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特許7567016情報処理装置、情報処理システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20241007BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20241007BHJP
【FI】
G07G1/12 341B
G07G1/12 321G
G06Q30/06
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023199891
(22)【出願日】2023-11-27
(62)【分割の表示】P 2020007515の分割
【原出願日】2020-01-21
(65)【公開番号】P2024020540
(43)【公開日】2024-02-14
【審査請求日】2023-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】中園 健士
(72)【発明者】
【氏名】西田 真琴
(72)【発明者】
【氏名】中村 一輝
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 圭一
(72)【発明者】
【氏名】荒井 康博
(72)【発明者】
【氏名】南部 和哉
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-289386(JP,A)
【文献】特開2019-101531(JP,A)
【文献】特開2017-062703(JP,A)
【文献】特開2016-027506(JP,A)
【文献】特開平09-147238(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 5/00
G06Q 10/00-10/30,
30/00-30/08,
50/00-50/20,
50/26-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済センターとの通信により決済可能な取引を処理する情報処理装置であって、
オフラインで決済可能な取引を処理するPOS端末を用いた取引に関する各項目の集計情報を含む第1の取引データを前記POS端末から取得する取得部と、
前記第1の取引データから抽出する集計情報の項目を設定した前記POS端末に関する設定情報に基づいて、前記第1の取引データから集計情報を抽出する抽出部と、
前記第1の取引データから抽出された集計情報及び前記情報処理装置を用いた取引に関する各項目の集計情報を用いて、取引に関する各項目の集計情報を含む第2の取引データを生成する生成部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記生成部は、前記第2の取引データに含まれる各項目のうち前記第1の取引データから抽出された各項目及び前記情報処理装置を用いた取引に関する各項目の何れか1つの項目に対応付かない非対応項目について、前記第1の取引データから抽出された2以上の項目の集計情報を用いて、前記非対応項目の集計情報を求める、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2の取引データを表示部に表示させる表示制御部をさらに備え、
前記生成部は、前記第2の取引データに含まれる少なくとも1つの項目の集計情報に対する変更指示に応じて、前記第2の取引データを変更する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
決済センターとの通信により決済可能な取引を処理する情報処理装置のコンピュータに、
オフラインで決済可能な取引を処理するPOS端末を用いた取引に関する各項目の集計情報を含む第1の取引データを前記POS端末から取得する取得部と、
前記第1の取引データから抽出する集計情報の項目を設定した前記POS端末に関する設定情報に基づいて、前記第1の取引データから集計情報を抽出する抽出部と、
前記第1の取引データから抽出された集計情報及び前記情報処理装置を用いた取引に関する各項目の集計情報を用いて、取引に関する各項目の集計情報を含む第2の取引データを生成する生成部と、
を実現させるプログラム。
【請求項5】
前記生成部は、前記第2の取引データに含まれる各項目のうち前記第1の取引データから抽出された各項目及び前記情報処理装置を用いた取引に関する各項目の何れか1つの項目に対応付かない非対応項目について、前記第1の取引データから抽出された2以上の項目の集計情報を用いて、前記非対応項目の集計情報を求める、請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータに、
前記第2の取引データを表示部に表示させる表示制御部をさらに実現させ、
前記生成部は、前記第2の取引データに含まれる少なくとも1つの項目の集計情報に対する変更指示に応じて、前記第2の取引データを変更する、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項7】
オフラインで決済可能な取引を処理するPOS端末と、
決済センターとの通信により決済可能な取引を処理する情報処理装置と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記POS端末を用いた取引に関する各項目の集計情報を含む第1の取引データを前記POS端末から取得する取得部と、
前記第1の取引データから抽出する集計情報の項目を設定した前記POS端末に関する設定情報に基づいて、前記第1の取引データから集計情報を抽出する抽出部と、
前記第1の取引データから抽出された集計情報及び前記情報処理装置を用いた取引に関する各項目の集計情報を用いて、取引に関する各項目の集計情報を含む第2の取引データを生成する生成部と、
を備える、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ショッピングセンターなどの施設内の各テナントでは、種々のメーカーまたは機種のPOS(Point Of Sales)端末が使われている。各POS端末で扱われるデータフォーマットは、データに含まれる項目など、デベロッパで用いられているテナント売上管理サーバで識別可能なフォーマットではないことがある。そのため、各テナントのPOS端末をテナント売上管理サーバと直接接続することは難しい。そこで、各テナントは、テナント売上管理サーバへのデータの送信については、テナント売上管理サーバと接続されているインプット端末を用いる。
【0003】
各テナントは、営業終了後に1日分の取引に関する精算報告をデベロッパに対して行う。各テナントは、POS端末で発行された精算レシートの現物を見ながら、施設で管理する精算項目に合わせてインプット端末に報告値を手入力する。各テナントは、インプット端末からテナント売上管理サーバへ精算データを送信する。さらに、各テナントは、インプット端末に入力した精算データの整合性を示すために、精算レシートの現物をデベロッパへ提出する。他方、デベロッパは、テナント売上管理サーバで各テナントから受信した精算データと、各テナントから提出された精算レシートの数値の正誤をチェックする。
【0004】
また、各テナントは、開店から営業中の点検時刻までの取引に関する点検報告をデベロッパに対して行う。各テナントは、POS端末の点検レシートを見ながら、インプット端末に総売上及び客数などの点検項目に報告値を手入力する。各テナントは、インプット端末からテナント売上管理サーバへ点検データを送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-230545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、各テナントは、精算報告では、POS端末の精算レシートを見ながらインプット端末に報告値を手入力するので、精算報告を完了するまでに時間を要する。加えて、各テナントは、インプット端末に入力する報告値について、計算間違いまたは入力間違いを起こすことがある。他方、デベロッパは、テナント毎に、精算レシートのどの精算項目の値に基づいて精算データのどの精算項目に報告値を入力しているのかを確認しなければならない。加えて、デベロッパは、各テナントから提出された精算レシートを各テナントへ返却しなければならない。また、各テナントは、点検報告では、POS端末の点検レシートを見ながらインプット端末に総売上及び客数などの報告値を手入力する作業を1日に何度も行わなければならない。加えて、各テナントは、インプット端末に入力する総売上及び客数について、入力間違いを起こすことがある。
【0007】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、精算または点検に関する報告を支援することができる技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態において、情報処理装置は、取得部と、抽出部と、生成部とを備える。前記取得部は、POS端末を用いた取引に関する各項目の集計情報を含む第1の取引データを前記POS端末から取得する。前記抽出部は、前記第1の取引データから抽出する集計情報の項目を設定した前記POS端末に関する設定情報に基づいて、前記第1の取引データから集計情報を抽出する。前記生成部は、前記第1の取引データから抽出された集計情報を用いて、取引に関する各項目の集計情報を含む第2の取引データを生成する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る情報処理システムを例示するブロック図。
図2】実施形態に係る精算レシートデータの構成例を示す図。
図3】実施形態に係る第1の精算項目情報データの構成例を示す図。
図4】実施形態に係る第2の精算項目情報データの構成例を示す図。
図5】実施形態に係る精算データの構成例を示す図。
図6】実施形態に係る情報処理装置による精算データの生成処理の手順を例示するフローチャート。
図7】実施形態に係る情報処理装置による精算レシートデータの要求処理の手順を例示するフローチャート。
図8】実施形態に係る第1の精算項目情報データの構成例を示す図。
図9】実施形態に係る精算データの構成例を示す図。
図10】実施形態に係る第1の精算項目情報データの構成例を示す図。
図11】実施形態に係る点検レシートデータの構成例を示す図。
図12】実施形態に係る点検項目情報データの構成例を示す図。
図13】実施形態に係る点検データの構成例を示す図。
図14】実施形態に係る情報処理装置による点検データの生成処理の手順を例示するフローチャート。
図15】実施形態に係る情報処理装置によるアラートの表示処理の手順を例示するフローチャート。
図16】実施形態に係る情報処理装置による点検レシートデータの要求処理の手順を例示するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理システム10を例示するブロック図である。
例えば、情報処理システム10は、ショッピングセンターなどの施設に適用される。 情報処理システム10は、複数のPOS端末1-1~1-n(nは2以上の整数)、複数の情報処理装置2-1~2-n及びサーバ3を有する。なお、情報処理システム10は、複数のPOS端末1-1~1-n、複数の情報処理装置2-1~2-n及びサーバ3のうちの少なくとも2つを有するシステムを指すこともある。
【0011】
施設内の複数のテナントT-1~T-nのそれぞれは、1台のPOS端末及び1台の情報処理装置を有する。テナントT-1は、POS端末1-1及び情報処理装置2-1を有する。同様に、テナントT-nは、POS端末1-n及び情報処理装置2-nを有する。
【0012】
POS端末1-1は、オフラインで決済可能な取引を処理する端末である。例えば、オフラインで決済可能な取引は、現金及び商品券などによる取引である。POS端末1-1は、取引に関する各項目の集計情報を記憶する。例えば、集計情報は、金額または人数などを集計した積算値である。POS端末1-1は、取引を終了するごとに、取引に関する各項目の集計情報を更新する。POS端末1-1は、決済センターとの通信により決済可能な取引を処理しないものとする。例えば、決済センターとの通信により決済可能な取引は、クレジットカード、電子マネー、デビットカード及びコード決済などによる取引である。POS端末1-1は、情報処理装置2-1と通信可能に接続されている。
【0013】
POS端末1-1は、テナントT-1に関する精算レシートを発行する。テナントT-1に関する精算レシートは、POS端末1-1に関する精算レシートということもできる。精算レシートは、POS端末1-1を用いた1日分の取引に関する各精算項目の集計情報を含むレシートである。なお、精算レシートは、取引別精算レシート、部門別精算レシート、クレジット精算レシート、電子マネー精算レシートまたはポイント精算レシートなどの細かい単位でもよい。精算項目は、1日分の取引に関する集計情報であることを示す項目である。精算レシートに含まれる各精算項目は、POS端末1-1に固有のフォーマットとして予め決められたものである。POS端末1-1は、精算レシートデータを情報処理装置2-1へ出力する。例えば、POS端末1-1は、精算レシートのキャプチャによりXmlファイルの精算レシートデータを生成し、テナントT-1に関する精算レシートデータを情報処理装置2-1へ出力する。POS端末1-1は、テナントT-1の閉店時刻以後の時刻に店員によって入力された精算レシートデータの出力指示に基づいて、精算レシートデータを情報処理装置2-1へ出力する。これに代えて、POS端末1-1は、情報処理装置2-1からの精算レシートデータの要求に応じて、精算レシートデータを情報処理装置2-1へ出力する。精算レシートデータは、POS端末1-1を用いた取引に関する各項目の集計情報を含む第1の取引データの一例である。精算レシートデータの構成例については後述する。
【0014】
POS端末1-1は、テナントT-1に関する点検レシートを発行する。テナントT-1に関する点検レシートは、POS端末1-1に関する点検レシートということもできる。点検レシートは、POS端末1-1を用いた開店から営業中の点検時刻までの取引に関する各点検項目の集計情報を含むレシートである。なお、点検レシートは、取引別点検レシート、部門別点検レシート、クレジット点検レシート、電子マネー点検レシートまたはポイント点検レシートなどの細かい単位でもよい。点検項目は、開店から営業中の点検時刻までの取引に関する集計情報であることを示す項目である。点検レシートに含まれる各点検項目は、POS端末1-1に固有のフォーマットとして予め決められたものである。POS端末1-1は、テナントT-1に関する点検レシートデータを情報処理装置2-1へ出力する。例えば、POS端末1-1は、点検レシートのキャプチャによりXmlファイルの点検レシートデータを生成し、点検レシートデータを情報処理装置2-1へ出力する。POS端末1-1は、点検時刻以後の時刻に店員によって入力された点検レシートデータの出力指示に基づいて、点検レシートデータを情報処理装置2-1へ出力する。これに代えて、POS端末1-1は、情報処理装置2-1からの点検レシートデータの要求に応じて、点検レシートデータを情報処理装置2-1へ出力する。点検レシートデータは、POS端末1-1を用いた取引に関する各項目の集計情報を含む第1の取引データの一例である。点検レシートデータの構成例については後述する。
【0015】
POS端末1-nの構成は、POS端末1-1の構成と同様であるので、その説明を省略する。
【0016】
情報処理装置2-1は、決済センターとの通信により決済可能な取引を処理する装置である。情報処理装置2-1は、POS端末1-1と通信可能に接続されている。情報処理装置2-1は、ネットワークを介して、サーバ3と通信可能に接続されている。情報処理装置2-1は、サーバ3へ提供するテナントT-1に関する精算データを生成する装置である。テナントT-1に関する精算データは、POS端末1-1に関する精算データということもできる。精算データは、POS端末1-1及び情報処理装置2-1を用いたテナントT-1での1日分の取引に関する各精算項目の集計情報を含む。精算データは、サーバ3で識別可能なフォーマットで構成される。精算データは、取引に関する各項目の集計情報を含む第2の取引データの一例である。精算データの構成例については後述する。情報処理装置2-1は、サーバ3へ提供するテナントT-1に関する点検データを生成する装置である。テナントT-1に関する点検データは、POS端末1-1に関する点検データということもできる。点検データは、POS端末1-1及び情報処理装置2-1を用いたテナントT-1での開店から営業中の点検時刻までの取引に関する各点検項目の集計情報を含む。点検データは、サーバ3で識別可能なフォーマットで構成される。点検データは、取引に関する各項目の集計情報を含む第2の取引データの一例である。点検データの構成例については後述する。
【0017】
情報処理装置2-1は、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、通信インタフェース24、入力デバイス25、表示デバイス26及び読取デバイス27を有するコンピュータである。図1では、インタフェースは、「I/F」と記載されている。
【0018】
プロセッサ21は、情報処理装置2-1の中枢部分に相当する。例えば、プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)であるが、これに限定されない。プロセッサ21は、種々の回路で構成されていてもよい。プロセッサ21は、メインメモリ22または補助記憶デバイス23に予め記憶されているプログラムをメインメモリ22に展開する。プログラムは、情報処理装置2-1のプロセッサ21に後述する各部を実現させるプログラムである。プロセッサ21は、メインメモリ22に展開されたプログラムを実行することで、種々の動作を実行する。
【0019】
メインメモリ22は、情報処理装置2-1の主記憶部分に相当する。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域でオペレーティングシステム及びプログラムを記憶する。メインメモリ22は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ21によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
【0020】
補助記憶デバイス23は、情報処理装置2-1の補助記憶部分に相当する。例えば、補助記憶デバイス23は、EEPROM(登録商標)(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)またはSSD(Solid State Drive)などである。補助記憶デバイス23は、上述のプログラム、プロセッサ21が各種の処理を行う上で使用するデータ及びプロセッサ21での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス23は記憶部の一例である。
【0021】
補助記憶デバイス23は、情報処理装置2-1を用いた取引に関する各項目の集計情報を記憶する。補助記憶デバイス23は、情報処理装置2-1を用いた取引を終了するごとに、取引に関する各項目の集計情報を更新する。補助記憶デバイス23は、情報処理装置2-1を用いた取引に関する一つ精算項目を、精算データに含まれる一つの精算項目に一対一で対応付けた対応情報を記憶することができる。
【0022】
補助記憶デバイス23は、POS端末1-1に関する設定情報を記憶する。POS端末1-1に関する設定情報は、POS端末1-1に固有の設定の情報である。設定情報は、精算レシートデータと精算データとを紐付ける設定の情報である。設定情報は、点検レシートデータと点検データとを紐付ける設定の情報でもある。
【0023】
設定情報は、精算レシートデータから抽出する集計情報の精算項目を設定した情報を含む。精算レシートデータからの抽出対象となる精算項目は、精算データの生成に必要な精算項目である。精算レシートデータからの抽出対象となる精算項目は、精算レシートデータに含まれる全ての精算項目の場合もあるし、一部の精算項目の場合もある。設定情報は、精算レシートデータから抽出された一つ精算項目を、精算データに含まれる一つ精算項目に一対一で対応付けた情報を含むことができる。設定情報は、精算レシートデータから抽出された2以上の精算項目を、精算データに含まれる1つの精算項目に多対一で対応付けた情報を含むことができる。精算データに含まれる各精算項目のうちの非対応項目は、精算レシートデータから抽出された2以上の精算項目と対応付けられる。非対応項目は、精算データに含まれる各精算項目のうち、精算レシートデータから抽出された各精算項目及び情報処理装置2-1を用いた取引に関する各精算項目の何れか1つの精算項目に対応付かない精算項目である。設定情報は、精算レシートデータから抽出された2以上の精算項目の集計情報から精算データに含まれる1つの精算項目の集計情報を求める計算式を含むことができる。計算式は、税はがし処理などを加味したものであってもよい。
【0024】
設定情報は、点検レシートデータから抽出する集計情報の点検項目を設定した情報を含む。設定情報は、点検レシートデータから抽出された1つの点検項目を、点検データに含まれる1つの点検項目に一対一で対応付けた情報を含むことができる。
【0025】
なお、設定情報は、精算レシートデータ及び点検レシートデータのフォーマットによって異なる。そのため、POS端末1-1のメーカー、機種またはアプリケーションなどが変われば、POS端末1-1に関する設定情報の内容は変わる。
【0026】
通信インタフェース24は、所定の通信プロトコルに従い、情報処理装置2-1を他の装置と有線または無線で通信可能に接続するためのインタフェースである。例えば、通信インタフェース24は、情報処理装置2-1をPOS端末1-1と通信可能に接続するインタフェースを含む。例えば、通信インタフェース24は、ネットワークを介して、情報処理装置2-1をサーバ3と通信可能に接続するインタフェースを含む。
【0027】
入力デバイス25は、情報処理装置2-1への指示を受け付けるデバイスである。例えば、入力デバイス25は、キーボード及びタッチパネルなどである。
【0028】
表示デバイス26は、プロセッサ21の制御により種々の画面を表示可能なデバイスである。例えば、表示デバイス26は、液晶ディスプレイ及びEL(Electroluminescence)ディスプレイなどである。表示デバイス26は、表示部の一例である。
【0029】
読取デバイス27は、決済センターとの通信による決済に必要な情報を読み取るデバイスである。例えば、読取デバイス27は、クレジットカード、電子マネー、デビットカード及びコード決済用のバーコードまたは二次元データコードから情報を読み取る。
【0030】
なお、情報処理装置2-1のハードウェア構成は、上述の構成に限定されるものではない。情報処理装置2-1は、適宜、上述の構成要素の省略及び変更並びに新たな構成要素の追加を可能とする。
【0031】
上述のプロセッサ21に実装される各部について説明する。
プロセッサ21は、第1の取得部2101、判断部2102、抽出部2103、第2の取得部2104、生成部2105、検査部2106、記憶制御部2107、第3の取得部2108、第1の出力部2109、第4の取得部2110、第2の出力部2111及び表示制御部2112を実装する。
【0032】
第1の取得部2101は、種々のレシートデータをPOS端末1-1から取得する。例えば、第1の取得部2101は、精算レシートデータをPOS端末1-1から取得する。例えば、第1の取得部2101は、点検レシートデータをPOS端末1-1から取得する。
【0033】
判断部2102は、第1の取得部2101で取得されたレシートデータのレシート区分を判断する。例えば、判断部2102は、第1の取得部2101で取得されたレシートデータのレシート区分を精算レシートと判断する。例えば、判断部2102は、第1の取得部2101で取得されたレシートデータのレシート区分を点検レシートと判断する。
【0034】
抽出部2103は、設定情報に基づいて、第1の取引データから集計情報を抽出する。例えば、抽出部2103は、設定情報に基づいて、精算レシートデータから集計情報を抽出する。抽出部2103は、精算レシートデータから抽出された各精算項目の集計情報の一覧のデータを生成する。以下では、抽出部2103によって精算レシートデータから抽出された各精算項目の集計情報の一覧のデータを第1の精算項目情報データともいう。例えば、抽出部2103は、設定情報に基づいて、点検レシートデータから集計情報を抽出する。抽出部2103は、点検レシートデータから抽出された各点検項目の集計情報の一覧のデータを生成する。以下では、抽出部2103によって点検レシートデータから抽出された各点検項目の集計情報の一覧のデータを点検項目情報データともいう。
【0035】
第2の取得部2104は、情報処理装置2-1を用いた取引に関する各項目の集計情報を補助記憶デバイス23から取得する。例えば、第2の取得部2104は、情報処理装置2-1を用いた各精算項目の集計情報の一覧のデータを補助記憶デバイス23から取得する。以下では、情報処理装置2-1を用いた取引に関する各精算項目の集計情報の一覧のデータを第2の精算項目情報データともいう。
【0036】
生成部2105は、抽出部2103によって第1の取引データから抽出された集計情報を用いて、第2の取引データを生成する。生成部2105は、抽出部2103によって第1の取引データから抽出された集計情報及び情報処理装置2-1を用いた取引に関する各項目の集計情報を用いて、第2の取引データを生成する。例えば、生成部2105は、第1の精算項目情報データを用いて、精算データを生成する。生成部2105は、第1の精算項目情報データ及び第2の精算項目データを用いて、精算データを生成する。例えば、生成部2105は、点検項目情報データを用いて、点検データを生成する。なお、「生成」という文言は、第2の取引データを生成するためのデータの修正、変更、組合せ及び計算などの種々の動作を含む。
【0037】
検査部2106は、生成部2105で生成された第2の取引データに含まれる各項目の集計情報におけるエラーをチェックする。例えば、検査部2106は、生成部2105で生成された精算データに含まれる各精算項目の集計情報におけるエラーをチェックする。
【0038】
記憶制御部2107は、種々のデータを補助記憶デバイス23に記憶させる。例えば、記憶制御部2107は、生成部2105で生成された精算データを補助記憶デバイス23に記憶させる。例えば、記憶制御部2107は、第1の取得部2101で取得された精算レシートデータを補助記憶デバイス23に記憶させる。例えば、記憶制御部2107は、生成部2105で生成された点検データを補助記憶デバイス23に記憶させる。
【0039】
第3の取得部2108は、精算データの要求をサーバ3から取得する。第3の取得部2108は、点検データの要求をサーバ3から取得する。
【0040】
第1の出力部2109は、第3の取得部2108で取得された精算データの要求に応じて、補助記憶デバイス23に記憶されている精算データをサーバ3へ出力する。第1の出力部2109は、精算データに加えて、補助記憶デバイス23に記憶されている精算レシートデータをサーバ3へ出力する。第1の出力部2109は、第3の取得部2108で取得された点検データの要求に応じて、補助記憶デバイス23に記憶されている点検データをサーバ3へ出力する。
【0041】
第4の取得部2110は、精算指示をサーバ3から取得する。精算指示は、精算に関する処理の開始の指示である。精算指示は、情報処理装置2-1から精算レシートデータの要求をPOS端末1-1へ出力させる指示を含む。第4の取得部2110は、点検指示をサーバ3から取得する。点検指示は、点検に関する処理の開始の指示である。点検指示は、点検に関するアラート画面を情報処理装置2-1に表示させる指示を含む。点検に関するアラート画面は、点検時刻であることを店員へ通知する画面である。これに代えて、点検指示は、情報処理装置2-1から点検レシートデータの要求をPOS端末1-1へ出力させる指示を含んでいてもよい。
【0042】
第2の出力部2111は、第4の取得部2110で取得された精算指示に応じて、精算レシートデータの要求をPOS端末1-1へ出力する。第2の出力部2111は、第4の取得部2110で取得された点検指示に応じて、点検レシートデータの要求をPOS端末1-1へ出力する。
【0043】
表示制御部2112は、種々の画面を表示デバイス26に表示させる。例えば、表示制御部2112は、生成部2105で生成された精算データまたは点検データを表示デバイス26に表示させる。例えば、表示制御部2112は、第4の取得部2110で取得された点検指示に応じて、点検に関するアラート画面を表示デバイス26に表示させる。
【0044】
情報処理装置2-1の構成は、情報処理装置2-nの構成と同様であるので、その説明を省略する。
【0045】
サーバ3は、テナントT-1~T-nのそれぞれの売上を管理するサーバである。サーバ3は、テナントT-1~T-nのそれぞれから精算データ及び点検データを収集する。サーバ3は、テナントT-1~T-nのそれぞれから精算レシートデータを収集する。
【0046】
サーバ3は、プロセッサ31、メインメモリ32、補助記憶デバイス33及び通信インタフェース34を有するコンピュータである。
【0047】
プロセッサ31は、サーバ3の中枢部分に相当する。プロセッサ31は、上述のプロセッサ21と同様のハードウェア構成である。
メインメモリ32は、サーバ3の主記憶部分に相当する。メインメモリ32は、上述のメインメモリ22と同様のハードウェア構成である。
補助記憶デバイス33は、サーバ3の補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス33は、上述の補助記憶デバイス23と同様のハードウェア構成である。
補助記憶デバイス23は、テナントT-1~T-nのそれぞれから収集された精算データ、精算レシートデータ及び点検データを記憶する。
通信インタフェース34は、所定の通信プロトコルに従い、ネットワークを介して、サーバ3を情報処理装置2-1~2-nのそれぞれと通信可能に接続するインタフェースを含む。
なお、サーバ3のハードウェア構成は、上述の構成に限定されるものではない。サーバ3は、適宜、上述の構成要素の省略及び変更並びに新たな構成要素の追加を可能とする。
【0048】
上述のプロセッサ31に実装される各部について説明する。
プロセッサ31は、第1の出力部311、取得部312及び第2の出力部313を実装する。
【0049】
第1の出力部311は、精算データの要求を情報処理装置2-1~2-nのそれぞれへ出力する。例えば、第1の出力部311は、テナントT-1~T-nのそれぞれの閉店時刻以後の時刻に、精算データの要求を情報処理装置2-1~2-nのそれぞれへ出力する。これに代えて、第1の出力部311は、テナントT-1~T-nの最も遅い閉店時刻以後の時刻に、精算データの要求を情報処理装置2-1~2-nへ一斉に出力してもよい。第1の出力部311は、点検データの要求を情報処理装置2-1~2-nのそれぞれへ出力する。例えば、第1の出力部311は、点検時刻に、点検データの要求を情報処理装置2-1~2-nへ一斉に出力する。
【0050】
取得部312は、情報処理装置2-1~2-nのそれぞれから、精算データを取得する。取得部312は、情報処理装置2-1~2-nのそれぞれから、精算データに加えて精算レシートデータを取得する。取得部312は、情報処理装置2-1~2-nのそれぞれから、点検データを取得する。
【0051】
第2の出力部313は、精算指示を情報処理装置2-1~2-nのそれぞれへ出力する。例えば、第2の出力部313は、テナントT-1~T-nのそれぞれの閉店時刻以後の時刻に、精算指示を情報処理装置2-1~2-nのそれぞれへ出力する。例えば、第2の出力部313は、テナントT-1~T-nの最も遅い閉店時刻以後の時刻に、精算指示を情報処理装置2-1~2-nのそれぞれへ出力する。第2の出力部313は、点検指示を情報処理装置2-1~2-nのそれぞれへ出力する。例えば、第2の出力部313は、点検時刻に、点検指示を情報処理装置2-1~2-nへ一斉に出力する。
【0052】
以下では、精算に関する処理と点検に関する処理とに分けて説明する。
まず、精算に関する処理について説明する。
【0053】
精算レシートデータの構成例について説明する。
図2は、POS端末1-1から情報処理装置2-1へ送信される精算レシートデータの構成例を示す図である。
精算レシートデータは、POS端末1-1に固有のフォーマットとして予め決められた各精算項目の集計情報を含む。精算レシートデータは、レシート区分が精算レシートであることを示す情報を含んでいてもよい。精算レシートデータは、テナントT-1の識別コードなどのテナントT-1を識別する情報を含んでいてもよい。精算レシートデータは、POS端末1-1の識別コードなどのPOS端末1-1を識別する情報を含んでいてもよい。
精算レシートデータは、精算項目として、「総売上」項目、「純売上」項目、「消費税」項目、「現金」項目、「掛売」項目、「商品券」項目、「現金在高」項目、「送料」項目、「箱代」項目及び「ラッピング代」項目を含む。精算レシートデータは、これら以外の1以上の精算項目を含んでいてもよい。
「掛売」項目の集計情報は、情報処理装置2-1で決済された取引に関する金額である。
【0054】
第1の精算項目情報データの構成例について説明する。
図3は、第1の精算項目情報データの構成例を示す図である。
第1の精算項目情報データは、設定情報に基づいて精算レシートデータから抽出された各精算項目の集計情報の一覧のデータである。
【0055】
この例では、設定情報は、精算レシートデータから抽出する集計情報の精算項目として、精算レシートデータの「総売上」項目、「純売上」項目、「消費税」項目、「現金」項目、「掛売」項目、「商品券」項目、「現金在高」項目、「送料」項目、「箱代」項目及び「ラッピング代」項目を設定した情報を含む。
抽出部2103は、設定情報に含まれる精算レシートデータから抽出する集計情報の精算項目を設定した情報を用いる。抽出部2103は、設定情報に含まれるこの情報に基づいて、図2に示す精算レシートデータから集計情報を抽出する。抽出部2103は、抽出した集計情報を用いて、図3に示す第1の精算項目情報データを生成する。
【0056】
第2の精算項目情報データの構成例について説明する。
図4は、第2の精算項目情報データの構成例を示す図である。
第2の精算項目情報データは、情報処理装置2-1を用いた取引に関する各精算項目の集計情報の一覧のデータである。第2の精算項目情報データは、「クレジット売上」項目及び「電子マネー売上」項目を含む。「クレジット売上」項目及び「電子マネー売上」項目の集計情報の合計額は、図3に示す「掛売」項目の集計情報の額に対応する。
【0057】
精算データの構成例について説明する。
図5は、精算データの構成例を示す図である。
精算データは、サーバ3で識別可能なフォーマットとして図5に示す各精算項目を含む。
【0058】
この例では、対応情報は、第2の精算項目情報データの「クレジット売上」項目を、精算データの「クレジット売上」項目に対応付けた情報を含む。対応情報は、第2の精算項目情報データの「電子マネー売上」項目を、精算データの「電子マネー売上」項目に対応付けた情報を含む。
【0059】
設定情報は、第1の精算項目情報データの「総売上」項目を、精算データの「総売上」項目に対応付けた情報を含む。設定情報は、第1の精算項目情報データの「純売上」項目を、精算データの「純売上」項目に対応付けた情報を含む。設定情報は、第1の精算項目情報データの「消費税」項目を、精算データの「消費税」項目に対応付けた情報を含む。設定情報は、第1の精算項目情報データの「現金」項目を、精算データの「現金売上」項目に対応付けた情報を含む。設定情報は、第1の精算項目情報データの「商品券」項目を、精算データの「商品券売上」項目に対応付けた情報を含む。設定情報は、第1の精算項目情報データの「現金在高」項目を、精算データの「現金在高」項目に対応付けた情報を含む。設定情報は、第1の精算項目情報データの「総売上」項目を、精算データの「客数」項目に対応付けた情報を含む。このように、設定情報は、名称の異なる同内容の項目についても、第1の精算項目情報データと精算データとの間で対応付けることができる。
【0060】
設定情報は、第1の精算項目情報データの「送料」項目、「箱代」項目及び「ラッピング」項目を、精算データの「その他控除売上」項目に対応付けた情報を含む。精算データの「その他控除売上」項目は、非対応項目である。設定情報は、第1の精算項目情報データの「送料」項目、「箱代」項目及び「ラッピング」項目の金額を積算する計算式の情報を含む。
【0061】
設定情報は、第1の精算項目情報データの「掛売」項目並びに第2の精算項目情報データの「クレジット売上」項目及び「電子マネー売上」項目を、精算データの「掛売上」項目に対応付けた情報を含む。精算データの「掛売上」項目は、非対応項目である。設定情報は、第1の精算項目情報データの「掛売」項目の金額から、第2の精算項目情報データの「クレジット売上」項目の金額及び「電子マネー売上」項目の金額を差し引く計算式の情報を含む。
【0062】
生成部2105は、図3に示す第1の精算項目情報データ及び図4に示す第2の精算項目情報データを用いて、図5に示す精算データを生成する。
例えば、生成部2105は、対応情報を用いる。生成部2105は、対応情報に基づいて、第2の精算項目情報データの「クレジット売上」項目の金額を、精算データの「クレジット売上」項目の金額として用いる。生成部2105は、対応情報に基づいて、第2の精算項目情報データの「電子マネー売上」項目の金額を、精算データの「電子マネー売上」項目の金額として用いる。
【0063】
例えば、生成部2105は、設定情報に含まれる精算項目を一対一で対応付けた情報を用いる。生成部2105は、精算項目を一対一で対応付けた情報に基づいて、第1の精算項目情報データの「総売上」項目の金額を、精算データの「総売上」項目の金額として用いる。同様に、生成部2105は、第1の精算項目情報データの「現金」項目の金額を、精算データの「現金売上」項目の金額として用いる。精算データの「純売上」項目、「消費税」項目、「商品券売上」項目、「現金在高」項目及び「客数」項目についても同様である。
【0064】
例えば、生成部2105は、設定情報に含まれる精算項目を多対一で対応付けた情報を用いる。生成部2105は、精算項目を多対一で対応付けた情報に基づいて、精算データの「その他控除総売上」項目について、「送料」項目、「箱代」項目及び「ラッピング」項目の集計情報を用いる。生成部2105は、設定情報に含まれる集計情報を求める計算式を用いる。生成部2105は、集計情報を求める計算式に基づいて、「送料」項目、「箱代」項目及び「ラッピング」項目の金額を積算した金額を求める。生成部2105は、精算項目を多対一で対応付けた情報に基づいて、求めた金額を、精算データの「その他控除総売上」項目の金額として用いる。
【0065】
同様に、生成部2105は、精算データの「掛売上」項目について、第1の精算項目情報データの「掛売」項目並びに第2の精算項目情報データの「クレジット売上」項目及び「電子マネー売上」項目を用いる。生成部2105は、設定情報に含まれる集計情報を求める計算式を用いる。生成部2105は、集計情報を求める計算式に基づいて、第1の精算項目情報データの「掛売」項目の金額から、第2の精算項目情報データの「クレジット売上」項目の金額及び「電子マネー売上」項目の金額を差し引いた金額を求める。生成部2105は、精算項目を多対一で対応付けた情報に基づいて、求めた金額を、精算データの「掛売上」項目の金額として用いる。
【0066】
情報処理装置2-1による精算に関する処理の手順について説明する。
図6は、情報処理装置2-1による精算データの生成処理の手順を例示するフローチャートである。
【0067】
第1の取得部2101は、精算レシートデータをPOS端末1-1から取得する(ACT101)。ACT101では、例えば、第1の取得部2101は、テナントT-1の閉店時刻以後の時刻に、精算レシートデータをPOS端末1-1から取得する。
【0068】
判断部2102は、第1の取得部2101で取得されたレシートデータのレシート区分を判断する(ACT102)。ACT102では、例えば、判断部2102は、レシートデータに含まれるレシート区分を示す情報に基づいてレシート区分を判断する。
【0069】
判断部2102は、レシート区分が精算レシートであるか否かを判断する(ACT103)。レシート区分が精算レシートではない場合(ACT103、NO)、プロセッサ21は、精算レシートとは異なる区分のレシートデータを処理する(ACT104)。レシート区分が精算レシートである場合(ACT103、YES)、抽出部2103は、設定情報に基づいて、精算レシートデータから集計情報を抽出する(ACT105)。ACT105では、例えば、抽出部2103は、図3を用いて説明したように、精算レシートデータから集計情報を抽出する。抽出部2103は、精算レシートデータから抽出した各精算項目の集計情報に基づいて、第1の精算項目情報データを生成する(ACT106)。例えば、抽出部2103は、図3を用いて説明したように、第1の精算項目情報データを生成する。
【0070】
第2の取得部2104は、第2の精算項目情報データを取得する(ACT107)。ACT107では、例えば、第2の取得部2104は、第2の精算項目情報データを補助記憶デバイス23から取得する。
【0071】
生成部2105は、第1の精算項目情報データ及び第2の精算項目情報データを用いて精算データを生成する(ACT108)。ACT108では、例えば、生成部2105は、図5を用いて説明したように、精算データを生成する。
生成部2105は、対応情報に基づいて、第2の精算項目情報データの一つの精算項目の集計情報を、精算データの一つの精算項目の集計情報として用いる。
生成部2105は、設定情報に基づいて、第1の精算項目情報データの一つの精算項目の集計情報を、精算データの一つの精算項目の集計情報として用いる。生成部2105は、第1の精算項目情報データと精算データとで名称の異なる同内容の項目についても、精算データに集計情報をセットすることができる。
生成部2105は、第1の精算項目情報データ及び第2の精算項目情報データを用いることで、精算データに含まれる全ての精算項目に集計情報をセットすることができる。
【0072】
生成部2105は、非対応項目について、精算レシートデータから抽出された2以上の項目の集計情報を用いて、非対応項目の集計情報を求める。生成部2105は、求めた値を非対応項目の集計情報として用いる。生成部2105は、精算データの非対応項目についても、第1の精算項目情報データを用いて集計情報をセットすることができる。
【0073】
表示制御部2112は、生成部2105で生成された精算データの表示設定があるか否かを判断する(ACT109)。ACT109では、例えば、表示制御部2112は、メインメモリ22または補助記憶デバイス23に記憶されている精算データの表示設定の有無を示す情報を参照する。精算データの表示設定がない場合(ACT109、NO)、処理は、ACT109から後述するACT114へ遷移する。精算データの表示設定がある場合(ACT109、YES)、表示制御部2112は、精算データを表示する精算入力画面を表示デバイス26に表示させる(ACT110)。ACT110で表示される精算入力画面は、精算データに含まれる各精算項目の集計情報の変更指示を入力可能とする画面である。これにより、店員は、精算データに含まれる各精算項目の集計情報を確認することができる。
【0074】
表示制御部2112は、精算入力画面で変更指示が入力されたか否かを判断する(ACT111)。ACT111では、例えば、表示制御部2112は、店員によって入力デバイス25で変更指示が入力されたか否かを判断する。例えば、店員は、入力デバイス25で、精算データに含まれる客数などの少なくとも1つの精算項目の集計情報に対する変更指示を入力することができる。変更指示が入力されていない場合(ACT111、NO)、処理は、ACT109から後述するACT114へ遷移する。
【0075】
変更指示が入力された場合(ACT111、YES)、生成部2105は、精算データを変更する(ACT112)。ACT112では、例えば、生成部2105は、精算データに含まれる少なくとも1つの精算項目の集計情報に対する変更指示に応じて、精算データを変更する。生成部2105は、精算データにおいて、変更指示に対応する精算項目の集計情報を変更する。これにより、店員は、精算データのうち変更したい精算項目の集計情報について容易に変更することができる。生成部2105は、店員の希望する変更を加味した信頼性の高い精算データを生成することができる。
【0076】
生成部2105は、変更後の精算データを確定する(ACT113)。ACT113では、例えば、生成部2105は、店員によって入力デバイス25で入力された確定指示に応じて、変更後の精算データを確定する。
【0077】
検査部2106は、精算データをチェックする(ACT114)。ACT114では、例えば、検査部2106は、精算データに含まれる2以上の精算項目の集計情報に基づいて別の1つの精算項目の集計情報の正否をチェックする。例えば、検査部2106は、「総売上」項目の金額と「純売上」項目の金額の差額を求める。検査部2106は、差額と「消費税」項目の金額とを比較し、「消費税」項目の金額の正否をチェックする。検査部2106は、ACT108で生成された精算データまたはACT112で変更された精算データについてチェックする。
【0078】
検査部2106は、精算データにエラーがあるか否かを判断する(ACT115)。精算データにエラーがない場合(ACT115、NO)、処理は、ACT115から後述するACT118へ遷移する。精算データにエラーがある場合(ACT115、YES)、表示制御部2112は、エラー画面を表示デバイス26に表示させる(ACT116)。ACT116で表示されるエラー画面は、精算データのうち集計情報にエラーのある精算項目を通知する画面である。さらに、エラー画面は、精算入力画面と同様に、精算データに含まれる各精算項目の集計情報の変更指示を入力可能とする画面でもある。
【0079】
表示制御部2112は、エラー画面で変更指示が入力されたか否かを判断する(ACT117)。ACT117では、例えば、表示制御部2112は、ACT111と同様に、変更指示が入力されたか否かを判断する。変更指示が入力された場合(ACT117、YES)、処理は、ACT117からACT112へ遷移する。変更指示が入力されていない場合(ACT117、NO)、記憶制御部2107は、精算データ及び精算レシートデータを補助記憶デバイス23に記憶させる(ACT118)。ACT118では、例えば、記憶制御部2107は、ACT108で生成された精算データまたはACT112で変更された精算データを補助記憶デバイス23に記憶させる。例えば、記憶制御部2107は、第1の取得部2101で取得された精算レシートデータを補助記憶デバイス23に記憶させる。記憶制御部2107は、精算レシートデータをイメージデータに変換して補助記憶デバイス23に記憶させてもよい。
【0080】
第3の取得部2108は、精算データの要求を取得したか否かを判断する(ACT119)。ACT119では、例えば、第3の取得部2108は、サーバ3から送信される精算データの要求を取得したか否かを判断する。第3の取得部2108が精算データの要求を取得しない場合(ACT119、NO)、第3の取得部2108は、精算データの要求を待つ。第3の取得部2108が精算データの要求を取得した場合(ACT119、YES)、第1の出力部2109は、精算データをサーバ3へ出力する(ACT120)。ACT120では、例えば、第1の出力部2109は、第3の取得部2108で取得された精算データの要求に応じて、補助記憶デバイス23に記憶されている精算データをサーバ3へ出力する。第1の出力部2109は、精算データに加えて、補助記憶デバイス23に記憶されている精算レシートデータをサーバ3へ出力する。サーバ3へ送信される精算レシートデータは、イメージデータであってもよい。サーバ3の取得部312は、精算データの要求の応答として、精算データ及び精算レシートデータを情報処理装置2-1から取得することができる。このように、情報処理装置2-1は、精算レシートデータを遅滞なくサーバ3へ提供することができる。テナントT-1は、精算レシートの現物をデベロッパへ提出する必要がなくなる。デベロッパは、精算レシートの現物を各テナントへ返却する必要がなくなる。
【0081】
なお、情報処理装置2-1は、ACT119を省略し、精算データの要求を必要とすることなく、精算データ及び精算レシートデータをサーバ3へ出力してもよい。一例では、第1の出力部2109は、決められた時刻に自律的に精算データ及び精算レシートデータをサーバ3へ出力する。別の例では、第1の出力部2109は、店員によって入力デバイス25で入力された送信指示に応じて、精算データ及び精算レシートデータをサーバ3へ出力する。
【0082】
なお、情報処理装置2-1は、ACT119及びACT120を省略し、精算データ及び精算レシートデータのサーバ3への出力を省略してもよい。この例では、サーバ3の取得部312は、決められた時刻に、情報処理装置2-1の補助記憶デバイス23にアクセスする。サーバ3の取得部312は、精算データ及び精算レシートデータを情報処理装置2-1から取得する。サーバ3によって取得される精算レシートデータは、イメージデータであってもよい。
【0083】
情報処理装置2-1は、第1の精算項目情報データ及び第2の精算項目情報データにより、全精算項目に集計情報をセットした信頼性の高い精算データを生成することができる。これにより、情報処理装置2-1は、テナントT-1の精算に関する報告を支援することができる。例えば、テナントT-1は、精算レシートの現物を見ながらインプット端末に報告値を手入力するといった作業を省略することができる。精算データは店員の手入力によらずに生成されるので、誤入力による精算データに含まれる各精算項目の集計情報の誤りは起きない。精算データの信頼性は高いので、デベロッパは、精算データと精算レシートデータとの間における数値の整合性チェックを省略することができる。
【0084】
第1の取得部2101によるPOS端末1-1からの精算レシートデータの取得処理について説明する。
例えば、第1の取得部2101は、店員によってPOS端末1-1で入力された精算レシートデータの出力指示(精算処理)に基づいて、精算レシートデータを情報処理装置2-1から取得する。この例では、POS端末1-1は、テナントT-1の閉店時刻以後の時刻に、店員によって入力された精算レシートデータの出力指示を受け付ける。POS端末1-1は、精算レシートデータの出力指示に基づいて精算レシートのキャプチャにより精算レシートデータを生成する。POS端末1-1は、テナントT-1に関する精算レシートデータを情報処理装置2-1へ出力する。これにより、第1の取得部2101は、精算レシートデータをPOS端末1-1から取得することができる。
【0085】
変形例では、第1の取得部2101は、精算レシートデータの要求の応答として、精算レシートデータをPOS端末1-1から取得する。
図7は、情報処理装置2-1による精算レシートデータの要求処理の手順を例示するフローチャートである。
第4の取得部2110は、精算指示をサーバ3から取得する(ACT201)。ACT201では、例えば、第4の取得部2110は、テナントT-1の閉店時刻以後の時刻に、精算指示をサーバ3から取得する。例えば、第4の取得部2110は、テナントT-1~T-nの最も遅い閉店時刻以後の時刻に、精算指示をサーバ3から取得する。
第2の出力部2111は、精算レシートデータの要求をPOS端末1-1へ出力する(ACT202)。ACT202では、例えば、第2の出力部2111は、第4の取得部2110で取得された精算指示に応じて、精算レシートデータの要求をPOS端末1-1へ出力する。第1の取得部2101は、精算レシートデータの要求の応答として、精算レシートデータをPOS端末1-1から取得する。
この例では、情報処理装置2-1は、精算レシートデータの要求をPOS端末1-1へ出力することで、遅滞なく精算レシートデータをPOS端末1-1から取得することができる。情報処理装置2-1は、店員の作業負荷を軽減させることができる。
【0086】
以下に、種々の精算レシートデータに基づく第1の精算項目情報データの構成例について説明する。POS端末1-1は、図2に示す精算レシートデータとは異なるフォーマットの精算レシートデータを情報処理装置2-1へ送信するものとする。
【0087】
1つ目の例について説明する。
図8は、第1の精算項目情報データの構成例を示す図である。
図8に示す第1の精算項目情報データは、図3に示す精算項目情報データと異なり、「純売上」項目の集計情報を含んでいない。
【0088】
図9は、精算データの構成例を示す図である。
この例では、設定情報は、第1の精算項目情報データの「総売上」項目及び「消費税」項目を、精算データの「純売上」項目に対応付けた情報を含む。精算データの「純売上」項目は、非対応項目である。設定情報は、第1の精算項目情報データの「総売上」項目の金額から「消費税」項目の金額を差し引く計算式の情報を含む。
【0089】
生成部2105は、図8に示す第1の精算項目情報データ及び図3に示す第1の精算項目情報データを用いて、図9に示す精算データを生成する。
例えば、生成部2105は、設定情報に基づいて、精算データの「純売上」項目について、「総売上」項目及び「消費税」項目の集計情報を用いる。生成部2105は、設定情報に基づいて、第1の精算項目情報データの「総売上」項目の金額から「消費税」項目の金額を差し引いた金額を求める。生成部2105は、設定情報に基づいて、求めた金額を、精算データの「純売上」項目の金額として用いる。
【0090】
2つ目の例について説明する。
2つ目の例では、POS端末1-1は、情報処理装置2-1に代えて、決済センターとの通信により決済可能な取引を処理するものとする。POS端末1-1から情報処理装置2-1へ送信される精算レシートデータは、「クレジット売上」項目及び「電子マネー売上」項目の集計情報を含むものとする。
【0091】
図10は、第1の精算項目情報データの構成例を示す図である。
図10に示す第1の精算項目情報データは、図3に示す第1の精算項目情報データと異なり、「クレジット売上」項目及び「電子マネー売上」項目の集計情報をさらに含む。「掛売」項目の集計情報は、「クレジット売上」項目及び「電子マネー売上」項目の集計情報の合計額に対応する。
【0092】
生成部2105は、図10に示す第1の精算項目情報データを用いて、図5に示す精算データを生成する。
この例では、設定情報は、以下の情報をさらに含む。設定情報は、第1の精算項目情報データの「クレジット売上」項目を、精算データの「クレジット売上」項目に対応付けた情報を含む。設定情報は、第1の精算項目情報データの「電子マネー売上」項目を、精算データの「電子マネー売上」項目に対応付けた情報を含む。この例では、非対応項目は、精算データに含まれる各精算項目のうち、精算レシートデータから抽出された各精算項目の何れか1つの精算項目に対応付かない精算項目である。
例えば、生成部2105は、設定情報に基づいて、第1の精算項目情報データの「クレジット売上」項目の金額を、精算データの「クレジット売上」項目の金額として用いる。生成部2105は、設定情報に基づいて、第1の精算項目情報データの「電子マネー売上」項目の金額を、精算データの「電子マネー売上」項目の金額として用いる。
【0093】
情報処理装置2-1は、第1の精算項目情報データにより、全精算項目に集計情報をセットした信頼性の高い精算データを生成することができる。これにより、情報処理装置2-1は、テナントT-1の精算に関する報告を支援することができる。
【0094】
次に、点検に関する処理について説明する。
点検レシートデータの構成例について説明する。
図11は、POS端末1-1から情報処理装置2-1へ送信される点検レシートデータの構成例を示す図である。
点検レシートデータは、POS端末1-1に固有のフォーマットとして予め決められた各点検項目の集計情報を含む。点検レシートデータは、レシート区分が点検レシートであることを示す情報を含んでいてもよい。点検レシートデータは、テナントT-1を識別する情報を含んでいてもよい。点検レシートデータは、POS端末1-1を識別する情報を含んでいてもよい。
点検レシートデータは、点検項目として、「総売上」項目を含む。点検レシートデータは、「総売上」項目以外の1以上の点検項目を含んでいてもよい。「総売上」項目の集計情報は、客数及び金額を含んでいるものとする。
【0095】
点検項目情報データの構成例について説明する。
図12は、点検項目情報データの構成例を示す図である。
点検項目情報データは、設定情報に基づいて精算レシートデータから抽出された各点検項目の集計情報の一覧のデータである。
【0096】
この例では、設定情報は、点検レシートデータから抽出する集計情報の点検項目として、点検レシートデータの「総売上」項目を設定した情報を含む。
抽出部2103は、設定情報に含まれる点検レシートデータから抽出する集計情報の点検項目を設定した情報を用いる。抽出部2103は、設定情報に含まれるこの情報に基づいて、図11に示す点検レシートデータから集計情報を抽出し、図12に示す点検項目情報データを生成する。
【0097】
図13は、点検データの構成例を示す図である。
点検データは、サーバ3で識別可能なフォーマットとして図13に示す各点検項目を含む。
この例では、設定情報は、点検項目情報データの「総売上」項目を、点検データの「総売上」項目に対応付けた情報を含む。設定情報は、点検項目情報データの「純売上」項目を、点検データの「客数」項目に対応付けた情報を含む。このように、設定情報は、名称の異なる同内容の項目についても、点検項目情報データと点検データとの間で対応付けることができる。
【0098】
生成部2105は、図12に示す点検項目情報データを用いて、図13に示す点検データを生成する。
例えば、生成部2105は、設定情報に含まれる点検項目を一対一で対応付けた情報を用いる。生成部2105は、点検項目を一対一で対応付けた情報に基づいて、点検項目情報データの「総売上」項目の金額を、点検データの「総売上」項目の金額として用いる。同様に、生成部2105は、点検項目情報データの「総売上」項目の客数を、点検データの「客数」項目の客数として用いる。
【0099】
情報処理装置2-1による点検に関する処理の手順について説明する。
図14は、情報処理装置2-1による点検データの生成処理の手順を例示するフローチャートである。
【0100】
第1の取得部2101は、点検レシートデータをPOS端末1-1から取得する(ACT301)。ACT301では、例えば、第1の取得部2101は、点検時刻以後の時刻に、点検レシートデータをPOS端末1-1から取得する。
【0101】
判断部2102は、第1の取得部2101で取得されたレシートデータのレシート区分を判断する(ACT302)。ACT302では、例えば、判断部2102は、レシートデータに含まれるレシート区分を示す情報に基づいてレシート区分を判断する。
【0102】
判断部2102は、レシート区分が点検レシートであるか否かを判断する(ACT303)。レシート区分が点検レシートではない場合(ACT303、NO)、プロセッサ21は、点検レシートとは異なる区分のレシートデータを処理する(ACT304)。レシート区分が点検レシートである場合(ACT303、YES)、抽出部2103は、設定情報に基づいて、点検レシートデータから集計情報を抽出する(ACT305)。ACT305では、例えば、抽出部2103は、図12を用いて説明したように、点検レシートデータから集計情報を抽出する。抽出部2103は、点検レシートデータから抽出した各点検項目の集計情報に基づいて、点検項目情報データを生成する(ACT306)。例えば、抽出部2103は、図12を用いて説明したように、点検項目情報データを生成する。
【0103】
生成部2105は、点検項目情報データを用いて点検データを生成する(ACT307)。ACT307では、例えば、生成部2105は、図13を用いて説明したように、点検データを生成する。生成部2105は、設定情報に基づいて、点検項目情報データの一つの点検項目の集計情報を、点検データの一つの点検項目の集計情報として用いる。生成部2105は、点検項目情報データと点検データとで名称の異なる同内容の項目についても、点検データに集計情報をセットすることができる。生成部2105は、点検項目情報データを用いることで、点検データに含まれる全ての点検項目に集計情報をセットすることができる。
【0104】
表示制御部2112は、生成部2105で生成された点検データの表示設定があるか否かを判断する(ACT308)。ACT308では、例えば、表示制御部2112は、メインメモリ22または補助記憶デバイス23に記憶されている点検データの表示設定の有無を示す情報を参照する。点検データの表示設定がない場合(ACT308、NO)、処理は、ACT308から後述するACT313へ遷移する。点検データの表示設定がある場合(ACT308、YES)、表示制御部2112は、点検データを表示する点検入力画面を表示デバイス26に表示させる(ACT309)。ACT309で表示される点検入力画面は、点検データに含まれる各点検項目の集計情報の変更指示を入力可能とする画面である。これにより、店員は、点検データに含まれる各点検項目の集計情報を確認することができる。
【0105】
表示制御部2112は、点検入力画面で変更指示が入力されたか否かを判断する(ACT310)。ACT310では、例えば、表示制御部2112は、店員によって入力デバイス25で変更指示が入力されたか否かを判断する。例えば、店員は、入力デバイス25で、点検データに含まれる客数などの少なくとも1つの点検項目の集計情報に対する変更指示を入力することができる。変更指示が入力されていない場合(ACT310、NO)、処理は、ACT310から後述するACT313へ遷移する。
【0106】
変更指示が入力された場合(ACT310、YES)、生成部2105は、点検データを変更する(ACT311)。ACT311では、例えば、生成部2105は、点検データに含まれる少なくとも1つの点検項目の集計情報に対する変更指示に応じて、点検データを変更する。生成部2105は、点検データにおいて、変更指示に対応する点検項目の集計情報を変更する。これにより、店員は、点検データのうち変更したい点検項目の集計情報について容易に変更することができる。生成部2105は、店員の希望する変更を加味した信頼性の高い点検データを生成することができる。
【0107】
生成部2105は、変更後の点検データを確定する(ACT312)。ACT312では、例えば、生成部2105は、店員によって入力デバイス25で入力された確定指示に応じて、変更後の点検データを確定する。
【0108】
記憶制御部2107は、点検データを補助記憶デバイス23に記憶させる(ACT313)。ACT313では、例えば、記憶制御部2107は、ACT307で生成された点検データまたはACT311で変更された点検データを補助記憶デバイス23に記憶させる。
【0109】
第3の取得部2108は、点検データの要求を取得したか否かを判断する(ACT314)。ACT314では、例えば、第3の取得部2108は、サーバ3から送信される点検データの要求を取得したか否かを判断する。第3の取得部2108が点検データの要求を取得しない場合(ACT314、NO)、第3の取得部2108は、点検データの要求を待つ。第3の取得部2108が点検データの要求を取得した場合(ACT314、YES)、第1の出力部2109は、点検データをサーバ3へ出力する(ACT315)。ACT315では、例えば、第1の出力部2109は、第3の取得部2108で取得された点検データの要求に応じて、補助記憶デバイス23に記憶されている点検データをサーバ3へ出力する。サーバ3の取得部312は、点検データの要求の応答として、点検データを情報処理装置2-1から取得することができる。
【0110】
なお、情報処理装置2-1は、ACT314を省略し、点検データの要求を必要とすることなく、点検データをサーバ3へ出力してもよい。一例では、第1の出力部2109は、決められた時刻に自律的に点検データをサーバ3へ出力する。別の例では、第1の出力部2109は、店員によって入力デバイス25で入力された送信指示に応じて、点検データをサーバ3へ出力する。
【0111】
なお、情報処理装置2-1は、ACT314及びACT315を省略し、点検データのサーバ3への出力を省略してもよい。この例では、サーバ3の取得部312は、決められた時刻に、情報処理装置2-1の補助記憶デバイス23にアクセスする。サーバ3の取得部312は、点検データを情報処理装置2-1から取得する。
【0112】
なお、情報処理装置2-1は、点検データの項目数によっては、ACT313の前に、上述の精算データのチェックと同様に、点検データをチェックするようにしてもよい。
【0113】
情報処理装置2-1は、点検項目情報データにより、全点検項目に集計情報をセットした信頼性の高い点検データを生成することができる。これにより、情報処理装置2-1は、テナントT-1の点検に関する報告を支援することができる。例えば、テナントT-1は、点検時刻ごとに点検レシートの現物を見ながらインプット端末に報告値を手入力するといった作業を省略することができる。点検データは店員の手入力によらずに生成されるので、誤入力による点検データに含まれる各点検項目の集計情報の誤りは起きない。デベロッパは、信頼性の高い点検データを取得することができる。
【0114】
図15は、情報処理装置2-1によるアラートの表示処理の手順を例示するフローチャートである。
第4の取得部2110は、点検指示をサーバ3から取得する(ACT401)。ACT401では、例えば、第4の取得部2110は、点検時刻に、点検指示をサーバ3から取得する。
第2の出力部2111は、点検に関するアラート画面を表示デバイス26に表示させる(ACT402)。ACT402では、例えば、第2の出力部2111は、第4の取得部2110で取得された点検指示に応じて、点検に関するアラート画面を表示デバイス26に表示させる。
この例では、情報処理装置2-1は、アラート画面を表示することで、店員にPOS端末1-1で点検レシートデータの出力指示を入力させることを促すことができる。
【0115】
第1の取得部2101によるPOS端末1-1からの点検レシートデータの取得処理について説明する。
例えば、第1の取得部2101は、店員によってPOS端末1-1で入力された点検レシートデータの出力指示(点検処理)に基づいて、点検レシートデータを情報処理装置2-1から取得する。この例では、POS端末1-1は、点検時刻以後の時刻に、店員によって入力された点検レシートデータの出力指示を受け付ける。POS端末1-1は、点検レシートデータの出力指示に基づいて点検レシートのキャプチャにより点検レシートデータを生成する。POS端末1-1は、テナントT-1に関する点検レシートデータを情報処理装置2-1へ出力する。これにより、第1の取得部2101は、点検レシートデータをPOS端末1-1から取得することができる。
【0116】
変形例では、第1の取得部2101は、点検レシートデータの要求の応答として、点検レシートデータをPOS端末1-1から取得する。
図16は、情報処理装置2-1による点検レシートデータの要求処理の手順を例示するフローチャートである。
第4の取得部2110は、点検指示をサーバ3から取得する(ACT501)。ACT501では、例えば、第4の取得部2110は、点検時刻に、点検指示をサーバ3から取得する。
第2の出力部2111は、点検レシートデータの要求をPOS端末1-1へ出力する(ACT502)。ACT502では、例えば、第2の出力部2111は、第4の取得部2110で取得された点検指示に応じて、点検レシートデータの要求をPOS端末1-1へ出力する。第1の取得部2101は、点検レシートデータの要求の応答として、点検レシートデータをPOS端末1-1から取得する。
この例では、情報処理装置2-1は、点検レシートデータの要求をPOS端末1-1へ出力することで、遅滞なく点検レシートデータをPOS端末1-1から取得することができる。情報処理装置2-1は、店員の作業負荷を軽減させることができる。
【0117】
なお、上記説明では、設定情報が点検項目を一対一で対応付けた情報を含む例について説明したが、これに限定されない。設定情報は、点検項目を一対一で対応付けた情報に加えて、点検項目を多対一で対応付けた情報を含んでいてもよい。点検項目を多対一で対応付けた情報は、点検レシートデータから抽出された2以上の点検項目を、点検データに含まれる1つの点検項目に多対一で対応付けた情報である。点検データに含まれる各点検項目のうちの非対応項目は、点検レシートデータから抽出された2以上の点検項目と対応付けられる。非対応項目は、点検データに含まれる各点検項目のうち、点検レシートデータから抽出された各点検項目の何れか1つの点検項目に対応付かない点検項目である。設定情報は、点検レシートデータから抽出された2以上の点検項目の集計情報から点検データに含まれる1つの点検項目の集計情報を求める計算式を含むことができる。生成部2105は、上述の精算データと同様に、設定情報に基づいて点検データの非対応項目に集計情報をセットすることができる。
【0118】
なお、上記説明では、情報処理装置2-1がPOS端末1-1に関する点検項目情報データを用いて点検データを生成する例について説明したが、これに限定されない。点検データの項目によっては、情報処理装置2-1は、POS端末1-1に関する点検項目情報データに加えて、情報処理装置2-1を用いた取引に関する各点検項目の集計情報を用いてもよい。この例では、補助記憶デバイス23は、情報処理装置2-1を用いた取引に関する一つ点検項目を、点検データに含まれる一つの点検項目に一対一で対応付けた対応情報を記憶する。生成部2105は、上述の精算データの生成と同様に、点検データを生成することができる。
【0119】
なお、情報処理装置の譲渡は一般に、プログラムがメインメモリまたは補助記憶デバイスに記憶された状態にて行われる。しかしこれに限らず、プログラムがメインメモリまたは補助記憶デバイスに記憶されていない状態で譲渡されてもよい。そしてこの場合は、情報処理装置が備える書き込み可能な記憶デバイスに、この情報処理装置とは個別に譲渡されたプログラムがユーザ等の操作に応じて書き込まれる。プログラムの譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD-ROM、メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読取可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
なお、本実施形態に係るPOS端末は、タブレット端末またはスマートフォンなどに商品登録処理を実現するアプリケーションをインストールした装置も含む。
【0120】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0121】
1-1…POS端末、1-n…POS端末、2-1…情報処理装置、2-n…情報処理装置、3…サーバ、10…情報処理システム、21…プロセッサ、22…メインメモリ、23…補助記憶デバイス、24…通信インタフェース、25…入力デバイス、26…表示デバイス、27…読取デバイス、31…プロセッサ、32…メインメモリ、33…補助記憶デバイス、34…通信インタフェース、311…第1の出力部、312…取得部、313…第2の出力部、2101…第1の取得部、2102…判断部、2103…抽出部、2104…第2の取得部、2105…生成部、2106…検査部、2107…記憶制御部、2108…第3の取得部、2109…第1の出力部、2110…第4の取得部、2111…第2の出力部、2112…表示制御部、T-1…テナント、T-n…テナント。
図1
図2
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図10
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