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特許7567409情報処理装置、情報処理システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241008BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241008BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
G06F3/12 337
G06F3/12 304
G06F3/12 359
H04N1/00 127A
H04N1/00 127B
B41J29/38 203
B41J29/38 201
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020199492
(22)【出願日】2020-12-01
(65)【公開番号】P2022087517
(43)【公開日】2022-06-13
【審査請求日】2023-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 浜輝
【審査官】漆原 孝治
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-052439(JP,A)
【文献】特開2018-176599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
H04N 1/00
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面に投稿された複数のファイルのうち、自分以外の他のユーザが投稿したファイルの印刷指示を示す指示情報が入力された場合、前記指示情報に係る前記ファイルを印刷対象の候補として取得するプロセッサを備え
前記プロセッサは、前記印刷対象の候補から印刷対象を抽出するためのフィルタ条件の入力画面の表示先として、自分の端末装置又は印刷装置を選択可能とする、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記入力画面の表示先の選択画面を前記自分の端末装置に表示することで、前記入力画面の表示先を前記自分の端末装置又は前記印刷装置に選択可能とする、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記印刷対象の候補を自分の端末装置に一画面で表示可能な場合、前記印刷対象の候補から印刷対象を選択する選択画面を前記自分の端末装置に表示するように制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記印刷対象の候補を前記自分の端末装置に一画面で表示可能ではない場合、前記印刷対象の候補から印刷対象を抽出するためのフィルタ条件の入力画面の表示先として、自分の端末装置又は印刷装置を選択可能とする、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記入力画面の表示先として前記印刷装置が選択された場合、前記印刷対象の候補を、前記他のユーザごとに設けた格納領域に格納するように前記印刷装置を制御する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記印刷対象の候補のうち、印刷装置により印刷が完了した候補にその旨を示す情報を付加して前記表示画面に表示させる、
請求項1からのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記印刷対象の候補から印刷対象を抽出するためのフィルタ条件として前記印刷が完了した候補を前記印刷対象に含めないことが入力された場合、前記印刷が完了した候補を前記印刷対象から除外する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
第1のプロセッサを有する情報処理装置と、第2のプロセッサを有する印刷装置とを備え、
前記第1のプロセッサは、表示画面に投稿された複数のファイルのうち、自分以外の他のユーザが投稿したファイルの印刷指示を示す指示情報が入力された場合、前記指示情報に係る前記ファイルを印刷対象の候補として取得し、前記印刷対象の候補から印刷対象を抽出するためのフィルタ条件の入力画面の表示先として自分の端末装置が選択された場合、前記入力画面を前記自分の端末装置に表示するように制御し、
前記第2のプロセッサは、前記入力画面の表示先として印刷装置が選択された場合、前記印刷対象の候補を、前記他のユーザごとに設けた格納領域に格納するように制御する、
情報処理システム。
【請求項9】
コンピュータに、
表示画面に投稿された複数のファイルのうち、自分以外の他のユーザが投稿したファイルの印刷指示を示す指示情報が入力された場合、前記指示情報に係る前記ファイルを印刷対象の候補として取得させるためのプログラムであって、
前記印刷対象の候補から印刷対象を抽出するためのフィルタ条件の入力画面の表示先として、自分の端末装置又は印刷装置を選択可能とする、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、チャット画面に投稿されたファイルを印刷できるようにした印刷補助システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に記載された印刷補助システムは、端末装置からネットワークを介して投稿されたファイルを受信し、チャットシステムにアップロードするファイル投稿部と、チャットシステムにアップロードされたファイルのうち、端末装置からネットワークを介して選択されたファイルをチャットボット装置に転送するファイル転送部と、チャットボット装置に設けられ、画像形成装置がファイルを印刷する際の、印刷設定可能項目に対して設定されたパラメータに従って印刷ジョブを作成し、ネットワークを介して画像形成装置に印刷ジョブを送信するジョブ実行部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-207513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、個々にユーザを特定する場合と比較して、表示画面に投稿されたファイルのうち、自分以外の他のユーザが投稿したファイルを簡単に印刷することができる情報処理装置、情報処理システム及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]表示画面に投稿された複数のファイルのうち、自分以外の他のユーザが投稿したファイルの印刷指示を示す指示情報が入力された場合、前記指示情報に係る前記ファイルを印刷対象の候補として取得するプロセッサを備え
前記プロセッサは、前記印刷対象の候補から印刷対象を抽出するためのフィルタ条件の入力画面の表示先として、自分の端末装置又は印刷装置を選択可能とする、情報処理装置。
]前記プロセッサは、前記入力画面の表示先の選択画面を前記自分の端末装置に表示することで、前記入力画面の表示先を前記自分の端末装置又は前記印刷装置に選択可能とする、前記[]に記載の情報処理装置。
]前記プロセッサは、前記印刷対象の候補を自分の端末装置に一画面で表示可能な場合、前記印刷対象の候補から印刷対象を選択する選択画面を前記自分の端末装置に表示するように制御する、前記[1]に記載の情報処理装置。
]前記プロセッサは、前記印刷対象の候補を前記自分の端末装置に一画面で表示可能ではない場合、前記印刷対象の候補から印刷対象を抽出するためのフィルタ条件の入力画面の表示先として、自分の端末装置又は印刷装置を選択可能とする、前記[3]に記載の情報処理装置。
]前記プロセッサは、前記入力画面の表示先として前記印刷装置が選択された場合、前記印刷対象の候補を、前記他のユーザごとに設けた格納領域に格納するように前記印刷装置を制御する、前記[]に記載の情報処理装置。
]前記プロセッサは、前記印刷対象の候補のうち、印刷装置により印刷が完了した候補にその旨を示す情報を付加して前記表示画面に表示させる、前記[1]から[]のいずれか1つに記載の情報処理装置。
]前記プロセッサは、前記印刷対象の候補から印刷対象を抽出するためのフィルタ条件として前記印刷が完了した候補を前記印刷対象に含めないことが入力された場合、前記印刷が完了した候補を前記印刷対象から除外する、前記[]に記載の情報処理装置。
]第1のプロセッサを有する情報処理装置と、第2のプロセッサを有する印刷装置とを備え、
前記第1のプロセッサは、表示画面に投稿された複数のファイルのうち、自分以外の他のユーザが投稿したファイルの印刷指示を示す指示情報が入力された場合、前記指示情報に係る前記ファイルを印刷対象の候補として取得し、前記印刷対象の候補から印刷対象を抽出するためのフィルタ条件の入力画面の表示先として自分の端末装置が選択された場合、前記入力画面を前記自分の端末装置に表示するように制御し、
前記第2のプロセッサは、前記入力画面の表示先として印刷装置が選択された場合、前記印刷対象の候補を、前記他のユーザごとに設けた格納領域に格納するように制御する、
情報処理システム。
]コンピュータに、表示画面に投稿された複数のファイルのうち、自分以外の他のユーザが投稿したファイルの印刷指示を示す指示情報が入力された場合、前記指示情報に係る前記ファイルを印刷対象の候補として取得させるためのプログラムであって、
前記印刷対象の候補から印刷対象を抽出するためのフィルタ条件の入力画面の表示先として、自分の端末装置又は印刷装置を選択可能とする、プログラム。
【発明の効果】
【0007】
請求項1、に係る発明によれば、個々にユーザを特定する場合と比較して、表示画面に投稿されたファイルのうち、自分以外の他のユーザが投稿したファイルを簡単に印刷することができるとともに、ユーザの意思でフィルタ条件の入力画面の表示先を決めることができる。
請求項に係る発明によれば、自分の端末装置でフィルタ条件の入力画面の表示先を決めることができる。
請求項に係る発明によれば、フィルタ条件の入力画面の表示先として端末装置を優先させることができる。
請求項に係る発明によれば、印刷対象の候補を自分の端末装置に一画面で表示できない場合、ユーザの意思でフィルタ条件の入力画面の表示先を決めることができる。
請求項に係る発明によれば、ユーザごとにファイルを選択する手間を省くことができる。
請求項に係る発明によれば、表示画面に投稿したファイルのうち、どのファイルが印刷が完了したかを表示画面上で知ることができる。
請求項に係る発明によれば、同じファイルについて重複した印刷を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る情報処理システムの概略の構成例を示す図である。
図2図2は、ユーザ情報テーブルの一例を示す図である。
図3図3は、チャット管理情報テーブルの一例を示す図である。
図4図4は、チャット画面の一例を示す図である。
図5図5は、チャット情報テーブルの一例を示す図である。
図6図6は、ボットサーバの構成の一例を示すブロック図である。
図7図7は、印刷対象候補情報テーブルの一例を示す図である。
図8図8は、印刷装置の構成の一例を示すブロック図である。
図9図9は、端末装置の構成の一例を示すブロック図である。
図10図10は、印刷対象候補画面の一例を示す図である。
図11図11は、フィルタ条件入力画面の一例を示す図である。
図12図12は、表示先選択画面の一例を示す図である。
図13図13は、フィルタ条件入力画面を端末装置に表示する場合の情報処理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
図14図14は、フィルタ条件入力画面を印刷装置に表示する場合の情報処理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
図15図15は、ボットサーバの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図中、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
【0010】
[実施の形態の要約]
本実施の形態に係る情報処理装置は、表示画面に投稿された複数のファイルのうち、自分以外の他のユーザが投稿したファイルの印刷指示を示す指示情報が入力された場合、印刷情報に係るファイルを印刷対象の候補として取得するプロセッサを備える。
【0011】
表示画面は、複数のユーザの間でやり取りされるメッセージが、各ユーザが使用する端末装置に表示される画面であり、例えばチャットで表示されるチャット画面が該当する。なお、表示画面は、チャット画面に限られず、複数のユーザがメッセージをやり取り可能な表示画面であるならば、トーク画面、掲示板等の表示画面でもよい。
【0012】
ファイル形式は、Word(登録商標)等の文書ファイル形式、Excel(登録商標)等の表計算ファイル形式、PDF(Portable Document Format)等のイメージファイル形式等でもよい。ファイルは、ファイル名、ページ枚数、ページサイズ、ファイルの作成者又はユーザID等の属性情報を含んでもよい。
【0013】
指示情報は、例えば、次の情報が含まれる。
(a)表示画面に入力する情報
例えば、特定のコマンド(例えば、@ファイル印刷コマンド)、1つ又は複数のキーワード(例えば、他のユーザ+投稿+ファイル)、指示内容を示す文(例えば、自分以外のユーザが投稿したファイルを印刷)等が該当する。
(b)画面に表示された操作手段の操作
例えば、特定のコマンドが対応つけられた、操作ボタン、アイコン、スタンプのような図形等が該当する。ここで、「アイコン」とは、印刷情報に係るファイルを印刷対象の候補として取得するという処理機能を絵又は絵文字として表示したものや、記号、文字で表示したものも含む。「画面」には、表示画面や表示画面とは異なる画面(例えば、ポップアップ画面等)が含まれる。
【0014】
「指示情報が入力」には、表示画面に指示情報を投稿して指示情報を入力することや、操作手段を操作して指示情報を入力することが含まれる。
【0015】
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る情報処理システムの概略の構成例を示す図である。
【0016】
この情報処理システム1は、チャットサーバ2、ボットサーバ3、印刷装置4及び複数の端末装置5A、5B、・・・(これらを総称するときは、以下「端末装置5」ともいう。)を有する。チャットサーバ2、ボットサーバ3、印刷装置4及び複数の端末装置5は、ネットワーク6を介して互いに接続されている。ボットサーバ3は、情報処理装置の一例である。印刷装置4は、画像形成装置の一例である。
【0017】
なお、同図では、印刷装置4を1つ図示するが、複数でもよい。また、チャットサーバ2とボットサーバ3は、同一のサーバで構成されてもよい。
【0018】
チャットサーバ2は、端末装置5を操作するユーザにチャットの環境を提供する。チャットには、2人の間で行われる「1対1のチャット」やグループ内で行われる「グループチャット」等がある。本実施の形態は、グループチャットを例に挙げて説明するが、1対1のチャットでもよい。
【0019】
チャットサーバ2は、図1に示すように、ユーザ情報テーブル212(図2参照)、チャット管理情報テーブル213(図3参照)、チャット情報テーブル214(図5参照)等を保持している。ユーザ情報テーブル212は、グループを構成するメンバを示すものである。チャット管理情報テーブル213は、チャットルームに参加(参加中を含む。)したグループ及び参加者を示すものである。チャット情報テーブル214は、チャットの開催ごと(例えば、チャットを識別するチャットIDごと)に、チャットの内容を履歴情報として記録したものであり、チャット画面に時系列に表示されたメッセージ、チャット画面に添付されたファイル等を含む。なお、ファイルの投稿は、ファイルの貼り付け又は添付ともいう。
【0020】
ボットサーバ3は、チャットボット(Chatbot)としてチャットに参加し、ユーザとの間でメッセージのやり取りや、ユーザから要求があった場合には、チャット画面に投稿されたファイルの取得等を行う。チャットボットは、単に「ボット(BOT)」とも称され、人工知能を活用した自動会話プログラムである。
【0021】
チャットボットは、自分以外の他のユーザが投稿したファイルの印刷指示を示すファイル印刷コマンドが入力された場合、チャット画面に投稿されたファイルのうち、ファイル印刷コマンドを入力したユーザ以外の他のユーザが投稿したファイルを印刷対象の候補として取得する。ファイル印刷コマンドは、指示情報の一例である。
【0022】
印刷装置4は、例えば、スキャン機能、プリント機能、コピー機能、電子メール機能、ファクシミリ送受信機能等を有する複合機である。印刷装置4は、ボットサーバ3からファイルについて印刷指示があった場合、ファイルの印刷を実行し、ファイルの印刷を完了すると、完了した旨をボットサーバ3に通知する。なお、印刷装置4は、プリント機能のみを有するプリンタでもよい。
【0023】
端末装置5は、パーソナルコンピュータ(PC)等の情報処理端末である。なお、端末装置5は、ノート型パソコン、タブレット端末等の携帯型情報処理端末や、多機能携帯電話機(スマートフォン)等の移動通信端末でもよい。
【0024】
ネットワーク6は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット、インターネット等であり、有線でも無線でもよい。
【0025】
図2は、チャットサーバ2が保持するユーザ情報テーブル212の一例を示す図である。ユーザ情報テーブル212は、「グループID」、「メンバ」の各項目を有する。これらの項目からなるユーザ情報は、ユーザの登録時にチャットサーバ2により記録される。
【0026】
「グループID」には、グループを識別するG01、G02等のグループIDが記録される。「メンバ」には、グループに所属するメンバのUserA、UserB等のユーザIDが記録される。図2に示す場合は、グループIDがG01のグループにUserA、UserB、UserC、UserD、UserEのユーザA、ユーザB、ユーザC、ユーザD、ユーザEが所属し、グループIDがG02のグループにUserB、UserF、UserG、UserHのユーザB、ユーザF、ユーザG、ユーザHが所属している。また、図2は、ユーザBがグループIDがG01とG02の両方のグループに所属していることを示している。
【0027】
図3は、チャットサーバ2が保持するチャット管理情報テーブル213の一例を示す図である。チャット管理情報テーブル213は、「チャットID」、「ルームID」、「使用グループID」、「チャット参加者」等の複数の項目を有する。これらの項目からなるチャット管理情報は、チャットが開催されるごとにチャットサーバ2により記録される。なお、チャット管理情報テーブル213は、チャットの開催日、開催時刻及び終了時刻が記録される「チャット日時」の項目を有してもよい。
【0028】
「チャットID」には、チャットを識別するチャットIDが記録される。「ルームID」には、チャットルームを識別するルームIDが記録される。「使用グループID」には、対応するチャットルームを使用しているグループのグループIDが記録される。「チャット参加者」には、例えば、チャットに参加する際に入力されたユーザIDが記録される。「チャット参加者」には、途中からチャットルームに参加したユーザや途中からチャットルームから抜け出たユーザもユーザIDが記録される。
【0029】
図4は、チャットサーバ2が提供するチャット画面の一例を示す図である。同図に示すチャット画面20には、ユーザID「UserA」が「今から見積依頼書を送る」のメッセージ21aを入力し、ユーザID「UserB」が「了解」のメッセージ21bを入力し、ユーザID「UserA」がファイル22aを投稿し、ユーザID「UserA」が「昨日の注文書を送って」のメッセージ21cを入力し、ユーザID「UserB」がファイル22bを投稿し、ユーザID「UserA」が「誰か今月のシフト表を送って」のメッセージ21dを入力し、ユーザID「UserC」がファイル22cを投稿した状態が示されている。同図は、チャットIDがC001の場合を示す。
【0030】
チャット画面20に投稿されたメッセージ21a、21b、21c、21d(これらを総称するときは、以下「メッセージ21」ともいう。)、及びファイル名23a、23b、23c(これらを総称するときは、以下「ファイル名23」ともいう。)が付されたファイル22a、22b、22c(これらを総称するときは、以下「ファイル22」ともいう。)は、チャット画面20に時系列に表示されている。なお、ファイル22は、アイコンとしてチャット画面20に表示されている。また、同図中、符号24は、ファイル22bが印刷が完了したことを示す印刷済の表示である。印刷済24は、ファイルの印刷が完了した場合のその旨の情報の一例である。その旨の情報は、メッセージ21の色とは異なる色(例えば、赤色)の文字で表示してもよく、文字以外の記号、図形等で表示してもよい。
【0031】
図5は、チャットサーバ2が保持するチャット情報テーブル214の一例を示す図である。同図に示すチャット情報テーブル214は、図4に示すチャット画面20の内容に対応するものである。チャット情報テーブル214は、「日付」、「時間」、「ユーザID」、「メッセージ」、「ファイル」、「印刷済」等の複数の項目を有する。これらの項目からなるチャット情報は、チャットが開催されるごとにチャットサーバ2により記録される。同図は、チャットIDがC001の場合を示す。
【0032】
「日付」には、チャット画面20にメッセージ等が投稿された年月日が記録される。「時間」には、チャット画面20にメッセージ等が投稿された時刻が例えば、時、分、秒で記録される。「ユーザID」には、投稿したユーザのユーザIDが記録される。「メッセージ」には、投稿された内容がメッセージの場合に、メッセージが記録される。「ファイル」には、投稿された内容がファイルの場合に、ファイルの実体(ファイル名を含む。)が記録される。「印刷済」には、印刷装置4から印刷完了通知が送信された場合に、その旨を示す情報、例えば「〇」が記録される。なお、「ファイル」には、チャットサーバ2の記憶部や他のストレージに格納されたファイルへのパスを記録してもよい。
【0033】
(ボットサーバの構成)
図6は、ボットサーバ3の構成の一例を示すブロック図である。ボットサーバ3は、制御部30と、記憶部31と、キーボード、マウス等で実現される入力部32と、液晶ディスプレイ等で実現される表示部33と、ネットワーク6に接続された通信部34とを備える。なお、ボットサーバ3は、入力部32及び表示部33を備えていなくてもよい。
【0034】
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、インターフェース等から構成されている。制御部30のプロセッサは、記憶部31に記憶されたプログラム310を実行することにより、チャットボット300等として機能する。チャットボット300は、チャットに参加するとともに、印刷対象の候補の取得等を行う。チャットボット300の詳細については、後述する。制御部30のプロセッサは、第1のプロセッサの一例である。
【0035】
記憶部31は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク等から構成され、プログラム310、プリンタドライバ311、ユーザ情報テーブル312、チャット管理情報テーブル313、チャット情報テーブル314、印刷対象候補情報テーブル315(図7参照)等の各種の情報を記憶する。
【0036】
プリンタドライバ311には、印刷装置4にファイルを印刷させるためのプリンタドライバが含まれ、さらにファイルをPDF(Portable Document Format)やPS(Postscript:登録商標)等の形式に電子化する電子化ドライバが含まれてもよい。ユーザによりPDFドライバが選択された場合には、ファイルをPDF(Portable Document Format)形式のデータに変換する。ユーザによりPSドライバが選択された場合には、ファイルをPS(Postscript:登録商標)形式のデータに変換する。
【0037】
ユーザ情報テーブル312は、チャットボット300によりチャットサーバ2からユーザ情報を取得して記録される。ユーザ情報テーブル312は、図2に示すユーザ情報テーブル212と同様に、「グループID」、「メンバ」の各項目を有する。
【0038】
チャット管理情報テーブル313は、チャットボット300によりチャットサーバ2からチャット管理情報を取得して記録される。チャット管理情報テーブル313は、図3に示すチャット管理情報テーブル213と同様に、「チャットID」、「ルームID」、「使用グループID」、「チャット参加者」の各項目を有する。
【0039】
チャット情報テーブル314は、チャットボット300によりチャットサーバ2からチャット情報を取得して記録される。チャット情報テーブル314は、図5に示すチャット情報テーブル214と同様に、「日付」、「時間」、「メッセージ」、「ファイル」、「印刷済」の各項目を有する。
【0040】
通信部34は、ネットワーク6を介してチャットサーバ2、印刷装置4及び端末装置5と通信する。
【0041】
図7は、ボットサーバ3が記憶する印刷対象候補情報テーブル315の一例を示す図である。印刷対象候補情報テーブル315は、「日付」、「時間」、「ユーザID」、「ファイル」等の複数の項目を有する。これらの項目からなる印刷対象候補情報315aは、チャットボット300によりチャットIDごとにチャット情報テーブル314から抽出して記録される。同図に示す印刷対象候補情報テーブル315は、チャットIDがC001の場合を示す。なお、「ファイル」には、図5と同様に、ファイルの実体(ファイル名を含む。)が記録されるが、ボットサーバ3の記憶部31や他のストレージに格納されたファイルへのパスを記録してもよい。なお、同図において、符号315bは、自分(例えば、UserA)以外の他のユーザが投稿したファイルに関する印刷対象候補情報を示す。
【0042】
(印刷装置の構成)
図8は、印刷装置4の構成の一例を示すブロック図である。印刷装置4は、印刷装置4の各部を制御する制御部40を有し、この制御部40に、記憶部41、操作表示部42、画像読取部43、画像形成部44、ネットワーク6に接続された通信部45が接続されている。
【0043】
制御部40は、CPU等のプロセッサ、インターフェース等から構成されている。制御部40のプロセッサは、記憶部41に記憶されたプログラム410を実行することにより、親展ボックス411の作成、フィルタ条件入力画面の操作表示部42への表示等を行う。また、制御部40は、ファイルについて印刷が完了すると、印刷完了通知をボットサーバ3に送信する。制御部40のプロセッサは、第2のプロセッサの一例である。
【0044】
また、制御部40は、端末装置5から送信されたジョブ、又は操作表示部42を操作して指示されたジョブを受け付け、画像読取部43、画像形成部44、通信部45を制御してジョブを実行する。
【0045】
記憶部41は、ROM、RAM、ハードディスク等から構成され、プログラム410、親展ボックス411等の情報を記憶する。親展ボックス411は、記憶部41にユーザ(例えば、ユーザID)ごとに設けられ、画像読取部43で読み取られた画像データや外部装置(例えば、ボットサーバ3)から送信されたファイルを一時的に格納しておく領域をいう。親展ボックス411は、格納領域の一例である。
【0046】
操作表示部42は、情報の入力及び表示を行うものである。操作表示部42は、例えば、タッチパネルディスプレイであり、液晶ディスプレイ等のディスプレイにタッチパネルを重合配置した構成を有する。なお、操作表示部42の画面サイズは、端末装置5の表示部53の画面サイズよりも大きい画面サイズを想定しているが、これに限られない。
【0047】
画像読取部43は、原稿台上に設けられた自動給紙装置と、原稿台に配置された原稿、又は自動給紙装置により送られた原稿から原稿画像を光学的に読み取るスキャナとを備える。
【0048】
画像形成部44は、給紙カセットから給紙された用紙に、例えば、電子写真方式、インクジェット方式等により画像を形成することで印刷物を作成する。
【0049】
通信部45は、ネットワーク6を介してチャットサーバ2、ボットサーバ3及び端末装置5と通信する。
【0050】
(端末装置の構成)
図9は、端末装置5の構成の一例を示すブロック図である。端末装置5は、端末装置5の各部を制御する制御部50と、プログラム510、ファイル511等の各種の情報を記憶する記憶部51と、キーボード、マウス等で実現される入力部52と、液晶ディスプレイ等で実現される表示部53と、ネットワーク6に接続された通信部54とを備える。なお、端末装置5の表示部53の画面サイズは、印刷装置4の操作表示部42の画面サイズよりも小さい画面サイズを想定しているが、これに限られない。
【0051】
制御部50は、CPU等のプロセッサ、インターフェース等から構成されている。制御部50のプロセッサは、記憶部51に記憶されたプログラム510を実行することにより、チャットサーバ2が提供するWebページによるチャット画面20を表示部53に表示し、入力部52の操作により入力されたメッセージをチャット画面20に表示するように制御する。また、制御部50は、投稿するものとしてファイル511が選択された場合は、ファイル511をチャット画面20に添付するように制御する。
【0052】
記憶部51は、ROM、RAM、ハードディスク等から構成され、プログラム510、ファイル511等の各種の情報を記憶する。プログラム510には、チャットサーバ2が提供するWebページによるチャット画面20等の画面を閲覧するためのWebブラウザ等が含まれている。
【0053】
通信部54は、ネットワーク6を介してチャットサーバ2、ボットサーバ3及び印刷装置4と通信する。
【0054】
次に、チャットボット300の詳細について説明する。
【0055】
チャットボット300は、チャット画面20に時系列に投稿された複数のファイルのうち、自分以外の他のユーザが投稿したファイルの印刷指示を示すファイル印刷コマンド、例えば「@ファイル印刷コマンド」等が入力された場合、チャット画面20又はチャット情報テーブル214からファイル印刷コマンドに係るファイルを印刷対象の候補として取得する。
【0056】
チャット画面20に投稿されたファイルは、投稿した時を示す日付及び時間と、投稿したユーザID、投稿されたメッセージとともにチャット情報としてチャット情報テーブル214に記録されるため、チャットボット300は、チャットサーバ2からチャット情報を取得し、それを自己のチャット情報テーブル314に記録し、チャット情報テーブル314からファイル印刷コマンドに係るファイルを、日付、時間、ユーザIDとともに印刷対象候補情報315aとして取得し、それを印刷対象候補情報テーブル315に記録する。
【0057】
なお、ファイル印刷コマンドの他に、例えば「自分以外の他のユーザが投稿したファイルを印刷して」のような自分以外の他のユーザが投稿したファイルの印刷指示を示す文でもよく、ファイル印刷コマンドが対応つけられたスタンプのような図形でもよい。チャットボット300が有する人工知能を活用した自動会話機能により上記印刷指示を示す文を理解して、ファイル印刷コマンドが入力されたのと同様に、ファイル印刷コマンドに係るファイルを印刷対象の候補として取得することができる。
【0058】
また、チャットボット300は、ファイルについて印刷装置4から印刷完了通知を受信すると、ファイルを特定するための情報(例えば、ファイル名)とともに印刷済をチャット画面20に表示するようチャットサーバ2に指示をする。
【0059】
(情報処理システムの動作)
次に、情報処理システム1の動作の一例を、図10図15を参照して説明する。図13は、フィルタ条件入力画面を端末装置5に表示する場合の情報処理システム1の動作の一例を示すシーケンス図である。図14は、フィルタ条件入力画面を印刷装置4に表示する場合の情報処理システム1の動作の一例を示すシーケンス図である。図15は、ボットサーバ3の動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下の動作説明では、特に記述していない場合は、チャットボット300が実行するものとする。
【0060】
(1)フィルタ条件入力画面の表示先を決めるまでの動作
まず、フィルタ条件入力画面の表示先を決めるまでの動作の一例を、図13及び図14のシーケンス図を参照し、図15のフローチャートに従って説明する。
【0061】
ユーザは、端末装置5の入力部52を操作してユーザIDを入力し、チャットサーバ2が提供するチャットに参加する。
【0062】
ユーザは、端末装置5の入力部52を操作してメッセージ21を入力したり、記憶部51から投稿するファイル511を選択し、ファイル22としてチャット画面20に投稿する。チャットサーバ2は、投稿されたメッセージ21及びファイル22を、チャット画面20に表示するとともに、投稿した日付、時間、ユーザIDを含むチャット情報としてチャット情報テーブル214に記録する。
【0063】
ユーザ(例えば、ユーザA)が自分以外の他のユーザ(例えば、ユーザB、C、D)が投稿したファイルの印刷を指示するファイル印刷コマンド、例えば「@ファイル印刷コマンド」をチャット画面20に入力する。
【0064】
チャットボット300は、ファイル印刷コマンドの入力を受け付けると(S1)、チャットサーバ2からチャット情報を取得して記憶部31が記憶するチャット情報テーブル314に記録し、チャット情報テーブル314から印刷対象候補情報315aを取得し(S2)、印刷対象候補情報315a、315bを印刷対象候補情報テーブル315に記録する。
【0065】
印刷対象候補情報315aには、ファイル印刷コマンドを入力したユーザ(ここではユーザA)を含む全てユーザ(ここではユーザA、B、C、D)が投稿したファイルに関する情報が含まれている。印刷対象候補情報315bには、ファイル印刷コマンドを入力したユーザ(ここではユーザA)を除く他のユーザ(ここではユーザA、B、C、D)が投稿したファイルに関する情報が含まれている。ユーザがファイル印刷コマンド等の指示情報をチャット画面20に入力するだけで、指示情報を入力したユーザ以外のユーザが投稿したファイルを印刷対象の候補として取得することができる。印刷対象の候補のうち、印刷対象を選択(全部の選択又は一部の選択を含む。)することで、印刷対象を印刷することができる。したがって、個々にユーザを特定する場合と比較して、自分以外の他のユーザが投稿したファイルを簡単に印刷することができる。
【0066】
チャットボット300は、ファイル印刷コマンドを入力したユーザ(ここではユーザA)を除く印刷対象候補情報315bを端末装置5の表示部53の一画面に表示できるか否かを判断する(S3)。一画面に表示できるか否かの判断手段として、例えば、画面をスクロールせずに印刷対象候補情報315bを表示部53に表示できるか否かを判断してもよい。端末装置5の表示部53の画面サイズは、チャットボット300が端末装置5にアクセスして取得してもよい。なお、上記ステップS3の代わりに、端末装置5の表示部53に印刷対象候補画面を表示するか否かの確認画面を表示してユーザに選択させてもよい。
【0067】
(2)フィルタ条件入力画面の表示先が端末装置の場合の動作
フィルタ条件入力画面の表示先が端末装置5の場合の動作の一例を、図13のシーケンス図を参照し、図15のフローチャートに従って説明する。
【0068】
端末装置5の表示部53の一画面に表示できると判断した場合(S3:Yes)、チャットボット300は、Webページによる印刷対象候補画面の情報を、ファイル印刷コマンドを入力したユーザ(ここではユーザA)の端末装置5Aに送信する。端末装置5Aの制御部50は、印刷対象候補画面を表示部53に表示する(S4)。
【0069】
図10は、印刷対象候補画面の一例を示す図である。印刷対象候補画面100は、「印刷するファイルにチェックを入れて選択して下さい。」のメッセージ101と、ファイル一覧表102と、「フィルタ条件で印刷するファイルを選択する。」の項目103を選択するためのチェックボックス103aと、選択した内容を確定させるための「OK」ボタン104と、選択した内容を取り消すための「キャンセル」ボタン105とを有している。
【0070】
ファイル一覧表102は、「チェック欄」、「日付」、「時間」、「ユーザID」「ファイル」の項目を有している。「チェック欄」には、ファイル一覧表102に表示されているファイルの全てを選択するためのチェックボックス102aと、対応する行のファイルを選択するためのチェックボックス102bとが設けられている。「日付」、「時間」、「ユーザID」、「ファイル」の各項目は、図7で説明した印刷対象候補情報テーブル315と同じ意味である。ファイル一覧表102には、図7に示す印刷対象候補情報315aのうち、ユーザAを除く他のユーザB、C、Dが投稿したファイルに関する印刷対象候補情報315bが表示されている。
【0071】
「フィルタ条件で印刷するファイルを選択する。」の項目103が選択されたか否かを判断する(S5)。
【0072】
「フィルタ条件で印刷するファイルを選択する。」の項目103が選択されず(S5:No)、チェックボックス102a、102bにチェックが入れられ、「OK」ボタン104が操作された場合、チャットボット300は、チェックが入れられたファイルを印刷対象候補情報テーブル315から抽出する(S7)。
【0073】
チャットボット300は、抽出したファイルを印刷装置4に送信して印刷指示を行う(S8)。印刷装置4は、送信されたファイルの印刷を実行し、印刷が完了すると、印刷が完了したファイルのファイル名とともに印刷完了通知をボットサーバ3に送信する。なお、ファイル名の代わりにファイルIDでもよい。
【0074】
チャットボット300は、印刷装置4から印刷完了通知が送信されると(S9:Yes)、印刷が完了したファイルのファイル名について印刷が完了した旨の情報を表示するようにチャットサーバ2に指示をする(S10)。チャットサーバ2は、チャットボット300から、例えば、ファイル名「mmm注文書.docx」、「yyy納品書.pdf」について印刷が完了した旨の情報を表示するように指示があると、図5に示すように、チャット情報テーブル214の「印刷済」の項目に印刷完了を示す「〇」を記録するとともに、チャット画面20上に表示されたファイル22bに印刷済24を表示する。上記ステップS9では、チャットボット300は、対応するファイルについて印刷完了通知が送信されるまで待機している。
【0075】
上記ステップS5において、「フィルタ条件で印刷するファイルを選択する。」の項目103が選択された場合(S5:Yes)、チャットボット300は、Webページによるフィルタ条件入力画面の情報を、ファイル印刷コマンドを入力したユーザ(ここではユーザA)の端末装置5Aに送信する。端末装置5Aの制御部50は、フィルタ条件入力画面を表示部53に表示する(S6)。
【0076】
図11は、フィルタ条件入力画面の一例を示す図である。フィルタ条件入力画面110は、「フィルタ条件の項目を選択して下さい。複数の選択が可能です。」のメッセージ111と、複数の項目112a~112eと、これらの項目112a~112eを選択するためのチェックボックス113と、選択した内容を確定させるための「OK」ボタン114と、選択した内容を取り消すための「キャンセル」ボタン115とを有している。
【0077】
フィルタ条件の複数の項目は、例えば、「ユーザの一覧」の項目112a、「投稿開始時間と投稿終了時間」の項目112b、「ファイル形式」の項目112c、「ファイル名に含まれるキーワード」の項目112d、及び「印刷済を除く」の項目112eである。
【0078】
なお、これらの項目112a~112eを、例えば、大項目(例えば、人的項目、時間的項目、内容的項目)と、大項目に含まれる小項目とに分けてもよいし、大項目と、大項目に含まれる中項目と、中項目に含まれる小項目とに分けてもよい。
【0079】
大項目と小項目とに分けた例としては、次の場合がある。
・人的項目(これに含まれる小項目として、「ユーザの一覧」の項目112a)
・時間的項目(これに含まれる小項目として、「投稿開始時間と投稿終了時間」の項目112b)
・内容的項目(これに含まれる小項目として、「ファイル形式」の項目112c、「ファイル名に含まれるキーワード」の項目112d、「印刷済を除く」の項目112e)
【0080】
「印刷済を除く」の項目112e以外の複数の項目112a~112dのいずれかが選択され、「OK」ボタン114が操作されると、チャットボット300は、それに対応する画面を端末装置5Aの表示部53に表示するように制御する。
【0081】
具体的には、「ユーザの一覧」の項目112aが選択された場合、図10に示すファイル一覧表102の「ユーザID」に記録されたユーザID及びユーザIDを選択するためのチェックボックスを含むユーザ選択画面を表示部53に表示する。ユーザがユーザ選択画面のユーザIDに対応するチェックボックスにチェックを入れることにより、印刷対象を絞ることができる。
【0082】
「投稿開始時間と投稿終了時間」の項目112bが選択された場合、投稿開始時間の入力欄と、投稿終了時間の入力欄とを含む時間入力画面を表示部53に表示する。「投稿開始時間」とは、同一のチャット、すなわち同一のチャットIDにおいて、投稿を開始した日時をいう。「投稿終了時間」とは、同一のチャット、すなわちチャットIDにおいて、投稿を終了した日時をいう。ユーザが時間入力画面の投稿開始時間の入力欄に投稿を開始した日時を入力し、投稿終了時間の入力欄に投稿を終了した日時を入力することにより、入力された投稿開始時間と投稿終了時間との間に投稿されたファイルに印刷対象を絞ることができる。なお、投稿開始時間と投稿終了時間で投稿日が異なっていてもよい。
【0083】
「ファイル形式」の項目112cが選択された場合、複数のファイル形式及びファイル形式を選択するためのチェックボックスを含むファイル形式選択画面を表示部53に表示する。ユーザがファイル形式選択画面のファイル形式に対応するチェックボックスにチェックを入れることにより、ファイル形式によって印刷対象を絞ることができる。
【0084】
「ファイル名に含まれるキーワード」の項目112dが選択された場合、キーワードの入力欄を含むキーワード入力画面を表示部53に表示する。ユーザがキーワード入力画面のキーワードの入力欄にキーワードを入力することにより、キーワードによって印刷対象を絞ることができる。
【0085】
「印刷済を除く」の項目112eが選択された場合、印刷済以外のファイルに印刷対象を絞ることができる。
【0086】
上記項目112a~112eのうち、2つ以上の項目112a~112eを組み合わせてもよい。例えば、「ユーザの一覧」の項目112aと「ファイル名に含まれるキーワード」の項目112dを選択した場合、特定のユーザが投稿したファイルであって、ファイル名が特定の種類(例えば、請求書)のファイルを印刷対象にすることができる。
【0087】
上記ステップS6で表示されたフィルタ条件入力画面110に対して項目112a~112eのいずれかが選択され、フィルタ条件が入力された場合、チャットボット300は、フィルタ条件に従ってファイルを印刷対象候補情報テーブル315から抽出する(S7)。
【0088】
例えば、フィルタ条件が「ユーザの一覧」の項目112aの場合、ユーザ選択画面で選択された投稿者のユーザIDに対応するファイルを印刷対象候補情報テーブル315から抽出する。フィルタ条件が「投稿開始時間と投稿終了時間」の項目112bの場合、時間入力画面で入力された投稿開始時間と投稿開始時間との間に投稿されたファイルを印刷対象候補情報テーブル315から抽出する。フィルタ条件が「ファイル形式」の項目112cの場合、ファイル形式選択画面で選択されたファイル形式のファイルを印刷対象候補情報テーブル315から抽出する。フィルタ条件が「ファイル名に含まれるキーワード」の項目112dの場合、キーワード入力画面で入力されたキーワードを含むファイル名のファイルを印刷対象候補情報テーブル315から抽出する。フィルタ条件が「印刷済を除く」の項目112eの場合、印刷済を除くファイルを印刷対象候補情報テーブル315から抽出する。
【0089】
上記ステップS4で表示された印刷対象候補画面100に対してファイルが選択された場合、選択されたファイルを印刷対象候補情報テーブル315から抽出する(S7)。以降は前述したように、ファイルの印刷指示(S8)、印刷完了通知の受信の確認(S9)、印刷済表示の指示(S10)が実行される。
【0090】
上記ステップS3において、端末装置5の表示部53の一画面に表示できると判断できなかった場合(S3:No)、端末装置5に表示先選択画面の情報を送信する。端末装置5の制御部50は、表示先選択画面を表示部53に表示する(S11)。
【0091】
図12は、表示先選択画面の一例を示す図である。表示先選択画面120は、「フィルタ条件入力画面の表示先を選択して下さい。」のメッセージ121と、「自分の端末装置」の表示先122aと、「印刷装置」の表示先122bと、表示先122a、122bを選択するためのチェックボックス123と、選択した内容を確定させるための「OK」ボタン124と、選択した内容を取り消すための「キャンセル」ボタン125とを有している。
【0092】
フィルタ条件入力画面の表示先として、「自分の端末装置」の表示先122aが選択され、「OK」ボタン124が操作された場合(S12:Yes)、前述したように端末装置5にフィルタ条件入力画面を表示する(S6)。以降は前述したように、ファイルの抽出(S7)、ファイルの印刷指示(S8)、印刷完了通知の受信の確認(S9)、印刷済表示の指示(S10)が実行される。
【0093】
(3)フィルタ条件入力画面の表示先が印刷装置の場合の動作
フィルタ条件入力画面の表示先が印刷装置4の場合の動作の一例を、図14のシーケンス図を参照し、図15のフローチャートに従って説明する。
【0094】
上記ステップS12において、「印刷装置」の表示先122bが選択され、「OK」ボタン124が操作された場合(S12:No)、ユーザA以外のユーザが投稿したファイルを印刷装置4の親展ボックス411に送信する(S13)。このとき、チャットボット300は、ユーザIDごとにファイルを印刷装置4に送信する。
【0095】
印刷装置4は、チャットボット300から送信されたファイルをユーザIDに対応する親展ボックス411に格納する。ユーザIDに対応する親展ボックス411が存在しなければ、親展ボックス411を作成してファイルを格納する。
【0096】
印刷装置4は、図11に示したフィルタ条件入力画面を操作表示部42に表示し、フィルタ条件の入力を受け付ける。入力されたフィルタ条件に従ってファイルを抽出し、抽出したファイルの印刷処理を実行する。印刷処理が完了すると、印刷完了通知をボットサーバ3に送信する。
【0097】
(変形例1)
チャットボット300は、印刷対象の候補を印刷装置4に送信する際に、送信した印刷対象の候補を印刷対象候補情報315a、315bから削除するか否かの選択画面を自分の端末装置4に表示してもよい。これによれば、選択画面を表示しない場合と比較して、同じファイルについて重複した印刷の回避が可能になる。
【0098】
(変形例2)
チャットボット300は、図11のフィルタ条件入力画面110で「印刷済を除く」の項目112eが選択された場合、印刷対象候補情報315a、315bからファイルを削除するタイミング(例えば、ファイルを印刷装置に転送時、印刷完了時、印刷完了後に印刷装置でファイルが削除された時等)を選択可能してもよい。これによれば、ユーザの都合に応じて印刷対象の候補を削除するタイミングを選択することができる。
【0099】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施の形態は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形、実施が可能である。
【0100】
プロセッサの各手段は、それぞれ一部又は全部を再構成可能回路(FPGA:Field Programmable Gate Array)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)等のハードウエア回路によって構成してもよい。
【0101】
上記実施の形態において、プロセッサは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC、FPGA、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0102】
また、上記実施の形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0103】
また、上記実施の形態の構成要素の一部を省くことや変更してもよい。また、上記実施の形態のフローにおいて、ステップの追加、削除、変更、入替え等を行ってもよい。また、上記実施の形態で用いたプログラムをCD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供することができ、クラウドサーバ等の外部サーバに格納しておき、ネットワークを介して利用することもできる。
【符号の説明】
【0104】
1…情報処理システム、2…チャットサーバ、3…ボットサーバ、4…印刷装置、
5、5A、5B…端末装置、6…ネットワーク、20…チャット画面、
21、21a~21d…メッセージ、22、22a~22c…ファイル、
23、23a~23c…ファイル名、24…印刷済、30…制御部、
31…記憶部、32…入力部、33…表示部、34…通信部、40…制御部、
41…記憶部、42…操作表示部、43…画像読取部、44…画像形成部、
45…通信部、50…制御部、51…記憶部、52…入力部、53…表示部、
54…通信部、100…印刷対象候補画面、101…メッセージ、
102…ファイル一覧表、102a、102b…チェックボックス、
103…項目、103a…チェックボックス、104…「OK」ボタン、
105…「キャンセル」ボタン、110…フィルタ条件入力画面、
111…メッセージ、112a~112e…項目、113…チェックボックス、
114…「OK」ボタン、115…「キャンセル」ボタン、
120…表示先選択画面、121…メッセージ、122a、122b…表示先、
123…チェックボックス、124…「OK」ボタン、
125…「キャンセル」ボタン、212…ユーザ情報テーブル、
213…チャット管理情報テーブル、214…チャット情報テーブル、
300…チャットボット、310…プログラム、311…プリンタドライバ、
312…ユーザ情報テーブル、313…チャット管理情報テーブル、
314…チャット情報テーブル、315…印刷対象候補情報テーブル、
315a、315b…印刷対象候補情報、410…プログラム、
411…親展ボックス、510…プログラム、511…ファイル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15