IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 凸版印刷株式会社の特許一覧

特許7567228印刷物受注システム、印刷物受注方法及びプログラム
<>
  • 特許-印刷物受注システム、印刷物受注方法及びプログラム 図1
  • 特許-印刷物受注システム、印刷物受注方法及びプログラム 図2
  • 特許-印刷物受注システム、印刷物受注方法及びプログラム 図3
  • 特許-印刷物受注システム、印刷物受注方法及びプログラム 図4
  • 特許-印刷物受注システム、印刷物受注方法及びプログラム 図5
  • 特許-印刷物受注システム、印刷物受注方法及びプログラム 図6
  • 特許-印刷物受注システム、印刷物受注方法及びプログラム 図7
  • 特許-印刷物受注システム、印刷物受注方法及びプログラム 図8
  • 特許-印刷物受注システム、印刷物受注方法及びプログラム 図9
  • 特許-印刷物受注システム、印刷物受注方法及びプログラム 図10
  • 特許-印刷物受注システム、印刷物受注方法及びプログラム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】印刷物受注システム、印刷物受注方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20241008BHJP
【FI】
G06Q30/0601
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020107979
(22)【出願日】2020-06-23
(65)【公開番号】P2022003477
(43)【公開日】2022-01-11
【審査請求日】2023-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】島岡 一拓
【審査官】小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-035663(JP,A)
【文献】特開2018-055253(JP,A)
【文献】登録実用新案第3092694(JP,U)
【文献】(株)福武書店新物流センター-教材封入作業の自動化を実現,東芝レビュー ,1992年04月01日,第47巻 第4号,343~346ページ[ISSN]0372-0462
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の印刷物をセット単位にまとめ、まとめたセット単位で配送箱に梱包することが指定された印刷物における、同じセットに含まれる印刷物の内訳が示された梱包指示情報を取得する第1取得部と、
前記印刷物に付された印刷物識別情報を取得する第2取得部と、
前記梱包指示情報において同じセットに含まれる印刷物の内訳と、前記第2取得部によって取得された前記印刷物識別情報とを突合させることにより、前記印刷物識別情報により特定される印刷物が同じセットに含まれる印刷物に対応するか否かを判定する判定部、
を備え
前記梱包指示情報には、セットを識別するセット識別情報が含まれ、
同じセットに含まれる印刷物には、同一のセット識別情報に対応し、セットを識別するセット識別情報と同じセットに含まれる印刷物を識別可能とする個別の識別情報との組み合わせに対応するものが設定された前記印刷物識別情報が付され、
前記判定部は、前記第2取得部によって取得された前記印刷物識別情報に示される前記セット識別情報と前記個別の識別情報との組み合わせに基づいて、前記印刷物識別情報により特定される印刷物が同じセットに含まれる印刷物に対応するか否かを判定する、
印刷物受注システム。
【請求項2】
前記梱包指示情報には、同じセットに含まれる印刷物が連続するように内訳が示され、
前記梱包指示情報の内訳で示される順序に沿って前記印刷物の製造順序が決定され、
前記第2取得部は、前記印刷物が製造された順に、前記印刷物識別情報を取得し、
前記判定部は、前記第2取得部によって取得された前記印刷物識別情報により特定される印刷物が、前記内訳で示される同じセットに含まれる印刷物の順序に沿っていない場合、前記印刷物識別情報により特定される印刷物と同じセットに含まれる印刷物に対応しないと判定する、
請求項に記載の印刷物受注システム。
【請求項3】
注文対象の印刷物についての個別的な注文内容を示す個別注文依頼情報を含む発注情報を取得する発注情報取得部と、
印刷物製造装置により製造される印刷物についての製造に関する製造仕様を定めた製造仕様情報、印刷物製造装置により製造される印刷物についての梱包に関する梱包の形態を
定めた梱包形態情報を記憶する記憶部と、
前記発注情報取得部により取得された発注情報における所定の情報に基づいて、前記製造仕様情報から前記注文対象の印刷物に対応する製造仕様情報を特定し、前記梱包形態情報から前記注文対象の印刷物に対応する梱包形態情報を特定し、特定した情報を用いて、前記注文対象の印刷物における前記梱包指示情報を生成する発注情報処理部、
を更に備え、
前記第1取得部は、前記発注情報処理部により特定された前記梱包指示情報を取得する、
請求項1又は請求項2に記載の印刷物受注システム。
【請求項4】
複数の印刷物をセット単位にまとめ、まとめたセット単位で配送箱に梱包することが指定された印刷物が受注された場合、同じセットに含まれる印刷物の内訳が示された梱包指示情報を取得する第1取得ステップと、
前記印刷物に付された印刷物識別情報を取得する第2取得ステップと、
前記梱包指示情報において同じセットに含まれる印刷物の内訳と、前記第2取得ステップによって取得された前記印刷物識別情報とを突合させることにより、前記印刷物識別情報により特定される印刷物が同じセットに含まれる印刷物に対応するか否かを判定する判定ステップと、
を含み、
前記梱包指示情報には、セットを識別するセット識別情報が含まれ、
同じセットに含まれる印刷物には、同一のセット識別情報に対応し、セットを識別するセット識別情報と同じセットに含まれる印刷物を識別可能とする個別の識別情報との組み合わせに対応するものが設定された前記印刷物識別情報が付され、
前記判定ステップとして、前記第2取得ステップにおいて取得された前記印刷物識別情報に示される前記セット識別情報と前記個別の識別情報との組み合わせに基づいて、前記印刷物識別情報により特定される印刷物が同じセットに含まれる印刷物に対応するか否かを判定する、
印刷物受注方法。
【請求項5】
印刷物受注システムにおいて備えられるコンピュータを、
複数の印刷物をセット単位にまとめ、まとめたセット単位で配送箱に梱包することが指定された印刷物が受注された場合、同じセットに含まれる印刷物の内訳が示された梱包指示情報を取得する第1取得部と、
前記印刷物に付された印刷物識別情報を取得する第2取得部と、
前記梱包指示情報において同じセットに含まれる印刷物の内訳と、前記第2取得部によって取得された前記印刷物識別情報とを突合させることにより、前記印刷物識別情報により特定される印刷物が同じセットに含まれる印刷物に対応するか否かを判定する判定部、
として機能させ
前記梱包指示情報には、セットを識別するセット識別情報が含まれ、
同じセットに含まれる印刷物には、同一のセット識別情報に対応し、セットを識別するセット識別情報と同じセットに含まれる印刷物を識別可能とする個別の識別情報との組み合わせに対応するものが設定された前記印刷物識別情報が付され、
前記判定部を、前記第2取得部によって取得された前記印刷物識別情報に示される前記セット識別情報と前記個別の識別情報との組み合わせに基づいて、前記印刷物識別情報により特定される印刷物が同じセットに含まれる印刷物に対応するか否かを判定する、
ように機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物受注システム、印刷物受注方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
チラシ、ポスターなどの業務用印刷において、印刷や搬送、裁断や製本など各々の工程で印刷ミスや搬送ミスなどにより印刷物に不具合が発生した場合、その都度、不具合が発生した印刷物を抜き出して廃棄する。そして、廃棄された印刷物の再製造指示に応じて、印刷物を再度製造する手順で印刷物の製造が行われている。このような手順とすることで、印刷エラーが検出されるたびに印刷物製造装置を一旦停止させることなく、印刷物の製造効率を向上させることが可能となる。特許文献1には、印刷物を製造する際に、ジョブチケット(作業指示情報)を用いて入稿から納品までを一括して管理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-301741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、業務用印刷では、発注者からの多様な印刷物の注文に対応する必要がある。例えば、互いに異なる複数の印刷物をセットにして梱包するような、いわゆるセット物の指定などの注文に対応する場合がある。このような場合に特許文献1の技術を適用したとしてもセット物の印刷物の片方に不具合が発生して、当該片方の印刷物が廃棄された場合、対となる印刷物の順番がずれてしまい、作業指示情報の通りに作業することができない。この場合、セット物の印刷物の組合せを抽出する作業に大きな負荷がかかってしまい、作業効率が低下するばかりでなく、ミスを誘発するとなっていた。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、複数の印刷物をセットして梱包する作業においてミスの発生を抑制することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する本発明の一態様は、複数の印刷物をセット単位にまとめ、まとめたセット単位で配送箱に梱包することが指定された印刷物における、同じセットに含まれる印刷物の内訳が示された梱包指示情報を取得する第1取得部と、前記印刷物に付された印刷物識別情報を取得する第2取得部と、前記梱包指示情報において同じセットに含まれる印刷物の内訳と、前記第2取得部によって取得された前記印刷物識別情報とを突合させることにより、前記印刷物識別情報により特定される印刷物が同じセットに含まれる印刷物に対応するか否かを判定する判定部を備え、前記梱包指示情報には、セットを識別するセット識別情報が含まれ、同じセットに含まれる印刷物には、同一のセット識別情報に対応し、セットを識別するセット識別情報と同じセットに含まれる印刷物を識別可能とする個別の識別情報との組み合わせに対応するものが設定された前記印刷物識別情報が付され、前記判定部は、前記第2取得部によって取得された前記印刷物識別情報に示される前記セット識別情報と前記個別の識別情報との組み合わせに基づいて、前記印刷物識別情報により特定される印刷物が同じセットに含まれる印刷物に対応するか否かを判定する、印刷物受注システムである。
【0007】
また、本発明の一態様は、複数の印刷物をセット単位にまとめ、まとめたセット単位で配送箱に梱包することが指定された印刷物が受注された場合、同じセットに含まれる印刷物の内訳が示された梱包指示情報を取得する第1取得ステップと、前記印刷物に付された印刷物識別情報を取得する第2取得ステップと、前記梱包指示情報において同じセットに含まれる印刷物の内訳と、前記第2取得ステップによって取得された前記印刷物識別情報とを突合させることにより、前記印刷物識別情報により特定される印刷物が同じセットに含まれる印刷物に対応するか否かを判定する判定ステップと、を含み、前記梱包指示情報には、セットを識別するセット識別情報が含まれ、同じセットに含まれる印刷物には、同一のセット識別情報に対応し、セットを識別するセット識別情報と同じセットに含まれる印刷物を識別可能とする個別の識別情報との組み合わせに対応するものが設定された前記印刷物識別情報が付され、前記判定ステップとして、前記第2取得ステップにおいて取得された前記印刷物識別情報に示される前記セット識別情報と前記個別の識別情報との組み合わせに基づいて、前記印刷物識別情報により特定される印刷物が同じセットに含まれる印刷物に対応するか否かを判定する、印刷物受注方法である。
【0008】
また、本発明の一態様は、印刷物受注システムにおいて備えられるコンピュータを、複数の印刷物をセット単位にまとめ、まとめたセット単位で配送箱に梱包することが指定された印刷物が受注された場合、同じセットに含まれる印刷物の内訳が示された梱包指示情報を取得する第1取得部と、前記印刷物に付された印刷物識別情報を取得する第2取得部と、前記梱包指示情報において同じセットに含まれる印刷物の内訳と、前記第2取得部によって取得された前記印刷物識別情報とを突合させることにより、前記印刷物識別情報により特定される印刷物が同じセットに含まれる印刷物に対応するか否かを判定する判定部、として機能させ、前記梱包指示情報には、セットを識別するセット識別情報が含まれ、同じセットに含まれる印刷物には、同一のセット識別情報に対応し、セットを識別するセット識別情報と同じセットに含まれる印刷物を識別可能とする個別の識別情報との組み合わせに対応するものが設定された前記印刷物識別情報が付され、前記判定部を、前記第2取得部によって取得された前記印刷物識別情報に示される前記セット識別情報と前記個別の識別情報との組み合わせに基づいて、前記印刷物識別情報により特定される印刷物が同じセットに含まれる印刷物に対応するか否かを判定する、ように機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、仕様の異なる印刷物の発注に対して効率的に注文が行えるようになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る印刷物製造システムの構成例を示す図である。
図2】本実施形態に係る受注処理システムの構成例を示す図である。
図3】本実施形態に係る発注情報の定義例を示す図である。
図4】本実施形態に係る製造仕様情報テーブルの構造例を示す図である。
図5】本実施形態に係る料金体系情報テーブルの構造例を示す図である。
図6】本実施形態に係る梱包形態情報テーブルの構造例を示す図である。
図7】本実施形態に係る配送先情報テーブルの構造例を示す図である。
図8】本実施形態に係る受注処理システムが実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図9】本実施形態に係る梱包指示書(袋詰め指示書)の一例を示す図である。
図10】本実施形態に係る梱包指示書(箱詰め指示書)の一例を示す図である。
図11】本実施形態に係る製造順序指示情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[印刷物製造システムの構成例]
図1は、本実施形態の印刷物製造システム1(印刷物受注システムの一例)の構成例を示している。
印刷物製造システム1は、例えばオンデマンド印刷に対応して、複数の発注者CSからの印刷物の注文を受け、注文された印刷物の製造、製造された印刷物の梱包、梱包された印刷物の発送手配等に関する処理を実行する。ここでの印刷物の製造とは、面付け、印刷、製本(断裁、折り等)等の工程により印刷物としての製品を作ることである。
【0012】
1の発注者CSは、企業等であっても個人であってもよい。同図においては、発注者CSの一具体例として、企業において複数の支部端末Tbrと1の発注端末Torとを備える例が示されている。支部端末Tbrと発注端末Torとは所定のネットワーク経由で通信可能に接続されている。
支部端末Tbrは、企業において各地に設けられる支部ごとに設置された端末である。支部の注文担当者は、支部端末Tbrを操作して、支部にて必要な印刷物の注文を行う。印刷物の注文にあたり、注文担当者は、支部端末Tbrにより注文依頼情報を発注端末Torに送信する。原稿データは、注文対象の印刷物の印刷内容を示す。注文依頼情報は、対象の印刷物について個別的となる、種別やタイトル等を指定する情報である。
【0013】
発注端末Torは、例えば企業の本部に設けられる。発注端末Torは、ネットワーク経由で印刷物製造システム1と通信可能に接続されている。この場合の発注端末Torは、支部端末Tbrからの印刷物の注文依頼をとりまとめて、印刷物製造システム1に印刷物を注文する機能を有する。
発注端末Torは、支部端末Tbrのそれぞれから送信された注文依頼情報を受信する。発注端末Torは、受信された注文依頼情報に基づいて、注文依頼情報により注文依頼された印刷物の製造を印刷物製造システム1に注文するための発注情報D2と、注文依頼情報により注文依頼された印刷物の内容を有する発注原稿データD1とを生成する。発注原稿データD1は、例えば所定形式による文書ファイルであってよい。同じ印刷物に対応する発注情報D2と発注原稿データD1は、共通の発注識別情報(発注番号)により対応付けられる。発注端末Torは、発注原稿データD1と発注情報D2を印刷物製造システム1に送信する。
【0014】
発注端末Torは、支部端末Tbrから注文依頼情報が受信される都度、対応の発注原稿データD1、発注情報D2を印刷物製造システム1に送信してもよい。あるいは、発注端末Torは、受信された注文依頼情報をとりまとめたうえで、所定のタイミングで、発注原稿データD1、発注情報D2を一括して送信してよい。発注端末Torは、発注原稿データと発注情報とを、それぞれ異なるタイミングで送信してもよい。
【0015】
他の発注者CSも発注端末Torを備え、発注端末から発注原稿データD1と発注情報D2とを送信するようにされてよい。あるいは、発注者CSによっては、支部端末Tbrを有さずに、発注端末Torのみを有していてよい。この場合には、発注端末Torが、注文担当者の操作によって入力された原稿データと注文依頼情報とに基づいて生成した発注原稿データD1、発注情報D2を印刷物製造システム1に送信するようにされてよい。
【0016】
それぞれの発注者CSが注文する印刷物の種類は、それぞれ異なっていてよい。具体的に、発注者CSが注文する印刷物の種類としては、ページ物(書籍、雑誌、冊子等)、ペラ物(ポスター、パンフレット)、ダイレクトメール等を挙げることができる。
【0017】
支部端末Tbrと発注端末Torとを備える発注者CSの一例として、学習塾運営企業を挙げることができる。学習塾運営企業は、支部としての各地の教室に支部端末Tbrを設置し、本部に発注端末Torを設置する。
教室は、生徒向けの問題集等としての教材と、教材に対応して講師が使用する指導書の印刷物製造システム1への注文を本部に依頼する。この際、教室の注文担当者は、注文を依頼する教材と指導書に対応する注文依頼情報を支部端末Tbrに入力し、入力した注文依頼情報を発注端末Torに送信させる。
発注端末Torは、支部端末Tbrから受信した注文依頼情報に基づいて、例えば教材と指導書とを1セットとする発注原稿データD1と、当該1セットに対応する発注情報D2とを生成する。発注端末Torは、生成された発注原稿データD1と発注情報D2とを印刷物製造システム1に送信する。
【0018】
同図の印刷物製造システム1において、受注処理システム100は、発注者CSからの印刷物の注文に応じた処理(受注処理)を以下のように行う。受注処理システム100は、複数の装置により構成されてもよいし、1つの装置により構成されてもよい。
【0019】
受注処理システム100は、受信された発注原稿データD1について適正性を検証する処理(適正性検証処理)を実行する。適正性検証処理は、発注原稿データD1について所定の検証項目のそれぞれについて適正であるか否かを検証する処理である。適正性検証処理により、受注処理システム100は、発注原稿データD1を印刷物の製造に利用可能であるか否かを判定する。このような適正性検証処理はプリフライトとも呼ばれる。適正性検証処理における検証項目としては、フォントのエンベット(埋め込み)の有無、発注原稿データD1内の画像データの解像度、テキストフォーマットの確認等を挙げることができる。また、受信された発注原稿データD1に対応付けられている配送先が、例えば印刷物製造システム1に登録されている配送先のいずれかに該当するものであるか否かについての確認も、適正性検証処理における検証項目に含められてよい。
【0020】
発注原稿データD1は、印刷物に印刷する内容の情報を有するが、印刷物の体裁に応じた内容を有していない。そこで、受注処理システム100は、発注原稿データD1を、印刷物としての体裁に応じた内容を有する印刷用原稿データD11に変換する処理(原稿データ変換処理)を実行する。
原稿データ変換処理は、発注原稿データD1が1つの印刷物に対応して表紙、扉、本文、目次等のように複数のデータに分割されている場合には、これら1つの印刷物に対応する複数のデータを統合して1つのデータとする処理が含まれてよい。また、原稿データ変換処理は、ページ物の印刷物の場合には適宜必要となる白紙ページを挿入する処理が含まれてよい。また、受注処理システム100は、注文された印刷物がページ物であって、ページ数が発注原稿データD1の内容に依存する場合には、印刷用原稿データD11に基づき、印刷物としての出来上がり段階におけるページ数を算出してよい。このように算出されたページ数は、例えば料金の算出や梱包指示情報の生成に利用される。
受注処理システム100は、原稿データ変換処理により得られた印刷用原稿データD11を、統合管理システム200に出力する。
【0021】
また、受注処理システム100は、注文された印刷物の仕様の詳細を指定する製造仕様情報を取得する。受注処理システム100は、事前に発注者CSと取り決めた印刷物ごとの製造仕様の詳細を示す製造仕様情報を記憶している。受注処理システム100は、受信された発注情報D2が示す注文対象の印刷物に該当する製造仕様情報を取得する。
【0022】
また、受注処理システム100は、注文された印刷物について算出されたページ数、部数等に基づいて費用等を算出し、算出された費用等の情報を含み、発注者CSへの費用請求に関する請求情報を生成する。
【0023】
受注処理システム100は、受信した発注情報D2と、取得された製造仕様情報と、生成された請求情報等に基づいて一次製造指示情報D12を生成し、統合管理システム200に出力する。一次製造指示情報D12は、例えば発注情報D2による発注に応じた印刷物の製造に関する指示内容を含む情報である。例えば一次製造指示情報D12は、発注された印刷物の種別、製造仕様、請求等に関する内容を含む。
【0024】
受注処理システム100による受注処理は、注文受付期間ごとに対応して得られた発注情報D2を処理単位として一括で行われる。
受注受付期間は、例えば所定の日数ごとに対応して設定されてよい。あるいは、受注受付期間は、週単位または月単位の周期で設定されてもよい。また、受注受付期間は、周期的でなくともよく、例えば注文数の見込み等に応じて期間長が設定されてよい。
【0025】
受注処理システム100は、注文受付期間において発注原稿データD1と発注情報D2とを受信すると、受信した発注原稿データD1と発注情報D2とを記憶(蓄積)しておくようにされる。受注処理システム100は、注文受付期間が満了すると、当該注文受付期間において記憶された発注原稿データD1、発注情報D2を利用して受注処理を行う。受注処理において、受注処理システム100は、注文受付期間において注文された印刷物に対応する印刷用原稿データD11、一次製造指示情報D12、製造順序指示情報D14を生成する。
【0026】
受注処理システム100は、生成した印刷用原稿データD11、一次製造指示情報D12、製造順序指示情報D14を統合管理システム200に出力する。注文受付期間が満了すると、次の注文受付期間が開始され、受注処理システム100は、次の注文受付期間に対応する受注処理を実行する。
【0027】
印刷物製造システム1は、1の注文受付期間に対応して受注された注文ごとに対応して印刷物製造装置500を稼働させて印刷物を製造する。つまり、印刷物は、注文受付期間の単位ごとにまとめて製造される。
従って、梱包部門PKでの作業者WKによる梱包と配送手配の作業も、注文受付期間の単位ごとに対応してまとめて行われる。
【0028】
また、受注処理システム100は、梱包指示情報D13を生成する。梱包指示情報D13は、注文受付期間の受注に応じて製造される印刷物の梱包の仕方を指示する情報である。
例えば印刷物がセット物である場合に、発注者CSからセット単位で印刷物を袋詰めしたうえで配送用の箱(配送箱)に梱包するよう指示される場合がある。このような袋詰めの指示を受けているセット物の印刷物の場合、受注処理システム100は、袋詰めが行われるべきセット単位の印刷物の内訳を指定する袋詰め指示情報を生成し、梱包指示情報D13に含めるようにされる。
受注処理システム100は、梱包指示情報D13を、梱包部門PKにおける梱包管理システム600に出力する。
【0029】
また、受注処理システム100は、生成した梱包指示情報D13に基づいて、梱包指示書SH-1を発行する。受注処理システム100はプリンタを備え、当該プリンタにより梱包指示書SH-1を印刷するようにされてよい。梱包指示書SH-1は、注文受付期間の受注に応じて製造された印刷物について、どのように仕分けてどの配送箱に梱包(箱詰め)するのかを作業者WKに指示する内容を有する帳票である。
また、梱包指示情報D13に袋詰め指示情報が含まれる場合、梱包指示書SH-1は、上記の箱詰めの仕方を指示する箱詰め指示書と、同じ袋にセットとして袋詰めする印刷物がどれであるのかを示す袋詰め指示書とを含むようにされてよい。
【0030】
また、受注処理システム100は、配送伝票SH-2を発行する。配送伝票SH-2は、梱包指示書SH-1が示す指示に従って印刷物が梱包された配送箱に貼り付けられる帳票である。配送伝票SH-2における宛先等は、一次製造指示情報D12において示される配送先の情報が反映される。配送伝票SH-2の発行にあたっては、例えば印刷物の配送を依頼している配送業者から提供された配送伝票に印刷を行うようにされてよい。
【0031】
また、受注処理システム100は、納品書SH-3を発行する。納品書SH-3は、印刷物を梱包して発送される配送箱ごとに対応する帳票であり、対応の配送箱に入れられて配送先に届けられる。納品書SH-3は、梱包指示情報D13に基づいて、配送箱に詰められて納品が行われる印刷物の内訳を示す情報が印刷される。
【0032】
なお、梱包指示書SH-1、配送伝票SH-2、納品書SH-3について特に区別しない場合には、帳票SHとも記載する。
【0033】
統合管理システム200は、受注処理システム100から入力した印刷用原稿データD11、一次製造指示情報D12、製造順序指示情報D14に基づいて、印刷物の受注に対応する統合的管理を行う。具体的に、統合管理システム200は、印刷物の受注に対応する統合的管理として、注文された印刷物の製造に関する管理と、製造された印刷物に対応する発注者への費用の請求に関する管理とを、例えば以下のように行う。
【0034】
統合管理システム200は、入力された一次製造指示情報D12から、印刷物の製造に関する情報と、費用の請求に関する情報とを抽出する。なお、一次製造指示情報D12から抽出される情報のうちには、印刷物の製造に利用される情報と費用の請求に利用する情報とで共有される情報が含まれてよい。
【0035】
統合管理システム200は、一次製造指示情報D12から抽出した印刷部の製造仕様等に関する情報と製造順序指示情報D14とに基づいて二次製造指示情報D21を生成する。
統合管理システム200は、生成した二次製造指示情報D21と、当該二次製造指示情報D21により製造対象として指定される印刷物に対応する印刷用原稿データD11とを製造管理システム400に出力する。
【0036】
また、統合管理システム200は、一次製造指示情報D12から抽出した費用の請求に利用する情報に基づいて請求情報D22を生成する。請求情報D22は、同じ一次製造指示情報D12を基とする二次製造指示情報D21にて製造が指定された印刷物の費用請求に利用される情報を含む。統合管理システム200は、生成した請求情報D22を請求管理システム300に出力する。
【0037】
統合管理システム200は、1の装置により構成されてもよいし、複数の装置により構成されてもよい。
【0038】
請求管理システム300は、統合管理システム200から入力した請求情報D22に基づいて、印刷物の費用の請求書を作成する。請求書は、例えば注文受付期間の単位ごとに対応して製造された印刷物についての費用を請求するものであってもよいし、例えば所定の月締め日に対応する期間において製造、もしくは発送された印刷物についての費用を請求するものであってもよい。
【0039】
請求管理システム300は、1つの装置によって構成されてもよいし、複数の装置によって構成されてもよい。
【0040】
製造管理システム400は、印刷物製造装置500が行う印刷物の製造に関する管理を行う。
製造管理システム400は、二次製造指示情報D21により示される製造順序と製造仕様に従って各印刷物が製造されるように印刷物製造装置500を制御する。この際、製造管理システム400は、二次製造指示情報D21に基づいて、製造対象の印刷物ごとの面付けの設定を行う。
【0041】
印刷物製造装置500は、製造管理システム400の制御に応じて印刷物の製造を行う。印刷物製造装置500は、印刷物の製造として、面付けの設定に従って印刷用のロール紙に印刷を行い、印刷された用紙の加工(裁断、製本等)を行う。
【0042】
印刷物製造装置500が印刷物を製造している過程において、例えばインクの擦れや用紙送り等のエラーが生じる可能性がある。印刷物製造装置500は、製造過程においてエラーを検出した場合には、エラーが検出された用紙位置(ページ)を記憶しておいたうえで印刷物を製造するようにされる。つまり、印刷物製造装置500は、印刷過程でエラーが発生したとしても、エラーとなった用紙を含む印刷物を製造してしまうようにする。
そのうえで、印刷物製造装置500は、製造された印刷物のうちで、エラーの検出されたページを含む印刷物は不良品として廃棄する。印刷物製造装置500は、廃棄された印刷物の再製造指示に応じて、印刷物を再度製造することができる。このような手順とすることで、印刷エラーが検出されるたびに印刷物製造装置500を一旦停止させて再印刷を行わなくともよくなるため、印刷物の製造効率が向上される。
【0043】
印刷物製造装置500により製造された印刷物PMは、例えばベルトコンベアにより、梱包部門PKに搬送される。この際、印刷物PMは、製造順に従って搬送されてくる。
梱包部門PKにおいて、梱包担当の作業者WKは、ベルトコンベアにより搬送された印刷物を配送箱BXに梱包する作業を行う。配送箱BXは例えば段ボール製である。
【0044】
このような梱包作業を行うにあたり、作業者WKは、梱包指示書SH-1と梱包管理システム600を使用することができる。
例えば、作業者WKは、梱包指示書SH-1あるいは梱包管理システム600にて表示される梱包指示書SH-1と同様の梱包指示内容を見ることで、必要な配送箱BXのサイズごとの数を用意する。作業者WKは、用意した配送箱BXを組み立て、組み立てた配送箱BXのそれぞれに、該当の配送伝票SH-2を貼り付けておくようにされる。
【0045】
同図の梱包部門PKにおいては、印刷物がセット物であることに対応して、梱包作業が袋詰め工程と箱詰め工程とに分けられた例が示されている。この場合、作業者WKは、ベルトコンベアにより搬送された印刷物PMを、セット単位で袋詰めにする袋詰め作業を行う。
また、作業者WKは、袋詰めされた印刷物のセットを、配送先ごとに仕分けて、配送箱BXに詰める箱詰め作業を行う。一具体例として、学習塾にて使用される生徒向けの教材と講師が使用する指導書との印刷物がセットである場合、作業者WKは、生徒ごとに対応して各1冊の教材と指導書とを1つのセットとして、袋詰め作業を行うようにされる。
この場合の梱包指示書SH-1は、箱詰め指示書と袋詰め指示書を含む。
【0046】
梱包管理システム600には梱包指示情報D13が入力される。この場合の梱包指示情報D13には袋詰め指示情報が含まれる。梱包管理システム600は、入力された梱包指示情報D13を利用して、梱包作業補助画面を表示する。梱包作業補助画面は、梱包作業をアシスト(補助)する操作画面である。梱包管理システム600は、袋詰め工程に対応する梱包作業補助画面として、印刷物のリストをセット単位で示す袋詰め補助画面を表示する。
作業者WKは、印刷物PMをセット単位で袋詰めするにあたり、印刷物PMの表または裏の表紙に印刷されたコードCDを、梱包管理システム600のコードスキャナ601により読み取らせる操作を行う。コードCDは、セットを特定するセット番号を含む情報をコード化したものである。セット番号は、同じセット物の印刷物を特定可能な識別情報である。コードCDは、例えば原稿データ変換処理の段階で印刷用原稿データD11にて挿入される。同図のコードCDは、2次元コードである例を示しているが、バーコード等の他の形式のコードであってもよい。
【0047】
梱包管理システム600は、同じセット物に含まれるべき所定数の印刷物のコードCDが連続して読み取られたことに応じて、袋詰め補助画面の印刷物のリストにおいてコードCDが読み取られた印刷物が識別可能なように所定の態様で表示させる。
作業者WKは、この表示を確認したうえで、コードCDを読み取らせた同じセット物に含まれる複数の印刷物を1つの袋に詰める作業を行う。作業者WKは、1つの袋への袋詰めを完了させたことに応じて、梱包管理システム600に対して完了確認操作を行う。完了確認操作は、一例として、袋詰め補助画面に表示された完了確認ボタンに対する操作であってよい。完了確認操作が行われたことに応じて、梱包管理システム600は、袋詰めが完了した印刷物(即ち、コードCDが読み取られた印刷物)を印刷物のリストから除外する。
【0048】
一方、例えば、作業者WKのコードCDの読み取り作業のミスや、セットに含まれる印刷物の一部について、印刷物製造装置500での印刷エラーにより廃棄されたような場合には、同じセット物に含まれる所定数の印刷物のコードCDが連続して読み取られない結果を生じる。
この場合、梱包管理システム600は、音や表示により、作業者WKに対してセット確認エラーの発生を報知する。セット確認エラー発生の報知により、作業者WKは、セット物の確認作業にエラーの生じたことを把握できる。
セット確認エラーの原因が自分のミスによるものであった場合、作業者WKは、同じセット物に含まれる印刷物を確認し、再度、コードCDの読み取りを行うようにすればよい。
一方、セット確認エラーの原因が、印刷物製造装置500にて印刷エラーが生じたことで廃棄された印刷物があったためにセット物に含まれる印刷物が欠けていたことである場合、作業者WKは、廃棄された印刷物の再製造を、例えば製造管理システム400に指示する。作業者WKは、再製造の指示に応じて製造された印刷物と、先に製造されていた印刷物とを袋詰めする。このようにして、セット確認エラーが発生しても、最終的には、印刷物を袋詰めしたものを揃えることができる。
作業者WKは、上記のようにして印刷物製造装置500を使用して袋詰め作業を行っていく際、袋詰め指示書も確認しつつ作業を進めることができる。
【0049】
作業者WKは、袋詰め工程によって印刷物が詰められた袋(セット)を配送箱BXに入れる作業を行う。この際、作業者WKは、箱詰め指示書と、納品書SH-3と、配送箱BXに貼り付けられている配送伝票SH-2等を照らし合わせて、配送箱BXに入れるべき印刷物を確認し、配送箱BXに印刷物を入れる作業を行うことができる。
配送箱BXに袋詰めされたセット単位の印刷物を入れる際には、作業者WKは、配送箱BXに貼られている配送伝票SH-2のコードを、梱包管理システム600のコードスキャナ601により読み取らせる。
そのうえで、作業者WKは、配送箱BXに袋詰めされた印刷物を入れていく際に、順次、印刷物のコードCDをコードスキャナ601により読み取らせる。印刷物を詰める袋は透明であるため、袋詰めされた状態の印刷物のコードCDの読み取りは可能である。
また、この際の印刷物のコードCDの読み取りは、アイテム識別情報を取得するためである。同じ袋に詰められた複数の印刷物は、コードCDに共通のアイテム識別情報が含まれていることから、コードCDを読み取る印刷物は、同じ袋に詰められた複数の印刷物のうちのいずれか1つであってよい。
梱包管理システム600は、例えば印刷物からコードCDが読み取られるごとに、今回読み取られたコードCDと、先に配送伝票SH-2から読み取られたコードと、納品書SH-3から読み取られたコードとを、梱包指示情報D13と照合する。梱包管理システム600は、照合結果に基づき、配送箱BXに入れられる印刷物に間違いがないか否かを判定する。間違いがあると判定した場合、梱包管理システム600は、作業者WKにエラー報知を行う。作業者WKは、エラー報知が行われることで、間違った印刷物を入れようとしていたことに気付き、正しい印刷物を入れることができる。
そして、梱包管理システム600は、配送箱BXに入れるべき印刷物が全て入れられたことを判定すると、対応の配送箱BX単位の梱包指示を、梱包指示リストから削除する。
このように印刷物が入れられた配送箱BXは、配送業者によって配送先に配送される。
【0050】
[受注処理システムの機能構成例]
図2を参照して、受注処理システム100の機能構成例について説明する。同図の受注処理システムは制御部101と記憶部102とを備える。同図に示される受注処理システム100としての機能は、受注処理システム100に含まれる1以上の各装置に備えられるCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより実現される。
【0051】
受注処理システム100は、制御部101と記憶部102とを備える。
制御部101は、受注処理システム100における制御を実行する。制御部101は、受領情報処理部111、原稿データ処理部112、発注情報処理部113、及び帳票処理部114を備える。
【0052】
受領情報処理部111(発注情報取得部の一例)は、受領情報を、受領情報記憶部121に記憶させる。受領情報は、発注者CSの発注端末Torから送信された発注原稿データD1と発注情報D2である。本実施形態の印刷物製造システム1は、例えば印刷物製造装置500や梱包業務を効率的に稼働させるために、例えば数日単位での注文受付期間を定め、注文受付期間における受注を一括して処理し、印刷物を製造するようにしている。
受領情報処理部111は、注文受付期間において、発注者CSの発注端末Torから送信された受領情報(発注原稿データD1、発注情報D2)が受信されると、受信された受領情報を、記憶部102の受領情報記憶部121に記憶させる。これにより、受領情報記憶部121には、注文受付期間において受信された受領情報としての発注原稿データD1と発注情報D2が蓄積される。
【0053】
原稿データ処理部112は、注文受付期間ごとにおいて受領情報記憶部121に記憶された発注原稿データD1を入力して所定の処理を実行する。
具体的に、原稿データ処理部112は、発注原稿データD1の適正性を検証する適正性検証処理を実行する。
また、原稿データ処理部112は、発注原稿データD1を印刷用原稿データD11に変換する原稿データ変換処理を実行する。
また、原稿データ処理部112は、注文された印刷物の出来上がり段階でのページ数が発注原稿データD1に依存する場合には、印刷用原稿データD11に基づいてページ数を算出してよい。
原稿データ処理部112は、印刷用原稿データD11を統合管理システム200に出力する。
【0054】
発注情報処理部113は、受領情報記憶部121に記憶された注文受付期間単位の発注情報D2を入力して所定の処理を実行する。
具体的に、発注情報処理部113は、入力した発注情報D2に基づいて一次製造指示情報D12を生成する。一次製造指示情報D12は、注文された印刷物の製造仕様や費用請求に関する情報等を含む。発注情報処理部113は、一次製造指示情報D12を統合管理システム200に出力する。
また、発注情報処理部113は、注文された印刷物を配送するための梱包に関する指示内容を示す梱包指示情報D13を生成する。梱包指示情報D13は、例えば、どのサイズの配送箱にどの印刷物を収容するのかを指示する内容を示す。
【0055】
また、例えば、注文された印刷物がセット物である場合、発注情報処理部113は、梱包指示情報D13に製造指示情報を含めるようにしてよい。
【0056】
受注処理システム100は、梱包指示情報D13を、梱包部門PKにおける梱包管理システム600に出力する。
【0057】
また、発注情報処理部113(製造順序指定部の一例)は、注文受付期間の受注に応じた印刷物を印刷物製造装置500により製造させるにあたっての印刷物の製造順序を決定する。発注情報処理部113は、梱包指示情報D13により示される配送箱への梱包単位を成す印刷物の製造順序が連続するように、製造順序を決定する。
また、発注情報処理部113は、セット物の印刷物を製造する場合には、同じセットに含まれる複数の印刷物の製造順序を連続させる。
また、発注情報処理部113は、配送箱単位としてみた場合には、例えば、同じ配送先で製造順序を連続させるようにしてよい。
受注処理システム100は、決定した印刷物の製造順序を示す製造順序指示情報D14を生成し、生成された製造順序指示情報D14を、統合管理システム200に出力する。
【0058】
帳票処理部114は、帳票SH(梱包指示書SH-1、配送伝票SH-2)を発行する。
帳票処理部114は、発注情報処理部113により生成された梱包指示情報D13に基づいて、梱包指示書SH-1を発行する。
帳票処理部114は、プリンタを備え、当該プリンタにより梱包指示書SH-1を印刷するようにされてよい。
また、帳票処理部114は、梱包指示情報D13に袋詰め指示情報が含まれる場合、上記の箱詰めの仕方を指示する箱詰め指示書と、同じ袋に袋詰めするセットの印刷物がどれであるのかを示す袋詰め指示書との2通による梱包指示書SH-1を発行してよい。
また、帳票処理部114は、一次製造指示情報D12において示される配送先を宛先として印刷した配送伝票SH-2を発行する。
発行された帳票(梱包指示書SH-1、配送伝票SH-2)は、梱包部門PKに搬送される。
【0059】
記憶部102は、受注処理システム100が対応する各種の情報を記憶する。記憶部102は、受領情報記憶部121、製造仕様情報テーブル122、料金体系情報テーブル123、梱包形態情報テーブル124、及び配送先情報テーブル125を備える。
【0060】
受領情報記憶部121は、受領情報処理部111の制御に応じて、受信された受領情報(発注原稿データD1、発注情報D2)を記憶する。
製造仕様情報テーブル122は、製造仕様情報を格納する。
料金体系情報テーブル123は、料金体系情報を格納する。
梱包形態情報テーブル124は、梱包形態情報を格納する。
配送先情報テーブル125は、配送先情報を格納する。
【0061】
受領情報記憶部121が記憶する発注情報について説明する。1つの発注情報D2は、1以上の同じ印刷物の発注に応じた内容を有する。
図3(A)は、発注情報D2の基本定義例を示している。同図の発注情報D2は、注文日時、アイテム識別情報、配送先指定情報、数量、オプション情報の項目を含む。
【0062】
注文日時は、発注者CSが対応の印刷物を発注した日時を示す。注文日時は、例えば発注端末Torが発注情報D2を送信するタイミングに応じた日時であってよい。
【0063】
アイテム識別情報は、後述のサービス識別情報により規定される印刷物の種別(一次種別)の階層化でさらに区分される印刷物のアイテム(種別(二次種別))を特定可能な情報である。アイテム識別情報は、例えば英数字等による識別子であってもよいし、二次種別を特定可能な所定数の情報項目によるものであってもよい。
【0064】
配送先識別情報は、注文対象の印刷物を配送する配送先を特定可能な情報である。
数量の項目は、発注された印刷物の数量を示す。
オプション情報の項目は、発注された印刷物に固有であって、注文にあたって必要となる情報である。
【0065】
図3(B)は、2つの印刷物をセット単位とするセット物を注文する発注情報D2の具体例を示している。同図においては、左側の欄において発注情報D2が含む項目の具体例を示し、右側の欄にて基本定義により定義される項目との対応関係が示されている。
セット物の場合、1つの発注情報D2は、1つのセットの注文に対応するようにして生成される。
【0066】
同図の発注情報D2は、発注番号、注文日時、支部識別情報、支部名、使用者識別情報、使用者名、第1アイテム分類、第2アイテム分類の項目を含む。
この場合の発注番号は、当該発注情報D2による1の印刷物セットの発注に応じて発注者CSにより付与された番号である。この場合の発注番号は、当該発注情報D2による1のセットの発注原稿データD1にも付与されている。つまり、同じセットの発注原稿データD1と発注情報D2とは共通の発注番号により対応付けられる。この場合の発注番号は、例えばオプション情報に該当する。
【0067】
注文日時は、当該発注情報D2による1の印刷物セットの発注(注文)が行われた日時である。
【0068】
支部識別情報は、注文対象の印刷物セットが使用される支部を識別する情報である。この場合の発注者CSは、本部と複数の支部を有している場合を例に挙げている。支部識別情報は、支部に付与されたコード(例えば、所定桁数の英数字による文字列)であってよい。
支部名は、印刷物セットが使用される支部の名称である。
この場合、支部識別情報が示す支部は、注文対象の印刷物セットの配送先でもある。従って、支部識別情報は、配送先識別情報として機能する。
【0069】
使用者識別情報は、印刷物セットを使用する使用者に発注者CSが付与した、使用者を識別するための識別情報である。識別情報は、例えばコードであってよい。
使用者名は、印刷物セットを使用する使用者の名前である。
使用者識別情報、使用者名は、例えば注文対象の印刷物等に印刷されることで、製造された印刷物セットが、どの使用者に対応するものであるのかの確認が容易となる。このような使用者識別情報、使用者名は、オプション情報に該当する。
【0070】
第1アイテム分類の項目は、注文対象の印刷物セットのアイテムとしての所定の第1分類が何であるのかを示す。
第2アイテム分類の項目は、注文対象の印刷物セットのアイテムとしての所定の第2分類が何であるのかを示す。
このような第1アイテム分類、第2アイテム分類等の項目に応じて、印刷物セットに含まれる印刷物ごとのサイズ、閉じ方向等の仕様が定まる。従って、第1アイテム分類、第2アイテム分類等の分類を示す項目は、アイテム識別情報としての機能を有する。分類を示す項目の数は特に限定されない。
【0071】
一具体例として、学習塾にて使用される生徒向けの教材と講師が使用する指導書とによる印刷物セットである場合、同図の発注情報D2における支部識別情報、支部名、使用者識別情報、使用者名、第1アイテム分類、第2アイテム分類は、それぞれ教室識別情報、教室名、生徒識別情報、生徒名、学年、教科が該当してよい。
【0072】
なお、同図の発注情報D2により注文対象となるセット数は1で固定である。このため、同図では、数量の項目に相当する情報は省略された例が示されている。
【0073】
図4は、製造仕様情報テーブル122の構造例を示している。同図の製造仕様情報テーブル122は、サービス識別情報ごとに、アイテム識別情報と製造仕様情報とを対応付けた構造を有する。
サービス識別情報は、注文対象の印刷物が対応するサービス(印刷物の種別)を特定可能な情報である。サービス識別情報によっては、例えば学習塾にて使用される生徒用の教材と講師用の指導書とのセット(教材セット)、ポスター、パンフレット、ダイレクトメール等を区分して示すことができる。
サービス識別情報は、発注者CSごとに個別に割り当てられるものがあってもよいし、発注者CS間で共通に割り当てられるものがあってもよい。また、サービス識別情報は、例えば所定桁数の英数字等による識別子であってもよいし、サービスを特定可能な所定数の情報により形成されるものであってもよい。
即ち、1つの製造仕様情報は、対応のサービス識別情報(一次種別)とアイテム識別情報(二次種別)の組み合わせにより決まる印刷物についての製造仕様を示す。
【0074】
図5は、料金体系情報テーブル123の構造例を示している。同図の料金体系情報テーブル123は、サービス識別情報ごとに、アイテム識別情報と料金体系情報とを対応付けた構造を有する。即ち、1つの料金体系情報は、対応のサービス識別情報とアイテム識別情報の組み合わせにより決まる印刷物についての料金体系を示す。料金体系情報は、例えば対応の印刷物のページ単価等の情報を含む。
【0075】
図6は、梱包形態情報テーブル124の構造例を示している。同図の梱包形態情報テーブル124は、サービス識別情報ごとに、アイテム識別情報と梱包形態情報とを対応付けた構造を有する。即ち、1つの梱包形態情報は、対応のサービス識別情報とアイテム識別情報の組み合わせにより決まる印刷物についての梱包をどのように行うのかを示す。
一例として、印刷物がセット物である場合、梱包形態情報は、セット単位を成す複数の印刷物を袋詰めしたうえで、配送箱BXに収容することを指定する内容を含む。また、印刷物がポスター等である場合には、例えばポスターとしての印刷物を梱包する配送箱BXの規格(サイズ等)や、1つの配送箱BXに収容可能な最大枚数などを指定する内容を含む。
【0076】
図7は、配送先情報テーブル125の構造例を示している。同図の配送先情報テーブル125は、サービス識別情報ごとに、配送先識別情報と配送先情報とを対応付けた構造を有する。配送先情報は、対応の配送先識別情報により示される配送先の住所、送り先名、郵便番号、電話番号、担当者名等の情報を含む。
【0077】
[処理手順例]
図8のフローチャートを参照して、上記構成による受注処理システム100が実行する処理手順例について説明する。
ステップS100:制御部101は、注文受付期間が満了するのを待機する。注文受付期間において、受領情報処理部111は、発注端末Torから随時送信されてくる発注原稿データD1と発注情報D2とを受信し、受信された発注原稿データD1と発注情報D2とを受領情報記憶部121に記憶させる。
【0078】
ステップS102:注文受付期間が満了すると、原稿データ処理部112は、満了した注文受付期間において受領情報記憶部121に記憶された発注原稿データD1を対象とする処理(原稿データ処理)を実行する。原稿データ処理にあたり、原稿データ処理部112は、満了した注文受付期間において受領情報記憶部121に記憶された発注原稿データD1のうちの1つを入力する。
【0079】
ステップS104:原稿データ処理部112は、ステップS102により入力した発注原稿データD1の適正性検証処理を実行する。
なお、原稿データ処理部112は、適正性検証処理の結果、発注原稿データD1が適正性を有さないエラーと判定した場合には、次のステップS104、S106の処理をスキップし、ステップS108に移行してよい。
【0080】
ステップS106:原稿データ処理部112は、原稿データ変換処理を実行する。つまり、原稿データ処理部112は、ステップS104により適正性を有すると判定された発注原稿データD1を印刷用原稿データD11に変換する。
【0081】
ステップS108:原稿データ処理部112は、ステップS106の原稿データ変換処理により得られた印刷用原稿データD11を、統合管理システム200に出力する。
【0082】
ステップS110:原稿データ処理部112は、満了した注文受付期間において受領情報記憶部121に記憶された全ての発注原稿データD1についての原稿データ処理を行ったか否かについて判定する。まだ、原稿データ処理が行われていない発注原稿データD1が残っている場合には、ステップS102に処理が戻される。
【0083】
ステップS112:ステップS110にて全ての発注原稿データD1について原稿データ処理が行われたことが判定されると、受注処理システム100は、製造指示情報を生成する処理に遷移する。
製造指示情報の生成にあたり、発注情報処理部113は、まず、満了した注文受付期間において受領情報記憶部121に記憶された発注情報D2のうちの1つを入力する。
【0084】
ステップS114:発注情報処理部113は、ステップS112により入力した発注情報D2により注文される印刷物を製造するのに必要な製造仕様情報を取得する。このために、発注情報処理部113は、発注情報D2に含まれるサービス識別情報とアイテム識別情報との組み合わせに対応付けられた製造仕様情報を、製造仕様情報テーブル122から取得する。
一具体例として、発注情報D2が図3(B)に示す印刷物セットに対応するものである場合、発注情報処理部113は、発注情報D2の発注番号においてサービス識別情報に相当する所定桁数の値と、アイテム識別情報としての第1アイテム分類と第2アイテム分類とを取得する。発注情報処理部113は、取得した発注番号の所定桁数の値(サービス識別情報)と、第1アイテム分類及び第2アイテム分類との情報(アイテム識別情報)との組み合わせに対応付けられた製造仕様情報を、製造仕様情報テーブル122から取得する。
【0085】
ステップS116:また、発注情報処理部113は、請求情報を生成する。請求情報は、入力した発注情報D2による注文に対する発注者CSへの費用請求に関する内容を示す。発注情報処理部113は、入力した発注情報D2に含まれるサービス識別情報とアイテム識別情報との組み合わせに対応付けられた料金体系情報を、料金体系情報テーブル123から取得する。
発注情報処理部113は、取得した料金体系情報と、例えば入力した発注情報D2における数量等の情報を利用して費用等をはじめとする請求に必要な情報を取得する。発注情報処理部113は、取得された情報に基づき、請求情報を生成する。
【0086】
ステップS118:また、発注情報処理部113は、入力した発注情報D2に含まれる配送先識別情報に対応付けられた配送先情報を、配送先情報テーブル125から取得する。発注情報処理部113は、配送先情報の取得に伴い、発注者CSを示す発注者情報も取得してよい。
【0087】
ステップS120:発注情報処理部113は、ステップS112により入力した発注情報D2と、ステップS114により取得した製造仕様情報と、ステップS116により生成した請求情報と、ステップS118により取得した配送先情報とを利用して、一次製造指示情報D12を生成する。
ステップS122:発注情報処理部113は、生成した一次製造指示情報D12を統合管理システム200に出力する。
【0088】
ステップS124:発注情報処理部113は、満了した注文受付期間において受領情報記憶部121に記憶された全ての発注情報D2に対応して一次製造指示情報D12を生成する処理を行ったか否かについて判定する。まだ、一次製造指示情報D12の生成に用いられていない発注情報D2が残っている場合には、ステップS112に処理が戻される。
【0089】
1つの発注情報D2に対応して生成される一次製造指示情報D12の基本的構造の一例としては以下のようになる。
例えば、一次製造指示情報D12は、受注基本情報、製造仕様指定情報、配送先情報、及び請求情報を含んでよい。
【0090】
受注基本情報は、サービス識別情報、発注形式、受注日、発注者情報を含んでよい。
製造仕指定様情報は、主に発注情報処理部113が製造仕様情報テーブル122から取得した製造仕様情報に基づいて得られるようにされてよい。同図の例では、製造仕様指定情報は、アイテム基本情報、本文仕様情報、表紙仕様情報等を含んでよい。
アイテム基本情報は、製造仕様における基本的な情報を格納する。同図のアイテム基本情報は、アイテム識別情報、タイトル、仕上がり幅、仕上がり高さ、製本方式等の情報を含む。製本方式には、綴じ方向等の綴じ方法について指定する情報を含んでよい。
【0091】
本文仕様情報は、本文のページについての製造仕様を示す。表紙仕様情報は、表紙のページについての製造仕様を示す。
同図の本文仕様情報、表紙仕様情報は、それぞれ、横幅、高さ、背幅、余白サイズ、ファイル名(対応の発注原稿データもしくは印刷用原稿データのファイル名)、用紙種別等を含んでよい。
【0092】
製造仕様指定情報において、アイテム基本情報の一部の情報(仕上がり幅、仕上がり高さ、製本方式等)と、本文仕様情報、表紙仕様情報は、製造仕様情報テーブル122から取得された製造仕様情報に基づいて得られるようにされてよい。
【0093】
配送先情報は、配送先の送り先名、住所、郵便番号、電話番号等の情報を含む。
請求情報は、数量、単価、費用等の情報を含んでよい。
【0094】
図8に説明を戻す。
ステップS126:ステップS124にて全ての発注情報D2に対応して一次製造指示情報D12を生成する処理が行われたことが判定されると、受注処理システム100は、梱包指示情報を生成する処理に遷移する。
梱包指示情報を生成するにあたり、まず、発注情報処理部113は、満了された注文受付期間にて注文された印刷物ごとの嵩に関する情報(例えば、数量、寸法(横幅、高さ(縦)、背幅)、重量等)を取得する。発注情報処理部113は、満了した注文受付期間に対応して生成された一次製造指示情報D12のそれぞれにおいて示される配送先情報と製造仕様指定情報とに基づいて、嵩の情報を取得することができる。
【0095】
ステップS128:また、発注情報処理部113は、ステップS120ごとに生成した一次製造指示情報D12のそれぞれにおいて示されるアイテム識別情報に対応付けられた梱包形態情報を、梱包形態情報テーブル124から取得する。
【0096】
ステップS130:発注情報処理部113は、ステップS126により取得された印刷物ごとの嵩の情報と、ステップS128にて取得した梱包形態情報と、ステップS118により取得された配送先情報とに基づいて、梱包指示情報D13を生成する。
例えば、発注情報処理部113は、注文された印刷物を同じ配送先ごとにグルーピングする。発注情報処理部113は、同じ配送先のグループに含まれる印刷物ごとの嵩に基づいて、配送先ごとに使用する配送箱BXのサイズと数とを決定する。この際、発注情報処理部113は、配送箱BXごとに詰める印刷物の内訳についても決定してよい。さらに発注情報処理部113は、配送箱BXに詰める印刷物の順序についても決定してよい。発注情報処理部113は、上記の決定結果が反映された梱包指示情報D13を生成する。
このように生成された梱包指示情報D13は、注文受付期間にて注文された印刷物のそれぞれを、どの配送箱BXに入れるのかを示す。
【0097】
また、注文された印刷物がセット物であって、セット単位で袋詰めすることが梱包形態情報により指定されている場合がある。この場合、発注情報処理部113は、袋詰め指示情報を生成し、生成された袋詰め指示情報を、梱包指示情報D13に含める。セット物の印刷物は、共通の発注番号が付されている。発注情報処理部113は、共通の発注番号の印刷物が同じ袋に詰めるべきセットであることを示すように袋詰め指示情報を生成する。
【0098】
ステップS132:発注情報処理部113は、ステップS130により生成された梱包指示情報D13を、梱包部門PKにおける梱包管理システム600に出力する。
【0099】
ステップS134:帳票処理部114は、帳票SH(梱包指示書SH-1、配送伝票SH-2)を発行する。
つまり、帳票処理部114は、ステップS130により生成された梱包指示情報D13の内容を示す梱包指示書印刷データを生成する。帳票処理部114は、生成された印刷データをプリンタに出力することにより、プリンタに梱包指示書SH-1を印刷させる。梱包指示情報D13に袋詰め指示情報が含まれる場合、梱包指示書SH-1は、袋詰め指示書と、箱詰め指示書とを含む。袋詰め指示情報がない場合、梱包指示書SH-1は、箱詰め指示書のみでよい。
また、帳票処理部114は、梱包指示情報D13に従って印刷物が詰められる配送箱BXごとの配送先情報を取得する。帳票処理部114は、取得された配送先情報が示す宛先(宛名、住所、郵便番号、電話番号等)を、プリンタにより配送伝票SH-2に印刷させる。
【0100】
図9図10を参照して、梱包指示書SH-1の一例について説明する。ここでは、梱包指示書SH-1として、袋詰め指示書と箱詰め指示書がある場合を例に挙げて説明する。
【0101】
図9は、袋詰め指示書の一例を示している。同図の袋詰め指示書は、或る印刷物セットについての袋詰めを指示する内容を有する。
同図の袋詰め指示書のヘッダ領域AR11には、品名、注文日、出荷日が記載されている。
また、ヘッダ領域AR11には、製造単位識別情報(JOB_ID)の値が記載されている。製造単位識別情報は、満了した注文受付期間での注文に対応する製造単位に対して付される識別情報である。同図の袋詰め指示書におけるバーコードは、製造単位識別情報の値を示す。
【0102】
同図の袋詰め指示書の袋詰め指示領域AR12においては、袋詰めする印刷物のセットが示される。袋詰め指示領域AR12においては、セット単位ごとに応じた袋詰め指示リストが示される。
袋詰め指示リストにおいて1つのセットに対応するリスト項目は、配送先、セット番号及び内訳の項目を含む。配送先の項目は、対応のセットの配送先を示す。セット番号の項目は、対応のセットのセット番号を示す。この場合のセット番号は、同じ配送先のグループに属するセットに対して「1」からの昇順で付与される番号である。
【0103】
内訳の項目は、対応のセットに含まれる印刷物の内訳を示す。内訳の項目は、使用者名、印刷物番号、第1アイテム分類、第2アイテム分類の項目を含む。
使用者名の項目は、対応のセットにおける印刷物を使用する使用者の氏名を示す。使用者名は、例えば対応のセットにおける印刷物の表紙に印刷される。
印刷物番号は、対応のセットにおける所定の印刷物に付された印刷物番号(セット内番号)を示す。印刷物番号は、例えばセット番号に所定桁数による所定値を付加することによって表されてよい。印刷物番号は、対応のセットにおける印刷物の表紙に印刷される。
第1アイテム分類の項目は、対応のセットの印刷物が対応する第1アイテム分類を示す。第2アイテム分類の項目は、対応のセットの印刷物が対応する第2アイテム分類を示す。
【0104】
同図の袋詰め指示書の袋詰め指示領域AR12全体としては、第1支部を配送先とするセット番号「1」~「10」の10セットと、第2支部を配送先とするセット番号「1」~「15」の15セットとの計25セットの袋詰めを指示する内容を有する。
印刷物製造装置500は、同図の袋詰め指示領域AR12において示されるリスト項目の上から下にかけて、セット単位ごとの順で印刷物を製造し、ベルトコンベアにより梱包部門PKに搬送する。例えば1の印刷物セットに冊子Aと冊子Bとの2つの印刷物が含まれる場合、作業者WKは、搬送されてきた順に従って、冊子A、冊子Bのセットを順次袋詰めしていく作業を行う。この場合、作業者WKは、冊子Aに印刷された冊子A番号のコードCDと冊子Bに印刷された冊子B番号のコードCDとをコードスキャナ601により読み取らせる操作を行って、袋詰めするセットに間違いがないかどうかを確認しつつ作業を行う。この際、作業者WKは、袋詰め指示書により自分が行うべき作業を把握することができる。
【0105】
図10は、箱詰め指示書の一例を示している。同図の箱詰め指示書は、図9の袋詰め指示書に従って袋詰めされた印刷物のセットを配送箱BXに詰めるにあたっての指示内容が示される。
【0106】
同図の箱詰め指示書のヘッダ領域AR21には、品名、注文日、出荷日が記載されている。品名、注文日、出荷日は、図9に示した袋詰め指示書に記載されるものと同じとなる。
また、ヘッダ領域AR21には、製造単位識別情報(JOB_ID)の値が記載されている。箱詰め指示書に記載される製造単位識別情報の値は、図9に示した袋詰め指示書に記載されるものと共通である。
【0107】
同図の箱詰め指示書の箱詰め指示領域AR22においては、配送先ごとに用意する配送箱の内訳と、配送箱BXに詰めるセットの内訳とが示される。
具体的に、同図の箱詰め指示領域AR22は、第1の配送先に対応しては、大のサイズの配送箱BXに、10の使用者名のリストによって特定される10セットを詰めるべきことを示している。当該10セットに対応する10個の使用者名のリスト順は、上から下にかけて、図9の袋詰め指示情報において示される第1のセット番号「1」~「10」の使用者名のリスト順と同じである。
また、同図の指示領域AR22は、第2の配送先に対応しては、大のサイズの配送箱BXに10の使用者名のリストによって特定される10セットを詰め、中のサイズの配送箱BXに5の使用者名のリストによって特定される5セットを詰めるべきことを示している。第2の配送先に対応する大のサイズの配送箱BXに詰められる10セットに対応する使用者名のリスト順は、図9の第2のセット番号「1」~「10」と同じである。また、第2の配送先に対応する中のサイズの配送箱BXに詰められる5セットに対応する使用者名のリスト順は、図9の第2のセット番号「11」~「15」と同じである。
【0108】
なお、注文された印刷物がセット物でない場合には、梱包指示書SH-1として、箱詰め指示書のみが発行されればよい。この場合の箱詰め指示書においては、図10における「セット数」の項目が例えば「部数」に変更される。また、この場合において、「使用者名」の項目は、例えば印刷物の「種別」や「タイトル」等に変更されてよい。
【0109】
説明を図8に戻す。
ステップS136:また、発注情報処理部113は、製造順序指示情報D14を生成する。製造順序指示情報D14の生成にあたり、発注情報処理部113は、ステップS130により梱包指示情報D13を生成した際に設定した、梱包対象の印刷物のリスト順を、印刷物の製造順序として設定する。
【0110】
具体的に、図9図10による梱包指示書SH-1(袋詰め指示書、箱詰め指示書)により梱包が指示されるセット物の印刷物である場合、梱包指示情報D13における袋詰め指示情報は、図9の袋詰め指示領域AR12と同様のセット単位のリストを示す情報を含む。
この場合、発注情報処理部113は、図9の袋詰め指示領域AR12におけるセット単位のリスト順に従った印刷物の製造順序を設定するようにされてよい。つまり、発注情報処理部113は、第1が配送先であるセット番号1~10、第2が配送先のセット番号1~15の順により、冊子A、冊子Bのセットを製造するという製造順を設定する。ここでのセット単位内での冊子A、冊子Bの製造順については、例えば冊子Aが主たるものであって指導書が付随的なものとしての扱いである場合、冊子A、冊子Bの順とすることが好ましいが、逆であってもよい。
発注情報処理部113は、上記のようにして設定した印刷物の製造順序が反映された製造順序指示情報D14を生成する。
【0111】
このように生成される製造順序指示情報D14は、まず、1の注文受付期間の注文に応じて製造された印刷物が箱詰めされる複数の配送箱BXに対応する梱包単位間での順序(梱包単位順)を設定しているものである。そのうえで、製造順序指示情報D14は、設定された梱包単位順に従って印刷物の製造順序が設定される。この場合、同じ梱包単位に含まれる印刷物の製造順序は連続する。
また、製造順序指示情報D14は、複数の異なる配送先がある場合において、或る配送先では複数の配送箱BXが必要となる場合には、同じ配送先の複数の配送箱BXに対応する梱包単位順が連続するようにされる。この場合、同じ配送先の複数の梱包単位に含まれる印刷物の製造順序が連続する。
さらに、製造順序指示情報D14は、セット物が含まれる場合には、セット物に含まれる複数の印刷物の製造順が連続するようにされる。
【0112】
また、図10の箱詰め指示書においては、1の配送箱BXに詰める印刷物(セット)のリストが示されているが、このリスト順を配送箱BXに詰める順序(箱詰め順序)を指示する情報として扱うこともできる。製造順序指示情報D14は、箱詰め指示書において示される印刷物のリスト順を反映させることで、梱包単位における箱詰め順序に応じた製造順を指示することが可能である。
【0113】
ステップS138:発注情報処理部113は、ステップS136により設定された製造順序指示情報D14を、統合管理システム200に出力する。
【0114】
なお、同図の処理では、受注受付期間において受信された発注原稿データD1と発注情報D2とを記憶しておき、受注受付期間が満了したことに応じて、記憶されていた発注原稿データD1の処理と発注情報D2の処理とを一括で実行するようにされている。しかしながら、例えば発注原稿データD1の処理負荷が重い場合がある。
そこで、受注処理システム100は、発注原稿データD1の処理については、受信される都度に実行してよい。この場合、受注処理システム100は、発注原稿データD1の処理により生成された印刷用原稿データD11を記憶しておき、受注受付期間が満了したことに応じて、記憶していた印刷用原稿データD11を統合管理システム200に出力するようにされてよい。
また、受注処理システム100は、発注情報D2についても受信された都度処理を行うようにされてもよい。
【0115】
図11は、製造順序指示情報D14の一例を示している。製造順序指示情報D14は、1の製造単位に対応して製造される印刷物の製造順序を示す。
同図の製造順序指示情報D14は、製造単位識別情報(JOB_ID)に対して、1番目からN番目までによる製造順ごとのレコードが対応付けられた構造である。1つのレコードは、製造順に対して発注番号とセット内番号とが対応付けられた構造である。セット物でない印刷物については、発注番号によって印刷物が特定される。セット物である印刷物については発注番号とセット内番号との組み合わせによって印刷物が特定される。
【0116】
同図の例では、製造順序が「1」、「2」のレコードに対応するそれぞれの印刷物はセット物ではない。このため、製造順序が「1」、「2」のレコードのそれぞれにおいては、セット内番号が格納されていない。
また、製造順序が「3」、「4」の2つの印刷物は、同じセット物に含まれる印刷物である。このため、製造順序が「3」、「4」に対応する2つのレコードの発注番号は、共通となっている。例えば、製造順序が「3」、「4」に対応する印刷物が同じセットの冊子A、冊子Bである場合、製造順序が「3」に対応するレコードのセット内番号は冊子Aとしての印刷物を示し、製造順序が「4」に対応するレコードのセット内番号は冊子Bとしての印刷物を示す。
ポスター等のように印刷内容、製造仕様が同一であって、多数が注文されたようなものは、1つの発注番号に対応する1レコードに対応して、注文された数量のうちで配送箱BXに梱包可能な数量による同じ印刷物が製造されてよい。また、1部ごとに内容が異なる印刷物については、1つの発注番号に対応する1レコードに対応して1部が製造される。
なお、製造順序指示情報D14においては、製造順序に対応する印刷物のそれぞれと梱包される配送箱BXとの対応を示す情報が設けられてよい。
【0117】
以上説明した通り、本実施形態の印刷物製造システム1は、梱包管理システム600とコードスキャナ601とを備える。梱包管理システム600は、梱包指示情報D13を取得する。この場合、梱包管理システム600は、「第1取得部」の一例である。梱包指示情報D13には、特定の印刷物における、同じセットに含まれる印刷物の内訳が示されている。ここでの特定の印刷物は、複数の印刷物をセット単位にまとめ、まとめたセット単位で配送箱に梱包することが指定された印刷物である。コードスキャナ601は、印刷物に付されたコードCDを取得する。コードCDは、「印刷物識別情報」の一例である。コードスキャナ601は、「第2取得部」の一例である。梱包管理システム600は、梱包指示情報D13示される印刷物の内訳とコードCDとを突合させることにより、コードCDにより特定される印刷物が、同じセットに含まれる印刷物に対応するか否かを判定する。この場合、梱包管理システム600は「判定部」の一例である。
【0118】
これにより、本実施形態の印刷物製造システム1によれば、コードスキャナ601で読み取ったコードCDを梱包指示情報D13と突合させる。梱包指示情報D13にはセットに含まれる印刷物の内訳が示されている。このため、コードCDにより特定される印刷物が、同じセットに含まれる印刷物に対応するか否かを判定することができる。したがって、複数の印刷物をセットして梱包する作業において、製造された印刷物がどのセットに含まれる印刷物に対応するかを判定でき、誤った組合せの印刷物をセットしてしまうようなミスの発生を抑制することができる。
【0119】
なお、上述した実施形態では、複数の印刷物が袋詰めされることによりセットにされる場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されることはない。セットの際に、少なくともセットに含まれる複数の印刷物がまとめられていればよい。例えば、複数の印刷物が帯封されて束ねられてもよいし、クリアファイルに入れられてもよいし、バインダやクリップなどの挟持物により挟まれることでまとめられてもよい。
【0120】
また、梱包指示情報D13には、セット番号が含まれる。セット番号は、「セットを識別するセット識別情報」の一例である。同じセットに含まれる印刷物には、同一のセット番号に対応するコードCDが付される。梱包管理システム600は、コードスキャナ601によって取得されたコードCDに示されるセット番号に基づいて、コードCDにより特定される印刷物が同じセットに含まれる印刷物に対応するか否かを判定する。これにより、本実施形態の印刷物製造システム1によれば、コードCDに示されるセット番号が同一であるか否か判定するという容易な処理で同じセットに含まれる印刷物に対応するか否かを判定することができる。
【0121】
ここで、梱包指示情報D13に示されるセット物の印刷物の番号体系について補足する。本実施形態では、同じセットに含まれる印刷物のそれぞれは、同一のセット番号と、互いに異なる個別の情報の組合せにて識別される。例えば、図10の例では、印刷物の内訳として、使用者名、印刷物番号、第1アイテム、及び第2アイテムが示されている。この場合、同じセット番号を有する複数の印刷物には、例えば、使用者名に対応する印刷物(以下、冊子Xという)、印刷物番号に対応する印刷物(以下、冊子Yという)が含まれる。コードCDは、セット番号(例えば「1」)と個別の識別番号(例えば、「2」)の組合せに対応するものが設定される。例えば、冊子Xのセット番号が「1」、個別の識別情報が「2」である場合、冊子XのコードCDには、例えば「00012」に対応する情報が含まれている。冊子Yのセット番号が「1」、個別の識別情報が「3」である場合、冊子XのコードCDには、例えば「00013」に対応する情報が含まれている。
なお、上記はあくまでも一例であり、セット物の印刷物の番号体系が上記に限定されることはない。例えば、同一のセット番号が付された複数の印刷物を、同じセットに含まれる印刷物としてもよい。
【0122】
個別の識別情報は、同じセットに含まれる印刷物を識別可能であれば任意の情報であってよい。例えば、個別の識別情報は、セットを袋詰めする場合において印刷物を重ねる順序に対応させたものであってもよい。この場合、梱包管理システム600は、音や表示により、作業者WKに対して、セット確認エラー、及びセット順序エラーの発生を報知する。セット順序エラーは、印刷物のコードCDが読み取られた順序と、セットする順序とが整合しない旨を示す。ただし、実際に印刷物を重ねる作業は作業者WKによって行われる。このため、厳密には、梱包管理システム600の案内に従って、作業者が印刷物を正しい順序で重ねることによって、重ねる順序が保証されることとなる。
【0123】
例えば、作業者WKは、袋詰め作業において、冊子XのコードCDを読み取り、その後に冊子YのコードCDを読み取る。梱包管理システム600は、梱包指示情報D13を参照し、冊子X及び冊子Yの組合せが、セットとして正しい内訳であるか否かを判定する。梱包管理システム600は、内訳が正しくない場合にセット確認エラーを報知する。作業者WKは、梱包管理システム600によってセット確認エラーが報知されなかった場合、冊子X及び冊子Yの組合せが、セットとして正しい内訳であることを認識する。
【0124】
さらに、梱包管理システム600は、セットとして正しい内訳である場合、冊子X及び冊子Yの順序が、セットにする際における正しい順序であるか否かを判定する。梱包管理システム600は、正しい順序でない場合にセット順序エラーを報知する。作業者WKは、梱包管理システム600によってセット順序エラーが報知されなかった場合、冊子X及び冊子Yの順序が、セットにする際における正しい順序であることを認識する。一方、作業者WKは、梱包管理システム600によってセット順序エラーが報知された場合、冊子X及び冊子Yの順序が、セットにする際における正しい順序でないことを認識する。セット順序エラーが報知された場合、作業者WKは、セット順序エラーが報知されなくなるまで、コードCDを読み取る印刷物の順序を変更させるなどの対応をすることにより、セットにする際の正しい順序を確認することができる。
【0125】
作業者WKは、セットにする際の正しい順序を確認できた場合、コードCDを読み取った順に、例えば、最初に読み取った冊子Xに印刷されたコードCDが最上面となるように冊子Xと冊子Yとを重ね、重ねた冊子群を袋詰めする作業を行う。これにより、袋詰めする印刷物を重ねる順序を揃えることができる。
【0126】
また、袋詰めした印刷物を配送箱に入れる作業において、配送箱に入れるセットを確認する際に、セットが正しい順序で印刷物が重ねられているか否かを併せて確認することができる。
【0127】
例えば、作業者WKは、箱詰め作業において、袋詰めされた袋の上から一番上にある印刷物のコードCDを読み取る。梱包管理システム600は、梱包指示情報D13を参照し、袋詰めされた印刷物が、配送箱に入れるべき印刷物であるか否かを判定する。梱包管理システム600は、配送箱に入れるべき印刷物に該当しない場合、エラー報知を行う。この場合のエラー報知は、袋詰めされた印刷物のセットが、配送箱に入れるべきものではないことを示すエラーである。
【0128】
さらに、梱包管理システム600は、袋詰めされた印刷物が、配送箱に入れるべき印刷物である場合、袋詰めされた印刷物の重ね順序が、配送箱に入れるべき印刷物であるか否かを判定する。梱包管理システム600は、順序が正しくない場合にセット順序エラーを報知する。この場合のセット順序エラーは、袋詰めされた印刷物が誤った順序で重ねられていることを示すエラーである。作業者WKは、セット順序エラーが報知されなくなるまで、印刷物を重ねる順序を変更させて再度の袋詰めを行うなどの対応をすることにより、正しい順序に重ねられた印刷物の袋詰めを梱包することができる。
【0129】
また、本実施形態の印刷物製造システム1では、印刷物が、複数の印刷物をセット単位にして配送することが指定された印刷物である場合、梱包指示情報D13には、同じセットに含まれるべき印刷物が連続するように内訳が示される。また、梱包指示情報D13の内訳で示される順序に沿って印刷物の製造順序が決定される。コードスキャナ601は、印刷物が製造された順に、コードCDを取得する。梱包管理システム600は、コードスキャナ601によって取得されたコードCDにより特定される印刷物が、内訳で示される同じセットに含まれる印刷物の順序に沿っていない場合、コードCDにより特定される印刷物が同じセットに含まれる印刷物に対応しないと判定する。これにより、実施形態の印刷物製造システム1によれば、同じセットに含まれる印刷物が連続するように製造される。このため、印刷物が製造された順にコードCDを読み取り、内訳に示された順に沿って梱包指示情報D13と突合させることにより、同じセットに含まれる印刷物を容易に特定することが可能である。
【0130】
また、本実施形態の印刷物製造システム1は、受領情報処理部111と、記憶部102と、発注情報処理部113とをさらに備える。受領情報処理部111は、「発注情報取得部」の一例である。受領情報処理部111は、発注原稿データD1と発注情報D2を取得する。発注原稿データD1、及び発注情報D2は、「注文対象の印刷物についての個別的な注文内容を示す個別注文依頼情報を含む発注情報」の一例である。記憶部102は、製造仕様情報テーブル122と梱包形態情報テーブル124を記憶する。製造仕様情報テーブル122製造仕様情報を格納する。製造仕様情報は、印刷物製造装置により製造される印刷物についての製造に関する製造仕様を定めた情報である。梱包形態情報テーブル124は梱包形態情報を格納する。梱包形態情報は、印刷物についての梱包に関する梱包仕様を定めた情報である。発注情報処理部113は、受領情報処理部111により取得された発注情報における所定の情報に基づいて、製造仕様情報テーブル122から注文対象の印刷物に対応する製造仕様情報を特定する。発注情報処理部113は、梱包形態情報テーブル124から注文対象の印刷物に対応する梱包形態情報を特定する。発注情報処理部113は、特定した、注文対象の印刷物に対応する、製造仕様情報、及び梱包形態情報を用いて、注文された印刷物の内訳が示された梱包指示情報D13を生成する。発注情報処理部113は、生成した梱包指示情報D13で示された内訳に沿って製造順序を決定する。梱包管理システム600は、発注情報処理部113により特定された梱包指示情報D13を取得する。
【0131】
これにより、本実施形態の印刷物製造システム1によれば、製造仕様情報テーブル122、及び梱包形態情報テーブル124を記憶しておくことにより、多様な仕様の印刷物の注文に応じて、ひとまとめにセットする印刷部の内訳を的確に導出することができる。さらに、本実施形態の場合には、製造仕様情報テーブル122、及び梱包形態情報テーブル124を記憶しておくことにより、発注者CSは、注文にあたって印刷物の種別と印刷部に個別となる部数、タイトル等の必要最低限の情報を指定すればよく、詳細な仕様までを指定する必要がない。これにより、発注者CSが注文する際の負担も軽減される。
【0132】
なお、上述の印刷物製造システム1における受注処理システム100、統合管理システム200、請求管理システム300、製造管理システム400、印刷物製造装置500、梱包管理システム600等の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の各システムや装置の処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0133】
1 印刷物製造システム、100 受注処理システム、101 制御部、102 記憶部、111 受領情報処理部、112 原稿データ処理部、113 発注情報処理部、114 帳票処理部、121 受領情報記憶部、122 製造仕様情報テーブル、123 料金体系情報テーブル、124 梱包形態情報テーブル、125 配送先情報テーブル、200 統合管理システム、300 請求管理システム、400 製造管理システム、500 印刷物製造装置、600 梱包管理システム、601 コードスキャナ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11