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特許7567153非燃焼型シガレットのためのラッパ及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】非燃焼型シガレットのためのラッパ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20241008BHJP
   A24D 1/02 20060101ALI20241008BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20241008BHJP
   D21H 27/00 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D1/02
A24F40/20
D21H27/00 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021532130
(86)(22)【出願日】2021-03-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-26
(86)【国際出願番号】 KR2021003501
(87)【国際公開番号】W WO2021230488
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2021-08-03
(31)【優先権主張番号】10-2020-0056158
(32)【優先日】2020-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、スー ホ
(72)【発明者】
【氏名】アン、キ ジン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ヨン リム
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジョン ヨル
(72)【発明者】
【氏名】パク、チャン ジン
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05322076(US,A)
【文献】特表2019-526251(JP,A)
【文献】特開2018-145585(JP,A)
【文献】国際公開第2019/130445(WO,A1)
【文献】特表2019-525725(JP,A)
【文献】特開2019-187451(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/02- 1/20
D21H 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置で使用される非燃焼型シガレットのためのラッパを製造する方法において、
タバコ物質と、未漂白パルプで構成される第1パルプとを混合することで、板状葉シートを製造する段階と、
前記板状葉シートと第2パルプとを混合することで、コーティングされていないラッパを製造する段階と、
前記コーティングされていないラッパを、ポリビニルアセテート(PVA)、GUM、澱粉の少なくとも1つのコーティング材でコーティングすることで、コーティングされたラッパを製造する段階と、を含む、方法。
【請求項2】
前記板状葉シートを製造する段階は、
前記タバコ物質として、シガー葉パウダ、シガー葉切片、シガー葉、及びタバコ葉のうち、少なくともいずれか1つと前記第1パルプとを混合することで、前記板状葉シートを製造する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ラッパを製造する段階は、
前記板状葉シートと、未漂白パルプ及び漂白パルプのうち、少なくともいずれか1つを含む前記第2パルプと、を混合することで、前記ラッパを製造する段階を含む、請求項1または2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置で使用される非燃焼型シガレットを包装するラッパ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に係わる需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではないエアロゾル生成物質が加熱されることにより、エアロゾルが生成される方法に係わる需要が増加している。
【0003】
燃焼型シガレットに使用されるラッパは、坪量が低く、気孔度が高く、燃焼のために助燃剤及び充填剤を含むので、エアロゾル生成装置で使用される非燃焼型シガレットに適合していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、エアロゾル生成装置で使用される非燃焼型シガレットのためのラッパ及びその製造方法を提供する。
【0005】
技術的課題は、前述したところに限定されず、以下の例からさらに他の技術的課題が類推されうる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施例によるエアロゾル生成装置で使用される非燃焼型シガレットのためのラッパを製造する方法は、タバコ物質と第1パルプとを混合することで、板状葉シートを製造する段階;及び前記板状葉シートと第2パルプとを混合することで、ラッパを製造する段階;を含む。
【発明の効果】
【0007】
タバコ物質がラッパにパターンを形成するので、視覚的に識別力のあるシガレットが提供されうる。
【0008】
未漂白パルプを用いてラッパを製造することで、視覚的に識別力のあるシガレットが提供され、ラッパの高い引張強度が具現されうる。
【0009】
発明の効果は、以上で例示された内容によって制限されず、さらに多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施例によるシガレットを示す図面である。
【0011】
図2】一実施例によるラッパを製造する方法を示すフローチャートである。
【0012】
図3】一実施例による製造方法に製造されたラッパを示す図面である。
【0013】
図4】一実施例による製造方法に製造されたラッパによって包装されたシガレットを図示する図面である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
一実施例によるエアロゾル生成装置で使用される非燃焼型シガレットのためのラッパを製造する方法は、タバコ物質と第1パルプとを混合することで、板状葉シートを製造する段階;及び前記板状葉シートと第2パルプとを混合することで、ラッパを製造する段階;を含む。
【0015】
前記板状葉シートを製造する段階は、前記タバコ物質として、シガー葉パウダ、シガー葉切片、シガー葉、及びタバコ葉のうち、少なくともいずれか1つと第1パルプとを混合することで、前記板状葉シートを製造する段階を含む。
【0016】
前記板状葉シートを製造する段階は、前記タバコ物質と前記第1パルプとして、未漂白パルプ及び漂白パルプのうち、少なくともいずれか1つを混合することで、前記板状葉シートを製造する段階を含む。
【0017】
前記ラッパを製造する段階は、前記板状葉シートと前記第2パルプとして、未漂白パルプ及び漂白パルプのうち、少なくともいずれか1つを混合することで、前記ラッパを製造する段階を含む。
【0018】
前記ラッパを製造する段階は、前記板状葉と第2パルプとを混合することで、コーティングされていないラッパを製造する段階;及び前記コーティングされていないラッパをコーティングすることで、コーティングされたラッパを製造する段階を含む。
【0019】
一実施例によるエアロゾル生成装置で使用される非燃焼型シガレットのためのラッパは、引張強度が3.0kgf/15mm以上であり、シガー葉パウダ、シガー葉切片、シガー葉、及びタバコ葉のうち、少なくともいずれか1つを含む。
【0020】
前記ラッパは、未漂白パルプを含む。
【0021】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当分野に従事する技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分で詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されねばならない。
【0022】
以下、添付された図面を参照して、本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態にも具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0023】
以下では、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0024】
図1は、一実施例によるシガレットを示す図面である。
【0025】
シガレット20000は、エアロゾル生成装置で使用されるための非燃焼型シガレットである。シガレット20000は、タバコロッド21000及びフィルタロッド22000を含む。図1には、フィルタロッド22000が単一セグメントに図示されているが、それに限定されない。すなわち、フィルタロッド22000は、複数のセグメントで構成されてもよい。例えば、フィルタロッド22000は、エアロゾルを冷却する第1セグメント及びエアロゾル内に含まれた所定の成分をフィルタリングする第2セグメントを含んでもよい。また、必要によって、フィルタロッド22000には、他の機能を遂行する少なくとも1つのセグメントをさらに含んでもよい。
【0026】
シガレット20000は、少なくとも1枚のラッパ24000によっても包装される。ラッパ24000には、外部空気が流入されるか、内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成されうる。一例として、シガレット20000は、1枚のラッパ24000によっても包装される。他の例として、シガレット20000は、2以上のラッパ24000によって重畳して包装されてもよい。例えば、第1ラッパによってタバコロッド21000が包装され、第2ラッパによってフィルタロッド22000が包装されうる。そして、個別ラッパによって包装されたタバコロッド21000及びフィルタロッド22000が結合され、第3ラッパによってシガレット20000全体が再包装されうる。もし、タバコロッド21000またはフィルタロッド22000それぞれが複数のセグメントで構成されていれば、それぞれのセグメントが個別ラッパによっても包装される。そして、個別ラッパによって包装されたセグメントが結合されたシガレット20000全体が異なるラッパによって再包装されうる。
【0027】
タバコロッド21000は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、及びオレイルアルコールのうち、少なくとも1つを含むことができるが、それらに限定されない。また、タバコロッド21000は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含んでもよい。また、タバコロッド21000には、メントールまたは保湿剤などの加香液が、タバコロッド21000に噴射されることで添加することができる。
【0028】
タバコロッド21000は、多様に作製されうる。例えば、タバコロッド21000は、シート(sheet)状にも作製され、ストランド(strand)状にも作製される。また、タバコロッド21000は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによっても作製される。また、タバコロッド21000は、熱伝導物質によっても取り囲まれる。例えば、熱伝導物質は、アルミ箔のような金属ホイルでもあるが、それに限定されない。一例として、タバコロッド21000を取り囲む熱伝導物質は、タバコロッド21000に伝達される熱を均一に分散させ、タバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させ、これにより、タバコ味を向上させうる。また、タバコロッド21000を取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしての機能が行える。この際、図面に図示されていないが、タバコロッド21000は、外部を取り囲む熱伝導物質以外にも追加のサセプタをさらに含みうる。
【0029】
フィルタロッド22000は、酢酸セルロースフィルタでもある。一方、フィルタロッド22000の形状には、制限がない。例えば、フィルタロッド22000は、円柱状ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ状ロッドでもある。また、フィルタロッド22000は、リセス状ロッドでもある。もし、フィルタロッド22000が複数のセグメントで構成された場合、複数のセグメントのうち、少なくとも1つが異なる形状にも作製される。
【0030】
フィルタロッド22000は、香味が発生するように作製されてもよい。一例として、フィルタロッド22000に加香液が噴射されてもよく、加香液が塗布された別途の繊維がフィルタロッド22000の内部に挿入されてもよい。
【0031】
また、フィルタロッド22000には、少なくとも1つのカプセル23000が含まれる。ここで、カプセル23000は、香味を発生させる機能を行い、エアロゾルを発生させる機能を行ってもよい。例えば、カプセル23000は、香料を含む液体を被膜で覆い包んだ構造でもある。カプセル23000は、球状または円筒状を有することができるが、その限りではない。
【0032】
もし、フィルタロッド22000にエアロゾルを冷却するセグメントが含まれる場合、冷却セグメントは、高分子物質または生分解性高分子物質によっても製造される。例えば、冷却セグメントは、純粋なポリ乳酸(polylactic acid)だけで作製されるが、それに限定されない。または、冷却セグメントは、複数の穿孔が形成されたセルロースアセテートフィルタによって作製される。しかし、冷却セグメントは、上述した例に限定されず、エアロゾルが冷却される機能を行うことができれば、制限なしに該当する。
【0033】
一方、図1には、図示されていないが、一実施例によるシガレット20000は、前端フィルタをさらに含んでもよい。前端フィルタは、タバコロッド21000において、フィルタロッド22000に対向する一側に位置する。前端フィルタは、タバコロッド21000の外部への離脱を防止し、喫煙中にタバコロッド21000から液状化されたエアロゾルがエアロゾル発生装置に流れて行くことを防止することができる。
【0034】
図2は、一実施例によるラッパを製造する方法を示すフローチャートである。
【0035】
図2は、エアロゾル生成装置で使用される非燃焼型シガレットを包装するためのラッパの製造方法を示す。
【0036】
一実施例において、ラッパは、シガレットの最終外皮として使用されるためのラッパである。それと異なって、ラッパは、シガレットの内皮として使用されるためのラッパでもある。
【0037】
21段階において、タバコ物質と第1パルプとを混合することで、板状葉シートを製造する。
【0038】
一実施例において、板状葉シートは、タバコ物質と第1パルプとを混合することで、製造されうる。一実施例において、板状葉シートを製造するには、抄紙工程が使用されうる。例えば、板状葉シートを製造するには、長網を使用する抄紙工程が使用されうる。また、板状葉シートを製造するには、丸網式抄紙工程も使用されうる。
【0039】
タバコ物質は、シガー葉パウダ、シガー葉切片、シガー葉、及びタバコ葉のうち、少なくともいずれか1つを含む。
【0040】
一実施例において、タバコ物質は、シガー葉パウダを含む。シガー葉は、シガレットを製造するために使用されるタバコ葉である。タバコ葉は、黄色種、バーレー種、在来種、葉巻種、またはオリエント種などでもあるが、それらに制限されない。他の実施例において、タバコ物質は、シガー葉切片またはシガー葉パウダを含んでもよい。シガー葉切片及びシガー葉パウダは、シガー葉を切るか、粉砕することで獲得されうる。または、シガー葉切片及びシガー葉パウダは、タバコ葉の加工時に発生する副産物から獲得されうる。
【0041】
第1パルプは、未漂白パルプ(Unbleached Kraft Pulp, UKP)及び漂白パルプ(Bleached Kraft Pulp, BKP)のうち、少なくともいずれか1つを含む。
【0042】
一実施例において、第1パルプは、未漂白パルプを含む。未漂白パルプを利用することで、最終的に生産されるラッパの引張強度が向上しうる。また、未漂白パルプによって最終的に生産されるラッパに色が加えられることで、視覚的に識別力のあるシガレットが提供されうる。他の実施例において第1パルプは、漂白パルプを含んでもよい。
【0043】
タバコ物質と第1パルプとが混合された後、乾燥されることで、板状葉シートが製造されうる。タバコ物質と第1パルプとの重量比は、最終的に生産されるラッパの色相、パターン、引張強度などを考慮して設定されうる。例えば、板状葉シートは、シガー葉パウダ及び未漂白パルプが90:10の重量比で配合されることで製造されうる。他の例を挙げれば、板状葉シートは、シガー葉パウダ及び未漂白パルプが10:90の重量比で配合されることで製造されうる。
【0044】
表1は、シガー葉パウダの品質分析結果を示し、表2は、板状葉シートの品質分析結果を示し、表3は、表1の成分対比表2の成分の減少率を示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
表1から表3を参照すれば、シガー葉パウダの場合、熱水抽出物(Hot Water Soluble, HWS)が平均39.6重量%及びニコチンが平均0.97重量%に達する。したがって、シガー葉パウダをラッパの製造工程に直接利用する場合、生物学的廃水処理が実質的に不可能である。この際、生物学的廃水処理は、廃水中に含まれている各種有機物を培養器を用いて溶存酸素の存在下で微生物の混合集団を連続して培養し、有機物を凝集、吸着、酸化、分解、沈澱などの作用によって除去する作業を意味する。生物学的廃水処理には、細菌類、原生動物、後生動物などの異種固体群の微生物による混合集団からなる培養体である活性汚泥が用いられうる。一方、板状葉シートの場合、熱水抽出物が平均8.72重量%及びニコチンが平均0.06重量%である。板状葉シートを製造すれば、シガー葉パウダ対比で熱水抽出物が78.0%減少し、ニコチンが94.0%減少する。したがって、本実施例の製造方法によって板状葉シートを製造した後、ラッパを製造すれば、ラッパの製造工程で汚染物質の生物学的廃水処理が可能である。22段階において、板状葉シートと第2パルプとを混合することで、ラッパを製造する。
【0049】
一実施例において、ラッパを製造するには、抄紙工程が使用されうる。
【0050】
第2パルプは、漂白パルプ及び未漂白パルプのうち、少なくともいずれか1つを含んでもよい。
【0051】
例えば、板状葉シートと漂白パルプとを混合することで、ラッパが製造されうる。板状葉シートがタバコ物質と未漂白パルプを90:10の重量比で含み、板状葉シートと漂白パルプが25:75の比率で配合される場合、タバコ物質を22.5%、未漂白パルプを2.5%、及び漂白パルプを75%含むラッパが製造されうる。
【0052】
図3は、一実施例による製造方法に製造されたラッパを示す。
【0053】
図3に図示されたラッパは、板状葉シートと第2パルプとを互いに異なる比率で配合することで製造されたラッパである。具体的に、ラッパ1は、板状葉シートと漂白パルプとを0:100の比率で配合することで製造され、ラッパ2は、板状葉シートと漂白パルプとを20:80の比率で配合することで製造され、ラッパ3は、板状葉シートと漂白パルプとを30:70の比率で配合することで製造され、ラッパ4は、板状葉シートと未漂白パルプとを0:100の比率で配合することで製造され、ラッパ5は、板状葉シートと未漂白パルプとを20:80の比率で配合することで製造され、ラッパ6は、板状葉シートと未漂白パルプとを30:70の比率で配合することで製造された。
【0054】
ラッパ4-6は、未漂白パルプによってラッパ1-3と色相が異なる。ラッパ1-3は、板状葉シートの配合比率によって互いにパターンが異なる。また、ラッパ4-6は、板状葉シートの配合比率によって互いにパターンが異なる。
【0055】
図3から板状葉シートと第2パルプの配合比率によって多様な色相及びパターンを有するラッパが製造可能であるということが分かる。第2パルプとして未漂白パルプを使用する場合、茶色を帯びるラッパが製造され、板状葉シートの比率が高いほど、板状葉シートによるパターンが緻密になる。したがって、タバコ物質と第2パルプの重量比は、最終的に生産されるラッパの色相、パターンなどを考慮して設定されうる。
【0056】
表4は、図3のラッパの物性を示す表である。
【0057】
【表4】
【0058】
表4から板状葉シートと第2パルプの配合比率を調整することで、ラッパの物性を調整可能であることが分かる。したがって、タバコ物質と第2パルプの重量比は、最終的に生産されるラッパの物性を考慮して設定されうる。
【0059】
図4は、一実施例による製造方法に製造されたラッパによって包装されたシガレットを図示する。図4には、パターンを有するラッパによって包装されたシガレットが図示されている。本実施例による製造方法に製造されたラッパでシガレットを包装することで、エアロゾル生成装置で使用される既存のシガレットに対して視覚的に識別力のあるシガレットを提供可能である。
【0060】
表5は、一実施例によるラッパの物性を示す。
【0061】
【表5】
【0062】
表5は、タバコ物質と未漂白パルプとを90:10の重量比で含む板状葉シートと漂白パルプが25:75の重量比で混合することで生成されたコーティングされていないラッパと、コーティングされていないラッパに2重量%のPVA(polyvinyl acetate)をコーティングしたコーティングされたラッパの物性差を示す。表5を参照すれば、コーティングされていないラッパの引張強度は、MD(Machine Direction)で3.45kgf/15mmであり、CD(Cross Direction)で1.92kgf/15mmである。コーティングされたラッパの引張強度は、MDで4.11kgf/15mmであり、CDで2.17kgf/15mmである。これにより、3.0kgf/15mm以上の引張強度を有するラッパが製造可能であるということが分かる。ラッパの引張強度が3.0kgf/15mm以上であるので、ラッパの製造作業中にラッパの切れる問題が防止される。したがって、コーティングされたラッパ及びコーティングされていないラッパを製造する工程にスプライシング(ラッパの自動交換時の連結工程)が用いられうる。さらに、コーティングされたラッパの場合、引張強度が4.0kgf/15mm以上であるので、スプライシングが円滑に行われる。表5では、コーティング材として、PVAが使用されたが、他の実施例においてGUM、澱粉のような他のコーティング材が用いられうる。また、表5では、コーティング材として、PVA 2重量%が使用されたが、他の実施例において、PVAの重量は、異なってもいる。
【0063】
表6は、サンプルから獲得した熱分解分析結果を示す。
【0064】
【表6】
【0065】
サンプルは、タバコ物質と未漂白パルプを90:10の重量比で含む板状葉シートと漂白パルプが25:75の重量比で混合することで生成されたコーティングされていないラッパと、コーティングされていないラッパにPVA2重量%をコーティングしたコーティングされたラッパ、及びPVAを含む。表6を参照すれば、全体サンプルから検出された成分がないので、PVAでコーティングされたラッパによって包装されたシガレットをエアロゾル生成装置で使用することが安全であることが分かる。表7は、サンプルから獲得した煙成分の分析結果を示す。
【0066】
【表7】
【0067】
サンプルは、従来の方式で製造された既存ラッパによって包装されたシガレット、タバコ物質と未漂白パルプを90:10の重量比で含む板状葉シートと漂白パルプが25:75の重量比で混合することで生成されたコーティングされていないラッパによって包装されたシガレット、及びコーティングされていないラッパにPVA2重量%をコーティングしたコーティングされたラッパによって包装されたシガレットを含む。表7を参照すれば、コーティングされていないラッパによって包装されたシガレット及びコーティングされたラッパによって包装されたシガレットの煙成分は、既存ラッパによって包装されたシガレットの煙成分と類似している。したがって、本実施例による製造方法に製造されたラッパによって包装されたシガレットから、既存ラッパによって包装されたシガレット対比で対等なレベルの煙成分を獲得可能であることが分かる。表8は、サンプルに対する官能評価の結果を示す。
【0068】
【表8】
【0069】
サンプルは、従来の方式で製造された既存ラッパによって包装されたシガレット、タバコ物質と未漂白パルプを90:10の重量比で含む板状葉シートと漂白パルプが25:75の重量比で混合することで生成されたコーティングされていないラッパによって包装されたシガレット、及びコーティングされていないラッパにPVA 2重量%をコーティングしたコーティングされたラッパによって包装されたシガレットを含む。20人の一般ユーザを対象にして、9種の項目に対してそれぞれ7点満点を基準に官能評価が行われた。9種の項目は、霧化量、霧化量持続性、吸込性、主流煙熱感、シガレット表面熱感、喫味強度、刺激性、異臭味、及び全体としてのタバコ味を含む。表8を参照すれば、コーティングされていないラッパによって包装されたシガレット及びコーティングされたラッパによって包装されたシガレットは、既存ラッパによって包装されたシガレット対比で対等であるか、優秀な評価点数を有する。特に、霧化量持続性及び全体としてのタバコ味項目では、コーティングされていないラッパによって包装されたシガレット及びコーティングされたラッパによって包装されたシガレットが既存ラッパによって包装されたシガレット対比で優秀な評価点数を有する。したがって、本実施例による製造方法に製造されたラッパによって包装されたシガレットが既存ラッパによって包装されたシガレット対比で対等であるか、優秀なレベルの品質を有することが分かる
【0070】
本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者は、前記記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態として具現可能であるということが理解できるであろう。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本発明に含まれるものと解釈されねばならない。
図1
図2
図3
図4