(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】スキャン内焦点変位の補正
(51)【国際特許分類】
A61B 6/03 20060101AFI20241007BHJP
A61B 6/58 20240101ALI20241007BHJP
【FI】
A61B6/03 521J
A61B6/03 530A
A61B6/58 500B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023031468
(22)【出願日】2023-03-02
【審査請求日】2023-07-24
(32)【優先日】2022-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319011672
【氏名又は名称】ジーイー・プレシジョン・ヘルスケア・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・エム・ボードリー
(72)【発明者】
【氏名】ライアン・ジェイ・レミンジャー
(72)【発明者】
【氏名】アダム・イスラエル・コーエン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-フランソワ・ラルー
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-005015(JP,A)
【文献】特開2018-010857(JP,A)
【文献】特開2017-153590(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0117618(US,A1)
【文献】米国特許第05550889(US,A)
【文献】特開2000-033085(JP,A)
【文献】特開2014-104356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 - 6/58
H05G 1/00 - 1/70
H01J 35/00 -35/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ可読メモリ(108)に記憶されたコンピュータ実行可能コンポーネントを実行するプロセッサ(106)を含むシステムであって、
コンピュータ実行可能コンポーネントは、
医用スキャナ(104)の第1のガントリ角度(702)にアクセスするレシーバコンポーネント(112)と、
ガントリ角度を焦点変位に相関させるマッピング(402)を参照することにより、第1のガントリ角度に基づいて医用スキャナの焦点の第1の変位(802)を決定する変位コンポーネント(114)と、
医用スキャナの1つ以上の焦点位置調整器(122)を介して第1の変位を補償する実行コンポーネント(116)と、
を含む、システム。
【請求項2】
レシーバコンポーネント(112)は、さらに医用スキャナの第1の電圧レベル(704)にアクセスし、マッピング(402)は、さらに電圧レベルを焦点変位に更に相関させ、変位コンポーネント(114)は、第1の電圧レベルに基づいて医用スキャナの焦点の第1の変位(802)を決定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
複数のガントリ角度(504)で医用スキャナ(104)を走査し、複数のガントリ角度のそれぞれにおいて、医用スキャナの焦点が所定の位置からどの程度離れてどの方向にドリフトしているかを測定することにより、マッピング(402)を生成する較正コンポーネント(110)をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
1つ以上の焦点位置調整器(122)は、焦点を第1の変位(802)と反対方向に移動させ、1つ以上の焦点位置調整器は、焦点を第1の変位の大きさに等しい距離だけ移動させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
医用スキャナ(104)の1つ以上の焦点位置調整器(122)は、磁気双極子又は静電偏向電極である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
医用スキャナ(104)は、コンピュータ断層撮影スキャナ又はトモシンセシスマンモグラフィスキャナである、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
実行コンポーネント(116)が第1の変位(802)を補償した後、レシーバコンポーネント(112)が医用スキャナの第2のガントリ角度(702)にアクセスし、変位コンポーネント(114)が、ガントリ角度を焦点変位に相関させるマッピング(402)を参照することによって、第2のガントリ角度に基づいて医用スキャナの焦点の第2の変位(802)を決定し、実行コンポーネント(116)が、医用スキャナの1つ以上の焦点位置調整器(122)を介して第2の変位を補償する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
コンピュータ実装方法であって、
プロセッサ(106)に動作可能に結合されたデバイス(112)によって、医用スキャナ(104)の第1のガントリ角度(702)にアクセスするステップと、
デバイス(114)により、ガントリ角度を焦点変位に相関させるマッピング(402)を参照することにより第1のガントリ角度に基づいて医用スキャナの焦点の第1の変位(802)を決定するステップと、
デバイス(116)によって及び医用スキャナの1つ以上の焦点位置調整器(122)を介して第1の変位を補償するステップと、
を含むコンピュータ実装方法。
【請求項9】
デバイス(112)によって、医用スキャナの第1の電圧レベル(704)にアクセスするステップであって、マッピング(402)は、電圧レベルを焦点変位に更に相関させるものである、ステップと、
デバイス(114)によって、第1の電圧レベルに基づいて医用スキャナ(104)の焦点の第1の変位(802)を決定するステップとをさらに含む、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
デバイス(110)によって、複数のガントリ角度(504)にわたって医用スキャナ(104)を走査するステップと、
デバイス(110)によって、複数のガントリ角度のそれぞれにおいて、医用スキャナの焦点が所定の位置からどの程度離れて、どの方向にドリフトしているかを測定するステップと、
よってマッピングをデバイス(110)により生成するステップをさらに含む、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
1つ以上の磁気焦点位置調整器(122)は、焦点を第1の変位(802)と反対方向に移動させ、1つ以上の焦点位置調整器は、焦点を第1の変位の大きさに等しい距離だけ移動させる、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
医用スキャナの1つ以上の焦点位置調整器(122)は、磁気双極子又は静電偏向電極である、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
医用スキャナ(104)は、コンピュータ断層撮影スキャナ又はトモシンセシスマンモグラフィスキャナである、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
第1の変位(802)の補償後に、デバイス(112)によって、医用スキャナ(104)の第2のガントリ角度(702)にアクセスするステップと、
デバイス(114)により、ガントリ角度を焦点変位に相関させるマッピング(402)を参照することにより、第2のガントリ角度に基づいて医用スキャナの焦点の第2の変位(802)を決定するステップと、
デバイス(116)によって及び医用スキャナの1つ以上の焦点位置調整器(122)を介して第2の変位を補償するステップと、
をさらに含む、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項15】
スキャン内焦点変位の補正を促進するためのコンピュータプログラムプロダクトであって、コンピュータプログラムプロダクトは、プログラム命令を有するコンピュータ可読メモリ(108)を備え、プログラム命令は、プロセッサ(106)によって実行可能であり、プログラム命令は、プロセッサに、
医用スキャナ(104)の第1のガントリ角度(702)にアクセスすることと、
ガントリ角度を焦点変位に相関させるマッピング(402)を参照することにより、第1のガントリ角度に基づいて医用スキャナの焦点の第1の変位(802)を決定することと、
医用スキャナの1つ以上の焦点位置調整器(122)によって第1の変位を補償することと、
を行わせる、コンピュータプログラムプロダクト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、医用撮像デバイスの焦点に関し、より詳細には、スキャン内焦点変位の補正(correction of intra-scan focal-spot displacement)に関する。
【背景技術】
【0002】
医用イメージングデバイスのX線管内で、電子ビームは、X線を生成するために、カソード(陰極)からアノード(陽極)に加速される。電子ビームがアノードに衝突する領域は、焦点と呼ばれる。画像アーチファクトは、焦点が望ましくない及び/又は意図しない位置にあるときに発生し得る。
これらの技術的問題のうちの1つまたは複数に対処することができるシステムおよび/または技法が望ましい場合がある。
【発明の概要】
【0003】
以下は、本発明の1つ以上の実施形態の基本的な理解を提供するための概要を提示する。この概要は、重要なまたは重要な要素を特定すること、または特定の実施形態の任意の範囲または特許請求の範囲の任意の範囲を描写することを意図するものではない。その唯一の目的は、以下に提示されるより詳細な説明の前置きとして概念を簡略化した形態で提示することである。本明細書で説明する1つまたは複数の実施形態では、スキャン内(intra-scan)焦点変位の補正を容易にするデバイス、システム、コンピュータ実装方法、装置、および/またはコンピュータプログラムプロダクト(コンピュータプログラム製品)が説明される。
【0004】
1つ以上の実施形態によれば、システムが提供される。システムは、コンピュータ実行可能コンポーネントを記憶することができるコンピュータ可読メモリを備えることができる。システムは、コンピュータ可読メモリに動作可能に結合することができ、コンピュータ可読メモリに記憶されたコンピュータ実行可能コンポーネントを実行することができるプロセッサをさらに備えることができる。様々な実施形態では、コンピュータ実行可能コンポーネントは、レシーバコンポーネント(receiver component:受信機構成要素)を備えることができる。様々な態様では、レシーバコンポーネントは、医用スキャナ(medical scanner:医療スキャナ)の第1のガントリ角度にアクセスすることができる。様々な例において、コンピュータ実行可能コンポーネントは、変位コンポーネントをさらに備えることができる。様々な場合において、変位コンポーネントは、ガントリ角度を焦点変位に相関させるマッピングを参照することによって、第1のガントリ角度に基づいて医用スキャナの焦点の第1の変位を決定することができる。様々な態様では、コンピュータ実行可能コンポーネントは、実行コンポーネントをさらに備えることができる。様々な例において、実行コンポーネントは、医用スキャナの1つ以上の焦点位置調整器を介して第1の変位を補償することができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
1つまたは複数の実施形態によれば、上述のシステムは、コンピュータ実装方法および/またはコンピュータプログラムプロダクトとして実装され得る。
【
図1】本明細書に記載の1つまたは複数の実施形態による、スキャン内焦点スポット変位の補正を容易にする例示の非限定的なシステムのブロック図である。
【
図2】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による医用スキャナの例示の非限定的なブロック図を示す。
【
図3】本明細書に記載の1つまたは複数の実施形態による、X線管がガントリの周りを回転するときに、医用スキャナのX線管の焦点がX線管に対してどのように移動することができるかを示す例示的な非限定的なブロック図である。
【
図4】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、スキャン内焦点スポット変位の補正を容易にする電圧-角度-変位マッピングを含む例示の非限定的なシステムのブロック図を示す。
【
図5】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による電圧-角度-変位マッピングを示す例示の非限定的なブロック図を示す。
【
図6】本明細書に記載される1つ以上の実施形態に従って電圧-角度-変位マッピングがどのように生成され得るかを示す例示的な非限定的なフロー図を示す。
【
図7】本明細書に記載の1つまたは複数の実施形態による、スキャン内焦点スポット変位の補正を容易にする現在のガントリ角度および/または現在の電圧を含む例示の非限定的なシステムのブロック図である。
【
図8】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、スキャン内焦点変位の補正を容易にする現在の焦点変位を含む例示の非限定的なシステムのブロック図を示す。
【
図9】本明細書に記載の1つまたは複数の実施形態による、スキャン内焦点スポット変位の補正を容易にする例示的な非限定的なコンピュータ実装方法の流れ図である。
【
図10】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、スキャン内焦点スポット変位の補正を容易にする例示の非限定的なコンピュータ実装方法のフロー図を示す。
【
図11】本明細書に記載の1つ以上の実施形態を容易にすることができる例示の非限定的な動作環境のブロック図を示す。
【
図12】本明細書で説明される様々な実装形態を実行するように動作可能な例示的なネットワーキング環境を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の詳細な説明は、単なる例示であり、実施形態および/または実施形態の適用または使用を限定することを意図するものではない。さらに、前述の「背景技術」もしくは「発明の概要」のセクション、または「発明を実施するための形態」のセクションに提示された明示的または暗示的な情報によって拘束されることを意図するものではない。
【0007】
ここで、図面を参照しながら1つまたは複数の実施形態を説明するが、全体を通して同様の参照番号は同様の要素を指すために使用される。以下の説明では、説明の目的で、多数の特定の詳細が、1つ以上の実施形態のより完全な理解を提供するために記載される。しかしながら、1つ以上の実施形態がこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることは、様々な場合において明らかである。
【0008】
医用撮像装置(例えば、コンピュータ断層撮影(CT)スキャナ、トモシンセシスマンモグラフィスキャナ)のX線管内で、電子ビームをカソードからアノードに加速することができる。電子ビームがアノードに衝突すると、X線を生成することができる。電子ビームが当たる表面領域は、焦点(例えば、X線管の焦点、及び/又は医療撮像デバイスの焦点)と呼ぶことができる。イメージングアーチファクトは、焦点の位置が望ましくない及び/又は意図せずに変化するときに発生し得る。
【0009】
例えば、医用撮像装置のX線管のカソード及びアノードを最初に位置合わせすることができる(例えば、較正プロセスによるものである)。多くの走査サイクルの過程にわたって、カソードおよびアノードは、使用および/または摩耗/引き裂き(use and/or wear/tear)に起因して徐々に位置ずれする可能性がある。そのような漸進的なミスアライメント(gradual misalignment:徐々に整列不良となる)は、焦点スポットを、その初期および/または所望の位置とは異なる位置に徐々にシフトさせる可能性がある。別の例を挙げると、医用イメージングデバイスのX線管のカソード及びアノードは、最初に位置合わせすることができ(例えば、較正プロセスに起因する)、カソード及びアノードは、医用イメージングデバイスが受ける突然の外部衝撃により、突然位置ずれする可能性がある(例えば、これは、医用撮像デバイスがある部屋/場所から別の部屋/場所にパッケージ化及び/又は輸送されているときに発生し得る)。そのような突然のミスアライメントは、焦点スポットを、その初期および/または所望の位置とは異なる位置に突然シフトさせる可能性がある。いずれの場合も、焦点が望ましくない位置にあるとき、医用撮像デバイスによって撮像アーチファクト(例えば、画像スジ、画像シャドウ:image streaks, image shadows)が生成され得る。
【0010】
焦点移動のこの問題に対処するために、X線管は、焦点の位置を調整するために活用され得る1つ以上の電磁石を装備及び/又は別様に装備され得る。より詳細には、カソードからアノードに伝達される電子ビームは、磁場との相互作用によって曲がる可能性があり、そのような曲げは、焦点をある位置から別の位置に移動させる可能性がある。したがって、焦点が現在、望ましくない位置にある場合、この望ましくない位置は、漸進的な摩耗/引き裂きおよび/または突然の外部衝撃によって引き起こされた可能性があり、1つまたは複数の電磁石は、X線管内に1つまたは複数の磁場(例えば、1つまたは複数の磁気双極子:magnetic dipoles)を生成するように作動させることができ、このような1つまたは複数の磁場は、焦点をその現在の望ましくない位置からある所定の所望の位置に移動させることができる。当業者には理解されるように、1つ以上の電磁石のパラメータ(例えば、電圧および/またはアンペア値:amperage)を制御可能に調整することにより、焦点がどの程度遠くに及び/又はどの方向に移動するかを対応して制御することができる。
【0011】
本明細書に記載の様々な実施形態の発明者は、上述の焦点調整の技術を損なう重大な技術的問題を認識した。特に、上述の技術によれば、焦点スポットが、徐々に摩耗/引き裂きおよび/または突然の外部衝撃によって生じ得る望ましくない位置にあるとき、1つまたは複数の電磁石のパラメータは、焦点スポットが所望の位置に移動するように調整されることができ、1つまたは複数の電磁石のそれらの特定のパラメータは、焦点スポットを所望の位置に維持するのを助けるように、医用撮像デバイスが動作する間(例えば、1つ以上の医用イメージングスキャンの実行/実行中)、維持されることができる(例えば、一定に保持することができる)。
【0012】
しかしながら、そのような技術は、任意の所与のスキャンの開始時に焦点が所望の位置にあることを確実にするのに役立つかもしれないが、本発明者は、そのような技術が、所与のスキャンの間及び/又は全体にわたって焦点が所望の位置に留まることを確実にするのに十分ではないことを認識した。実際、これは、X線管が医用撮像装置の回転可能なガントリ上に実装され得るという事実に起因し得る。特に、本発明者は、X線管が地球の磁場に絶えず曝される可能性があり、それがある程度の焦点偏向および/または変位を引き起こす可能性があることを認識した。さらに、本発明者は、任意の所与の医用撮像スキャン中にX線管がガントリの周りを回転すると、地球の磁場に対するX線管の向きが絶えず変化し得ることをさらに認識した。X線管の観点から、X線管が静止しており、地球の磁場が所与の医用イメージングスキャンの間及び/又は全体にわたって絶えず方向/向きを変えているかのように考えることができる。したがって、本発明者らが認識したように、焦点スポットは、所与の医用イメージングスキャン中/全体にわたってX線管の視点から絶えず移動し、かつ/または位置を変化させるものと考えることができる。医用イメージングスキャン中の焦点位置のそのような一定の変化は、スキャン内焦点変位と呼ぶことができる。そのようなスキャン内焦点変位は、医用撮像デバイスに著しい撮像アーチファクトを生じさせる可能性があり、これは望ましくない可能性がある。
【0013】
したがって、これらの技術的問題のうちの1つまたは複数に対処することができるシステムおよび/または技法が望ましい場合がある。
【0014】
本明細書に記載の様々な実施形態は、これらの技術的問題のうちの1つ以上に対処することができる。本明細書に記載の1つまたは複数の実施形態は、スキャン内焦点変位の補正を容易にすることができるシステム、コンピュータ実装方法、装置、および/またはコンピュータプログラムプロダクトを含むことができる。すなわち、本発明者は、スキャン内焦点変位の重大な技術的課題を認識しただけでなく、スキャン内焦点変位を改善するための様々なシステム及び/又は技術を考案した。特に、本発明者は、X線管とともに及び/又はその内部に実装される1つ以上の電磁石のパラメータ(例えば、電圧および/またはアンペア値)が、医用イメージングスキャン中に一定でない可能性があることを認識した。代わりに、本発明者は、そのようなパラメータがX線管のガントリ角度の関数として変更および/または調整され得ることを認識した。より詳細には、それぞれのガントリ角度において、X線管は、固有の及び/又は対応する方法で地球の磁場に対して配向されることができ、これは、固有の及び/又は対応する焦点変位をX線管に生じさせることができる。すなわち、任意の所与のガントリ角度に対して、X線管は、地球の磁場が所与のガントリ角度でX線管とどのように相互作用するかによって引き起こされる固有の焦点変位を経験することができる。したがって、任意の所与のガントリ角度に対して、1または複数の電磁石のパラメータは、そのような固有の/対応する焦点変位を相殺、補正、および/または別様に補償する大きさおよび/または方向で焦点を移動させるように調整され得る。
【0015】
換言すれば、本発明者は、X線管のすべてのガントリ角度に対してX線管の1つまたは複数の電磁石のパラメータを一定に維持することによってスキャン内焦点変位が引き起こされ得ることを認識し、本発明者はさらに、X線管のガントリ角度に基づいてX線管の1つまたは複数の電磁石のパラメータを連続的に調整することによってスキャン内焦点変位が改善され得ることを認識した(例えば、電磁石が異なるガントリ角度に対して異なるパラメータに設定されるようにする)。
【0016】
さらに、本発明者は、スキャン内焦点変位がX線管のガントリ角度にわたってだけでなく、X線管のアノード-カソード電圧にわたっても変化し得ることを認識した。したがって、本発明者らはさらに、X線管のアノード-カソード電圧(例えば、電磁石が異なるアノード-カソード電圧に対して異なるパラメータに設定されるようにする)に基づいてX線管の1つまたは複数の電磁石のパラメータを連続的に調整することによって、スキャン内焦点変位が改善され得ることを認識した。
【0017】
様々な態様では、本明細書に記載される様々な実施形態は、スキャン内焦点変位の補正を容易にすることができるコンピュータ化ツール(たとえば、コンピュータ実行可能ハードウェアおよび/またはコンピュータ実行可能ソフトウェアの任意の適切な組合せ)とみなすことができる。様々な態様では、コンピュータ化ツールは、較正コンポーネント、レシーバコンポーネント、変位コンポーネント、および/または実行コンポーネントを備えることができる。
【0018】
様々な実施形態において、X線管及びガントリを含む医用スキャナが存在し得る。様々な態様では、医用スキャナは、所望に応じて、任意の適切なタイプの医療用撮像デバイス(例えば、CTスキャナ、MRIスキャナ等)とすることができる。いずれの場合も、医用スキャナのX線管は、ガントリ(例えば、いくつかの場合において、X線管はガントリの周りを360度回転することができ、他の場合において、X線管はガントリの周りを任意の他の適切な角度間隔にわたって回転することができる)の周りを回転することができる。
【0019】
様々な例において、X線管は、X線管の焦点の位置を調整するために作動させることができる1つ以上の制御可能な磁気双極子を含むことができる。X線管のアノードの表面積がx軸およびy軸によって広がることができると仮定する。換言すれば、アノード上の焦点の位置は、x座標およびy座標に関して記述することができると仮定する。そのような場合、X線管は第1の電磁石及び第2の電磁石を含むことができる。様々な例において、第1の電磁石は、第1の電磁石が作動時に焦点をx軸(例えば、正のx方向または負のx方向)に沿って移動させることができる第1の磁気双極子(例えば、第1の磁場)を生成することができるように、X線管に対して配向することができる。当業者が理解するように、第1の磁気双極子が焦点スポットをx軸に沿って移動させる距離及び/又は方向は、第1の電磁石(例えば、第1の電磁石のパラメータに依存し得る)に供給される電圧及び/又はアンペア値に依存し得る。同様に、様々な場合において、第2の電磁石は、作動時に、焦点をy軸に沿って移動させることができる第2の磁気双極子(例えば、第2の磁場)を生成することができるように(例えば、第1の電磁石に直交して)、X線管に対して配向することができる(例えば、正のy方向または負のy方向である)。ここでも、当業者には理解されるように、それによって第2の磁気双極子が焦点スポットをy軸に沿って移動させる距離および/または方向は、(例えば、第2の電磁石のパラメータに依存し得る)第2の電磁石に供給される電圧および/またはアンペア値に依存し得る。いずれの場合も、1つ以上の制御可能な磁気双極子は、焦点の位置を制御可能に調整するように実装することができる。
【0020】
様々な態様において、X線管は、少なくとも2つの制御可能及び/又は構成可能な設定を有することができる。様々な例において、X線管の最初の制御可能/構成可能な設定は、ガントリ角度(例えば、度で測定される)であり得る。換言すれば、X線管の最初の制御可能/構成可能な設定は、ガントリ(例えば、X線管が回転されるガントリの周りの位置)の周りのX線管の角度位置と考えることができる。様々な場合において、X線管の制御可能/構成可能な第2の設定は、アノード-カソード電圧とすることができる。すなわち、X線管の第2の制御可能/構成可能な設定は、カソードからアノードへの電子ビームを加速するためにX線管に印加される電圧(例えば、ピークキロボルト(peak kilovolts)で測定される)であり得る。当業者であれば、X線管のアノード-カソード電圧は、1つ以上の制御可能な磁気双極子を生成するために印加することができる電圧とは別個及び/又は分離することができることを理解するであろう。
【0021】
いずれの場合も、スキャン内焦点変位を経験することなく、医用スキャナに医療イメージングスキャンを実行/実行させることが望ましい場合がある。本明細書に記載のコンピュータ化ツールは、そのような実行/実行を容易にすることができる。
【0022】
様々な実施形態では、コンピュータ化ツールの較正コンポーネントは、医用スキャナに関連付けられた電圧-角度-変位マッピングに電子的にアクセスし、かつ/またはそれを生成することができる。様々な態様では、電圧-角度-変位マッピングは、X線管の特定の焦点-スポット変位を特定のガントリ角度および/またはX線管の特定のアノード-カソード電圧に相関させ、および/または他の方法でリンクさせることができる。換言すれば、電圧-角度-変位マッピングは、X線管の特定のガントリ角度及び/又は特定のアノード-カソード電圧に応答してX線管の焦点が地球の磁場によってどのように変位されるかを示すものと考えることができる。
【0023】
より詳細には、X線管(例えば、そのようなセットは、X線管が掃引(sweep)するように構成することができるアノード-カソード電圧の全範囲及び/又は間隔を表すと考えることができる)によって想定され得る可能なアノード-カソード電圧のセットが存在し得る。可能なアノード-カソード電圧のセットが、任意の適切な正の整数aに対する電圧を含むと仮定する。さらに、X線管(例えば、そのようなセットは、X線管が掃引するように構成することができるガントリ角度の全範囲及び/又は間隔を表すと考えることができる)によって想定され得る可能なガントリ角度のセットが存在し得る。任意の適切な正の整数bについて、可能なガントリ角度のセットがb角度を含むと仮定する。したがって、可能なアノード-カソード電圧のセットおよび可能なガントリ角度のセットは、合計ab個の一意の電圧角度ペア(例えば、電圧角度タプル:voltage-angle tuples)を集合的に形成するものと見なすことができる。様々な態様では、電圧-角度-変位マッピングは、各固有の電圧-角度ペアをそれぞれ対応する焦点変位にリンクおよび/または相関させることができ、それによって、合計の絶対焦点変位をもたらす。様々な例において、所与の電圧角度ペアに対応する焦点変位は二要素ベクトル(two-element vector)であり得、そのような二要素ベクトルの第1の要素は、X線管が所与の電圧角度ペアに従って構成されるときに示される焦点のx変位(例えば、ミクロンおよび/またはミリメートルで測定され、x軸に沿った方向は符号で示される)を示すことができ、そのような二要素ベクトルの第2の要素は、X線管が所与の電圧角度ペアに従って構成されるときに示される焦点のy変位(例えば、ミクロンおよび/またはミリメートルで測定され、y軸に沿った方向は符号で示される)を示すことができる。様々な場合において、そのようなab焦点変位は、以下のように実験的に決定することができる。すなわち、医用スキャナは、全てのab固有の電圧角度ペアを通して掃引することができ、特定の電圧角度ペア(voltage-angle pair:電圧角度対)ごとに、そのような特定の電圧角度ペアに従ってX線管が構成されたときに焦点によって示されるx変位及び/又はy変位を(例えば、任意の適切なタングステンエッジ測定技術(any suitable tungsten edge measuring technique)を介して)物理的に測定することができる。
【0024】
いずれの場合も、電圧-角度-変位マッピング(voltage-angle-displacement mapping)は、X線管のガントリ角度の関数として及び/又はX線管のアノード-カソード電圧の関数としてX線管の焦点がどの程度及び/又はどの方向に移動するか(例えば、地球の磁場との相互作用に起因する)を示すことができる。
【0025】
様々な実施形態では、コンピュータ化ツールのレシーバコンポーネントは、X線管(例えば、X線管が現在配置されている及び/又は配置されようとしているガントリの周りの位置)の現在のガントリ角度(present gantry angle)および/またはX線管(例えば、X線管が現在設定されている及び/又は設定されようとしているアノード-カソード電圧)の現在のアノード-カソード電圧(present anode-cathode voltage)を電子的に受信し、かつ/または別の方法で電子的にアクセスすることができる。いくつかの事例では、レシーバコンポーネントは、レシーバコンポーネントから離れているか、および/またはレシーバコンポーネントに対してローカルであるかにかかわらず、任意の適切な集中型および/または分散型データ構造(例えば、グラフデータ構造、関係データ構造、ハイブリッドデータ構造)から現在のガントリ角度および/または現在のアノード-カソード電圧を電子的に取り出すことができる。他の例において、レシーバコンポーネントは、医用スキャナ自体から現在のガントリ角度及び/又は現在のアノード-カソード電圧を電子的に取り出すことができる。さらに他の場合には、レシーバコンポーネントは、医用スキャナと統合された任意の適切な位置センサおよび/または電圧センサを介して、現在のガントリ角度および/または現在のアノード-カソード電圧を電子的に測定することができる。いずれの場合も、レシーバコンポーネントは、現在のガントリ角度および/または現在のアノード-カソード電圧を電子的に取得および/またはアクセスすることができ、その結果、コンピュータ化ツールの他のコンポーネントは、現在のガントリ角度および/または現在のアノード-カソード電圧と電子的に相互作用する(例えば、読み取り、書き込み、編集、操作)ことができる。
【0026】
様々な実施形態では、コンピュータツールの変位コンポーネントは、電圧-角度-変位マッピングを参照することによって、現在のガントリ角度及び/又は現在のアノード-カソード電圧に基づいてX線管の現在の焦点変位を電子的に識別することができる。特に、上述のように、電圧-角度-変位マッピングは、各電圧-角度ペアがそれぞれの焦点-スポット変位に対応する、電圧-角度ペアの合計を含むことができる。したがって、様々な例において、変位コンポーネントは、現在のガントリ角度および/または現在のアノード-カソード電圧に一致する電圧-角度ペアについて電圧-角度-変位マッピングを電子的に探索することができ、そのような電圧-角度ペアに対応するものとして電圧-角度-変位マッピングに列挙される焦点変位は、現在の焦点変位と見なすことができる。したがって、様々な態様では、現在の焦点変位は、X線管が現在のガントリ角度および/または現在のアノード-カソード電圧に設定されたときにX線管の焦点によって経験されるおよび/または経験されるであろう変位の量(例えば、所望のx位置からのx変位、および/または所望のy位置からのy変位)と考えることができる。
【0027】
様々な実施形態では、コンピュータ化ツールの実行コンポーネントは、現在の焦点変位を補正、キャンセル、および/または補償する(correct, cancel, and/or otherwise compensate)ように、1つまたは複数の制御可能な磁気双極子を電子的に調整および/または操作(electronically adjust and/or manipulate)することができる。例えば、上述したように、X線管は、X線管のx軸に沿ってX線管の焦点の位置を調整するように配向される第1の電磁石、及びX線管のy軸に沿ってX線管の焦点の位置を調整するように配向される第2の電磁石という2つの電磁石を装備及び/又は備えることができる。さらに、そのような場合、現在の焦点変位は、現在のx変位(例えば、焦点スポットの現在のx位置と焦点スポットの所望の/所定のx位置の間の距離)と現在のy変位(例えば、焦点スポットの現在のy位置と焦点スポットの所望の/所定のy位置の間の距離)の両方を示すことができる。したがって、当業者には理解されるように、第1の電磁石に供給される電流は、焦点の現在のx変位を補正、キャンセル、及び/又は補償するように制御することができる。例えば、現在のx変位がx軸のプラス側(例えば、焦点スポットが現在、所望のx位置の右側に70ミクロンである場合)に向かって70ミクロンである場合、焦点をx軸のマイナス側(例えば、焦点スポットを左方向に70ミクロン移動させ、現在所望のx位置にあるようにする)に向かって70ミクロン移動させるように、特定の量及び/又は位相の電流を第1の電磁石に供給することができる。同様に、当業者がさらに理解するように、第2の電磁石に供給される電流は、焦点の現在のy変位を補正、キャンセル、および/または他の方法で補償するように制御することができる。例えば、y変位がy軸のマイナス側に向かって23ミクロン(例えば、焦点スポットが現在、所望のy位置より23ミクロン下にある場合)である場合、焦点をy軸のプラス側に向かって23ミクロン(例えば、焦点スポットを上方に23ミクロン移動させ、所望のy位置になるようにする)移動させるように、特定の量および/または位相の電流を第2の電磁石に供給することができる。いずれの場合も、当業者は、焦点の位置を制御可能に調整するために、制御可能な磁気双極子(例えば、どのように電磁石が)をどのように制御可能に変更/調整することができるかを理解するであろう。
【0028】
様々な態様では、レシーバコンポーネント、変位コンポーネント、および/または実行コンポーネントは、上記で説明した様々な機能を所望の回数(例えば、各ガントリ角度および/またはX線管が受ける各アノード-カソード電圧について、上述の機能を繰り返すことができる)繰り返すことができる。例えば、レシーバコンポーネントは、医用スキャナのX線管の新しいガントリ角度及び/又は新しいアノード-カソード電圧に電子的にアクセスすることができ、変位コンポーネントは、電圧-角度-変位マッピングを参照することによって、新しいガントリ角度及び/又は新しいアノード-カソード電圧に基づいて新しい焦点変位を電子的に識別することができ、実行コンポーネントは、新しい焦点変位を補正、キャンセル、及び/又は補償するように、制御可能な磁気双極子を電子的に作動/調整することができる。このように、医用スキャナは、スキャン内焦点変位(例えば、スキャンは、複数のガントリ角度および/または複数のアノード-カソード電圧を通してX線管を連続的に/時間的に掃引することを含むことができるので、電圧-角度-変位マッピングは、スキャン全体にわたって継続的に参照することができ、制御可能な磁気双極子は、スキャン全体にわたって継続的に調整することができ、そうでなければスキャン中に発生するであろう焦点変位を排除/低減する)を経験することなくスキャンを実行/実行することができる。
【0029】
本発明の様々な実施形態は、本質的に高度に技術的であり(例えば、スキャン内焦点スポット変位の補正を容易にするために)、抽象的ではなく、人間による一連の精神的行為として実行することができない問題を解決するために、ハードウェアおよび/またはソフトウェアを使用するために採用することができる。さらに、実行されるプロセスの一部は、スキャン内焦点変位の補正に関連する定義されたタスクを実行するための専用コンピュータ(例えば、CTスキャナ、MRIスキャナ、電磁石によって生成される磁気双極子)によって実行され得る。例えば、そのような定義されたタスクは、プロセッサに動作可能に結合されたデバイスによって、医用スキャナの第1のガントリ角度にアクセスすることと、デバイスによって、ガントリ角度を焦点変位に相関させるマッピングを参照することによって、第1のガントリ角度に基づいて医用スキャナの焦点の第1の変位を決定することと、デバイスによって、医用スキャナの1つまたは複数の磁気双極子を介して第1の変位を補償することとを含むことができる。そのような定義されたタスクは、デバイスによって、医用スキャナの第1の電圧レベルにアクセスすることであって、マッピングは、電圧レベルを焦点変位にさらに相関させる、アクセスすることと、デバイスによって、第1の電圧レベルに基づいて医用スキャナの焦点の第1の変位を決定することとをさらに含むことができる。
【0030】
そのような定義されたタスクは、人間によって手動で実行されない。実際、人間の心もペンと紙を持った人間も、医用スキャナのX線管のガントリ角度および/またはアノード-カソード電圧を電子的に受信することができず(例えば、CTスキャナ、MRIスキャナなどである)、ガントリ角度および/またはアノード-カソード電圧に基づいて、電圧-角度-変位マッピングを介して、医用スキャナのX線管の焦点の変位を電子的に決定することができ、および/または焦点の変位を相殺、補正、および/または補償するように、医用スキャナのX線管の1つまたは複数の磁気双極子を電子的に調整することができる(例えば、特定された変位の方向とは反対の方向に、特定された変位の方向と等しい大きさで、焦点スポットを移動させるように)。代わりに、本明細書に記載の様々な実施形態は、本質的かつ密接にコンピュータ技術に関連しており、コンピューティング環境(例えば、医用イメージングスキャナは、患者の解剖学的構造などの関心対象にX線放射を通過させることによって医用画像を生成することができる本質的にコンピュータ化されるデバイスであり、スキャン中及び/又はスキャン全体にわたって焦点変位を低減/排除するように医用イメージングスキャナの動作を調整することができるコンピュータ化ツールは、同様に本質的にコンピュータ化されるものであり、コンピュータなしではいかなる合理的、実用的、又は合理的な方法でも実装することができない)の外部では実施することができない。
【0031】
さらに、様々な実施形態は、スキャン内焦点変位の補正に関する本明細書に記載の様々な教示を実際の用途に組み込むことができる。上述したように、医用スキャナのX線管は、焦点位置を調整するための1つ以上の制御可能な磁気双極子を備えることができる。実際に、焦点が望ましくない位置(例えば、摩耗/引裂による緩やかなドリフト及び/又は外部衝撃による突然のドリフトに起因する:due to gradual drift from wear/tear and/or due to sudden drift from external impact)にある場合、1つまたは複数の制御可能な磁気双極子は、焦点を所望の位置にシフトおよび/または平行移動して戻すように、特定のパラメータ(例えば、特定のアンペア値レベル:particular amperage levels)に設定することができ、1つまたは複数の制御可能な磁気双極子は、医療スキャン中/全体にわたって、そのようなパラメータで一定におよび/または均一に維持することができる。残念ながら、本発明者らが認識したように、制御可能な磁気双極子のための一定の/均一なパラメータを維持することは、医療スキャンの開始/開始時に焦点を所望の位置にすることができるが、医療スキャン中/全体にわたってそのような一定の/均一なパラメータを維持することは、医療スキャン中/全体にわたって焦点を意図せずに連続的に位置を変化させることがある。医療スキャン中/全体にわたる焦点のそのような意図的でなく直感に反する動きは、スキャン内焦点変位(intra-scan focal-spot displacement)と呼ばれることがある。より詳細には、医療スキャン中、X線管は、異なるガントリ角度および/または異なるアノード-カソード電圧を掃引することができる。各固有のガントリ角度および/または各固有のアノード-カソード電圧において、地球の磁場は、X線管の電子ビームと固有に相互作用することができ、これは、X線管に対する固有の焦点変位をもたらすことができる。換言すれば、ガントリ角度および/またはアノード-カソード電圧が医療スキャンの間/全体にわたって変化するにつれて、1つまたは複数の制御可能な磁気双極子が一定の/均一なパラメータに保持されるとき、焦点の位置も変化する。
【0032】
幸いなことに、本発明者は、ガントリ角度および/またはアノード-カソード電圧の関数として1つまたは複数の制御可能な磁気双極子のパラメータを連続的に調整することによって、そのようなスキャン内焦点変位が改善および/または改善され得ることを認識した。換言すれば、本発明者は、X線管が異なるガントリ角度及び/又は異なるアノード-カソード電圧にあるとき、1つ以上の制御可能な磁気双極子を異なるパラメータ(例えば、異なるアンペア値)に設定することによって、スキャン内焦点変位を低減することができることを認識した。さらに換言すれば、本発明者は、X線管が固有のガントリ角度および/または固有のアノード-カソード電圧に配置されたときに固有の焦点変位が(例えば、地球の磁場との相互作用に起因する)生じ得ること、およびそのような固有の焦点変位が1つまたは複数の制御可能な磁気双極子のパラメータを適切に調整することによって補正および/またはキャンセルされ得ることを認識した。したがって、X線管が様々なガントリ角度および/またはアノード-カソード電圧を掃引する医療スキャン中、1つまたは複数の制御可能な磁気双極子のパラメータは、スキャン内焦点変位を排除/低減するように、一定/均一に保持されるのではなく、連続的に調整され得る。このようにしてスキャン内焦点変位を低減/改善することができるコンピュータ化ツールは、確かに、医用イメージングスキャナの焦点の分野における具体的かつ有形の技術的改善を構成し、したがって、確かに、コンピュータの有用かつ実用的な用途として適格である。
【0033】
さらに、本明細書に記載される様々な実施形態は、開示される教示に基づいて、現実世界の有形デバイス(real-world tangible devices)を制御することができる。例えば、本明細書に記載の様々な実施形態は、現実世界の医用イメージングスキャナ(例えば、CTスキャナ、MRIスキャナ)と統合された現実世界の磁気双極子(例えば、現実世界の電磁石:real-world electromagnets)を電子的に制御(例えば、電源投入、電源切断、較正)することができる。
【0034】
本明細書の図面および説明は、非限定的な例を提供し、必ずしも縮尺通りに描かれていないことを理解されたい。
【0035】
図1は、本明細書で説明される1つまたは複数の実施形態による、スキャン内焦点スポット変位の補正を容易にすることができる例示的な非限定的なシステム100のブロック図を示す。示されるように、焦点補償システム102は、任意の適切な有線及び/又は無線電子接続を介して、医用スキャナ104と電子的に統合され得る。
【0036】
様々な実施形態では、医用スキャナ104は、所望に応じて任意の好適な医療撮像デバイスとすることができる。例えば、医用スキャナ104は、様々な態様では、CTスキャナであり得る。別の例において、医用スキャナ104は、様々な例において、MRIスキャナであり得る。いずれの場合も、医用スキャナ104は、X線管118、ガントリ120、および/または1つ以上の磁気双極子122を含むことができる。様々な態様では、X線管118は、ガントリ120の周り及び/又はそれに沿って異なる角度位置に回転することができる。さらに、様々な例において、X線管118は、カソード(図示せず)およびアノード(図示せず)を含むことができ、そのようなカソードおよびアノードに印加される電圧は、電子ビームをカソードからアノードに加速させることができる。電子ビームがアノードに衝突すると、X線放射が生成され、ガントリ120の中央ボアに向かって放射および/または伝播することができる。対象物(例えば、患者の解剖学的構造)がガントリ120の中央ボア内に配置されると、X線放射は、対象物を通過することができ、医用スキャナ104の1つ以上の行検出器(図示せず)によって記録されることができ、それによって医療画像(例えば、CT画像、MRI画像)を生成する。これは
図2に関して示されている。
【0037】
図2は、本明細書に記載の1つ以上の実施形態による医用スキャナの例示の非限定的なブロック
図200を示す。換言すれば、
図2は医用スキャナ104の非限定的な例示的実施形態を示す。図示のように、ガントリ120は、X線管118が制御可能に回転することができる円形経路及び/又はリングであってもよい。非限定的な実施例において、X線管118は、ガントリ120の中央ボアに向かって半径方向に1つ以上のX線202を放出することができ、X線管118は、回転方向204においてガントリ120の周りを/それに沿って移動することによってX線202の放出方向を変えることができる。当業者には理解されるように、ガントリ120に沿ったX線管118の位置及び/又は位置は、ガントリ角度(例えば、度および/またはラジアンで測定される)によって記述することができ、ガントリ角度の符号は、X線管118が基準位置からガントリ120の周りを/に沿って回転した方向(例えば、反時計回りおよび/または時計回りである)を示すことができ、及び/又はガントリ角度の大きさは、X線管118が基準位置からガントリ120の周りを/に沿って回転した距離を示すことができる。
【0038】
様々な実施形態において、1つ以上の磁気双極子122は、X線管118の焦点を調整することができるように、X線管118上に、それと一緒に、それ内に、および/またはそうでなければその近くに統合され得る。様々な態様では、X線管118の焦点は、電子ビームが当たる及び/又は衝突する(例えば、電子ビームによって衝突及び/又は衝撃を受けないアノード表面領域の部分は、焦点の外側にあるとみなすことができる)アノード表面積の部分とみなすことができる。上述したように、電子ビームは、外部磁場との干渉によって曲がることがある。したがって、X線管118の電子ビームが1つ以上の磁気双極子122に曝されると、電子ビームは曲がることができ、したがって焦点は移動することができ、および/またはそうでなければその位置を変えることができる。したがって、当業者には理解されるように、1つ以上の磁気双極子122(例えば、1つ以上の磁気双極子122の強度及び/又は向きを制御可能に変更する)を制御可能に変化させることにより、X線管118の焦点をその位置を制御可能に変化させることができる。様々な場合において、1つ以上の磁気双極子122は、所望に応じて(例えば、そのような場合、1つまたは複数の磁気双極子122の強度および/または配向は、そのような電磁石にどれだけの量および/またはどの位相の電流が供給されるかを制御することによって制御可能に調整することができる)任意の適切な電磁石によって生成及び/又は生成され得る。様々な他の場合において、1つ以上の磁気双極子122は、必要に応じて任意の適切な静電技術(suitable electrostatic techniques)によって生成及び/又は生成され得る。
【0039】
本明細書の開示は、主に、X線管118の焦点を調整するために1つ以上の磁気双極子122を実装するものとして様々な実施形態を説明するが、これは、説明を容易にするための単なる非限定例である。当業者は、静電偏向電極(electrostatic deflection electrodes)などの任意の他の好適な焦点位置調整器を所望に応じて実装できることを理解するであろう。
【0040】
いずれの場合も、X線管118のアノード表面積は、基準フレームによって広がっていると考えることができる。非限定例のように、そのような基準フレームは、互いに直交するx軸および/またはy軸を含むことができる。そのような場合、X線管118の焦点の位置は、x座標および/またはy座標によって記述することができる。しかしながら、デカルト座標のこの使用は、説明のための単なる非限定例である。当業者は、基準フレームが、所望に応じて任意の他の適切なタイプの座標(例えば、極座標)によって定義され得ることを理解するであろう。様々な態様では、そのような基準フレーム(例えば、X線管118の向きは、以下の通りである)の向きは、ガントリ角度(例えば、ガントリの周りの/ガントリ120に沿ったX線管118の位置とともに変化することができる)の関数として変化し得る。これは
図3に関して示されている。
【0041】
図3は、本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、X線管118がガントリ120の周りを回転するときにX線管118の焦点がX線管118の基準フレームに対してどのように移動することができるかを示す例示の非限定的なブロック
図300を示す。
【0042】
上述のように、X線管118の基準フレームは、場合によっては、互いに直交するx軸及び/又はy軸によって画定することができる。
図3から分かるように、ガントリ角度302、ガントリ角度304、ガントリ角度306、および/またはガントリ角度308という4つの異なるガントリ角度(例えば、ガントリ120の周りの/ガントリに沿った四つの異なる位置にある)におけるX線管118のそのようなx軸および/またはy軸の配向を示す。示されるように、X線管118がガントリ角度302に従ってガントリ120に沿って配置されるとき、x軸は右方向を指し、y軸は上方向を指し得る。また、示されるように、X線管118がガントリ角度304(例えば、ガントリ角度304は、ガントリ角度302の時計回りに90度とすることができる)に従ってガントリ120に沿って配置されるとき、x軸は下方を指すことができ、y軸は右方を指すことができる。さらに、X線管118がガントリ角度306(例えば、ガントリ角度306は、ガントリ角度302の時計回りに180度とすることができる)に従ってガントリ120に沿って位置決めされるとき、x軸は左方向を指すことができ、y軸は下方向を指すことができる。さらに、X線管118がガントリ角度308(例えば、ガントリ角度308は、ガントリ角度302の時計回りに270度とすることができる)に従ってガントリ120に沿って位置決めされるとき、x軸は上方を指し、y軸は左方を指すことができる。当業者であれば、これらはX線管118をガントリ120の周り及び/又はそれに沿って配置することができるガントリ角度の単なる非限定例であることを理解するであろう。いずれの場合も、X線管118の向き(例えば、x軸およびy軸の向きは、)は、X線管118がガントリ120の周りを/それに沿って回転するにつれて変化することができる。
【0043】
様々な態様では、基準フレームおよび/またはX線管118の向きは、X線管118がガントリ120の周りで/ガントリに沿って回転するにつれて変化することができるが、地球の磁場(図示せず)の向きは、静止したままであることができ、および/またはX線管118がガントリ120の周りで/ガントリに沿って回転するにつれて変化するのを控えることができる。X線管118の観点から、そのような相対運動は反転され得る。すなわち、X線管118の観点から、X線管118の向き及び/又は基準フレームが静止しているかのように、また、地球の磁場の向きがガントリ角度の関数として変化しているかのように考えることができる。いずれの場合も、その結果、X線管118がガントリの周りを/ガントリ120に沿って回転するにつれて、焦点(例えば、焦点スポット310として示される)の位置がX線管118の基準フレーム(例えば、x軸および/またはy軸に関して、)に対して変化し得る。
【0044】
例えば
図3に示されるように、地球の磁場が、焦点310をX線管118のアノードの中心のわずかに右にかつそのかなり下に位置決めさせるような方法で焦点310と相互作用すると仮定する(これは、例示および説明を容易にするための単なる非限定例である)。
図3に見られるように、X線管118がガントリ120の周りを回転するときに地球の磁場が向きを変えることを抑制することができるので、焦点310は、常にX線管118のアノードの中心のわずかに右であり、かつ有意に下にあるその相対位置を維持することができる。特に、X線管118がガントリ角度302に配置されているとき、X線管118がガントリ角度304に配置されているとき、X線管118がガントリ角度306に配置されているとき、および/またはX線管118がガントリ角度308に配置されているとき、焦点スポット310は、X線管118のアノードの中心のわずかに右であり、かつそのかなり下にあり得る。しかしながら、X線管118の向きは、X線管118がガントリ120の周りを/ガントリに沿って回転するにつれて変化し得るので、X線管118の基準フレームは、焦点310に対して移動し得る。X線管118の観点から、X線管118の基準フレームが静止しているかのようであり、焦点310が動いているかのようであり得る。特に、示されるように、X線管118がガントリ角度302に位置するとき、焦点310の位置は、わずかに正のx座標および著しく負のy座標によって与えられ得る。対照的に、分かるように、X線管118がガントリ角度304に位置するとき、焦点310の位置は、焦点310が依然としてX線管118のアノードの中心のわずかに右方に、かつ有意に下方に位置するにもかかわらず、有意に正のx座標およびわずかに正のy座標によって代わりに与えられ得る。さらに、示されるように、X線管118がガントリ角度306に位置するとき、焦点310の位置は、焦点310が依然としてX線管118のアノードの中心のわずかに右方に、かつ有意に下方に位置するにもかかわらず、わずかに負のx座標および有意に正のy座標によって与えられ得る。さらにまた、図から分かるように、X線管118がガントリ角度308に位置するとき、焦点310の位置は、焦点310が依然としてX線管118のアノードの中心のわずかに右方に、かつ有意に下方に位置するにもかかわらず、有意に負のx座標およびわずかに負のy座標によって代わりに与えられ得る。
【0045】
したがって、
図3から分かるように、焦点310は、ガントリ角度(例えば、X線管118がガントリの周りを/ガントリ120に沿って回転すると、X線管118の基準フレームに対する焦点310の座標が変化し得る)の関数として焦点変位を経験していると考えることができる。X線管118は、医用イメージングスキャン(medical imaging scan:医療撮像走査)の間/全体にわたってガントリ120の周りを/に沿って回転することができるので、焦点310の動きは、スキャン内焦点変位と見なすことができ、及び/又はそのように呼ぶことができる。上述したように、そのようなスキャン内焦点変位は、医用スキャナ104に著しい撮像アーチファクト(例えば、影、スジ)を生じさせる可能性がある。
【0046】
再び
図1を参照すると、スキャン内焦点変位を伴わずに(及び/又は低減して)医用スキャナ104を動作及び/又は実行することが望ましい場合がある。本明細書で説明するように、焦点補償システム102は、そのような動作および/または実行を容易にすることができる。
【0047】
様々な実施形態では、焦点補償システム102は、プロセッサ106(例えば、コンピュータ処理ユニット、マイクロプロセッサ)と、プロセッサ106に動作可能に及び/又は動作可能に及び/又は通信可能に接続/結合されたコンピュータ可読メモリ108とを備えることができる。コンピュータ可読メモリ108は、プロセッサ106によって実行されると、プロセッサ106および/または焦点補償システム102の他のコンポーネント(例えば、較正コンポーネント(較正構成要素)110、レシーバコンポーネント(受信機構成要素)112、変位コンポーネント(変位構成要素)114、および/または実行コンポーネント(実行構成要素)116に1つまたは複数の動作を実行させることができるコンピュータ実行可能命令を記憶することができる。様々な実施形態では、コンピュータ可読メモリ108は、コンピュータ実行可能コンポーネント(例えば、較正コンポーネント110、レシーバコンポーネント112、変位コンポーネント114、および/または実行コンポーネント116)を記憶することができ、プロセッサ106は、コンピュータ実行可能コンポーネントを実行することができる。
【0048】
様々な実施形態では、焦点補償システム102は、較正コンポーネント110を備えることができる。様々な態様では、本明細書に記載されるように、較正コンポーネント110は、医用スキャナ104に関連付けられたマッピングに電子的にアクセスし、電子的に維持し、及び/又は電子的に生成することができる。様々な場合において、マッピングは、X線管118によって仮定及び/又は取り得るアノード-カソード電圧及び/又はガントリ角度を、それぞれの焦点変位にリンク及び/又は相関付ける(correlate)ことができる。
【0049】
様々な実施形態では、焦点補償システム102は、レシーバコンポーネント112をさらに備えることができる。様々な例において、本明細書に記載されるように、レシーバコンポーネント112は、X線管118の現在のガントリ角度及び/又はX線管118の現在のアノード-カソード電圧を電子的に受信、検索、及び/又はアクセスすることができる。
【0050】
様々な実施形態では、焦点補償システム102は、変位コンポーネント114をさらに備えることができる。様々な態様では、本明細書で説明するように、変位コンポーネント114は、現在のガントリ角度および/または現在のアノード-カソード電圧のマッピングを参照および/または照会することによって、X線管118の現在の焦点変位を電子的に識別することができる。
【0051】
様々な実施形態では、焦点補償システム102は、実行コンポーネント116をさらに備えることができる。様々な例において、本明細書に記載されるように、実行コンポーネント116は、現在の焦点変位を補正、キャンセル、低減、および/または別様に補償するように、1つ以上の磁気双極子122を電子的に制御および/または作動させることができる。
【0052】
図4は、本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、スキャン内焦点スポット変位の補正を容易にすることができる電圧-角度-変位マッピングを含む例示の非限定的なシステム400のブロック図を示す。図示のように、システム400は、場合によっては、システム100と同じ構成要素(コンポーネント)を備えることができ、マッピング402をさらに備えることができる。
【0053】
様々な実施形態では、較正コンポーネント110は、マッピング402に電子的にアクセスし、電子的に記憶し、電子的に維持し、および/または電子的に生成することができる。様々な態様では、マッピング402は、医用スキャナ104に対応することができ、かつ/又はそれに関連付けることができる。様々な場合において、マッピング402は、X線管118のガントリ角度及び/又はアノード-カソード電圧を、X線管118によって経験されるそれぞれの焦点変位に相関させる及び/又はリンクさせることができる任意の適切な電子データ構造とすることができる。換言すれば、マッピング402は、異なるガントリ角度に応答して及び/又は異なるアノード-カソード電圧に応答してX線管118の焦点がどのように位置を変化させるかを示す及び/又は表すことができる。これは
図5に関して説明される。
【0054】
図5は、本明細書に記載の1つ以上の実施形態による電圧-角度-変位マッピングを示す例示の非限定的なブロック
図500を示す。すなわち、
図5はマッピング402の非限定的な例示的実施形態を示す。示されるように、マッピング402は、それぞれ互いに対応する電圧のセット502、ガントリ角度のセット504、および/または焦点変位のセット506を含むことができる。
【0055】
様々な態様では、電圧のセット502は、任意の適切な正の整数nに対するn個の電圧値(例えば、ピークキロボルトで測定される)、すなわち、電圧1から電圧nを含むことができる。様々な例において、電圧のセット502は、医用スキャナ104によってX線管118のアノード及び/又はカソードに印加され得る可能な離散的な電圧値の範囲及び/又は間隔を表すと考えることができる。例えば、電圧1は、X線管118のアノード及び/又はカソードに印加することができる最小及び/又は最小の電圧の大きさ(例えば、その適用は、X線管118において最も遅く加速する電子ビームをもたらすことができる)を表すスカラーと考えることができ、電圧nは、X線管118のアノード及び/又はカソードに印加することができる最大及び/又は最大の電圧の大きさ(例えば、その適用は、X線管118において最速加速電子ビームをもたらすことができる)を表すスカラーと考えることができる。
【0056】
様々な態様では、ガントリ角度504のセットは、任意の適切な正の整数mに対するm個の角度値(例えば、度および/またはラジアンで測定される)、すなわちガントリ角度1からガントリ角度mを含むことができる。様々な例において、ガントリ角度504のセットは、X線管118を配置することができるガントリ120の周りの/それに沿った可能な離散位置の範囲及び/又は間隔を表すと考えることができる。例えば、ガントリ角度1は、ガントリ120の周り/ガントリに沿ったX線管118を回転させることができる第1の位置を表すスカラー(scalar:数量)と考えることができ、ガントリ角度mは、ガントリ120の周り/ガントリに沿ったX線管118を回転させることができる第mの位置を表すスカラーと考えることができる。
【0057】
電圧のセット502はn個の電圧値を含むことができ、ガントリ角度のセット504はm個の角度値を含むことができるので、電圧のセット502およびガントリ角度のセット504は、総計nm個の電圧-角度ペア(例えば、電圧-角度タプルおよび/または電圧-角度設定とも呼ばれる)を形成すると考えることができる。 上述のように、X線管118の焦点スポットの位置は、X線管118の基準フレームに関して、ガントリ角度に基づき、および/またはアノード-カソード電圧に基づき、変化し得る。したがって、様々な実施態様において、nm電圧-角度ペアの各々は、それぞれ、固有の焦点-スポット変位値に対応し得、それによって、nm焦点-スポット変位の合計:焦点-スポット変位1(1)~焦点-スポット変位1(m)、焦点-スポット変位n(1)、焦点-スポット変位n(m)がもたらされる。 様々な場合において、nmのフォーカルスポット変位の合計は、フォーカルスポット変位のセット506を集合的に形成すると考えることができる。
【0058】
例えば、電圧1およびガントリ角度1(the voltage 1 and the gantry angle 1)は、電圧-角度ペアを形成すると考えることができ、そのような電圧-角度ペアは、それぞれ焦点-スポット変位1(1)に対応し得る。 様々な場合において、焦点スポット変位1(1)は、X線管118が電圧1およびガントリ角度1に従って構成されるときに、地球の磁場がX線管118の焦点スポットを所望の/所定の位置から離れるように、X線管118の基準フレームに対して、どの程度遠くおよび/またはどの方向に移動させるかを示し得る(例えば、X線管118のアノードおよび/またはカソードが電圧1に曝されているとき、およびX線管118がガントリ角度1に回転させられたとき)。 X線管118の基準フレームがx軸および/またはy軸によって定義される場合、焦点位置変位1(1)は、二要素ベクトルであり得る。 かかる二要素ベクトルの第1の要素は、X線管118の焦点スポットのx変位を示すスカラーであり得る(例えば、X線管118が電圧1およびガントリ角度1に従って構成されるときに焦点スポットの所定の/所望のx位置と焦点スポットが移動する実際のx位置との間の差を示し得る)。 同様に、かかる二要素ベクトルの第2の要素は、X線管118の焦点スポットのy変位を示すスカラーであり得る(例えば、焦点スポットの所定の/所望のy位置と、X線管118が電圧1およびガントリ角度1に従って構成されるときに焦点スポットが移動する実際のy位置との間の差を示し得る)。
【0059】
また、例えば、電圧1とガントリ角度mとがもう1つの電圧角度ペアを形成していると考えることができ、そのような電圧角度ペアは、それぞれ焦点変位1(m)に対応することができる。様々な場合において、焦点変位1mは、X線管118が電圧1およびガントリ角度m(例えば、X線管118のアノードおよび/またはカソードが電圧1にさらされたとき、およびX線管118がガントリ角度mまで回転されたとき)に従って構成されるとき、X線管118の基準フレームに対して、地球の磁場がX線管118の焦点を所望の/所定の位置から離れるように移動させる距離および/または方向を示すことができる。X線管118の基準フレームがx軸および/またはy軸によって定義される場合、焦点変位1(m)は二要素ベクトルであり得る。上記のように、そのような二要素ベクトルの最初の要素は、X線管118の焦点のx変位を示すスカラー(例えば、X線管118が電圧1及びガントリ角度mに従って構成される場合、焦点の所定の/所望のx位置と焦点が移動する実際のx位置との差分を示すことができる)であり得る。同様に、そのような二要素ベクトルの第2の要素は、X線管118の焦点のy変位を示すスカラー(例えば、X線管118が電圧1及びガントリ角度mに従って構成される場合、焦点の所定の/所望のy位置と焦点が移動する実際のy位置との差分を示すことができる)とすることができる。
【0060】
さらに別の例において、電圧nおよびガントリ角度1は別の電圧角度ペアを形成すると考えることができ、そのような電圧角度ペアはそれぞれ焦点変位n(1)に対応することができる。様々な場合において、X線管118が電圧n及びガントリ角度1(例えば、X線管118のアノードおよび/またはカソードが電圧nに曝されたとき、およびX線管118がガントリ角度1まで回転されたときである)に従って構成されるとき、焦点変位n(1)はどの程度遠く及び/又はどの方向に、X線管118の基準フレームに対して、地球の磁場がX線管118の焦点を所望の/所定の位置から遠ざけるかを示すことができる。X線管118の基準フレームがx軸および/またはy軸によって定義される場合、焦点変位n(1)は二要素ベクトルであり得る。ちょうど上記のように、そのような二要素ベクトルの最初の要素は、X線管118の焦点のx変位を示すスカラーであり得る(例えば、X線管118が電圧n及びガントリ角度1に従って構成される場合、焦点の所定の/所望のx位置と焦点が移動する実際のx位置との差分を示すことができる)。同様に、そのような二要素ベクトルの第2の要素は、X線管118の焦点のy変位を示すスカラー(例えば、X線管118が電圧n及びガントリ角度1に従って構成される場合、焦点の所定の/所望のy位置と焦点が移動する実際のy位置との差分を示すことができる)とすることができる。
【0061】
さらに別の例を挙げると、電圧nとガントリ角度mとはさらに別の電圧角度ペアを形成すると考えることができ、そのような電圧角度ペアはそれぞれ焦点変位n(m)に対応することができる。様々な場合において、焦点変位nは、X線管118が電圧nおよびガントリ角度m(例えば、X線管118のアノードおよび/またはカソードが電圧nに曝されたとき、およびX線管118がガントリ角度mまで回転されたときである)に従って構成されるとき、X線管118の基準フレームに対して、地球の磁場がX線管118の焦点を所望の/所定の位置から離れるように移動させる距離および/または方向を示すことができる。X線管118の基準フレームがx軸および/またはy軸によって定義される場合、焦点変位n(m)は二要素ベクトルであり得る。この場合も、そのような二要素ベクトルの最初の要素は、X線管118の焦点のx変位を示すスカラーであり得る(例えば、X線管118が電圧n及びガントリ角度mに従って構成される場合、焦点の所定の/所望のx位置と焦点が移動する実際のx位置との差分を示すことができる)。同様に、そのような二要素ベクトルの第2の要素は、X線管118の焦点のy変位を示すスカラー(例えば、X線管118が電圧n及びガントリ角度mに従って構成される場合、焦点の所定の/所望のy位置と焦点が移動する実際のy位置との差分を示すことができる)とすることができる。
【0062】
様々な態様では、マッピング402は、医用スキャナ104に関して行われる1つ以上の実験に基づいて(例えば、較正コンポーネント110を介して)電子的に生成され得る。例えば、上述のように、マッピング402は、合計でnmの電圧角度ペアを含むことができる。様々な態様では、医用スキャナ104のX線管118は、そのようなnm電圧角度ペアのそれぞれを通って掃引(例えば、以下に従って順次構成することができる)され得る。X線管118によって掃引される各電圧-角度ペアについて、それぞれ対応する焦点変位を(例えば、任意の適切なタングステンエッジ測定技術を介して)測定することができる。このように、nm測定された焦点変位の合計を得ることができる(例えば、電圧角度ペア当たり1つの測定された焦点変位)。これを
図6に関してさらに説明する。
【0063】
図6は、本明細書に記載される1つ以上の実施形態に従って電圧-角度-変位マッピングがどのように生成され得るかを示す例示の非限定的なフロー
図600を示す。すなわち、
図6は様々な実施形態においてマッピング402がどのように作成され得るかを示す。
【0064】
様々な態様では、動作(act:行為、活動)602は、医用スキャナ(例えば、104)のX線管(例えば、118)に関連する電圧のセット(例えば、502)及び/又はガントリ角度のセット(例えば、504)にアクセスすることを含むことができる。
【0065】
様々な例において、動作604は、空のマッピング(empty mapping)を初期化すること(例えば、402は最初は空であり得る)を含むことができる。
【0066】
様々な場合において、動作606は、電圧のセット内のすべての電圧がまだ分析されているかどうかを決定すること(例えば、電圧のセット内のすべての電圧がマッピングを更新するためにまだ使用されているかどうか)を含むことができる。そうである場合、フロー
図600は動作608に進むことができ、そこで終了することができる(例えば、マッピングは、この時点で完全であると考えることができる)。そうでない場合、フロー
図600は、代わりに動作610に進むことができる。
【0067】
様々な態様では、動作610は、電圧のセットから、まだ分析されてない電圧(例えば、マッピングを更新するためにまだ使用されなかった)を選択することを含むことができる。
【0068】
様々な例において、動作612は、医用スキャナのX線管を選択された電圧(例えば、選択された電圧をX線管のアノードおよび/またはカソードに印加するステップ)に設定及び/又は構成することを含むことができる。
【0069】
様々な場合において、動作614は、ガントリ角度のセット内の全てのガントリ角度が、選択された電圧についてまだ分析されているかどうかを判定すること(例えば、ガントリ角度のセット内の全てのガントリ角度が、選択された電圧と併せて及び/又は組み合わせてマッピングを更新するためにまだ使用されているかどうか)を含むことができる。そうである場合、フロー
図600は、動作606に戻ることができる。そうでない場合、フロー
図600は、代わりに動作616に進むことができる。
【0070】
様々な態様では、動作616は、ガントリ角度のセットから、選択された電圧についてまだ分析されてないガントリ角度を選択すること(例えば、それは、選択された電圧と併せて及び/又は組み合わせてマッピングを更新するためにまだ使用されてない)を含むことができる。
【0071】
様々な例において、動作618は、医用スキャナのX線管を選択されたガントリ角度に設定及び/又は構成すること(例えば、選択されたガントリ角度によって定義される位置/場所にX線管を回転させるステップ)を含むことができる。
【0072】
様々な場合において、動作620は、選択された電圧及び/又は選択されたガントリ角度によって引き起こされ得るX線管の焦点変位(例えば、焦点スポットのx位置の変化および/またはy位置の変化)を測定することを含むことができる。換言すれば、動作620は、焦点が所定の/所望の位置からどれだけ遠くに及び/又はどの方向に移動するかを測定することを含むことができ、焦点のそのような動きは、X線管が選択されたガントリ角度に配置されることによって、及び/又はX線管のアノード及びカソードが選択された電圧に曝されることに応答して、引き起こされることができ、及び/又は引き起こされることができる。当業者であれば理解するように、タングステンエッジ技術などの任意の好適な測定技術を実装することができる。
【0073】
様々な態様では、動作622は、測定された焦点変位に基づいてマッピングを更新すること(例えば、選択された電圧及び選択されたガントリ角度が一緒になって測定された焦点変位を引き起こす及び/又は測定された焦点変位と相関することをマッピングが示すように、マッピングを編集する)を含むことができる。示されるように、流れ
図600は、次いで、動作614に戻ることができる。
【0074】
示されるように、動作614~622は、全てのガントリ角度が選択された電圧と共に使用されるまで繰り返すことができる。当業者であれば、これがガントリ角度のセットを掃引するものと見なされ得ることを理解するであろう。さらに、示されるように、動作606~614は、マッピングを更新するためにすべての電圧が使用されるまで繰り返すことができる。当業者は、これが電圧のセットを掃引するものと見なされ得ることを理解するであろう。
図6は、電圧ごとに掃引されるガントリ角度のセットを示すが、これは単なる非限定例である。場合によっては、掃引の順序を逆にすることができる(例えば、最初にガントリ角度を選択することができ、次いで、その選択されたガントリ角度に対して電圧のセットを掃引することができる)。
【0075】
いずれの場合も、マッピング402は、X線管118の焦点が現実世界のガントリ角度回転及び/又は現実世界のアノード-カソード電圧にどのように応答するかを測定することによって生成することができる。したがって、マッピング402は、様々な例において、ガントリ角度及び/又はアノード-カソード電圧に応じて及び/又はそれに応じてX線管118の焦点がどのように移動するかを示すルックアップテーブルとみなすことができる。
【0076】
図7は、本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、スキャン内焦点スポット変位の補正を容易にすることができる現在のガントリ角度及び/又は現在の電圧を含む例示の非限定的なシステム700のブロック図を示す。図示のように、システム700は、場合によっては、システム400と同じ構成要素(コンポーネント)を備えることができ、現在のガントリ角度702および/または現在の電圧704をさらに備えることができる。
【0077】
様々な実施形態では、レシーバコンポーネント112は、現在のガントリ角度702及び/又は現在の電圧704を電子的に受信し、及び/又はそうでなければ電子的にアクセスすることができる。様々な例において、レシーバコンポーネント112は、任意の適切な集中型および/または分散型データ構造(図示せず)から現在のガントリ角度702および/または現在の電圧704を電子的に取り出すことができる。様々な他の事例では、レシーバコンポーネント112は、医用スキャナ104自体(例えば、医用スキャナ104の制御モジュールから、及び/又は医用スキャナ104の位置センサ及び/又は電圧センサから)から現在のガントリ角度702及び/又は現在の電圧704を電子的に取り出すことができる。いずれの場合も、レシーバコンポーネント112は、現在のガントリ角度702および/または現在の電圧704を電子的に取得および/またはアクセスすることができ、その結果、焦点補償システム102の他の構成要素(コンポーネント)は、現在のガントリ角度702および/または現在の電圧704と電子的に相互作用することができる。
【0078】
様々な態様では、現在のガントリ角度702は、X線管118が現在/現在位置付けられているガントリ角度を示す、及び/又はX線管118が回転されることが望まれるガントリ角度を示す、任意の適切なスカラーとすることができる。同様に、様々な例において、現在の電圧704は、X線管118のアノードおよびカソードに現在/現在印加されている電圧レベルを示す、および/またはX線管118のアノードおよびカソードに印加されることが望まれる電圧レベルを示す、任意の適切なスカラーであり得る。
【0079】
図8は、本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、スキャン内焦点変位の補正を容易にすることができる現在の焦点変位を含む例示の非限定的なシステム800のブロック図を示す。図示のように、システム800は、場合によっては、システム700と同じ構成要素(コンポーネント)を備えることができ、現在の焦点変位802をさらに備えることができる。
【0080】
様々な実施形態では、変位コンポーネント114は、マッピング402を参照することによって、現在のガントリ角度702に基づいて、および/または現在の電圧704に基づいて、現在の焦点スポット変位802を電子的に決定および/または識別することができる。より詳細には、本明細書で説明するように、マッピング402は、電圧角度ペアを焦点変位に相関させるものと見なすことができる。さらに、現在のガントリ角度702および/または現在の電圧704は、集合的に電圧角度ペアを形成すると考えることができる。したがって、変位コンポーネント114は、現在のガントリ角度702および/または現在の電圧704に一致する電圧角度ペアについてマッピング402を電子的に検索および/または照会することができ、マッピング402は、そのような電圧角度ペアと相関する/リンクされる焦点変位を示すおよび/または指定することができる。様々な場合において、マッピング402において識別/発見されるその焦点変位は、現在の焦点変位802と見なされ得る。換言すれば、現在の焦点変位802は、X線管118が現在のガントリ角度702及び/又は現在の電圧704に構成/設定されていることに応答して、X線管118の焦点がどのように移動するか及び/又は移動することが予想されるかを示すものと考えることができる。
【0081】
様々な実施形態では、実行コンポーネント116は、現在の焦点変位802を補正、キャンセル、および/または別様に補償するように、1つ以上の磁気双極子122を電子的に調整、操作、および/または別様に制御することができる。特に、上述したように、当業者であれば、X線管118の焦点を所望の方向に所望の距離だけ誘導するように1つ以上の磁気双極子122を制御する方法を理解するであろう。したがって、様々な例において、現在の焦点変位802が既知である場合、実行コンポーネント116は、X線管118の焦点を所定の/所望の位置に戻す及び/又は近づけるように1つ以上の磁気双極子122(例えば、1つ以上の磁気双極子122を生成/生成/放出する(generate/create/emit)1つ以上の電磁石を電子的に制御することができる)を電子的に制御することができる。場合によっては、焦点を現在の焦点変位802によって示される方向とは反対の方向に移動させるように、および/または焦点を現在の焦点変位802の大きさに等しい距離だけ移動させるように、および/またはさもなければそれに基づいて、1つまたは複数の磁気双極子122を調整/操作することができる。非限定的な実施例において、現在の焦点変位802が、現在のガントリ角度702及び現在の電圧704が、X線管118の焦点が任意の適切な実数に対してミクロンのx変位及び任意の適切な実数に対してミクロンのy変位を有することを引き起こした及び/又は引き起こすことを示すと仮定する。すなわち、現在のガントリ角度702及び現在の電圧704は、焦点スポットを所定の/所望のx位置からミクロン離れさせ、所定の/所望のy位置からミクロン離れさせることができる。そのような場合、実行コンポーネント116は、焦点のx位置をミクロン単位で変化させるように、および/または焦点のy位置をミクロン単位で変化させるように、1つまたは複数の磁気双極子122を電子的に変更/調整することができる。当業者であれば理解するように、正である場合、焦点スポットをx軸に沿って負の方向に移動させることができる。逆に、が負である場合、焦点スポットをx軸に沿って正方向に移動させることができる。同様に、が正である場合、焦点スポットをy軸に沿って負の方向に移動させることができる。逆に、が負である場合、焦点スポットをy軸に沿って正方向に移動させることができる。
【0082】
いずれの場合も、実行コンポーネント116は、現在の焦点変位802に対抗(counteract)する方向および/または量でX線管118の焦点を移動させるように1つ以上の磁気双極子122を電子的に調整することができる。
【0083】
様々な態様では、X線管118が現在のガントリ角度702および/または現在の電圧704にまだ設定/構成されてない場合、実行コンポーネント116は、電子的にX線管118を現在のガントリ角度702および/または現在の電圧704に従って設定/構成されるようにすることができる(例えば、現在のガントリ角度702によって与えられるガントリ120の周りの/ガントリに沿った位置に回転するようにX線管118に命令/命令することができ、現在の電圧704をそのアノード及び/又はカソードに印加するようにX線管118に命令/命令することができる)。
【0084】
様々な態様では、レシーバコンポーネント112、変位コンポーネント114、および/または実行コンポーネント116の上述の機能は、単一の電圧角度ペア(single voltage-angle pair、例えば、これは、現在のガントリ角度702および/または現在の電圧704によって引き起こされる)によって引き起こされるX線管118の焦点の変位を改善するのに役立つことができる。しかしながら、様々な場合において、そのような機能性は、任意の適切な数の電圧角度ペアについて繰り返され得る。例えば、医用スキャナ104の医用イメージングスキャン(例えば、スキャンプロトコル)が、複数の電圧-角度ペアを通してX線管118を掃引することを伴う場合、レシーバコンポーネント112、変位コンポーネント114、及び/又は実行コンポーネント116の機能は、そのような複数の電圧-角度ペアの各々に対して繰り返され得る。そのような反復の最終的な結果は、X線管118の焦点が、医用イメージングスキャンの間/全体を通して、その所定の/所望の位置から逸脱しない(例えば、および/または任意の適切な閾値マージンおよび/または分解能内で非常にわずかしか逸脱しない)ことであり得る。言い換えれば、そのような機能は、医用スキャナ104のスキャン内焦点変位を低減及び/又は排除するのに役立ち得る。
図9に関してこれをさらに説明する。
【0085】
図9は、本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、スキャン内焦点スポット変位の補正を容易にすることができる例示的な非限定的なコンピュータ実装方法900のフロー図を示す。様々な場合において、焦点補償システム102は、コンピュータ実装方法900を促進及び/又は実装することができる。
【0086】
様々な実施形態では、動作902は、プロセッサに動作可能に結合されたデバイス(例えば、112)によって、X線管(例えば、118)を有する医用スキャナ(例えば、104)の走査プロトコルにアクセスすることを含むことができる。様々な場合において、走査プロトコルは、複数のX線管設定に関連付けることができ、各X線管設定は、X線管によって想定されるガントリ角度および/またはX線管によって想定されるアノード-カソード電圧を指定する。言い換えれば、各X線管設定は、電圧-角度ペアと見なすことができる。
【0087】
様々な態様では、動作904は、デバイス(例えば、112)によって、複数のX線管設定におけるすべてのX線管設定が走査プロトコル中にまだ使用されているかどうかを判定することを含むことができる。そうである場合、コンピュータ実装方法900は、動作906に進むことができ、そこで終了することができる(例えば、この時点で、X線管は、複数のX線管設定における各X線管設定を通過したと考えることができ、したがって、走査プロトコルは、完了/終了したと考えることができる)。そうでない場合、コンピュータ実装方法900は、代わりに動作908に進むことができる。
【0088】
様々な例において、動作908は、デバイス(例えば、112)によって、複数のX線管設定から、走査プロトコル中にまだ使用されなかったX線管設定を選択することを含むことができる。様々な場合において、選択されたX線管設定は、X線管が構成されるべき特定のガントリ角度(例えば、702)及び/又は特定のアノード-カソード電圧(例えば、704)を指定することができる。
【0089】
様々な態様では、動作910は、デバイス(例えば、114)によって、及びガントリ角度及び/又はアノード-カソード電圧を焦点変位に相関させるマッピング(例えば、402)を参照することによって、選択されたX線管設定(例えば、それは、特定のガントリ角度および/または特定のアノード-カソード電圧に従ってX線管を構成することによって引き起こされる、および/または引き起こされる)によってX線管に引き起こされる及び/又は引き起こされる焦点変位(例えば、802)を識別することを含むことができる。
【0090】
様々な例において、動作912は、識別された焦点変位を補正、キャンセル、及び/又は別様に補償するように、デバイス(例えば、116)によって、X線管の1つ以上の磁気双極子(例えば、122)を調整することを含むことができる。換言すれば、1つ以上の磁気双極子は、制御可能に操作することができ、そのような制御された操作は、X線管の焦点を、識別された焦点変位の方向とは反対の方向に、及び/又は識別された焦点変位の大きさに等しい距離だけ移動させることができる。
【0091】
様々な態様では、動作914は、デバイス(例えば、116)によって、選択されたX線管設定に従ってX線管を構成することを含むことができ、それによって、X線管を特定のガントリ角度に配置させ、かつ/または特定のアノード-カソード電圧によって電力供給させる。様々な例において、コンピュータ実装方法900は、次いで、動作904に戻ることができる。
【0092】
図10は、本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、スキャン内焦点スポット変位の補正を容易にすることができる例示的な非限定的なコンピュータ実装方法1000のフロー図を示す。様々な場合において、焦点補償システム102は、コンピュータ実装方法1000を促進及び/又は実行することができる。
【0093】
様々な実施形態では、動作1002は、プロセッサに動作可能に結合されたデバイス(装置:例えば、112)によって、医用スキャナ(例えば、104)の第1のガントリ角度(例えば、702)にアクセスすることを含むことができる。
【0094】
様々な態様では、動作1004は、デバイス(例えば、114)によって、ガントリ角度(例えば、504)を焦点変位(例えば、506)に相関させるマッピング(例えば、402)を参照することによって、医用スキャナの焦点の第1の変位(例えば、802)を第1のガントリ角度に基づいて決定することを含むことができる。
【0095】
様々な例において、動作1006は、デバイス(例えば、116)によって、及び医用スキャナの1つ以上の焦点位置調整器(例えば、122)を介して、第1の変位を補償することを含むことができる。
【0096】
図10には明示的に示されていないが、コンピュータ実装方法1000は、デバイス(例えば、112)によって、医用スキャナの第1の電圧レベル(例えば、704)にアクセスするステップであって、マッピングは、電圧レベル(例えば、502)を焦点変位にさらに相関させる、ステップと、デバイス(例えば、114)によって、医用スキャナの焦点の第1の変位を第1の電圧レベルに基づいて決定するステップとをさらに含むことができる。
【0097】
図10には明示的に示されていないが、コンピュータ実装方法1000は、デバイス(例えば、110)によって、デバイス(例えば、110)によって、複数のガントリ角度にわたって医用スキャナを掃引(スイープ)することによってマッピングを生成することと、デバイス(例えば、110)によって、および複数のガントリ角度の各々において、医用スキャナの焦点が所定の位置(例えば、
図6に関して示されるように、)からどれだけ遠く、どの方向にドリフトしているかを測定することとをさらに含むことができる。
【0098】
図10には明示的に示されていないが、1つ以上の焦点位置調整器は、焦点を第1の変位とは反対方向に移動させることができ、1つ以上の焦点位置調整器は、焦点を第1の変位の大きさに等しい(及び/又はそうでなければそれに基づく)距離だけ移動させることができる。
【0099】
図10には明示的に示されていないが、医用スキャナの1つ以上の焦点位置調整器は、磁気双極子又は静電偏向電極とすることができる。
【0100】
図10には明示的に示されていないが、医用スキャナは、コンピュータ断層撮影スキャナ又はトモシンセシスマンモグラフィスキャナ(computed tomography scanner or a tomosynthesis mammography scanner)とすることができる。
【0101】
図10には明示的に示されていないが、コンピュータ実装方法1000は、デバイス(例えば、112)によって、第1の変位の補償後に医用スキャナの第2のガントリ角度にアクセスするステップと、デバイス(例えば、114)によって、ガントリ角度を焦点変位に相関させるマッピングを参照することによって、第2のガントリ角度に基づいて医用スキャナの焦点の第2の変位を決定するステップと、デバイス(例えば、116)によって、医用スキャナの1つ以上の焦点位置調整器を介して第2の変位を補償するステップ(例えば、
図9に関して示されるように、)とをさらに含むことができる。
【0102】
したがって、本明細書に記載の様々な実施形態は、スキャン内焦点スポット変位を低減および/または改善することができるコンピュータ化ツールに関する。より詳細には、ガントリの周りを/ガントリに沿って回転することができ、制御可能な磁気双極子を備えたX線管を有する医用スキャナについて、本発明者は、制御可能な磁気双極子を一定の/均一なパラメータに維持することによってスキャン内焦点変位を引き起こすことができることを認識した。さらに、本発明者は、制御可能な磁気双極子を一定の/均一なパラメータに維持しないことによって、スキャン内焦点変位を低減できることを認識した。換言すれば、本発明者は、ガントリ角度の関数として及び/又はアノード-カソード電圧(例えば、すべてのガントリ角度にわたって、および/またはすべてのアノード-カソード電圧にわたって磁気双極子のパラメータを一定に保持するのではなく、磁気双極子のパラメータは、それぞれの一意の電圧-角度ペアに対して一意に調整することができる)の関数として制御可能な磁気双極子のパラメータを連続的に調整することによって、スキャン内焦点変位が改善され得ることを認識した。そのような方法でスキャン内焦点変位の問題を解決するのを助けることができるコンピュータ化ツールは、コンピュータの有用かつ実用的な用途として確かに適している。
【0103】
当業者であれば、本明細書に記載される様々な実施形態が、必要に応じてウォブル及び/又は非ウォブル医療撮像デバイス(wobble and/or non-wobble medical imaging devices)に適用され得ることを理解するであろう。例えば、非ウォブル医用撮像デバイスの場合、焦点スポットをスキャン全体を通して単一の所望の位置に維持することが望ましい場合がある。対照的に、ウォブル医用撮像デバイスの場合、スキャン全体を通して2つ以上の所望の位置の間で焦点スポットを交互にすることが望ましい場合がある。これらの場合のいずれにおいても、本明細書に記載の教示は、スキャン内焦点変位を排除/低減するように適用することができる。より詳細には、任意の所与の時点で、医用イメージングスキャナの焦点は、所望の/所定の位置からのいくらかの変位を経験することができ、そのような変位は、医用イメージングデバイスのガントリ角度および/またはアノード-カソード電圧によって引き起こされ得る。医用撮像装置が非ウォブル構成を示す場合、その所望の/所定の位置は、全ての時点で同じであることができ、及び/又は一定であることができる。一方、医用撮像デバイスがウォブル構成を示す場合、その所望の/所定の位置は、すべての時点(例えば、所与の時点において、所与の位置に焦点スポットを配置することが望ましい場合があり、異なる時点において、異なる位置に焦点スポットを配置することが望ましい場合がある)について一定ではなく、かつ/または不均一であり得る。いずれの場合も、焦点の所望の位置が特定の時点にあるかどうかにかかわらず、その所望の位置からの変位量は、本明細書で説明するように決定/測定することができ、そのような変位量は、本明細書で説明するように修正/補正することができる。
【0104】
様々な例において、機械学習アルゴリズムおよび/またはモデルは、本明細書で説明される任意の適切な態様を容易にするために、任意の適切な方法で実装され得る。本発明の様々な実施形態の上述の機械学習態様のいくつかを容易にするために、人工知能(AI)の以下の説明を検討する。本明細書における本発明の様々な実施形態は、本発明の1つまたは複数の特徴の自動化を容易にするために人工知能を採用することができる。上述の複数のコンポーネントは、本明細書に開示される様々な実施形態/例を実行するための様々なAIベースのスキームを採用することができる。本革新の多数の決定(例えば、決定する、確認する、推測する、計算する、予測する、予測する、推定する、導出する、予測する、検出する、計算する:determine, ascertain, infer, calculate, predict, prognose, estimate, derive, forecast, detect, compute)を提供または支援するために、本革新のコンポーネントは、アクセスが許可されたデータの全体またはサブセットを検査することができ、イベントおよび/またはデータを介してキャプチャされた観測のセットからシステムおよび/または環境の状態についての推論を提供または決定することができる。決定は、例えば、特定のコンテキストまたはアクションを識別するために使用することができ、または状態にわたる確率分布を生成することができる。決定は、確率的であってもよく、すなわち、データおよびイベントの考慮に基づいて、関心のある状態にわたる確率分布の計算であってもよい。決定はまた、イベントおよび/またはデータのセットからより高いレベルのイベントを構成するために採用される技法を指すことができる。
【0105】
そのような決定は、観測されたイベントおよび/または記憶されたイベントデータのセットからの新しいイベントまたはアクションの構築、イベントが時間的に近接して相関されるかどうか、ならびにイベントおよびデータが1つまたはいくつかのイベントおよびデータソースから来るかどうかをもたらし得る。本明細書で開示されるコンポーネントは、特許請求される主題に関連して自動的および/または決定されたアクションを実行することに関連して、様々な分類(明示的にトレーニングされたもの(例えば、トレーニングデータを介して)及び暗黙的にトレーニングされたもの(例えば、挙動、選好、履歴情報を観察すること、外部情報を受信することなどを介して))スキームおよび/またはシステム(例えば、サポートベクターマシン、ニューラルネットワーク、エキスパートシステム、ベイジアン信念ネットワーク、ファジー論理、データ融合エンジンなど(support vector machines, neural networks, expert systems, Bayesian belief networks, fuzzy logic, data fusion engines, and so on)である)を採用することができる。したがって、分類スキームおよび/またはシステムを使用して、いくつかの機能、アクション、および/または決定を自動的に学習し、実行することができる。
【0106】
分類器は、入力属性ベクトルz=(z1、z2、z3、z4、zn4)を、f(z)=信頼度(クラス)によるように、入力がクラスに属する信頼度にマッピングすることができる。そのような分類は、自動的に実行されるべきアクションを決定するために、確率的および/または統計ベースの分析(例えば、分析ユーティリティ及びコストを考慮に入れる)を利用することができる。サポートベクターマシン(SVM:support vector machine)は、使用され得る分類器の例であり得る。SVMは、可能な入力の空間において超曲面を見つけることによって動作し、超曲面は、非トリガイベントからトリガ基準を分割しようと試みる。直感的に、これは、訓練データに近いが同一ではない試験データに対して分類を正しくする。他の有向および無向モデル分類手法は、例えば、ナイーブベイズ、ベイジアンネットワーク、決定木、ニューラルネットワーク、ファジー論理モデル、および/または独立性の異なるパターンを提供する確率的分類モデル(naive Bayes, Bayesian networks, decision trees, neural networks, fuzzy logic models, and/or probabilistic classification models providing different patterns of independence)を含み、それらのいずれも採用することができる。本明細書で使用される分類はまた、優先順位のモデルを開発するために利用される統計的回帰を含む。
【0107】
当業者は、本明細書の開示が主題の革新の様々な実施形態の非限定的な実施例を説明することを理解するであろう。説明および/または説明を容易にするために、本明細書の開示の様々な部分は、主題の革新の様々な実施形態を論じるときに「各々」という用語を利用する。当業者は、用語「各々」のそのような使用が非限定例であることを理解するであろう。言い換えれば、本明細書の開示がある特定の物体および/または構成要素の「各々」に適用される説明を提供する場合、これは本発明の様々な実施形態の非限定例であることを理解されたい。また、本発明の様々な他の実施形態では、そのような説明がその特定の物体および/または構成要素の「各々」よりも少ないものに適用される場合があり得ることをさらに理解されたい。
【0108】
本明細書で説明される様々な実施形態に関する追加のコンテキストを提供するために、
図11および以下の説明は、本明細書で説明される実施形態の様々な実施形態が実装され得る適切なコンピューティング環境1100の簡潔で一般的な説明を提供することを意図している。実施形態は1つまたは複数のコンピュータ上で実行することができるコンピュータ実行可能命令の一般的な文脈で上述されているが、当業者は、実施形態が他のプログラムモジュールと組み合わせて、および/またはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせとして実装することもできることを認識するであろう。
【0109】
一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造などを含む。さらに、当業者は、本発明の方法が、各々が1つまたは複数の関連するデバイスに動作可能に結合され得る、シングルプロセッサまたはマルチプロセッサコンピュータシステム、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、モノのインターネット(IoT)デバイス、分散コンピューティングシステム、ならびにパーソナルコンピュータ、ハンドヘルドコンピューティングデバイス、マイクロプロセッサベースまたはプログラマブル家電製品など(single-processor or multi-processor computer systems, minicomputers, mainframe computers, Internet of Things (IoT) devices, distributed computing systems, as well as personal computers, hand-held computing devices, microprocessor-based or programmable consumer electronics, and the like)を含む、他のコンピュータシステム構成で実践され得ることを理解するであろう。
【0110】
本明細書の実施形態の図示された実施形態は、通信ネットワークを介してリンクされたリモート処理デバイスによって特定のタスクが実行される分散コンピューティング環境でも実施することができる。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、ローカルメモリ記憶デバイスとリモートメモリ記憶デバイスの両方に配置することができる。
【0111】
コンピューティングデバイスは、通常、コンピュータ可読記憶媒体、機械可読記憶媒体、および/または通信媒体を含むことができる様々な媒体を含み、その2つの用語は、本明細書では以下のように互いに異なって使用される。コンピュータ可読記憶媒体または機械可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセスすることができる任意の利用可能な記憶媒体とすることができ、揮発性および不揮発性媒体、リムーバブルおよび非リムーバブル媒体の両方を含む。例として限定されるものではないが、コンピュータ可読記憶媒体または機械可読記憶媒体は、コンピュータ可読または機械可読命令、プログラムモジュール、構造化データまたは非構造化データなどの情報を記憶するための任意の方法または技術に関連して実装され得る。
【0112】
コンピュータ可読記憶媒体は、限定はしないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイディスク(BD)もしくは他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶デバイス、ソリッドステートドライブもしくは他のソリッドステート記憶デバイス、または所望の情報を記憶するために使用することができる他の有形および/もしくは非一時的媒体(random access memory (RAM), read only memory (ROM), electrically erasable programmable read only memory (EEPROM), flash memory or other memory technology, compact disk read only memory (CD ROM), digital versatile disk (DVD), Blu-ray disc (BD) or other optical disk storage, magnetic cassettes, magnetic tape, magnetic disk storage or other magnetic storage devices, solid state drives or other solid state storage devices, or other tangible and/or non-transitory media)を含むことができる。この点に関して、本明細書においてストレージ、メモリ、またはコンピュータ可読媒体に適用される「有形」または「非一時的」という用語は、一時的信号自体をモディファイアとして伝搬することのみを除外するものと理解されるべきであり、一時的に信号自体を伝搬するだけではないすべての標準的なストレージ、メモリ、またはコンピュータ可読媒体に対する権利を放棄するものではない。
【0113】
コンピュータ可読記憶媒体は、媒体によって記憶された情報に関する様々な動作のために、例えば、アクセス要求、クエリ、または他のデータ検索プロトコルを介して、1または複数のローカルコンピューティングデバイスまたはリモートコンピューティングデバイスによってアクセスされ得る。
【0114】
通信媒体は、通常、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他の構造化もしくは非構造化データを、変調データ信号、例えば、搬送波または他の搬送機構などのデータ信号内に具現化し、任意の情報配信または搬送媒体を含む。「変調データ信号」または信号という用語は、情報を1つまたは複数の信号に符号化するように設定または変更されたその特性のうちの1つまたは複数を有する信号を指す。例として限定されるものではないが、通信媒体は、有線ネットワーク又は直接有線接続などの有線媒体と、音響、RF、赤外線及び他の無線媒体などの無線媒体とを含む。
【0115】
再び
図11を参照すると、本明細書で説明される態様の様々な実施形態を実装するための例示的な環境(example environment)1100は、コンピュータ1102を含み、コンピュータ1102は、処理ユニット1104と、システムメモリ1106と、システムバス1108とを含む。システムバス1108は、限定はしないが、システムメモリ1106を含むシステム構成要素を処理ユニット1104に結合する。処理ユニット1104は、様々な市販のプロセッサのいずれかとすることができる。デュアルマイクロプロセッサおよび他のマルチプロセッサアーキテクチャも、処理ユニット1104として採用され得る。
【0116】
システムバス1108は、様々な市販のバスアーキテクチャのいずれかを使用して、メモリバス(メモリコントローラありまたはなし)、周辺バス、およびローカルバスにさらに相互接続することができるいくつかのタイプのバス構造のいずれかとすることができる。システムメモリ1106は、ROM1110およびRAM1112を含む。ROM、消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EPROM)、EEPROMなどの不揮発性メモリに基本入出力システム(BIOS)を記憶することができ、BIOSは、起動中などにコンピュータ1102内の要素間で情報を転送するのを助ける基本ルーチンを含む。RAM1112は、データをキャッシュするためのスタティックRAMなどの高速RAMを含むこともできる。
【0117】
コンピュータ1102は、内部ハードディスクドライブ(HDD)1114(例えば、EIDE、SATA)、1つ以上の外部記憶装置1116(例えば、磁気フロッピー(登録商標)ディスクドライブ(FDD)1116、メモリスティックまたはフラッシュドライブリーダ、メモリカードリーダなどである)、およびドライブ1120、例えば、CD-ROMディスク、DVD、BD等のディスク1122から読み取りまたは書き込みができるソリッドステートドライブ、光ディスクドライブ等をさらに含む。あるいは、ソリッドステートドライブが関与する場合、ディスク1122は、別個でない限り含まれない。内部HDD1114は、コンピュータ1102内に位置するものとして示されているが、内部HDD1114は、適切なシャーシ(図示せず)における外部使用のために構成することもできる。加えて、環境1100には示されていないが、ソリッドステートドライブ(SSD)が、HDD1114に加えて、またはその代わりに使用され得る。HDD1114、外部記憶デバイス1116、およびドライブ1120は、それぞれ、HDDインターフェース1124、外部記憶インターフェース1126、およびドライブインターフェース1128によってシステムバス1108に接続され得る。外部ドライブ実装のためのインターフェース1124は、ユニバーサルシリアルバス(USB)および米国電気技術者協会(IEEE)1394インターフェース技術のうちの少なくとも一方または両方を含むことができる。他の外部ドライブ接続技術は、本明細書に記載の実施形態の企図の範囲内である。
【0118】
ドライブおよびそれらの関連するコンピュータ可読記憶媒体は、データ、データ構造、コンピュータ実行可能命令などの不揮発性記憶を提供する。コンピュータ1102の場合、ドライブ及び記憶媒体は、適切なデジタル形式で任意のデータの記憶に対応する。上記のコンピュータ可読記憶媒体の説明は、それぞれのタイプの記憶デバイスを参照するが、現在存在するか将来開発されるかにかかわらず、コンピュータによって可読である他のタイプの記憶媒体も例示的な動作環境において使用され得ること、さらに、任意のそのような記憶媒体が、本明細書で説明される方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を含み得ることが、当業者によって理解されるべきである。
【0119】
オペレーティング・システム1130、1つまたは複数のアプリケーション・プログラム1132、他のプログラム・モジュール1134、およびプログラム・データ1136を含む、いくつかのプログラム・モジュールをドライブおよびRAM1112に格納することができる。オペレーティングシステム、アプリケーション、モジュール、および/またはデータの全部または一部もRAM1112にキャッシュすることができる。本明細書で説明されるシステムおよび方法は、様々な市販のオペレーティングシステムまたはオペレーティングシステムの組合せを利用して実装され得る。
【0120】
コンピュータ1102は、任意選択で、エミュレーション技術を含むことができる。例えば、ハイパーバイザ(図示せず)または他の中間体は、オペレーティングシステム1130のためのハードウェア環境をエミュレートすることができ、エミュレートされたハードウェアは、任意選択で、
図11に示されるハードウェアとは異なり得る。そのような実施形態では、オペレーティングシステム1130は、コンピュータ1102でホストされる複数のVMのうちの1つの仮想マシン(VM)を含むことができる。さらに、オペレーティングシステム1130は、Java(登録商標)ランタイム環境またはなどのランタイム環境を提供することができる。・アプリケーション1132のためのNETフレームワーク。ランタイム環境は、アプリケーション1132がランタイム環境を含む任意のオペレーティングシステム上で実行することを可能にする一貫した実行環境である。同様に、オペレーティングシステム1130は、コンテナをサポートすることができ、アプリケーション1132は、例えば、コード、ランタイム、システムツール、システムライブラリ、およびアプリケーションの設定を含むソフトウェアの軽量のスタンドアロンの実行可能パッケージであるコンテナの形態であり得る。
【0121】
さらに、コンピュータ1102は、信頼できる処理モジュール(TPM)などのセキュリティモジュールを用いることができる。例えば、TPMでは、ブートコンポーネントは、次回のブートコンポーネントをハッシュし、次回のブートコンポーネントをロードする前に、セキュア値に対する結果の一致を待つ。このプロセスは、コンピュータ1102のコード実行スタック内の任意の層で行うことができ、例えば、アプリケーション実行レベルまたはオペレーティングシステム(OS)カーネルレベルで適用され、それによって、任意のレベルのコード実行におけるセキュリティを可能にする。
【0122】
ユーザは、キーボード1138、タッチスクリーン1140、及びマウス1142などのポインティングデバイスなどの1つ以上の有線/無線入力デバイスを介して、コマンド及び情報をコンピュータ1102に入力することができる。他の入力デバイス(不図示)は、マイクロフォン、赤外線(IR)リモートコントロール、無線周波数(RF)リモートコントロール、または他のリモートコントロール、ジョイスティック、仮想現実コントローラおよび/または仮想現実ヘッドセット、ゲームパッド、スタイラスペン、画像入力デバイス、例えば、カメラ、ジェスチャセンサ入力デバイス、視覚運動センサ入力デバイス、感情または顔検出デバイス、バイオメトリック入力デバイス、例えば、指紋または虹彩スキャナなどを含むことができる。これらおよび他の入力デバイスは、システムバス1108に結合され得るが、パラレルポート、IEEE1394シリアルポート、ゲームポート、USBポート、IRインターフェース、BLUETOOTH(商標)インターフェースなどの他のインターフェースによって接続され得る入力デバイスインターフェース1144を介して処理ユニット1104に接続されることが多い。
【0123】
モニタ1146または他のタイプのディスプレイデバイスも、ビデオアダプタ1148などのインターフェースを介してシステムバス1108に接続され得る。モニタ1146に加えて、コンピュータは通常、スピーカ、プリンタなどの他の周辺出力デバイス(図示せず)を含む。
【0124】
コンピュータ1102は、リモートコンピュータ1150などの1つ以上のリモートコンピュータへの有線及び/又は無線通信を介した論理接続を使用してネットワーク環境で動作することができる。リモートコンピュータ1150は、ワークステーション、サーバコンピュータ、ルータ、パーソナルコンピュータ、ポータブルコンピュータ、マイクロプロセッサベースの娯楽機器、ピアデバイス、または他の一般的なネットワークノードとすることができ、通常、コンピュータ1102に関して説明した要素の多くまたはすべてを含むが、簡潔にするために、メモリ/記憶デバイス1152のみが示されている。図示される論理接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)1154及び/又はより大きなネットワーク、例えば、ワイドエリアネットワーク(WAN)1156への有線/無線接続を含む。そのようなLANおよびWANネットワーキング環境は、オフィスおよび企業では一般的であり、イントラネットなどの企業規模のコンピュータネットワークを容易にし、そのすべてがグローバル通信ネットワーク、たとえばインターネットに接続することができる。
【0125】
LANネットワーキング環境で使用される場合、コンピュータ1102は、有線及び/又は無線通信ネットワークインターフェース又はアダプタ1158を介してローカルネットワーク1154に接続することができる。アダプタ1158は、LAN1154への有線または無線通信を容易にすることができ、LANはまた、無線モードでアダプタ1158と通信するためにその上に配置された無線アクセスポイント(AP)を含むことができる。
【0126】
WANネットワーキング環境で使用される場合、コンピュータ1102は、モデム1160を含むことができ、またはインターネットなどによってWAN1156上で通信を確立するための他の手段を介してWAN1156上の通信サーバに接続することができる。モデム1160は、内部又は外部及び有線又は無線デバイスとすることができ、入力デバイスインターフェース1144を介してシステムバス1108に接続することができる。ネットワーク環境では、コンピュータ1102またはその一部に関して示されるプログラムモジュールは、リモートメモリ/記憶デバイス1152に記憶され得る。示されたネットワーク接続は例であり、コンピュータ間の通信リンクを確立する他の手段が使用され得ることが理解されよう。
【0127】
LANまたはWANネットワーキング環境のいずれかで使用されるとき、コンピュータ1102は、限定はしないが、情報の記憶または処理の1つまたは複数の態様を提供するネットワーク仮想マシンなどの、上記のような外部記憶デバイス1116に加えて、またはその代わりに、クラウドストレージシステムまたは他のネットワークベースのストレージシステムにアクセスすることができる。一般に、コンピュータ1102とクラウドストレージシステムとの接続は、LAN1154またはWAN1156を介して、例えば、それぞれアダプタ1158またはモデム1160によって確立することができる。コンピュータ1102を関連するクラウドストレージシステムに接続すると、外部ストレージインターフェース1126は、アダプタ1158および/またはモデム1160を用いて、クラウドストレージシステムによって提供されるストレージを他のタイプの外部ストレージと同様に管理することができる。例えば、外部ストレージインターフェース1126は、クラウドストレージソースへのアクセスを、それらのソースがコンピュータ1102に物理的に接続されているかのように提供するように構成することができる。
【0128】
コンピュータ1102は、無線通信において動作可能に配置された任意の無線デバイス又はエンティティ、例えば、プリンタ、スキャナ、デスクトップ及び/又はポータブルコンピュータ、ポータブルデータアシスタント、通信衛星、無線で検出可能なタグに関連付けられた任意の機器又は場所(例えば、キオスク、ニューススタンド、商品棚などである)、並びに電話と通信するように動作可能であり得る。これは、ワイヤレスフィデリティ(Wi-Fi)およびBLUETOOTH(商標)ワイヤレス技術を含むことができる。したがって、通信は、従来のネットワークと同様に所定の構造であってもよく、または単に少なくとも2つのデバイス間のアドホック通信であってもよい。
【0129】
図12は、開示される主題が相互作用することができるサンプルコンピューティング環境(sample computing environment)1200の概略ブロック図である。サンプルコンピューティング環境1200は1つ以上のクライアント1210を含む。クライアント1210は、ハードウェアおよび/またはソフトウェア(例えば、スレッド、プロセス、コンピューティングデバイス)であり得る。サンプルコンピューティング環境1200はまた、1つ以上のサーバ1230を含む。サーバ1230は、ハードウェアおよび/またはソフトウェア(例えば、スレッド、プロセス、コンピューティングデバイス)であってもよい。サーバ1230は、例えば、本明細書に記載の1つ以上の実施形態を採用することによって、変換を実行するスレッドを収容することができる。クライアント1210とサーバ1230の間の可能な通信は、複数のコンピュータプロセス間で送信されるように適合されたデータパケットの形態であり得る。サンプルコンピューティング環境1200は、クライアント1210とサーバ1230の間の通信を容易にするために用いることができる通信フレームワーク1250を含む。1または複数のクライアント1210は、1または複数のクライアント1210にローカルな情報を記憶するために用いることができる1つ以上のクライアントデータストア1220に動作可能に接続される。同様に、サーバ1230は、サーバ1230にローカルな情報を記憶するために用いることができる1つ以上のサーバデータストア1240に動作可能に接続される。
【0130】
本明細書で説明される様々な実施形態は、統合の任意の可能な技術的詳細レベルにおけるシステム、方法、装置、および/またはコンピュータプログラムプロダクトであり得る。コンピュータプログラムプロダクトは、本明細書に記載の様々な実施形態の態様をプロセッサに実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(または媒体)を含むことができる。コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによって使用するための命令を保持および記憶することができる有形デバイスとすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、又はこれらの任意の適切な組み合わせであり得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な実施例の非網羅的なリストはまた、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、命令が記録されたパンチカードまたは溝の隆起構造などの機械的に符号化されるデバイス、および前述の任意の適切な組合せを含むことができる。本明細書で使用されるコンピュータ可読記憶媒体は、電波もしくは他の自由に伝搬する電磁波、導波管もしくは他の伝送媒体を伝搬する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、またはワイヤを介して伝送される電気信号など、それ自体が一時的信号であると解釈されるべきではない。
【0131】
本明細書で説明されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング/処理デバイスに、またはネットワーク、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、および/またはワイヤレスネットワークを介して外部コンピュータもしくは外部記憶デバイスにダウンロードされ得る。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータおよび/またはエッジ・サーバを含むことができる。各コンピューティング/処理デバイス内のネットワークアダプタカードまたはネットワークインターフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体に記憶するためにコンピュータ可読プログラム命令を転送する。本明細書で説明する様々な実施形態の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路の構成データ、またはSmalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの手続き型プログラミング言語を含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで書かれたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかであり得る。コンピュータ可読プログラム命令は、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして実行することができ、部分的にユーザのコンピュータ上で、部分的にリモートコンピュータ上で、または完全にリモートコンピュータもしくはサーバ上で実行することができる。後者のシナリオでは、リモート・コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)またはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続することができ、または(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)外部コンピュータへの接続を行うことができる。いくつかの実施形態では、例えば、プログラマブル論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはプログラマブル論理アレイ(PLA)を含む電子回路は、本明細書で説明される様々な実施形態の態様を実行するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して電子回路を個人化することによって、コンピュータ可読プログラム命令を実行することができる。
【0132】
様々な実施形態の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラムプロダクトのフローチャート図および/またはブロック図を参照して本明細書で説明される。フローチャート図および/またはブロック図の各ブロック、ならびにフローチャート図および/またはブロック図内のブロックの組合せは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装され得ることが理解されよう。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実装するための手段を作成するように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサに提供されてマシンを作り出すことができる。これらのコンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、プログラマブルデータ処理装置、および/または他のデバイスに特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読記憶媒体に記憶することができ、その結果、その中に記憶された命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能/動作の態様を実装する命令を含む製造品を備える。コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で実行する命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックに指定された機能/動作を実装するように、コンピュータ実装プロセスを生成するために、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他のデバイス上にロードされ、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で一連の動作行為を実行させることができる。
【0133】
図中のフローチャートおよびブロック図は、本明細書に記載の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラムプロダクトの可能な実装形態のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。この点に関して、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、指定された論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能命令を含む、命令のモジュール、セグメント、または部分を表すことができる。いくつかの代替実装形態では、ブロックに記載された機能は、図面に記載された順序とは異なる順序で行われ得る。例えば、連続して示される2つのブロックは、関与する機能に応じて、実際には実質的に同時に実行することができ、またはブロックは時々逆の順序で実行することができる。ブロック図および/またはフローチャート図の各ブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャート図内のブロックの組合せは、指定された機能もしくは動作を実行するか、または専用ハードウェアとコンピュータ命令との組合せを実行する専用ハードウェアベースのシステムによって実装され得ることにも留意されたい。
【0134】
本主題は、コンピュータおよび/または複数のコンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムプロダクトのコンピュータ実行可能命令の一般的な文脈において上記で説明されているが、当業者は、本開示がまた、他のプログラムモジュールと組み合わせて実装され得る、または実装され得ることを認識するであろう。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行し、および/または特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造などを含む。さらに、当業者は、本発明のコンピュータ実装方法が、シングルプロセッサまたはマルチプロセッサコンピュータシステム、ミニコンピューティングデバイス、メインフレームコンピュータ、ならびにコンピュータ、ハンドヘルドコンピューティングデバイス(例えば、PDA、電話)、マイクロプロセッサベースまたはプログラマブル民生用または産業用電子機器などを含む、他のコンピュータシステム構成で実施され得ることを理解するであろう。図示された態様は、通信ネットワークを介してリンクされたリモート処理デバイスによってタスクが実行される分散コンピューティング環境でも実施することができる。しかしながら、本開示のすべてではないが、いくつかの態様は、スタンドアロンコンピュータ上で実施され得る。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、ローカルメモリ記憶デバイスとリモートメモリ記憶デバイスの両方に配置することができる。
【0135】
本出願で使用される場合、「コンポーネント」、「システム」、「プラットフォーム」、「インターフェース」などの用語は、コンピュータ関連エンティティ、または1つまたは複数の特定の機能を有する動作機械に関連するエンティティを指すことができ、および/または含むことができる。本明細書に開示されるエンティティは、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアのいずれかであり得る。例えば、コンポーネントは、限定はしないが、プロセッサ上で実行されるプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータであり得る。例示のために、サーバ上で実行されるアプリケーションとサーバの両方がコンポーネントであり得る。1つまたは複数のコンポーネントは、実行のプロセスおよび/またはスレッド内に存在することができ、コンポーネントは、1コンピュータ上にローカライズすることができ、および/または2つ以上のコンピュータ間に分散させることができる。別の例において、それぞれのコンポーネントは、様々なデータ構造を記憶した様々なコンピュータ可読媒体から実行することができる。コンポーネントは、例えば1つ以上のデータパケット(例えば、ローカルシステム、分散システム、および/またはインターネットなどのネットワークを介して他のシステムと信号を介して相互作用する1つのコンポーネントからのデータ)を有する信号に従って、ローカル及び/又はリモートプロセスを介して通信することができる。別の例を挙げると、コンポーネントは、プロセッサによって実行されるソフトウェアまたはファームウェアアプリケーションによって動作される、電気回路または電子回路によって動作される機械部品によって提供される特定の機能を有する装置であり得る。そのような場合、プロセッサは、装置の内部または外部にあり得、ソフトウェアまたはファームウェアアプリケーションの少なくとも一部を実行し得る。さらに別の例において、コンポーネントは、機械部品なしで電子構成要素を通じて特定の機能を提供する装置であってもよく、電子構成要素は、電子構成要素の機能を少なくとも部分的に与えるソフトウェアまたはファームウェアを実行するためのプロセッサまたは他の手段を含むことができる。一態様では、コンポーネントは、例えば、クラウドコンピューティングシステム内で、仮想マシンを介して電子コンポーネントをエミュレートすることができる。
【0136】
さらに、「または」という用語は、排他的な「または」(exclusive “or”)ではなく、包括的な「または」( inclusive “or”)を意味するものとする。すなわち、別段の指定がない限り、または文脈から明らかでない限り、「XはAまたはBを採用する」は、自然な包含的置換のいずれかを意味するものとする。すなわち、XがAを採用する場合、XがBを採用する場合、またはXがAおよびBの両方を採用する場合、「XがAまたはBを採用する」は、前述のインスタンスのいずれかの下で満たされる。さらに、本明細書および添付の図面で使用される冠詞「a」および「an」は一般に、別段の指定がない限り、または文脈から単数形を指すことが明らかでない限り、「1つまたは複数」を意味すると解釈されるべきである。本明細書で使用する「例」および/または「例示的」という用語は、例、事例、または例示として機能することを意味するために利用される。誤解を避けるために、本明細書に開示される主題は、そのような例によって限定されない。加えて、本明細書で「例」および/または「例示的」と説明される任意の態様または設計は、必ずしも他の態様または設計よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではなく、当業者に知られている同等の例示的な構造および技法を除外することを意味するものでもない。
【0137】
本明細書で使用される場合、「プロセッサ」という用語は、限定はしないが、シングルコアプロセッサ、ソフトウェアマルチスレッド実行能力を有するシングルプロセッサ、マルチコアプロセッサ、ソフトウェアマルチスレッド実行能力を有するマルチコアプロセッサ、ハードウェアマルチスレッド技術を有するマルチコアプロセッサ、並列プラットフォーム、および分散共有メモリを有する並列プラットフォームを含む、実質的に任意のコンピューティング処理ユニットまたはデバイスを指すことができる。加えて、プロセッサは、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理コントローラ(PLC)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを指すことがある。さらに、プロセッサは、空間使用を最適化するために、またはユーザ機器の性能を向上させるために、分子および量子ドットベースのトランジスタ、スイッチ、およびゲートなどの、ただしこれらに限定されない、ナノスケールアーキテクチャを利用することができる。プロセッサはまた、コンピューティング処理ユニットの組合せとして実装され得る。本開示では、コンポーネントの動作および機能に関連する「ストア」、「ストレージ」、「データストア」、「データストレージ」、「データベース」、および実質的に任意の他の情報記憶コンポーネントなどの用語は、「メモリコンポーネント」、「メモリ」において具現化されるエンティティ、またはメモリを備えるコンポーネントを指すために利用される。本明細書で説明されるメモリおよび/またはメモリ構成要素は、揮発性メモリまたは不揮発性メモリのいずれかであり得るか、または揮発性メモリと不揮発性メモリの両方を含み得ることを諒解されたい。例示であって限定ではないが、不揮発性メモリは、リードオンリーメモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、または不揮発性ランダムアクセスメモリ(RAM)(例えば、強誘電体RAM(FeRAM))を含むことができる。揮発性メモリは、例えば、外部キャッシュメモリとして機能することができるRAMを含むことができる。例示であって限定ではないが、RAMは、同期RAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、同期DRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDRSDRAM)、拡張SDRAM(ESDRAM)、SynchlinkDRAM(SLDRAM)、直接RambusRAM(DRRAM)、直接RambusダイナミックRAM(DRDRAM)、およびRambusダイナミックRAM(RDRAM)などの多くの形態で利用可能である。加えて、本明細書のシステムまたはコンピュータ実装方法の開示されたメモリ構成要素は、これらおよび任意の他の適切なタイプのメモリを含むことが意図されるが、含むことに限定されない。
【0138】
上述したものは、システム及びコンピュータ実装方法の単なる例を含む。当然ながら、本開示を説明する目的でコンポーネントまたはコンピュータ実装方法の考えられるすべての組合せを説明することは不可能であるが、当業者は、本開示の多くのさらなる組合せおよび置換が可能であることを認識することができる。さらに、「含む(includes)」、「有する(has)」、「所有する(possesses)」などの用語が、発明を実施するための形態、特許請求の範囲、付録、および図面において使用される限りにおいて、そのような用語は、「含む(comprising)」が特許請求の範囲において移行語として使用されるときに解釈されるように、「含む(comprising)」という用語と同様の方法で包括的であることが意図される。
【0139】
様々な実施形態の説明は、例示を目的として提示されているが、網羅的であること、または開示された実施形態に限定されることを意図するものではない。記載された実施形態の範囲および趣旨から逸脱することなく、多くの修正および変形が当業者には明らかであろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、実際の適用、または市場で見出される技術に対する技術的改善を最もよく説明するために、または当業者が本明細書で開示される実施形態を理解することを可能にするために選択された。
【0140】
[実施形態1]
コンピュータ可読メモリに記憶されたコンピュータ実行可能コンポーネントを実行するプロセッサであって、前記コンピュータ実行可能コンポーネントは、
医用スキャナの第1のガントリ角度にアクセスするレシーバコンポーネントと、
前記第1のガントリ角度に基づいて、複数のガントリ角度を複数の焦点変位に相関させるマッピングを参照することによって、前記医用スキャナの焦点の第1の変位を決定する変位コンポーネントと、
前記医用スキャナの1つ以上の焦点位置調整器を介して前記第1の変位を補償する実行コンポーネントと、を含む、システム。
[実施形態2]
前記レシーバコンポーネントは、前記医用スキャナの第1の電圧レベルにさらにアクセスし、前記マッピングは、複数の電圧レベルを複数の焦点変位にさらに相関させ、前記変位コンポーネントは、前記第1の電圧レベルに基づいて前記医用スキャナの前記焦点の前記第1の変位を決定する、実施形態1に記載のシステム。
[実施形態3]
実施形態1または2に記載のシステムであって、較正コンポーネントをさらに含み、
前記較正コンポーネントは、
複数のガントリ角度にわたって前記医用スキャナを掃引するステップと、
前記複数のガントリ角度のそれぞれにおいて、前記医用スキャナの前記焦点が所定の位置からどの程度離れてどの方向にドリフトしているかを測定するステップと、
によってマッピングを生成する。
[実施形態4]
前記1つ以上の焦点位置調整器は、前記第1の変位とは反対方向に前記焦点を移動させ、前記1つ以上の焦点位置調整器は、前記第1の変位の大きさに等しい距離だけ前記焦点を移動させる、実施形態1乃至3のいずれかに記載のシステム。
[実施形態5]
前記医用スキャナの前記1つ以上の焦点位置調整器は、磁気双極子または静電偏向電極である、実施形態1乃至4のいずれかに記載のシステム。
[実施形態6]
前記医用スキャナは、コンピュータ断層撮影スキャナ又はトモシンセシスマンモグラフィスキャナである、実施形態1乃至5のいずれかに記載のシステム。
[実施形態7]
前記レシーバコンポーネントは、前記実行コンポーネントが前記第1の変位を補償した後に前記医用スキャナの第2のガントリ角度にアクセスし、前記変位コンポーネントは、前記第2のガントリ角度に基づいて、複数のガントリ角度を複数の焦点変位に相関させる前記マッピングを参照することによって、前記医用スキャナの前記焦点の第2の変位を決定し、前記実行コンポーネントは、前記医用スキャナの前記1つ以上の焦点位置調整器を介して前記第2の変位を補償する、実施形態1乃至6のいずれかに記載のシステム。
[実施形態8]
コンピュータ実装方法であって、
プロセッサに動作可能に結合されたデバイスによって、医用スキャナの第1のガントリ角度にアクセスするステップと、
前記デバイスによって、前記第1のガントリ角度に基づいて、複数のガントリ角度を複数の焦点変位に相関させるマッピングを参照することによって、前記医用スキャナの焦点の第1の変位を決定するステップと、
前記デバイスによって、前記医用スキャナの1つまたは複数の焦点位置調整器を介して前記第1の変位を補償するステップと、を含む方法。
[実施形態9]
前記デバイスによって、前記医用スキャナの第1の電圧レベルにアクセスするステップであって、前記マッピングは、複数の電圧レベルを複数の焦点変位にさらに相関させる、前記ステップと、
前記第1の電圧レベルに基づいて、前記医用スキャナの前記焦点の前記第1の変位を前記デバイスによって決定するステップと、
をさらに含む、実施形態8に記載のコンピュータ実装方法。
[実施形態10]
前記デバイスによって、前記マッピングを生成するステップは、
前記デバイスによって、複数のガントリ角度にわたって前記医用スキャナをスイープするステップと、
前記医用スキャナの前記焦点が所定の位置からどの程度離れて、どの方向にドリフトしているかを、前記デバイスによって、前記複数のガントリ角度のそれぞれで測定することステップと、
をさらに含む、実施形態8または9に記載のコンピュータ実装方法。
[実施形態11]
前記1つまたは複数の磁気焦点位置調整器は、前記焦点を前記第1の変位とは反対方向に移動させ、前記1つまたは複数の焦点位置調整器は、前記焦点を前記第1の変位の大きさに等しい距離だけ移動させる、実施形態8乃至10のいずれかに記載のコンピュータ実装方法。
[実施形態12]
前記医用スキャナの前記1つまたは複数の焦点位置調整器は、磁気双極子または静電偏向電極である、実施形態8乃至11のいずれかに記載のコンピュータ実装方法。
[実施形態13]
前記医用スキャナは、コンピュータ断層撮影スキャナまたはトモシンセシスマンモグラフィスキャナである、実施形態8乃至12のいずれかに記載のコンピュータ実装方法。
[実施形態14]
前記第1の変位の補償後に、前記デバイスによって、前記医用スキャナの第2のガントリ角度にアクセスするステップと、
前記デバイスにより、前記第2のガントリ角度に基づいて、複数のガントリ角度を複数の焦点変位に相関させる前記マッピングを参照することにより、前記医用スキャナの前記焦点の第2の変位を決定するステップと、
前記デバイスによって、医用スキャナの1つまたは複数の焦点位置調整器を介して前記第2の変位を補償するステップと、
をさらに含む、実施形態8乃至13のいずれかに記載のコンピュータ実装方法。
[実施形態15]
スキャン内焦点変位(intra-scan focal-spot displacement)の補正を容易に(facilitat)するためのコンピュータプログラムプロダクトであって、前記コンピュータプログラムプロダクトは、プログラム命令を有するコンピュータ可読メモリを備え、前記プログラム命令は、前記プロセッサに、
医用スキャナの第1のガントリ角度にアクセスするステップと、
前記第1のガントリ角度に基づいて、複数のガントリ角度を複数の焦点変位に相関させるマッピングを参照することによって、前記医用スキャナの焦点の第1の変位を決定するステップと、
前記医用スキャナの1つ以上の焦点位置調整器によって前記第1の変位を補償するステップと、
を実行させる、コンピュータプログラムプロダクト。
[実施形態16]
前記プログラム命令はさらに、前記プロセッサに、
前記医用スキャナの第1の電圧レベルにアクセスするステップであって、前記マッピングは、複数の電圧レベルを複数の焦点変位にさらに相関させる、前記ステップと、
前記第1の電圧レベルに基づいて、前記医用スキャナの前記焦点の前記第1の変位を決定するステップと、
を実行させる、実施形態15に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
[実施形態17]
前記プログラム命令はさらに、前記プロセッサに、
複数のガントリ角度にわたって前記医用スキャナを掃引するステップと、
前記複数のガントリ角度のそれぞれにおいて、前記医用スキャナの前記焦点が所定の位置からどの程度離れてどの方向にドリフトしているかを測定するステップと、
によって前記マッピングを生成するステップを実行させる、実施形態15または16に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
[実施形態18]
前記1つ以上の焦点位置調整器は、前記焦点を前記第1の変位とは反対方向に移動させ、前記1つ以上の焦点位置調整器は、前記焦点を前記第1の変位の大きさに等しい距離だけ移動させる、実施形態15乃至17のいずれかに記載のコンピュータプログラムプロダクト。
[実施形態19]
前記医用スキャナの前記1つ以上の焦点位置調整器は、磁気双極子又は静電偏向電極である、実施形態15乃至18のいずれかに記載のコンピュータプログラムプロダクト。
[実施形態20]
前記医用スキャナは、コンピュータ断層撮影スキャナ又はトモシンセシスマンモグラフィスキャナである、実施形態15乃至19のいずれかに記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【符号の説明】
【0141】
100:システム 102:焦点補償システム 104:医用スキャナ 106:プロセッサ 108:コンピュータ可読メモリ 110:較正コンポーネント 112:レシーバコンポーネント 114:変位コンポーネント 116:実行コンポーネント 118:X線管 120:ガントリ 122:磁気双極子 202:X線 204:回転方向 302、304、306、308:ガントリ角度 310:焦点スポット 402:マッピング 502:電圧のセット 504:複数のガントリ角度のセット 506:焦点変位のセット 702:現在のガントリ角度 704:現在の電圧 802:現在の焦点スポット変位 1100:例示的な環境 1102:コンピュータ 1104:処理ユニット 1106:システムメモリ 1108:システムバス 1110:ROM 1112:RAM 1114:内部ハードディスクドライブ 1116:外部記憶装置 1120:ドライブ 1122:ディスク 1124、1126、1128:インターフェース 1130:オペレーティングシステム 1132:アプリケーション 1134:モジュール 1136:データ 1138:キーボード 1140:タッチスクリーン 1142:マウス 1144:入力装置インターフェース 1146:モニタ 1148:ビデオアダプタ 1150:リモートコンピュータ 1152:メモリ/ストレージ 1154:LAN 1156:WAN 1158:ネットワークアダプタ 1160:モデム 1200:サンプルコンピューティング環境 1210:クライアント 1220:クライアントデータストア 1230:サーバ 1240:サーバデータストア 1250:通信フレームワーク