(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】トナー搬送装置、クリーニング装置、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20241008BHJP
G03G 15/08 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
G03G21/00 310
G03G15/08 366
(21)【出願番号】P 2020211465
(22)【出願日】2020-12-21
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】辻 浩文
【審査官】中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-172484(JP,A)
【文献】特開2019-203956(JP,A)
【文献】特開2010-054789(JP,A)
【文献】特開2008-158170(JP,A)
【文献】特開2008-134478(JP,A)
【文献】特開2007-249123(JP,A)
【文献】特開2004-029813(JP,A)
【文献】特開2017-187637(JP,A)
【文献】特開2000-181315(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送対象のトナーを内部に収容可能な筐体と、
両端部が前記筐体に回転可能に支持され、回転軸方向に延びる螺旋羽根を有し、回転することにより前記筐体内のトナーを予め定められた搬送方向へ搬送する搬送部材と、
前記搬送部材の前記回転軸方向に交差する第1方向から前記搬送部材の外周部に押圧され、前記搬送部材の回転に伴い前記外周部に摺動する押圧部材と、を備え、
前記押圧部材は、
可撓性を有するシート部材により形成され、
前記筐体の内部に定められた固定位置に固定されるベース部と、
前記搬送部材の前記外周部に当接可能なように前記ベース部から前記搬送部材へ向けて突出し、前記回転軸方向に並設された複数の突出片と、を有し、
前記複数の突出片の配置間隔は、前記回転軸方向における前記螺旋羽根の間隔とは異
なり、
前記押圧部材は、
前記第1方向から前記外周部に当接して前記搬送部材を押圧する第1シート部材と、
前記回転軸方向に交差する方向であって、前記第1方向とは異なる第2方向から前記外周部に当接して前記搬送部材を押圧する第2シート部材と、を有し、
前記第1シート部材及び前記第2シート部材それぞれは、前記ベース部と、前記複数の突出片とを有し、
前記押圧部材は、前記第1シート部材及び前記第2シート部材を含む1枚のシート部材を前記第1シート部材と前記第2シート部材との境界線で折り曲げることにより構成されている、トナー搬送装置。
【請求項2】
前記突出片の幅は、前記螺旋羽根において前記回転軸方向に隣接する羽根部間の離間長さよりも短い、請求項1に記載のトナー搬送装置。
【請求項3】
前記複数の突出片は、前記回転軸方向に等間隔に並設されている、請求項1又は2に記載のトナー搬送装置。
【請求項4】
前記第1シート部材の前記突出片と前記第2シート部材の前記突出片は、前記回転軸方向にずらして配置されている、請求項
1から3のいずれかに記載のトナー搬送装置。
【請求項5】
前記第1シート部材及び前記第2シート部材は、前記第1シート部材の前記突出片及び前記第2シート部材の前記突出片が互いに離反する方向へ撓まされたことによる復元力によって前記搬送部材の前記外周部を押圧する、請求項
1から4のいずれかに記載のトナー搬送装置。
【請求項6】
装置請求項1から
5のいずれかに記載のトナー搬送装置と、
転写後の像担持体に残留する残留トナーを除去する除去部材と、を備え、
前記トナー搬送装置は、前記除去部材によって除去された前記残留トナーを搬送するものである、クリーニング装置。
【請求項7】
装置請求項1から
5のいずれかに記載のトナー搬送装置と、
像担持体にトナー像を現像する現像部と、
前記像担持体から被転写体に前記トナー像を転写する転写部と、を備え、
前記トナー搬送装置は、トナーを収容するトナー収容部から前記現像部に前記トナーを搬送するものである、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー搬送装置、クリーニング装置、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トナーなどの現像剤を用いて画像形成を行う画像形成装置においては、転写後の像担持体から当該像担持体に残存するトナー(廃トナー)を除去するクリーニング装置が設けられている。クリーニング装置によって除去された廃トナーは、クリーニング装置のハウジングに設けられた搬送部材によって、別途設けられた廃トナー収容容器に搬送され、廃トナー収容容器内に収容される。
【0003】
また、前記画像形成装置は、像担持体上にトナー像を形成する現像装置が設けられている。現像装置の内部にはトナーを含む現像剤が収容されている。現像が行われることによって現像装置の内部のトナーが減少すると、トナー補給装置によって、トナー容器から現像装置にトナーが補給される。トナー補給装置には、トナーを搬送可能な搬送部材が設けられており、この搬送部材によってトナー容器から現像剤にトナーが搬送される。
【0004】
従来、回転している前記搬送部材に接触することにより、トナー搬送路内のトナーを撹拌してトナー詰まりを抑制する撹拌部材が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の撹拌部材は、一方向(例えば上から下へ)から搬送部材の外周面に当接するものであるため、搬送部材に一方向の押圧力が加えられることによって搬送部材が撓まされる場合がある。搬送部材が撓むと、搬送部材の回転支持が安定せず、搬送効率が低下するおそれがある。また、搬送部材がハウジングの内壁に接触することにより、或いは、搬送部材の両端の支軸と軸受との摺動抵抗が増すことにより、異音が生じるおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、搬送部材に他の部材が接触したことにより搬送部材に荷重がかけられた場合でも、搬送部材の撓みを抑制して安定して支持することが可能なトナー搬送装置、クリーニング装置、及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面に係るトナー搬送装置は、搬送対象のトナーを内部に収容可能な筐体と、両端部が前記筐体に回転可能に支持され、回転軸方向に延びる螺旋羽根を有し、回転することにより前記筐体内のトナーを予め定められた搬送方向へ搬送する搬送部材と、前記搬送部材の前記回転軸方向に交差する第1方向から前記搬送部材の外周部に押圧され、前記搬送部材の回転に伴い前記外周部に摺動する押圧部材と、を備える。前記押圧部材は、可撓性を有するシート部材により形成され、前記筐体の内部に定められた固定位置に固定されるベース部と、前記搬送部材の前記外周部に当接可能なように前記ベース部から前記搬送部材へ向けて突出し、前記回転軸方向に並設された複数の突出片と、を有する。前記複数の突出片の配置間隔は、前記回転軸方向における前記螺旋羽根の間隔とは異なる。
【0009】
本発明の他の局面に係るクリーニング装置は、前記トナー搬送装置と、転写後の像担持体に残留する残留トナーを除去する除去部材と、を備える。前記トナー搬送装置は、前記除去部材によって除去された前記残留トナーを搬送するものである。
【0010】
本発明のその他の曲面に係る画像形成装置は、前記トナー搬送装置と、像担持体にトナー像を現像する現像部と、前記像担持体から被転写体に前記トナー像を転写する転写部と、を備える。前記トナー搬送装置は、トナーを収容するトナー収容部から前記現像部に前記トナーを搬送するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、搬送部材に他の部材が接触したことにより搬送部材に荷重がかけられた場合でも、搬送部材の撓みを抑制して安定して支持することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【
図2】
図2は、画像形成装置が備えるドラムユニットを示す斜視図である。
【
図3】
図3は、ドラムユニットの構成を示す断面図である。
【
図4】
図4は、画像形成装置が備える現像装置の構成を示す断面図である。
【
図5】
図5は、ドラムユニットが備える押圧部材の一例を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、
図5における矢視VIIからみたときの押圧部材及び搬送部材を示す図である。
【
図8A】
図8Aは、搬送部材及び押圧部材の断面構造を示す断面図であり、
図7における切断面VIIIA-VIIIAの断面図である。
【
図8B】
図8Bは、搬送部材及び押圧部材の断面構造を示す断面図であり、
図7における切断面VIIIB-VIIIBの断面図である。
【
図9】
図9は、本発明の第2実施形態に係る押圧部材を示す断面図である。
【
図10】
図10は、本発明の第3実施形態に係る押圧部材の展開図である。
【
図12】
図12は、本発明の第4実施形態に係る押圧部材の分解図である。
【
図13】
図13は、本発明の第5実施形態に係る押圧部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下に説明される実施形態は本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、説明の便宜上、画像形成装置10が使用可能な設置状態(
図1に示される状態)で鉛直方向を上下方向D1と定義する。また、
図1の紙面左側の面を正面(前面)として前後方向D2を定義する。また、前記設置状態の画像形成装置10の正面を基準として左右方向D3を定義する。
【0014】
[第1実施形態]
図1に示すように、画像形成装置10は、4つの画像形成ユニット4、中間転写ベルト5、光走査装置6、4つの一次転写ローラー7A、二次転写ローラー7B、定着装置8、排紙トレイ9、4つのトナーコンテナ21(本発明のトナー収容部の一例)、給紙カセット31、シート搬送経路32、ベルトクリーニング装置16、及びこれらを収容する筐体33を備える。画像形成装置10は、給紙カセット31からシート搬送経路32に沿って供給されるシートに、パーソナルコンピューターなどの情報処理装置から入力される画像データに基づくカラー画像又はモノクロ画像を形成するプリンターである。また、ファクシミリー、コピー機、及び複合機なども、本発明に係る画像形成装置の一例である。
【0015】
各画像形成ユニット4は、中間転写ベルト5の走行方向D10に沿って並設されており、所謂タンデム方式の画像形成部を構成する。画像形成ユニット4は、電子写真方式にしたがって感光体ドラム11(
図2、
図3参照)の表面にトナー像を形成し、中間転写ベルト5にトナー像を転写する。各画像形成ユニット4は、対応する色のトナー像を形成する。
【0016】
各画像形成ユニット4は、ドラムユニット18(
図2、
図3参照)と、現像装置13(
図4参照)とを有する。現像装置13は、本発明の現像部の一例である。
【0017】
図2は、ドラムユニット18を示す斜視図であり、
図3は、ドラムユニット18の内部構造を模式的に示す断面図である。
【0018】
図2に示すように、ドラムユニット18は、感光体ドラム11と、帯電装置12と、除電部14と、ドラムクリーニング装置15(本発明のクリーニング装置の一例)と、これらを収容するハウジング19と、により構成されている。ドラムユニット18は、一方向に長い形状のユニット体である。ドラムユニット18は、
図1において、その長手方向が画像形成装置10の左右方向D3に一致するように筐体33内に設けられている。なお、以下において、ドラムユニット18が筐体33内に装着された状態を基準にして、ドラムユニット18に対する上下方向D1、前後方向D2、左右方向D3を定義する。
【0019】
感光体ドラム11は、静電潜像及びトナー像を担持する像担持体である。感光体ドラム11は、現像装置13の現像ローラー131(
図4参照)に対して、所定間隔の現像ギャップを隔てて対向するように配置されている。感光体ドラム11は、前記現像ギャップにおいて現像ローラー131から供給されたトナーからなるトナー像を外周面に担持可能に構成されている。感光体ドラム11は、外周面に感光層を有する円筒形状の筒状部材である。感光体ドラム11は、ハウジング19に回転可能に支持されている。感光体ドラム11には、モーター(駆動源の一例)からの回転駆動力が伝達され、前記モーターが制御部によって駆動制御されることによって、前記回転駆動力が感光体ドラム11に伝達されて、感光体ドラム11が所定方向(現像ローラー131の回転方向とは反対の回転方向)へ回転駆動される。
【0020】
図3に示すように、帯電装置12は、感光体ドラム11の下側に配置されており、ハウジング19の下部に設けられている。帯電装置12は、感光体ドラム11の外周面の感光層を予め定められた規定電位に帯電させる。感光体ドラム11を前記規定電位に帯電させるために、帯電装置12は、感光体ドラム11の外周面にコロナ放電などによって均一で一様なバイアス電圧を与える。このバイアス電圧は、前記規定電位よりも大きい電位である。
【0021】
帯電装置12は、不図示の電源から供給される電力によって感光体ドラム11を帯電させる帯電ローラー121を有している。帯電ローラー121は、導電性を有する金属シャフト(導電シャフト)123の表面に弾性層124を設けた円柱状の部材である。弾性層124は、例えば、導電性を有する発泡性ゴム、非発泡性ゴで構成されており、具体的には、導電剤として酸化チタンなどの導電性フィラーが分散状に混入されたエピクロロヒドリンゴムやポリウレタンゴムからなる。帯電ローラー121は、感光体ドラム11との間にニップ部を形成するように、感光体ドラム11側へバネなどの付勢部材(不図示)によって所定の荷重によって押し付けられている。
【0022】
帯電装置12によって帯電された感光体ドラム11に、光走査装置6によってレーザー光が照射され、これにより、画像データに基づく静電潜像が感光体ドラム11の外周面に形成される。
【0023】
図4は、現像装置13の内部構造を模式的に示す断面図である。
【0024】
現像装置13は、感光体ドラム11に対して非接触状態でトナーを静電的に付着させる現像方式によって前記静電潜像をトナーで現像する。
図4に示すように、現像装置13は、現像容器130、第1撹拌スクリュー133、第2撹拌スクリュー134、磁気ローラー135、現像ローラー131などを備えている。現像容器130の底部にトナーを含む現像剤が収容されている。第1撹拌スクリュー133及び第2撹拌スクリュー134(搬送部材の一例)が回転されることによって、現像容器130の底部の現像剤が撹拌されつつ、所定方向へ搬送される。
【0025】
磁気ローラー135は、内蔵される磁極によって、第2撹拌スクリュー134から現像剤を汲み上げ、現像剤に含まれるトナーだけを現像ローラー131の表面に付着させる。現像ローラー131は、感光体ドラム11の外周面から所定の間隙を隔てて設けられている。現像ローラー131上に保持されたトナーは、感光体ドラム11との間に印加された電位差によって、感光体ドラム11上の静電潜像に付着される。
【0026】
現像容器130の底部に現像剤が収容されている。現像容器130の底部には、2つの撹拌スクリュー133,134が回転可能に設けられている。撹拌スクリュー133,134は、スパイラル状に形成された螺旋羽根が軸部材に設けられたスパイラル軸である。現像容器130の底部は、前後方向D2に区分された2本のトナー搬送路130A,130Bが区画されており、前側のトナー搬送路130Aに第1撹拌スクリュー133が回転可能に設けられており、後側のトナー搬送路130Bに第2撹拌スクリュー134が回転可能に設けられている。撹拌スクリュー133,134が回転されることにより、現像剤が撹拌されて、トナーが所定の電荷に帯電し、キャリアがトナーの帯電極性とは逆極性に帯電する。
【0027】
現像容器130の外壁には、トナー補給口136が設けられている。トナー補給装置によって、未使用のトナーが収容されているトナーコンテナ21からトナー補給口136を通じて前記未使用のトナーが現像容器130の内部に補給される。
【0028】
現像ローラー131は、現像容器130内に回転可能に設けられている。現像ローラー131は、第2撹拌スクリュー134の上方に設けられている。現像ローラー131は、内蔵された磁石とともにマグネットローラーを構成している。現像ローラー131は、内蔵された磁石による磁力の作用により、現像剤を磁気ブラシとして表面に保持する。
【0029】
現像ローラー131は、現像容器130の開口137側(
図4の右側)において感光体ドラム11の外周面に対向するように配置されている。現像ローラー131には所定電圧の現像バイアスが印加されている。前記現像バイアスによる電位差によって、前記現像ギャップにおいて穂立ち状の前記磁気ブラシが形成され、前記磁気ブラシ中のトナーが感光体ドラム11の静電潜像に付着する。これにより、感光体ドラム11の静電潜像がトナーで現像される。つまり、感光体ドラム11上にトナー像が形成される。
【0030】
一次転写ローラー7Aは、本発明の転写部の一例であり、感光体ドラム11に形成されたトナー像を中間転写ベルト5に転写する。一次転写ローラー7Aは、感光体ドラム11の上側で対向するように配置されており、感光体ドラム11との間に中間転写ベルト5を挟持するように設けられている。
【0031】
中間転写ベルト5は、各画像形成ユニット4の各感光体ドラム11の上方を走行し、感光体ドラム11各々に形成された各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される中間転写部材(被転写体の一例)である。中間転写ベルト5は、駆動ローラー5A及び従動ローラー5Bなどの支持ローラーによって張架されており、駆動ローラー5Aが回転駆動されることによって、表面に転写されたトナー像を二次転写ローラー7Bまで搬送する。
【0032】
中間転写ベルト5上のトナー像は、二次転写ローラー7Bにより、シート搬送経路32を搬送されるシートに転写される。二次転写ローラー7Bは、本発明の転写部の一例であり、中間転写ベルト5上のトナー像を印刷用紙などのシート(被転写体の一例)に転写させる。二次転写ローラー7Bは、駆動ローラー5Aと対向するように配置されており、駆動ローラー5Aとの間に中間転写ベルト5を挟持するように設けられている。前記シートに転写されたトナー像は、定着装置8で加熱されて前記シートに定着される。
【0033】
図3に示すように、除電部14は、感光体ドラム11の外周面における一次転写ローラー7Aとドラムクリーニング装置15との間の領域に、感光体ドラム11を除電するための除電光を照射する。換言すると、除電部14は、感光体ドラム11の表面において、一次転写ローラー7Aよりも回転方向D11の下流側であってドラムクリーニング装置15よりも上流側の領域に除電光を照射する。これにより、感光体ドラム11の表面が除電される。感光体ドラム11の表面の除電が行われることにより、感光体ドラム11上の所謂メモリー画像が抑制される。
【0034】
ドラムクリーニング装置15は、感光体ドラム11に残存するトナーを除去するものである。
図3に示すように、ドラムクリーニング装置15は、感光体ドラム11の後方側に配置されている。ドラムクリーニング装置15は、感光体ドラム11ごとに設けられている。ドラムクリーニング装置15は、クリーニング部材であるクリーニングブレード151(本発明の除去部材の一例)、クリーニングローラー152(本発明の除去部材の一例)、搬送部材154、押圧部材60、及びこれらを収容する収容部155を備えている。なお、搬送部材154、押圧部材60、及び収容部155によって、本発明のトナー搬送装置が具体的に実現される。
【0035】
収容部155は、本発明の筐体の一例であり、ハウジング19と一体に形成されている。収容部155は、ドラムクリーニング装置15の筐体である。クリーニングブレード151、及びクリーニングローラー152は、収容部155に支持されている。クリーニングブレード151、及びクリーニングローラー152は、感光体ドラム11とほぼ同じ長さを有する。クリーニングブレード151の先端は感光体ドラム11の表面に接触し又は近接して配置されている。
【0036】
クリーニングローラー152は、収容部155内で回転可能に支持されている。クリーニングローラー152の支軸に回転駆動力が入力されることによってクリーニングローラー152が回転する。クリーニングローラー152は、感光体ドラム11の表面に接触した状態で回転されることにより、一次転写ローラー7Aによる転写後に感光体ドラム11の表面に残留したトナーを取り除く。この取り除かれたトナーは廃棄されるものであり、以下、廃トナーと称する。前記廃トナーは、搬送部材154による搬送対象である。前記廃トナーは、重力の作用又はクリーニングローラー152の回転力によって収容部155の底部に移動する。また、クリーニングブレード151は、感光体ドラム11が回転されると、クリーニングローラー152では除去できなかった前記廃トナーを取り除く。クリーニングブレード151によって除去された前記廃トナーも、収容部155の底部に移動する。
【0037】
収容部155の内部にトナー搬送路155Aが形成されている。詳細には、収容部155の底部に、左右方向D3に延びるトナー搬送路155Aが形成されている。トナー搬送路155Aは、収容部155の底部において、左右方向D3へ延在している。前記廃トナーは、トナー搬送路155Aに収容される。トナー搬送路155Aに搬送部材154が設けられている。トナー搬送路155Aに収容された前記廃トナーは、搬送部材154によって所定方向へ搬送される。なお、本実施形態では、収容部155の底部にトナー搬送路155Aが形成された構成を例示するが、本発明はこの構成に限られない。例えば、具体的なトナー搬送路155Aが収容部155の底部に形成されておらず、収容部155の内部に搬送部材154による搬送対象となるトナーが収容される構成であれば、本発明は適用可能である。
【0038】
搬送部材154は、トナー搬送路155Aに沿って左右方向D3に延在している。搬送部材154は、トナー搬送路155Aに沿って左右方向D3へ延びる軸部材154Bにスパイラル状の羽根154A(本発明の螺旋羽根の一例)が設けられたものであり、所謂スパイラル軸である。搬送部材154の軸方向の両端部に支軸156(
図7参照)が設けられており、この支軸156が収容部155における左側壁及び右側壁に回転可能に支持されている。搬送部材154には、モーターからの回転駆動力が伝達される。前記モーターが制御部によって駆動制御されることによって、前記回転駆動力が搬送部材154に伝達されて、搬送部材154が所定方向に回転駆動される。搬送部材154が回転することにより、トナー搬送路155Aにおける廃トナーがトナー搬送路155Aにおける搬送方向下流側へ搬送される。
【0039】
なお、搬送部材154は、前記側壁以外に支持されている部分はなく、一方の支軸156から他方の支軸156に至る部分は、収容部155の底部(つまりトナー搬送路155Aの底部)から浮いた状態で支持されており、また、前側の壁面及び後側の壁面のいずれにも接触していない状態で支持されている。
【0040】
収容部155の右側壁には、トナー搬送路155Aと連通する排出口(不図示)が形成されている。搬送部材154によって右方向へ廃トナーが搬送されると、前記排出口から外部へ廃トナーが排出される。排出された廃トナーは、不図示の廃トナーボトルに回収される。
【0041】
図3に示すように、ドラムクリーニング装置15は、収容部155の内部に設けられた押圧部材60を有する。押圧部材60は、ドラムクリーニング装置15に設けられた搬送部材154に付着したトナーを掻き取るための部材である。押圧部材60は、収容部155の内壁に取り付けられており、その取付位置P1(固定位置)から搬送部材154へ向かう方向D4へ向けて突出している。押圧部材60は、搬送部材154の外周部に当接して搬送部材154を押圧しており、この状態で搬送部材154が回転されると、押圧部材60は、搬送部材154の外周部を摺動する。なお、押圧部材60の構成については後述する。
【0042】
本実施形態では、感光体ドラム11、帯電装置12、及びドラムクリーニング装置15がハウジング19に装着されることによってユニット化されたドラムユニット18を例示するが、本発明はこの構成に限られない。ドラムクリーニング装置15は、ドラムユニット18とは独立した装置として構成されていてもよい。
【0043】
図1に示すように、ベルトクリーニング装置16は、中間転写ベルト5の前方側に配置されている。ベルトクリーニング装置16は、クリーニング部材であるクリーニングローラー24(本発明の除去部材の一例)と、軸部材にスパイラル状の羽根(螺旋羽根の一例)を有する搬送部材25と、これらを収容するハウジング26と、を備える。クリーニングローラー24は、中間転写ベルト5を支持する従動ローラー5Bと対向するように配置されており、その表面が中間転写ベルト5に接触している。クリーニングローラー24は、中間転写ベルト5の幅とほぼ同じ長さを有している。
【0044】
クリーニングローラー24は、ハウジング26内で回転可能に支持されている。クリーニングローラー24の支軸に回転駆動力が入力されることによってクリーニングローラー24が回転する。クリーニングローラー24は、中間転写ベルト5の表面に接触した状態で回転されることにより、二次転写ローラー7Bによる転写後に中間転写ベルト5の表面に残留したトナー(残留トナー)を取り除く。この取り除かれたトナーは廃棄されるものであり、以下、廃トナーと称する。前記廃トナーは、搬送部材25による搬送対象である。前記廃トナーは、重力の作用又はクリーニングローラー24の回転力によってハウジング26の底部に移動する。ハウジング26の底部には、トナー搬送路(不図示)が区画されており、当該トナー搬送路に搬送部材25が設けられている。前記トナー搬送路に収容された前記廃トナーは、搬送部材25によって所定方向へ搬送される。
【0045】
ハウジング26の右側壁には、ハウジング26の底部に区画されたトナー搬送路と連通する排出口(不図示)が形成されている。搬送部材25によって右方向へ廃トナーが搬送されると、前記排出口から外部へ廃トナーが排出される。排出された廃トナーは、不図示の廃トナーボトルに回収される。
【0046】
以下、ドラムクリーニング装置15が備える押圧部材60の構成について説明する。
【0047】
図3に示すように、押圧部材60は、ドラムクリーニング装置15の収容部155の内部において、搬送部材154よりも後方斜め上方側に配置されている。押圧部材60は、
図5に示すように、上側に配置される上シート部61(本発明の第1シート部材の一例)と、下側に配置される下シート部62(本発明の第2シート部材の一例)とを有する。ここで、
図5は、押圧部材60を示す斜視図である。
図5において、搬送部材154が破線で示されている。
【0048】
上シート部61及び下シート部62は、いずれも、PET(ポリエチレンテレフタラート)樹脂などのような可撓性を有する弾性材料であって、厚みの薄いフィルム形状に形成されたシート部材によって形成されている。なお、上シート部61及び下シート部62は、PET樹脂に限られず、塩化ビニルやポリカーボネートなどの合成樹脂で構成されてもよい。
【0049】
上シート部61は、搬送部材154に対して、後方斜め下側から前方斜め上側へ向かう第1方向D21(
図5及び
図8参照)へ搬送部材154の外周部(後方斜め下側の部分)に当接して搬送部材154を前記第1方向D21へ押圧するものである。上シート部61は、搬送部材154の軸方向の長さと概ね同じ長さに形成された左右方向D3に長尺なフィルム部材であり、収容部155の後壁155B(
図3参照)の内面に定められた取付位置P1(
図3参照)に固定されるベース部611と、ベース部611から搬送部材154へ向けて突出する複数の突出片612と、を有する。
【0050】
複数の突出片612の突出長さは、搬送部材154の外周部に当接可能な長さに定められている。具体的には、
図8に示すように、突出片612の先端が搬送部材154の中心を超える程度の長さに定められている。より好ましくは、突出片612の突出方向において、突出片612の先端が、搬送部材154の羽根154Aの反対側の端部を超えない程度の長さに定められている。また、各突出片612は、搬送部材154の軸方向に等間隔に並設されている。本実施形態では、突出片612の配置間隔R1は、搬送部材154の羽根154AのピッチR10とは異なる間隔(長さ)に定められている。
【0051】
本実施形態では、突出片612の配置間隔R1は、羽根154AのピッチR10よりも短く設定されている。具体的には、前記配置間隔R1が12mmに定められており、前記ピッチR10は14mmに定められている。なお、搬送部材154に対する後述の荷重分散効果をより効果的に生じさせるために、前記配置間隔R1は、前記ピッチR10の2分の1倍の長さよりも長いことが好ましく、前記ピッチR10の3分の2倍の長さよりも長いことがより好ましい。
【0052】
また、各突出片612の幅w1は、螺旋形状の羽根154Aにおいて、搬送部材154の軸方向に隣接する羽根と羽根との離間長さ(=Ds)よりも短い長さに定められている。本実施形態では、前記幅w1は、前記離間長さの半分に定められている。ここで、前記離間長さは、搬送部材154における羽根154AのピッチR10から羽根154Aの厚みを引いた長さである。
【0053】
また、下シート部62は、搬送部材154に対して、後方斜め上側から前方斜め下側へ向かう第2方向D22(
図5及び
図8参照)へ搬送部材154の外周部(後方斜め上側の領域)に当接して搬送部材154を前記第2方向D22へ押圧するものである。下シート部62は、搬送部材154の軸方向の長さと概ね同じ長さに形成された左右方向D3に長尺なフィルム部材であり、収容部155の後壁155B(
図3参照)の内面に定められた取付位置P1(
図3参照)に固定されるベース部621と、ベース部621から搬送部材154へ向けて突出する複数の突出片622と、を有する。
【0054】
複数の突出片622の突出長さは、搬送部材154の外周部に当接可能な長さに定められている。具体的には、
図8に示すように、突出片622は、突出片612と同じ長さに定められており、突出片622の先端が搬送部材154の中心を超える程度の長さに定められている。より好ましくは、突出片622の突出方向において、突出片622の先端が、搬送部材154の羽根154Aの反対側の端部を超えない程度の長さに定められている。また、各突出片622は、搬送部材154の軸方向に等間隔に並設されている。本実施形態では、突出片622の配置間隔R2は、搬送部材154の羽根154AのピッチR10とは異なる間隔(長さ)に定められている。
【0055】
本実施形態では、突出片622の配置間隔R2は、羽根154AのピッチR10よりも短く設定されている。具体的には、前記配置間隔R2は、突出片612の前記配置間隔R1と同じ間隔(長さ)であり、前記配置間隔R2が12mmに定められている。なお、前記配置間隔R2は、前記ピッチR10の2分の1倍の長さよりも長いことが好ましく、前記ピッチR10の3分の2倍の長さよりも長いことがより好ましい。
【0056】
また、各突出片622の幅w2は、突出片612の幅w1と同じ長さであり、詳細には、螺旋形状の羽根154Aにおいて、搬送部材154の軸方向に隣接する羽根と羽根との離間長さ(=Ds)よりも短い長さに定められている。本実施形態では、前記幅w2は、前記離間長さの半分に定められている。
【0057】
また、
図5に示すように、上シート部61の各突出片612と、下シート部62の各突出片622は、互いに、搬送部材154の軸方向へずらした状態で配置されている。具体的には、突出片612及び突出片622の配置位置は、羽根154Aの前記ピッチR10の半分の長さだけ軸方向へ互いにずらして配置されている。
【0058】
本実施形態では、押圧部材60は、
図6に示すように、上シート部61及び下シート部62を同じ形状に形成し、これらの各シート部61,62を長手方向へ羽根154Aの前記ピッチR10の半分の長さだけずらした状態で、上シート部61のベース部611の接合面611Aを、下シート部62のベース部621の接合面621Aに接合させることにより製作される。ベース部611とベース部621とは、両面テープなどの接着手段によって接合されてもよく、或いは、溶着によって接合されてもよい。また、押圧部材60は、両面テープなどの接着手段によって取付位置P1に固定されてもよく、また、ビスなどの固定具によって取付位置P1に固定されてもよい。
【0059】
押圧部材60において、各突出片612,622による搬送部材154に対する押圧力は、各突出片612,622が撓まされたことによる復元力によって実現できる。具体的には、押圧部材60による押圧力は、上シート部61の突出片612と、下シート部62の突出片622とが互いに離反する方向へ撓まされることにより生じる復元力(弾性力)である。
【0060】
本実施形態では、突出片612が下シート部62の各突出片622間の矩形状の空隙623に入るように撓まされる。これにより、突出片612には、元の姿勢に戻ろうとする弾性力が生じ、これにより、突出片612は、第1方向D21(
図5及び
図8参照)へ向けて搬送部材154の外周部を押圧する。
【0061】
また、突出片622が上シート部61の各突出片612間の矩形状の空隙613に入るように撓まされる。これにより、突出片622には、元の姿勢に戻ろうとする弾性力が生じ、これにより、突出片622は、第2方向D22(
図5及び
図8参照)へ向けて搬送部材154の外周部を押圧する。
【0062】
図7は、
図5における矢視VIIからみたときの押圧部材60及び搬送部材154を示す図である。また、
図8は、搬送部材154及び押圧部材60の断面構造を示す断面図であり、
図8Aは
図7における切断面VIIIA-VIIIAの断面図、
図8Bは
図7における切断面VIIIB-VIIIBの断面図である。
【0063】
上述したように構成された押圧部材60がドラムクリーニング装置15に設けられているため、
図7に示すように、搬送部材154の回転中において、全ての突出片612,622が搬送部材154の軸方向において同じ位置に当接しなくなる。つまり、ある突出片612,622は、羽根154Aのピッチ間に形成された隙間に入り込み、搬送部材154の軸部材154Bの外周面154B1(搬送部材の外周部の一例)に当接して当該外周面154B1を押圧する。また、別の突出片612,622は、羽根154Aの外周端154A1(搬送部材の外周部の一例)に当接して当該外周端154A1を押圧する。また、別の突出片612,622は、羽根154Aの側面の傾斜面に当接して当該傾斜面を軸部材154B側へ押圧する。これにより、突出片612,622が搬送部材154に当接して押圧することによって生じる荷重が搬送部材154の軸方向に分散されることになる。これにより、搬送部材154に加わる最大荷重を小さくすることができ、搬送部材154が軸方向に撓みにくくなる。その結果、搬送部材154の撓みを起因とする各問題、例えば、搬送部材154の支持が不安定となり搬送効率が低下するという問題、搬送部材154の撓みにより収容部155の内壁に接触することにより異音が生じるという問題、搬送部材154の両端の支軸156と軸受との摺動抵抗が増すことにより異音が生じるという問題を解決することができる。つまり、搬送部材154に押圧部材60が接触したことにより搬送部材154に荷重がかけられた場合でも、搬送部材154の撓みを抑制して、安定して搬送部材154を支持することが可能である。
【0064】
また、
図8A及び
図8Bに示すように、搬送部材154の回転中において、突出片612は、第1方向D21から搬送部材154の外周部に当接して当該外周部を第1方向D21へ押圧し、突出片622は、第2方向D22から搬送部材154の外周部に当接して当該外周部を第2方向D22へ押圧する。このように、搬送部材154に対する押圧部材60による押圧方向が一方向とはならず、各突出片612,622によって別々の方向から搬送部材154が押圧されるため、各突出片612,622の押圧力が相殺する。このため、搬送部材154に加わる荷重が更に軽減し、搬送部材154が軸方向に撓みにくくなり、上述した各問題を確実に防止することができる。
【0065】
なお、前記第1方向D21及び前記第2方向D22は、互いに相反する方向ではなく、各方向D21,D22が交差する角度が突出片612と突出片622とのなす角の角度となるような方向である。このため、
図8A及び
図8Bに示すように、搬送部材154は、押圧部材60によって、押圧部材60の突出方向D4へ荷重を常時受ける。この荷重によって搬送部材154が前記突出方向D4に撓まされるおそれがある。このため、本実施形態では、
図3に示すように、板状の緩衝部材70が収容部155に設けられている。緩衝部材70は、
図3において、搬送部材154よりも突出方向D4側の収容部155の内壁に取り付けられている。緩衝部材70は、搬送部材154の軸方向に沿って前記内壁の全域に設けられていてもよい。また、緩衝部材70は、搬送部材154が前記荷重を受けた場合に最も撓み量の大きい部分、つまり、搬送部材154の中央部に対応する位置だけに設けられていてもよい。
【0066】
緩衝部材70は、0.3mm程度の薄肉のフィルム部であり、例えば、ポリアセタール(POM)などのような摺動抵抗の低い樹脂部材で形成されている。このような緩衝部材70が設けられているため、前記突出方向D4へ搬送部材154が撓んだとしても、接触による抵抗を抑えることができ、搬送部材154の搬送効率の低下を抑制するとともに、接触による異音を抑制することができる。
【0067】
また、上述したように、本実施形態では、突出片612が下シート部62の各突出片622間の矩形状の空隙623に入るように撓まされており、突出片622が上シート部61の各突出片612間の矩形状の空隙613に入るように撓まされており、このように撓まされた各突出片612,622によって囲まれた部分に搬送部材154が配置されている。このため、搬送部材154が回転したことにより各突出片612,622の撓み姿勢が繰り返し変化した場合でも、ベース部611とベース部621との接合が剥がれ難くなる。
【0068】
また、突出片612の幅w1、及び突出片622の幅w2が、前記離間長さ(=Ds)よりも短い長さであり、詳細には、前記離間長さの半分の長さであるため、
図7に示すように、軸方向に隣接する一対の突出片612,622のいずれもが軸部材154Bの外周面154B1に当接することになり(
図8A参照)、或いは、軸方向に隣接する一対の突出片612,622のいずれもが羽根154Aの外周端154A1に当接する。このように、隣接する突出片612,622が搬送部材154において同じ位置に当接して押圧するため、軸部材154Bや羽根154Aに付着するトナーを効果的に掻き落とすことができる。
【0069】
[第2実施形態]
また、
図9に示すように、押圧部材60は、突出片612が下シート部62から離反する方向へ撓まされ、突出片622が上シート部61から離反する方向へ撓まされたものであってもよい。このように撓まされた各突出片612,622によって囲まれた部分に搬送部材154が配置される。
【0070】
[第3実施形態]
また、
図10に示すように、押圧部材60に替えて、1枚のシート部材で構成された押圧部材60Aがドラムクリーニング装置15に設けられていてもよい。押圧部材60Aは、上シート部61及び下シート部62を含む1枚のシート部材で構成されており、上シート部61と下シート部62との境界線L1で折り曲げられることにより構成されるものであってもよい。この場合、折り曲げられた各シート部61,62のベース部611,621同士が接合される。この構成の押圧部材60においても、
図11Aに示すように、突出片612が下シート部62の各突出片622間の矩形状の空隙623に入るように撓まされており、突出片622が上シート部61の各突出片612間の矩形状の空隙613に入るように撓まされていてもよい。また、
図11Bに示すように、押圧部材60Aは、突出片612が下シート部62から離反する方向へ撓まされ、突出片622が上シート部61から離反する方向へ撓まされたものであってもよい。
【0071】
[第4実施形態]
また、
図12に示すように、押圧部材60に替えて、各突出片612,622が搬送部材154の羽根154Aの傾斜方向D5(
図7参照)と同じ角度で同じ方向へ突出する押圧部材60Bがドラムクリーニング装置15に設けられていてもよい。この構成であれば、全ての突出片612,622は、搬送部材154が前記第1回転姿勢(
図7A参照)にあるときに、羽根154Aに邪魔されることなく、軸部材154Bの外周面154B1に当接することができる。また、全ての突出片612,622は、搬送部材154が前記第2回転姿勢(
図7B参照)にあるときに、羽根154Aの外周端154A1の形状に沿って当該外周端154A1に当接することができる。これにより、押圧部材60Bは、軸部材154Bの外周面154B1や羽根154Aに付着するトナーを効果的に掻き落とすことができる。
【0072】
[第5実施形態]
また、上述の実施形態では、突出片612の配置間隔R1及び突出片622の配置間隔R2が、羽根154AのピッチR10よりも短い構成について例示したが、本発明はこの構成に限られない。例えば、
図13に示すように、突出片612の配置間隔R1及び突出片622の配置間隔R2が、羽根154AのピッチR10よりも長く設定されていてもよい。具体的には、前記ピッチR10が14mmであるのに対して、前記配置間隔R1及び前記配置間隔R2が16mmに定められている。この場合でも、突出片612,622が搬送部材154に当接して押圧することによって生じる荷重が搬送部材154の軸方向に分散されることになる。なお、搬送部材154に対する荷重分散効果をより効果的に生じさせるために、前記配置間隔R1は、前記ピッチR10の1.5倍の長さよりも短いことが好ましく、前記ピッチR10の3分の4倍の長さよりも短いことがより好ましい。
【0073】
[他の実施形態]
なお、上述の各実施形態では、押圧部材60,60A,60Bが、上シート部61と下シート部62とを有する構成について例示したが、本発明はこの構成に限られない。押圧部材60,60A,60Bは、上部シート部61のみで構成されたものであってもよく、或いは、下部シート部62のみで構成されたものであってもよい。
【0074】
また、上述の各実施形態では、押圧部材60,60A,60Bがドラムクリーニング装置15に設けられた構成について例示したが、本発明はこのような構成に限られない。例えば、押圧部材60,60A,60Bは、ベルトクリーニング装置16の搬送部材25に付着したトナーを掻き取る部材として、ベルトクリーニング装置16に設けられていてもよい。また、押圧部材60,60A,60Bは、現像装置13の各撹拌スクリュー133,134に付着したトナーを掻き取る部材として、現像装置13に設けられていてもよい。また、押圧部材60,60A,60Bは、トナーコンテナ21から現像装置13に未使用のトナーを補給するトナー補給装置が備える搬送部材に適用される掻き取り部材として、前記トナー補給装置に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0075】
4 :画像形成ユニット
5 :中間転写ベルト
7A :一次転写ローラー
7B :二次転写ローラー
10 :画像形成装置
11 :感光体ドラム
12 :帯電装置
13 :現像装置
14 :除電部
15 :ドラムクリーニング装置
16 :ベルトクリーニング装置
18 :ドラムユニット
19 :ハウジング
21 :トナーコンテナ
24 :クリーニングローラー
25 :搬送部材
26 :ハウジング
31 :給紙カセット
32 :シート搬送経路
33 :筐体
60 :押圧部材
61 :上シート部
62 :下シート部
70 :緩衝部材
151 :クリーニングブレード
152 :クリーニングローラー
154 :搬送部材
154A :羽根
154A1 :外周端
154B :軸部材
154B1 :外周面
155 :収容部
155A :トナー搬送路
156 :支軸
611 :ベース部
612 :突出片
621 :ベース部
622 :突出片