(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】物品取り付け用の台紙
(51)【国際特許分類】
B65D 73/00 20060101AFI20241008BHJP
A47F 5/11 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
B65D73/00 A
A47F5/11
(21)【出願番号】P 2021021662
(22)【出願日】2021-02-15
【審査請求日】2024-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100169063
【氏名又は名称】鈴木 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(72)【発明者】
【氏名】苑田 孝之
(72)【発明者】
【氏名】岩出 浩仁
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-107826(JP,A)
【文献】特開2012-217795(JP,A)
【文献】特開2015-227188(JP,A)
【文献】特開平08-295328(JP,A)
【文献】登録実用新案第3180440(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 73/00
A47F 5/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品表示部と、前記物品表示部の一端縁の少なくとも一部に連設された物品担持部とを備えた1枚のシートより成り、
前記物品担持部は、前記物品表示部側から、少なくとも、前面板および後面板を有し、物品を取り付けるための物品取り付け部が前記後面板に設けられており、
前記物品取り付け部は、切り抜き穴と、前記切り抜き穴の上下略中央部から前記後面板の上下端縁にかけて設けられた縦方向の谷折り線と、前記谷折り線の左右にそれぞれ前記後面板の上端縁から下端縁にかけて設けられた縦方向の山折り線とにより構成され、前記切り抜き穴の上下略中央部は凸部に形成されており、
前記後面板の表面と前記前面板の表面とが相対向するように、物品が取り付けられた前記後面板を前記前面板側に折り曲げ、前記後面板の裏面と前記物品表示部の表面とが相対向するように、前記後面板が折り返された前記前面板を前記物品表示部側に折り曲げることで、物品が前記シートの少なくとも一部に巻き込まれた状態となることを特徴とする物品取り付け用の台紙。
【請求項2】
前記物品担持部に取り付けられた物品が前記シートの少なくとも一部に巻き込まれた状態で前記物品担持部を前記物品表示部に固定するための簡易固定手段を有することを特徴とする、請求項1に記載の物品取り付け用の台紙。
【請求項3】
前記簡易固定手段は、前記物品担持部に設けられた差し込み片と、前記物品表示部に設けられた、前記差し込み片が差し込まれるスリットとにより構成されることを特徴とする、請求項
2に記載の物品取り付け用の台紙。
【請求項4】
前記前面板に、前記物品を視認可能な窓部を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか
一項に記載の物品取り付け用の台紙。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品類や食品類などのサンプルなどの物品を取り付けるための、物品取り付け用の台紙に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、宣伝やキャンペーン用の化粧品類や食品類のサンプルをダイレクトメール等を利用して顧客に輸送する際、サンプルの説明などが表示された台紙にサンプルが取り付けられて輸送する方法が用いられている。このようなサンプルなどの物品を取り付けるための物品取り付け用の台紙として、サンプルなどの物品を担持する物品担持部が一体的に形成されたものがある。
【0003】
例えば特許文献1には、台紙の一端に舌片を一体的に延設して、該舌片を下方がテーパー状に縮径する如く巻装して筒状の係止部(物品担持部)と成して、該係止部にサンプルを懸架する旨が記載されている。
【0004】
また、例えば特許文献2には、略長方形状シート体の周縁部の一個所から延設される延設部を組み立てることにより、略長方形状シート体の一つの分割面に部分的に重なるサンプル収納部(物品担持部)として形成され、延設部は、その中央面に開口が設けられ、その左右に折り返し部、下部先端に差し込み部が設けられている旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開昭56-49570号公報
【文献】特許第3462821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記を含めた従来の物品取り付け用の台紙は、物品の輸送の際に、取り付けられた物品を保護するための強度が十分ではない。
【0007】
そこで、本発明は、物品の輸送の際に、取り付けられた物品を保護するための十分な強度を保持した物品取り付け用の台紙を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、物品表示部と、前記物品表示部の一端縁の少なくとも一部に連設された物品担持部とを備えた1枚のシートより成り、前記物品担持部は、前記物品表示部側から、少なくとも、前面板および後面板を有し、物品を取り付けるための物品取り付け部が前記後面板に設けられており、前記物品取り付け部は、切り抜き穴と、前記切り抜き穴の上下略中央部から前記後面板の上下端縁にかけて設けられた縦方向の谷折り線と、前記谷折り線の左右にそれぞれ前記後面板の上端縁から下端縁にかけて設けられた縦方向の山折り線とにより構成され、前記切り抜き穴の上下略中央部は凸部に形成されており、前記後面板の表面と前記前面板の表面とが相対向するように、物品が取り付けられた前記後面板を前記前面板側に折り曲げ、前記後面板の裏面と前記物品表示部の表面とが相対向するように、前記後面板が折り返された前記前面板を前記物品表示部側に折り曲げることで、物品が前記シートの少なくとも一部に巻き込まれた状態となることを特徴とする物品取り付け用の台紙である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記物品担持部に取り付けられた物品が前記シートの少なくとも一部に巻き込まれた状態で前記物品担持部を前記物品表示部に固定するための簡易固定手段を有することを特徴とする、請求項1に記載の物品取り付け用の台紙である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記簡易固定手段は、前記物品担持部に設けられた差し込み片と、前記物品表示部に設けられた、前記差し込み片が差し込まれるスリットとにより構成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の物品取り付け用の台紙である。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記前面板に、前記物品を視認可能な窓部を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の物品取り付け用の台紙である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の物品取り付け用の台紙は、物品表示部と物品担持部とが一体的に連設された1枚のシートより成り、物品担持部の後面板に設けられた物品取り付け部における、谷折り線とその左右の山折り線に沿って折り曲げ、上下略中央部が凸部に形成された切り抜き穴に物品を引っ掛けることにより、物品が物品担持部に固定される。その物品が物品担持部に固定された状態で、物品担持部における後面板を前面板側へ折り曲げ、その前面板を物品表示部側へ折り曲げることで、物品がシートの少なくとも一部に巻き込まれた状態となる。物品が固定されるだけでなく、その固定された物品がシートの少なくとも一部に巻き込まれる状態で保護されるため、物品の輸送の際に、取り付けられた物品を保護するための十分な強度を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】(a)一実施形態に係る物品取り付け用の台紙の展開図である。(b)
図1(a)の物品担持部の拡大正面図である。
【
図2】(a)一実施形態に係る物品取り付け用の台紙の第一段階の組み立て状態を示す、物品担持部近傍の拡大正面図である。(b)一実施形態に係る物品取り付け用の台紙の第二段階の組み立て状態を示す、物品担持部近傍の拡大正面図である。
【
図3】一実施形態に係る物品取り付け用の台紙を完成させた状態を示す正面図である。
【
図4】一実施形態に係る物品取り付け用の台紙における物品担持部近傍の下側拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、必要に応じて図面を参照して、本発明の実施形態の例について説明する。
【0015】
図1(a)は、一実施形態に係る物品取り付け用の台紙1の展開図である。
図1(b)は、
図1(a)の物品担持部の拡大正面図である。物品取り付け用の台紙1は、物品表示部2と、物品表示部2の一端縁の少なくとも一部に連設された物品担持部3とを備えた1枚のシートより成る。物品表示部2は、物品取り付け用の台紙1に取り付けられる物品についての説明や広告、または物品に関するキャンペーンなどが表示される部分である。物品担持部3は、物品が担持される部分である。
【0016】
図1は、物品取り付け用の台紙1の表面(物品が取り付けられる面)を上にした状態を示す。物品担持部3が物品表示部2に連設される位置は、
図1(a)に示すような物品表示部2の右下に限らず、物品や物品表示部2の大きさや形状などにより任意に選択される。
【0017】
物品表示部2の形状は、例えば縦長の略長方形で、その右端縁の下部に、外形が例えば横長の略長方形の物品担持部3が連設されている。物品表示部2の形状は
図1(a)に示される形状に限らず、物品表示部2の形状や大きさは任意に選択される。また、物品担持
部3の形状は、
図1に示される形状に限らず、物品担持部3の形状や大きさは、物品の輸送の際に、取り付けられた物品を保護するための十分な強度を保持することができればよく、任意に選択される。
【0018】
物品担持部3は、物品表示部側から、少なくとも、前面板4および後面板5を有する。一実施形態に係る物品取り付け用の台紙1は、取り付けられる物品が、例えばポーションパックの形態の容器に充填された化粧水のサンプル(
図2、
図4に示される物品50参照)であり、厚みを有するため、その厚みを考慮した厚み形成部が形成されている。物品担持部3は、物品表示部2に折り線aを介して連設された第1の厚み形成部6と、第1の厚み形成部6の物品表示部2と反対側に折り線bを介して連設された前面板4と、前面板4の第1の厚み形成部6と反対側に折り線cを介して連設された第2の厚み形成部7と、第2の厚み形成部7の前面板4と反対側に折り線dを介して連設された後面板5と、後面板5の第2の厚み形成部7と反対側に折り線eを介して連設された第3の厚み形成部8とを有する。また、第2の厚み形成部7の上下端部と折り線f、gを介して連設された第2の厚み形成部の補強部9、10を有する。
【0019】
また、後面板5には、物品50を取り付けるための物品取り付け部11が設けられている。物品取り付け部11は、切り抜き穴12と、切り抜き穴12の上下略中央部から前面板4の上下端縁にかけて設けられた縦方向の谷折り線13と、谷折り線13の左右にそれぞれ前面板4の上端縁から下端縁にかけて設けられた縦方向の山折り線14、15とにより構成されている。切り抜き穴12の上下略中央部は凸部16、17に形成されている。切り抜き穴12の形状や大きさは、後述するように上記谷折り線13と山折り線14、15に沿って折り曲げた後、切り抜き穴12により形成される溝部18(
図2(a) 参照)に物品を引っ掛けて物品が物品担持部3に固定されるとともに、物品を受け取った顧客などが物品を破損などさせずに物品取り付け部11から取り外すことができれば特に限定されず、物品の形状や大きさなどによって任意に選択される。
【0020】
なお、上記折り線dおよび折り線eには、ミシン目31、32が形成されている。また、上記山折り線14および折り線15には、ミシン目33、34が形成されている。上記ミシン目31、32、33、34が形成されることで、物品取り付けの台紙1を組み立てる際に、折り線d、折り線e、折り線14、および折り線15を介して折り曲げ易くなる。
【0021】
後面板5の第2の厚み形成部側の端部近傍の略中央部には、折り線dの一部から切り抜いて形成された差し込み片19が設けられている。この差し込み片19は、物品台紙の組み立て段階の最後に物品担持部3を物品表示部2に固定するため、後述する物品表示部2のスリット25に差し込まれるものである。差し込み片19の形状は、物品台紙の組み立て段階の最後に差し込み片19をスリット25に差し込んで物品担持部3を物品表示部2に固定することができれば特に限定されず、任意に選択される。
【0022】
前面板4には、物品取り付け用の台紙1を組み立て後に物品50を視認可能な窓部20を有する。窓部20は、前面板4に穴を形成することで構成される。
図1では、窓部20は、前面板4の略中央部に縦長楕円形状の穴を形成することで構成される。窓部20の位置、大きさ、形状は、物品取り付け用の台紙1を組み立て後に物品を視認可能であればよく、
図1に示されるものに限らず、任意に選択される。
【0023】
また、前面板4における窓部20の上下側の略中央部から前面板4の上下端縁にかけてミシン目線21、22が設けられているとともに、前面板4の上下端縁の略中央部にそれぞれ切り欠き凹部23、24が設けられている。前面板4の上端縁側のミシン目線21は、窓部20の上側の略中央部から切り欠き凹部23の下先端にかけて設けられ、前面板4の下端縁側のミシン目線22は、窓部20の下側の略中央部から切り欠き凹部24の上先端にかけて設けられている。物品取り付け用の台紙1を受け取った顧客などが、前面板4の上下端縁の切り欠き凹部23、24からミシン目線21、22に沿ってシートを切ることで、物品50を露出させ、容易に物品50を取り出すことが可能となる。
【0024】
物品表示面には、上記差し込み片19が差し込まれるスリット25が設けられている。スリット25の位置は、後述するように、物品担持部3に固定された物品がシートの少なくとも一部に巻き込まれた状態で差し込み片19が差し込まれることのできる位置であれば特に限定されない。また、スリット25の形状や大きさは、差し込まれる差し込み片19の形状や大きさによって任意に選択される。
【0025】
物品取り付け用の台紙1を構成する1枚のシートは、例えば、紙製シート、合成樹脂製シート、紙と合成樹脂との積層シート等が挙げられるが、利便性や経済性等の点から紙製シートが好ましい。
【0026】
図2(a)、(b)は、一実施形態に係る物品取り付け用の台紙1の組み立て状態を段階的に示す、物品担持部3近傍の拡大正面図である。
図3は、一実施形態に係る物品取り付け用の台紙1を完成させた状態を示す正面図である。
図4は、一実施形態に係る物品取り付け用の台紙1における物品担持部3近傍の下側拡大斜視図である。
【0027】
次に、物品50の物品担持部3への固定方法を含めた、上記物品取り付け用の台紙1を組み立てる方法の一例を説明する。
【0028】
まず、物品取り付け部11における縦方向の谷折り線13と山折り線14、15に沿ってシートを折り曲げることで、切り抜き穴12が側面視略台形状の溝部18に形成されるため、
図2(a)に示されるように、その溝部18に物品50を引っ掛けて取り付ける。一実施形態に係る物品取り付け用の台紙1は、取り付けられる物品が、例えばポーションパックの形態の容器に充填された化粧水の2つのサンプル(物品50)である。その化粧水の容器の形状は、例えば
図2(a)に示されるように、摘まみ部51と首部52と内容物充填部53とにより構成される形状で、2つの容器の内容物充填部53のみが、縦方向のミシン目54を介して連設されている。上記溝部18の上の底辺の長さは、上記縦方向のミシン目54の長さと略同じ長さであり、連設された2つの容器の間の縦方向のミシン目部分を溝部18に押し込み、その溝部18に引っ掛けるようにして、物品50を物品取り付け部11に取り付けて、物品担持部3に固定させる。
【0029】
物品は、
図2(a)で示されるように2つの物品に限られず、上記溝部18に押し込まれて物品担持部3に固定できれば、1つの物品でも良いし、また、例えばミシン目などを介して連設された3つ以上の物品でも良い。
【0030】
次に、第2の厚み形成部の補強部9、10を折り線f、gに沿って第2の厚み形成部側に山折りに折り曲げて第2の厚み形成部7の表面に折り畳み、第3の厚み形成部8を折り線eに沿って後面板側に山折りに折り曲げた後、後面板5の第2の厚み形成部側の折り線dと前面板4の第2の厚み形成部側の折り線cのそれぞれに沿って山折りに折り曲げて、
図2(b)に示されるように、後面板5の表面と前面板4の表面とが相対向するように、物品50が固定された後面板5を前面板側に折り曲げる。
【0031】
次に、前面板4の第2の厚み形成部側の折り線bと第2の厚み形成部7の物品表示部側の折り線aのそれぞれに沿って山折りに折り曲げて、
図3に示されるように、後面板5の裏面と物品表示部2の表面とが相対向するように、また、第3の厚み形成部8の裏面と第1の厚み形成部6の表面とが相対向するようにして、後面板5が折り返された前面板4を物品表示部側に折り曲げる。
【0032】
ここで、「表面」とは、物品が取り付けられる面を意味し、「裏面」とは、物品が取り付けられる面と反対側の面を意味する。
【0033】
上記の通りシートを折り曲げることで、
図4に示されるように、物品担持部3に固定された物品50がシートの少なくとも一部に巻き込まれた状態となる。さらに、物品担持部3に設けられた差し込み片19を物品表示部2に設けられたスリット25に差し込むことで、
図3、4に示されるような物品取り付け用の台紙1が完成する。
【0034】
なお、物品取り付け用の台紙に、上記の差し込み片19やスリット25が設けられていなくても、例えば、物品担持部3に固定された物品50がシートの少なくとも一部に巻き込まれた状態で、物品担持部3の前面板4または第2の厚み形成部7と物品表示部2とを接着テープで接着したり、後面板5の裏面の少なくとも一部に接着剤を塗布してその後面板5を物品表示部2に接着したりすることで、物品担持部3を物品表示部2に固定することができる。
【0035】
しかし、1枚のシートより成る物品取り付け用の台紙自体に、物品担持部3に固定された物品50がシートの少なくとも一部に巻き込まれた状態で物品担持部3を物品表示部2に固定するための簡易固定手段を有することで、物品取り付け用の台紙1以外の材料を準備する手間がなく、容易に物品担持部3を物品表示部2に固定することができる。
【0036】
一実施形態に係る物品取り付け用の台紙1の簡易固定手段は、物品担持部3に設けられた差し込み片19と、物品表示部2に設けられた、差し込み片19が差し込まれるスリット25とにより構成される。
【0037】
前面板4に、物品50を視認可能な窓部20を有するため、
図3に示されるように、組み立てて完成した物品取り付け用の台紙1は、窓部20より物品50が視認可能となっている。
【0038】
次に、ダイレクトメールなどにより物品50が取り付けられた上記物品取り付け用の台紙1を受け取った顧客などが、物品取り付け用の台紙1から物品50を取り外す方法の一例を説明する。
【0039】
顧客などは、前面板4の上下端縁の略中央部にそれぞれ設けられた切り欠き凹部23、24から、ミシン目線21、22に沿ってシートを切ることで、物品50が露出した状態となり、容易に物品を取り出すことが可能となる。
【0040】
なお、差し込み片19とその差し込み片19が差し込まれるスリット25の構造が、物品担持部3の物品表示部2へ固定することができると共にその固定を解除することができる構造である場合は、例えば以下の方法でも、顧客などは物品取り付け用の台紙1から物品50を取り外すことができる。
【0041】
顧客などは、まず、スリット25に差し込まれた差し込み片19をスリット25から外し、相対向した後面板5の裏面と物品表示部2の表面とを離すように、第1の厚み形成部6の物品表示部側の折り線aおよび前面板4の第1の厚み形成部側の折り線bに沿った折り曲げを解く。次に、相対向した後面板5の表面と前面板4の表面とを離すように、前面板4の第2の厚み形成部側の折り線cおよび後面板5の第2の厚み形成部側の折り線dに沿った折り曲げを解くことで、物品50に対するシートの巻き込みを解くことができる。ここで、物品取り付け部11に取り付けられた物品50が露出した状態となり、物品50
を物品取り付け部11から取り外すことが可能となる。
【0042】
以上の通り、物品表示部と物品担持部とが一体的に連設された1枚のシートより成り、物品担持部の後面板に設けられた物品取り付け部における、谷折り線とその左右の山折り線に沿って折り曲げ、上下略中央部が凸部に形成された切り抜き穴に物品を引っ掛けることにより、物品が物品担持部に固定される。その物品が物品担持部に固定された状態で、物品担持部における後面板を前面板側へ折り曲げ、その前面板を物品表示部側へ折り曲げることで、物品がシートの少なくとも一部に巻き込まれた状態となる。物品が固定されるだけでなく、その固定された物品がシートの少なくとも一部に巻き込まれる状態で保護されるため、物品の輸送の際に、取り付けられた物品を保護するための十分な強度を保持することができる。
【0043】
なお、本発明の物品取り付け用の台紙は、ダイレクトメール等を利用したサンプルなどの物品の配布のための台紙に限らず、サンプルや商品などの物品の展示のための台紙として、または、商品を販売するための台紙などとして使用することもできる。
【符号の説明】
【0044】
1・・・物品取り付け用の台紙
2・・・物品表示部
3・・・物品担持部
4・・・前面板
5・・・後面板
a、b、c、d、e、f、g・・・折り線
6・・・第1の厚み形成部
7・・・第2の厚み形成部
8・・・第3の厚み形成部
9、10・・・第2の厚み形成部の補強部
31、32、33、34・・・ミシン目
11・・・物品取り付け部
12・・・切り抜き穴
13・・・谷折り線
14、15・・・山折り線
16、17・・・凸部
18・・・溝部
19・・・差し込み片
20・・・窓部
21、22・・・ミシン目線
23、24・・・切り欠き凹部
25・・・スリット
50・・・物品
51・・・摘まみ部
52・・・首部
53・・・内容物充填部
54・・・ミシン目