IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 積水ハウス株式会社の特許一覧

特許7567517SDS配信方法、SDS配信システム、出荷支援装置及び出荷支援プログラム
<>
  • 特許-SDS配信方法、SDS配信システム、出荷支援装置及び出荷支援プログラム 図1
  • 特許-SDS配信方法、SDS配信システム、出荷支援装置及び出荷支援プログラム 図2
  • 特許-SDS配信方法、SDS配信システム、出荷支援装置及び出荷支援プログラム 図3
  • 特許-SDS配信方法、SDS配信システム、出荷支援装置及び出荷支援プログラム 図4
  • 特許-SDS配信方法、SDS配信システム、出荷支援装置及び出荷支援プログラム 図5
  • 特許-SDS配信方法、SDS配信システム、出荷支援装置及び出荷支援プログラム 図6
  • 特許-SDS配信方法、SDS配信システム、出荷支援装置及び出荷支援プログラム 図7
  • 特許-SDS配信方法、SDS配信システム、出荷支援装置及び出荷支援プログラム 図8
  • 特許-SDS配信方法、SDS配信システム、出荷支援装置及び出荷支援プログラム 図9
  • 特許-SDS配信方法、SDS配信システム、出荷支援装置及び出荷支援プログラム 図10
  • 特許-SDS配信方法、SDS配信システム、出荷支援装置及び出荷支援プログラム 図11
  • 特許-SDS配信方法、SDS配信システム、出荷支援装置及び出荷支援プログラム 図12
  • 特許-SDS配信方法、SDS配信システム、出荷支援装置及び出荷支援プログラム 図13
  • 特許-SDS配信方法、SDS配信システム、出荷支援装置及び出荷支援プログラム 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】SDS配信方法、SDS配信システム、出荷支援装置及び出荷支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20241008BHJP
【FI】
G06Q50/08
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021013817
(22)【出願日】2021-01-29
(65)【公開番号】P2022117233
(43)【公開日】2022-08-10
【審査請求日】2023-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】森本 裕子
(72)【発明者】
【氏名】西村 康広
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-284897(JP,A)
【文献】特開2006-244525(JP,A)
【文献】特開2002-215720(JP,A)
【文献】特開2002-203067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築に使用される部材に関するSDS(Safety Data Sheet )情報を配信するSDS配信方法であって、
部材の出荷に用いる出荷支援装置と、
部材の使用の際に用いる現場用装置と、
配信すべきSDS情報を、SDS情報を識別するSDS識別情報に対応付けて複数種類記録しているSDSデータベースと、
部材を識別する部材識別情報及び部材に関するSDS識別情報を対応付けて記録しているSDS管理用データベースと
を用い、
前記出荷支援装置は、
邸毎の建築用に出荷する部材を示した出荷明細を示す明細情報を生成する明細情報生成ステップと、
前記SDS管理用データベースを参照して、出荷する部材に対応付けられたSDS識別情報を抽出するSDS識別情報抽出ステップと、
抽出したSDS識別情報を示したSDS一覧情報を生成する一覧生成ステップと、
生成したSDS一覧情報を、邸を識別する邸識別情報を対応付けて、他の装置と共有する情報を記録可能な共用記録部に記録する一覧記録ステップと、
前記共用記録部にアクセスし、建築すべき邸を識別する邸識別情報に対応付けられたSDS一覧情報を抽出する一覧抽出ステップと
を実行し、
前記明細情報生成ステップは、
建築用に出荷する部材の出荷時期に基づいて、出荷時期に対応する部材毎に明細情報を生成するようにしてあり、
前記一覧記録ステップは、
SDS一覧情報を、出荷時期に対応する時期に記録するようにしてあり、
前記現場用装置は、
前記SDSデータベースにアクセスし、抽出したSDS一覧情報に示されたSDS識別情報に基づいて、SDS情報を抽出するSDS情報抽出ステップと、
抽出したSDS情報を出力する出力ステップと
を実行する
ことを特徴とするSDS配信方法。
【請求項2】
建築に使用される部材に関するSDS(Safety Data Sheet )情報を配信するSDS配信システムであって、
部材の出荷に用いる出荷支援装置と、
部材の使用の際に用いる現場用装置と、
配信すべきSDS情報を、SDS情報を識別するSDS識別情報に対応付けて複数種類記録しているSDSデータベースと、
部材を識別する部材識別情報及び部材に関するSDS識別情報を対応付けて記録しているSDS管理用データベースと
を備え、
前記出荷支援装置は、
邸毎の建築用に出荷する部材を示した出荷明細を示す明細情報を生成する明細情報生成手段と、
前記SDS管理用データベースを参照して、出荷する部材に対応付けられたSDS識別情報を抽出するSDS識別情報抽出手段と、
抽出したSDS識別情報を示したSDS一覧情報を生成する一覧生成手段と、
生成したSDS一覧情報を、邸を識別する邸識別情報を対応付けて、他の装置と共有する情報を記録可能な共用記録部に記録する一覧記録手段と
を備え、
前記明細情報生成手段は、
建築用に出荷する部材の出荷時期に基づいて、出荷時期に対応する部材毎に明細情報を生成するようにしてあり、
前記一覧記録手段は、
SDS一覧情報を、出荷時期に対応する時期に記録するようにしてあり、
前記現場用装置は、
前記共用記録部にアクセスし、建築すべき邸を識別する邸識別情報に対応付けられたSDS一覧情報を抽出する一覧抽出手段と、
前記SDSデータベースにアクセスし、抽出したSDS一覧情報に示されたSDS識別情報に基づいて、SDS情報を抽出するSDS情報抽出手段と、
抽出したSDS情報を出力する出力部と
を備える
ことを特徴とするSDS配信システム。
【請求項3】
建築に使用される部材の出荷に用いる出荷支援装置であって、
邸毎の建築用に出荷する部材を示した出荷明細を示す明細情報を生成する明細情報生成手段と、
部材を識別する部材識別情報及び部材に関するSDS識別情報を対応付けて記録しているSDS管理用データベースを参照して、出荷する部材に対応付けられたSDS識別情報を抽出するSDS識別情報抽出手段と、
抽出したSDS識別情報を示したSDS一覧情報を生成する一覧生成手段と、
生成したSDS一覧情報を、邸を識別する邸識別情報を対応付けて、他の装置と共有する情報を記録可能な共用記録部に記録する一覧記録手段と
を備え
前記明細情報生成手段は、
建築用に出荷する部材の出荷時期に基づいて、出荷時期に対応する部材毎に明細情報を生成するようにしてあり、
前記一覧記録手段は、
SDS一覧情報を、出荷時期に対応する時期に記録するようにしてある
ことを特徴とする出荷支援装置。
【請求項4】
建築に使用される部材の出荷に用いるコンピュータにて実行される出荷支援プログラムでであって、
コンピュータに、
邸毎の建築用に出荷する部材を示した出荷明細を示す明細情報を生成する明細情報生成ステップと、
部材を識別する部材識別情報及び部材に関するSDS識別情報を対応付けて記録しているSDS管理用データベースを参照して、出荷する部材に対応付けられたSDS識別情報を抽出するSDS識別情報抽出ステップと、
抽出したSDS識別情報を示したSDS一覧情報を生成する一覧生成ステップと、
生成したSDS一覧情報を、邸を識別する邸識別情報を対応付けて、他の装置と共有する情報を記録可能な共用記録部に記録する一覧記録ステップと
を実行させるようにしてあり、
前記明細情報生成ステップは、
建築用に出荷する部材の出荷時期に基づいて、出荷時期に対応する部材毎に明細情報を生成するようにしてあり、
前記一覧記録ステップは、
SDS一覧情報を、出荷時期に対応する時期に記録するようにしてある
ことを特徴とする出荷支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築に使用される部材に関するSDS(Safety Data Sheet :安全データシート)情報を配信するSDS配信方法、そのようなSDS配信方法を実施するためのSDS配信システム、そのようなSDS配信システムにて用いられる出荷支援装置、及びそのような出荷支援装置を実現する出荷支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建物の建築には様々な部材が使用される。使用される部材には、一定の危険有害性のある化学物質を含む部材も存在する。労働安全衛生法改正により、一定の危険有害性のある化学物質を含む部材に対し、その取扱いに関するリスクアセスメントの実施が義務付けられた。このため、改正された労働安全衛生法に基づいて、建築に関する各事業所では、使用する化学物質に関するSDS(Safety Data Sheet :安全データシート)を施工現場へ提供することが必要となる。SDSの施工現場への提供には、事業所毎に事前にSDSを収集及びファイリングして保管し、施工現場へは、保管していたSDSから必要な物を選択し、紙媒体への印刷を行って携行する必要がある。
【0003】
化学物質の使用に関し、例えば、特許文献1には、使用される化学物質のリストを作成する環境負荷情報システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-99674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、SDSの収集及びファイリングには、作業負荷が大きいという問題があり、SDSの保管には保管場所の確保が必要という問題がある。施工現場では、SDSの保管場所に関する問題、並びにSDSの選択、印刷、携行等の作業負荷に関する問題がある。特許文献1では、SDSをデータ化することで、保管場所に関する問題を解決しているが、住宅等の建築には必ずしも対応していないという問題がある。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、作業負荷を軽減することが可能なSDS配信方法の提供を目的とする。
【0007】
また、本発明は、本発明に係るSDS配信方法を実施するためのSDS配信システムの提供を他の目的とする。
【0008】
また、本発明は、本発明に係るSDS配信システムにて用いられる出荷支援装置の提供を更に他の目的とする。
【0009】
また、本発明は、本発明に係る出荷支援装置を実現する出荷支援プログラムの提供を更に他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本願記載のSDS配信方法は、建築に使用される部材に関するSDS(Safety Data Sheet )情報を配信するSDS配信方法であって、部材の出荷に
用いる出荷支援装置と、部材の使用の際に用いる現場用装置と、配信すべきSDS情報を、SDS情報を識別するSDS識別情報に対応付けて複数種類記録しているSDSデータベースと、部材を識別する部材識別情報及び部材に関するSDS識別情報を対応付けて記録しているSDS管理用データベースとを用い、前記SDS管理用データベースを参照して、出荷する部材に対応付けられたSDS識別情報を抽出するSDS識別情報抽出ステップと、抽出したSDS識別情報を示したSDS一覧情報を生成する一覧生成ステップと、生成したSDS一覧情報を、邸を識別する邸識別情報を対応付けて、他の装置と共有する情報を記録可能な共用記録部に記録する一覧記録ステップと、前記共用記録部にアクセスし、建築すべき邸を識別する邸識別情報に対応付けられたSDS一覧情報を抽出する一覧抽出ステップと、前記SDSデータベースにアクセスし、抽出したSDS一覧情報に示されたSDS識別情報に基づいて、SDS情報を抽出するSDS情報抽出ステップと、抽出したSDS情報を出力する出力ステップとを含むことを特徴とする。
【0011】
更に、本願記載のSDS配信システムは、建築に使用される部材に関するSDS(Safety Data Sheet )情報を配信するSDS配信システムであって、部材の出荷に用いる出荷支援装置と、部材の使用の際に用いる現場用装置と、配信すべきSDS情報を、SDS情報を識別するSDS識別情報に対応付けて複数種類記録しているSDSデータベースと、部材を識別する部材識別情報及び部材に関するSDS識別情報を対応付けて記録しているSDS管理用データベースとを備え、前記出荷支援装置は、前記SDS管理用データベースを参照して、出荷する部材に対応付けられたSDS識別情報を抽出するSDS識別情報抽出手段と、抽出したSDS識別情報を示したSDS一覧情報を生成する一覧生成手段と、生成したSDS一覧情報を、邸を識別する邸識別情報を対応付けて、他の装置と共有する情報を記録可能な共用記録部に記録する一覧記録手段とを備え、前記現場用装置は、前記共用記録部にアクセスし、建築すべき邸を識別する邸識別情報に対応付けられたSDS一覧情報を抽出する一覧抽出手段と、前記SDSデータベースにアクセスし、抽出したSDS一覧情報に示されたSDS識別情報に基づいて、SDS情報を抽出するSDS情報抽出手段と、抽出したSDS情報を出力する出力部とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、前記SDS配信システムにおいて、前記出荷支援装置は、邸毎の建築用に出荷する部材を示した出荷明細を示す明細情報を生成する明細情報生成手段を備え、前記明細情報生成手段は、建築用に出荷する部材の出荷時期に基づいて、出荷時期に対応する部材毎に明細情報を生成するようにしてあり、前記一覧記録手段は、SDS一覧情報を、出荷時期に対応する時期に記録することを特徴とする。
【0013】
また、前記SDS配信システムにおいて、前記出荷支援装置は、邸毎の建築に関する建築情報を受け付ける受注手段と、受け付けた建築情報に基づいて、出荷する部材を導出する部材導出手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
更に、本願記載の出荷支援装置は、邸毎の建築用に出荷する部材を示した出荷明細を示す明細情報を生成する明細情報生成手段と、部材を識別する部材識別情報及び部材に関するSDS識別情報を対応付けて記録しているSDS管理用データベースを参照して、出荷する部材に対応付けられたSDS識別情報を抽出するSDS識別情報抽出手段と、抽出したSDS識別情報を示したSDS一覧情報を生成する一覧生成手段と、生成したSDS一覧情報を、邸を識別する邸識別情報を対応付けて、他の装置と共有する情報を記録可能な共用記録部に記録する一覧記録手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
更に、本願記載の出荷支援プログラムは、建築に使用される部材の出荷に用いるコンピュータにて実行される出荷支援プログラムでであって、コンピュータに、邸毎の建築用に出荷する部材を示した出荷明細を示す明細情報を生成する明細情報生成ステップと、部材を識別する部材識別情報及び部材に関するSDS識別情報を対応付けて記録しているSD
S管理用データベースを参照して、出荷する部材に対応付けられたSDS識別情報を抽出するSDS識別情報抽出ステップと、抽出したSDS識別情報を示したSDS一覧情報を生成する一覧生成ステップと、生成したSDS一覧情報を、邸を識別する邸識別情報を対応付けて、他の装置と共有する情報を記録可能な共用記録部に記録する一覧記録ステップとを実行させることを特徴とする。
【0016】
従って、本願記載のSDS配信方法、SDS配信システム、出荷支援装置及び出荷支援プログラムは、情報としてSDSを使用し、使用する部材に応じたSDSを共有することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、出荷する部材に応じてSDSを情報として共有することにより、紙媒体としてのSDSの保管場所を必要とせず、SDSの管理及び使用に関する作業負荷を軽減することが可能である等、優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本願記載のSDS配信システムの適用例を概念的に示す説明図である。
図2】本願記載のSDS配信システムにて用いられる出荷支援装置の構成例を示す概略ブロック図である。
図3】本願記載のSDS配信システムにて用いられる現場用装置の構成例を示す概略ブロック図である。
図4】本願記載のSDS配信システムにて用いられる管理装置の構成例を示す概略ブロック図である。
図5】本願記載のSDS配信システムにて用いられる管理装置が備えるSDS管理用データベースの記録内容の一例を概念的に示す説明図である。
図6】本願記載のSDS配信システムにて用いられる情報記録装置の構成例を示す概略ブロック図である。
図7】本願記載のSDS配信システムにて用いられる明細情報の一例を概念的に示す説明図である。
図8】本願記載のSDS配信システムが備える出荷支援装置の受注処理の一例を示すフローチャートである。
図9】本願記載のSDS配信システムが備える出荷支援装置の出荷支援処理の一例を示すフローチャートである。
図10】本願記載のSDS配信システムが備える管理装置のSDS記録処理の一例を示すフローチャートである。
図11】本願記載のSDS配信システムが備える現場用装置のSDS閲覧処理の一例を示すフローチャートである。
図12】本願記載のSDS配信システムが備える現場用装置の表示部に表示される画像の一例を示す説明図である。
図13】本願記載のSDS配信システムが備える現場用装置の表示部に表示される画像の一例を示す説明図である。
図14】本願記載のSDS配信システムが備える現場用装置の表示部に表示される画像の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について詳述する。なお、以下の実施形態は、本発明を具現化した一例であって、本発明の技術範囲を限定する性格のものではない。
【0020】
<適用例>
本願記載のSDS(Safety Data Sheet :安全データシート)配信方法は、住宅を建築
する建築事業体にて運用される。SDS配信方法は、例えば、邸毎の住宅の建築に使用される部材を製造及び出荷する工場、並びに工場から出荷された部材を使用する建築現場にて適用され、工場から建築現場へのSDSの配信に用いられる。
【0021】
<システム構成>
図1は、本願記載のSDS配信システムの適用例を概念的に示す説明図である。SDS配信システムでは、工場にて出荷支援装置1が使用され、建築現場にて現場用装置2が使用される。管理業務を行う本社等の事業所では、管理装置3が使用される。出荷支援装置1、現場用装置2及び管理装置3は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network )、専用通信網等の内部通信網に接続することが可能である。また、出荷支援装置1及び現場用装置2は、インターネット等の外部通信網上の情報記録装置4にアクセスすることが可能である。更に、出荷支援装置1は、顧客から住宅の建築を受注する支社等の事業所に設置された契約装置5及び設計装置6とも内部通信網を介して通信可能である。なお、外部通信網及び内部通信網は適宜構成することが可能であるので、以下の説明では、外部通信網及び内部通信網を纏めて通信網として説明する。
【0022】
出荷支援装置1は、サーバコンピュータ、端末用のパーソナルコンピュータ等のコンピュータを用いて構成される。本願実施形態では、1台の出荷支援装置1を用いた形態を例示して説明するが、複数のコンピュータを連携させて出荷支援装置1として用いるようにしてもよい。
【0023】
現場用装置2は、携帯可能なノート型コンピュータ、現場用端末として用いられるデスクトップ型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、多機能型携帯電話(所謂、スマートフォン)等のコンピュータが用いられる。
【0024】
管理装置3は、建築の管理に要する各種情報を記録するサーバコンピュータ等のコンピュータが用いられる。また、本社のSDS管理に関する担当者は、管理装置3を用いてSDSの管理を行う。
【0025】
情報記録装置4は、外部通信網に接続されたストレージ機能を有するサーバコンピュータのコンピュータが用いられる。SDS配信システムでは、情報記録装置4の記録領域の一部を、情報を共有する共用記録部42(図6等参照)として使用する。なお、出荷支援装置1又は管理装置3として使用するコンピュータの記録領域を、情報を共有する記録領域として使用し、情報記録装置4に代替することも可能である。
【0026】
契約装置5は、建築する住宅に関する契約内容を管理するコンピュータである。設計装置6は、建築する住宅の設計又は設計した情報の管理に用いられるコンピュータである。
【0027】
工場では、支社の契約装置5から建築する住宅の建築契約に関する契約情報を受け取る。契約情報には、建築する住宅の受け渡し日等の日程に関する情報が含まれている。また、工場では、支社の設計装置6から、建築する住宅の設計に関する設計情報を受け取る。設計情報には、建築する住宅の図面、仕様書等の設計に関する情報が含まれている。
【0028】
工場では、工場担当者が、出荷支援装置1を用いて、契約情報及び設計情報に基づく部材出荷計画の立案、邸毎のSDS一覧の作成、部材の出荷指示等の様々な処理を行う。
【0029】
建築現場では、現場担当者が、現場用装置2を用いて、出荷された部材の管理を行い、情報記録装置4にアクセスし、建築に用いる部材に関するSDSを閲覧する。
【0030】
<各装置のハードウェア構成>
次に、本願記載のSDS配信システムにて用いられる各種装置のハードウェア構成について説明する。図2は、本願記載のSDS配信システムにて用いられる出荷支援装置1の構成例を示す概略ブロック図である。一又は複数のサーバコンピュータ、端末用のパーソナルコンピュータ等のコンピュータを用いた出荷支援装置1は、制御部10、記録部11、入力部12、出力部13、通信部14等の各種構成を備えている。
【0031】
制御部10は、装置全体を制御する処理を実行するCPU(Central Processing Unit )等のプロセッサであり、情報処理回路、計時回路、レジスタ回路等の各種回路を備えている。
【0032】
記録部11は、ハードディスク、RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks )、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、及び各種RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリを用いて構成される回路である。記録部11には、基本プログラム(OS:Operating System)、基本プログラム上で動作する応用プログラム(アプリケーションプログラム)等のプログラムが記録されている。応用プログラムとしては、本願記載の出荷支援装置1を実現するための出荷支援プログラム110等の各種プログラムが記録されている。
【0033】
入力部12は、工場担当者の入力操作を受け付けるキーボード、マウス、スキャナ等の入力機構及び制御回路を用いたデバイスである。
【0034】
出力部13は、モニタ、プリンタ等の出力機構及び制御回路を用いたデバイスである。
【0035】
通信部14は、通信網に接続し、通信網を介して他の装置と通信するLANアダプタ、アンテナ及び制御回路等のデバイスである。
【0036】
以上のように構成されたサーバコンピュータ等のコンピュータは、記録部11に記録されている出荷支援プログラム110の各種ステップを、制御部10の制御にて実行することにより、出荷支援装置1として動作する。
【0037】
図3は、本願記載のSDS配信システムにて用いられる現場用装置2の構成例を示す概略ブロック図である。携帯可能なノート型コンピュータ、端末用のパーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、多機能型携帯電話等のコンピュータを用いた現場用装置2は、制御部20、記録部21、入力部22、表示部23(出力部)、通信部24、位置情報取得部25等の各種構成を備えている。
【0038】
制御部20は、装置全体を制御するプロセッサである。記録部21は、各種半導体メモリを用いて構成される回路である。
【0039】
入力部22は、現場担当者の操作入力を受け付けるタッチパネル等のデバイスである。表示部23は、画像を表示する液晶ディスプレイ等のデバイスである。なお、入力部22及び表示部23は、薄板状をなすタッチパネル及び液晶ディスプレイを積層して一体化した液晶タッチパネルが用いられる。
【0040】
通信部24は、無線通信にて外部通信網に接続し、通信網を介して他の装置と通信するアンテナ及び制御回路等のデバイスである。
【0041】
位置情報取得部25は、位置情報を取得する回路である。位置情報の取得には、例えば、GPS衛星から位置情報を取得するGPS(Global Positioning System)等のGNSS(Global Navigation Satellite System:全地球測位システム)が用いられる。
【0042】
図4は、本願記載のSDS配信システムにて用いられる管理装置3の構成例を示す概略ブロック図である。サーバコンピュータ等のコンピュータを用いた管理装置3は、制御部30、記録部31、通信部32等の各種構成を備えている。制御部30は、装置全体を制御するプロセッサである。記録部31は、不揮発性メモリ及び揮発性メモリを用いて構成されたデバイスであり、各種プログラム及びデータ等の情報を記録可能である。通信部32は、通信網に接続して他の装置を通信するデバイスである。
【0043】
管理装置3が備える記録部31の記録領域の一部は、SDSデータベース310、SDS管理用データベース311等の各種データベースとして用いられる。
【0044】
SDSデータベース310とは、配信すべきSDS情報を、SDS情報を識別する品コード、SDSファイル名等のSDS識別情報に対応付けて記録しているデータベースである。
【0045】
図5は、本願記載のSDS配信システムにて用いられる管理装置3が備えるSDS管理用データベース311の記録内容の一例を概念的に示す説明図である。SDS管理用データベース311は、部材を識別する部材識別情報及び部材に関するSDS識別情報を対応付けて記録しているデータベースである。部材識別情報としては、部材を識別する「品コード」、部材の名称を示す「品名」等の項目があり、それぞれ「41UQG」、「JGベース色補修塗料(FC)」等の各種情報が記録されている。SDS識別情報としては、SDS情報を特定する「SDSファイル名」等の項目があり、「0000586_オーデパワー390-1 スプレー常乾用F-2レ」等のファイル名が記録されており、当該ファイルを格納している格納先情報(リンク)が示されている。また、SDS管理用データベース311には、「出荷工場」、「発注先No.」、「配信開始日」、「配信終了日」等の各種項目が設定されており、それぞれ情報が記録されている。例えば、同じ部材に対応する薬品であっても、出荷工場及び発注先(製造元)によって、異なる薬品が使用される場合がある。このような場合、「出荷工場」、「発注先」等の項目に記録されている情報がSDS情報を特定するためのキー情報となる。また、同じ部材に対する薬品であっても、成分が変更されたり、取り扱いの基準が変更されたりする場合がある。このような場合、「配信開始日」及び「配信終了日」の項目に記載された日付を示す情報に基づいて、配信するSDS情報の切替が行われる。
【0046】
図6は、本願記載のSDS配信システムにて用いられる情報記録装置4の構成例を示す概略ブロック図である。サーバコンピュータ等のコンピュータを用いた情報記録装置4は、制御部40、記録部41、共用記録部42、通信部43等の各種構成を備えている。制御部40は、装置全体を制御するプロセッサである。記録部41は、不揮発性メモリ及び揮発性メモリを用いて構成されたデバイスであり、各種プログラム及びデータ等の情報を記録可能である。通信部43は、通信網に接続して他の装置を通信するデバイスである。
【0047】
共用記録部42は、不揮発性メモリを用いて構成された記録領域であり、出荷支援装置1、現場用装置2等の認証された通信装置にて情報共有が可能なウェブストレージとして機能する。共用記録部42には、SDS識別情報の一覧を示したSDS一覧情報、出荷明細を示す明細情報等の各種情報が記録される。共用記録部42は、記録部41の記録領域の一部を用いて構成してもよく、また記録部41から独立したデータベースサーバ等のハードウェアとして構成してもよい。
【0048】
図7は、本願記載のSDS配信システムにて用いられる明細情報の一例を概念的に示す説明図である。図7は、情報記録装置4が備える共用記録部42に記録された明細情報にて示される出荷明細の出力例を示している。図7に例示するように明細情報にて示される
出荷明細には、邸を識別する邸識別情報として、施主を示す「邸名」が示されている。また、邸毎の建築用に出荷する部材が「品コード」及び「品名」として示されている。更に、「出荷日」、「着荷日」等の出荷時期を示す情報が示されている。
【0049】
<各装置のソフトウェア処理>
次に、本願記載のSDS配信システムにて用いられる各種装置の処理にて説明する。図8は、本願記載のSDS配信システムが備える出荷支援装置1の受注処理の一例を示すフローチャートである。出荷支援装置1は、出荷支援プログラム110を実行する制御部10の制御により、受注処理を実行する。
【0050】
出荷支援装置1の制御部10は、契約装置5から送信された契約情報を、通信部14にて受信する(S101)。ステップS101にて受信する契約情報には、邸を識別する邸識別情報、建築する住宅の引渡日等の情報が含まれている。
【0051】
制御部10は、設計装置6から送信された建築情報を、通信部14にて受信し(S102)、受信した建築情報に基づいて、出荷する部材を導出する(S103)。ステップS102にて受信する建築情報は、邸識別情報、建築に関する図面を示すCAD(Computer
Aided Design )情報、建築に関する仕様書等の情報が含まれている。ステップS103では、受信した建築情報に含まれているCAD情報及び仕様書に基づいて、建築に必要な部材を導出する。なお、導出に際し、工場担当者が出荷支援装置1を操作し、入力部12から部材の導出に必要な情報を入力するようにしてもよい。
【0052】
制御部10は、ステップS101にて受信した契約情報に含まれる住宅の引渡日と、ステップS103にて導出した部材とを、邸識別情報に基づいて関連付ける(S104)。制御部10は、住宅の引渡日に基づいて、各部材の納期を導出し(S105)、導出した各部材の納期を記録部11に記録する(S106)。ステップS105では、物件の引渡日に基づいて、建築に必要な各工程及び部材を導出し、導出した工程及び部材に基づいて、各部材の出荷時期を導出する。ステップS105にて各部材の納期の導出に際し、工場担当者が出荷支援装置1を操作し、入力部12から部材の納期の導出に必要な情報を入力するようにしてもよい。
【0053】
以上のようにして受注処理が実行される。
【0054】
図9は、本願記載のSDS配信システムが備える出荷支援装置1の出荷支援処理の一例を示すフローチャートである。出荷支援装置1は、出荷支援プログラム110を実行する制御部10の制御により、各部材の納期の所定期間前に出荷支援処理を実行する。
【0055】
出荷支援装置1の制御部10は、各部材及びそれらの納期に基づいて、各部材の出荷時期(出荷日)、出荷工場、発注先等の出荷情報を導出し(S201)、出荷する部材の出荷時期に基づいて、出荷時期に対応する各発注先及び出荷工場毎に、それぞれ出荷する各部材の明細情報を生成する(S202)。ステップS201では、出荷する各部材に基づいて、発注先及び出荷工場を導出し、各部材の納期に基づいて出荷時期を導出する。ステップS201にて各部材の出荷情報の導出に際し、工場担当者が出荷支援装置1を操作し、入力部12から部材の出荷時期を含む出荷情報の導出に必要な情報を入力するようにしてもよい。ステップS202にて生成する明細情報は、邸毎の建築用に出荷する部材を示した出荷明細を示す明細情報である。明細情報は、出荷時期に基づいて、出荷時期から所定の日数前に、同時期に出荷する出荷先及び出荷工場毎の各部材について都度生成される。
【0056】
制御部10は、通信部14を介して管理装置3が備えるSDS管理用データベース31
1にアクセスし、SDS管理用データベース311の記録内容を参照して、出荷する部材に対応付けられたSDS識別情報を抽出する(S203)。制御部10は、ステップS203にて抽出したSDS識別情報を一覧として示したSDS一覧情報を生成する(S204)。制御部10は、通信部14を介して情報記録装置4が備える共用記録部42にアクセスし、ステップS204にて生成したSDS一覧情報を、邸識別情報に対応付けて、共用記録部42に記録する(S205)。制御部10は、ステップS202にて生成した明細情報を、邸識別情報に対応付けて、共用記録部42に記録する(S206)。
【0057】
出荷支援処理は、建築用に出荷する部材の出荷時期に基づいて、出荷時期に対応する部材毎にSDS一覧情報及び明細情報を生成し、SDS一覧情報及び明細情報を出荷時期に対応する時期に記録するバッチ処理として実行される。工場担当者は、明細情報に基づいて、出荷の手配を行う。出荷の手配とは、各工場、発注先、運送担当者、現場担当者等の関係部署への連絡及び指示等の作業である。出荷の手配の一部は、出荷支援装置1の処理として実行することも可能である。
【0058】
以上のようにして出荷支援処理が実行される。
【0059】
図10は、本願記載のSDS配信システムが備える管理装置3のSDS記録処理の一例を示すフローチャートである。管理装置3は、制御部30の制御により、新たなSDSの追加又はSDSの更新を行う場合にSDS記録処理を実行する。
【0060】
本社の管理担当者は、管理装置3に対して、追加又は更新するSDS情報を入力する。管理担当者によるSDS情報の入力は、管理装置3を直接操作して、又は管理装置3にアクセス可能な端末装置を操作して行われる。SDS情報の入力は、スキャナによる紙媒体のSDSを読み取ることにより行われる。なお、SDS情報の入力は、既にデータ化されているSDS情報を、他の記録媒体又は記録装置から読み取るようにしてもよい。
【0061】
管理装置3の制御部30は、SDS情報の入力を受け付け(S301)、記録部31に記録されているSDSデータベース310にアクセスし、SDS識別情報に対応付けてSDS情報を記録する(S302)。
【0062】
以上のようにしてSDS記録処理が実行される。SDS記録処理は、SDS情報が追加又は更新される都度、実行される処理であり、SDS情報の追加又は更新される都度、SDS記録処理を実行することにより、SDS情報が最新の状態に維持される。
【0063】
図11は、本願記載のSDS配信システムが備える現場用装置2のSDS閲覧処理の一例を示すフローチャートである。現場用装置2は、制御部20の制御により、SDS閲覧処理を実行する。建築現場で、SDSの閲覧を所望する現場担当者は、現場用装置2を操作し、例えば、指定操作による邸の指定、位置情報取得部25が取得した位置情報に基づく邸の指定等の指定操作に基づいて、SDS閲覧処理を実行させる。
【0064】
SDS閲覧処理として、現場用装置2の制御部20は、入力部22から操作を受け付け、指定された邸に関する情報を、表示部23に表示する(S401)。
【0065】
図12は、本願記載のSDS配信システムが備える現場用装置2の表示部23に表示される画像の一例を示す説明図である。図12に例示するように、現場用装置2の表示部23には、左側に指定の候補となる邸の一覧が表示されており、操作により指定された「AAAA様邸」が他の邸を示す情報と異なる色で表示される。なお、図12では、記載を簡略化するため、一覧表示した邸の情報のうち「AAAA様邸」を示す要部のみを記載している。表示部23の右側には指定された「AAAA様邸」に関する情報の一覧が表示され
る。表示される情報の一覧には、「AAAA様邸」に関する出荷情報、SDS一覧情報等の情報が含まれている。なお、図12では、記載を簡略化するため、要部のみを記載している。図12では、SDS一覧情報として、外装に関するSDS一覧と、内装に関するSDS一覧とが示される。現場担当者は、現場用装置2の入力部22に対し、閲覧を所望するSDS一覧情報を指定する入力を行う。
【0066】
図11のフローチャートに戻り、制御部20は、入力部22からSDS一覧情報を指定する入力を受け付け(S402)、通信部24を介して情報記録装置4が備える共用記録部42にアクセスし、建築すべき指定された邸を識別する邸識別情報に対応付けられているSDS一覧情報を抽出する(S403)。制御部20は、ステップS403にて抽出したSDS一覧情報を、表示部23に表示する(S404)。
【0067】
図13は、本願記載のSDS配信システムが備える現場用装置2の表示部23に表示される画像の一例を示す説明図である。図13に例示するように、表示部23には、SDS一覧情報が表示されている。表示されているSDS一覧情報には、品コード、品名、SDSファイル名等の各種項目毎にそれぞれの情報が表示されている。SDSファイル名の項目に示された情報は、SDS情報が記録されているネットワーク上の位置を指示するURL(Uniform Resource Locator)等のSDS識別情報となっている。SDSファイル名の項目に示されたSDS識別情報は、指定されたSDS情報にアクセスするリンクとなっている。現場担当者は、現場用装置2の入力部22に対し、閲覧を所望するSDS情報を示すSDSファイル名(SDS識別情報)を指定する入力を行う。
【0068】
図11のフローチャートに戻り、制御部20は、入力部22からSDSファイル名としてSDS識別情報を指定する入力を受け付け(S405)、通信部24を介して管理装置3の記録部31に記録されているSDS識別情報データベースにアクセスし、指定されたSDS識別情報に基づいて、SDS情報を抽出する(S406)。制御部20は、ステップS406にて抽出したSDS情報を、表示部23(出力部)に表示(出力)する(S407)。
【0069】
図14は、本願記載のSDS配信システムが備える現場用装置2の表示部23に表示される画像の一例を示す説明図である。図14に例示するように、表示部23には、指定されたSDS情報に基づくSDSが表示されている。図14では、SDSのトップページのみを表示しているが、適宜操作することにより、次ページ以降が表示される。なお、ここでは、表示部23から画像として表示する例を示したが、現場担当者が確認可能な方法であれば、様々な出力方法で出力することが可能である。例えば、現場用装置2と通信可能なプリンタを、出力部を備える出力装置とし、紙媒体に印刷されたSDSとして出力することも可能である。
【0070】
図12に例示した状態から、現場担当者が、現場用装置2の入力部22に対して、出荷情報を指定する入力をした場合、現場用装置2は、共用記録部42にアクセスして、出荷情報を抽出し、表示部23に表示させる。
【0071】
以上のようにしてSDS閲覧処理が実行される。
【0072】
以上詳述した如く、本願記載のSDS配信システムは、出荷する部材に応じたSDSを、現場用装置2でも閲覧可能なように、ウェブストレージ等の共用記録部42を介した情報として共有する。これにより、紙媒体としてのSDSのように保管場所を必要とせず、SDSの管理及び使用に関する作業負荷を軽減することが可能である等、優れた効果を奏する。
【0073】
また、本願記載のSDS配信システムは、管理装置3のSDSデータベース310に記録するSDS情報を更新することにより、最新のSDSを閲覧することが可能となる等、優れた効果を奏する。
【0074】
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形態で実施することが可能である。そのため、かかる実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。更に、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【0075】
例えば、本発明は、様々なシステム構成及び装置構成とすることが可能である。例えば、工場にて使用する出荷支援装置1を、複数台の装置で構成し、契約情報、建築情報等の情報を受信する装置、各部材の納期等を算出する装置、明細情報を生成する装置、及びSDSを管理する装置をそれぞれ異なる装置として構成する等、様々な形態に展開することが可能である。即ち、前記実施形態として示したシステム構成及び装置構成は無数にある形態の一部を示したものであり、どのような装置を用いてシステムを構成し、どの処理をどの装置が実行するかは適宜設計することが可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 出荷支援装置
10 制御部
11 記録部
110 出荷支援プログラム
12 入力部
13 出力部
14 通信部
2 現場用装置
20 制御部
21 記録部
22 入力部
23 表示部(出力部)
24 通信部
25 位置情報取得部
3 管理装置
30 制御部
31 記録部
310 SDSデータベース
311 SDS管理用データベース
32 通信部
4 情報記録装置
40 制御部
41 記録部
42 共用記録部
43 通信部
5 契約装置
6 設計装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14