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特許7567232情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20241008BHJP
【FI】
G06Q30/0601 340
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020113978
(22)【出願日】2020-07-01
(65)【公開番号】P2022012266
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2023-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】大塚 兼重
【審査官】松野 広一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/087725(WO,A1)
【文献】特開2016-071525(JP,A)
【文献】特開2007-299104(JP,A)
【文献】特開平07-272123(JP,A)
【文献】特開2014-013629(JP,A)
【文献】特開2014-235530(JP,A)
【文献】国際公開第2018/012073(WO,A1)
【文献】特開2013-061701(JP,A)
【文献】特開2012-043371(JP,A)
【文献】特開2012-053711(JP,A)
【文献】平成23年度第3次補正予算戦略的基盤技術高度化支援事業「パン等の画像識別によるPOSシステム組込みソフトウェアの開発」,[online],2013年03月,pp.1-28,[令和6年7月23日検索],インターネット<URL=https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/portal/seika/2010/22152801036.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
商品の外観を撮像した撮像画像を生成する撮像手段と、
前記撮像画像の画像認識を行い、当該撮像画像に含まれる商品を認識する商品認識手段と、
認識された商品の価格を取得する価格取得手段と、
前記価格を前記撮像画像上に重畳した価格重畳画面を表示部に表示した後、当該価格重畳画面に同じ商品が表示された状態で所定時間が経過した際に、当該価格重畳画面に含まれる各商品の中から少なくとも1つの商品を選択可能になったことを顧客に伝える文字列を当該価格重畳画面に表示する表示制御手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記文字列が表示された状態の前記価格重畳画面において商品が選択されたときに、選択された商品の商品詳細情報を取得し、当該商品詳細情報を含む商品詳細画面を前記表示部に表示する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記文字列が表示された状態の前記価格重畳画面において複数の商品が選択された場合、選択された複数の商品の商品詳細情報を比較表示する商品詳細画面を前記表示部に表示する請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
商品に付されたコード情報を読み取る読取手段を備え、
前記表示制御手段は、読み取られた前記コード情報に対応する商品の商品詳細情報を取得し、当該商品詳細情報を含む商品詳細画面を前記表示部に表示する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記商品詳細画面は、顧客毎又は顧客のランク毎に決定されるクーポン情報を含む請求項2乃至4のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記商品詳細画面は、当該商品の所定期間の売り上げ情報又は販売個数を含む請求項2乃至5のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記撮像画像に含まれる個々の商品の大きさが所定サイズ以上である場合、又は、前記撮像画像に含まれる商品数が所定数以上である場合、前記撮像画像に含まれる商品数を減らすことを求めるメッセージを前記表示部に表示する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記撮像画像に含まれる個々の商品の大きさが所定サイズ以上である場合、又は、前記撮像画像に含まれる商品数が所定数以上である場合、前記撮像画像に含まれる商品の選択を求めるメッセージを前記表示部に表示し、商品が選択されたときに、選択された商品の商品詳細情報を含む商品詳細画面を前記表示部に表示する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
顧客の識別情報を取得する顧客識別情報取得手段と、
前記顧客毎又は前記顧客のランク毎に異なる価格を記憶した価格記憶部と、を備え、
前記価格取得手段は、前記顧客の識別情報に基づき、当該顧客に対応する価格を前記価格記憶部から取得する請求項1乃至8のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
店舗の識別情報を取得する店舗識別情報取得手段と、
前記店舗毎に異なる価格を記憶した価格記憶部と、を備え、
前記価格取得手段は、前記店舗の識別情報に基づき、当該店舗に対応する価格を前記価格記憶部から取得する請求項1乃至9のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記商品認識手段は、前記撮像画像に含まれる商品数を検出し、
前記表示制御手段は、前記商品数が1つの場合、前記価格重畳画面及び前記文字列の表示を行わずに、当該商品の商品詳細情報を含む商品詳細画面を前記表示部に表示し、前記商品数が複数である場合、前記価格重畳画面を前記表示部に表示する請求項1乃至10のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項12】
端末装置と通信可能な情報処理装置であって、
商品の外観を撮像した撮像画像を前記端末装置から受信する受信手段と、
前記撮像画像の画像認識を行い、当該撮像画像に含まれる商品を認識する商品認識手段と、
認識された商品の価格を取得する価格取得手段と、
前記価格を前記撮像画像上に重畳した価格重畳画面を生成して前記端末装置へ送信した後、当該価格重畳画面に同じ商品が表示された状態で所定時間が経過した際に、当該価格重畳画面に含まれる各商品の中から少なくとも1つの商品を選択可能になったことを顧客に伝える文字列を当該価格重畳画面に表示させるための表示制御信号を前記端末装置へ送信する送信手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項13】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
商品の外観を撮像した撮像画像を端末装置から受信し、
前記撮像画像の画像認識を行い、当該撮像画像に含まれる商品を認識し、
認識された商品の価格を取得し、
前記価格を前記撮像画像上に重畳した価格重畳画面を生成して前記端末装置へ送信した後、当該価格重畳画面に同じ商品が表示された状態で所定時間が経過した際に、当該価格重畳画面に含まれる各商品の中から少なくとも1つの商品を選択可能になったことを顧客に伝える文字列を当該価格重畳画面に表示させるための表示制御信号を前記端末装置へ送信する情報処理方法。
【請求項14】
商品の外観を撮像した撮像画像を端末装置から受信し、
前記撮像画像の画像認識を行い、当該撮像画像に含まれる商品を認識し、
認識された商品の価格を取得し、
前記価格を前記撮像画像上に重畳した価格重畳画面を生成して前記端末装置へ送信した後、当該価格重畳画面に同じ商品が表示された状態で所定時間が経過した際に、当該価格重畳画面に含まれる各商品の中から少なくとも1つの商品を選択可能になったことを顧客に伝える文字列を当該価格重畳画面に表示させるための表示制御信号を前記端末装置へ送信する処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末を用いた商品情報の表示に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗において、顧客が所有するスマートフォンなどの携帯端末を用いて商品の読み取りを行うシステムが提案されている。例えば、特許文献1は、カメラ付き携帯情報端末により商品に付与されたバーコードを読み取り、商品の価格を表示する手法を提案している。また、特許文献2は、商品の精算を行うレジにおいて、商品の画像を撮影し、購入商品の画像と、各商品の商品名、単価、個数、合計金額などを表示する手法を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-310274号公報
【文献】特開2012-043371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常の店舗では、商品棚に陳列された商品について、商品棚に値札が付与されているので、顧客は値札を見ることにより各商品の価格を知ることができる。しかし、店舗側としては、個々の商品に対する値札を作成したり、商品棚に値札を付与したりする労力は大きい。特に、新たな商品を陳列したり、商品の価格が変更になったり、税率が変更になったりした場合には、対象となる商品の値札を追加したり更新したりする必要があり、店舗としては大きな負担となる。
【0005】
本発明の目的は、商品棚に値札を付与せず、顧客が携帯端末を用いて商品の価格や商品情報を見ることができる店舗を実現することが可能な情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの観点は、情報処理システムであって、
商品の外観を撮像した撮像画像を生成する撮像手段と、
前記撮像画像の画像認識を行い、当該撮像画像に含まれる商品を認識する商品認識手段と、
認識された商品の価格を取得する価格取得手段と、
前記価格を前記撮像画像上に重畳した価格重畳画面を表示部に表示した後、当該価格重畳画面に同じ商品が表示された状態で所定時間が経過した際に、当該価格重畳画面に含まれる各商品の中から少なくとも1つの商品を選択可能になったことを顧客に伝える文字列を当該価格重畳画面に表示する表示制御手段と、
を備える。
【0007】
本発明の他の観点は、端末装置と通信可能な情報処理装置であって、
商品の外観を撮像した撮像画像を前記端末装置から受信する受信手段と、
前記撮像画像の画像認識を行い、当該撮像画像に含まれる商品を認識する商品認識手段と、
認識された商品の価格を取得する価格取得手段と、
前記価格を前記撮像画像上に重畳した価格重畳画面を生成して前記端末装置へ送信した後、当該価格重畳画面に同じ商品が表示された状態で所定時間が経過した際に、当該価格重畳画面に含まれる各商品の中から少なくとも1つの商品を選択可能になったことを顧客に伝える文字列を当該価格重畳画面に表示させるための表示制御信号を前記端末装置へ送信する送信手段と、を備える。
【0008】
本発明の他の観点は、コンピュータが実行する情報処理方法であって、
商品の外観を撮像した撮像画像を端末装置から受信し、
前記撮像画像の画像認識を行い、当該撮像画像に含まれる商品を認識し、
認識された商品の価格を取得し、
前記価格を前記撮像画像上に重畳した価格重畳画面を生成して前記端末装置へ送信した後、当該価格重畳画面に同じ商品が表示された状態で所定時間が経過した際に、当該価格重畳画面に含まれる各商品の中から少なくとも1つの商品を選択可能になったことを顧客に伝える文字列を当該価格重畳画面に表示させるための表示制御信号を前記端末装置へ送信する。
【0009】
本発明の他の観点は、プログラムであって、
商品の外観を撮像した撮像画像を端末装置から受信し、
前記撮像画像の画像認識を行い、当該撮像画像に含まれる商品を認識し、
認識された商品の価格を取得し、
前記価格を前記撮像画像上に重畳した価格重畳画面を生成して前記端末装置へ送信した後、当該価格重畳画面に同じ商品が表示された状態で所定時間が経過した際に、当該価格重畳画面に含まれる各商品の中から少なくとも1つの商品を選択可能になったことを顧客に伝える文字列を当該価格重畳画面に表示させるための表示制御信号を前記端末装置へ送信する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、商品棚に値札を付与せず、顧客が携帯端末を用いて商品の価格や商品情報を見ることができる店舗を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る情報処理システムの構成を示す。
図2】画像処理サーバの概略構成を示す。
図3】商品情報のデータ構造の例を示す。
図4】商品情報のデータ構造の他の例を示す。
図5】携帯端末の概略構成を示す。
図6】撮像画像を用いて価格情報を得る方法を示す。
図7】商品詳細画面の例を示す。
図8】複数の商品を比較する商品詳細画面の例を示す。
図9】バーコードを用いて商品情報を取得する方法を示す。
図10】表示処理のフローチャートである。
図11】撮像画像に含まれる商品数が多い場合のメッセージ表示例を示す。
図12】商品詳細画面の他の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。
[システムの全体構成]
図1は、本実施形態に係る情報処理システム100の全体構成を示す。情報処理システム100は、画像処理サーバ2と、携帯端末3とを備える。顧客は、店舗8において商品を購入する。店舗8では、商品棚4に商品が陳列され、販売されている。ここで、通常の店舗では商品棚に値札が付与されており、顧客は値札を見ることにより商品の価格を知ることができる。これに対し、本実施形態においては、店舗8の商品棚4には値札が付与されていないものとする。即ち、商品棚4には、単純に各商品が陳列されているだけである。なお、本実施形態では、商品の一例として薬を用いて説明を行う。図示のように商品棚4には、異なる種類の薬A~Hなどが陳列されている。
【0013】
本実施形態では、商品棚4に値札が付されていないので、顧客は携帯端末3を用いて価格情報や商品に関する詳細な情報(以下、「商品詳細情報」と呼ぶ。)を取得する。なお、「商品詳細情報」とは、商品仕様の情報であり、例えば、商品名、メーカ名、価格、原材料、産地、容量、用法、効能、商品や商品パッケージの画像などのいずれか1つを少なくとも含む。具体的に、顧客は、店舗8内において携帯端末3に商品を表示させることにより、価格情報や商品詳細情報を見ることができる。なお、顧客は、携帯端末3を用いて、商品に付されたバーコードを読み取ることによっても、商品詳細情報を見ることができる。
【0014】
画像処理サーバ2は、携帯端末3とネットワーク等を介して通信可能となっており、携帯端末3が表示制御に必要な情報を記憶し、携帯端末3が各種画面を表示するために必要な表示情報を携帯端末3に送信する。なお、画像処理サーバ2は、携帯端末3が表示制御に必要な情報を、携帯端末が表示制御をする度に外部装置から取得してもよいし、定期的に外部装置から取得して内部に記憶しても良い。また、画像処理サーバ2は、携帯端末がの表示制御に必要な情報の一部のみを内部に記憶し、残りの情報を外部装置から取得しても良い。本実施形態の画像処理サーバ2は、定期的に携帯端末3が表示制御に必要な情報を外部装置から取得している、又は、予め携帯端末3が表示制御に必要な情報を内部に記憶していることを前提に記載する。
【0015】
携帯端末3は、店舗8で買い物を行う顧客が使用する端末であり、商品棚4に陳列された商品を撮像する機能、商品に付された商品バーコードを読み取る機能、画像処理サーバ2と通信を行うことで価格情報や商品詳細情報を取得し、表示する機能などを有する。なお、図1では説明の便宜上、携帯端末3は1つのみ表示されているが、実際には店舗8に入店している顧客の数だけ存在している。なお、携帯端末3は、顧客が所有するスマートフォンなどの端末であってもよく、店舗8における買い物の際に一時的に顧客に貸し出される店舗所有の端末であってもよい。
【0016】
[装置構成]
次に、画像処理サーバ2及び携帯端末3の構成について図2~3を参照して説明する。
(画像処理サーバ)
図2は、画像処理サーバ2の概略構成を示す。画像処理サーバ2は、記憶部23と、通信部24と、制御部25とを備える。
【0017】
記憶部23は、ハードディスク又はフラッシュメモリといったメモリによって構成される。記憶部23は、制御部25が実行するプログラム、及び、制御部25がプログラムを実行することで所定の処理を実行するのに必要な情報を記憶する。記憶部23は、画像処理サーバ2内に設けられる場合、バスライン20を介して通信部24及び制御部25と接続される。なお、画像処理サーバ2内に記憶部23を設ける代わりに、画像処理サーバ2が使用する情報を画像処理サーバ2外の外部装置に記憶し、制御部25がその外部装置から情報を取得して処理を行ってもよい。その場合、その外部装置は、ファイバーチャネルやLANケーブルなどを介して通信部24及び制御部25と接続される。
【0018】
具体的に、記憶部23は、顧客情報、商品情報、及び、画像特徴情報を記憶している。「顧客情報」は、個々の顧客に関する情報である。本実施形態では、チェーン店に属する1つの店舗8において携帯端末3を用いて商品情報を表示するサービスを受けるため、顧客は事前にチェーン本部に対してユーザ登録を行う。記憶部23は、登録された顧客について、顧客ID、顧客が使用する携帯端末3の端末ID、その顧客の過去の購入履歴、会員ランクなどの情報を顧客情報として記憶する。なお、会員ランクは、その店舗やそのチェーン店全体における顧客の過去の購入履歴などに基づいて設定され、一般的には、過去の購入金額が多いほど、会員ランクが高くなる。
【0019】
「商品情報」は、各商品に関する情報であり、商品IDなどの商品識別情報毎に価格情報及び商品詳細情報を含む。「価格情報」は、各商品の価格を示す。なお、商品の価格は店舗ごとに決められており、価格情報は各商品に対して店舗ごとの価格を含んでいる。「商品詳細情報」は、前述のように商品仕様の情報であり、例えば、商品名、メーカ名、価格、原材料、産地、容量、用法、効能、商品や商品パッケージの画像などのいずれか1つを少なくとも含む。商品詳細情報は、商品識別情報と対応付けられている。商品識別情報は、商品種別を識別するための情報であり、例えば、商品に付されるバーコードで示されるJANコードや商品名などである。
【0020】
図3は、商品情報のデータ構造の一例を示す。この例では、商品識別情報と、価格情報と、商品詳細情報とを紐付けた商品情報が店舗毎に用意され、記憶部23に記憶されている。図4は、商品情報のデータ構造の他の例を示す。この例では、商品情報は、価格情報と商品詳細情報とに分けられ、記憶部23に記憶されている。図4(A)に示すように、価格情報は店舗毎に各商品の価格を示している。一方、図4(B)に示すように、商品詳細情報は商品毎に記憶されている。
【0021】
「画像特徴情報」は、商品の画像認識に用いられる特徴量の情報である。具体的には、画像特徴情報は、店舗8で販売されている各商品について、その外観を撮影した画像から画像処理により抽出した特徴量を示す情報である。画像特徴情報は、商品識別情報と対応付けて記憶されている。なお、画像特徴情報の代わりに、その商品の画像自体を記憶してもよい。
【0022】
通信部24は、有線又は無線通信により携帯端末3と通信する。制御部25は、図示しないCPU、ROM及びRAMなどを備え、画像処理サーバ2内の各構成要素に対して種々の制御を行う。制御部25が実行する処理については後述する。
【0023】
なお、上記の構成において、画像処理サーバ2は情報処理装置の一例であり、通信部24は受信手段及び送信手段の一例であり、記憶部23は価格記憶部の一例であり、制御部25は商品認識手段及び価格取得手段の一例である。
【0024】
(携帯端末)
図5は、携帯端末3の概略構成を示す。携帯端末3は、表示部31と、入力部32と、記憶部33と、通信部34と、制御部35と、カメラ36とを備える。これらの各要素は、バスライン30を介して相互に接続されている。
【0025】
表示部31は、制御部35の制御に基づき、カメラ36により撮像した商品の画像、商品の価格、商品詳細情報などを表示する。入力部32は、ユーザの入力を受け付けるインターフェースであり、例えば、タッチパネル、ボタン、音声入力装置などが該当する。
【0026】
記憶部33は、ハードディスク又はフラッシュメモリといったメモリによって構成される。記憶部33は、制御部35が実行するプログラム、及び、制御部35がプログラムを実行することで所定の処理を実行するのに必要な情報を記憶する。例えば、記憶部33には、店舗8において買い物を行う際に起動され、価格情報や商品詳細情報の表示を制御するための専用のアプリケーションプログラム(以下、「商品情報表示アプリ」と呼ぶ。)が記憶されている。
【0027】
通信部34は、例えば店舗に設置されたWiFi(登録商標)機器を経由した通信により画像処理サーバ2と通信する。制御部35は、図示しないCPU、ROM及びRAMなどを備え、携帯端末3内の各構成要素に対して種々の制御を行う。制御部35が実行する制御については後述する。なお、上記の構成において、カメラ36は撮像手段、読取手段、店舗識別情報取得手段の一例であり、制御部35は表示制御手段、顧客識別情報取得手段の一例である。
【0028】
カメラ36は、商品の撮像に使用される。顧客がカメラ36を撮影モードとし、商品棚に陳列されている商品を撮像すると、撮像されている商品が表示部31に表示される。ここで「撮像」とは、カメラ36の撮影範囲内に商品の画像を捕捉した状態を指し、その画像を画像データとして携帯端末3に記憶又は記録することは必要ではない。即ち、カメラ36で商品棚のある商品を撮像した状態ではその商品が表示部31に表示されているが、顧客が携帯端末3の位置や向きを変えた場合には、別の商品が撮像され、その商品が表示部31に表示されるようになる。以下、携帯端末3で撮像した画像を「撮像画像」と呼ぶ。
【0029】
また、カメラ36は、バーコードリーダとしても機能する。前述の商品情報表示アプリは、撮像された画像がバーコードを含む場合にはバーコードリーダとして動作し、カメラ36が撮像したバーコードからJANコードなどの商品識別情報を取得して制御部35へ出力する。
【0030】
[商品情報の表示方法]
次に、商品情報の表示方法について説明する。
(撮像画像を用いる方法)
(1)価格重畳画面の表示
本実施形態では、前述のように店舗8の商品棚4には値札が付いておらず、顧客は携帯端末3を用いて商品情報を取得する。図6は、撮像画像を用いて価格情報を得る方法を示す。顧客は、携帯端末3にインストールされた商品情報表示アプリを操作してカメラ36を起動し、関心のある商品を携帯端末3で撮像する。図6の例で示すように、顧客が商品棚4の破線42で示す範囲を携帯端末3で撮像すると、表示画面61に示すように、携帯端末3は破線42の範囲の撮像画像を表示するとともに、その撮像画像を画像処理サーバ2へ送信する。画像処理サーバ2は、携帯端末3から撮像画像を受信すると、撮像画像に含まれる各商品を画像認識し、各商品の価格情報を取得して携帯端末3へ送信する。携帯端末3は、受信した価格情報を、対応する商品上に重畳して表示する。その結果、表示画面62に示すように、各商品上にその商品の価格51が表示された画面(「価格重畳画面」と呼ぶ。)が携帯端末3に表示される。このように、顧客が携帯端末3で関心のある商品を撮像すると、そのときの撮像画像に含まれる商品の価格が各商品上に重ねて表示される。よって、商品棚4に値札が付されていなくても、顧客は携帯端末3を使って、関心のある商品の価格を知ることができる。
【0031】
(2)商品詳細画面の表示
価格重畳画面に同じ商品が表示された状態で所定時間が経過すると、携帯端末3は、図7(A)に例示するように、商品の選択が可能であることを顧客に伝えるメッセージ52を表示する。顧客が画面上でいずれかの商品をタップして選択すると、選択された商品の商品詳細画面が表示される。具体的に、顧客が商品を選択すると、携帯端末3は選択された商品の商品識別情報を画像処理サーバ2へ送信する。画像処理サーバ2は、受信した商品識別情報に対応する商品の商品詳細情報を記憶部23から取得し、携帯端末3へ送信する。携帯端末3は、受信した商品詳細情報を含む商品詳細画面を生成し、表示部31に表示する。
【0032】
図7(B)は、商品詳細画面の一例である。この例は、価格重畳画面において、薬Bが選択された場合の例である。商品詳細画面63は、その商品のパッケージ画像63aと、その商品に関する詳細情報63bとを含む。なお、パッケージ画像63aは、携帯端末3が撮像した画像ではなく、予め画像処理サーバ2の記憶部23に商品詳細情報の一部として記憶されている画像である。こうして、顧客は、価格重畳画面において関心のある商品を選択することにより、その商品の詳細情報を見ることができる。
【0033】
また、図7(A)に示すようにメッセージ52が表示された状態で、顧客が複数の商品を選択すると、携帯端末3は、複数の商品についての商品詳細情報を比較表示する商品詳細画面を表示する。具体的には、携帯端末3は、顧客が選択した複数の商品の商品識別情報を画像処理サーバ2へ送信する。画像処理サーバ2は、受信した商品識別情報に対応する商品の商品詳細情報を記憶部23から取得し、携帯端末3へ送信する。携帯端末3は、受信した複数の商品の商品詳細情報を含む商品詳細画面を生成し、表示部31に表示する。
【0034】
図8は、複数の商品を比較する商品詳細画面の例を示す。図8は、複数の商品として、薬Bと薬Gが選択された場合の商品詳細画面64を示す。このように、顧客が複数の商品を選択した場合、携帯端末3にはそれらの商品の商品詳細情報を比較表示する商品詳細画面が表示される。なお、この場合、商品詳細画面が見にくくならないように、一度に比較表示できる商品数に制限を設けることが好ましい。
【0035】
なお、携帯端末3による撮像画像に含まれる商品が1つのみである場合には、その商品が選択されたものと考えてよいので、携帯端末3は、価格重畳画面を表示せずに、その商品についての商品詳細画面を表示すればよい。具体的には、携帯端末3は、撮像画像を画像処理サーバ2へ送信し、画像処理サーバ2は、撮像画像に含まれる商品を画像認識する。そして、画像処理サーバ2は、撮像画像に含まれる商品が1つであるか否か判定し、撮像画像に含まれる商品が1つである場合、その商品の商品詳細情報を記憶部23から取得し、携帯端末3へ送信する。携帯端末3は、受信した商品詳細情報を含む商品詳細画面を生成し、表示部31に表示する。
【0036】
(バーコードを用いる方法)
本実施形態では、上記のように撮像画像を用いて商品情報を取得する方法に加えて、バーコードを用いて商品情報を取得することもできる。図9は、バーコードを用いて商品情報を取得する方法を示す。顧客は、携帯端末3の商品情報表示アプリを操作してカメラ36を起動し、商品のパッケージ41に印刷又は貼付されているバーコード43を撮像する。携帯端末3は、撮像した画像がバーコードを含むと判定すると、バーコードリーダとして機能し、バーコードを読み取って商品識別情報を取得し、画像処理サーバ2へ送信する。画像処理サーバ2は、商品識別情報に基づいて、記憶部23から対応する商品の商品詳細情報を取得して携帯端末3へ送信する。携帯端末3は、受信した商品詳細情報を含む商品詳細画面65を生成し、表示部31に表示する。なお、商品から読み取るバーコードとしては、図9に例示する1次元のバーコードの他、QRコード(登録商標)などの2次元バーコードなどでもよい。バーコードはコード情報の一例である。
【0037】
[表示処理]
次に、情報処理システム100による表示処理について説明する。表示処理は、顧客が店舗8において携帯端末3を使用して商品情報を表示する処理である。図10は、表示処理のフローチャートである。表示処理は、画像処理サーバ2及び携帯端末3が、それぞれ予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。なお、前提として、顧客は店舗8で携帯端末3を用いた商品表示のサービスを受けるため、事前に店舗8が属するチェーン本部に対してユーザ登録を行っており、その顧客の情報が画像処理サーバ2の記憶部23に顧客情報として登録されているものとする。また、顧客は、店舗8で商品を表示するための商品情報表示アプリを携帯端末3にインストールしているものとする。
【0038】
まず、顧客は、店舗8に入ると、携帯端末3にインストール済みの商品情報表示アプリを起動し、携帯端末3を用いて店舗バーコードを読み取る(ステップS101)。店舗バーコードは、店舗8内の所定の場所、例えば、店舗の入口付近の壁や買い物に使用するカードなどに貼り付けられている。顧客が店舗バーコードを読み取ると、携帯端末3は、読み取った店舗バーコードから店舗IDを取得し、画像処理サーバ2へ送信する(ステップS102)。なお、携帯端末3は、何らかの情報を画像処理サーバ2へ送信する際には、必要に応じて自身を識別するために顧客ID又は携帯端末3の端末IDを送信する。画像処理サーバ2は、携帯端末3から店舗IDを受信し、店舗を特定する(ステップS103)。
【0039】
なお、上記のステップS101では、携帯端末3は店舗バーコードの読み取りにより店舗を特定しているが、その代わりに、携帯端末3の位置を示すGPS情報を用いて店舗を特定し、店舗IDを画像処理サーバ2へ送信してもよい。また、携帯端末3が店舗情報を画像処理サーバ2へ送信する代わりに、画像処理サーバ2が、携帯端末3からの情報がどの店舗のWiFi経由で画像処理サーバ2へ送信されてくるかを識別することにより、その顧客がいる店舗を特定してもよい。
【0040】
次に、携帯端末3は、カメラ36を用いて商品に付されている商品バーコードが読み取られたか否かを判定する(ステップS201)。商品バーコードが読み取られた場合(ステップS201:Yes)、携帯端末3は読み取った商品バーコードに基づいて、読み取った商品の商品識別情報を画像処理サーバ2へ送信する(ステップS202)。画像処理サーバ2は、携帯端末3から商品識別情報を受信し(ステップS203)、記憶部23を参照してその商品の商品詳細情報を取得し、携帯端末3へ送信する(ステップS204)。なお、店舗毎に各商品の商品詳細情報が記憶部23に記憶されている場合、ステップS204において画像処理サーバ2は、ステップS103で特定した店舗、およびステップS203で受信した商品識別情報に対応付けられた商品詳細情報を記憶部23から取得し、携帯端末3へ送信する。ステップS204に続いて、携帯端末3は、商品詳細情報を受信し、商品詳細画面を表示部31に表示する(ステップS205)。こうして、図9を参照して説明したように、バーコードを利用した商品情報の表示が行われる、そして、処理はステップS206へ進む。なお、商品バーコードが読み取られていない場合も(ステップS201:No)、処理はステップS206へ進む。
【0041】
ステップS206では、携帯端末3は、カメラ36を用いて商品の撮像画像が取得されたか否かを判定する。撮像画像が取得された場合(ステップS206:Yes)、携帯端末3は撮像画像を画像処理サーバ2へ送信する(ステップS207)。画像処理サーバ2は、携帯端末3から撮像画像を受信し(ステップS208)、記憶部23内の画像特徴情報を用いて撮像画像に含まれる商品の商品識別情報を取得する。
【0042】
次に、画像処理サーバ2は、記憶部23内の商品情報のうち、ステップS103で特定した店舗に対応する商品情報を参照して、ステップS208で取得した商品識別情報に対応する各商品の価格を取得し、携帯端末3へ送信する(ステップS209)。携帯端末3は、撮像画像に含まれる各商品の価格を受信し、表示部31に表示する(ステップS210)。こうして、図6を参照して説明したように、商品の撮像画像を利用して、携帯端末3に価格重畳画面が表示される。そして、処理はステップS211へ進む。撮像画像が表示されていない場合も(ステップS206:No)、処理はステップS211へ進む。なお、画像処理サーバ2は、ステップS208で受信した撮像画像に含まれる商品が1つだけである場合、該撮像画像に基づいて該商品の商品識別情報を取得し、ステップS103で特定した店舗に対応する商品情報を参照してその商品の商品詳細情報を取得し、携帯端末3へ送信すればよい。この場合、携帯端末3は、その商品の商品詳細情報を含む商品詳細画面を表示する。
【0043】
ステップS211では、携帯端末3は、価格重畳画面において、顧客により商品が選択されたか否かを判定する。商品が選択された場合(ステップS211:Yes)、携帯端末3は、選択された商品を特定する情報(以下、「選択商品情報」と呼ぶ。)を画像処理サーバ2へ送信する(ステップS212)。なお、価格重畳画面を表示した時点で、画像処理サーバ2は各商品を識別済みであるので、携帯端末3は、選択された商品の商品識別情報を選択商品情報として送信することができる。なお、商品識別情報の代わりに、携帯端末3は、撮像画面における選択された商品の位置情報などを選択商品情報として使用してもよい。
【0044】
画像処理サーバ2は、選択商品情報を携帯端末3から受信し(ステップS213)、記憶部23を参照して、選択された商品の商品詳細情報を取得し、携帯端末3へ送信する(ステップS214)。なお、店舗毎に各商品の商品詳細情報が記憶部23に記憶されている場合、ステップS214において画像処理サーバ2は、ステップS103で特定された店舗に対応する記憶部23の商品情報を参照して商品詳細情報を取得する。また、選択された商品が複数ある場合、画像処理サーバ2はそれら複数の商品の商品詳細情報を携帯端末3へ送信する。
【0045】
続いて、携帯端末3は、選択された商品の商品詳細情報を受信し、商品詳細画面を表示部31に表示する(ステップS215)。こうして、図7及び図8を参照して説明したように、価格重畳画面において顧客が選択した商品の商品詳細画面が表示される。
【0046】
次に、携帯端末3は、顧客の操作により、商品情報表示アプリが終了したか否かを判定する(ステップS216)。商品情報表示アプリが終了した場合(ステップS216:Yes)、処理は終了する。一方、商品情報表示アプリが終了していない場合(ステップS216:No)、処理はステップS201へ戻る。
【0047】
以上説明したように、本実施形態の商品情報表示処理によれば、顧客は、携帯端末3を用いたバーコードの読み取り、又は、商品画像の撮像により、価格情報や商品詳細情報などを取得することができる。よって、店舗の商品棚に値札が付されていなくても、顧客は商品の購入に必要な情報を容易に得ることができる。
【0048】
[変形例]
次に、本実施形態の変形例について説明する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実施することができる。
(1)撮像画像に含まれる商品数が多い場合の処理
携帯端末3により一度に撮像される商品数が多いと、価格重畳画面における各商品の領域が小さくなるため、価格重畳画面が見にくくなる恐れがある。このため、撮像画像に含まれる商品数が多い場合には、携帯端末3は、価格重畳画面を表示する前に、撮像する商品数を減らすことを求めるメッセージを表示する。図11(A)は、撮像画像に含まれる商品数が多い場合のメッセージ表示例を示す。いま、価格重畳画面において一度に表示可能な商品数の上限(以下、「上限数」と呼ぶ。)が6個であると仮定する。図11(A)の例では、携帯端末3により上限数を超える商品が撮像されている。この場合、携帯端末3は、商品数を減らすことを求めるメッセージ56を表示する。
【0049】
具体的な処理としては、携帯端末3は、カメラ36で撮像した撮像画像を画像処理サーバ2へ送信する。画像処理サーバ2は、撮像画像から商品を認識し、認識された商品の数が上限数を超えている場合、その旨を携帯端末3へ通知する。携帯端末3は、その通知を受信すると、図11(A)に例示するように、商品数を減らすことを求めるメッセージ56を表示する。
【0050】
なお、一度に表示可能な商品の上限数を用いる代わりに、撮像画像において個々の商品が占める領域の上限サイズを決めておいてもよい。例えば、個々の商品の上限サイズを、撮像画像全体の面積の1/6とする。この場合、画像処理サーバ2は、撮像画像から認識された個々の商品のサイズが上限サイズ以上である場合、その旨を携帯端末3へ通知する。携帯端末3は、その通知を受信すると、図11(A)に例示するように、商品数を減らすことを求めるメッセージ56を表示する。
【0051】
また、撮像画像に含まれる商品数が多い場合、上記のように商品数を減らすことを求める代わりに、顧客にいずれかの商品を選択することを求めてもよい。図11(B)は、いずれかの商品を選択することを求めるメッセージを表示する例である。この例では、撮像画像に含まれている商品数が上限数である6個を超えているので、撮像画像に含まれている商品のいずれかを選択することを求めるメッセージ57が表示されている。この場合、具体的な処理としては、携帯端末3は、撮像画像を画像処理サーバ2へ送信する。画像処理サーバ2は、撮像画像から商品を認識し、認識された商品の数が上限数を超えている場合、又は、個々の商品のサイズが上限サイズを超えている場合、その旨を携帯端末3へ通知する。携帯端末3は、その通知を受信すると、図11(B)に例示するように、いずれかの商品を選択することを求めるメッセージ57を表示する。メッセージ57が表示された状態で、顧客がいずれかの商品を選択すると、携帯端末3は、選択された商品について図7(B)に例示するような商品詳細画面を表示する。なお、いずれかの商品を選択することを求める代わりに、顧客に商品棚に近づくように促し、携帯端末3に表示される商品の個数を上限数以下に減らすようにしてもよい。この場合、携帯端末3は、「画面に映る商品数を6個以下にするため、商品に近づいて下さい。」などのメッセージを表示すればよい。
【0052】
(2)顧客別の価格変更
本実施形態において、店舗8で携帯端末3を用いた商品情報の表示を行う顧客は、店舗が属するチェーン本部に対して事前にユーザ登録を行っている。そこで、顧客毎に商品の価格を変更してもよい。この場合、画像処理サーバ2の記憶部23には、店舗毎、かつ、顧客毎又は顧客のランク毎に異なる価格情報を記憶しておく。例えば、一般顧客に適用する標準価格表に加えて、その店舗における購入実績が高い優良顧客に対する特別な価格表を記憶してもよい。また、購入実績に基づいて顧客に会員ランクを設定し、会員ランク毎の価格表を記憶していてもよい。なお、優良顧客や会員ランク毎の価格表を用意する代わりに、優良顧客や各顧客ランクに対応する割引率を記憶しておいてもよい。
【0053】
実際の処理としては、画像処理サーバ2は、顧客の携帯端末3から顧客IDを受信すると、記憶部23内の顧客情報を参照してその顧客が一般顧客であるか優良顧客であるか、又は、その顧客の会員ランクを判定する。そして、画像処理サーバ2は、記憶部23内に記憶されている、その店舗及びその顧客に対応する商品情報を参照し、各商品の価格を決定して携帯端末3へ送信すればよい。
【0054】
(3)商品詳細画面の表示情報
図7(B)や図8に例示する商品詳細画面は、各商品の商品詳細情報を表示する画面であるが、これにセールス情報を追加してもよい。例えば、図12(A)に示すように、商品詳細画面にクーポンマーク53を付加し、その商品について使用できるクーポンの存在を顧客に知らせることができる。なお、各商品に適用されるクーポンは、顧客の購入履歴や会員ランクに応じて決定すればよい。別の例では、その商品の所定期間の売上情報や、販売個数などの情報を商品詳細画面に追加してもよい。この場合、画像処理サーバ2は、例えば各商品のチェーン店全体又は店舗毎の売上などを管理しているPOSサーバなどにアクセスして、その商品の売上や販売個数などの情報を取得すればよい。なお、各商品の売上や販売個数などの情報を定期的にPOSサーバなどから画像処理サーバ2へ送信し、その情報を利用してもよい。図12(B)の例では、その商品の最近の売れ行き情報54が表示されている。
【0055】
その他、上記の各実施形態(変形例を含む、以下同じ)の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが以下には限られない。
【0056】
(付記1)
情報処理システムであって、
商品の外観を撮像した撮像画像を生成する撮像手段と、
前記撮像画像の画像認識を行い、当該撮像画像に含まれる商品を認識する商品認識手段と、
認識された商品の価格を取得する価格取得手段と、
前記価格を前記撮像画像上に重畳した価格重畳画面を表示部に表示する表示制御手段と、
を備える情報処理システム。
【0057】
(付記2)
前記表示制御手段は、前記価格重畳画面において商品が選択されたときに、選択された商品の商品詳細情報を取得し、当該商品詳細情報を含む商品詳細画面を前記表示部に表示する付記1に記載の情報処理システム。
【0058】
(付記3)
前記表示制御手段は、前記価格重畳画面において複数の商品が選択された場合、選択された複数の商品の商品詳細情報を比較表示する商品詳細画面を前記表示部に表示する付記2に記載の情報処理システム。
【0059】
(付記4)
商品に付されたコード情報を読み取る読取手段を備え、
前記表示制御手段は、読み取られた前記コード情報に対応する商品の商品詳細情報を取得し、当該商品詳細情報を含む商品詳細画面を前記表示部に表示する付記1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【0060】
(付記5)
前記商品詳細画面は、顧客毎又は顧客のランク毎に決定されるクーポン情報を含む付記2乃至4のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【0061】
(付記6)
前記商品詳細画面は、当該商品の所定期間の売り上げ情報又は販売個数を含む付記2乃至5のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【0062】
(付記7)
前記表示制御手段は、前記撮像画像に含まれる個々の商品の大きさが所定サイズ以上である場合、又は、前記撮像画像に含まれる商品数が所定数以上である場合、前記撮像画像に含まれる商品数を減らすことを求めるメッセージを前記表示部に表示する付記1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【0063】
(付記8)
前記表示制御手段は、前記撮像画像に含まれる個々の商品の大きさが所定サイズ以上である場合、又は、前記撮像画像に含まれる商品数が所定数以上である場合、前記撮像画像に含まれる商品の選択を求めるメッセージを前記表示部に表示し、商品が選択されたときに、選択された商品の商品詳細情報を含む商品詳細画面を前記表示部に表示する付記1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【0064】
(付記9)
顧客の識別情報を取得する顧客識別情報取得手段と、
前記顧客毎又は前記顧客のランク毎に異なる価格を記憶した価格記憶部と、を備え、
前記価格取得手段は、前記顧客の識別情報に基づき、当該顧客に対応する価格を前記価格記憶部から取得する付記1乃至8のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【0065】
(付記10)
店舗の識別情報を取得する店舗識別情報取得手段と、
前記店舗毎に異なる価格を記憶した価格記憶部と、を備え、
前記価格取得手段は、前記店舗の識別情報に基づき、当該店舗に対応する価格を前記価格記憶部から取得する付記1乃至9のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【0066】
(付記11)
前記商品認識手段は、前記撮像画像に含まれる商品数を検出し、
前記表示制御手段は、前記商品数が1つの場合、当該商品の商品詳細情報を含む商品詳細画面を前記表示部に表示し、前記商品数が複数である場合、前記価格重畳画面を前記表示部に表示する付記1乃至10のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【0067】
(付記12)
端末装置と通信可能な情報処理装置であって、
商品の外観を撮像した撮像画像を前記端末装置から受信する受信手段と、
前記撮像画像の画像認識を行い、当該撮像画像に含まれる商品を認識する商品認識手段と、
認識された商品の価格を取得する価格取得手段と、
前記価格を前記撮像画像上に重畳した価格重畳画面を生成し、前記端末装置へ送信する送信手段と、
を備える情報処理装置。
【0068】
(付記13)
商品の外観を撮像した撮像画像を端末装置から受信し、
前記撮像画像の画像認識を行い、当該撮像画像に含まれる商品を認識し、
認識された商品の価格を取得し、
前記価格を前記撮像画像上に重畳した価格重畳画面を生成し、前記端末装置へ送信する情報処理方法。
【0069】
(付記14)
商品の外観を撮像した撮像画像を端末装置から受信し、
前記撮像画像の画像認識を行い、当該撮像画像に含まれる商品を認識し、
認識された商品の価格を取得し、
前記価格を前記撮像画像上に重畳した価格重畳画面を生成し、前記端末装置へ送信する処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【0070】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。すなわち、本願発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。
【符号の説明】
【0071】
2 画像処理サーバ
3 携帯端末
4 商品棚
8 店舗
25 制御部
36 カメラ
100 情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12