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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】開閉装置及び釜
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/14 20060101AFI20241008BHJP
【FI】
A47J27/14 E
A47J27/14 P
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021045212
(22)【出願日】2021-03-18
(65)【公開番号】P2022144285
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 昌史
(72)【発明者】
【氏名】牟田 淳一
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2020-0116792(KR,A)
【文献】実開平01-045088(JP,U)
【文献】特開2008-212393(JP,A)
【文献】特開平11-267026(JP,A)
【文献】特開2004-105206(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/14-27/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
釜本体の底部に設けられた搬出口を開閉するバルブを作動するために操作されるハンドルと、
前記バルブに接続される一端部を有する搬出パイプと、を備え、
前記ハンドルは、前記ハンドルの少なくとも一部が前記搬出パイプの他端部の周囲の第1位置と前記第1位置とは異なる第2位置とを移動するように操作され、
前記ハンドルが前記第1位置に移動された状態で前記搬出口が開放され、
前記ハンドルが前記第2位置に移動された状態で前記搬出口が閉鎖され
前記搬出パイプの他端部は、連結器を介して連結チューブと着脱可能に連結され、
前記第1位置は、前記連結器の周囲の少なくとも一部の位置であり、
前記第2位置は、前記第1位置よりも前記連結器から離れた位置であり、
前記連結器に配置されるカバーを備え、
前記カバーは、前記搬出パイプの他端部及び前記連結器の少なくとも一方に支持される一端部を有する第1プレート部と、前記第1プレート部に対向する第2プレート部と、前記連結器に配置され前記第1プレート部の他端部と前記第2プレート部の他端部とを結ぶ第3プレート部と、を有する、
開閉装置。
【請求項2】
釜本体の底部に設けられた搬出口を開閉するバルブを作動するために操作されるハンドルと、
前記バルブに接続される一端部を有する搬出パイプと、を備え、
前記ハンドルは、前記ハンドルの少なくとも一部が前記搬出パイプの他端部の周囲の第1位置と前記第1位置とは異なる第2位置とを移動するように操作され、
前記ハンドルが前記第1位置に移動された状態で前記搬出口が開放され、
前記ハンドルが前記第2位置に移動された状態で前記搬出口が閉鎖され
前記搬出パイプの他端部は、連結器を介して連結チューブと着脱可能に連結され、
前記第1位置は、前記連結器の周囲の少なくとも一部の位置であり、
前記第2位置は、前記第1位置よりも前記連結器から離れた位置であり、
前記連結器は、前記搬出パイプの他端部に接続される第1連結部と、前記連結チューブに接続され前記第1連結部に着脱される第2連結部と、を有し、
スプリング式ヒンジを介して前記搬出パイプの他端部及び前記第1連結部の少なくとも一方に回動可能に連結される第1部分と、前記第2連結部が前記第1連結部に連結された第1状態で前記第2連結部又は前記連結チューブに接触する第2部分と、前記第2連結部が前記第1連結部から外された第2状態で前記第1連結部の開口に対向する第3部分と、を有するカバーを備える、
開閉装置。
【請求項3】
前記搬出パイプは、前記搬出パイプの一端部を含み上下方向に延伸する鉛直部と、前記搬出パイプの他端部を含み左右方向に延伸する水平部と、を含み、
前記ハンドルの少なくとも一部は、前記ハンドルが前記第1位置に移動された状態で前記連結器の前方に配置される、
請求項1又は請求項2に記載の開閉装置。
【請求項4】
前記ハンドルは、少なくとも一部が前記バルブから延伸するレバー部と、前記第1位置に移動された状態で前記連結器の前方に配置されるハンドルプレート部と、を有する、
請求項3に記載の開閉装置。
【請求項5】
前記連結器配置されるカバーを備える、
請求項に記載の開閉装置。
【請求項6】
前記カバーは、前記第2連結部が前記第1状態から前記第2状態に変化したときに前記第3部分が前記第1連結部の開口に対向するように回動する、
請求項に記載の開閉装置。
【請求項7】
前記スプリング式ヒンジは、前記第2連結部が前記第1状態から前記第2状態に変化したときに前記第3部分が前記第1連結部の開口に対向するように前記カバーに付勢力を与えるスプリングを含む、
請求項に記載の開閉装置。
【請求項8】
対象が収容される釜本体と、
前記釜本体の底部に設けられた搬出口を開閉する請求項1から請求項のいずれか一項に記載の開閉装置と、を備える、
釜。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、開閉装置及び釜に関する。
【背景技術】
【0002】
釜に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような加熱調理装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-212393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
食材の搬出口が釜本体の底部に設けられる場合、水頭圧の作用により、作業者の意図に反して釜本体に収容されている食材が搬出口から流出してしまう可能性がある。
【0005】
本開示は、作業者の意図に反して釜本体に収容されている対象が搬出口から流出することを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、釜本体の底部に設けられた搬出口を開閉するバルブを作動するために操作されるハンドルと、バルブに接続される一端部を有する搬出パイプと、を備え、ハンドルは、ハンドルの少なくとも一部が搬出パイプの他端部の周囲の第1位置と第1位置とは異なる第2位置とを移動するように操作され、ハンドルが第1位置に移動された状態で搬出口が開放され、ハンドルが第2位置に移動された状態で搬出口が閉鎖される、開閉装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、作業者の意図に反して釜本体に収容されている対象が搬出口から流出することが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る釜を模式的に示す図である。
図2図2は、実施形態に係る開閉装置を示す斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る開閉装置を示す斜視図である。
図4図4は、実施形態に係る開閉装置の動作を説明するための図である。
図5図5は、実施形態に係る開閉装置の動作を説明するための図である。
図6図6は、実施形態に係る開閉装置の一部を示す側面図である。
図7図7は、実施形態に係る開閉装置の一部を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
実施形態においては、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、及び「下」の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、釜1の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。
【0011】
[第1実施形態]
<釜>
図1は、実施形態に係る釜1を模式的に示す図である。図1に示すように、釜1は、釜本体2と、蒸気ジャケット3と、バルブ4と、開閉装置5と備える。
【0012】
釜本体2は、対象を収容する。対象は、食材を含む。対象として、流動体が例示される。流動体として、スープ又はクリームソースが例示される。
【0013】
釜本体2の上部に搬入口6が設けられる。釜本体2の底部に搬出口7が設けられる。対象は、搬入口6から釜本体2の内側に搬入される。対象は、搬出口7から釜本体2の外側に搬出される。
【0014】
蒸気ジャケット3は、釜本体2の外側に配置される。蒸気ジャケット3は、釜本体2の下部を覆うように配置される。蒸気ジャケット3は、釜本体2との間に蒸気が供給される空間を形成する。釜本体2と蒸気ジャケット3との間の空間に蒸気が供給されることにより、釜本体2に収容されている対象が加熱される。
【0015】
蒸気ジャケット3は、蒸気パイプ8に接続される。蒸気パイプ8に、蒸気バルブ9が配置される。蒸気パイプ8は、蒸気ジャケット3の上部に接続される。蒸気は、蒸気パイプ8の流路を介して、釜本体2と蒸気ジャケット3との間の空間に供給される。
【0016】
蒸気ジャケット3は、ドレンパイプ10に接続される。ドレンパイプ10に、ドレンバルブ11が配置される。ドレンパイプ10は、蒸気ジャケット3の下部に接続される。釜本体2と蒸気ジャケット3との間の空間に蒸気のドレン(凝縮水)が溜まる可能性がある。ドレンは、ドレンパイプ10の流路を介して、釜本体2と蒸気ジャケット3との間の空間から排出される。
【0017】
バルブ4は、搬出口7に配置される。バルブ4は、搬出口7を開閉する。
【0018】
開閉装置5は、搬出口7を開閉する。実施形態において、開閉装置5は、バルブ4を作動することによって、搬出口7を開閉する。搬出口7が開放されている状態で、対象は釜本体2から搬出される。搬出口7が閉鎖されている状態で、対象は釜本体2から搬出されない。
【0019】
<開閉装置>
図2及び図3のそれぞれは、実施形態に係る開閉装置5を示す斜視図である。バルブ4は、搬出口7に配置される。開閉装置5は、ハンドル12と、搬出パイプ13と、カバー14とを備える。
【0020】
ハンドル12は、バルブ4に連結される。ハンドル12は、バルブ4を作動するために作業者に操作される。ハンドル12は、回動軸AXを中心に回動可能にバルブ4に連結される。実施形態において、回動軸AXは、前後方向に延伸する。
【0021】
ハンドルは、レバー部15と、ハンドルプレート部16と、グリップ部17とを有する。
【0022】
レバー部15の少なくとも一部は、バルブ4から延伸する。レバー部15の上端部は、バルブ4に連結される。レバー部15は、バルブ4から回動軸AXの放射方向外側に延伸する第1延伸部15Aと、第1延伸部15Aの下端部から前方に延伸する第2延伸部15Bと、第2延伸部15Bの前端部から回動軸AXの放射方向外側に延伸する第3延伸部15Cとを有する。第1延伸部15Aの上端部が、バルブ4に連結される。
【0023】
ハンドルプレート部16は、前面と後面とを有する。ハンドルプレート部16の外形は、実質的に三角形状(扇状)である。ハンドルプレート部16は、第3延伸部15Cに固定される。
【0024】
グリップ部17は、ハンドルプレート部16の前面に固定される。グリップ部17は、ハンドルプレート部16の前面から前方に突出する。作業者は、グリップ部17を握って、ハンドル12が回動軸AXを中心に回動するように、ハンドル12を操作することができる。
【0025】
搬出パイプ13は、バルブ4に接続される。搬出パイプ13は、一端部と他端部とを有する。搬出パイプ13は、上下方向に延伸する鉛直部18と、左右方向に延伸する水平部19とを含む。鉛直部18は、搬出パイプ13の一端部を含む。搬出パイプ13の一端部は、鉛直部18の上端部である。水平部19は、鉛直部18の下端部に接続される。水平部19は、鉛直部18の下端部から右方に延伸する。水平部19は、搬出パイプ13の他端部を含む。搬出パイプ13の他端部は、水平部19の右端部である。実施形態において、搬出パイプ13は、前後方向に延伸する連結部を有する。鉛直部18の下端部と水平部19の左端部とは、連結部を介して連結される。
【0026】
搬出パイプ13の一端部は、バルブ4に接続される。搬出パイプ13の一端部にフランジ13Aが設けられる。バルブ4の下端部にフランジ4Aが設けられる。フランジ13Aとフランジ4Aとがボルトにより固定されることにより、搬出パイプ13の一端部とバルブ4とが接続される。
【0027】
搬出パイプ13の他端部は、連結器20を介して連結チューブ21と着脱可能に連結される。連結チューブ21は、金属製のパイプでもよいし、可撓性のホースでもよい。連結器20は、搬出パイプ13の他端部に接続される第1連結部20Aと、連結チューブ21に接続される第2連結部20Bとを有する。第2連結部20Bは、第1連結部20Aに着脱される。第2連結部20Bが第1連結部20Aに連結されることにより、搬出パイプ13の他端部と連結チューブ21とが接続される。
【0028】
ハンドル12は、ハンドル12の少なくとも一部が搬出パイプ13の他端部の周囲の第1位置Paと第1位置Paとは異なる第2位置Pbとを移動するように、作業者に操作される。ハンドル12が第1位置Paに移動された状態で、搬出口7が開放される。ハンドル12が第2位置Pbに移動された状態で、搬出口7が閉鎖される。図2は、ハンドル12が第1位置Paに配置されている状態を示す。図3は、ハンドル12が第2位置Pbに配置されている状態を示す。
【0029】
実施形態において、第1位置Paは、連結器20の周囲の少なくとも一部の位置である。第2位置Pbは、第1位置Paよりも連結器20から離れた位置である。実施形態において、第2位置Pbは、第1位置Paよりも左方に規定される。
【0030】
ハンドル12の少なくとも一部は、ハンドル12が第1位置Paに移動された状態で連結器20の前方に配置される。実施形態においては、ハンドル12が第1位置Paに移動された状態で、ハンドルプレート部16の少なくとも一部が連結器20の前方に配置される。
【0031】
カバー14は、連結器20の上方に配置される。カバー14は、第1プレート部14Aと、第2プレート部14Bと、第3プレート部14Cとを有する。
【0032】
第1プレート部14Aは、搬出パイプ13の他端部及び連結器20の第1連結部20Aの少なくとも一方に支持される下端部を有する。第1プレート部14Aの下端部は、固定部材22により搬出パイプ13の他端部及び第1連結部20Aの少なくとも一方に固定される。第1プレート部14Aは、搬出パイプ13の他端部及び第1連結部20Aの少なくとも一方から上方に延伸する。第1プレート部14Aは、左面と右面とを有する。
【0033】
第2プレート部14Bは、第1プレート部14Aに対向するように配置される。第2プレート部14Bは、第1プレート部14Aよりも右方に配置される。第2プレート部14Bは、連結チューブ21の一端部及び連結器20の第2連結部20Bの少なくとも一方に対向する下端部を有する。第2プレート部14Bは、連結チューブ21及び第2連結部20Bに固定されない。第2プレート部14Bは、連結チューブ21及び第2連結部20Bの少なくとも一方に接触してもよいし、連結チューブ21及び第2連結部20Bから離れていてもよい。第2プレート部14Bは、連結チューブ21の一端部及び第2連結部20Bの少なくとも一方から上方に延伸するように配置される。第2プレート部14Bは、左面と右面とを有する。第1プレート部14Aと第2プレート部14Bとは、実質的に平行である。
【0034】
第3プレート部14Cは、連結器20の上方に配置される。第3プレート部14Cは、第1プレート部14Aの上端部と第2プレート部14Bの上端部とを結ぶように配置される。第3プレート部14Cは、上面と下面とを有する。
【0035】
第1プレート部14Aと第2プレート部14Bと第3プレート部14Cとは、一体である。カバー14は、1枚の金属プレートを折り曲げることによって形成される。
【0036】
第1プレート部14Aの右面と第2プレート部14Bの左面と第3プレート部14Cの下面との間に空間23が形成される。連結器20は、空間23に面する。
【0037】
<開閉装置の動作>
図4及び図5のそれぞれは、実施形態に係る開閉装置5の動作を説明するための図である。図4は、ハンドル12が第2位置Pbに配置されている状態を示す。図5は、ハンドル12が第1位置Paに配置されている状態を示す。
【0038】
図4に示すように、ハンドル12が第2位置Pbに配置されている場合、搬出口7が閉鎖されるようにバルブ4が作動する。第2位置Pbは、連結器20から離れた位置である。ハンドル12が第2位置Pbに配置されている状態で、作業者は、カバー14の内側の空間23に手を挿入して、連結器20を操作することができる。作業者は、ハンドル12が第2位置Pbに配置されている状態で、第1連結部20Aから第2連結部20Bを外す作業及び第1連結部20Aに第2連結部20Bを連結する作業の少なくとも一方を実施することができる。
【0039】
ハンドル12が第2位置Pbに配置されている場合、作業者が意図せずに連結器20に触ってしまう可能性がある。第1連結部20Aに第2連結部20Bが連結されている状態で、作業者が意図せずに連結器20に触ってしまい、作業者の意図に反して第1連結部20Aから第2連結部20Bが外れてしまう可能性がある。実施形態においては、ハンドル12が第2位置Pbに配置されている場合、バルブ4により搬出口7が閉鎖される。そのため、作業者の意図に反して第1連結部20Aから第2連結部20Bが外れても、釜本体2に収容されている対象が搬出口7から流出してしまうことが抑制される。
【0040】
図5に示すように、ハンドル12が第1位置Paに配置されている場合、搬出口7が開放されるようにバルブ4が作動する。第1位置Paは、連結器20の周囲の少なくとも一部の位置である。実施形態においては、ハンドル12が第1位置Paに配置されている状態で、ハンドルプレート部16の少なくとも一部が連結器20の前方に配置される。また、カバー14が連結器20の上方に配置される。ハンドルプレート部16の少なくとも一部は、空間23の前部を覆うようにカバー14の前方に配置される。ハンドル12が第1位置Paに配置されている状態で、連結器20は、ハンドルプレート部16及びカバー14で覆われる。作業者は、ハンドル12が第1位置Paに配置されている状態で、連結器20を操作することができない。作業者は、ハンドル12が第1位置Paに配置されている状態で、第1連結部20Aから第2連結部20Bを外す作業を実施することができない。
【0041】
ハンドル12が第1位置Paに配置されている場合、作業者が意図せずに連結器20に触ってしまうことが抑制される。そのため、第1連結部20Aに第2連結部20Bが連結されている状態で、作業者の意図に反して第1連結部20Aから第2連結部20Bが外れてしまうことが抑制される。実施形態においては、ハンドル12が第1位置Paに配置されている場合、バルブ4により搬出口7が開放される。第1連結部20Aに第2連結部20Bが連結されている状態で、搬出口7から搬出された対象は、搬出パイプ13及び連結チューブ21を介して所定の容器に供給される。
【0042】
<効果>
以上説明したように、実施形態によれば、ハンドル12は、ハンドル12の少なくとも一部が搬出パイプ13の他端部の周囲の第1位置Paと第1位置Paとは異なる第2位置Pbとを移動するように操作される。ハンドル12が第2位置Pbに移動された状態で、バルブ4により搬出口7が閉鎖される。そのため、作業者の意図に反して第1連結部20Aから第2連結部20Bが外れても、釜本体2に収容されている対象が搬出口7から流出してしまうことが抑制される。ハンドル12が第1位置Paに移動された状態で、バルブ4により搬出口7が開放される。ハンドル12が第1位置Paに配置された場合、作業者は、第1連結部20Aから第2連結部20Bを外す作業を実施することができない。搬出口7から搬出された対象は、搬出パイプ13及び連結チューブ21を介して所定の容器に供給される。搬出口7が開放されている状態で、第1連結部20Aから第2連結部20Bを外すことができないので、釜本体2に収容されている対象が第1連結部20Aから流出することが抑制される。釜本体2に収容されている対象は、搬出パイプ13及び連結チューブ21を介して所定の容器に供給される。
【0043】
搬出パイプ13の他端部は、連結器20を介して連結チューブ21と着脱可能に連結される。第1位置Paは、連結器20の周囲の少なくとも一部の位置である。第2位置Pbは、第1位置Paよりも連結器20から離れた位置である。これにより、作業者は、ハンドル12が第1位置Paに配置され、搬出口7が開放されている状態で、第1連結部20Aから第2連結部20Bを外す作業を実施することができない。
【0044】
搬出パイプ13は、上下方向に延伸する鉛直部18と、左右方向に延伸する水平部19とを含む。鉛直部18は、バルブ4に接続される搬出パイプ13の一端部を含む。水平部19は、連結器20を介して連結チューブ21に接続される搬出パイプ13の他端部を含む。ハンドル12の少なくとも一部は、ハンドル12が第1位置Paに移動された状態で連結器20の前方に配置される。これにより、作業者は、ハンドル12が第1位置Paに配置され、搬出口7が開放されている状態で、第1連結部20Aから第2連結部20Bを外す作業を実施することができない。
【0045】
ハンドル12は、レバー部15と、ハンドルプレート部16とを有する。レバー部15の少なくとも一部は、バルブ4から延伸する。ハンドルプレート部16は、ハンドル12が第1位置Paに移動された状態で連結器20の前方に配置される。ハンドルプレート部16の少なくとも一部が連結器20の前方に配置されるので、作業者は、搬出口7が開放されている状態で、第1連結部20Aから第2連結部20Bを外す作業を実施することができない。
【0046】
ハンドル12は、ハンドルプレート部16から前方に突出するグリップ部17を有する。これにより、作業者は、グリップ部17を握って、ハンドル12を円滑に操作することができる。
【0047】
連結器20の上方にカバー14が配置される。ハンドル12が第1位置Paに配置されている状態で、連結器20は、ハンドル12及びカバー14で覆われる。これにより、作業者は、搬出口7が開放されている状態で、第1連結部20Aから第2連結部20Bを外す作業を実施することができない。
【0048】
カバー14は、搬出パイプ13の他端部及び連結器20の少なくとも一方に支持される下端部を有する第1プレート部14Aと、第1プレート部14Aに対向する第2プレート部14Bと、連結器20の上方に配置され第1プレート部14Aの上端部と第2プレート部14Bの上端部とを結ぶ第3プレート部14Cとを有する。第1プレート部14Aの右面と第2プレート部14Bの左面と第3プレート部14Cの下面との間に空間23が形成される。連結器20は、空間23に面する。ハンドル12が第2位置Pbに配置されている場合、作業者は、空間23に手を挿入して、連結器20を操作することができる。
【0049】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0050】
図6及び図7のそれぞれは、実施形態に係る開閉装置50の一部を示す側面図である。上述の実施形態と同様、開閉装置50は、搬出パイプ13とを有する。本実施形態において、上述の実施形態で説明したハンドル12は有ってもよいし無くてもよい。搬出パイプ13の一端部にフランジ13Aが設けられる。搬出パイプ13の一端部は、バルブ4(図6及び図7には不図示)に接続される。バルブ4は、搬出口7(図6及び図7には不図示)を開閉する。バルブ4は、ハンドル12の操作により作動する。搬出パイプ13の他端部は、連結器20を介して連結チューブ21に着脱可能に連結される。連結器20は、搬出パイプ13の他端部に接続される第1連結部20Aと、連結チューブ21に接続され第1連結部20Aに着脱される第2連結部20Bとを有する。
【0051】
図6は、第2連結部20Bが第1連結部20Aに連結された第1状態を示す。図7は、第2連結部20Bが第1連結部20Aから外された第2状態を示す。
【0052】
実施形態において、カバー24は、第1部分25と、第2部分26と、第3部分27とを有する。第1部分25は、スプリング式ヒンジ28を介して搬出パイプ13の他端部及び第1連結部20Aの少なくとも一方に回動可能に連結される。図6に示すように、第2部分26は、第2連結部20Bが第1連結部20Aに連結された第1状態で第2連結部20B又は連結チューブ21に接触する。図7に示すように、第3部分27は、第2連結部20Bが第1連結部20Aから外された第2状態で第1連結部20Aの開口29に対向する。
【0053】
実施形態において、カバー24は、プレート部24Aと、プレート部24Bとを有する。プレート部24Aとプレート部24Bとは、実質的に直交する。プレート部24Aとプレート部24Bとは、一体である。カバー24は、1枚の金属プレートを折り曲げることによって形成される。また、カバー24に取手30が固定される。取手30は、プレート部24Bに固定される。
【0054】
搬出パイプ13の他端部及び第1連結部20Aの少なくとも一方に支持部材31が固定される。支持部材31の少なくとも一部は、固定部材32により、搬出パイプ13の他端部及び第1連結部20Aの少なくとも一方に固定される。支持部材31は、搬出パイプ13及び第1連結部20Aの少なくとも一方に一体になるように固定される。プレート部24Aの左端部と支持部材31の右端部とがスプリング式ヒンジ28を介して連結される。
【0055】
実施形態において、第1部分25は、プレート部24Aの左端部である。第1部分25は、スプリング式ヒンジ28を介して、搬出パイプ13及び第1連結部20Aの少なくとも一方に一体になるように固定された支持部材31に回動可能に連結される。
【0056】
第2部分26は、プレート部24Bの先端部である。図6に示すように、第2連結部20Bが第1連結部20Aに連結された第1状態において、第2部分26は、第2連結部20B又は連結チューブ21に接触する。
【0057】
第3部分27は、プレート部24Bの左面である。図7に示すように、第2連結部20Bが第1連結部20Aから外された第2状態において、第3部分27は、第1連結部20Aの開口29に対向する。
【0058】
実施形態において、カバー24は、第2連結部20Bが第1連結部20Aに連結された第1状態から第1連結部20Aから外された第2状態に変化したときに、第3部分27が第1連結部20Aの開口29に対向するように回動する。すなわち、第1連結部20Aから第2連結部20Bを外す作業が作業者により実施されると、カバー24は、図6に示す状態から図7に示す状態に変化するように回動する。
【0059】
スプリング式ヒンジ28は、スプリング33を含む。スプリング33は、例えばトーションスプリングである。スプリング33は、第2連結部20Bが第1状態から第2状態に変化したときに第3部分27が第1連結部20Aの開口29に対向するように、カバー24に付勢力を与える。第1連結部20Aから第2連結部20Bを外す作業が作業者により実施されると、カバー24は、スプリング33の付勢力により、図6に示す状態から図7に示す状態に変化するように回動する。
【0060】
なお、スプリング式ヒンジ28は、トルク調整可能でもよい。
【0061】
以上説明したように、実施形態によれば、第1連結部20Aから第2連結部20Bを外す作業が作業者により実施された場合、スプリング式ヒンジ28により、第1連結部20Aの開口29を覆うように、カバー24が回動する。これにより、第1連結部20Aから第2連結部20Bを外したときに、釜本体2に収容されている対象が第1連結部20Aの開口29から勢い良く噴出する現象が生じても、開口29に対向している第3部分27により、対象が飛び散ることが抑制される。
【符号の説明】
【0062】
1…釜、2…釜本体、3…蒸気ジャケット、4…バルブ、4A…フランジ、5…開閉装置、6…搬入口、7…搬出口、8…蒸気パイプ、9…蒸気バルブ、10…ドレンパイプ、11…ドレンバルブ、12…ハンドル、13…搬出パイプ、13A…フランジ、14…カバー、14A…第1プレート部、14B…第2プレート部、14C…第3プレート部、15…レバー部、15A…第1延伸部、15B…第2延伸部、15C…第3延伸部、16…ハンドルプレート部、17…グリップ部、18…鉛直部、19…水平部、20…連結器、20A…第1連結部、20B…第2連結部、21…連結チューブ、22…固定部材、23…空間、24…カバー、24A…プレート部、24B…プレート部、25…第1部分、26…第2部分、27…第3部分、28…スプリング式ヒンジ、29…開口、30…取手、31…支持部材、32…固定部材、33…スプリング、50…開閉装置、AX…回動軸、Pa…第1位置、Pb…第2位置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7