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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】画像処理方法、画像処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20241008BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20241008BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20241008BHJP
   G03G 15/01 20060101ALI20241008BHJP
   B41J 29/393 20060101ALI20241008BHJP
   H04N 1/409 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
H04N1/00 002A
G03G15/00 303
G03G21/00 386
G03G21/00 500
G03G21/00 510
G03G15/01 Z
B41J29/393 105
H04N1/409
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020214834
(22)【出願日】2020-12-24
(65)【公開番号】P2022100704
(43)【公開日】2022-07-06
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】森本 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】田中 一徳
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 晃司
(72)【発明者】
【氏名】宮本 卓哉
(72)【発明者】
【氏名】濱邊 留以
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-223892(JP,A)
【文献】特開2019-215392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G03G 15/00
G03G 21/00
G03G 15/01
B41J 29/393
H04N 1/409
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサーが、画像形成装置の出力シートに対する画像読取処理を通じて得られるテスト画像に基づいて画像不良の原因を判定する画像処理方法であって、
前記プロセッサーが、前記テスト画像における本来描画されているべき部分である本来描画部を特定することと、
前記プロセッサーが、前記テスト画像における前記画像不良の一種であるノイズ点を抽出することと、
前記プロセッサーが、前記本来描画部と前記ノイズ点との重なり度合いを判定することにより、前記ノイズ点の原因が予め定められた2種類の原因候補のいずれであるかを判定することと、を含み、
前記2種類の原因候補は、前記画像形成装置においてトナー像をシートに転写する転写体に付着した廃トナーが前記シートに転写される廃トナー落ち、および、前記画像形成装置においてトナーと混合された磁性キャリアが前記シートへ転写されるキャリア現像である、画像処理方法。
【請求項2】
前記プロセッサーが、前記テスト画像における前記ノイズ点の色が彩色および無彩色のいずれであるかを判定することをさらに含み、
前記プロセッサーは、前記無彩色と判定された前記ノイズ点の原因が前記廃トナー落ち、および、前記キャリア現像のいずれであるかを判定する、請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項3】
前記プロセッサーは、それぞれ縦方向に対して交差する方向に延びる複数の線画像からなる万線スクリーンを前記本来描画部として特定する、請求項1または請求項2に記載の画像処理方法。
【請求項4】
前記プロセッサーは、前記テスト画像におけるそれぞれ予め定められた形状の複数の基準マークを特定し、前記複数の基準マークの位置を基準にして前記本来描画部を特定する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像処理方法。
【請求項5】
前記プロセッサーが前記テスト画像における前記ノイズ点を抽出することは、
前記テスト画像から順次選択される注目画素の画素値を、前記注目画素を含む注目領域の画素値と前記注目領域に対し予め設定される処理方向において両側に隣接する2つの隣接領域の画素値との差を強調する処理により得られる変換値へ変換する主フィルター処理を含む第1前処理を、前記テスト画像の横方向を前記処理方向として実行することによって第1前処理画像を生成することと、
前記テスト画像の縦方向を前記処理方向とする前記主フィルター処理を含む第2前処理を実行することによって第2前処理画像を生成することと、
前記第1前処理画像および前記第2前処理画像における1つ以上の有意な画素からなる特異部のうち、前記第1前処理画像および前記第2前処理画像に共通のものを前記ノイズ点として抽出することと、を含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像処理方法。
【請求項6】
前記第1前処理は、
前記横方向を前記処理方向とする前記主フィルター処理を実行することによって第1主マップデータを生成することと、
前記テスト画像に対し、前記横方向を前記処理方向として前記注目領域および前記2つの隣接領域の一方を対象とするエッジ強調フィルター処理を実行することによって横エッジ強度マップデータを生成することと、
前記第1主マップデータの各画素値を対応する前記横エッジ強度マップデータの各画素値で補正することにより前記第1前処理画像を生成することと、を含み、
前記第2前処理は、
前記縦方向を前記処理方向とする前記主フィルター処理を実行することによって第2主マップデータを生成することと、
前記テスト画像に対し、前記横方向を前記処理方向として前記注目領域および前記2つの隣接領域を対象とする前記エッジ強調フィルター処理を実行することによって縦エッジ強度マップデータを生成することと、
前記第2主マップデータの各画素値を対応する前記縦エッジ強度マップデータの各画素値で補正することにより前記第2前処理画像を生成することと、を含む、請求項5に記載の画像処理方法。
【請求項7】
前記プロセッサーが、前記ノイズ点の原因が前記キャリア現像であると判定された場合に、前記画像形成装置に対し、感光体の表面の暗電位と前記感光体の表面に形成された静電潜像を前記トナー像へ現像する現像ローラーに印加される現像バイアスとの差を小さく補正することを示す補正司令を出力すること、をさらに含む請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記プロセッサーが、前記ノイズ点の原因が前記キャリア現像であると判定されたときの前記ノイズ点の不良度合い、および、前記キャリア現像の判定に応じた前記補正司令に関する履歴情報を不揮発性の記憶装置に記録することをさらに含み、
前記プロセッサーは、新たに前記ノイズ点の原因が前記キャリア現像であると判定された場合に、前記履歴情報に基づいて前記補正司令の内容を設定する、請求項7に記載の画像処理方法。
【請求項9】
前記プロセッサーが、前記ノイズ点の原因が前記キャリア現像であると判定されたときの前記ノイズ点の不良度合い、および、前記キャリア現像の判定に応じた前記補正司令に関する履歴情報を不揮発性の記憶装置に記録することと、
前記プロセッサーが、新たな前記テスト画像における前記ノイズ点が抽出された場合に、前記履歴情報に基づいて前記ノイズ点の改善状況を判定し、判定結果を通知する処理を実行することと、をさらに含む、請求項7に記載の画像処理方法。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の画像処理方法の処理を実行するプロセッサーを備える画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テスト画像に基づいて画像不良の原因を判定する画像処理方法および画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンターまたは複合機などの画像形成装置は、シートに画像を形成するプリント処理を実行する。前記プリント処理において、縦スジ、横スジまたはノイズ点などの画像不良が、出力シートに形成された画像に生じる場合がある。
【0003】
例えば、前記画像形成装置が電子写真方式で前記プリント処理を実行する装置である場合、前記画像不良の原因は、感光体、帯電部、現像部および転写部などの様々な部分が考えられる。そして、前記画像不良の原因の判定には熟練を要する。
【0004】
また、画像処理装置において、前記画像不良の一例である縦スジを引き起こす現象と、前記縦スジの色、濃度またはスクリーン線数などの特徴情報とが、予めテーブルデータとして対応付けられ、前記縦スジを引き起こす現象が、テスト画像における前記縦スジの画像の色、濃度またはスクリーン線数の情報と前記テーブルデータとに基づいて特定されることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
前記テーブルデータは、前記縦スジを引き起こす現象の種類ごとに、画像の色、濃度またはスクリーン線数などのパラメーターの範囲がしきい値によって設定されたデータである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2017-83544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、前記画像不良の一種であるノイズ点は、廃トナー落ちが原因で生じる場合と、キャリア現像が原因で生じる場合とがある。
【0008】
前記廃トナー落ちは、トナー像をシートに転写する中間転写ベルトに付着した廃トナーが前記シートに転写される現象である。前記廃トナーは、前記中間転写ベルトから残存トナーを除去するベルトクリーニング装置から前記中間転写ベルトへ逆戻りするトナーである。前記キャリア現像は、二成分現像剤における前記トナーと混合された磁性キャリアが前記シートへ転写される現象である。
【0009】
前記ノイズ点が前記廃トナー落ち、および、前記キャリア現像のいずれが原因で生じているかを正しく判定することは、熟練者でなければ難しい。
【0010】
本発明の目的は、画像形成装置の出力シートから読み取られたテスト画像に基づいて画像不良の一種であるノイズ点の原因を正しく判定することができる画像処理方法および画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一の局面に係る画像処理方法は、プロセッサーが、画像形成装置の出力シートに対する画像読取処理を通じて得られるテスト画像に基づいて画像不良の原因を判定する方法である。前記画像処理方法は、前記プロセッサーが、前記テスト画像における本来描画されているべき部分である本来描画部を特定することを含む。さらに、前記画像処理方法は、前記プロセッサーが、前記テスト画像における前記画像不良の一種であるノイズ点を抽出することを含む。さらに、前記画像処理方法は、前記プロセッサーが、前記本来描画部と前記ノイズ点との重なり度合いを判定することにより、前記ノイズ点の原因が予め定められた2種類の原因候補のいずれであるかを判定することを含む。前記2種類の原因候補は、前記画像形成装置においてトナー像をシートに転写する転写体に付着した廃トナーが前記シートに転写される廃トナー落ち、および、前記画像形成装置においてトナーと混合された磁性キャリアが前記シートへ転写されるキャリア現像である。
【0012】
本発明の他の局面に係る画像処理装置は、前記画像処理方法の処理を実行するプロセッサーを備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、画像形成装置の出力シートから読み取られたテスト画像に基づいて画像不良の一種であるノイズ点の原因を正しく判定することができる画像処理方法および画像処理装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施形態に係る画像処理装置の構成図である。
図2図2は、実施形態に係る画像処理装置におけるデータ処理部の構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る画像処理装置における画像不良判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、実施形態に係る画像処理装置における特異不良判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、実施形態に係る画像処理装置におけるノイズ点判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、実施形態に係る画像処理装置における電圧補正処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、特異部を含むテスト画像の一例とそのテスト画像に基づき生成される前処理画像および特徴画像の一例とを示す図である。
図8図8は、実施形態に係る画像処理装置による主フィルター処理においてテスト画像から順次選択される注目領域および隣接領域の一例を示す図である。
図9図9は、テスト画像における本来描画部の一例である万線スクリーンを示す図である。
図10図10は、テスト画像におけるノイズ点と本来描画部との位置関係の一例を示す図である。
図11図11は、実施形態に係る画像処理装置の第1応用例における特徴画像生成処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図12図12は、実施形態に係る画像処理装置の第2応用例における特徴画像生成処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図13図13は、実施形態に係る画像処理装置の第3応用例における特徴画像生成処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図14図14は、実施形態に係る画像処理装置の第4応用例における特徴画像生成処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0016】
[画像処理装置10の構成]
図1に示されるように、実施形態に係る画像処理装置10は、プリント処理を実行する画像形成装置2を備える。前記プリント処理は、シートに画像を形成する処理である。前記シートは、用紙またはシート状の樹脂部材などの画像形成媒体である。
【0017】
さらに、画像処理装置10は、原稿から画像を読み取る読取処理を実行する画像読取装置1も備える。例えば、画像処理装置10は、複写機、ファクシミリ装置または複合機などである。
【0018】
画像処理装置10は、画像形成装置2および画像読取装置1に加え、データ処理部8およびヒューマンインターフェイス装置800を備える。ヒューマンインターフェイス装置800は、操作部801および表示部802を含む。
【0019】
前記プリント処理の対象となる画像は、画像読取装置1によって前記原稿から読み取られる画像または不図示のホスト装置から受信されるプリントデータが表す画像などである。前記ホスト装置は、パーソナルコンピューターまたは携帯情報端末などの情報処理装置である。
【0020】
さらに、画像形成装置2は、前記プリント処理によって予め定められた原テスト画像g01を前記シートに形成する場合もある(図7参照)。原テスト画像g01は、画像形成装置2における画像不良の有無および原因の判定に用いられるテスト画像g1の元になる画像である(図7参照)。テスト画像g1については後述する。
【0021】
画像読取装置1の前記読取処理と、前記読取処理で得られる画像に基づく画像形成装置2の前記プリント処理とを含む処理はコピー処理である。
【0022】
図1に示されるように、画像形成装置2は、シート搬送機構3およびプリント部4を備える。シート搬送機構3は、シート送出機構31および複数組のシート搬送ローラー対32を含む。
【0023】
シート送出機構31は、前記シートをシート収容部21からシート搬送路30へ送り出す。複数組のシート搬送ローラー対32は、前記シートをシート搬送路30に沿って搬送し、画像が形成された前記シートを排出トレイ22へ排出する。
【0024】
プリント部4は、シート搬送機構3によって搬送される前記シートに対して前記プリント処理を実行する。本実施形態において、プリント部4は、電子写真方式で前記プリント処理を実行する。
【0025】
プリント部4は、作像部4x、バイアス出力回路430、レーザースキャニングユニット4y、転写装置44および定着装置46を備える。作像部4xは、ドラム状の感光体41、帯電装置42、現像装置43およびドラムクリーニング装置45を含む。
【0026】
感光体41が回転し、帯電装置42が感光体41の表面を一様に帯電させる。帯電装置42は、感光体41の表面に接する状態で回転する帯電ローラー42aを含む。帯電装置42は、帯電ローラー42aを通じて感光体41に帯電電圧を出力することにより、感光体41の表面を帯電させる。
【0027】
レーザースキャニングユニット4yは、レーザー光を走査することによって帯電した感光体41の表面に静電潜像を書き込む。
【0028】
現像装置43は、前記静電潜像をトナー像へ現像する。現像装置43は、現像ローラー43a、現像槽43bおよび規制ブレード43cなどを備える。現像槽43bは、トナーを収容する容器である。
【0029】
現像ローラー43aは、現像槽43b内の前記トナーを担持しつつ回転することにより、感光体41の表面に前記トナーを供給する。バイアス出力回路430は、現像バイアスを現像ローラー43a各々に印加する。前記現像バイアスの基準電位は感光体41の電位である。本実施形態において、バイアス出力回路430は、前記現像バイアスを補正可能である。
【0030】
前記規制ブレードは、現像ローラー43aに担持される前記トナーの層の厚みを制限する部材である。なお、4種類の現像色に対応する4つの現像装置43は、複数の現像部の一例である。
【0031】
転写装置44は、感光体41の表面の前記トナー像を前記シートに転写する。なお、前記トナーは、粒状の現像剤の一例である。
【0032】
定着装置46は、前記シート上の前記トナー像を加熱することによって前記シートに定着させる。定着装置46は、前記シートに接触し回転する定着回転体46aと、定着回転体46aを加熱する定着ヒーター46bとを備える。
【0033】
図1に示される画像形成装置2は、タンデム式のカラープリント装置であり、カラー画像の前記プリント処理を実行可能である。そのため、プリント部4は、それぞれ異なる色のトナーに対応する4つの作像部4xを備える。4つの作像部4xは、それぞれ現像色が異なる。
【0034】
また、タンデム式の画像形成装置2において、転写装置44は、4つの感光体41に対応する4つの一次転写ローラー441と、中間転写ベルト440と、二次転写ローラー442と、ベルトクリーニング装置443とを含む。
【0035】
4つの作像部4xは、それぞれシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの前記トナー像を感光体41の表面に形成する。一次転写ローラー441各々は、作像部4x各々の一部でもある。
【0036】
作像部4x各々において、一次転写ローラー441は、回転しつつ中間転写ベルト440を感光体41の表面へ付勢する。一次転写ローラー441は、前記トナー像を感光体41から中間転写ベルト440へ転写する。これにより、4色の前記トナー像からなるカラー画像が中間転写ベルト440上に形成される。
【0037】
作像部4x各々において、ドラムクリーニング装置45は、中間転写ベルト440に転写されずに感光体41上に残ったトナーを、感光体41から除去し回収する。
【0038】
二次転写ローラー442は、中間転写ベルト440上の4色の前記トナー像を前記シートに転写する。なお、画像処理装置10において、中間転写ベルト440は、前記トナー像を前記シートに転写する転写体の一例である。
【0039】
ベルトクリーニング装置443は、前記シートに転写されずに中間転写ベルト440上に残ったトナーを、中間転写ベルト440から除去し回収する。
【0040】
データ処理部8は、前記プリント処理または前記読取処理に関する各種のデータ処理を実行し、さらに、各種の電気機器を制御する。
【0041】
操作部801は、ユーザーの操作を受け付ける装置である。例えば、操作部801は、押しボタンおよびタッチパネルの一方または両方を含む。表示部802は、ユーザーに提要する情報を表示する表示パネルを含む。
【0042】
図2に示されるように、データ処理部8は、CPU(Central Processing Unit)80、RAM(Random Access Memory)81、二次記憶装置82および通信装置83を備える。
【0043】
CPU80は、通信装置83の受信データの処理、各種の画像処理および画像形成装置2の制御を実行可能である。前記受信データは、前記プリントデータを含む場合がある。CPU80は、前記画像処理を含むデータ処理を実行するプロセッサーの一例である。なお、CPU80が、DSP(Digital Signal Processor)などの他の種類のプロセッサーで実現されてもよい。
【0044】
通信装置83は、LAN(Local Area Network)などのネットワークを通じて前記ホスト装置などの他装置との間で通信を行う通信インターフェイスデバイスである。CPU80は、前記外部装置との間のデータの送信および受信の全てを、通信装置83を通じて行う。
【0045】
二次記憶装置82は、コンピューター読み取り可能な不揮発性の記憶装置である。二次記憶装置82は、CPU80により実行される前記コンピュータープログラムおよびCPU80により参照される各種のデータを記憶する。例えば、フラッシュメモリーまたはハードディスクドライブの一方または両方が、二次記憶装置82として採用される。
【0046】
RAM81は、コンピューター読み取り可能な揮発性の記憶装置である。RAM81は、CPU80が実行する前記コンピュータープログラムおよびCPU80が前記プログラムを実行する過程で出力および参照するデータを一次記憶する。
【0047】
CPU80は、コンピュータープログラムを実行することにより実現される複数の処理モジュールを含む。前記複数の処理モジュールは、主制御部8aおよびジョブ制御部8bなどを含む。なお、前記複数の処理モジュールの一部または全部が、DSPなどのCPU80とは別の独立したプロセッサーによって実現されてもよい。
【0048】
主制御部8aは、操作部801に対する操作に応じたジョブの選択処理、表示部802に情報を表示させる処理および各種データを設定する処理などを実行する。さらに、主制御部8aは、通信装置83の受信データの内容を判別する処理も実行する。
【0049】
ジョブ制御部8bは、画像読取装置1および画像形成装置2を制御する。例えば、ジョブ制御部8bは、通信装置83の受信データが前記プリントデータを含む場合に、画像形成装置2に前記受信プリント処理を実行させる。
【0050】
また、主制御部8aが操作部801に対するコピー要求操作を検出したときに、ジョブ制御部8bは、画像読取装置1に前記読取処理を実行させるとともに、画像形成装置2に前記読取処理で得られる画像に基づく前記プリント処理を実行させる。
【0051】
前記プリント処理において、縦スジPs11、横スジPs12またはノイズ点Ps13などの画像不良が、出力シートに形成された画像に生じる場合がある(図7参照)。
【0052】
前述したように、画像形成装置2は、電子写真方式で前記プリント処理を実行する。この場合、前記画像不良の原因は、感光体41、帯電装置42、現像装置43および転写装置44などの様々な部分が考えられる。そして、前記画像不良の原因の判定には熟練を要する。
【0053】
本実施形態において、画像形成装置2は、予め定められた原テスト画像g01を前記シートに形成するテストプリント処理を実行する(図7参照)。
【0054】
例えば、主制御部8aが操作部801に対するテスト出力操作を検出したときに、ジョブ制御部8bは、画像形成装置2に前記テストプリント処理を実行させる。以下の説明において、原テスト画像g01が形成された前記シートのことをテスト出力シート9と称する(図1参照)。
【0055】
さらに、主制御部8aは、前記テストプリント処理が実行されたときに表示部802に予め定められた案内メッセージを表示させる。この案内メッセージは、画像読取装置1にテスト出力シート9をセットした上で操作部801に読み取り開始操作を行うことを促すメッセージである。
【0056】
そして、主制御部8aが、前記案内メッセージが表示部802に表示された後に操作部801に対する読み取り開始操作を検出したときに、ジョブ制御部8bは、前記読取処理を画像読取装置1に実行させる。これにより、原テスト画像g01が、画像形成装置2により出力されたテスト出力シート9から画像読取装置1によって読み取られ、原テスト画像g01に対応する読取画像が得られる。
【0057】
そして、後述するように、CPU80は、前記読取画像または前記読取画像が圧縮された画像であるテスト画像g1に基づいて、前記画像不良の有無および原因を判定する処理を実行する(図6参照)。CPU80は、前記画像不良の有無および原因を判定するための画像処理方法の処理を実行するプロセッサーの一例である。
【0058】
なお、テスト出力シート9から原テスト画像g01を読み取る装置が、例えばデジタルカメラであってもよい。なお、画像読取装置1または前記デジタルカメラがテスト出力シート9から原テスト画像g01を読み取る処理は、テスト出力シート9に対する画像読取処理の一例である。
【0059】
ところで、前記画像不良の一種であるノイズ点Ps13は、廃トナー落ちが原因で生じる場合と、キャリア現像が原因で生じる場合とがある。
【0060】
前記廃トナー落ちは、トナー像をシートに転写する中間転写ベルト440に付着した廃トナーが前記シートに転写される現象である。前記廃トナーは、ベルトクリーニング装置443へ一旦回収されたトナーである。前記廃トナーは、ベルトクリーニング装置443から中間転写ベルト440へ逆戻りすることにより、中間転写ベルト440に付着する。前記廃トナーの色は、複数の現像色が混合された色である。
【0061】
前記キャリア現像は、作像部4xにおいて、二成分現像剤における前記トナーと混合された磁性キャリアが前記シートへ転写される現象である。前記磁性キャリアは、周囲の環境または前記磁性キャリアの劣化などの要因により、現像ローラー43aから感光体41の表面へ移行してしまう場合がある。この場合、前記磁性キャリアは、転写装置44によって感光体41の表面から前記シートへ転写される。前記磁性キャリアの色は、ブラック系の色である。
【0062】
前記ノイズ点が前記廃トナー落ち、および、前記キャリア現像のいずれが原因で生じているかを正しく判定することは、熟練者でなければ難しい。
【0063】
CPU80は、後述する画像不良判定処理を実行することにより、テスト出力シート9から読み取られたテスト画像g1に基づいて前記画像不良の一種であるノイズ点Ps13の原因を正しく判定することができる。
【0064】
以下の説明において、CPU80による処理の対象となるテスト画像g1などの画像は、デジタル画像データである。前記デジタル画像データは、3原色それぞれについて主走査方向D1および主走査方向D1に交差する副走査方向D2の二次元の座標領域に対応する複数の画素値を含むマップデータを構成する。前記3原色は、例えば赤、緑および青である。なお、副走査方向D2は主走査方向D1に直交する。なお、主走査方向D1はテスト画像g1における横方向であり、副走査方向D2はテスト画像g1における縦方向である。
【0065】
本実施形態において、テスト画像g1は、画像形成装置2における複数の現像色に対応するそれぞれ一様な複数の単色ハーフトーン画像が合成された混色ハーフトーン画像である。前記複数の単色ハーフトーン画像は、それぞれ予め定められた中間階調の基準濃度で一様に形成された画像である。
【0066】
例えば、原テスト画像g01およびテスト画像g1は、画像形成装置2における複数の現像色に対応するそれぞれ一様な複数の単色ハーフトーン画像が合成された混色ハーフトーン画像である。前記複数の単色ハーフトーン画像は、それぞれ予め定められた中間階調の基準濃度で一様に形成された画像である。
【0067】
本実施形態において、原テスト画像g01およびテスト画像g1は、画像形成装置2における全ての現像色に対応するそれぞれ一様な4つの単色ハーフトーン画像が合成された混色ハーフトーン画像である。前記テストプリント処理において、1つの原テスト画像g01を含む1枚のテスト出力シート9が出力される。従って、原テスト画像g01に対応する1つのテスト画像g1が、前記画像不良の特定の対象である。本実施形態におけるテスト画像g1は混色テスト画像の一例である。
【0068】
また、CPU80における前記複数の処理モジュールは、前記画像不良判定処理を実行するために、特徴画像生成部8c、特異部特定部8d、色ベクトル特定部8e、周期性判定部8f、パターン認識部8gおよびノイズ点判定部8hをさらに含む(図2参照)。
【0069】
[画像不良判定処理]
以下、図3に示されるフローチャートを参照しつつ、前記画像不良判定処理の手順の一例について説明する。以下の説明において、S101,S102,…は、前記画像不良判定処理における複数の工程の識別符号を表す。
【0070】
主制御部8aは、前記案内メッセージが表示部802に表示された後に、操作部801に対する前記読み取り開始操作に応じて前記読取処理が実行されたときに、前記画像不良判定処理における工程S101の処理を特徴画像生成部8cに実行させる。
【0071】
<工程S101>
工程S101において、特徴画像生成部8cは、テスト出力シート9に対する前記画像読取処理に得られた前記読取画像からテスト画像g1を生成する。
【0072】
例えば、特徴画像生成部8cは、前記読取画像から外縁の余白領域を除いた前記原画像の部分をテスト画像g1として抽出する。
【0073】
或いは、特徴画像生成部8cは、前記読取画像から外縁の余白領域を除いた前記原画像の部分を予め定められた基準解像度へ圧縮する圧縮処理によってテスト画像g1を生成する。特徴画像生成部8cは、前記読取画像の解像度が前記基準解像度よりも高い場合に前記読取画像を圧縮する。主制御部8aは、テスト画像g1を生成した後、処理を工程S102へ移行させる。
【0074】
<工程S102>
工程S102において、特徴画像生成部8cは、後述する特異不良判定処理を開始する。前記特異不良判定処理は、テスト画像g1における縦スジPs11、横スジPs12またはノイズ点Ps13などの特異部Ps1の有無および特異部Ps1の発生原因を判定する処理である(図7参照)。特異部Ps1は、前記画像不良の一例である。
【0075】
さらに、主制御部8aは、前記特異不良判定処理が終了したときに、処理を工程S103へ移行させる。
【0076】
<工程S103>
工程S103において、主制御部8aは、工程S102の処理によって前記画像不良が生じていると判定された場合に処理を工程S104へ移行させ、そうでない場合に処理を工程S105へ移行させる。
【0077】
<工程S104>
工程S104において、主制御部8aは、工程S102の処理によって発生していると判定された前記画像不良の種類および原因に対し予め対応付けられた不良対応処理を実行する。
【0078】
例えば、前記不良対応処理は、以下に示される第1対応処理および第2対応処理の一方または両方を含む。前記第1対応処理は、前記画像不良の原因である部品の交換を促すメッセージを表示部802に表示させる処理である。
【0079】
前記第2対応処理は、前記画像不良を解消または緩和するために作像パラメーターを補正する処理である。前記作像パラメーターは、作像部4xの制御に関するパラメーターである。本実施形態において、主制御部8aは、ノイズ点Ps13の原因が前記キャリア現像であると判定された場合に、前記第2対応処理として後述する電圧補正処理を実行する。
【0080】
主制御部8aは、前記不良対応処理を実行した後、前記画像不良判定処理を終了させる。
【0081】
<工程S105>
一方、工程S105において、主制御部8aは、前記画像不良が特定されなかったことを表す正常通知を実行した上で、前記画像不良判定処理を終了させる。
【0082】
[特異不良判定処理]
続いて、図4に示されるフローチャートを参照しつつ、工程S102の前記特異不良判定処理の手順の一例について説明する。以下の説明において、S201,S202,…は、前記特異不良判定処理における複数の工程の識別符号を表す。前記特異不良判定処理は、工程S201から開始される。
【0083】
<工程S201>
まず、工程S201において、特徴画像生成部8cは、テスト画像g1に対して予め定められた特徴抽出処理を実行することにより複数の特徴画像g21,g22,g23を生成する。特徴画像g21,g22,g23各々は、テスト画像g1における予め定められた特定の種類の特異部Ps1が抽出された画像である。
【0084】
本実施形態において、複数の特徴画像g21,g22,g23は、第1特徴画像g21、第2特徴画像g22および第3特徴画像g23を含む(図7参照)。
【0085】
第1特徴画像g21は、テスト画像g1における縦スジPs11が抽出された画像である。第2特徴画像g22は、テスト画像g1における横スジPs12が抽出された画像である。第3特徴画像g23は、テスト画像g1におけるノイズ点Ps13が抽出された画像である。
【0086】
本実施形態において、前記特徴抽出処理は、第1前処理と、第2前処理と、特異部抽出処理と、を含む。以下の説明において、テスト画像g1から順次選択される画素のことを注目画素Px1と称する(図7,8参照)。
【0087】
特徴画像生成部8cは、テスト画像g1に対する前記第1前処理を、主走査方向D1を処理方向Dx1として実行することによって第1前処理画像g11を生成する(図5参照)。
【0088】
さらに、特徴画像生成部8cは、テスト画像g1に対する前記第2前処理を、副走査方向D2を処理方向Dx1として実行することによって第2前処理画像g12を生成する(図5参照)。
【0089】
さらに、特徴画像生成部8cは、第1前処理画像g11および第2前処理画像g12に対する前記特異部抽出処理を実行することによって3つの特徴画像g21,g22,g23を生成する。
【0090】
前記第1前処理は、主走査方向D1を処理方向Dx1とする主フィルター処理を含む。前記主フィルター処理は、テスト画像g1から順次選択される注目画素Px1の画素値を、注目領域Ax1の画素値と2つの隣接領域Ax2の画素値との差を強調する処理により得られる変換値へ変換する処理である(図5,6参照)。
【0091】
注目領域Ax1は、注目画素Px1を含む領域であり、2つの隣接領域Ax2は、注目領域Ax1に対し予め設定される処理方向Dx1において両側に隣接する領域である。注目領域Ax1および隣接領域Ax2は、それぞれ1つ以上の画素を含む領域である。
【0092】
注目領域Ax1および隣接領域Ax2のサイズは、抽出されるべき縦スジPs11もしくは横スジPs12の幅、または抽出されるべきノイズ点Ps13の大きさに応じて設定される。
【0093】
注目領域Ax1および隣接領域Ax2各々は、処理方向Dx1に交差する方向において同じ範囲を占める。図6に示される例において、注目領域Ax1は、注目画素Px1を中心として3列および7行に亘る21画素分の領域である。隣接領域Ax2各々も、3列7行に亘る21画素分の領域である。なお、注目領域Ax1および隣接領域Ax2各々において、行数は処理方向Dx1に沿うラインの数であり、列数は処理方向Dx1に交差する方向に沿うラインの数である。注目領域Ax1および隣接領域Ax2各々の大きさは予め設定される。
【0094】
前記主フィルター処理において、注目領域Ax1の各画素値は、予め定められた第1補正係数K1を用いて第1補正値へ変換され、隣接領域Ax2各々の各画素値は、予め定められた第2補正係数K2を用いて第2補正値へ変換される。
【0095】
例えば、第1補正係数K1は、注目領域Ax1の各画素値に乗算される1以上の係数であり、第2補正係数K2は、隣接領域Ax2の各画素値に乗算される0未満の係数である。この場合、第1補正係数K1に注目領域Ax1の画素数を乗算して得られる値と、第2補正係数K2に2つの隣接領域Ax2の画素数を乗算して得られる値との合計がゼロになるように、第1補正係数K1および第2補正係数K2は設定される。
【0096】
特徴画像生成部8cは、注目領域Ax1の各画素値に第1補正係数K1を乗算することにより、注目領域Ax1の各画素に対応する前記第1補正値を導出し、2つの隣接領域Ax2の各画素値に第2補正係数K2を乗算することにより、2つの隣接領域Ax2の各画素に対応する前記第2補正値を導出する。そして、特徴画像生成部8cは、前記第1補正値および前記第2補正値を統合した値を注目画素Px1の画素値の前記変換値として導出する。
【0097】
さらに、特徴画像生成部8cは、注目領域Ax1の複数の画素に対応する複数の前記第1補正値の合計値または平均値と、2つの隣接領域Ax2の複数の画素に対応する複数の前記第2補正値の合計値または平均値とを加算することにより、前記変換値を導出する。
【0098】
前記変換値の絶対値は、注目領域Ax1の画素値と2つの隣接領域Ax2の画素値との差の絶対値が増幅された値になる。前記第1補正値および前記第2補正値を統合した前記変換値を導出する処理は、注目領域Ax1の画素値と2つの隣接領域Ax2の画素値との差を強調する処理の一例である。
【0099】
なお、第1補正係数K1が負の数であり、第2補正係数K2が正の数である場合も考えられる。
【0100】
例えば、特徴画像生成部8cが、主走査方向D1を処理方向Dx1とする前記主フィルター処理により得られる複数の前記変換値を含む第1主マップデータを第1前処理画像g11として生成することが考えられる。
【0101】
図5に示されるように、テスト画像g1が縦スジPs11およびノイズ点Ps13の一方または両方を含む場合に、テスト画像g1に含まれる縦スジPs11およびノイズ点Ps13の一方または両方が抽出された前記第1主マップデータが、主走査方向D1を処理方向Dx1とする前記主フィルター処理によって生成される。
【0102】
また、テスト画像g1が横スジPs12を含む場合に、テスト画像g1に含まれる横スジPs12が除かれた前記第1主マップデータが、主走査方向D1を処理方向Dx1とする前記主フィルター処理によって生成される。
【0103】
なお、縦スジPs11は第1特異部に相当し、横スジPs12は第2特異部に相当し、ノイズ点Ps13は第3特異部に相当する。
【0104】
一方、前記第2前処理は、副走査方向D2を処理方向Dx1とする前記主フィルター処理を含む。
【0105】
例えば、特徴画像生成部8cが、副走査方向D2を処理方向Dx1とする前記主フィルター処理により得られる複数の前記統合値を含む第2主マップデータを第2前処理画像g12として生成することが考えられる。
【0106】
図5に示されるように、テスト画像g1が横スジPs12およびノイズ点Ps13の一方または両方を含む場合に、テスト画像g1に含まれる横スジPs12およびノイズ点Ps13の一方または両方が抽出された前記第2主マップデータが、副走査方向D2を処理方向Dx1とする前記主フィルター処理によって生成される。
【0107】
また、テスト画像g1が縦スジPs11を含む場合に、テスト画像g1に含まれる縦スジPs11が除かれた前記第2主マップデータが、副走査方向D2を処理方向Dx1とする前記主フィルター処理によって生成される。
【0108】
しかしながら、前記主フィルター処理において、特異部Ps1における処理方向Dx1の両端のエッジ部において、本来の特異部Ps1の状態を表す前記統合値に対して正負が逆の誤った前記統合値が導出されてしまう場合がある。そのような誤った前記統合値は、特異部Ps1を表す画素値として処理された場合に、前記画像不良の判定に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0109】
そこで、本実施形態において、前記第1前処理は、主走査方向D1を処理方向Dx1とする前記主フィルター処理に加え、主走査方向D1を処理方向Dx1とするエッジ強調フィルター処理をさらに含む。
【0110】
同様に、前記第2前処理は、副走査方向D2を処理方向Dx1とする前記主フィルター処理に加え、副走査方向D2を処理方向Dx1とする前記エッジ強調フィルター処理をさらに含む。
【0111】
前記エッジ強調フィルター処理は、注目領域Ax1と2つの隣接領域Ax2のうちの予め定められた一方とを対象としてエッジ強調を行う処理である。
【0112】
具体的には、前記エッジ強調フィルター処理は、テスト画像g1から順次選択される注目画素Px1の画素値を、注目領域Ax1の画素値を正または負の第3補正係数K3で補正した第3補正値と、一方の隣接領域Ax2の画素値を第3補正係数K3とは正負が逆の第4補正係数K4で補正した第4補正値とを統合したエッジ強度へ変換する処理である(図5参照)。
【0113】
図5に示される例において、第3補正係数K3は正の係数であり、第4補正係数K4は負の係数である。第3補正係数K3に注目領域Ax1の画素数を乗算して得られる値と、第4補正係数K4に一方の隣接領域Ax2の画素数を乗算して得られる値との合計がゼロになるように、第3補正係数K3および第4補正係数K4は設定される。
【0114】
前記エッジ強調フィルター処理が、主走査方向D1を処理方向Dx1として実行されることにより、テスト画像g1の各画素値が前記エッジ強度へ変換された横エッジ強度マップデータが生成される。
【0115】
同様に、前記エッジ強調フィルター処理が、副走査方向D2を処理方向Dx1として実行されることにより、テスト画像g1の各画素値が前記エッジ強度へ変換された縦エッジ強度マップデータが生成される。
【0116】
本実施形態において、特徴画像生成部8cは、主走査方向D1を処理方向Dx1とする前記主フィルター処理により前記第1主マップデータを生成する。
【0117】
さらに、特徴画像生成部8cは、主走査方向D1を処理方向Dx1とする前記エッジ強調フィルター処理を実行することにより前記横エッジ強度マップデータを生成する。
【0118】
さらに、特徴画像生成部8cは、前記第1主マップデータの各画素値を対応する前記横エッジ強度マップデータの各画素値で補正することにより第1前処理画像g11を生成する。例えば、特徴画像生成部8cは、前記第1主マップデータの各画素値に、前記横エッジ強度マップデータの各画素値の絶対値を加算することにより、第1前処理画像g11を生成する。
【0119】
同様に、特徴画像生成部8cは、副走査方向D2を処理方向Dx1とする前記主フィルター処理を実行することにより前記第2主マップデータを生成する。
【0120】
さらに、特徴画像生成部8cは、副走査方向D2を処理方向Dx1とする前記エッジ強調フィルター処理を実行することにより前記縦エッジ強度マップデータを生成する。
【0121】
さらに、特徴画像生成部8cは、前記第2主マップデータの各画素値を対応する前記縦エッジ強度マップデータの各画素値で補正することにより第2前処理画像g12を生成する。例えば、特徴画像生成部8cは、前記第2主マップデータの各画素値に、前記縦エッジ強度マップデータの各画素値の絶対値を加算することにより、第2前処理画像g12を生成する。
【0122】
前記特異部抽出処理は、第1前処理画像g11または第2前処理画像g12に含まれる縦スジPs11、横スジPs12およびノイズ点Ps13がそれぞれ個別に抽出された3つの特徴画像g21,g22,g23を生成する処理である。3つの特徴画像g21,g22,g23は、第1特徴画像g21、第2特徴画像g22および第3特徴画像g23である。
【0123】
第1特徴画像g21は、第1前処理画像g11および第2前処理画像g12における1つ以上の有意な画素からなる特異部Ps1のうち、第1前処理画像g11に存在し第1前処理画像g11および第2前処理画像g12に共通しない特異部Ps1が抽出された画像である。第1特徴画像g21は、横スジPs12およびノイズ点Ps13を含まず、第1前処理画像g11が縦スジPs11を含む場合にはその縦スジPs11を含む。
【0124】
なお、前記有意な画素は、テスト画像g1における各画素値もしくは各画素値に基づく指標値と予め定められた閾値とを比較することによって他の画素と区別可能な画素である。
【0125】
第2特徴画像g22は、第1前処理画像g11および第2前処理画像g12における特異部Ps1のうち、第2前処理画像g12に存在し第1前処理画像g11および第2前処理画像g12に共通しない特異部Ps1が抽出された画像である。第2特徴画像g22は、縦スジPs11およびノイズ点Ps13を含まず、第2前処理画像g12が横スジPs12を含む場合にはその横スジPs12を含む。
【0126】
第3特徴画像g23は、第1前処理画像g11および第2前処理画像g12に共通の特異部Ps1が抽出された画像である。第3特徴画像g23は、縦スジPs11および横スジPs12を含まず、第1前処理画像g11および第2前処理画像g12がノイズ点Ps13を含む場合にはそのノイズ点Ps13を含む。
【0127】
第1前処理画像g11および第2前処理画像g12から3つの特徴画像g21,g22,g23を生成する方法は各種考えられる。
【0128】
例えば、特徴画像生成部8cは、第1前処理画像g11における予め定められた基準値を超える各画素値である第1画素値Xiと第2前処理画像g12における前記基準値を超える各画素値である第2画素値Yiとを以下の(1)式に適用することによって指標値Ziを導出する。ここで、添字iは各画素の位置の識別番号である。
【0129】
【数1】
【0130】
縦スジPs11を構成する画素の指標値Ziは、比較的大きな正の数となる。また、横スジPs12を構成する画素の指標値Ziは、非確定小さな負の数となる。また、ノイズ点Ps13を構成する画素の指標値Ziは、0または0に近い値となる。指標値Ziは、第1前処理画像g11および第2前処理画像g12における対応する各画素値の差の指標値の一例である。
【0131】
指標値Ziの上記の性質は、第1前処理画像g11から縦スジPs11を抽出し、第2前処理画像g12から横スジPs12を抽出し、第1前処理画像g11または第2前処理画像g12からノイズ点Ps13を抽出する処理を簡素化するために利用することができる。
【0132】
例えば、特徴画像生成部8cは、第1前処理画像g11における第1画素値Xiを以下の(2)式により導出される第1特異度Piへ変換することによって第1特徴画像g21を生成する。これにより、第1前処理画像g11から縦スジPs11が抽出された第1特徴画像g21が生成される。
【0133】
【数2】
【0134】
さらに、特徴画像生成部8cは、第2前処理画像g12における第2画素値Yiを以下の(3)式により導出される第2特異度Qiへ変換することによって第2特徴画像g22を生成する。これにより、第2前処理画像g12から横スジPs12が抽出された第2特徴画像g22が生成される。
【0135】
【数3】
【0136】
さらに、特徴画像生成部8cは、第1前処理画像g11における第1画素値Xiを以下の(4)式により導出される第3特異度Riへ変換することによって第3特徴画像g23を生成する。これにより、第1前処理画像g11からノイズ点Ps13が抽出された第3特徴画像g23が生成される。
【0137】
【数4】
【0138】
或いは、特徴画像生成部8cは、第2前処理画像g12における第2画素値Yiを以下の(5)式により導出される第3特異度Riへ変換することによって第3特徴画像g23を生成してもよい。これにより、第2前処理画像g12からノイズ点Ps13が抽出された第3特徴画像g23が生成される。
【0139】
【数5】
【0140】
以上に示されるように、特徴画像生成部8cは、第1前処理画像g11の各画素値を指標値Ziに基づく予め定められた(2)式で変換する処理により第1特徴画像g21を生成する。(2)式は第1変換式の一例である。
【0141】
さらに特徴画像生成部8cは、第2前処理画像g12の各画素値を指標値Ziに基づく予め定められた(3)式で変換する処理により第2特徴画像g22を生成する。(3)式は第2変換式の一例である。
【0142】
さらに特徴画像生成部8cは、第1前処理画像g11または第2前処理画像g12の各画素値を指標値Ziに基づく予め定められた(4)式または(5)式で変換する処理により第3特徴画像g23を生成する。(4)式および(5)式は、それぞれ第3変換式の一例である。
【0143】
工程S201における第1特徴画像g21、第2特徴画像g22および第3特徴画像g23を生成する処理は、第1前処理画像g11および第2前処理画像g12における1つ以上の特異部Ps1のうち縦スジPs11、横スジPs12およびノイズ点Ps13をそれぞれ前記画像不良として抽出する処理の一例である。
【0144】
工程S201において第3特徴画像g23を生成する処理は、第1前処理画像g11および第2前処理画像g12における1つ以上の特異部Ps1のうち、第1前処理画像g11および第2前処理画像g12に共通するものをノイズ点Ps13として抽出する処理の一例である。
【0145】
特徴画像生成部8cは、特徴画像g21,g22,g23が生成された後、処理を工程S202へ移行させる。
【0146】
<工程S202>
工程S202において、特異部特定部8dは、特徴画像g21,g22,g23それぞれにおける特異部Ps1の位置を特定する。工程S201,S201の処理は、テスト画像g1における複数の有意な画素からなる特異部Ps1を特定する処理の一例である。
【0147】
例えば、特異部特定部8dは、特徴画像g21,g22,g23それぞれにおける予め定められた基準範囲から外れる画素値を有する部分を特異部Ps1であると判定する。工程S202において、縦スジPs11が第1特徴画像g21から特定され、横スジPs12が第2特徴画像g22から特定され、ノイズ点Ps13が第3特徴画像g23から特定される。
【0148】
また、特異部特定部8dは、特徴画像g21,g22,g23それぞれについて結合処理を実行する。前記結合処理は、複数の特異部Ps1が主走査方向D1および副走査方向D2のそれぞれにおいて予め定められた近接範囲内に存在する場合に、それら複数の特異部Ps1を一連の1つの特異部Ps1として結合する処理である。
【0149】
例えば、第1特徴画像g21が、前記近接範囲内で副走査方向D2に間隔を空けて並ぶ2本の縦スジPs11を含む場合に、特異部特定部8dは、前記結合処理によってそれら2本の縦スジPs11を1本の縦スジPs11として結合する。
【0150】
同様に、第2特徴画像g22が、前記近接範囲内で主走査方向D1に間隔を空けて並ぶ2本の横スジPs12を含む場合に、特異部特定部8dは、前記結合処理によってそれら2本の横スジPs12を1本の横スジPs12として結合する。
【0151】
また、第3特徴画像g23が、前記近接範囲内で主走査方向D1または副走査方向D2に間隔を隔てて並ぶ複数のノイズ点Ps13を含む場合に、特異部特定部8dは、前記結合処理によってそれら複数のノイズ点Ps13を1つのノイズ点Ps13として結合する。
【0152】
特異部特定部8dは、3つの特徴画像g21,g22,g23のいずれにおいても特異部Ps1の位置が特例されなかった場合に、前記特異不良判定処理を終了させる。一方、特異部特定部8dは、3つの特徴画像g21,g22,g23のうちの1つ以上について特異部Ps1の位置が特定された場合に、処理を工程S203へ移行させる。
【0153】
<工程S203>
工程S203において、色ベクトル特定部8eは、テスト画像g1における特異部Ps1の色および特異部Ps1の周辺を含む参照領域の色の一方から他方への色空間内のベクトルを表す色ベクトルを特定する。
【0154】
前記参照領域は、特異部Ps1を基準にして定まる予め定められた範囲の領域である。例えば、前記参照領域は、特異部Ps1に隣接する周辺領域を含み、特異部Ps1を含まない領域である。また、前記参照領域が、特異部Ps1と特異部Ps1に隣接する周辺領域とを含んでもよい。
【0155】
テスト画像g1は、本来は一様なハーフトーン画像である。そのため、良好なテスト画像g1がテスト出力シート9に形成された場合、特異部Ps1は特定されず、テスト画像g1のいずれの位置の前記色ベクトルも概ねゼロベクトルである。
【0156】
一方、特異部Ps1が特定された場合、特異部Ps1とその特異部Ps1に対応する前記参照領域との間の前記色ベクトルの方向は、画像形成装置2における4つの現像色のうちのいずれかのトナー濃度の過剰または不足を表す。
【0157】
従って、前記色ベクトルの方向は、特異部Ps1が発生した原因が画像形成装置2における4つの作像部4xのうちのいずれであるかを表す。
【0158】
なお、色ベクトル特定部8eは、テスト画像g1における特異部Ps1の色および予め定められた基準色の一方から他方への色空間内のベクトルを、前記色ベクトルとして特定してもよい。この場合、前記基準色は、テスト画像g1の本来の色である。
【0159】
さらに、工程S203において、色ベクトル特定部8eは、前記色ベクトルに基づいて、特異部Ps1の原因となっている現像色と、その現像色の濃度の過不足の状態とを判定する。
【0160】
例えば、テスト画像g1の前記基準色に対してシアン、マゼンタ、イエローまたはブラックのそれぞれの濃度が増大する方向および同濃度が不足する方向を表す複数の単位ベクトルの情報が、予め二次記憶装置82に記憶されている。
【0161】
色ベクトル特定部8eは、前記色ベクトルを予め定められた単位長さに正規化する。さらに、色ベクトル特定部8eは、正規化後の前記色ベクトルが複数の前記単位ベクトルのいずれに最も近似するかを判定する。これにより、色ベクトル特定部8eは、特異部Ps1の原因となっている現像色と、その現像色の濃度の過不足の状態とを判定する。
【0162】
そして、色ベクトル特定部8eは、工程S203の処理を実行した後に、処理を工程S204へ移行させる。
【0163】
<工程S204>
工程S204において、周期性判定部8fは、第2特徴画像g22および第3特徴画像g23の一方または両方において特異部Ps1が特定されている場合に、処理を工程S205へ移行させ、そうでない場合に処理を工程S206へ移行させる。
【0164】
以下の説明において、第2特徴画像g22および第3特徴画像g23のうち特異部Ps1が特定されている一方または両方のことを周期性判定対象画像と称する。前記周期性判定対象画像における特異部Ps1は、横スジPs12またはノイズ点Ps13である(図7参照)。
【0165】
<工程S205>
工程S205において、周期性判定部8fは、前記周期性判定対象画像ついて周期的特異部判定処理を実行する。前記周期的特異部判定処理は、数判定処理と、特異部周期性判定処理と、特異部周期性原因判定処理とを含む。
【0166】
前記数判定処理は、前記周期性判定対象画像において副走査方向D2に並ぶ特異部Ps1の数を判定する処理である。
【0167】
具体的には、周期性判定部8fは、第2特徴画像g22において、主走査方向D1の同じ範囲を占める部分が予め定められた比率を超える横スジPs12が副走査方向D2に並ぶ数をカウントすることにより、副走査方向D2に並ぶ横スジPs12の数を判定する。
【0168】
さらに、周期性判定部8fは、第3特徴画像g23において、主走査方向D1の位置ズレが予め定められた範囲内であるノイズ点Ps13が副走査方向D2に並ぶ数をカウントすることにより、副走査方向D2に並ぶノイズ点Ps13の数を判定する。
【0169】
周期性判定部8fは、副走査方向D2に並ぶ数が2つ以上の特異部Ps1についてのみ前記特異部周期性判定処理を実行する。
【0170】
また、周期性判定部8fは、副走査方向D2に並ぶ数が1つの特異部Ps1については、前記周期性が無いと判定し、前記特異部周期性判定処理および前記特異部周期性原因判定処理をスキップする。
【0171】
前記特異部周期性判定処理は、前記周期性判定対象画像について副走査方向D2における予め定められた1つ以上の周期性の有無を判定する処理である。
【0172】
前記周期性は、作像部4x各々、または、転写装置44において、感光体41、帯電ローラー42a、現像ローラー43aまたは一次転写ローラー441などの作像関連の回転体の外周長に対応している。前記作像関連の回転体の状態は、前記シートに形成される画像の良否に影響する。以下の説明において、前記作像関連の回転体のことを作像回転体と称する。
【0173】
前記作像回転体の不良が原因で前記画像不良が生じる場合、前記作像回転体の外周長に対応する前記周期性が、複数の横スジPs12または複数のノイズ点Ps13の副走査方向D2の間隔として現れることがある。
【0174】
従って、前記周期性判定対象画像が、前記作像回転体の外周長に対応する前記周期性を有する場合、その周期性に対応する前記作像回転体が、前記周期性判定対象画像における横スジPs12またはノイズ点Ps13の原因であるといえる。
【0175】
周期性判定部8fは、前記周期性判定対象画像において副走査方向D2に並ぶ特異部Ps1の数が2つである場合、前記特異部周期性判定処理として間隔導出処理を実行する。
【0176】
周期性判定部8fは、前記間隔導出処理において、2つの特異部Ps1の副走査方向D2の間隔を2つの特異部Ps1の周期として導出する。
【0177】
周期性判定部8fは、前記周期性判定対象画像において副走査方向D2に並ぶ特異部Ps1の数が3つ以上である場合、前記特異部周期性判定処理として周波数解析処理を実行する。
【0178】
周期性判定部8fは、前記周波数解析処理において、副走査方向D2に並ぶ3つ以上の特異部Ps1を含む前記周期性判定対象画像について特異部周波数を特定する。前記特異部周波数は、前記周期性判定対象画像における特異部Ps1のデータ列の周波数分布における支配的な周波数である。周期性判定部8fは、フーリエ変換などの周波数解析を行うことにより、前記特異部周波数を特定する。
【0179】
さらに、周期性判定部8fは、前記特異部周波数に対応する周期を3つ以上の特異部Ps1の周期として導出する。
【0180】
そして、周期性判定部8fは、前記特異部周期性原因判定処理において、予め定められた前記作像回転体の複数の候補について、各候補の外周長が特異部Ps1の周期との間で予め定められた周期近似条件を満たすか否かを判定する。工程S205における前記作像回転体の複数の候補は、横スジPs12またはノイズ点Ps13に対応する予め定められた複数の原因候補の一例である。
【0181】
以下の説明において、前記作像回転体の候補のいずれかが前記周期近似条件を満たすと判定された対象の特異部Ps1のことを周期的特異部と称し、その他の特異部Ps1のことを非周期的特異部と称する。前記周期的特異部および前記非周期的特異部は、第2特徴画像g22または第3特徴画像g23に含まれる特異部Ps1である。
【0182】
周期性判定部8fは、前記特異部周期性原因判定処理において、前記周期近似条件を満たすと判定された前記作像回転体の候補の1つが前記周期的特異部の発生の原因であると判定する。これにより、横スジPs12またはノイズ点Ps13の原因が判定される。
【0183】
また、工程S205において、周期性判定部8fは、工程S203で判定された前記色ベクトルに基づいて、横スジPs12またはノイズ点Ps13の原因が、それぞれ現像色が異なる4つの作像部4xのうちのいずれの前記作像回転体であるかを判定する。
【0184】
また、周期性判定部8fは、副走査方向D2に並ぶ3つ以上の特異部Ps1が前記特異部周波数に対応しない前記非周期的特異部を含む場合、前記非周期的特異部を後述する特徴パターン認識処理の対象とする。
【0185】
例えば、周期性判定部8fは、前記フーリエ変換により得られる前記周波数分布から前記特異部周波数以外の周波数成分が除去されたものに逆フーリエ変換を施すことにより逆フーリエ変換データを生成する。
【0186】
さらに、周期性判定部8fは、副走査方向D2に並ぶ3つ以上の特異部Ps1のうち、前記逆フーリエ変換データが示す副走査方向D2の波形におけるピーク位置から外れた位置に存在するものを前記非周期的特異部として判別する。
【0187】
そして、周期性判定部8fは、工程S205の処理の結果、第2特徴画像g22および第3特徴画像g23が前記非周期的特異部を含まないと判定された場合に、前記特異不良判定処理を終了させる。
【0188】
一方、工程S205の処理の結果、第2特徴画像g22および第3特徴画像g23が前記非周期的特異部を含むと判定された場合に、処理を工程S206へ移行させる。
【0189】
<工程S206>
工程S206において、ノイズ点判定部8hは、前記非周期的特異部を含む第3特徴画像g23について、後述するノイズ点判定処理を実行する。前記ノイズ点判定処理は、第3特徴画像g23における前記周期性を有さないノイズ点Ps13の原因が前記廃トナー落ち、および、前記キャリア現像のいずれであるかを判定する処理である。
【0190】
ノイズ点判定部8hは、工程S206の処理の後、第2特徴画像g22または第3特徴画像g23が未判定の前記非周期的特異部を含む場合に、処理を工程S207へ移行させ、そうでない場合に前記特異不良判定処理を終了させる。
【0191】
<工程S207>
工程S207において、パターン認識部8gは、第1特徴画像g21と、それぞれ未判定の前記非周期的特異部を含む第2特徴画像g22および第3特徴画像g23とのそれぞれについて特徴パターン認識処理を実行する。
【0192】
前記特徴パターン認識処理において、第1特徴画像g21と、未判定の前記非周期的特異部を含む第2特徴画像g22および第3特徴画像g23とのそれぞれが入力画像とされる。パターン認識部8gは、前記特徴パターン認識処理において、前記入力画像のパターン認識により、前記入力画像が前記画像不良に対応する予め定められた複数の原因候補のいずれに対応するかを判定する。
【0193】
また、前記特徴パターン認識処理の前記入力画像が、前記エッジ強調フィルター処理により得られる前記横エッジ強度マップデータまたは前記縦エッジ強度マップデータを含んでいてもよい。例えば、縦スジPs11の判定のための前記特徴パターン認識処理において、第1特徴画像g21および前記横エッジ強度マップデータが前記入力画像として用いられる。
【0194】
同様に、横スジPs12の判定のための前記特徴パターン認識処理において、第2特徴画像g22および前記縦エッジ強度マップデータが前記入力画像として用いられる。
【0195】
同様に、ノイズ点Ps13の判定のための前記特徴パターン認識処理において、第3特徴画像g23と、前記横エッジ強度マップデータおよび前記縦エッジ強度マップデータの一方もしくは両方とが前記入力画像として用いられる。
【0196】
例えば、前記特徴パターン認識処理は、前記複数の原因候補に対応する複数のサンプル画像を教師データとして予め学習された学習モデルにより、前記入力画像を前記複数の原因候補のいずれかに分類する処理である。
【0197】
例えば、前記学習モデルは、ランダムフォレストと称される分類型の機械学習アルゴリズムが採用されたモデル、SVM(Support Vector Machine)と称される機械学習アルゴリズムが作用されたモデル、またはCNN(Convolutional Neural Network)アルゴリズムが採用されたモデルなどである。
【0198】
前記学習モデルは、第1特徴画像g21と、それぞれ前記非周期的特異部を含む第2特徴画像g22および第3特徴画像g23とのそれぞれについて個別に用意される。また、前記原因候補ごとに前記複数のサンプル画像が前記教師データとして用いられる。
【0199】
また、工程S207において、パターン認識部8gは、工程S203で判定された前記色ベクトルに基づいて、縦スジPs11、横スジPs12またはノイズ点Ps13の原因が、それぞれ現像色が異なる4つの作像部4xのうちのいずれの部品であるかを判定する。
【0200】
工程S207の処理により、縦スジPs11の原因と、前記非周期的特異部として判別された横スジPs12およびノイズ点Ps13の原因とが判定される。パターン認識部8gは、工程S206の処理を実行した後、前記特異不良判定処理を終了させる。
【0201】
[ノイズ点判定処理]
続いて、図5に示されるフローチャートを参照しつつ、工程S206の前記ノイズ点判定処理の手順の一例について説明する。以下の説明において、S301,S302,…は、前記ノイズ点判定処理における複数の工程の識別符号を表す。前記ノイズ点判定処理は、工程S301から開始される。
【0202】
なお、前述したように、前記ノイズ点判定処理において原因判定の対象となるノイズ点Ps13は、前記非周期的特異部として判別されたノイズ点Ps13である。
【0203】
<工程S301>
工程S301において、ノイズ点判定部8hは、テスト画像g1におけるノイズ点Ps13の色が彩色および無彩色のいずれであるかを判定する。
【0204】
通常、ノイズ点Ps13が前記廃トナー落ち、または、前記キャリア現像に起因して生じる場合、ノイズ点Ps13の色はブラック系の無彩色である。
【0205】
そこで、ノイズ点判定部8hは、ノイズ点Ps13の色が彩色であると判定する場合に、ノイズ点Ps13の原因が前記廃トナー落ち、および、前記キャリア現像のいずれであるかの判定を行うことなく、前記ノイズ点判定処理を終了させる。
【0206】
一方、ノイズ点判定部8hは、ノイズ点Ps13の色が無彩色であると判定する場合に、処理を工程S302へ移行させる。
【0207】
<工程S302>
工程S302において、ノイズ点判定部8hは、テスト画像g1における本来描画されているべき部分である本来描画部Pd1を特定する(図9,10参照)。
【0208】
テスト画像g1が複数の線画像からなるスクリーンによって濃淡を表す画像である場合、ノイズ点判定部8hは、前記スクリーンの部分を本来描画部Pd1として特定する。図9は、テスト出力シート9の一部を拡大して示す図である。
【0209】
図9に示される例において、テスト画像g1は、それぞれ副走査方向D2に対して交差する方向に延びる複数の線画像からなる万線スクリーンによって濃淡を表す画像である。この場合、ノイズ点判定部8hは、前記万線スクリーンの部分を本来描画部Pd1として特定する。なお、副走査方向D2は、テスト画像g1における縦方向である。
【0210】
ここで、予め定められた数式により特定される前記万線スクリーンの一部の位置または前記万戦スクリーンの輪郭を表す座標を論理座標と称する。また、テスト画像g1における前記論理座標に対応する一部の位置またはテスト画像g1の輪郭を表す座標を対象座標と称する。
【0211】
例えば、ノイズ点判定部8hは、前記論理座標を前記対象座標と最も近似するように向きおよび大きさの補正係数を導出する。さらに、ノイズ点判定部8hは、前記論理式により特定される前記万線スクリーンの位置を前記補正係数によって補正することにより、本来描画部Pd1の位置を特定する。
【0212】
また、原テスト画像g01およびテスト画像g1が、それぞれ予め定められた形状の複数の基準マークを含むことが考えられる。この場合、ノイズ点判定部8hは、テスト画像g1における前記複数の基準マークの位置を特定し、前記複数の基準マークの位置を基準にして本来描画部Pd1を特定する。なお、テスト画像g1における前記基準マークの部分は、前記画像不良の判定の対象から除外される。
【0213】
ノイズ点判定部8hは、工程S302の処理を実行した後、処理を工程S303へ移行させる。
【0214】
<工程S303>
工程S303において、ノイズ点判定部8hは、本来描画部Pd1とノイズ点Ps13との重なり度合いを判定することにより、ノイズ点Ps13の原因が予め定められた2種類の原因候補のいずれであるかを判定する。前記2種類の原因候補は、前記廃トナー落ちおよび前記キャリア現像である。
【0215】
図10において、第1ノイズ点Ps131は、前記廃トナー落ちを原因とするノイズ点Ps13を表し、第2ノイズ点Ps132は、前記キャリア現像を原因とするノイズ点Ps13を表す。
【0216】
第1ノイズ点Ps131は、本来描画部Pd1の位置に関係なくいずれの位置でも生じ得る。そのため、第1ノイズ点Ps131は、本来描画部Pd1と重なることが多い。一方、第2ノイズ点Ps132は、感光体41の表面における暗電位の部分で生じやすいため、本来描画部Pd1と重ならないことが多い。
【0217】
そこで、ノイズ点判定部8hは、テスト画像g1における複数のノイズ点Ps13のうち本来描画部Pd1と重なるものの比率である重なり率を導出する。そして、ノイズ点判定部8hは、前記重なり率が予め定められた比率を下回る場合にノイズ点Ps13の原因が前記キャリア現像であると判定し、そうでない場合にノイズ点Ps13の原因が前記廃トナー落ちであると判定する。
【0218】
以上に示されるように、ノイズ点判定部8hは、工程S302,S303において、前記無彩色と判定されたノイズ点Ps13の原因が前記廃トナー落ち、および、前記キャリア現像のいずれであるかを判定する。
【0219】
但し、上記の判定のためには、本来描画部Pd1の隙間が、前記キャリア現像に起因する第2ノイズ点Ps132の直径よりも大きいことが必要である。そのため、テスト画像g1は、少なくとも40マイクロメートルを超える間隔を空けて並ぶ複数の線画像からなるスクリーンにより形成されることが望ましい。
【0220】
また、前記廃トナー落ちに起因する第1ノイズ点Ps131は、縦長の形状で形成されることがある。そのため、テスト画像g1は、それぞれ副走査方向D2に対して交差する方向に延びる複数の線画像からなる前記万線スクリーンによって濃淡を表す画像であることが望ましい。これにより、縦長の第1ノイズ点Ps131が本来描画部Pd1と重なる状況が生じやすい。
【0221】
図9に示される例において、テスト画像g1は、それぞれ副走査方向D2に対して斜めに交差する方向に延びる複数の線画像からなる前記万線スクリーンによって濃淡を表す画像である。
【0222】
ノイズ点判定部8hは、工程S303の処理の後、前記ノイズ点判定処理を終了させる。
【0223】
[電圧補正処理]
次に、図6に示されるフローチャートを参照しつつ、ノイズ点Ps13の原因が前記キャリア現像であると判定される場合に実行される前記電圧補正処理の手順の一例について説明する。
【0224】
主制御部8aは、前記電圧補正処理において、帯電装置42が感光体41へ出力する前記帯電電圧、および、バイアス出力回路430が現像ローラー43aへ出力する前記現像バイアスの一方または両方を補正することにより、ギャップ電圧を補正する。
【0225】
前記ギャップ電圧は、感光体41の表面の暗電位と前記現像バイアスとの差である。前記暗電位は、感光体41の表面における帯電装置42によって帯電された部分の前記静電潜像が書き込まれる前の電位である。
【0226】
前記帯電電圧、前記現像バイアスおよび前記ギャップ電圧は、過剰に補正されると前記キャリア現像以外の前記画像不良の原因となり得る。そのため、前記ギャップ電圧の補正は、予め定められた許容補正範囲内で行われる。
【0227】
以下の説明において、S401,S402,…は、前記電圧補正処理における複数の工程の識別符号を表す。前記電圧補正処理は、工程S401から開始される。
【0228】
<工程S401>
工程S401において、主制御部8aは、現状の前記ギャップ補正の状況が前記許容補正範囲に対して未だ余裕がある場合に処理を工程S402へ移行させ、そうでない場合に処理を工程S404へ移行させる。
【0229】
<工程S402>
工程S402において、主制御部8aは、帯電装置42およびバイアス出力回路430の一方または両方に対し、前記ギャップ電圧を小さく補正することを示す補正司令を出力する。
【0230】
前記補正司令は、前記帯電電圧を下げることを示す帯電装置42に対する司令、および、前記現像バイアスを上げることを示すバイアス出力回路430に対する司令の一方または両方を含む。
【0231】
例えば、主制御部8aは、ノイズ点Ps13の不良度合いに応じて、前記ギャップ電圧の補正量を設定する。ノイズ点Ps13の前記不良度合いは、例えば図4の工程S202において特定された第3特徴画像g23におけるノイズ点Ps13の数である。この場合、主制御部8aは、ノイズ点Ps13の数が少ない場合よりも多い場合の方が、前記ギャップ電圧がより小さくなるように前記補正司令を設定する。
【0232】
主制御部8aは、工程S402の処理の後、処理を工程S403へ移行させる。
【0233】
<工程S403>
工程S403において、主制御部8aは、ノイズ点Ps13の原因が前記キャリア現像であると判定されたときのノイズ点Ps13の前記不良度合い、および、前記キャリア現像の判定に応じた前記補正司令に関する履歴情報を二次記憶装置82に記録する。二次記憶装置82は、不揮発性の記憶装置の一例である。
【0234】
前記電圧補正処理が実行された後、新たにノイズ点Ps13の原因が前記キャリア現像であると判定された場合がある。この場合、主制御部8aは、新たな前記電圧補正処理の工程S402において、前記履歴情報に基づいて前記補正司令の内容を設定する。
【0235】
例えば、主制御部8aは、前記履歴情報における前記ギャップ電圧の補正量と、前記履歴情報における前回のノイズ点Ps13の前記不良度合いから今回のノイズ点Ps13の前記不良度合いへの改善度合いとに応じて、今回の前記ギャップ電圧の補正量を設定する。
【0236】
主制御部8aは、工程S403の処理の後、前記電圧補正処理を終了させる。
【0237】
<工程S404>
工程S404において、主制御部8aは、予め定められた警告通知を出力する。例えば、前記警告通知の出力は、前記電圧補正処理によってノイズ点Ps13を解消できない旨を表すメッセージを表示部802に表示させることである。
【0238】
主制御部8aは、工程S404の処理の後、前記電圧補正処理を終了させる。
【0239】
また、本実施形態において、主制御部8aは、前記電圧補正処理が実行された後、特異部特定部8dによって新たなテスト画像g1におけるノイズ点Ps13が特定された場合に改善通知処理を実行する。前記改善通知処理は、前記履歴情報に基づいてノイズ点Ps13の改善状況を判定し、判定結果を通知する処理である。
【0240】
例えば、主制御部8aは、前記改善通知処理において、前記履歴情報における前回のノイズ点Ps13の数から今回の新たなテスト画像g1におけるノイズ点Ps13の数への改善率を算出する。さらに、主制御部8aは、前記改善通知処理によって前記改善率に相当するノイズ点Ps13の改善が達成された旨を表すメッセージを表示部802に表示させる。
【0241】
また、主制御部8aは、前記電圧補正処理において、工程S402および工程S403の処理を4つの現像色それぞれについて順番に実行してもよい。この場合、主制御部8aは、新たなテスト画像g1についての前記特異不良判定処理が実行されたときに、前記履歴情報に基づいて前記現像色ごとの前記改善率を算出する。
【0242】
さらに、主制御部8aは、予め定められた有効条件を満たす前記改善率に対応する前記現像色についての前記ギャップ電圧の補正量を維持する。例えば、前記有効条件は、前記改善率が予め定められた値を超えているという条件である。また、前記有効条件は、4つの現像色に対応する前記改善率の中で最も大きな値であるという条件であってもよい。
【0243】
一方、主制御部8aは、前記有効条件を満たさない前記改善率に対応する前記現像色についての前記ギャップ電圧の補正量は1回前の状態へ戻す。これにより、前記現像色ごとに適切な前記ギャップ電圧の補正が行われる。なお、1回前の前記ギャップ電圧の補正量の情報は、前記履歴情報に含まれる。
【0244】
以上に示されるように、特徴画像生成部8cは、テスト画像g1に対して予め定められた主走査方向D1を前記処理方向とする前記第1前処理を実行することにより第1前処理画像g11を生成する(図4の工程S201および図7を参照)。さらに、特徴画像生成部8cは、テスト画像g1に対して主走査方向D1に交差する副走査方向D2を前記処理方向とする前記第2前処理を実行することにより第2前処理画像g12を生成する(図4の工程S201および図7を参照)。
【0245】
さらに、特徴画像生成部8cは、第1前処理画像g11および第2前処理画像g12に対して前記特異部抽出処理を実行する。これにより、特徴画像生成部8cは、第1特徴画像g21,第2特徴画像g22および第3特徴画像g23を生成する(図4の工程S201および図7を参照)。
【0246】
なお、工程S201の処理は、テスト画像g1に対して予め定められた特徴抽出処理を実行することにより複数の特徴画像g21,g22,g23を生成する処理の一例である。前記特徴抽出処理は、前記第1前処理と前記第2前処理と前記特異部抽出処理とを含む。
【0247】
前記特徴抽出処理は、演算負荷の小さな簡易な処理である。このような簡易な処理により、1つのテスト画像g1からそれぞれ形状の異なる特異部Ps1が個別に抽出された3つの特徴画像g21,g22,g23を生成することができる。
【0248】
そして、周期性判定部8fは、第2特徴画像g22または第3特徴画像g23における特異部Ps1について、前記周期的特異部判定処理を実行する(図4の工程S205および図7を参照)。これにより、周期性判定部8fは、前記周期性の判定結果に応じて横スジPs12またはノイズ点Ps13の原因を判定する。
【0249】
横スジPs12またはノイズ点Ps13が前記作像関連の回転体の不良に起因して生じる場合、回転体の外周長に対応する前記周期性を判定する前記周期的特異部判定処理により、横スジPs12またはノイズ点Ps13の原因を高い精度で判定することができる。
【0250】
さらに、ノイズ点判定部8hは、前記周期的特異部判定処理により原因が判定されなかったノイズ点Ps13について、前記ノイズ点判定処理を実行する(図4の工程S205~S206および図5,7,8を参照)。これにより、ノイズ点Ps13の原因が前記廃トナー落ちまたは前記キャリア現像である場合に、その原因が高い精度で判定される。
【0251】
また、パターン認識部8gは、前記周期的特異部判定処理および前記ノイズ点判定処理によって原因が判定されなかった特異部Ps1について、前記特徴パターン認識処理を実行する(図4の工程S205~S207を参照)。これにより、特異部Ps1の様々な原因を判定することが可能である。
【0252】
また、前記画像不良の原因の判定が、それぞれ種類の異なる特異部Ps1を含む3つの特徴画像g21,g22,g23について個別に行われることにより、比較的簡易な判定処理によって高い精度で前記画像不良の原因を判定することができる。
【0253】
[第1応用例]
次に、図11に示されるフローチャートを参照しつつ、画像処理装置10の第1応用例における前記特徴画像生成処理の手順について説明する。
【0254】
以下の説明において、S501,S502,…は、本応用例に係る前記特徴画像生成処理における複数の工程の識別符号を表す。本応用例に係る前記特徴画像生成処理は、工程S501から開始される。
【0255】
<工程S501>
工程S501において、特徴画像生成部8cは、予め設定された複数の圧縮率候補の中から採用する圧縮率を選択し、処理を工程S502へ移行させる。
【0256】
<工程S502>
工程S502において、特徴画像生成部8cは、選択された前記圧縮率で前記読取画像を圧縮することによりテスト画像g1を生成する。工程S501,S502の処理は圧縮処理の一例である。その後、特徴画像生成部8cは、処理を工程S503へ移行させる。
【0257】
<工程S503>
工程S503において、特徴画像生成部8cは、工程S501で得られる圧縮後のテスト画像g1に前記第1前処理を実行することにより、第1前処理画像g11を生成する。その後、特徴画像生成部8cは、処理を工程S504へ移行させる。
【0258】
<工程S504>
工程S504において、特徴画像生成部8cは、工程S501で得られる圧縮後のテスト画像g1に前記第2前処理を実行することにより、第2前処理画像g12を生成する。その後、特徴画像生成部8cは、処理を工程S505へ移行させる。
【0259】
<工程S505>
工程S505において、特徴画像生成部8cは、前記複数の圧縮率候補の全てについて工程S501からS504の処理が実行された場合に、処理を工程S506へ移行させ、そうでない場合に、異なる前記圧縮率について工程S501~S504の処理を実行する。
【0260】
特徴画像生成部8cは、工程S501,S502の前記圧縮処理において、前記読取画像を複数の圧縮率それぞれで圧縮することによりサイズの異なる複数のテスト画像g1を生成する。
【0261】
さらに特徴画像生成部8cは、工程S503,S504において、複数のテスト画像g1に対して前記第1前処理および前記第2前処理を実行することにより、それぞれ複数のテスト画像g1に対応する複数の第1前処理画像g11および複数の第2前処理画像g12を生成する。
【0262】
<工程S506>
工程S506において、特徴画像生成部8cは、複数の第1前処理画像g11および複数の前記第2前処理画像のそれぞれに対して前記特異部抽出処理を実行する。これにより、特徴画像生成部8cは、複数のテスト画像g1に対応する第1特徴画像g21、第2特徴画像g22および第3特徴画像g23のそれぞれの複数の候補を生成する。その後、特徴画像生成部8cは、処理を工程S507へ移行させる。
【0263】
<工程S507>
工程S507において、特徴画像生成部8cは、工程S506で得られる前記複数の候補を集約することにより、第1特徴画像g21、第2特徴画像g22および第3特徴画像g23を生成する。その後、特徴画像生成部8cは、前記特徴画像生成処理を終了させる。
【0264】
例えば、特徴画像生成部8cは、第1特徴画像g21の複数の候補における各画素値の最大値または平均値などの代表値を第1特徴画像g21の各画素値として設定する。第2特徴画像g22および第3特徴画像g23についても同様である。
【0265】
工程S501~S504の処理は、テスト画像g1と注目領域Ax1および隣接領域Ax2のサイズとのサイズ比の異なる複数回の前記第1前処理および前記第2前処理を実行することにより、複数の第1前処理画像g11および複数の第2前処理画像g12を生成する処理の一例である。前記圧縮率を変更することは、テスト画像g1と注目領域Ax1および隣接領域Ax2のサイズとの前記サイズ比を変更することの一例である。
【0266】
また、工程S506~S507の処理は、複数の第1前処理画像g11および複数の第2前処理画像g12に基づく前記特異部抽出処理により、第1特徴画像g21、第2特徴画像g22および第3特徴画像g23を生成する処理の一例である。
【0267】
本応用例が採用されることにより、太さの異なる縦スジPs11もしくは横スジPs12、または、大きさの異なるノイズ点Ps13を漏れなく抽出することができる。
【0268】
[第2応用例]
次に、図12に示されるフローチャートを参照しつつ、画像処理装置10の第2応用例における前記特徴画像生成処理の手順について説明する。
【0269】
以下の説明において、S601,S602,…は、本応用例に係る前記特徴画像生成処理における複数の工程の識別符号を表す。本応用例に係る前記特徴画像生成処理は、工程S601から開始される。
【0270】
<工程S601~S605>
特徴画像生成部8cは、工程S501~S505と同じ処理である工程S601~S605の処理を実行する。工程S605において、特徴画像生成部8cは、前記複数の圧縮率候補の全てについて工程S601からS604の処理が実行された場合に、処理を工程S606へ移行させる。
【0271】
<工程S606>
工程S606において、特徴画像生成部8cは、複数の第1前処理画像g11および複数の前記第2前処理画像をそれぞれ1つに集約する。その後、特徴画像生成部8cは、処理を工程S607へ移行させる。
【0272】
例えば、特徴画像生成部8cは、複数の第1前処理画像g11における各画素値の最大値または平均値などの代表値を集約後の第1特徴画像g21の各画素値として設定する。複数の第2前処理画像g12についても同様である。
【0273】
<工程S607>
工程S607において、特徴画像生成部8cは、集約後の第1前処理画像g11および第2前処理画像g12に対して前記特異部抽出処理を実行することにより、第1特徴画像g21、第2特徴画像g22および第3特徴画像g23を生成する。その後、特徴画像生成部8cは、前記特徴画像生成処理を終了させる。
【0274】
本応用例が採用される場合も、第1応用例が採用される場合と同様の効果が得られる。
【0275】
[第3応用例]
次に、図13に示されるフローチャートを参照しつつ、画像処理装置10の第3応用例における前記特徴画像生成処理の手順について説明する。
【0276】
以下の説明において、S701,S702,…は、本応用例に係る前記特徴画像生成処理における複数の工程の識別符号を表す。本応用例に係る前記特徴画像生成処理は、工程S701から開始される。
【0277】
以下の説明において、前記第1前処理および前記第2前処理における注目領域Ax1および隣接領域Ax2のサイズのことをフィルターサイズと称する。
【0278】
<工程S701>
工程S701において、特徴画像生成部8cは、予め設定された複数のサイズ候補の中から採用する前記フィルターサイズを選択し、処理を工程S702へ移行させる。
【0279】
<工程S702>
工程S702において、特徴画像生成部8cは、テスト画像g1に工程S701で選択された前記フィルターサイズでの前記第1前処理を実行することにより、第1前処理画像g11を生成する。その後、特徴画像生成部8cは、処理を工程S703へ移行させる。
【0280】
<工程S703>
工程S703において、特徴画像生成部8cは、テスト画像g1に工程S701で選択された前記フィルターサイズでの前記第2前処理を実行することにより、第2前処理画像g12を生成する。その後、特徴画像生成部8cは、処理を工程S704へ移行させる。
【0281】
<工程S704>
工程S704において、特徴画像生成部8cは、前記複数のサイズ候補の全てについて工程S701からS703の処理が実行された場合に、処理を工程S705へ移行させ、そうでない場合に、異なる前記フィルターサイズによって工程S701~S703の処理を実行する。
【0282】
特徴画像生成部8cは、工程S701~S704において、1つのテスト画像g1に対して注目領域Ax1および隣接領域Ax2のサイズの異なる複数回の前記第1前処理および複数回の前記第2前処理を実行する。これにより、特徴画像生成部8cは、複数の第1前処理画像g11および複数の第2前処理画像g12を生成する。
【0283】
<工程S705,S706>
特徴画像生成部8cは、工程S705およびS706において、図11の工程S506およびS507と同じ処理を実行する。その後、特徴画像生成部8cは、前記特徴画像生成処理を終了させる。
【0284】
工程S705,S706の処理により、第1特徴画像g21、第2特徴画像g22および第3特徴画像g23の複数の候補が集約され、集約後の第1特徴画像g21、第2特徴画像g22および第3特徴画像g23が生成される。
【0285】
工程S701~S704の処理は、テスト画像g1と注目領域Ax1および隣接領域Ax2のサイズとのサイズ比の異なる複数回の前記第1前処理および前記第2前処理を実行することにより、複数の第1前処理画像g11および複数の第2前処理画像g12を生成する処理の一例である。前記フィルターサイズを変更することは、テスト画像g1と注目領域Ax1および隣接領域Ax2のサイズとの前記サイズ比を変更することの一例である。
【0286】
本応用例が採用されることにより、太さの異なる縦スジPs11もしくは横スジPs12、または、大きさの異なるノイズ点Ps13を漏れなく抽出することができる。
【0287】
[第4応用例]
次に、図13に示されるフローチャートを参照しつつ、画像処理装置10の第4応用例における前記特徴画像生成処理の手順について説明する。
【0288】
以下の説明において、S801,S802,…は、本応用例に係る前記特徴画像生成処理における複数の工程の識別符号を表す。本応用例に係る前記特徴画像生成処理は、工程S801から開始される。
【0289】
<工程S801~S804>
特徴画像生成部8cは、工程S701~S704と同じ処理である工程S801~S804の処理を実行する。工程S804において、特徴画像生成部8cは、前記複数のサイズ候補の全てについて工程S801からS803の処理が実行された場合に、処理を工程S805へ移行させる。
【0290】
<工程S805,S806>
さらに特徴画像生成部8cは、工程S606,S607と同じ処理である工程S805,S806の処理を実行する。その後、特徴画像生成部8cは、前記特徴画像生成処理を終了させる。
【0291】
本応用例が採用される場合も、第1応用例が採用される場合と同様の効果が得られる。
【0292】
[第5応用例]
次に、画像処理装置10の第5応用例における前記特徴画像生成処理について説明する。
【0293】
本応用例において、特徴画像生成部8cは、第1前処理画像g11および第2前処理画像g12の各画素値と予め定められた基準範囲との比較により、特異部Ps1を構成する画素とそうでない画素とを判別する。
【0294】
即ち、本応用例において、特徴画像生成部8cは、前記特異部抽出処理において、第1前処理画像g11および第2前処理画像g12の各画素値の大きさにより特異部Ps1を特定する。
【0295】
さらに特徴画像生成部8cは、第1前処理画像g11の特異部Ps1から第1前処理画像g11および第2前処理画像g12に共通の特異部Ps1を除くことにより縦スジPs11を抽出する。
【0296】
さらに特徴画像生成部8cは、第2前処理画像g12の特異部Ps1から第1前処理画像g11および第2前処理画像g12に共通の特異部Ps1を除くことにより横スジPs12を抽出する。
【0297】
さらに特徴画像生成部8cは、第1前処理画像g11および第2前処理画像g12に共通の特異部Ps1をノイズ点Ps13として抽出する。
【0298】
例えば、特徴画像生成部8cは、第1前処理画像g11における縦スジPs11以外に判別された第1画素値Xiを周囲の画素値に基づく補間値へ変換することによって第1特徴画像g21を生成する。
【0299】
同様に、特徴画像生成部8cは、第2前処理画像g12における横スジPs12以外に判別された第2画素値Yiを周囲の画素値に基づく補間値へ変換することによって第2特徴画像g22を生成する。
【0300】
同様に、特徴画像生成部8cは、第1前処理画像g11におけるノイズ点Ps13以外に判別された第1画素値Xiを周囲の画素値に基づく補間値へ変換することによって第3特徴画像g23を生成する。
【0301】
或いは、特徴画像生成部8cは、第2前処理画像g12におけるノイズ点Ps13以外に判別された第2画素値Yiを周囲の画素値に基づく補間値へ変換することによって第3特徴画像g23を生成してもよい。
【0302】
[第6応用例]
以下、画像処理装置10の第6応用例における前記画像不良判定処理について説明する。
【0303】
一般に、イエローと他の色とが混在する画像からイエローの部分の濃淡をイメージセンサー1aによって正確に検出することは、各色の濃度の状況によって難しい場合がある。同様に、ブラックと彩色とが混在する画像から彩色の部分の濃淡をイメージセンサー1aによって正確に検出することも、各色の濃度の状況によって難しい場合がある。
【0304】
本応用例において、ジョブ制御部8bは、前記テストプリント処理において、それぞれ異なる種類の原テスト画像g01が形成された2枚または3枚のテスト出力シート9を出力させる。
【0305】
3枚のテスト出力シート9が出力される場合、一様なシアンの単色ハーフトーン画像および一様なマゼンタの単色ハーフトーン画像が合成された原混色テスト画像が形成されたシートと、一様なイエローの単色ハーフトーン画像である原イエローテスト画像が形成されたシートと、一様なブラックの単色ハーフトーン画像である原グレーテスト画像が形成されたシートとが出力される。
【0306】
2枚のテスト出力シート9が出力される場合、一様なシアンの単色ハーフトーン画像、一様なマゼンタの単色ハーフトーン画像および一様なイエローの単色ハーフトーン画像が合成された混色テスト画像が形成されたシートと、前記原グレーテスト画像が形成されたシートとが出力される。
【0307】
従って、本応用例におけるテスト画像g1は、前記原混色テスト画像、前記原イエローテスト画像および前記原グレーテスト画像のそれぞれに相当する混色テスト画像、イエローテスト画像およびグレーテスト画像を含む。
【0308】
前記イエローテスト画像および前記グレーテスト画像は、それぞれ前記混色テスト画像に混合されている色とは異なる1つの現像色のハーフトーン画像である。前記イエローテスト画像および前記グレーテスト画像は、それぞれ単色テスト画像の一例である。
【0309】
本応用例において、特徴画像生成部8cは、複数枚のテスト出力シート9から読み取られた前記混色テスト画像および前記単色テスト画像のそれぞれについて、第1特徴画像g21,第2特徴画像g22および第3特徴画像g23を生成する。
【0310】
さらに、本応用例において、特異部特定部8dは、前記混色テスト画像および前記単色テスト画像のそれぞれに対応する第1特徴画像g21,第2特徴画像g22および第3特徴画像g23について特異部Ps1の位置を特定する。
【0311】
そして、本応用例において、色ベクトル特定部8e、周期性判定部8f、ノイズ点判定部8hおよびパターン認識部8gは、前記混色テスト画像に対応する第1特徴画像g21,第2特徴画像g22および第3特徴画像g23を用いて、前記画像不良の原因を判定するための処理を実行する。これは、前記実施形態と同様である。
【0312】
本応用例における周期性判定部8f、ノイズ点判定部8hおよびパターン認識部8gは、前記混色テスト画像における特異部Ps1の原因を、前記混色テスト画像に混合されている複数の現像色に対応する複数の作像部4xの中から判定する。但し、特異部Ps1の原因が作像部4x以外であると判定される場合は例外である。
【0313】
さらに、本応用例において、周期性判定部8f、ノイズ点判定部8hおよびパターン認識部8gは、単色テスト画像に対応する第1特徴画像g21,第2特徴画像g22および第3特徴画像g23を用いて、前記画像不良の原因を判定するための処理を実行する。
【0314】
本応用例における周期性判定部8f、ノイズ点判定部8hおよびパターン認識部8gは、前記単色テスト画像における前記特異部に対応する前記画像不良の原因を、複数の作像部4xのうち前記単色テスト画像の色に対応する1つの中から判定する。但し、特異部Ps1の原因が作像部4x以外であると判定される場合は例外である。
【0315】
本応用例が採用される場合も、前記画像不良の原因の判定を、画像形成装置2の全現像色の数よりも少ないテスト出力シート9に基づいて行うことが可能である。
【0316】
[第7応用例]
以下、画像処理装置10の第7応用例における前記画像不良判定処理について説明する。
【0317】
本応用例において、ジョブ制御部8bは、前記テストプリント処理において、それぞれ異なる現像色の前記単色テスト画像が形成された4枚のテスト出力シート9を出力させる。従って、本応用例におけるテスト画像g1は、それぞれ異なる現像色の前記単色テスト画像である。この場合、色ベクトル特定部8eの処理は不要である。
【0318】
さらに、本応用例において、周期性判定部8f、ノイズ点判定部8hおよびパターン認識部8gは、前記単色テスト画像に対応する第1特徴画像g21,第2特徴画像g22および第3特徴画像g23を用いて、前記画像不良の原因を判定するための処理を実行する。
【0319】
本応用例における周期性判定部8f、ノイズ点判定部8hおよびパターン認識部8gは、複数の作像部4xのうち前記単色テスト画像の色に対応する1つが特異部Ps1の原因であると判定する。但し、特異部Ps1の原因が作像部4x以外であると判定される場合は例外である。
【0320】
本応用例が採用される場合も、CPU80は、画像形成装置2により出力されたテスト出力シート9から読み取られた前記単色テスト画像に基づいて縦スジPs11、横スジPs12およびノイズ点Ps13の原因を正しく判定することができる。
【0321】
[第8応用例]
以下、画像処理装置10の第8応用例における前記画像不良判定処理について説明する。
【0322】
本応用例において、CPU80は、パターン認識部8gによる処理の代わりに、第1特徴画像g21、第2特徴画像g22または第3特徴画像g23に対する他の処理によって前記画像不良の原因の判定を行う。
【0323】
例えば、本応用例におけるCPU80は、特異部Ps1の数、特異部Ps1の太さもしくは縦横比、および特異部Ps1の画素値のレベルのうちの1つまたは複数に基づく場合分けにより、前記画像不良の原因を判定する。
【符号の説明】
【0324】
1 :画像読取装置
2 :画像形成装置
3 :シート搬送機構
4 :プリント部
4x :作像部
10 :画像処理装置
41 :感光体
42 :帯電装置
42a :帯電ローラー
43 :現像装置
43a :現像ローラー
43b :現像槽
43c :規制ブレード
44 :転写装置
46 :定着装置
430 :バイアス出力回路
440 :中間転写ベルト(転写体)
D1 :主走査方向
D2 :副走査方向
Pd1 :本来描画部
Ps1 :特異部
Ps11 :縦スジ
Ps12 :横スジ
Ps13 :ノイズ点
Px1 :注目画素
g1 :テスト画像
g11 :第1前処理画像
g12 :第2前処理画像
g21 :第1特徴画像
g22 :第2特徴画像
g23 :第3特徴画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14