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特許7567062ブラケットの形状に曲げられた少なくとも1つのワイヤブランクを製造するための方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】ブラケットの形状に曲げられた少なくとも1つのワイヤブランクを製造するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 15/04 20060101AFI20241007BHJP
【FI】
H02K15/04 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023545815
(86)(22)【出願日】2022-01-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(86)【国際出願番号】 DE2022100060
(87)【国際公開番号】W WO2022179655
(87)【国際公開日】2022-09-01
【審査請求日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】102021104217.8
(32)【優先日】2021-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515009952
【氏名又は名称】シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler Technologies AG & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Industriestr. 1-3, 91074 Herzogenaurach, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ファブリス ジョルジュ
(72)【発明者】
【氏名】マルコス フォンタナ トーレス
【審査官】稲葉 礼子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/051610(WO,A2)
【文献】特開2021-108504(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のワイヤセクション(11)と、第1のワイヤセクションに平行である第2のワイヤセクション(12)と、第1のワイヤセクション(11)と第2のワイヤセクション(12)との間の曲げ移行セクション(13)と、を備える、ブラケットの形状に曲げられた少なくとも1つのワイヤブランク(100)を製造するための方法であって、
-ワイヤ供給源(2)からワイヤ(10)を提供する方法ステップと、
-少なくとも前記移行セクション(13)の長さ及び前記第2のワイヤセクション(12)の長さにわたって、前記ワイヤを伸線する方法ステップであって、前記ワイヤ(10)が伸線される伸線プロセス中に直線化される、伸線する方法ステップと、
-前記第2のワイヤセクション(12)をオフセット面上で前記第1のワイヤセクション(11)から第2のワイヤセクション(12)に向かって前記ワイヤ(10)が引き出される方向である引き出し方向(A)に垂直に移動させる方法ステップであって、それにより、前記移行セクション(13)が、前記第1のワイヤセクション(11)と前記第2のワイヤセクション(12)との間の2つの曲げ点(14)の間に形成される、移動させる方法ステップと、
-曲げ軸(44)の周りで前記移行セクション(13)を曲げる方法ステップであって、前記曲げるプロセスが、前記移行セクション(13)で実行され、前記曲げ軸(44)が、前記オフセット面上にあり、かつ前記引き出し方向(A)に対して垂直である、曲げる方法ステップと、を含み、
前記第2のワイヤセクション(12)が、前記伸線プロセス中に前記曲げ軸(44)に平行な軸の周りに巻かれ、前記移動させるステップ及び前記曲げるステップ中に巻かれたままであることを特徴とする、方法。
【請求項2】
-前記第1のワイヤセクション(11)を含む前記ワイヤ(10)を前記ワイヤ供給源(2)から前記引き出し方向(A)に伸線する方法ステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
-前記ワイヤブランク(100)に必要な長さの前記ワイヤを伸線した後、前記ワイヤ(10)を切断する方法ステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記移動するステップ及び前記曲げるステップの後、前記第2のワイヤセクション(12)がその長さにわたって前記第1のワイヤセクション(11)と平行に延在するように、前記第2のワイヤセクション(12)の前記ワイヤ(10)が、巻き戻され、かつ直線化される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法が、互いに平行に誘導される2本以上のワイヤ(10a)に対して実行される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ブラケットの形状に曲げられた少なくとも1つのワイヤブランク(100)を製造するための装置(1)であって、
-少なくとも1本のワイヤ(10)を引き出し方向(A)に供給するためのワイヤ供給源(2)と、
-供給された前記ワイヤ(10)を直線化するために、前記ワイヤ供給源(2)の前記引き出し方向(A)の下流側に配置された第1の直線化装置(3)と、
-第1のワイヤセクション(11)が受容される第1のワイヤストア(20)と、
-前記ワイヤ(10)の移行セクション(13)が位置している移動及び曲げ装置(40)と、
-第2のワイヤセクション(12)が受容される第2のワイヤストア(30)と、を備え、
前記第2のワイヤストア(30)が、前記第2のワイヤセクション(12)を巻き取ることができるリングストアである、装置(1)。
【請求項7】
前記移動及び曲げ装置(40)が、前記第1のワイヤセクション(11)を固定するための第1のクランプ(41)と、前記第2のワイヤセクション(12)を固定するための第2のクランプ(42)と、を有し、前記第2のクランプ(42)が、脚部(43)上に配置されており、前記脚部(43)が、前記引き出し方向(A)に垂直である旋回軸(44)の周りで、及び前記クランプ(41、42)間で、旋回することができ、かつ前記旋回軸(44)に平行に移動可能であり、前記第2のワイヤストア(30)が、前記脚部(43)とともに、前記旋回軸(44)の周りで旋回することができることを特徴とする、請求項6に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記移動及び曲げ装置(40)が、前記引き出し方向(A)に垂直に移動することができ、かつ前記移動及び曲げ装置(40)の前記脚部(43)を旋回させることができる、曲げブレードを有することを特徴とする、請求項7に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記第2のワイヤストア(30)が、その中に格納されている前記第2のワイヤセクション(12)を取り出すために、前記引き出し方向(A)に対して線形に移動可能であり、前記第2のワイヤストア(30)のための第2の直線化装置(51)が、前記第2のワイヤストア(30)から取り出された前記第2のワイヤセクション(12)を直線化するために提供されていることを特徴とする、請求項6~8のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記第2のワイヤストア(30)が、前記引き出し方向(A)に平行に線形に移動可能であるスライド(50)へ移送可能であり、前記第2の直線化装置(51)が、前記線形に移動可能なスライド(50)上に配置されていることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラケットの形状に曲げられた少なくとも1つのワイヤブランクを製造するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ブラケットの形状に曲げられたワイヤブランクは、例えば、電気モータのロータ巻線又はステータ巻線を製造するために必要である。ブラケットの形状に曲げられたワイヤブランクは、巻線ヘッド及びワイヤウェブを有する巻線マットに巻き取られている。このようにして製造された巻線マットは、電気モータのロータ又はステータに伸線される。この点に関して、ワイヤウェブは、ロータ溝又はステータ溝内に位置し、巻線ヘッドは、あるロータ溝又はステータ溝から隣のロータ溝又はステータ溝への個々の巻線ワイヤの移行部を形成している。
【0003】
加工上の理由から、ワイヤブランクは、一体に加工することが望ましい。したがって、個々の巻線ワイヤを連続させ、部分部品の溶接接合を回避する必要がある。特に高出力の電気モータは、広範囲なコイル巻線を備えているため、線路損失を回避し、かつ必要な設置スペースを最小限に抑えるために、長いワイヤを用意して連続的なコイル巻線に加工する必要がある。ブラケットの形状に曲げられたワイヤブランクを提供することにより、それぞれのワイヤブランクを、ワイヤ両端を有するブラケット状の形態のコイル巻線に加工することができるため、コイル巻線の製造に必要なワイヤ長を半分にすることができる。同時に、ブラケット状の形態は、コイル巻線を製造するためのf第1の巻線ヘッドの先駆体を提供する。それにもかかわらず、ワイヤの全長を、ブラケットの形状に曲げられたワイヤを製造するために、1回以上の曲げ操作によって最初に加工しなければならないため、ブラケットの形状に曲げられたワイヤを製造するには、無視できない量のスペースが必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、省スペースで作業及び操作できるブラケット形状に曲げられたワイヤの製造方法及び製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1及び6に係る発明によって達成される。本発明の実施形態は、請求項2~5及び7~10から得られる。
【0006】
第1のワイヤセクションと、第1のワイヤセクションに平行な第2のワイヤセクションと、第1のワイヤセクションと第2のワイヤセクションとの間の曲げ移行セクションと、を含む、ブラケットの形状に曲げられた少なくとも1つのワイヤブランクを製造するための方法であって、
-ワイヤ供給源からワイヤを提供する方法ステップと、
-少なくとも移行セクションの長さ及び第2のワイヤセクションの長さにわたってワイヤを伸線する方法ステップであって、ワイヤが伸線プロセス中に直線化される、伸線する方法ステップと、
-第2のワイヤセクションをオフセット面上で引き出し方向に平行に移動させる方法ステップであって、それにより、第1のワイヤセクションと第2のワイヤセクションとの間の2つの曲げ点の間に移行セクションが形成される、移動させる方法ステップと、
-曲げ軸の周りで第2のワイヤセクションを曲げる方法ステップであって、曲げるプロセスが移行セクションで実行され、曲げ軸がオフセット面上にあり、かつ引き出し方向に対して垂直である、曲げる方法ステップと、を含み、
本発明によれば、第2のワイヤセクションは、伸線プロセス中に曲げ軸に平行な軸の周りに巻かれ、移動させるステップ及び曲げるステップ中に巻かれたままである、方法が提供される。
【0007】
本発明による方法は、第2のワイヤセクションの巻き取りが、直線に広げられたワイヤセクションと比較して、より少ないスペースを必要とするという利点を有する。一方では、これは、移動させるステップの実行前及び曲げるステップの実行前にワイヤに必要なスペースに関する。この場合、巻かれたワイヤにより、巻き戻され、かつ伸線されたワイヤの長さによって必要となるスペースのかなりの部分が節約される。加えて、巻き取られた第2のワイヤセクションは、巻き出された第2のワイヤセクションと比較して、曲げるステップにおける取り扱いが容易である。同じことが、曲げるステップの実行中の取り扱いとスペースの要件にも当てはまる。方法ステップの順序は、上で再現した順序によって決定されない。例えば、曲げるステップの後に移動させるステップを行って、ブラケット状に曲げられたワイヤブランクを製造することも考えられる。
【0008】
本方法の更なる実施形態によれば、第1のワイヤセクションを含むワイヤをワイヤ供給源から引き出し方向に伸線するステップが提供される。第1のワイヤセクションがワイヤ供給源から引き出し方向に伸線されるとき、伸線プロセス中に直線化することができる。引き出し方向では、第1のワイヤセクションは、ワイヤストアと移行セクションとの間で直線化される。この方法に従ってブラケット状に曲げられたワイヤブランクを製造するために、このようにして提供された第1のワイヤセクションには、ブラケット状に曲げられたワイヤブランクの長さの約半分が必要であり、依然として移行セクションに必要な長さを考慮する必要がある。これはまた、この方法に必要なスペースが、第1のワイヤセクションの長さ、移行セクションの長さ、及び巻かれた第2のワイヤセクションの空間的範囲に起因することから、目的の達成に有利に寄与する。
【0009】
この方法の更なる発展によれば、ワイヤブランクに必要な長さのワイヤを伸線した後に、ワイヤの切断が行われる。この目的のために、ワイヤ供給源と第1のワイヤセクションとの間に切断装置を提供することができる。このようにして、ワイヤ供給源は、曲げられたワイヤブランクを製造するためのその後の移動及び曲げ操作のためにワイヤを保持することができる。少なくとも1本の更なるワイヤのワイヤセクションを、移動及び曲げが行われる中間期間にワイヤ供給源から伸線することも考えられる。
【0010】
この方法は、移動するステップ及び曲げるステップの後、第2のワイヤセクションがその長さにわたって第1のワイヤセクションと平行に延在するように、第2のワイヤセクションのワイヤを巻き戻して直線化するという点で更に発展させることができる。これは、ブラケットの形状に曲げられた直線化されたワイヤブランクの製造に有利に寄与し、(例えば、コイル巻線を製造するための)保管中及び更なる取り扱い中のブラケットのスペース要件は、その製造中のスペース要件を超えない。加えて、第2のワイヤセクションが第1のワイヤセクションと平行に全長にわたって延在するブラケットの形状に曲げられたワイヤセクションは、直線的な長い材料として取り扱い及び保管が比較的容易であるという利点もある。更なる実施形態によれば、巻き戻した後、第2のワイヤセクションを、第2のワイヤセクションが巻き取られた軸に垂直に再び直線化することができる。これにより、巻き戻した後にワイヤに存在する可能性のある応力の解放が促進される。
【0011】
この方法の効率を高めるために、この方法は、互いに平行に誘導される2本以上のワイヤに対して行うことができる。特に、この方法は、6本の平行ワイヤ又は複数の3本の平行ワイヤに対して実行することができる。
【0012】
本発明の更なる態様によれば、ブラケットの形状に曲げられた少なくとも1つのワイヤブランクを製造するための装置であって、
-少なくとも1本のワイヤを引き出し方向に供給するためのワイヤ供給源と、
-供給されたワイヤを直線化するためにワイヤ供給源の引き出し方向の下流側に配置された第1の直線化装置と、
-第1のワイヤセクションが受容される第1のワイヤストアと、
-ワイヤの移行セクションが位置している移動及び曲げ装置と、
-第2のワイヤセクションが受容される第2のワイヤストアと、を備え、
第2のワイヤストアが、第2のワイヤセクションを巻き取ることができるリングストアである、装置が提供される。
【0013】
リングストアを提供することにより、移動及び曲げ装置以降のスペースが低減されることになる。第2のワイヤストアは、リングストア内で巻き取られる。リングストアは、第2のワイヤセクションが1つの巻線層でリングストアに挿入されるか、又は複数の層で螺旋状に巻き取られたリングストアに挿入されるように設計することができる。第2のワイヤセクションがリングストア内に螺旋状に挿入され、したがってワイヤの引き出し方向に対して垂直なリングストア内に延長部を有することも考えられる。本発明の更に構造的に好ましい実施形態では、ワイヤ給送部を構成するリールからワイヤを供給することができる。
【0014】
装置の更なる実施形態によれば、移動及び曲げ装置は、第1のワイヤセクションを固定するための第1のクランプを有し、かつ脚部上に配置された第2のワイヤセクションを固定するための第2のクランプを有し、脚部が、引き出し方向に対して垂直な旋回軸の周りでクランプ間で旋回することができ、かつ旋回軸に平行に移動可能であり、第2のワイヤストアが、脚部とともに旋回軸の周りで旋回することができることが提供される。このようにして、ワイヤを再度固定したり、別の点で固定したりすることなく、移行セクションでワイヤの曲がりを生じさせることが有利に達成される。脚部と移動及び曲げ装置を一緒に旋回させることができる状況により、装置に必要な設置スペースも低減される。更に、移行セクションにおけるワイヤの伸びを回避するために、第1の脚部は、移動させるステップ中に第2の脚部の方向に移動可能とする又は移動させることができる。
【0015】
装置の更なる発展によれば、移動及び曲げ装置は、引き出し方向に対して垂直に移動することができ、かつ移動及び曲げ装置の脚部を旋回させることができる、曲げブレードを有することが提供される。曲げブレードは、曲げ端でワイヤを有利に曲げ、これにより、定義された曲げを生成し、曲げられたワイヤブランクのそれぞれの脚部の定義された長さを維持する。このようにして、曲げが、正確に再現可能な方法で、ワイヤの長さに対して正確に正しい位置で実行されることを確実にすることができる。更に、曲げられたワイヤブランクの脚部が同じ長さになることを確実にすることができ、これにより、ワイヤの無駄が回避される。
【0016】
装置の更なる実施形態によれば、第2のワイヤストアは、その中に格納されている第2のワイヤセクションを取り出すために引き出し方向に対して線形に移動可能であり、第2のワイヤストアのための第2の直線化装置は、第2のワイヤストアから取り出された第2のワイヤセクションを直線化するために提供されている。このようにして、ブラケットに曲げられたワイヤブランクのワイヤの第2のワイヤセクションが、ブラケットに曲げられたワイヤブランクのワイヤの第1のワイヤセクションに平行となるように、第2のワイヤセクションを、第2のワイヤセクションが同時に曲げられて直線化された状態で格納される、第2のワイヤストアから取り出すことができる。第2のワイヤストアの伸線又は線形移動は、本質的に第1のワイヤセクションの長さにわたって実行されるため、装置の長さに関して追加のスペースは必要とされない。したがって、本発明の更なる発展によれば、第2のワイヤストアは、引き出し方向に平行に線形に移動可能なスライドへと移送可能であり、第2の直線化装置は、線形に移動可能なスライド上に配置される。
【0017】
本発明の更なる特徴、詳細及び利点は、特許請求の範囲の文言及び図面に基づく例示的な実施形態の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1A】ワイヤ供給源から伸線した後の装置内で互いに平行に延在する複数のワイヤの構成を側面図で概略的に示す。
図1B】ワイヤ供給源から伸線した後の装置内で互いに平行に延在する複数のワイヤの構成を平面図で概略的に示す。
図2】移動させるステップの後の移動及び曲げ装置を平面図で概略的に示す。
図3A】曲げるステップの後の移動及び曲げ装置を側面図で概略的に示す。
図3B】曲げるステップの後の移動及び曲げ装置を平面図で概略的に示す。
図4A】互いに平行に延在する複数のブラケット形状のワイヤブランクを製造した後の装置を側面図で概略的に示す。
図4B】互いに平行に延在する複数のブラケット形状のワイヤブランクを製造した後の装置を平面図で概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1Aは、ワイヤ供給源2から伸線された後の装置1内で互いに平行に延在する複数のワイヤ10aの構成を側面図で概略的に示す。ワイヤ10がワイヤ供給源2から伸線され、第1の直線化装置3によって直線化されることが分かる。ワイヤ供給源2は、例えば、リールによって表すことができる。第1の直線化装置3は、ワイヤ10が引き出し方向Aに直線的に延在するようにワイヤ10を直線化する。ワイヤ10は、引き出し方向Aにおいて第1の直線化装置3の下流に配置することができる給送ユニット70によって伸線することができる。直線化されたワイヤ10は、給送ユニット70によって第1のワイヤストア20及び移動及び曲げ装置40を通って第2のワイヤストア30に搬送され、そこで第2のワイヤセクション12は巻き取られた状態となる。第2のワイヤストア30が満杯になると、ワイヤ供給源2からのワイヤ給送又はワイヤ10の伸線が中断される。次に、移行セクション13は、移動及び曲げ装置40内であって、ワイヤ供給源2と移動及び曲げ装置40との間に位置し、第1のワイヤセクション11は、この実施形態では、線形ストアとして提供される第1のワイヤストア20内に位置する。
【0020】
図1Bは、ワイヤ供給源2から伸線された後の装置1内で互いに平行に延在する複数のワイヤ10aの構成を平面図で概略的に示す。複数の平行ワイヤ10aは、第1のワイヤストア20、移動及び曲げ装置40、第2のワイヤストア30に順次搬送される。それぞれのワイヤ10をワイヤブランク100に必要とされるワイヤ長に伸線した後、それぞれのワイヤ10は、ワイヤ供給源2と第1のワイヤストア20との間でハサミ60によって切断され、多数の平行ワイヤ10a、この実施形態では4×3ワイヤが装置1内に位置するまで、更なるワイヤ10が装置1内に伸線される。
【0021】
第1のワイヤストア20及び第2のワイヤストア30において、それぞれのワイヤセクション11、12を有するワイヤ10が、ほぼ同じ長さで挿入される。
【0022】
図2は、移動させるステップの後の移動及び曲げ装置40を平面図で概略的に示す。移動及び曲げ装置40が、第1のワイヤセクション11を挟持するための第1のクランプ41と、第2のワイヤセクション12を挟持するための第2のクランプ42と、を有することが分かる。第1のワイヤセクション11及び第2のワイヤセクション12は、引き出し方向Aに対して互いに垂直に移動する。この点において、第2のワイヤセクション12は、引き出し方向Aに対して垂直な移動及び曲げ装置40のクランプ41とともに移動する第2のワイヤストア30内に巻き取られた状態で存在する。このようにして、移行セクション13には、クランプ41、42の前後に曲げ点14が形成される。この移動させるステップにより、それぞれのワイヤ10aには、斜めのオフセットが形成される。この実施形態では、その移動は、平行に伸線されたワイヤ間の距離の1.5倍のオフセット量だけ引き出し方向Aに対して垂直でなされる。移動及び曲げ装置40のクランプ41は、引き出し方向Aに対して垂直に移動するが、移動させるステップによるワイヤ10aの伸びを回避するために、同時に引き出し方向Aに対して移動することもできる。
【0023】
図3Aは、曲げるステップの後の移動及び曲げ装置40を側面図で概略的に示す。移動及び曲げ装置40の一方の脚部43が、引き出し方向Aに対して180度折り曲げられる一方で、クランプ41、42が、それぞれ第1のワイヤセクション11及び第2のワイヤセクション12を固定していることが分かる。この点に関して、第2のワイヤストア30は、移動及び曲げ装置40の脚部43と同時に旋回される。移動及び曲げ装置40の脚部43の折り畳み、又は第2のワイヤストア30の旋回は、旋回軸44を中心に行われる。
【0024】
図3Bは、曲げるステップの後の移動及び曲げ装置40を平面図で概略的に示しており、クランプ41、42は、上下に位置付けられている。ブラケットの形状に曲げられたワイヤブランク100が、屋根形状の巻線ヘッド110を形成していることが分かる。
【0025】
図4Aは、互いに平行に延在する複数のブラケット形状のワイヤブランク100を製造した後の装置1を側面図で概略的に示す。第2のワイヤストア30は、線形に移動可能なスライド50に移送され、その上には第2の直線化装置51も配置されている。線形に移動可能なスライド50による引き出し方向に対する第2のワイヤ収容部30の移動により、第2のワイヤストア30に巻き取られた第2のワイヤセクション12は、第2のワイヤストア30から伸線され、第2の直線化装置51により直線化される。したがって、第1のワイヤセクション11及び第2のワイヤセクション12は、互いに平行である。更なる方法ステップでは、ブラケットの形状に曲げられたワイヤブランク100を装置1から取り外すことができるように、移動及び曲げ装置40のクランプ41、42が解放される。図4Bは、互いに平行に延在する複数のブラケット形状のワイヤブランク100を製造した後の、クランプ41、42を解放する前の装置1を平面図で概略的に示す。
【0026】
構造的詳細、空間的配置、及び方法ステップを含む、特許請求の範囲、説明、及び図面から得られる特徴及び利点のすべては、単独又はさまざまな組み合わせで本発明にとって必須であり得る。したがって、移動させるステップの前に、曲げるステップを実行することが可能である。更に、第1のワイヤセクションは、移動させる及び曲げるステップの実行中に省スペースのリングストアに挿入することもでき、第2のワイヤセクションと同様に、移動させる及び曲げるステップの後にストアから取り出して直線化することができる。
【符号の説明】
【0027】
1 装置
2 ワイヤ供給源
3 第1の直線化装置
10 ワイヤ
10a 平行ワイヤ
11 第1のワイヤセクション
12 第2のワイヤセクション
13 移行セクション
14 曲げ点
20 第1のワイヤストア
30 第2のワイヤストア
40 移動及び曲げ装置
41 第1のクランプ
42 第2のクランプ
43 脚部
44 旋回軸、曲げ軸
50 スライド
51 第2の直線化装置
60 ハサミ
70 給送ユニット
A 引き出し方向
100 ワイヤブランク
110 巻線ヘッド
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B