(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20241008BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20241008BHJP
G06Q 10/083 20240101ALI20241008BHJP
G06Q 50/60 20240101ALI20241008BHJP
G16Y 10/35 20200101ALI20241008BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20241008BHJP
G16Y 40/20 20200101ALI20241008BHJP
G16Y 40/60 20200101ALI20241008BHJP
【FI】
G01C21/34
B65G61/00 542
G06Q10/083
G06Q50/60
G16Y10/35
G16Y20/20
G16Y40/20
G16Y40/60
(21)【出願番号】P 2020144339
(22)【出願日】2020-08-28
【審査請求日】2023-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 春彦
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-063637(JP,A)
【文献】特開2000-259979(JP,A)
【文献】特開2004-026430(JP,A)
【文献】国際公開第2018/216502(WO,A1)
【文献】特開平10-232991(JP,A)
【文献】特開2016-212536(JP,A)
【文献】特開2013-252934(JP,A)
【文献】特開2004-182257(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/34
G06Q 50/60
G06Q 10/083
B65G 61/00
G16Y 10/35
G16Y 20/20
G16Y 40/20
G16Y 40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた時刻に外部端末から自動的に送信される出発時刻算出要求を受信すると、1の集荷作業において郵便物の集荷が必要な郵便ポストである1または複数の集荷対象ポストを示す集荷対象ポスト情報を取得する集荷対象ポスト情報取得部と、
前記1の集荷作業において前記1または複数の集荷対象ポストの各々に対して予め決められた集荷予定時刻を含む集荷関連情報を取得する集荷関連情報取得部と、
前記集荷対象ポスト情報及び前記集荷予定時刻に基づいて第1の地点を出発してから前記1または複数の集荷対象ポストを経由して第2の地点に到着する経路を生成する経路生成部と、
前記経路及び前記集荷予定時刻に基づいて前記1の集荷作業において前記第1の地点を出発する出発時刻を決定する出発時刻決定部と、を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記経路生成部は、前記集荷予定時刻が早い順に前記1または複数の集荷対象ポストを経由する経路を生成し、前記出発時刻決定部は、前記1または複数の集荷対象ポストのうち、前記経路において最後に経由する集荷対象ポストの前記集荷予定時刻に基づいて前記出発時刻を決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記集荷対象ポスト情報取得部は、前記複数の郵便ポストの各々において郵便物が投函されているか否かを示す投函情報を取得し、前記投函情報において前記郵便物が投函されていると示されている郵便ポストを前記集荷対象ポストとして示す集荷対象ポスト情報を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記集荷関連情報は、前記1または複数の集荷対象ポストの各々における集荷作業にかかる時間である作業時間を含み、前記出発時刻決定部は、前記1または複数の集荷対象ポストの各々における前記作業時間に基づいて出発時刻を決定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記集荷関連情報取得部は、前記1または複数の集荷対象ポストの各々の間の予想移動時間を取得し、前記経路生成部は、前記予想移動時間に基づいて前記経路を生成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記経路生成部が取得する前記予想移動時間は、前記1または複数の集荷対象ポストの集荷が行われる時間帯によって変化することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記経路において経由する集荷対象ポストの前記集荷予定時刻のうち最遅の集荷予定時刻に基づいて前記出発時刻を決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
1または複数の郵便ポストの各々に設けられ前記1または複数の郵便ポストの各々において郵便物が投函されているか否かを示す情報である投函情報を発信する1または複数の情報発信装置と、
予め定められた時刻に外部端末から自動的に送信される出発時刻算出要求を受信すると、前記1または複数の情報発信装置の各々から発信された前記投函情報を受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記投函情報に基づいて、1の集荷作業において前記1または複数の郵便ポストから郵便物の集荷が必要な郵便ポストである1または複数の集荷対象ポストを決定する集荷対象ポスト決定部と、前記1の集荷作業において前記1または複数の集荷対象ポストの各々に対して予め決められた集荷予定時刻を含む集荷関連情報を取得する集荷関連情報取得部と、前記集荷対象ポスト及び前記集荷予定時刻に基づいて第1の地点を出発してから前記1または複数の集荷対象ポストを経由して第2の地点に到着する経路を生成する経路生成部と、前記経路及び前記集荷予定時刻に基づいて前記1の集荷作業において前記第1の地点を出発する出発時刻を決定する出発時刻決定部と、を有する情報処理装置と、を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項9】
情報処理装置が情報を処理する情報処理方法であって、
予め定められた時刻に外部端末から自動的に送信される出発時刻算出要求を受信すると、集荷対象ポスト情報取得部が、1の集荷作業において郵便物の集荷が必要な郵便ポストである1または複数の集荷対象ポストを示す集荷対象ポスト情報を取得する集荷対象ポスト情報取得ステップと、
集荷関連情報取得部が、前記1の集荷作業において前記1または複数の集荷対象ポストの各々に対して予め決められた集荷予定時刻を含む集荷関連情報を取得する集荷関連情報取得するステップと、
経路生成部が、前記集荷対象ポスト情報及び前記集荷予定時刻に基づいて第1の地点を出発してから前記1または複数の集荷対象ポストを経由して第2の地点に到着する経路を生成する経路生成ステップと、
出発時刻決定部が、前記経路及び前記集荷予定時刻に基づいて前記1の集荷作業において前記第1の地点を出発する出発時刻を決定する出発時刻決定ステップと、を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータを備える情報処理装置によって実行されるプログラムであって、
予め定められた時刻に外部端末から自動的に送信される出発時刻算出要求を受信すると、集荷対象ポスト情報取得部が、1の集荷作業において郵便物の集荷が必要な郵便ポストである1または複数の集荷対象ポストを示す集荷対象ポスト情報を取得する集荷対象ポスト情報取得ステップと、
集荷関連情報取得部が、前記1の集荷作業において前記1または複数の集荷対象ポストの各々に対して予め決められた集荷予定時刻を含む集荷関連情報を取得する集荷関連情報取得するステップと、
経路生成部が、前記集荷対象ポスト情報及び前記集荷予定時刻に基づいて第1の地点を出発してから前記1または複数の集荷対象ポストを経由して第2の地点に到着する経路を生成する経路生成ステップと、
出発時刻決定部が、前記経路及び前記集荷予定時刻に基づいて前記1の集荷作業において前記第1の地点を出発する出発時刻を決定する出発時刻決定ステップと、を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の郵便ポストの各々における郵便物の投函の有無によって、集荷経路が決定されるシステムが提案されている。例えば、特許文献1には、複数の郵便ポストの各々に設置された郵便物判定部によって郵便物の投函の有無が判定され、その判定結果を郵便局内に設置された情報処理装置に送信することによって、郵便物が投函されている郵便ポストのみを経由する経路が決定される郵便物集荷システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された郵便物集荷システムでは、各郵便ポストに対して予め定められている郵便物の集荷時刻である集荷予定時刻が考慮されていない。そのため、郵便物の集配担当者が、郵便物が投函されている郵便ポストのみを経由することによって移動時間が短縮され、当該集配担当者が郵便ポストに予め決められている集荷予定時刻よりも早く郵便物を集荷してしまう恐れがあることが問題の1例としてあげられる。
【0005】
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、集配担当者に無駄がなく効率の良い集荷作業を行わせつつ、適切なタイミングで集荷を行わせることを可能とする情報を提供可能な情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報処理装置は、1の集荷作業において郵便物の集荷が必要な郵便ポストである1または複数の集荷対象ポストを示す集荷対象ポスト情報を取得する集荷対象ポスト情報取得部と、前記1の集荷作業において前記1または複数の集荷対象ポストの各々に対して予め決められた集荷予定時刻を含む集荷関連情報を取得する集荷関連情報取得部と、前記集荷対象ポスト情報及び前記集荷予定時刻に基づいて第1の地点を出発してから前記1または複数の集荷対象ポストを経由して第2の地点に到着する経路を生成する経路生成部と、前記経路及び前記集荷予定時刻に基づいて前記1の集荷作業において前記第1の地点を出発する出発時刻を決定する出発時刻決定部と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の情報処理システムは、1または複数の郵便ポストの各々に設けられ前記1または複数の郵便ポストの各々において郵便物が投函されているか否かを示す情報である投函情報を発信する1または複数の情報発信装置と、前記1または複数の情報発信装置の各々から発信された前記投函情報を受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記投函情報に基づいて、1の集荷作業において前記1または複数の郵便ポストから郵便物の集荷が必要な郵便ポストである1または複数の集荷対象ポストを決定する集荷対象ポスト決定部と、前記1の集荷作業において前記1または複数の集荷対象ポストの各々に対して予め決められた集荷予定時刻を含む集荷関連情報を取得する集荷関連情報取得部と、前記集荷対象ポスト及び前記集荷予定時刻に基づいて第1の地点を出発してから前記1または複数の集荷対象ポストを経由して第2の地点に到着する経路を生成する経路生成部と、前記経路及び前記集荷予定時刻に基づいて前記1の集荷作業において前記第1の地点を出発する出発時刻を決定する出発時刻決定部と、を有する情報処理装置と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の情報処理方法は、情報処理装置が情報を処理する情報処理方法であって、集荷対象ポスト情報取得部が、1の集荷作業において郵便物の集荷が必要な郵便ポストである1または複数の集荷対象ポストを示す集荷対象ポスト情報を取得する集荷対象ポスト情報取得ステップと、集荷関連情報取得部が、前記1の集荷作業において前記1または複数の集荷対象ポストの各々に対して予め決められた集荷予定時刻を含む集荷関連情報を取得する集荷関連情報取得するステップと、経路生成部が、前記集荷対象ポスト情報及び前記集荷予定時刻に基づいて第1の地点を出発してから前記1または複数の集荷対象ポストを経由して第2の地点に到着する経路を生成する経路生成ステップと、出発時刻決定部が、前記経路及び前記集荷予定時刻に基づいて前記1の集荷作業において前記第1の地点を出発する出発時刻を決定する出発時刻決定ステップと、を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明のプログラムは、コンピュータを備える情報処理装置によって実行されるプログラムであって、集荷対象ポスト情報取得部が、1の集荷作業において郵便物の集荷が必要な郵便ポストである1または複数の集荷対象ポストを示す集荷対象ポスト情報を取得する集荷対象ポスト情報取得ステップと、集荷関連情報取得部が、前記1の集荷作業において前記1または複数の集荷対象ポストの各々に対して予め決められた集荷予定時刻を含む集荷関連情報を取得する集荷関連情報取得するステップと、経路生成部が、前記集荷対象ポスト情報及び前記集荷予定時刻に基づいて第1の地点を出発してから前記1または複数の集荷対象ポストを経由して第2の地点に到着する経路を生成する経路生成ステップと、出発時刻決定部が、前記経路及び前記集荷予定時刻に基づいて前記1の集荷作業において前記第1の地点を出発する出発時刻を決定する出発時刻決定ステップと、を実行させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施例1の情報処理システムを示す図である。
【
図2】実施例1の情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】実施例1の情報処理装置の記憶部に記憶されている郵便局及び複数の郵便ポストの各々の間の区間の予想移動時間を示すテーブルの1例である。
【
図4】実施例1の投函情報発信装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】実施例1の操作端末の構成を示すブロック図である。
【
図6】実施例1の情報処理装置の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【
図7】実施例1の投函情報発信装置の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【
図8】実施例1の操作端末の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【
図9】実施例2の情報処理装置の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の実施例を詳細に説明する。なお、以下の説明及び添付図面においては、実質的に同一又は等価な部分には同一の符号を付している。
【実施例1】
【0012】
図1は、実施例1の情報処理システム10を示す図である。情報処理システム10は、情報処理装置11、投函情報発信装置12、及び操作端末13がネットワークNWを介して通信可能に接続されて構築されているシステムである。ネットワークNWは、例えば、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)や公衆通信回線網(公衆網)等の有線または無線の通信回線である。
【0013】
情報処理装置11は、情報の管理及び制御を行う装置である。情報処理装置11は、例えば、ネットワークを介して他の機器から情報を取得し、また他の機器に情報やサービスを提供するサーバである。情報処理装置11は、例えば、郵便物の集荷及び配達を主業務とする集配郵便局やデータセンターに設置されている。
【0014】
投函情報発信装置12は、複数の郵便ポストの各々に設置されており、郵便ポスト内の郵便物の有無、または郵便物の投函を検知することによって郵便物投函の有無を判定し、その判定結果を情報処理装置11に送信する発信装置である。
【0015】
投函情報発信装置12は、例えば、複数の郵便ポストの各々の内部において投函された郵便物を格納するための格納部の近傍に設置されている。投函情報発信装置12は、例えば、内蔵バッテリーを有しており、当該内臓バッテリーによって投函情報発信装置12の種々の機器を駆動している。
【0016】
操作端末13は、ネットワークNWを介して外部機器とのデータの送受信が可能な端末である。操作端末13は、情報処理装置11から情報を取得可能であり、当該取得された情報に基づいてユーザに情報を提示することが可能である。操作端末13は、例えば、ユーザに情報を表示可能なスマートフォンやタブレット端末等の携帯可能なデバイスである。
【0017】
操作端末13の各々には、固有番号を示す端末IDが割り当てられている。例えば、この端末IDは、集配担当者のIDと紐付けられている。具体的には、例えば、操作端末13の端末IDは、当該操作端末13を使用している集配担当者のIDと紐付けられて、情報処理装置11に保持され得る。
【0018】
図2は、情報処理装置11の構成を示すブロック図である。制御部14は、情報処理装置11において制御や演算等のプログラムを実行する処理装置である。制御部14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)を含む処理装置である。
【0019】
通信部15は、制御部14の指示に従って外部機器とのデータの送受信を行う通信装置である。通信部15は、例えば、ネットワークNWに接続するためのNIC(Network Interface Card)である。通信部15は、例えば、複数の投函情報発信装置12の各々から発信された情報を受信するための受信部になり得る。
【0020】
記憶部16は、制御部14の処理に必要なデータを記憶管理する記憶装置である。記憶部16は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)等の記憶デバイスである。
【0021】
集荷予定時刻データベース(以下、集荷予定時刻DBとも称する)16Aは、記憶部16に格納されているデータベースである。集荷予定時刻DB16Aは、複数の郵便ポストの各々に予め決められている集荷予定時刻が記録されているデータベースである。集荷予定時刻DB16Aには、郵便ポストの各々を識別するための識別番号と当該集荷予定時刻とが関連付けて記録されている。
【0022】
予想移動時間データベース(以下、予想移動時間DBとも称する)16Bは、記憶部16に格納されているデータベースである。予想移動時間DB16Bは、複数の郵便ポストの各々の間の移動に要する予想移動時間が記録されているデータベースである。予想移動時間DB16Bは、例えば、第1の郵便ポストから第2の郵便ポストまで直接移動する場合に要する最短の予想移動時間をマトリクス状のテーブル(
図2では図示せず)として保持している。
【0023】
なお、予想移動時間DB16Bには、例えば、第1の郵便ポストから第2の郵便ポストまで最短時間で移動する場合の経路を示す経路情報が記録されていてもよい。
【0024】
以下に、制御部14に含まれる機能ブロックについて説明する。集荷対象ポスト情報取得部14Aは、複数の郵便ポストにおける郵便物投函の有無を示す投函情報に基づいて、郵便物の集荷が必要な郵便ポストを集荷対象ポストとして決定する部分である。
【0025】
集荷対象ポスト情報取得部14Aは、通信部15を介して投函情報発信装置12から郵便物の有無の判定結果を取得し、当該判定結果に基づいて集荷対象ポストを決定し得る。
【0026】
この判定結果を取得する際、集荷対象ポスト情報取得部14Aは、通信部15を介して、投函情報発信装置12に対して投函情報要求を送信することで、投函情報発信装置12に郵便物の有無の情報の送信を促してもよい。
【0027】
集荷関連情報取得部14Bは、集荷対象ポスト情報取得部14Aにおいて決定した集荷対象ポストに対して行われる集荷作業に関するデータを取得する部分である。集荷関連情報取得部14Bは、例えば、集荷対象ポストの各々において予め決められている郵便物の集荷予定時刻を含む集荷関連情報を集荷予定時刻DB16Aから取得する。
【0028】
また、集荷関連情報取得部14Bは、例えば、集荷対象ポストの各々の間の移動に要する予想移動時間を予想移動時間DB16Bから取得する。また、集荷関連情報取得部14Bは、集荷対象ポストの各々において郵便物を集荷する集荷作業にかかる時間である作業時間を取得または算出可能である。
【0029】
例えば、この作業時間は、記憶部16に記憶されており、集荷関連情報取得部14Bが記憶部16から当該作業時間を取得してもよい。また、例えば、この作業時間は、外部のサーバに記憶されており、集荷関連情報取得部14Bが当該外部のサーバから当該作業時間を取得してもよい。
【0030】
また、この作業時間は、投函情報発信装置12から発信された情報に基づいて、各郵便ポスト内に投函されている郵便物の量がわかる場合には、当該郵便物の量に基づいて算出されてもよい。
【0031】
また、集荷関連情報取得部14Bは、例えば、複数の郵便ポストの各々が設置されている地域の最新の地図情報を、ネットワークNWを介して取得可能である。この最新の地図情報は、記憶部16に保存されており、そこから取得されてもよい。
【0032】
経路生成部14Cは、集荷対象ポスト情報取得部14Aにおいて決定した集荷対象ポスト及び集荷関連情報取得部14Bにおいて取得した集荷対象ポストの集荷予定時刻に基づいて郵便物の集荷経路を決定する部分である。
【0033】
経路生成部14Cは、例えば、第1の地点を出発地点として出発してから集荷対象ポスト情報取得部14Aが示した集荷対象ポストを経由し、第2の地点を到着地点として到着するまでの経路を生成する。例えば、集荷時に集荷作業員が出発する郵便局と集荷作業を終えて到着する郵便局が同一である場合、この第1の地点及び第2の地点は共に同一の郵便局である。
【0034】
なお、第1の地点及び第2の地点が異なっていてもよい。例えば、第1の地点である出発地点が1の郵便局で、第2の地点である到着地点が1の郵便局とは異なる他の郵便局であっても良い。また、第1の地点が郵便局であり、第2の地点が最後に集荷を行う郵便ポストがある地点であってもよい。
【0035】
出発時刻決定部14Dは、集荷関連情報取得部14Bが取得した集荷対象ポストの集荷予定時刻及び経路生成部14Cで決定した集荷経路に基づいて、郵便物の集配担当者が出発地点を出発する出発時刻を決定する部分である。
【0036】
本実施例において、出発時刻決定部14Dは、集荷担当者の1の集荷作業毎に出発時刻を決定する。1の集荷作業とは、1の集配担当者が当該集配担当者の担当する複数の郵便ポストを一巡して行う集荷作業である。当該1の集荷作業毎に対して集配担当者が出発地を出発する出発時刻が決定される。
【0037】
図3は、記憶部16の予想移動時間DB16Bに記録されている郵便局及び複数の郵便ポストの各々の間の区間の予想移動時間を示すテーブルの1例である予想移動時間テーブルTB1である。予想移動時間テーブルTB1において、「移動元」は各区間における移動時の出発地点を示し、「移動先」は各区間における移動時の到着地点を示す。
【0038】
「移動元」の各地点の行と「移動先」の各地点の列の交わる部分の数値は、「移動元」の各地点から「移動先」の各地点へ直接移動した際に要する予想移動時間である。
【0039】
例えば、予想移動時間テーブルTB1において、移動元の郵便ポストAから移動先の郵便ポストCまで直接移動する際に要する予想移動時間は6分であるとわかる。また、移動元の郵便局から郵便ポストA~Eの郵便ポストを経由して再度郵便局に到着するまでに要する時間は、郵便局及び郵便ポストの各々の間の予想移動時間を合計して21分であるとわかる。
【0040】
予想移動時間テーブルTB1における予想移動時間は、例えば、最新の地図情報を参照して第1の郵便ポストと第2の郵便ポストとを指定し、その郵便ポスト間を、郵便物集配車を用いて移動することを想定した際に必要な移動時間から算出される。
【0041】
また、予想移動時間テーブルTB1のような予想移動時間のテーブルは、郵便物の集荷を行う時間帯に合わせて複数用意されていてもよい。例えば、交通量の多い時間帯であると想定される平日の夕刻の予想移動時間は、交通量の少ない平日の昼間の予想移動時間と比較して、より移動時間がかかるようなテーブルであってもよい。
【0042】
また、予想移動時間テーブルTB1のような予想移動時間のテーブルは、集荷作業に用いられる車両の種類(例えば軽バン、トラック等)に合わせて複数用意されていてもよい。
【0043】
図4は、投函情報発信装置12の構成を示すブロック図である。センサ18は、郵便ポスト内の郵便物の有無を検知可能な検知センサである。センサ18は、例えば、重量センサであり得る。
【0044】
センサ18が重量センサである場合、センサ18は、例えば、郵便ポストにおいて郵便物が格納される部分である格納部の質量及びその変化を検出可能であって、例えば、格納部を下から支える部分に設置される。当該格納部は、例えば、郵便ポストに装着される郵便物が格納される袋である。センサ18が重量センサである場合、センサ18は、検出した質量を示す信号を出力可能である。
【0045】
また、センサ18は、例えば、郵便物を投函する投函口の扉の開閉の検知を行う開閉センサであってもよい。センサ18が開閉センサである場合、センサ18は、例えば、投函口の扉を開閉させるための回転軸が回転したことを検出可能であって、例えば、投函口付近に設置される。
【0046】
また、センサ18は、例えば、赤外線によって郵便物の検知を行う赤外線センサであってもよい。センサ18が赤外線センサである場合、センサ18は、例えば、郵便ポストの格納部の底面に水平にかつ当該底面よりも上方に複数設置される。なお、センサ18は、投函口付近に配されていてもよい。
【0047】
センサ18が赤外線センサである場合、センサ18は赤外線を照射し、当該赤外線が照射されている領域を郵便物が通過して当該赤外線が遮断されることによって、郵便物の通過を検出し、それによって郵便物の投函が検出され得る。センサ18は、郵便物の通過の度に通過を検出したことを示す信号を出力可能である。
【0048】
なお、上述したようなセンサ18は、郵便ポストにおける郵便物の有無を検知可能な構成であればよく、センサの種類や設置態様は適宜変更可能である。
【0049】
制御部19は、投函情報発信装置12において制御や演算等のプログラムを実行する処理装置である。制御部19は、センサ18からの信号に応じて、郵便ポスト内に郵便物が入っているか否かを判定可能である。
【0050】
制御部19は、センサ18が重量センサの場合には、上述の格納部の質量及びその変化に基づいて郵便物の個数及びその質量を算出可能である。また、制御部19は、センサ18が開閉センサである場合には、郵便物投函口の扉の開閉回数に基づいて郵便物の個数を算出可能である。また、制御部19は、センサ18が赤外線センサである場合には、郵便物の通過の検知信号の受信回数に基づいて郵便物の個数を算出可能である。
【0051】
なお、郵便物の個数のカウントは、郵便物集荷の度にリセットされ得る。例えば、投函情報発信装置12において、郵便物の集荷の際に開かれる郵便物の集荷用の扉の開閉が検知可能になされており、当該集荷用の扉が開閉する度に郵便物の個数のカウントがリセットされるように構成されていてもよい。
【0052】
通信部20は、制御部19の指示に従って外部機器とのデータの送受信が可能な通信装置である。制御部19は、例えば、通信部20を介して情報処理装置11から送信された郵便物の投函情報要求を受信して、当該要求に応じて投函情報を情報処理装置11に送信する。
【0053】
例えば、投函情報発信装置12の各々には、投函情報発信装置12の各々を識別可能なIDとして投函情報発信装置IDが付されている。例えば、投函情報発信装置12は、郵便物の投函情報と共に自らの投函情報発信装置IDを情報処理装置11に送信する。当該投函情報を受信した情報処理装置11は、投函情報と共に受信した投函情報発信装置IDに基づいて、受信した投函情報がどの郵便ポストの投函情報であるのかを特定可能であってもよい。
【0054】
具体的には、例えば、情報処理装置11は、投函情報発信装置IDと当該投函情報発信装置IDを有する投函情報発信装置12が取り付けられている郵便ポストとが紐付けられたデータベースを有していてもよい。情報処理装置11は、当該データベースに基づいて、受信した投函情報がどのポストの投函情報であるのか特定可能であってもよい。
【0055】
図5は、操作端末13の構成を示すブロック図である。制御部22は、操作端末13において制御や演算等のプログラムを実行する処理装置である。
【0056】
ユーザインターフェース23は、制御部22から供給された操作表示信号に基づいてメッセージ等の画面を表示可能な画面と、ユーザからの操作入力を受け付けて当該受け付けた入力を制御部22に送信可能な入力装置と、からなる装置部分である。
【0057】
ユーザインターフェース23は、例えば、タッチパネル式のディスプレイである。なお、ユーザインターフェース23は、ディスプレイと物理キーボードからなる装置部分であってもよい。また、ユーザインターフェース23は、ユーザからの操作入力を受付可能でありかつユーザに画面表示または音声等で情報を伝達可能な装置であればよい。
【0058】
なお、ユーザインターフェース23への操作入力は、音声入力、ジェスチャ入力によって可能とされていてもよい。また、ユーザインターフェース23への操作入力は、ユーザインターフェース23へ振動を加えることで可能であってもよい。また、ユーザインターフェース23によるユーザへの情報伝達は、画面表示または音声以外に振動等の手法を介して行われてもよい。
【0059】
通信部24は、制御部22の指示に従って外部機器とのデータの送受信が可能な通信装置である。制御部22は、例えば、情報処理装置11に対して郵便物集荷のための出発時刻算出を求める出発時刻算出要求を、通信部24を介して送信する。この出発時刻算出要求の送信は、ユーザインターフェース23への出発時刻を要求するユーザからの操作入力に基づいて実行されてもよい。
【0060】
上述のように、例えば、操作端末13の各々には、操作端末13の各々を識別可能なIDとして操作端末IDが付されている。例えば、操作端末13は、出発時刻算出要求と共に自身の操作端末IDを送信する。情報処理装置11は、出発時刻算出要求を受信した際、出発時刻算出要求と共に受信した操作端末IDに基づいて、当該出発時刻算出要求がどの操作端末13からの要求であるのかを判別可能であってもよい。
【0061】
以下に、上述した情報処理システム10における情報処理装置11、投函情報発信装置12、及び操作端末13の具体的な動作の一例を、フローチャートを用いて説明する。
図6は、実施例1における情報処理装置11の制御部14によって実行される制御ルーチンRT1を示すフローチャートである。制御ルーチンRT1は、例えば、情報処理装置11に電源が投入されると開始され、情報処理装置11の電源が遮断されるまで繰り返し実行される。
【0062】
制御部14の集荷対象ポスト情報取得部14Aは、操作端末13から出発時刻算出要求を受信したか否かを判定する(ステップS11)。制御部14の集荷対象ポスト情報取得部14Aは、操作端末13から出発時刻算出要求を受信していないと判定する(ステップS11:NO)と、制御ルーチンRT1は終了する。
【0063】
制御部14の集荷対象ポスト情報取得部14Aは、操作端末13から出発時刻算出要求を受信したと判定する(ステップS11:YES)と、操作端末13を使用している郵便物集配担当者の担当する複数の郵便ポスト(以下、担当ポストと称する)の各々に取り付けられている複数の投函情報発信装置12の各々に対して、投函情報要求を送信する(ステップS12)。
【0064】
このステップS12における担当ポストの特定は、投函情報要求の送信元の操作端末13の操作端末IDに基づいて行われてもよい。例えば、上述したように、操作端末13の端末IDが当該操作端末13を使用している集配担当者のIDと紐付けられていることで、端末IDから集配担当者が特定され、当該特定された集配担当者が集配を担当するポストが上記担当ポストとして特定されてもよい。
【0065】
ステップS12の終了後、制御部14の集荷対象ポスト情報取得部14Aは、投函情報発信装置12から全担当ポストの投函情報を受信したか否かを判定する(ステップS13)。制御部14の集荷対象ポスト情報取得部14Aは、全担当ポストの投函情報を受信していないと判定する(ステップS13:NO)と、ステップS13を繰り返して投函情報を受信したか否かを再度判定する。
【0066】
制御部14の集荷対象ポスト情報取得部14Aは、全担当ポストの投函情報を受信したと判定する(ステップS13:YES)と、当該投函情報に基づいて郵便物が投函されている担当ポストが有るか無いかを判定する(ステップS14)。
【0067】
制御部14の集荷対象ポスト情報取得部14Aは、郵便物が投函されている担当ポストが無いと判定する(ステップS14:NO)と、郵便物の集荷を必要とするポストが無いことを示す集荷対象ポスト無し情報を操作端末13に送信する(ステップS15)。制御部14の集荷対象ポスト情報取得部14Aが集荷対象ポスト無し情報を操作端末13に送信した後に、制御ルーチンRT1は終了する。
【0068】
制御部14の集荷対象ポスト情報取得部14Aは、郵便物が投函されている担当ポストが有ると判定する(ステップS14:YES)と、郵便物が投函されている担当ポストを郵便物の集荷が必要な集荷対象ポストに決定する(ステップS16)。
【0069】
ステップS16の終了後、制御部14の集荷関連情報取得部14Bは、ステップS16で決定した集荷対象ポストの各々における集荷予定時刻を記憶部16の集荷予定時刻DB16Aから取得する(ステップS17)。
【0070】
制御部14の経路生成部14Cは、ステップS17において取得した集荷対象ポストの各々の集荷予定時刻を早い順に並べ替え、出発地点を出発して集荷予定時刻の早い順に集荷対象ポストを経由して到着地点に到着する集荷経路を生成する(ステップS18)。制御部14の経路生成部14Cは、例えば、出発地点及び到着地点が同一の集荷郵便局である集荷経路を生成する。
【0071】
なお、制御部14の経路生成部14Cの経路生成において、出発地点及び到着地点は、予め決まった地点とされていてもよい。また、出発地点及び到着地点は、出発時刻算出要求の送信元の操作端末13の操作端末IDに基づいて決められても良い。例えば、操作端末IDから操作端末13を使用している集配担当者が特定され、当該集配担当者が所属している郵便局が出発地点及び到着地点とされてもよい。また、操作端末13から出発時刻算出要求と共に出発地点及び到着地点の情報が送信されることとしてもよい。
【0072】
制御部14の出発時刻決定部14Dは、ステップS18において生成された集荷経路において、集荷対象ポストのうち最後の集荷予定ポストの集荷予定時刻から出発地点の出発時刻を決定する(ステップS19)。
【0073】
具体的には、まず、制御部14の集荷関連情報取得部14Bは、出発地点から最後の集荷対象ポストを経由するまでに要する移動時間を取得する。具体的には、例えば、出発地点及び集荷対象ポストの各々の間の移動に要する予想移動時間テーブルを記憶部16の予想移動時間DB16Bから取得し、当該予想移動時間テーブルに基づいて出発地点から最後の集荷対象ポストを経由するまでに要する移動時間を算出する。
【0074】
なお、上述のように、予想移動時間テーブルは時間帯によって異なるものが用意されていてもよい。その場合、制御部14の集荷関連情報取得部14Bは、郵便物の集荷を行う時間帯に対応する予想移動時間テーブルを選択し、出発地点から最後の集荷対象ポストを経由するまでに要する予想移動時間を取得する。
【0075】
次に、制御部14の集荷関連情報取得部14Bは、最後の集荷対象ポストを除く集荷対象ポストの各々における集荷作業にかかる集荷作業時間を算出して、これを合計して合計集荷作業時間を算出する。
【0076】
個々の集荷対象ポストに対する集荷作業時間は、例えば、集配担当者が集荷対象ポストの郵便物の集荷用の扉を開扉してから郵便物を取り出して閉扉するまでにかかる時間である。この個々の集荷対象ポストに対する集荷作業時間は、全ての集荷対象ポストに対して同一かまたは個々の集荷対象ポストによって異なる予め定められた時間であってもよい。なお、上述のように、個々の集荷対象ポストに投函されている郵便物の量等を取得可能である場合には、当該郵便物の量に応じて集荷作業時間が変化することとしてもよい。
【0077】
ここで、出発地点から最初の集荷対象ポストまでの予想移動時間をT0、最初の集荷対象ポストから最後の集荷対象ポストを経由するまでに要する予想移動時間の合計時間をTs、集荷対象ポスト1台あたりの集荷作業にかかる作業時間をA、最後の集荷対象ポストを除く集荷対象ポストの台数をn、とすると、最後の集荷対象ポストを経由するまでに要する所要時間Tは、T=T0+Ts+Anと表される。
【0078】
制御部14の出発時刻決定部14Dは、最後の集荷対象ポストの集荷予定時刻から最後の集荷対象ポストを経由するまでに要する所要時間Tを遡ることによって、出発地点を出発する出発時刻を算出する。これにより、制御部14の出発時刻決定部14Dは、集荷対象ポストのみを経由することによって移動時間が短縮されることを鑑みた新しい出発時刻を決定することが可能となる。
【0079】
制御部14の出発時刻決定部14Dは、ステップS18において決定した集荷経路及びステップS19において決定した出発地点の出発時刻を示す情報を、通信部15を介して操作端末13へ送信する(ステップS20)。制御部14が集荷経路及び出発地点の出発時刻を示す情報が操作端末13へ送信した後に、制御ルーチンRT1は終了する。
【0080】
図7は、投函情報発信装置12の制御部19によって実行される制御ルーチンRT2を示すフローチャートである。制御ルーチンRT2は絶えず繰り返し実行されていてもよく、集荷時間前の所定の期間において繰り返し実行されてもよい。
【0081】
投函情報発信装置12の制御部19は、情報処理装置11から投函情報要求を受信したか否かを判定する(ステップS21)。制御部19は、情報処理装置11から投函情報要求を受信していないと判定する(ステップS21:NO)と、制御ルーチンRT2は終了する。
【0082】
制御部19は、情報処理装置11から投函情報要求を受信したと判定する(ステップS21:YES)と、センサ18の郵便物の有無の検知信号に基づいて郵便物の投函の有無を判定し、その判定結果を担当ポストの投函情報として生成する(ステップS22)。
【0083】
制御部19は、生成した担当ポストの投函情報を、通信部20を介して情報処理装置11へ送信する(ステップS23)。制御部19が投函情報を情報処理装置11へ送信した後に、制御ルーチンRT2は終了する。
【0084】
図8は、操作端末13の制御部22によって実行される制御ルーチンRT3を示すフローチャートである。制御ルーチンRT3は、操作端末13の電源が投入されて、出発時刻を取得するアプリが起動すると開始される。
【0085】
出発時刻を取得するアプリが起動されると、制御部22は、出発時刻算出開始のための操作が行われたか否かを判定する(ステップS31)。このステップS31においては、例えば、ユーザインターフェース23がタッチパネルである場合、当該タッチパネルの画面に出発時刻算出開始ボタンが表示され、ユーザからの操作の待受けがなされる。
【0086】
制御部22は、例えば、ユーザインターフェース23上に表示された出発時刻算出開始ボタンがユーザによって押されたことをして、出発時刻算出開始のための操作が行われたと判定する。
【0087】
制御部22は、出発時刻算出開始のための操作が行われていないと判定する(ステップS31:NO)と、制御ルーチンRT3は終了する。
【0088】
制御部22は、出発時刻算出開始のための操作が行われたと判定する(ステップS31:YES)と、操作端末13の端末IDと共に出発時刻算出要求を、通信部24を介して情報処理装置11へ送信する(ステップS32)。
【0089】
制御部22は、情報処理装置11の処理によって決定した集荷経路及び出発地点の出発時刻情報を情報処理装置11から受信したか否かを判定する(ステップS33)。制御部22は、集荷経路及び出発地点の出発時刻情報を受信したと判定する(ステップS33:YES)と、この情報をユーザインターフェース23上に表示する(ステップS34)。
【0090】
郵便物の集配担当者は、例えば、ユーザインターフェース23上に表示された集荷経路及び出発地点の出発時刻情報を確認することによって、担当ポストのうち郵便物が投函されているポストのみを効率よく経由して集荷作業を行うことが可能となる。制御部22が集荷経路及び出発地点の出発時刻情報を表示した後に、制御ルーチンRT3は終了する。
【0091】
制御部22は、集荷経路及び出発地点の出発時刻を示す情報を受信していないと判定する(ステップS33:NO)と、集荷対象ポストが無いことを示す集荷対象ポスト無し情報を受信したか否かを判定する(ステップS35)。制御部22は、集荷対象ポスト無し情報を受信していないと判定する(ステップS35:NO)と、ステップS33を繰り返し、集荷経路及び出発地点の出発時刻情報を受信したか否かを判定する。
【0092】
制御部22は、集荷対象ポスト無し情報を受信したと判定する(ステップS35:YES)と、集荷対象ポストが無いことによる郵便物集荷不要の旨をユーザインターフェース23上に表示する(ステップS36)。制御部22が集荷不要の旨を表示した後に、制御ルーチンRT3は終了する。
【0093】
本実施例によれば、ユーザは、操作端末13を操作して出発時刻算出要求を情報処理装置11に対して行うことにより、1または複数の担当ポストにおける最新の郵便物投函情報に基づく集荷経路及び出発時刻を常に把握することができる。
【0094】
これにより、例えば、当該ユーザが郵便物の集配担当者である場合、郵便物の集荷対象に決定した担当ポストのみを経由して集荷を行う場合であっても、担当ポストに予め決められている集荷予定時刻よりも早く郵便物を集荷してしまうことを防ぐことができる。
【0095】
すなわち、本実施例によれば、郵便物の集配担当者は、提示された集荷経路及び出発時刻に沿って集荷対象ポストを適切なタイミングで経由することによって、無駄がなく効率の良い集荷作業を行うことが可能となる。
【0096】
また、本実施例によれば、集配担当者が出発地を出発した後でも、当該集配担当者は、担当ポストにおける最新の投函情報に基づく集荷経路及び出発時刻を得ることが可能となる。例えば、集配担当者が集荷経路上の集荷対象ポストのいずれかのある地点にいる場合であっても、操作端末13から情報処理装置11に対して出発時刻算出要求を行うことで、現在の集荷対象ポストの地点を出発地とした最新の集荷経路及び出発時刻を新たに算出することが可能になる。
【0097】
例えば、集荷対象ポストでは無かった担当ポストに新たに郵便物の投函がなされた場合、当該担当ポストを集荷対象ポストに含む最新の集荷経路及び出発時刻を把握することが可能となる。これにより、集荷漏れなく郵便物の集荷が可能となり、かつ集荷対象ポストの集荷予定時刻よりも早く郵便物を集荷してしまうことを防ぐことができる。
【実施例2】
【0098】
図9は、実施例2における情報処理装置11の制御部14によって実行される制御ルーチンRT4を示すフローチャートである。実施例2は、記憶部16に記憶されている情報とその情報に基づく制御部14の経路生成部14Cの集荷経路決定方法及び出発時刻決定部14Dの出発時刻決定方法とが実施例1と異なっており、それ以外の点で実施例1と同様の構成となっている。
【0099】
具体的には、情報処理装置11の制御ルーチンRT4において、情報処理装置11が、操作端末13より出発時刻算出要求を受信して(ステップS11)から、制御部14の集荷対象ポスト情報取得部14Aが取得した担当ポストの投函情報を基に集荷対象ポストを決定し(ステップS12~S16)、制御部14の集荷関連情報取得部14Bが当該集荷対象ポストの集荷予定時刻を取得する(ステップS17)までは、実施例1の制御ルーチンRT1と同様である。
【0100】
ここで、記憶部16の予想移動時間DB16Bは、例えば、第1の郵便ポストから第2の郵便ポストまで最短距離で移動する場合の経路を示す経路情報と、その経路を移動する際に要する予想移動時間テーブルとを保持している。
【0101】
制御部14の経路生成部14Cは、ステップS16において取得した集荷対象ポストの情報と、ステップS17において取得した経路情報とに基づいて、出発地点を出発して最短距離で集荷対象ポストの各々を経由して到着地点に到着する集荷経路を生成する(ステップS18-2)。
【0102】
制御部14の出発時刻決定部14Dは、ステップS18-2において生成された集荷経路において、集荷対象ポストの各々の集荷予定時刻のうち最遅の集荷予定時刻から出発地点の出発時刻を決定する(ステップS19-2)。
【0103】
具体的には、まず、制御部14の集荷関連情報取得部14Bは、集荷対象ポストの集荷予定時刻の中から最遅の集荷予定時刻を選出する。制御部14の集荷関連情報取得部14Bは、ステップS19-2において決定した集荷経路に基づいて、出発地点から最遅の集荷予定時刻を示す集荷対象ポストに到着するまでに要する予想移動時間を取得する。
【0104】
具体的には、例えば、出発地点及び集荷対象ポストの各々の間を最短距離で移動する際に要する予想移動時間を記憶部16の予想移動時間DB16Bの予想移動時間テーブルから取得し、当該予想移動時間テーブルに基づいて出発地点から最遅の集荷予定時刻の集荷対象ポストを経由するまでに要する移動時間を算出する。
【0105】
次に、制御部14の集荷関連情報取得部14Bは、選出された最遅の集荷予定時刻の集荷対象ポストよりも前に経由する集荷対象ポストの各々における集荷作業にかかる集荷作業時間を算出して、これを合計して合計集荷作業時間を算出する。
【0106】
ここで、出発地点から最初の集荷対象ポストまでの予想移動時間をT02、最初の集荷対象ポストから最遅の集荷対象ポストを経由するまでに要する予想移動時間の合計時間をTs2、集荷対象ポスト1台あたりの集荷作業にかかる作業時間をA、最遅の集荷対象ポストよりも前に経由する集荷対象ポストの台数をm、とすると、最遅の集荷対象ポストを経由するまでに要する所要時間T2は、T2=T02+Ts2+Amと表される。
【0107】
制御部14の出発時刻決定部14Dは、最遅の集荷対象ポストの集荷予定時刻から最遅の集荷対象ポストを経由するまでに要する所要時間T2を遡ることによって、出発地点を出発する出発時刻を算出する。
【0108】
制御部14の出発時刻決定部14Dは、ステップS18-2において決定した集荷経路及びステップS19-2において決定した出発地点の出発時刻を示す情報を、通信部15を介して操作端末13へ送信する(ステップS20)。制御部14が集荷経路及び出発地点の出発時刻を示す情報が操作端末13へ送信した後に、制御ルーチンRT4は終了する。
【0109】
本実施例によれば、実施例1と同様に、郵便物の集荷対象ポストのみを経由して集荷を行う場合であっても、集荷対象ポストに予め決められている集荷予定時刻よりも早く郵便物を集荷してしまうことを防ぐことができる。
【0110】
また、本実施例によれば、集荷予定時刻の順序に関係なく郵便物の集荷を行う場合であっても、最遅の集荷予定時刻に基づいて出発地の出発時刻を決定することにより、集荷対象ポストに予め決められている集荷予定時刻よりも早く郵便物を集荷してしまうことを防ぐことができる。
【0111】
なお、実施例1及び実施例2において、操作端末13の制御部22は、ユーザによって出発時刻算出開始のための操作が行われたと判定すると、出発時刻算出要求を情報処理装置11へ送信するとしたが、これに限られない。操作端末13の制御部22は、ユーザの操作によらず出発時刻算出要求を情報処理装置11に送信してもよい。
【0112】
操作端末13の制御部22は、例えば、集配担当者が集荷作業の準備を開始する時刻等、予め定められた時刻が到来すると処理装置11に出発時刻算出要求を送信してもよい。具体的には、例えば、操作端末13を使用している集配担当者が集荷を担当する複数の担当ポストの集荷予定時刻のうち最も早い集荷予定時刻から所定の時間を遡った時刻に、操作端末13から情報処理装置11に自動的に出発時刻算出要求が送信されるようになっていてもよい。
【0113】
なお、上述した実施例1及び実施例2における制御ルーチンは例示に過ぎず、用途または使用条件等に応じて適宜選択及び変更可能である。
【符号の説明】
【0114】
10 情報処理システム
11 情報処理装置
12 投函情報発信装置
13 操作端末
14、19、22 制御部
15、20、24 通信部
16 記憶部
18 センサ
23 ユーザインターフェース