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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】投影ディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/00 20060101AFI20241008BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20241008BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20241008BHJP
   F21V 9/20 20180101ALI20241008BHJP
   F21V 9/14 20060101ALI20241008BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20241008BHJP
   F21V 29/56 20150101ALI20241008BHJP
   F21V 29/67 20150101ALI20241008BHJP
   F21V 29/508 20150101ALI20241008BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20241008BHJP
   G03B 21/16 20060101ALI20241008BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20241008BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20241008BHJP
   F21Y 113/13 20160101ALN20241008BHJP
【FI】
G03B21/00 E
F21S2/00 340
F21V7/00 570
F21V9/20
F21V9/14
F21S2/00 330
F21S2/00 377
F21V29/503
F21V29/56
F21V29/67
F21V29/508
F21S2/00 375
G03B21/14 A
G03B21/14 Z
G03B21/16
H04N5/74 A
F21Y115:30
F21Y113:13
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022565981
(86)(22)【出願日】2021-03-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-02
(86)【国際出願番号】 CN2021082502
(87)【国際公開番号】W WO2021218499
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2022-12-07
(31)【優先権主張番号】202010368408.X
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,レェバオ
(72)【発明者】
【氏名】シエ,ジツォン
(72)【発明者】
【氏名】ティエン,ボ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ジン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,フェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ジンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】シエ,ジェンリン
【審査官】西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/175051(WO,A1)
【文献】特開2003-149416(JP,A)
【文献】国際公開第2011/161931(WO,A1)
【文献】特開2003-098476(JP,A)
【文献】特開2009-031430(JP,A)
【文献】米国特許第07556382(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0176054(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0213333(US,A1)
【文献】国際公開第2012/086011(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00-9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 1/00-99/00
F21Y 115/30
F21Y 113/13
G02B 5/00-5/136
G02B 5/20-5/30
G02B 27/00-30/60
G03B 21/00-21/10
G03B 21/12-21/13
G03B 21/134-21/30
G03B 33/00-33/16
H04N 5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影ディスプレイ装置であって、当該投影ディスプレイ装置は、光学機械モジュールを備え、該光学機械モジュールは、
直線偏光された光を放射するよう構成される光源を備える、発光モジュールと、
変調構成要素を備える変調モジュールと、を備え、前記変調構成要素は、光結合プリズム及びLCOS変調器を備え、前記LCOS変調器は、変調された光及び変調されていない光を生成するよう構成され、
前記光結合プリズムは、4つの矩形プリズムを備え、前記光結合プリズムは、前記4つの矩形プリズムによって形成される4つの側面と4つの交差面を有し、
前記LCOS変調器は、第1LCOS変調器、第2LCOS変調器及び第3LCOS変調器を備え、前記第1LCOS変調器、前記第2LCOS変調器及び前記第3LCOS変調器は、それぞれ、3つの異なる側面の発光側に配置され、
前記光源は白色光を形成するよう構成され、前記白色光は、前記4つの側面のうちの1つの側面から前記光結合プリズムに入射し、前記4つの交差面のうちの第1の2つは、前記光結合プリズムにおいて前記光源から放射される前記白色光を分裂させるよう構成され、前記4つの交差面のうちの別の2つは、前記光結合プリズムにおいて前記分裂された光を結合するよう構成され、
前記光源は、赤色光を放射するよう構成される赤色レーザ光源と、緑色光を放射するよう構成される緑色レーザ光源と、青色光を放射するよう構成される青色レーザ光源とを備え、
前記発光モジュールは、均一な光プリズムと、赤色光、緑色光及び青色光のビームを結合するよう構成されるビーム結合構成要素とを更に備え、前記均一な光プリズムは、前記緑色レーザ光源の発光側に、前記緑色レーザ光源と、前記緑色レーザ光源に対応する前記ビーム結合構成要素との間に配置され、レーザ投影中にスペックルを弱めるよう構成される、
投影ディスプレイ装置。
【請求項2】
記赤色光、前記緑色光及び前記青色光のうちの単色光の1つのビームが第1直線偏光状態にあり、前記単色光の他の2つのビームが第2直線偏光状態にあり、前記第1直線偏光状態及び前記第2直線偏光状態は異なり、前記光源は、前記第1直線偏光状態の単色光の1つのビームと、前記第2直線偏光状態の単色光の2つのビームとを使用して前記白色光を形成する、
請求項1に記載の投影ディスプレイ装置。
【請求項3】
前記第1の2つの交差面は、偏光ビーム分裂面であり、前記別の2つの交差面は、ダイクロイック面であり、前記偏光ビーム分裂面と前記ダイクロイック面は、交互に配置される、
請求項2に記載の投影ディスプレイ装置。
【請求項4】
異なる直線偏光状態を有する単色光の2つのビームを分裂させることができる偏光ビーム分裂面上に配置される金属ワイヤグリッドを更に備える、
請求項3に記載の投影ディスプレイ装置。
【請求項5】
2つの偏光ビーム分裂面上に配置される金属ワイヤグリッドを更に備える、
請求項3に記載の投影ディスプレイ装置。
【請求項6】
前記均一な光プリズムは、前記緑色レーザ光源及び前記赤色レーザ光源の各々の光出力側に配置される、
請求項に記載の投影ディスプレイ装置。
【請求項7】
前記均一な光プリズムは、順番に配置される複数の平行四辺形プリズムを備え、半透明及び半反射膜が、各平行四辺形プリズムのベベルエッジに配置され、
前記平行四辺形プリズムの水平側の長さは、前記平行四辺形プリズムに入射する入射光のコヒーレンス長より大きい、
請求項に記載の投影ディスプレイ装置。
【請求項8】
前記平行四辺形プリズムの水平エッジに沿って対称に配置される均一な光プリズムの2つの列を更に備える、
請求項に記載の投影ディスプレイ装置。
【請求項9】
前記発光モジュールは、前記光源の光路に沿って順次配置される、前記ビーム結合構成要素の後に続く第1フォーカスレンズ、拡散ホイール、コリメートレンズを更に備える、
請求項に記載の投影ディスプレイ装置。
【請求項10】
前記変調モジュールは、均一な光構成要素を更に備え、前記均一な光構成要素は、連続的に、光路に沿って複眼レンズアレイ及びフォーカスレンズを備え、前記複眼レンズアレイは、前記コリメートレンズの発光側に配置され、前記変調構成要素は、前記フォーカスレンズの発光側に配置される、
請求項に記載の投影ディスプレイ装置。
【請求項11】
当該投影ディスプレイ装置は、冷却モジュール及び制御モジュールを更に備え、前記冷却モジュールは、前記光学機械モジュール及び前記制御モジュールを冷却するよう構成され、前記制御モジュールは、前記光学機械モジュール及び前記冷却モジュールを動作させるように制御するよう構成される、
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の投影ディスプレイ装置。
【請求項12】
前記冷却モジュールは、空冷モジュール及び液冷モジュールを備え、前記空冷モジュールは、前記発光モジュール及び前記変調モジュールと対向し、前記液冷モジュールは、放熱パッチを備え、前記放熱パッチは、前記光源の外側に取り付けられる、
請求項11に記載の投影ディスプレイ装置。
【請求項13】
当該投影ディスプレイ装置は、ハウジングを更に備え、前記光学機械モジュール、前記冷却モジュール及び前記制御モジュールは、前記ハウジング内に収容される、
請求項11に記載の投影ディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、投影ディスプレイ技術の分野に関し、特に、投影ディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の投影ディスプレイ装置は、一般に、互いに連続的に接続される発光モジュール、変調モジュール及びレンズモジュールを含む。発光モジュールによって放射された光が変調モジュールによって変調された後、光は、レンズモジュールによって、画像を表示するために特定の位置(例えば画面)に投影される。
【0003】
しかしながら、関連技術においては、Lコス又は反射型液晶ライトバルブ(liquid crystal on silicon、LCOS)変調器に基づく変調モジュールは、一般に、複数の偏光ビームスプリッタ(polarizing beam splitter、PBS)及び1つの光結合プリズム(light-combining prism)(Xプリズムとも呼ばれる)を使用してビームを結合し、したがって、比較的大量の構成部品を必要とし、比較的複雑な構造を有する。
【0004】
したがって、現在、前述の問題を解決するために投影ディスプレイ装置が緊急に必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願は、関連技術における変調モジュールが比較的大量の構成部品と比較的複雑な構造を有するという問題を解決するために、投影ディスプレイ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願の実施形態は投影ディスプレイ装置を提供する。投影ディスプレイ装置は光学機械モジュールを含む。光学機械モジュールは発光モジュールと変調モジュールを含む。発光モジュールは、直線偏光された光を放射するよう構成される光源を含む。変調モジュールは変調構成要素を含む。変調構成要素は、光結合プリズム(light-combining prism)とLCOS変調器を含む。LCOS変調器は、変調された光及び変調されていない光を生成するよう構成される。光結合プリズムは、4つの矩形プリズムを含む。光結合プリズムは、4つの矩形プリズムによって形成される4つの側面(sides)と4つの交差面(intersection planes)を有する。LCOS変調器は、第1LCOS変調器、第2LCOS変調器及び第3LCOS変調器を含む。第1LCOS変調器、第2LCOS変調器及び第3LCOS変調器は、それぞれ、3つの異なる側面の発光側(light emitting sides)に配置される。4つの交差面のうちの少なくとも2つは、光結合プリズムにおいて光源から放射される光を分裂させるよう構成される、4つの交差面のうちの少なくとも2つは、光結合プリズムにおいて光源から放射される光を結合するよう構成される。
【0007】
光が光結合プリズムに入射した後、ビーム分裂(beam splitting)が、4つの交差面内の2つの交差面を使用することによって実装される、すなわち、光は赤色光、緑色光及び青色光に分解される。分解後に得られる単色光は、LCOS変調器の反対に配置される側面を通過した後、変調のために各LCOS変調器に入り、変調された単色光は、次いで、各LCOS変調器の反対に配置される側面を通過した後、光結合プリズムに入って光を結合し、結合された光が、側面のうちの1つから放射される。本出願の変調モジュールにおける光結合構成要素は、光結合プリズム及びLCOS変調器のみを含む、すなわち、複数の偏光ビームスプリッタは省略される。このようにして、光結合構成要素の構成部品を減らすことができ、構造は簡単であり、そのため、投影ディスプレイ装置の製造コスト及び形成サイズを低減することができる。
【0008】
可能な設計では、光源は、赤色光を放射するよう構成される赤色レーザ光源と、緑色光を放射するよう構成される緑色レーザ光源と、青色光を放射するよう構成される青色レーザ光源とを含む。赤色光、緑色光及び青色光のうちの単色光の1つのビームが第1直線偏光状態にあり、単色光の他の2つのビームが第2直線偏光状態にあり、第1直線偏光状態及び第2直線偏光状態は異なる。第1直線偏光状態を有する単色光の1つのビームと、第2直線偏光状態を有する単色光の2つのビームとを使用して白色光を形成し、そのため、白色光は、第1高透明表面(high transparent surface)又は第2高透明表面から光結合プリズムに入射することができ、光結合プリズムから第3高透明表面又は第4高透明表面を通って放射されることができる。
【0009】
可能な設計では、2つの交差面は、偏光ビーム分裂面であり、他の2つの交差面は、ダイクロイック面であり、偏光ビーム分裂面とダイクロイック面は、交互に配置される。このようにして、白色光の分裂と結合を実装することができる。
【0010】
可能な設計では、金属ワイヤグリッドが、異なる直線偏光状態を有する単色光の2つのビームを分裂させることができる偏光ビーム分裂面上に配置される。このようにして、青色光と緑色光のビーム分裂効果(すなわち、P状態の光を透過させ、S状態の光を反射させる)はより良好であるか又はビーム分裂角度が大きい。
【0011】
可能な設計では、金属ワイヤグリッドは、2つの偏光ビーム分裂面上に配置される。このようにして、赤色光の偏光ビーム分裂効果はより良好であり得る。
【0012】
可能な設計では、発光モジュールは、均一な光プリズム(uniform light prism)を更に含み、均一な光プリズムは、緑色レーザ光源の発光側に配置され、均一な光プリズムは、レーザ投影中にスペックルを弱めるよう構成される。均一な光プリズムを配置することによって、レーザ投影中のスペックルを弱めることができる。
【0013】
可能な設計では、均一な光プリズムは、緑色レーザ光源及び赤色レーザ光源の各々の光出力側に配置される。このようにして、投影効果に影響を及ぼすことなく、投影ディスプレイ装置のコスト及びサイズを更に低減することができる。
【0014】
可能な設計では、均一な光プリズムは、順番に配置される複数の平行四辺形プリズムを含み、半透明及び半反射膜が、各平行四辺形プリズムのベベルエッジ(bevel edges)に配置される。
【0015】
平行四辺形プリズムの水平エッジの長さは、平行四辺形プリズムに入射する入射光のコヒーレンス長より大きい。異なる経路から放射される光の光路差は、平行四辺形プリズムの水平エッジの長さに等しい。したがって、平行四辺形プリズムの水平エッジの長さが、平行四辺形プリズムに入射する入射光のコヒーレンス長よりも大きいとき、レーザのコヒーレンスを低減することができ、レーザ投影中のスペックルを弱めることができる。
【0016】
可能な設計では、均一な光プリズムの2つの列が存在し、均一な光プリズムの2つの列は、平行四辺形プリズムの水平エッジに沿って対称に配置される。このようにして、放射光の光強度をより均一にすることができ、そのため、スペックルのコントラスト比が小さくなり、レーザ投影中のスペックルを更に弱めることができる。
【0017】
可能な設計では、発光モジュールは、光源の光路に沿って連続的に配置されるビーム結合構成要素、第1フォーカスレンズ(focusing lens)、拡散ホイール及びコリメートレンズ(collimating lens)を更に含む。ビーム結合構成要素は、赤色光、緑色光及び青色光のビームを結合するよう構成され、均一な光プリズムは、緑色レーザ光源と、該緑色レーザ光源に対応するビーム結合構成要素との間に配置される。このようにして、発光モジュールから放射される光は、より均一であることができ、スペックルは、より少ない影響を有する。
【0018】
可能な設計では、変調モジュールは、均一な光構成要素を更に含む。均一な光構成要素は、連続的に、光路に沿って複眼レンズアレイ及びフォーカスレンズを含む。複眼レンズアレイは、コリメートレンズの発光側に配置され、変調構成要素は、フォーカスレンズの発光側に配置される。このようにして、LCOS変調器で生成される均一な照明を実装することができ、局所的な調光機能を実装することができる。
【0019】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は単なる例であり、本出願を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本出願の一実施形態による投影ディスプレイ装置の構造の概略図である。
【0021】
図2図1に示される投影ディスプレイ装置内の光学機械モジュールの構造の概略図である。
【0022】
図3図2に示される光学機械モジュール内の発光モジュールの構造の概略図である。
【0023】
図4】第1上部カバーが除去された後の、図3に示される発光モジュールの構造の概略図である。
【0024】
図5】本出願の一実施形態による均一な光プリズムの構造の概略図である。
【0025】
図6】本出願の別の実施形態による均一な光プリズムの構造の概略図である。
【0026】
図7図3に示される発光モジュール内の変調モジュールの分解の概略図である。
【0027】
図8図7に示される変調モジュール内の光結合構成要素の構造の概略図である。
【0028】
図9図3に示される発光モジュール内のレンズモジュールの構造の概略図である。
【0029】
図10】本出願の一実施形態による投影ディスプレイ装置の適用シナリオの概略図である。
【0030】
参照符号:
1-光学機械モジュール;
11-発光モジュール;
111-光源;
111a-赤色レーザ光源;
111b-緑色レーザ光源;
111c-青色レーザ光源;
112a-第1ダイクロイックミラー;
112b-第1リフレクタ;
112c-第2ダイクロイックミラー;
113-第1フォーカスレンズ;
114-拡散ホイール;
115-コリメートレンズ;
116-均一な光プリズム;
116a-平行四辺形プリズム;
116b-半透過及び半反射膜;
117-第1上部カバー;
118-第1下部カバー;
119-第1コネクタ;
12-変調モジュール;
121-均一な光構成要素;
121a-第1複眼レンズアレイ;
121b-第2複眼レンズアレイ;
121c-第2フォーカスレンズ;
121d-第2リフレクタ;
121e-第3フォーカスレンズ;
122-光結合構成要素;
122a-光結合プリズム;
122a1-第1高透明表面;
122a2-第2高透明表面;
122a3-第3高透明表面;
122a4-第4高透明表面;
122a5-第1交差面;
122a6-第2交差面;
122a7-第3交差面;
122a8-第4交差面;
122b-金属ワイヤグリッド;
122c-第1LCOS変調器;
122d-第2LCOS変調器;
122e-第3LCOS変調器;
123-第2上部カバー;
124-第2下部カバー;
125-第3上部カバー;
126-第3下部カバー;
127-第2コネクタ;
128-ヒートシンク;
13-レンズモジュール;
131-第1レンズグループ;
132-第3リフレクタ;
133-第2レンズグループ;
134-第4リフレクタ;
2-冷却モジュール;
21-空冷モジュール;
211-第1ファン
22-液冷モジュール;
221-放熱パッチ
222-液冷ヒートシンク
223-第2ファン
224-液ポンプ
3-制御モジュール;
31-信号トランスミッタ;
31-ドライバ;
33-メインコントローラ;
4-電源;
5-ハウジング.
【0031】
添付の図面は、明細書に組み込まれ、明細書の一部を構成し、本出願に適合する実施態様を図示し、本出願の原理を説明するために明細書とともに使用される。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本出願の技術的解決策をよりよく理解するために、以下では添付の図面を参照して本出願の実施形態を詳細に説明する。
【0033】
説明される実施態様は、本出願のいくつかの実施態様にすぎず、すべての実施態様ではないことに留意されたい。当業者により創造的努力を伴わずに本出願の実施態様に基づいて得られるすべての他の実施態様は、本出願の保護範囲に含まれるものとする。
【0034】
本出願の実施態様において使用される用語は、単に特定の実施態様を記載するためのものにすぎず、本出願を限定するようには意図されていない。本出願の実施形態及び添付の特許請求の範囲において使用される単数形の「a」、「said」及び「the」という用語は、文脈において明確に別段の規定がない限り、複数形を含むようにも意図される。
【0035】
本明細書における「及び/又は」という用語は、関連付けられるオブジェクトを記述するための関連付けの関係のみを記述し、3つの関係が存在する可能性があることを表すことを理解されたい。例えばA及び/又はBは、以下の3つのケース、すなわち、Aのみが存在するケース、AとBの両方が存在するケース、そしてBのみが存在するケースを表し得る。加えて、本明細書において、「/」という文字は、一般に、関連付けられるオブジェクト間の「又は」の関係を示す。
【0036】
本出願の実施態様において説明される「上」、「下」、「左」、「右」のような位置の名詞は、添付の図面に示される視点から記述されており、本出願の実施態様に対する限定として解釈されるべきではないことに留意されたい。加えて、文脈において、ある要素が別の要素の「上方」又は「下方」に接続されるとき、当該要素は、その別の要素の「上方」又は「下方」に直接接続されることができ、あるいは中間要素を使用することにより、その別の要素の「上方」又は「下方」に間接的に接続されてもよいことを更に理解されたい。
【0037】
図1に示されるように、投影ディスプレイ装置は、ハウジング5(ハウジング5上に配置される上部カバーは図1では省略されている)と、ハウジング5に収容される光学機械モジュール1、冷却モジュール2及び制御モジュール3を含む。光学機械モジュール1は、連続的に接続される、発光モジュール11、変調モジュール12及びレンズモジュール13を含む(図2を参照されたい)。冷却モジュール2は、光学機械モジュール1及び制御モジュール3を冷却するよう構成される。制御モジュール3は、光学機械モジュール1及び冷却モジュール2を動作させるように制御するよう構成される。
【0038】
冷却モジュール2は、空冷モジュール21及び液冷モジュール22を含む。空冷モジュール21及び液冷モジュール22は、ハウジング5の側壁に固定され得るか、あるいは確かにハウジング5の別の位置に固定されてもよい。空冷モジュール21は、第1ファン211を含む。例えば図1の空冷モジュール21は、2つの第1ファン211を含む。第1ファン211の一方は、光学機械モジュール1の発光モジュール11と対向し、他方の第1ファン211は、光学機械モジュール1の変調モジュール12と対向する。これは、発光モジュール11と変調モジュール12が、最大熱を発生する光学機械モジュール1の2つの部分であるためである。さらに、発光モジュール11は、最大熱を発生する光学機械モジュール1の一部である。液冷モジュール22は、放熱パッチ221(図3を参照されたい)と、液冷ヒートシンク222と、放熱パッチ221と液冷ヒートシンク222との間に接続される冷却パイプライン(図面には図示せず)と、液冷ヒートシンク222と対向する第2ファン223と、冷却パイプライン上に配置される液ポンプ224を含む。いくつかの実装では、光源111によって発生される熱を迅速かつ効果的に吸収するように、放熱パッチ221が発光モジュール11の光源111の外側に取り付けられ(図4を参照されたい)、それによって投影ディスプレイ装置の放熱効果を効果的に改善する。
【0039】
制御モジュール3は、信号トランスミッタ31と、変調モジュール12の変調器に接続されるドライバ32と、信号トランスミッタ31及び変調器に別々に接続されるメインコントローラ33とを含む。いくつかの実装では、信号トランスミッタ31、ドライバ32及びメインコントローラ33のようなすべての構成要素がPCBボードであってもよく、前述の構成要素機能を実装することができる機能モジュール又はデバイスが、PCBボード上に配置される。外部画像信号は、信号トランスミッタ31を使用することによりメインコントローラ33に送信される。メインコントローラ33は、受信された画像信号に基づいて、ドライバ32を動かすように制御する。ドライバ32は、光源から放射される光を変調して、投影ディスプレイ装置に入力されているものと同じ画像信号を得るように、変調器を制御する。加えて、メインコントローラ33は、これらに限定されないが、光を放射するように光源111を制御し、冷却モジュール2を動作させるように制御することを更に含み得る。制御モジュール3も動作時に熱を発生する可能性があることが理解され得る。ドライバ32は、変調モジュール12に隣接する位置に配置され得る。例えば図1の第1ファン211は、ドライバ32及び変調モジュール12に対向し得る。各変調器が1つのドライバ32に接続されることに留意されたい。例えば図1には3つのドライバ32が存在する、すなわち、本出願では、3つの変調器を有する投影ディスプレイ装置が使用される。もちろん、投影ディスプレイ装置は、代替的に、実際の要求に基づいて、1つの変調器又は2つの変調器を使用してもよい。ドライバ32のタイプは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)チップ、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)チップ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)チップ等であり得る。
【0040】
加えて、投影ディスプレイ装置は電源4を更に含み、電源4は、光学機械モジュール1、冷却モジュール2及び制御モジュール3に電気的に接続され得るので、これら3つに電源に電力を供給する。電源4のタイプは、例えば鉛蓄電池又はリチウム蓄電池であり得るが、これは、本出願において特に限定されない。
【0041】
以下に、光学機械モジュール1の様々な部品について説明する。
【0042】
<発光モジュール11>
【0043】
発光モジュール11は、偏光を放射するよう構成される光源111を含む。本出願で言及される光源111は、光源111が、偏光を直接放射する発光素子(例えば半導体発光素子、半導体発光素子アレイ又は電球光源)であるケースを含み、また、光源111が、発光素子を別の光学素子と組み合わせることによって得られ、かつ偏光を放射することができる、発光モジュール11(例えば発光素子とレンズを組み合わせることによって得られる発光モジュール11、発光素子と偏光変換素子を組み合わせることによって得られる発光モジュール11)であるケースも含む。本出願において説明される光源は、発光「ブラックボックス」とみなされてよく、「ブラックボックス」は、任意のタイプの光学素子を含み得る。
【0044】
この実施形態では、光源111は、レーザダイオード光源、レーザダイオードアレイ光源又はレーザデバイス光源のようなレーザ光源である。光源111は、小さなエタンデュ(etendue)の特性を有しており、そのため、変調モジュール12に入るとき、放射された偏光は、比較的小さな光スポットと、比較的小さな光発散角と比較的小さなエタンデュを有し、これは、大きな発散角のために多量の光を使用することができないケースを回避することができ、光の利用を改善する。電球光源又はLED光源のような別の光源111が使用される場合、光源のエタンデュは、レーザ光源のエタンデュよりもはるかに大きい。変調器装置に入射する光スポットを入射表面のサイズに合うようにするために、光発散角が拡大されることになる。その結果、大量の光が変調モジュール12によって使用できず、変調モジュール12の有効光学表面の外側で吸収されて熱に変換される。
【0045】
もちろん、光利用要件が高くない環境では、電球又はLED光源が代替的に発光モジュール11の光源111として使用されてもよい。
【0046】
図4に示されるように、図4は、図3の分解の概略図である。この実施形態では、発光モジュール11は、赤色レーザ光源111a、緑色レーザ光源111b及び青色レーザ光源111cを含む。発光モジュール11は、3つのレーザ光源のビームを結合するよう構成されるビーム結合構成要素を更に含み、例えばダイクロイックミラーとフォーカスレンズとの組合せであってよく、あるいはダイクロイックミラーと、リフレクタと、フォーカスレンズとの組合せであってもよい。例えば赤色レーザ光源111aは一側面に配置され、緑色レーザ光源111bと青色レーザ光源111cは、赤色レーザ光源111aに垂直な側面に配置される。第1ダイクロイックミラー112aは、赤色レーザ光源111aの発光側に配置され、第1ダイクロイックミラー112aは、赤色光を透過し、青色光及び緑色光を反射するよう構成される。リフレクタは、緑色レーザ光源111bの発光側に配置され、リフレクタは、緑色光を反射するよう構成される。第2ダイクロイックミラー112cは、青色レーザ光源111cの発光側に配置され、第2ダイクロイックミラー112cは、青色光を透過し、緑色光を反射するよう構成される。特定の光路は以下のとおりである:赤色レーザ光源111aが赤色光を放射する。第1ダイクロイックミラー112aを通過した後、赤色光は第1フォーカスレンズ113に入射する。青色レーザ光源111cは青色光を放射する。第2ダイクロイックミラー112c及び第1ダイクロイックミラー112aを通過した後、青色光は第1フォーカスレンズ113に入射する。緑色レーザ光源111bは緑色光を放射する。第1リフレクタ112b、第2ダイクロイックミラー112c及び第1ダイクロイックミラー112aを通過した後、緑色光は、第1フォーカスレンズ113に入射する。
【0047】
いくつかの実装では、発光モジュール11は、拡散ホイール114及びコリメートレンズ115を更に含む。拡散ホイール114は、レーザスペックルを除去するよう構成される。コリメートレンズ115は、光がより長い距離範囲内で平行かつ均一であることを可能にするように機能する。第1フォーカスレンズ113から放射された光は、拡散ホイール114及びコリメートレンズ115を連続的に通過した後に放射され、変調モジュール12に入射する。拡散ホイール114は、モータを使用することによって拡散ホイール114の回転を制御するように、モータに接続され得る、すなわち、拡散ホイール114は、該拡散ホイール114に入射する光を、回転方式で均一に反射する。いくつかの実装では、拡散ホイール114を拡散シートによって置換されてもよく、拡散シートと拡散ホイール114との間の相違は、拡散シートが固定されることである。レーザスペックルを除去する観点から、拡散ホイール114の効果は、拡散シートの効果よりも優れている。
【0048】
レーザ光源が光源として使用されるとき、投影中にスペックルが存在する可能性がある。いくつかの実装では、均一な光プリズム116が、緑色レーザ光源111bの発光側(特に、緑色レーザ光源111bとリフレクタとの間)に配置され、均一な光プリズム116の機能は、レーザ光源自体のコヒーレンスを弱め、それによって、投影中のスペックルを弱めることである。視度関数(visibility function)によると、可視スペクトルでは、人間の眼はスペクトルの中央(黄緑)に最も敏感であり、スペクトルの両端により近い位置に対して感度は低くなる。したがって、少なくとも均一な光プリズム116は、投影中に緑色光によって発生されるスペックルに対する人間の眼の影響を低減するように、緑色レーザ光源111bの発光側に配置される必要がある。
【0049】
もちろん、投影効果を改善するために、均一な光プリズム116は代替的に、赤色レーザ光源111aの発光側(特に、赤色レーザ光源111aと第1ダイクロイックミラー112aとの間)に配置されてよく、あるいは均一な光プリズム116は、青色レーザ光源111cの発光側(特に、緑色レーザ光源111bとリフレクタとの間)に配置されてもよい。例えば図4に示されるように、均一な光プリズム116は、緑色レーザ光源111bの発光側に配置され、均一な光プリズム116はまた、赤色レーザ光源111aの発光側にも配置される。この実装では、投影効果に影響を与えることなく、コストとサイズを更に低減するように、均一な光プリズム116は、青色レーザ光源111cの発光側には配置されない。
【0050】
引き続き図3及び図4を参照すると、発光モジュール11は、第1上部カバー117と、該第1上部カバー117に固定される第1下部カバー118とを含む。第1キャビティが、第1上部カバー117と第1下部カバー118との間に形成される。発光モジュール11には更に、変調モジュール12に接続するよう構成される第1コネクタ119が設けられ、第1コネクタ119は、第1上部カバー117及び第1下部カバー118に固定される。赤色レーザ光源111a、緑色レーザ光源111b及び青色レーザ光源111c、均一な光プリズム116、第1ダイクロイックミラー112a、第2ダイクロイックミラー112c、第1リフレクタ112b、第1フォーカスレンズ113、拡散ホイール114及びコリメートレンズ115のようなの前述の構成要素はすべて、第1上部カバー117及び第1下部カバー118を使用することにより前述の構成要素を保護するように、第1キャビティ内に収容される。
【0051】
以下は、均一な光プリズム116の構造、機能及び原理を説明する。
【0052】
図5は、均一な光プリズム116の構造の概略図である。この実装では、均一な光プリズム116は、順番に配置された複数の平行四辺形プリズム116aを含む。プリズムでは、光が入射又は放射される平面は側面(side)であり、当該側面に垂直な平面は主断面である。主断面の形状に従って、プリズムは、三角プリズム、矩形プリズム、五角形プリズム及び平行四辺形プリズムに分類され得る。
【0053】
半透明及び半反射膜116bは、各平行四辺形プリズム116aのベベルエッジ上に配置される、すなわち、光が半透明及び半反射膜116bに入射した後、光の半分が反射され、光の残り半分が透過される。均一な光プリズム116の両端にある平行四辺形プリズム116aは、該平行四辺形プリズム116aの各々が、外側との全反射を有する(ガスとみなされ得る)ので、そのケースではないことに留意されたい。したがって、入射光が、均一な光プリズム116の両端にある平行四辺形プリズム116aに入射するとき、光は完全に反射される。反射光が入射光に垂直であることを確実にするために、各平行四辺形プリズム116aのベベルエッジと水平エッジとの間の角度は45度である。例えば入射光は、LDn(ここで、LDnは、均一な光プリズム116の両端における入射光ではない、すなわち、LDnは、LD1ではない)であり、入射光LDnが平行四辺形プリズム116aを通過した後の放射光は、順番にLDn1、LDn2、LDn3等である。LDn1の光路はd1であり、LDn2の光路はd1+d2であり、LDn3の光路はd1+2d2である等である。LDnがLD1であるとき、LD11の光路がd1+d2であり、LD22の光路がd1+2d2であり、LD23の光路がd1+3d2であること等がわかり得、ここで、d1は平行四辺形プリズム116aの2つの水平エッジ間の距離であり、d2は平行四辺形プリズム116aの水平エッジの長さである。適用原理は、以下の通りである:光源によって放射された各レーザビームが、均一な光プリズム116を通過した後、複数のレーザビームに分割され、異なる経路が異なるレーザビームによって走行され、そのため、LDn1及びLDn2のような異なる放射光によって走行される経路の長さは異なる。異なる経路の放射光の光路差が入射光のコヒーレンス長より大きいとき、レーザのコヒーレンスを低減することができ、レーザ投影中のスペックルを弱めることができる。例えばLDn1とLDn2の光路差はd2である。d2がLDnのコヒーレンス長より大きいとき、レーザのコヒーレンスを低減することができ、レーザ投影中のスペックルを弱めることができる。
【0054】
図6は、均一な光プリズム116の別の構造の概略図である。本実装で提供される均一な光プリズム116と、図5に示される均一な光プリズム116との間の相違は、対称的に配置される、図5に示される均一な光プリズム116の2つの列が存在することにある。具体的には、図5に示される均一な光プリズム116の2つの列が、平行四辺形プリズム116aの水平エッジに沿って対称的に配置される。
【0055】
例えば入射光はLDnであり、入射光LDnが平行四辺形プリズム116aを通過した後の放射光は、順番にLDn1、LDn2、LDn3等である。LDn1の光路は2d1+d2であり、LDn2の光路は2d1であり、LDn3の光路は2d1+d2であり、LDn4の光路は2d1+3d2等である。LDnがLD1であるとき、LD11の光路は2d1+2d2であり、LD22の光路は2d1+d2であり、LD23の光路は2d1+2d2であること等がわかり得る。すなわち、この実装では、隣接する放射光の2つのビーム間の光路差はd2であり、これは、前述の実装の場合と一致する。しかしながら、この実装では、図5の原理に加えて、更に基づく原理は、以下を含む:スペックルのサイズはスペックルコントラスト比によって表され、スペックルコントラスト比は光強度の均一性に依存する。各放射光の光強度が等しいとき、式C=1/√Nによると、Cはスペックルコントラスト比であり、Nは独立パターンの量である。例えば放射光の3つのビームが存在するとき、Nは3に等しく、C=1/√3である。放射光の1つのビームが存在するとき(これは、放射光の3つ以上のビームが、放射光の1つのビームとして重畳されると理解され得る)、C=1である、すなわち、放射光の光強度がより均一であるときにのみ、スペックルコントラスト比はより小さく、スペックルコントラスト比は1/√Nにより近い。すなわち、放射光の光強度がより均一であるとき、レーザ投影中のスペックルを更に弱めることができる。
【0056】
図5のLDnは、一例として使用される。入射光LDnの光強度はIである。半透明及び半反射原理によると、LDn1の光強度は1/2Iであり、LDn2の光強度は1/4Iであり、LDn3の光強度は1/8Iである。LDn3の後の放射光の光強度はLDn1のもの及びLDn2のものより小さく、無視することができる。図6のLDnは、一例として使用される。入射光LDnの光強度はIである。半透明半及び反射原理によると、LDn1の光強度は約1/3I、LDn2の光強度は約1/3Iである。LDn3及びLDn3の後の放射光の各々の光強度は、LDn1のもの及びLDn2のものよりも小さく、無視することができる。したがって、図5のLDn1及びLDn2の光強度と、図6のLDn1及びLDn2の光強度を比較することにより、図6のLDn1及びLDn2のスペックルコントラスト比がより小さいことがわかり得る。したがって、図6に示される均一な光プリズム116の放射光の光強度は、図5に示される均一な光プリズム116のものよりも均一であり、そのため、レーザ投影中のスペックルを更に弱めることができる。
【0057】
<変調モジュール12>
【0058】
図7に示されるように、変調モジュール12は、第2上部カバー123と、該第2上部カバー123に固定される第2下部カバー124とを含み、第2キャビティが、第2上部カバー123と第2下部カバー124との間に形成され、第2キャビティは、均一な光構成要素121を収容するよう構成される。変調モジュール12は、第3上部カバー125と、該第3上部カバー125に固定される第3下部カバー126とを更に含み、第3キャビティが、第3上部カバー125と第3下部カバー126との間に形成され、第3キャビティは、光結合構成要素122を収容するよう構成される。変調モジュール12は、第2コネクタ127を更に含み、第2コネクタ127は、均一な光構成要素121及び光結合構成要素122に接続するよう構成される。例えば第2コネクタ127の一端は、第2上部カバー123及び第2下部カバー124に固定され、他端は、第3上部カバー125及び第3下部カバー126に固定される。
【0059】
均一な光構成要素121は、発光モジュール11の発光側に配置される。具体的には、均一な光構成要素121は、コリメートレンズ115の発光側に配置される。例えば発光モジュール11は、第1コネクタ119を使用することによって、変調モジュール12の第2上部カバー123及び第2下部カバー124に接続される。均一な光構成要素121は、複眼レンズアレイ及びフォーカスレンズを含む。発光モジュール11から放射された光は、まず複眼レンズアレイを通過して、次いでフォーカスレンズを通過し、そのため、光は、LCOS変調器に照射される。加えて、複眼レンズアレイ及びフォーカスレンズを使用することによって、LCOS変調器で発生される均一な照明を実装することができ、局所的な調光機能を実装することができる。いくつかの他の実装解決策では、複眼レンズアレイが光学ワンド(optical wand)で置換されてもよく、光学ワンドは中実光学ワンド(solid optical wand)又は中空光学ワンド(hollow optical wand)であってよい。この実装では、複眼レンズアレイは、並列に配置される第1複眼レンズアレイ121aと第2複眼レンズアレイ121bの2つの列を含み、フォーカスレンズは、第2フォーカスレンズ121cと第3フォーカスレンズ121eを含む。このようにして、均一な照明を実装することができる。具体的な実装原理は、ここでは説明されない。
【0060】
この実装では、均一な光構成要素121と光結合構成要素122との間に角度が存在する。例えば均一な光構成要素121及び光結合構成要素122が垂直に配置されてよく、そのため構造のコンパクト性を改善することができる。したがって、リフレクタが均一な光構成要素121内に配置されてよく、例えば第2リフレクタ121dが第1フォーカスレンズ113と第2フォーカスレンズ121cとの間に配置されてよい。もちろん、均一な光構成要素121及び光結合構成要素122は代替的に、並列に配置され得る。このようにして、均一な光構成要素121は、リフレクタとともに配置される必要はなく、このケースでは、第1フォーカスレンズ113及び第2フォーカスレンズ121cも並列に配置される。
【0061】
図8に示されるように、光結合構成要素122は、光結合プリズム122aとLCOS変調器を含む。光結合プリズム122aは、4つの矩形プリズムを含む。光結合プリズム122aは、4つの矩形プリズムによって形成される4つの側面(sides)と4つの交差面(intersection planes)を有する。4つの側面の2つの隣接する側面は互いに垂直であり、4つの交差面の2つの隣接する交差面は互いに垂直である。この実装において、4つの側面は、それぞれ、第1高透明表面122a1、第2高透明表面122a2、第3高透明表面122a3及び第4高透明表面122a4であり、そのため、白色光は、高透過率で光結合プリズム122aに入射するか又は光結合プリズム122aから放射されることができ、それにより、光の利用を改善する。4つの交差面は、それぞれ、第1交差面122a5、第2交差面122a6、第3交差面122a7及び第4交差面122a8である。4つの交差面のうちの少なくとも2つは、光結合プリズム122a内の光源111から放射される光を分裂させるよう構成され、4つの交差面のうちの少なくとも2つは、光結合プリズム122a内の光源111から放射される光を結合するよう構成される。例えば第1交差面122a5及び第2交差面122a6は、光結合プリズム122a内の光源111から放射される光を分裂させることができ、第2交差面122a6と第3交差面122a7は、光結合プリズム122a内の光源111から放射される光を結合することができる。具体的な説明については、以下を参照されたい。したがって、4つの交差面は、白色光の分裂と結合を実装するように、異なる光学特性を有するよう配置される。例えば第1交差面122a5は、第1高透明表面122a1及び第2高透明表面122a2と別々に交差し、第2交差面122a6は、第2高透明表面122a2及び第3高透明表面122a3と別々に交差し、第3交差面122a7は、第3高透明表面122a3及び第4高透明表面122a4と別々に交差し、第4交差面122a8は、第4高透明表面122a4及び第1高透明表面122a1と別々に交差することを指定してもよい。
【0062】
この実装では、3つのLCOS変調器が存在し、それぞれ、第1LCOS変調器122c、第2LCOS変調器122d及び第3LCOS変調器122eである。各LCOS変調器は、光結合プリズム122aの一側面の発光側に配置される。光が光結合プリズム122aに入射した後、4つの交差面内の2つの交差面を使用することによってビーム分裂が実装される、すなわち、光は赤色光、緑色光及び青色光に分解される。分解後に得られる単色光は、LCOS変調器の反対に配置される側面を通過した後、変調のために各LCOS変調器に入り、変調された単色光は、次いで光結合プリズム122aに入り、各LCOS変調器の反対に配置される側面を通過した後、光を結合し、結合された光は、その側面のうちの1つから放射される。
【0063】
関連技術において開示される変調モジュールの構造は、比較的複雑であり、比較的多くの量の構成部品を有することに留意されたい。例えば出願番号第200910251608.0号の特許において、本特許で提供されるLCOS変調器に基づく変調モジュールは、複数の偏光ビームスプリッタ及び1つの光結合プリズムを使用することによってビーム結合を実行する。変調モジュールの構造は複雑であり、投影ディスプレイ装置の形成サイズも増加する。しかしながら、本出願の変調モジュール12内の光結合構成要素122は、光結合プリズム122a及びLCOS変調器のみを含む、すなわち、複数の偏光ビームスプリッタが省略される。このようにして、光結合構成要素122の構成部品を減らすことができ、構造が簡単であり、そのため、投影ディスプレイ装置の形成サイズを小さくすることができる。
【0064】
ヒートシンク128が、光結合構成要素122の外側に更に配置される。例えばヒートシンク128は、第3上部カバー125及び/又は第3下部カバー126に固定(例えば取り付け)され得、ヒートシンク128を配置することによって各LCOS変調器上で良好な放熱を実施するように、各LCOS変調器の外側には対応するヒートシンク128を有する。いくつかの実装解決策では、ヒートシンク128はフィンであり得る。
【0065】
引き続き図8を参照すると、この実装では、第1LCOS変調器122cが、第1高透明表面122a1の片側(side)に配置され、第2LCOS変調器122dが、第2高透明表面122a2の片側に配置され、第3LCOS変調器122eが、第3高透明表面122a3の片側に配置される。発光モジュール11から放射される光は白色光であり、単色光の1つのビームは第1直線偏光状態(linear polarization state)(例えばS状態又はP状態)であり、単色光の他の2つのビームは第2直線偏光状態(例えばP状態又はS状態)である。白色光は、第1高透明表面122a1又は第2高透明表面122a2から光結合プリズム122aに入射し得、光結合プリズム122aから第3高透明表面122a3又は第4高透明表面122a4を通って放射され得る。
【0066】
一例では、第1LCOS変調器122cは赤色光を変調するよう構成され、第2LCOS変調器122dは青色光を変調するよう構成され、第3LCOS変調器122eは緑色光を変調するよう構成される。発光モジュール11から放射される光は白色光である。緑色光はP状態の偏光であり、赤色光と青色光はS状態の偏光である。白色光は、第2高透明表面122a2から光結合プリズム122aに入射し、光結合プリズム122aから第4高透明表面122a4を通って放射される。この例では、第1交差面122a5は、赤色光に対して高透過率と、青色光及び緑色光に対して高反射の光学特性を有する、すなわち、第1交差面122a5は、ダイクロイック面である。第2交差面122a6は、P状態の偏光を透過し、S状態の偏光を反射する光学特性を有する、すなわち、第2交差面122a6は、偏光ビーム分裂面である。第3交差面122a7は、青色光及び緑色光に対して高透過率と赤色光に対して高反射の光学特性を有する、すなわち、第3交差面122a7は、ダイクロイック面である。第4交差面122a8は、P状態の偏光を透過し、S状態の偏光を反射する光学特性を有する、すなわち、第4交差面122a8は、偏光ビーム分裂面である。つまり、2つの交差面は偏光ビーム分裂面であり、他の2つの交差面はダイクロイック面であり、偏光ビーム分裂面及びダイクロイック面は交互に分布される。このようにして、白色光の分裂と結合を実装することができる。
【0067】
別の実施例では、詳細は本明細書に記載されない。第1LCOS変調器122c、第2LCOS変調器122d及び第3LCOS変調器122eによって変調される単色光は限定されず、表1が参照され得ることに留意されたい。白色光を構成する単色光の1つのビームは第1直線偏光状態(例えばS状態又はP状態)にあり、単色光の他の2つのビームは第2直線偏光状態(例えばP状態又はS状態)にある。白色光が入射する光結合プリズム122aの側面は、2つの隣接する高透明表面のうちの1つ(例えば第1高透明表面122a1又は第2高透明表面122a2)であり、結合された光が放射される光結合プリズム122aの側面は、他の2つの隣接する高透明表面のうちの1つ(例えば第3高透明表面122a3又は第4高透明表面122a4)である。前述のケースは、自由に組み合わされてよい。
【表1】
【0068】
以下は、前述の例で示されるケースを使用することによって、光結合構成要素122における光の光路(すなわち、ここでは、均一な光構成要素121は無視される)を説明する。
【0069】
(1)発光モジュール11から放射される白色光が、第2高透明表面122a2を通過した後、第1交差面122a5に入射し、第1交差面122a5を通過した後、S状態の赤色光が、第4交差面122a8に入射する。第4交差面122a8を通過した後、S状態の赤色光は反射され、第1高透明表面122a1に入射する。第1高透明表面122a1を通過する赤色光は、第1LCOS変調器122cに入射し、第1LCOS変調器122cによって変調された後にP状態の赤色光となる。P状態の赤色光は、第1LCOS変調器122cによって反射され、次いで、第1高透明表面122a1と、第4交差面122a8と、第3交差面122a7を連続的に通過する。赤色光は、第3交差面122a7から反射され、第4高透明表面122a4に入射し、最後に、変調された赤色光が、第4高透明表面122a4から放射される。
【0070】
(2)発光モジュール11から放射される白色光は、第2高透明表面122a2を通過した後、第1交差面122a5に入射し、第1交差面122a5を通過した後、S状態の青色光が、第2交差面122a6に反射される。第2交差面122a6を通過した後、S状態の青色光は反射され、第2高透明表面122a2に入射する。第2高透明表面122a2を通過する青色光は、第2LCOS変調器122dに入射し、第2LCOS変調器122dによって変調された後にP状態の青色光となる。P状態の青色光は、第2LCOS変調器122dによって反射され、次いで、第2高透明表面122a2と、第2交差面122a6と、第3交差面122a7と、第4高透明表面122a4を連続的に通過する。最後に、変調された青色光が、第4高透明表面122a4から放射される。
【0071】
(3)発光モジュール11から放射される白色光は、第2高透明表面122a2を通過した後、第1交差面122a5に入射し、第1交差面122a5を通過した後、P状態の緑色光が、第2交差面122a6に反射される。第2交差面122a6を通過した後、P状態の緑色光は、第3高透明表面122a3に入射する。第3高透明表面122a3を通過する緑色光は、第3LCOS変調器122eに入射し、第3LCOS変調器122eによって変調された後にS状態の緑色光となる。S状態の緑色光は、第3LCOS変調器122eによって反射され、次いで、第3高透明表面122a3と、第2交差面122a6と、第3交差面122a7と、第4高透明表面122a4を連続的に通過する。最後に、変調された緑色光が、第4高透明表面122a4から放射される。
【0072】
加えて、第2交差面122a6について、第2交差面122a6は、青色光及び緑色光のビーム分裂効果(すなわち、P状態の光を透過し、S状態の光を反射する)をより良好にするか又はビーム分裂角度をより大きくするために、青色光及び緑色光に対する偏光ビーム分裂機能として機能するので、金属ワイヤグリッド122bを第2交差面122a6上に配置することを考慮してもよく、例えば金属ワイヤグリッド122bを第2交差面122a6に取り付けてもよい。すなわち、金属ワイヤグリッド122bは、ビーム分裂のため及び異なる直線偏光状態にある単色光の2つのビームが通過するために、偏光ビーム分裂面上に配置される。第4交差面122a8では、第4交差面122a8が赤色光に対する偏光ビーム分裂機能として機能するので、偏光ビーム分裂特性を有するフィルム被覆表面が、赤色光に対する偏光ビーム分裂機能を実装することができる。もちろん、第4交差面122a8の偏光ビーム分裂効果をより良好にするために、金属ワイヤグリッド122bが、第4交差面122a8上に配置されてもよい。
【0073】
<レンズモジュール13>
【0074】
図9に示されるように、レンズモジュール13は、光結合構成要素122に接続され、光結合構成要素122から放射される光は、レンズモジュール13に入射することができる。いくつかの実装では、レンズモジュール13は、連続的に接続される第1レンズグループ131、第3リフレクタ132、第2レンズグループ133及び第4リフレクタ134を含み、ここで、第1レンズグループ131は、光結合構成要素122に接続され、最後に、投影ディスプレイ装置の放射光が、第4リフレクタ134から放射される。レンズモジュール13の特定の構成は単に、本実装においてレンズモジュール13の一例として使用されるにすぎない。レンズモジュール13は、実際の要求に基づいて配置されてもよい。例えばレンズモジュール13は、放射レンズ(例えば第1レンズグループ131)のみを有するように配置されてもよい。
【0075】
本出願において提供される投影ディスプレイ装置は、エンジニアリングプロジェクタ、シネマプロジェクタ、レーザテレビジョン、ホームシアター、教育プロジェクタ、ポータブルマイクロプロジェクタ等を含み得る。投影ディスプレイ装置は、水平面上に配置されてよく、あるいはダビットを使用することによってルーフに吊されてもよい。例えば図10に示されるように、投影ディスプレイ装置は、グラウンド又はテーブル(テレビ台等)のような水平面上に配置されてよく、壁又はスクリーンのような投影表面に画像光を拡大及び投影するように構成される。
【0076】
上記は、単に本出願の好ましい実施態様を記載するものにすぎず、これは本出願を限定するように意図されていない。当業者にとっては、本出願において、様々な修正及び変更が行われてよい。本出願の精神及び原理から逸脱することなく行われるすべての修正、均等な置換又は改善は、本出願の保護範囲にあるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10