(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20241008BHJP
【FI】
G06Q10/02
(21)【出願番号】P 2020142912
(22)【出願日】2020-08-26
【審査請求日】2023-06-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】岸本 健秀
(72)【発明者】
【氏名】高橋 悠
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/221924(WO,A1)
【文献】特開2004-126991(JP,A)
【文献】特開2010-108329(JP,A)
【文献】特開2006-330957(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定スペースで待機するユーザを整理番号によって管理するための管理装置であって、
ユーザの顔画像を、ユーザを撮影した撮影装置から受信する受信手段と、
ユーザに発券した整理券の整理番号と、前記撮影装置から受信したユーザの顔画像とを紐づけて管理データとして登録する登録手段と、
前記撮影装置から受信した、所定の整理番号のユーザのみが滞在できる前記所定スペース内の所定エリアの撮影画像について、当該撮影画像中の顔画像が所定の整理番号に対応するか否かを判定するユーザ判定手段と、
を有することを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記撮影装置から受信した、整理番号を通知するユーザの顔画像について、当該顔画像に対応する整理番号を前記管理データから取得する取得手段と、
当該整理番号を表示させるための指示を、前記所定スペースのディスプレイに送信する表示指示手段と、
を有することを特徴とする請求項
1記載の管理装置。
【請求項3】
前記撮影装置から受信した、整理券を再発券するユーザの顔画像について、当該顔画像に対応する整理番号を前記管理データから取得する取得手段と、
当該整理番号を印刷した整理券を再発券するための指示を、前記所定スペースの発券機に送信する再発券指示手段と、
を有することを特徴とする請求項1
または請求項
2に記載の管理装置。
【請求項4】
所定スペースで待機するユーザを整理番号によって管理するための管理装置が、
ユーザの顔画像を、ユーザを撮影した撮影装置から受信するステップと、
ユーザに発券した整理券の整理番号と、前記撮影装置から受信したユーザの顔画像とを紐づけて管理データとして登録するステップと、
前記撮影装置から受信した、所定の整理番号のユーザのみが滞在できる前記所定スペース内の所定エリアの撮影画像について、当該撮影画像中の顔画像が所定の整理番号に対応するか否かを判定するステップと、
を実行することを特徴とする管理方法。
【請求項5】
コンピュータを、
所定スペースで待機するユーザを整理番号によって管理するための管理装置であって、
ユーザの顔画像を、ユーザを撮影した撮影装置から受信する受信手段と、
ユーザに発券した整理券の整理番号と、前記撮影装置から受信したユーザの顔画像とを紐づけて管理データとして登録する登録手段と、
前記撮影装置から受信した、所定の整理番号のユーザのみが滞在できる前記所定スペース内の所定エリアの撮影画像について、当該撮影画像中の顔画像が所定の整理番号に対応するか否かを判定するユーザ判定手段と、
を有する管理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザを整理番号によって管理する管理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
各種のサービスを提供する施設、場所等で、来客者(ユーザ)を整理番号によって管理することがある。例えば、来客者に整理番号を印刷した整理券を発券し、コンピュータで整理番号と待機順を紐づけて管理する(特許文献1等参照)。
【0003】
来客者にサービスの提供を行う際は、対象となる来客者の整理番号をディスプレイ等で通知する。来客者は整理券を持っておき、その整理番号が通知された時に整理券を提示するなどしてサービスの提供を受けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の管理手法では、来客者を整理番号により管理するが、来客者が整理券を失くしてしまい、整理番号を覚えてもいない場合に様々な不具合が生じる。
【0006】
例えば、サービスの提供者側では来客者の整理番号と待機順を紐づけて管理しているが、整理番号に対応する来客者がどの来客者までは把握できない。そのため、来客者が整理券を失くすとサービスを受けられず、サービスの提供者側でもその来客者を知るすべがない。また、整理券を失くした来客者と異なる者が整理券を拾ったりすれば、その者が偽ってサービスを受けられる可能性もある。
【0007】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、ユーザを整理番号によって管理する際にユーザの利便性を向上させる管理装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した課題を解決するための第1の発明は、所定スペースで待機するユーザを整理番号によって管理するための管理装置であって、ユーザの顔画像を、ユーザを撮影した撮影装置から受信する受信手段と、ユーザに発券した整理券の整理番号と、前記撮影装置から受信したユーザの顔画像とを紐づけて管理データとして登録する登録手段と、前記撮影装置から受信した、所定の整理番号のユーザのみが滞在できる前記所定スペース内の所定エリアの撮影画像について、当該撮影画像中の顔画像が所定の整理番号に対応するか否かを判定するユーザ判定手段と、を有することを特徴とする管理装置である。
【0009】
本発明では、上記のようにユーザの顔画像とユーザに発券する整理券の整理番号を紐づけて管理することで、所定スペースで待機するユーザの利便性を向上させることが可能になる。例えばユーザが整理券を失くして整理番号も忘れたような場合、ユーザの顔画像を撮影するだけでそのユーザに整理番号の通知等を行うことが可能になる。
【0010】
前記撮影装置から受信した、整理番号を通知するユーザの顔画像について、当該顔画像に対応する整理番号を前記管理データから取得する取得手段と、当該整理番号を表示させるための指示を、前記所定スペースのディスプレイに送信する表示指示手段と、を有することが望ましい。
これにより、整理券を失くして整理番号も忘れたユーザが、顔画像の撮影により整理番号の通知を受けることが可能になる。またディスプレイによる表示を行うことで、ユーザが自身の端末を使わずに整理番号の通知を受けることができ、端末を持たないユーザでも利用可能である。
【0011】
前記撮影装置から受信した、整理券を再発券するユーザの顔画像について、当該顔画像に対応する整理番号を前記管理データから取得する取得手段と、当該整理番号を印刷した整理券を再発券するための指示を、前記所定スペースの発券機に送信する再発券指示手段と、を有することも望ましい。
これにより、整理券を失くしたユーザが、その顔画像を撮影するだけで整理券の再発券を受けることが可能になる。
【0013】
また第1の発明では、所定スペース中に限られたユーザのみが滞在できるエリアを設ける場合に、そのエリアに対象外のユーザが存在するか否かを判定することができる。
【0014】
第2の発明は、所定スペースで待機するユーザを整理番号によって管理するための管理装置が、ユーザの顔画像を、ユーザを撮影した撮影装置から受信するステップと、ユーザに発券した整理券の整理番号と、前記撮影装置から受信したユーザの顔画像とを紐づけて管理データとして登録するステップと、前記撮影装置から受信した、所定の整理番号のユーザのみが滞在できる前記所定スペース内の所定エリアの撮影画像について、当該撮影画像中の顔画像が所定の整理番号に対応するか否かを判定するステップと、を実行することを特徴とする管理方法である。
【0015】
第3の発明は、コンピュータを、所定スペースで待機するユーザを整理番号によって管理するための管理装置であって、ユーザの顔画像を、ユーザを撮影した撮影装置から受信する受信手段と、ユーザに発券した整理券の整理番号と、前記撮影装置から受信したユーザの顔画像とを紐づけて管理データとして登録する登録手段と、前記撮影装置から受信した、所定の整理番号のユーザのみが滞在できる前記所定スペース内の所定エリアの撮影画像について、当該撮影画像中の顔画像が所定の整理番号に対応するか否かを判定するユーザ判定手段と、を有する管理装置として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、ユーザを整理番号によって管理する際にユーザの利便性を向上させる管理装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0019】
(1.管理システム1)
図1は、本発明の実施形態に係る管理装置2を含む管理システム1を示す図である。管理システム1は、各種のサービスを提供する施設、場所等に設けられる来客者Gの待機スペース100(所定スペース)において、来客者Gを整理番号によって管理するものである。上記のサービスは特に限定されず、本発明は公的機関の窓口や各種のアミューズメント施設、コンサート会場、美術館等に適用することが可能である。
【0020】
待機スペース100はサービスの提供を受ける来客者Gが滞在するスペースであり、入場ゲート101、再入場ゲート103、サービス提供エリア104等が設けられる。
【0021】
入場ゲート101は待機スペース100に来客者Gが入場するためのゲートである。
【0022】
再入場ゲート103は、サービスの提供を受ける前に待機スペース100から一旦出た来客者Gが待機スペース100に再入場するためのゲートである。
【0023】
サービス提供エリア104(所定エリア)は、サービスの提供を受けている来客者G、およびサービスの提供直前の来客者Gが滞在するエリアである。
【0024】
図1に示すように、管理システム1は、管理装置2、撮影装置3(3a、3b、3c、3d)、発券機4(4a、4b、4c)、ディスプレイ6等を有する。
【0025】
管理装置2は、来客者Gの管理に関する各種の処理を実行する。これらの処理については後述する。
【0026】
図2は管理装置2のハードウェア構成を示す図である。管理装置2は制御部21、記憶部22、通信部23等をバスにより接続して構成したコンピュータにより実現できる。ただし管理装置2の構成はこれに限定されず、適宜変更可能である。また管理装置2が複数のコンピュータによって実現されていてもよい。
【0027】
制御部21は、CPU、ROM、RAM等を備える。CPUは、記憶部22、ROM等の記憶媒体に格納されたプログラムをRAM上のワークエリアに呼び出して実行する。ROMは不揮発性メモリであり、ブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持している。RAMは揮発性メモリであり、記憶部22、ROM等からロードしたプログラムやデータを一時的に保持するとともに、制御部21が各種処理を行うために使用するワークエリアを備える。
【0028】
記憶部22は、ハードディスクドライブやソリッドステートドライブ等であり、後述する処理に際し管理装置2が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS等が格納される。これらのプログラムやデータは、制御部21により必要に応じて読み出され実行される。
【0029】
通信部23は、通信制御装置、通信ポート等を有し、ネットワークを介した通信を媒介する。
【0030】
図1に示すように、管理装置2の記憶部22には管理データ300が記録される。
図3は管理データ300を示す図である。管理データ300は、整理番号301と顔画像302を紐づけたものである。
【0031】
整理番号301は、来客者Gに発券した整理券の整理番号である。
顔画像302は、上記来客者Gの顔画像である。
【0032】
図1の説明に戻る。撮影装置3(3a、3b、3c、3d)は来客者Gを撮影するものであり、個々の撮影装置3a、3b、3c、3dがそれぞれ入場ゲート101、ディスプレイ6、再入場ゲート103、サービス提供エリア104に併設される。撮影装置3は管理装置2と通信可能に接続し、撮影した画像を管理装置2に送信することが可能である。
【0033】
発券機4(4a、4b、4c)は来客者Gに整理券を発券するものであり、個々の発券機4a、4b、4cがそれぞれ入場ゲート101、ディスプレイ6、再入場ゲート103の近傍に設けられる。発券機4は管理装置2と通信可能に接続される。また整理券は紙の整理券であり、券面には整理番号301が印刷されている。
【0034】
ディスプレイ6は液晶パネル等であり、来客者Gの待機順(サービスの提供を受ける順番)や待ち時間等を表示するものである。ディスプレイ6には入力部としてタッチパネルも設けられている。ディスプレイ6もまた管理装置2と通信可能に接続される。
【0035】
(2.管理装置2の機能)
図4は、管理装置2の機能構成を示す図である。
図4に示すように、管理装置2は、受信手段201、登録手段202、取得手段203、表示指示手段204、再発券指示手段205、再入場判定手段206、再入場許可手段207、ユーザ判定手段208、通知手段209等を備える。
【0036】
受信手段201は、管理装置2の制御部21が、来客者Gの顔画像を、来客者Gを撮影した撮影装置3(3a、3b、3c、3d)から通信部23を介して受信するものである。
【0037】
登録手段202は、管理装置2の制御部21が、来客者Gに発券した整理券の整理番号301と、撮影装置3aから受信した来客者Gの顔画像302とを紐づけて管理データ300として登録するものである。
【0038】
取得手段203は、管理装置2の制御部21が、撮影装置3bから受信した、整理番号301を通知するまたは整理券を再発券する来客者Gの顔画像302について、その顔画像302に対応する整理番号301を管理データ300から取得するものである。
【0039】
表示指示手段204は、管理装置2の制御部21が、ディスプレイ6に上記取得した整理番号301を表示させるための指示を、通信部23を介してディスプレイ6に送信するものである。
【0040】
再発券指示手段205は、管理装置2の制御部21が、上記取得した整理番号301を印刷した整理券を再発券するための指示を、通信部23を介して発券機4bに送信するものである。
【0041】
再入場判定手段206は、管理装置2の制御部21が、撮影装置3cから受信した、待機スペース100に再入場する来客者Gの顔画像302について、その顔画像302が管理データ300に存在するか否かを判定するものである。
【0042】
再入場許可手段207は、管理データ300に上記顔画像302が存在する場合、管理装置2の制御部21が、再入場ゲート103に来客者Gの入場を許可する旨の指示を送信するものである。
【0043】
ユーザ判定手段208は、管理装置2の制御部21が、撮影装置3dから受信したサービス提供エリア104の撮影画像について、当該撮影画像に存在する来客者Gの顔画像302が所定の整理番号301に対応するか否かを判定するものである。
【0044】
通知手段209は、上記顔画像302が所定の整理番号301に対応しない場合、管理装置2の制御部21が、対象外の来客者Gがサービス提供エリア104に存在する旨の通知を、通信部23を介して係員または待機スペース100の端末10に送信するものである。
【0045】
(3.管理システム1における処理)
本実施形態では、前記のように来客者Gの整理番号301と顔画像302を紐づけて管理データ300として登録し、これにより待機スペース100で待機する来客者Gの管理を行う。そこで、まず管理データ300の作成手順について説明する。
【0046】
(3-1.管理データ300の作成)
図5は管理データ300の作成手順について示すフローチャートであり、
図5の各ステップは管理装置2の制御部21によって実行される。
【0047】
本実施形態では、サービスを受ける来客者Gが入場ゲート101から待機スペース100に入場する。入場ゲート101の近傍には前記したように撮影装置3aと発券機4aが設置されており、入場した来客者Gはまず発券機4aに整理券の発券指示を入力する。すると、撮影装置3aは来客者Gの顔画像302を撮影し、その顔画像302を管理装置2に送信する。
【0048】
管理装置2は、撮影装置3aから顔画像302を受信する(S101)と、整理番号301を発行し、顔画像302と紐づけて管理データ300として登録する(S102)。そして、上記整理番号301を含む発券指示を発券機4aに送信する(S103)。
【0049】
発券指示を受信した発券機4は、上記整理番号301を印刷した整理券を来客者Gに発券する。これにより、来客者Gの整理番号301と顔画像302が管理データ300として登録され、整理番号301による来客者Gの管理が可能となる。また整理券を持つ来客者Gは、サービスの提供を受けるために列に並ぶ必要もなく、感染症等への対策にもなる。
【0050】
(3-2.整理番号301の通知と整理券の再発券)
本実施形態では、上記のように来客者Gの整理番号301と顔画像302を紐づけて管理することで、来客者Gに様々な利便性を提供できる。
【0051】
ここでは、その一例として、整理券を失くした来客者Gに対し、整理番号301の通知と整理券の再発券を行う手順について説明する。
図6(a)は整理番号301の通知手順について示すフローチャートであり、
図6(b)は整理券の再発券手順について示すフローチャートである。
図6(a)、(b)の各ステップは管理装置2の制御部21によって実行される。
【0052】
本実施形態では、整理券を失くした来客者Gに対し、ディスプレイ6の操作により整理番号301の通知と整理券の再発券を行うことが可能である。
【0053】
図7(a)はこのディスプレイ6を示す図である。ディスプレイ6には、サービス提供中の来客者Gの整理番号301を表示する表示エリア61、サービスの提供直前の来客者Gの整理番号301およびその待機順601と待ち時間602を表示する表示エリア62が設けられる。表示エリア61、62では、整理番号301による表示を行うことで来客者Gのプライバシーが守られる。
【0054】
なお、管理装置2は、来客者Gの整理番号301を待機順601および待ち時間602と紐づけて管理している。例えば表示エリア61に表示されるサービス提供中の来客者Gの整理番号301に紐づく待機順601は「0」であり、表示エリア62に表示されるサービスの提供直前の来客者Gの整理番号301に紐づく待機順601は「1」~「4」となっている。また表示エリア62では、整理番号301のそれぞれに対応する待ち時間602も表示され、その他、整理番号301に対応する来客者Gが並ぶべき場所(サービス提供エリア104)を表示することなども可能である。
【0055】
また、
図7(a)に示すディスプレイ6には、来客者Gが自身の整理番号301を確認するための確認ボタン63も表示される。整理券を失くして自身の整理番号301も覚えていない来客者Gは、ディスプレイ6にて確認ボタン63をタッチする。すると、ディスプレイ6に併設された撮影装置3bが来客者Gの顔画像302を撮影し、撮影装置3bは撮影した顔画像302を管理装置2に送信する。
【0056】
管理装置2は、顔画像302を受信する(
図6(a)のS201)と、管理データ300の中から、顔画像302に対応する整理番号301を検索して取得する(S202)。
【0057】
そして、管理装置2は、取得した整理番号301を表示するための表示指示をディスプレイ6に送信する(S203)。ディスプレイ6は、当該指示を受信すると、
図7(b)に示すように、整理番号表示エリア65に整理番号301と待ち時間602を表示する。これらの情報は、発券機4bやディスプレイ6付属のプリンタ(不図示)で印刷出力することもできる。またこの例では、整理番号301がサービスの提供直前の来客者Gの整理番号301であり、表示エリア62においてその整理番号301が強調表示される。
【0058】
図7(a)に示すディスプレイ6には、整理券を再発券するための再発券ボタン64も表示される。整理券を失くして再発券を受けたい来客者Gは、ディスプレイ6の表示画面にて再発券ボタン64をタッチする。この場合も、ディスプレイ6に併設された撮影装置3bが来客者Gの顔画像302を撮影し、撮影装置3bは撮影した顔画像302を管理装置2に送信する。
【0059】
管理装置2は、顔画像302を受信する(
図6(b)のS301)と、先程と同様、管理データ300の中から、顔画像302に対応する整理番号301を検索し、取得する(S302)。
【0060】
そして、管理装置2は、取得した整理番号301を印刷して整理券を発券するための指示(発券指示)を発券機4bに送信する(S303)。発券機4bは、当該指示を受信すると、整理番号301を印刷した整理券を発券する。
【0061】
(3-3.来客者Gの再入場)
その他、本実施形態では、来客者Gの整理番号301と顔画像302を紐づけて管理することで、来客者Gの再入場時の利便性を高めることもできる。すなわち、本実施形態では来客者Gが自由に待機スペース100から出入りすることができ、再入場時には再入場ゲート103の撮影装置3cで自身の顔画像302を撮影するだけでよい。
【0062】
図8は来客者Gの再入場時の手順について示すフローチャートであり、
図8の各ステップは管理装置2の制御部21によって実行される。
【0063】
管理装置2は、再入場する来客者Gの顔画像302を撮影装置3cから受信する(S401)と、管理データ300を参照し、顔画像302が管理データ300に存在するか否かを顔画像302の特徴量などを元に判定する(S402)。
【0064】
管理装置2は、顔画像302が管理データ300に存在する場合(S402;YES)、再入場ゲート103に入場許可の旨を送信する(S403)。再入場ゲート103は、入場許可の旨を受信すると、ゲートを開いて来客者Gを入場させる。
【0065】
一方、管理装置2は、顔画像302が管理データ300に存在しない場合(S402;NO)、再入場ゲート103に入場拒否の旨を送信する(S404)。この場合、再入場ゲート103はゲートを開かず、来客者Gを入場させない。再入場ゲート103の付属のアラーム装置(不図示)で警報を発することなども可能である。
【0066】
(3-4.サービス提供エリア104における来客者チェック)
前記したように、本実施形態では、サービスの提供を受けている来客者Gとサービスの提供直前の来客者Gが滞在するサービス提供エリア104が設定されており、待機順601の小さい所定の整理番号301の来客者G(例えば前記した待機順601が「0」から「4」までの整理番号301の来客者G)のみが入れるようになっている。
【0067】
そこで本実施形態の管理システム1では、このサービス提供エリア104を撮影装置3dで撮影し、上記所定の整理番号301の来客者Gでない対象外の来客者Gがいるかどうかをチェックする。
図9はこの来客者チェックの手順について示すフローチャートであり、
図9の各ステップは管理装置2の制御部21によって実行される。
【0068】
管理装置2は、サービス提供エリア104の撮影画像を撮影装置3dから受信する(S501)と、撮影画像に対し既知の顔認識処理を行って撮影画像中の顔画像302を抽出し、その顔画像302が前記した所定の整理番号301に対応するか否かを判定する(S502)。
【0069】
管理装置2は、撮影画像中の顔画像302が所定の整理番号301に対応する場合(S502;YES)、特に処理を行わないが、撮影画像中の顔画像302が所定の整理番号301に対応しない場合(S502;NO)、対象外の来客者Gが存在する旨を当該顔画像302とともに係員や待機スペース100内の端末10に送信し、通知する(S503)。
【0070】
係員は、端末への通知を見て対象外の来客者Gがサービス提供エリア104に存在することを知ることができ、上記顔画像302によって対象外の来客者Gを認識し、退出を促す等の対応が可能である。
【0071】
以上説明したように、本実施形態によれば、前記のように来客者Gの顔画像302と来客者Gに発券する整理券の整理番号301を紐づけて管理することで、待機スペース100で待機する来客者Gの利便性を向上させることが可能になる。
【0072】
例えば来客者Gが整理券を失くして整理番号301も忘れたような場合、来客者Gはその顔画像302を撮影するだけで整理番号301の通知を受けることが可能になる。またディスプレイ6による整理番号301の表示を行うことで、来客者Gが自身の端末を使わずに整理番号301の通知等を受けられる利点があり、端末を持たない来客者Gでも利用可能で、ユーザ登録等の別途の手続も不要である。また整理券を失くした来客者Gは、その顔画像302を撮影するだけで整理券の再発券を受けることも可能になる。
【0073】
さらに本実施形態では、待機スペース100から一旦出た来客者Gが、その顔画像302を撮影するだけで待機スペース100に再入場でき、整理券の提示等は不要である。そのため、一時退出先で整理券を失くしてしまった場合にも待機スペース100に再入場することができ、整理券を拾った他人が待機スペース100に入場することもない。なお、一時退出先で整理券を失くしてしまった来客者Gに対しては、上記の顔画像302と再入場ゲート103近傍の発券機4cを用いて、整理券の再発券を先程と同様の手順で行うことが可能である。
【0074】
加えて、本実施形態では待機スペース100中に、所定の整理番号301の来客者Gのみが滞在することのできるサービス提供エリア104を設けており、当該サービス提供エリア104の撮影画像を用いて、当該サービス提供エリア104に対象外の来客者Gが存在するか否かを判定し、判定結果に応じて係員に通知を行うなどの対応をとることができる。
【0075】
しかしながら、本発明は上記の実施形態に限らない。例えば本実施形態ではサービスの提供を受ける来客者Gが待機する待機スペース100で整理番号301による来客者Gの管理を行う例を説明したが、その他の待機スペースにおける管理を行うことも可能である。
【0076】
また本実施形態では撮影装置3dでサービス提供エリア104を撮影した撮影画像を用いてサービス提供エリア104に対象外の来客者Gが存在するか否かを判定したが、同様の判定は、サービス提供エリア104に限らず、限定された整理番号301の来客者Gのみが滞在できるエリアであれば適用可能である。
【0077】
また、
図7(a)の表示エリア61、62と同様の情報をウェブサイトで提供し、ユーザが自身の端末で当該ウェブサイトにアクセスして表示できるようにしてもよい。
【0078】
また本実施形態では整理券の発券を行う前に入場ゲート101の撮影装置3aで来客者Gの顔画像302を撮影しているが、整理券の発券時に来客者Gの顔画像302を撮影してもよく、この場合も当該顔画像302と整理番号301を紐づけて管理データ300として登録できる。
【0079】
さらに、入場ゲート101の撮影装置3aにおいて一度に複数人の顔画像302を撮影することも可能である。この場合、例えば複数人の顔画像302に対して1つの整理番号301を割り当て、
図6等で説明した処理においては、いずれか1つの顔画像302を撮影装置3から受信することで、その顔画像302が整理番号301に対応するものとして取り扱うことができる。あるいは発券時に改めて個々の来客者Gの顔画像302を撮影することで、1つの顔画像302に1つの整理番号301を割り当てることもできる。
【0080】
その他、
図10に示すように整理番号301を印刷済みの整理券を待機スペース100に入場する来客者Gが整理券ボックス(不図示)などから受け取れるように事前に用意しておき、来客者Gが整理券に印刷された二次元コード401を図示しない読取装置で読取らせた後、撮影装置3aで自身の顔画像302を撮影してもよい。二次元コード401には上記の整理番号301が記録されており、整理番号301と来客者Gの顔画像302を読取装置と撮影装置3aから管理装置2に送信することで、管理装置2によって管理データ300の登録を行うことができる。この場合、整理券を繰り返し利用できる利点がある。
【0081】
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0082】
1:管理システム
2:管理装置
3、3a、3b、3c、3d:撮影装置
4、4a、4b、4c:発券機
6:ディスプレイ
100:待機スペース
101:入場ゲート
103:再入場ゲート
104:サービス提供エリア
201:受信手段
202:登録手段
203:取得手段
204:表示指示手段
205:再発券指示手段
206:再入場判定手段
207:再入場許可手段
208:ユーザ判定手段
209:通知手段
300:管理データ
301:整理番号
302:顔画像
601:待機順
602:待ち時間