(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置の制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20241007BHJP
【FI】
G06F3/12 355
G06F3/12 308
G06F3/12 350
G06F3/12 356
(21)【出願番号】P 2023213582
(22)【出願日】2023-12-19
(62)【分割の表示】P 2019212296の分割
【原出願日】2019-11-25
【審査請求日】2024-01-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】名取 琢也
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-144428(JP,A)
【文献】特開2015-170295(JP,A)
【文献】特開2016-081076(JP,A)
【文献】特開2014-162053(JP,A)
【文献】特開2005-254580(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 29/00- 29/70
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置の制御方法であって、
1枚の用紙の1つの面に2以上の所定のページ数の画像データを配置する第1の機能に関する第1の設定部と用紙に複数の列の穴をあける第2の機能に関する第2の設定部を表示手段に表示させる表示制御工程と、
前記第1の機能と前記第2の機能の両方が有効に設定されたことに基づき、前記第1の機能と前記第2の機能の両方を有効に設定することができないことを通知する通知工程と、を有し、
前記所定のページ数は、前記第2の機能により形成されるパンチ穴の列に対して垂直方向に並ぶページ数が奇数となるようなページ数であることを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項2】
前記所定のページ数は、9であることを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記第2の機能は、用紙の端部と用紙の中央の2か所に列に並んだパンチ穴をあける機能であることを特徴とする請求項1または2に記載の制御方法。
【請求項4】
前記2か所に並んだパンチ穴の列は、平行になるように配置されることを特徴とする請求項3に記載の制御方法。
【請求項5】
前記通知工程において、前記第1の機能と前記第2の機能の両方を有効に設定することができないことを示すメッセージを前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項6】
前記第1の機能と前記第2の機能の両方が有効に設定された状態で、印刷ジョブを生成しないよう制御する制御工程をさらに有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項7】
前記表示制御工程と、前記通知工程はプリンタドライバを実行することで実現される制御方法であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項8】
情報処理装置により実行されるコンピュータプログラムであって、
1枚の用紙の1つの面に2以上の所定のページ数の画像データを配置する第1の機能に関する第1の設定部と用紙に複数の列の穴をあける第2の機能に関する第2の設定部を表示手段に表示させる表示制御工程と、
前記第1の機能と前記第2の機能の両方が有効に設定されたことに基づき、前記第1の機能と前記第2の機能の両方を有効に設定することができないことを通知する通知工程と、を前記情報処理装置に実行させ、
前記所定のページ数は、前記第2の機能により形成されるパンチ穴の列に対して垂直方向に並ぶページ数が奇数となるようなページ数であることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記所定のページ数は、9であることを特徴とする請求項8に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記第2の機能は、用紙の端部と用紙の中央の2か所に列に並んだパンチ穴をあける機能であることを特徴とする請求項8または9に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記2か所に並んだパンチ穴の列は、平行になるように配置されることを特徴とする請求項10に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記通知工程において、前記第1の機能と前記第2の機能の両方を有効に設定することができないことを示すメッセージを前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記第1の機能と前記第2の機能の両方が有効に設定された状態で、印刷ジョブを生成しないよう制御する制御工程をさらに前記情報処理装置に実行させることを特徴とする請求項8乃至12のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記コンピュータプログラムは、プリンタドライバにより提供されるプログラムであることを特徴とする請求項8乃至13のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
1枚の用紙の1つの面に2以上の所定のページ数の画像データを配置する第1の機能に関する第1の設定部と用紙に複数の列の穴をあける第2の機能に関する第2の設定部を表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記第1の機能と前記第2の機能の両方が有効に設定されたことに基づき、前記第1の機能と前記第2の機能の両方を有効に設定することができないことを通知する通知手段と、を有し、
前記所定のページ数は、前記第2の機能により形成されるパンチ穴の列に対して垂直方向に並ぶページ数が奇数となるようなページ数であることを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理の制御方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置への印刷指示を生成する情報処理装置上のアプリケーションの設定として、複数ページのデータをまとめるページ集約の機能を有するものがある。これについて、特許文献1はユーザが集約数などの計算を意識することなく、指定した用紙枚数に全ページが収まるようにすることが可能な印刷システムについて開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、出力用紙を綴じるなどの目的のため、出力用紙に穴をあける所謂パンチ機能に対応した印刷装置のオプション機器がある。さらに、出力用紙の端の列および中央の列の二列にパンチを打つダブルパンチ機能に対応した印刷装置のオプション機器がある。予め大きな用紙サイズにダブルパンチされた成果物を中央で断裁することで、1枚の成果物から2枚分のパンチ済紙を得ることができる。
【0005】
このようにパンチを行う際に、併せて特定のページ集約を行う場合、パンチ後の成果物を断裁する際に断裁部分に画像が印字されてしまう場合がある。
【0006】
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、ページ集約した出力物に関して、断裁時に画像部分が断裁されてしまう面付けがされた成果物が出力されることを未然に防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の情報処理装置の制御方法は、1枚の用紙の1つの面に2以上の所定のページ数の画像データを配置する第1の機能に関する第1の設定部と用紙に複数の列の穴をあける第2の機能に関する第2の設定部を表示手段に表示させる表示制御工程と、前記第1の機能と前記第2の機能の両方が有効に設定されたことに基づき、前記第1の機能と前記第2の機能の両方を有効に設定することができないことを通知する通知工程と、を有し、前記所定のページ数は、前記第2の機能により形成されるパンチ穴の列に対して垂直方向に並ぶページ数が奇数となるようなページ数であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、成果物の断裁時に画像部分が断裁されてしまう面付けがされた成果物が出力されることを未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図7】実施例1における印刷システムのUI禁則制御の判定処理の流れを示すフローチャート。
【
図8】9in1が設定された場合の通常の出力物の模式図。
【
図9】実施例2における印刷システムの特殊なページレイアウトの制御の判定処理の流れを示すフローチャート。
【
図10】実施例2における特殊なページレイアウトの出力物の模式図。
【
図12】実施例3における印刷システムのUI禁則制御の判定処理の流れを示すフローチャート。
【
図13】2in1が設定された場合の出力物の模式図。
【
図14】実施例4における印刷システムのUI禁則制御の判定処理の流れを示すフローチャート。
【
図15】実施例4における用紙サイズとページ集約の方向の対応表。
【
図17】6in1が設定された場合の出力物の模式図。
【
図18】2穴のパンチ処理を3か所に実施された出力物の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また各実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【実施例1】
【0011】
はじめに、本実施例における印刷システムの構成について説明する。
図1は本実施例における印刷システムの一例である。ネットワーク100に画像処理装置101と情報処理装置102が接続されている。情報処理装置102にはOSおよびアプリケーションがインストールされている。このシステムにおいて、ユーザは情報処理装置102からアプリケーションを利用して印刷ジョブを画像処理装置101に送信する。情報処理装置102が一般的なPC(Personal Computer:パーソナルコンピュータ)に代表される情報機器である場合、アプリケーションとしてプリンタドライバを介して対象となる画像処理装置101へ印刷ジョブを送信する構成が考えられる。
【0012】
次に、印刷システムを構成する機器のハードウェア構成について説明する。
図2は情報処理装置102のブロック図である。入力装置206はユーザが情報処理装置を操作するためのキーボードやマウスあるいはタッチパネルに相当する。表示装置207はユーザが情報処理装置102を操作するためのディスプレイに相当する。例えばタッチパネルのように表示装置207の一部または全部が入力装置206を兼ねている構成もある。記憶装置205は、大容量のデータを保存するための不揮発性のハードディスクに代表される記憶媒体に相当し、アプリケーションやデータの読み書きが行われる。ネットワーク装置208は
図1で説明したネットワーク100に接続され、他の機器と通信を行うことが可能である。
【0013】
通常、情報処理装置102を起動するための初期プログラムや情報処理装置102の各モジュールを制御するための基本的なプログラムはROM203に保存されている。またOSやアプリケーションは記憶装置205に保存されている。情報処理装置102の電源が投入されると、まずROM203に保存されているコンピュータを起動するためのプログラム(ブートローダ)が実行される。そして、そのプログラムが記憶装置205に保存されているOSをRAM202にロードし、その後、制御権をOSに渡す。OSは必要なモジュールやドライバをさらに記憶装置205からRAM202に読み込む。さらにユーザの指示により、必要なアプリケーションを記憶装置205からRAM202に読み込み、実行する。
【0014】
図3は画像処理装置101のブロック図である。CPU301、RAM302、ROM303、記憶装置305、表示装置307、ネットワーク装置308は情報処理装置102の構成と同様であるため説明は省略する。入力装置306はテンキーや各種ボタン等で構成される場合もある。印刷装置304は印刷ジョブに含まれる印刷データをRAM302にロードし、印刷を実行して印刷物を出力する。
【0015】
本実施例は、各機器の記憶装置205および305に保存されたプログラムをRAM202および302にロードし、CPU201および301により実行することで実現される。
【0016】
続いて、本実施例における印刷システムを構成する機器の機能について説明する。
図4は本実施例における印刷システムのソフトウェア構成を示す図である。
【0017】
画像処理装置400は、通信部401、印刷部402、入出力制御部403を備える。通信部401はネットワーク100を通じて他の機器との通信を実現する。印刷部402は画像処理装置101内の印刷ジョブを実行し、印刷物の出力を実現する。入出力制御部403は入力装置306からの入力情報や、表示装置307への出力情報の制御を実現する。
【0018】
情報処理装置410は、通信部411、ジョブ作成部412、入出力制御部413を備える。通信部411はネットワーク100を通じて他の機器との通信を実現する。ジョブ作成部412は画像処理装置101が解釈可能な印刷データを印刷ジョブとして作成することを実現する。入出力制御部413は入力装置206からの入力情報や、表示装置207への出力情報の制御を実現する。これらの機器が通信部401および411を介して通信することにより、印刷システムを形成している。
【0019】
以下、本実施例における印刷システムの処理について説明する。
【0020】
図5は本実施例におけるプリンタドライバの印刷設定UIである。500は印刷設定UIである。501および503は機能選択タブである。プリンタドライバの機能が多岐に渡るため、その機能の種類に応じて異なるシートでそれぞれの印刷設定を実現するための仕組みである。ここでは機能シートとして「仕上げ」が選択されており、印刷時の面付け処理やフィニッシングに関する設定が可能となる。プレビュー511により、現在の印刷設定で得られる出力結果を模式的に、あるいは縮小して示される。印刷方法選択部521により、片面印刷、両面印刷のいずれかを選択することができる。印刷方向選択部522により、縦、横のいずれかを選択することができる。ページレイアウト選択部523により、面付けとしてページ集約する際の数を選択することができる。ここでは、1in1、2in1、4in1、6in1、8in1、9in1、16in1のいずれかを選択することができるものとする。Nin1は、1枚の用紙の片面(表面、又は、裏面)にNページを配置する設定である。即ち、in1の前の数字は、1枚の用紙の片面に配置されるページ数である。とじ方向選択部524により、とじしろを付与する位置を選択することができる。ここでは、長辺とじ、短辺とじを選択することができるものとする。パンチ穴選択部525により、フィニッシングとしてパンチ穴をあける際の数を指定することができる。ここでは、しない、2穴、3穴、2穴(ダブル)、3穴(ダブル)が選択できるものとする。なお、パンチ処理に際しては、とじ方向選択部524で選択された値を基準にパンチ処理を行うものとする。なお、ダブルとは、2列という意味である。
【0021】
図6にパンチ処理をした出力物の模式図を示す。いずれも印刷方向選択部522で縦が選択されているものとする。
図6(a)はとじ方向選択部524で長辺とじ、パンチ穴選択部525で2穴を選択した場合の図である。
図6(b)はとじ方向選択部524で短辺とじ、パンチ穴選択部525で3穴を選択した場合の図である。
図6(c)はとじ方向選択部524で短辺とじ、パンチ穴選択部525で2穴(ダブル)を選択した場合の例である。
図6(d)はとじ方向選択部524で長辺とじ、パンチ穴選択部525で3穴(ダブル)を選択した場合の例である。
図6(c)および(d)で示される通り、パンチ穴選択部525で2穴(ダブル)や3穴(ダブル)を選択した場合、とじ方向選択部524で指定された方向に並行してパンチ穴が空けられた成果物が得られる。
【0022】
OKボタン531を押下することにより、印刷設定UI500で設定した内容を反映した印刷ジョブを生成する処理が開始される。キャンセルボタン532を押下することにより、印刷設定を終了する。
【0023】
図7は本実施例における印刷システムのUI禁則制御の判定処理の流れを示すフローチャートである。
【0024】
S701において、情報処理装置102は印刷設定UI500の設定値を取得する。S702において、情報処理装置102はページレイアウト選択部523(即ち、ページレイアウト選択項目523。)で設定された値が9in1であるか否かを判定する。S702において、ページレイアウト選択部523で設定された値が9in1であると判定された場合、S703において、情報処理装置102はパンチ穴選択部525に関する禁則制御を行う。具体的には、パンチ穴選択部525(即ち、パンチ穴選択項目525。)で設定されている値が2穴(ダブル)または3穴(ダブル)であった場合には、その設定値を別の値に変更し、2穴(ダブル)および3穴(ダブル)の選択肢が選択不可能なようグレーアウト表示をする。また別の禁則制御の例として、ページレイアウト選択部523で9in1を選択した際にパンチ穴選択部525で2穴(ダブル)および3穴(ダブル)の選択肢が選択できない旨の警告メッセージを表示する。いずれの禁則制御においても、ページレイアウト選択部523で9in1を指定した場合にパンチ穴選択部525で2穴(ダブル)および3穴(ダブル)の選択肢が選択できない状態が保たれることになる。また別の方法としては、2穴(ダブル)または3穴(ダブル)が設定され、かつ、9in1の両方の設定をユーザに許容するものの、両方の設定がなされた印刷ジョブは発行しないように制御する方法も考えられる。具体的には、印刷ジョブを発行するためのOK(印刷設定完了)ボタンをマスクする方法も考えられる。また、印刷ジョブを発行する前に何れかの設定を自動的に変更する(例えば、ダブルをシングルに変えたり、あるいは、9in1を1in1に変えたりする)方法も考えられる。これらの方法も本実施例の一部である。
【0025】
なお、本フローチャートでは先に9in1であるかを先に判定しているが、そうではなく、2穴(ダブル)や3穴(ダブル)が選択されているかを先に判定してもよい。その場合、例えば、9in1をページ集約数の選択肢から除外するようにするのが好ましい。
【0026】
一方、S702において、ページレイアウト選択部523で設定された値が9in1でないと判定された場合、情報処理装置102はパンチ穴選択部525の選択肢に関して特別な禁則制御は行わない。
【0027】
この一連のUI禁則制御の判定処理が実行されるタイミングは、印刷設定UI500のいずれかの設定値が変更されたタイミングであってもよい。あるいは、禁則制御に関わる設定値であるページレイアウト選択部523およびパンチ穴選択部525の設定値が変更されたタイミングに限定してもよい。あるいは、OKボタン531が押下されたタイミングであってもよい。
【0028】
この一連のUI禁則制御の判定処理により、ページレイアウトが9in1となる場合に断裁前提のパンチ処理を禁則することが可能となる。その結果、成果物の断裁時に画像部分が断裁されてしまう面付けがされた成果物が出力されることを未然に防ぐことができる。
【0029】
なお、ページ集約数とは、1枚の用紙の一つの面(表面または裏面)に印刷されるページの数を表している。
【0030】
以上の通り、9in1を例に説明したが、9in1以外の他の値(例えば、25in1等)の場合にも同様の制御を行ってもよい。なお、9in1及び9in1同等の制御が行われる値のことを本実施例では所定の値と呼ぶ。
【実施例2】
【0031】
本実施例ではページレイアウト選択部523で9in1が設定され、パンチ穴選択部525で2穴(ダブル)または3穴(ダブル)が選択された際に、特殊なページレイアウトをする一連の処理を示す。
【0032】
図8(a)はページレイアウト選択部523で9in1が設定された場合の通常の出力物の模式図であり、片面印刷における出力用紙と元のデータにおけるページ番号の対応を示している。なお、用紙内の配置順序に関しては
図8(b)や(c)に示すような順序であってもよい。
【0033】
図9は本実施例における印刷システムの特殊なページレイアウトの制御の判定処理の流れを示すフローチャートである。
【0034】
S901において、情報処理装置102は印刷設定UI500の設定値を取得する。S902において、情報処理装置102はページレイアウト選択部523で設定された値が9in1であるか否かを判定する。S902において、ページレイアウト選択部523で設定された値が9in1であると判定された場合、S903において、情報処理装置102はパンチ穴選択部525で設定されている値が2穴(ダブル)または3穴(ダブル)であるか否かを判定する。S902において、ページレイアウト選択部523で設定された値が9in1でないと判定された場合およびS903においてパンチ穴選択部525で設定されている値が2穴(ダブル)または3穴(ダブル)でないと判定された場合、S904の処理へ進む。S904において、情報処理装置102は通常のページレイアウトに基づいた印刷ジョブを生成する。一方、S903においてパンチ穴選択部525で設定されている値が2穴(ダブル)または3穴(ダブル)であると判定された場合、S905において、情報処理装置102はとじ方向選択部524で設定された値が長辺とじであるか否かを判定する。S905において、とじ方向選択部524で設定された値が長辺とじであると判定された場合、S906において、情報処理装置102は長辺方向の断裁を前提としたページレイアウトに基づいた印刷ジョブを生成する。一方、S905において、とじ方向選択部524で設定された値が長辺とじでないと判定された場合、S907において、情報処理装置102は短辺方向の断裁を前提としたページレイアウトに基づいた印刷ジョブを生成する。
【0035】
図10(a)はS906における長辺方向の断裁を前提としたページレイアウトの出力物の模式図であり、片面印刷における出力用紙と元のデータにおけるページ番号の対応を示している。
図10(b)はS907における短辺方向の断裁を前提としたページレイアウトの出力物の模式図であり、片面印刷における出力用紙と元のデータにおけるページ番号の対応を示している。
図10に示す通り、S906およびS907において、9in1のページレイアウトをベースとして断裁部分に相当する箇所には描画をしない特殊なページレイアウトを行う。
【0036】
この特殊なページレイアウトをする一連の処理が実行されるタイミングは、OKボタン531が押下されたタイミングである。なお、この特殊なページレイアウトは出力用紙1枚におけるページ集約の枚数が9ではなくなるため、S903とS905の処理の間に
図11に示すメッセージを表示し、ユーザに確認を促す構成であってもよい。続行ボタン1101が押下された場合、S905の処理へ進み、キャンセルボタン1102が押下された場合、S905の処理へは進まず、印刷設定UI500を用いた印刷設定画面に戻る構成であってもよい。
【0037】
この特殊なページレイアウトをする一連の処理により、成果物の断裁時に画像部分が断裁されてしまう面付けがされた成果物が出力されることを未然に防ぐことができる。
【実施例3】
【0038】
本実施例ではページレイアウト選択部523で2in1が設定された場合における印刷システムのUI禁則制御の判定処理の流れを説明する。
【0039】
図12は本実施例における印刷システムのUI禁則制御の判定処理の流れを示すフローチャートである。
【0040】
S1201において、情報処理装置102は印刷設定UI500の設定値を取得する。S1202において、情報処理装置102はページレイアウト選択部523で設定された値が2in1であるか否かを判定する。S1202において、ページレイアウト選択部523で設定された値が2in1であると判定された場合、S1203において、情報処理装置102はとじ方向選択部524で設定された値が長辺とじであるか否かを判定する。S1203において、とじ方向選択部524で設定された値が長辺とじであると判定された場合、S1204において、情報処理装置102はパンチ穴選択部525に関する禁則制御を行う。S1204における禁則制御は、実施例1で示した禁則制御と同様である。いずれの禁則制御においても、ページレイアウト選択部523で2in1を指定し且つとじ方向選択部524で長辺とじが選択された場合にパンチ穴選択部525で2穴(ダブル)および3穴(ダブル)の選択肢が選択できない状態が保たれることになる。
【0041】
一方、S1202において、ページレイアウト選択部523で設定された値が2in1でないと判定された場合、情報処理装置102はパンチ穴選択部525の選択肢に関して特別な禁則制御は行わない。またS1203において、とじ方向選択部524で設定された値が長辺とじでないと判定された場合も、情報処理装置102はパンチ穴選択部525の選択肢に関して特別な禁則制御は行わない。
【0042】
この一連のUI禁則制御の判定処理が実行されるタイミングは、実施例1と同様に、印刷設定UI500のいずれかの設定値が変更されたタイミングであってもよい。あるいは、禁則制御に関わる設定値であるページレイアウト選択部523およびパンチ穴選択部525の設定値が変更されたタイミングに限定してもよい。あるいは、OKボタン531が押下されたタイミングであってもよい。
【0043】
この一連のUI禁則制御の判定処理により、ページレイアウトが2in1となる場合に断裁前提のパンチ処理を禁則することが可能となる。その結果、成果物の断裁時に画像部分が断裁されてしまう面付けがされた成果物が出力されることを未然に防ぐことができる。
【実施例4】
【0044】
実施例3において、ページレイアウト選択部523で2in1が設定された際の用紙のページ集約方向について、
図13(a)に示す通りの長辺方向に2ページ描画する前提で説明した。しかしながら、ページレイアウト選択部523で2in1が設定された際の用紙のページ集約方向について、
図13(b)に示す通りの短辺方向に2ページ描画する場合がある。これを踏まえ、本実施例ではページレイアウト選択部523で2in1が設定された場合における印刷システムのUI禁則制御の判定処理の流れを説明する。
【0045】
図14は本実施例における印刷システムのUI禁則制御の判定処理の流れを示すフローチャートである。
【0046】
S1401において、情報処理装置102は印刷設定UI500の設定値を取得する。S1402において、情報処理装置102はページレイアウト選択部523で設定された値が2in1であるか否かを判定する。S1402において、ページレイアウト選択部523で設定された値が2in1であると判定された場合、S1403において、情報処理装置102は用紙のページ集約方向が長辺方向に2ページ描画するか否かを判定する。S1403において、用紙のページ集約方向が長辺方向に2ページ描画すると判定された場合、S1404において、情報処理装置102はとじ方向選択部524で設定された値が長辺とじであるか否かを判定する。一方、S1403において、用紙のページ集約方向が長辺方向に2ページ描画しないと判定された場合、S1405において、情報処理装置102はとじ方向選択部524で設定された値が短辺とじであるか否かを判定する。S1404においてとじ方向選択部524で設定された値が長辺とじであると判定された場合、およびS1405においてとじ方向選択部524で設定された値が短辺とじであると判定された場合、S1406の処理に進む。S1406において、情報処理装置102はパンチ穴選択部525に関する禁則制御を行う。S1406における禁則制御は、実施例3で示した禁則制御と同様である。いずれの禁則制御においても、パンチ穴選択部525で2穴(ダブル)および3穴(ダブル)の選択肢が選択できない状態が保たれることになる。
【0047】
S1403における用紙のページ集約方向を判定する例を示す。一つの例として、予め用意した対応表に基づいて判定する手法がある。用紙サイズが定型用紙のサイズの場合、縦横の比率が既知であるため、
図15に示す表のように用紙サイズ毎にページ集約の方向を予め決定しておき、それに基づいて判定する手法である。
【0048】
別の例として、用紙サイズの縦横比を計算し、それに基づいて判定する手法がある。2ページを集約するにあたり、用紙の縦の長さが横の長さの2倍以上長い場合、短辺方向に2ページ描画する方が、長辺方向に2ページ描画するよりも、大きく描画することができる。この比較を説明したものが
図16である。
図16(a)は、用紙の縦の長さhが横の長さwの2倍以上長い場合に短辺方向に2ページ描画した場合の図である。この時の縮小率は(w/2)/w=0.5となる。一方、
図16の(b)は、用紙の縦の長さhが横の長さwの2倍以上長い場合に長辺方向に2ページ描画した場合の図である。この時の縮小率はw/hとなり、h>2wであることからこれは0.5より小さくなり、
図16(a)よりも小さく描画される結果となる。ページ集約において、集約されるページを可能な限り大きく描画する方が望ましい。用紙サイズの縦横比を計算し、用紙の縦の長さhが横の長さwの2倍以上長い場合に長辺方向に2ページ描画と判断し、そうでない場合は短辺方向に2ページ描画と判断する手法である。
【0049】
一方、S1404においてとじ方向選択部524で設定された値が長辺とじでないと判定された場合、情報処理装置102はパンチ穴選択部525の選択肢に関して特別な禁則制御は行わない。またS1405においてとじ方向選択部524で設定された値が短辺とじでないと判定された場合も、情報処理装置102はパンチ穴選択部525の選択肢に関して特別な禁則制御は行わない。
【0050】
この一連のUI禁則制御の判定処理が実行されるタイミングは、実施例3と同様に、印刷設定UI500のいずれかの設定値が変更されたタイミングであってもよい。あるいは、禁則制御に関わる設定値であるページレイアウト選択部523およびパンチ穴選択部525の設定値が変更されたタイミングに限定してもよい。あるいは、OKボタン531が押下されたタイミングであってもよい。
【0051】
この一連のUI禁則制御の判定処理により、ページレイアウトが2in1となる場合に断裁前提のパンチ処理を禁則することが可能となる。その結果、成果物の断裁時に画像部分が断裁されてしまう面付けがされた成果物が出力されることを未然に防ぐことができる。
【0052】
[その他の形態]
実施例3ではページ集約数が2の場合の例について説明したが、ページ集約数は2に限定されない。たとえばページ集約数が6の場合の例として、出力物は
図17に示す配置となる。ここにおいて、とじ方向選択部524で設定された値が短辺とじであると判定された場合に、上述の禁則制御をすることでページ集約数が6の場合も実施例3と同様の効果を得ることができる。
【0053】
また、上述の実施例においては出力用紙の中央で断裁されることを想定したパンチ処理に関して説明したが、断裁箇所は必ずしも中央に限定されない。たとえば、
図18に示すように2穴のパンチ処理を3か所に実施する「2穴(トリプル)」のようなパンチ穴選択がされ場合、この出力物は中央ではなく用紙を三等分するよう断裁されると判断できる。この場合は用紙が三等分される前提で、画像部分が断裁されてしまう面付けを禁則制御することで、同様の効果を得ることができる。
【0054】
また、本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0055】
101 画像処理装置
102 情報処理装置