(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】電池交換ステーションの充電管理方法、電池交換キャビネット及びシステム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241008BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20241008BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20241008BHJP
B60L 53/65 20190101ALI20241008BHJP
B60L 53/66 20190101ALI20241008BHJP
B60L 53/80 20190101ALI20241008BHJP
B60L 58/12 20190101ALN20241008BHJP
B60L 58/16 20190101ALN20241008BHJP
【FI】
H02J7/00 A
H02J7/00 P
H02J13/00 311T
H02J13/00 301A
B60L50/60
B60L53/65
B60L53/66
B60L53/80
B60L58/12
B60L58/16
(21)【出願番号】P 2021558712
(86)(22)【出願日】2021-08-31
(86)【国際出願番号】 CN2021115747
(87)【国際公開番号】W WO2023028855
(87)【国際公開日】2023-03-09
【審査請求日】2021-09-30
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】524304976
【氏名又は名称】香港時代新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CONTEMPORARY AMPEREX TECHNOLOGY (HONG KONG) LIMITED
【住所又は居所原語表記】LEVEL 19, CHINA BUILDING, 29 QUEEN’S ROAD CENTRAL, CENTRAL, CENTRAL AND WESTERN DISTRICT, HONG KONG, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】黄 振慧
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ 行
(72)【発明者】
【氏名】李 永超
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-004417(JP,A)
【文献】国際公開第2013/080211(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/059833(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第111559271(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第113246798(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H02J 13/00
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 -13/00
B60L 15/00 -58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池交換ステーションにおける電池交換キャビネットに適用され、前記電池交換キャビネットは、無線通信機能を有する第1の管理ユニットと、充電ユニットとを含む、電池交換ステーションの充電管理方法であって、
前記第1の管理ユニットが、前記電池交換ステーションの管理装置から送信された、電池パックの第2の管理ユニットのネットワークアドレスを含む無線通信接続指令を受信することと、
前記第1の管理ユニットが、前記第2の管理ユニットのネットワークアドレスに基づいて、前記第2の管理ユニットへ無線通信接続を開始することと、
前記第1の管理ユニットが、前記第2の管理ユニットから取得した電池パックの電池状態情報を前記管理装置にアップロードすることと、
前記第1の管理ユニットが、前記管理装置が前記電池状態情報に基づいて送信した充電指令を受信した場合、前記第2の管理ユニット及び前記充電ユニットとの対話により、電池パックを充電するように前記充電ユニットを制御することと、を備
え、
前記電池状態情報は、電池パック異常情報を含み、
前記第1の管理ユニットが、前記第2の管理ユニットから送信された電池パックの異常情報を受信した場合に、前記電池パックの異常情報を前記管理装置にアップロードすることにより、前記管理装置が、前記電池パックの異常情報により指示された電池パックを処理するように前記電池交換ステーションにおける異常処理装置を制御すること、を備え、
前記電池パックの異常情報は、前記第2の管理ユニットが電池パックに異常が発生したことを検出したことをトリガとして生成されるものであり、
前記電池交換ステーションの前記管理装置は前記電池状態情報に基づいて前記電池交換キャビネット内に異常が発生した電池パックを特定し、前記電池パックを前記電池交換キャビネットから取り出し、異常監視領域に移行し、
ここで、前記第1の管理ユニットは、無線通信により前記第2の管理ユニットから電池パックの電池状態情報を取得し、取得された前記電池パックの前記電池状態情報を前記管理装置にアップロードし、
前記管理装置は、前記電池状態情報に基づいて前記異常監視領域に位置する電池パックが予め設定された監視時間内で正常に回復したことを特定した場合には、前記異常処理装置を制御して前記電池パックを前記異常監視領域から前記電池交換キャビネットに移転し、前記電池状態情報に基づいて前記異常監視領域に位置する電池パックが前記予め設定された監視時間内で継続的に異常であることを特定した場合には、前記異常処理装置を制御して前記電池パックを廃棄することを特徴とする電池交換ステーションの充電管理方法。
【請求項2】
前記電池状態情報は、前記第2の管理ユニットにより前記第1の管理ユニットへ周期的にアップロードされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の管理ユニットが、前記第2の管理ユニット及び前記充電ユニットとの対話により、電池パックを充電するように前記充電ユニットを制御することは、
前記第1の管理ユニットが、前記第2の管理ユニットに前記充電指令を転送することと、
前記第1の管理ユニットが、前記第2の管理ユニットからフィードバックされた充電パラメータ情報を充電ユニットに送信することにより、前記充電ユニットが前記充電パラメータ情報に基づいて電池パックを充電することと、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の管理ユニットが、前記第2の管理ユニット及び前記充電ユニットとの対話により、電池パックを充電するように前記充電ユニットを制御することの後に、さらに、
電池パックの前記電池状態情報が予め設定された充電カットオフ条件に達したことを前記第2の管理ユニットが監視した場合、前記第1の管理ユニットが、前記第2の管理ユニットからフィードバックされた充電停止情報を前記充電ユニットに送信することで、前記充電ユニットに電池パックへの充電を停止させること、又は、
前記第1の管理ユニットが、前記第2の管理ユニットから取得された電池パックの前記電池状態情報を前記管理装置にアップロードすることと、前記電池状態情報が予め設定された充電カットオフ条件に達したことを前記管理装置が特定した場合、前記第1の管理ユニットが、前記管理装置から送信された充電停止指令を前記第2の管理ユニットに転送することと、前記第1の管理ユニットが、前記第2の管理ユニットからフィードバックされた充電停止情報を前記充電ユニットに送信することで、前記充電ユニットに電池パックへの充電を停止させることと、を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記充電ユニットが前記電池パックへの充電を停止した後に、前記第1の管理ユニットが、前記第2の管理ユニットが所定周期で周期的にアップロードした電池パックの前記電池状態情報を受信することと、
前記第1の管理ユニットが、前記所定周期で周期的に電池パックの前記電池状態情報を前記管理装置にアップロードすることと、をさらに備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記所定周期は、第1の所定周期及び第2の所定周期を含み、前記第1の所定周期が前記第2の所定周期よりも短く、
前記第1の管理ユニットが前記所定周期で周期的に電池パックの前記電池状態情報を前記管理装置にアップロードすることは、
前記充電ユニットが電池パックへの充電を停止した後の所定の期間内で、前記第1の管理ユニットが、第1の所定周期で周期的に電池パックの電池パック状態情報を前記管理装置にアップロードすることと、
前記所定の期間が終了した後、前記第1の管理ユニットが、第2の所定周期で周期的に電池パックの前記電池パック状態情報を前記管理装置にアップロードすることと、を備えることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の管理ユニットが前記所定周期で周期的に電池パックの前記電池状態情報を前記管理装置にアップロードすることの後に、さらに、
前記第1の管理ユニットが、前記管理装置が前記電池状態情報に基づいて送信した充電指令を受信した場合、前記第2の管理ユニットに前記充電指令を転送することと、
前記第1の管理ユニットが、前記第2の管理ユニットからフィードバックされた充電パラメータ情報を充電ユニットに送信することで、前記充電ユニットが前記充電パラメータ情報に基づいて電池パックを充電することと、を備えることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
第1の管理ユニットと充電ユニットとを含む電池交換キャビネットであって、
前記第1の管理ユニットは、無線通信機能を有し、且つ、電池パックが前記電池交換キャビネットに入った場合、電池交換ステーションにおける管理装置から送信された、電池パックの第2の管理ユニットのネットワークアドレスを含む無線通信接続指令を受信することと、前記第2の管理ユニットのネットワークアドレスに基づいて、前記第2の管理ユニットへ無線通信接続を開始することと、前記第2の管理ユニットから取得された電池パックの電池状態情報を前記管理装置にアップロードすることと、前記管理装置が前記電池状態情報に基づいて送信した充電指令を受信した場合、前記第2の管理ユニット及び前記充電ユニットとの対話により、電池パックを充電するように前記充電ユニットを制御することと、を行い、
前記充電ユニットは、前記第1の管理ユニットと前記第2の管理ユニットとの対話により、電池パックを充電するものであり、
前記電池状態情報は、電池パック異常情報を含み、
前記第1の管理ユニットが、前記第2の管理ユニットから送信された電池パックの異常情報を受信した場合に、前記電池パックの異常情報を前記管理装置にアップロードすることにより、前記管理装置が、前記電池パックの異常情報により指示された電池パックを処理するように前記電池交換ステーションにおける異常処理装置を制御すること、を備え、
前記電池パックの異常情報は、前記第2の管理ユニットが電池パックに異常が発生したことを検出したことをトリガとして生成されるものであり、
前記電池交換ステーションの前記管理装置は前記電池状態情報に基づいて前記電池交換キャビネット内に異常が発生した電池パックを特定し、前記電池パックを前記電池交換キャビネットから取り出し、異常監視領域に移行し、
ここで、前記第1の管理ユニットは、無線通信により前記第2の管理ユニットから電池パックの電池状態情報を取得し、取得された前記電池パックの前記電池状態情報を前記管理装置にアップロードし、
前記管理装置は、前記電池状態情報に基づいて前記異常監視領域に位置する電池パックが予め設定された監視時間内で正常に回復したことを特定した場合には、前記異常処理装置を制御して前記電池パックを前記異常監視領域から前記電池交換キャビネットに移転し、前記電池状態情報に基づいて前記異常監視領域に位置する電池パックが前記予め設定された監視時間内で継続的に異常であることを特定した場合には、前記異常処理装置を制御して前記電池パックを廃棄することを特徴とする電池交換キャビネット。
【請求項9】
電池交換ステーションの充電管理システムであって、
管理装置、電池交換キャビネット及び第2の管理ユニットを備え、
前記電池交換キャビネットは、第1の管理ユニット及び充電ユニットを含み、
前記管理装置は、前記電池交換ステーションに対応して設置されたものであり、電池パックが電池交換キャビネットに入った場合に、前記第1の管理ユニットに前記第2の管理ユニットのネットワークアドレスを含む無線通信接続指令を送信するために用いられ、
前記第1の管理ユニットは、前記無線通信接続指令を受信し、前記第2の管理ユニットのネットワークアドレスに基づいて、前記第2の管理ユニットへ無線通信接続を開始するために用いられ、
前記第2の管理ユニットは、前記第1の管理ユニットに電池パックの電池状態情報を送信するために用いられ、
前記第1の管理ユニットは、さらに前記電池状態情報を前記管理装置にアップロードするために用いられ、
前記管理装置は、さらに前記電池状態情報に基づいて、前記第1の管理ユニットに充電指令を送信するために用いられ、
前記第1の管理ユニットは、さらに前記充電指令を受信した場合、前記第2の管理ユニット及び前記充電ユニットとの対話により、電池パックを充電するように前記充電ユニットを制御するために用いられ、
前記充電ユニットは、前記第1の管理ユニット及び前記第2の管理ユニットとの対話により、電池パックを充電するために用いられ、
前記電池状態情報は、電池パック異常情報を含み、
前記第1の管理ユニットが、前記第2の管理ユニットから送信された電池パックの異常情報を受信した場合に、前記電池パックの異常情報を前記管理装置にアップロードすることにより、前記管理装置が、前記電池パックの異常情報により指示された電池パックを処理するように前記電池交換ステーションにおける異常処理装置を制御すること、を備え、
前記電池パックの異常情報は、前記第2の管理ユニットが電池パックに異常が発生したことを検出したことをトリガとして生成されるものであり、
前記電池交換ステーションの前記管理装置は前記電池状態情報に基づいて前記電池交換キャビネット内に異常が発生した電池パックを特定し、前記電池パックを前記電池交換キャビネットから取り出し、異常監視領域に移行し、
ここで、前記第1の管理ユニットは、無線通信により前記第2の管理ユニットから電池パックの電池状態情報を取得し、取得された前記電池パックの前記電池状態情報を前記管理装置にアップロードし、
前記管理装置は、前記電池状態情報に基づいて前記異常監視領域に位置する電池パックが予め設定された監視時間内で正常に回復したことを特定した場合には、前記異常処理装置を制御して前記電池パックを前記異常監視領域から前記電池交換キャビネットに移転し、前記電池状態情報に基づいて前記異常監視領域に位置する電池パックが前記予め設定された監視時間内で継続的に異常であることを特定した場合には、前記異常処理装置を制御して前記電池パックを廃棄することを特徴とする電池交換ステーションの充電管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電池の技術分野に関し、特に電池交換ステーションの充電管理方法、電池交換キャビネット及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
新エネルギー技術の発展に伴い、電池の応用分野がますます広くなり、例えば、動力源として車両に動力を提供し、再生不可能資源の使用を減少させることができる。
【0003】
車両における電池の電気量が不足して車両の走行し続けることをサポートすることができない場合、充電杭などの充電装置を利用して車両を充電することができ、即ち車両における電池を充電することにより、電池の充電、放電の循環使用を実現する。しかし、電池の充電には長い時間がかかり、車両の航続使用を制限する。
【0004】
車両の航続使用率を向上させるために、電池交換技術が登場している。車両は、電池交換ステーションにおいて電気量が不足した電池を、十分な電気量の電池に交換することにより、車両の迅速な航続使用を実現することができる。電気量が不足した電池は、電池交換ステーションで充電することができ、充電後の電池は、後に電池交換ステーションに入って電池を交換する車両の、交換するための電池とすることができる。しかし、電池交換キャビネットにおける電池の充電管理の一部の操作は、人為的に行う必要があり、例えば、充電する必要がある電池コンパートメントの選択や、電池コンパートメントの充電に対するトリガ等を手動で行う必要があった。したがって、電池交換ステーション内の電池の充電管理効率は、依然として向上させる余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は、充電管理の効率を向上させることができる電池交換ステーションの充電管理方法、電池交換キャビネット及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様において、本願の実施例は、電池交換ステーションにおける電池交換キャビネットに適用され、電池交換キャビネットが、無線通信機能を有する第1の管理ユニットと、充電ユニットとを含む、電池交換ステーションの充電管理方法であって、第1の管理ユニットが、電池交換ステーションの管理装置から送信された、電池パックの第2の管理ユニットのネットワークアドレスを含む無線通信接続指令を受信することと、第1の管理ユニットが、第2の管理ユニットのネットワークアドレスに基づいて、第2の管理ユニットへ無線通信接続を開始することと、第1の管理ユニットが、第2の管理ユニットから取得した電池パックの電池状態情報を管理装置にアップロードすることと、第1の管理ユニットが、管理装置が電池状態情報に基づいて送信した充電指令を受信した場合、第2の管理ユニット及び充電ユニットとの対話により、電池パックを充電するように充電ユニットを制御することと、を備える電池交換ステーションの充電管理方法を提供する。
【0007】
第1の管理ユニットと管理装置との通信、及び第1の管理ユニットと第2の管理ユニットとの通信により、管理装置が電池パックの電池状態情報を取得することができる。第1の管理ユニットと第2の管理ユニットとの通信、及び第1の管理ユニットと充電ユニットとの通信により、充電ユニットと第2の管理ユニットとの対話を実現することにより、充電ユニットは第2の管理ユニットに対応する電池パックを充電することができる。電池交換ステーションにおける電池パックの充電管理過程は、人工の動作を要らず、充電管理過程を自動てきに行うことができ、充電管理の効率を向上させる。
【0008】
いくつかの可能な実施例において、電池状態情報は、第2の管理ユニットにより第1の管理ユニットへ周期的にアップロードされる。
【0009】
第1の管理ユニットは、第2の管理ユニットから送信された電池状態情報を受信した場合、電池状態情報を管理装置に転送することにより、管理装置が電池パックをタイムリーに監視することができる。
【0010】
いくつかの可能な実施例において、第1の管理ユニットが、第2の管理ユニット及び充電ユニットとの対話により、電池パックを充電するように充電ユニットを制御することは、第1の管理ユニットが、第2の管理ユニットに充電指令を転送することと、第1の管理ユニットが、第2の管理ユニットからフィードバックされた充電パラメータ情報を充電ユニットに送信することにより、充電ユニットが充電パラメータ情報に基づいて電池パックを充電することと、を備える。
【0011】
電池パックの第2の管理ユニットは、電池交換キャビネットの第1の管理ユニットにより充電ユニットに充電パラメータ情報を送信することができ、それにより電池交換キャビネットは様々なタイプの電池パックに適応てきに充電を行うことができ、充電の互換性、柔軟性及び適応性を向上させる。
【0012】
いくつかの可能な実施例において、第1の管理ユニットが、前記第2の管理ユニット及び前記充電ユニットとの対話により、電池パックを充電するように前記充電ユニットを制御することの後に、さらに、電池パックの前記電池状態情報が予め設定された充電カットオフ条件に達したことを第2の管理ユニットが監視した場合、第1の管理ユニットが、前記第管理ユニットからフィードバックされた充電停止情報を充電ユニットに送信することで、充電ユニットに電池パックへの充電を停止させること、又は、第1の管理ユニットが、第2の管理ユニットから取得された電池パックの電池状態情報を管理装置にアップロードすることと、電池状態情報が予め設定された充電カットオフ条件に達したことを管理装置が特定した場合、第1の管理ユニットが、管理装置から送信された充電停止指令を第2の管理ユニットに転送することと、第1の管理ユニットが、第2の管理ユニットからフィードバックされた充電停止情報を充電ユニットに送信することで、充電ユニットに電池パックへの充電を停止させることと、を備える。
【0013】
電池パックの第2の管理ユニットは電池パックをリアルタイムに監視し、電池パックの状態情報が充電カットオフ条件に達した時、第1の管理ユニットにより充電ユニットに充電停止の要求を自発的に開始する。又は、管理装置は電池交換キャビネットの第1の管理ユニットにより電池パックの第2の管理ユニットから電池パックの電池状態情報を取得し、電池パックに対するリアルタイム監視を実現し、電池パック状態情報が充電カットオフ条件に達した時、管理装置は充電停止の要求を開始し、第1の管理ユニットにより第2の管理ユニットに充電停止を指示し、第2の管理ユニットは第1の管理ユニットと充電ユニットとの対話により、充電ユニットに電池パックへの充電を停止させる。充電過程全体の自動化を実現し、充電管理効率を向上させ、かつ充電をタイムリーに停止し、電池の過充電を防止し、電池パックの安全を保証することができる。
【0014】
いくつかの可能な実施例において、充電ユニットが電池パックへの充電を停止した後に、第1の管理ユニットが、第2の管理ユニットが所定周期で周期的にアップロードした電池パックの前記電池状態情報を受信することと、第1の管理ユニットが、所定周期で周期的に電池パックの電池状態情報を管理装置にアップロードすることと、をさらに備える
【0015】
管理装置は第1の管理ユニットにより第2の管理ユニットが取得した電池パックの電池状態情報を取得し、充電終了後の電池パックに対する監視を実現し、電池交換ステーションの安全性及び信頼性を向上させる。
【0016】
いくつかの可能な実施例において、所定周期は、第1の所定周期及び第2の所定周期を含み、第1の所定周期が第2の所定周期よりも短く、第1の管理ユニットが所定周期で周期的に電池パックの電池状態情報を管理装置にアップロードすることは、充電ユニットが電池パックへの充電を停止した後の所定の期間内で、第1の管理ユニットが、第1の所定周期で周期的に電池パックの電池パック状態情報を管理装置にアップロードすることと、所定の期間が終了した後、第1の管理ユニットが、第2の所定周期で周期的に電池パックの電池パック状態情報を管理装置にアップロードすることと、を備える。
【0017】
第1の所定周期及び第2の所定周期を設定することにより、電池パックが安定しない場合に電池状態情報を頻繁に取得し、電池交換ステーションの安全性を保証し、電池パックが安定する場合に電池状態情報を頻繁に取得せず、資源を節約しかつ大量の冗長データを取得することを回避することができ、それにより電池交換ステーションの安全性及びデータ冗長のバランスを達成する。
【0018】
いくつかの可能な実施例において、第1の管理ユニットが所定周期で周期的に電池パックの電池状態情報を管理装置にアップロードすることの後に、さらに、第1の管理ユニットが、管理装置が電池状態情報に基づいて送信した充電指令を受信した場合、第2の管理ユニットに充電指令を転送することと、第1の管理ユニットが、第2の管理ユニットからフィードバックされた充電パラメータ情報を充電ユニットに送信することで、充電ユニットが充電パラメータ情報に基づいて電池パックを充電することと、を備える。
【0019】
充電が終了した後、電池交換キャビネット内の電池パックの状態は時間の経過に伴って変化し、電気量の損失があり、充電が終了した後、電池パックを充電して再び電池パックを充電する必要があると監視すれば、電池交換キャビネット内の電池を使用して車両に電池交換を行う必要がある時に電池交換キャビネット内の電池の電気量が不足する状況を避けて、電池交換ステーションの電池交換の信頼性を向上させることができる。
【0020】
いくつかの可能な実施例において、電池状態情報は、電池パック異常情報を含み、当該方法は、第1の管理ユニットが、第2の管理ユニットから送信された電池パックの異常情報を受信した場合に、電池パックの異常情報を管理装置にアップロードすることにより、管理装置が、電池パックの異常情報により指示された電池パックを処理するように電池交換ステーションにおける異常処理装置を制御することをさらに備え、電池パックの異常情報は、第2の管理ユニットが電池パックに異常が発生したことを検出したことをトリガとして生成される。
【0021】
第1の管理ユニットにより電池交換ステーションの管理装置に第2の管理ユニットから取得された電池パックの異常情報を送信することにより、管理装置は安全対策をタイムリーに取り、電池交換ステーションの安全性及び信頼性を保証することができる。
【0022】
第2の態様において、本願の実施例は、第1の管理ユニットと充電ユニットとを含む電池交換キャビネットを提供し、第1の管理ユニットは、無線通信機能を有し、且つ、電池パックが電池交換キャビネットに入った場合、電池交換ステーションにおける管理装置から送信された、電池パックの第2の管理ユニットのネットワークアドレスを含む無線通信接続指令を受信することと、第2の管理ユニットのネットワークアドレスに基づいて、第2の管理ユニットへ無線通信接続を開始することと、第2の管理ユニットから取得された電池パックの電池状態情報を管理装置にアップロードすることと、管理装置が電池状態情報に基づいて送信した充電指令を受信した場合、第2の管理ユニット及び充電ユニットとの対話により、電池パックを充電するように充電ユニットを制御することと、を行い、充電ユニットは、第1の管理ユニットと第2の管理ユニットとの対話により、電池パックを充電する。
【0023】
第1の管理ユニットと管理装置との通信、及び第1の管理ユニットと第2の管理ユニットとの通信により、管理装置は電池パックの電池状態情報を取得することができる。第1の管理ユニットと第2の管理ユニットとの通信、及び第1の管理ユニットと充電ユニットとの通信により、充電ユニットと第2の管理ユニットとの対話を実現することにより、充電ユニットは第2の管理ユニットに対応する電池パックを充電することができる。電池交換ステーションにおける電池パックの充電管理過程は、人工の動作を要らず、充電管理過程を自動化することができ、充電管理の効率を向上させる。
【0024】
第3の態様において、本願の実施例は、管理装置、電池交換キャビネット及び第2の管理ユニットを備える電池交換ステーションの充電管理システムを提供し、電池交換キャビネットは、第1の管理ユニット及び充電ユニットを含み、管理装置は、電池交換ステーションに対応して設置されたものであり、電池パックが電池交換キャビネットに入った場合に、第1の管理ユニットに第2の管理ユニットのネットワークアドレスを含む無線通信接続指令を送信するために用いられ、第1の管理ユニットは、無線通信接続指令を受信し、第2の管理ユニットのネットワークアドレスに基づいて、第2の管理ユニットへ無線通信接続を開始するために用いられ、第2の管理ユニットは、第1の管理ユニットに電池パックの電池状態情報を送信するために用いられ、第1の管理ユニットは、さらに電池状態情報を管理装置にアップロードするために用いられ、管理装置は、さらに電池状態情報に基づいて第1の管理ユニットに充電指令を送信するために用いられ、第1の管理ユニットは、さらに充電指令を受信した場合、第2の管理ユニット及び充電ユニットとの対話により、電池パックを充電するように充電ユニットを制御するために用いられ、充電ユニットは、第1の管理ユニット及び第2の管理ユニットとの対話により、電池パックを充電するために用いられる。
【0025】
第1の管理ユニットと管理装置との通信、及び第1の管理ユニットと第2の管理ユニットとの通信により、管理装置は電池パックの電池状態情報を取得することができる。第1の管理ユニットと第2の管理ユニットとの通信、及び第1の管理ユニットと充電ユニットとの通信により、充電ユニットと第2の管理ユニットとの対話を実現することにより、充電ユニットは第2の管理ユニットに対応する電池パックを充電することができる。電池交換ステーションにおける電池パックの充電管理過程は、人工の動作を要らず、充電管理過程を自動化することができ、充電管理の効率を向上させる。
【0026】
本願の実施例は、電池交換ステーションの充電管理方法、電池交換キャビネット及びシステムを提供し、電池パックが電池交換キャビネットに入った場合、電池交換キャビネットの第1の管理ユニットは管理装置から送信された電池パックの第2の管理ユニットのネットワークアドレスを利用して、第2の管理ユニットと無線通信接続を確立することができる。第1の管理ユニットと管理装置との通信、及び第1の管理ユニットと第2の管理ユニットとの通信により、管理装置は電池パックの電池状態情報を取得することができる。第1の管理ユニットと第2の管理ユニットとの通信、及び第1の管理ユニットと充電ユニットとの通信により、充電ユニット及び第2の管理ユニットとの対話を実現することにより、充電ユニットが第2の管理ユニットに対応する電池パックを充電することができる。電池交換ステーションにおける電池パックの充電管理過程は、人工の動作を要らず、充電管理過程を自動的に行って、充電管理の効率を向上させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下に本願の実施例に必要な図面を簡単に説明するが、以下に記載された図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者が創造的労働を要することなくこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができることは言うまでもない。
【
図1】本願の実施例が提供する電池交換ステーションの充電管理方法の応用シーンの一例の概略図である。
【
図2】本願の提供する電池交換ステーションの充電管理方法の一実施例のフローチャートである。
【
図3】本願の提供する電池交換ステーションの充電管理方法の別の実施例のフローチャートである。
【
図4】本願の提供する電池交換ステーションの充電管理方法の別の実施例のフローチャートである。
【
図5】本願の提供する電池交換ステーションの充電管理方法の別の実施例のフローチャートである。
【
図6】本願の提供する電池交換ステーションの充電管理方法のさらに別の実施例のフローチャートである。
【
図7】本願の提供する電池交換キャビネットの一実施例の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に図面及び実施例を参照しながら、本願の実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例の詳細な説明及び図面は本願の原理を例示的に説明するためのものであり、本願の範囲を限定するものではなく、即ち本願は説明された実施例に限定されるものではない。
【0029】
なお、本出願の説明において、特に断りがない限り、「複数」の意味は二つ以上である。方位又は位置関係を示す「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」等の用語は、本出願を説明しやすくし且つ説明を簡略化するために用いられたものに過ぎず、装置又は素子が特定の方位を有しなければならないことや、特定の方位で構造され又は操作しなければならないことを明示又は示唆するものではないため、本出願を限定するものと理解すべきではない。また、「第1の」、「第2の」、「第3の」などの用語は単に説明のためのものであり、相対的な重要性を明示又は示唆するものと理解すべきではない。「垂直」は、厳密な意味での垂直ではなく、誤差許容範囲内にある垂直を指す。「平行」は、厳密な意味での平行ではなく、誤差許容範囲内にある平行を指す。
【0030】
下記説明に現れた方位語は、いずれも図に示された方向であり、本願の具体的な構造を限定するものではない。本願の説明において、さらに説明すべきことは、他に明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「繋がる」、「接続」は広義に理解されるべきであり、例えば、固定的に接続されてもよく、取り外し可能に接続されてもよく、又は一体的に接続されてもよく、直接的に接続されてもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0031】
新エネルギー技術の発展に伴い、電池の応用分野がますます広くなり、例えば動力源として車両に動力を提供し、再生不可能資源の使用を減少させることができる。車両における電池の電気量が不足して車両の走行し続けることをサポートすることができない場合、充電杭などの充電装置を利用して車両を充電することができ、即ち車両における電池を充電することにより、電池の充電、放電の循環使用を実現する。しかし電池の充電には長い時間がかかり、車両の航続使用を制限する。
【0032】
車両の航続使用率を向上させるために、電池交換技術が登場している。電池交換技術は「車両と電池の分離」の方式を採用し、電池交換ステーションにより車両に電池交換サービスを提供することができ、即ち電池を車両から迅速に取り外す又は車両に取り付けることができる。車両から取り外した電池は、後に電池交換ステーションに入る車両の電池交換に用いられるように、電池交換ステーションの電池交換キャビネットに入れて充電することができる。しかし、現段階では、電池交換キャビネットにおける電池の充電管理は、一部の操作を人為的に行う必要があり、例えば、充電を必要とする電池コンパートメントを手動で選択したり、電池コンパートメントを手動でトリガして電池の充電を行わせたりする必要がある。電池交換ステーション内の電池の充電管理効率は依然として向上させる余地がある。
【0033】
本願の実施例は、電池交換ステーションの充電管理方法、電池交換キャビネット及びシステムを提供することができる。電池交換キャビネットは、管理装置の指示に基づいて電池を充電するために、電池パックの管理ユニットと無線通信接続を確立しかつ電池パックの管理ユニットから電池状態情報を取得して電池交換ステーションの管理装置にアップロードすることができる。電池交換ステーションの電池交換キャビネットにおける電池の充電管理は、人為的に操作を行う必要がなく、電池交換ステーション内の電池の充電管理効率を向上させることができる。
【0034】
理解を容易にするために、以下に先に本願の実施例が提供する電池交換ステーションの充電管理方法の応用シーンを例示的に説明する。
図1は、本願の実施例が提供する電池交換ステーションの充電管理方法の応用シーンの一例の概略図である。
図1に示すように、電池交換ステーションの充電管理方法は、電池交換ステーション11、車両12及び電池に関する。
【0035】
電池交換ステーション11は、車両に電池交換サービスを提供する場所を指すことができる。例えば、電池交換ステーション11は固定された場所であってもよく、又は、電池交換ステーション11は例えば移動式の電池交換用車両などの移動場所であってもよく、ここで限定されない。
【0036】
本願の実施例において、
図1に示すように、電池交換ステーション11に電池交換キャビネット13が設置されてもよい。電池交換キャビネット13は、第1の管理ユニット131と、充電ユニット132とを備えている。電池交換キャビネット13にさらに複数のチャーシングコンパートメント133が設置されてもよく、チャーシングコンパートメント133は電池を収容するために用いられる。第1の管理ユニット131は電池交換キャビネット13に設置された電池管理ユニットであってもよく、例えば、第1の管理ユニット131を中心電池管理ユニット(Central Battery Management Unit、CBMU)と称することができる。第1の管理ユニット131は、無線通信機能を有し、他の無線通信機能を有するユニット、モジュール、装置等と無線通信接続を確立し、かつ無線通信接続により他の無線通信機能を有するユニット、モジュール、装置等と対話することができる。第1の管理ユニット131の無線通信機能はブルートゥース通信機能、WiFi通信機能、ZigBee通信機能等を含むことができ、ここで限定されない。充電ユニット132は、チャーシングコンパートメント133内の電池を充電することができる。いくつかの例において、充電ユニットは、交流/直流モジュール、即ちAC/DCモジュールなどの充電機能を有する部品、装置又はデバイスを含むことができ、ここで限定されない。充電ユニット132は、チャーシングコンパートメント133と一対一で対応して設置されてもよく、複数のチャーシングコンパートメント133が一つの充電ユニット132を共用してもよく、ここで限定されない。
【0037】
車両12は、電池と着脱可能に接続される。いくつかの例において、車両12は乗用車、トラックなどの動力電池を動力源とする車両であってもよい。
【0038】
電池は、車両12内に設けられた電池と、電池交換ステーション11内に設けられた電池交換用の電池とを含んでもよい。電池交換ステーション11における電池交換用の電池は、電池交換ステーション11の電池交換キャビネット13のチャーシングコンパートメント133内に配置することができ、ここで限定されない。区別を容易にするために、
図1に示すように、車両12内の交換対象の電池を電池141と記し、電池交換ステーションにおいて電池交換用の電池を電池142と記す。
【0039】
電池は、リチウムイオン電池、リチウム金属電池、鉛酸電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウム硫黄電池、リチウム空気電池又はナトリウムイオン電池等であってもよく、ここで限定されない。電池は、電池セル、電池モジュール又は電池パックであってもよく、ここで限定されない。電池は、動力源として車両12のモータに電力を供給することができるだけでなく、車両12における他の電気機器に電力を供給することができ、例えば、電池はさらに車内エアコン、車載プレーヤ等に電力を供給することができる。
【0040】
電池に対応して、第2の管理ユニット143が設けられてもよい。いくつかの例において、第2の管理ユニット143は電池に対応する電池管理ユニットであってもよく、例えば、第2の管理ユニット143はスレーブ電池管理ユニット(Slave Battery Management Unit、SBMU)と呼ばれる。第2の管理ユニット143は、無線通信機能を有し、他の無線通信機能を有するユニット、モジュール、装置等と無線通信接続を確立し、かつ無線通信接続により他の無線通信機能を有するユニット、モジュール、装置等と対話することができる。第2の管理ユニット143の無線通信機能は、ブルートゥース通信機能、WiFi通信機能、ZigBee通信機能等を含むことができ、ここで限定されない。
【0041】
電池交換ステーション11には、管理装置が対応して設けられていてもよい。管理装置は集中式構造であってもよく、分布式構造であってもよく、ここで限定されない。管理装置は、電池交換ステーション11内に設置されてもよく、電池交換ステーション11外に設置されてもよい。管理装置は、分布式構造である場合、さらに一部が電池交換ステーション11内に設置され、一部が電池交換ステーション11外に設置されてもよい。管理装置は、電池交換ステーションのステーション内のコンピュータ及び/又は遠隔サーバ等として実現することができ、ここで限定されない。
【0042】
例えば、
図1に示すように、管理装置は、ステーション内のコンピュータ151及び遠隔サーバ152を含むことができる。ステーション内のコンピュータ151は、第1の管理ユニット131と有線通信又は無線通信を行うことができ、ここで限定されない。ステーション内のコンピュータ151は、第1の管理ユニット131及び第2の管理ユニット143を介して、電池交換キャビネット13に入る電池の関連情報を取得することができる。遠隔サーバ152は、ステーション内のコンピュータ151と通信対話を行うことにより、ステーション内のコンピュータ151から電池交換キャビネット13内の電池の関連情報を取得することができる。
【0043】
図1に示すように、電池交換ステーション11は、車両12が電池交換ステーション11に入ると、車両12における電気量が不足した電池141を取り出し、かつ電池交換ステーション11の電池交換キャビネット13における電気量が十分である電池142を車両12に取り付けることができる。電気量が十分な電池142が車両12に取り付けられた後、車両12は電池交換を完了して電池交換ステーション11から出る。車両12から取り出された電気量が不足した電池141は、電池交換キャビネット13のチャーシングコンパートメント133に入れる。管理装置は、電池交換キャビネット13の第1の管理ユニット131により電池の第2の管理ユニット143から電池の状態情報を取得し、かつ充電指令を送信することができる。電池交換キャビネット13の充電ユニット132は第1の管理ユニット131により第2の管理ユニットと対話することにより、電池を充電することができる。本願の実施例は電池交換ステーション11における電池充電管理の自動化を実現することができ、電池交換ステーション内の電池の充電管理効率を向上させることができる。
【0044】
以下では、電池交換ステーションの充電管理方法、電池交換キャビネット及びシステムを順に説明する。
【0045】
本願の第1の態様は、電池交換ステーションの充電管理方法を提供し、電池交換キャビネットに適用することができる。電池交換キャビネットの具体的な内容は上記関連説明を参照することができ、ここで説明を省略する。以下では、車両における電池が電池パックである場合を例として説明する。
図2は、本願の提供する電池交換ステーションの充電管理方法の一実施例のフローチャートである。
図2に示すように、該電池交換ステーションの充電管理方法は、ステップS201~ステップS204を含むことができる。
【0046】
ステップS201において、第1の管理ユニットは、電池交換ステーションの管理装置から送信された無線通信接続指令を受信する。
【0047】
電池交換ステーションには情報収集装置が設置される。情報収集装置は車両の車両識別子を収集し、車両識別子を電池交換ステーションにおける管理装置にアップロードすることができる。管理装置は、車両識別子と、車両の電池パックの第2管理ユニットのネットワークアドレスとの対応関係を記憶している。車両が電池交換ステーションに入った場合、管理装置は、情報収集装置により収集された車両識別子、及び車両識別子と車両の電池パックの第2の管理ユニットのネットワークアドレスとの対応関係に基づいて、電池交換ステーションに入って電池交換を行う車両の電池パックの第2の管理ユニットのネットワークアドレスを特定することができる。無線通信接続指令は、電池パックの第2の管理ユニットのネットワークアドレスを含む。即ち、管理装置は、無線通信接続指令により、電池パックの第2の管理ユニットのネットワークアドレスを第1の管理ユニットに送信することができる。
【0048】
いくつかの例において、管理装置は、電池パックが電池交換キャビネットに入る動作を監視することができ、電池パックが電池交換キャビネットに入った時、第1の管理ユニットに無線通信接続指令を送信することができる。即ち、電池パックが電池交換キャビネットに入ったことが監視された時、第1の管理ユニットは管理装置から送信された無線通信接続指令を受信することができる。
【0049】
ステップS202において、第1の管理ユニットは、第2の管理ユニットのネットワークアドレスに基づいて第2の管理ユニットへ無線通信接続を開始する。
【0050】
第1の管理ユニットは、無線通信機能を有し、第2の管理ユニットも無線通信機能を有する。第1の管理ユニットは、管理装置から第2の管理ユニットのネットワークアドレスを取得した後、該ネットワークアドレスを利用して第2の管理ユニットへ無線通信接続を開始することができる。
【0051】
第1の管理ユニットが無線通信接続を開始した後、タイムアウト時間閾値を超えても第2の管理ユニットと無線通信接続を成功的に確立しない場合は、第1の管理ユニットと第2の管理ユニットとの無線通信接続が失敗したと考えられる。
【0052】
いくつかの例において、電池パックが電池交換キャビネットに入った後、該電池パックの第2の管理ユニットは、予め設定された接続時間を超えても、依然として他の部品、装置、デバイス等と無線通信接続を確立しない場合、電気エネルギーを節約するように、低消費電力状態に入ることができる。第2の管理ユニットは、さらに、第1の管理ユニットと無線通信接続をタイムリーに確立することができないことを避けるように、低消費電力状態から正常動作状態に定時切り替えることができる。
【0053】
ステップS203において、第1の管理ユニットは、第2の管理ユニットから取得された電池パックの電池状態情報を管理装置にアップロードする。
【0054】
第1の管理ユニットと第2の管理ユニットが無線通信接続を成功的に確立した場合、第2の管理ユニットは第1の管理ユニットに電池パックの電池状態情報を送信することができる。第1の管理ユニットは、第2の管理ユニットから取得した電池パックの電池状態情報を管理装置にアップロードしてもよい。
【0055】
いくつかの例において、第1の管理ユニットは、第2の管理ユニットから送信された電池パックの電池状態情報を周期的に受信し又は定時受信することができる。
【0056】
電池パックの電池状態情報は、電池パック及び電池パックの状態を示すことに用いることができ、シーン、需要等に応じて設定することができ、ここで限定されない。いくつかの例において、電池状態情報は、電池パック識別子、状態情報、電池故障情報などを含むことができ、ここで限定されない。電池パック識別子は電池パックを識別するために用いられる。状態情報は、電気量の残量、温度等を含むことができ、ここで限定されない。電池故障情報は、電池パックに故障が発生したか否かを指示するための情報、故障タイプ等を含むことができ、ここで限定されない。
【0057】
ステップS204において、第1の管理ユニットは、管理装置が電池状態情報に基づいて送信した充電指令を受信した場合、第2の管理ユニット及び充電ユニットとの対話により、電池パックを充電するように充電ユニットを制御する。
【0058】
管理装置は、第1の管理ユニットがアップロードした電池パックの電池状態情報を受信し、電池状態情報及び管理装置に記憶された充電条件に基づいて、該電池パックを充電する必要があるか否かを特定することができる。管理装置は、電池状態情報が充電条件を満たす場合、第1の管理ユニットに充電指令を送信する。充電指令は、電池パックを充電することを指示する。
【0059】
充電条件は、電池パックを充電する必要があるか否かを判定するための条件であり、シーン、需要等に応じて設定することができ、ここで限定されない。例えば、電池状態情報は充電状態(State of Charge、SOC)を含み、充電条件は、電池パックのSOCが充電電気量閾値より低いことを含み、電池パックのSOCが充電電気量閾値より低いと、管理装置が第1の管理ユニットに充電指令を送信する。また例えば、電池状態情報は電池パック電圧を含み、充電条件は電池パック電圧が充電電圧閾値より低いことを含み、電池パック電圧が充電電圧閾値より低い場合、管理装置が第1の管理ユニットに充電指令を送信する。
【0060】
第1の管理ユニットが充電指令を受信した場合、充電ユニットと第2の管理ユニットは第1の管理ユニットを介して対話することができ、充電ユニットが電池パックを充電することを実現する。第2の管理ユニットは、電池パックの充電に必要な情報を第1の管理ユニットに送信することができ、第1の管理ユニットを介して電池パックの充電に必要な情報を充電ユニットに送信することにより、充電ユニットが電池パックを充電する。
【0061】
本願の実施例において、電池交換キャビネットの第1の管理ユニットは、電池パックが電池交換キャビネットに入った場合、管理装置から送信された電池パックの第2の管理ユニットのネットワークアドレスを利用して、第2の管理ユニットと無線通信接続を確立することができる。第1の管理ユニットと管理装置との通信、及び第1の管理ユニットと第2の管理ユニットとの通信により、管理装置が電池パックの電池状態情報を取得することができる。第1の管理ユニットと第2の管理ユニットとの通信、及び第1の管理ユニットと充電ユニットとの通信により、充電ユニットと第2の管理ユニットとの対話を実現することで、充電ユニットは第2の管理ユニットに対応する電池パックを充電することができる。電池交換ステーションにおける電池パックの充電管理過程は、人為的な操作を要することなく自動的に行われるため、充電管理の効率を向上させることができる。
【0062】
また、本願の実施例における電池交換ステーションの電池交換キャビネットの第1の管理ユニットと電池交換キャビネットにおける電池パックの第2の管理ユニットは、無線通信により接続される。電池交換キャビネットが電池パックの第2の管理ユニットと有線で接続する必要がある技術案に比べて、本願の実施例は電池交換キャビネット内の配線構造を簡略化することができる。電池交換キャビネットに20個の電池パックを配置できる場合を例にすると、電池交換キャビネットと電池パックの第2の管理ユニットが有線により接続され、各電池パックから20本以上の配線を引き出す必要があるような場合では、電池交換キャビネットに400本以上の配線が存在することとなり、これは電池交換キャビネットと電池交換ステーションの配線配置に非常に大きなチャレンジをもたらす。本願の実施例において、400本以上の配線を省略することができるので、電池交換キャビネット及び電池交換ステーションの配線構造を簡略化し、さらにメンテナンスしやすい。
【0063】
いくつかの実施例において、電池状態情報は、第2の管理ユニットにより第1の管理ユニットへ周期的にアップロードされる。それに応じて、第1の管理ユニットは、第2の管理ユニットから周期的に送信された電池状態情報を管理装置へ周期的にアップロードする。具体的には、第1の管理ユニットは、管理装置が電池パックをタイムリーに監視することができるように、第2の管理ユニットから送信された電池状態情報を受信した場合、電池状態情報を管理装置に転送することができる。
【0064】
いくつかの実施例において、管理装置が電池パックを充電するように指示した場合、第2の管理ユニットは第1の管理ユニットを介して充電ユニットと対話することができる。
図3は、本願の提供する電池交換ステーションの充電管理方法の別の実施例のフローチャートである。
図3と
図2の相違点は、
図2におけるステップS204が具体的には
図3におけるステップS2041及びステップS2042に細分化することができ、
図3に示す電池交換ステーションの充電管理方法はさらにステップS205又はステップS206~ステップS208を含むことができることである。
【0065】
ステップS2041において、第1の管理ユニットは、第2の管理ユニットに充電指令を転送する。
【0066】
第1の管理ユニットは、第2の管理ユニットに充電指令を転送することにより、電池交換ステーションが該第2の管理ユニットに対応する電池パックの充電を許可することを第2の管理ユニットに通知する。いくつかの例において、充電指令は、電池パック識別子、充電カットオフ条件、充電条件情報などを含むことができ、ここで限定されない。
【0067】
ステップS2042において、第1の管理ユニットは、第2の管理ユニットからフィードバックされた充電パラメータ情報を充電ユニットに送信し、充電ユニットは充電パラメータ情報に基づいて電池パックを充電する。
【0068】
充電パラメータ情報は、第2の管理ユニットに予め記憶されていてもよい。第2の管理ユニットが充電指令を受信した場合、第2の管理ユニットは第1の管理ユニットに充電パラメータ情報をフィードバックすることができる。いくつかの例において、充電ユニットが電池パックを充電する過程において、第2の管理ユニットは第1の管理ユニットに充電パラメータ情報を送信することができ、第1の管理ユニットは受信された充電パラメータ情報を充電モジュールに転送する。これにより、充電モジュールは充電パラメータ情報に基づいて、電池パックを充電するモード、電流などをリアルタイムに調整することができる。具体的には、充電ユニットが電池パックを充電する過程において、第2の管理ユニットは第1の管理ユニットに充電パラメータ情報を周期的に送信し又は定時送信することができ、それに対応して、第1の管理ユニットは、第2の管理ユニットから送信された充電パラメータ情報を受信すると、充電パラメータ情報を充電ユニットに送信し、即ち第1の管理ユニットは充電ユニットに充電パラメータ情報を周期的に送信し又は定時送信する。
【0069】
充電パラメータ情報は、電池パックの充電過程に必要な充電パラメータを含み、ここで限定されない。いくつかの例において、充電パラメータ情報は、充電モード、充電要求電流、充電カットオフ電圧などを含むことができる。第1の管理ユニットは、受信した充電パラメータ情報を充電ユニットに転送する。充電ユニットは充電パラメータ情報を受信し、充電パラメータ情報に指示された充電パラメータに応じて電池パックを充電することができる。例えば、充電パラメータ情報は、充電モード及び充電要求電流を含み、充電モードは定電流定電圧充電モードであり、定電流充電段階の充電要求電流はA1であり、定電圧充電ノードの充電要求電流はA2であり、充電ユニットは定電流定電圧充電モードを採用し、定電流充電段階で電流A1を出力し、定電圧充電段階で電流A2を出力することで、電池交換キャビネット内の電池パックを充電する。また例えば、充電パラメータ情報は充電モードを含み、充電モードはパルス充電モードであり、充電パラメータはさらに充電要求電流及び電流デューティ比を含み、充電要求電流はA3であり、電流デューティ比はk1であり、充電ユニットはパルス充電モードを採用し、電流デューティ比に応じて電流A3を出力することで、電池交換キャビネット内の電池パックを充電する。
【0070】
電池パックの第2の管理ユニットは、電池交換キャビネットの第1の管理ユニットにより充電ユニットに充電パラメータ情報を送信することができ、それにより電池交換キャビネットは様々なタイプの電池パックに応じて適切に充電を行うことができ、充電の互換性、柔軟性及び適応性を向上させることができる。
【0071】
ステップS205において、電池パックの電池状態情報が予め設定された充電カットオフ条件に達したことを第2の管理ユニットが監視した場合、第1の管理ユニットは第2の管理ユニットからフィードバックされた充電停止情報を充電ユニットに送信することにより、充電ユニットに電池パックへの充電を停止させる。
【0072】
本例において、第2の管理ユニットにより充電停止の要求を自発的に開始することができる。第2の管理ユニットは、電池パックの電池状態情報をリアルタイムに取得することができ、電池パックの電池状態情報が予め設定された充電カットオフ条件に達したことを監視した場合、第1の管理ユニットに充電停止情報を送信することができる。第1の管理ユニットは、この停止充電情報を充電ユニットに送信する。充電停止情報は、当該電池パックに対する充電の停止を指示するために用いられる。いくつかの例において、充電停止情報は値が0の充電要求電流を含むことができ、電池パックの電池状態情報が予め設定された充電カットオフ条件に達した時、第2の管理ユニットは値が0の充電要求電流を含む充電停止情報を第1の管理ユニットに送信し、第1の管理ユニットは該充電停止情報を充電ユニットに送信し、充電ユニットは該電池パックへの充電を停止する。
【0073】
充電カットオフ条件は、第2の管理ユニットに記憶されていてもよい。充電カットオフ条件は、電池パックのタイプ、応用シーン、需要などに応じて設定することができ、ここで限定されない。例えば、充電カットオフ条件は、電池パック電圧が満充電電圧閾値に達したことであり、この場合、第2の管理ユニットが取得した電池パック電圧が満充電電圧閾値に達すると、第2の管理ユニットは第1の管理ユニットに充電停止情報を送信し、第1の管理ユニットは充電停止情報を充電ユニットに送信し、充電ユニットは該充電停止情報に応答し、電池パックへの充電を停止し、即ち電池パックへの充電電流の出力を停止する。
【0074】
電池パックの第2の管理ユニットは電池パックをリアルタイムに監視し、電池パックの状態情報が充電カットオフ条件に達した場合に、第1の管理ユニットを介して充電ユニットに充電停止の要求を自発に開始する構成によれば、充電過程全体の自動化を実現し、充電管理効率を向上させることができ、かつ充電をタイムリーに停止し、電池の過充電を防止し、電池パックの安全を保証することができる。
【0075】
ステップS206において、第1の管理ユニットは、第2の管理ユニットから取得された電池パックの電池状態情報を管理装置にアップロードする。
【0076】
本例において、管理装置により充電停止の要求を開始する。充電ユニットが電池パックを充電する過程において、第2の管理ユニットは第1の管理ユニットに電池パックの電池状態情報を定時送信し又は周期的に送信することにより、第1の管理ユニットは管理装置に電池パックの電池状態情報を定時送信し又は周期的に送信し、管理装置の電池パックに対する監視を実現することができる。電池パックの電池状態情報の具体的な内容は上記実施例における関連説明を参照することができ、ここで説明を省略する。
【0077】
ステップS207において、管理装置は電池状態情報が予め設定された充電カットオフ条件に達したことを特定した場合、第1の管理ユニットは管理装置から送信された充電停止指令を第2の管理ユニットに転送する。
【0078】
充電カットオフ条件を管理装置に記憶することができ、管理装置は、電池状態情報が充電カットオフ条件に達したことを特定した場合、第1の管理ユニットに充電停止指令を送信することができる。第1の管理ユニットは、充電停止指令を受信すると、該充電停止指令を第2の管理ユニットに転送する。充電停止指令は、当該電池パックへの充電停止を指示するためのものである。電池状態情報が充電カットオフ条件に達したことの具体的な内容は上記実施例における関連説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0079】
ステップS208において、第1の管理ユニットは、第2の管理ユニットからフィードバックされた充電停止情報を充電ユニットに送信することにより、充電ユニットが電池パックへの充電を停止する。
【0080】
第2の管理ユニットは、充電停止指令を受信し、第1の管理ユニットに充電停止情報をフィードバックすることができ、第1の管理ユニットはさらに該充電停止情報を充電ユニットに送信する。充電ユニットは該充電停止情報を受信し、該電池パックへの充電を停止する。充電停止情報の具体的な内容は上記実施例の関連説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0081】
管理装置は、電池交換キャビネットの第1の管理ユニットにより電池パックの第2の管理ユニットから電池パックの電池状態情報を取得し、電池パックに対するリアルタイム監視を実現し、電池パック状態情報が充電カットオフ条件に達した時、管理装置は充電停止の要求を開始し、第1の管理ユニットにより第2の管理ユニットに充電停止を指示し、第2の管理ユニットは第1の管理ユニットにより充電ユニットと対話することで、充電ユニットに電池パックへの充電を停止させる。充電過程全体の自動化を実現し、充電管理効率を向上させ、かつ充電をタイムリーに停止し、電池の過充電を防止し、電池パックの安全を保証することができる。
【0082】
いくつかの実施例において、電池パックへの充電が終了した後、電池パックの電池状態情報を監視し続けることができる。
図4は、本願の提供する電池交換ステーションの充電管理方法の別の実施例のフローチャートである。
図4と
図3との相違点は、
図4に示す電池交換ステーションの充電管理方法がさらにステップS209及びステップS210を含んでもよいことである。
【0083】
ステップS209において、第1の管理ユニットは、充電ユニットが電池パックへの充電を停止した後、第2の管理ユニットが所定周期で周期的にアップロードした電池パックの電池状態情報を受信する。
【0084】
ステップS210において、第1の管理ユニットは、所定周期で周期的に電池パックの電池状態情報を管理装置にアップロードする。
【0085】
電池パックの充電が終了した後、電池パックの状態は時間の経過に伴って変化し、依然として電池パックの電池状態情報を検出する必要がある。第2の管理ユニットは、電池パックの電池状態情報を所定周期で周期的に第1の管理ユニットに送信することができる。第1の管理ユニットは、第2の管理ユニットから送信された電池パックの電池状態情報を受信した場合、電池状態情報を管理装置にアップロードすることができる。
【0086】
所定周期は、シーン、要求、経験等に基づいて設定することができ、ここで限定されない。異なる時期に、異なる所定周期を設定することができる。いくつかの例において、所定周期は、第1の所定周期及び第2の所定周期を含み、第1の所定周期が第2の所定周期より短い。第1の所定周期及び第2の所定周期は、シーン、要求、経験等に基づいて設定することができ、ここで限定されない。例えば、第1の所定周期は1秒であり、第2の所定周期は30分間である。
【0087】
充電ユニットが電池パックへの充電を停止した後の所定の期間内に、第1の管理ユニットは、第1の所定周期に基づいて電池パックの電池パック状態情報を管理装置に周期的にアップロードする。所定の期間が終了した後、第1の管理ユニットは、さらに、第2の所定周期で周期的に電池パックの電池パック状態情報を管理装置にアップロードする。所定の期間の時間長さは、充電後の電池パックの減極に必要な時間長さ以上である。充電ユニットが電池パックへの充電を停止した後の所定の期間内に、電池パックに減極現象が存在し、不安定状態にあるため、頻繁な監視を行う必要があり、第1の所定周期で電池パックの電池状態情報を監視することにより、電池パックの異常をタイムリーに発見することを保証する。所定の期間が終了した後、電池パックの減極現象が終了し、安定状態にあり、頻繁に監視する必要がなく、第2の所定周期で電池パックの電池状態情報を監視することができる。
【0088】
管理装置は、第1の管理ユニットにより第2の管理ユニットが取得した電池パックの電池状態情報を取得し、充電終了後の電池パックの監視を実現し、電池交換ステーションの安全性及び信頼性を向上させる。第1の所定周期及び第2の所定周期を設定することにより、電池パックが安定しない場合に電池状態情報を頻繁に取得し、電池交換ステーションの安全性を保証し、電池パックが安定する場合に電池状態情報を頻繁に取得せず、資源を節約し、且つ大量の冗長データの取得を避けることができるので、電池交換ステーションの安全性とデータ冗長との間のバランスを達成する。
【0089】
いくつかの実施例において、電池交換キャビネットにおける充電が終了した後の電池パックの状態は時間の経過に伴って変化し、電池パックへ再び充電する必要がある場合、管理装置は第1の管理ユニットにより再び充電の要求を開始することができる。
図5は、本願の提供する電池交換ステーションの充電管理方法の別の実施例のフローチャートである。
図5と
図4との相違点は、
図5に示す電池交換ステーションの充電管理方法がさらにステップS211及びステップS212を含んでもよいことである。
【0090】
ステップS211において、第1の管理ユニットは、管理装置が電池状態情報に基づいて送信した充電指令を受信した場合、第2の管理ユニットに充電指令を転送する。
【0091】
電池パックの充電が終了した後、第2の管理ユニットは依然として電池パックに対する監視を保持し、かつ取得された電池パックの電池状態情報を第1の管理ユニットに送信し、第1の管理ユニットは受信された電池状態情報を管理装置にアップロードする。管理装置は電池状態情報及び管理装置に記憶された充電条件に基づいて、該電池パックを充電する必要があるか否かを特定することができる。電池状態情報が充電条件を満たす場合、管理装置は第1の管理ユニットに充電指令を送信し、第1の管理ユニットは該充電指令を第2の管理ユニットに転送する。
【0092】
ステップS212において、第1の管理ユニットは、第2の管理ユニットからフィードバックされた充電パラメータ情報を充電ユニットに送信し、充電ユニットは、充電パラメータ情報に基づいて電池パックを充電する。
【0093】
充電ユニットは、第1の管理ユニットから送信された充電指令を受信し、第1の管理ユニットに充電パラメータ情報をフィードバックする。第1の管理ユニットは、この充電パラメータ情報を充電ユニットに送信する。充電ユニットは、該充電パラメータ情報を受信し、充電パラメータ情報に基づいて該電池パックを充電してもよい。
【0094】
充電パラメータ情報、充電条件等の具体的な内容は、上記実施例における関連説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0095】
充電が終了した後、電池交換キャビネット内の電池パックの状態は時間の経過に伴って変化し、電気量の損失がある。充電が終了した後に、電池パックを充電する必要があることが監視されれば、再び電池パックを充電する。これにより、電池交換キャビネット内の電池を使用して車両と電池交換を行う必要がある時に電池交換キャビネット内の電池の電気量が不足する状況を避けて、電池交換ステーションの電池交換の信頼性を向上させることができる。
【0096】
いくつかの実施例において、第1の管理ユニットは、さらに電池パックの異常情報を管理装置にタイムリーにアップロードすることができるので、管理装置が異常対策をタイムリーに取り、電池交換ステーションの安全を保証することができる。
図6は、本願の提供する電池交換ステーションの充電管理方法のさらに他の実施例のフローチャートである。
図6と
図2との相違点は、
図6に示す電池交換ステーションの充電管理方法がさらにステップS213を含んでもよいことである。
【0097】
ステップS213において、第1の管理ユニットは、第2の管理ユニットから送信された電池パックの異常情報を受信した場合、電池パックの異常情報を管理装置にアップロードし、管理装置は、電池パックの異常情報により指示された電池パックを処理するように電池交換ステーションにおける異常処理装置を制御する。
【0098】
電池パック異常情報は、第2管理ユニットが電池パックに異常が発生したことを検出したことをトリガとして生成される。第2の管理ユニットは、電池パックをリアルタイムに監視し、電池パックに異常が発生した場合、電池パックの異常情報を対応して生成しかつ第1の管理ユニットに送信する。電池パック異常情報は、電池パックに異常が発生したことを示すための情報である。異なる異常状況は、異なる電池パック異常情報に対応することができ、ここで限定されない。
【0099】
第1の管理ユニットは、電池パックの異常情報を受信して、電池パックの異常情報を管理装置にアップロードする。管理装置は、電池パックの異常情報に基づいて、電池交換ステーションの異常処理装置に制御指令を送信し、異常処理装置を制御して電池交換キャビネット内の異常が発生した電池パックを処理することができる。
【0100】
いくつかの例において、管理装置は、電池パックの異常状態情報を受信し、異常処理装置を制御して電池交換キャビネット内の異常が発生した電池パックを電池交換キャビネットから取り出して廃棄することができる。
【0101】
他の実施例において、電池交換ステーションは異常監視領域を設定することができる。管理装置は電池パック状態情報に基づいて電池交換キャビネット内に異常が発生した電池パックを特定し、電池交換ステーションの異常処理装置を制御して該電池パックを電池交換キャビネットから取り出し、かつ異常監視領域に移行する。この時、電池パックの第2の管理ユニットと第1の管理ユニットは、依然として無線通信接続を保持し、第1の管理ユニットは第2の管理ユニットから該電池パックの電池状態情報を取得し続け、かつ取得された該電池パックの電池状態情報を管理装置にアップロードすることができる。管理装置は電池パック状態情報に基づいて異常監視領域に位置する電池パックが予め設定された監視時間内で正常に回復したことを特定し、該電池パックを保留することができ、例えば異常処理装置を制御して該電池パックを異常監視領域から電池交換キャビネットに移転する。管理装置は、電池パック状態情報に基づいて異常監視領域に位置する電池パックが予め設定された監視時間内で継続的に異常であることを特定した場合、該電池パックを廃棄するように異常処理装置を制御することができる。
【0102】
ステップS213は、ステップS209及び/又はステップS210の後に実行されてもよく、ここでステップS213と他のステップの前後順序を限定しない。
【0103】
第1の管理ユニットにより電池交換ステーションの管理装置へ第2の管理ユニットから取得された電池パックの異常情報を送信することにより、管理装置が安全対策をタイムリーに取り、電池交換ステーションの安全性及び信頼性を保証することができる。異常監視領域で異常が発生した電池パックを観察することにより、安全な電池パックを保留することができ、電池パックを大量に廃棄することを避けて、電池パックの資源利用率を向上させる。
【0104】
本願の第2の態様は、電池交換キャビネットを提供する。
図7は、本願の提供する電池交換キャビネットの一実施例の構造概略図である。
図7に示すように、該電池交換キャビネット300は第1の管理ユニット301及び充電ユニット302を含むことができる。
【0105】
第1の管理ユニット301は、無線通信機能を有し、電池パックが電池交換キャビネットに入った場合、電池交換ステーションにおける管理装置から送信された、電池パックの第2の管理ユニットのネットワークアドレスを含む無線通信接続指令を受信することと、第2の管理ユニットのネットワークアドレスに基づいて、第2の管理ユニットに無線通信接続を開始することと、第2の管理ユニットから取得された電池パックの電池状態情報を管理装置にアップロードすることと、管理装置が電池状態情報に基づいて送信した充電指令を受信した場合、第2の管理ユニット及び充電ユニット302との対話により、充電ユニット302が電池パックを充電するように制御することに用いられる。
【0106】
充電ユニット302は、第1の管理ユニットにより第2の管理ユニットと対話し、電池パックを充電するために用いられる。
【0107】
本願の実施例において、電池パックが電池交換キャビネットに入った場合、電池交換キャビネットの第1の管理ユニットは、管理装置から送信された電池パックの第2の管理ユニットのネットワークアドレスを利用して、第2の管理ユニットと無線通信接続を確立することができる。第1の管理ユニットと管理装置との通信、及び第1の管理ユニットと第2の管理ユニットとの通信により、管理装置は電池パックの電池状態情報を取得することができる。第1の管理ユニットと第2の管理ユニットとの通信、及び第1の管理ユニットと充電ユニットとの通信により、充電ユニットと第2の管理ユニットとの対話を実現することにより、充電ユニットは第2の管理ユニットに対応する電池パックを充電することができる。電池交換ステーションにおける電池パックの充電管理過程は、人工の動作を要らず、充電管理過程を自動的に行い、充電管理の効率を向上させる。
【0108】
また、本願の実施例における電池交換ステーションの電池交換キャビネットの第1の管理ユニットと電池交換キャビネットにおける電池パックの第2の管理ユニットは無線通信で接続され、電池交換キャビネットが電池パックの第2の管理ユニットと有線で接続する必要がある技術案に比べて、本願の実施例は電池交換キャビネット内の配線構造を簡略化することができる。
【0109】
いくつかの実施例において、電池状態情報は、第2の管理ユニットにより第1の管理ユニット301へ周期的にアップロードされる。
【0110】
いくつかの実施例において、第1の管理ユニット301は、第2の管理ユニットに充電指令を転送することと、第2の管理ユニットからフィードバックされた充電パラメータ情報を充電ユニットに送信することにより、充電ユニット302が充電パラメータ情報に基づいて電池パックを充電することとに用いられる。
【0111】
充電ユニット302は、第1の管理ユニット301から送信された充電パラメータ情報を受信し、充電パラメータ情報に基づいて電池パックを充電するために用いられる。
【0112】
いくつかの実施例において、第1の管理ユニット302は、さらに、第2の管理ユニット及び充電ユニット302との対話により、充電ユニット302を制御して電池パックを充電した後、第2の管理ユニットにより電池パックの電池状態情報が予め設定された充電カットオフ条件に達したことを監視した場合、第2の管理ユニットからフィードバックされた充電停止情報を充電ユニット302に送信することで、充電ユニット302の電池パックへの充電することを停止するために用いられる。
【0113】
いくつかの実施例において、第1の管理ユニット302は、さらに、第2の管理ユニット及び充電ユニット302との対話により、充電ユニット302を制御して電池パックを充電した後、第2の管理ユニットから取得された電池パックの電池状態情報を管理装置にアップロードすることと、管理装置から送信された充電停止指令を第2の管理ユニットに転送することと、第2の管理ユニットからフィードバックされた充電停止情報を充電ユニット302に送信することで、充電ユニット302の電池パックへの充電を停止することとに用いられる。
【0114】
いくつかの実施例において、第1の管理ユニット302は、さらに、充電ユニットが電池パックへの充電を停止した後、第2の管理ユニットが所定周期で周期的にアップロードした電池パックの電池状態情報を受信することと、所定周期で周期的に電池パックの電池状態情報を管理装置にアップロードすることとに用いられる。
【0115】
いくつかの実施例において、所定周期は、第1の所定周期及び第2の所定周期を含み、第1の所定周期が第2の所定周期より短い。
【0116】
第1の管理ユニット301は、充電ユニット302が電池パックへの充電を停止した後の所定の期間内で、第1の所定周期で周期的に電池パックの電池パック状態情報を管理装置にアップロードすることと、所定の期間が終了した後に、第2の所定周期で周期的に電池パックの電池パック状態情報を管理装置にアップロードすることとに用いられる。
【0117】
いくつかの実施例において、第1の管理ユニット302は、さらに、第1の管理ユニット301が所定周期で周期的に電池パックの電池状態情報を管理装置にアップロードした後、管理装置が電池状態情報に基づいて送信した充電指令を受信した場合、第2の管理ユニットへ充電指令を転送することと、第2の管理ユニットからフィードバックされた充電パラメータ情報を充電ユニット302に送信することで、充電ユニット302が充電パラメータ情報に基づいて電池パックを充電することとに用いられる。
【0118】
いくつかの実施例において、電池状態情報は電池パック異常情報を含む。
【0119】
第1の管理ユニット302は、さらに、第2の管理ユニットから送信された電池パックの異常情報を受信した場合、電池パックの異常情報を管理装置にアップロードすることで、管理装置は電池交換ステーションにおける異常処理装置が電池パックの異常情報により指示された電池パックを処理するように制御するために用いられる。
【0120】
電池パック異常情報は、第2管理ユニットが電池パックに異常が発生したことを検出したことをトリガとして生成される。
【0121】
本願の第3の態様は、電池交換ステーションの充電管理システムを提供する。この電池交換ステーションの充電管理システムは、上記実施例における管理装置と、電池交換キャビネットと、第2の管理ユニットとを備えている。電池交換キャビネットは、上記実施例における第1の管理ユニットと充電ユニットとを備えている。
【0122】
管理装置は、電池交換ステーションに対応して設置され、電池パックが電池交換キャビネットに入った場合、第1の管理ユニットに無線通信接続指令を送信するために用いられる。
【0123】
無線通信接続指令は、第2の管理ユニットのネットワークアドレスを含む。
【0124】
第1の管理ユニットは、無線通信接続指令を受信し、第2の管理ユニットのネットワークアドレスに基づいて、第2の管理ユニットに無線通信接続を開始するために用いられる。
【0125】
第2管理ユニットは、第1管理ユニットに電池パックの電池状態情報を送信するために用いられる。
【0126】
第1の管理ユニットは、さらに電池状態情報を管理装置にアップロードするために用いられる。
【0127】
管理装置は、さらに電池状態情報に基づいて、第1の管理ユニットに充電指令を送信するために用いられる。
【0128】
第1の管理ユニットは、さらに充電指令を受信した場合、第2の管理ユニット及び充電ユニットとの対話により、充電ユニットが電池パックを充電するように制御するために用いられる。
【0129】
充電ユニットは、第1の管理ユニットを介して第2の管理ユニットと対話し、電池パックを充電するために用いられる。
【0130】
管理装置、電池交換キャビネットにおける第1の管理ユニット、電池交換キャビネットにおける充電ユニット及び電池パックの第2の管理ユニット等の具体的な内容は、上記実施例における関連説明を参照することができ、ここで説明を省略する。
【0131】
なお、本明細書における各実施例がいずれも漸進の方式で説明され、各実施例の間の同じ又は類似する部分が互いに参照すればよく、各実施例に対して重点的に説明するのはいずれも他の実施例との相違点である。電池交換キャビネットの実施例、システムの実施例に対して、関連するところは方法の実施例の説明部分を参照することができる。
【0132】
以上は、本願の実施例に係る方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して本願の各態様を説明する。理解されるように、フローチャート及び/又はブロック図における各ブロック、及びフローチャート及び/又はブロック図における各ブロックの組み合わせはコンピュータプログラム指令により実現することができる。これらのコンピュータプログラム指令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサへ提供されて、機器を生成することにより、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサにより実行されたこれらの指令は、フローチャート及び/又はブロック図の一つ又は複数のブロックに指定された機能/動作を実現することができる。このようなプロセッサは、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、特殊アプリケーションプロセッサ又はフィールドプログラマブルロジック回路であってもよいが、それらに限定されない。さらに理解されるように、ブロック図及び/又はフローチャートにおける各ブロック、及びブロック図及び/又はフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、指定された機能又は動作を実行する専用ハードウェアにより実現されてもよく、専用ハードウェア及びコンピュータ指令の組み合わせにより実現されてもよい。
【0133】
既に好ましい実施例を参照して本願を説明したが、本願の範囲から逸脱することなく、様々な改良を行うことができ、かつ等価物でその中の部材を置き換えることができる。特に、構造衝突が存在しない限り、各実施例に言及された各技術的特徴はいずれも任意の方式で組み合わせることができる。本願は本明細書に開示された特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内にある全ての技術案を含む。