(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-04
(45)【発行日】2024-10-15
(54)【発明の名称】キャビティのアレイを有する蒸気セル
(51)【国際特許分類】
G01R 29/08 20060101AFI20241007BHJP
【FI】
G01R29/08 F
(21)【出願番号】P 2023562329
(86)(22)【出願日】2022-02-10
(86)【国際出願番号】 CA2022050189
(87)【国際公開番号】W WO2022217335
(87)【国際公開日】2022-10-20
【審査請求日】2023-11-27
(32)【優先日】2021-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521266918
【氏名又は名称】クオンタム ヴァリー アイデアズ ラボラトリーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】アマルロー ハーディ
(72)【発明者】
【氏名】アースキン ジェニファー アン ジョー
(72)【発明者】
【氏名】ラミレス-セラーノ ジェイミー
(72)【発明者】
【氏名】エム エー ミルゼー ソマエ
(72)【発明者】
【氏名】シェーファー ジェームズ ピー
【審査官】小川 浩史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第10605840(US,B1)
【文献】米国特許第10859981(US,B1)
【文献】国際公開第2012/124036(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/019471(WO,A1)
【文献】特開2013-7720(JP,A)
【文献】特開2013-38382(JP,A)
【文献】特開2013-125907(JP,A)
【文献】国際公開第2013/072967(WO,A1)
【文献】特開2015-46535(JP,A)
【文献】米国特許第9013361(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0043550(US,A1)
【文献】特表2018-503009(JP,A)
【文献】英国特許出願公告第469317(GB,A)
【文献】特表2024-517080(JP,A)
【文献】特表2024-517081(JP,A)
【文献】PETREMAND, Y.; SCHORI, C.; STRAESSLE, R.; MILETI, G.; de ROOIJ, N.; THOMANN, P. ,“LOW TEMPERATURE INDIUM-BASED SEALING OF MICROFABRICATED ALKALI CELLS FOR CHIP SCALE ATOMIC CLOCKS”,EFTF-2010 24th European frequency and Time Forum,2010年04月13日,DOI: 10.1109/EFTF.2010.6533683
【文献】VECCHIO, Fabrizio; VENKATRAMAN, Vinu; SHEA, Herbert R.; MAEDER, Thomas; RYSER, Peter,“Dispensing and hermetic sealing Rb in a miniature reference cell for integrated atomic clocks”,Sensors and Actuators A: Physical,2011年04月12日,Vol. 172, No. 1,pp. 330-335,DOI: 10.1016/j.sna.2011.03.045
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 29/08-29/10
G01R 33/00-33/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気セルであって、
互いに結合された層のスタックによって定められた本体を備え、
前記層のスタックがキャビティのアレイを定め、前記キャビティのアレイが前記キャビティの第1のサブセット及び前記キャビティの第2のサブセットを有し、前記キャビティの第1のサブセットは前記層のスタックの中間層を通って延び、前記キャビティの第2のサブセットは前記層のスタックを完全に貫通して延び、
前記蒸気セルは、
前記キャビティの第1のサブセットの各々に配置された蒸気又は前記蒸気の発生源を備え、
前記層のスタックが、
前記本体の第1の端部にある第1の末端層であって、該第1の末端層が光学的に透明な第1の種類の誘電体材料で形成された、第1の末端層と、
前記本体の反対側の第2の端部にある第2の末端層であって、該第2の末端層が誘電体材料で形成された、第2の末端層と、
前記第1の末端層と前記第2の末端層との間に位置決めされ、誘電体材料で形成された前記中間層と、
を含む、蒸気セル。
【請求項2】
前記キャビティのアレイは、2次元格子によって定められたそれぞれの場所に存在し、
前記2次元格子は第1及び第2の格子サイトを含み、
前記キャビティの第1のサブセットは、それぞれの第1の格子サイトを占め、前記キャビティの第2のサブセットは、それぞれの第2の格子サイトを占める、
請求項1に記載の蒸気セル。
【請求項3】
前記第1の格子サイトの全てが、前記第1のサブセットのそれぞれのキャビティによって占められ、前記第2の格子サイトの全てが、前記第2のサブセットのそれぞれのキャビティによって占められる、請求項2に記載の蒸気セル。
【請求項4】
前記第2の末端層は、前記第1の種類の誘電体材料で形成される、請求項1、又は請求項2から請求項3のうちの何れか1項に記載の蒸気セル。
【請求項5】
前記中間層は、
前記第1の種類の誘電体材料で形成された層の第1のサブセットと、
前記第1の種類の誘電体材料とは異なる第2の種類の誘電体材料で形成された層の第2のサブセットと、
を含む、
請求項1、又は請求項2から請求項3のうちの何れか1項に記載の蒸気セル。
【請求項6】
前記層
のスタックは、前記第1の種類の誘電体材料と前記第2の種類の誘電体材料と
が交互
になるように順序付けられる、請求項5に記載の蒸気セル。
【請求項7】
前記第1のサブセットの各キャビティは、前記層のスタックによって形成された側壁によって囲まれ、前記側壁は、前記キャビティを囲む単位セル外周部の少なくとも一部を定める1又は2以上の外面を有し、
前記第1のサブセットの1又は2以上のキャビティに関して、少なくとも1つの前記中間層が、前記1又は2以上のキャビティと、前記キャビティのそれぞれの単位セル外周部との間に複数の孔を含む、
請求項1、又は請求項2から請求項3のうちの何れか1項に記載の蒸気セル。
【請求項8】
前記複数の孔は、前記少なくとも1つの中間層を通って延びる、請求項7に記載の蒸気セル。
【請求項9】
前記蒸気セルは、ターゲット放射線を検出するように構成され、
前記複数の孔の各々は、前記ターゲット放射線の波長を超えない最大寸法を有する、
請求項7に記載の蒸気セル。
【請求項10】
前記第1のサブセットの各キャビティは、前記第1の末端層に隣接する第1の開口部を有し、
前記第1の末端層は、
前記キャビティの第1のサブセットの前記第1の開口部を覆う内面と、
前記内面の反対にある外面と、
を含み、
前記内面及び前記外面のうちの片方又は両方が、その上に配置された光学コーティングを有する、
請求項1、又は請求項2から請求項3のうちの何れか1項に記載の蒸気セル。
【請求項11】
前記第1のサブセットの各キャビティは、前記第2の末端層に隣接する第2の開口部を有し、
前記第2の末端層は、
前記キャビティの第1のサブセットの前記第2の開口部を覆う内面と、
前記内面の反対にある外面と、
を含み、
前記内面及び前記外面のうちの片方又は両方が、その上に配置された光学コーティングを有する、
請求項10に記載の蒸気セル。
【請求項12】
前記層のスタックは、
前記本体の外周部の第1の場所で前記中間層から外向きに延びるタブの第1のセットと、
前記本体の前記外周部の第2の場所で前記中間層から外向きに延びるタブの第2のセットと、
を含む、
請求項1、又は請求項2から請求項3のうちの何れか1項に記載の蒸気セル。
【請求項13】
前記蒸気セルは第1の蒸気セルであり、
前記タブの第1のセットは、第2の蒸気セルと連結するように構成された第1の機械的接合部を定め、
前記タブの第2のセットは、第3の蒸気セルと連結するように構成された第2の機械的接合部を定める、
請求項12に記載の蒸気セル。
【請求項14】
前記中間層は、前記層のスタックに沿って順番に交互する層の第1のサブセットと層の第2のサブセットとを含み、
前記第1のセットの各タブは、前記層の第1のサブセットにおけるそれぞれの層から外向きに延び、
前記第2のセットの各タブは、前記層の第2のサブセットにおけるそれぞれの層から外向きに延びる、
請求項12に記載の蒸気セル。
【請求項15】
請求項12に記載の前記蒸気セルに各々が対応する複数の蒸気セルであって、前記各蒸気セルの前記タブの第1及び第2のセットが、第1の蒸気セルのタブの第2のセット及び第2の異なる蒸気セルのタブの第1のセットとそれぞれ連結される、複数の蒸気セル。
【請求項16】
蒸気セルを製造する方法であって、
互いに結合され且つキャビティのアレイを定める層のスタックを得るステップを含み、
前記キャビティのアレイが、前記キャビティの第1のサブセット及び前記キャビティの第2のサブセットを含み、前記キャビティの第1のサブセットは前記層のスタックの中間層を通って延び、前記キャビティの第2のサブセットは前記層のスタックを完全に貫通して延び、
前記層のスタックが、
光学的に透明な第1の種類の誘電体材料で形成された第1の末端層と、
誘電体材料で形成され、先頭の中間層から最後尾の中間層まで順番に延びる前記中間層であって、前記先頭の中間層が前記第1の末端層に結合され、前記キャビティの第1のサブセットの各々が前記最後尾の中間層の表面によって定められた開口部を含む、前記中間層と、
を含み、
前記方法が更に、
蒸気又は蒸気の発生源を前記キャビティの第1のサブセットの各々に配置するステップと、
前記層のスタックの第2の末端層を前記最後尾の中間層に結合して、前記蒸気又は蒸気の発生源を前記キャビティの第1のサブセット内に密封するステップであって、前記第2の末端層が誘電体材料で形成される、ステップと、
を含み、
前記第2のサブセットの各キャビティは、前記第2の末端層を通って延び、
前記層のスタックは、前記結合された第2の末端層を含む時に、前記蒸気セルの本体と、前記本体の第1の端部にある前記第1の末端層と、前記本体の反対側の第2の端部にある前記第2の末端層とを定める、
蒸気セルを製造する方法。
【請求項17】
前記第2の末端層を結合するステップが、前記キャビティの第1のサブセットの各開口部を前記第2の末端層で覆って前記蒸気又は蒸気の発生源を前記キャビティの第1のサブセットに封入するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記中間層は、
前記第1の種類の誘電体材料で形成された層の第1のサブセットと、
前記第1の種類の誘電体材料とは異なる第2の種類の誘電体材料で形成された層の第2のサブセットと、
を含む、
請求項16又は請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記層のスタックを得るステップが、
前記層の第1のサブセットの層と前記層の第2のサブセットの層とを互いに交互に結合して前記中間層を形成するステップと、
前記先頭の中間層を前記第1の末端層に結合するステップと、
を含む、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記層のスタックを得るステップが、
前記第1の種類の誘電体材料で形成された第1のウェハから材料を除去して、前記第1の末端層、前記層の第1のサブセットのうちの1又は2以上、又はその両方を製作するステップと、
前記第2の種類の誘電体材料で形成された第2のウェハから材料を除去して、前記層の第2のサブセットのうちの1又は2以上を製作するステップと、
を含む、
請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記第2の末端層が、前記第1の種類の誘電体材料で形成される、請求項16又は請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記第2の末端層を結合するステップが、
第1の複数のヒドロキシル配位子を含むように前記最後尾の中間層の前記表面を変質させるステップと、
第2の複数のヒドロキシル配位子を含むように前記第2の末端層の表面を変質させるステップと、
前記変質させた表面を接触させて、前記2つの変質させた表面の接触中に前記第1の複数のヒドロキシル配位子を前記第2の複数のヒドロキシル配位子と反応させることによって形成される金属-酸素結合部によって定められた密封部を前記キャビティの第1のサブセットの各開口部の周囲に形成するステップと、
を含む、
請求項16又は請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記第2の末端層を結合するステップが、
前記最後尾の中間層及び前記第2の末端層の前記表面のうちの片方又は両方を、前記層のそれぞれの表面をプラズマに暴露することによって活性化するステップを含む、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のサブセットの各キャビティは、前記層のスタックによって形成された側壁によって囲まれ、前記側壁は、前記キャビティを囲む単位セル外周部の少なくとも一部を定める1又は2以上の外面を有し、
前記第1のサブセットの1又は2以上のキャビティに関して、少なくとも1つの前記中間層が、前記1又は2以上のキャビティと、前記キャビティのそれぞれの単位セル外周部との間に複数の孔を含む、
請求項16又は請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記複数の孔は、前記少なくとも1つの中間層を通って延びる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記層のスタックを得るステップが、
中間層の片側又は両側に接着層を形成して前記中間層のそれぞれの結合面を定めるステップを含む、
請求項16又は請求項17に記載の方法。
【請求項27】
前記層のスタックは、
前記層のスタックの外周部の第1の場所で前記中間層から外向きに延びるタブの第1のセットと、
前記層のスタックの前記外周部の第2の場所で前記中間層から外向きに延びるタブの第2のセットと、
を含む、
請求項16又は請求項17に記載の方法。
【請求項28】
前記蒸気セルは第1の蒸気セルであり、
前記タブの第1のセットは、第2の蒸気セルと連結するように構成された第1の機械的接合部を定め、
前記タブの第2のセットは、第3の蒸気セルと連結するように構成された第2の機械的接合部を定める、
請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記中間層は、前記層のスタックに沿って順番に交互する層の第1のサブセットと層の第2のサブセットとを含み、
前記第1のセットの各タブは、前記層の第1のサブセットにおけるそれぞれの層から外向きに延び、
前記第2のセットの各タブは、前記層の第2のサブセットにおけるそれぞれの層から外向きに延びる、
請求項27に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
「Interlockable Vapor Cells(連結可能蒸気セル)」という名称で、2021年9月21日に出願された米国出願第17/480,448号及び2021年4月13日に出願された米国仮出願第63/174,289号に対する優先権を主張する。この優先権出願の開示の内容は、引用により全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
以下の記載は、幾つかの構成においてキャビティのアレイを有することができる、蒸気セルに関する。
【背景技術】
【0003】
蒸気セルは、蒸気又はガスを閉鎖ボリュームの中に密封することによって製造される。この蒸気又はガスは、外部発生源により発生された電磁放射線と相互作用する媒体として用いることができる。蒸気セルの中を通してレーザーを導くことができ、レーザーに対する応答を用いて、電磁放射線の特性を決定し、電磁放射線のセンサとしての働きをすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国出願第17/480,448号公報
【文献】米国仮出願第63/174,289号公報
【文献】米国特許第10,509,065号公報
【文献】米国特許第10,859,981号公報
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1A】例示的な蒸気セル100の概略斜視図である。
【
図1B】
図1Aに記載の例示的な蒸気セルの概略底面斜視図である。
【
図1C】球体形状及び球体形状の内部キャビティを有する
図1Aに記載の例示的な蒸気セルの概略斜視図である。
【
図1D】
図1Cの例示的な蒸気セルの半部分の概略斜視図である。
【
図1E】
図1Aに記載のものであるが、八角形形状を有し且つ機械的接合部が無い例示的な蒸気セルの概略図である。
【
図1F】
図1Aに記載のものであるが、正方形形状を有し且つ機械的接合部が無い例示的な蒸気セル100の概略図である。
【
図1G】
図1Aに記載の例示的な蒸気セルの3つの例証の概略斜視図であって、2つの例証が互いに結合された図である。
【
図2A】互いに連結されて「T字形」部分組立体を形成する
図1Aに記載の例示的な蒸気セルの5つの例証の概略斜視図である。
【
図2B】互いに連結されて八角形部分組立体を形成する
図1Aに記載の例示的な蒸気セルの8つの例証の概略斜視図である。
【
図3A】互いに連結されて円弧形組立体を形成する
図2Aに記載の「T字形」部分組立体の5つの例証の概略斜視図である。
【
図3B】互いに連結されてタイル配列パターンを形成する
図2Bに記載の八角形部分組立体の5つの例証の略上面図である。
【
図4A】複数の孔が各中間層内に存在する蒸気セルの例示的な構成の電磁シミュレーションを示すグラフである。
【
図4B】
図4Aに記載のものであるが、複数の孔が存在しない蒸気セルの例示的な構成の電磁シミュレーションを示すグラフである。
【
図5】穿孔壁を有する蒸気セルの様々な例示的な構成の内側の電場分布の電磁シミュレーションを示すグラフである。
【
図6A】中にキャビティのアレイを有する例示的な蒸気セルの概略図である。
【
図6B】
図6Aに記載の例示的な蒸気セルであるが、その中間層に、そこから外向きに延びるタブが無い蒸気セルの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
一般的な態様において、蒸気セルは、複数の層の積層スタック又は結合スタックなど、互いに結合された層のスタックによって定められた本体を含むことができる。この構成は、蒸気セルを大量に厳しい公差で製造することを可能にすることができる。この構成は、アレイを構築するために3次元で構造化すること及び蒸気セルの複数の例証をタイル配列することを可能にすることもできる。動作中には、蒸気セルは、その内部の中心にかなり均一なRF電場を有し、これによって測定をかなり高精度で正確にすることができる。幾つかの例では、蒸気セルの相互作用領域内の平均RF電場振幅を、所期の相互作用領域にわたって1%よりも小さいばらつきしか伴わずに入射RF振幅の1%の範囲内とすることができる。衝突広がりが低減又は最小限に抑えられるように、蒸気セル内の背景ガスを、蒸気圧(例えばアルカリ蒸気圧)よりも低いものとすることもできる。幾つかの事例では、蒸気セルは、その幾何学的断面積よりも小さく、幾つかの構成では大幅に小さいレーダー散乱断面積を有する。40GHzを超える周波数に合わせてスケール調整することができるセル幾何学構成を用いることで透明度基準を満たすことができる。通過時間広がりを低減させる又は最小限に抑えるために、周波数を算入して蒸気セル相互作用領域をスケール調整することもできる。幾つかの場合には、蒸気セルは、逆伝播、共伝播、又はこれら両方の光伝播幾何学構成で機能するように結合及び構成されたファイバとすることができる。幾つかの構成では、蒸気セルの複数の例証を、機械的接合部によって互いに連結することができる。しかしながら、非連結構成が可能である。
【0007】
図1A~
図6Bは、蒸気セルに関する例示的な構成の概略図を、幾つかの可能なタイル配列のパターン又は組立体の例示的な配列と併せて提示している。
図1A~
図6Bに示される例示的な蒸気セルは、ガラス及び高抵抗(浮遊)シリコンから構成されたもの等の層の積層体を含む。これらの概略図は、誘電体材料の交互層(例えばシリコンとガラスの交互層)を例示しているが、誘電体材料の他の配列が可能である。積層構成は、個々の層を大きい高品質のウェハ又は基板から2次元で切り出すことができるので、蒸気セルを3次元で構造化すること及び製造要件を容易にすることを可能にする。幾つかの変形形態では、積層構成を形成するために、これらの層は、互いに陽極結合される。最上部及び最下部の窓(又は末端層)は、例えばホウケイ酸塩ガラス又はアルミノケイ酸塩ガラス等の光学的に透明な誘電体材料から作製することができる。各ユニットは、ファイバ結合することができ、窓は、光学ミラーと、これらの上に配置されたフィルタとを有することができる。蒸気セル構成は柔軟性を有し、3次元構造化及び効率的な製造を可能にする。幾つかの変形形態では、蒸気セルは、複数の蒸気セルを互いにタイル配列するために用いることができる機械的接合部(例えば連結タブ)を有する。
【0008】
ここで
図1Aを参照すると、例示的な蒸気セル100の概略図が提示されている。
図1Bは、
図1Aに記載の例示的な蒸気セル100の概略図を示す。例示的な蒸気セル100は、互いに結合された層のスタック104(例えば層のスタック104によって定められた積層体)によって定められた本体102を含む。層のスタック104は、本体102の外形(例えば、直方体外形、球体外形、長方形外形、楕円体外形等)を定める1又は2以上の外面を含むことができる。例えば、スタック104の各層は、層の当該場所に外形の断面(例えば、正方形断面、円形断面、長方形断面等)を定める外周面を含むことができる。断面は、層のスタックに沿って一定のままである、層のスタック104に沿って変化する、又はこれらの幾つかの組み合わせとすることができる。断面を変化させるために、少なくとも2つの隣接する層が、形状及びサイズのうちの片方又は両方において互いに異なるそれぞれの外周面を有することができる。
図1A及び
図1Bは、層のスタックに沿って一定の断面を有する外側直方体形状を有する例示的な蒸気セル100を描いている。しかしながら、他の形状が可能である(例えば
図1C及び
図1Eを参照されたい)。
【0009】
多くの実施構成において、層のスタック104は、例示的な蒸気セル100によって測定されるターゲット電磁放射線に対して透明な誘電体材料で形成される。誘電体材料は、ターゲット電磁放射線が本体102を通り抜ける時に層のスタック104がターゲット電磁放射線のうちの1%を超えない程度を吸収可能にすることができる。誘電体材料はまた、例えばρ>108Ω・cmという高い抵抗率を有する絶縁材料とすることができ、単結晶誘電体材料、多結晶誘電体材料、又は非晶質誘電体材料に相当することができる。
【0010】
幾つかの実施構成では、「透明な」誘電体材料は、本体102によるターゲット電磁放射線の吸収及び散乱を最小限に抑えるものである。これらの実施構成では、層のスタック104は、ターゲット電磁放射線を本体102の後部又は内部に大幅な歪みを伴うことなく伝送することができる。幾つかの変形形態では、層のスタック104は、その幾何学的断面積よりも小さいレーダー散乱断面積を有する。層のスタック104はまた、ターゲット電磁放射線に関して1%よりも低い吸収率を有することができる。例えば、層のスタック104は、全体的又は部分的に浮遊型シリコンで形成することができる。浮遊型シリコンの損失ターゲットは、最大で400GHzの周波数に関して10-3よりも低くすることができる。アンテナ試験等のある特定の用途では、試験環境における反射を最小限に抑え、1つよりも多くの空間平面又は空間表面にわたるパワーの測定を正確にするために高い透明度が必要とされる。幾つかの場合には、層のスタック104を形成する誘電体材料は、例示的な蒸気セル100の内側のターゲット電磁場を蒸気セル100上への入射時のターゲット電磁場の1%の範囲内にすることを可能にする。
【0011】
例えば、スタック104の1又は2以上の層は、単結晶シリコン等のシリコンで形成することができる。別の例では、スタック104の1又は2以上の層は、ガラス質シリカ、ホウケイ酸塩ガラス、又はアルミノケイ酸塩ガラス等のシリコン酸化物(SiO2、SiOx等)を含む非晶質材料で形成することができる。更に別の例では、スタック104の1又は2以上の層は、酸化マグネシウム(例えばMgO)、酸化アルミニウム(例えばAl2O3)、二酸化シリコン(例えばSiO2)、二酸化チタン(例えばTiO2)、二酸化ジルコニウム(例えばZrO2)、酸化イットリウム(例えばY2O3)、酸化ランタン(例えばLa2O3)、及び同様のもの等の酸化物材料で形成することができる。酸化物材料は、不定比のもの(例えばSiOx)とすることができ、更に1又は2以上の二元酸化物(例えば、Y:ZrO2、LaAlO3、BaLa2Ti4O12等)の組み合わせとすることもできる。酸化物材料は、単結晶材料、多結晶材料、又は非晶質材料とすることもできる。更に別の例では、スタック104の1又は2以上の層は、シリコン(Si)、ダイヤモンド(C)、窒化ガリウム(GaN)、フッ化カルシウム(CaF)、及び同様のもの等の非酸化物材料で形成することができる。他の誘電体材料が可能である。
【0012】
層のスタック104は、本体102の第1の端部108に配置された第1の末端層106を含む。第1の末端層106は、光学的に透明な第1の種類の誘電体材料で形成される。第1の種類の誘電体材料は、赤外波長(例えば700~1000nm)の電磁放射線、可視波長(例えば400~7000nm)の電磁放射線、紫外波長(例えば10~400nm)の電磁放射線、又はこれらの何れかの組み合わせに対して光学的に透明にすることができる。層のスタック104は、本体102の反対側の第2の端部112に配置された第2の末端層110を更に含む。第2の末端層110は、例えば層のスタック104に関して上記で説明した誘電体材料で形成される。誘電体材料は、第1の末端層106を形成する第1の種類の誘電体材料とは異なるものとすることができる。しかしながら、幾つかの変形形態では、第2の末端層110は、第1の種類の誘電体材料で形成される。
【0013】
幾つかの変形形態では、第1の種類の誘電体材料は、石英、ガラス質シリカ、又はホウケイ酸塩ガラスの中に見られるもの等のシリコン酸化物(例えば、SiO2、SiOx等)を含む。幾つかの変形形態では、第1の種類の誘電体材料は、サファイア又はアルミノケイ酸塩ガラスの中に見られるもの等のアルミニウム酸化物(例えば、Al2O3、AlxOy等)を含む。幾つかの変形形態では、第1の種類の誘電体材料は、酸化マグネシウム(例えばMgO)、酸化アルミニウム(例えばAl2O3)、二酸化シリコン(例えばSiO2)、二酸化チタン(例えばTiO2)、二酸化ジルコニウム(例えばZrO2)、酸化イットリウム(例えばY2O3)、酸化ランタン(例えばLa2O3)、及び同様のもの等の酸化物材料である。酸化物材料は、不定比のもの(例えばSiOx)とすることができ、更に1又は2以上の二元酸化物(例えば、Y:ZrO2、LaAlO3、BaLa2Ti4O12等)の組み合わせとすることもできる。酸化物材料は、単結晶酸化物材料、多結晶酸化物材料、又は非晶質酸化物材料とすることもできる。他の変化語形では、第1の種類の誘電体材料は、ダイヤモンド(C)、フッ化カルシウム(CaF)、及び同様のもの等の非酸化物材料である。他の誘電体材料が可能である。
【0014】
層のスタック104は、第1の末端層106と第2の末端層110との間に中間層114を更に含む。中間層114は、例えば層のスタック104に関して上記で説明したもの等の誘電体材料で形成することができる。中間層114は、第1の末端層106と第2の末端層110との間で本体102を通って延びる内部キャビティ116を定める。内部キャビティ116は、層のスタック104に対して垂直な軸に沿って延びることができるが、他の向き(例えば傾いた軸)が可能である。更に、
図1A及び
図1Bは、内部キャビティ116は、円柱形状を有するものとして描いているが、他の形状(例えば、長方形、六角形、楕円体、球体等)が可能である。例えば、
図1Cは、例示的な蒸気セル100であるが、球体形状を有し、更に球体形状の内部キャビティ116を有する例示的な蒸気セル100の概略斜視図を提示している。
図1Dは、
図1Cに記載の例示的な蒸気セル100の半部分の概略斜視図を提示している。
【0015】
幾つかの実施構成では、各中間層114は、その中を貫く内部キャビティ116の一部分を定める貫通孔を含む。これらの実施構成では、貫通孔は、中間層114がスタックされた時に内部キャビティ116に対するターゲット3次元ボリューム(例えば、球体、錐台、傾斜平行六面体等)を定めるように選択的に構成することができる。貫通孔は、形状と、サイズと、場所との何れかの組み合わせで構成することができる。他の特性が可能である。幾つかの変形形態では、各貫通孔は、形状及びサイズが等しい。これらの変形形態では、内部キャビティ116は、複数の中間層114を通して一定の断面を有することができる。
図1A及び
図1Bは、貫通孔が円形であり、共通のサイズを共有し、層のスタック104に対して垂直な方向に整列された例を示している。従って、貫通孔は、内部キャビティ116に関して円筒形のボリュームを定める。幾つかの変形形態では、少なくとも2つの隣接する中間層114が、形状及びサイズのうちの片方又は両方に関して互いに異なるそれぞれの貫通孔を有する。これらの変形形態では、内部キャビティ116は、複数の中間層114を通して少なくとも部分的に変化する断面を有することができる。
図1C及び
図1Dは、貫通孔が円形であるがサイズが異なる変形形態を示している。貫通孔は、層のスタック104に対して垂直な方向に整列されて内部キャビティ116に対して球体のボリュームを定めている。
【0016】
中間層114の他の特徴を用いてターゲット3次元ボリュームを定めることができる。例えば、2又は3以上の中間層114(例えば隣接する中間層)が異なる厚みを有する。別の例として、中間層の貫通孔は、内周面を含む中間層の内周が定義することができる。内周面は、ターゲット3次元ボリュームを定めるのを助けるために、角度付け、面取り、又は丸みを付けることができる。
【0017】
ターゲット3次元ボリュームは、電磁放射線が例示的な蒸気セル100上に入射する時に内部キャビティ116内で形成される電磁放射線のプロファイルを成形するように選択することができる。例えば、ターゲット3次元ボリュームは、入射電磁放射線を内部キャビティ116の中心に集中させるように選択することができる。かかる成形は、入射電磁放射線の振幅(例えば電場又は磁場の振幅)を内部キャビティ116内で増大させて例示的な蒸気セル100を入射電磁放射線に対してより高感度にすることができる。ターゲット3次元ボリュームは、内部キャビティ116の中の所望の領域等にわたって入射電磁放射線のプロファイルをより均一にするように選択することもできる。均一性を増すことによって、入射電磁放射線と相互作用する蒸気の量を増加させ、これによって内部キャビティ116の中の感知領域を拡大することができる。更に、ターゲット3次元ボリュームは、内部キャビティ116を囲む壁の厚みを低減させ、これによって例示的な蒸気セル100の本体102が入射電磁放射線に対してより透明になることを可能にするように選択することができる。他の利点が可能である。
【0018】
ターゲット3次元ボリュームは、本体102の外形と併せて選択することもできる。ある特定のボリュームと外形との組み合わせは、ターゲット用途に対する例示的な蒸気セル100の性能を改善することができる。例えば、内部キャビティ116は、球体ボリュームを有することができ、本体102は、球体外形(例えば
図1C~
図1Dに示されるような)を有することができる。この組み合わせは、例示的な蒸気セル100の内外の電磁場プロファイルのより容易なモデル化を可能にすることができる。かかるモデル化のしやすさを用いて計測又はその他の用途における例示的な蒸気セル100の性能を改善することができる。
【0019】
ヘリウム透過を軽減又は防止するもの等の幾つかの実施構成では、層のスタック104は、アルミノケイ酸塩ガラス又はホウケイ酸塩ガラス(例えばPyrex(登録商標))で形成された層を含む。層のスタック104は、低いヘリウム透過を示す材料でコーティングすることができる。レーザーの準備及び信号に対して用いられる光学信号に対する高反射器及びフィルタとしての役割を果たすように、様々な光学コーティング(例えばブラッグミラー)を第1及び第2の末端層106、110上に堆積させることができる。偏光を偏光維持ファイバと併せて制御するために波長板を用いることができる。例えば、例示的な蒸気セル100は、その末端層(例えば第1の末端層106又は第2の末端層110)上に中心が定められたGRIN(勾配屈折率)レンズを用いて光学的に結合されたファイバとすることができる。
【0020】
例示的な蒸気セル100は、中間層114によって定められた内部キャビティ116内に配置された蒸気(図示していない)を更に含む。蒸気は、アルカリ金属原子のガス、貴ガス、二原子ハロゲン分子のガス、有機分子のガス、又はこれらの何れかの組み合わせ等の成分を含むことができる。例えば、蒸気は、アルカリ金属原子(例えば、K、Rb、Cs等)のガス、貴ガス(例えば、He、Ne、Ar、Kr等)、又はこれら両方を含むことができる。別の例では、蒸気は、二原子ハロゲン分子(例えば、F2、Cl2、Br2等)のガス、貴ガス、又はこれら両方を含むことができる。更に別の例では、蒸気は、有機分子(例えばアセチレン)のガス、貴ガス、又はこれら両方を含むことができる。蒸気に対して他の成分を含む他の組み合わせが可能である。
【0021】
追加的又は代替的に、例示的な蒸気セル100は、中間層114によって定められた内部キャビティ116内に配置された蒸気発生源を含むことができる。蒸気発生源は、熱、照射、及び同様のもの等のエネルギー刺激に応じて蒸気を発生させることができる。例えば、蒸気は、アルカリ金属原子のガスに対応するものとすることができ、蒸気発生源は、内部キャビティ116の中に配置される時に固体又は液体であるように十分に冷却されたアルカリ金属塊に対応するものとすることができる。幾つかの変形形態では、蒸気発生源は、内部キャビティ116内に存在し、加熱された時にアルカリ金属原子のガスを発生させるように構成された液体又は固体のアルカリ金属原子発生源を含む。幾つかの変形形態では、蒸気発生源は、部分的にゲッターとして機能することができる。
【0022】
幾つかの実施構成では、中間層114の全てが、同じ種類の誘電体材料(例えば上記で解説した第1の種類の誘電体材料)で形成される。幾つかの実施構成では、蒸気セルは、複数の異なる種類の中間層114(例えば、様々な材料、様々な厚み、様々な構造的特徴等の層)を含むことができる。幾つかの場合には、中間層114は、その配列を定める1又は2以上の層サブセットを含むことができる。これらの場合には、各サブセット内の層は、共通の特性を共有することができる。例えば、中間層114は、
図1A及び
図1Bに示されるもの等の層の第1のサブセット114aと層の第2のサブセット114bとを含むことができる。層の第1のサブセット114aは、第1の種類の誘電体材料(例えばシリコン酸化物を含むもの)で形成することができ、層の第2のサブセット114bは、第2の異なる種類の誘電体材料(例えばシリコン)で形成することができる。別の例では、中間層114は、層の第2のサブセットと異なる厚みを有する層の第1のサブセットを含むことができる。層サブセットに関して共有される他の共通の特性(例えば、貫通孔形状、貫通孔サイズ、追加のキャビティの存在、機械的接合部用のタブ等)が可能である。
【0023】
図1A及び
図1Bに示されるもの等の幾つかの実施構成では、第2の末端層110は、第1の種類の誘電体材料で形成され、層104は、スタック内で第1の種類の誘電体材料と第2の種類の誘電体材料との間で交互するように順序付けられる。例えば、第1及び第2の末端層106、110は、第1の種類の誘電体材料で形成することができ、第1及び層の第2のサブセット114a、114bは、中間層114の中で順番に交互することができる。この構成では、層の第1のサブセット114aは、第1の種類の誘電体材料で形成することができ、層の第2のサブセット114bは、第2の種類の誘電体材料で形成することができる。更に、層の第1のサブセット114aは、外側中間層(例えば順番の最初及び最後の中間層)を含むことができる。かかる交互構成は、層のスタック104の相互結合をより容易にすることを可能にすることができる。交互構成は、本体102の有効誘電定数を低減させることもできる。他の利点が可能である。
【0024】
幾つかの実施構成では、層のスタック104は、本体102の1又は2以上の外側部120から外向きに延びるタブのセット118を含む。各タブセット118は、例示的な蒸気セル100が別の蒸気セルと結合する(例えば連結する)ことを可能にする機械的接合部を定めることができる。幾つかの変形形態では、タブセット118は、層の一体部分である1又は2以上のタブを含む。例えば、中間層114は、外周面の中に配置された内周面を有することができる。内周面は、中間層114の貫通孔を定めることができ、外周面は、中間層114の外側部から外向きに延びるタブを定めることができる。別の例では、第1の末端層106は、その外側部から外向きに延びるタブを定める外周面を有することができる。
【0025】
幾つかの実施構成では、例示的な蒸気セル100には、機械的接合部が無い(例えばタブが無い)。
図1Eは、
図1Aに記載のものであるが、八角形形状を有し、機械的接合部が無い例示的な蒸気セル100の概略図を提示している。同様に、
図1Fは、
図1Aに記載のものであるが、正方形形状を有し、機械的接合部が無い例示的な蒸気セル100の概略図を提示している。
図1E及び
図1Fに記載の例示的な蒸気セル100は、内部キャビティ116と本体102の外面との間に複数の孔128を含む。複数の孔128は、ターゲット放射線を検出する(又はかかる検出を改善する)ように例示的な蒸気セル100を構成するように形状、サイズ、及び個数を選択することができる。複数の孔128は、例示的な蒸気セル100のレーダー断面積を低減させることもできる。複数の孔128の特徴については、
図4A~
図5に関連して更に詳しく説明する。
【0026】
図1A及び
図1Bは、層のスタック104を本体102の各外側部120から外向きに延びるタブセット118を有するものとして例示している。更に、タブセット118は、各外側部120上で中心に位置決めされた単一の列を定めるものとして例示している。しかしながら、他の構成が可能である。例えば、層のスタック104は、本体102の単一の外側部120のみから外向きに延びるタブセット118を含むことができると考えられる。別の例として、層のスタック104は、単一の外側部120から外向きに延びる単一のタブによって定められたタブセット118を有することができると考えられる。単一のタブは、単一の外側部120上で非中心に位置決めすることができると考えられる。更に別の例では、層のスタック104は、外側部120上で第1の寸法に沿って互いに整列されたタブセット118を含むことができると考えられる。第1の寸法に沿う隣接タブ対は、間隙によって分離することができる。幾つかの場合には、間隙は、単一の中間層114の厚みに対応するものとすることができる(例えば、タブ118は、1つ置きの中間層114から外向きに延びる)。しかしながら、間隙は、他の厚み(例えば2つの中間層114)に対応するものとすることができる。更に、間隙は、各隣接タブ対に関して同じである必要はない。
【0027】
中間層114が層の第1のサブセット114aと層の第2のサブセット114bとを含む実施構成では、層のスタック104は、タブの第1のセット118aとタブの第2のセット118bとを含むことができる。タブの第1のセット118aは、本体102の第1の外側部120a上の層の第1のサブセット114aから外向きに延びる。タブの第2のセット118bは、本体102の第2の外側部120b上の層の第2のサブセット114bから外向きに延びる。幾つかの実施構成では、タブの第1のセット118aは、本体102の第1の外側部120aの中心から延び、タブの第2のセット118bは、本体102の第2の外側部120bの中心から延びる。この場合、各サブセット118a、118bの中にあるタブは、そのそれぞれの外側部上で第1の寸法(例えば第1の末端層106から第2の末端層110までの)に沿って互いに整列され、各々が、それぞれの外側部上で第1の寸法に対して垂直な第2の寸法に沿う中心に置かれる。幾つかの実施構成では、第1のセット118a内の各タブは、層の第1のサブセット114a内のそれぞれの層の一体部分であり、第2のセット118b内の各タブは、層の第2のサブセット114b内のそれぞれの層の一体部分である。
【0028】
図1A及び
図1Bに示されるもの等の幾つかの実施構成では、本体102は、その正方形断面を定める4つの外側部120を有する。これら4つの外側部120は、第1及び第2の外側部120a、120bを含む。第1の外側部120aと第2の外側部120bとは、互いに隣接するか、又は代替的に互いに対向することができる。幾つかの変形形態では、4つの外側部120は、第3及び第4の外側部120c、120dを含む。これらの変形形態では、層のスタック104は、本体102の第3の外側部120c上で層の第1のサブセット114aから外向きに延びるタブの第3のセット118cを含む。本体102は、その第4の外側部120d上で層の第2のサブセット114bから外向きに延びるタブの第4のセット118dを更に含む。タブの第1、第2、第3、及び第4のセット118a、118b、118c、118dは、第1、第2、第3、及び第4の外側部120a、120b、120c、120dのそれぞれの中心と整列させることができる。
【0029】
例示的な蒸気セル100の動作中には、1又は2以上の光学信号(例えばレーザー光)が、内部キャビティ116内の蒸気と相互作用することができる。例えば、光学信号は、第1の末端層106を通って内部キャビティ116に入り、続いて第2の末端層110を通って内部キャビティ116から出ることができる。別の例では、光学信号は、第1の末端層106を通って内部キャビティ116に入り、第2の末端層110の内面から反射し、続いて第2の末端層110を通って内部キャビティ116から出ることができる。2又は3以上の光学信号が用いられる場合には、共伝播又は逆伝播の動作モードを確立することができる。共伝播モードでは、各光学信号は、内部キャビティ116を同じ方向に沿って通過する。逆伝播モードでは、各光学信号は、内部キャビティ116を反対方向に沿って通過する。蒸気セルに関する伝播モードの例が、「Imaging of Electromagnetic Fields(電磁場の撮像)」という名称の米国特許第10,509,065号に説明されている。
【0030】
内部キャビティ116を通って伝播する光学信号を補助するために、第1及び第2の末端層106、110は、1又は2以上の光学コーティングを含むことができる。かかる光学コーティングの例は、反射コーティング、反射防止コーティング、フィルタコーティング、偏光コーティング、及び同様のものを含む。幾つかの実施構成では、第1の末端層106は、これに隣接する内部キャビティ116の第1の開口部122を覆う内面を含む。更に第1の末端層106は、内面の反対に外面を含む。これらの実施構成では、内面及び外面のうちの片方又は両方が、その上に配置された光学コーティングを有することができる。内面及び外面の各々に対して複数の光学コーティングの組み合わせが可能である。幾つかの実施構成では、第2の末端層110は、これに隣接する内部キャビティ116の第2の開口部124を覆う内面を含む。更に第2の末端層110は、内面の反対に外面を含む。これらの実施構成では、内面及び外面のうちの片方又は両方が、その上に配置された光学コーティングを有する。内面及び外面の各々に対して複数の光学コーティングの組み合わせが可能である。
【0031】
層のスタック104は、スタックの隣接層間に接合部126を含むことができる。幾つかの実施構成では、スタック104内の隣接層の少なくとも1つのペアの間の接合部126は、当該ペアの間の直接結合を含む。幾つかの実施構成では、層のスタック104内の少なくとも1つのペアの隣接層間の接合部126は、接着層を含む。接着層は、隣接層同士を互いに結合するのを補助することができる。幾つかの変形形態では、接着層はシリコン酸化物を含む。例えば、層のスタック104は、シリコンで形成された層とホウケイ酸塩ガラスで形成された層との間で交互することができる。製造中に層のスタック104の層同士の互いへの結合を容易にするために、シリコン酸化物(例えば、SiO2、SiOx等)の接着層は、1又は2以上の接合部126に存在させることができる。接着層は、陽極結合プロセス又は接触結合プロセス等によってホウケイ酸塩ガラス層とシロキサン結合部を形成することができる結合面を定めるために各シリコン層の片方又は両方の側に形成することができる。
【0032】
層のスタック104は、例えば、陽極結合プロセス、接触結合プロセス、ガラスフリット結合プロセス、又は何れか他の種類の結合プロセスを用いて互いに結合することができる。結合プロセスの組み合わせも可能である。幾つかの変形形態では、接触結合プロセスは、層同士を結合する上で用いられる最終結合プロセスである。例えば、第1の末端層106と中間層114とを陽極結合プロセスを用いて互いに結合することができる。続いて接触結合プロセスを用いて第2の末端層110を中間層114に結合し、これによって蒸気又は蒸気の発生源を内部キャビティ116内に気密に密封することができる。接触結合プロセスの一部として、内部キャビティ116が蒸気で充填された後又は蒸気発生源を収容した後にキャビティ116の開口部を覆うように第2の末端層110を位置決めすることができる。多くの事例において、内部キャビティ116は、蒸気又は蒸気の発生源を受け入れる前に排気される。
【0033】
接触結合プロセスは、第1の層(例えば最後尾の中間層)の第1の結合面と第2の層(例えば第2の末端層110)の第2の結合面とを化学的に変質させるプロセスを含むことができる。変質の前に、第1及び第2の結合面のうちの片方又は両方が、閾値表面粗度を超えない表面粗度Raを有することができる。例えば、閾値表面粗度は1nmとすることができる。幾つかの事例では、第1及び第2の結合面は平面表面である。接触結合プロセスは、第1及び第2の結合面は、それぞれが第1の複数のヒドロキシル配位子と第2の複数のヒドロキシル配位子とを含むように変質させるステップを含む。続いて、変質した表面同士が互いに接触され、第1の層と第2の層との間に結合(例えば密封部)を発生させる金属-酸素結合部(例えばシロキサン結合部)を形成する。金属-酸素結合部は、接触中に第1の複数のヒドロキシル配位子が第2の複数のヒドロキシル配位子と反応した時に形成することができる。
【0034】
幾つかの実施構成では、第1及び第2の結合面を変質させるステップは、第1及び第2の結合面のうちの片方又は両方は、そのそれぞれの表面をプラズマに暴露することによって活性化するステップを含む。かかる暴露は、第1及び第2の結合面の表面エネルギーを高め、後続の接触結合に向けて第1及び第2の表面を化学的に前処理することができる。活性化の後に、第1及び第2の結合面のうちの片方又は両方を水(例えば脱イオン水)中又は塩基性水溶液中で洗浄することによって更なる化学的前処理を行うことができる。水又は塩基性水溶液との接触は、第1及び第2の結合面上にある金属原子にヒドロキシル配位子を配位させることができる。
【0035】
幾つかの実施構成では、接触結合は、層のスタック104内で隣接する層間の金属-酸素結合を用いて形成することができる。例えば、中間層114は、先頭の中間層から最後尾の中間層まで順番に延びることができる。先頭の中間層は、第1の末端層106に結合することができ、第2の末端層110は、最後尾の中間層に隣接するように位置決めすることができる。幾つかの変形形態では、接触結合は、第2の末端層110と最後尾の中間層との間でシロキサン結合(すなわちSi-O-Si)を用いて形成することができる。接触結合形成プロセスの反応は、式(1)によって表すことができる。
この反応は、例えば、第2の末端層110がシリコン酸化物で形成され、最後尾の中間層がシリコンで形成される場合に可能にすることができる。しかしながら、他のシリコン含有材料が可能である。この反応は可逆であり、従って幾つかの事例では、この反応から発生した水分子を除去するのが望ましい。さもなければ、新しく形成されたシロキサン結合部が、加水分解されてシラノール結合部(すなわちSi-OH)に戻るリスクに曝される。
【0036】
接触結合によって発生した水分子は、生成物が室温で固体である反応によって除去することができる。幾つかの実施構成では、水分子は、例示的な蒸気セル100内の蒸気と反応される。例えば、蒸気は、セシウム原子のガスとすることができ、水分子は、このガスの一部分と反応させてCs2O(Tmelt≒340℃)、CsOH(Tmelt≒272℃)、又はCsH(Tmelt≒170℃)等の固体を形成することができる。幾つかの実施構成では、水分子は、内部キャビティ116内に存在する(例えば、コーティング、点在する塊等として)乾燥剤材料と反応される。乾燥剤材料は、蒸気セル内の蒸気に対して不活性のものとすることができる。例えば、蒸気は、二原子ハロゲン分子のガス(例えば塩素ガス)とすることができ、水分子を無水塩化物塩(例えばLaCl3)と反応させて水和塩又はオキシ水酸化化合物(例えば、LaCl3・xH2O、LaOCl等)を形成することができる。
【0037】
上記の形成反応は、シリコンを関与する金属原子とする状況で提示したが、他の金属原子が可能である。例えば、第1の層がアルミニウム酸化物(例えば単結晶サファイア)で形成され、第2の隣接層もアルミニウム酸化物(例えばAl2O3多結晶セラミック)で形成される場合には、接触結合部形成プロセスは、金属原子としてアルミニウムを利用してオキソ-アルミニウム結合部(例えばAl-O-Al)を形成することができる。金属混合物も可能である。例えば、第1の層がジルコニウム酸化物で形成され、第2の隣接層がマグネシウム酸化物で形成される場合には、接触結合プロセスは、ジルコニウム及びマグネシウムを金属原子として利用してジルコニウム-オキソ-マグネシウム結合部を形成することができる。
【0038】
一般的に、第1の金属M
1を含む第1の層と、第2の金属M
2を含む第2の隣接層とでは、接触結合部形成プロセスの反応は、式(2)によって表すことができる。
この場合、ヒドロキシル配位子(すなわちOH)が金属M
1及びM
2の各々に配位され、金属-酸素結合部(すなわちM
1-O-M
2)の形成中にオキソ配位子(O)の中に凝縮する。この凝縮プロセスの副生成物として水分子が遊離する。この反応は、金属原子毎に1つのヒドロキシル配位子を示唆しているが、他の個数のヒドロキシル配位子を金属原子M
1及びM
2の各々に配位させることができる。
【0039】
多くの変形形態において、ヒドロキシル配位子の凝縮は、室温で第1及び第2の隣接層(又はその合わせ面)同士の接触時に発生する。しかしながら、幾つかの変形形態では、接触結合部の形成を開始及び/又は完了するために熱を印加することができる。熱は、接触結合を強化することもできる。例えば、第1及び第2の隣接層のうちの片方又は両方に熱を印加してこれらの層のそれぞれの温度を処理温度まで上昇させることができる。処理温度は、接触結合部の形成を促進することができる。幾つかの変形形態では、処理温度は、250℃を超えない。幾つかの変形形態では、処理温度は、120℃を超えない。幾つかの変形形態では、処理温度は、75℃を超えない。接触結合プロセスは、「Vapor Cells Having One or More Optical Windows Bonded to a Dielectric Body(誘電体に結合された1又は2以上の光学窓を有する蒸気セル)」という名称の米国特許第10,859,981号により詳しく説明されている。
【0040】
幾つかの実施構成では、接触結合プロセスは、例えば、内部キャビティ116内の蒸気の純度に左右される用途において陽極結合プロセスに優るある特定の利点をもたらすことができる。陽極結合部を形成するプロセスは、幾つかの事例では1又は2以上の揮発性化学種を発生させること等によって望ましくないガスを内部キャビティ116の中に導入する恐れがある。これらのガスは、蒸気に対して有害な効果を有する(例えば、蒸気中の原子又は分子のリュードベリ遷移を広げる)恐れがある背景蒸気圧を生じる可能性がある。接触結合部を形成するプロセスは、陽極結合では一般的な大きい電場及び高い温度を拠り所とせず、これによって内部キャビティ116の中への望ましくないガスの導入を軽減する(又は完全に排除する)。接触結合プロセスから背景蒸気圧が生じない場合には、この背景蒸気圧は、内部キャビティ116内の所望の蒸気の圧力よりも著しく低く、変わらずに高純度の蒸気を見込むことができる。
【0041】
幾つかの実施構成では、例示的な蒸気セル100は、他の蒸気セルと機械的に接続(例えば連結)することができる第1の蒸気セルである。蒸気セル間の機械的接続部は、それぞれの蒸気セルの相補的な機械的接合部を合わせることによって形成することができる。例えば、タブの第1のセット118aは、第2の蒸気セルの機械的接合部と連結するように構成された第1の機械的接合部を定めることができる。同様に、タブの第2のセット118bは、第3の蒸気セルの機械的接合部と連結するように構成された第2の機械的接合部を定めることができる。幾つかの実施構成では、例示的な蒸気セル100は、複数のかかるセルの一部である。これらの実施構成では、各蒸気セルの第1及び第2のタブサブセット118a、118bは、それぞれ第1の蒸気セルの第2のタブサブセット118b及び第2の異なる蒸気セルの第1のタブサブセット118aと連結される。
【0042】
図1Gは、
図1Aに記載の例示的な蒸気セル100の3つの例証100a、100b、100cの概略斜視図であって、2つの例証100a、100bが互いに結合された図を提示している。第1の例証100aは、層の第1のサブセット114aではなく層の第2のサブセット114bから外向きに延びるタブセット150を含む。第1及び層の第2のサブセット114a、114bは順番に交互し、従って第3の例証100c等の別の例証からのタブを受け入れることができる間隙(例えば隣接タブ間の間隙)をタブセット150内に作り出す。これらの間隙は、これらのタブとの滑合等の摺動嵌合を可能にするように寸法決定することができる。第3の例証100cは、第1の例証100aとは逆に層の第2のサブセット114bではなく層の第1のサブセット114aから外向きに延びるタブセット152を含む。この逆配列は、タブセット152が係合中にタブセット150と連結することを可能にする。従って、タブセット150、152は、第1及び第3の例証100a、100c用のそれぞれの連結可能な機械的接合部を定める。矢印154が、タブセット152を第1の例証100aからのタブセット150と係合又は係脱し、これによって2つの例証100a、100cを結合又は分離する第3の例証100cの動きを示している。幾つかの変形形態では、タブセット150、152は、連結した後に、例えば、陽極結合プロセス、接触結合プロセス、ガラスフリット結合プロセス、又は何れか他の種類の結合プロセス(例えば、誘電体材料で形成されたねじ又はピン等の機械的結合)を用いることによって互いに結合することができる。
【0043】
例示的な蒸気セル100の複数の例証を互いに連結して多次元アレイ又はタイル配列パターンを形成することができる。幾つかの変形形態では、例示的な蒸気セル100の複数の例証を互いに連結してパターン付き部分組立体が形成される。例えば、
図2Aは、互いに連結されて「T字形」部分組立体を形成する
図1Aに記載の例示的な蒸気セル100の5つの例証の概略斜視図を提示している。別の例として、
図2Bは、互いに連結されて八角形部分組立体を形成する
図1Aに記載の例示的な蒸気セル100の8つの例証の概略斜視図を提示している。パターン付き部分組立体に関する他の配列が可能である。更なる変形形態では、パターン付き部分組立体は、大きめの組立体又はタイル配列パターン(例えばモザイク)に適する繰り返し可能な模様を定める。例えば、
図3Aは、互いに連結されて円弧形組立体を形成する
図2Aに記載の「T字形」部分組立体の5つの例証の概略斜視図を提示している。別の例として、
図3Bは、互いに連結されてタイル配列パターンを形成する
図2Bに記載の八角形部分組立体の5つの例証の略上面図を提示している。他の大きい組立体又はタイル配列パターンが可能である。例えば、組立体の連結された蒸気セル同士を接続して2つ又は3つの空間次元の様々な空間配列(例えば規則正しい又は乱雑なアレイ)を形成することができる。
【0044】
連結された蒸気セルのタイル配列のパターン又はアレイは、特に撮像用途に関して幾つかの利点を有することができる。動作中に、連結された蒸気セルは、連結された蒸気セルによって占有されたボリュームを通過するターゲット電磁場を測定することができる。この測定の一部として、レーザーが、1又は2以上の連結された蒸気セルの内部キャビティ内で蒸気と相互作用する光学信号を発生させることができる。かかる相互作用は、ターゲット電磁場を1又は2以上の連結された蒸気セルによって読み出すことを可能にする。一方、タイル配列のパターン又はアレイで配列された時には、ターゲット電磁場を読み出すのにレーザーによって用いられるパワーは、各個々の蒸気セルに効率的に分散させることができる(例えば光ファイバケーブル又はかかるケーブルの群を通して)。この分散は、読み出し中にターゲット電磁場の必要なサンプリングしかしないことを可能にする。更に、蒸気と相互作用した後に、光学信号を個々の光学検出器(例えばフォトダイオード)を用いて検出することができる。続いてこれらの光学検出器は、SoC又はFPGAを用いて処理することができるそれぞれの検出器信号(例えば電気信号)を生成することができる。幾つかの場合には、各連結された蒸気セル(又はチャネル)に関して高い信号対ノイズ比を達成するために変調技法を実装することができる。
【0045】
連結された蒸気セルは、タイル配列のパターン又はアレイで配列された時に、ターゲット電磁場に対してより少ない量の材料しか示さず、これによって連結された蒸気セルの群としての透明度を最大限に高めることもできる。更に、大きい単一の蒸気セルを拠り所とする実施構成とは異なり、タイル配列のパターン又はアレイは、例えば、1又は2以上の個々の連結された蒸気セルを交換することによってきめ細かいレベルで修復することができる。この能力は、タイル配列のパターン又はアレイの動作性能が機能障害部分に起因して損なわれることになった場合に全体のタイル配列のパターン又はアレイを交換する必要を回避する。更に、タイル配列のパターン又はアレイの動作中に発生する検出器信号を均等化して、ある特定の方向からの干渉を完全に除去することができる。これらの信号を均等化することによって、所望の信号のより確実な検出を得ることができる。更に、信号を均等化するステップが、タイル配列のパターン又はアレイが、ターゲット電磁場を測定する方向を選択することを可能にすることができる。かかる選択又は「誘導操作」は、多要素ビーム形成金属アンテナの誘導操作と同様である。タイル配列のパターン又はアレイは、そのきめ細かい構成に起因して、タイル配列のパターン又はアレイにおける機能障害セル又は停止セルを補償することもできることを察知されよう。例えば、アレイ配列又はタイル配列による配列は、様々な方向から到着する信号をオーバーサンプリングし、従って経時劣化に対して堅固なままに留まることができる。他の利点も可能である。
【0046】
幾つかの実施構成では、中間層114のうちの少なくとも1つが、内部キャビティ116と当該中間層114の外周部との間に複数の孔128を含む(例えば
図1E及び
図1Fに示されるように)。複数の孔128は、中間層を部分的又は完全に貫通して延びることができる。これらの実施構成では、例示的な蒸気セル100は、ターゲット放射線を検出するように構成することができ、複数の孔128の各々が、ターゲット放射線の波長を超えない最大寸法を有することができる。例えば、ターゲット放射線は、少なくとも0.3mmの波長を有することができ、複数の孔128の各々は、0.3mmを超えない最大寸法を有することができる。幾つかの実施構成では、複数の孔128のうちの1又は2以上が、その中に蒸気発生源を含むことができる。これらの実施形態では、中間層114は、1又は2以上の孔128を内部キャビティ116に流体的に結合するチャネル(又はその一部)を定めることができる。
【0047】
図4A及び
図4Bは、蒸気セルの2つの例示的な構成の吸収効果を含む電磁シミュレーションを提示している。
図4A及び
図4Bに表している例示的な蒸気セルは、
図1Aに記載の例示的な蒸気セル100と同様の特徴を含むことができる。
図4A及び
図4Bに表している例示的なシミュレーションでは、1Vm
-1の振幅を有する入射電場をシミュレーションしたものである。
図4Aに記載の例示的な構成は、各中間層内(例えば、内部キャビティと当該中間層の外周部との間)に複数の孔が存在する蒸気セルに対応する。比較すると、
図4Bに記載の例示的な構成は、複数の孔が不在の(例えば本体が中実壁を有する)蒸気セルに対応する。これらの例示的な構成では、外側幾何学構成は、正方形断面を有する。しかしながら、他の形状(例えば円形断面)が可能である。外寸は、1cmの辺を有する正方形である。円筒形である内部キャビティの直径は7mmである。
図4Aでは、中間層内に穿孔(例えば、孔、キャビティ等)を作り出すために中間層から材料が除去されている。かかる穿孔は、内部キャビティの内側のRF電場に適するように蒸気セルを加工することを可能にすることができる。感知に向けてターゲット放射線に整合させる等の目的で層の厚み及び各層に対して用いられる孔パターンを必要に応じて変更することができる。穿孔構成における電場分布は、非穿孔構成よりも均一で摂動のないものである。これに加えて、穿孔構成では、この構造の第1の双極子共鳴が、非穿孔構成よりも高い周波数にピークを有する。
【0048】
図4A及び
図4Bの蒸気セルの各々は、波長λを有するターゲット放射線を検出するように構成することができる。各蒸気セルは2GHzで約λ/15の寸法を有するが、蒸気セルボリュームの内側の電場分布、例えば電場均一性における差が見受けられる場合がある。これらの差は、大きい周波数で増幅される場合がある。例えば、蒸気セルの第1の双極子共鳴は、非穿孔壁を有する構成ではλ/15の寸法が維持されない限り顕著になり始めることになり、これによって蒸気セルは脆弱になり、それと同時に感知ボリュームが縮小する。幾つかの場合には、穿孔壁は、大きめの蒸気セル内で高い性能を可能にすることができ、これによって信号対ノイズ比が高まり(例えばより小さい蒸気によって)、蒸気セルアレイを構築するのが容易になる。大きめのサイズの蒸気セルは、ある特定の仕様に即した蒸気セルを大量に製造するのに役立つこともできる。高めの(例えば40hgzよりも高い)周波数では、蒸気セルは、ガラスとシリコンとの単一のウェハから同じ原理で製作することもできる。幾つかの例では、正方形のセルに関するレーダー断面積は、2GHzで8×10
-7m
2(幾何学的断面の約0.008倍)であり、これに対して穿孔構成に関するレーダー断面積は、2GHzで4×10
-7m
2(幾何学的断面の約0.004倍)である。
【0049】
図5は、穿孔壁を有する蒸気セルの様々な例示的な構成の内側の電場分布の電磁シミュレーションを提示している。例えば区分(2)~(4)内の孔パターンの様々な構成は、例えば区分(1)の壁内に穿孔を有さない立方体セルのものと比較する。
図5に表している例示的なシミュレーションでは、入射電場は単位振幅を有する。図示しているように、穿孔壁を有する蒸気セルは、非穿孔対照蒸気セルよりも狭い電場振幅分布を有する。区分(2)及び(4)内に例示している平均電場は、図示している相互作用領域(各断面の中心にあるハッチング表示領域)内で蒸気セルの端から端までに1%よりも小さいばらつきしか有さない。これらの蒸気セルは、波長λを有するターゲット放射線を検出するように構成され、寸法(例えば辺長)が約λ/3~λ/4である周波数に関してシミュレーションしたものである。
【0050】
幾つかの実施構成では、例示的な蒸気セル100を製造するステップが、陽極結合、接触結合、ガラスフリット結合、又は何れか他の種類の結合等によって互いに結合された層のスタック104を得るステップを含む。結合プロセスの組み合わせも可能である。層のスタック104は、第1の末端層106と、先頭の中間層から最後尾の中間層まで順番に延びる中間層114とを含む。第1の末端層106は、光学的に透明な第1の種類の誘電体材料で形成され、先頭の中間層は、第1の末端層106に結合される。中間層114は、層の第1のサブセット114aと層の第2のサブセット114bとを含む。層の第1のサブセット114aは、第1の種類の誘電体材料で形成され、層の第2のサブセット114bは、第2の異なる種類の誘電体材料で形成される。中間層114を通って内部キャビティ116が延び、最後尾の中間層の表面によって定められた開口部122を含む。
【0051】
製造プロセスは、蒸気又は蒸気の発生源を内部キャビティ116の中に配置するステップと、層のスタック104の第2の末端層110を最後尾の中間層に結合して蒸気又は蒸気の発生源を内部キャビティ116内に密封するステップとを含むこともできる。第2の末端層110は、幾つかの変形形態では第1の種類の誘電体材料である誘電体材料で形成される。層のスタック104は、結合された第2の末端層110を含む時に例示的な蒸気セル100の本体102を定める。更に、第1の末端層106は、本体102の第1の端部に存在し、第2の末端層110は、本体102の反対側の第2の端部に存在する。
【0052】
幾つかの実施構成では、層のスタック104を得るステップが、第1及び層の第2のサブセット114a、114bの層を交互に互いに結合して中間層114を形成するステップを含む。層のスタック104を得るステップが、陽極結合、接触結合、ガラスフリット結合、又は何れか他の種類の結合等によって先頭の中間層を第1の末端層106に結合するステップを含むこともできる。更なる実施構成では、層のスタック104を得るステップが、第1の種類の誘電体材料で形成された第1のウェハから材料を除去して第1の末端層、層の第1のサブセットのうちの1又は2以上、又はその両方を製作するステップを含む。層のスタック104を得るステップが、第2の種類の誘電体材料で形成された第2のウェハから材料を除去して層の第2のサブセットのうちの1又は2以上を製作するステップを含むこともできる。材料を除去するステップが、レーザー、ウェハからの材料エッチング、又はその両方を用いてウェハから材料を切削加工するステップを含むことができる。エッチングプロセスは、乾式又は湿式の片方又は両方のエッチングプロセスを含むことができる。材料を除去するための他の種類のサブトラクティブプロセス(例えば、アブレーション、研削、研磨等)が可能である。
【0053】
幾つかの実施構成では、第2の末端層110を結合するステップが、最後尾の中間層の表面を変質させて第1の複数のヒドロキシル配位子を含めるステップを含む。第2の末端層110を結合するステップが、第2の末端層の表面を変質させて第2の複数のヒドロキシル配位子を含めるステップを更に含む。これらの実施構成では、変質させた表面同士を互いに接触させて内部キャビティの開口部の周囲に密封部を形成することができる。密封部は、2つの変質させた表面同士の接触中に式(1)及び(2)に関連して上記で説明したように第1の複数のヒドロキシル配位子を第2の複数のヒドロキシル配位子と反応させることによって形成された金属-酸素結合によって定められた。
【0054】
図1A~
図5は、例示的な蒸気セル100を単一の内部キャビティ116の状況で例示している。しかしながら、他の個数及び種類のキャビティが可能である。幾つかの実施構成では、層のスタック104は、各々が蒸気部分セル(又は単位セル)に対応する複数の内部キャビティ116を定める。幾つかの実施構成では、層のスタック104は、その中を通り抜ける1又は2以上の孔(例えば貫通孔)を定めることができる。1又は2以上の孔は、第1及び第2の末端層106、110の外面によって定められた1つのペアの開口部の間で延びることができる。幾つかの実施構成では、層のスタック104は、複数の内部キャビティ116と1又は2以上の孔との両方を定める。複数の内部キャビティ116及び1又は2以上の孔は、
図2A~
図2B及び
図3A~
図3Bに示されるもの等のパターン又はアレイに従って配列することができる。複数のキャビティ及び1又は2以上の孔のうちの片方又は両方を有する実施構成では、層のスタック104は、タブの第1及び第2のセット118a、118bを有さないように構成することができる。
【0055】
幾つかの実施構成では、複数のキャビティ116及び1又は2以上の孔は、2次元格子(例えば、正方形格子、長方形格子、六角形格子、菱面格子、中心格子、斜方格子等)に従って配列することができる。これらの実施構成では、2次元格子は、複数のキャビティ116に対する第1の格子サイトを含むことができる。第1の格子サイトは、その各々を内部キャビティ116が占有することができる。しかしながら、幾つかの変形形態では、第1の格子サイトの一部分しか占有されない。2次元格子は、1又は2以上の孔に対する第2の格子サイトを更に含むことができる。第2の格子サイトは、各々を孔が占有することができる。しかしながら、幾つかの変形形態では、第2の格子サイトの一部分しか占有されない。内部キャビティ116及び孔を所望のパターン又はアレイで配列することを可能にするように第1及び第2の格子サイトの占有(又は欠如)を選択することができることを察知されよう。かかる選択は、層のスタック104が本体102に対する所望の形状を定めることを可能にすることもできる。
【0056】
図6Aは、キャビティのアレイ612を有する例示的な蒸気セル600の概略図を提示している。この概略図は、例示的な蒸気セル600は、単位セル602の状況で蒸気セルのタイル配列パターン604の一部として例示している。更にこの概略図は、例示的な蒸気セル600の断面606も例示している。例示的な蒸気セル600は、互いに結合された層のスタック610によって定められた本体608を含む。層のスタック610は、キャビティの第1のサブセット612aとキャビティの第2のサブセット612bとを含むキャビティのアレイ612を定める。キャビティの第1のサブセット612aは、層のスタック610の複数の中間層614を通って延び、キャビティの第2のサブセット612bは、層のスタック610を完全に貫通して延びる。キャビティの第1のサブセット612aは、
図1A~
図5に関連して説明した内部キャビティ116と同様とすることができ、キャビティの第2のサブセット612bは、各々が貫通孔に対応するものとすることができる。キャビティの第1のサブセット612aの各々内に蒸気又は蒸気の発生源が配置される。
【0057】
キャビティの第1及び第2のサブセット612a、612bは、各々が、
図6Aに示されるように共通の形状を共有することができる。しかしながら、幾つかの場合には、キャビティの第1のサブセット612aのうちの1又は2以上が異なる形状を有することができる。幾つかの場合には、キャビティの第2のサブセット612bのうちの1又は2以上も異なる形状を有することができる。多くの変形形態において、キャビティの第1及び第2のサブセット612a、612bは、層のスタック610に対して垂直なそれぞれの軸に沿って延びるが、他の向き(例えば傾いた軸)が可能である。更に、
図6Aは、キャビティの第1のサブセット612aは、円筒形形状を有するものとして描示し、キャビティの第2のサブセット612bは、正方形管形状を有するものとして描いているが、他の形状(例えば、六角形、楕円体、球体等)が可能である。例えば、各中間層614は、そこを貫くキャビティの一部分を定める貫通孔を含むことができる。この場合、1又は2以上の中間層614が積層された時にキャビティに対するターゲット3次元ボリューム(例えば、球体、錐台、傾斜平行六面体等)を定めるように選択的に構成することができる。幾つかの変形形態では、少なくとも2つの隣接する中間層614が、互いに形状及びサイズのうちの片方又は両方が異なるそれぞれの貫通孔を有する。幾つかの変形形態では、2又は3以上の中間層614(例えば隣接する中間層)が異なる厚みを有する。他の構成可能な特徴(例えば、中間層の貫通孔を囲む内周面に関する角度)が可能である。
【0058】
層のスタック610は、本体608の第1の端部618に第1の末端層616を含む。第1の末端層616は、光学的に透明な第1の種類の誘電体材料で形成される。層のスタック610は、本体608の反対側の第2の端部622に第2の末端層620を更に含む。第2の末端層620は誘電体材料で形成される。層のスタック610の中間層614は第1の末端層616と第2の末端層620との間に位置決めされ、第1の種類の誘電体材料で形成された層の第1のサブセット614aと、第2の異なる種類の誘電体材料で形成された層の第2のサブセット614bとを含む。
図6Aは、第1及び層の第2のサブセット614a、614bは、各々が1枚のみの層であるものとして描いている。しかしながら、第1及び層の第2のサブセット614a、614bのうちの片方又は両方に対して他の枚数の層が可能である。
【0059】
図6Aに示されるもの等の幾つかの変形形態では、層のスタック610は、本体608の外周部628の第1の場所626aで層の第1のサブセット614aから外向きに延びるタブの第1のセット624aを含む。層のスタック610は、本体608の外周部628の第2の場所626bで層の第2のサブセット614bから外向きに延びるタブの第2のセット624bを更に含むことができる。タブの第1及び第2のセット624a、624bは、同様に構成された別の蒸気セル(例えば例示的な蒸気セル600の第2の例証)と連結するための第1及び第2の機械的接合部としてそれぞれ機能することができる。しかしながら、幾つかの変形形態では、第1及び第2の層セット614a、614bは、そこから延びるタブを有さない。
図6Bは、
図6Aの例示的な蒸気セルであるが、その中間層(第1及び第2の層セット614a、614b)に、そこから外向きに延びるタブが無い蒸気セルの概略図を提示している。
【0060】
ある特定の事例では、キャビティの第1のサブセット612aの各々は、層のスタック610によって形成された側壁630によって囲まれる。側壁630は、外周部628の一部を定める角部を含む。かかる事例では、第1の場所626aは、外周部628の第1の角部であり、第2の場所626bは、外周部628の第2の異なる角部である。しかしながら、第1及び第2の場所626a、626bは、外周部628上の他の場所とすることができる。例えば、側壁630は、外周部628の一部(例えば外側部の中心)を定める平坦面を含むことができる。この場合、第1の場所626aは、外周部628の第1の平坦面とすることができ、第2の場所626bは、外周部628の第2の異なる平坦面である。
【0061】
キャビティのアレイ612は、2次元格子に従って配列することができる。幾つかの場合、2次元格子は、キャビティの第1及び第2のサブセット612a、612bそれぞれに対する第1及び第2の格子サイトを含む。例えば、2次元格子は、行方向と列方向とに順番に交互する第1の格子サイトと第2の格子サイトとを有する正方形格子とすることができる。この配列では、アレイのキャビティ612は、正方形格子のそれぞれの場所に配置され、キャビティの第1のサブセット612aとキャビティの第2のサブセット612bとは、正方形格子の行及び列に沿って順番に交互する。幾つかの場合には、第1及び第2の格子サイトは、キャビティの第1及び第2のサブセット612a、612bによって部分的に占有される。例えば、
図6に示されるように、第1の格子サイトのうちの4つは、第1のサブセット612aのそれぞれのキャビティが占有することができ、1つの第2の格子サイトは、第2のサブセット612bのそれぞれのキャビティが占有することができる。この構成は、例示的な蒸気セル600の本体608がプラス(+)形状をとることを可能にすることができる。しかしながら、他の配列が可能である。例えば、
図6Bの例示的な蒸気セル600内のキャビティのアレイ612は、本体608に対して蝶状の形状を定めるように配列される。
【0062】
幾つかの変形形態では、側壁630は、その正方形断面を定める4つの外面を有する。これらの変形形態では、キャビティの第2のサブセット612bの各々は、正方形断面を有する。幾つかの変形形態では、側壁630は、キャビティの単位セル外周部632を定める1又は2以上の外面を有する。
図6A及び
図6Bでは、明瞭化の目的で、1つの単位セル外周部632のみを破線で表している。第1のサブセット612aの1又は2以上のキャビティに関して、少なくとも1つの中間層614が、1又は2以上のキャビティと、上記キャビティのそれぞれの単位セル外周部632との間に複数の孔を含む。複数の孔は、
図1A~
図1B及び
図4A~
図5に関連して説明したものと同様とすることができる。例えば、複数の孔は、少なくとも1つの中間層614を通って延びることができる。別の例として、例示的な蒸気セル600は、ターゲット放射線を検出するように構成することができ、複数の孔の各々は、ターゲット放射線の波長(例えば少なくとも0.3mmの波長)を超えない最大寸法を有する。ある特定の場合に、1又は2以上のキャビティに隣接する複数の孔のうちの1又は2以上が、その中に蒸気発生源を含むことができる。これらの実施形態では、少なくとも1つの中間層614が、1又は2以上の孔を1又は2以上のキャビティに流体的に結合するチャネル(又はその一部)を定めることができる。
【0063】
記載される内容の幾つかの態様では、蒸気セルについて以下に続く実施例によって説明することができる。
実施例1.
蒸気セルであって、
互いに結合された層のスタックによって定められた本体であって、上記層のスタックが、上記本体の第1の端部にあり、光学的に透明な第1の種類の誘電体材料で形成された第1の末端層と、上記本体の反対側の第2の端部にあり、誘電体材料で形成された第2の末端層と、上記第1の末端層と上記第2の末端層との間にあり、誘電体材料で形成された中間層であって、上記第1の末端層と上記第2の末端層との間で上記本体を通って延びる内部キャビティを定める中間層と、を含む本体と、
上記内部キャビティに配置された蒸気又は蒸気の発生源と、
を備える蒸気セル。
実施例2.
上記第2の末端層は、上記第1の種類の誘電体材料で形成される、実施例1に記載の蒸気セル。
実施例3.
上記中間層は、
上記第1の種類の誘電体材料で形成された層の第1のサブセットと、
第2の異なる種類の誘電体材料で形成された層の第2のサブセットと、
を含む、実施例1又は実施例2に記載の蒸気セル。
実施例4.
上記層は、上記スタック内で上記第1の種類の誘電体材料と上記第2の種類の誘電体材料との間で交互するように順序付けられる、実施例3に記載の蒸気セル。
実施例5.
上記第2の種類の誘電体材料は、シリコンである、実施例3又は実施例4に記載の蒸気セル。
実施例6.
上記第1の種類の誘電体材料は、シリコン酸化物を含む、実施例1又は実施例2から実施例5のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例7.
上記層のスタックは、
上記本体の第1の外側部(又は場所)で上記中間層から外向きに延びるタブの第1のセットと、
上記本体の第2の外側部(又は場所)で上記中間層から外向きに延びるタブの第2のセットと、
を含む、
実施例1又は実施例2から実施例6のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例8.
上記蒸気セルは第1の蒸気セルであり、
上記タブの第1のセットは、第2の蒸気セル(例えば上記第1の蒸気セルの第2の例証)と連結するように構成された第1の機械的接合部を定め、
上記タブの第2のセットは、第3の蒸気セル(例えば上記第1の蒸気セルの第3の例証)と連結するように構成された第2の機械的接合部を定める、
実施例7に記載の蒸気セル。
実施例9.
上記第1のセットの各タブは、上記タブがそこから延びる上記中間層の一体部分であり、
上記第2のセットの各タブは、上記タブがそこから延びる上記中間層の一体部分である、
実施例7又は実施例8に記載の蒸気セル。
実施例10.
上記タブの第1及び第2のセットは、上記第1及び第2の外側部のそれぞれの中心と整列される、実施例7、又は実施例8から実施例9のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例11.
上記中間層は、上記層のスタックに沿って順番に交互する層の第1のサブセットと層の第2のサブセットとを含み、
上記第1のセットの各タブは、上記層の第1のサブセットにおけるそれぞれの層から外向きに延び、
上記第2のセットの各タブは、上記層の第2のサブセットにおけるそれぞれの層から外向きに延びる、
実施例7又は実施例8から実施例10のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例12.
実施例7又は実施例8から実施例11のうちの何れか1つに記載の蒸気セルに各々が対応する複数の蒸気セルであって、上記各蒸気セルのタブの第1及び第2のセットが、第1の蒸気セルのタブの第2のセット及び第2の異なる蒸気セルのタブの第1のセットとそれぞれ連結される、複数の蒸気セル。
実施例13.
上記本体は、本体の正方形断面を定め且つ第1及び第2の外側部を含む4つの外側部を有し、
上記層のスタックは、
上記本体の上記第1の外側部で上記中間層から外向きに延びるタブの第1のセットと、
上記本体の上記第2の外側部で上記中間層から外向きに延びるタブの第2のセットと、
を含む、
実施例1又は実施例2から実施例12のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例14.
上記第1の外側部と上記第2の外側部が互いに隣接する、実施例13に記載の蒸気セル。
実施例15.
上記第1の外側部と上記第2の外側部は互いに対向する、実施例13に記載の蒸気セル。
実施例16.
上記4つの外側部は、第3及び第4の外側部を含み、
上記層のスタックは、
上記本体の上記第3の外側部で上記中間層から外向きに延びるタブの第3のセットと、
上記本体の上記第4の外側部で上記中間層から外向きに延びるタブの第4のセットと、
を含む、
実施例13又は実施例14から実施例15のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例17.
上記第3のセットの各タブは、上記タブがそこから延びる上記中間層の一体部分であり、
上記第4のセットの各タブは、上記タブがそこから延びる上記中間層の一体部分である、
実施例16に記載の蒸気セル。
実施例18.
上記タブの第1、第2、第3、及び第4のセットは、上記第1、第2、第3、及び第4の外側部のそれぞれの中心と整列される、
実施例16又は実施例17に記載の蒸気セル。
実施例19.
上記中間層は、上記層のスタックに沿って順番に交互する層の第1のサブセットと層の第2のサブセットとを含み、
上記第1及び第3のセットの各タブは、上記層の第1のサブセット内のそれぞれの層から外向きに延び、
上記第2及び第4のセットの各タブは、上記層の第2のサブセット内のそれぞれの層から外向きに延びる、
実施例16又は実施例17から実施例18のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例20.
上記第1の末端層は、
上記第1の末端層に隣接する上記内部キャビティの第1の開口部を覆う内面と、
上記内面の反対にある外面と、
を含み、
上記内面及び上記外面のうちの片方又は両方が、その上に配置された光学コーティングを有する、
実施例1又は実施例2から実施例19のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例21.
上記第1の末端層の上記内面は、その上に配置された反射コーティングを含む、実施例20に記載の蒸気セル。
実施例22.
上記第1の末端層の上記外面は、その上に配置された反射コーティングを含む、実施例20又は実施例21に記載の蒸気セル。
実施例23.
上記第1の末端層の上記内面は、その上に配置された反射防止コーティングを含む、実施例20又は実施例21から実施例22のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例24.
上記第1の末端層の上記外面は、その上に配置された反射防止コーティングを含む、実施例20又は実施例21から実施例23のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例25.
上記第2の末端層は、
上記第2の末端層に隣接する上記内部キャビティの第2の開口部を覆う内面と、
上記内面の反対にある外面と、
を含み、
上記内面及び上記外面のうちの片方又は両方が、その上に配置された光学コーティングを有する、
実施例1又は実施例2から実施例24のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例26.
上記第2の末端層の上記内面は、その上に配置された反射コーティングを含む、実施例25に記載の蒸気セル。
実施例27.
上記第2の末端層の上記外面は、その上に配置された反射コーティングを含む、実施例25又は実施例26に記載の蒸気セル。
実施例28.
上記第2の末端層の上記内面は、その上に配置された反射防止コーティングを含む、実施例25又は実施例26から実施例27のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例29.
上記第2の末端層の上記外面は、その上に配置された反射防止コーティングを含む、実施例25又は実施例26から実施例28のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例30.
上記中間層のうちの少なくとも1つは、上記内部キャビティと当該中間層の外周部との間に複数の孔を含む、実施例1又は実施例2から実施例29のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例31.
上記複数の孔は、上記中間層を通って延びる、実施例30に記載の蒸気セル。
実施例32.
上記蒸気セルは、ターゲット放射線を検出するように構成され、
上記複数の孔の各々は、上記ターゲット放射線の波長を超えない最大寸法を有する、
実施例30又は実施例31に記載の蒸気セル。
実施例33.
上記ターゲット放射線は、少なくとも0.3mmの波長を有する、実施例32に記載の蒸気セル。
実施例34.
上記層のスタック内の少なくとも1つのペアの隣接層間の接合部が、接着層を含む、実施例1又は実施例2から実施例33のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例35.
上記接着層は、シリコン酸化物を含む、実施例34に記載の蒸気セル。
実施例36.
各中間層は、当該中間層を通る上記内部キャビティの一部分を定める貫通孔を含み、
少なくとも2つの隣接する中間層が、形状及びサイズのうちの片方又は両方において互いに異なるそれぞれの貫通孔を有する、
実施例1又は実施例2から実施例35のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
【0064】
記載される内容の幾つかの態様では、蒸気セルを製造する方法は、以下の例によって説明することができる。
実施例37.
蒸気セルを製造する方法であって、
互いに結合された層のスタックを得るステップを含み、
上記層のスタックが、
光学的に透明な第1の種類の誘電体材料で形成された第1の末端層と、
誘電体材料で形成され、先頭の中間層から最後尾の中間層まで順番に延びる中間層であって、上記先頭の中間層が上記第1の末端層に結合され、上記中間層を通って内部キャビティが延び、上記内部キャビティが上記最後尾の中間層の表面によって定められた開口部を含む、中間層と、
を含み、
上記方法が更に、
蒸気又は蒸気の発生源を上記内部キャビティに配置するステップと、
上記層のスタックの第2の末端層を上記最後尾の中間層に結合して、上記蒸気又は蒸気の発生源を上記キャビティの第1のサブセット内に密封するステップであって、上記第2の末端層が誘電体材料で形成される、ステップと、
を含み、
上記層のスタックは、結合された上記第2の末端層を含む時に、上記蒸気セルの本体と、上記本体の第1の端部にある上記第1の末端層と、上記本体の反対側の第2の端部にある上記第2の末端層とを定める、
蒸気セルを製造する方法。
実施例38.
上記第2の末端層を結合するステップが、上記内部キャビティの開口部を上記第2の末端層で覆って上記蒸気又は蒸気の発生源を上記内部キャビティ内に封入するステップを含む、実施例37に記載の方法。
実施例39.
上記第2の末端層は、上記第1の種類の誘電体材料で形成される、実施例37又は実施例38に記載の方法。
実施例40.
上記第1の種類の誘電体材料は、シリコン酸化物を含む、実施例37又は実施例38から実施例39のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例41.
上記層のスタックを得るステップが、
上記第1の種類の誘電体材料で形成された第1のウェハから材料を除去して、上記第1の末端層、上記第2の末端層(実施例39と組み合わせた時)、又はその両方を製作するステップと、
誘電体材料で形成された第2のウェハから材料を除去して、上記中間層を製作するステップと、
を含む、
実施例37又は実施例38から実施例40のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例42.
上記中間層は、
上記第1の種類の誘電体材料で形成された層の第1のサブセットと、
第2の異なる種類の誘電体材料で形成された層の第2のサブセットと、
を含む、
実施例37又は実施例38から実施例40のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例43.
上記層のスタックを得るステップが、
上記層の第1のサブセットの層と上記層の第2のサブセットの層とを互いに交互に結合して上記中間層を形成するステップと、
上記先頭の中間層を上記第1の末端層に結合するステップと、
を含む、
実施例42に記載の方法。
実施例44.
上記層のスタックを得るステップが、
上記第1の種類の誘電体材料で形成された第1のウェハから材料を除去して、上記第1の末端層、上記層の第1のサブセットのうちの1又は2以上、上記第2の末端層(実施例39と組み合わせた時)、又はその何れかの組み合わせを製作するステップと、
上記第2の種類の誘電体材料で形成された第2のウェハから材料を除去して、上記層の第2のサブセットのうちの1又は2以上を製作するステップと、
を含む、
実施例42又は実施例43に記載の方法。
実施例45.
上記第2の種類の誘電体材料は、シリコンである、実施例42又は実施例43から実施例44のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例46.
上記第2の末端層を結合するステップが、
第1の複数のヒドロキシル配位子を含むように上記最後尾の中間層の上記表面を変質させるステップと、
第2の複数のヒドロキシル配位子を含むように上記第2の末端層の表面を変質させるステップと、
上記変質させた表面を接触させて、上記2つの上記変質させた表面の接触中に上記第1の複数のヒドロキシル配位子を上記第2の複数のヒドロキシル配位子と反応させることによって形成される金属-酸素結合部によって定められた密封部を上記内部キャビティの上記開口部の周囲に形成するステップと、
を含む、
実施例37又は実施例38から実施例45のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例47.
上記第2の末端層を結合するステップが、
上記最後尾の中間層及び上記第2の末端層の上記表面のうちの片方又は両方を、上記層のそれぞれの表面をプラズマに暴露することによって活性化するステップを含む、
実施例46に記載の方法。
実施例48.
上記中間層のうちの少なくとも1つは、上記内部キャビティと当該中間層の外周部との間に複数の孔を含む、実施例37又は実施例38から実施例47のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例49.
上記複数の孔は、上記中間層を通って延びる、実施例48に記載の方法。
実施例50.
上記蒸気セルは、製造時に、ターゲット放射線を検出するように構成され、
上記複数の孔の各々は、上記ターゲット放射線の波長を超えない最大寸法を有する、
実施例48又は実施例49に記載の方法。
実施例51.
上記ターゲット放射線は、少なくとも0.3mmの波長を有する、実施例50に記載の方法。
実施例52.
上記層のスタックを得るステップが、
中間層の片側又は両側に接着層を形成して上記中間層のそれぞれの結合面を定めるステップを含む、
実施例37又は実施例38から実施例51のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例53.
上記接着層は、シリコン酸化物を含む、実施例52に記載の方法。
実施例54.
上記層のスタックは、
上記層のスタック(又は上記蒸気セルの本体)の第1の外側部(又は場所)で上記中間層から外向きに延びるタブの第1のセットと、
上記層のスタック(又は上記蒸気セルの本体)の第2の外側部(又は場所)で上記中間層から外向きに延びるタブの第2のセットと、
を含む、
実施例37又は実施例38から実施例53のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例55.
上記蒸気セルは第1の蒸気セルであり、
上記タブの第1のセットは、第2の蒸気セル(例えば上記第1の蒸気セルの第2の例証)と連結するように構成された第1の機械的接合部を定め、
上記タブの第2のセットは、第3の蒸気セル(例えば上記第1の蒸気セルの第3の例証)と連結するように構成された第2の機械的接合部を定める、
実施例54に記載の蒸気方法。
【0065】
記載される内容の幾つかの態様では、蒸気セルシステムは、以下の例によって説明することができる。
実施例56.
蒸気セルシステムであって、
連結された蒸気セルのアレイを備え、
上記連結された蒸気セルの各々が、
互いに結合され、上記連結された蒸気セルの本体を定める層のスタックを含み、
上記層のスタックが、
上記本体の第1の端部にあり、光学的に透明な第1の種類の誘電体材料で形成された第1の末端層と、上記本体の反対側の第2の端部にあり、誘電体材料で形成された第2の末端層と、上記第1の末端層と上記第2の末端層との間にあり、誘電体材料で形成された1又は2以上の中間層であって、上記第1の末端層と上記第2の末端層との間で上記層のスタックを通って延びる内部キャビティを定める中間層と、
を含み、
上記連結された蒸気セルの各々が更に、
上記本体の第1の外側部上にある第1の機械的接合部と、
上記本体の第2の外側部上にある第2の機械的接合部と、
上記内部キャビティに配置された蒸気又は蒸気の発生源と、
を含み、
少なくとも1つの連結された蒸気セルの上記第1の機械的接合部が、別の連結された蒸気セルの第2の機械的接合部と連結され、
上記少なくとも1つの連結された蒸気セルの上記第2の機械的接合部が、別の異なる連結された蒸気セルの第1の機械的接合部と連結される、
蒸気セルシステム。
実施例57.
上記第2の末端層は、上記第1の種類の誘電体材料で形成される、実施例56に記載の蒸気セルシステム。
実施例58.
上記1又は2以上の中間層は、第2の異なる種類の誘電体材料で形成された少なくとも1つの層を含む、実施例56又は実施例57に記載の蒸気セルシステム。
実施例59.
上記1又は2以上の中間層は、
上記第1の種類の誘電体材料で形成された層の第1のサブセットと、
第2の異なる種類の誘電体材料で形成された層の第2のサブセットと、
を含む、
実施例56又は実施例57に記載の蒸気セルシステム。
実施例60.
上記層は、上記スタック内で上記第1の種類の誘電体材料と上記第2の種類の誘電体材料との間で交互するように順序付けられる、実施例59に記載の蒸気セルシステム。
実施例61.
上記第2の種類の誘電体材料は、シリコンである、実施例58又は実施例59から実施例60のうちの何れか1つに記載の蒸気セルシステム。
実施例62.
上記第1の種類の誘電体材料は、シリコン酸化物を含む、実施例56又は実施例57から実施例61のうちの何れか1つに記載の蒸気セルシステム。
実施例63.
上記第1の機械的接合部は、上記本体の上記第1の外側部(又は場所)で上記1又は2以上の中間層から外向きに延びるタブの第1のセットを含み、
上記第2の機械的接合部は、上記本体の上記第2の外側部(又は場所)で上記1又は2以上の中間層から外向きに延びるタブの第2のセットを含む、
実施例56又は実施例57から実施例62のうちの何れか1つに記載の蒸気セルシステム。
実施例64.
上記第1のセットの各タブは、上記タブがそこから延びる上記中間層の一体部分であり、
上記第2のセットの各タブは、上記タブがそこから延びる上記中間層の一体部分である、
実施例63に記載の蒸気セルシステム。
実施例65.
上記タブの第1及び第2のセットは、上記第1及び第2の外側部のそれぞれの中心と整列される、実施例63又は実施例64に記載の蒸気セルシステム。
実施例66.
上記1又は2以上の中間層は、上記層のスタックに沿って順番に交互する層の第1のサブセットと層の第2のサブセットとを含み、
上記第1のセットの各タブは、上記層の第1のサブセットにおけるそれぞれの層から外向きに延び、
上記第2のセットの各タブは、上記層の第2のサブセットにおけるそれぞれの層から外向きに延びる、
実施例63又は実施例64から実施例65のうちの何れか1つに記載の蒸気セルシステム。
実施例67.
上記連結された蒸気セルの上記本体は、本体の正方形断面を定める4つの外側部を有し、上記4つの外側部は、上記第1及び第2の外側部を含む、実施例56又は実施例57から実施例66のうちの何れか1つに記載の蒸気セルシステム。
実施例68.
上記第1の外側部と上記第2の外側部とは、互いに隣接する、実施例67に記載の蒸気セルシステム。
実施例69.
上記第1の外側部と上記第2の外側部とは、互いに対向する、実施例67に記載の蒸気セルシステム。
実施例70.
上記4つの外側部は、第3及び第4の外側部を含み、
各連結された蒸気セルは、
上記本体の上記第3の外側部上にある第3の機械的接合部と、
上記本体の上記第4の外側部上にある第4の機械的接合部と、
を含む、
実施例67又は実施例68から実施例69のうちの何れか1つに記載の蒸気セルシステム。
実施例71.
上記第3の機械的接合部は、上記本体の上記第3の外側部で上記1又は2以上の中間層から外向きに延びるタブの第3のセットを含み、
上記第4の機械的接合部は、上記本体の上記第4の外側部で上記1又は2以上の中間層から外向きに延びるタブの第4のセットを含む、
実施例70に記載の蒸気セルシステム。
実施例72.
上記第3のセットの各タブは、上記タブがそこから延びる上記中間層の一体部分であり、
上記第4のセットの各タブは、上記タブがそこから延びる上記中間層の一体部分である、
実施例71に記載の蒸気セルシステム。
実施例73.
上記タブの第3及び第4のセットは、上記第3及び第4の外側部のそれぞれの中心と整列される、実施例71又は実施例72に記載の蒸気セルシステム。
実施例74.
上記1又は2以上の中間層は、上記層のスタックに沿って順番に交互する層の第1のサブセットと層の第2のサブセットとを含み、
上記第3のセットの各タブは、上記層の第1のサブセットにおけるそれぞれの層から外向きに延び、
上記第4のセットの各タブは、上記層の第2のサブセットにおけるそれぞれの層から外向きに延びる、
実施例71又は実施例72から実施例73のうちの何れか1つに記載の蒸気セルシステム。
実施例75.
上記第1の末端層は、
上記第1の末端層に隣接する上記内部キャビティの第1の開口部を覆う内面と、
上記内面の反対にある外面と、
を含み、
上記内面及び上記外面のうちの片方又は両方が、その上に配置された光学コーティングを有する、
実施例56又は実施例57から実施例74のうちの何れか1つに記載の蒸気セルシステム。
実施例76.
上記第1の末端層の上記内面は、その上に配置された反射コーティングを含む、実施例75に記載の蒸気セルシステム。
実施例77.
上記第1の末端層の上記外面は、その上に配置された反射コーティングを含む、実施例75又は実施例76に記載の蒸気セルシステム。
実施例78.
上記第1の末端層の上記内面は、その上に配置された反射防止コーティングを含む、実施例75又は実施例76から実施例77のうちの何れか1つに記載の蒸気セルシステム。
実施例79.
上記第1の末端層の上記外面は、その上に配置された反射防止コーティングを含む、実施例75又は実施例76から実施例78のうちの何れか1つに記載の蒸気セルシステム。
実施例80.
上記第2の末端層は、
上記第2の末端層に隣接する上記内部キャビティの第2の開口部を覆う内面と、
上記内面の反対にある外面と、
を含み、
上記内面及び上記外面のうちの片方又は両方が、その上に配置された光学コーティングを有する、
実施例56又は実施例57から実施例79のうちの何れか1つに記載の蒸気セルシステム。
実施例81.
上記第2の末端層の上記内面は、その上に配置された反射コーティングを含む、実施例80に記載の蒸気セルシステム。
実施例82.
上記第2の末端層の上記外面は、その上に配置された反射コーティングを含む、実施例80又は実施例81に記載の蒸気セルシステム。
実施例83.
上記第2の末端層の上記内面は、その上に配置された反射防止コーティングを含む、実施例80又は実施例81から実施例82のうちの何れか1つに記載の蒸気セルシステム。
実施例84.
上記第2の末端層の上記外面は、その上に配置された反射防止コーティングを含む、実施例80又は実施例81から実施例83のうちの何れか1つに記載の蒸気セルシステム。
実施例85.
上記1又は2以上の中間層は、上記内部キャビティと当該中間層の外周部との間に複数の孔を有する少なくとも1つの層を含む、実施例56又は実施例57から実施例84のうちの何れか1つに記載の蒸気セルシステム。
実施例86.
上記複数の孔は、上記中間層を通って延びる、実施例85に記載の蒸気セルシステム。
実施例87.
各連結された蒸気セルは、それぞれのターゲット放射線を検出するように構成され、
連結された蒸気セルに付属の上記複数の孔は各々、上記連結された蒸気セルの上記ターゲット放射線の波長を超えない最大寸法を有する、
実施例85又は実施例86に記載の蒸気セルシステム。
実施例88.
上記ターゲット放射線は、少なくとも0.3mmの波長を有する、実施例87に記載の蒸気セルシステム。
実施例89.
上記層のスタック内の少なくとも1つのペアの隣接層間の接合部が、接着層を含む、実施例56又は実施例57から実施例88のうちの何れか1つに記載の蒸気セルシステム。
実施例90.
上記接着層は、シリコン酸化物を含む、実施例89に記載の蒸気セルシステム。
実施例91.
各中間層は、当該中間層を通る上記内部キャビティの一部分を定める貫通孔を含み、
少なくとも2つの隣接する中間層が、形状及びサイズのうちの片方又は両方において互いに異なるそれぞれの貫通孔を有する、
実施例56又は実施例57から実施例90のうちの何れか1つに記載の蒸気セルシステム。
【0066】
記載される内容の幾つかの態様では、蒸気セルは、以下の例によって説明することができる。
実施例92.
互いに結合された層のスタックによって定められた本体であって、上記層のスタックがキャビティのアレイを定め、上記キャビティのアレイが、上記層のスタックの中間層を通って延びるキャビティの第1のサブセットと、上記層のスタックを完全に貫通して延びるキャビティの第2のサブセットとを含む、本体と、
上記キャビティの第1のサブセットの各々に配置された蒸気又は蒸気の発生源と、
を備え、
上記層のスタックが、
上記本体の第1の端部にあり、光学的に透明な第1の種類の誘電体材料で形成された第1の末端層と、
上記本体の反対側の第2の端部にあり、誘電体材料で形成された第2の末端層と、
上記第1の末端層と上記第2の末端層との間に位置決めされて誘電体材料で形成された上記中間層と、
を含む、蒸気セル。
実施例93.
上記キャビティのアレイは、第1及び第2の格子サイトを含む2次元格子によって定められたそれぞれの場所に存在し、
上記キャビティの第1のサブセットは、それぞれの第1の格子サイトを占有し、上記キャビティの第2のサブセットは、それぞれの第2の格子サイトを占有する、
実施例92に記載の蒸気セル。
実施例94.
上記第1の格子サイトの全てが、上記第1のサブセットのそれぞれのキャビティによって占有され、上記第2の格子サイトの全てが、上記第2のサブセットのそれぞれのキャビティによって占有される、実施例93に記載の蒸気セル。
実施例95.
上記2次元格子は正方形格子であり、上記第1の格子サイトと上記第2の格子サイトは、上記正方形格子の行及び列に沿って順番に交互する、実施例93又は実施例94に記載の蒸気セル。
実施例96.
上記アレイのキャビティは、正方形格子のそれぞれの場所に存在し、上記キャビティの第1のサブセットと上記キャビティの第2のサブセットは、上記正方形格子の行及び列に沿って順番に交互する、実施例92に記載の蒸気セル。
実施例97.
上記第1のサブセットの各キャビティは、上記層のスタックによって形成された側壁によって囲まれ、上記側壁は、側壁の正方形断面を定める4つの外面を有し、
上記第2のサブセットの各キャビティは、正方形断面を有する、
実施例92又は実施例93から実施例95のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例98.
上記第2の末端層は、上記第1の種類の誘電体材料で形成される、実施例92又は実施例93から実施例97のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例99.
上記中間層は、
上記第1の種類の誘電体材料で形成された層の第1のサブセットと、
第2の異なる種類の誘電体材料で形成された層の第2のサブセットと、
を含む、
実施例92又は実施例93から実施例98のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例100.
上記層は、上記スタック内で上記第1の種類の誘電体材料と上記第2の種類の誘電体材料との間で交互するように順序付けられる、実施例99に記載の蒸気セル。
実施例101.
上記第2の種類の誘電体材料は、シリコンである、実施例99又は実施例100に記載の蒸気セル。
実施例102.
上記第1の種類の誘電体材料は、シリコン酸化物を含む、実施例92又は実施例93から実施例101のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例103.
上記層のスタックは、
上記本体の外周部の第1の場所で上記中間層から外向きに延びるタブの第1のセットと、
上記本体の上記外周部の第2の場所で上記中間層から外向きに延びるタブの第2のセットと、
を含む、
実施例92又は実施例93から実施例102のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例104.
上記第1のサブセットの各キャビティは、上記層のスタックによって形成された側壁によって囲まれ、上記側壁は、上記本体の上記外周部の一部を定める角部を含み、
上記第1の場所は、上記本体の上記外周部の第1の角部であり、上記第2の場所は、上記本体の上記外周部の第2の異なる角部である、
実施例103に記載の蒸気セル。
実施例105.
上記第1のサブセットの各キャビティは、上記層のスタックによって形成された側壁によって囲まれ、上記側壁は、上記本体の上記外周部の一部を定める平坦面を含み、
上記第1の場所は、上記本体の上記外周部の第1の平坦面であり、上記第2の場所は、上記本体の上記外周部の第2の異なる平坦面である、
実施例103に記載の蒸気セル。
実施例106.
上記蒸気セルは第1の蒸気セルであり、
上記タブの第1のセットは、第2の蒸気セル(例えば上記第1の蒸気セルの第2の例証)と連結するように構成された第1の機械的接合部を定め、
上記タブの第2のセットは、第3の蒸気セル(例えば上記第1の蒸気セルの第3の例証)と連結するように構成された第2の機械的接合部を定める、
実施例103又は実施例104から実施例105のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例107.
上記第1のセットの各タブは、上記タブがそこから延びる上記中間層の一体部分であり、
上記第2のセットの各タブは、上記タブがそこから延びる上記中間層の一体部分である、
実施例103又は実施例104から実施例106のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例108.
上記中間層は、上記層のスタックに沿って順番に交互する層の第1のサブセットと層の第2のサブセットとを含み、
上記第1のセットの各タブは、上記層の第1のサブセットにおけるそれぞれの層から外向きに延び、
上記第2のセットの各タブは、上記層の第2のサブセットにおけるそれぞれの層から外向きに延びる、
実施例103又は実施例104から実施例107のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例109.
実施例103又は実施例104から実施例108のうちの何れか1つに記載の蒸気セルに各々が対応する複数の蒸気セルであって、各蒸気セルの上記タブの第1及び第2のセットが、第1の蒸気セルの上記タブの第2のセット及び第2の異なる蒸気セルの上記タブの第1のセットとそれぞれ連結される複数の蒸気セル。
実施例110.
上記第1のサブセットの各キャビティは、上記第1の末端層に隣接する第1の開口部を有し、
上記第1の末端層は、
上記キャビティの第1のサブセットの上記第1の開口部を覆う内面と、
上記内面の反対にある外面と、
を含み、
上記内面及び上記外面のうちの片方又は両方が、その上に配置された光学コーティングを有する、
実施例92又は実施例93から実施例109のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例111.
上記第1の末端層の上記内面は、その上に配置された反射コーティングを含む、実施例110に記載の蒸気セル。
実施例112.
上記第1の末端層の上記外面は、その上に配置された反射コーティングを含む、実施例110又は実施例111に記載の蒸気セル。
実施例113.
上記第1の末端層の上記内面は、その上に配置された反射防止コーティングを含む、実施例110又は実施例111から実施例112のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例114.
上記第1の末端層の上記外面は、その上に配置された反射防止コーティングを含む、実施例110又は実施例111から実施例113のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例115.
上記第1のサブセットの各キャビティは、上記第2の末端層に隣接する第2の開口部を有し、
上記第2の末端層は、
上記キャビティの第1のサブセットの上記第2の開口部を覆う内面と、
上記内面の反対にある外面と、
を含み、
上記内面及び上記外面のうちの片方又は両方が、その上に配置された光学コーティングを有する、
実施例92又は実施例93から実施例112のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例116.
上記第2の末端層の上記内面は、その上に配置された反射コーティングを含む、実施例115に記載の蒸気セル。
実施例117.
上記第2の末端層の上記外面は、その上に配置された反射コーティングを含む、実施例115又は実施例116に記載の蒸気セル。
実施例118.
上記第2の末端層の上記内面は、その上に配置された反射防止コーティングを含む、実施例115又は実施例116から実施例117のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例119.
上記第2の末端層の上記外面は、その上に配置された反射防止コーティングを含む、実施例115又は実施例116から実施例118のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例120.
上記第1のサブセットの各キャビティは、上記層のスタックによって形成された側壁によって囲まれ、上記側壁は、当該キャビティを囲む単位セル外周部の少なくとも一部を定める1又は2以上の外面を有し、
上記第1のサブセットの1又は2以上のキャビティに関して、少なくとも1つの上記中間層が、上記1又は2以上のキャビティと上記キャビティのそれぞれの単位セル外周部との間に複数の孔を含む、
実施例92又は実施例93から実施例119のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例121.
上記複数の孔は、上記少なくとも1つの中間層を通って延びる、実施例120に記載の蒸気セル。
実施例122.
上記蒸気セルは、ターゲット放射線を検出するように構成され、
上記複数の孔の各々は、上記ターゲット放射線の波長を超えない最大寸法を有する、
実施例120又は実施例121に記載の蒸気セル。
実施例123.
上記ターゲット放射線は、少なくとも0.3mmの波長を有する、実施例122に記載の蒸気セル。
実施例124.
上記層のスタック内の少なくとも1つのペアの隣接層間の接合部が、接着層を含む、実施例92又は実施例93から実施例123のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例125.
上記接着層は、シリコン酸化物を含む、実施例124に記載の蒸気セル。
実施例126.
各中間層は、当該中間層を通る上記第1のサブセットのキャビティの一部分を定める貫通孔を含み、
少なくとも2つの隣接する中間層が、上記第1のサブセットの上記キャビティに対して形状及びサイズのうちの片方又は両方において互いに異なるそれぞれの貫通孔を有する、
実施例92又は実施例93から実施例125のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例127.
各中間層は、当該中間層を通る上記第2のサブセットのキャビティの一部分を定める貫通孔を含み、
少なくとも2つの隣接する中間層が、上記第2のサブセットの上記キャビティに対して形状及びサイズのうちの片方又は両方において互いに異なるそれぞれの貫通孔を有する、
実施例92又は実施例93から実施例126のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
【0067】
記載される内容の幾つかの態様では、蒸気セルを製造する方法は、以下の例によって説明することができる。
実施例128.
蒸気セルを製造する方法であって、
互いに結合された且つキャビティのアレイを定める層のスタックを得るステップを含み、
上記キャビティのアレイが、上記層のスタックの中間層を通って延びるキャビティの第1のサブセットと、上記層のスタックを完全に貫通して延びるキャビティの第2のサブセットとを含み、
上記層のスタックが、
光学的に透明な第1の種類の誘電体材料で形成された第1の末端層と、
誘電体材料で形成され、先頭の中間層から最後尾の中間層まで順番に延びる上記中間層であって、上記先頭の中間層が上記第1の末端層に結合され、上記キャビティの第1のサブセットの各々が上記最後尾の中間層の表面によって定められた開口部を含む、中間層と、
を含み、
上記方法が更に、
蒸気又は蒸気の発生源を上記キャビティの第1のサブセットの各々に配置するステップと、
上記層のスタックの第2の末端層を、上記最後尾の中間層に結合して上記蒸気又は蒸気の発生源を上記キャビティの第1のサブセット内に密封するステップであって、上記第2の末端層が誘電体材料で形成される、ステップと、
を含み、
上記第2のサブセットの各キャビティは、上記第2の末端層を通って延び、
上記層のスタックは、結合された上記第2の末端層を含む時に、上記蒸気セルの本体と、上記本体の第1の端部にある上記第1の末端層と、上記本体の反対側の第2の端部にある上記第2の末端層とを定める、
蒸気セルを製造する方法。
実施例129.
上記第2の末端層を結合するステップが、上記キャビティの第1のサブセットの各開口部を上記第2の末端層で覆って上記蒸気又は蒸気の発生源を上記キャビティの第1のサブセットに封入するステップを含む、実施例128に記載の方法。
実施例130.
上記第2の末端層は、上記第1の種類の誘電体材料で形成される、実施例128又は実施例129に記載の方法。
実施例131.
上記第1の種類の誘電体材料は、シリコン酸化物を含む、実施例128又は実施例129から実施例130のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例132.
上記層のスタックを得るステップが、
上記第1の種類の誘電体材料で形成された第1のウェハから材料を除去して、上記第1の末端層、上記第2の末端層(実施例130と組み合わせた時)、又はその両方を製作するステップと、
誘電体材料で形成された第2のウェハから材料を除去して、上記中間層を製作するステップと、
を含む、
実施例128又は実施例129から実施例131のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例133.
上記中間層は、
上記第1の種類の誘電体材料で形成された層の第1のサブセットと、
第2の異なる種類の誘電体材料で形成された層の第2のサブセットと、
を含む、
実施例128又は実施例129から実施例131のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例134.
上記層のスタックを得るステップが、
上記層の第1のサブセットの層と上記層の第2のサブセットの層とを互いに交互に結合して上記中間層を形成するステップと、
上記先頭の中間層を上記第1の末端層に結合するステップと、
を含む、
実施例133に記載の方法。
実施例135.
上記層のスタックを得るステップが、
上記第1の種類の誘電体材料で形成された第1のウェハから材料を除去して、上記第1の末端層、上記層の第1のサブセットのうちの1又は2以上、上記第2の末端層(実施例130と組み合わせた時)、又はこれらの何れかの組み合わせを製作するステップと、
上記第2の種類の誘電体材料で形成された第2のウェハから材料を除去して、上記層の第2のサブセットのうちの1又は2以上を製作するステップと、
を含む、
実施例133又は実施例134に記載の方法。
実施例136.
上記第2の種類の誘電体材料がシリコンである、実施例133又は実施例134から実施例135のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例137.
上記第2の末端層を結合するステップが、
第1の複数のヒドロキシル配位子を含むように上記最後尾の中間層の上記表面を変質させるステップと、
第2の複数のヒドロキシル配位子を含むように上記第2の末端層の表面を変質させるステップと、
上記変質させた表面を接触させて、上記2つの上記変質させた表面の接触中に上記第1の複数のヒドロキシル配位子を上記第2の複数のヒドロキシル配位子と反応させることによって形成される金属-酸素結合部によって定められた密封部を上記キャビティの第1のサブセットの各開口部の周囲に形成するステップと、
を含む、
実施例128又は実施例129から実施例136のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例138.
上記第2の末端層を結合するステップが、
上記最後尾の中間層及び上記第2の末端層の上記表面のうちの片方又は両方を、上記層のそれぞれの表面をプラズマに暴露することによって活性化するステップを含む、
実施例137に記載の方法。
実施例139.
上記第1のサブセットの各キャビティは、上記層のスタックによって形成された側壁によって囲まれ、上記側壁は、当該キャビティを囲む単位セル外周部の少なくとも一部を定める1又は2以上の外面を有し、
上記第1のサブセットの1又は2以上のキャビティに関して、少なくとも1つの上記中間層が、上記1又は2以上のキャビティと、上記キャビティのそれぞれの単位セル外周部との間に複数の孔を含む、
実施例128又は実施例129から実施例138のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例140.
上記複数の孔は、上記少なくとも1つの中間層を通って延びる、実施例139に記載の方法。
実施例141.
上記蒸気セルは、製造時に、ターゲット放射線を検出するように構成され、
上記複数の孔の各々は、上記ターゲット放射線の波長を超えない最大寸法を有する、
実施例139又は実施例140に記載の方法。
実施例142.
上記ターゲット放射線は、少なくとも0.3mmの波長を有する、実施例141に記載の方法。
実施例143.
上記層のスタックを得るステップが、
中間層の片側又は両側に接着層を形成して上記中間層のそれぞれの結合面を定めるステップを含む、
実施例128又は実施例129から実施例142のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例144.
上記接着層は、シリコン酸化物を含む、実施例143に記載の方法。
実施例145.
上記層のスタックは、
上記層のスタック(又は上記蒸気セルの本体)の外周部の第1の場所で上記中間層から外向きに延びるタブの第1のセットと、
上記層のスタック(又は上記蒸気セルの本体)の上記外周部の第2の場所で上記中間層から外向きに延びるタブの第2のセットと、
を含む、
実施例128又は実施例129から実施例144のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例146.
上記蒸気セルは第1の蒸気セルであり、
上記タブの第1のセットは、第2の蒸気セル(例えば上記第1の蒸気セルの第2の例証)と連結するように構成された第1の機械的接合部を定め、
上記タブの第2のセットは、第3の蒸気セル(例えば上記第1の蒸気セルの第3の例証)と連結するように構成された第2の機械的接合部を定める、
実施例145に記載の方法。
【0068】
記載される内容の幾つかの態様では、蒸気セルを以下の例によって説明することができる。
実施例147.
蒸気セルであって、
互いに結合された層のスタックによって定められた本体であって、上記層のスタックが、上記本体の第1の端部にあり、光学的に透明な第1の種類の誘電体材料で形成された第1の末端層と、上記本体の反対側の第2の端部にあり、誘電体材料で形成された第2の末端層と、上記第1の末端層と上記第2の末端層との間にあり、誘電体材料で形成された中間層であって、上記第1の末端層と上記第2の末端層との間で上記本体を通って延びる内部キャビティを定め、上記各中間層が、当該中間層を通る上記内部キャビティの一部分を定める貫通孔を含む、中間層と、を含む本体と、
上記内部キャビティに配置された蒸気又は蒸気の発生源と、
を備える蒸気セル。
実施例148.
各貫通孔は、形状及びサイズが等しい、実施例147に記載の蒸気セル。
実施例149.
少なくとも2つの隣接する中間層が、形状及びサイズのうちの片方又は両方において互いに異なるそれぞれの貫通孔を有する、実施例147に記載の蒸気セル。
実施例150.
上記貫通孔は円形であり、上記層のスタックに対して垂直な方向に沿って整列され、
上記貫通孔は、サイズが変化して上記内部キャビティに対して球体ボリュームを定める、
実施例147に記載の蒸気セル。
実施例151.
上記第2の末端層は、上記第1の種類の誘電体材料で形成される、実施例147又は実施例148から実施例150のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例152.
上記中間層は、
上記第1の種類の誘電体材料で形成された層の第1のサブセットと、
第2の異なる種類の誘電体材料で形成された層の第2のサブセットと、
を含む、
実施例147又は実施例148から実施例151のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例153.
上記層は、上記スタック内で上記第1の種類の誘電体材料と上記第2の種類の誘電体材料との間で交互するように順序付けられる、実施例152に記載の蒸気セル。
実施例154.
上記第2の種類の誘電体材料は、シリコンである、実施例152又は実施例153に記載の蒸気セル。
実施例155.
上記第1の種類の誘電体材料は、シリコン酸化物を含む、実施例147又は実施例148から実施例154のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例156.
上記層のスタックは、
上記本体の第1の外側部(又は場所)で上記中間層から外向きに延びるタブの第1のセットと、
上記本体の第2の外側部(又は場所)で上記中間層から外向きに延びるタブの第2のセットと、
を含む、
実施例147又は実施例148から実施例155のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例157.
上記蒸気セルは第1の蒸気セルであり、
上記タブの第1のセットは、第2の蒸気セル(例えば上記第1の蒸気セルの第2の例証)と連結するように構成された第1の機械的接合部を定め、
上記タブの第2のセットは、第3の蒸気セル(例えば上記第1の蒸気セルの第3の例証)と連結するように構成された第2の機械的接合部を定める、
実施例156に記載の蒸気セル。
実施例158.
上記第1のセットの各タブは、上記タブがそこから延びる上記中間層の一体部分であり、
上記第2のセットの各タブは、上記タブがそこから延びる上記中間層の一体部分である、
実施例156又は実施例157に記載の蒸気セル。
実施例159.
上記タブの第1及び第2のセットは、上記第1及び第2の外側部のそれぞれの中心と整列される、実施例156又は実施例157から実施例158のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例160.
上記中間層は、上記層のスタックに沿って順番に交互する層の第1のサブセットと層の第2のサブセットとを含み、
上記第1のセットの各タブは、上記層の第1のサブセットにおけるそれぞれの層から外向きに延び、
上記第2のセットの各タブは、上記層の第2のサブセットにおけるそれぞれの層から外向きに延びる、
実施例156又は実施例157から実施例159のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例161.
実施例156又は実施例157から実施例160のうちの何れか1つに記載の蒸気セルに各々が対応する複数の蒸気セルであって、上記各蒸気セルのタブの第1及び第2のセットが、第1の蒸気セルの上記タブの第2のセット及び第2の異なる蒸気セルの上記タブの第1のセットとそれぞれ連結される、複数の蒸気セル。
実施例162.
上記本体は、その正方形断面を定めて第1及び第2の外側部を含む4つの外側部を有し、
上記層のスタックは、
上記本体の上記第1の外側部で上記中間層から外向きに延びるタブの第1のセットと、
上記本体の上記第2の外側部で上記中間層から外向きに延びるタブの第2のセットと、
を含む、
実施例147又は実施例148から実施例161のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例163.
上記第1の外側部と上記第2の外側部とは、互いに隣接する、実施例162に記載の蒸気セル。
実施例164.
上記第1の外側部と上記第2の外側部とは、互いに対向する、実施例162に記載の蒸気セル。
実施例165.
上記4つの外側部は、第3及び第4の外側部を含み、
上記層のスタックは、
上記本体の上記第3の外側部で上記中間層から外向きに延びるタブの第3のセットと、
上記本体の上記第4の外側部で上記中間層から外向きに延びるタブの第4のセットと、
を含む、
実施例162又は実施例163から実施例164のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例166.
上記第3のセットの各タブは、上記タブがそこから延びる上記中間層の一体部分であり、
上記第4のセットの各タブは、上記タブがそこから延びる上記中間層の一体部分である、
実施例165に記載の蒸気セル。
実施例167.
上記タブの第1、第2、第3、及び第4のセットは、上記第1、第2、第3、及び第4の外側部のそれぞれの中心と整列される、実施例165又は実施例166に記載の蒸気セル。
実施例168.
上記中間層は、上記層のスタックに沿って順番に交互する層の第1のサブセットと層の第2のサブセットとを含み、
上記第1及び第3のセットの各タブは、上記層の第1のサブセット内のそれぞれの層から外向きに延び、
上記第2及び第4のセットの各タブは、上記層の第2のサブセット内のそれぞれの層から外向きに延びる、
実施例165又は実施例166から実施例167のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例169.
上記第1の末端層は、
上記第1の末端層に隣接する上記内部キャビティの第1の開口部を覆う内面と、
上記内面の反対にある外面と、
を含み、
上記内面及び上記外面のうちの片方又は両方が、その上に配置された光学コーティングを有する、
実施例147又は実施例148から実施例168のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例170.
上記第1の末端層の上記内面は、その上に配置された反射コーティングを含む、実施例169に記載の蒸気セル。
実施例171.
上記第1の末端層の上記外面は、その上に配置された反射コーティングを含む、実施例169又は実施例170に記載の蒸気セル。
実施例172.
上記第1の末端層の上記内面は、その上に配置された反射防止コーティングを含む、実施例169又は実施例170から実施例171のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例173.
上記第1の末端層の上記外面は、その上に配置された反射防止コーティングを含む、実施例169又は実施例170から実施例172のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例174.
上記第2の末端層は、
上記第2の末端層に隣接する上記内部キャビティの第2の開口部を覆う内面と、
上記内面の反対にある外面と、
を含み、
上記内面及び上記外面のうちの片方又は両方が、その上に配置された光学コーティングを有する、
実施例147又は実施例148から実施例173のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例175.
上記第2の末端層の上記内面は、その上に配置された反射コーティングを含む、実施例174に記載の蒸気セル。
実施例176.
上記第2の末端層の上記外面は、その上に配置された反射コーティングを含む、実施例174又は実施例175に記載の蒸気セル。
実施例177.
上記第2の末端層の上記内面は、その上に配置された反射防止コーティングを含む、実施例174又は実施例175から実施例176のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例178.
上記第2の末端層の上記外面は、その上に配置された反射防止コーティングを含む、実施例174又は実施例175から実施例177のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例179.
上記中間層のうちの少なくとも1つは、上記内部キャビティと当該中間層の外周部との間に複数の孔を含む、実施例147又は実施例148から実施例178のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例180.
上記複数の孔は、上記中間層を通って延びる、実施例179に記載の蒸気セル。
実施例181.
上記蒸気セルは、ターゲット放射線を検出するように構成され、
上記複数の孔の各々は、上記ターゲット放射線の波長を超えない最大寸法を有する、
実施例179又は実施例180に記載の蒸気セル。
実施例182.
上記ターゲット放射線は、少なくとも0.3mmの波長を有する、実施例181に記載の蒸気セル。
実施例183.
上記層のスタック内の少なくとも1つのペアの隣接層間の接合部が、接着層を含む、実施例147又は実施例148から実施例182のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例184.
上記接着層は、シリコン酸化物を含む、実施例183に記載の蒸気セル。
実施例185.
上記本体は外形を含み、
上記層のスタック内の各層は、上記層の場所に外形の断面を定める外周面を含む、
実施例147又は実施例148から実施例184のうちの何れか1つに記載の蒸気セル。
実施例186.
上記外形の断面は、上記層のスタックに沿って一定である、実施例185に記載の蒸気セル。
実施例187.
少なくとも2つの隣接する中間層が、形状及びサイズのうちの片方又は両方において互いに異なるそれぞれの外周面を有する、実施例185に記載の蒸気セル。
実施例188.
上記断面は、形状が円形であり且つサイズが上記層のスタックに沿って変化して上記本体に対して球体外形を定める、実施例185に記載の(但し、実施例162~実施例168に記載の特徴を除く)蒸気セル。
【0069】
記載される内容の幾つかの態様では、蒸気セルを製造する方法は、以下の例によって説明することができる。
実施例189.
蒸気セルを製造する方法であって、
互いに結合された層のスタックを得るステップを含み、
上記層のスタックが、
光学的に透明な第1の種類の誘電体材料で形成された第1の末端層と、
誘電体材料で形成され、先頭の中間層から最後尾の中間層まで順番に延びる中間層であって、上記先頭の中間層が上記第1の末端層に結合され、上記中間層を通って内部キャビティが延び、上記内部キャビティが上記最後尾の中間層の表面によって定められた開口部を含み、各中間層が、当該中間層を通る上記内部キャビティの一部分を定める貫通孔を含む、中間層と、
を含み、
上記方法が更に、
蒸気又は蒸気の発生源を上記内部キャビティに配置するステップと、
上記層のスタックの第2の末端層を上記最後尾の中間層に結合して、上記蒸気又は蒸気の発生源を上記キャビティの第1のサブセット内に密封するステップであって、上記第2の末端層が誘電体材料で形成される、ステップと、
を含み、
上記層のスタックは、結合された上記第2の末端層を含む時に、上記蒸気セルの本体と、上記本体の第1の端部にある上記第1の末端層と、上記本体の反対側の第2の端部にある上記第2の末端層とを定める、
蒸気セルを製造する方法。
実施例190.
各貫通孔は、形状及びサイズが等しい、実施例189に記載の方法。
実施例191.
少なくとも2つの隣接する中間層が、形状及びサイズのうちの片方又は両方において互いに異なるそれぞれの貫通孔を有する、実施例189に記載の方法。
実施例192.
上記貫通孔は円形であり、上記層のスタックに対して垂直な方向に沿って整列され、
上記貫通孔は、サイズが変化して上記内部キャビティに対して球体ボリュームを定める、
実施例191に記載の方法。
実施例193.
上記第2の末端層を結合するステップが、上記内部キャビティの開口部を上記第2の末端層で覆って上記蒸気又は蒸気の発生源を上記内部キャビティ内に封入するステップを含む、実施例189又は実施例190から実施例192のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例194.
上記第2の末端層は、上記第1の種類の誘電体材料で形成される、実施例189又は実施例190から実施例193のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例195.
上記第1の種類の誘電体材料は、シリコン酸化物を含む、実施例189又は実施例190から実施例194のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例196.
上記層のスタックを得るステップが、
上記第1の種類の誘電体材料で形成された第1のウェハから材料を除去して、上記第1の末端層、上記第2の末端層(実施例194と組み合わせた時)、又はその両方を製作するステップと、
誘電体材料で形成された第2のウェハから材料を除去して、上記中間層を製作するステップと、
を含む、
実施例189又は実施例190から実施例195のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例197.
上記中間層は、
上記第1の種類の誘電体材料で形成された層の第1のサブセットと、
第2の異なる種類の誘電体材料で形成された層の第2のサブセットと、
を含む、
実施例189又は実施例190から実施例195のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例198.
上記層のスタックを得るステップが、
上記層の第1のサブセットの層と上記層の第2のサブセットの層とを互いに交互に結合して上記中間層を形成するステップと、
上記先頭の中間層を上記第1の末端層に結合するステップと、
を含む、
実施例197に記載の方法。
実施例199.
上記層のスタックを得るステップが、
上記第1の種類の誘電体材料で形成された第1のウェハから材料を除去して、上記第1の末端層、上記層の第1のサブセットのうちの1又は2以上、上記第2の末端層(実施例194と組み合わせた時)、又はその何れかの組み合わせを製作するステップと、
上記第2の種類の誘電体材料で形成された第2のウェハから材料を除去して、上記層の第2のサブセットのうちの1又は2以上を製作するステップと、
を含む、
実施例197又は実施例198に記載の方法。
実施例200.
上記第2の種類の誘電体材料は、シリコンである、実施例197又は実施例198から実施例199のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例201.
上記第2の末端層を結合するステップが、
第1の複数のヒドロキシル配位子を含むように上記最後尾の中間層の上記表面を変質させるステップと、
第2の複数のヒドロキシル配位子を含むように上記第2の末端層の表面を変質させるステップと、
上記変質させた表面を接触させて、上記2つの上記変質させた表面の接触中に上記第1の複数のヒドロキシル配位子を上記第2の複数のヒドロキシル配位子と反応させることによって形成される金属-酸素結合部によって定められた密封部を上記内部キャビティの上記開口部の周囲に形成するステップと、
を含む、
実施例189又は実施例190から実施例200のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例202.
上記第2の末端層を結合するステップが、
上記最後尾の中間層及び上記第2の末端層の上記表面のうちの片方又は両方を、上記層のそれぞれの表面をプラズマに暴露することによって活性化するステップ、
を含む、
実施例201に記載の方法。
実施例203.
上記中間層のうちの少なくとも1つは、上記内部キャビティと当該中間層の外周部との間に複数の孔を含む、実施例189又は実施例190から実施例202のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例204.
上記複数の孔は、上記中間層を通って延びる、実施例203に記載の方法。
実施例205.
上記蒸気セルは、製造時に、ターゲット放射線を検出するように構成され、
上記複数の孔の各々は、上記ターゲット放射線の波長を超えない最大寸法を有する、
実施例203又は実施例204に記載の方法。
実施例206.
上記ターゲット放射線は、少なくとも0.3mmの波長を有する、実施例205に記載の方法。
実施例207.
上記層のスタックを得るステップが、
中間層の片側又は両側に接着層を形成して上記中間層のそれぞれの結合面を定めるステップ、
を含む、
実施例189又は実施例190から実施例206のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例208.
上記接着層は、シリコン酸化物を含む、実施例207に記載の方法。
実施例209.
上記層のスタックは、
上記層のスタック(又は上記蒸気セルの本体)の第1の外側部で上記中間層から外向きに延びるタブの第1のセットと、
上記層のスタック(又は上記蒸気セルの本体)の第2の外側部で上記中間層から外向きに延びるタブの第2のセットと、
を含む、
実施例189又は実施例190から実施例208のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例210.
上記蒸気セルは第1の蒸気セルであり、
上記タブの第1のセットは、第2の蒸気セル(例えば上記第1の蒸気セルの第2の例証)と連結するように構成された第1の機械的接合部を定め、
上記タブの第2のセットは、第3の蒸気セル(例えば上記第1の蒸気セルの第3の例証)と連結するように構成された第2の機械的接合部を定める、
実施例209に記載の方法。
実施例211.
上記本体は外形を含み、
上記層のスタック内の各層は、当該層の場所に外形の断面を定める外周面を含む、
実施例189又は実施例190から実施例210のうちの何れか1つに記載の方法。
実施例212.
上記外形の上記断面は、上記層のスタックに沿って一定である、実施例211に記載の方法。
実施例213.
少なくとも2つの隣接する中間層が、形状及びサイズのうちの片方又は両方において互いに異なるそれぞれの外周面を有する、実施例211に記載の方法。
実施例214.
上記断面は、形状が円形であり且つサイズが上記層のスタックに沿って変化して上記本体に対して球体外形を定める、実施例211に記載の方法。
【0070】
本明細書は多くの詳細内容を含むが、これらは、請求項に記載することができる範囲の限定と理解すべきではなく、むしろ、特定の実施例に特有の特徴の記載として理解されたい。別個の実施構成の状況において本明細書に記載され又は図面に示された特定の特徴同士は、組み合わせることもできる。逆に、単一の実施構成の状況で記載され又は図面に示された様々な更な特徴は、複数の実施形態において別個に又は何れかの適切な部分的組み合わせで実装することもできる。
【0071】
同様に、図面では動作を特定の順序で描いているが、このことは、望ましい結果を達成する上で、図示された特定の順序又は順番でかかる動作を実施すること、或いは例示された全ての動作を実施することが必要であると理解すべきではない。特定の状況では、多重タスク処理及び並列処理が有益とすることができる。更に、上記で説明した実施構成における様々なシステム構成要素の分離は、全ての実施構成においてかかる分離を必要とするものと理解すべきではなく、記載されたプログラム構成要素及びシステムを全体として単一の製品に統合すること、又は複数の製品にパッケージ化できることを理解されたい。
【0072】
複数の実施形態について説明してきた。それにも関わらず、様々な改変を加えることができることは理解されるであろう。従って、他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内にある。
【符号の説明】
【0073】
600 例示的な蒸気セル
608 本体
610 層のスタック
612a キャビティの第1のサブセット
612b キャビティの第2のサブセット
614 中間層
614a 層の第1のサブセット
614b 層の第2のサブセット
616 第1の末端層
618 第1の端部
620 第2の末端層
622 第2の端部
624a タブの第1のセット
624b タブの第2のセット
626a 第1の場所
626b 第2の場所
628 本体の外周部
630 側壁
632 キャビティの単位セル外周部