、周囲のシェルは必要ない。いくつかの実施形態では、バイオコンテナは、独立型バイオコンテナであり得る強度および/または剛性を有し、二次容器の支持なしに拡張状態を維持することができ、支持されるシステムと比較して低減されたフットプリントを有するシステムを可能にする。いくつかの実施形態では、バイオコンテナは、著しく大きい曲げ耐久性を有し、すなわち、破損することなく複数回折り曲げられ/圧縮され、拡張され、折り曲げられ/圧縮され、拡張され得る。いくつかの実施形態では、関節は、異なるバイオコンテナのための最適な位置、例えば、異なる折り曲げパターン、および/または異なるモザイク模様のために設計されて、関節点で曲げが発生することを確実にすることができ、ランダムな位置での制御されない曲げまたは折り目付けが低減される。いくつかの実施形態では、異なる折り曲げパターンは、大きな圧縮および/または展開を可能にする。いくつかの実施形態では、関節接合部は、プリセットされた関節曲げ半径で材料が折り曲げられたときにシートへの応力が最小になるように、材料強度に最小限の影響を与える条件で材料に曲げ半径をプリセットする。いくつかの実施形態では、バッグの折り畳みおよび展開は、最小抵抗のパス、すなわち材料に予め設置された折り曲げ半径に優先的に追従し、関節接合部を設計されたパターンにして、屈曲に対するより低い抵抗のパスを作り出し、ランダムな屈曲および/または折り目付けの可能性を低減する。本明細書で企図されるバイオコンテナは、生物学的流体を貯蔵することができる2次元(2D)または3次元(3D)バイオコンテナであり得る。本開示のいくつかの実施形態は、フィルムの2つのピースまたはパネルで作られる。本開示のいくつかの実施形態は、本明細書に開示される様々な方法によって接合することができるフィルムの3~10個のピースまたはパネルで作られる。本明細書のバイオコンテナのいくつかの実施形態は、生物学的流体を含むための閉鎖容積を形成する可撓性フィルムを含む。本開示のいくつかの実施形態は、バイオコンテナの製造に使用される従来の可撓性フィルムよりも堅い可撓性フィルムを含むことがさらに考えられる。本開示のいくつかの実施形態は、可撓性ポートおよび/または可撓性流体チャネルを含むことがさらに考えられる。
【0008】
いくつかの実施形態では、バイオコンテナは、一旦生物学的流体で充填されるとそれらの形状を維持することができ、転倒を防止するために最小限の支持を必要とするか、または全く支持を必要としない。いくつかの実施形態では、「二重接合」関節の組み込みは、二方向に可撓性を有する接合部を作り出し、二重接合関節を、一方向に折り曲げることと反対方向に展開するとロックすることとを可能にするパターンと組み合わせる。いくつかの実施形態では、バイオコンテナの剛性は、より堅い非関節領域を構築すること、例えば、1つ以上の領域で材料の厚さを変更することによって異なる堅さの領域を作ること、異なる領域でより堅い材料を使用すること、および/または異なる領域の構造材料を変更することによって、さらに改善することができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、関節接合部を作るために異なる厚さを有する異なるパネルが使用される。いくつかの実施形態では、領域の厚さの差は、フィルムの断面を薄くすることによって作られる。いくつかの実施形態では、領域の厚さの差は、フィルムの断面を厚くすることによって作られる。いくつかの実施形態では、領域の厚さの差は、例えば山および谷など、フィルムの断面を薄くすることおよび厚くすることによって作られる。薄くなったエリアは、例えば、フィルムの一方の面を指向的に加熱するが他方の面を加熱しないことによって作られ得る。薄くなったエリアはまた、例えば、フィルムの一方の面を指向的にエッチング、筋付け、および/またはアブレーティングするが他方の面はしないことによって作られ得る。フィルム上の様々なエリアを薄くするために指向的な圧力も使用され得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、フィルムを厚くすることが使用される。設計された関節パスの両側に厚さを追加することによる関節運動のためのパスは、関節運動が意図されていないエリアに材料を追加することによって達成され得、補剛が起き、それにより、厚さを追加することなく、隣接するエリアに沿った関節パスを作る。厚くする工程は、本明細書に説明される他の関節運動方法と組み合わせることができる。厚くなった領域を製作する方法は、必ずしも限定ではないが、材料のパネルをフィルムに(接着剤および/または熱接着によって)接着することを含む。ポリマー材料などの材料を関節エリアに接着すること、および/またはパスに沿ってポリマー、フィラメント、または金属のいずれかのロッド形状材料を追加、埋め込み、またはカプセル化すること。
【0011】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、その内側表面に1つ以上の接触層を有し、その外側表面にガス不透過性ポリマー樹脂の1つ以上の層を有するフィルムから形成された材料と、内側接触層と外側不透過性層との間に組み込まれた基材とを提供し、基材は、ポリマー、金属繊維、ガラス繊維、および炭素繊維から構成される群から選択される材料から構成される群から選択される織布繊維材料から構成される群から選択される繊維材料から形成される。
【0012】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、上記および本明細書のフィルムまたは材料の任意の、すべての、または選択された組み合わせから形成されたバイオコンテナを提供する。本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、熱および/または圧力、およびまたは多数のフィルムのヒートシーリング、および/または関節要素を作るためのポリマー構造の追加を使用して筋付けまたはアブレーションされる単一のフィルムを含むバイオコンテナを提供する。本明細書における関節要素という用語は、関節、関節式などの用語を含み、互いに交換可能に使用される。関節という用語は、非関節エリアと比較して関節で優先的に曲がるかまたは折り曲げられるフィルムのエリアを示すことが意図される。
【0013】
これらおよび他の規定は、以下の説明、特許請求の範囲、および図面から明らかになるであろう。本開示の様々な利益、態様、新規で進歩的な特徴、ならびにその例示的な実施形態の詳細は、以下の説明および図面からより完全に理解されるであろう。したがって、本明細書で開示される特徴が詳細に理解されることができる方法、上で簡潔に要約された本開示の実施形態のより具体的な説明は、添付の図面を参照することによって得られ得る。しかしながら、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、記載された実施形態は、他の同等に効果的なバッグ、バイオコンテナ、フィルムおよび/または材料を許容することができるため、その範囲を限定すると見なされるべきではないことに留意されたい。また、一実施形態の要素および特徴は、さらに言及されることなく他の実施形態で見出されることがあり、可能な場合、図に共通の比較可能な要素を示すために同じ参照番号が使用されていることも理解されたい。本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、これらの実施形態が関係する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。また、本明細書で使用される以下の用語は、文脈が特に指示しない限り、以下の定義に従う。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】本開示による第1の実施形態による、薄くなったパスを有するフィルムの断面図である。
図1B】本開示による第1の実施形態による、薄くなったパスを有するフィルムの断面図である。
図1C】本開示による第1の実施形態による、薄くなったパスを有するフィルムの断面図である。
図1D】本開示による第1の実施形態による、薄くなったパスを有するフィルムの断面図である。
図1E】本開示による第1の実施形態による、薄くなったパスを有するフィルムの断面図である。
図1F】本開示による第1の実施形態による、薄くなったパスを有するフィルムの断面図である。
図2A】本開示の第2の実施形態による、対向する表面上に少なくとも1つの薄くなったパスを有するフィルムの断面図である。
図2B】本開示の第2の実施形態による、対向する表面上に少なくとも1つの薄くなったパスを有するフィルムの断面図である。
図2C】本開示の第2の実施形態による、対向する表面上に少なくとも1つの薄くなったパスを有するフィルムの断面図である。
図2D】本開示の第2の実施形態による、対向する表面上に少なくとも1つの薄くなったパスを有するフィルムの断面図である。
図2E】本開示の第2の実施形態による、対向する表面上に少なくとも1つの薄くなったパスを有するフィルムの断面図である。
図2F】本開示の第2の実施形態による、対向する表面上に少なくとも1つの薄くなったパスを有するフィルムの断面図である。
図3A】本開示の第3の実施形態による二重関節を有するフィルムの断面図である。
図3B】本開示の第3の実施形態による二重関節を有するフィルムの断面図である。
図4】本開示の第4の実施形態による、薄くなったまたは湾曲したパスの反対側に追加された材料を有するフィルムを示す図である。
図5】本開示の第5の実施形態による、チャネルに隣接して追加された材料を有するフィルムを示す図である。
図6A】本開示の第6の実施形態による、外面上または予め形成されたチャネル内に追加された材料を有するフィルムを示す図である。
図6B】本開示の第6の実施形態による、外面上または予め形成されたチャネル内に追加された材料を有するフィルムを示す図である。
図7A】本開示の第7の実施形態による、フィルム内に埋め込まれたロッド状部材を有するフィルムを示す図である。
図7B】本開示の第7の実施形態による、フィルム内に埋め込まれたロッド状部材を有するフィルムを示す図である。
図7C】本開示の第7の実施形態による、フィルム内に埋め込まれたロッド状部材を有するフィルムを示す図である。
図7D】本開示の第7の実施形態による、フィルム内に埋め込まれたロッド状部材を有するフィルムを示す図である。
図8A】本開示の実施形態による、ベースフィルムと第2のフィルムとの間に配置された、流体またはガスの経路を含むフィルムを示す図である。
図8B】本開示の実施形態による、ベースフィルムと第2のフィルムとの間に配置された、流体またはガスの経路を含むフィルムを示す図である。
図8C】本開示の実施形態による、ベースフィルムと第2のフィルムとの間に配置された、流体またはガスの経路を含むフィルムを示す図である。
図9A】本開示の第9の実施形態による、フィルムの第1の表面上のチャネルと、第1の表面の反対側の第2の表面上の突起とを有するフィルムを示す図である。
図9B】本開示の第9の実施形態による、フィルムの第1の表面上のチャネルと、第1の表面の反対側の第2の表面上の突起とを有するフィルムを示す図である。
図9C】本開示の第9の実施形態による、フィルムの第1の表面上のチャネルと、第1の表面の反対側の第2の表面上の突起とを有するフィルムを示す図である。
図9D】本開示の第9の実施形態による、フィルムの第1の表面上のチャネルと、第1の表面の反対側の第2の表面上の突起とを有するフィルムを示す図である。
図9E】本開示の第9の実施形態による、フィルムの第1の表面上のチャネルと、第1の表面の反対側の第2の表面上の突起とを有するフィルムを示す図である。
図9F】本開示の第9の実施形態による、フィルムの第1の表面上のチャネルと、第1の表面の反対側の第2の表面上の突起とを有するフィルムを示す図である。
図10A】本開示の実施形態による、内部に形成された経路のパターンを有するタチミウラ(Tachi-Miura)多面体を示す図である。
図10B】本開示の実施形態による、内部に形成された経路のパターンを有するタチミウラ多面体を示す図である。
図11】本開示の実施形態による、改変されたバルーン折り形態のフィルムの側面図である。
図12】本開示の実施形態による、改変されたバルーン折り形態のフィルムの側面図である。
図13】本開示の実施形態による、バイオコンテナを形成するための交互にパターニングされたフィルム片の分解図である。
図14】本開示の実施形態による、螺旋状折り目を形成するために互いに接着された複数のフィルムを示す図である。
図15】本開示の実施形態による、接合された上部フィルムと下部フィルムとを有する螺旋状折り目を示す図である。
図16A】本開示の実施形態による、鏡像二重螺旋を示す図である。
図16B】本開示の実施形態による、鏡像二重螺旋を示す図である。
図17】本開示の実施形態による、拡張状態のバイオコンテナを形成するように組み立てられた上部および下部を有する鏡像二重螺旋を示す図である。
図18A】本開示の実施形態による、完全に拡張された状態の、図17のようなバイオコンテナを形成するために上部および下部で組み立てられた鏡像二重螺旋設計を示す図である。
図18B】本開示の実施形態による、完全に拡張された状態の、図17のようなバイオコンテナを形成するために上部および下部で組み立てられた鏡像二重螺旋設計を示す図である。
図18C】本開示の実施形態による、完全に拡張された状態の、図17のようなバイオコンテナを形成するために上部および下部で組み立てられた鏡像二重螺旋設計を示す図である。
図19A】本開示のいくつかの実施形態による、モザイク状正方形バイオコンテナを示す図である。
図19B】本開示のいくつかの実施形態による、モザイク状正方形バイオコンテナを示す図である。
図19C】本開示のいくつかの実施形態による、モザイク状正方形バイオコンテナを示す図である。
図20A】本開示のいくつかの実施形態による、第2のモザイク状正方形バイオコンテナを示す図である。
図20B】本開示のいくつかの実施形態による、第2のモザイク状正方形バイオコンテナを示す図である。
図20C】本開示のいくつかの実施形態による、第2のモザイク状正方形バイオコンテナを示す図である。
図21】本開示の実施形態による、誘導コイルと金属ホイールとを備える装置を示す図である。
図22】本開示の実施形態による、ガントリ位置決めシステム上に配置された図21の装置を示す図である。
図23A】本開示の実施形態による、モザイク状フィルムを形成するためのフィルム形成ツールを示す図である。
図23B】本開示の実施形態による、モザイク状フィルムを形成するためのフィルム形成ツールを示す図である。
図24】本開示の実施形態による、モザイク状フィルムを形成するための引き込み誘導加熱先端部を備えるシステムを示す図である。
図25A】本開示の実施形態による、例えば、バイオコンテナ、四面モザイク状バイオコンテナを作製するためのパネルを作製するための過程を示す図である。
図25B】本開示の実施形態による、例えば、バイオコンテナ、四面モザイク状バイオコンテナを作製するためのパネルを作製するための過程を示す図である。
図25C】本開示の実施形態による、例えば、バイオコンテナ、四面モザイク状バイオコンテナを作製するためのパネルを作製するための過程を示す図である。
図25D】本開示の実施形態による、例えば、バイオコンテナ、四面モザイク状バイオコンテナを作製するためのパネルを作製するための過程を示す図である。
図26】本開示の実施形態による、バイオコンテナ、例えば、タブおよびバッグ支持システムをさらに備える、図19に記載のバイオコンテナを示す図である。
図27】バイオコンテナ、例えば、タブおよび第2のバッグ支持システムをさらに備える、図19に記載のバイオコンテナを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の意味におけるフィルムという用語は、ポリマーシート、複合体、積層体、単層および/または多層ポリマー材料を含むがこれらに限定されない、別の可撓性フィルムと融合することが可能な任意の可撓性材料を意味する。これらのフィルムは、プラスチック網、織布、不織布、編物、および/または金属箔ならびに他の可撓性構造体および材料を含み得る基材をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、可撓性フィルムは、外部のより高い融点のポリマーの内部に、より低い融点の材料を有する積層フィルム構造を含む。また、いくつかの実施形態では、可撓性フィルムは、より高い融点の織布、編物または不織布材料を取り囲む、より低い融点の材料を有する積層フィルム構造を含む。
【0016】
バイオコンテナという用語は、内部容積または区域内に流体を保持することができる任意の可撓性コンテナまたは容器として広く定義され、二次元、三次元、および/または多面のバッグまたはバイオリアクタの形態であってもよい。
【0017】
図1Aから図1Fは、本開示による、第1の実施形態による薄くなったパスを有するフィルムの断面を示す。図1Aは、本開示の第1の実施形態による、薄くなったパス102を有するフィルム100aの断面を示す。薄くなったパス102は、フィルム100aの全厚の約30~70%だけ厚さが低減される。いくつかの実施形態では、薄くなったパス102は、フィルム100aの片側に存在する。薄くなったパス102の曲率半径は、フィルムの厚さに依存し、約30°~<180°の曲率をもたらす。これに関連して、曲率は、例えば、薄くなったパス102を付与するために使用されるツールの半径を表す。フィルム100aの厚さに等しい半径を有する円形ツールが使用され、熱および/または圧力を使用して、薄くなったパス102をフィルム100a(および本明細書に記載の他のフィルム)に筋付けまたはアブレーションすることができると考えられる。非円形形状を有する工具が使用されて、フィルム100aに筋付けまたはアブレーションすることができることを理解されたい。薄くなったパス102は、例えば、フィルム100aの全厚の30~70%の深さを有することができる。いくつかの実施形態では、パスは筋付けまたはアブレーションであってもよく、すなわち、プラスチックがフィルム100aから除去される。いくつかの実施形態では、プラスチックは変位され、すなわち、加熱されたツールがプラスチックを溶融および移動させて、フィルム100a内のパスに隣接するピークを有するパスまたはトラフを作る。いくつかの実施形態では、パスは、プラスチック材料を除去することと、プラスチック材料を変位させることとの両方によって作られ得る。いくつかの実施形態では、プラスチック材料の除去およびプラスチック材料の変位は、単一の動作で行われる。図1Bは、本開示の第2の実施形態による、2つの薄くなったパス102を有するフィルム100bの断面を示す。薄くなったパス102は、フィルム100bの全厚の約30~70%だけ厚さが低減される。薄くなったパス102の曲率半径は、フィルムの厚さに依存し、約30°~≦180°の曲率をもたらす。2つの薄くなったパス102間の距離dは、薄くなったパス102の曲率半径の最小値の約1倍から最大値の3倍までの範囲である。いくつかの実施形態では、薄くなったパス102は、フィルム100bの片側に存在する。
【0018】
図1Cは、本開示の第3の実施形態による、薄くなったパス102を有するフィルム100cの断面を示す。薄くなったパス102は、フィルム100cの全厚の約30~70%だけ厚さが低減される。薄くなったパス102の曲率半径は、フィルムの厚さに依存し、約30°~<180°の曲率をもたらす。フィルム100cの断面はまた、薄くなったパス102の周囲にレール104を備える。いくつかの実施形態では、薄くなったパス102およびレール104は、フィルム100cの片側に存在する。レール104は、例えば、フィルム100cを溶融し、フィルムのプラスチックを束ねる加熱されたツールによって形成することができる。図1Dは、本開示の第4の実施形態による、2つの薄くなったパス102を有するフィルム100dの断面を示す。薄くなったパス102は、フィルム100dの全厚の約30~70%だけ厚さが低減される。薄くなったパス102の曲率半径は、フィルムの厚さに依存し、約30°~≦180°の曲率をもたらす。2つの薄くなったパス102間の距離dは、薄くなったパス102の曲率半径の最小値の約1倍から最大値の3倍までの範囲である。フィルム100dの断面はまた、薄くなったパス102の周囲にレール104と、それらの間に配置された第3のレール106とを備える。レール104は、高さhを有する。高さhは、元の厚さの約15~40%である。いくつかの実施形態では、薄くなったパス102およびレール104、106は、フィルム100dの片側に存在する。図1Eは、フィルム100aの斜視図を示す。図1Fは、薄くなったパス102を有し、関節Aの方向を示すフィルム100aの側面図を示す。図1Fはまた、薄くなったパス102を有するフィルム100aの斜視図を示す。
【0019】
図2Aから図2Fは、本開示の第2の実施形態による、対向する表面上に少なくとも1つの薄くなったパスを有するフィルムの断面図である。図2Aは、本開示の第2の実施形態による、対向する表面205、210上に少なくとも1つの薄くなったパス102を有するフィルムの断面図である。例えば、フィルム200aの断面に示すように、薄くなったパス102は、第1の表面205内にあり、第2の薄くなったパス102は、第1の表面205の反対側の第2の表面205内にある。図示のように、第1の表面205内の薄くなったパス102は、第2の表面210内の薄くなったパス102の真向かいにあるが、これは任意選択であり、2つの薄くなったパス102の位置に関するオフセットは本開示の範囲内である。上記のように、薄くなったパス102は、フィルム200a内の厚さが、フィルム200aの全厚の約30~70%だけ低減される。薄くなったパス102の曲率半径は、フィルムの厚さに依存し、約30°~180°の曲率をもたらす。図2Bは、表面205、210の各々に2つの薄くなったパス102を有するフィルム200bの断面をさらに示す。薄くなったパス102は共に、フィルム200bの全厚の約30~70%だけ厚さを低減する。薄くなったパス102の曲率半径は、フィルムの厚さに依存し、約30°~<180°の曲率をもたらす。2つの薄くなったパス102間の距離dは、薄くなったパス102の曲率半径の最小値の約1倍から最大値の3倍までの範囲である。
【0020】
図2Cは、上述のように、対向する表面205、210上に少なくとも1つの薄くなったパス102を有するフィルム200cのさらに別の断面を示す。フィルム200cの断面に示すように、薄くなったパス102は、第1の表面205内にあり、第2の薄くなったパス102は、第1の表面205の反対側の第2の表面205内にある。上記のように、第1の表面205内の薄くなったパス102は、第2の表面210内の薄くなったパス102の真向かいにあるが、これは任意選択であり、2つの薄くなったパス102の位置に関するオフセットは本開示の範囲内である。薄くなったパス102は、フィルム100cの全厚の約30~70%だけ厚さが低減される。薄くなったパス102の曲率半径は、フィルムの厚さに依存し、約30°~<180°の曲率をもたらす。図示のように、フィルム200cは、両方の表面205、210上の薄くなったパス102の周囲にレール104を備える。レール104は、高さhを有する。高さhは、元の厚さの約0~40%の範囲である。換言すれば、アブレーションがレールを残さないことが可能である。図2Dは、本開示によるフィルム200dの別の実施形態をさらに例示する。フィルム200dの断面はまた、薄くなったパス102の周囲にレール104と、フィルム200dの表面205、210上でそれらの間に配置された第3のレール106とを備える。レール104は、上述したように、高さhを有する。高さhは、元の厚さの約0~40%である。図2Eは、2つの対向する側に薄くなったパス102を有するフィルム200aの斜視図を示す。図2Fは、薄くなったパス102を有し、関節Aの2つの可能な方向を示す、フィルム200aの側面図を示す。図2Fはまた、表面205(上)内の薄くなったパス102と表面(下)210内の薄くなったパス102とを有する、フィルム200aの斜視図を示す。
【0021】
図3Aから図3Bは、本開示の第3の実施形態による二重関節を有するフィルムの断面図である。図3Aは、本開示の第3の実施形態による二重関節を有するフィルム300の断面図である。いくつかの実施形態では、フィルム300は、複数の関節、例えば、3個、4個、5個...n個のパス102、104を含んでもよい。追加の関節は、追加の可撓性をもたらすことを理解されたい。それにもかかわらず、フィルム300は、単一の関節を備えることができると考えられる。フィルム300aは、表面205上に湾曲したパス102および対向する湾曲したパス104を含み、表面210上に湾曲したパス102および対向するパス104をもたらす。これに関連して、湾曲したパス102は、フィルム300の厚さがほとんどまたは全く変化しないことを示す。換言すれば、加熱されたツールおよび圧力、ならびに任意選択的に、フィルム300が位置する経路が内部に配置された表面を有するテーブルの使用は、プラスチックフィルム300のいずれも除去することなく、湾曲したパス104内にプラスチック材料を移動させることができる。湾曲したパス102および対向する湾曲したパス104は、距離d(最小曲率半径の1倍から最大曲率半径の3倍まで)オフセットされ、二重関節運動(または3重、4重など)を作る。図3Bはまた、本開示による二重関節を有するフィルム300bを示す。フィルム300bは、表面205上に湾曲したパス102および対向する湾曲したパス104を含み、表面210上に湾曲したパス102および対向する湾曲したパス104をもたらす。しかしながら、本実施形態では、フィルム300bは、薄くなったパス102とレール104との間に変曲点が配置されていない。換言すると、薄くなったパス102とレール104との間の距離dは存在しない。いくつかの実施形態では、湾曲したパス104は、大きい、例えば、下にあるフィルムの厚さよりも大きい半径を含む。
【0022】
図4は、本開示の第4の実施形態による、薄くなったまたは湾曲したパス102の反対側に追加された材料を有するフィルム400の側面図である。図示のように、パス102は、上述のような薄くなったパスまたは上述のような湾曲したパスであってもよく、表面210および表面205に接着されたストリップ402内にある。図示のように、ストリップ402は凹面404を含む。実際には、ストリップ402はまた、強度および/または剛性を高めるために凸形状(図示せず)を有してもよい。ストリップは、表面205からストリップ402の上部までの高さhを有する。高さhは、元のフィルム厚さの約1/2倍から3倍の範囲であり、これは、薄くなったパス102とストリップ402の凹面404との間のフィルム400の高さh(または厚さ)を制御する。図示のように、薄くなったまたは湾曲したパス102の曲率半径およびストリップ402の凹面404は実質的に等しい。本明細書では、半径の曲率が異なる場合、わずかに小さいまたはわずかに多大な関節が作られ得ることも企図される。また、図示されているように、ストリップ402は、薄くなったパス102よりも広く、剛性に差を作る可能性もある。表面210上の薄くなったパス102間の距離dは、約3mm~約30mmの範囲である。図示のように、dの長さにわたって厚さに差はなく、したがって、このエリアに関節はない(またはほとんどない)。ストリップ402は、z方向に剛性を付加することを理解されたい。換言すれば、フィルム400は、所望の場合を除いて、屈曲または他の方法で関節運動することが実質的に制限される。
【0023】
図5は、本開示の第5の実施形態による、湾曲したパス102に隣接して追加された材料を有するフィルム500を示す図である。図5は、湾曲したパス102aを備える。湾曲したパス102aは、hの間の高さを有する。高さhは、102aの表面と表面103との間の距離によって証明されるように、フィルム500の厚さと実質的に同じである。したがって、フィルム500は、ストリップ402の間にある図示の方向に関節Aを備える。
【0024】
図6Aから図6Bは、本開示の第6の実施形態による、外面上または予め形成されたチャネル内に追加された材料を有するフィルムを示す。図6Aは、本開示の第6の実施形態による、外面606上または予め形成された湾曲したパス602を有するフィルム601内に追加された材料を有するフィルム600を示す。図示のように、フィルム600aは、フィルム601と、予め形成された湾曲したパス602とを備える。フィルム601は、湾曲しているが、実質的に同様の厚さを有し、すなわち、フィルム601の断面は、湾曲しているところと湾曲していないところで同様である。予め形成されたパス602の外面606には、追加材料604が配置されている。図6Bは、予め形成されたパス602を有するフィルム601を含むフィルム600bを示す。いくつかの実施形態では、予め形成された湾曲したパス602は、その上に配置された追加材料、ここでは追加材料607を含む。いくつかの実施形態では、追加材料607はそれ自体フィルムである。追加材料604、607は、いくつかのエリアにおいてフィルム601に厚さを付加する。いくつかの実施形態では、フィルム601は、予め形成されたパス602上に追加された追加材料604またはフィルム601よりも厚い。いくつかの実施形態では、フィルム601はより薄い。フィルム601、追加材料604、および追加材料607の厚さが異なると、異なる望ましい強度の関節を作ることができる。追加材料は、ポリマーフィルムを含んでもよい。
【0025】
図7Aから図7Dは、本開示の第7の実施形態による、フィルム内に埋め込まれたロッド状部材を有するフィルムを示す。図7Aは、本開示の第7の実施形態による、フィルム702内に埋め込まれたロッド状部材704、706、708を有するフィルム700を示す。フィルム700aは、内部に埋め込まれたロッド状部材708を有するフィルム702を含む。図示のように、フィルム702は、部材708の中心を通過する。図7Bは、内部に埋め込まれたロッド状部材708を有するフィルム702を含むフィルム700bを示し、ロッド状部材708は、金属、プラスチック、モノフィラメントまたは繊維などであってもよい。図示のように、フィルム702は、部材708の遠位端部または弧を通過する。側面703または側面705は、それと共に形成されたバイオコンテナの内側、すなわち生物学的流体と接触する側面であり得ることを理解されたい。逆に、側面703または側面705は、それと共に形成されたバイオコンテナの外側とすることができる。図7Cは、円筒部材704が埋め込まれたフィルム702を含むフィルム700cを示す。円筒部材704は、中空繊維または中空管を含む。図示のように、フィルム702は、部材704の遠位端部または弧を通過する。図7Dは、埋め込まれた中実半円形ロッド状部材706を有するフィルム702を含むフィルム700dを示す。図示のように、フィルム702は、部材706の遠位端部または弧を通過する。フィルム700a、700bと同様に、フィルム700cおよび700dはまた、それと共に形成されたバイオコンテナの内側またはバイオコンテナの外側に配置され得る側面703、705を含む。
【0026】
図8Aから図8Cは、本開示の実施形態による、ベースフィルムと第2のフィルムとの間に配置された、流体またはガスの経路を含むフィルムを示す。図8Aは、本開示の実施形態による、ベースフィルム802と第2のフィルム806との間に配置された、流体またはガスのチャネルまたは経路804を含むフィルム800の断面図を示す。流体経路804は、液体、ゲル、分散液、空気、別のガス、またはそれらの混合物を含み得る。図示のように、フィルム800は、縁部810内に配置された2つの関節パス803を備え、経路804は、ベースフィルム802の縁部810の反対側の縁部805と第2のフィルム806との間に配置される。関節パス803は、本明細書に説明されるパスのいずれかを含むことができる。フィルム800の他の実施形態も可能である。例えば、第3の関節パスが、チャネルまたは経路804(図示せず)の下に配置されてもよい。同様に、2つの薄くなったパス803を除去することができ、ただ1つの薄くなったパスが経路806の下に位置することができ、補剛または可撓性を付与するための流体経路が作られる。いくつかの実施形態では、第2のフィルム806は、下にある関節パス(経路における二重機能のため)を有し、これはベースフィルム802と積層されてそれらの間に経路804を形成する。フィルム800は、パターン812を有するフィルム810を形成するために使用することができる。経路812の間のエリアは、さらに関節接合されることができる。また、関節運動のためのパスは、空気または任意の他の気体または液体の流体で膨張させることができる。あるいは、図8Bのように、ストリップ812は、フィルム820のパネル816で囲まれることができる。関節または補剛パスのいずれも膨張させることができるので、外側経路は関節点および補剛点の両方とすることができ、内側パスは結合された関節/膨張経路とすることもできる。経路は、それらの間に空間のポケットが形成されるように、2枚のシートまたはフィルムをシールする、例えば積層することによって形成され得る。これらの経路を膨張させて、関節、すなわちフィルムの屈曲部を作って、展開後に接合部を強化し、望ましくない屈曲を回避するためにパネルを強化することができる。そのような経路の膨張は、それによって形成されたバイオコンテナの圧縮および/または展開を支援することができる。そのような経路の膨張はまた、バイオコンテナの補強を支援することができ、展開後に自立している状態を促進する。
【0027】
図9Aから図9Fは、本開示の第9の実施形態による、フィルムの第1の表面上のチャネルと、第1の表面の反対側の第2の表面上の突起とを有するフィルムを示す。図9Aは、本開示の第9の実施形態による、フィルム900aの第1の表面905上のチャネル902aと、第1の表面905の反対側の第2の表面910上の突起904aとを有するフィルム900aの正面断面図を示す。図示のように、チャネル902aおよび突起904aは、ほぼ同様の曲率半径を有する。フィルム900a、900bなどのフィルム900は、関節910を作るために使用されることができる。図示のように、関節910は、図9Bに示すように、ヒンジである。ヒンジは、熱および/または圧力を使用してフィルム900を折り曲げることによって作られることができる。ヒンジ910は(熱および/または圧力を使用して作られるように)恒久的であるが、ヒンジ910は非常に小さい角度α5°からほぼ180°まで関節運動することができるので、単一のフィルムを使用して作られたヒンジ910は汎用構造である。比較として、密閉された接合部950は、第2のフィルム930と密閉された、例えばヒートシール、カレンダ加工、または接着剤接合された第1のフィルム940を含む。図示のように、920aでは、図9Dのように、関節の前に、フィルム940および930はそれらの間にわずかな角度を有する。フィルム920bに示されるように、図9Fのように、関節の角度βは90°未満である。フィルム940および930は、本明細書で論じられるフィルムのいずれか、すなわちフィルム100a、100b、100c、100d、200a、200b、200c、200d、300a、300b、400、500、600a、600b、700a、700b、700c、700d、800、900a、900b、1000a、1000b、1102、1202、1402、1600aなどであり得ることに留意されたい。
【0028】
図9Cは、本開示による、フィルム900bの第1の表面905上の複数のチャネル902bと、第1の表面905の反対側の第2の表面910上の複数の突起904c、904dとを有するフィルム900bの正面断面図を示す。複数の突起904c、904dは、同じ曲率半径を有する必要はないことを理解されたい。例えば、一例として、より大きな曲率半径を有する突起904cは、それが形成される材料をより多く具現化し、したがって付随してより堅く、設計者が関節Aなどの様々な関節を作ることを可能にする。また、突起904c、904dの曲率が対応するチャネル902bと同じである必要はないことを理解されたい。図9Fは、薄くなったパス902aおよび突起904aを有し、関節Aの方向を示す、フィルム900aなどのフィルムの側面図を示す。
【0029】
図10Aから図10Bは、本開示の実施形態による、内部に形成された経路のパターンを有するタチミウラ多面体を示す。図10Aは、本開示の実施形態による、内部に形成された経路1002、1004のパターンを有するタチミウラ多面体フィルム1000を示す。2つのタチミウラ多面体1000a、1000bが示されている。示されている寸法はインチ単位である。谷折り、例えば1002は、フィルムをそれ自体の中に前方に折り曲げることによって形成される。山折り、例えば1004は、谷折りの反対であり、すなわち、フィルムはその反対側に折り曲げられる。山折りは谷折りの反対側であるため、フィルムを反転させると谷折りを作り出す。山折りおよび谷折りは、本明細書で説明するように、任意のタイプの関節経路、チャネルなどである。例えば、山折りおよび谷折りは、加熱されたローラ、例えば指向的な加熱によって形成されてもよい。加熱されたローラは、パターンを含む。いくつかの実施形態では、パターンは、例えば中断されない連続パスを作り出す。いくつかの実施形態では、湾曲したパスおよび/または薄くなったパスは、つながっていない、すなわち不連続パスである。本開示のいくつかの実施形態は、例えば、厚さ0.008インチ~0.012インチ(0.200mm~0.300mm)のフィルムシートから始まる。加熱されたローラは、例えば谷折り1002および山折り1004などの薄くなった経路を作る。換言すれば、元の厚さは、例えば0.15mmに低減される。したがって、元の厚さの約60~80%の薄くなった経路が可能である。前の範囲の外の厚さを有するフィルムは、本開示の範囲内、すなわち0.100mmまたは0.400~0.500mmであることを理解されたい。フィルム1000a(図10Aのように)、1000b(図10Bのように)は、本明細書に説明される他のフィルムと折り曲げられ、および/または接合されて、関節式バイオコンテナを作ることができる。多くの接着剤が、生物学的流体内の細胞に有害であり得る揮発性有機化合物および/または抽出物を生成することができるので、ヒートシーリングは適切な方法である。例えば、フロントピースとしての1枚のフィルム1000aを、バックピースとしての1枚のフィルム1000bと接合して、関節式バイオコンテナを形成することができる。
【0030】
図11は、本開示の実施形態による、改変されたバルーン折り形態のフィルム1102の側面図1100を示す。フィルム1102は、第1の側面1110と、第1の側面1110の反対側の第2の側面1112とを有する。フィルム1102は、上述のように、内部に配置されたチャネル1104を有する。いくつかの実施形態では、チャネル1104は谷折りであり、チャネル1106は山折りである。いくつかの実施形態では、フィルム1102は、溶接またはヒートシーリングの前にパネルまたはフィルムを整列させるのを支援することができるタブ1108を含む。上記のように、様々なフィルム片1102を互いに接合して、関節式バイオコンテナを形成することができる。例えば、フィルム1102は、後述する前面パネルおよび背面パネルと接合された側面パネルとすることができる。
【0031】
図12は、本開示の実施形態による、改変されたバルーン折り形態のフィルム1202の側面図1200を示す。フィルム1202は、第1の側面1210と、第1の側面1210の反対側の第2の側面1212とを有する。フィルム1202は、内部に配置されたチャネル1206を有する。いくつかの実施形態では、チャネル1206は山折りである。チャネル1204は、熱および圧力、または筋付け、アブレーティングなどを用いる折り曲げによって、本明細書に説明される関節経路のいずれかをさらに含むことができる。フィルム1202は、例えば、上述の側面パネルと共に前面パネルおよび背面パネルとして使用されることができる。
【0032】
図13は、本開示の実施形態による、交互にパターニングされたフィルム片1102および1202の分解図を示す。上記のように、様々なフィルム片1102および1202を互いに接合して、関節式バイオコンテナを形成することができる。例えば、フィルム1102は、フィルム1202の縁部1201および1203に接合することができる縁部1101および1103を有する。上記のように、接合は、熱およびまたは圧力による熱かしめ(heat-staking)、シーリング、ボンディング、溶接、および当業者に知られているようなプラスチックフィルムを接合するための他の方法によって達成されることができる。また、フィルム1102の第1の側面1110をフィルム1202の第2の側面1212と接合して、改変されたバルーン折りトートまたはバイオコンテナを製作することができる。膨張のために、または生物学的流体を送達するために、ポート(図示せず)がトートまたはバイオコンテナに追加され得る。拡張状態にあるとき、トートまたはバイオコンテナは、真空アシストを有するか、または輸送または貯蔵のための状態に押し下げるために圧力を加えることができる。
【0033】
図14は、本開示の実施形態による、螺旋状折り目1400を形成するために互いに接着された複数のフィルム1402を示す。図示のように、10枚のフィルム1402が関節接合部1408で接合されている。実際には、所望の数のフィルム1402が接合されることができる。示されているすべての寸法はインチ単位である。1410および1414は、熱および圧力で弓型関節パスを作ることによって形成された山型関節パスである。関節接合部1408はヒートシーリングによって形成された。1406および1402は、ヒートシーリングによって形成された山型関節である。1420は基準線であり、この指定における関節は必要ない。
【0034】
図15は、本開示の実施形態による、接合された上部フィルムと下部フィルムとを有する規則的な螺旋状折り目を示す。
【0035】
図16Aから図16Bは、本開示の実施形態による、鏡像二重螺旋を示す。図16Aは、本開示の実施形態による、鏡像二重螺旋を示す。1620a、1620bは、六角形に設計されたバイオコンテナの上部パネルおよび下部パネルを表す。上部パネル1620a(図16Aのように)および下部パネル1620b(図16Bのように)は、フィルム本体1600b上のタブ1601を利用して多関節パネル1600bにヒートシールされる。1600bは、六角形の逆二重螺旋パターンでパターニングされている。1602および1603は、熱および圧力によって形成された谷型関節パスである。1604および1605は、熱および圧力によって形成された山型関節パスである。1606および1607は、熱山型関節で側部1608および側部1609を接合する。バイオコンテナ上部および下部からのバイオコンテナ本体からの基準線1610、1611は、タブ1601を用いて整列して、山方向のヒートシーリングを容易にする。設計は、上部1620aおよび下部(図示せず)ならびに1つ以上のポートおよび他の取付具と共に、以下に示されるように平らに折り畳まれ、バイオコンテナ内に拡張することができる。上部1620aは、バイオコンテナ用の任意の適切なフィルムを含むことができる。
【0036】
図17は、本開示の実施形態による、拡張状態のバイオコンテナ1700を形成するために上部1620aおよび下部1620bと組み立てられた鏡像二重螺旋設計を示す。バイオコンテナ1700は、その拡張状態において、生物学的流体などの流体を処理または貯蔵するための内部容積を有する。関節1602、1603、1604、1605を有するバイオコンテナ1700は、関節1602、1603、1604、1605に沿って繰り返し拡張し、平らに折り畳むことができ、非関節パスに沿ったフィルム1600bのしわは低減または排除される。したがって、バイオコンテナ1700は、例えば、製造中、完全性試験中、バイオプロセスで使用するための初期拡張、再折り畳み、拡張および再完全性試験、その後の使用などの間に、損傷を受けることなく複数回拡張および平坦化されることができる。
【0037】
本開示による実施形態では、フィルムおよび/またはパス/経路のいずれかを含む本明細書に説明されるバイオコンテナのいずれかは、プラスチックフィルムの単一層または単一のカレンダ加工フィルムまたは多層プラスチック積層体から単一で形成される。また、本明細書に説明されるバイオコンテナの実施形態のいずれかは、外側バイオコンテナが再使用され得るように、取り外し可能な接触層フィルムをさらに含んでもよい。取り外し可能な接触層フィルムは、生物学的流体と接触するように、バイオコンテナの内部容積の内部部分に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の取り外し可能な接触層フィルムは、単一のバイオコンテナ上に配置され、複数の取り外し可能な接触層フィルムのうちの1つは、生物学的流体の使用または処理ごとに除去される。いくつかの実施形態では、取り外し可能な接触層フィルムも関節を備える。いくつかの実施形態では、関節を備える取り外し可能な接触層フィルムは、バイオコンテナに取り付けられる。いくつかの実施形態では、関節を備える取り外し可能な接触層フィルムは、バイオコンテナに接着されない。
【0038】
図18Aから図18Cは、本開示の実施形態による、完全に拡張された状態の、図17のようなバイオコンテナを形成するために上部および下部で組み立てられた鏡像二重螺旋設計を示す。図18Aは、本開示の実施形態による、完全に拡張された状態の、図17のようなバイオコンテナ1700を形成するために上部1620aおよび下部1620bで組み立てられた鏡像二重螺旋設計を示す。1700aは完全に拡張された状態のバイオコンテナ1700を示し、1700bは部分的に圧縮された状態のバイオコンテナ1700を示し、1700cは完全に圧縮された状態のバイオコンテナ1700を示す。限定ではなく例として、1700aは約60~65cmの高さを含み得、図18Bのように1700bは約35~40cmの高さを有し得、図18Cのように1700cは約4~6cmの高さを有し得る。これらの測定値を使用すると、バイオコンテナ1700は100Lの用途に適している。
【0039】
図19Aから図19Cは、本開示のいくつかの実施形態による、モザイク状正方形バイオコンテナを示す。図19Aは、本開示のいくつかの実施形態による、モザイク状正方形バイオコンテナ1900を示す。バイオコンテナ1900は、上述したものと同様にモザイク模様1906および1908を備える。バイオコンテナ1900は、いくつかの実施形態では長方形であり、いくつかの実施形態では正方形である。図示のように、バイオコンテナ1900は、約30~32cmの側部1910を含む上面1902および底面1904を有する。バイオコンテナ1900は、図示のように、四面モザイク状バイオコンテナを示す。バイオコンテナ1900は、上面1912bおよび底面1912aと、複数の中央面1912xとを有する。図示のように、上面1912bと底面1912aとの間には2つの平面がある。実際には、4個の中央面1912x、6個の中央面1912x、8個の中央面1912x...n個の中央面などが本開示の範囲内である。
【0040】
1900aは完全に拡張された状態のバイオコンテナ1900を示し、1900bは部分的に圧縮された状態のバイオコンテナ1900を示し、1900cは完全に圧縮された状態のバイオコンテナ1900を示す。限定ではなく例として、図19Aのように1900aは約58~60cmの高さを含み得、図19Bのように1900bは約30~32cmの高さを有し得、図19Cのように1900cは約4~6cmの高さを有し得る。これらの測定値を使用すると、バイオコンテナ1900は200Lの用途に適している。四面バイオコンテナ1900は40の折り目を有し、六面バイオコンテナ1900は60の折り目を有する。
【0041】
図20Aから図20Cは、本開示のいくつかの実施形態による、モザイク状正方形バイオコンテナを示す。図20Aは、本開示のいくつかの実施形態による、モザイク状正方形バイオコンテナ2000を示す。バイオコンテナ2000は、上述したものと同様にモザイク模様1906および1908を備える。バイオコンテナ2000は、いくつかの実施形態では長方形であり、いくつかの実施形態では正方形である。図示のように、バイオコンテナ1900と同様に、バイオコンテナ2000aは、約30~32cmの側部1910を含む上面1902および底面1904を有する。バイオコンテナ2000aは、図示のように、八面モザイク状バイオコンテナを示す。バイオコンテナ2000は、上面1912bおよび底面1912aと、複数の中央面1912xとを有する。図示のように、上面1912bと底面1912aとの間には2つの平面がある。実際には、4個の中央面1912x、6個の中央面1912x、8個の中央面1912x...n個の中央面などが本開示の範囲内である。さらに、バイオコンテナ2000は、等しくない平面を含む。図示のように、バイオコンテナ2000は、平面2012b(底面1912aに隣接する)および遠位面2012aと、平面2012bと遠位面2012aとの間に配置された複数の中央面2012xとを有する。図示のように、平面2012bと遠位面2012aとの間には2つの平面がある。実際には、4個の中央面2012x、6個の中央面2012x、8個の中央面2012x...n個の中央面などが本開示の範囲内である。バイオコンテナ2000は、バイオコンテナ1900と同様の拡張された、部分的に圧縮された、および完全に圧縮された寸法を含む。図示のように、8つの等しくない平面のバイオコンテナは、80の折り目を有する。これに関連して、図20Bおよび図20Cのように、等しいとは、平面が同様の高さを有することを示し、等しくないとは、同様の高さおよび異なる高さを有する平面の混合物を示す。
【0042】
本開示によるいくつかの実施形態は、内側と外側とを有する第1のフィルムと、取り外し可能な接触層フィルムを有する外側バイオコンテナを形成するために第1のフィルムの内部容積に解放可能に接着された第2のフィルムとを備えるバイオコンテナを含む。
【0043】
本開示のいくつかの実施形態は、内側および外側を有し、内部容積を形成する、第1のフィルムと、取り外し可能な接触層フィルムを有する外側バイオコンテナを形成するために第1のフィルムの内部容積に解放可能に接着された第2のフィルムであって、取り外し可能な接触フィルム層が、別個のバイオプロセシング処理のために外側バイオコンテナが再使用されることを可能にする、第2のフィルムとを有するバイオコンテナを含む。いくつかの実施形態では、第2のフィルムは関節を備える。いくつかの実施形態では、バイオコンテナは、第1のフィルム上または第1のフィルム内に配置された1つ以上の関節要素を含み、関節要素は、折り曲げられたヒンジ、密閉された接合部、薄くなった経路、湾曲したパス、埋め込まれたポリマーまたは金属の円筒形の繊維あるいはロッドのうちの少なくとも1つを含み、第1のフィルムは内部容積を形成する。また、いくつかの実施形態では、バイオコンテナは、複数の剥離可能な接触フィルム層をさらに含む。いくつかの実施形態では、剥離可能な接触フィルム層は関節を備える。
【0044】
本開示のいくつかの実施形態は、第1の外側容器と、第1の外側容器内に配置された第1の内側バッグとを含むバイオコンテナシステムを備える。いくつかの実施形態では、バイオコンテナシステムは、関節を含み、第1の外側容器内で圧縮される、第1の内側バッグを備える。いくつかの実施形態では、第1の内側バッグは、第1の外側容器内に圧縮され、第1の外側容器内に配置され、第1の外側容器から取り外されることが可能である。また、いくつかの実施形態では、第1の外側容器は、ポリマーフィルムを含む可撓性容器である。また、いくつかの実施形態では、第1の外側容器のポリマーフィルムは関節を備える。
【0045】
本明細書に説明される様々なフィルムおよびバイオコンテナを作製するために、様々な製造方法が使用されることができることを理解されたい。例えば、フィルムは、上述のように湾曲した接合構造に折り曲げられてもよい。折り目は、熱および圧力を使用して、本明細書に説明されるフィルムのいずれかに恒久的に配置されることができる。いくつかの実施形態では、密閉された接合部は、2枚のフィルムを一体に接着することによって形成される。例えば、2枚のフィルム、本明細書に説明されるフィルムのいずれかは、熱、圧力およびまたは真空アシストの1つまたは組み合わせを使用し、カレンダ加工プロセスを使用して接合されることができ、単一方向に関節運動する接合部を作る。本明細書に説明される関節はいずれも、フィルムを所望の方向にバイアスすることによって作られることができる。いくつかの実施形態では、関節は、フィルムのエッチングおよび/または筋付けによって作られる。いくつかの実施形態では、関節は、フィルムのアブレーションを使用して作られる。いくつかの実施形態では、関節は、ローラ上にパターンを有するローラヒータを使用することによって製作される。いくつかの実施形態では、関節は、ロッド状構造をフィルムに接着または埋め込むことによって作られる。ロッド状構造は、例えば、金属および/またはポリマーから構成される剛性または可撓性の中実または中空の円筒形または半円筒形部材を含むことができる。いくつかの実施形態では、2つのフィルムまたはパネル片の間に形成された経路は、フィルム内の関節を強化および/または作るための空気または別の流体を含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、関節は、真空成形、エンボス加工、折り曲げおよびプレシング、3D印刷、および/またはアブレーティング処理を使用して、折り目または剛性チャネル、より弱いチャネル、および/または接合部を形成することによってフィルム内に形成される。例えば、フラッシュカットまたはダイカットなど、フィルムのパネルを切断することができる。3Dプリンタを収容するガントリシステムは、誘導性または導電性ガスケットをパネル上に印刷することができる。タブはパネルに取り付けられ得、パネルはバーの上に引っ張られることができ、パネルは(レーザまたは誘導ヒータで加熱することなどによって)巻き付けられるかまたはクランプおよび加熱されて、モザイク模様のための関節チャネルを形成する。山折りおよび谷スタイルの折りを製作するために上部バーおよび底部バーが使用されることができる。換言すれば、適切な断面形状、すなわち、対称形状、楕円形、円形など、または非対称形状を有するバーは、フィルム上に置かれることができ、フィルムはそれ自体の上に折り曲げられ、バーは加熱され、除去されて、モザイク模様を作り、フィルムはモザイク模様を保持する。
【0047】
図21および図22は、本開示の実施形態による、フィルムをモザイク化するためのシステムを示す。図21は、誘導コイル2102と金属ホイール2108とを備える装置2100を示す。誘導コイル2102に供給された電力が加熱され、次いで金属ホイール2108を加熱する。いくつかの実施形態では、金属ホイール2018はステンレス鋼を含む。装置2100は、温度センサおよびコントローラ2104をさらに備えることができる。例えば、温度センサおよびコントローラ2104は、赤外線コントローラであってもよい。ハウジング2110は、金属ホイール2108の回転を制御するための変速機を収容する。ノブ2112は、金属ホイール2108に直接的または間接的に接続され、オペレータが金属ホイール2108を回転させることを可能にする。図22は、ガントリ位置決めシステム2200上に配置された装置2100を示す。ガントリ位置決めシステム2200は、装置2100が3つの軸x、y、およびzで移動することを可能にする。装置2100は、装置をz方向に移動させるためのブーム2212に配置されている。装置2100はまた、装置をxおよびy方向に移動させるためにレール2202に乗る支持体2214上に配置される。動作中、フィルムをモザイク化するためのシステムは、モザイク化されるべきフィルムをツーリングプレート2204上に配置することによって機能する。いくつかの実施形態では、ツーリングプレート2204は、凹部および/または隆起部2210を備える。加熱されている間に装置2100を所望のパターンで移動させることにより、オペレータはフィルムにモザイク模様を配置することができる。任意選択的に、フィルムは、1つ以上のクランプ2208によって押さえられる。ツーリングプレート2204は、任意の適切な材料、例えば、鋼、アルミニウム、セラミック、シリコーンゴムなどで作られることができる。
【0048】
図23Aから図23Bは、本開示の実施形態による、モザイク状フィルムを形成するためのフィルム形成ツールを示す。図23Aは、本開示の実施形態による、モザイク状フィルム2312を形成するためのフィルム形成ツール2300を示す。図23Aは、モザイク状フィルム2312を形成するためのフィルム形成ツール2300の正面図を示す。フィルム形成ツール2300は、互いに対向し、任意の適切な材料、例えばプラスチック、セラミックおよび/または金属で作られることができる2つの回転ホイール2304の間に配置された、誘導加熱先端部2302を備える。回転ホイール2304は、フィルム2312を支持する。誘導加熱先端部2302は、先端部ハウジング2314から突出している。誘導加熱先端部2302は、任意選択的に、チャネルを有することができ、チャネルは内部に延在し、先端部2302に高温空気などの空気を提供するための取付具2308と流体連通する。先端部ハウジング2314はまた、冷却導管を作るために取り付けられたループまたはチューブ(図示せず)を有することができる導管2310を含むことができる。また、先端部ハウジング2314には、誘導加熱先端部2302を通る軸から90°未満の任意の角度にあるローラボール2306が取り付けられてもよい。ローラボール2306は、例えば、フィルム2312上でドラッグマーク(drag mark)が最小になるように自由に転がるVLIER(R)ピンまたはボールベアリングである。図23Bは、図23Aに示される、モザイク状フィルム2312を形成するためのフィルム形成ツール2300の斜視図を示す。少なくともいくつかの実施形態では、任意の単一のローラボール2306が加熱誘導先端部2302となす角度は30°である。したがって、両方とも誘導加熱先端部2302から30°である、第1のローラボール2306aに対向する第2のローラボール2306bがある場合、その上に配置されたフィルムは60°の折り曲げ角度を有する。実際には、フィルム2312の折り曲げ角度は、20~160°、または180°に近似することさえできる。モザイク状フィルム2312を形成するためのフィルム形成ツール2300は、任意の適切な固定具またはフレーム上に置かれることができる。上述のように、可撓性フィルムは、外部のより高い融点のポリマーの内部により低い融点の材料を有する積層フィルム構造を含む。また、いくつかの実施形態では、可撓性フィルムは、より高い融点の織布、編物、または不織布材料を取り囲むより低い融点の材料を有する積層フィルム構造を含み、いくつかの実施形態では、関節度(150°対180°)の制御と組み合わせてより低い融点の材料を熱硬化させることにより、モザイク状容器をより低い抵抗で展開することが可能になる。
【0049】
図24は、本開示の実施形態による、モザイク状フィルムを形成するための引き込み誘導加熱先端部2402を備えるシステム2400を示す。引き込み誘導加熱先端部2402は、互いに対向する2つのアウトリガ折り畳みロッド2406を備え、誘導加熱先端部2402およびコイル2404は、それらの間に配置され、2つのアウトリガ折り畳みロッド2406を横切る平面から陥凹または突出することができる。2つのアウトリガ折り畳みロッド2406を備える引き込み誘導加熱先端部2402は、ハウジング2412上に配置される。ハウジング2412は、冷却流体を提供するためのチャネル2410を備えることができる。また、誘導加熱先端部2402は、それを通る空気の流速を制御するための穴(図示せず)を備えてもよい。ハウジング2412は、任意選択的に、誘導加熱先端部2402をハウジング2412から断熱するためのブッシング2412を備えてもよい。
【0050】
図25Aから図25Dは、例えば、バイオコンテナ、四面モザイク状バイオコンテナを作製するためのパネルを作製するための過程を示す。図25Aから図25Dは、例えば、図19に示すように、バイオコンテナ1900、四面モザイク状バイオコンテナを作製するためのパネルを作製するための過程を示す。図25Aは、システム2400内の第2の引き込み誘導加熱先端部2402bに対向するシステム2400内の第1の引き込み誘導加熱先端部2402aを示し、それらの間にフィルム2412が配置されている。図25Aでは、誘導加熱先端部2402aおよび2402bは両方とも、陥凹状態にも突出状態にもない。図25Bでは、誘導加熱先端部2402aはy方向に外側に突出し、誘導加熱先端部2402bはy方向に陥凹する。図25Cでは、誘導加熱先端部2402aはy方向にさらに外側に突出し、誘導加熱先端部2042bはさらに陥凹する。次に、システム2400は、上述したように、モザイク模様1906を有するモザイク状フィルムを形成するために、正および/または負のz方向に移動することができる。図25Dは、モザイク模様1908を形成するために、水平に対して傾斜した構成のシステム2400を示す。システム2400は、上述したように、固定具を使用する任意のテーブル上のガントリシステム上に、および/またはシステム2400および/またはフィルム2412が配置されたテーブルの動きを自動的にプログラムするためのコンピュータ制御ロボットと共に配置することができる。
【0051】
図26は、タブ2608とバッグ支持システムとをさらに備えるバイオコンテナ、例えば上述のバイオコンテナ1900を示す。バイオコンテナ1900は、内部に配置された格納可能な足場(scaffolding)2604を有し、任意選択的にプラットフォーム2606上に着座する。図示のように、格納可能な足場2604は鋏型足場である。鋏型足場2604は、本開示に記載された実施形態のいずれかおよび他のバイオコンテナに追加され得ることを理解されたい。
【0052】
図27は、タブ2608と第2のバッグ支持システムとをさらに備える、バイオコンテナ、例えば上述のバイオコンテナ1900を示す。バイオコンテナ1900は、タブ2608内に配置された一連の支柱2618を有し、任意選択的にプラットフォーム2606上に着座する。上部支持フレーム2620は、任意選択的に、タブ2608を通して置かれることができる。図示のように、支柱2608は、バイオコンテナ1900の周囲を支持する。タブ2608は、本開示に説明された実施形態のいずれかおよび他のバイオコンテナに追加され得ることを理解されたい。
【0053】
本明細書に説明される可撓性フィルムおよび/またはバイオコンテナのいずれも、一連の互い違いのモザイク模様を含むことができることをさらに理解されたい。例えば、平面は、第1の一連の不連続なモザイク模様を含むことができ、一方、隣接する平面は、第1の一連のモザイク模様と垂直に整列しない第2の一連の不連続なモザイク模様、すなわち、互い違いのモザイク模様を含む。換言すれば、モザイク模様はフィルム全体を貫通するカットを含まないが、モザイク模様は、切り紙の概念のものに似た互い違いの視覚的設計を有する。より深い関節を使用することによって、または「W」または「M」型の関節チャネルを有することによって、追加のチャネル支持体を有するなど、より強い関節が構築されることができることをさらに理解されたい。また、バイオコンテナの強度は、ポリマー選択ならびに関節の種類に応じ得る。展開のために、いくつかの設計では、関節が「はね返る」ことが望ましい場合があり、これは、より強いまたはより弱い曲げ弾性率特性を有する様々なモザイク模様、関節、フィルム、プラスチックおよび/または積層体および/または複合材を使用して達成されることができる。
【0054】
本明細書に説明されるフィルムの少なくともいくつかは、折り紙の原理、すなわち正方形、長方形、平行な形状のフィルムを使用して製造された構造を使用して作られる。本明細書に説明されるフィルムの少なくともいくつかは、切り紙の原理、すなわち、平行でない形状のフィルム、すなわち、三角形、菱形、台形、切頂三角形、所望の形状に切断されたパネルまたはフィルム片などを使用して製造された構造を使用して作られる。バイオコンテナ、バッグ、混合バッグバイオリアクタ、および他の容器は、本明細書では互いに交換可能に使用される。紙袋折り、谷折り、山折りなどの多くの既知の構造が、本開示の実施形態の範囲内であると考えられる。
【0055】
いくつかのフィルム構造の例
本発明のいくつかの実施形態によるフィルム構造体は、当業者に知られているように、バイオコンテナ、バイオリアクタ、クライオバッグなどに適した任意のフィルムを含むことができる。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるフィルムは単層フィルムである。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるフィルムは多層フィルムである。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるフィルムは、ガス不透過性層および/または布地基材を含む。本明細書に説明されるフィルムのいずれも、例えば、薄くなったパス、アブレーションされたパス、筋付けのあるパス、湾曲したパスなどが付与された関節を有することができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、フィルムは、米国マサチューセッツ州バーリントンのMilliporeSigma Corp.によってPureFlex(TM)ブランドで市販されている積層フィルムを含む。PureFlex(TM)フィルムは、第1の超低密度ポリエチレン層と、その上に配置されたEVOH層と、EVOH層上に配置されたEVA樹脂層と、EVA樹脂層上に配置された第2の超低密度ポリエチレン層とを含み、PureFlex(TM)フィルムの厚さは約0.25mmである。いくつかの実施形態では、第1の超低密度ポリエチレン層は流体接触層である。いくつかの実施形態では、第2の超低密度ポリエチレン層は流体接触層である。また、いくつかの実施形態では、EVA樹脂層はEVAコポリマー樹脂を含む。例えば、EVAコポリマー樹脂は、約20~30重量%のエチレンビニルアセテートを含み得る。いくつかの実施形態では、EVA樹脂層は、約28重量%のエチレンビニルアセテートを含む。いくつかの実施形態では、EVA樹脂層は、低密度ポリエチレンとブレンドされた約28重量%のエチレンビニルアセテートを含む。いくつかの実施形態では、EVA樹脂層は、米国デラウェア州ウィルミントンのE.I.duPont De Nemoursによって市販されているELVAX(R)樹脂を含む。Pureflex(TM)フィルムは、後述するように、内側接触領域、中間酸素バリア領域およびプラスチックのみで形成された外側保護領域を有する多層積層フィルムであった。フィルムの厚さは約0.020インチ(0.50mm)であった。いくつかの実施形態では、PureFlex(R)フィルムは、エチレンα-オレフィン樹脂を含む接触層を有する。例えば、いくつかの例示的なエチレンα-オレフィン樹脂は、米国ミシガン州ミッドランドのDow Corp.によってAFFINITY(R)というブランドで市販されている。
【0057】
Pureflex(TM)フィルムのサンプルを、例えば、米国イリノイ州アーリントンハイツのSoarus社が販売する、Kuraray Co.,Ltd.,Premium Pack,GmbH,SOARNOL(R)などによって提供されるように、外側領域がEVOH樹脂の層を有するように改変して、耐屈曲亀裂性を改善した。いくつかの実施形態では、EVOH層は、任意選択で低いメルトフローレートを有するエチレンビニルアルコールコポリマーを含む。耐屈曲亀裂性樹脂を有する扁平チューブ標準フィルムのサンプルは、厚さが約0.014~0.020インチ(0.35~0.50mm)であった。
【0058】
本開示によるフィルムのサンプルは、ポリオレフィン樹脂から形成された内側接触領域と、例えば横糸およびたて糸の両方の方向に86のメッシュ数を有し、約150ミクロンの厚さを有する、米国ニューヨーク州バッファローのSefar,Inc.から得られるナイロン織布基材などの基材を含む中間領域と、EVOH樹脂から形成された酸素バリア領域と、耐屈曲亀裂樹脂の外層と、各領域間の結合層との積層によって作製された。
【0059】
PureFlex(TM)フィルムは、第1の超低密度ポリエチレン層と、その上に配置されたEVOH層と、EVOH樹脂層上に配置されたEVA樹脂層と、EVA樹脂層上に配置された第2の超低密度ポリエチレン層とを含み、PureFlex(TM)フィルムの厚さは約0.25mmである。いくつかの実施形態では、第1の超低密度ポリエチレン層は流体接触層である。いくつかの実施形態では、第2の超低密度ポリエチレン層は流体接触層である。また、いくつかの実施形態では、EVA層はEVAコポリマー樹脂を含む。例えば、EVAコポリマー樹脂は、約20~30重量%のエチレンビニルアセテートを含み得る。いくつかの実施形態では、EVA樹脂層は、約28重量%のエチレンビニルアセテートを含む。いくつかの実施形態では、EVA樹脂層は、低密度ポリエチレンとブレンドされた約28重量%のエチレンビニルアセテートを含む。いくつかの実施形態では、EVA樹脂層は、米国デラウェア州ウィルミントンのE.I.duPont De Nemoursによって市販されているELVAX(R)樹脂を含む。
【0060】
フィルム100a、100b、100c、100d、200a、200b、200c、200d.....の実施形態のいずれも、個別にまたは互いに任意に組み合わせて使用され得る。フィルム100a、100b、100c、100d、200a、200b、200c、200d.....のいくつかの実施形態では、多層積層体を含む。フィルム100a、100b、100c、100d、200a、200b、200c、200d.....の任意の実施形態は、内側接触領域を含む。内側接触領域は、フィルムから形成されたバイオコンテナ(本明細書に説明される)の内部容積内の液体と接触する第1の面を含む。内側接触領域は、フィルムと接触し得る液体に対して不活性であり、および内側接触領域またはフィルムの第1の前面と接触して液体に入る可能性がある抽出物も少ない材料の1つ以上の層から形成されてもよい。そのような材料は、ポリエチレンなどの様々なポリオレフィンを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態は、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンなどを含む。内側接触領域の外側は、ガス不透過性である樹脂の1つ以上の層で形成されたガス不透過性領域である。そのような樹脂には、EVAおよびEVOHなどのポリマーが含まれるが、これらに限定されず、アルミニウム、アルミニウム合金、および/またはそれらの様々な組み合わせなどの様々な金属箔も含まれ得る。このガス不透過性領域の外側には、任意選択的に、支持、耐破裂性、およびフィルムの残りの領域に対する何らかの保護手段、例えば耐摩耗性を提供する、1つ以上の層から形成された外側強度領域がある。そのような樹脂には、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、PET、EVA、ポリアミドなどの様々なグレードのポリエチレンが含まれるが、これらに限定されない。
【0061】
内側接触領域、ガス不透過性領域、および外側強度領域の各々は、積層および/またはカレンダ加工後に1つの層によって表されるが、各領域は、互いに結合された1つ以上の層から形成されてもよく、様々な領域は一体のフィルムとして一緒に形成される。例えば、本開示のいくつかの実施形態によれば、領域のうちの1つ以上、または各領域は、いくつかの層から形成されることができる。また、同様のポリマー樹脂は、内側接触、ガス不透過性および外側強度領域のそれぞれを形成し得る1つ以上の領域および/または層の間に結合樹脂を用いて形成されることができる。結合層は、例えば、ポリウレタン、EVAとポリエチレン、例えば低密度ポリエチレン、とのブレンド、および当業者に知られているような積層体を形成するための他の結合層を含んでもよい。
【0062】
本明細書に説明されるフィルムのいくつかの実施形態のいずれかはさらに、基材を含んでもよい。基材は、織布材料、不織布材料、スパンボンド材料、または米国デラウェア州ウィルミントンのHercules,Inc.によって市販されている開口または多孔性延伸フィルムであるDELNET(R)フィルムなどのネッティング材料を含んでもよい。基材は、ポリマー繊維もしくは糸、金属繊維もしくは糸、ガラス繊維もしくは糸、または炭素繊維もしくは糸、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。ポリマー基材、一般に、織布、不織布またはネットは、ナイロン、KEVLAR(R)および他のアミド、PET、EVA、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの材料から形成されることができる。
【0063】
ポリマー織布は、前述のポリマーのいずれかから形成されることができる。ポリマー織布は、単独の布として、または内部に結合層が組み込まれたコーティングされた布として市販されている。このような材料は、米国マサチューセッツ州ホルブルックのEastex Products Inc、米国ノースカロライナ州シャーロットのPGI Inc.または米国ニューハンプシャー州マンチェスターのFreudenberg&Co.などの様々な企業から入手可能である。不織布は、例えばスパンボンド材料またはブロー材料であってもよく、例えば、米国デラウェア州ウィルミントンのE.I.duPont De Nemours社製のTYPAR(R)またはTYVEK(R)シートとして市販されている。
【0064】
本明細書に説明されるフィルムはいずれも、フィルムと接触し得る液体に対して不活性であり、および/または内部接触領域と接触して液体に入る可能性がある抽出物が少ない材料の1つ以上の層をさらに含む内部接触領域を含み得る。いくつかの例示的な実施形態では、内側接触領域は、例えば、ポリオレフィン材料、すなわちポリエチレン層を含む。いくつかの実施形態では、ポリエチレン層は、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、例えば密度0.857~0.908g/cm、ポリオレフィンプラストマー、またはポリエチレン-オクテンコポリマーのうちの少なくとも1つである。いくつかの実施形態では、ポリエチレン層は、ENGAGE(R)ポリオレフィンエラストマーと、米国ミシガン州ミッドランドのDow Corp.によって市販されているいくつかの例示的なエチレンα-オレフィンおよびポリエチレン-オクテンコポリマー樹脂とを含む。
【0065】
本明細書に記載のフィルムはいずれも、EVAおよびEVOHなどのガス不透過性である材料の1つ以上の層で形成されたガス不透過性領域を含むことができ、アルミニウム、アルミニウム合金、および/またはそれらの様々な組み合わせなどの様々な金属箔を含むこともできる。いくつかの実施形態では、ガス不透過性領域は、例えば、LDPEまたはLLDPEなどのポリエチレン;ENGAGE(R)ポリオレフィンエラストマーなどの第2のポリエチレン層、改質ポリエチレン層(例えば、無水マレイン酸で改質されたLDPE)などの結合層、EVOH層、第2の結合層、第2のポリエチレン層、およびEVA層などの多数の層を含む。
【0066】
本明細書に記載のフィルムはいずれも、内側接触領域とガス不透過性領域との間に配置された基材を含むことができる。基材は、関節運動および/または使用中の支持のための強度だけでなく、耐バースト性を提供することができる。いくつかの実施形態では、結合層は基材に埋め込まれる。好ましい結合層14は、ポリ(エチレンビニルアセテート)などのプラスチックを単独で、またはポリエチレンなどの異なるポリマーとブレンドして含む。いくつかの実施形態では、結合層は、EVAと低密度ポリエチレンとのブレンドを含み、EVAは高流量EVAである。例えば、いくつかの実施形態では、結合層14のメルトフローは、約3~25g/10分の範囲であってもよい。結合層はまた、ポリウレタン材料であってもよい。
【0067】
密閉された側面、上部および底部によって画定された内部容積を有するバイオコンテナは、本明細書に説明されるフィルムのいずれかから形成されてもよい。バイオコンテナの内部容積は、10ミリリットル~3500リットル以上の範囲であり得る。典型的には、1、5、10、20、50、100、200、500、1000、および2000リットルなどの様々なサイズ、ただしそれらの間のカスタム体積、または2000Lを超えるものさえも、所望に応じて、または任意の特定のバイオプロセス動作のために適切に構築することができる。バイオコンテナは、流体(気体、液体、または両方の組み合わせ)および/または固体を貯蔵または処理するために使用されることができ、バイオコンテナまたはミキサーまたは貯蔵バッグに形成され得る。例えば、バイオコンテナは、ミキサーであってもよく、様々な液体を一緒に混合するために使用されてもよく、あるいは液体を緩衝培地、細胞培養培地などの1つ以上の固体と混合するために使用されてもよい。それはまた、昆虫細胞またはチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)を含む哺乳動物細胞などの動物細胞;大腸菌などの細菌;酵母;真菌;などを増殖させるために使用されるバイオコンテナまたは発酵槽であり得る。バイオコンテナまたはバイオリアクタは、中間または最終医薬品などの液体の貯蔵または輸送に使用され得る。当業者に知られているように、インペラ、センサ、気体および液体チューブセットなどの様々な追加物も、必要に応じて追加され得る。
【0068】
本明細書に記載される定式化のすべての範囲は、それらの間の範囲を含み、エンドポイントを含むかまたは含まない場合がある。オプションで含まれる範囲は、列挙された桁または次の小さい桁の整数値において、それらの間の整数値(または1つの元のエンドポイントを含む)からである。例えば、下限範囲値が0.2の場合、オプションで含まれるエンドポイントは、0.3、0.4、...1.1、1.2など、および1、2、3などであり得;より高い範囲が8の場合、オプションで含まれるエンドポイントは7、6など、ならびに7.9、7.8などであり得る。3以上などの片側境界は、同様に、列挙された桁またはそれよりも1つ小さい桁の整数値で始まる一貫した境界(または範囲)を含む。例えば、3以上は、4、または3.1、またはそれより多くを含む。
【0069】
本明細書全体を通して「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ以上の実施形態」、「いくつかの実施形態」、または「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特徴、構造、材料、または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを示す。したがって、本明細書全体を通じて「1つ以上の実施形態において」、「特定の実施形態において」、「一実施形態において」、「いくつかの実施形態において」または「実施形態において」などの語句の出現は、必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。それにもかかわらず、本明細書に説明された任意の特徴は、本明細書に開示された任意の実施形態に組み込むことができることを理解されたい。
【0070】
本明細書で引用された特許出願および特許の出版物ならびに他の非特許文献は、あたかも各個別の出版物または参照文献が完全に説明されているように参照により本明細書に組み込まれると具体的で個別に示されているかのように、引用された部分全体で参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。この出願が優先権を主張する任意の特許出願もまた、出版物および参考文献について上述した方法で、参照により本明細書に組み込まれる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図9D
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図9F
図10A
図10B
図11
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図16B
図17
図18A
図18B
図18C
図19A
図19B
図19C
図20A
図20B
図20C
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図23B
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図25B
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図27