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特許7567296車両用表示制御装置、方法、プログラムおよび車両用表示システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】車両用表示制御装置、方法、プログラムおよび車両用表示システム
(51)【国際特許分類】
   B60W 50/14 20200101AFI20241008BHJP
   B60K 35/23 20240101ALI20241008BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20241008BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20241008BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
B60W50/14
B60K35/23
B60R16/02 640K
B60W60/00
G08G1/16 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020146334
(22)【出願日】2020-08-31
(65)【公開番号】P2022041245
(43)【公開日】2022-03-11
【審査請求日】2022-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高畠 聡章
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 純二
(72)【発明者】
【氏名】木村 公治
(72)【発明者】
【氏名】吉田 裕基
(72)【発明者】
【氏名】緒方 瞭
(72)【発明者】
【氏名】森下 肇
【審査官】戸田 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-203013(JP,A)
【文献】特開2019-031176(JP,A)
【文献】特開2019-156265(JP,A)
【文献】特開2017-170973(JP,A)
【文献】国際公開第2007/077829(WO,A1)
【文献】特開2002-372432(JP,A)
【文献】特開2018-077086(JP,A)
【文献】特開2019-066937(JP,A)
【文献】特開2021-88356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 50/14
B60K 35/23
B60R 16/02
B60W 60/00
G08G 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転と手動運転とを切り替え可能な車両に要求される行動予定を作成する作成部によって作成された自動運転または手動運転による複数の前記行動予定を、前記車両の室内に設けられた表示部に前記行動予定の行動を行う地点までの距離の情報を含んで並べて表示させた状態で、手動運転で行われる前記行動予定の表示を、自動運転で行われる前記行動予定の表示と比べて強調させる表示制御部を含む車両用表示制御装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、自動運転か手動運転かを表す文字列を含む情報で前記行動予定を前記表示部に表示させると共に、手動運転で行われる前記行動予定の表示について、前記文字列の色彩と前記文字列の背景部の色彩とを反転させることで、自動運転で行われる前記行動予定の表示よりも強調させる請求項1記載の車両用表示制御装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、文字列を含む情報で前記行動予定を前記表示部に表示させると共に、手動運転で行われる前記行動予定の表示について、前記文字列の背景部としての、前記文字列を枠で囲んだ内側の部分の色彩を、前記文字列の色彩および前記表示部の表示領域における背景の色彩と相違させることで、自動運転で行われる前記行動予定の表示よりも強調させる請求項1記載の車両用表示制御装置。
【請求項4】
前記表示部は、メータディスプレイとHUDとを含み、
前記表示制御部は、文字列を含む情報で前記行動予定を前記表示部に表示させると共に、前記メータディスプレイに関しては、手動運転で行われる前記行動予定の表示について、前記文字列および前記文字列の背景部の少なくとも一方の色彩を変更することで、自動運転で行われる前記行動予定の表示よりも強調させ、前記HUDに関しては、手動運転で行われる前記行動予定の表示について、前記文字列の色彩と前記文字列の背景部の色彩とを反転させることで、自動運転で行われる前記行動予定の表示よりも強調させる請求項1記載の車両用表示制御装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、乗員が手動で行う行動予定の地点または乗員が手動で行う行動予定の時間を過ぎた場合、手動運転の終了を示す表示を前記表示部に表示させる請求項1~請求項4の何れか1項記載の車両用表示制御装置。
【請求項6】
前記作成部は、前記行動予定を複数含む行動計画を作成し、
前記表示部はメータディスプレイとHUDとを含み、
前記表示制御部は、前記行動計画のうち、行動を行う地点までの距離または行動を行うまでの時間が第1の所定値以下の行動予定を前記メータディスプレイに表示させ、行動を行う地点までの距離または行動を行うまでの時間が第1の所定値よりも小さい第2の所定値以下の行動予定をHUDに表示させる請求項1記載の車両用表示制御装置。
【請求項7】
前記作成部は、前記行動予定を複数含む行動計画を作成し、
前記表示制御部は、前記行動予定を前記表示部に複数表示させる場合に、行動を行う地点までの距離または行動を行うまでの時間が最も小さい行動予定を、他の行動予定よりも拡大して表示させる請求項1~請求項5の何れか1項記載の車両用表示制御装置。
【請求項8】
自動運転と手動運転とを切り替え可能な車両に要求される行動予定を作成する作成部によって作成された自動運転または手動運転による複数の前記行動予定を、前記車両の室内に設けられた表示部に前記行動予定の行動を行う地点までの距離の情報を含んで並べて表示させた状態で、手動運転で行われる前記行動予定の表示を、自動運転で行われる前記行動予定の表示と比べて強調させることを含む処理をコンピュータによって実行させる車両用表示制御方法。
【請求項9】
コンピュータに、
自動運転と手動運転とを切り替え可能な車両に要求される行動予定を作成する作成部によって作成された自動運転または手動運転による複数の前記行動予定を、前記車両の室内に設けられた表示部に前記行動予定の行動を行う地点までの距離の情報を含んで並べて表示させた状態で、手動運転で行われる前記行動予定の表示を、自動運転で行われる前記行動予定の表示と比べて強調させることを含む処理を実行させるための車両用表示制御プログラム。
【請求項10】
自動運転と手動運転とを切り替え可能な車両に要求される行動予定を作成する作成部と、
前記車両の室内に設けられた表示部と、
前記作成部によって作成された自動運転または手動運転による複数の前記行動予定を前記表示部に前記行動予定の行動を行う地点までの距離の情報を含んで並べて表示させた状態で、手動運転で行われる前記行動予定の表示を、自動運転で行われる前記行動予定の表示と比べて強調させる表示制御部と、
を含む車両用表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は車両用表示制御装置、車両用表示制御方法、車両用表示制御プログラムおよび車両用表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両を目的地に誘導する経路をディスプレイに表示する際に、自動運転区間と手動運転区間とを識別可能に表示させると共に、自動運転区間内での車両の挙動を示す情報を表示させる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-100867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動運転と手動運転とを切り替え可能な車両において、自動運転と手動運転との円滑な切り替えを実現するためには、乗員の操作が必要なタイミングを乗員に確実に認識させることが求められる。これに対して、特許文献1に記載の技術は、自動運転区間の表示を手動運転区間の表示よりも強調するものであり、乗員の操作が必要なタイミングを乗員に認識させる点に関して改善の余地がある。
【0005】
本開示は上記事実を考慮して成されたもので、乗員の操作が必要なタイミングを乗員が認識し易くすることができる車両用表示制御装置、車両用表示制御方法、車両用表示制御プログラムおよび車両用表示システムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係る車両用表示制御装置は、自動運転と手動運転とを切り替え可能な車両に要求される行動予定を作成する作成部によって作成された自動運転または手動運転による複数の前記行動予定を、前記車両の室内に設けられた表示部に前記行動予定の行動を行う地点までの距離の情報を含んで並べて表示させた状態で、手動運転で行われる前記行動予定の表示を、自動運転で行われる前記行動予定の表示と比べて強調させる表示制御部を含んでいる。
【0007】
第1の態様では、自動運転と手動運転とを切り替え可能な車両に要求される行動予定が作成部によって作成される。そして、表示制御部は、作成部によって作成された自動運転または手動運転による複数の行動予定を車両の室内に設けられた表示部に前記行動予定の行動を行う地点までの距離の情報を含んで並べて表示させた状態で、手動運転で行われる行動予定の表示を、自動運転で行われる行動予定の表示と比べて強調させる。このように、手動運転で行われる行動予定を強調表示することで、乗員の操作が必要なタイミングを乗員が認識し易くすることができる。
【0008】
第2の態様は、第1の態様において、前記表示制御部は、自動運転か手動運転かを表す文字列を含む情報で前記行動予定を前記表示部に表示させると共に、手動運転で行われる前記行動予定の表示について、前記文字列の色彩と前記文字列の背景部の色彩とを反転させることで、自動運転で行われる前記行動予定の表示よりも強調させる。
【0009】
第2の態様によれば、少ない配色で乗員に自動運転と手動運転とを明確に区別させて認識させることができる。また、光学的に画面のコントラストが確保しづらい場合(例えば表示部がHUDの場合)でも、乗員の操作が必要なタイミングを乗員が認識し易くすることができる。
【0010】
第3の態様は、第の態様において、前記表示制御部は、文字列を含む情報で前記行動予定を前記表示部に表示させると共に、手動運転で行われる前記行動予定の表示について、前記文字列の背景部としての、前記文字列を枠で囲んだ内側の部分の色彩を、前記文字列の色彩および前記表示部の表示領域における背景の色彩と相違させることで、自動運転で行われる前記行動予定の表示よりも強調させる。
【0011】
第3の態様によれば、手動運転で行われる行動予定の表示を、少ない配色で強調させることができる。
【0012】
第4の態様は、第1の態様において、前記表示部は、メータディスプレイとHUDとを含み、前記表示制御部は、文字列を含む情報で前記行動予定を前記表示部に表示させると共に、前記メータディスプレイに関しては、手動運転で行われる前記行動予定の表示について、前記文字列および前記文字列の背景部の少なくとも一方の色彩を変更することで、自動運転で行われる前記行動予定の表示よりも強調させ、前記HUDに関しては、手動運転で行われる前記行動予定の表示について、前記文字列の色彩と前記文字列の背景部の色彩とを反転させることで、自動運転で行われる前記行動予定の表示よりも強調させる。
【0013】
第4の態様によれば、比較的色を変更し易いメータディスプレイと、配色の少ないHUDと、の各々の特性に応じた強調表示を行うことができる。
【0014】
第5の態様は、第1~第4の何れか1項の態様において、前記表示制御部は、乗員が手動で行う行動予定の地点または乗員が手動で行う行動予定の時間を過ぎた場合、手動運転の終了を示す表示を前記表示部に表示させる。
【0015】
第5の態様によれば、手動運転の終了を明確に伝えることで、乗員が安心して操作から離れることができる。
【0016】
第6の態様は、第1の態様において、前記作成部は、前記行動予定を複数含む行動計画を作成し、前記表示部はメータディスプレイHUDとを含み、前記表示制御部は、前記行動計画のうち、行動を行う地点までの距離または行動を行うまでの時間が第1の所定値以下の行動予定を前記メータディスプレイに表示させ、行動を行う地点までの距離または行動を行うまでの時間が第1の所定値よりも小さい第2の所定値以下の行動予定をHUDに表示させる。
【0017】
第6の態様によれば、最も近い行動予定とそれ以降の行動予定をメータディスプレイとHUDに分けて表示することで、乗員が行動予定を認識し易くすることができる。
【0020】
の態様は、第1~第の何れか1項の態様において、前記作成部は、前記行動予定を複数含む行動計画を作成し、前記表示制御部は、前記行動予定を前記表示部に複数表示させる場合に、行動を行う地点までの距離または行動を行うまでの時間が最も小さい行動予定を、他の行動予定よりも拡大して表示させる。
【0021】
の態様によれば、最も重要な直近の行動予定を自動運転、手動運転に拘わらず乗員が認識し易くすることができる。
【0022】
第8の態様に係る車両用表示制御方法は、自動運転と手動運転とを切り替え可能な車両に要求される行動予定を作成する作成部によって作成された自動運転または手動運転による複数の前記行動予定を、前記車両の室内に設けられた表示部に前記行動予定の行動を行う地点までの距離の情報を含んで並べて表示させた状態で、手動運転で行われる前記行動予定の表示を、自動運転で行われる前記行動予定の表示と比べて強調させることを含む処理をコンピュータによって実行させる。
【0023】
の態様によれば、乗員の操作が必要なタイミングを乗員が認識し易くすることができる。
【0024】
第9の態様に係る車両用表示制御プログラムは、コンピュータに、自動運転と手動運転とを切り替え可能な車両に要求される行動予定を作成する作成部によって作成された自動運転または手動運転による複数の前記行動予定を、前記車両の室内に設けられた表示部に前記行動予定の行動を行う地点までの距離の情報を含んで並べて表示させた状態で、手動運転で行われる前記行動予定の表示を、自動運転で行われる前記行動予定の表示と比べて強調させることを含む処理を実行させる。
【0025】
の態様によれば、乗員の操作が必要なタイミングを乗員が認識し易くすることができる。
【0026】
第10の態様に係る車両用表示システムは、自動運転と手動運転とを切り替え可能な車両に要求される行動予定を作成する作成部と、前記車両の室内に設けられた表示部と、前記作成部によって作成された自動運転または手動運転による複数の前記行動予定を前記表示部に前記行動予定の行動を行う地点までの距離の情報を含んで並べて表示させた状態で、手動運転で行われる前記行動予定の表示を、自動運転で行われる前記行動予定の表示と比べて強調させる表示制御部と、を含んでいる。
【0027】
第1の態様によれば、乗員の操作が必要なタイミングを乗員が認識し易くすることができる。
【発明の効果】
【0028】
本開示は、乗員の操作が必要なタイミングを乗員が認識し易くすることができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】実施形態に係る車載システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】HUDおよびMETへの表示の一例を示すイメージ図である。
図3】HUD表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
図4】HUDへの表示の一例を示すイメージ図である。
図5】HUDへの表示の一例を示すイメージ図である。
図6】HUDへの表示の一例を示すイメージ図である。
図7】第2文字列の色彩を反転させて表示する例を示すイメージ図である。
図8】HUDへの表示の一例を示すイメージ図である。
図9】HUDへの表示の一例を示すイメージ図である。
図10】HUDへの表示の一例を示すイメージ図である。
図11】MET表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
図12】第2文字列の色彩を変更して表示する例を示すイメージ図である。
図13】手動運転の終了を示す表示の一例を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して本開示の実施形態の一例を詳細に説明する。図1に示す車載システム10は通信バス12を備えており、通信バス12には、周辺状況取得デバイス群14、車両走行状態検出センサ群26、自動運転ECU(Electronic Control Unit)34、行動予定作成ECU60、及び、表示制御ECU42が各々接続されている。なお、図1は車載システム10の一部のみ示している。また、以下では車載システム10が搭載された車両を自車両と称する。自車両は、後述するように、自動運転と手動運転とを切り替え可能とされている。
【0031】
周辺状況取得デバイス群14は、自車両の周囲環境がどのような状況かを表す情報を取得するデバイスとして、GPS(Global Positioning System)装置16、車載通信機18、レーダ装置22及びカメラ24などを含んでいる。
【0032】
GPS装置16は、複数のGPS衛星からGPS信号を受信して自車両の位置を測位する。GPS装置16は受信可能なGPS信号の数が多くなるに従って測位の精度が向上する。車載通信機18は、他の車両との間の車車間通信及び路側機との間の路車間通信の少なくとも一方を行う通信装置である。
【0033】
レーダ装置22は、検出範囲が互いに異なる複数のレーダ装置を含み、自車両の周囲に存在する歩行者、他車両等の物体を点群情報として検出し、検出した物体と自車両の相対位置及び相対速度を取得する。また、レーダ装置22は周囲の物体の探知結果を処理する処理装置を内蔵している。当該処理装置は、直近の複数回の探知結果に含まれる個々の物体との相対位置、相対速度の変化等に基づき、ノイズ、ガードレール等の路側物等を監視対象から除外し、歩行者、他車両等の特定物体を監視対象物体として追従監視する。そしてレーダ装置22は、個々の監視対象物体との相対位置、相対速度等の情報を出力する。カメラ24は、自車両の周囲を複数のカメラで撮影し、撮影した画像を出力する。
【0034】
また、車両走行状態検出センサ群26は、車両の走行状態を取得する複数のセンサとして、自車両の操舵角を検出する舵角センサ28、自車両の走行速度を検出する車速センサ30及び自車両に加わる加速度を検出する加速度センサ32を含んでいる。
【0035】
自動運転ECU34は、自車両のスロットル開度を変更するスロットルACT(actuator)36及び自車両の制動装置が発生する制動力を変更するブレーキACT38が接続されている。また自動運転ECU34は自車両の操舵装置による操舵量を変更する操舵ACT40が接続されている。
【0036】
自動運転ECU34は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などのメモリと、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶部と、通信I/F(InterFace)と、を含んでいる。記憶部には自動運転ソフトウェアが記憶されている。自動運転ECU34は、CPUが自動運転ソフトウェアを実行することで、自動運転モードが選択されている場合に、自車両の乗員による運転操作を伴わずに、自車両を自動的に走行させる自動運転処理を行う。自動運転処理は、周辺状況取得デバイス群14及び車両走行状態検出センサ群26から得られる情報に基づいて自車両及びその周辺の状況を判断し、スロットルACT36、ブレーキACT38及び操舵ACT40を制御する処理である。
【0037】
なお、実施形態における自動運転では、上述のように、自車両の乗員による運転操作を伴わずに、自車両を自動的に走行させる。一方、実施形態における手動運転は、運転操作の一部を自動運転ECU34が行い、残りの一部を自車両の乗員が実行する場合を含む。一例としては、手動運転モードにおいては、速度調整は自動運転ECU34が実行し、ステアリング操作のみ自車両の乗員が実施する場合などが挙げられる。
【0038】
行動予定作成ECU60は、CPUと、ROM、RAMなどのメモリと、HDD、SSDなどの不揮発性の記憶部と、通信I/Fと、を含んでおり、記憶部には地図情報が記憶されている。行動予定作成ECU60は車両に要求される行動予定を作成する。すなわち行動予定作成ECU60は、自車両の目的地が設定されると、GPS装置16から得られる自車両の現在位置および自車両の目的地の位置を地図情報と照合し、目的地までの経路を探索する。
【0039】
また行動予定作成ECU60は、探索した経路(自車両における行動計画)を右左折、車線変更、合流などの行動予定に細分化すると共に、細分化した個々の行動予定に対し、実施予定の行動を自動運転で行うのか、手動運転で行うのかを各々決定する。本実施形態では、実施予定の行動を自動運転ECU34による自動運転で行うのが基本であるが、例えば、実施予定の行動が「合流」で合流路が短い場合など、自動運転を行うことが困難な行動については、手動運転で行うように決定される。
【0040】
行動計画に含まれる個々の行動予定は、右左折、車線変更など実施予定の行動を示す情報と、当該行動を自動運転で行うか手動運転で行うかを示す情報と、前記行動の実施予定場所を示す情報(例えば緯度経度)と、を含んでいる。行動予定作成ECU60によって作成された行動計画は自動運転ECU34および表示制御ECU42へ送信される。行動予定作成ECU60は作成部の一例として機能する。
【0041】
表示制御ECU42は、CPU44と、ROM、RAMなどのメモリ46と、HDD、SSDなどの不揮発性の記憶部48と、通信I/F50と、を含んでいる。CPU44、メモリ46、記憶部48及び通信I/F50は内部バス52を介して相互に通信可能に接続されている。記憶部48には表示制御プログラム54が記憶されている。表示制御ECU42は、表示制御プログラム54が記憶部48から読み出されてメモリ46に展開され、メモリ46に展開された表示制御プログラム54がCPU44によって実行されることで、後述するHUD表示制御処理およびMET表示制御処理を行う。なお、表示制御プログラム54は、車両用表示制御プログラムの一例である。
【0042】
表示制御ECU42は、自車両の室内に各々設けられたヘッドアップディスプレイ(以下、HUDという)56およびメータディスプレイ58(以下、METという)が接続されている。本実施形態に係るHUD56は、ウインドシールドガラスへの反射などにより自車両の乗員の前方視野の一部を表示範囲とする(前景内下方に像を結ぶ)小型のHUDである。また、MET58は自車両のインストルメントパネルに設けられたディスプレイである。表示制御ECU42は、HUD56およびMET58への情報表示を制御する。
【0043】
すなわち、表示制御ECU42は行動予定作成ECU60によって作成された行動予定をHUD56およびMET58に表示させると共に、手動運転で行われる行動予定の表示を、自動運転で行われる行動予定の表示と比べて強調させる。なお、表示制御ECU42は表示制御部および車両用表示制御装置の一例であり、HUD56およびMET58は表示部の一例である。HUD56およびMET58への表示の一例を図2に示す。また、HUD56、MET58、行動予定作成ECU60および表示制御ECU42は、車両用表示システムの一例である。
【0044】
次に本実施形態の作用を説明する。表示制御ECU42は、自車両のイグニッションがオンの間、図3に示すHUD表示制御処理を行う。
【0045】
HUD表示制御処理のステップ100において、表示制御ECU42は、自車両の目的地が行動予定作成ECU60に設定されているか否かを判定する。行動予定作成ECU60は、自車両の目的地が設定されている場合に、複数の行動予定を含む自車両の行動計画を作成し、表示制御ECU42などに送信する。このため、表示制御ECU42は、複数の行動予定を含む自車両の行動計画を行動予定作成ECU60から受信しているか否かに基づいて、ステップ100の判定を行う。
【0046】
ステップ100の判定が肯定された場合にはステップ102へ移行する。ステップ102において、表示制御ECU42は、行動予定作成ECU60から受信した行動計画を参照し、当該行動計画の中に、行動の実施予定場所が自車両の現在位置から距離L1以内に位置している行動予定が含まれているか否か判定する。なお、距離L1の一例は10kmである。距離L1は第2の所定値の一例である。
【0047】
ステップ100またはステップ102の判定が否定された場合はステップ134へ移行し、ステップ134において、表示制御ECU42は、例として図4に示すように、HUD56に行動予定を表示しない。ステップ134の処理を行うとステップ100に戻る。
【0048】
また、ステップ102の判定が肯定された場合はステップ104へ移行する。ステップ104において、表示制御ECU42は、行動計画の中に含まれている、行動の実施予定場所が自車両の現在位置から距離L1以内に位置している行動予定の数を判定し、判定結果に応じて分岐する。
【0049】
行動の実施予定場所が自車両の現在位置から距離L1以内に位置している行動予定の数が「1」の場合には、ステップ104からステップ106へ移行する。ステップ106において、表示制御ECU42は、行動の実施予定場所が自車両の現在位置から距離L1以内に位置している1個の直近の行動予定が、自車両の現在位置から距離L2以上か否か判定する。なお、距離L2の一例は1kmである。
【0050】
ステップ106の判定が肯定された場合はステップ108へ移行する。ステップ108において、表示制御ECU42は、直近の行動予定が自動運転によって行われる行動予定か否かを判定する。ステップ108の判定が肯定された場合はステップ110へ移行する。ステップ110において、表示制御ECU42は、例として図5に示すように、HUD56の行動予定表示領域(HUD56の表示領域のうちの右端の領域)に直近の行動予定70を表示させ、ステップ100に戻る。
【0051】
行動予定70は、自車両の現在位置から行動の実施予定場所までの距離を示す第1文字列(図5の例では「3.2km」)と、実施予定の行動(図5の例では車線変更)を示すアイコンと、を含んでいる。また、行動予定70は、実施予定の行動が自動運転で行われるのか手動運転で行われるのかを示す第2文字列(図5の例では自動運転を示す「ASSIST」)を含んでいる。本実施形態では、第2文字列として自動運転を示す「ASSIST」を表示する場合、第2文字列を高明度の色彩(例えば白色)で表示し、第2文字列の背景部(第2文字列を枠で囲んだ内側の部分)を低明度の色彩(例えば黒色)で表示する。
【0052】
また、ステップ108の判定が否定された場合はステップ112へ移行する。ステップ112において、表示制御ECU42は、例として図6および図7に示すように、HUD56の行動予定表示領域に直近の行動予定72を反転表示させ、ステップ100に戻る。具体的には、実施予定の行動が手動運転で行われる場合、第2文字列は「MANUAL」となるが、本実施形態では、第2文字列として手動運転を示す「MANUAL」を表示する場合、第2文字列を低明度の色彩(例えば黒色)で表示し、第2文字列の背景部を高明度の色彩(例えば白色)で表示する。
【0053】
本実施形態では、HUD56の表示領域全体の背景色を低明度の色彩(例えば黒色)としている。自動運転で行われる行動予定を表示する場合には、第2文字列(自動運転を示す「ASSIST」)の背景部(第2文字列を枠で囲んだ内側の部分)の色彩がHUD56の表示領域全体の背景色の色彩とほぼ同じになるので、第2文字列がさほど目立たない。これに対し、手動運転で行われる行動予定を表示する場合には、第2文字列(手動運転を示す「MANUAL」)の背景部の色彩が、第2文字列の色彩およびHUD56の表示領域全体の背景色の色彩と相違しているので、第2の文字列が強調表示される。これにより、手動運転で行われる行動予定72について、乗員の操作が必要なタイミングを乗員が認識し易くすることができる。なお、色彩を相違させることは、例えば、第2文字列の背景部の色彩として、第2文字列の色彩およびHUD56の表示領域全体の背景色の色彩から、任意の色空間上で所定距離以上離れた色彩を選択することにより実現できる。
【0054】
また、行動の実施予定場所が自車両の現在位置から距離L1以内に位置している1個の直近の行動予定が、自車両の現在位置から距離L2未満の場合、ステップ106の判定が否定されてステップ114へ移行する。ステップ114において、表示制御ECU42は、直近の行動予定が自動運転によって行われる行動予定か否かを判定する。ステップ114の判定が肯定された場合はステップ116へ移行する。
【0055】
ステップ116において、表示制御ECU42は、例として図8に示すように、HUD56の行動予定表示領域に直近の行動予定74(第2文字列=「ASSIST」)を拡大表示させ、ステップ100に戻る。これにより、拡大表示させた行動予定74における行動の実施予定場所が自車両の現在位置から距離L2未満に迫っていることを、乗員に認識させることができる。
【0056】
また、ステップ114の判定が否定された場合はステップ118へ移行する。ステップ118において、表示制御ECU42は、例として図9に示すように、HUD56の行動予定表示領域に直近の行動予定76(第2文字列=「MANUAL」)を拡大かつ反転表示させ、ステップ100に戻る。これにより、拡大表示させた行動予定76における行動の実施予定場所が自車両の現在位置から距離L2未満に迫っていることを、乗員に認識させることができる。また、行動予定76のうちの第2文字列(=「MANUAL」)を反転表示させることで、手動運転で行われる行動予定76について、乗員の操作が必要なタイミングを乗員が認識し易くすることができる。
【0057】
また、ステップ104において、行動の実施予定場所が自車両の現在位置から距離L1以内に位置している行動予定の数が1よりも多い場合には、ステップ104からステップ120へ移行する。ステップ120において、表示制御ECU42は、行動の実施予定場所が自車両の現在位置から距離L1以内に位置している複数個の行動予定のうち、直近の行動予定が、自車両の現在位置から距離L2以上か否か判定する。
【0058】
ステップ120の判定が肯定された場合はステップ122へ移行する。ステップ122において、表示制御ECU42は、行動の実施予定場所が自車両の現在位置から距離L1以内に位置している複数個の行動予定が、全て自動運転によって行われる行動予定か否かを判定する。ステップ122の判定が肯定された場合にはステップ124へ移行する。
【0059】
ステップ124において、表示制御ECU42は、HUD56の行動予定表示領域にn個の行動予定を表示させ、ステップ100に戻る。なお、「n」はHUD56の行動予定表示領域に表示可能な行動予定の最大数であり、最大表示数nの一例はn=2である。なお、行動の実施予定場所が自車両の現在位置から距離L1以内に位置している行動予定の数がnよりも大きい場合は、直近のn個の行動予定を選択してHUD56に表示させる。
【0060】
また、ステップ122の判定が否定された場合はステップ126へ移行する。ステップ126において、表示制御ECU42は、HUD56の行動予定表示領域にn個の行動予定を表示させ、かつn個の行動予定の中に含まれている手動運転の行動予定を反転表示させ、ステップ100に戻る。これにより、n個の行動予定の中に含まれている手動運転の行動予定について、乗員の操作が必要なタイミングを乗員が認識し易くすることができる。
【0061】
また、ステップ120の判定が否定された場合はステップ128へ移行する。ステップ128において、表示制御ECU42は、行動の実施予定場所が自車両の現在位置から距離L1以内に位置している複数個の行動予定が、全て自動運転によって行われる行動予定か否かを判定する。ステップ128の判定が肯定された場合にはステップ130へ移行する。
【0062】
ステップ130において、表示制御ECU42は、HUD56の行動予定表示領域にn個の行動予定を表示させ、かつ直近の行動予定を拡大表示させ、ステップ100に戻る。これにより、拡大表示させた直近の行動予定における行動の実施予定場所が自車両の現在位置から距離L2未満に迫っていることを、乗員に認識させることができる。
【0063】
また、ステップ128の判定が否定された場合はステップ132へ移行する。ステップ132において、表示制御ECU42は、例として図10に示すように、HUD56の行動予定表示領域にn個の行動予定78を表示させ、直近の行動予定を拡大表示させ、かつn個の行動予定78の中に含まれている手動運転の行動予定を反転表示させる。これにより、n個の行動予定78の中に含まれている手動運転の行動予定について、乗員の操作が必要なタイミングを乗員が認識し易くすることができる。また、拡大表示させた直近の行動予定における行動の実施予定場所が自車両の現在位置から距離L2未満に迫っていることを、乗員に認識させることができる。
【0064】
また、表示制御ECU42は、自車両のイグニッションがオンの間、図11に示すMET表示制御処理も行う。このMET表示制御処理は、上述したHUD表示制御処理(図3)と比較して、行動予定をMET58に表示する点、最大表示数nに代えて最大表示数mを適用している点、距離L1に代えて距離L3を適用している点以外は同じである。このため、対応するステップに同一の符号を付して説明を省略する。なお、最大表示数mはm>nであり、一例はm=3である。また、距離L3はL3≧L1であり、一例はL3=20km、或いはL3=10kmである。距離L3は第1の所定値の一例である。
【0065】
一例として図2には、MET58に最大表示数m=3個の行動予定を表示している状態を行動予定80として示す。行動予定80においても、m個の行動予定の中に含まれている手動運転の行動予定(2番目の行動予定)を反転表示させている。すなわち、手動運転の行動予定に対しては、第2文字列(手動運転を示す「MANUAL」)の背景部の色彩を、第2文字列の色彩およびMET58の表示領域全体の背景色の色彩と相違させることで、第2の文字列を強調表示している。これにより、m個の行動予定の中に含まれている手動運転の行動予定について、乗員の操作が必要なタイミングを乗員が認識し易くすることができる。
【0066】
以上説明したように、本実施形態において、行動予定作成ECU60は自動運転と手動運転とを切り替え可能な自車両に要求される行動予定を作成する。また、HUD56およびMET58は自車両の室内に設けられている。そして、表示制御ECU42は、行動予定作成ECU60によって作成された行動予定をHUD56およびMET58に表示させると共に、手動運転で行われる行動予定の表示を、自動運転で行われる行動予定の表示と比べて強調させる。これにより、乗員の操作が必要なタイミングを乗員が認識し易くすることができる。
【0067】
また、本実施形態において、表示制御ECU42は、文字列を含む情報で行動予定をHUD56およびMET58に表示させる。また、表示制御ECU42は、手動運転で行われる行動予定の表示について、文字列の色彩と文字列の背景部の色彩とを反転させることで、自動運転で行われる行動予定の表示よりも強調させる。これにより、少ない配色で乗員に自動運転と手動運転とを明確に区別させて認識させることができる。また、光学的に画面のコントラストが確保しづらいHUD56でも、乗員の操作が必要なタイミングを乗員が認識し易くすることができる。
【0068】
また、本実施形態において、表示制御ECU42は、手動運転で行われる行動予定の表示について、文字列の背景部としての、文字列を枠で囲んだ内側の部分の色彩を、文字列の色彩およびHUD56またはMET58の表示領域のうち少なくとも文字列が表示される領域における背景の色彩と相違させることで、自動運転で行われる行動予定の表示よりも強調させる。これにより、手動運転で行われる行動予定の表示を、少ない配色で強調させることができる。
【0069】
また、本実施形態において、行動予定作成ECU60は行動予定を複数含む行動計画を作成し、表示部は第1表示部としてのMET58と第2表示部としてのHUD56とを含む。また表示制御ECU42は、前記行動計画のうち、行動を行う地点までの距離が距離L3以下の行動予定をMET58に表示させ、行動を行う地点までの距離が距離L3よりも小さい距離L1以下の行動予定をHUD56に表示させる。これにより、最も近い行動予定とそれ以降の行動予定をMET58とHUD56とに分けて表示することで、乗員が行動予定を認識し易くすることができる。また、第1表示部をMET58、第2表示部をHUD56とすることで、第1表示部および第2表示部を各々視認する乗員の視線移動量を小さくすることができる。
【0070】
また、本実施形態において、行動予定作成ECU60は行動予定を複数含む行動計画を作成する。また表示制御ECU42は、行動予定をHUD56またはMET58に複数表示させる場合に、行動を行う地点までの距離または行動を行うまでの時間が最も小さい行動予定を、他の行動予定よりも拡大して表示させる。これにより、最も重要な直近の行動予定を自動運転、手動運転に拘わらず乗員が認識し易くすることができる。
【0071】
なお、上記では、手動運転で行われる行動予定の表示について、第2文字列の色彩と第2文字列の背景部の色彩とを反転させることで、自動運転で行われる行動予定の表示よりも強調させる態様を説明した。しかし、手動運転で行われる行動予定の表示を、自動運転で行われる行動予定の表示よりも強調させることは、第2文字列の色彩と第2文字列の背景部の色彩とを反転させることに限られるものではない。
【0072】
例えば、手動運転で行われる行動予定の表示について、第2文字列および第2文字列の背景部の少なくとも一方の色彩(明度、色相および彩度の少なくとも1つ)を変更することで、自動運転で行われる行動予定の表示よりも強調させるようにしてもよい。一例として、図12は、第2文字列の背景部の色彩を赤色に変更した例を示している。この場合にも、乗員の操作が必要なタイミングを乗員が認識し易くすることができる。
【0073】
第2文字列および第2文字列の背景部の少なくとも一方の色彩を変更することは、HUD56に適用することも可能であるが、HUD56は配色が少なく光学的に画面のコントラストが確保しづらいので、MET58に適用することが好ましい。すなわち、表示制御ECU42は、文字列を含む情報で行動予定を表示部に表示させる。また、MET58に関しては、手動運転で行われる行動予定の表示について、第2文字列および第2文字列の背景部の少なくとも一方の色彩を変更することで、自動運転で行われる行動予定の表示よりも強調させる。また、HUD56に関しては、手動運転で行われる行動予定の表示について、第2文字列の色彩と第2文字列の背景部の色彩とを反転させることで、自動運転で行われる行動予定の表示よりも強調させる。この態様によれば、比較的色を変更し易いMET58と、配色の少ないHUD56と、の各々の特性に応じた強調表示を行うことができる。
【0074】
また、例えば、手動運転で行われる行動予定の表示について、第2文字列、或いは行動予定の行を枠線で囲むことで、自動運転で行われる行動予定の表示よりも強調させるようにしてもよい。また、例えば、手動運転で行われる行動予定を点滅表示させることで、自動運転で行われる行動予定の表示よりも強調させるようにしてもよい。
【0075】
また、上記では行動を行う地点までの距離が距離L3以下の行動予定をMET58に表示させ、行動を行う地点までの距離が距離L3よりも小さい距離L1以下の行動予定をHUD56に表示させる態様を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、行動を行うまでの時間が第1の所定値以下の行動予定をMET58に表示させ、行動を行うまでの時間が第1の所定値よりも小さい第2の所定値以下の行動予定をHUD56に表示させるようにしてもよい。
【0076】
また、上記では、乗員による手動運転が終了した場合に、特に表示を行わない態様を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、表示制御ECU42は、乗員が手動で行う行動予定の地点または乗員が手動で行う行動予定の時間を過ぎた場合、手動運転の終了を示す表示をHUD56およびMET58の少なくとも一方に表示させるようにしてもよい。手動運転の終了を示す表示の一例を図13に示す。これにより、手動運転の終了を明確に伝えることで、乗員が安心して操作から離れることができる。
【0077】
また、上記ではHUD56及びMET58の各々に対して行動予定の表示を行う態様を説明したが、これに限定されるものではなく、HUD56およびMET58の何れか一方にのみ行動予定の表示を行うようにしてもよい。また、表示部はHUD56、MET58に限定されるものではなく、例えば、車両のインストルメントパネルの中央部に設けられた中央モニタなどに行動予定を表示させるようにしてもよい。
【0078】
また、上記では、手動運転における運転操作の一部を自動運転ECU34が行い、残りの一部を自車両の乗員が実行する態様を例として挙げたが、これに限定されるものではない。例えば、手動運転モードにおいては、自車両の乗員が全ての運転操作を実施するようにしてもよい。
【0079】
また、上記では、HUD56、MET58の表示領域全体の背景色を低明度の色彩(例えば黒色)とした態様を説明したが、これに限定されるものではなく、別の色彩であってもよい。また、HUD56、MET58の表示領域全体を一定の背景色とすることに限られるものでもなく、HUD56、MET58の表示領域の背景色が部分的に相違していてもよい。この場合、第2文字列を枠で囲んだ内側の部分の色彩を、第2文字列の色彩およびHUD56、MET58の表示領域のうち少なくとも第2文字列が表示される領域における背景の色彩と相違させることが好ましい。これにより、手動運転で行われる行動予定の表示を、少ない配色で強調させることができる。
【0080】
また、上記では本開示に係る車両用表示制御プログラムの一例である表示制御プログラム54が表示制御ECU42の記憶部48に予め記憶(インストール)されている態様を説明した。しかし、本開示に係る車両用表示制御プログラムは、CD-ROM、DVD-ROM、メモリカード、HDD、SSD等の非一時的記録媒体に記録されている形態で提供することも可能である。
【符号の説明】
【0081】
10 車載システム
34 自動運転ECU
42 表示制御ECU
56 ヘッドアップディスプレイ(HUD)
58 メータディスプレイ(MET)
60 行動予定作成ECU
図1
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