(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】ストリップを切断するための、切断装置及び方法、並びにエイペックスをビードに適用するための生産ライン
(51)【国際特許分類】
B26D 7/01 20060101AFI20241007BHJP
B26D 3/02 20060101ALI20241007BHJP
B26D 3/00 20060101ALI20241007BHJP
B26D 7/06 20060101ALI20241007BHJP
B26D 7/20 20060101ALI20241007BHJP
B26D 7/02 20060101ALI20241007BHJP
B29D 30/48 20060101ALI20241007BHJP
B26D 1/08 20060101ALI20241007BHJP
【FI】
B26D7/01 C
B26D3/02
B26D3/00 601F
B26D7/06 F
B26D7/20
B26D7/02 D
B29D30/48
B26D1/08
(21)【出願番号】P 2023517278
(86)(22)【出願日】2022-10-31
(86)【国際出願番号】 NL2022050612
(87)【国際公開番号】W WO2023091000
(87)【国際公開日】2023-05-25
【審査請求日】2023-04-18
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】519009895
【氏名又は名称】ブイエムアイ・ホラント・ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】VMI Holland B.V.
【住所又は居所原語表記】Gelriaweg 16,8161 RK EPE,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン・ベーク、ビレム・マリヌス
【審査官】程塚 悠
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0073020(US,A1)
【文献】特開2014-159105(JP,A)
【文献】特表2016-503734(JP,A)
【文献】特開平04-113831(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/01-7/20
B26D 3/00-3/02
B26D 1/08
B29D 30/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ製造のためのエイペックスストリップの連続的な長さを切断するための切断装置であって、
前記切断装置は、支持平面の搬送方向に前記エイペックスストリップを運搬するためのコンベヤと、
前記搬送方向に横方向の切断線に沿って前記エイペックスストリップを切断するためのナイフとを備え、
前記切断装置は、前記エイペックスストリップを前記切断線における長手方向基準線に向けて横方向又は前記搬送方向に垂直な位置付け方向に押すための位置付け装置をさらに備える、切断装置。
【請求項2】
前記位置付け装置は、前記長手方向基準線に向けて前記エイペックスストリップの第1の側面を押すために前記位置付け方向に前記コンベヤに対して移動可能である、1つ以上の位置付け要素を備える、請求項1に記載の切断装置。
【請求項3】
前記位置付け装置は、前記切断線における前記エイペックスストリップに対して前記1つ以上の位置付け要素のうちの1つを押すように配置される、請求項2に記載の切断装置。
【請求項4】
前記位置付け装置は、前記搬送方向に
おいて前記切断線の
下流の前記エイペックスストリッ
プに対して前記1つ以上の位置付け要素のうちの1つを押すように配置される、請求項2に記載の切断装置。
【請求項5】
前記位置付け装置は、前記搬送方向
において前記切断線の
上流の前記エイペックスストリッ
プに対して前記1つ以上の位置付け要素のうちの1つを押すように配置される、請求項2に記載の切断装置。
【請求項6】
前記位置付け装置は、2つ以上の位置付け要素を備え、
前記位置付け装置は、前記搬送方向に
おいて前記切断線の
下流の前記エイペックスストリッ
プに対して前記1つ以上の位置付け要素のうちの第1の位置付け要素を押すように配置され、
前記位置付け装置は、前記搬送方向
において前記切断線の
上流の前記エイペックスストリッ
プに対して前記1つ以上の位置付け要素のうちの第2の位置付け要素を押すように配置される、請求項2に記載の切断装置。
【請求項7】
前記位置付け装置は、前記エイペックスストリップと接触する前記位置付け方向に前記第1の位置付け要素と前記第2の位置付け要素とを押すための駆動部材をさらに備え、 前記第1の位置付け要素と前記第2の位置付け要素とは、第1の変位方向と、前記駆動部材に対する前記第1の変位方向とは反対である第2の変位方向とに移動するように配置される、請求項6に記載の切断装置。
【請求項8】
前記第1の変位方向への前記第1の位置付け要素の移動は、前記第2の変位方向への前記第2の位置付け要素の移動と
固定された関係、又は、1:1の関係、又は、位置付け要素間の切断線又は中間線までの前記位置付け要素の距離に正比例する関係を有する、請求項7に記載の切断装置。
【請求項9】
前記第1の位置付け要素と前記第2の位置付け要素は、前記支持平面
に垂直に伸長する共通の旋回軸の周りを旋回可能である、請求項6に記載の切断装置。
【請求項10】
前記第1の位置付け要素と前記第2の位置付け要素は、旋回軸の周りに
おいて、固定された相互角度で配置される、請求項8に記載の切断装置。
【請求項11】
前記位置付け装置は、前記第1の位置付け要素と前記第2の位置付け要素を支持する旋回軸の周りを回転可能であるブラケットを備える、請求項8に記載の切断装置。
【請求項12】
前記第1の位置付け要素と前記第2の位置付け要素は、前記ブラケットに対して固定された位置にある、請求項11に記載の切断装置。
【請求項13】
前記ブラケットは、前記旋回軸まで前記支持平面の上方又は下方に伸長する1つ以上の第1のブラケット部材と、前記第1の位置付け要素と前記第2の位置付け要素を運ぶように前記支持平面に伸長する1つ以上の第2のブラケット部材とを備え、前記旋回軸は、前記切断
線と前記
長手方向基準
線との間の交点に位置付けられる、請求項11に記載の切断装置。
【請求項14】
前記旋回軸は仮想旋回軸である、請求項9に記載の切断装置。
【請求項15】
前記第1の位置付け要素と前記第2の位置付け要素は、前記旋回軸と交差し、
前記旋回軸に対して径方向に伸長する、中間線について対称に配置される、請求項9に記載の切断装置。
【請求項16】
前記旋回軸は、切断線と交差する、請求項9に記載の切断装置。
【請求項17】
1つ以上の位置付け要素は、前記支持平面
に垂直なローラ軸の周りをそれぞれ回転可能であるローラである、請求項1に記載の切断装置。
【請求項18】
前記位置付け装置は、前記位置付け方向に1つ以上の位置付け要素を押すための位置付け駆動装置を備える、請求項1に記載の切断装置。
【請求項19】
前記位置付け駆動装置はリニア駆動である、請求項18に記載の切断装置。
【請求項20】
前記位置付け駆動装置は、一定のストロークを有する、請求項18に記載の切断装置。
【請求項21】
前記位置付け駆動装置は、空圧駆動である、請求項
18に記載の切断装置。
【請求項22】
前記切断装置は、前記ナイフと協働するためのアンビルを備え、前記アンビルは、前記支持平面の下方に位置付けられる、請求項1に記載の切断装置。
【請求項23】
少なくとも1つ以上の位置付け要素が前記長手方向基準線に向けて前記位置付け方向に変位されるとき、前記アンビルは、前記1つ以上の位置付け要素を収容するための1つ以上の凹部を備える、請求項22に記載の切断装置。
【請求項24】
前記切断装置は、前記搬送方向に前記切断線のエイペックスストリップ上流及び下流をクランプするためのクランプ要素をさらに備える、請求項22に記載の切断装置。
【請求項25】
エイペックスストリップをビードに適用するための生産ラインであって、
前記生産ラインは、請求項1に記載の前記切断装置と、前記ビードを保持するためドラムとを備え、
前記生産ラインは、前記切断装置における必要な長さのエイペックスストリップの先端と後端とを把持し、前記先端と前記後端を前記ドラムに配置するためのグリッパをさらに備える、生産ライン。
【請求項26】
エイペックスストリップを切断するための方法であって、前記方法は、
a)支持平面の搬送方向に前記エイペックスストリップを搬送するステップと、
b)前記搬送方向に横方向又は垂直な切断線に沿って前記エイペックスストリップを切断するステップと、
c)ステップb)の前に、長手方向基準線まで前記搬送方向に横方向又は垂直な位置付け方向に前記エイペックスストリップの第1の側面を押すステップとを含む、方法。
【請求項27】
前記エイペックスストリップは、ステップb)の間クランプされる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
ステップc)は、2つの別個の点において前記エイペックスストリップの第1の側面を押すことを含み、
前記別個の点のうちの第1の点は、前記搬送方向の切断線の下流に位置付けられ、前記別個の点のうちの第2の点は、前記搬送方向の切断線の上流に位置付けられる、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
請求項1に記載の切断装置を使用する、請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストリップ、特にタイヤ製造用のエイペックス又はエイペックスフィラーを切断するための切断装置及び方法に関する。
本発明はさらに、ビードにエイペックスを適用するための生産ラインに関する。
【背景技術】
【0002】
WO 2014/092558 A1は、ビードを保持するためのビードホルダを備える、ビードにエイペックスを適用してグリーンタイヤ用のビード-エイペックス組立体を形成するためのタイヤ製造機を開示しており、タイヤ製造機は、エイペックスを係合してビードに向かって運搬方向に移動させるための第1のグリッパ及び第2のグリッパを備え、第1のグリッパは、第1の開始位置と第1の終了位置との間で移動可能であり、第2のグリッパは、第2の開始位置と第2の終了位置との間で移動可能であり、タイヤ製造機には、ウェッジが設けられ、グリッパは、グリッパがエイペックスに係合するように配置される閉状態に付勢され、ウェッジは、グリッパが開始位置又は終了位置のうちの1つにあるときにグリッパの付勢に対抗するように配置される。
【0003】
タイヤ製造機は、運搬面の上方に配置された切断ナイフと、運搬面の直下に配置されたアンビルとを有する切断装置をさらに備える。アンビルは、切断面と2つのクランプ面とを備える。切断装置の切断ナイフは、エイペックスの長さを、先端と後端とを有するエイペックスストリップに切断するために、アンビルの切断面上に移動させることができる。タイヤ製造機には、クランプ面に向かって移動するように配置された2つのクランピングブロックが設けられる。クランピングブロックは、グリッパの邪魔にならないように上方に持ち上げることができる。切断面とクランプ面との間において、アンビルにはグリッパを収容するための凹部が設けられる。
【発明の概要】
【0004】
既知の切断装置の不都合なことは、エイペックスストリップが高速で搬送されるとき、蛇行する及び/又は反る傾向があることである。結果として、エイペックスストリップの横方向位置及び/又は向きは、切断ナイフの位置において変化するかもしれない。したがって、エイペックスストリップが切断されるとき、必要な長さ(cut to length)のエイペックスストリップの先端と後端との幅及び/又は横方向位置は、ずれるかもしれない。前記先端及び後端は、それぞれのグリッパによって線形に搬送され、製造ドラム上に実質的に接合される。
図14に示すように、先端LEと後端TEの横方向位置のずれは、いわゆる「ドッグイヤー」95を有する劣った接合をもたらすかもしれない。さらに、シフトされた横方向位置結果として、エイペックスストリップとエイペックスストリップの底におけるビードとの間に空気含有物又は空気ポケットが形成されるかもしれない。前記劣った接合は、結果として生じるタイヤの品質に否定的な影響を与えることがある。
【0005】
本発明の目的は、ストリップをより正確に切断及び/又は接合できる、ストリップ、特にタイヤ製造のためのエイペックス切断装置を提供することである。
【0006】
第1の態様によると、本発明は、ストリップ、特にタイヤ製造のためのエイペックスの連続的な長さを切断するための切断装置に関し、切断装置は、支持平面の搬送方向にストリップを運搬するためのコンベヤと、搬送方向に横方向の切断線に沿ってストリップを切断するためのナイフとを備え、切断装置は、ストリップを切断線における長手方向基準線に向けて横方向又は搬送方向に垂直な位置付け方向に押すための位置付け装置をさらに備えている。
【0007】
位置付け装置は、切断線における基準線に、又はその近く近くにストリップの側面を位置付けることができる。したがって、切断線におけるストリップの横方向位置は、各切断に対して実質的に同じである。したがって、結果として生じる先端と後端の横方向アライメントは、実質的に各切断に対して同じである。したがって、前記先端と後端は、より正確に及び/又は確実に把持されることができる。結果として、前記先端と後端は、後続のドラム上により正確に位置付けられ及び/又は接合されることができる。したがって、先端と後端は、より確実に接合されることができる。したがって、ドッグイヤー及び/又は空気含有物を低減する又は最終的に防ぐことができる。
【0008】
その実施形態において、位置付け装置は、長手方向基準線に向けてストリップの第1の側面を押すために位置付け方向にコンベヤに対して移動可能である、1つ以上の位置付け要素を備えている。1つ以上の位置付け要素は、前記ストリップの側面を押すことによって、コンベヤに対してストリップを容易に変位させることができる。
【0009】
その実施形態において、位置付け装置は、切断線におけるストリップに対して1つ以上の位置付け要素のうちの1つを押すように配置される。したがって、ストリップの第1の側面は、切断線において基準線に対してより正確に位置付けられることができる。したがって、ストリップの前記第1の側面におけるナイフの切り込みの位置をより正確に決定できる。さらに、それぞれのグリッパに関する先端と後端の位置をより正確に決定できる。
【0010】
代替実施形態において、位置付け装置は、搬送方向の切断線のストリップ下流又は上流に対して1つ以上の位置付け要素のうちの1つを押すように配置される。言い換えると、位置付け要素は、切断線と交差しない。
したがって、ストリップは位置付け要素を除去する必要なく切断されることができる。したがって、切断プロセスはより効率的になることができる。
【0011】
さらなる実施形態において、位置付け装置は2つ以上の位置付け要素を備え、位置付け装置は、搬送方向に切断線のストリップ下流に対して1つ以上の位置付け要素のうちの第1の位置付け要素を押すように配置され、位置付け装置は、搬送方向の切断線のストリップ上流に対して1つ以上の位置付け要素のうちの第2の位置付け要素を押すように配置される。2つの位置付け要素は、切断線の両側上の基準線に対してストリップの第1の側面を整列させることができる。
したがって、第1の側面を切断線においてより正確に整列させることができる。
さらに、位置付け要素は、切断線と交差しない。したがって、ストリップは位置付け要素を除去する必要なく切断されることができる。したがって、切断プロセスはより効率的になることができる。
【0012】
さらなる実施形態において、位置付け装置は、ストリップと接触する位置付け方向に第1の位置付け要素と第2の位置付け要素とを押すための駆動部材をさらに備え、第1の位置付け要素と第2の位置付け要素とは、第1の変位方向と、駆動部材に対する第1の変位方向とは反対である第2の変位方向とに移動するように配置される。したがって、位置付け要素の位置は、2つの位置付け要素間の(仮想)点の周りの基準についてのストリップの側面の角度のオフセットにしたがって調節されることができる。
【0013】
好ましくは、第1の変位方向への第1の位置付け要素の移動は、特定の関係、例えば、固定された関係、又は、1:1の関係、又は、第2の変位方向への第2の位置付け要素の移動に伴う、位置付け要素間の切断線又は中間線までの前記位置付け要素の距離に正比例する関係を有する。
【0014】
その実施形態において、第1の位置付け要素と第2の位置付け要素は、支持平面に横方向又は垂直に伸長する共通の旋回軸の周りを旋回可能である。好ましくは、第1の位置付け要素と第2の位置付け要素は、旋回軸の周りに固定された相互角度で配置される。したがって、ストリップが前記基準線に関して小斜角で局所的に伸長するときでさえ、ストリップの第1の側面を、切断線と基準線の交点に関してより正確に位置付けることができる。
【0015】
さらなる実施形態において、位置付け装置は、第1の位置付け要素と第2の位置付け要素を支持する旋回軸の周りを回転可能であるブラケットを備える。ブラケットは、ストリップ、基準線及び/又は切断線に関して相対位置に位置付け要素を保持することができる。
【0016】
好ましくは、第1の位置付け要素と第2の位置付け要素は、前記ブラケットに対して固定された位置にある。ブラケットは、これらが1つになって旋回軸の周りを回転できるように、互いに対して位置付け要素の相対位置を固定できる。言い換えると、位置付け要素は、旋回している間、互いに対して同じ相対位置に留まることができる。
【0017】
さらに又は代替的に、ブラケットは、旋回軸まで支持平面の上方又は下方に伸長する1つ以上の第1のブラケット部材と、第1の位置付け要素と第2の位置付け要素を運ぶように支持平面に伸長する1つ以上の第2のブラケット部材とを備え、旋回軸は、切断線と基準線との間の交点に位置付けられる。結果として、支持平面の上方又は下方に伸長する1つ以上の第1のブラケット部材は、ナイフ、アンビル又は切断装置の他の部分から離れたままにすることができる一方、これらは、ナイフの動作を妨げることなく、できるだけ交点の近くに又は交点に位置付けられることができる旋回軸に又は旋回軸まで接続されることができる。
【0018】
別の実施形態では、旋回軸は仮想旋回軸である。例えば、旋回軸位置における物理的接続又は物理的ヒンジを有さない機構が選ばれてもよい。したがって、旋回位置は、ナイフの動作を妨げることなく、できるだけ基準線の近くに又は基準線において、選ばれることができる。
【0019】
さらなる好ましい実施形態では、第1の位置付け要素と第2の位置付け要素は、旋回軸と交差し、それについて径方向に伸長する、中間線について対称に配置される。
【0020】
さらなる実施形態において、旋回軸は、切断線と交差する。
【0021】
さらなる実施形態において、1つ以上の位置付け要素は、支持平面に横方向又は垂直なローラ軸の周りをそれぞれ回転可能であるローラである。ローラは、任意の方向でストリップの第1の側面に隣接することができる。ストリップに関するブラケットの位置及び/又は方向が前述の旋回軸の周りで変わり、ストリップの側面に沿ったローラの相対位置がわずかに変わるとき、ローラは、わずかに回転できる。したがって、ブラケットの位置及び/又は向きの変化の結果としてストリップにかかる任意の力を低減させることができる。
【0022】
さらなる実施形態において、位置付け装置は、位置付け方向に1つ以上の位置付け要素を押すための位置付け駆動装置を備える。好ましくは、1つ以上の位置付け要素は、駆動装置を作動させることにより、ベースに関して位置付け方向に移動可能である、駆動部材に取り付けられる。
【0023】
その実施形態において、位置付け駆動装置はリニア駆動である。したがって、駆動装置は、位置付け方向に1つ以上の位置付け要素を線形に押すことができる。前記リニア駆動は、例えば、空圧駆動であってもよい。
【0024】
そのさらなる実施形態において、位置付け駆動装置は、一定のストロークを有する。
好ましくは、ストロークは物理的に制限される。言い換えると、1つ以上の位置付け要素の変位、又は旋回可能要素のケースにおいて、旋回軸の変位は、常に同じである。したがって、位置付け装置は、フィードバックシステムの必要なく、基準線に向けて又は最終的にそれまでストリップを押すことができる。したがって、位置付け装置は、単純に保つことができる。
【0025】
さらなる実施形態において、切断装置は、ナイフと協働するためのアンビルを備え、アンビルは、支持平面の下方に位置付けられる。好ましくは、少なくとも前記1つ以上の位置付け要素が長手方向基準線に向けて位置付け方向に変位されるとき、アンビルは、1つ以上の位置付け要素を収容するための1つ以上の凹部を備える。したがって、1つ以上の位置付け要素は支持面の下方に伸長できる。したがって、前記位置付け要素と支持平面におけるアンビルとの間の滑り摩擦をもたらすことなく、位置付け要素は、その全体の高さ上にストリップを押すことができる。
【0026】
さらなる実施形態において、切断装置は、搬送方向に切断線のストリップ上流及び下流をクランプするためのクランプ要素をさらに備える前記クランプ要素は、その側面が基準線において又はその近くに位置付けられた後、ストリップをクランプできる。したがって、ストリップは、クランプされている間に切断されることができる。クランプは、切断装置によるストリップ上にかかる力によるストリップの変位を防ぐことができる。クランプの前に基準線における又はその近くにストリップを位置付けることができることから、クランプ要素はストリップをより正確にクランプできる。したがって、ストリップが切断された後、結果として生じる先端及び後端をより正確及び/又は確実に決定できる。
【0027】
第2の態様によると、本発明は、エイペックスストリップをビードに適用するための生産ラインに関し、生産ラインは、本発明による切断装置と、ビードを保持するためドラムとを備え、生産ラインは、切断装置における必要な長さのエイペックスストリップの先端と後端とを把持し、前記先端と前記後端をドラムに配置するためのグリッパをさらに備える。
【0028】
生産ラインは、本発明による切断装置を備え、したがって、上述したような同じ利点が適用される。さらに、グリッパは、先端と後端を正確により把持することができる。したがって、エイペックスストリップは、より正確にドラム上に配置されることができる。したがって、前記先端と後端との間の接合における「ドッグイヤー」又はエイペックスとビードとの間の空気ポケットを減らす又は最終的には防ぐことができる。したがって、前記エイペックスストリップをより確実に接合できる。
【0029】
第3の態様によると、本発明は、ストリップを切断するための方法に関し、方法は、
a)支持平面の搬送方向にストリップを搬送するステップと、
b)搬送方向に横方向又は垂直な切断線に沿ってストリップを切断するステップと、
c)ステップb)の前に、長手方向基準線まで搬送方向に横方向又は垂直な位置付け方向にストリップの第1の側面を押すステップとを含む。
【0030】
切断の前にストリップの側面を整列させることにより、前記側面における切断の位置をより正確に決定できる。したがって、ストリップはより厳密に切断できる。必要な長さのストリップの結果として生じる先端及び後端は、より正確に決定されることができる。したがって、前記先端及び後端をより正確に把持できる。したがって、前記先端及び後端は、接合のためにより正確に位置付けられることができる。したがって、より良好な接合を得ることができる。
【0031】
その実施形態において、ストリップは、ステップb)の間クランプされる。
したがって、切断によるストリップの変位を防ぐことができる。
【0032】
そのさらなる実施形態では、ステップc)は、2つの別個の点においてストリップの第1の側面を押すことを含み、別個の点のうちの第1の点は、搬送方向の切断線の下流に位置付けられ、別個の点のうちの第2の点は、搬送方向の切断線の上流に位置付けられる。
【0033】
さらなる実施形態では、方法は、本発明による切断装置を使用することを含む。
したがって、方法は、上述の切断装置の利点を組み込んでいる。
【0034】
本明細書に説明し且つ示す様々な態様及び特徴は、可能な限り、個々に適用することができる。これらの個々の態様、特に添付の従属請求項に説明する態様及び特徴は、分割特許出願の主題とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
添付の概略図に示す例示的な実施形態に基づいて、本発明を説明する。
【
図1】
図1は、本発明による切断装置を含む、ストリップの生産ラインの側面図を示す。
【
図2】
図2は、ストリップを位置付けるための位置付け装置を備える、
図1による切断装置の上面図を示す。
【
図3】
図3は、ストリップを位置付けるための位置付け装置を備える、
図1による切断装置の上面図を示す。
【
図4】
図4は、
図3による位置付け装置の詳細な上面図を示す。
【
図5】
図5は、
図3による位置付け装置の詳細な上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、ストリップ9、特にタイヤ製造のためのエイペックス又はエイペックスフィラーを製造するための生産ライン100を示している。ストリップ9は、好ましくは、エラストマー又はゴム材料から作られる。生産ライン100は、連続した長さのストリップ9を所定の長さに切断するための、本発明による切断装置1を備える。生産ライン100は、必要な長さのストリップ9をビードコア(図示せず)の周りに巻き付けるための、ドラム軸Aの周りを回転可能なドラム8をさらに備える。好ましくは、生産ライン100は、必要長さのストリップ9の先端LE及び後端TEをピックアップし、前記先端LE及び前記後端TEをドラム8に配置するためのグリッパ(図示せず)をさらに備える。前記グリッパは、それ自体知られており、例えば、WO 2014/092558 A1に開示されている。
【0037】
図6に示されているように、エイペックス又はエイペックスフィラーの形態をしたストリップ9は、断面が三角形又は実質的に三角形である。エイペックスは、短い側又は第1の側面91と先端又は第2の側面92との間に伸張する。エイペックスは、第1の側91と第2の側92との間に2つの対向する長い側面93をさらに備える。好ましくは、エイペックスは、第2の側面92における先端のたるみ又は変形を防止するように、長い側面93のうちの1つの上で搬送される。
【0038】
図1から
図3に示すように、切断装置1は、支持平面Pにおいてストリップ9を支持するためのコンベヤ5を備える。コンベヤ5は、前記支持平面Pにおいて搬送方向Tにストリップ9を運搬するためにさらに配置される。好ましくは、コンベヤ5は、複数のコンベヤロール51を備えるローラコンベヤである。
【0039】
切断装置1は、搬送方向Tに対して横方向又は垂直な切断線Cに沿ってストリップ9を切断するためのナイフ3を更に備えている。「横方向」という用語は、「横断する」ものとして理解されるべきであるが、必ずしも垂直ではなく、すなわち、例えば垂直方向から10度又は20度以内の斜角である。切断線Cは、切断平面(図示せず)と支持平面Pとの間の交線に対応する。この特定の実施形態では、ナイフ3は、搬送方向Tで見たときに支持平面Pに対してある角度で伸張する切断ブレード31を備える。この特定の実施形態では、ナイフ3はギロチンタイプのナイフであり、すなわち、切断ブレード31は、支持平面Pに対して横方向又は垂直な切断方向Kに移動可能である。代替的に、切断ブレード31は、切断線Cに沿った又は実質的に切断線Cに沿った切断方向に、ストリップを横方向に切断するように配置されてもよい。
【0040】
図1から
図3に示すように、切断装置1は、ナイフ3と協働するアンビル4をさらに備えている。アンビル4は、支持平面Pの下方に位置付けられる。換言すれば、アンビル4は、支持平面Pに対してナイフ3の反対側に位置付けられる。アンビルは、ナイフ3の刃31を収容するための切断線Cの位置で支持平面P内に伸張する切断面41を備えている。
【0041】
図1に示されるように、切断装置1は、切断線Cの両側でストリップ9をクランプ保持するための2つのクランプ要素44を備えている。好ましくは、ストリップ9は、ナイフ3が切断線Cにおいて前記ストリップ9を切断するときである。クランプ要素44は、アンビル4に対してストリップ9を保持するように配置される。特に、クランプ要素44は、支持平面Pに対して横方向又は垂直な押圧方向にアンビル4上のストリップ9を押圧するように、又は前記アンビル4又は、コンベヤ5及び/若しくはクランプ要素44に関係付けられた他の適切な支持部材と協働して支持平面P内でストリップ9をクランプするように配置される。
【0042】
この特定の実施形態では、切断装置1は、切断線Cの下流で必要な長さのストリップ9の後端TEをクランプするために、搬送方向Tにおいて切断線Cの下流に1つのクランプ要素44を備える。切断装置は、ストリップ9の連続した長さの先端LEをクランプするために、搬送方向Tにおいて切断線Cの上流にクランプ要素44をさらに備える。
【0043】
図1から
図3にさらに示すように、アンビル4は、2つの凹部40を備えている。前記凹部40は、支持平面Pに開いている。凹部40のうちの第1の凹部は、搬送方向Tにおいて切断線Cの下流に配置される。前記凹部40は、必要な長さのストリップ9の後端TEを把持するための後端グリッパ(図示せず)を収容するように配置される。凹部40のうちの第2の凹部は、搬送方向Tにおいて切断線Cの上流に配置される。前記凹部40は、連続ストリップ9の先端LE及び/又は後端TEを把持するための先端グリッパ61及び/又は後端グリッパ62を収容するように配置される。
【0044】
図1及び
図2はさらに、ビードに適用されるストリップ9の同じ長さ又は後続の長さの先端LE及び後端TEをドラム8に係合させる目的のための先端グリッパ61及び後端グリッパ62を示す。
【0045】
典型的には、先端グリッパ61は、連続ストリップ9の先端LEを把持し、前記先端LEをドラム8の周囲上に配置するように配置される。好ましくは、前記先端LEは、次いで、別の先端グリッパ又は巻き付けグリッパ(図示せず)によって前記ドラム8上に保持される。その後、連続的なストリップ9は、それぞれのストリップ9の後端TEを形成する長さに切断される。後端グリッパ62は、必要な長さのストリップ9の前記後端TEをドラム8に向かって運搬しながら、前記ストリップ9をドラム8の周囲に巻き付けるように配置される。
【0046】
先端グリッパ61及び後端グリッパ62は、典型的には、搬送方向Tにおいてナイフ3からドラム8に向かって直線運動で移動される。しかしながら、ストリップ9が蛇行しているか又は反っており、
図14において先端LEの隣にTE’として投影される後端TEが前記先端LEに対してシフトされることが観察されるとき、先端グリッパ61、後端グリッパ62及び/又はストリップ9の先端LE又は後端TEを把持するための任意の他のグリッパは、前記先端LE及び前記後端TEの横方向位置を補正するために、
図2に示すように、それぞれ先端LE及び後端TEを保持、クランプ又は把持しながら、搬送方向Tに垂直な横方向Lに移動可能であるように追加的に構成又は制御されてもよい。
【0047】
図2から
図5に示されるように、切断装置1は、切断線Lにおいて長手方向基準線Rに向かって搬送方向Tに対して横方向又は垂直な位置付け方向Fにストリップ9を押すための位置付け装置2をさらに備える。特に、位置付け装置2は、基準線Rに向かってストリップ9の第1の側面91を押すために配置される。前記基準線Rは、搬送方向Tに平行又は実質的に平行に伸長する。
【0048】
位置付け装置2は、第1の位置付け要素21及び第2の位置付け要素22を備え、これらは、第1の側面91を基準線Rに向かって押すために、コンベヤ5に対して位置付け方向Fに移動可能である。第1の位置付け要素21は、搬送方向Tにおいて切断線Cの下流に配置されている。第2の位置付け要素22は、搬送方向Tの切断線Cの上流に配置されている。
【0049】
位置付け装置2は、ベース20と、前記ベース20に対して移動可能な駆動部材24とを備える。位置付け装置2は、第1の位置付け要素21及び第2の位置付け要素22を駆動部材24に結合するためのブラケット25をさらに備える。
好ましくは、前記位置付け要素21、22は、支持平面Pに対して横方向又は垂直なローラ軸Dの周りをブラケット25に対してそれぞれ回転可能なローラである。
【0050】
位置付け装置2は、駆動部材24をベース20に対して位置付け方向Fに前後に駆動するための位置付け駆動装置23をさらに備える。好ましくは、位置付け駆動装置23は、リニア駆動、例えば空圧駆動である。ベース20は、コンベヤ5に対して位置が固定されている。
【0051】
好ましくは、位置付け駆動装置23は一定のストロークを有する。換言すれば、位置付け駆動装置23は、駆動部材24を駆動して、一定の間隔にわたって基準線に向かって変位させることができる。
【0052】
第1の位置付け要素21及び第2の位置付け要素22は、支持平面Pに対して横方向又は垂直に伸張する共通の旋回軸Bの周りを旋回可能である。好ましくは、旋回軸Bは、切断線Cに対して横方向又は垂直に伸張し、及び/又は切断線Cと交差する。特に、ブラケット25は、旋回軸Bの周りを回転可能である。したがって、第1及び第2の位置付け要素21、22は、基準線Rに対するストリップ9の角度変位に適合することができる。
【0053】
第1の位置付け要素21及び第2の位置付け要素22は、旋回軸Bの周りに固定された相互角度で配置される。好ましくは、第1の位置付け要素21及び第2の位置付け要素22は、旋回軸Bと交差し、旋回軸Bに対して半径方向に延びる中間線Mに対して対称に配置される。換言すれば、第1の位置付け要素21及び第2の位置付け要素22は、旋回軸Bの周りの円弧上に配置される。
【0054】
駆動部材24は、第1の位置付け要素21及び第2の位置付け要素22を位置付け方向Fに押してストリップ9と接触させるように配置される。ブラケット25が旋回するので、第1の位置付け要素21及び第2の位置付け要素22は、旋回軸Bの周りを前記ブラケット25と共に移動するように配置され、それによって、第1の位置付け要素21及び第2の位置付け要素22は、駆動部材24に対して反対の変位方向Vに移動し、前記ブラケット25を位置付け方向Fに押す。特に、この例では、第1の位置付け要素21は、位置付け方向Fと平行であるが反対の第1の変位方向Vに後方に押され、第2の位置付け要素22は、位置付け方向Fと同じ方向の他方の変位方向Wに変位される。
【0055】
特に、ブラケット25はシーソーとして作用することができる。この例では、第1の変位方向Vにおける第1の位置付け要素21の移動と、反対の第2の変位方向Wにおける第2の位置付け要素22の移動との間の関係は、固定された関係であり、特に逆の1:1の関係である。
【0056】
あるいは、位置付け要素21、22が中間線Mに対して対称に位置付けされていないとき、それぞれの変位方向V、Wにおける位置付け要素21、22の移動の間の関係は、切断線C及び/又は中間線Mに対するそれぞれの位置付け要素21、22の距離の間の関係に正比例するように選ばれてもよい。
【0057】
次に、ストリップ9を切断する方法について、
図1から
図5を用いて説明する。
【0058】
図1に示すように、第1のストリップ9は、必要な長さに切断され、ドラム8の周りに部分的に巻き付けられている。
【0059】
続いて、
図2に示すように、連続ストリップ9は、切断線Cを通過して搬送方向Tに運搬される。
【0060】
予め定められた長さのストリップ9が切断線Cを通過して運搬されるとき、第1及び第2の位置付け要素21、22は、位置付け駆動装置23によって位置付け方向Fに駆動される。
【0061】
図3及び
図5に示すように、第1の位置付け要素21は、ストリップ9の第1の側面91に接触しており、ブラケット25を旋回軸Bの周りで旋回させる。第2の位置付け要素22は、位置付け方向Fにさらに付勢されて第1の側面91と接触している。
続いて、第1及び第2の位置付け要素21、22は、ストリップ9を基準線Rに向かって付勢する。
【0062】
図1に示されるように、ストリップ9は、ここで、アンビル4と協働するか又はそれら自体の下部支持部材を有するクランプ要素44を使用してクランプされる。その後、ストリップ9はナイフ3を使用して必要な長さに切断される。ここで、後端グリッパ(図示せず)は、必要な長さのストリップ9の結果として生じる後端TEを把持し、前記ストリップ9をドラム8の周囲に巻き付けながら、前記後端をドラム8に向かって運搬することができる。続いて又は同時に、先端グリッパ(図示せず)は、ここで、連続ストリップ9の先端LEを把持し、前記先端LEをドラム8に向かって搬送方向Tに運搬することができる。
【0063】
図7は、代替位置付け装置102を示す。代替の位置付け装置102は、位置付け要素121、122が旋回可能ではないという点で、前述の位置付け装置2とは異なる。換言すれば、ブラケット125は、駆動部材124に固定して取り付けられている。位置付け要素121、122は、切断線Cの両側に位置付けられる。したがって、基準線Rに対するストリップ9の第1の外側縁91の時計回り及び反時計回りの両方の角度偏差を補正することができる。位置付け要素121、122が切断線Cに対して固定されるので、位置付け要素とナイフ3との間の干渉が防止されることができる。
【0064】
図8は、さらなる代替の位置付け装置202を示す。前記位置付け装置202は、位置付け装置202が搬送方向Tにおいて切断線の下流に単一の位置付け要素221のみを備えるという点で、前述の位置付け装置102とは異なる。
【0065】
図9は、さらなる代替の位置付け装置302を示す。前記位置付け装置302は、位置付け要素321が切断線Cに配置されるという点で、前述の位置付け装置202とは異なる。位置付け装置302は、切断線Cに沿って位置付け方向Fにストリップ9を押すように配置される。その結果、横方向ストリップ9の第1の側面91は、切断線Cと基準線Rとの間の交点を示す基準点Eに正確に位置付けることができる。したがって、結果として生じる先端LEと後端TEは、各切断についてまったく同じ横方向位置に位置付けられることができる。その結果、結果として生じる接合をさらに改善することができる。この実施形態のトレードオフは、位置付け要素321がナイフ3の切断を妨げるかもしれないことである。したがって、位置付け要素321は、切断が開始される前に、基準線Rから離れるように移動されるべきである。これは、製造プロセスを遅くする可能性がある。
【0066】
図10から
図13は、基準線R及び/又は基準線Rと切断線Cとの間の交点Eに近づく上述の旋回軸Bを移動させるためのブラケット、部品、リンク機構又は機構が設けられた位置付け装置402、502、602、702の代替的な実施形態を示す。旋回軸Bは、例えば、ナイフ3、アンビル4及び/又はコンベヤ5によって占められる位置で支持平面Pと交差してもよい。特に、前記旋回軸Bは、ナイフ3、アンビル4、及び/又はコンベヤ5の動作に干渉しない位置又はレベルでブラケット又は機構が接続される物理的ヒンジ点によって規定されてもよい。代替的に、旋回軸Bは、例えば、前記旋回軸Bへの物理的接続を必要とせずに、前記仮想旋回軸Bの周りで位置付け要素を移動させることができる機構又はアクチュエータを提供することによって、仮想であってもよい。
【0067】
特に、
図10は、2つの位置付け要素421、422が伸縮式アームなどの2つの弾性的に圧縮可能な部材426、427によって支持されるという点で、
図4に示されるような位置付け装置2とは異なるさらなる代替的な位置付け装置402を示す。この場合、弾性的に圧縮可能な部材426、427は、ばね428、429によって位置付け方向Fに伸張するように付勢される。両方の弾性的に圧縮可能な部材426、427は、駆動部材424によって駆動されるブラケット425によって位置付け方向Fに押されるが、両方の位置付け要素421、422は、それぞれの変位方向V、Wにばね428、429の付勢の結果として、又はそれに対抗して、ストリップ9に対して独立して押し付けられるか、又はストリップ9によって押し戻されることができ、したがって、基準線R及び/又は基準線Rと切断線Cとの間の交点Eに可能な限り近くに位置付けられることができる仮想旋回軸Bの周りの位置付け要素421、422の仮想旋回を得る。
【0068】
同様に、
図11は、駆動部材524によってストリップ9に向かって押され、複数のロッド又はリンク機構526、527から形成されるブラケット525を有するさらなる代替の位置付け装置502を示す。したがって、リンク機構は、先の実施形態で述べたのと同様の位置にあるそれぞれの位置付け要素521、522の間の仮想旋回軸Bと共に形成することができる。
【0069】
図12は、それぞれの位置付け要素621、622の間の仮想旋回軸Bの前述の位置を得るために、
図10の弾性的に圧縮可能な部材426、427のように独立して移動するように個々に制御することができる2つのシリンダ626、627を有するさらなる代替位置付け装置602を示す。シリンダ626、627は、共通の駆動部材625、例えば、圧縮空気の共有供給源に接続することができ、又は異なる供給源を有することができる。
【0070】
最後に、
図13は、支持平面Pの上又は下に旋回軸Bにおける物理的ヒンジ点まで伸張する1つ以上の第1のブラケット部材725、726と、支持平面Pにおいて又は支持平面P内で前記旋回軸Bに対してそれぞれの位置付け要素721、722を保持又は支持する2つ以上の第2のブラケット部材727、728とを有するブラケットが設けられるという点で、前述の位置付け装置2とは異なる、さらなる代替の位置付け装置702を示す。
【0071】
上記の説明は、好ましい実施形態の動作を例示するために含まれ、本発明の範囲を限定することを意図されないことが理解されるべきである。上記の議論から、本発明の範囲によって更に包含されるであろう多くのバリエーションが当業者に明らかとなるであろう。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] ストリップ、特にタイヤ製造のためのエイペックスの連続的な長さを切断するための切断装置であって、
前記切断装置は、支持平面の搬送方向に前記ストリップを運搬するためのコンベヤと、
前記搬送方向に横方向の切断線に沿って前記ストリップを切断するためのナイフとを備え、
前記切断装置は、前記ストリップを前記切断線における長手方向基準線に向けて横方向又は前記搬送方向に垂直な位置付け方向に押すための位置付け装置をさらに備える、切断装置。
[2] 前記位置付け装置は、前記長手方向基準線に向けて前記ストリップの第1の側面を押すために前記位置付け方向に前記コンベヤに対して移動可能である、1つ以上の位置付け要素を備える、[1]に記載の切断装置。
[3] 前記位置付け装置は、前記切断線における前記ストリップに対して前記1つ以上の位置付け要素のうちの1つを押すように配置される、[2]に記載の切断装置。
[4] 前記位置付け装置は、前記搬送方向に前記切断線のストリップ下流に対して前記1つ以上の位置付け要素のうちの1つを押すように配置される、[2]に記載の切断装置。
[5] 前記位置付け装置は、前記搬送方向の前記切断線のストリップ上流に対して前記1つ以上の位置付け要素のうちの1つを押すように配置される、[2]に記載の切断装置。
[6] 前記位置付け装置は、2つ以上の位置付け要素を備え、
前記位置付け装置は、前記搬送方向に前記切断線のストリップ下流に対して前記1つ以上の位置付け要素のうちの第1の位置付け要素を押すように配置され、
前記位置付け装置は、前記搬送方向の前記切断線のストリップ上流に対して前記1つ以上の位置付け要素のうちの第2の位置付け要素を押すように配置される、[2]に記載の切断装置。
[7] 前記位置付け装置は、前記ストリップと接触する前記位置付け方向に前記第1の位置付け要素と前記第2の位置付け要素とを押すための駆動部材をさらに備え、
前記第1の位置付け要素と前記第2の位置付け要素とは、第1の変位方向と、前記駆動部材に対する前記第1の変位方向とは反対である第2の変位方向とに移動するように配置される、[6]に記載の切断装置。
[8] 前記第1の変位方向への前記第1の位置付け要素の移動は、前記第2の変位方向への前記第2の位置付け要素の移動と特定の関係を有する、[7]に記載の切断装置。
[9] 前記第1の位置付け要素と前記第2の位置付け要素は、前記支持平面に横方向又は垂直に伸長する共通の旋回軸の周りを旋回可能である、[6]から[8]のいずれか一項に記載の切断装置。
[10] 前記第1の位置付け要素と前記第2の位置付け要素は、旋回軸の周りに固定された相互角度で配置される、[8]に記載の切断装置。
[11] 前記位置付け装置は、前記第1の位置付け要素と前記第2の位置付け要素を支持する旋回軸の周りを回転可能であるブラケットを備える、[8]又は[9]に記載の切断装置。
[12] 前記第1の位置付け要素と前記第2の位置付け要素は、前記ブラケットに対して固定された位置にある、[11]に記載の切断装置。
[13] 前記ブラケットは、前記旋回軸まで前記支持平面の上方又は下方に伸長する1つ以上の第1のブラケット部材と、前記第1の位置付け要素と前記第2の位置付け要素を運ぶように前記支持平面に伸長する1つ以上の第2のブラケット部材とを備え、前記旋回軸は、前記切断線Cと前記基準線Rとの間の交点に位置付けられる、[11]又は[12]に記載の切断装置。
[14] 前記旋回軸は仮想旋回軸である、[9]から[13]のいずれか一項に記載の切断装置。
[15] 前記第1の位置付け要素と前記第2の位置付け要素は、前記旋回軸と交差し、それについて径方向に伸長する、中間線について対称に配置される、[9]から[14]のいずれか一項に記載の切断装置。
[16] 前記旋回軸は、切断線と交差する、[9]から[15]のいずれか一項に記載の切断装置。
[17] 1つ以上の位置付け要素は、前記支持平面に横方向又は垂直なローラ軸の周りをそれぞれ回転可能であるローラである、[1]から[16]のいずれか一項に記載の切断装置。
[18] 前記位置付け装置は、前記位置付け方向に1つ以上の位置付け要素を押すための位置付け駆動装置を備える、[1]から[17]のいずれか一項に記載の切断装置。
[19] 前記位置付け駆動装置はリニア駆動である、[18]に記載の切断装置。
[20] 前記位置付け駆動装置は、一定のストロークを有する、[18]に記載の切断装置。
[21] 前記位置付け駆動装置は、空圧駆動である、[17]、[18]又は[19]に記載の切断装置。
[22] 前記切断装置は、前記ナイフと協働するためのアンビルを備え、前記アンビルは、前記支持平面の下方に位置付けられる、[1]から[21]のいずれか一項に記載の切断装置。
[23] 少なくとも1つ以上の位置付け要素が前記長手方向基準線に向けて前記位置付け方向に変位されるとき、前記アンビルは、前記1つ以上の位置付け要素を収容するための1つ以上の凹部を備える、[22]に記載の切断装置。
[24] 前記切断装置は、前記搬送方向に前記切断線のストリップ上流及び下流をクランプするためのクランプ要素をさらに備える、[22]又は[23]に記載の切断装置。
[25] エイペックスストリップをビードに適用するための生産ラインであって、
前記生産ラインは、[1]から[24]のいずれか一項に記載の前記切断装置と、前記ビードを保持するためドラムとを備え、
前記生産ラインは、前記切断装置における必要な長さのエイペックスストリップの先端と後端とを把持し、前記先端と前記後端を前記ドラムに配置するためのグリッパをさらに備える、生産ライン。
[26] ストリップを切断するための方法であって、前記方法は、
a)支持平面の搬送方向に前記ストリップを搬送するステップと、
b)前記搬送方向に横方向又は垂直な切断線に沿って前記ストリップを切断するステップと、
c)ステップb)の前に、長手方向基準線まで前記搬送方向に横方向又は垂直な位置付け方向に前記ストリップの第1の側面を押すステップとを含む、方法。
[27] 前記ストリップは、ステップb)の間クランプされる、[26]に記載の方法。
[28] ステップc)は、2つの別個の点において前記ストリップの第1の側面を押すことを含み、
前記別個の点のうちの第1の点は、前記搬送方向の切断線の下流に位置付けられ、前記別個の点のうちの第2の点は、前記搬送方向の切断線の上流に位置付けられる、[26]又は[27]に記載の方法。
[29] [1]から[24]のいずれか一項に記載の切断装置を使用する、[26]から[28]のいずれか一項に記載の方法。
【0072】
参照番号のリスト
100 生産ライン
1 切断装置
2 位置付け装置
20 ベース
21 位置付け要素
22 位置付け要素
23 位置付け駆動装置
24 駆動部材
25 ブラケット
3 ナイフ
4 アンビル
40 凹部
41 切断面
44 クランプ
5 コンベヤ
51 コンベヤロール
61 先端グリッパ
62 後端グリッパ
8 製造ドラム
9 ストリップ
91 第1の側面
92 第2の側面
95 ドッグイヤー
102 代替位置付け装置
121 第1の位置付け要素
122 第2の位置付け要素
124 駆動部材
125 ブラケット
202 代替位置付け装置
221 位置付け要素
302 代替位置付け装置
321 位置付け要素
402 代替位置付け装置
421 第1の位置付け要素
422 第2の位置付け要素
424 駆動部材
425 ブラケット
426 第1の弾性的に圧縮可能な部材
427 第2の弾性的に圧縮可能な部材
428 第1のばね
429 第2のばね
502 代替位置付け装置
521 第1の位置付け要素
522 第2の位置付け要素
524 駆動部材
525 ブラケット
526 第1のリンク機構
527 第2のリンク機構
602 代替位置付け装置
621 第1の位置付け要素
622 第2の位置付け要素
624 駆動部材
626 第1のシリンダ
627 第2のシリンダ
702 代替位置付け装置
721 第1の位置付け要素
722 第2の位置付け要素
725、726 第1のブラケット部材
727、728 第2のブラケット部材
LE 先端
TE 後端
TE’ 後端突出部
A ドラム軸
B 旋回軸
C 切断線
D ローラ軸
E 基準点
F 位置付け方向
K 切断方向
L 横方向
M 中間線
P 支持平面
R 基準線
T 搬送方向
V 第1の変位方向
W 第2の変位方向