IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッドの特許一覧

特許7567034マルチリンク無線送信のためのデバイスおよび方法
<>
  • 特許-マルチリンク無線送信のためのデバイスおよび方法 図1
  • 特許-マルチリンク無線送信のためのデバイスおよび方法 図2
  • 特許-マルチリンク無線送信のためのデバイスおよび方法 図3
  • 特許-マルチリンク無線送信のためのデバイスおよび方法 図4
  • 特許-マルチリンク無線送信のためのデバイスおよび方法 図5
  • 特許-マルチリンク無線送信のためのデバイスおよび方法 図6
  • 特許-マルチリンク無線送信のためのデバイスおよび方法 図7
  • 特許-マルチリンク無線送信のためのデバイスおよび方法 図8
  • 特許-マルチリンク無線送信のためのデバイスおよび方法 図9
  • 特許-マルチリンク無線送信のためのデバイスおよび方法 図10
  • 特許-マルチリンク無線送信のためのデバイスおよび方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】マルチリンク無線送信のためのデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/0457 20230101AFI20241007BHJP
   H04W 28/04 20090101ALI20241007BHJP
   H04W 28/06 20090101ALI20241007BHJP
   H04W 92/16 20090101ALI20241007BHJP
【FI】
H04W72/0457 110
H04W28/04 110
H04W28/06
H04W92/16
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2023512218
(86)(22)【出願日】2020-08-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(86)【国際出願番号】 EP2020073227
(87)【国際公開番号】W WO2022037774
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2023-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】オレン・ヘンシンスキー
(72)【発明者】
【氏名】オハド・クラウスナー
(72)【発明者】
【氏名】ヨタム・カッツマン
【審査官】原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-526179(JP,A)
【文献】特開2016-123051(JP,A)
【文献】Yoshihisa Kondo (ATR),Discussion on Expansion of Multi-Link Aggregation to Multi-AP,IEEE 802.11-20/0035r0,IEEE, インターネット<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/20/11-20-0035-00-00be-discussion-on-expansion-of-multi-link-aggregation-to-multi-ap.pptx>,2020年01月11日
【文献】Rojan Chitrakar (Panasonic),Multi-link block ack architecture,IEEE 802.11-20/0055r0,IEEE, インターネット<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/20/11-20-0055-00-00be-multi-link-block-ack-architecture.pptx>,2020年01月10日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ネットワークにおけるマルチリンク実装のための第1のエンティティ(100)であって、前記第1のエンティティ(100)は、
無線デバイス上に配置された第1のチップセットに搭載され、
前記無線デバイス上に配置されて前記第1のチップセットとは異なる第2のチップセットに搭載された第2のエンティティ(200)に第1の指示(101)を送信し、前記第1の指示(101)は、前記第1のエンティティ(100)から第1のリンク受信器(110)に送信された第1のパケットセットを指示し、
前記第2のエンティティ(200)に第1の送信状況指示(102)を送信し、前記第1の送信状況指示(102)は、前記第1のパケットセットのうちのどのパケットが前記第1のリンク受信器(110)によって正常に受信されたかを指示し、および/または前記第1のパケットセットのうちのどのパケットが前記第1のリンク受信器(110)によって受信されなかったかを指示する、ように構成されており、
前記第1の指示(101)および前記第1の送信状況指示(102)で指示される各パケットは、グローバルマルチリンクシーケンス番号と関連付けられている、
第1のエンティティ(100)。
【請求項2】
無線ネットワークにおけるマルチリンク実装のための第1のエンティティ(100)であって、前記第1のエンティティ(100)は、
第1の無線デバイス上に配置され、第2のチップセットと有線または無線ネットワークバックホール接続を介して通信する第1のチップセットに搭載され、
前記第1の無線デバイスとは異なる第2の無線デバイス上に配置された前記第2のチップセットに搭載された第2のエンティティ(200)に、第1の指示(101)を送信し、前記第1の指示(101)は、前記第1のエンティティ(100)から第1のリンク受信器(110)に送信された第1のパケットセットを指示し、
前記第2のエンティティ(200)に第1の送信状況指示(102)を送信し、前記第1の送信状況指示(102)は、前記第1のパケットセットのうちのどのパケットが前記第1のリンク受信器(110)によって正常に受信されたかを指示し、および/または前記第1のパケットセットのうちのどのパケットが前記第1のリンク受信器(110)によって受信されなかったかを指示する、ように構成されており、
前記第1の指示(101)および前記第1の送信状況指示(102)で指示される各パケットは、グローバルマルチリンクシーケンス番号と関連付けられている、
第1のエンティティ(100)。
【請求項3】
前記第1のリンク受信器(110)に送信されるべきパケットのシーケンスを取得し、各パケットはグローバルマルチリンクシーケンス番号と関連付けられており、
パケットの前記シーケンスの第1の送信キューを維持し、前記第1の送信キュー内のパケットは前記第1のリンク受信器(110)に送信される、
ようにさらに構成された、請求項1又は2に記載の第1のエンティティ(100)。
【請求項4】
前記第1のリンク受信器(110)に前記第1のパケットセットを送信し、前記第1のパケットセットはパケットの前記シーケンスに含まれており、
前記第1のリンク受信器(110)から、第1のブロック確認応答(block acknowledgement: BA)を受信し、前記第1のBAは、前記第1のパケットセットのうちのどのパケットが前記第1のリンク受信器(110)によって正常に受信されたかを指示し、および/または前記第1のパケットセットのうちのどのパケットが前記第1のリンク受信器(110)によって受信されなかったかを指示し、
前記第1のBAと、前記第1のBAで指示されるパケットと関連付けられたグローバルマルチリンクシーケンス番号とに基づいて、前記第1の送信状況指示(102)を生成する
ようにさらに構成された、請求項3に記載の第1のエンティティ(100)。
【請求項5】
前記第1のパケットセットの各パケットは無線シーケンス番号を含み、前記第1のBAは、各パケットの前記無線シーケンス番号を指示することによって、前記第1のパケットセットのうちのどのパケットが前記第1のリンク受信器(110)によって正常に受信されたかを指示し、および/または前記第1のパケットセットのうちのどのパケットが前記第1のリンク受信器(110)によって受信されなかったかを指示する、請求項4に記載の第1のエンティティ(100)。
【請求項6】
前記第2のエンティティ(200)から第2の指示を受信し、前記第2の指示は、前記第2のエンティティ(200)から第2のリンク受信器(210)に送信された第2のパケットセットを指示し、前記第2の指示で指示される各パケットはグローバルマルチリンクシーケンス番号と関連付けられており、前記第2のパケットセットはパケットの前記シーケンスに含まれており、
前記第2の指示に応答して、前記第2のパケットセットを前記第1の送信キューから第1の保留キューに移動し、前記第1の保留キュー内のパケットは保留にされる、
ようにさらに構成された、請求項3から5のいずれか一項に記載の第1のエンティティ(100)。
【請求項7】
前記第2のエンティティ(200)から第2の送信状況指示を受信し、前記第2の送信状況指示は、前記第2のパケットセットのうちのどのパケットが前記第2のリンク受信器(210)によって正常に受信されたかを指示し、および/または前記第2のパケットセットのうちのどのパケットが前記第2のリンク受信器(210)によって受信されなかったかを指示し、
前記第2の送信状況指示に応答して、
前記第2のリンク受信器(210)によって正常に受信されたパケットを前記第1の保留キューから解放し、および/または
前記第2のリンク受信器(210)によって受信されなかったパケットを前記第1の送信キューの先頭に戻す、
ようにさらに構成された、請求項6に記載の第1のエンティティ(100)。
【請求項8】
前記第1のチップセットは、前記第2のチップセットとは異なる周波数で動作する、請求項1から7のいずれか一項に記載の第1のエンティティ(100)。
【請求項9】
無線ネットワークにおけるマルチリンク実装のための第2のエンティティ(200)であって、前記第2のエンティティ(200)は、
無線デバイス上に配置された第2のチップセットに搭載され、 前記無線デバイス上に配置されて前記第2のチップセットとは異なる第1チップセットに搭載された第1のエンティティ(100)から第1の指示(101)を受信し、前記第1の指示(101)は、前記第1のエンティティ(100)から第1のリンク受信器(110)に送信された第1のパケットセットを指示し、
前記第1のエンティティ(100)から第1の送信状況指示(102)を受信し、前記第1の送信状況指示(102)は、前記第1のパケットセットのうちのどのパケットが前記第1のリンク受信器(110)によって正常に受信されたかを指示し、および/または前記第1のパケットセットのうちのどのパケットが前記第1のリンク受信器(110)によって受信されなかったかを指示する、ように構成されており、
前記第1の指示(101)および前記第1の送信状況指示(102)で指示される各パケットは、グローバルマルチリンクシーケンス番号と関連付けられている、
第2のエンティティ(200)。
【請求項10】
無線ネットワークにおけるマルチリンク実装のための第2のエンティティ(200)であって、前記第2のエンティティ(200)は、
第2の無線デバイス上に配置され、第1のチップセットと有線または無線ネットワークバックホール接続を介して通信する第2のチップセットに搭載され、
前記第2の無線デバイスとは異なる第1の無線デバイス上に配置された前記第1のチップセットに搭載された第1のエンティティ(100)から第1の指示(101)を受信し、前記第1の指示(101)は、前記第1のエンティティ(100)から第1のリンク受信器(110)に送信された第1のパケットセットを指示し、
前記第1のエンティティ(100)から第1の送信状況指示(102)を受信し、前記第1の送信状況指示(102)は、前記第1のパケットセットのうちのどのパケットが前記第1のリンク受信器(110)によって正常に受信されたかを指示し、および/または前記第1のパケットセットのうちのどのパケットが前記第1のリンク受信器(110)によって受信されなかったかを指示する、ように構成されており、
前記第1の指示(101)および前記第1の送信状況指示(102)で指示される各パケットは、グローバルマルチリンクシーケンス番号と関連付けられている、
第2のエンティティ(200)。
【請求項11】
第2のリンク受信器(210)に送信される必要があるパケットのシーケンスを取得し、各パケットはグローバルマルチリンクシーケンス番号と関連付けられており、
パケットの前記シーケンスの第2の送信キューを維持し、前記第2の送信キュー内のパケットは前記第2のリンク受信器(210)に送信される、
ようにさらに構成された、請求項9又は10に記載の第2のエンティティ(200)。
【請求項12】
前記第1のパケットセットはパケットの前記シーケンスに含まれており、前記第2のエンティティ(200)は、
前記第1の指示(101)に応答して、前記第1のパケットセットを前記第2の送信キューから第2の保留キューに移動し、前記第2の保留キュー内のパケットは保留にされる、
ようにさらに構成されている、請求項11に記載の第2のエンティティ(200)。
【請求項13】
前記第1の送信状況指示(102)に応答して、
前記第1のリンク受信器(110)によって正常に受信されたパケットを前記第2の保留キューから解放し、および/または
前記第1のリンク受信器(110)によって受信されなかったパケットを前記第2の送信キューの先頭に戻す、
ようにさらに構成された、請求項12に記載の第2のエンティティ(200)。
【請求項14】
前記第2のリンク受信器(210)に第2のパケットセットを送信し、前記第2のパケットセットはパケットの前記シーケンスに含まれており、
前記第2のリンク受信器(210)から第2のブロック確認応答 (block acknowledgement: BA) を受信し、前記第2のBAは、前記第2のパケットセットのうちのどのパケットが前記第2のリンク受信器(210)によって正常に受信されたかを指示し、および/または前記第2のパケットセットのうちのどのパケットが前記第2のリンク受信器(210)によって受信されなかったかを指示し、
前記第2のBAと、前記第2のBAで指示されるパケットと関連付けられたグローバルマルチリンクシーケンス番号とに基づいて、第2の送信状況指示を生成する、
ようにさらに構成された、請求項11から13のいずれか一項に記載の第2のエンティティ(200)。
【請求項15】
前記第2のパケットセットの各パケットは無線シーケンス番号を含み、前記第2のBAは、各パケットの前記無線シーケンス番号を指示することによって、前記第2のパケットセットのうちのどのパケットが前記第2のリンク受信器(210)によって正常に受信されたかを指示し、および/または前記第2のパケットセットのうちのどのパケットが前記第2のリンク受信器(210)によって受信されなかったかを指示する、請求項14に記載の第2のエンティティ(200)。
【請求項16】
前記第1のエンティティ(100)に第2の指示を送信し、前記第2の指示は、前記第2のエンティティ(200)から前記第2のリンク受信器(210)に送信された前記第2のパケットセットを指示し、
前記第1のエンティティ(100)に前記第2の送信状況指示を送信し、前記第2の送信状況指示は、前記第2のパケットセットのうちのどのパケットが前記第2のリンク受信器(210)によって正常に受信されたかを指示し、および/または前記第2のパケットセットのうちのどのパケットが前記第2のリンク受信器(210)によって受信されなかったかを指示する、
ようにさらに構成された、請求項14または15に記載の第2のエンティティ(200)。
【請求項17】
無線送信デバイス、詳細には無線ネットワークにおけるアクセスポイントであって、前記無線送信デバイスは、
請求項1から8のいずれか一項に記載の少なくとも1つの第1のエンティティ(100)と請求項9から16のいずれか一項に記載の少なくとも1つの第2のエンティティ(200)とを備え、
前記無線送信デバイスは、
パケットの元のシーケンスを取得し、
パケットの前記元のシーケンスの各パケットにグローバルマルチリンクシーケンス番号を付加することによってパケットのシーケンスを生成し、
パケットの前記シーケンスを複製し、パケットの前記シーケンスを、前記少なくとも1つの第1のエンティティ(100)および前記少なくとも1つの第2のエンティティ(200)の各々に提供する、
ように構成されている、無線送信デバイス。
【請求項18】
無線受信デバイス、詳細には無線ネットワークにおける局であって、前記無線受信デバイスは、少なくとも1つの第1のリンク受信器(110)と、少なくとも1つの第2のリンク受信器(210)とを備え、前記少なくとも1つの第1のリンク受信器(110)は、請求項1から8のいずれか一項に記載の少なくとも1つの第1のエンティティ(100)からパケットを受信するように構成されており、前記少なくとも1つの第2のリンク受信器(210)は、請求項9から16のいずれか一項に記載の少なくとも1つの第2のエンティティ(200)からパケットを受信するように構成されており、
前記無線受信デバイスは、
前記少なくとも1つの第1のリンク受信器(110)によって受信された前記パケットと前記少なくとも1つの第2のリンク受信器(210)によって受信された前記パケットとを組み合わせることによって受信ストリームを取得する
ように構成されている、無線受信デバイス。
【請求項19】
無線ネットワークにおけるマルチリンク実装のための方法(1000)であって、
第1のエンティティ(100)によって、第2のエンティティ(200)に第1の指示(101)を送信するステップ(1001)であって、前記第1の指示(101)は、前記第1のエンティティ(100)から第1のリンク受信器(110)に送信された第1のパケットセットを指示する、ステップ(1001)と、
前記第1のエンティティ(100)によって、前記第2のエンティティ(200)に第1の送信状況指示(102)を送信するステップ(1002)であって、前記第1の送信状況指示(102)は、前記第1のパケットセットのうちのどのパケットが前記第1のリンク受信器(110)によって正常に受信されたかを指示し、および/または前記第1のパケットセットのうちのどのパケットが前記第1のリンク受信器(110)によって受信されなかったかを指示する、ステップ(1002)とを含み、
前記第1の指示(101)および前記第1の送信状況指示(102)で指示される各パケットは、グローバルマルチリンクシーケンス番号と関連付けられ、
前記第1のエンティティ(100)は、無線デバイス上に配置された第1のチップセットに搭載され、
前記第2のエンティティ(200)は、前記無線デバイス上に配置されて前記第1のチップセットとは異なる第2のチップセットに搭載される
方法(1000)。
【請求項20】
無線ネットワークにおけるマルチリンク実装のための方法(1000)であって、
第1のエンティティ(100)によって、第2のエンティティ(200)に第1の指示(101)を送信するステップ(1001)であって、前記第1の指示(101)は、前記第1のエンティティ(100)から第1のリンク受信器(110)に送信された第1のパケットセットを指示する、ステップ(1001)と、
前記第1のエンティティ(100)によって、前記第2のエンティティ(200)に第1の送信状況指示(102)を送信するステップ(1002)であって、前記第1の送信状況指示(102)は、前記第1のパケットセットのうちのどのパケットが前記第1のリンク受信器(110)によって正常に受信されたかを指示し、および/または前記第1のパケットセットのうちのどのパケットが前記第1のリンク受信器(110)によって受信されなかったかを指示する、ステップ(1002)とを含み、
前記第1の指示(101)および前記第1の送信状況指示(102)で指示される各パケットは、グローバルマルチリンクシーケンス番号と関連付けられ、
前記第1のエンティティ(100)は、第1の無線デバイス上に配置され、第2のチップセットと有線または無線ネットワークバックホール接続を介して通信する第1のチップセットに搭載され、
前記第2のエンティティ(200)は、前記第1の無線デバイスとは異なる第2の無線デバイス上に配置された前記第2のチップセットに搭載される
方法(1000)。
【請求項21】
無線ネットワークにおけるマルチリンク実装のための方法(1100)であって、
第2のエンティティ(200)によって、第1のエンティティ(100)から第1の指示(101)を受信するステップ(1101)であって、前記第1の指示(101)は、前記第1のエンティティ(100)から第1のリンク受信器(110)に送信された第1のパケットセットを指示する、ステップ(1101)と、
前記第2のエンティティ(200)によって、前記第1のエンティティ(100)から第1の送信状況指示(102)を受信するステップ(1102)であって、前記第1の送信状況指示(102)は、前記第1のパケットセットのうちのどのパケットが前記第1のリンク受信器(110)によって正常に受信されたかを指示し、および/または前記第1のパケットセットのうちのどのパケットが前記第1のリンク受信器(110)によって受信されなかったかを指示する、ステップ(1102)とを含み、
前記第1の指示(101)および前記第1の送信状況指示(102)で指示される各パケットは、グローバルマルチリンクシーケンス番号と関連付けられ、
前記第1のエンティティ(100)は、無線デバイス上に配置された第1のチップセットに搭載され、
前記第2のエンティティ(200)は、前記無線デバイス上に配置されて前記第1のチップセットとは異なる第2のチップセットに搭載される
方法(1100)。
【請求項22】
無線ネットワークにおけるマルチリンク実装のための方法(1100)であって、
第2のエンティティ(200)によって、第1のエンティティ(100)から第1の指示(101)を受信するステップ(1101)であって、前記第1の指示(101)は、前記第1のエンティティ(100)から第1のリンク受信器(110)に送信された第1のパケットセットを指示する、ステップ(1101)と、
前記第2のエンティティ(200)によって、前記第1のエンティティ(100)から第1の送信状況指示(102)を受信するステップ(1102)であって、前記第1の送信状況指示(102)は、前記第1のパケットセットのうちのどのパケットが前記第1のリンク受信器(110)によって正常に受信されたかを指示し、および/または前記第1のパケットセットのうちのどのパケットが前記第1のリンク受信器(110)によって受信されなかったかを指示する、ステップ(1102)とを含み、
前記第1の指示(101)および前記第1の送信状況指示(102)で指示される各パケットは、グローバルマルチリンクシーケンス番号と関連付けられ、
前記第1のエンティティ(100)は、第1の無線デバイス上に配置され、第2のチップセットと有線または無線ネットワークバックホール接続を介して通信する第1のチップセットに搭載され、
前記第2のエンティティ(200)は、前記第1の無線デバイスとは異なる第2の無線デバイス上に配置された前記第2のチップセットに搭載される
方法(1100)。
【請求項23】
コンピュータに、請求項19から22のいずれか一項に記載の方法(1000、1100)を実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に無線通信に関し、より特に無線送信におけるマルチリンクアグリゲーションに関する。本開示は、低レイテンシおよび厳密な遅延の無線送信のためのデバイスおよび方法を提案する。
【背景技術】
【0002】
IEEE802.11規格/プロトコルファミリ、略して802.11は、様々な周波数における無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)Wi-Fiコンピュータ通信を実装するための媒体アクセス制御(MAC)層プロトコルおよび物理層(PHY)プロトコルのセットを規定している。
【0003】
802.11プロトコルファミリは、搬送波感知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)を用いる。CSMAは、ノードが、電気バスや電磁スペクトルの帯域などの共有送信媒体上で送信する前に、他のトラフィックの欠如を検証するMACプロトコルである。コンピュータネットワーキングにおけるCSMA/CAは、搬送波感知が使用されるネットワーク多元接続方法であるが、ノードは、チャネルが「アイドル」であると感知された後にのみ送信を開始することによって衝突を回避しようと試みる。CSMA/CAに基づくWi-Fi送信はランダムバックオフを含み、よって送信機会(TxOP)タイミングが保証されることができない。
【0004】
略してIEEE802.11e、802.11eまたは11eは、4つのアクセスカテゴリを有する拡張型分散チャネルアクセス(EDCA)を導入している。各カテゴリは、ランダムバックオフウィンドウ分だけ互いに異なり、ランダムバックオフウィンドウは、低レイテンシのトラフィックに対して他のトラフィックに優って統計的により高い優先度を提供する。
【0005】
典型的な住宅用Wi-Fi環境は、同じチャネルを共有するいくつかのアクセスポイント(AP)を含む。しかしながら、重複する基本サービスセット(OBSS)送信は調整されず、AP間の協調のためのプロトコルはない。よって、遅延は、制限されることも保証されるもできない。
【0006】
2つの異なるチャネルで並列に動作するマルチリンクデバイスを実装することが提案されている。しかしながら、そのようなマルチリンク実装における最大の課題のうちの1つは、同じWi-Fiチップ上の2つの異なるチャネル間の同時送信受信(STR)問題をどのように緩和するかである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の限界を考慮して、本開示の実施形態は、OBSS時分割干渉を緩和するための解決策を導入することを目的とする。特に、1つの目的は、エア獲得機会を最適化することである。1つの目的は、無線送信におけるより低い遅延を達成することである。
【0008】
この目的は、添付の独立請求項で提供される実施形態によって達成される。実施形態の有効な実装形態は、従属請求項においてさらに定義されている。
【0009】
本開示の実施形態は、STRマルチリンク実装のためのソフトウェアベースの手法を提供する。特に、マルチリンク実装のすべてのリンクを同期されたままにするために、ソフトウェアベースの低レイテンシメッセージ(例えば、第1の指示、および第1の送信状況指示)が、第1のエンティティと第2のエンティティとの間で交換される。
【0010】
本開示の第1の態様は、無線ネットワークにおけるマルチリンク実装のための第1のエンティティを提供し、第1のエンティティは、第2のエンティティに第1の指示を送信し、第1の指示は、第1のエンティティから第1のリンク受信器に送信された第1のパケットセットを示し、第2のエンティティに第1の送信状況指示を送信し、第1の送信状況指示は、第1のパケットセットのうちのどのパケットが第1のリンク受信器によって正常に受信されたかを示し、および/または第1のパケットセットのうちのどのパケットが第1のリンク受信器によって受信されなかったかを示す、ように構成されており、第1の指示および第1の送信状況指示で示される各パケットは、グローバルマルチリンクシーケンス番号と関連付けられている。
【0011】
第1の態様の一実装形態では、第1のエンティティは、第1のリンク受信器に送信されるべきパケットのシーケンスを取得し、各パケットはグローバルマルチリンクシーケンス番号と関連付けられており、パケットのシーケンスの第1の送信キューを維持し、第1の送信キュー内のパケットは第1のリンク受信器に送信される、ようにさらに構成されている。
【0012】
グローバルマルチリンクシーケンス番号は、マルチリンク実装においてパケットを識別するように設計されている。特に、パケットのシーケンスは、マルチリンクの異なるリンク/チャネルで送信される必要があり、同一である。各グローバルマルチリンクシーケンス番号は、異なるリンク内の同じパケットを識別する。すなわち、異なるリンク内の同一のパケットは同じグローバルマルチリンクシーケンス番号を共有する。特に、グローバルマルチリンクシーケンス番号は、無線送信における従来のシーケンス番号とは異なる。特に、グローバルマルチリンクシーケンス番号は、第1のエンティティがパケットを取得する前に各パケットに設定されうる。
【0013】
第1の態様の一実装形態では、第1のエンティティは、第1のリンク受信器に第1のパケットセットを送信し、第1のパケットセットはパケットのシーケンスに含まれており、第1のリンク受信器から、第1のブロック確認応答(BA)を受信し、第1のBAは、第1のパケットセットのうちのどのパケットが第1のリンク受信器によって正常に受信されたかを示し、および/または第1のパケットセットのうちのどのパケットが第1のリンク受信器によって受信されなかったかを示し、第1のBAと、第1のBAで示されるパケットと関連付けられたグローバルマルチリンクシーケンス番号とに基づいて、第1の送信状況指示を生成する、ようにさらに構成されている。
【0014】
パケットの受信に応答して、受信器、例えば第1のリンク受信器は、送信器、例えば第1のエンティティに確認応答メッセージを送信しうる。この実施形態では、第1のリンク受信器は、第1のエンティティに(単一のフレームを使用して複数のパケットを一緒に確認するための)BAを送信しうる。それに応じて、第1のエンティティは、第1のBAで示されるパケットにグローバルマルチリンクシーケンス番号を付加することによって第1の送信状況指示を生成しうる。特に、BAは、パケットのWi-Fiシーケンス番号を示すことによってパケットを示しうる。
【0015】
第1の態様の一実装形態では、第1のパケットセットの各パケットは無線シーケンス番号を含み、第1のBAは、各パケットの無線シーケンス番号を示すことによって、第1のパケットセットのうちのどのパケットが第1のリンク受信器によって正常に受信されたかを示し、および/または第1のパケットセットのうちのどのパケットが第1のリンク受信器によって受信されなかったかを示す。
【0016】
典型的には、無線送信における各パケットは、パケットのシーケンス番号を示すシーケンス番号フィールドを含む。BAは、前記シーケンス番号を使用して受信されたパケットまたは欠落しているパケットを示しうる。
【0017】
第1の態様の一実装形態では、第1のエンティティは、第2のエンティティから第2の指示を受信し、第2の指示は、第2のエンティティから第2のリンク受信器に送信された第2のパケットセットを示し、第2の指示で示される各パケットはグローバルマルチリンクシーケンス番号と関連付けられており、第2のパケットセットはパケットのシーケンスに含まれており、第2の指示に応答して、第2のパケットセットを第1の送信キューから第1の保留キューに移動し、第1の保留キュー内のパケットは保留にされる、ようにさらに構成されている。
【0018】
第2のエンティティと第2のリンク受信器との間のリンクは、マルチリンク実装における複数のチャネル/無線の他のリンクである。第2のパケットセットはパケットのシーケンスに含まれている。すなわち、第2のエンティティによって示される第2のパケットセットは、第1のエンティティの第1の送信キューにもある。冗長なパケットの送信を回避するために、パケットセットが1つのリンクで送信された場合、その他の(1つまたは複数の)リンクは知らされ、それに応じてこのパケットセットを送信キューから出して保留キューに移動する。
【0019】
第1の態様の一実装形態では、第1のエンティティは、第2のエンティティから第2の送信状況指示を受信し、第2の送信状況指示は、第2のパケットセットのうちのどのパケットが第2のリンク受信器によって正常に受信されたかを示し、および/または第2のパケットセットのうちのどのパケットが第2のリンク受信器によって受信されなかったかを示し、第2の送信状況指示に応答して、第2のリンク受信器によって正常に受信されたパケットを第1の保留キューから解放し、および/または第2のリンク受信器によって受信されなかったパケットを第1の送信キューの先頭に戻す、ようにさらに構成されている。
【0020】
受信器、例えば第2のリンク受信器によって正常に受信されたパケットについては、第1のエンティティがこれらのパケットを再度送信する必要はない。よって、これらのパケットは第1の保留キューから解放されうる。特に、欠落しているパケットまたは受信器によって正常にデコードされることができないパケットは、再送される必要がある。よって、これらのパケットは第1の送信キューに戻されうる。好ましくは、これらのパケットは、次のTxOPで送信されうる。
【0021】
第1の態様の一実装形態では、第1のエンティティは第1のチップセットに実装され、第2のエンティティは、第1のチップセットとは異なる第2のチップセットに実装される。
【0022】
前述のように、同じチップセット上にSTRマルチリンクを実装することは、大きな課題である。
【0023】
よって、この実施形態は、ソフトウェアレベルで行われる代替的な実装形態を提案する。この解決策は現在のマルチバンド製品に基づくものであり、現在のマルチバンド製品は、2つの無線間の外部オンボード高無線周波数(RF)分離を含むが、各無線は独立したチップセットおよびRFチェーンを使用する。
【0024】
第1の態様の実装形態では、第1のチップセットと第2のチップセットとは、同じ無線デバイス上に配置されている。
【0025】
例えば、Wi-Fiデバイスは、同じホストに(例えば、PCIeを介して)接続された2つのWi-Fiチップを有していてもよい。あるいは、第1のチップセットと第2のチップセットとは、2つの無線デバイス上に配置されていてもよい。
【0026】
第1の態様の一実装形態では、第1のチップセットと第2のチップセットとは、異なる無線デバイス上に配置されており、有線または無線ネットワークバックホール接続を介して互いに通信する。
【0027】
2つの無線チップセットが同じデバイス上に設けられていない場合、これら2つの無線チップセット間にネットワークバックホール接続が存在しうる。バックホール接続は有線であっても無線であってもよい。
【0028】
第1の態様の一実装形態では、第1のチップセットは、第2のチップセットとは異なる周波数で動作する。
【0029】
好ましくは、2つのチップセットの一方はより高い周波数(例えば5GHz高帯域)で動作してもよく、他方のチップセットはより低い周波数(例えば、5GHz低帯域)で動作する。これにより、より良好なRFアイソレーションが達成されることができる。
【0030】
本開示の第2の態様は、無線ネットワークにおけるマルチリンク実装のための第2のエンティティを提供し、第2のエンティティは、第1のエンティティから第1の指示を受信し、第1の指示は、第1のエンティティから第1のリンク受信器に送信された第1のパケットセットを示し、第1のエンティティから第1の送信状況指示を受信し、第1の送信状況指示は、第1のパケットセットのうちのどのパケットが第1のリンク受信器によって正常に受信されたかを示し、および/または第1のパケットセットのうちのどのパケットが第1のリンク受信器によって受信されなかったかを示す、ように構成されており、第1の指示および第1の送信状況指示で示される各パケットは、グローバルマルチリンクシーケンス番号と関連付けられている。
【0031】
前述のように、本開示の実施形態は、マルチリンク実装のすべてのリンクの同期をされたままにするために、第1のエンティティと第2のエンティティとの間でソフトウェアベースの低レイテンシメッセージ(例えば、第1の指示、および第1の送信状況指示)を交換することを提案する。加えて、グローバルマルチリンクシーケンス番号は、マルチリンク実装においてパケットを識別するように設計されている。
【0032】
第2の態様の一実装形態では、第2のエンティティは、第2のリンク受信器に送信される必要があるパケットのシーケンスを取得し、各パケットはグローバルマルチリンクシーケンス番号と関連付けられており、パケットのシーケンスの第2の送信キューを維持し、第2の送信キュー内のパケットは第2のリンク受信器に送信される、ようにさらに構成されている。
【0033】
特に、グローバルマルチリンクシーケンス番号は、第2のエンティティがパケットを取得する前に各パケットに設定されうる。
【0034】
第2の態様の一実装形態では、第1のパケットセットはパケットのシーケンスに含まれており、第2のエンティティは、第1の指示に応答して、第1のパケットセットを第2の送信キューから第2の保留キューに移動し、第2の保留キュー内のパケットは保留にされる、ようにさらに構成されている。
【0035】
すなわち、第1のエンティティによって示される第1のパケットセットは、第2のエンティティの第2の送信キューにもある。パケットセットが(第1の指示で示されるように)1つのリンクで送信された場合、その他の(1つまたは複数の)リンク(すなわち、第2のエンティティ)は知らされ、それに応じてこのパケットセット(すなわち、第1のパケットセット)を送信キューから出して移動する。これは、冗長なパケットの送信を回避するためである。
【0036】
第2の態様の一実装形態では、第1の送信状況指示に応答して、第2のエンティティは、第1のリンク受信器によって正常に受信されたパケットを第2の保留キューから解放し、および/または第1のリンク受信器によって受信されなかったパケットを第2の送信キューの先頭に戻す、ようにさらに構成されている。
【0037】
場合によっては、受信中に無線経由パケットエラーが発生しうる。よって、受信されなかったパケットは送信キューに戻され、再送を待機しうる。好ましくは、これらのパケットは、次のTxOPで送信されうる。
【0038】
第2の態様の一実装形態では、第2のエンティティは、第2のリンク受信器に第2のパケットセットを送信し、第2のパケットセットはパケットのシーケンスに含まれ、第2のリンク受信器から第2のBAを受信し、第2のBAは、第2のパケットセットのうちのどのパケットが第2のリンク受信器によって正常に受信されたかを示し、および/または第2のパケットセットのうちのどのパケットが第2のリンク受信器によって受信されなかったかを示し、第2のBAと、第2のBAで示されるパケットと関連付けられたグローバルマルチリンクシーケンス番号とに基づいて、第2の送信状況指示を生成する、ようにさらに構成されている。
【0039】
特に、第2のエンティティと第2のリンク受信器との間のリンクは、マルチリンク実装における複数のチャネル/無線の他のリンクである。第2のエンティティが第2のパケットセットを送信すると、第1のエンティティはそれに応じて知らされる必要がある。任意選択で、第2のエンティティは、第2のBAで示されるパケットにグローバルマルチリンクシーケンス番号を付加することによって第2の送信状況指示を生成してもよい。この同期メッセージ(すなわち、第2の送信状況指示)は、どのパケットが正常に送信され、どのパケットが再送されるべきかに関して第1のエンティティに知らせるために使用される。
【0040】
第2の態様の一実装形態では、第2のパケットセットの各パケットは無線シーケンス番号を含み、第2のBAは、各パケットの無線シーケンス番号を示すことによって、第2のパケットセットのうちのどのパケットが第2のリンク受信器によって正常に受信されたかを示し、および/または第2のパケットセットのうちのどのパケットが第2のリンク受信器によって受信されなかったかを示す。
【0041】
典型的には、無線送信における各パケットは、パケットのシーケンス番号を示すシーケンス番号フィールドを含む。第2のBAは、前記シーケンス番号を使用して受信されたパケットまたは欠落しているパケットを示しうる。
【0042】
第2の態様の一実装形態では、第2のエンティティは、第1のエンティティに第2の指示を送信し、第2の指示は、第2のエンティティから第2のリンク受信器に送信された第2のパケットセットを示し、第1のエンティティに第2の送信状況指示を送信し、第2の送信状況指示は、第2のパケットセットのうちのどのパケットが第2のリンク受信器によって正常に受信されたかを示し、および/または第2のパケットセットのうちのどのパケットが第2のリンク受信器によって受信されなかったかを示す、ようにさらに構成されている。
【0043】
任意選択で、第2のパケットセットは第1のエンティティの第1の送信キュー内にもあってもよい。冗長なパケットの送信を回避するために、パケットセット(例えば、第2のエンティティから送信された第2のパケットセット)が1つのリンクで送信された場合、その他の(1つまたは複数の)リンク(例えば、第1のエンティティ)は知らされる。
【0044】
本開示の第3の態様は、無線送信デバイス、特に無線ネットワークにおけるアクセスポイントを提供し、無線送信デバイスは、第1の態様または第1の態様の任意の実装形態による少なくとも1つの第1のエンティティと、第2の態様または第2の態様の任意の実装形態による少なくとも1つの第2のエンティティとを備え、無線送信デバイスは、パケットの元のシーケンスを取得し、パケットの元のシーケンスの各パケットにグローバルマルチリンクシーケンス番号を付加することによってパケットのシーケンスを生成し、パケットのシーケンスを複製し、パケットのシーケンスを、少なくとも1つの第1のエンティティおよび少なくとも1つの第2のエンティティの各々に提供する、ように構成されている。
【0045】
マルチリンク実装は、複数のリンクを含みうる。本開示の実施形態は、少なくとも2つのチップセットが配置された無線送信デバイスを提案する。特に、パケットが1つのチャネルで送信された場合、トラフィック情報がすべてのチャネル間で同期される。このようにして、無線送信デバイスは、すべてのチップセットのエア獲得機会を最適化する。さらに、遅延が劇的に縮小されることができる。
【0046】
第3の態様の無線送信デバイスの実装形態は、上述された第1の態様の第1のエンティティの実装形態および第2の態様の第2のエンティティの実装形態に対応しうる。第3の態様およびその実装形態の無線送信デバイスは、第1の態様およびその実装形態の第1のエンティティ、ならびに第2の態様およびその実装形態の第2のエンティティについて上述されたのと同じ利点および効果を達成する。
【0047】
本開示の第4の態様は、無線受信デバイス、特に無線ネットワークにおける局を提供し、無線受信デバイスは、少なくとも1つの第1のリンク受信器と、少なくとも1つの第2のリンク受信器とを備え、少なくとも1つの第1のリンク受信器は、第1の態様および第1の態様の任意の実装形態による少なくとも1つの第1のエンティティからパケットを受信するように構成されており、少なくとも1つの第2のリンク受信器は、第2の態様および第2の態様の任意の実装形態による少なくとも1つの第2のエンティティからパケットを受信するように構成されており、無線受信デバイスは、少なくとも1つの第1のリンク受信器によって受信されたパケットと少なくとも1つの第2のリンク受信器によって受信されたパケットとを組み合わせることによって受信ストリームを取得する、ように構成されている。
【0048】
よって、本開示の実施形態は、少なくとも2つのリンク受信器を備える無線受信デバイスをさらに提案する。無線受信デバイスは、すべてのリンク受信器によって受信されたすべてのリンクを信号受信ストリームに統合し、各受信器は対応するチップセットからパケットを受信する。特に、無線受信デバイスは、組み合わされたストリームを次の層のデバイスに順番にさらに送信しうる。
【0049】
第4の態様の無線受信デバイスの実装形態は、上述された第1の態様の第1のエンティティの実装形態および上述された第2の態様の第2のエンティティの実装形態に対応しうる。第4の態様およびその実装形態の無線受信デバイスは、第1の態様およびその実装形態の第1のエンティティ、ならびに第2の態様およびその実装形態の第2のエンティティについて上述されたのと同じ利点および効果を達成する。
【0050】
本開示の第5の態様は、無線ネットワークにおけるマルチリンク実装のために、第1のエンティティによって行われる方法を提供し、方法は、第2のエンティティに第1の指示を送信するステップであって、第1の指示は、第1のエンティティから第1のリンク受信器に送信された第1のパケットセットを示す、ステップと、第2のエンティティに第1の送信状況指示を送信するステップであって、第1の送信状況指示は、第1のパケットセットのうちのどのパケットが第1のリンク受信器によって正常に受信されたかを示し、および/または第1のパケットセットのうちのどのパケットが第1のリンク受信器によって受信されなかったかを示す、ステップと、を含み、第1の指示および第1の送信状況指示で示される各パケットは、グローバルマルチリンクシーケンス番号と関連付けられている。
【0051】
第5の態様の方法の実装形態は、上述された第1の態様の第1のエンティティの実装形態に対応しうる。第5の態様およびその実装形態の方法は、第1の態様およびその実装形態の第1のエンティティについて上述されたのと同じ利点および効果を達成する。
【0052】
本開示の第6の態様は、無線ネットワークにおけるマルチリンク実装のために、第2のエンティティによって行われる方法を提供し、方法は、第1のエンティティから第1の指示を受信するステップであって、第1の指示は、第1のエンティティから第1のリンク受信器に送信された第1のパケットセットを示す、ステップと、第1のエンティティから第1の送信状況指示を受信するステップであって、第1の送信状況指示は、第1のパケットセットのうちのどのパケットが第1のリンク受信器によって正常に受信されたかを示し、および/または第1のパケットセットのうちのどのパケットが第1のリンク受信器によって受信されなかったかを示す、ステップと、を含み、第1の指示および第1の送信状況指示で示される各パケットは、グローバルマルチリンクシーケンス番号と関連付けられている。
【0053】
第6の態様の方法の実装形態は、上述された第2の態様の第2のエンティティの実装形態に対応しうる。第6の態様およびその実装形態の方法は、第2の態様およびその実装形態の第2のエンティティについて上述されたのと同じ利点および効果を達成する。
【0054】
本開示の第7の態様は、プロセッサ上で実装されたときに、第5の態様および第5の態様の任意の実装形態、または第6の態様および第6の態様の任意の実装形態による方法を実行するためのプログラムコードを含むコンピュータプログラム製品を提供する。
【0055】
本出願に記載されているすべてのデバイス、要素、ユニットおよび手段は、ソフトウェア要素またはハードウェア要素またはこれらの任意の種類の組み合わせで実装されることができることに留意されたい。本出願に記載されている様々なエンティティによって行われるすべてのステップ、および様々なエンティティによって行われると記載されている機能は、それぞれのエンティティがそれぞれのステップおよび機能を行うように適応または構成されていることを意味することを意図されている。たとえ、特定の実施形態の以下の説明において、外部エンティティによって行われるべき特定の機能またはステップが、その特定のステップまたは機能を行うそのエンティティの特定の詳細な要素の説明に反映されていない場合であっても、これらの方法および機能が、それぞれのソフトウェア要素またはハードウェア要素またはこれらの任意の種類の組み合わせで実装されることができることは、当業者には明らかなはずである。
【0056】
本開示の上記の態様および実装形態は、添付の図面に関連して特定の実施形態の以下の説明において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1】本開示の一実施形態による第1のエンティティを示している。
図2】本開示の一実施形態による第2のエンティティを示している。
図3】本開示の一実施形態によるマルチリンク実装形態を示している。
図4】本開示の一実施形態によるマルチリンク実装形態を示している。
図5】本開示の一実施形態によるマルチリンク実装形態のブロック図を示している。
図6】本開示の一実施形態によるハイレベルフロー図を示している。
図7】本開示の一実施形態による遅延モデリングを示している。
図8】本開示の一実施形態によるネットワークシミュレータ(NS-3)のトポロジーを示している。
図9】本開示の一実施形態によるシミュレーション結果を示している。
図10】本開示の一実施形態による方法を示している。
図11】本開示の一実施形態による方法を示している。
【発明を実施するための形態】
【0058】
通信システムにおける効率的なパケット送信のための方法、デバイス、およびプログラム製品の例示的な実施形態が、図を参照して説明される。この説明は可能な実装形態の詳細な例を提供するが、これらの詳細は例示であることを意図されており、いかなる点でも本出願の範囲を限定するものではないことに留意されたい。
【0059】
さらに、実施形態/例は、他の実施形態/例を指す場合がある。例えば、1つの実施形態/例において言及される用語、要素、プロセス、説明および/または技術的利点を含むがこれらに限定されない任意の説明は、その他の実施形態/例に適用可能である。
【0060】
マルチリンク/マルチ無線MAC(MRM)は、同じプライマリチャネル上のOBSS時分割干渉を対象としている(例えば、20/40/80/160/320MHz)。少なくとも1つの追加チャネルを並列に使用することによって、APは、第1のチャネルがOBSSまたはそれ自体のBSSからのアップリンクによって占有されている間に局に送信することができる。同様に、APは、他方のチャネルがOBSS/それ自体のBSSからのアップリンクによって占有されている間に、第1のチャネルで送信する。このようにして、APは、エア獲得機会を最適化し、無線送信における遅延を劇的に縮小する。
【0061】
公知の解決策は、ベースバンドレベルで実装されるハードウェアベースのSTR手法を提案している。しかしながら、単一のダイ(チップ)内にマルチリンク(またはマルチ無線と呼ばれることもできる)ベースバンドを実装することは、STRの大きな技術的実装問題に直面している。一方の無線が受信(Rx)にある間のそのようなフローでは、第1の無線受信器に取り込まれうる他方の無線における送信(Tx)信号が、Rxエラーにつながることになる。そのようなRxエラーを克服するために、無線間の高いアイソレーションが必要とされる。高いアイソレーションはまた、そのようなアイソレーションの技術的実装上の課題に加えて、ほとんどのベンダが回避したい追加のコストにもつながる。よって、同じチップセット上にSTRマルチリンクを実装することは、大きな課題である。
【0062】
本開示の実施形態は、ソフトウェアレベルで行われる代替実装形態を提案する。このソフトウェアベースのマルチリンクは、2つの無線間の外部オンボード高無線周波数(RF)分離を含む現在のマルチバンド製品に基づいて実装されることができる。各無線は、独立したチップセットおよびRFチェーンを使用している。例えば、「STR」モードで動作する2*5GHzを含む同時マルチ無線デバイスが使用されることができる。
【0063】
図1は、本開示の一実施形態による第1のエンティティ100を示している。第1のエンティティ100は、本明細書に記載される第1のエンティティ100の様々な動作を行うか、実施するか、または開始するように構成された処理回路(図示せず)を備えていてもよい。処理回路は、ハードウェアおよびソフトウェアを備えていてもよい。ハードウェアは、アナログ回路またはデジタル回路、またはアナログ回路とデジタル回路の両方を備えていてもよい。デジタル回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、または多目的プロセッサなどの構成要素を備えていてもよい。第1のエンティティ100は、特にソフトウェアの制御下でプロセッサまたは処理回路によって実行されることができる1つまたは複数の命令を記憶するメモリ回路をさらに備えていてもよい。例えば、メモリ回路は、プロセッサまたは処理回路によって実行されると、第1のエンティティ100の様々な動作を行わせる実行可能ソフトウェアコードを記憶する非一時的記憶媒体を備えていてもよい。一実施形態では、処理回路は、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサに接続された非一時的メモリとを備える。非一時的メモリは、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、第1のエンティティ100に、本明細書に記載される動作または方法を行わせるか、実施させるか、または開始させる実行可能プログラムコードを担持しうる。
【0064】
特に、第1のエンティティ100は、無線ネットワークにおけるマルチリンク実装のために設計されている。第1のエンティティ100は、第2のエンティティ200に第1の指示101を送信するように構成されている。第2のエンティティ200もまた、無線ネットワークにおけるマルチリンク実装のために設計されている。特に、第1の指示101は、無線ネットワークにおいて第1のエンティティ100から第1のリンク受信器110に送信される第1のパケットセットを示す。第1のエンティティ100は、第2のエンティティ200に第1の送信状況指示102を送信し、第1の送信状況指示200が、第1のパケットセットのうちのどのパケットが第1のリンク受信器110によって正常に受信されたかを示し、および/または第1のパケットセットのうちのどのパケットが第1のリンク受信器110によって受信されなかったかを示す、ようにさらに構成されている。特に、第1の指示101および第1の送信状況指示102で示される各パケットは、グローバルマルチリンクシーケンス番号と関連付けられている。
【0065】
前述の課題に対処するために、本開示の実施形態は、STRマルチリンクのためのソフトウェアベースの手法を提供し、より低い遅延を達成することを目的とする。特に、マルチリンク実装のすべてのリンクを同期されたままにするために、ソフトウェアベースの低レイテンシメッセージ(例えば、第1の指示101、および第1の送信状況指示102)が、第1のエンティティ100と第2のエンティティ200との間で交換される。
【0066】
本開示は、複数の独立したMAC/PHY(すなわち、第1のエンティティ100や第2のエンティティ200などの複数のエンティティ)へのリンクトラフィックを管理する新しい層を設計する。交換されたメッセージは、複数のエンティティのMACキュー間の同期を可能にする。特に、パケットセットが1つのリンク(例えば、第1のエンティティ100と第1のリンク受信器110との間のリンク)で送信された場合、その他の(1つまたは複数の)リンク(例えば、第2のエンティティ200)は知らされる。これらのメッセージ(例えば、第1の指示101および第1の送信状況指示102)は、第2のエンティティ200が冗長なパケットの送信を回避することを可能にする。
【0067】
特に、グローバルマルチリンクシーケンス番号はマルチリンクにおいてパケットを識別するように設計されており、Wi-Fi Txシーケンス番号には関係ない。特に、グローバルマルチリンクシーケンス番号は、第1のエンティティ100がパケットを取得する前に各パケットについて設定されうる。
【0068】
任意選択で、本開示の一実施形態によれば、第1のエンティティ100は、第1のリンク受信器110に送信されるべきパケットのシーケンスを取得し、各パケットがグローバルマルチリンクシーケンス番号と関連付けられている、ように構成されてもよい。第1のエンティティ100は、パケットのシーケンスの第1の送信キューを維持し、第1の送信キュー内のパケットが第1のリンク受信器110に送信される、ようにさらに構成されうる。特に、第1のエンティティ100と第1のリンク受信器110との間のリンクは、マルチリンク実装における複数のチャネル/無線のうちの1つである。
【0069】
マルチリンク実装において、第1のエンティティ100は、ホストデバイスから送信されるべきパケットを取得しうる。特に、ホストデバイスは、送信されるべきパケットを複製し、第1のエンティティ100にコピーを提供しうる。特に、マルチリンクの異なるリンク/チャネルにおける送信されるべきパケットは互いに同一である。すなわち、ホストデバイスは、送信されるべきパケットの他のコピーを、第2のエンティティ200などの他のリンクの送信器に提供しうる。各グローバルマルチリンクシーケンス番号は、異なるリンク内の同じパケットを識別する。すなわち、異なるリンク(例えば、第1のエンティティ100と第1のリンク受信器110との間のリンクや、第2のエンティティ200と第2のリンク受信器210との間のリンク)内の同一のパケットは、同じグローバルマルチリンクシーケンス番号を共有する。
【0070】
本開示の一実施形態によれば、パケットのシーケンスを取得した後、第1のエンティティ100は、第1のリンク受信器110に第1のパケットセットを送信するようにさらに構成されうる。第1のパケットセットはパケットのシーケンスに含まれている。典型的には、第1のパケットセットの受信に応答して、第1のリンク受信器110は、第1のエンティティ100に、確認応答メッセージ、特にBA(単一のフレームを使用して複数のパケットを一緒に確認応答するための)を送信しうる。よって、第1のエンティティ100は、第1のリンク受信器110から第1のBAを受信し、第1のBAが、第1のパケットセットのうちのどのパケットが第1のリンク受信器110によって正常に受信されたかを示し、および/または第1のパケットセットのうちのどのパケットが第1のリンク受信器110によって受信されなかったかを示す、ように構成されうる。
【0071】
無線送信において、各パケットは、パケットのシーケンス番号を示すシーケンス番号フィールドを含むことに留意されたい。典型的には、BAは、シーケンス番号を使用して受信されたパケットまたは欠落しているパケットを示しうる。よって、本開示の一実施形態によれば、第1のパケットセットの各パケットは無線シーケンス番号を含んでいてもよく、第1のBAは、各パケットの無線シーケンス番号を示すことによって、第1のパケットセットのうちのどのパケットが第1のリンク受信器110によって正常に受信されたかを示し、および/または第1のパケットセットのうちのどのパケットが第1のリンク受信器110によって受信されなかったかを示す。
【0072】
任意選択で、第1のエンティティ100は、第1のBAと、第1のBAで示されるパケットと関連付けられたグローバルマルチリンクシーケンス番号とに基づいて、第1の送信状況指示102を生成するようにさらに構成されてもよい。すなわち、グローバルマルチリンクシーケンス番号は、無線シーケンス番号の上に構築される。例えば、第1のエンティティ100にパケットのシーケンスを提供するホストデバイスは、前述の複製プロセス中に各パケットにグローバルマルチリンクシーケンス番号を付加してもよい。
【0073】
グローバルマルチリンクシーケンス番号は、無線シーケンス番号とは異なる番号である。本開示は、各無線リンクが独立して動作している解決策を提案する。各リンクは、それ自体の無線シーケンス番号を管理する。よって、より高レベルの新しいシーケンス番号、すなわち、グローバルマルチリンクシーケンス番号は、異なるリンク内の同一のパケットの送信状況を同期させるために提供される。
【0074】
さらに、本開示の一実施形態によれば、第1のエンティティ100は、第2のエンティティ200から第2の指示を受信するようにさらに構成されうる。第2の指示は、第2のエンティティ200から第2のリンク受信器210に送信された第2のパケットセットを示しうる。第2のエンティティ200と第2のリンク受信器210との間のリンクは、マルチリンク実装における複数のチャネル/無線の他のリンクであることを理解されたい。前述の実施形態と同様に、第2の指示で示される各パケットもまた、グローバルマルチリンクシーケンス番号と関連付けられうる。
【0075】
この実施形態によれば、第2のパケットセットはパケットのシーケンスに含まれている。すなわち、第2のエンティティによって示される第2のパケットセットは、第1のエンティティ100の第1の送信キューにもある。第1のエンティティ100は、第2の指示に応答して、第2のパケットセットを第1の送信キューから第1の保留キューに移動し、第1の保留キュー内のパケットが保留にされる、ようにさらに構成されうる。一般的に言えば、送信器の送信キュー内のパケットは、受信器に順に送信される。本開示の実施形態によれば、パケットセットが1つのリンクで送信された場合、その他の(1つまたは複数の)リンクは知らされ、それに応じてこのパケットセットを送信キューから出して移動して、冗長なパケットの送信を回避する。
【0076】
特に、送信中にパケットエラーが発生することがある。失敗したパケット(受信器によって正常にデコードされることができないパケット)は再送される必要がある。本開示の一実施形態によれば、第1のエンティティ100は、第2のエンティティ200から第2の送信状況指示を受信し、第2の送信状況指示が、第2のパケットセットのうちのどのパケットが第2のリンク受信器210によって正常に受信されたかを示し、および/または第2のパケットセットのうちのどのパケットが第2のリンク受信器210によって受信されなかったかを示す、ようにさらに構成されうる。
【0077】
受信器、例えば第2のリンク受信器210によって正常に受信されたパケットについては、第1のエンティティ100がこれらのパケットを送信する必要はない。任意選択で、第1のエンティティ100は、第2の送信状況指示に応答して、第2のリンク受信器210によって正常に受信されたパケットを第1の保留キューから解放するようにさらに構成されてもよい。他方で、受信器によって受信されなかったパケットは、再送される必要がある。任意選択で、第1のエンティティ100は、第2のリンク受信器210によって受信されなかったパケットを第1の送信キューの先頭に戻すようにさらに構成されてもよい。好ましくは、これらのパケットは、次のTxOPで送信されうる。
【0078】
図2は、本開示の一実施形態による第2のエンティティ200を示している。第2のエンティティ200は、本明細書に記載される第2のエンティティ200の様々な動作を行うか、実施するか、または開始するように構成された処理回路(図示せず)を備えていてもよい。処理回路は、ハードウェアおよびソフトウェアを備えていてもよい。ハードウェアは、アナログ回路またはデジタル回路、またはアナログ回路とデジタル回路の両方を備えていてもよい。デジタル回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、または多目的プロセッサなどの構成要素を備えていてもよい。第2のエンティティ200は、特にソフトウェアの制御下でプロセッサまたは処理回路によって実行されることができる1つまたは複数の命令を記憶するメモリ回路をさらに備えていてもよい。例えば、メモリ回路は、プロセッサまたは処理回路によって実行されると、第2のエンティティ200の様々な動作を行わせる実行可能ソフトウェアコードを記憶する非一時的記憶媒体を備えていてもよい。一実施形態では、処理回路は、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサに接続された非一時的メモリとを備える。非一時的メモリは、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、第2のエンティティ200に、本明細書に記載される動作または方法を行わせるか、実施させるか、または開始させる実行可能プログラムコードを担持しうる。
【0079】
特に、図2に示される第2のエンティティ200は、無線ネットワークにおけるマルチリンク実装のために設計されている。第2のエンティティ200は、第1のエンティティ100から第1の指示101を受信するように構成されている。図2に示される第1のエンティティ100は、図1に示される第1のエンティティであってもよい。特に、第1の指示101は、第1のエンティティ100から第1のリンク受信器110に送信された第1のパケットセットを示す。第2のエンティティ200は、第1のエンティティ100から第1の送信状況指示102を受信し、第1の送信状況指示101が、第1のパケットセットのうちのどのパケットが第1のリンク受信器110によって正常に受信されたかを示し、および/または第1のパケットセットのうちのどのパケットが第1のリンク受信器110によって受信されなかったかを示す、ようにさらに構成されている。特に、第1の指示101および第1の送信状況指示102で示される各パケットは、グローバルマルチリンクシーケンス番号と関連付けられている。
【0080】
本開示の一実施形態によれば、第2のエンティティ200は、第2のリンク受信器210に送信される必要があるパケットのシーケンスを取得し、各パケットがグローバルマルチリンクシーケンス番号と関連付けられており、パケットのシーケンスの第2の送信キューを維持し、第2の送信キュー内のパケットが第2のリンク受信器210に送信される、ようにさらに構成されうる。
【0081】
前の実施形態で論じられたように、ホストデバイスは、送信されるべきパケットを複製し、第1のエンティティ100にコピーを提供しうる。第2のエンティティは同じパケットを送信する必要があるため、ホストデバイスはまた、送信されるべきパケットのコピーを第2のエンティティ200にも提供しうる。
【0082】
送信されるべきパケットの知識、すなわち、パケットのシーケンス、および第1の指示101で示される第1のパケットセットの知識を用いて、第2のエンティティ200は、第1のパケットセットを第2の送信キューから第2の保留キューに移動するようにさらに構成されうる。特に、第1のパケットセットは、パケットのシーケンスに含まれている。第1のパケットセットは(第1のエンティティ100によって)1つのリンクで送信されたので、冗長なパケットの送信を回避するために、第2のエンティティ200は第1のパケットセットを保留にする必要がある。
【0083】
受信器、例えば第1のリンク受信器110によって正常に受信された第1のパケットセットのパケットについては、第2のエンティティがこれらのパケットを再度送信する必要はない。よって、これらのパケットは、第2の保留キューから解放されうる。特に、受信器によって正常にデコードされることができないパケットは再送される必要がある。よって、第2のエンティティ200は、これらのパケットを第2の送信キューに戻してもよい。好ましくは、これらのパケットは、次のTxOPで送信されうる。
【0084】
任意選択で、本開示の一実施形態によれば、第1の送信状況指示102に応答して、第2のエンティティ200は、第1のリンク受信器110によって正常に受信されたパケットを第2の保留キューから解放するようにさらに構成されてもよい。任意選択で、第2のエンティティ200は、第1のリンク受信器110によって受信されなかったパケットを第2の送信キューの先頭に戻すようにさらに構成されてもよい。
【0085】
さらに、本開示の一実施形態によれば、第2のエンティティ200は、第2のリンク受信器210に第2のパケットセットを送信するように構成されうる。特に、第2のパケットセットは、パケットのシーケンスに含まれている。それに応じて、第2のエンティティ200は、第2のリンク受信器210から第2のBAを受信し、第2のBAが、第2のパケットセットのうちのどのパケットが第2のリンク受信器210によって正常に受信されたかを示し、および/または第2のパケットセットのうちのどのパケットが第2のリンク受信器210によって受信されなかったかを示すようにさらに構成されうる。第2のエンティティ200と第2のリンク受信器210との間のリンクにおける送信状況について第1のエンティティ100に知らせるために、第2の送信状況指示が、第2のエンティティ200によって、第2のBAと、第2のBAで示されるパケットと関連付けられたグローバルマルチリンクシーケンス番号とに基づいて生成されうる。
【0086】
第2のパケットセットの各パケットは無線シーケンス番号を含み、第2のBAは、各パケットの無線シーケンス番号を示すことによって、第2のパケットセットのうちのどのパケットが第2のリンク受信器210によって正常に受信されたかを示し、および/または第2のパケットセットのうちのどのパケットが第2のリンク受信器210によって受信されなかったかを示すことを理解されたい。
【0087】
任意選択で、第2のエンティティ200は、第1のエンティティ100に第2の指示を送信するようにさらに構成されてもよい。第2の指示は、第2のエンティティ200から第2のリンク受信器210に送信された第2のパケットセットを示す。第2のエンティティ200は、第1のエンティティ100に第2の送信状況指示を送信し、第2の送信状況指示が、第2のパケットセットのうちのどのパケットが第2のリンク受信器210によって正常に受信されたかを示し、および/または第2のパケットセットのうちのどのパケットが第2のリンク受信器210によって受信されなかったかを示す、ようにさらに構成されうる。
【0088】
図3は、本開示の一実施形態によるマルチリンク実装形態を示している。本開示の一実施形態は、第1のエンティティ100および第2のエンティティ200を含むMRM Txデバイスを定義する。特に、第1のエンティティ100は、図1または図2に示される第1のエンティティであってもよく、第2のエンティティ200は、図1または図2に示される第2のエンティティであってもよい。MRM Txデバイスは、クラウド(例えば、クラウド仮想現実(VR)サーバ)からトラフィックを取得し、送信されるべきパケットを第1のエンティティ100と第2のエンティティ200の両方に提供しうる。この実施形態では、第1のエンティティ100は高80MHzで動作するAPであり、第2のエンティティ200は低80MHzで動作するAPである。第1のエンティティ100および第2のエンティティ200の各々は、それぞれの局(STA)に送信する。本開示の一実施形態によれば、MRM Rxデバイスは、2つのSTAからのトラフィックを組み合わせてRxストリームを取得してもよく、このRxストリームを端末(例えば、VRヘッドセット)にさらに順番に供給してもよい。
【0089】
簡単にするために、図3は、同じハウジングに配置された2つのWi-Fiチップセットを記載しているが、2つの独立したWi-Fi製品(異なるボックス)間でこの設計を実装する制約はない。加えて、図3はホストにおいて2つのWi-Fiチップセットだけを示しているが、本開示はマルチリンク実装におけるチップセットの数を限定しないことは、言及する価値がある。すなわち、本開示の実施形態は、図1に図示されるような少なくとも1つの第1のエンティティ100と、図2に図示されるような少なくとも1つの第2のエンティティ200とを備えうる無線送信デバイスを提供する。
【0090】
本開示の一実施形態によれば、無線送信デバイスは、パケット(送信されるべきパケット)の元のシーケンスを取得するように構成されうる。さらに、無線送信デバイスは、パケットの元のシーケンスの各パケットにグローバルマルチリンクシーケンス番号を付加することによってパケットのシーケンスを生成するように構成されうる。次いで、無線送信デバイスは、パケットのシーケンスを複製し、パケットのシーケンスを少なくとも1つの第1のエンティティ100および少なくとも1つの第2のエンティティ200の各々に提供するように構成されうる。
【0091】
同様に、本開示の実施形態はまた、図1に図示されるように、少なくとも1つの第1のエンティティ100からパケットを受信する少なくとも1つの第1のリンク受信器110と、図2に図示されるように、少なくとも1つの第2のエンティティ200からパケットを受信する少なくとも1つの第2のリンク受信器210とを備えうる無線受信デバイスも提供する。本開示の一実施形態によれば、無線受信デバイスは、少なくとも1つの第1のリンク受信器110によって受信されたパケットと少なくとも1つの第2のリンク受信器210によって受信されたパケットとを組み合わせることによって受信ストリームを取得するように構成されうる。
【0092】
図4は、本開示の一実施形態によるVRマルチリンク実装形態を示している。特に、VRは、高スループット(例えば、エントリレベルでは80Mbps、快適レベルでは260Mbps)を必要とし、厳密で制限された遅延も必要とする。よって、無線送信を介したVRは大きな課題に直面する。課題は、実際の展開で動作しながらスループットを保証すること、家庭での他のデバイスとの実際の展開のエア共有に直面すること、および同じ周波数または隣接/代替周波数で動作する他のWi-Fiシステムからの干渉に直面すること、を含む。
【0093】
理想的なクリーンで隔離された環境では、Wi-FiはVRの遅延要件を満たしうる。しかしながら、住宅展開では、いくつかのアクセス試行において、VR APが10ms超にわたるOBSSの長いTxまたは複数のTxに直面し、Txを継続することができなくなる非常に高い可能性がある。
【0094】
本開示の実施形態で提案されるソフトウェアレベルの解決策では、各無線が独立したチップセットおよびRFチェーンを使用している。2つの無線間の高いRF分離が、現在のマルチバンド製品に基づいて達成されることができる。例えば、「STR」モードで動作する2*5GHzを含む同時マルチ無線デバイスが使用されることができる。
【0095】
この実施形態では、VR Wi-Fiデバイスは、同じホスト(例えば、PCIeを介して)に接続された2つのWi-Fiチップを有する。特に、Wi-FiチップAは、図1または図2に示されるような第1のエンティティ100であってもよく、Wi-FiチップBは、図1または図2に示されるような第2のエンティティ200であってもよい。Wi-FiチップAは5GHz高帯域で動作しており、Wi-FiチップBは5GHz低帯域で動作している。ホストオペレーティングシステム(OS)は、Linux(登録商標)であってもよいし、任意の他のOS(厳密なリアルタイムOSではない)であってもよい。トラフィックは、ゼロコピー動作を使用する(例えば、sk_buff_cloneなどを使用する)ことによって、Wi-Fiドライバごとに内部的に複製されることができる。
【0096】
図5は、本開示の一実施形態によるソフトウェア定義マルチリンク(SDML)アーキテクチャのブロック図を示しており、図6は、このアーキテクチャのハイレベルフロー図を示している。簡単にするために、図5のブロック図は、同じハウジングに配置された2つのWi-Fiチップセットを記載しているが、2つの独立したWi-Fi製品(異なるボックス)間でSDMLを実装する制約はなく、SDMLブリッジ論理は、第3のトラフィックマネージャ/コントローラデバイスで実装される。特に、Wi-Fiチップセットの一方は、図1または図2に示されるような第1のエンティティ100であってもよく、Wi-Fiチップセットの他方は、図1または図2に示されるような第2のエンティティ200であってもよい。
【0097】
効率的なメッセージングインフラストラクチャ(例えば、メッセージ(Msg)キュー)が、2つのWi-Fiチップ間に実装される必要がある。ソフトウェアベースの実装要件により、メッセージはホストを介して受渡しされなければならない。マルチリンクトラフィックがブリッジレベルのSDML論理によって受信されると、SDML論理は、(Wi-Fi Txシーケンス番号に関係ない)グローバルマルチリンクシーケンス番号を取得し、すべてのSDML Txリンク間で複製する。
【0098】
SDMLアーキテクチャは、すべてのリンクを同期されたままにする2つの主要なメッセージ、すなわち、どのパケットがリンク送信器によって送信されたかを示すData Sent(すなわち、図1図2、または図5に示されるような第1の指示101)、およびどのパケットがリンク受信器によって正常に受信されたかを示すBA Received(すなわち、図1図2、または図5に示されるような第1の送信状況指示102)、に基づくものである。SDMLデバイスが、図6に示されるような「Data Msg SDML SN#100~120」などの他のSDMLリンク送信器からのSDML Data Sent Msgを受信した場合、SDMLデバイスは、示されたパケットを探し、図6に示されるように、送信待ちキューからSDML保留キューに取り出す必要がある。SDMLデバイスが、図6に示されるような「BA Msg SDML SN#100~120」などの他のSDMLリンク送信器からのSDML BA Msgを受信した場合、SDMLデバイスは、SDML保留キューで示された正常に受信されたパケットを探し、それらを排除する必要がある。すべての示された失敗したパケットは、次のTxOPで送信されるように、送信待ちキューの先頭に戻される必要がある。例えば、SDMLデバイスが、図6に示されるように、「Data Msg SDML SN#121~140」を受信し、「BA Msg NACK SDML SN#130~135」をさらに受信した場合、SDMLデバイスは、SDML SN#130~135を有するパケットが再送される必要があることを知る。それに応じて、SDMLデバイスは、SDML SN#121~129および136~140を有するパケットを解放し、SDML SN#130~135を有するパケットを送信キューの先頭にプッシュバックする。
【0099】
図7は、本開示のこの実施形態による遅延モデリングをさらに示している。特に、NS-3がメッセージイベントごとにランダムにピッキングしている。指数分布モデリングは、ソフトウェア割り込みレイテンシモデリングのための業界で一般的な手法である。NS-3指数分布の引数は、平均および限界である。0.5~3msの異なる平均値を有する10msの限界がシミュレートされている。
【0100】
図8は、本開示の一実施形態によるNS-3トポロジーを示している。SDMLが、オープンソースNS-3のシステムレベルシミュレーションでシミュレートされている。
・SDML AP
・250Mbpsの固定ビットレート(CBR)のユーザデータグラムプロトコル(UDP)トラフィック
・変調符号化方式(MCS-4)(16-QAM 3/4)、3SS、80MHz-→PHYレート526.5Mbps
・Tx電力25dBm
・Msgキュー遅延 指数分布
・限界 10ms(最大テール)
・平均{0.5,1.0,1.5,2.0,2.5,3.0}ms
・シミュレーション実行持続時間 5秒(NS-3が指数分布にわたる拡散のための十分なイベントを有することができるように5秒が使用された)
・干渉
・{50,100,125,150,175,200}Mbps 可変ビットレート(VBR)UDP VRトラフィック
・MCS-5(64-QAM 2/3)、2SS、40/80MHz→PHYレート216/468Mbps
・Tx電力25dBm
【0101】
図9は、このSWML実装のシミュレーション結果を示している。SWMLは、ハードウェアベースのマルチリンクと同じくらい効率的でありうることが、容易に気付かれることができる。指数分布からのMsgキュー遅延が3msであっても90%におけるエントリレベルと快適レベルの両方がサービスされることができ、必要とされる実装に十分なマージンを提供するはずである。図9に示されるように、99%の要件を満たすためには、Msgキュー遅延は1.5msの平均でExp分布を超えるべきではない。
【0102】
図10は、本開示の一実施形態による方法1000を示している。本開示の特定の実施形態では、方法1000は、図1に示される第1のエンティティ100によって行われる。方法1000は、第2のエンティティ200に第1の指示101を送信するステップ1001であって、第1の指示101が、第1のエンティティ100から第1のリンク受信器110に送信された第1のパケットセットを示す、ステップと、第2のエンティティ200に第1の送信状況指示102を送信するステップ1002であって、第1の送信状況指示102が、第1のパケットセットのうちのどのパケットが第1のリンク受信器110によって正常に受信されたかを示し、および/または第1のパケットセットのうちのどのパケットが第1のリンク受信器110によって受信されなかったかを示す、ステップと、を含む。特に、第1の指示101および第1の送信状況指示102で示される各パケットは、グローバルマルチリンクシーケンス番号と関連付けられている。場合によっては、第2のエンティティ200は、図1または図2に示される第2のエンティティである。
【0103】
図11は、本開示の一実施形態による方法1100を示している。本開示の特定の実施形態では、方法1100は、図2に示される第2のエンティティ200によって行われる。方法1100は、第1のエンティティ100から第1の指示101を受信するステップ1101であって、第1の指示101が、第1のエンティティ100から第1のリンク受信器110に送信された第1のパケットセットを示す、ステップと、第1のエンティティ100から第1の送信状況指示102を受信するステップ1102であって、第1の送信状況指示102が、第1のパケットセットのうちのどのパケットが第1のリンク受信器110によって正常に受信されたかを示し、および/または第1のパケットセットのうちのどのパケットが第1のリンク受信器110によって受信されなかったかを示す、ステップと、を含む。特に、第1の指示101および第1の送信状況指示102で示される各パケットは、グローバルマルチリンクシーケンス番号と関連付けられている。場合によっては、第1のエンティティ100は、図1または図2に示される第1のエンティティである。
【0104】
本開示は、例としての様々な実施形態、および実装形態に関連して説明されている。しかしながら、図面、本開示および独立請求項を検討すれば、他の変形形態が、当業者により、特許請求される開示を実施することによって理解され、実施されることができる。特許請求の範囲および説明において、「comprising」という語は、他の要素またはステップを除外せず、不定冠詞「a」または「an」は、複数を除外しない。単一の要素または他のユニットが、特許請求の範囲に記載されているいくつかのエンティティまたは項目の機能を果たしてもよい。単に特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されていることは、これらの手段の組み合わせが有利な実装形態で使用されることができないことを示さない。
【0105】
さらに、本開示の実施形態による任意の方法は、処理手段によって実行されたときに、処理手段に方法のステップを実行させる、コード手段を有するコンピュータプログラムにおいて実装されてもよい。コンピュータプログラムは、コンピュータプログラム製品のコンピュータ可読媒体に含まれている。コンピュータ可読媒体は本質的に、ROM(読み出し専用メモリ)、PROM(プログラマブル読み出し専用メモリ)、EPROM(消去可能なPROM)、フラッシュメモリ、EEPROM(電気的に消去可能なPROM)、またはハードディスクドライブといった任意のメモリを含みうる。
【0106】
さらに、第1のエンティティ100および第2のエンティティ200の実施形態は、解決策を行うための、例えば、機能、手段、ユニット、要素などの形態の必要な通信能力をそれぞれ備えることが当業者によって理解される。他のそのような手段、ユニット、要素および機能の例は、解決策を行うために相互に適切に配置された、プロセッサ、メモリ、バッファ、制御論理、エンコーダ、デコーダ、レートマッチャ、デレートマッチャ、マッピングユニット、乗算器、決定ユニット、選択ユニット、スイッチ、インタリーバ、デインタリーバ、変調器、復調器、入力、出力、アンテナ、増幅器、受信器ユニット、送信器ユニット、DSP、トレリス符号化変調(TCM)エンコーダ、TCMデコーダ、電源ユニット、電力フィーダ、通信インターフェース、通信プロトコルなどである。
【0107】
特に、第1のエンティティ100および第2のエンティティ200の(1つまたは複数の)プロセッサは、それぞれ、例えば、中央処理装置(CPU)、処理ユニット、処理回路、プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロプロセッサ、または命令を解釈して実行しうる他の処理論理のうちの1つまたは複数のインスタンスを備えていてもよい。よって、「プロセッサ」という表現は、例えば、上記のもののいずれか、一部または全部などといった、複数の処理回路を備える処理回路を表していてもよい。処理回路は、データバッファを含むデータの入力、出力、および処理のためのデータ処理機能、ならびに呼処理制御、ユーザインターフェース制御などといったデバイス制御機能をさらに行ってもよい。
【符号の説明】
【0108】
100 第1のエンティティ
101 第1の指示
102 第1の送信状況指示
110 第1のリンク受信器
200 第2のエンティティ
210 第2のリンク受信器
1000 方法
1100 方法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11