(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】表示装置用照明装置、及び表示装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20241008BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20241008BHJP
F21V 29/70 20150101ALI20241008BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20241008BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20241008BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241008BHJP
【FI】
F21S2/00 443
F21S2/00 444
F21V29/503
F21V29/70
F21V19/00 450
G02F1/13357
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020095397
(22)【出願日】2020-06-01
【審査請求日】2023-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】加藤 真一
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/104357(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/027353(WO,A1)
【文献】国際公開第2009/066531(WO,A1)
【文献】特開2012-169271(JP,A)
【文献】特開2011-216270(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0384113(US,A1)
【文献】中国実用新案第204083998(CN,U)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0049704(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0041042(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 29/503
F21V 29/70
F21V 19/00
G02F 1/13357
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルプリント配線板と、
前記フレキシブルプリント配線板の底面に設けられ、前記フレキシブルプリント配線板内の配線に電気的に接続され、第1方向に沿って配置された第1及び第2発光素子と、
前記第1及び第2発光素子から発光された光を側面で受けるように配置され、前記第1及び第2発光素子からの光を上面から出射する導光板と、
前記フレキシブルプリント配線板の底面に設けられ、前記第1及び第2発光素子の間に配置され、
前記第1及び第2発光素子が発生した熱を放熱するように構成された第1放熱素子と、
前記第1放熱素子と前記導光板とを接着する第1接着部材と、
を具備する表示装置用照明装置。
【請求項2】
前記第2発光素子に隣接するように配置された第3発光素子と、
前記第2及び第3発光素子の間に配置され
、前記第2及び第3発光素子が発生した熱を放熱するように構成された第2放熱素子と、
前記第2放熱素子と前記導光板とを接着する第2接着部材とをさらに具備する
請求項1に記載の表示装置用照明装置。
【請求項3】
フレキシブルプリント配線板と、
前記フレキシブルプリント配線板の底面に設けられ、前記フレキシブルプリント配線板内の配線に電気的に接続され、第1方向に沿って配置された複数の発光素子と、
前記複数の発光素子から発光された光を側面で受けるように配置され、前記複数の発光素子からの光を上面から出射する導光板と、
前記フレキシブルプリント配線板の底面に設けられ、前記複数の発光素子の一方の側に配置され、
前記複数の発光素子が発生した熱を放熱するように構成された第1放熱素子と、
前記第1放熱素子と前記導光板とを接着する第1接着部材と、
を具備する表示装置用照明装置。
【請求項4】
前記複数の発光素子の他方の側に配置され
、前記複数の発光素子が発生した熱を放熱するように構成された第2放熱素子と、
前記第2放熱素子と前記導光板とを接着する第2接着部材とをさらに具備する
請求項3に記載の表示装置用照明装置。
【請求項5】
前記フレキシブルプリント配線板の底面の一部と、前記導光板の一部とを接着する接着部材をさらに具備する
請求項1乃至4の何れか1項に記載の表示装置用照明装置。
【請求項6】
前記放熱素子は、ダミー発光素子である
請求項1乃至5の何れか1項に記載の表示装置用照明装置。
【請求項7】
前記ダミー発光素子は、前記フレキシブルプリント配線板内の配線に電気的に接続されない
請求項6に記載の表示装置用照明装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の照明装置と、
前記照明装置からの光を透過し、画像を表示する表示パネルと、
を具備する表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置用照明装置、及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
透過型或いは半透過型の液晶表示装置は、液晶表示パネルの裏面側に照明装置を備えている。照明装置は、光源としての発光素子、及び発光素子から出射された光を液晶表示パネルの面内に均一に照射する導光板などを備えている。発光素子は、例えば、白色LEDで構成される。
【0003】
発光素子は、熱を発生する。発光素子が発生した熱により発光素子自身の温度、及びその周囲の温度が上昇すると、発光素子の特性が劣化し、寿命が短くなってしまう。また、発光素子が発生した熱により、発光素子の周囲に配置された素子の特性も劣化してしまう。よって、発光素子が発生した熱を逃がすための対策が重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、発光素子が発生する熱によって特性が劣化するのを抑制できる表示装置用照明装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係る表示装置用照明装置は、フレキシブルプリント配線板と、前記フレキシブルプリント配線板の底面に設けられ、前記フレキシブルプリント配線板内の配線に電気的に接続され、第1方向に沿って配置された第1及び第2発光素子と、前記第1及び第2発光素子から発光された光を側面で受けるように配置され、前記第1及び第2発光素子からの光を上面から出射する導光板と、前記フレキシブルプリント配線板の底面に設けられ、前記第1及び第2発光素子の間に配置され、熱を放射する第1放熱素子と、前記第1放熱素子と前記導光板とを接着する第1接着部材とを具備する。
【0007】
本発明の第2態様に係る表示装置用照明装置は、第1態様の表示装置用照明装置において、前記第2発光素子に隣接するように配置された第3発光素子と、前記第2及び第3発光素子の間に配置された第2放熱素子と、前記第2放熱素子と前記導光板とを接着する第2接着部材とをさらに具備する。
【0008】
本発明の第3態様に係る表示装置用照明装置は、フレキシブルプリント配線板と、前記フレキシブルプリント配線板の底面に設けられ、前記フレキシブルプリント配線板内の配線に電気的に接続され、第1方向に沿って配置された複数の発光素子と、前記複数の発光素子から発光された光を側面で受けるように配置され、前記複数の発光素子からの光を上面から出射する導光板と、前記フレキシブルプリント配線板の底面に設けられ、前記複数の発光素子の一方の側に配置され、熱を放射する第1放熱素子と、前記第1放熱素子と前記導光板とを接着する第1接着部材とを具備する。
【0009】
本発明の第4態様に係る表示装置用照明装置は、第3態様の表示装置用照明装置において、前記複数の発光素子の他方の側に配置された第2放熱素子と、前記第2放熱素子と前記導光板とを接着する第2接着部材とをさらに具備する。
【0010】
本発明の第5態様に係る表示装置用照明装置は、第1乃至4態様の何れかの表示装置用照明装置において、前記フレキシブルプリント配線板の底面の一部と、前記導光板の一部とを接着する接着部材をさらに具備する。
【0011】
本発明の第6態様に係る表示装置用照明装置は、第1乃至5態様の何れかの表示装置用照明装置において、前記放熱素子は、ダミー発光素子である。
【0012】
本発明の第7態様に係る表示装置用照明装置は、第6態様の表示装置用照明装置において、前記ダミー発光素子は、前記フレキシブルプリント配線板内の配線に電気的に接続されない。
【0013】
本発明の第8態様に係る表示装置は、第1乃至6態様の何れかの照明装置と、前記照明装置からの光を透過し、画像を表示する表示パネルとを具備する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、発光素子が発生する熱によって特性が劣化するのを抑制できる表示装置用照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置の平面図である。
【
図2】
図2は、上側ケースを除いた液晶表示装置の平面図である。
【
図3】
図3は、
図1及び
図2に示したA-A´線に沿った液晶表示装置の断面図である。
【
図4】
図4は、
図1及び
図2に示したB-B´線に沿った液晶表示装置の断面図である。
【
図5】
図5は、液晶表示パネルの一例を示す断面図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る照明装置の主要部の平面図である。
【
図7】
図7は、
図6に示したC-C´線に沿った照明装置の断面図である。
【
図8】
図8は、本発明の第2実施形態に係る照明装置の主要部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。ただし、図面は模式的または概念的なものであり、各図面の寸法および比率等は必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、図面の相互間で同じ部分を表す場合においても、互いの寸法の関係や比率が異なって表される場合もある。特に、以下に示す幾つかの実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための装置および方法を例示したものであって、構成部品の形状、構造、配置等によって、本発明の技術思想が特定されるものではない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0017】
[1] 第1実施形態
以下に、表示装置として液晶表示装置を例に挙げて説明する。
【0018】
[1-1] 液晶表示装置1の構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置1の平面図である。
図2は、上側ケースを除いた液晶表示装置1の平面図である。
図3は、
図1及び
図2に示したA-A´線に沿った液晶表示装置1の断面図である。
図4は、
図1及び
図2に示したB-B´線に沿った液晶表示装置1の断面図である。A-A´線に沿った方向がX方向、A-A´線に直交する方向がY方向である。
【0019】
液晶表示装置1は、照明装置2、液晶表示パネル3、フレーム4、下側ケース5、及び上側ケース6を備える。照明装置2は、バックライトとも呼ばれる。
【0020】
下側ケース5は、照明装置2、液晶表示パネル3、及びフレーム4を収容する。下側ケース5は、平面視において四角形を有する。下側ケース5の内側のサイズは、フレーム4の外形と同じかそれより若干大きく設定される。下側ケース5は、例えば金属で構成される。
【0021】
下側ケース5のX方向における1つの側部には、開口部5Aが設けられる。開口部5Aは、フレキシブルプリント配線板を外側に引き出すためのものである。
【0022】
フレーム4は、照明装置2及び液晶表示パネル3を所望の位置に固定する。フレーム4は、四角枠形状を有する。フレーム4は、樹脂で構成される。
【0023】
フレーム4は、段差4Aを有する。フレーム4のうち段差4Aより下の開口部のサイズは、照明装置2のサイズと同じか若干大きく設定され、この部分の開口部には、照明装置2がはめ込まれる。段差4Aには、液晶表示パネル3が載置される。フレーム4のうち段差4Aより上の開口部のサイズは、液晶表示パネル3のサイズと同じか若干大きく設定され、この部分の開口部には、液晶表示パネル3がはめ込まれる。
【0024】
フレーム4のX方向における1つの側部には、開口部4Bが設けられる。開口部4Bは、フレキシブルプリント配線板を外側に引き出すためのものである。
【0025】
上側ケース6は、下側ケース5を覆い、液晶表示パネル3を上から固定する。上側ケース6は、平面視において四角形を有する。上側ケース6の内側のサイズは、下側ケース5の外形と同じかそれより若干大きく設定される。上側ケース6は、例えば金属で構成される。
【0026】
上側ケース6の上部には、液晶表示パネル3の画面を露出するための開口部6Aが設けられる。また、上側ケース6のX方向における1つの側部には、開口部6Bが設けられる。開口部6Bは、フレキシブルプリント配線板を外側に引き出すためのものである。上側ケース6と下側ケース5とは、図示せぬ固定部材によって互いに固定される。
【0027】
照明装置2は、サイドライト型(エッジライト型)である。照明装置2は、光源としての複数の発光素子10、フレキシブルプリント配線板(FPC:Flexible Printed Circuit)11、接着部材12、反射シート13、導光板14、拡散シート15、プリズムシート16、及びプリズムシート17を備える。反射シート13、導光板14、拡散シート15、プリズムシート16、及びプリズムシート17は、この順に積層される。反射シート13、導光板14、拡散シート15、プリズムシート16、及びプリズムシート17はそれぞれ、四角形を有する。
【0028】
複数の発光素子10の各々は、白色光を発光する。発光素子10は、例えばLED(light-emitting diode)で構成される。
【0029】
複数の発光素子10は、フレキシブルプリント配線板11の底面に設けられる。発光素子10は、フレキシブルプリント配線板11に半田などで接着され、フレキシブルプリント配線板11内に設けられた配線に電気的に接続される。発光素子10には、フレキシブルプリント配線板11を介して電源が供給される。実際の製造では、フレキシブルプリント配線板11の底面を上にした状態で発光素子10を接着し、発光素子10がフレキシブルプリント配線板11の下に来るようにして液晶表示装置1に実装される。発光素子10は、導光板14の側部に配置されるともに、導光板14の側部に向けて光を出射するように配置される。
【0030】
フレキシブルプリント配線板11は、プリント基板の一種であり、フレキシブルプリント回路基板とも呼ばれる。フレキシブルプリント配線板11は、薄く柔らかい絶縁性のあるベースフィルムと、導電性金属とを貼り合わせた基材に電気回路を形成したフィルム状のプリント基板である。
【0031】
接着部材12は、フレキシブルプリント配線板11と導光板14とを接着する。また、接着部材12は、フレキシブルプリント配線板11とフレーム4とを接着する。接着部材12は、例えば両面テープで構成される。
【0032】
下側ケース5上には、反射シート13が設けられる。反射シート13は、導光板14の下部から漏れた光を再度、導光板14に向けて反射する。
【0033】
導光板14は、発光素子10から出射された光を液晶表示パネル3の面内に均一に照射するための光学部材である。導光板14は、アクリル樹脂やポリカーボネートなどの透光性材料からなる。
【0034】
拡散シート15は、表示画面内の光の輝度をより均一化させるためのものである。プリズムシート16、17は、出射光の配向角を調整し、正面の輝度を向上させるためのものである。照明装置2のより具体的な構成については後述する。
【0035】
(液晶表示パネル3の構成)
液晶表示パネル3は、基板21、22、偏光板23、24、及びドライバ25を備える。基板21、22間には、液晶層などが配置される。
図3では、基板21、22間の部材について図示を省略している。偏光板23は、基板21の一方の主面に積層される。偏光板24は、基板22の一方の主面に積層される。
【0036】
基板21のX方向の端部には、ドライバ25が配置される。ドライバ25は、液晶表示パネル3に含まれる複数の画素を駆動する回路である。ドライバ25は、IC(Integrated Circuit:集積回路)で構成される。
【0037】
基板21のX方向の端部には、フレキシブルプリント配線板26が接続される。フレキシブルプリント配線板26は、ドライバ25に電気的に接続される。
【0038】
なお、液晶表示パネル3上には、一般的にタッチパネルが設けられるが、タッチパネルの図示は省略している。
【0039】
図5は、液晶表示パネル3の一例を示す断面図である。
【0040】
液晶表示パネル3は、スイッチング素子及び画素電極等が形成されるTFT基板21と、カラーフィルター及び共通電極等が形成されかつTFT基板21に対向配置されたカラーフィルター基板(CF基板)22とを備える。TFT基板21及びCF基板22の各々は、透明基板(例えば、ガラス基板、又はプラスチック基板)から構成される。TFT基板21は、照明装置2側に配置され、照明装置2からの照明光は、TFT基板21側から液晶表示パネル3に入射する。液晶表示パネル3の2つの主面のうち照明装置2と反対側の主面が、液晶表示パネル3の表示面である。
【0041】
液晶層30は、TFT基板21及びCF基板22間に充填される。具体的には、液晶層30は、TFT基板21及びCF基板22と、これらを貼り付けるシール材(図示せず)とによって包囲された領域内に封入される。シール材は、例えば、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、又は紫外線・熱併用型硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFT基板21又はCF基板22に塗布された後、紫外線照射、又は加熱等により硬化させられる。
【0042】
液晶層30を構成する液晶材料は、TFT基板21及びCF基板22間に印加された電界に応じて液晶分子の配向が操作されて光学特性が変化する。液晶モードとしては、VA(Vertical Alignment)モード、TN(Twisted Nematic)モード、及びホモジニアスモードなど種々の液晶モードを適用することができる。
【0043】
TFT基板21の液晶層30側には、複数のスイッチング素子(アクティブ素子)31が設けられる。スイッチング素子31としては、例えばTFT(Thin Film Transistor)が用いられ、またnチャネルTFTが用いられる。TFT31は、走査線として機能するゲート電極と、ゲート電極上に設けられたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に設けられた半導体層(例えばアモルファスシリコン層)と、半導体層に部分的に接しかつ互いに離間して設けられたソース電極及びドレイン電極とを備える。ソース電極は、信号線に電気的に接続される。
【0044】
TFT31上には、絶縁層32が設けられる。絶縁層32上には、複数の画素に対応する複数の画素電極33が設けられる。絶縁層32内かつTFT31のドレイン電極上には、画素電極33に電気的に接続されたコンタクトプラグ(コンタクトホール)34が設けられる。
【0045】
CF基板22の液晶層30側には、カラーフィルター35が設けられる。カラーフィルター35は、複数の着色フィルター(着色部材)を備え、具体的には、複数の赤フィルター35-R、複数の緑フィルター35-G、及び複数の青フィルター35-Bを備える。一般的なカラーフィルターは光の三原色である赤(R)、緑(G)、青(B)で構成される。隣接したR、G、Bの三色のセットが表示の単位(画素)となっており、1つの画素中のR、G、Bのいずれか単色の部分はサブピクセル(サブ画素)と呼ばれる最小駆動単位である。TFT31及び画素電極33は、サブピクセルごとに設けられる。
【0046】
赤フィルター35-R、緑フィルター35-G、及び青フィルター35-Bの境界部分、及び画素(サブピクセル)の境界部分には、遮光用のブラックマトリクス(遮光膜)36が設けられる。すなわち、ブラックマトリクス36は、網目状に形成される。ブラックマトリクス36は、例えば、着色部材間の不要な光を遮蔽し、コントラストを向上させる機能を有する。
【0047】
カラーフィルター35及びブラックマトリクス36上には、共通電極37が設けられる。共通電極37は、液晶表示パネル3の表示領域全体に平面状に形成される。
【0048】
TFT基板21の液晶層30と反対側には、偏光板23が積層され、CF基板22の液晶層30と反対側には、偏光板24が積層される。偏光板23及び偏光板24は、互いの透過軸が直交するように、すなわち直交ニコル状態で配置される。TFT基板21と偏光板23との間に、1/4波長板を設けてもよい。CF基板22と偏光板24との間に、1/4波長板を設けてもよい。
【0049】
画素電極33、コンタクトプラグ34、及び共通電極37は、透明電極で構成され、例えばITO(インジウム錫酸化物)が用いられる。絶縁層32としては、透明な絶縁材料が用いられ、例えば、シリコン窒化物(SiN)が用いられる。
【0050】
図3に示すように、液晶表示パネル3は、接着部材27によって照明装置2に接着される。具体的には、液晶表示パネル3の偏光板23は、接着部材27によって照明装置2のプリズムシート17に接着される。接着部材27は、液晶表示パネル3の外周に沿って形成された枠形状の部分を含む。また、液晶表示パネル3の基板21は、スペーサ28及び接着部材27によって照明装置2のフレキシブルプリント配線板11に接着される。接着部材27は、フレキシブルプリント配線板11のうち複数の発光素子10の配列方向に沿って延びる部分と略同じ形状を有する部分を含む。接着部材27は、例えば両面テープで構成される。スペーサ28は、樹脂で構成される。
【0051】
[1-2] 照明装置2の具体的な構成
次に、照明装置2の具体的な構成について説明する。
図6は、第1実施形態に係る照明装置2の主要部の平面図である。
図7は、
図6に示したC-C´線に沿った照明装置2の断面図である。
図6では、反射シート、拡散シート15、及びプリズムシート16、17の図示を省略している。
【0052】
照明装置2は、複数の発光素子10を備える。
図6には、一例として、3個の発光素子10-1~10-3を示している。3個の発光素子10-1~10-3は、フレキシブルプリント配線板11の底面に接着されるとともに、フレキシブルプリント配線板11内の配線に電気的に接続される。
【0053】
3個の発光素子10-1~10-3は、Y方向に沿って配置される。3個の発光素子10-1~10-3は、導光板14の側面に向き合うように配置され、また導光板14と若干の隙間を空けて配置される。発光素子10-1~10-3と導光板14との隙間を同じにすることで、配光を安定させることができる。3個の発光素子10-1~10-3は、Y方向に沿って同じ間隔を空けて均等に配列される。これにより、3個の発光素子10-1~10-3は、導光板14の側面全体により均一に光を照射することができる。
【0054】
照明装置2は、複数の放熱素子40を備える。
図6には、一例として、2個の放熱素子40-1、40-2を示している。放熱素子40は、発光素子10が発生した熱を放射する機能を有し、また発光素子10が発生した熱を導光板14に伝えることで熱を逃がす機能を有する。
【0055】
放熱素子40は、熱を伝導することが可能な材料で構成される。本実施形態では、放熱素子40は、発光素子10と同じ構成を有し、すなわち、ダミー発光素子で構成される。放熱素子40としてダミー発光素子を用いる場合、ダミー発光素子と発光素子とを同じ製造工程でフレキシブルプリント配線板に接着できるため、製造工程が容易になる。放熱素子40は、ダミー発光素子に限定されず、抵抗素子であってもよいし、銅(Cu)などの金属で構成してもよい。放熱素子40をダミー発光素子以外で構成する場合、放熱素子40のサイズは、発光素子10のサイズとおおよそ同じに設定される。
【0056】
放熱素子40は、フレキシブルプリント配線板11の底面に接着される。放熱素子40をフレキシブルプリント配線板11に接着する方法は、発光素子10の場合と同じである。放熱素子40は、発光素子10とは異なり、フレキシブルプリント配線板11内の配線に電気的に接続されない。放熱素子40-1は、2個の発光素子10-1、10-2の間に配置され、放熱素子40-2は、2個の発光素子10-2、10-3の間に配置される。
【0057】
放熱素子40は、接着部材41によって導光板14の側面に接着される。接着部材41は、例えば両面テープで構成される。これにより、放熱素子40は、接着部材41を介して導光板14に熱を伝導しやすくなる。また、放熱素子40と導光板14とが固定されるため、液晶表示パネル3が衝撃を受けた場合でも、導光板14がずれるのを抑制できる。これにより、導光板14が発光素子10に接触するのを抑制でき、衝撃によって発光素子10が故障するのを抑制できる。
【0058】
[1-3] 第1実施形態の効果
例えばLEDからなる発光素子10は、熱を発生する。発光素子10は、熱によって特性が劣化し、寿命が短くなってしまう。本実施形態では、照明装置2は、複数の発光素子10の間に設けられた複数の放熱素子(ダミー発光素子)40を備える。複数の放熱素子40は、接着部材41によって導光板14に接着される。
【0059】
従って本実施形態によれば、発光素子10が発生した熱は、フレキシブルプリント配線板11、放熱素子40、及び接着部材41を経由して導光板14に伝導する。そして、導光板14から熱を放射することができる。これにより、発光素子10の温度が上昇するのを抑制できるため、発光素子10の特性が劣化するのを抑制できる。
【0060】
また、導光板14と放熱素子40とが接着部材41によって接着される。このため、液晶表示装置1に衝撃が加えられた場合に、導光板14が所定の位置から動くのを抑制できる。これにより、導光板14と発光素子10とが衝突するのを抑制できるため、発光素子10が故障するのを抑制できる。
【0061】
また、導光板14と放熱素子40とを固定することができる。これにより、複数の発光素子10と導光板14との隙間を常に均一に保つことができる。よって、照明装置2の配光を安定化させることができる。
【0062】
[2] 第2実施形態
第2実施形態は、複数の発光素子10の両側に2個の放熱素子40を配置するようにしている。
【0063】
図8は、本発明の第2実施形態に係る照明装置2の主要部の平面図である。放熱素子40を経由するX方向に沿った断面図は、
図7と同じである。
【0064】
2個の放熱素子40-1、40-2は、発光素子10-1~10-3の両側に配置される。放熱素子40は、接着部材41によって導光板14の側面に接着される。また、放熱素子40は、フレキシブルプリント配線板11の底面に接着される。その他の構成は、第1実施形態と同じである。
【0065】
第2実施形態によれば、第1実施形態と同じ効果を得ることができる。また、第2実施形態によれば、放熱素子40を導光板14の端に配置することで、導光板14のY方向における側面からの放熱効果を向上させることができる。
【0066】
第2実施形態に第1実施形態を組み合わせてもよい。すなわち、複数の発光素子10の間に放熱素子40を配置するとともに、複数の発光素子10の両側に2個の放熱素子40を配置してもよい。
【0067】
なお、上記各実施形態では、照明装置2が複数の放熱素子40を備える構成例を示しているが、照明装置2が少なくとも1個の放熱素子40を備えるように構成してもよい。
【0068】
また、上記各実施形態では、表示装置として液晶表示装置を例に挙げて説明しているが、照明装置2は、液晶表示装置以外の表示装置に適用可能である。さらに、本実施形態は、照明装置2を用いることが可能な様々な電子機器に適用可能である。
【0069】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0070】
1…液晶表示装置、2…照明装置、3…液晶表示パネル、4…フレーム、5…下側ケース、6…上側ケース、10…発光素子、11…フレキシブルプリント配線板、12…接着部材、13…反射シート、14…導光板、15…拡散シート、16,17…プリズムシート、21,22…基板、23,24…偏光板、25…ドライバ、26…フレキシブルプリント配線板、27…接着部材、28…スペーサ、30…液晶層、31…スイッチング素子、32…絶縁層、33…画素電極、34…コンタクトプラグ、35…カラーフィルター、36…ブラックマトリクス、37…共通電極、40…放熱素子、41…接着部材。