(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】後処理装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 31/36 20060101AFI20241008BHJP
【FI】
B65H31/36
(21)【出願番号】P 2020137077
(22)【出願日】2020-08-14
【審査請求日】2023-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【氏名又は名称】青谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【氏名又は名称】中村 智廣
(72)【発明者】
【氏名】狩野 義次
(72)【発明者】
【氏名】高橋 慎也
(72)【発明者】
【氏名】田口 智子
(72)【発明者】
【氏名】高橋 政明
(72)【発明者】
【氏名】芦澤 浩
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-351517(JP,A)
【文献】特開2019-043730(JP,A)
【文献】特開2020-093932(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 29/24
B65H 31/00-31/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を排出する排出手段と、
排出された媒体が積載される積載手段と、
前記排出手段の下方に配置され、排出される媒体に向けて気体を吹き出す吹き出し手段であって、媒体の種類に応じて気体の吹き出し方向が異なる前記吹き出し手段と、
を備え
、
前記吹き出し手段は、媒体の種類が予め定められた軽量の媒体の場合に、重量のある媒体の場合に比べて、気体の吹き出し方向を下方にするとともに、
前記吹き出し手段は、媒体の種類が前記軽量の媒体の場合に、気体の吹き出し方向を水平よりも下方にする
ことを特徴とする後処理装置。
【請求項2】
媒体を排出する排出手段と、
排出された媒体が積載される積載手段と、
前記排出手段の下方に配置され、排出される媒体に向けて気体を吹き出す吹き出し手段であって、媒体の種類に応じて気体の吹き出し方向が異なる前記吹き出し手段と、
を備え
、
前記吹き出し手段は、媒体のこわさが予め定められた強さよりも弱い場合に、こわさが強い媒体の場合に比べて、気体の吹き出し方向を下方にする
ことを特徴とする後処理装置。
【請求項3】
媒体の前記こわさが弱い媒体の場合に、気体の吹き出し方向を水平よりも下方にする前記吹き出し手段、
を備えたことを特徴とする
請求項2に記載の後処理装置。
【請求項4】
媒体の幅方向に対して複数配置されて、気体が吹き出す吹き出し口を有する前記吹き出し手段であって、前記吹き出し口の向きが上下方向に移動可能な前記吹き出し手段、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし
3のいずれかに記載の後処理装置。
【請求項5】
前記吹き出し口の向きを上下方向に移動させる移動手段と、
前記移動手段を制御して、吹き出し口の向きを媒体の種類に応じた向きに移動させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする
請求項4に記載の後処理装置。
【請求項6】
前記吹き出し口の向きを移動させる摘まみ手段、
を備えたことを特徴とする
請求項4に記載の後処理装置。
【請求項7】
媒体に画像が記録される記録手段と、
画像が記録された媒体を排出する排出手段と、
排出された媒体が積載される積載手段と、
前記排出手段の下方に配置され、排出される媒体に向けて気体を吹き出す吹き出し手段であって、媒体の種類に応じて気体の吹き出し方向が異なる前記吹き出し手段と、
を備え
、
前記吹き出し手段は、媒体の種類が予め定められた軽量の媒体の場合に、重量のある媒体の場合に比べて、気体の吹き出し方向を下方にするとともに、
前記吹き出し手段は、媒体の種類が前記軽量の媒体の場合に、気体の吹き出し方向を水平よりも下方にする
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
媒体に画像が記録される記録手段と、
画像が記録された媒体を排出する排出手段と、
排出された媒体が積載される積載手段と、
前記排出手段の下方に配置され、排出される媒体に向けて気体を吹き出す吹き出し手段であって、媒体の種類に応じて気体の吹き出し方向が異なる前記吹き出し手段と、
を備え
、
前記吹き出し手段は、媒体のこわさが予め定められた強さよりも弱い場合に、こわさが強い媒体の場合に比べて、気体の吹き出し方向を下方にする
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、後処理装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、排出される媒体に気体を吹き付ける技術として、下記の特許文献1に記載の技術が従来公知である。
【0003】
特許文献1には、定着装置を通過して昇温しているシート(S)に対して、画像形成装置の内部に配置された吸引ファン(4)で冷却するとともに、画像形成装置の外部に設置された冷却ユニット(11)でシート(S)の上方から気体を吹き付けて冷却する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-52941号公報(「0031」-「0045」、
図2-
図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、媒体の種類に関わらず気体を同じ向きで吹き付ける場合に比べて、積載手段における媒体の積載不良を抑制することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の後処理装置は、
媒体を排出する排出手段と、
排出された媒体が積載される積載手段と、
前記排出手段の下方に配置され、排出される媒体に向けて気体を吹き出す吹き出し手段であって、媒体の種類に応じて気体の吹き出し方向が異なる前記吹き出し手段と、
を備え、
前記吹き出し手段は、媒体の種類が予め定められた軽量の媒体の場合に、重量のある媒体の場合に比べて、気体の吹き出し方向を下方にするとともに、
前記吹き出し手段は、媒体の種類が前記軽量の媒体の場合に、気体の吹き出し方向を水平よりも下方にする
ことを特徴とする。
【0007】
前記技術的課題を解決するために、請求項2に記載の発明の後処理装置は、
媒体を排出する排出手段と、
排出された媒体が積載される積載手段と、
前記排出手段の下方に配置され、排出される媒体に向けて気体を吹き出す吹き出し手段であって、媒体の種類に応じて気体の吹き出し方向が異なる前記吹き出し手段と、
を備え、
前記吹き出し手段は、媒体のこわさが予め定められた強さよりも弱い場合に、こわさが強い媒体の場合に比べて、気体の吹き出し方向を下方にする
ことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の後処理装置において、
媒体の前記こわさが弱い媒体の場合に、気体の吹き出し方向を水平よりも下方にする前記吹き出し手段、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の後処理装置において、
媒体の幅方向に対して複数配置されて、気体が吹き出す吹き出し口を有する前記吹き出し手段であって、前記吹き出し口の向きが上下方向に移動可能な前記吹き出し手段、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の後処理装置において、
前記吹き出し口の向きを上下方向に移動させる移動手段と、
前記移動手段を制御して、吹き出し口の向きを媒体の種類に応じた向きに移動させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の後処理装置において、
前記吹き出し口の向きを移動させる摘まみ手段、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
前記技術的課題を解決するために、請求項7に記載の発明の画像形成装置は、
媒体に画像が記録される記録手段と、
画像が記録された媒体を排出する排出手段と、
排出された媒体が積載される積載手段と、
前記排出手段の下方に配置され、排出される媒体に向けて気体を吹き出す吹き出し手段であって、媒体の種類に応じて気体の吹き出し方向が異なる前記吹き出し手段と、
を備え、
前記吹き出し手段は、媒体の種類が予め定められた軽量の媒体の場合に、重量のある媒体の場合に比べて、気体の吹き出し方向を下方にするとともに、
前記吹き出し手段は、媒体の種類が前記軽量の媒体の場合に、気体の吹き出し方向を水平よりも下方にする
ことを特徴とする。
【0013】
前記技術的課題を解決するために、請求項8に記載の発明の画像形成装置は、
媒体に画像が記録される記録手段と、
画像が記録された媒体を排出する排出手段と、
排出された媒体が積載される積載手段と、
前記排出手段の下方に配置され、排出される媒体に向けて気体を吹き出す吹き出し手段であって、媒体の種類に応じて気体の吹き出し方向が異なる前記吹き出し手段と、
を備え、
前記吹き出し手段は、媒体のこわさが予め定められた強さよりも弱い場合に、こわさが強い媒体の場合に比べて、気体の吹き出し方向を下方にする
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1,2,7,8に記載の発明によれば、媒体の種類に関わらず気体を同じ向きで吹き付ける場合に比べて、積載手段における媒体の積載不良を抑制することができる。
また、請求項1,7に記載の発明によれば、軽量の媒体の場合に普通紙と同じ吹き出し方向の場合に比べて、積載不良を抑制できる。
また、請求項2,3,8に記載の発明によれば、媒体のこわさが弱い場合に強い場合と同じ吹き出し方向にする場合に比べて、積載不良を抑制できる。
請求項4に記載の発明によれば、吹き出し手段の向きを移動させて、気体を吹き付ける向きを調整できる。
請求項5に記載の発明によれば、制御手段で自動的に気体を吹き付ける向きを調整できる。
請求項6に記載の発明によれば、摘まみ部を操作して手動で気体を吹き付ける向きを調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【
図2】
図2は実施例1の後処理装置の排出口の部分の側面図である。
【
図3】
図3は実施例1の後処理装置の排出口部分の要部斜視図である。
【
図4】
図4は実施例1の吹付装置の内部の説明図である。
【
図5】
図5は実施例1の吹き出し口の向きの説明図であり、
図5Aは普通紙の場合の説明図、
図5Bは薄紙の場合の説明図である。
【
図6】
図6は従来の構成における媒体の排出状況の説明図であり、
図6Aは媒体の前端が排出トレイに接触した状態の説明図、
図6Bは
図6Aの状態から媒体がさらに排出された状態の説明図である。
【
図7】
図7は実施例1の普通紙の場合の作用説明図であり、
図7Aは排出口通過後で接地前の状態の説明図、
図7Bは接地後の状態の説明図である。
【
図8】
図8は薄紙の場合の説明図であり、薄紙の後端部に気体を吹き付け続けた場合の一例の説明図である。
【
図9】
図9は実施例2の説明図であり、実施例1の
図3に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例としての実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向(媒体の幅方向)をX軸方向、左右方向(媒体の搬送方向)をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,-X,Y,-Y,Z,-Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0017】
(実施例1のプリンタUの全体構成の説明)
図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成装置の一例としてのプリンタUは、プリンタの本体U1と、プリンタの本体U1に媒体を供給する供給装置の一例としてのフィーダーユニットU2と、利用者が操作を行う操作部UIと、プリンタの本体U1から排出された媒体の後処理を行う後処理装置の一例としてのフィニッシャーU3と、を有する。
【0018】
(実施例1のマーキングの構成の説明)
図1において、前記プリンタの本体U1は、プリンタUの制御を行う制御部(制御手段の一例)Cや、プリンタUの外部に図示しない専用のケーブルを介して接続された情報の送信装置の一例としてのプリント画像サーバCOMから送信された画像情報を受信する図示しない通信部、媒体に画像を記録する記録手段の一例としてのマーキング部U1a等を有する。前記プリント画像サーバCOMには、ケーブルまたはLAN:Local Area Network等の回線を通じて接続され、プリンタUで印刷される画像の情報が送信される画像の送信装置の一例としてのパーソナルコンピュータPCが接続されている。
マーキング部U1aは、像保持手段の一例としてY:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、K:黒の各色用の感光体Py,Pm,Pc,Pkと、写真画像等を印刷する場合に画像に光沢を出すための感光体Poと、を有する。感光体Py~Poは、表面が感光性の誘電体で構成されている。
【0019】
図1において、黒色の感光体Pkの周囲には、感光体Pkの回転方向に沿って、帯電手段の一例としての帯電器CCk、潜像の形成手段の一例としての露光機ROSk、現像手段の一例としての現像器Gk、一次転写手段の一例としての一次転写ロールT1k、像保持手段用の清掃手段の一例としての感光体クリーナCLkが配置されている。
他の感光体Py,Pm,Pc,Poの周囲にも同様に、帯電器CCy,CCm,CCc,CCo、露光機ROSy,ROSm,ROSc,ROSo、現像器Gy,Gm,Gc,Go、一次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1o、感光体クリーナCLy,CLm,CLc,CLoが配置されている。
マーキング部U1aの上部には、現像剤の収容手段の一例としてのトナーカートリッジKy,Km,Kc,Kk,Koが着脱可能に支持されている。トナーカートリッジKy~Koには、現像器Gy~Goに補給される現像剤が収容されている。
【0020】
各感光体Py~Poの下方には、中間転写手段の一例であって、像保持手段の一例としての中間転写ベルトBが配置されている。中間転写ベルトBは、感光体Py~Poと一次転写ロールT1y~T1oとの間に挟まれる。中間転写ベルトBの裏面は、駆動手段の一例としてのドライブロールRdと、張力付与手段の一例としてのテンションロールRtと、蛇行防止手段の一例としてのウォーキングロールRwと、従動手段の一例としての複数のアイドラロールRfと、2次転写用の対向手段の一例としてのバックアップロールT2aと、可動手段の一例としての複数のリトラクトロールR1と、前記一次転写ロールT1y~T1oにより支持されている。
中間転写ベルトBの表面には、ドライブロールRdの近傍に、中間転写手段の清掃手段の一例としてのベルトクリーナCLBが配置されている。
【0021】
バックアップロールT2aには、中間転写ベルトBを挟んで、2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが対向して配置されている。また、バックアップロールT2aには、バックアップロールT2aに現像剤の帯電極性とは逆極性の電圧を印加するために、接触手段の一例としてのコンタクトロールT2cが接触している。
前記バックアップロールT2a、2次転写ロールT2b、コンタクトロールT2cにより、実施例1の二次転写手段の一例としての2次転写器T2が構成されており、一次転写ロールT1y~T1o、中間転写ベルトB、2次転写器T2等により、実施例1の転写手段の一例としての転写装置T1,B,T2が構成されている。
【0022】
2次転写器T2の下方には、収容手段の一例として給紙トレイTR1が設けられている。給紙トレイTR1には、媒体の一例としての記録シートSが収容される。給紙トレイTR1の右斜め上方には、取出手段の一例としてのピックアップロールRpと、捌き手段の一例としての捌きロールRsとが配置されている。捌きロールRsから、記録シートSが搬送される搬送路SHが延びている。搬送路SHに沿って、記録シートSを下流側に搬送する搬送手段の一例としての搬送ロールRaが複数配置されている。
捌きロールRsの下流側には、不要部の除去手段の一例としてのバリ取り装置Btが配置されている。バリ取り装置Btは、記録シートSを予め設定された圧力で挟んで下流側に搬送して、記録シートSの縁の不要部の除去、いわゆる、バリ取りを行う。
【0023】
バリ取り装置Btの下流側には、重送の検知装置Jkが配置されている。重送の検知装置Jkは、通過する記録シートSの厚みを計測して、記録シートSが複数枚重なっている状態、いわゆる重送を検知する。
重送の検知装置Jkの下流側には、姿勢の補正手段の一例としての補正ロールRcが配置されている。補正ロールRcは、記録シートSの搬送方向に対する傾斜、いわゆるスキューを補正する。
補正ロールRcの下流側には、2次転写器T2への記録シートSの搬送時期を調整する調整手段の一例としてのレジストレーションロールRrが配置されている。また、レジストレーションロールRrの下流側には、媒体の案内手段の一例としてのシートガイドSG1が配置されている。
なお、フィーダーユニットU2にも、給紙トレイTR1やピックアップロールRp、捌きロールRs、搬送ロールRaと同様に構成された給紙トレイTR2,TR3等が設けられており、給紙トレイTR2,TR3からの搬送路SHは、プリンタの本体U1の搬送路SHに、重送の検知装置Jkの上流側で合流する。
【0024】
2次転写ロールT2bに対して、記録シートSの搬送方向の下流側には、媒体の搬送手段の一例としての搬送ベルトHBが複数配置されている。
搬送ベルトHBに対して、記録シートSの搬送方向の下流側には、定着手段の一例としての定着装置Fが配置されている。
定着装置Fの下流側のフィニッシャーU3には、湾曲の補正手段の一例としてのデカーラーHdが配置されている。デカーラーHdは、記録シートSに圧力を加えて、記録シートSの湾曲、いわゆるカールを補正する。
デカーラーHdの下流側には、積載手段の一例としての排出トレイTRhに向けて搬送路SHが延びている。搬送路SHの下流端には、排出手段の一例としての排出ロールRhが配置されている。
【0025】
デカーラーHdの下流側には、搬送路SHから分岐する搬送路の一例としての反転路SH2が形成されている。搬送路SHと反転路SH2との分岐部には、搬送方向の切替手段の一例としての第1のゲートGT1が配置されている。
反転路SH2には、正逆回転可能な搬送手段の一例としてのスイッチバックロールRbが複数配置されている。スイッチバックロールRbの上流側には、反転路SH2の上流部から分岐して、搬送路SHの反転路SH2との分岐部よりも下流側に合流する搬送路の一例としての接続路SH3が形成されている。反転路SH2と接続路SH3との分岐部には、搬送方向の切替手段の一例としての第2のゲートGT2が配置されている。
【0026】
前記反転路SH2の下流側には、定着装置Fの下方に、記録シートSの搬送方向を反転、いわゆる、スイッチバックさせるための折り返し路SH4が配置されている。折り返し路SH4には、正逆回転可能な搬送手段の一例としてのスイッチバックロールRbが配置されている。また、折り返し路SH4の入口には、搬送方向の切替手段の一例としての第3のゲートGT3が配置されている。
なお、折り返し路SH4の下流側の搬送路SHは、給紙トレイTR1の搬送路SHに合流している。
【0027】
(マーキングの動作)
前記プリンタUでは、パーソナルコンピュータPCから送信された画像情報を、プリント画像サーバCOMを介して受信すると、画像形成動作であるジョブが開始される。ジョブが開始されると、感光体Py~Poや中間転写ベルトB等が回転する。
感光体Py~Poは、図示しない駆動源により回転駆動される。
帯電器CCy~CCoは、予め設定された電圧が印加されて、感光体Py~Poの表面を帯電させる。
露光機ROSy~ROSoは、制御部Cからの制御信号に応じて、潜像を書き込む光の一例としてのレーザー光Ly,Lm,Lc,Lk,Loを出力して、感光体Py~Poの帯電された表面に静電潜像を書き込む。
現像器Gy~Goは、感光体Py~Poの表面の静電潜像を可視像に現像する。
トナーカートリッジKy~Koは、現像器Gy~Goにおける現像に伴って消費された現像剤の補給を行う。
【0028】
一次転写ロールT1y~T1oは、現像剤の帯電極性とは逆極性の一次転写電圧が印加され、感光体Py~Poの表面の可視像を中間転写ベルトBの表面に転写する。
感光体クリーナCLy~CLoは、一次転写後に感光体Py~Poの表面に残留した現像剤を除去して清掃する。
中間転写ベルトBは、感光体Py~Poに対向する一次転写領域を通過する際に、O,Y,M,C,Kの順に、画像が転写されて積層され、2次転写器T2に対向する2次転写領域Q4を通過する。なお、単色画像の場合は、1色のみの画像が転写されて2次転写領域Q4に送られる。
【0029】
ピックアップロールRpは、受信した画像情報の大きさや記録シートSの指定と、収容された記録シートSの大きさや種類等に応じて、記録シートSの供給が行われる給紙トレイTR1~TR3から記録シートSを送り出す。
捌きロールRsは、ピックアップロールRpから送り出された記録シートSを1枚ずつ分離して捌く。
バリ取り装置Btは、通過する記録シートSに予め設定された圧力を印加してバリを除去する。
重送の検知装置Jkは、通過する記録シートSの厚さを検知することで、記録シートSの重送を検知する。
補正ロールRcは、通過する記録シートSを、図示しない壁面に接触させてスキューを補正する。
【0030】
レジストレーションロールRrは、中間転写ベルトBの表面の画像が2次転写領域Q4に送られる時期に合わせて、記録シートSを送り出す。
シートガイドSG1は、レジストレーションロールRrで送り出された記録シートSを2次転写領域Q4に案内する。
2次転写器T2は、コンタクトロールT2cを介してバックアップロールT2aに予め設定された現像剤の帯電極性と同極性の2次転写電圧が印加され、記録シートSに中間転写ベルトBの画像を転写する。
ベルトクリーナCLBは、2次転写領域Q4で画像が転写された後の中間転写ベルトBの表面に残留した現像剤を除去して清掃する。
搬送ベルトHBは、2次転写器T2で画像が転写された記録シートSを表面に保持して下流側に搬送する。
【0031】
定着装置Fは、加熱部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧部材の一例としての加圧ロールFpとを有する。加熱ロールFhの内部には、熱源の一例としてのヒータhが収容されている。定着装置Fは、加熱ロールFhと加圧ロールFpとが接触する定着領域Q5を通過する記録シートSを加圧しながら加熱して、記録シートSの表面の未定着画像を定着する。前記加熱ロールFhおよび加圧ロールFpにより、実施例1の定着部材Fp,Fhが構成されている。
デカーラーHdは、定着装置Fを通過した記録シートSに圧力を加えて、記録シートSの湾曲、いわゆるカールを除去する。
【0032】
デカーラーHdを通過した記録シートSは、両面印刷が行われる場合には、第1のゲートGT1が作動して、反転路SH2に搬送され、折り返し路SH4でスイッチバックされて、搬送路SHを通じて、レジストレーションロールRrに再送され、2面目の印刷が行われる。
排出トレイTRhに排出される記録シートSは、画像が記録された面が上面となる状態で排出される場合、いわゆるフェイスアップ排出の場合には、搬送路SHを搬送され、排出ロールRhにより排出トレイTRhに排出される。
【0033】
一方、画像が記録された面が下面となるように排出される場合、いわゆるフェイスダウン排出の場合には、搬送路SHから反転路SH2に一旦搬入される。そして、記録シートSの搬送方向の後端が第2のゲートGT2を通過後、スイッチバックロールRbの正回転が停止する。そして、第2のゲートGT2が切り替わり、スイッチバックロールRbが逆回転をして、記録シートSが接続路SH3を搬送されて排出トレイTRhに搬送される。
排出トレイTRhには、排出された記録シートSが積載される。
【0034】
(吹き付け機構の説明)
図2は実施例1の後処理装置の排出口の部分の側面図である。
図3は実施例1の後処理装置の排出口部分の要部斜視図である。
図1~
図3において、実施例1では、排出トレイTRhは、シート搬送方向の下流側に行くにつれて、重力方向の下方に傾斜して形成されている。排出トレイTRhには、重力方向の下流端に、停止手段の一例としてのエンドガイド1が配置されている。また、排出トレイTRhには、幅方向の他端部の一例としての奥側(後ろ側)に、停止手段の一例としてのサイドガイド2が配置されている。
【0035】
排出ロールRhで排出されるシートSが通過する排出口3に対して、下方には、吹き出し手段の一例としての吹き付け装置6が配置されている。吹き付け装置6は、筐体の一例としてのハウジング7を有する。実施例1のハウジング7は、シートSの幅方向である前後方向に向けて延びる中空の角筒状に形成されている。ハウジング7には、案内手段の一例としての複数のガイド溝8が形成されている。ガイド溝8は、シートSの幅方向に対して間隔をあけて複数配置されている。実施例1では、一例として、ガイド溝8は、使用可能な最大の用紙幅の両端部に対応する位置まで配置されている。
【0036】
図4は実施例1の吹付装置の内部の説明図である。
図3、
図4において、ハウジング7の内部には、調整手段の一例としての可動ノズル9が配置されている。可動ノズル9は、幅方向に延びる中空の円筒状に形成されている。可動ノズル9は、ハウジング7に対して回転可能に支持されている。可動ノズル9には、各ガイド溝8に対応して、吹き出し口9aが形成されている。また、可動ノズル9の下部には、幅方向に間隔をあけて複数の通気口9bが形成されている。
ハウジング7の下方には、気体移送手段の一例としてのファン11が配置されている。実施例1のファン11は、外気を吸引してハウジング7内に移送する。ハウジング7の内部には、封止手段の一例としてのシール12が配置されている。シール12は、ファン11で吸引された気体が可動ノズル9の内部に送られるように、気体の漏出を抑制する(封止する、シールする)ように配置されている。したがって、ファン11で吸引された気体は、通気口9bを通過して、吹き出し口9aから吹き出される。
【0037】
可動ノズル9の軸方向の端部には、図示しない歯車を介して、移動手段の一例としてモータ13からの駆動が伝達される。モータ13は、制御手段の一例としての制御部(コントローラ)Cで制御される。
なお、移動手段の一例として、モータ13と歯車を例示したがこれに限定されない。例えば、ソレノイドやバネを使用して、ソレノイドのオン、オフで可動ノズル9の位置を2段階で移動させる構成とすることが可能である。他にも、移動手段として、油圧やガス圧を使用して可動ノズル9を移動させる構成とすることも可能である。
【0038】
実施例1の制御部Cは、外部との信号の入出力等を行う入出力インターフェースI/Oを有する。また、制御部Cは、必要な処理を行うためのプログラムおよび情報等が記憶されたROM:リードオンリーメモリを有する。また、制御部Cは、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM:ランダムアクセスメモリを有する。また、制御部Cは、ROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU:中央演算処理装置を有する。よって、実施例1の制御部Cは、いわゆるマイクロコンピュータにより構成されている。制御部Cは、ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0039】
実施例1の制御部Cは、モータ13を制御して、シートSの種類に応じて吹き出し口9aの向きを調整する。実施例1では、使用されるシートSの種類は、一例として、シートSの坪量(単位面積当たりの重さ)に基づいて判別される。一例として、シートSの坪量が、第1の閾値の一例としての坪量60[g/m2]未満であれば、シートSを薄紙と判別する。また、シートSの坪量が、第2の閾値の一例としての坪量90[g/m2]よりも大きい場合、シートSを厚紙と判別する。したがって、坪量が60~90[g/m2]の場合は、普通紙と判別する。なお、坪量の具体的な数値は、例示した数値に限定されず、設計や仕様等に応じて任意に変更可能である。
【0040】
図5は実施例1の吹き出し口の向きの説明図であり、
図5Aは普通紙の場合の説明図、
図5Bは薄紙の場合の説明図である。
実施例1の制御部Cは、シートSが普通紙の場合には、モータ13を制御して、予め定められた第1の位置に吹き出し口9aを移動させる。実施例1では、一例として、第1の位置は、
図5Aに示すように、水平に沿った向きに設定されている。
実施例1の制御部Cは、シートSが薄紙の場合には、モータ13を制御して、吹き出し口9aの向きを、普通紙の場合に比べて下向きにする。実施例1では、シートSが薄紙の場合には、
図5Bに示すように、予め定められた第2の位置に吹き出し口9aを移動させる。実施例1では、一例として、第2の位置は、
図5Bに示すように、水平よりも下向きに設定されている。なお、実施例1の第2の位置では、一例として、排出トレイTRhの上面に平行な向きに設定されている。
なお、薄紙の場合には、ファン11も制御して、風量を普通紙よりも低減させることも可能である。
【0041】
実施例1の制御部Cは、シートSが厚紙の場合には、普通紙と同様の第1の位置に吹き出し口9aを移動させる。なお、厚紙の場合は、吹き出し口9aの向きを変更せず、ファン11を停止して風量をゼロにすることも可能である。
【0042】
(実施例1の作用)
図6は従来の構成における媒体の排出状況の説明図であり、
図6Aは媒体の前端が排出トレイに接触した状態の説明図、
図6Bは
図6Aの状態から媒体がさらに排出された状態の説明図である。
前記構成を備えた実施例1のフィニッシャーU3では、排出トレイTRhに向けて排出されるシートSに対して、吹き付け装置6で気体が吹き付けられる。
図6において、従来構成のように、風が吹きつけられない構成では、シート01の搬送方向の前端が排出トレイ02に接触する際には、
図6Aに示すように、排出トレイ02において搬送方向の比較的上流側の位置に落下して接触することになる。従って、接地位置03と排出口04とを結ぶ仮想線05が、排出トレイ02の上面に対して成す角06が比較的大きくなる。ここで、シート01の種類が、薄紙等で「こわさ(剛度)」が低い場合(いわゆる紙のコシが弱い場合)や、コート紙等で紙と排出トレイとの摩擦係数が大きい場合がある。この場合、シート01がさらに送り込まれると、
図6Bに示すように、シート01と排出トレイ02との摩擦力がシート01の「こわさ」を上回り、シート01が下流側に移動せずに、シート01が途中で座屈する恐れがある。シート01が座屈すると、シート01が途中で折れ曲がったり、シート01が表裏反転してしまったり、シート01の積載順が乱れたり等の積載不良の問題につながる。
【0043】
図7は実施例1の普通紙の場合の作用説明図であり、
図7Aは排出口通過後で接地前の状態の説明図、
図7Bは接地後の状態の説明図である。
これに対して、実施例1では、シートSに対して気体が吹き付けられており、シートSの搬送方向の前端が浮いた状態となりやすく、シートSの搬送方向の前端が排出トレイTRhにおいて、より搬送方向の下流側で排出トレイTRhの上面に接触することとなる。したがって、接地位置21と排出口3とを結ぶ仮想線22が、排出トレイTRhの上面に対して成す角23が、
図6Aの場合に比べて小さくなる。したがって、摩擦力が作用する方向(排出トレイTRhの上面に沿った方向)とシートSの長手方向(シートSの排出方向)が近くなり、シートSが座屈しにくくなる。したがって、シートSの積載不良の発生が抑制される。
【0044】
実施例1のフィニッシャーU3では、シートSが薄紙の場合は、吹き出し口9aの向きが下方に設定される。軽量の薄紙の場合に、普通紙と同じ風向で吹き付けると、シートSが浮き上がりやすく、排出トレイTRhに落下しにくくなる。シートSが浮遊し続けると、シートSの位置がシートSの排出方向や幅方向にずれる恐れがあり、シートSの整合性が悪化する恐れがある。
これに対して、実施例1ではシートSが薄紙の場合は風向が下向きとなり、風向が下向きとならない場合に比べて、シートSが浮遊し続けにくく、整合性が悪化することが抑制される。なお、シートSが軽量の薄紙の場合、風向が下向きになっても、搬送方向の前端は十分に浮かせることが可能であり、排出トレイTRhの上面に接触する位置を、普通紙と同様に搬送方向の下流側にすることが可能である。
【0045】
図8は薄紙の場合の説明図であり、薄紙の後端部に気体を吹き付け続けた場合の一例の説明図である。
また、シートSが薄紙の場合に、風向が下向きでない状態で後端部に気体を吹き付けると、
図8に示すように、後端が跳ね上がるような状態となる恐れがある。この状態で、後続のシートS2が搬入されると、後続のシートS2の搬送方向の前端の方が、先行のシートS1の後端よりも下側となる場合がある。したがって、排出トレイTRhにおいて、シートSの積載順が乱れる恐れがある。これに対して、実施例1では、シートSが薄紙の場合には、風向が下向きとなり、シートSの後端の跳ね上がりが抑制され、積載順の乱れも抑制される。
【0046】
また、実施例1のフィニッシャーU3では、厚紙の場合は、風向が下向きにならない。厚紙の場合は、「こわさ」が強く、座屈しにくい。したがって、風向を下向きにしなくても、積載不良が発生しにくい。なお、「こわさ」が強い厚紙に対しては、気体の吹付自体を行わなくても、すなわち、ファン11を停止して気体を吹き付けなくても、座屈しにくい。よって、厚紙の場合にファン11を停止することも可能である。したがって、厚紙の場合にファン11を停止すると、ファン11を作動させる電力を抑制しやすく、ファン11の経時的な損耗や故障等のリスクも抑制されて保守費用の抑制にもつながる。
【実施例2】
【0047】
次に本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例2は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
【0048】
図9は実施例2の説明図であり、実施例1の
図3に対応する図である。
図9において、実施例2の吹き付け装置6では、実施例1におけるモータ13等の移動手段が設けられておらず、モータ13等に替えて摘まみ手段の一例としての摘まみ部31が設けられている。したがって、摘まみ部31を利用者が摘まんで回転させると、吹き出し口9aの向きが調整可能である。
【0049】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の吹き付け装置6では、利用者が吹き出し口9aの向きを手動で自由に調整可能である。よって、画像形成装置の設置環境や利用者が使用しているシートSの種類、当日の温度、湿度等の環境に応じて、摘まみ部31を操作して微調整することも可能である。
また、実施例2では、実施例1のように、モータ13等の移動手段を設ける必要がなくなり、製造費用や保守費用等を削減することが可能である。
【0050】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)~(H08)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としてのプリンタUを例示したが、これに限定されず、例えば、複写機、FAX、あるいはこれらの複数または全ての機能を有する複合機等により構成することも可能である。また、電子写真方式の画像形成装置に限定されず、インクジェット方式や熱転写方式等、任意の画像形成装置に適用可能である。
【0051】
(H02)前記実施例において、プリンタUとして、5色の現像剤が使用される構成を例示したが、これに限定されず、例えば、単色の画像形成装置や、4色以下または6色以上の多色の画像形成装置にも適用可能である。
(H03)前記実施例において、像保持手段の一例として、無端帯状の中間転写ベルトBを例示したが、これに限定されない。例えば、円筒状の中間転写ドラムや、感光体ドラム、感光体ベルトにも適用可能である。また、中間転写体を有せず、感光体から直接シートSに画像を記録する構成にも適用可能である。
【0052】
(H04)前記実施例において、吹き出し口9aの数は例示した数に限定されず、設計や仕様等に応じて増減可能である。また、吹き出し口9aは、幅方向に沿って並んだ構成を例示したが、上下方向にずれた配置や、上下方向に複数の吹き出し口9aを有する構成とすることも可能である。他にも、シートSの幅方向に沿って伸びる1つの長孔状(スリット状)の吹き出し口とすることも可能である。なお、スリット状の吹き出し口も1つに限定されず、幅方向または高さ方向に間隔をあけて複数設ける構成とすることも可能である。すなわち、吹き出し口の形状も丸穴状に限定されず、長孔状、角孔状等、任意の形状とすることが可能である。
【0053】
(H05)前記実施例において、吹き出し口9aが一括して移動する構成を例示したがこれに限定されない。吹き出し口9aが個別に移動する構成とすることも可能である。この場合、例えば、気体が幅方向に抜けやすい幅方向の端部では、中央部に比べて上向きにする等の微調整も可能となる。
他にも、吹き出し口9aに対して個別にファン11を設けて、各ファンの回転数を制御することで、風量を制御し、幅方向で吹き出し量に差を作り出すことも可能である。さらに、ファン11の回転は同一に保持して、吹き出し口9aに開閉部材(シャッタ)を使用して、吹き出し口9aの開口面積を、薄紙の場合は狭くしたり(吹き出し口9aの一部を塞いだり)、厚紙の場合は完全に塞いだりといった形態とすることも可能である。
【0054】
(H06)前記実施例において、ハウジング7の形状は角筒状に限定されず、丸筒状等、任意の形状とすることが可能である。また、可動ノズル9が回転する構成を例示したがこれに限定されない。例えば、ハウジング7の全体が移動して、気体を吹き付ける向きを変更する構成とすることも可能である。
(H07)前記実施例において、フィニッシャーU3とプリンタの本体U1とが別体の構成を例示したが、一体の構成とすることも可能である。また、フィニッシャーU3が取り付けられていない画像形成装置に吹き付け装置6を設置することも可能である。
【0055】
(H08)前記実施例において、媒体の種類として、坪量に基づく薄紙、普通紙、厚紙の場合を例示したが、これに限定されない。例えば、媒体の「こわさ」に基づいて、「こわさ」が強い媒体種類と、「こわさ」が弱い媒体種類の判別を行い、「こわさ」が弱い媒体では、実施例における薄紙と同様に扱い、「こわさ」が強い媒体では、実施例における普通紙や厚紙と同様に扱うことも可能である。他にも、表面の摩擦係数の大きなコート紙の場合は、普通紙と同様の扱いにしたり、樹脂製のOHPシートの場合は厚紙と同様の扱いとする等、媒体の種類は、坪量以外の表面の特性や材質等の任意のパラメータを採用することが可能である。
【符号の説明】
【0056】
6…吹き出し手段、
9a…吹き出し口、
13…移動手段、
C…制御手段、
Rh…排出手段、
S…媒体、
TRh…積載手段、
U…画像形成装置、
U1a…記録手段、
U3…後処理装置。