(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】供給装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 3/48 20060101AFI20241008BHJP
B65H 1/04 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
B65H3/48 320A
B65H1/04 322
B65H3/48 320B
(21)【出願番号】P 2020153092
(22)【出願日】2020-09-11
【審査請求日】2023-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 祥一
(72)【発明者】
【氏名】長沼 輝樹
【審査官】増岡 亘
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-145287(JP,A)
【文献】特開2005-272019(JP,A)
【文献】特開2006-248673(JP,A)
【文献】特開2003-176051(JP,A)
【文献】特開2003-312874(JP,A)
【文献】特開2010-179988(JP,A)
【文献】特開2006-8380(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 3/48
B65H 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体が積載される積載部と、
前記積載部に積載された前記記録媒体を搬送する搬送部と、
前記積載部に設けられ、第一サイズの前記記録媒体における搬送方向と交差する方向の側端部に接触する接触部であって、前記側端部に空気を吹き付ける吹付部を有する前記接触部と、
前記第一サイズの記録媒体よりも小さい第二サイズの記録媒体が積載されるときに前記接触部に着脱可能に取り付けられ、前記第二サイズの記録媒体の側端部をガイドするガイド部と、
前記ガイド部に設けられ、前記積載部に積載された前記第二サイズの記録媒体の上側の側端部に前記吹付部からの空気を吹き付ける排出口を備えたダクトと、
を有
し、
前記ガイド部には、上下方向に移動可能に支持され、かつ前記積載部に積載された前記第二サイズの記録媒体の最上面の位置に応じて前記排出口の面積を変えるシャッタ部が設けられており、
前記シャッタ部は、前記積載部に積載された前記第二サイズの記録媒体の最上面に乗った爪を備え、前記第二サイズの記録媒体の最上面の位置により前記爪が移動し、前記シャッタ部が上下方向に移動する構成とされており、
前記シャッタ部には、前記積載部に積載された前記第二サイズの記録媒体の最上面の位置に応じて上方に移動したときに、前記排出口の上下方向下側を塞ぐことで前記排出口の面積を小さくする桟部が設けられている供給装置。
【請求項2】
前記ダクトは、前記排出口に向かって断面積が徐々に小さくなる形状とされている請求項1に記載の供給装置。
【請求項3】
前記ダクトは、上下方向の上部に前記排出口に向かって下り勾配となる上側傾斜部と、上下方向の下部に前記排出口に向かって上り勾配となる下側傾斜部と、を備える請求項2に記載の供給装置。
【請求項4】
前記接触部は、前記第一サイズの記録媒体が前記積載部に積載された状態で、前記第一サイズの記録媒体の上側の側端部に空気を吹き付ける他の吹付部を備え、
前記ガイド部は、前記接触部に取り付けられた状態で、前記他の吹付部を塞ぐ閉塞部を有する請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の供給装置。
【請求項5】
前記吹付部は、前記他の吹付部に対する前記記録媒体の搬送方向の下流側に配置されている請求項4に記載の供給装置。
【請求項6】
前記シャッタ部には、前記積載部に積載された前記第二サイズの記録媒体の最上面の位置に応じて下側に移動したときに、前記排出口の上下方向上側を塞ぐことで前記排出口の面積を小さくする枠体の上部材が設けられている請求項1
に記載の供給装置。
【請求項7】
前記搬送部は、前記積載部に積載された最上面の前記第二サイズの記録媒体を搬送する搬送ロールを備える請求項1から請求項
6までのいずれか1項に記載の供給装置。
【請求項8】
前記搬送部は、前記積載部に積載された最上面の前記第二サイズの記録媒体を上方から吸着する吸着部を備える請求項
7に記載の供給装置。
【請求項9】
請求項1から請求項
8までのいずれか1項の供給装置を備え、
前記供給装置から画像形成部に前記記録媒体が搬送される構成とされている画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、筐体と、用紙が積載される積載板を有すると共に前記筐体の内外にスライド自在に取り付けられた給紙トレイと、前記積載板に積載された用紙を、前記給紙トレイのスライド方向及び前記用紙の積載方向の双方と直交する方向に搬送する搬送手段と、前記積載板の搬送方向の上流側に着脱自在に取り付けられ、当該積載板を延長して長尺紙を搭載できるようにする延長板を有する長尺オプションと、を備えた給紙装置であって、前記長尺オプションを取り付けたときに前記給紙トレイをスライドできない第1ロック位置に保持でき、前記長尺オプションを取り外したときに前記給紙トレイをスライドできる第1ロック解除位置に保持できる第1ロック手段を備えた給紙装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、はがきのような小サイズの用紙を走行する場合、小サイズ用の補助ガイドをサイドガイドに取り付ける場合がある。その場合、複数の用紙の側端部の側から空気を吹き付けて用紙を分離する構成において、小サイズ用の補助ガイドを取り付けた状態では空気の排出口から用紙の側端部が遠くなる。このため、小サイズの用紙の狙った位置に所望の風量を吹きつけることができず、用紙の重送などの発生が懸念される。
【0005】
本開示は、第一サイズよりも小さい第二サイズの記録媒体を収容した場合に接触部に設けられた吹付口から空気を吹き付ける構成と比較して、第二サイズの記録媒体の重送が抑制される供給装置及び画像形成装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様に係る供給装置は、記録媒体が積載される積載部と、前記積載部に積載された前記記録媒体を搬送する搬送部と、前記積載部に設けられ、第一サイズの前記記録媒体における搬送方向と交差する方向の側端部に接触する接触部であって、前記側端部に空気を吹き付ける吹付部を有する前記接触部と、前記第一サイズの記録媒体よりも小さい第二サイズの記録媒体が積載されるときに前記接触部に着脱可能に取り付けられ、前記第二サイズの記録媒体の側端部をガイドするガイド部と、前記ガイド部に設けられ、前記積載部に積載された前記第二サイズの記録媒体の上側の側端部に前記吹付部からの空気を吹き付ける排出口を備えたダクトと、を有する。
【0007】
第2態様に係る供給装置は、第1態様に記載の供給装置において、前記ダクトは、前記排出口に向かって断面積が徐々に小さくなる形状とされている。
【0008】
第3態様に係る供給装置は、第2態様に記載の供給装置において、前記ダクトは、上下方向の上部に前記排出口に向かって下り勾配となる上側傾斜部と、上下方向の下部に前記排出口に向かって上り勾配となる下側傾斜部と、を備える。
【0009】
第4態様に係る給紙装置は、第1態様から第3態様までのいずれか1つの態様に記載の供給装置において、前記接触部は、前記第一サイズの記録媒体が前記積載部に積載された状態で、前記第一サイズの記録媒体の上側の側端部に空気を吹き付ける他の吹付部を備え、前記ガイド部は、前記接触部に取り付けられた状態で、前記他の吹付部を塞ぐ閉塞部を有する。
【0010】
第5態様に係る供給装置は、第4態様に記載の供給装置において、前記吹付部は、前記他の吹付部に対する前記記録媒体の搬送方向の下流側に配置されている。
【0011】
第6態様に係る供給装置は、第1態様から第5態様までのいずれか1つの態様に記載の供給装置において、前記ガイド部には、上下方向に移動可能に支持され、かつ前記積載部に積載された前記第二サイズの記録媒体の最上面の位置に応じて前記排出口の面積を変えるシャッタ部が設けられている。
【0012】
第7態様に係る供給装置は、第6態様に記載の供給装置において、前記シャッタ部は、前記積載部に積載された前記第二サイズの記録媒体の最上面に乗った爪を備え、前記第二サイズの記録媒体の最上面の位置により前記爪が移動し、前記シャッタ部が上下方向に移動する構成とされている。
【0013】
第8態様に係る供給装置は、第7態様に記載の供給装置において、前記シャッタ部には、前記積載部に積載された前記第二サイズの記録媒体の最上面の位置に応じて上方に移動したときに、前記排出口の上下方向下側を塞ぐ桟部が設けられている。
【0014】
第9態様に係る供給装置は、第1態様から第8態様までのいずれか1つの態様に記載の供給装置において、前記搬送部は、前記積載部に積載された最上面の前記第二サイズの記録媒体を搬送する搬送ロールを備える。
【0015】
第10態様に係る供給装置は、第9態様に記載の供給装置において、前記搬送部は、前記積載部に積載された最上面の前記第二サイズの記録媒体を上方から吸着する吸着部を備える。
【0016】
第11態様に係る画像形成装置は、第1態様から第10態様までのいずれか1つの態様に記載の供給装置を備え、前記給紙装置から画像形成部に前記記録媒体が搬送される構成とされている。
【発明の効果】
【0017】
第1態様に係る供給装置によれば、第一サイズよりも小さい第二サイズの記録媒体を収容した場合に接触部に設けられた吹付口から空気を吹き付ける構成と比較して、第二サイズの記録媒体の重送が抑制される。
【0018】
第2態様に係る供給装置によれば、ダクトの断面積が排出口に向かって一定の場合と比較して、排出口から吹き付けられる空気の風速を上げることができる。
【0019】
第3態様に係る供給装置によれば、ダクトの上下方向の一方のみに傾斜部を設ける場合と比較して、積載部に積載された第二サイズの記録媒体に空気が吹き付けられる上下方向の範囲が上下いずれか一方に偏って少なくなることが抑制される。
【0020】
第4態様に係る供給装置によれば、排出口と他の吹付部の2か所からダクトに空気が供給される場合と比較して、排出口から吹き付けられる空気の風量を強くすることができる。
【0021】
第5態様に係る供給装置によれば、吹付部が他の吹付部に対する記録媒体の搬送方向の上流側に配置されている構成と比較して、記録媒体の重送が抑制される。
【0022】
第6態様に係る供給装置によれば、排出口の面積が変わらない構成と比較して、第二サイズの記録媒体の最上面の位置に応じて排出口から吹き付けられる空気の範囲を調整することができる。
【0023】
第7態様に係る供給装置によれば、第二サイズの記録媒体の最上面の位置をセンサで検出してシャッタ部を移動させる構成と比較して、シャッタ部を移動させる構造が簡単である。
【0024】
第8態様に係る供給装置によれば、第二サイズの記録媒体の最上面が上方に移動したときに排出口の上下方向下側を塞がない構成と比較して、第二サイズの記録媒体の最上面の位置を下げることができる。
【0025】
第9態様に係る供給装置によれば、搬送ロールを設けた構成において、第二サイズの記録媒体を収容した場合に吹付部から空気を吹き付ける構成と比較して、第二サイズの記録媒体の重送が抑制される。
【0026】
第10態様に係る供給装置によれば、積載部に積載された最上面の第二サイズの記録媒体を吸着しない場合と比較して、第二サイズの記録媒体の重送が抑制される。
【0027】
第11態様に係る画像形成装置によれば、第一サイズよりも小さい第二サイズの記録媒体を収容した場合に接触部に設けられた吹付口から空気を吹き付ける構成と比較して、第二サイズの記録媒体の重送が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】第1実施形態に係る給紙装置を備えた画像形成装置を示す正面図である。
【
図2】第1実施形態に係る給紙装置を示す斜視図である。
【
図3】第1実施形態に係る給紙装置に用いられる開閉部材と回転部材を回転させて積載部上の積載空間を開放した状態を示す斜視図である。
【
図4】第1実施形態に係る給紙装置の積載部に第一サイズよりも小さい第二サイズの記録媒体を積載するときに、ガイド部を取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図5】第1実施形態に係る給紙装置の積載部において、ガイド部を取り外した状態で第一サイズの記録媒体と接触する接触部を示す斜視図である。
【
図6】第1実施形態に係る給紙装置の積載部において、接触部の吹付部に空気を供給するダクト及びブロアを示す斜視図である。
【
図7】第1実施形態に係る給紙装置に用いられるガイド部のダクト側を示す斜視図である。
【
図8】第1実施形態に係る給紙装置に用いられるガイド部の排出口側を示す斜視図である。
【
図9】第1実施形態に係る給紙装置に用いられるガイド部のダクトを示す、一部を切断した斜視図である。
【
図10】第1実施形態に係る給紙装置に用いられるガイド部の排出口に設けられたシャッタ部を示す斜視図である。
【
図11】第1実施形態に係る給紙装置に用いられるガイド部の排出口に設けられたシャッタ部が上側に移動した状態を示す、一部を切断した斜視図である。
【
図12】第1実施形態に係る給紙装置に用いられるガイド部の排出口に設けられたシャッタ部が下側に移動した状態を示す、一部を切断した斜視図である。
【
図13】第1実施形態に係る給紙装置において、積載部に積載された記録媒体を搬送する搬送部を示す断面図である。
【
図14】第2実施形態に係る給紙装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本開示の技術を実施するための形態について説明する。以下の説明では、図面において適宜示される矢印Xで示す方向を装置幅方向、矢印Yで示す方向を装置高さ方向とする。また、装置幅方向及び装置高さ方向のそれぞれに直交する方向(矢印Z方向)を装置奥行き方向とする。
【0030】
〔第1実施形態〕
<画像形成装置の構成>
図1には、第1実施形態に係る給紙装置10を備えた画像形成装置200の一例が正面図にて示されている。
【0031】
図1に示されるように、画像形成装置200は、記録媒体に画像を形成する画像形成部の一例としての画像形成装置本体202と、画像形成装置本体202に記録媒体を給紙する給紙装置10と、を備えている。給紙装置10は、供給装置の一例である。給紙装置10は、画像形成装置本体202の側部に隣接するように配置されている。図示を省略するが、画像形成装置本体202の内部には、記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、該画像形成手段に記録媒体を搬送する搬送手段と、を備えている。画像形成手段と搬送手段の構成及び配置は特に限定されない。給紙装置10は、オプションで画像形成装置本体202に取り付けられるものであり、市場において単独で取引き可能とされている。
【0032】
<給紙装置の構成>
(全体構成)
図2には、第1実施形態に係る給紙装置10が斜視図にて示されている。
図2に示されるように、給紙装置10は、装置本体としての本体部12と、本体部12の側部から本体部12の外側に向かって張り出すように取り付けられた収容装置14と、を備えている。給紙装置10の内部には、複数の記録媒体Pが積載される積載部16が設けられている(
図3参照)。収容装置14は、本体部12に着脱可能に装着される収容部材の一例である。収容装置14は、オプションにより給紙装置10に後付けされる構成とされている。
【0033】
図2及び
図3に示されるように、給紙装置10は、本体部12の上面に配置されると共に積載部16の上側を覆う位置に設けられた開閉部材20を備えている。開閉部材20は、本体部12における積載部16上の積載空間Sを開閉する。また、給紙装置10は、開閉部材20による積載空間Sの開放動作を補助するダンパ36を備えている(
図3参照)。さらに、給紙装置10は、少なくとも一部が開閉部材20の上に重なるように配置されると共に回転可能とされた回転部材22を備えている。回転部材22は、開閉部材20の上に重なるように配置された状態で、手差し用の記録媒体が配置可能とされている。収容装置14における本体部12の側部から張り出した部分には、積載部16上の積載空間Sを開閉する開閉カバー30が設けられている。
【0034】
給紙装置10は、積載空間Sの上部側に、積載部16に積載された複数の記録媒体Pのうち、最上面の記録媒体Pを搬送する搬送部80(
図13参照)を備えている。搬送部80により、積載部16に積載される記録媒体Pは、
図3に示されるように、装置幅方向に沿った搬送方向(矢印A方向)に一枚ずつ搬送される。記録媒体Pは、第一サイズの記録媒体の一例である。給紙装置10は、積載部16に積載された第一サイズの記録媒体Pにおける搬送方向と交差する方向の側端部に接触する接触部40を備えている(
図5参照)。
【0035】
さらに、給紙装置10は、
図4に示されるように、積載部16に第一サイズの記録媒体Pよりも小さい第二サイズの記録媒体P2が積載されるときに、接触部40に着脱可能に取り付けられるガイド部60を備えている。
【0036】
また、給紙装置10は、
図2及び
図3に示されるように、本体部12の奥行き方向(すなわち、Z方向)の前側の下部に、記録媒体Pとは別種の記録媒体(図示省略)が格納される引き出しトレイ26を備えている。引き出しトレイ26は、本体部12から引き出されることで、記録媒体Pとは別種の記録媒体(図示省略)が格納されるようになっている。
【0037】
(本体部12の構成)
図2及び
図3に示されるように、本体部12は、給紙装置10の筐体としての機能を有する。本体部12は、装置奥行き方向(すなわち、Z方向)の手前側に配置された前壁12Aと、装置奥行き方向の奥側に配置された後壁12Bと、を備えている。また、本体部12は、装置幅方向(すなわち、X方向)の一方側に配置された側壁12Cと、装置幅方向の他方側に配置された側壁(
図2中に図示されていない)と、を備えている。前壁12Aは、複数のパネルにより構成されている。引き出しトレイ26は、前壁12Aの上部側及び前壁12Aの装置幅方向の他方側を除いた範囲に設けられている。
【0038】
また、本体部12は、前壁12Aと後壁12Bと側壁12Cと他の側壁(
図2中に図示されていない)の上部に配置された上壁12Dを備えている。前壁12Aと後壁12Bの上端は上壁12Dに繋がっており、積載空間Sの一部が上壁12Dで覆われている。
【0039】
前壁12Aと後壁12Bは、記録媒体Pの搬送方向との交差方向、すなわち矢印Zに示す装置奥行き方向の両側から積載部16上の積載空間Sを挟む構成とされている。前壁12Aには、上壁12Dと反対側の部分の高さを、上壁12Dと連結される側の部分の高さよりも低くした切欠き部32が設けられている。
【0040】
(収容装置14の構成)
収容装置14は、複数の記録媒体Pを収容する機能を有する。
図2及び
図3に示されるように、収容装置14は、本体部12の側壁12Cの上方から本体部12の外側に向かって張り出している。収容装置14は、前壁12Aと後壁12Bとの間の位置と、側壁12Cの外側とに跨って配置されている。すなわち、収容装置14は、本体部12における前壁12Aと後壁12Bの間であって、側壁12Cの上側に着脱可能に装着されている。収容装置14は、本体部14Aと、本体部14Aの上側に設けられた開閉カバー30と、を備えている。
【0041】
収容装置14の内部には、複数の記録媒体Pが積載される積載部16が設けられている(
図3参照)。積載部16に積載される記録媒体Pは、一例として、A3サイズの記録媒体の長手方向の長さよりも長尺の記録媒体とされている。例えば、記録媒体Pの長手方向の長さは、900mm又は1200mmとされている。
【0042】
給紙装置10では、本体部12の内部の上壁12D側に配置された搬送部80(
図13参照)によって、積載部16に積載された記録媒体Pが1枚ずつ矢印A方向に搬送されるようになっている。積載部16は、前壁12Aと後壁12Bとの間から記録媒体Pの搬送方向(すなわち、矢印A方向)の上流側に張り出している。すなわち、給紙装置10では、前壁12Aと後壁12Bとの間における側壁12Cの上方は、記録媒体Pの搬送方向の上流側に向けて開放されており、この開放された部分に跨って積載部16が配置されている。
【0043】
開閉カバー30は、本体部14Aの装置奥行き方向(すなわち、Z方向)の奥側に設けられたヒンジ(図示省略)により、装置奥行き方向に沿って回転する構成とされている(
図3参照)。開閉カバー30を装置奥行き方向(Z方向)の手前側から奥側に向かって上方に回転することにより、積載部16上の積載空間Sの一部が開放されるようになっている。
【0044】
(開閉部材20及び回転部材22の構成)
開閉部材20は、積載部16に複数の記録媒体Pを配置するために、開閉カバー30と分担して積載部16上の積載空間Sを開放する機能を有する。
図2及び
図3に示されるように、開閉部材20は、前壁12Aと後壁12Bの上部間に設けられている。開閉部材20は、積載部16上の積載空間Sが閉止された状態で本体部12の上面に配置されている。開閉部材20は、記録媒体Pの搬送方向(すなわち、
図3に示す矢印A方向)の一端側に設けられた図示しないヒンジ周りに回転して積載部16上の積載空間S(
図3参照)を開閉する。
【0045】
回転部材22は、記録媒体Pとは異なる手差し用の記録媒体(図示省略)が配置される機能を有する。回転部材22は、記録媒体Pの搬送方向(すなわち、
図3に示す矢印A方向)の一端側に設けられた図示しないヒンジ周りに回転する。回転部材22は、開閉部材20による積載空間Sを開放する動作により、開閉部材20上に重なる姿勢から起立する姿勢に移行する構成とされている。
【0046】
(接触部40の構成)
図5に示されるように、接触部40は、積載部16に積載された第一サイズの記録媒体Pにおける搬送方向と交差する方向の側端部に接触し、第一サイズの記録媒体Pをガイドする機能を有する。接触部40は、上下方向に配置された縦壁部42を備えている。縦壁部42は、記録媒体Pの搬送方向(すなわち、
図3に示す矢印A方向)に沿って配置されている。また、接触部40は、縦壁部42の上部側に、第一サイズの記録媒体Pにおける搬送方向(矢印A方向)と交差する方向の側壁部に空気を吹き付ける第1吹付部44及び第2吹付部46を備えている。ここで、第1吹付部44は、吹付部の一例であり、第2吹付部46は、他の吹付部の一例である。さらに、接触部40は、積載部16に積載された記録媒体Pの最上面の位置を検出するセンサ48を備えている。センサ48は、例えば、記録媒体Pの搬送方向に沿って複数設けられている。
【0047】
第1吹付部44及び第2吹付部46は、上下方向の高さが同等とされている。第一サイズの記録媒体Pが積載部16に積載された状態で、第1吹付部44及び第2吹付部46は、積載された記録媒体Pの上部側に記録媒体Pの搬送方向に沿って配置されている。第1吹付部44は、第2吹付部46に対して記録媒体Pの搬送方向下流側に配置されている。第1吹付部44は、記録媒体Pの側端部に空気を吹き付ける吹付口44Aを備えている。第2吹付部46は、記録媒体Pの側端部に空気を吹き付ける吹付口46Aを備えている。
【0048】
図6には、接触部40の縦壁部42が取り外された状態が示されている。
図6に示されるように、吹付口44A、46Aには、ダクト50が接続されている。ダクト50は、空気の流れ方向の上流側に配置された1本の主流部50Aと、主流部50Aの空気の流れ方向の下流側で二つに分岐された分岐部50B、50Cと、を備えている。分岐部50B、50Cの下流側端部は、それぞれ吹付口44A、46Aに接続されている(
図5参照)。吹付口44A、46Aは、一例として、矩形状とされている。
【0049】
ダクト50の主流部50Aの上流側端部には、ダクト50に空気を供給するブロア52が設けられている。ブロア52によりダクト50に空気が供給されることで、第1吹付部44及び第2吹付部46から記録媒体Pの側端部に空気が吹き付けられる。本実施形態では、積載部16に積載された複数の記録媒体Pの上側の側壁部に、第1吹付部44及び第2吹付部46から空気が吹き付けられる。
【0050】
(ガイド部60の構成)
ガイド部60は、上記のように、積載部16に第二サイズの記録媒体P2が積載される際に、接触部40に着脱可能に取り付けられる。接触部40が積載部16における記録媒体P2の搬送方向に沿って複数(例えば、2つ)配置されている場合(
図3参照)は、ガイド部60の記録媒体P2の搬送方向下流側に配置された接触部40に取り付けられる。
図4に示されるように、ガイド部60は、積載部16に積載された第二サイズの記録媒体P2における搬送方向と交差する方向の側端部に接触し、第二サイズの記録媒体P2をガイドする機能を有する。図示を省略するが、ガイド部60は、第二サイズの記録媒体P2の幅方向の両側に設けられてもよいし、第二サイズの記録媒体P2の幅方向の一方側に設けられていてもよい。また、これらに代えて、ガイド部60は、第二サイズの記録媒体P2の幅方向の一方側に設けられると共に。第二サイズの記録媒体P2の幅方向の他方側に別のガイド部を設けてもよい。
【0051】
図4、
図7及び
図8に示されるように、ガイド部60は、上下方向に延びた縦壁部62と、縦壁部62の上部に設けられたダクト66と、を備えている。ダクト66は、記録媒体P2の搬送方向と交差する方向の側壁部に空気を吹き付ける排出口66Aを備えている。例えば、ガイド部60の下部は積載部16に接触され、ガイド部60の上部は接触部40に接触されている。この状態で、ガイド部60の上部が固定具78により接触部40の上部に固定されている。ガイド部60が接触部40に取り付けられた状態で、ダクト66は、第1吹付部44に接続される構成とされている(
図4参照)。さらに、ガイド部60は、接触部40に取り付けられた状態で第2吹付部46を塞ぐ閉塞部68を備えている(
図4参照)。
【0052】
ガイド部60が接触部40に取り付けられた状態で、縦壁部62は、第二サイズの記録媒体P2の搬送方向と交差する方向の側壁部に接触可能とされている。一例として、縦壁部62とダクト66とは別体で構成されている。縦壁部62の上部には開口64が形成されており、開口64にダクト66の排出口66Aが接続されている。一例として、開口64及び排出口66Aは、矩形状とされており、開口64の大きさよりも排出口66Aの大きさが小さい。
【0053】
図9に示されるように、ダクト66は、空気が流れる筒状部66Bを備えている。筒状部66Bの空気の流れ方向の下流側端部には、排出口66Aが設けられている。また、ダクト66は、筒状部66Bの空気の流れ方向の下流側端部で排出口66Aの周囲に延びた縦壁66Cを備えている。さらに、ダクト66は、筒状部66Bの空気の流れ方向の上流側端部で筒状部66Bの周囲に延びた縦壁66Dを備えている。
【0054】
開口64の大きさよりも排出口66Aの大きさが小さいため、ダクト66の排出口66Aが縦壁部62の開口64に接続された状態で、ダクト66の縦壁66Cが縦壁部62に接触している。また、ダクト66の筒状部66Bが接触部40の吹付口44Aに接続された状態で、ダクト66の縦壁66Dが接触部40の縦壁部42に接触している。
【0055】
ダクト66の筒状部66Bは、排出口66Aに向かって断面積が徐々に小さくなる形状とされている。ダクト66の筒状部66Bは、上下方向の上部に排出口66Aに向かって下り勾配となる上側傾斜部70Aと、上下方向の下部に排出口66Aに向かって上り勾配となる下側傾斜部70Bと、を備えている。一例として、上側傾斜部70Aは、平面状とされており、水平方向に対する傾斜角度は流れ方向で同等とされている。一例として、下側傾斜部70Bは、中間部で水平方向に対する傾斜角度が変化しており、空気の流れ方向下流側が空気の流れ方向上流側よりも水平方向に対する傾斜角度が大きくなるように構成されている。ダクト66の筒状部66Bの装置幅方向(すなわち、X方向)の幅は、公差の範囲内で一定とされている。
【0056】
図4に示されるように、閉塞部68は、縦壁部62から接触部40の縦壁部42の側に延長されており、縦壁部42に接触する平面部68Aを備えている。平面部68Aは、縦壁部42における第2吹付部46の吹付口46Aの周囲に接触することで、吹付口46Aを塞ぐ。閉塞部68における縦壁部42と接触する位置には、吹付口46Aからの空気漏れを抑制するために、弾性部材等からなるパッキンを設けてもよい。
【0057】
排出口66Aの外側には、上下方向に移動可能に支持されたシャッタ部74が設けられている(
図8及び
図9参照)。シャッタ部74は、縦壁部62と縦壁66Cとの間に配置されている(
図9参照)。
図10に示されるように、シャッタ部74は、縦壁66Cに沿ってスライド可能に配置された枠体74Aと、枠体74Aの幅方向両側に設けられたガイド74Bと、枠体74Aの上部からダクト66と反対側に突出する爪74Cと、を備えている。さらに、シャッタ部74は、枠体74Aに水平方向に沿って掛け渡された桟部74Dを備えている。
【0058】
枠体74Aは、内部が開口された矩形状の部材とされている。ガイド74Bは、枠体74Aの幅方向端部から、縦壁66Cの幅方向外側の端部に沿ってU字状に屈曲されている。すなわち、ガイド74Bは、枠体74Aに接触する縦壁66Cの表面側から縦壁66Cの背面側に回り込んでいる。枠体74Aの幅方向両側のガイド74B(
図10中の奥側のガイド74Bは図示されていない)は、左右対称とされている。2つのガイド74Bは、縦壁66Cの幅方向外側の端部を両側から挟んだ状態で、縦壁66Cに対して上下方向に摺動可能とされている。縦壁66Cにおける排出口66Aの下方側には、シャッタ部74の側に突出し、シャッタ部74の下側への移動を制限するストッパ76が設けられている(
図12参照)。
【0059】
爪74Cの下部は、枠体74Aから水平方向に突出している。爪74Cは、積載部16に積載された第二サイズの記録媒体P2の最上面に、上側から接触する位置に配置されている。爪74Cは、積載部16に積載された第二サイズの記録媒体P2の最上面に乗ることで、第二サイズの記録媒体P2の最上面の位置に応じて上下方向に移動可能とされている。これにより、シャッタ部74は、爪74Cの移動により、上下方向に移動する構成とされている。
【0060】
桟部74Dは、矩形状の枠体74Aの下部側に水平方向に沿って掛け渡されている。シャッタ部74は、桟部74Dを備えていることで、積載部16に積載された第二サイズの記録媒体P2の最上面の位置に応じて排出口66Aの面積を変える構成とされている。一例として、積載部16に積載された第二サイズの記録媒体P2の最上面の位置に応じてシャッタ部74が上方に移動したときに、桟部74Dは、排出口66Aの上下方向下側を塞ぐ。
【0061】
図11に示されるように、例えば、積載部16に積載された第二サイズの記録媒体P2の最上面の位置が上下方向上側にある場合は、記録媒体P2の最上面に乗った爪74Cの移動により、シャッタ部74が上下方向上側に移動する。この場合は、桟部74Dが排出口66Aの下側の一部を塞ぐことで、排出口66Aの面積が小さくなる。これにより、桟部74Dが対向する第二サイズの記録媒体P2の側壁部に空気が吹き付けられる量が減少し、第二サイズの記録媒体P2の間に空気が入り込みにくくなる。このため、第二サイズの記録媒体P2の最上面の位置が下側に移動しやすくなる。
【0062】
図12に示されるように、例えば、積載部16に積載された第二サイズの記録媒体P2の最上面の位置が上下方向下側にある場合は、記録媒体P2の最上面に乗った爪74Cの移動により、シャッタ部74が上下方向下側に移動する。この場合は、枠体74Aの上部が排出口66Aの上側の一部を塞ぐことで、排出口66Aの面積が小さくなる。これにより、排出口66Aから第二サイズの記録媒体P2の側壁部に吹き付けられる空気の風量が大きくなり、第二サイズの記録媒体P2の間に空気が入り込みやすくなる。このため、第二サイズの記録媒体P2の最上面の位置が上側に移動しやすくなる。
【0063】
(搬送部80の構成)
図13に示されるように、搬送部80は、積載部16に積載された最上面の第一サイズの記録媒体Pを上方から吸着する吸着部82と、積載部16に積載された最上面の第一サイズの記録媒体Pを搬送する搬送ロール84と、を備えている。
【0064】
吸着部82は、筐体82Aと、筐体82Aの下部に設けられ空気を吸引する複数の吸引口82Bと、を備えている。吸着部82は、図示しない吸引装置により吸引口82Bから空気を吸引することで、積載部16に積載された最上面の第一サイズの記録媒体Pを吸着する。
【0065】
搬送ロール84は、矢印方向に回転することにより、積載部16に積載された最上面の第一サイズの記録媒体Pを送り出す機能を有する。これにより、吸着部82に吸着された最上面の記録媒体Pが搬送ロール84によって矢印A方向に搬送される。
【0066】
図示を省略するが、搬送部80は、積載部16に第二サイズの記録媒体P2が積載された場合にも、積載部16に積載された最上面の第二サイズの記録媒体P2を搬送する機能を有する。積載部16に積載された最上面の第二サイズの記録媒体P2は、吸着部82により吸着される。さらに、吸着部82に吸着された最上面の第二サイズの記録媒体P2は、搬送ロール84によって矢印A方向に搬送される。
【0067】
<作用及び効果>
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0068】
給紙装置10では、第一サイズの記録媒体Pが積載部16に積載される場合は、第一サイズの記録媒体Pにおける搬送方向と交差する方向の側端部が接触部40の縦壁部42に接触することで、第一サイズの記録媒体Pの側端部がガイドされる。さらに、接触部40に設けられた第1吹付部44と第2吹付部46から記録媒体Pの側端部に空気が吹き付けられることで、複数の記録媒体Pの間に空気が吹き込まれる。これにより、最上面の記録媒体Pが分離され、最上面の記録媒体Pが搬送部80によって矢印A方向に搬送される。
【0069】
また、給紙装置10では、第一サイズの記録媒体Pよりも小さい第二サイズの記録媒体P2が積載部16に積載される場合は、接触部40に着脱可能にガイド部60が取り付けられている。これにより、第二サイズの記録媒体P2における搬送方向と交差する方向の側端部がガイド部60の縦壁部62に接触することで、第二サイズの記録媒体P2の側端部がガイドされる。
【0070】
ガイド部60には、空気を吹き付ける排出口66Aを備えたダクト66が設けられており、積載部16に積載された第二サイズの記録媒体P2の上側の側端部に、第1吹付部44からの空気が吹き付けられる。すなわち、第1吹付部44からの空気がダクト66の排出口66Aを介して第二サイズの記録媒体P2の側端部に吹き付けられることで、複数の記録媒体P2の間に空気が吹き込まれる。これにより、最上面の第二サイズの記録媒体P2が分離され、最上面の第二サイズの記録媒体P2が搬送部80によって矢印A方向に搬送される。
【0071】
上記の給紙装置10では、第一サイズよりも小さい第二サイズの記録媒体を収容した場合に接触部に設けられた吹付口から空気を吹き付ける構成と比較して、第二サイズの記録媒体P2の重送が抑制される。
【0072】
また、給紙装置10では、ダクト66の筒状部66Bは、排出口66Aに向かって断面積が徐々に小さくなる形状とされている。このため、給紙装置10では、ダクトの断面積が排出口に向かって一定の場合と比較して、排出口66Aから吹き付けられる空気の風速を上げることができる。排出口66Aから吹き付けられる空気の風速を上げることで、複数の第二サイズの記録媒体Pの間に空気が吹き込まれやすくなる。
【0073】
また、給紙装置10では、ダクト66の筒状部66Bは、上下方向の上部に排出口66Aに向かって下り勾配となる上側傾斜部70Aと、上下方向の下部に排出口66Aに向かって上り勾配となる下側傾斜部70Bと、を備えている。例えば、ダクトの筒状部の下部のみに下側傾斜部を設けた場合は、排出口の下側の面積が小さくなる可能性がある。また、例えば、ダクトの筒状部の上部のみに上側傾斜部を設けた場合は、排出口の上側の面積が小さくなる可能性がある。このため、給紙装置10では、ダクトの上下方向の一方のみに傾斜部を設ける場合と比較して、積載部16に積載された第二サイズの記録媒体P2に空気が吹き付けられる上下方向の範囲が上下いずれか一方に偏って少なくなることが抑制される。
【0074】
また、給紙装置10では、接触部40は、第一サイズの記録媒体Pが積載部16に積載された状態で、第一サイズの記録媒体Pの上側の側端部に空気を吹き付ける第2吹付部46を備えている。さらに、ガイド部60は、接触部40に取り付けられた状態で、第2吹付部46を塞ぐ閉塞部68を備えている。このため、給紙装置10では、排出口と他の吹付部の2か所からダクトに空気が供給される場合と比較して、排出口66Aから吹き付けられる空気の風量を強くすることができる。
【0075】
また、給紙装置10では、第1吹付部44は、第2吹付部46に対する記録媒体Pの搬送方向の下流側に配置されている。このため、給紙装置10では、吹付部が他の吹付部に対する記録媒体の搬送方向の上流側に配置されている構成と比較して、記録媒体Pの重送が抑制される。
【0076】
また、給紙装置10では、ガイド部60に上下方向に移動可能に支持されたシャッタ部74が設けられている。シャッタ部74は、上下方向に移動することで、積載部16に積載された第二サイズの記録媒体P2の最上面の位置に応じて排出口66Aの面積を変える。このため、給紙装置10では、排出口の面積が変わらない構成と比較して、第二サイズの記録媒体P2の最上面の位置に応じて排出口66Aから吹き付けられる空気の範囲を調整することができる。
【0077】
また、給紙装置10では、シャッタ部74は、積載部16に積載された第二サイズの記録媒体P2の最上面に乗った爪74Cを備えている。これにより、第二サイズの記録媒体P2の最上面の位置により爪74Cが移動し、シャッタ部74が上下方向に移動する。このため、給紙装置10では、第二サイズの記録媒体の最上面の位置をセンサで検出してシャッタ部を移動させる構成と比較して、シャッタ部74を移動させる構造が簡単である。
【0078】
また、給紙装置10では、シャッタ部74には、積載部16に積載された第二サイズの記録媒体P2の最上面の位置に応じて上方に移動したときに、排出口66Aの上下方向下側を塞ぐ桟部74Dが設けられている。これにより、桟部74Dが対向する第二サイズの記録媒体P2の側壁部に空気が吹き付けられる量が減少することで、第二サイズの記録媒体P2の間に空気が入り込みにくくなり、第二サイズの記録媒体P2の最上面の位置が下側に移動しやすくなる。このため、給紙装置10では、第二サイズの記録媒体の最上面が上方に移動したときに排出口の上下方向下側を塞がない構成と比較して、第二サイズの記録媒体P2の最上面の位置を下げることができる。
【0079】
また、給紙装置10では、搬送部80は、積載部16に積載された最上面の第二サイズの記録媒体P2を搬送する搬送ロール84を備えている。このため、給紙装置10では、搬送ロールを設けた構成において、第二サイズの記録媒体を収容した場合に吹付部から空気を吹き付ける構成と比較して、第二サイズの記録媒体P2の重送が抑制される。
【0080】
また、給紙装置10では、搬送部80は、積載部16に積載された最上面の第二サイズの記録媒体P2を上方から吸着する吸着部82を備えている。このため、給紙装置10では、積載部に積載された最上面の第二サイズの記録媒体を吸着しない場合と比較して、第二サイズの記録媒体P2の重送が抑制される。
【0081】
また、画像形成装置200では、給紙装置10を備えており、給紙装置10から画像形成部に第一サイズの記録媒体P又は第二サイズの記録媒体P2が搬送される構成とされている。このため、画像形成装置200では、第二サイズの記録媒体を収容した場合に接触部に設けられた吹付口から空気を吹き付ける構成と比較して、第二サイズの記録媒体P2の重送が抑制される。
【0082】
〔第2実施形態〕
次に、
図14を用いて、第2実施形態の給紙装置100について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0083】
図14に示されるように、給紙装置100は、第1実施形態の給紙装置10においてオプションである収容装置14を取り外した構成である。収容装置14を取り外した場合には、給紙装置100は、引き出しトレイ26の上方に配置された引き出しトレイ27のロック機構が解除され、引き出しトレイ27が引き出し可能となる。
【0084】
引き出しトレイ27の内部には、第一サイズの記録媒体P1が積載される積載部102が設けられている。また、積載部102には、第一サイズの記録媒体P1の搬送方向の上流側端部(すなわち、後端部)をガイドするエンドガイド104が設けられている。エンドガイド104は、上下方向の中間部にエンドガイド104の上側片104Aを記録媒体P1の搬送方向下流側に折り曲げ可能なヒンジ部106を備えている。図示を省略するが、給紙装置100にオプションである収容装置14が装着される場合は、エンドガイド104の上側片104Aが記録媒体P1の搬送方向下流側(すなわち、積載部102側)に折り曲げられる。
【0085】
第一サイズの記録媒体P1の搬送方向(矢印A方向)の長さは、例えば、A4サイズの短手方向の長さ以上で、A3サイズの長手方向の長さ以下である。また、第一サイズの記録媒体P1の搬送方向と直交する方向の長さは、例えば、A4サイズの短手方向の長さ以上で、A4サイズの長手方向の長さ以下である。
【0086】
給紙装置100では、第一サイズの記録媒体P1よりも小さい第二サイズの記録媒体P2が積載部102に積載される場合は、第1実施形態の給紙装置10と同様に、接触部40にガイド部60が着脱可能に取り付けられる。接触部40及びガイド部60の構成、給紙装置100の他の構成は、第1実施形態の給紙装置10と同様である。
【0087】
上記の給紙装置100では、第1実施形態の給紙装置10と同様の構成により、同様の作用及び効果を得ることができる。
【0088】
〔補足説明〕
上記第1及び第2実施形態では、接触部40は、第1吹付部44と第2吹付部46を備えていたが、本開示はこの構成に限定されるものではない。例えば、第1吹付部44及び第2吹付部46の少なくとも一方の数を増やしてもよい。また、第2吹付部46は、なくてもよい。
【0089】
上記第1及び第2実施形態において、ガイド部60の構成は、本発明の範囲を超えない範囲において、変更が可能である。例えば、ダクト66の筒状部66Bの形状は、変更可能であり、空気の流れ方向に沿って均等な断面積を有していてもよい。また、ガイド部60の接触部40への取付構造は変更可能である。また、閉塞部68は、ガイド部60と別部材としてもよい。また、閉塞部68は、なくでもよい。
【0090】
上記第1及び第2実施形態において、シャッタ部74の構成は、本発明の範囲を超えない範囲において、変更が可能である。例えば、桟部74Dの数を増やしてもよい。
【0091】
上記第1及び第2実施形態では、ガイド部60にシャッタ部74が設けられているが、本開示はこの構成に限定されず、シャッタ部を設けない構成でもよい。
【0092】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。
【符号の説明】
【0093】
10 給紙装置(供給装置の一例)
16 積載部
40 接触部
44 第1吹付部(吹付部の一例)
46 第2吹付部(他の吹付部の一例)
60 ガイド部
66 ダクト
66A 排出口
68 閉塞部
70A 上側傾斜部
70B 下側傾斜部
74 シャッタ部
74C 爪
74D 桟部
80 搬送部
82 吸着部
84 搬送ロール
100 給紙装置
102 積載部
200 画像形成装置
202 画像形成装置本体(画像形成部の一例)
P 第一サイズの記録媒体
P1 第一サイズの記録媒体
P2 第二サイズの記録媒体