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特許7567269端末装置のためのコンピュータプログラム及び通信装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】端末装置のためのコンピュータプログラム及び通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20241008BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20241008BHJP
   H04W 88/02 20090101ALI20241008BHJP
   H04W 48/04 20090101ALI20241008BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20241008BHJP
   H04W 76/30 20180101ALI20241008BHJP
   H04M 1/72505 20210101ALI20241008BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W84/10 110
H04W88/02 110
H04W48/04
H04W88/06
H04W76/30
H04M1/72505
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020136652
(22)【出願日】2020-08-13
(65)【公開番号】P2022032649
(43)【公開日】2022-02-25
【審査請求日】2023-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 卓弥
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 弘崇
【審査官】中村 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-076189(JP,A)
【文献】特開2017-010329(JP,A)
【文献】特開2017-037427(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
H04M 1/00
H04M 1/72-1/72516
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置は、
Bluetooth(登録商標)規格に従った第1の無線インターフェースと、
表示部と、
コンピュータと、を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、以下の各部、即ち、
前記第1の無線インターフェースを介して、複数個の通信装置のそれぞれからアドバタイズ信号を受信するアドバタイズ信号受信部と、
前記複数個の通信装置のうちの第1の通信装置から前記アドバタイズ信号が受信される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記第1の通信装置との第1の無線接続を確立する第1の確立部と、
前記第1の通信装置との前記第1の無線接続が確立される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記端末装置と前記第1の通信装置とのうちの一方の装置によって準備されるべき認証情報を利用した通信を実行することなく、前記第1の無線接続を利用して、前記第1の無線インターフェースを介して、前記第1の通信装置から、前記第1の通信装置に関する第1の関連情報を受信する第1の関連情報受信部であって、前記第1の関連情報は、前記第1の通信装置の能力を示す第1の能力情報と、前記第1の通信装置の状態を示す第1の状態情報と、のうちの少なくとも一方を含む、前記第1の関連情報受信部と、
前記第1の無線インターフェースを介して、前記複数個の通信装置のうちの前記第1の通信装置とは異なる第2の通信装置から前記アドバタイズ信号が受信される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記第2の通信装置との第2の無線接続を確立する第2の確立部と、
前記第2の通信装置との前記第2の無線接続が確立される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記端末装置と前記第2の通信装置とのうちの一方の装置によって準備されるべき認証情報を利用した通信を実行することなく、前記第2の無線接続を利用して、前記第1の無線インターフェースを介して、前記第2の通信装置から、前記第2の通信装置に関する第2の関連情報を受信する第2の関連情報受信部であって、前記第2の関連情報は、前記第2の通信装置の能力を示す第2の能力情報と、前記第2の通信装置の状態を示す第2の状態情報と、のうちの少なくとも一方を含む、前記第2の関連情報受信部と、
前記第1の関連情報と前記第2の関連情報とを利用して、前記第1の通信装置に関する第1の表示情報と前記第2の通信装置に関する第2の表示情報とのうちの少なくとも一方を前記表示部に表示させる表示制御部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータプログラムは、さらに、前記コンピュータを、
前記複数個の通信装置のそれぞれから受信される前記アドバタイズ信号の受信電波強度を利用して、前記第1の通信装置と前記端末装置との間の第1の距離と、前記第2の通信装置と前記端末装置との間の第2の距離と、のうちのどちらが小さいのかを決定する距離決定部として機能させ、
前記第1の関情報受信部は、前記第1の距離が前記第2の距離よりも小さいことが決定される場合に、前記第2の関連情報を受信る前に、前記第1の関連情報を受信し、
前記第2の関連情報受信部は、前記第2の距離が前記第1の距離よりも小さいことが決定される場合に、前記第1の関連情報受信る前に、前記第2の関連情報を受信する、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記アドバタイズ信号は、可能情報と不可能情報とのうちの一方を含み、
前記可能情報は、前記アドバタイズ信号の送信元の通信装置が、前記第1の無線インターフェースを介した無線接続を前記端末装置と確立可能であることを示す情報であり、
前記不可能情報は、前記アドバタイズ信号の送信元の通信装置が、前記第1の無線インターフェースを介した無線接続を前記端末装置と確立不可能であることを示す情報であり、
前記第1の確立部は、前記第1の通信装置から前記可能情報を含む前記アドバタイズ信号が受信される場合に、前記第1の通信装置との前記第1の無線接続を確立し、
前記第1の通信装置から前記不可能情報を含む前記アドバタイズ信号が受信される場合に、前記第1の通信装置との前記第1の無線接続は確立されない、請求項1又は2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記端末装置は、さらに、
Wi-Fi規格に従った第2の無線インターフェースを備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに
前記第1の通信装置から前記第1の関連情報が受信される場合に、前記第2の無線インターフェースを介した通信を前記第1の通信装置と実行可能であるのか否かを、前記第1の関連情報に含まれる前記第1の通信装置のアドレス情報を利用して、かつ、前記第2の無線インターフェースを介した所定通信を実行して、判断する判断部として機能させ、
前記表示制御部は、前記第2の無線インターフェースを介した通信を前記第1の通信装置と実行可能であると判断される場合に、前記第1の表示情報を前記表示部に表示させ、
前記第2の無線インターフェースを介した通信を前記第1の通信装置と実行不可能であると判断される場合に、前記第1の表示情報は表示されない、請求項1から3のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに
前記第1の通信装置から前記第1の関連情報が受信された後に、前記第1の無線接続を切断する切断部として機能させ、
前記第2の確立部は、前記第1の無線接続が切断された後に、前記第2の通信装置との前記第2の無線接続を確立する、請求項1から4のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記表示制御部は、
前記第1の通信装置から前記第1の関連情報が受信される場合に、前記第1の表示情報を前記表示部に表示させ、
前記第1の表示情報が前記表示部に表示された後に、前記第2の通信装置から前記第2の関連情報が受信される場合に、前記第1の表示情報に加えて前記第2の表示情報を前記表示部に表示させる、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに
ユーザから能力情報と状態情報とのうちの少なくとも一方である対象情報の入力を受け付ける受付部として機能させ、
前記表示制御部は、前記対象情報が前記第1の関連情報に適合する場合に、前記第1の表示情報を前記表示部に表示させ、
前記対象情報が前記第1の関連情報に適合しない場合に、前記第1の表示情報は表示されない、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1の表示情報が前記表示部に表示され、かつ、前記第1の表示情報がユーザによって選択される場合に、前記第1の通信装置を前記端末装置に登録する登録部として機能させる、請求項1から7のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
端末装置であって、
Bluetooth(登録商標)規格に従った第1の無線インターフェースと、
表示部と、
前記第1の無線インターフェースを介して、複数個の通信装置のそれぞれからアドバタイズ信号を受信するアドバタイズ信号受信部と、
前記複数個の通信装置のうちの第1の通信装置から前記アドバタイズ信号が受信される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記第1の通信装置との第1の無線接続を確立する第1の確立部と、
前記第1の通信装置との前記第1の無線接続が確立される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記端末装置と前記第1の通信装置とのうちの一方の装置によって準備されるべき認証情報を利用した通信を実行することなく、前記第1の無線接続を利用して、前記第1の無線インターフェースを介して、前記第1の通信装置から、前記第1の通信装置に関する第1の関連情報を受信する第1の関連情報受信部であって、前記第1の関連情報は、前記第1の通信装置の能力を示す第1の能力情報と、前記第1の通信装置の状態を示す第1の状態情報と、のうちの少なくとも一方を含む、前記第1の関連情報受信部と、
前記第1の無線インターフェースを介して、前記複数個の通信装置のうちの前記第1の通信装置とは異なる第2の通信装置から前記アドバタイズ信号が受信される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記第2の通信装置との第2の無線接続を確立する第2の確立部と、
前記第2の通信装置との前記第2の無線接続が確立される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記端末装置と前記第2の通信装置とのうちの一方の装置によって準備されるべき認証情報を利用した通信を実行することなく、前記第2の無線接続を利用して、前記第1の無線インターフェースを介して、前記第2の通信装置から、前記第2の通信装置に関する第2の関連情報を受信する第2の関連情報受信部であって、前記第2の関連情報は、前記第2の通信装置の能力を示す第2の能力情報と、前記第2の通信装置の状態を示す第2の状態情報と、のうちの少なくとも一方を含む、前記第2の関連情報受信部と、
前記第1の関連情報と前記第2の関連情報とを利用して、前記第1の通信装置に関する第1の表示情報と前記第2の通信装置に関する第2の表示情報とのうちの少なくとも一方を前記表示部に表示させる表示制御部と、
を備える、端末装置。
【請求項10】
通信装置であって、
Bluetooth(登録商標)規格に従った第1の無線インターフェースと、
前記第1の無線インターフェースを介して、アドバタイズ信号を送信するアドバタイズ信号送信部と、
前記アドバタイズ信号が端末装置によって受信される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記端末装置との無線接続を確立する確立部と、
前記端末装置との前記無線接続が確立される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記通信装置と前記端末装置とのうちの一方の装置によって準備されるべき認証情報を利用した通信を実行することなく、前記無線接続を利用して、前記第1の無線インターフェースを介して、前記通信装置に関する関連情報を前記端末装置に送信する関連情報送信部であって、前記関連情報は、前記通信装置の能力を示す能力情報と、前記通信装置の状態を示す状態情報と、のうちの少なくとも一方を含む、前記関連情報送信部と、
を備える、通信装置。
【請求項11】
前記アドバタイズ信号送信部は、
前記通信装置の状態が、前記端末装置との前記無線接続を確立可能な状態である場合に、可能情報を含む前記アドバタイズ信号を送信し、
前記通信装置の状態が、前記端末装置との前記無線接続を確立不可能な状態である場合に、不可能情報を含む前記アドバタイズ信号を送信する、請求項10に記載の通信装置。
【請求項12】
前記関連情報は、前記通信装置のアドレス情報を含み、
前記通信装置は、さらに、
前記第1の無線インターフェースとは異なる第2の無線インターフェースであって、Wi-Fi規格に従った前記第2の無線インターフェースと、
前記関連情報が前記通信装置に送信された後に、前記第2の無線インターフェースを介して、前記端末装置から、前記アドレス情報を送信先情報として含む確認信号が受信される場合に、前記第2の無線インターフェースを介して、応答信号を前記端末装置に送信する応答信号送信部と、
を備える、請求項10又は11に記載の通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、端末装置と通信装置との間でBluetooth(登録商標)規格に従った無線通信を実行する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、携帯端末とMFP(Multi-Function Peripheralの略)とを備えるシステムが開示されている。携帯端末は、MFPからBluetooth規格のAdvertiseを受信し、MFPとのGATT(Generic Attribute Profileの略)通信を実行し、受信済みの情報に基づいてデバイス状態一覧表を作成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-076189号公報
【文献】特開2017-010329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一対の装置の間でGATT通信を実行するためには、通常、一対の装置のうちの一方の装置に表示されるPIN(Personal Identification Numberの略)コードを他方の装置に入力する必要がある。仮に、或る装置が複数個の装置のそれぞれから情報を受信すべき状況において、複数個の装置のそれぞれに表示されるPINコードを当該或る装置に入力する構成を採用すると、ユーザがPINコードを何度も入力する必要がある。本明細書では、端末装置のユーザの利便性を向上させる技術を提供する。
【0005】
本明細書に記載のコンピュータプログラムは、端末装置のためのコンピュータプログラムであって、Bluetooth(登録商標)規格に従った第1の無線インターフェースと、表示部と、コンピュータと、を備えてもよく、前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、以下の各部、即ち、前記第1の無線インターフェースを介して、複数個の通信装置のそれぞれからアドバタイズ信号を受信するアドバタイズ信号受信部と、前記複数個の通信装置のうちの第1の通信装置から前記アドバタイズ信号が受信される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記第1の通信装置との第1の無線接続を確立する第1の確立部と、前記第1の通信装置との前記第1の無線接続が確立される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記端末装置と前記第1の通信装置とのうちの一方の装置によって準備されるべき認証情報を利用した通信を実行することなく、前記第1の無線接続を利用して、前記第1の無線インターフェースを介して、前記第1の通信装置から、前記第1の通信装置に関する第1の関連情報を受信する第1の関連情報受信部であって、前記第1の関連情報は、前記第1の通信装置の能力を示す第1の能力情報と、前記第1の通信装置の状態を示す第1の状態情報と、のうちの少なくとも一方を含む、前記第1の関連情報受信部と、前記第1の無線インターフェースを介して、前記複数個の通信装置のうちの前記第1の通信装置とは異なる第2の通信装置から前記アドバタイズ信号が受信される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記第2の通信装置との第2の無線接続を確立する第2の確立部と、前記第2の通信装置との前記第2の無線接続が確立される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記端末装置と前記第2の通信装置とのうちの一方の装置によって準備されるべき認証情報を利用した通信を実行することなく、前記第2の無線接続を利用して、前記第1の無線インターフェースを介して、前記第2の通信装置から、前記第2の通信装置に関する第2の関連情報を受信する第2の関連情報受信部であって、前記第2の関連情報は、前記第2の通信装置の能力を示す第2の能力情報と、前記第2の通信装置の状態を示す第2の状態情報と、のうちの少なくとも一方を含む、前記第2の関連情報受信部と、前記第1の関連情報と前記第2の関連情報とを利用して、前記第1の通信装置に関する第1の表示情報と前記第2の通信装置に関する第2の表示情報とのうちの少なくとも一方を前記表示部に表示させる表示制御部と、として機能させてもよい。
【0006】
上記の構成によると、端末装置は、認証情報を利用した通信を実行することなく、第1の通信装置から第1の関連情報を受信することができると共に、認証情報を利用した通信を実行することなく、第2の通信装置から第2の関連情報を受信することができる。従って、端末装置のユーザが認証情報を入力する作業を実行せずに済む。このために、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0007】
また、本明細書で開示する通信装置は、Bluetooth(登録商標)規格に従った第1の無線インターフェースと、前記第1の無線インターフェースを介して、アドバタイズ信号を送信するアドバタイズ信号送信部と、前記アドバタイズ信号が端末装置によって受信される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記端末装置との無線接続を確立する確立部と、前記端末装置との前記無線接続が確立される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記通信装置と前記端末装置とのうちの一方の装置によって準備されるべき認証情報を利用した通信を実行することなく、前記無線接続を利用して、前記第1の無線インターフェースを介して、前記通信装置に関する関連情報を前記端末装置に送信する関連情報送信部であって、前記関連情報は、前記通信装置の能力を示す能力情報と、前記通信装置の状態を示す状態情報と、のうちの少なくとも一方を含む、前記関連情報送信部と、を備えてもよい。
【0008】
上記の構成によると、通信装置は、認証情報を利用した通信を実行することなく、通信装置に関する関連情報を端末装置に送信することができる。従って、端末装置のユーザが認証情報を入力する作業を実行せずに済む。このために、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0009】
上記の端末装置のためのコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体、端末装置そのもの、及び、端末装置によって実行される方法も新規で有用である。また、上記の通信装置を実現するためのコンピュータプログラム、当該コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記録媒体、及び、通信装置によって実行される方法も新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】通信システムの構成を示す。
図2】通常のデバイス検索が選択されるケースAのシーケンス図を示す。
図3図2の続きのシーケンス図を示す。
図4図3の続きのシーケンス図を示す。
図5】条件付きデバイス検索が選択されるケースBのシーケンス図を示す。
図6図5の続きのシーケンス図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(通信システム2の構成:図1
図1に示されるように、通信システム2は、複数個の携帯端末10,40と複数個のプリンタ100,200,300,400とを備える。以下では、携帯端末のことを単に「端末」と記載する。端末10及びプリンタ100,200,300のそれぞれは、アクセスポイント50との無線接続、即ち、Wi-Fi規格に従った無線接続(以下では「Wi-Fi接続」と記載する)を確立している。プリンタ400は、アクセスポイント60とのWi-Fi接続を確立している。以下では、アクセスポイントのことを「AP(Access Pointの略)」と記載する。
【0012】
(端末10,40の構成)
各端末10,40は、携帯電話(例えばスマートフォン)、PDA、タブレットPC等の可搬型の端末装置である。変形例では、各端末10,40は、デスクトップPC等の据え置き型の端末装置であってもよい。各端末10,40は同様の構成を備えるので、以下では、端末10の構成を説明し、端末40の構成の説明を省略する。
【0013】
端末10は、表示部12と、Wi-Fiインターフェース14と、BT(Bluetooth(登録商標)の略)インターフェース16と、制御部30と、を備える。各部12~30は、バス線(符号省略)に接続されている。なお、以下では、インターフェースのことを単に「I/F」と記載する。
【0014】
表示部12は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部12は、ユーザから指示を受け付けるタッチパネル(即ち操作部)としても機能する。
【0015】
Wi-FiI/F14は、Wi-Fi規格に従った無線通信(以下では「Wi-Fi通信」と記載する)を実行するための無線インターフェースである。Wi-Fi規格は、例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.の略)の802.11の規格、及び、それに準ずる規格(例えば802.11a,11b,11g,11n,11ac等)である。
【0016】
BTI/F16は、BT規格に従った無線通信(以下では「BT通信」と記載する)を実行するためのI/Fである。BT規格は、例えば、IEEE802.15.1の規格、及び、それに準ずる規格である。より具体的に言うと、BTI/F16は、BLE(Bluetooth Low Energyの略)をサポートしている。BLEは、BT規格のバージョン4.0以降のバージョンで実現されている。
【0017】
Wi-Fi通信とBT通信との相違点を記述しておく。Wi-Fi通信の通信速度(例えば最大の通信速度が600Mbps)は、BT通信の通信速度(例えば最大の通信速度が24Mbps)よりも速い。Wi-Fi通信における搬送波の周波数は、2.4GHz帯又は5.0GHz帯である。BT通信における搬送波の周波数は、2.4GHz帯である。即ち、Wi-Fi通信における搬送波の周波数として5.0GHz帯が採用される場合には、Wi-Fi通信における搬送波の周波数とBT通信における搬送波の周波数とは異なる。また、Wi-Fi通信を実行可能な最大の距離(例えば約100m)は、BT通信を実行可能な最大の距離(例えば約数十m)よりも大きい。
【0018】
制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラム36,38に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成され、OS(Operating Systemの略)プログラム36(以下では単に「OS36」と記載する)とプリントアプリケーション38(以下では単に「アプリ38」と記載する)とを記憶する。
【0019】
OS36は、端末10の基本的な動作を制御するためのプログラムであり、例えば、iOS(登録商標)、アンドロイド(登録商標)等である。アプリ38は、BT通信を実行して端末10の周囲に存在するプリンタを検索したり、Wi-Fi通信を実行して印刷データをプリンタに送信したりするためのアプリケーションである。アプリ38は、例えば、プリンタ100等のベンダによって提供されるインターネット上のサーバから端末10にインストールされてもよいし、プリンタ100等と共に出荷されるメディアから端末10にインストールされてもよい。
【0020】
(プリンタ100~400の構成)
各プリンタ100~400は、印刷機能を実行可能な周辺装置(例えば、端末10の周辺装置)である。プリンタ100は、モデル名「model1」を有する。プリンタ100は、表示部112と、Wi-FiI/F114と、BTI/F116と、印刷実行部118と、制御部130と、を備える。
【0021】
表示部112は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部112は、ユーザから指示を受け付けるタッチパネル(即ち操作部)としても機能する。Wi-FiI/F114は、端末10のWi-FiI/F14と同様である。BTI/F116は、端末10のBTI/F16と同様である。即ち、BTI/F116は、BLEをサポートしている。BTI/F116には、MACアドレス「m100」が割り当てられている。印刷実行部118は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構である。
【0022】
制御部130は、CPU132とメモリ134とを備える。CPU132は、メモリ134に記憶されているプログラム136に従って、様々な処理を実行する。メモリ134は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。
【0023】
各プリンタ200,300,400は、モデル名(例えばプリンタ200の「model2」)と、BTI/Fに割り当てられているMACアドレス(例えばプリンタ200の「m200」)と、が異なる点を除いて、プリンタ100と同様の構成を備える。
【0024】
(ケースAの処理:図2図4
図2図4を参照して、各デバイス10,40,100~400によって実行されるケースAの処理を説明する。図2の初期状態では、端末10及び各プリンタ100~300はAP50とのWi-Fi接続を確立しており、プリンタ400はAP60とのWi-Fi接続を確立している。また、プリンタ300は、端末40とのBT接続(即ち後述のL2CAP Link接続)を確立している。
【0025】
以下では、端末10のCPU32がOS36又はアプリ38に従って実行する処理を説明する際に、OS36又はアプリ38を主体として記載する。プリンタ100等のCPU132等がプログラム136等に従って実行する処理を説明する際に、CPU132等を主体として記載するのではなく、プリンタ100等を主体として記載する。また、以下では、BT通信とWi-Fi通信のうちのBT通信が主に実行される。このために、Wi-Fi通信であることを明記しない限り、以下の各通信は、BTI/F16等を介したBT通信である。図2以降の各図では、BT通信、Wi-Fi通信を、それぞれ、細線、太線で表現している。
【0026】
各プリンタ100~400は、電源がONされている間に、BT規格に従ったアドバタイズ信号を繰り返し送信する。アドバタイズ信号は、ADV_IND信号又はADV_NONCONN_IND信号である。以下では、ADV_IND信号、ADV_NONCONN_IND信号のことを、それぞれ、「AI信号」、「ANI信号」と記載する。AI信号は、当該AI信号の送信元のプリンタが端末とのBT接続(即ち後述のL2CAP Link接続)を確立可能であることを示す接続許可パラメータを含むアドバタイズ信号である。ANI信号は、当該ANI信号の送信元のプリンタが端末とのBT接続を確立不可能であることを示す接続不許可パラメータを含むアドバタイズ信号である。より具体的には、各プリンタ100~400は、端末とのBT接続を確立していない状態では、AI信号を繰り返し送信し、端末とのBT接続を確立している状態では、ANI信号を繰り返し送信する。
【0027】
図2の処理)
各プリンタ100,200,400は、端末とのBT接続を確立していない。このために、各プリンタ100,200,400は、T10,T12,T16において、AI信号を送信する。一方、プリンタ300は、端末40とのBT接続を確立している。このために、プリンタ300は、T14において、ANI信号を送信する。
【0028】
T20では、アプリ38を起動する操作がユーザによって端末10に実行され、この結果、アプリ38が起動する。この場合、T22では、アプリ38は、検索方法選択画面を表示部12に表示させる。検索方法選択画面は、文字列「デバイス検索」を示すボタンB1と、文字列「条件付きデバイス検索」を示すボタンB2と、を含む。ボタンB1は、端末10とのBT接続を確立可能な全てのプリンタを検索するためのボタンである。ボタンB2は、ユーザによって入力される印刷条件を実現可能なプリンタを検索するためのボタンである。以下では、前者の検索、後者の検索のことを、それぞれ、「通常のデバイス検索」、「条件付きデバイス検索」と記載することがある。
【0029】
ケースAでは、アプリ38は、T24において、ユーザからボタンB1を選択する操作を受け付ける。即ち、ケースAは、通常のデバイス検索が実行されるケースである。詳しくは後述するが、図5及び図6のケースBでは、ボタンB2が選択される。即ち、ケースBは、条件付きデバイス検索が実行されるケースである。
【0030】
アプリ38は、T24において、ボタンB1を選択する操作を受け付けると、T26において、検索開始指示をOS36に供給する。検索開始指示は、端末10の周囲に存在する各プリンタの検索を指示するコマンドである。
【0031】
OS36は、T26において、アプリ38から検索開始指示を取得すると、T30~T36において、各プリンタ100~400からAI信号又はANI信号を受信する。プリンタ100から受信されるT30のAI信号は、プリンタ100のBTI/F116のMACアドレス「m100」を含む。同様に、各プリンタ200~400から受信されるT32~T36の各AI信号は、送信元のプリンタのMACアドレス(即ち、「m200」、「m300」、又は、「m400」)を含む。
【0032】
OS36は、T38において、受信情報をアプリ38に供給する。受信情報は、複数個のプリンタ100~400のそれぞれについて、当該プリンタから受信されたアドバタイズ信号の種類(即ちAI信号又はANI信号)と、当該アドバタイズ信号に含まれるMACアドレスと、当該アドバタイズ信号の受信電波強度と、を含む。
【0033】
アプリ38は、T38において、OS36から受信情報を取得すると、T40において、リストを作成する。リストは、端末10とのBT接続を確立可能なプリンタの一覧を示す。具体的には、アプリ38は、受信情報に基づいて、各プリンタ100~400の中から、ANI信号の送信元のプリンタ300を除外し、AI信号の送信元のプリンタ100,200,400を特定する。そして、アプリ38は、AI信号を受信した順序で、特定済みの各プリンタ100,200,400のMACアドレス及び受信電波強度のセットが記述されたリストを作成する。このように、端末10は、端末10とのBT接続を確立不可能なプリンタ300のMACアドレスをリストに記述しないので、当該プリンタ300とのBT接続を確立するための処理(例えば、後述の図3のT50、T52等の処理)を実行せずに済む。
【0034】
次いで、アプリ38は、T42において、各プリンタ100,200,400に対応する受信電波強度を利用して、端末10との距離が近い順に、T40で生成されたリストをソートする。具体的には、アプリ38は、最も大きい受信電波強度「-50dBm」に対応するプリンタ200のMACアドレス「m200」をリストの1番目(即ち最上位)に記述する。そして、アプリ38は、2番目に大きい受信電波強度「-60dBm」に対応するプリンタ100のMACアドレス「m100」をリストの2番目に記述し、最も小さい受信電波強度「-70dBm」に対応するプリンタ400のMACアドレス「m300」をリストの3番目(即ち最下位)に記述する。
【0035】
図2の続き:図3
次いで、端末10は、ソート済みのリストの順に従って、各プリンタ100,200,400とのBT通信を実行する。即ち、端末10は、プリンタ200とのBT通信を最初に実行し、その後、各プリンタ100,400とのBT通信を順次実行する。このために、端末10は、端末10との距離が近い順に各プリンタ100,200等から情報を受信することができ、この結果、端末10との距離が近いプリンタに関する情報を優先的に表示することができる。
【0036】
T50において、アプリ38は、ソート済みのリスト内の最上位のMACアドレス「m200」を特定し、当該MACアドレス「m200」を含む接続指示をOS36に供給する。接続指示は、BT接続の確立と、BT接続を利用した情報の通信と、を指示するコマンドである。
【0037】
OS36は、T50において、アプリ38から接続指示を取得すると、T52において、接続指示に含まれるMACアドレス「m200」を送信先アドレスとして含むCONNECT_IND信号を送信する。即ち、OS36は、当該信号をプリンタ200に送信する。当該信号は、BT接続(即ちL2CAP Link接続)の確立を要求する信号である。これにより、T54において、端末10とプリンタ200との間にBT接続が確立される。
【0038】
プリンタ200は、T54において、BT接続が確立されると、T60において、AI信号の送信を停止し、T62において、ANI信号の送信を開始する。上述したように、ANI信号は、BT接続を確立不可能であることを示す信号である。このために、プリンタ200が端末10とのBT接続を確立している状態において、プリンタ200が他の端末とのBT接続を確立するための処理が開始されることを抑制することができる。この結果、当該処理が開始されることに起因してプリンタ200と端末10との間のBT接続が切断される事象が発生することを抑制することができる。
【0039】
また、プリンタ200から読み出し可能な情報(例えば、後述のモデル名、能力情報、状態情報、IPアドレス等)のAttribute Permissionは、Readable without Authentication when discoverableである。これは、プリンタ200の状態がdiscoverable状態である場合には、認証を実行することなく、情報の読み出し(即ち情報の送信)を端末10に許可することを意味する。discoverable状態は、プリンタ200がAI信号又はANI信号を繰り返し送信している状態である。プリンタ200は、T62において、ANI信号の送信を開始することによって、端末10とのBT接続を確立した後もdiscoverable状態を維持する。これにより、プリンタ200は、端末10との認証を実行することなく、BT接続を利用して、情報を端末10に送信する(即ち端末10による情報の読み出しを許可する)ことができる。ここで、上記の認証は、プリンタ200と端末10とのうちの一方の装置によって準備されるPINコードを他方の装置に入力することによって実現される。即ち、プリンタ200は、プリンタ200と端末10とのうちの一方にPINコードが入力されることなく、BT接続を利用して、情報を端末10に送信することができる。また、BT接続を利用した情報の通信のことを「ペアリング」と呼ぶことがある。即ち、プリンタ200は、プリンタ200と端末10とのうちの一方にPINコードが入力されることなく、端末10とのペアリングを実行することができる。この点は、他のプリンタ100,300,400も同様である。
【0040】
OS36は、T54で確立されたBT接続を利用して、T70において、Read by Type Request信号(以下では単に「Read信号」と記載する)をプリンタ200に送信する。当該信号は、プリンタ200の情報の読み出し(即ち情報の送信)を要求する信号である。
【0041】
プリンタ200は、T70において、端末10からRead信号を受信すると、T72において、プリンタ200の各種情報(即ちモデル名「model2」、能力情報、状態情報、及び、IPアドレス)を端末10に送信する。なお、図3では、1個のRead信号に応じて各種情報が端末10に送信されるように表現されているが、実際には、各種情報に対応する複数個のRead信号がプリンタ200に順次送信され、各種情報が端末10に順次送信される。
【0042】
能力情報は、プリンタ200が実現可能な印刷条件を示す情報であり、具体的には、印刷用紙としてA4サイズ及びA3サイズを利用可能であることを示す情報と、モノクロ印刷及びカラー印刷を利用可能であることを示す情報と、を含む。能力情報は、印刷用紙及び色数(即ち、モノクロ、カラー)を示す情報に限られず、印刷解像度、両面印刷機能の有無、ステープラ機能の有無等を示す情報を含んでいてもよい。状態情報は、プリンタ200の現在の情報を示す情報であり、本ケースでは、印刷指示の受信を待機しているアイドル状態を示す情報である。状態情報は、アイドル状態を示す情報に限られず、消耗品の残量、エラー状態、通信状態等を示す情報を含んでいてもよい。IPアドレスは、プリンタ200が所属しているLAN(即ちAP50が親局として動作しているLAN)におけるプリンタ200のIPアドレスを示す。
【0043】
OS36は、T72において、プリンタ200から各種情報を受信すると、当該情報をアプリ38に供給する。アプリ38は、OS36から情報を取得すると、T80において、切断指示をOS36に供給する。切断指示は、BT接続の切断を指示するコマンドである。OS36は、T80において、アプリ38から切断指示を取得すると、T82において、切断信号をプリンタ200に送信する。
【0044】
プリンタ200は、T82において、端末10から切断信号を受信すると、T84において、端末10とのBT接続を切断する。そして、プリンタ200は、T86において、ANI信号に代えてAI信号を送信する。
【0045】
その後、アプリ38は、T90において、T72で受信されたプリンタ200のIPアドレスを含む確認指示をOS36に供給する。確認指示は、端末10とプリンタ200との間でWi-Fi通信を実行可能であるのか否かの確認を指示するコマンドである。
【0046】
OS36は、T90において、アプリ38から確認指示を取得すると、T92において、Wi-FiI/F14を介して、確認指示内のIPアドレスを送信先アドレスとして含む確認信号をAP50に送信する。
【0047】
本ケースでは、端末10及びプリンタ200が同じAP50とのWi-Fi接続を確立している。このために、プリンタ200は、T92において、端末10から確認信号を受信することができる。この場合、プリンタ200は、T94において、AP50を介して、応答信号を端末10に送信する。このように、プリンタ200は、IPアドレスを端末10に送信するので(T72参照)、端末10から確認信号を適切に受信することができ、この結果、応答信号を端末10に適切に送信することができる。
【0048】
OS36は、T94において、プリンタ200から応答信号を受信すると、T96において、導通通知をアプリ38に供給する。導通通知は、端末10とプリンタ200との間でWi-Fi通信を実行可能であることを示す通知である。
【0049】
アプリ38は、T96において、OS36から導通通知を取得すると、T100において、プリンタ選択画面を表示部12に表示させる。プリンタ選択画面は、プリンタ200に関する情報B3を含む。具体的には、情報B3は、T72で受信されたモデル名「model2」、能力情報、及び、状態情報を含む。これにより、ユーザは、プリンタ200に関する情報B3を知ることができる。
【0050】
図3の続き:図4
図4に示されるように、アプリ38は、図3のT50~T54と同様に、プリンタ100とのBT接続を確立する。このように、アプリ38は、プリンタ200とのBT接続が切断された後(図3のT84参照)に、プリンタ100とのBT接続を確立する。このために、端末10と複数個のプリンタ100,200との間に複数個のBT接続が同時的に確立されることが抑制される。この結果、複数個のBT接続が同時的に確立されることに起因してBT接続を利用した通信が不安定になることを抑制することができる。
【0051】
次いで、アプリ38は、図3のT60~T96と同様の処理を実行する。ここで、プリンタ100から受信される各種情報(T72参照)は、以下のとおりである。モデル名は「model1」である。能力情報は、印刷用紙としてA4サイズ及びB5サイズを利用可能であることを示す情報と、モノクロ印刷のみを利用可能であること(即ちカラー印刷を利用不可能であること)を示す情報と、を含む。状態情報は、プリンタ100の現在の情報を示す情報であり、本ケースでは、プリンタ100内のトナーの残量が少ない状態を示す情報である。IPアドレスは、プリンタ100が所属しているLAN(即ちAP50が親局として動作しているLAN)におけるプリンタ100のIPアドレスを示す。また、本ケースでは、端末10及びプリンタ100が同じAP50とのWi-Fi接続を確立しているので、確認信号及び応答信号の通信が成功する(T90~T96参照)。
【0052】
アプリ38は、T110において、プリンタ100に関する情報B4をプリンタ選択画面に追加する。即ち、アプリ38は、プリンタ200に関する情報B3に加えて、プリンタ100に関する情報B4を表示部12に表示させる。このために、ユーザは、複数個のプリンタ100,200に関する情報B3,B4を同時的に見ることができる。特に、アプリ38は、先に表示されている情報B3の下方に情報B4を表示する。即ち、アプリ38は、端末10との距離が近いプリンタ200に関する情報B3を優先的に表示する。これにより、ユーザは、端末10との距離が近いプリンタ200を優先的にデフォルトプリンタとして選択することができる。
【0053】
次いで、アプリ38は、図3のT50~T86と同様に、プリンタ400とのBT接続を確立し、プリンタ400から各種情報を受信する。そして、アプリ38は、T120において、プリンタ400のIPアドレスを含む確認指示をOS36に供給する。
【0054】
OS36は、T120において、アプリ38から確認指示を取得すると、T122において、Wi-FiI/F14を介して、確認指示内のIPアドレスを送信先アドレスとして含む確認信号をAP50に送信する。
【0055】
本ケースでは、プリンタ400は、AP50ではなく、AP60とのWi-Fi接続を確立している。このために、確認信号は、プリンタ400によって受信されない。この結果、プリンタ400から端末10に応答信号が送信されない。
【0056】
OS36は、確認信号を送信してから所定時間が経過しても応答信号を受信しない場合に、T124において、非導通通知をアプリ38に供給する。非導通通知は、端末10とプリンタ400との間でWi-Fi通信を実行不可能であることを示す通知である。この場合、アプリ38は、プリンタ400に関する情報をプリンタ選択画面(T110参照)に追加しない。このように、本実施例では、端末10がWi-Fi通信を実行可能な各プリンタ100,200に関する情報B3,B4がプリンタ選択画面に表示され、端末10がWi-Fi通信を実行不可能なプリンタ400に関する情報がプリンタ選択画面に表示されない。このために、端末10が印刷を実行させることが不可能なプリンタ400がデフォルトプリンタとして選択されるのを抑制することができる。
【0057】
アプリ38は、T130において、ユーザからプリンタ200に関する情報B3の選択を受け付ける。この場合、アプリ38は、T132において、プリンタ200をデフォルトプリンタとしてメモリ34に登録する。具体的には、アプリ38は、プリンタ200のモデル名「model2」、プリンタ200の能力情報(即ち印刷用紙「A4、A3」、色数「カラー、モノクロ」)、及び、プリンタ200のIPアドレスをメモリ34に登録する。これにより、アプリ38は、ユーザから印刷操作を受け付ける場合に、デフォルトプリンタであるプリンタ200に印刷を実行させることができる。
【0058】
アプリ38は、T134において、ユーザから印刷操作を受け付ける。印刷操作は、印刷対象の画像を表わす画像データを選択する操作と、印刷設定(用紙サイズ、色数等)の入力を受け付ける操作と、を含む。ここで、印刷設定としては、登録済みのプリンタ200の能力情報に適合するものが選択される。そして、アプリ38は、入力済みの印刷設定に従って画像データを変換して、プリンタ200が解釈可能なデータ形式を有する印刷データを生成する。次いで、アプリ38は、T136において、生成済みの印刷データと、登録済みのプリンタ200のIPアドレスと、を含む印刷指示をOS36に供給する。
【0059】
OS36は、T136において、アプリ38から印刷指示を取得すると、T138において、Wi-FiI/F14を介して、印刷指示内のIPアドレスを送信先アドレスとして印刷データを送信する。即ち、OS36は、Wi-Fi通信を実行して、印刷データをプリンタ200に送信する。
【0060】
プリンタ200は、T136において、端末10から印刷データを受信すると、T140において、印刷データによって表わされる画像の印刷を実行する。
【0061】
(ケースBの処理:図5図6
続いて、図5及び図6を参照して、各デバイス10,40,100~400によって実行されるケースBの処理を説明する。図5の初期状態は、図2のケースAの初期状態と同じである。
【0062】
図5の処理)
図2のT10~T22と同様の処理が実行される。その後、アプリ38は、T150において、ユーザから、検索方法選択画面内のボタンB2の選択を受け付ける。この場合、アプリ38は、T152において、条件入力画面を表示部12に表示させる。条件入力画面は、印刷条件の入力を受け付けるボタンと、文字列「検索」を示すボタンB5と、を含む。アプリ38は、ユーザから、所望の印刷条件(本ケースでは「A3」及び「カラー印刷」)の入力を受け付け、T154において、ボタンB5を選択する操作を受け付ける。その後、図2のT26~T42と同様の処理が実行される。
【0063】
図5の続き:図6
次いで、図6に示されるように、図3のT50~T86と同様の処理が実行される。アプリ38は、T160において、T154で入力済みの印刷条件(即ちA3及びカラー印刷)が、プリンタ200の能力情報(即ち、A3、A4、カラー印刷、モノクロ印刷)に含まれると判断する。即ち、アプリ38は、入力済みの印刷条件がプリンタ200の能力情報に適合すると判断する。次いで、図3のT90~T96と同様の処理が実行され、アプリ38は、プリンタ200とのWi-Fi通信を実行可能であることを確認する。
【0064】
その後、アプリ38は、図3のT50~T86と同様の処理をプリンタ100と実行する。アプリ38は、T170において、T154で入力済みの印刷条件(即ちA3及びカラー印刷)が、プリンタ100の能力情報(即ち、A4、B5、モノクロ印刷)に含まれないと判断する。即ち、アプリ38は、入力済みの印刷条件がプリンタ100の能力情報に適合しないと判断する。この場合、アプリ38は、確認指示(図3のT90参照)をOS36に供給しない。
【0065】
その後、アプリ38は、図3のT50~T86と同様の処理をプリンタ400と実行する。アプリ38は、T180において、T154で入力済みの印刷条件(即ちA3及びカラー印刷)が、プリンタ400の能力情報に適合すると判断する。その後、図4のT120~T124と同様の処理が実行され、アプリ38は、プリンタ400とのWi-Fi通信を実行不可能であることを知る。
【0066】
アプリ38は、T190において、プリンタ選択画面を表示部12に表示させる。プリンタ選択画面は、T154で入力済みの印刷条件に適合する能力情報を有し、かつ、端末10とのWi-Fi通信を実行可能であるプリンタ200に関する情報B6を含む。プリンタ選択画面は、T154で入力済みの印刷条件に適合しない能力情報を有するプリンタ100に関する情報を含まず、端末10とのWi-Fi通信を実行不可能であるプリンタ400に関する情報を含まない。これにより、ユーザは、プリンタ200をデフォルトプリンタとして適切に選択することができる。なお、情報B6は、プリンタ200の能力情報を含まず、プリンタ200の状態情報を含む。ただし、変形例では、情報B6は、プリンタ200の能力情報を含んでいてもよい。
【0067】
アプリ38は、T192において、ユーザから情報B6の選択を受け付けると、図4のT132~T140と同様の処理を実行する。
【0068】
(本実施例の効果)
本実施例によると、端末10は、PINコードを利用した通信を実行することなく、プリンタ200から各種情報を受信することができる(図3のT72)と共に、PINコードを利用した通信を実行することなく、プリンタ100から各種情報を受信することができる。従って、端末10のユーザがPINコードを入力する作業を実行せずに済む。このために、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0069】
(対応関係)
端末10が、「端末装置」の一例である。BTI/F16、Wi-FiI/F14が、それぞれ、「端末装置」の「第1の無線インターフェース」、「第2の無線インターフェース」の一例である。プリンタ100が、「通信装置」の一例である。BTI/F116、Wi-FiI/F114が、それぞれ、「通信装置」の「第1の無線インターフェース」、「第2の無線インターフェース」の一例である。プリンタ200、プリンタ100が、それぞれ、「第1の通信装置」、「第2の通信装置」の一例である。PINコード、接続許可パラメータ、接続不許可パラメータが、それぞれ、「認証情報」、「可能情報」、「不可能情報」の一例である。図3のT54のBT接続、図4でプリンタ100について引用するT54のBT接続が、それぞれ、「第1の無線接続」、「第2の無線接続(又は無線接続)」の一例である。図3のT72の情報、図4でプリンタ100について引用するT72の情報が、それぞれ、「第1の関連情報」、「第2の関連情報(又は関連情報)」の一例である。プリンタ200の能力情報、プリンタ100の能力情報が、それぞれ、「第1の能力情報」、「第2の能力情報(又は能力情報)」の一例である。プリンタ200の状態情報、プリンタ100の状態情報が、それぞれ、「第1の状態情報」、「第2の状態情報(又は状態情報)」の一例である。プリンタ100のIPアドレス又はプリンタ200のIPアドレスが、「アドレス情報」の一例である。図4の情報B3(又は図6の情報B6)、情報B4が、それぞれ、「第1の表示情報」、「第2の表示情報」の一例である。図5のT154で入力される印刷条件が、「対象情報」の一例である。
【0070】
「端末装置」に関する対応関係は、以下の通りである。図2のT30~T36が、「アドバタイズ信号受信部」によって実現される処理の一例である。T42が、「距離決定部」によって実現される処理の一例である。図3のT50に応じたT52及びT54が、「第1の確立部」によって実現される処理の一例である。T72が、「第1の関連情報受信部」によって実現される処理の一例である。T80に応じたT82が、「切断部」によって実現される処理の一例である。T90及びT96が、「判断部」によって実現される処理の一例である。図4でプリンタ100について引用するT50に応じたT52及びT54が、「第2の確立部」によって実現される処理の一例である。図4でプリンタ100について引用するT72が、「第2の関連情報受信部」によって実現される処理の一例である。図3のT100、図4のT110、及び、図6のT190が、「表示制御部」によって実現される処理の一例である。図4のT132、図5のT154が、それぞれ、「登録部」、「受付部」によって実現される処理の一例である。
【0071】
「通信装置」に関する対応関係は以下の通りである。図2のT10及びT30が、「アドバタイズ信号送信部」によって実現される処理の一例である。図4でプリンタ100について引用するT54、T72、T94が、それぞれ、「確立部」、「関連情報送信部」、「応答信号送信部」によって実現される処理の一例である。
【0072】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0073】
(変形例1)図3のT72において、端末10は、プリンタ200から能力情報と状態情報とのうちの一方の情報のみを受信してもよい。一般的に言うと、「第1(又は第2)の関連情報」は、「第1(又は第2)の能力情報」と「第1(又は第2の)の状態情報」とのうちの少なくとも一方を含んでいればよい。また、「関連情報」は、「能力情報」と「状態情報」とのうちの少なくとも一方を含んでいればよい。
【0074】
(変形例2)図2のT30~T36の各信号は、送信電波強度を含んでいてもよい。この場合、端末10は、T42において、各プリンタ100,200,400について、送信電波強度及び受信電波強度を利用して、当該プリンタと端末10との間の距離を算出してもよい。そして、端末10は、距離が近い順に、各プリンタ100,200,400をソートする。一般的に言うと、「距離決定部」は、上記の実施例のように、受信電波強度のみを利用して、第1の距離と第2の距離とのうちのどちらが小さいのかを決定してもよいし、本変形例のように、受信電波強度と送信電波強度との双方を利用して、第1の距離と第2の距離とのうちのどちらが小さいのかを決定してもよい。
【0075】
(変形例3)図2のT42の処理が実行されなくてもよい。本変形例では、「距離決定部」を省略可能である。
【0076】
(変形例4)図2のT40において、端末10は、ANI信号の送信元のプリンタ300のMACアドレス「m300」を含むリストを生成してもよい。即ち、全てのプリンタ100~400のMACアドレスを含むリストが生成されてもよい。この場合、端末10は、プリンタ300とのBT接続も確立し、プリンタ300から各種情報を受信する。一般的に言うと、第1の通信装置から不可能情報を含むアドバタイズ信号が受信される場合に、第1の通信装置との第1の無線接続が確立されてもよい。また、別の変形例では、アドバタイズ信号は、送信元のプリンタがBT接続を確立しているのか否かに関わらず、接続許可パラメータを含んでいてもよい。また、さらに別の変形例では、アドバタイズ信号は、接続許可パラメータも接続不許可パラメータも含まなくてもよい。これらの変形例でも、全てのプリンタ100~400のMACアドレスを含むリストが生成される。一般的に言うと、「アドバタイズ信号送信部」は、可能情報を含むアドバタイズ信号のみを送信してもよいし、可能情報及び不可能情報のどちらも含まないアドバタイズ信号を送信してもよい。
【0077】
(変形例5)図3のT90及びT92において、端末10は、所定範囲のIPアドレスを送信先アドレスとして含むマルチキャストの確認信号を送信してもよい。この場合、端末10は、T72で受信済みのIPアドレスを送信元アドレスとして含む応答信号を受信する場合に、プリンタ200とのWi-Fi通信を実行可能であると判断することができる。また、別の変形例では、T72において、端末10は、プリンタ200のIPアドレスに代えて、プリンタ200のWi-FiI/FのMACアドレスを受信してもよい。この場合、T90及びT92において、端末10は、ブロードキャストの確認信号を送信してもよい。この場合、端末10は、T72で受信済みのMACアドレスを送信元アドレスとして含む応答信号を受信する場合に、プリンタ200とのWi-Fi通信を実行可能であると判断することができる。一般的に言うと、「判断部」は、上記の各変形例を実行してもよく、「アドレス情報」は、IPアドレスではなくMACアドレスであってもよい。
【0078】
(変形例6)図3のT90~T96が省略されてもよい。この場合、端末10は、プリンタとのWi-Fi通信を実行可能であるのか否かに関わらず、当該プリンタに関する情報をプリンタ選択画面に表示する。本変形例では、「判断部」及び「応答信号送信部」を省略可能である。
【0079】
(変形例7)図3のT80及びT82が省略されてもよい。即ち、端末10は、プリンタ200とのBT接続を切断する前に、プリンタ100とのBT接続を確立してもよい。本変形例では、「切断部」を省略可能である。
【0080】
(変形例8)図2のT22が省略されてもよい。この場合、端末10は、通常のデバイス検索と条件付きデバイス検索とのうち、予め決められている一方の検索を実行してもよい。即ち、端末10は、ケースA及びケースBのうちの一方のみを実現可能であってもよい。
【0081】
(変形例9)図5のT152において、端末10は、印刷条件を指定するための画面に代えて、プリンタの状態を指定するための画面を表示してもよい。この場合、端末10は、ユーザから例えばアイドル状態の入力を受け付ける場合に、プリンタ200に関する情報を表示し、ユーザから例えばトナーが少ない状態の入力を受け付ける場合に、プリンタ100に関する情報を表示する。本変形例では、プリンタの状態を示す情報が、「対象情報」の一例である。
【0082】
(変形例10)図4のT130及びT132が省略されてもよい。即ち、端末10は、端末10の周囲に存在するプリンタに関する情報をユーザに提供するものであればよく、印刷をプリンタに実行させるものでなくてもよい。本変形例では、「登録部」を省略可能である。
【0083】
(変形例11)「通信装置」は、プリンタでなくてもよく、スキャナ、ファクシミリ等の他の画像処理装置であってもよい。この場合、能力情報は、例えば、スキャン解像度、スキャン色数、両面スキャン機能の有無等を示す情報を含んでいてもよい。また、状態情報は、エラー状態、ファクシミリ通信状態等を示す情報を含んでいてもよい。別の変形例では、「通信装置」は、PC、サーバ等の情報処理装置であってもよい。この場合、能力情報は、例えば、処理速度、通信速度、インストール済みのアプリケーションの種類等を示す情報を含んでいてもよい。また、状態情報は、エラー状態、データ通信状態、データ処理状態等を示す情報を含んでいてもよい。
【0084】
(変形例12)上記の実施例では、各端末10,40のCPU32等がプログラム36,38等を実行すること、及び、各プリンタ100~400のCPU132等がプログラム136等(即ちソフトウェア)を実行することによって、図2図6の各処理が実現される。これに代えて、いずれかの処理は、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0085】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
特許出願時の特許請求の範囲に記載の事項を以下に記載しておく。
(項目1)
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置は、
Bluetooth(登録商標)規格に従った第1の無線インターフェースと、
表示部と、
コンピュータと、を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、以下の各部、即ち、
前記第1の無線インターフェースを介して、複数個の通信装置のそれぞれからアドバタイズ信号を受信するアドバタイズ信号受信部と、
前記複数個の通信装置のうちの第1の通信装置から前記アドバタイズ信号が受信される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記第1の通信装置との第1の無線接続を確立する第1の確立部と、
前記第1の通信装置との前記第1の無線接続が確立される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記端末装置と前記第1の通信装置とのうちの一方の装置によって準備されるべき認証情報を利用した通信を実行することなく、前記第1の無線接続を利用して、前記第1の無線インターフェースを介して、前記第1の通信装置から、前記第1の通信装置に関する第1の関連情報を受信する第1の関連情報受信部であって、前記第1の関連情報は、前記第1の通信装置の能力を示す第1の能力情報と、前記第1の通信装置の状態を示す第1の状態情報と、のうちの少なくとも一方を含む、前記第1の関連情報受信部と、
前記第1の無線インターフェースを介して、前記複数個の通信装置のうちの前記第1の通信装置とは異なる第2の通信装置から前記アドバタイズ信号が受信される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記第2の通信装置との第2の無線接続を確立する第2の確立部と、
前記第2の通信装置との前記第2の無線接続が確立される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記端末装置と前記第2の通信装置とのうちの一方の装置によって準備されるべき認証情報を利用した通信を実行することなく、前記第2の無線接続を利用して、前記第1の無線インターフェースを介して、前記第2の通信装置から、前記第2の通信装置に関する第2の関連情報を受信する第2の関連情報受信部であって、前記第2の関連情報は、前記第2の通信装置の能力を示す第2の能力情報と、前記第2の通信装置の状態を示す第2の状態情報と、のうちの少なくとも一方を含む、前記第2の関連情報受信部と、
前記第1の関連情報と前記第2の関連情報とを利用して、前記第1の通信装置に関する第1の表示情報と前記第2の通信装置に関する第2の表示情報とのうちの少なくとも一方を前記表示部に表示させる表示制御部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
(項目2)
前記コンピュータプログラムは、さらに、前記コンピュータを、
前記複数個の通信装置のそれぞれから受信される前記アドバタイズ信号の受信電波強度を利用して、前記第1の通信装置と前記端末装置との間の第1の距離と、前記第2の通信装置と前記端末装置との間の第2の距離と、のうちのどちらが小さいのかを決定する距離決定部として機能させ、
前記第1の情報関連受信部は、前記第1の距離が前記第2の距離よりも小さいことが決定される場合に、前記第2の関連情報を受信される前に、前記第1の関連情報を受信し、
前記第2の関連情報受信部は、前記第2の距離が前記第1の距離よりも小さいことが決定される場合に、前記第1の関連情報が受信される前に、前記第2の関連情報を受信する、項目1に記載のコンピュータプログラム。
(項目3)
前記アドバタイズ信号は、可能情報と不可能情報とのうちの一方を含み、
前記可能情報は、前記アドバタイズ信号の送信元の通信装置が、前記第1の無線インターフェースを介した無線接続を前記端末装置と確立可能であることを示す情報であり、
前記不可能情報は、前記アドバタイズ信号の送信元の通信装置が、前記第1の無線インターフェースを介した無線接続を前記端末装置と確立不可能であることを示す情報であり、
前記第1の確立部は、前記第1の通信装置から前記可能情報を含む前記アドバタイズ信号が受信される場合に、前記第1の通信装置との前記第1の無線接続を確立し、
前記第1の通信装置から前記不可能情報を含む前記アドバタイズ信号が受信される場合に、前記第1の通信装置との前記第1の無線接続は確立されない、項目1又は2に記載のコンピュータプログラム。
(項目4)
前記端末装置は、さらに、
Wi-Fi規格に従った第2の無線インターフェースを備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに
前記第1の通信装置から前記第1の関連情報が受信される場合に、前記第2の無線インターフェースを介した通信を前記第1の通信装置と実行可能であるのか否かを、前記第1の関連情報に含まれる前記第1の通信装置のアドレス情報を利用して判断する判断部として機能させ、
前記表示制御部は、前記第2の無線インターフェースを介した通信を前記第1の通信装置と実行可能であると判断される場合に、前記第1の表示情報を前記表示部に表示させ、
前記第2の無線インターフェースを介した通信を前記第1の通信装置と実行不可能であると判断される場合に、前記第1の表示情報は表示されない、項目1から3のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目5)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに
前記第1の通信装置から前記第1の関連情報が受信された後に、前記第1の無線接続を切断する切断部として機能させ、
前記第2の確立部は、前記第1の無線接続が切断された後に、前記第2の通信装置との前記第2の無線接続を確立する、項目1から4のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目6)
前記表示制御部は、
前記第1の通信装置から前記第1の関連情報が受信される場合に、前記第1の表示情報を前記表示部に表示させ、
前記第1の表示情報が前記表示部に表示された後に、前記第2の通信装置から前記第2の関連情報が受信される場合に、前記第1の表示情報に加えて前記第2の表示情報を前記表示部に表示させる、項目1から5のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目7)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに
ユーザから能力情報と状態情報とのうちの少なくとも一方である対象情報の入力を受け付ける受付部として機能させ、
前記表示制御部は、前記対象情報が前記第1の関連情報に適合する場合に、前記第1の表示情報を前記表示部に表示させ、
前記対象情報が前記第1の関連情報に適合しない場合に、前記第1の表示情報は表示されない、項目1から5のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目8)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1の表示情報が前記表示部に表示され、かつ、前記第1の表示情報がユーザによって選択される場合に、前記第1の通信装置を前記端末装置に登録する登録部として機能させる、項目1から7のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目9)
端末装置であって、
Bluetooth(登録商標)規格に従った第1の無線インターフェースと、
表示部と、
前記第1の無線インターフェースを介して、複数個の通信装置のそれぞれからアドバタイズ信号を受信するアドバタイズ信号受信部と、
前記複数個の通信装置のうちの第1の通信装置から前記アドバタイズ信号が受信される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記第1の通信装置との第1の無線接続を確立する第1の確立部と、
前記第1の通信装置との前記第1の無線接続が確立される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記端末装置と前記第1の通信装置とのうちの一方の装置によって準備されるべき認証情報を利用した通信を実行することなく、前記第1の無線接続を利用して、前記第1の無線インターフェースを介して、前記第1の通信装置から、前記第1の通信装置に関する第1の関連情報を受信する第1の関連情報受信部であって、前記第1の関連情報は、前記第1の通信装置の能力を示す第1の能力情報と、前記第1の通信装置の状態を示す第1の状態情報と、のうちの少なくとも一方を含む、前記第1の関連情報受信部と、
前記第1の無線インターフェースを介して、前記複数個の通信装置のうちの前記第1の通信装置とは異なる第2の通信装置から前記アドバタイズ信号が受信される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記第2の通信装置との第2の無線接続を確立する第2の確立部と、
前記第2の通信装置との前記第2の無線接続が確立される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記端末装置と前記第2の通信装置とのうちの一方の装置によって準備されるべき認証情報を利用した通信を実行することなく、前記第2の無線接続を利用して、前記第1の無線インターフェースを介して、前記第2の通信装置から、前記第2の通信装置に関する第2の関連情報を受信する第2の関連情報受信部であって、前記第2の関連情報は、前記第2の通信装置の能力を示す第2の能力情報と、前記第2の通信装置の状態を示す第2の状態情報と、のうちの少なくとも一方を含む、前記第2の関連情報受信部と、
前記第1の関連情報と前記第2の関連情報とを利用して、前記第1の通信装置に関する第1の表示情報と前記第2の通信装置に関する第2の表示情報とのうちの少なくとも一方を前記表示部に表示させる表示制御部と、
を備える、端末装置。
(項目10)
通信装置であって、
Bluetooth(登録商標)規格に従った第1の無線インターフェースと、
前記第1の無線インターフェースを介して、アドバタイズ信号を送信するアドバタイズ信号送信部と、
前記アドバタイズ信号が端末装置によって受信される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記端末装置との無線接続を確立する確立部と、
前記端末装置との前記無線接続が確立される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記通信装置と前記端末装置とのうちの一方の装置によって準備されるべき認証情報を利用した通信を実行することなく、前記無線接続を利用して、前記第1の無線インターフェースを介して、前記通信装置に関する関連情報を前記端末装置に送信する関連情報送信部であって、前記関連情報は、前記通信装置の能力を示す能力情報と、前記通信装置の状態を示す状態情報と、のうちの少なくとも一方を含む、前記関連情報送信部と、
を備える、通信装置。
(項目11)
前記アドバタイズ信号送信部は、
前記通信装置の状態が、前記端末装置との前記無線接続を確立可能な状態である場合に、可能情報を含む前記アドバタイズ信号を送信し、
前記通信装置の状態が、前記端末装置との前記無線接続を確立不可能な状態である場合に、不可能情報を含む前記アドバタイズ信号を送信する、項目10に記載の通信装置。
(項目12)
前記関連情報は、前記通信装置のアドレス情報を含み、
前記端末装置は、さらに、
前記第1の無線インターフェースとは異なる第2の無線インターフェースであって、Wi-Fi規格に従った前記第2の無線インターフェースと、
前記関連情報が前記通信装置に送信された後に、前記第2の無線インターフェースを介して、前記端末装置から、前記アドレス情報を送信先情報として含む確認信号が受信される場合に、前記第2の無線インターフェースを介して、応答信号を前記端末装置に送信する応答信号送信部と、
を備える、項目10又は11に記載の通信装置。
【符号の説明】
【0086】
2:通信システム、10:携帯端末、12:表示部、14:Wi-FiI/F、16:BTI/F、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、36:OSプログラム、38:プリントアプリ、40:携帯端末、50,60:AP、100~400:プリンタ、112:表示部、114:Wi-FiI/F、116:BTI/F、118:印刷実行部、130:制御部、132:CPU、134:メモリ、136:プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6