(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】モータ制御システムおよびハイブリッド車両
(51)【国際特許分類】
B60W 20/50 20160101AFI20241008BHJP
B60W 10/06 20060101ALI20241008BHJP
B60W 10/08 20060101ALI20241008BHJP
B60K 6/485 20071001ALI20241008BHJP
B60L 3/00 20190101ALI20241008BHJP
B60L 7/14 20060101ALI20241008BHJP
B60L 50/16 20190101ALI20241008BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20241008BHJP
B60L 58/10 20190101ALI20241008BHJP
【FI】
B60W20/50 ZHV
B60W10/06 900
B60W10/08 900
B60K6/485
B60L3/00 N
B60L7/14
B60L50/16
B60L50/60
B60L58/10
(21)【出願番号】P 2021045468
(22)【出願日】2021-03-19
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 香治
(72)【発明者】
【氏名】山口 達也
(72)【発明者】
【氏名】中西 健輔
【審査官】三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-176694(JP,A)
【文献】特開2018-182949(JP,A)
【文献】特開2016-193631(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 6/20 - 6/547
B60W 10/00 - 20/50
B60L 3/00
B60L 7/14
B60L 50/16
B60L 50/60
B60L 58/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転力を受けて発電するように構成されたモータジェネレータと、
前記モータジェネレータが発電した電力を受ける蓄電装置と、
前記モータジェネレータと前記蓄電装置との間に設けられるリレーと、
通信により与えられる指令に従って前記モータジェネレータを制御するように構成された第1の制御装置と
、
前記第1の制御装置と通信するように構成され、前記第1の制御装置へ前記指令を出力する第2の制御装置とを備え、
前記第2の制御装置は、前記リレーを制御し、
前記第1の制御装置は、前記通信の異常が発生した場合に、前記モータジェネレータの自律発電制御を実行するように構成されており、
前記自律発電制御は、前記第1の制御装置が前記指令に従うことなく前記モータジェネレータに所定の電圧の発電を行わせる制御であり、
前記第1の制御装置は、前記通信の異常が検知された場合に、前記リレーのオフ状態からオン状態への切り替えが完了した後に前記自律発電制御を開始
し、
前記第1の制御装置は、前記蓄電装置から前記リレーを通じて前記モータジェネレータへ入力される電圧がしきい値電圧に到達した時刻から第1のしきい時間経過した場合、前記自律発電制御を開始し、
前記しきい値電圧は、前記第1の制御装置による前記自律発電制御が実行されるために前記モータジェネレータへ入力されることが少なくとも必要な電圧である、モータ制御システム。
【請求項2】
前記回転力を発生する内燃機関をさらに備え、
前記第1の制御装置は、前記内燃機関の回転数がしきい値回転数に到達した時刻から第2のしきい時間経過した場合、前記自律発電制御を開始する、請求項
1に記載のモータ制御システム。
【請求項3】
前記第2の制御装置は、前記モータジェネレータへ入力される電圧に従って、前記リレーにおける異常の有無を診断し、
前記第1の制御装置が前記自律発電制御を開始する時刻は、前記第2の制御装置による前記リレーにおける異常無しとの診断が完了した時刻以降である、請求項
1または
2に記載のモータ制御システム。
【請求項4】
請求項1から請求項
3のいずれか1項に記載のモータ制御システムと、
前記回転力を発生する内燃機関とをさらに備える、ハイブリッド車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モータ制御システムに関し、特に、モータジェネレータを備えるモータ制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2014-079081号公報(特許文献1)は、モータジェネレータと蓄電装置との間の電路に設けられるリレーを備える車両を開示する。リレーがオフ状態からオン状態に切り替わると、リレーを経由して当該電路に電流が流れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
モータ制御装置が、通信により与えられる指令に従ってモータジェネレータを制御するように構成されている場合、通信の異常が発生すると、モータ制御装置は、当該指令を受けることができない。そこで、通信の異常が発生した場合、モータ制御装置は、当該指令に従うことなくモータジェネレータに所定の電圧の発電を行わせる自律発電制御を実行することがある。
【0005】
特許文献1のようにモータジェネレータと蓄電装置との間にリレーが設けられる場合、上記のように通信の異常が発生したときに自律発電制御が開始されるタイミングによっては、リレーがダメージを受ける可能性がある。
【0006】
本開示は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、自律発電制御の実行時にモータジェネレータと蓄電装置との間のリレーを適切に保護可能なモータ制御システムおよび当該システムを備えるハイブリッド車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のモータ制御システムは、モータジェネレータと、蓄電装置と、リレーと、第1の制御装置とを備える。モータジェネレータは、回転力を受けて発電するように構成される。蓄電装置は、モータジェネレータが発電した電力を受ける。リレーは、モータジェネレータと蓄電装置との間に設けられる。第1の制御装置は、通信により与えられる指令に従ってモータジェネレータを制御するように構成される。そして、第1の制御装置は、通信の異常が発生した場合に、モータジェネレータの自律発電制御を実行するように構成されている。自律発電制御は、第1の制御装置が上記指令に従うことなくモータジェネレータに所定の電圧の発電を行わせる制御である。第1の制御装置は、通信の異常が検知された場合に、リレーのオフ状態からオン状態への切り替えが完了した後に自律発電制御を開始する。
【0008】
上記の構成では、上記のような通信の異常が発生した場合に、リレーのオフ状態からオン状態への切り替えが完了してから自律発電制御が開始される。そのため、自律発電制御の実行中にリレーがオフ状態からオン状態へ切り替わるときに生じるリレー故障を防止することが可能となる。
【0009】
モータ制御システムは、第2の制御装置をさらに備えていてもよい。第2の制御装置は、第1の制御装置と通信するように構成され、第1の制御装置へ指令を出力する。第2の制御装置は、リレーを制御する。第1の制御装置は、蓄電装置からリレーを通じてモータジェネレータへ入力される電圧がしきい値電圧に到達した時刻から第1のしきい時間経過した場合、自律発電制御を開始する。しきい値電圧は、第1の制御装置による自律発電制御が実行されるためにモータジェネレータへ入力されることが少なくとも必要な電圧である。
【0010】
上記の構成では、第1の制御装置は、第2の制御装置によるリレーのオフ状態からオン状態への切り替えが完了したことを示す情報を第2の制御装置から通信により得ることができない通信異常時においても、第1のしきい時間経過後に当該切り替えが確実に完了していることを推定できる。これにより、このような通信異常時においても、当該切り替えが完了したものとして自律発電制御が開始されるため、リレー故障を防止することが可能となる。
【0011】
モータ制御システムは、回転力を発生する内燃機関をさらに備えていてもよい。第1の制御装置は、内燃機関の回転数がしきい値回転数に到達した時刻から第2のしきい時間経過した場合、自律発電制御を開始する。
【0012】
上記の構成では、モータジェネレータが発電可能な程度に回転していることが確実な状況下で自律発電制御を開始することが可能となる。
【0013】
第2の制御装置は、モータジェネレータへ入力される電圧に従って、リレーにおける異常の有無をさらに診断してもよい。第1の制御装置が自律発電制御を開始する時刻は、第2の制御装置によるリレーにおける異常無しとの診断が完了した時刻以降である。
【0014】
上記の構成では、リレーにおいて異常が発生している状況下で自律発電制御が開始される事態を回避することが可能となる。
【0015】
また、本開示のハイブリッド車両は、上記のモータ制御システムと、上記回転力を発生する内燃機関とをさらに備える。
【0016】
このハイブリッド車両によれば、上記のような通信の異常が発生した場合に、リレーのオフ状態からオン状態への切り替えが完了してから自律発電制御が開始される。そのため、自律発電制御の実行中にリレーがオフ状態からオン状態へ切り替わるときに生じるリレー故障を防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、自律発電制御の実行時にモータジェネレータと蓄電装置との間のリレーを適切に保護可能なモータ制御システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施の形態に従うモータ制御システムが適用される車両の全体構成を示す図である。
【
図2】比較例において通信異常時の自律発電制御に伴って実行される処理を説明するためのタイミングチャートである。
【
図3】本実施の形態において通信異常時の自律発電制御に伴って実行される処理を説明するためのタイミングチャートである。
【
図4】自律発電制御に伴う処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中の同一または相当部分には同一の符号を付しており、その説明を繰り返さない。
【0020】
図1は、本実施の形態に従うモータ制御システムが適用される車両の全体構成を示す図である。車両10は、いわゆるマイルドハイブリッド車両であって、内燃機関に対して補助的にMG(Motor Generator)が駆動されることにより走行する。
【0021】
図1を参照して、車両10は、モータ制御システム100と、EFI(Electrical Fuel Injection)-ECU(Electronic Control Unit)102と、内燃機関103と、回転速度センサ104,106と、バス137とを備える。
【0022】
モータ制御システム100は、バッテリ105と、SMR(System Main Relay)110と、コンデンサ115と、電圧センサ116と、MG(Motor Generator)120と、バッテリ135と、DC/DCコンバータ154と、MG-ECU130と、統合ECU125とを備える。
【0023】
バッテリ105は、複数のセルを含む組電池である。各セルは、リチウムイオン電池、鉛蓄電池またはニッケル水素電池などの二次電池である。バッテリ105は、充放電するように構成された蓄電装置の一例として示されている。バッテリ105に代えて、電気二重層キャパシタなどの蓄電素子により構成される蓄電装置が用いられてもよい。バッテリ105は、車両10の走行用の電力を蓄える。バッテリ105の両端の電圧Vbは、例えば48Vである。
【0024】
SMR110は、接点140,145および150と、制限抵抗R1とを含む。接点140は、バッテリ105の正極に接続される電力線151と、電力線156との間に設けられる。接点145は、バッテリ105の負極に接続される電力線152と、電力線155との間に設けられる。接点150は、制限抵抗R1に直列に接続される。接点150および制限抵抗R1は、接点145に対して並列に設けられる。
【0025】
コンデンサ115は、電力線155および156の間に設けられる。電圧センサ116は、コンデンサ115の両端の電圧VCを検出する。電圧センサ116の検出値は、統合ECU125およびMG-ECU130(いずれも後述)へ出力される。
【0026】
MG120は、一例として、3相の永久磁石型同期電動である。MG120は、ベルト(図示せず)を介して内燃機関103(後述)の回転軸に連結されている。MG120の出力トルクは、当該ベルトを通じて内燃機関103の回転軸へ伝達され、主に内燃機関103の回転をアシストするために用いられる。
【0027】
また、MG120は、電力線170を通じて電力線155,156に電気的に接続される。MG120は、車両10の回生制動時に、または、発電が要求された場合に、ベルトを介して受ける回転力によって発電するように構成される。MG120が発電した電力は、バッテリ105に蓄えられる。MG120は、電力線170の電圧VCがしきい値電圧(後述)以上である場合に、電圧VCの電力を受けて発電するように構成される。
【0028】
バッテリ135は、補機用のバッテリである(例えば12V)。バッテリ135は、電力線158を通じて、EFI-ECU102、統合ECU125およびMG-ECU130(いずれも後述)へ作動電力を供給する。また、バッテリ135は、DC/DCコンバータ154から電力の供給を受ける。
【0029】
DC/DCコンバータ154は、電力線155,156と電力線158との間に設けられる。DC/DCコンバータ154は、バッテリ105から出力される電力を降圧(変換)して電力線158へ出力するように構成されている。降圧後の電力は、バッテリ135に蓄えられる。DC/DCコンバータ154は、統合ECU125からの制御指令に従って作動する。
【0030】
MG-ECU130は、統合ECU125から通信により与えられる指令(トルク指令など)に従ってMG120を制御するように構成される。MG-ECU130は、統合ECU125との間で通信が確立されているとき、リレー110がオン状態またはオフ状態のいずれであるかを示す情報を統合ECU125から受けることができる。MG-ECU130は、CAN(Controller Area Network)により通信を行うバス137を通じて当該指令および当該情報を受けることができる。MG-ECU130は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などにより構成されるメモリとを含む(いずれも図示せず)。
【0031】
内燃機関103は、例えばガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンである。内燃機関103の回転により、車両10の走行駆動力が生成される。内燃機関103は、ベルトを通じてMG120に連結されている。そのため、車両10の走行中、内燃機関103の回転は、ベルトを介してMG120の回転によりアシストされ得る。車両10のシステム起動時、内燃機関103を始動させるためのスタータ(図示せず)が作動することにより、内燃機関103の回転が開始される。
【0032】
EFI-ECU102は、内燃機関103を制御する。EFI-ECU102は、車両10のシステム起動時、内燃機関103の回転速度がしきい値回転速度を超えた場合、内燃機関103の燃料噴射を開始し、内燃機関103を始動させる。
【0033】
回転速度センサ104は、内燃機関103の回転速度(単位時間当たりの回転数)を検出する。当該回転速度は、EFI-ECU102および統合ECU125に出力される。
【0034】
回転速度センサ106は、MG120の回転速度を検出する。回転速度センサ106の検出値は、MG-ECU130に出力される。
【0035】
統合ECU125は、車両10全体を制御する。統合ECU125は、例えば、SMR110における接点140,145および150の開閉状態を制御する。一例として、車両10のシステム起動時(接点140,145および150が開いている時)、統合ECU125は、接点145または150を閉じる(導通させる)ことにより、接点140における溶着の有無を診断する。
【0036】
接点145または150がそのように閉じられた場合に、電圧センサ116の検出値(電圧VC)が上昇し始めたとき、統合ECU125は、接点140が溶着していると診断する。他方、上記の場合に電圧VCが上昇しないとき、統合ECU125は、接点140が溶着していないと診断する。
【0037】
次いで、統合ECU125は、閉じられた接点145または150を開いた後、接点140を閉じることにより、接点145または150における溶着の有無を、上記検出値に従って同様に診断する。
【0038】
接点145または150の溶着診断の後、統合ECU125は、接点150をさらに閉じる。これにより、コンデンサ115に流れる電流が制限抵抗R1により制限されつつ、コンデンサ115のプリチャージが実施される。当該プリチャージは、統合ECU125が接点145を閉じるときにコンデンサ115に流れる突入電流を軽減するために実施される。統合ECU125は、電圧センサ116の検出値が上昇しているか否かに基づいてコンデンサ115のプリチャージが開始されたか否かを判断する。
【0039】
電圧センサ116の検出値が上昇していない場合、統合ECU125は、コンデンサ115のプリチャージが開始されていないと判断する。この場合、電力線151,156の間もしくは電力線152,155の間での断線が発生しているか、または、統合ECU125とSMR110との間の配線の故障に起因して統合ECU125からSMR110へ制御信号が伝達されてない結果、SMR110の接点150が開いたままとなっていると考えられる。そのため、上記の場合、統合ECU125は、SMR110における異常有りと診断する。
【0040】
他方、電圧センサ116の検出値が上昇している場合、統合ECU125は、コンデンサ115のプリチャージの開始を判断する。その後、電圧センサ116の検出値がバッテリ105の電圧Vbまで上昇したことに基づいて、統合ECU125は、コンデンサ115のプリチャージの終了を判断する。次いで、統合ECU125は、接点145を閉じ、接点150を開く。これにより、SMR110のオフ状態からオン状態への切り替えが完了する。
【0041】
なお、SMR110が「オフ状態」であるとは、接点140,145および150のうち少なくとも2つが開いている状態をいう。また、SMR110が「オン状態」であるとは、接点140および145の両方が閉じており、かつ、接点150が開いている状態にあることをいう。また、SMR110は、車両10のシステム起動時、オフ状態からオン状態に切り替わるまで間のコンデンサ115のプリチャージ中に「ハーフオン状態」(接点140および150が閉じている一方で、接点145が開いている状態)をとる。
【0042】
上記のように、統合ECU125は、車両10の起動時、接点140,150および145を適宜開閉する。そして、これらの接点が開閉される間に、電圧センサ116により検出される電圧VCに従って、SMR110に異常(例えば、溶着、断線、または配線の故障など)が発生しているか否かを診断する。SMR110に異常が発生している場合、統合ECU125は、例えば、MG120を停止するようにMG-ECU130へ指令を出力する。
【0043】
統合ECU125は、EFI-ECU102およびMG-ECU130の各々に、バス137を通じて電気的に接続される。統合ECU125は、これらのECUとバス137を通じて通信するように構成されており、これらのECUへ指令を出力することにより車両10全体を制御する。
【0044】
統合ECU125は、MG120におけるトルク指令値をMG-ECU130へ出力するように構成される。MG-ECU130は、当該トルク指令値に基づいてMG120を駆動する。また、統合ECU125は、SMR110の状態(例えば、SMR110が、オン状態、ハーフオン状態またはオフ状態のいずれであるか)をMG-ECU130へ出力するように構成される。なお、統合ECU125は、MG-ECU130と同様に、CPUなどのプロセッサと、ROMおよびRAMなどにより構成されるメモリとを含む(いずれも図示せず)。
【0045】
また、統合ECU125は、車両10のシステム起動時、内燃機関103を始動させるための指令をEFI-ECU102へ出力する。
【0046】
MG-ECU130と統合ECU125との間の通信の異常が発生した場合、MG-ECU130は、統合ECU125からバス137を通じて指令を受けることができない。そこで、この場合、MG-ECU130は、当該指令に従うことなくMG120に所定の電圧の発電を行わせる自律発電制御を実行することがある。
【0047】
ここで、このような通信の異常が発生したとき、自律発電制御が開始されるタイミングによってはSMR110がダメージを受ける可能性がある。そのため、上記の通信の異常時に自律発電制御が実行される場合に、SMR110を適切に保護することが要望される。
【0048】
そこで、本実施の形態では、このような場合にSMR110を適切に保護するためのMG-ECU130による制御の手法が示される。まず、当該制御の手法について説明する前に、当該制御が実行されない場合の比較例について説明する。
【0049】
図2は、比較例において通信異常時の自律発電制御に伴って実行される処理を説明するためのタイミングチャートである。
【0050】
図2において、横軸は時間を表す。縦軸は、上から順番に、イグニッションスイッチのオン/オフ、モータ制御システム100の起動の有無、MG-ECUにおいて通信異常が検知されたか否か、SMR110のオフ状態からオン状態への切り替えが開始されたか否か、当該切り替えが完了したか否か、内燃機関103の回転速度、電力線170の電圧VC、および、MG-ECUによる自律発電制御が実行されているか否か(当該制御のオン/オフ)を表す。
【0051】
時刻t1において、イグニッションスイッチの状態がオフからオンに切り替わる(線205)。
【0052】
時刻t2において、上記スイッチの切り替わりに応答して、モータ制御システム100(統合ECUおよびMG-ECUを含む)とEFI-ECU102とが起動する(線210)。そして、統合ECUは、電圧センサ116(
図1)により検出される電圧VC(線230)に従って、SMR110における異常の有無の診断を開始する。この診断は、時刻tAまで継続する。
図2の例では、SMR110における異常は発生していない。なお、時刻tAは、SMR110の異常無しとの診断の完了に要する時間と、当該診断が開始された時刻t2とに基づいて定められる。
【0053】
時刻t3において、MG-ECUは、統合ECUとの間で通信異常が発生したことを検知する(線215)。MG-ECUは、例えば、統合ECUからの指令を受けることができないことに基づいて、通信の異常が発生したと判断する。
【0054】
時刻t4において、統合ECUは、時刻t2でのモータ制御システム100の起動に応答して、SMR110のオフ状態からオン状態への切り替えを開始する(線220)。ここで、SMR110のオフ状態からオン状態への切り替えとは、コンデンサ115におけるプリチャージに伴って、接点140が閉じられる(SMR110がオフ状態からハーフオン状態に切り替わる)時刻から、接点150が開かれる(SMR110がハーフオン状態からオン状態に切り替わる)時刻までの間に接点140,145,150が適宜開閉される一連の動作をいう(線322)。
【0055】
具体的には、時刻t4において、統合ECUは、SMR110の接点140,145,150が開いている状況下で、接点140を閉じる。そして、統合ECUは、時刻t4から時刻t7(後述)までの間、接点145または150における溶着の有無を診断する。
【0056】
時刻t5において、統合ECUは、内燃機関103を始動させるための指令をEFI-ECU102へ出力する。EFI-ECU102は、内燃機関103を始動させるために、当該指令に従ってスタータを作動させる。これにより、内燃機関103の回転速度NRが上昇し始める(線225)。回転速度NRが所定値NPまで上昇した後は、回転速度NRが所定値NPである状態が継続する。
【0057】
接点145,150における溶着診断が完了した時刻t7において、統合ECUは、SMR110の接点150を閉じる。これにより、SMR110がオフ状態からハーフオン状態に切り替わる。そして、コンデンサ115におけるプリチャージが開始され、電圧VCが上昇し始める(線230)。そして、統合ECUは、電圧センサ116の検出値(電圧VC)に従って、SMR110における断線などの異常の有無を診断する。
【0058】
時刻t8において、電圧VCがしきい値電圧VTHに到達する(線230)。しきい値電圧VTHは、自律発電制御によってMG120が発電するために電力線170からMG120に入力されることが少なくとも必要な電圧である。この比較例では、電圧VCがしきい値電圧VTHに到達した時刻t8においてMG-ECUが自律発電制御を開始する(線250)。
【0059】
ここで、時刻t8において、接点140,150が閉じているものの、SMR110がハーフオン状態であり、電力線170の電圧VCは、電圧Vbまで未だ上昇していない(線230)。そのため、自律発電制御が開始される時刻t8の電力線170の電圧VC(しきい値電圧VTH)よりも、自律発電制御によりMG120から出力される所定の電圧が高い場合、自律発電制御の開始直後に、MG120から電力線170を通じて接点140,150に過大な電流が急激に流れる可能性がある。
【0060】
このように、統合ECUとMG-ECUとの間に通信の異常が発生している場合に、比較例のように、SMR110がハーフオン状態である時刻t8において自律発電制御が開始されると、SMR110を適切に保護することができない可能性がある。
【0061】
そこで、本実施の形態では、統合ECU125とMG-ECU130との間の通信の異常が発生した場合に、SMR110のオフ状態からオン状態への切り替え(オフ状態→ハーフオン状態→オン状態への一連の切り替え)が完了した後に、ECU130が自律発電制御を開始する。
【0062】
それゆえ、本実施の形態において、自律発電制御の開始時の電圧VCと、自律発電制御によりMG120から出力される所定の電圧との電位差は、比較例(
図2)の場合における当該電位差よりも小さい。そのため、自律発電制御の開始直後に、MG120から接点140,150に流れる電流は、比較例(
図2)の場合における当該電流よりも小さい。その結果、MG-ECU130による自律発電制御時にSMR110を適切に保護することが可能となる。
【0063】
ここで、時刻t3以降、統合ECU125とMG-ECU130との間で通信異常が発生しているため、MG-ECU130は、統合ECU125によるSMR115のオフ状態からオン状態への切り替えが完了したという情報を、統合ECU125からバス137(
図1)を通じて得ることができない。即ち、SMR110の保護の観点から、当該切り替えが完了した後に自律発電制御が開始されることが望ましいものの、MG-ECU130は、上記の通信異常に起因して、いつ上記切り替えが完了したかを統合ECU125から得ることができない。よって、MG-ECU130は、自律発電制御を開始するための時刻を示す情報を統合ECU125から得ることができない。
【0064】
そのため、通信異常時に自律発電制御が実行される場合にSMR110を保護するために、当該切り替えが確実に完了している時刻をMG-ECU130が推定する手法についても以下説明する。
【0065】
図3は、本実施の形態において通信異常時の自律発電制御に伴って実行される処理を説明するためのタイミングチャートである。
【0066】
図3において、横軸は時間を表す。縦軸は、上から順番に、イグニッションスイッチのオン/オフ、モータ制御システム100の起動の有無、MG-ECU130において通信異常が検知されたか否か、SMR110のオフ状態からオン状態への切り替えが開始されたか否か、当該切り替えが完了したか否か、内燃機関103の回転速度、電力線170の電圧VC、および、MG-ECU130による自律発電制御のオン/オフを表す。
【0067】
なお、本実施の形態では、MG-ECU130において、内燃機関103の回転速度NRは、回転速度センサ106の検出値から算出される。MG120と内燃機関103の回転軸はベルトで連結されており、MG-ECU130は、回転速度センサ106の検出値から内燃機関103の回転速度NRを算出できる。
【0068】
本実施の形態において、時刻t1~時刻t5までの間および時刻t7におけるEFI-ECU102、統合ECU125ならびにMG-ECU130の処理は、前述の比較例(
図2)における当該処理と同様である(線205~230)。
【0069】
時刻t6において、内燃機関103の回転速度NRは、しきい値回転速度NTHに到達する(線225)。このしきい値THは、例えば、最低アイドル回転速度(内燃機関103が無負荷状態で駆動されているときの内燃機関103の最低の回転速度)である。回転速度NRが、しきい値回転速度NTHを超えた場合、統合ECU125は、内燃機関103を始動させるようにEFI-ECU102に指令を出力する。EFI-ECU102は、当該指令に従って、内燃機関103の燃料噴射を開始し、内燃機関103を始動させる。次いで、回転速度NRが所定値NPまで上昇した後は、回転速度NRが所定値NPである状態が継続する。
【0070】
本実施の形態では、内燃機関103の回転速度NRがしきい値回転速度NTHに到達してから(内燃機関103の始動開始から)の経過時間は、後述されるように、MG120が発電可能な程度に十分に回転しているか否かをMG-ECU130が推定するために利用される。
【0071】
時刻t9において、統合ECU125は、SMR115のオフ状態からオン状態への切り替えを完了する(線322)。具体的には、統合ECU125は、コンデンサ115のプリチャージ終了後、接点140,150が閉じているSMR115のハーフオン状態で、接点145を閉じ、接点150を開く。これにより、SMR115がハーフオン状態からオン状態に切り替わる結果、SMR115のオフ状態からオン状態への切り替えが完了する。
【0072】
ここで、時刻t9以降、コンデンサ115のプリチャージが既に終了しているため、電圧VCは、電圧Vbまで上昇している。そのため、時刻t9以降の自律発電制御の開始時の電圧VC(電圧Vb)は、比較例の場合の時刻t8の電圧VC(しきい値電圧VTH)よりも高い。そのため、時刻t9以降、自律発電制御の開始時の電圧VCと、自律発電制御によりMG120から出力される所定の電圧との電位差は、比較例の当該電位差よりも小さい。
【0073】
それゆえ、時刻t9以降に自律発電制御が開始される場合、当該制御開始直後において、MG120から接点140,150に流れる電流は、比較例の場合における当該電流よりも小さい。そのため、時刻t9以降に自律発電制御が開始される場合、比較例のように時刻t8に当該制御が開始される場合よりもSMR110の消耗の度合いを小さくすることが可能となる。
【0074】
ここで、前述したように、MG-ECU130は、上記のように時刻t9において統合ECU125によるSMR115のオフ状態からオン状態への切り替えが完了したという情報(線322)を、統合ECU125からバス137(
図1)を通じて得ることができない。
【0075】
そこで、以下、上記のような通信異常が発生している場合であっても、MG-ECU130が自律発電制御を開始するためのタイミングを適切に判断するための手法について説明する。
【0076】
比較例の場合とは異なりSMR110を適切に保護するためには、自律発電制御の開始時は、SMR110がオン状態に切り替わった後であればよい。具体的には、自律発電制御の開始時に電力線170の電圧VCが電圧Vbに到達していればよい。
【0077】
そこで、本実施の形態では、電力線170の電圧VCがしきい値電圧VTHに到達した時刻t8からしきい時間TTH1経過したとの第1の条件が満たされた場合に、SMR110のオフ状態からオン状態への切り替えが完了しているとMG-ECU130は推定する。
【0078】
ここで、時刻t8からの経過時間がしきい時間TTH1以上である場合に、電力線170の電圧VCがしきい値電圧VTHよりも大きい電圧Vbに確実に既に到達しているように、しきい時間TTH1が適宜予め定められる。そのため、時刻t8からの経過時間がしきい時間TTH1以上である場合、SMR110のオフ状態からオン状態への切り替えが確実に完了している(即ち、時刻t8からのしきい時間TTH1経過後の時刻が確実に時刻t9以降である)とMG-ECU130が推定することが可能である。よって、この場合、MG-ECU130は、自律発電制御を開始するときに、リレー110を保護できる。
【0079】
また、自律発電制御は、MG120が発電可能な程度に十分に回転している状態で開始されることが好ましい。そのため、MG-ECU130は、内燃機関103の始動開始から十分に時間が経過したという条件がさらに満たされた場合に、自律発電制御を開始してもよい。具体的には、内燃機関103の回転速度NRがしきい値回転速度NTHに到達した時刻t6(内燃機関103の始動開始時刻)からしきい時間TTH2経過したとの第2の条件が上記の第1の条件に加えて満たされた場合に、MG-ECU130は、自律発電制御を開始してもよい。
【0080】
ここで、時刻t6からの経過時間がしきい時間TTH2以上である場合に(第2の条件)、内燃機関103の回転速度NRが所定値NPに確実に既に到達しているように、しきい時間TTH2が適宜予め定められる。しきい時間TTH2がそのように定められるため、内燃機関103に連結されるMG120は、上記の場合、発電可能な程度に十分に回転している状態にあると考えられる。
【0081】
例えば、回転速度NRがしきい値回転速度NTHに到達していない(内燃機関103が始動されていない)状況下では、内燃機関103からベルトを通じて伝達される回転力を受けて発電可能な程度に十分にMG120が回転している状態ではない。そのため、MG-ECU130が自律発電制御を開始する時刻は、回転速度NRがしきい値回転速度NTHに到達した時刻t6以降であることが好ましい。
【0082】
以上のように、しきい時間TTH1,TTH2が定められることにより、MG-ECU130は、これらの時間経過後の時刻t10において、MG120が発電可能な程度に十分に回転している状況下で(第2の条件)SMR110のオフ状態からオン状態への切り替えが確実に完了している(第1の条件)と推定できる。よって、MG-ECU130は、時刻t10を、自律発電制御を開始するための時刻と判断する。
【0083】
そして、MG-ECU130は、時刻t10においてMG120の自律発電制御を開始する(線350)。その結果、比較例(一点鎖線の線250)の場合に比べて、SMR110を適切に保護することが可能となる。
【0084】
なお、
図3の例では、説明の簡略化のため、時刻t8からしきい時間TTH1経過した時点と、時刻t6からしきい時間TTH2経過した時点とが同じ時刻t10であるものとしているが、これらの時点は、異なっていてもよい。この場合、MG-ECU130は、例えば、これらの時点のいずれか遅い方を、自律発電制御を開始するための時刻と判断する。
【0085】
ところで、時刻t2から時刻tAまでの間、統合ECU125によりSMR110における異常(溶着、断線など)の有無の診断が実施されている。
図3の例とは異なり、この間、仮にSMR110において異常が発生していた場合、MG-ECU130による自律発電制御が開始される事態は好ましくない。具体的には、上記の場合、統合ECU125がバッテリ105とMG120との間での電力の供給/遮断を切り替えることができない可能性があるため、自律発電制御が開始されることは好ましくないと考えられる。
【0086】
そのため、自律発電制御が開始される時刻t10は、SMR110の異常無しとの診断が完了した時刻tA以降であることが好ましい。
【0087】
そこで、時刻t10が、SMR110の異常無しとの診断が完了した時刻tA以降になるように、しきい時間TTH1,TTH2が適宜予め定められる。これにより、SMR110の異常無しとの診断が完了した時刻tA以降にのみ、MG120の自律発電制御が開始される。その結果、SMR110において異常が発生している状況で自律発電制御が開始される事態を回避することが可能となる。
【0088】
図4は、自律発電制御に伴う処理の一例を示すフローチャートである。以下の説明において、
図3を適宜参照する。このフローチャートは、車両10のシステム起動時に実行される。
【0089】
ステップS105において、MG-ECU130は、MG-ECU130と統合ECU125との間の通信異常が発生しているか否か判断する。MG-ECU130と統合ECU125との間の通信異常が発生していない場合(ステップS105においてNO)、MG-ECU130は、MG120を通常制御する(ステップS125)。具体的には、MG-ECU130は、統合ECU125からバス137(
図1)を介して受ける指令に従ってMG120を制御する。その後、処理は、リターンへ移行する。他方、通信異常が発生している場合(ステップS105においてYES)、処理は、ステップS107へ移行する。
【0090】
ステップS107において、統合ECU125によりSMR110のオフ状態からオン状態への切り替えが開始される。具体的には、SMR110の接点140,145,150が開いている状況において、接点140が閉じられる。その後、処理は、ステップS110へ移行する。
【0091】
ここで、MG-ECU130は、上記の通信異常に起因して、SMR110のオフ状態からオン状態への切り替えが完了したか否かを示す情報を統合ECU125から得ることができない。そのため、ステップS110およびその次のステップS115において、前述の第1の条件および第2の条件がそれぞれ満たされているか否かを判断することにより、MG120が発電可能な程度に十分に回転している状況下で当該切り替えが完了したか否かを推定する。
【0092】
ステップS110において、MG-ECU130は、電力線170の電圧VCがしきい値電圧VHに到達した時刻t8からしきい時間TTH1経過したか否かを判断する(第1の条件)。時刻t8からしきい時間TTH1経過した場合(ステップS110においてYES)、MG-ECU130は、SMR110のオフ状態からオン状態への切り替えが確実に既に完了していると推定し、ステップS115へ処理が移行する。そうでない場合(ステップS110においてNO)、時刻t8からしきい時間TTH1経過するまで、ステップS110の判断処理が繰り返される。
【0093】
ステップS115において、MG-ECU130は、回転速度センサ106の検出値から算出された内燃機関103の回転速度NRがしきい値回転速度NTHに到達した時刻t6からしきい時間TTH2経過したか否かを判断する(第2の条件)。時刻t6からしきい時間TTH2経過した場合(ステップS115においてYES)、MG-ECU130は、MG120が発電可能な程度に十分に回転していると推定し、ステップS117へ処理が移行する。そうでない場合(ステップS115においてNO)、時刻t6からしきい時間TTH2経過するまで、ステップS115の判断処理が繰り返される。
【0094】
ステップS117において、MG-ECU130は、第1の条件および第2の条件の両方が満たされる時刻t10が到来したことに基づいて、MG120が発電可能な程度に十分に回転している状況下でSMR110のオフ状態からオン状態への切り替えが確実に既に完了していると推定する。そこで、MG-ECU130は、MG120の自律発電制御を開始する(ステップS120)。その後、一連の処理が終了する。
【0095】
以上のように、本実施の形態に従うMG-ECU130は、MG-ECU130と統合ECU125との間の通信異常が発生した場合、SMR110のオフ状態からオン状態への切り替えが完了した後に自律発電制御を開始する。これにより、上記のような通信異常時に自律発電制御が実行される場合にSMR110を適切に保護することが可能となる。
【0096】
[変形例]
本実施の形態では、車両10は、内燃機関103が搭載されたハイブリッド車であるものとした。他の局面において、車両10は、内燃機関103が搭載されていない電気自動車であってもよい。この場合、内燃機関103および前述のベルトに代えて、MG120とは異なる他のMG(図示せず)と、当該他のMGの回転力をMG120に伝達するための動力伝達機構とが設けられる。
【0097】
そして、MG-ECU130と統合ECU125との間の通信異常時に、当該他のMGが回転することにより当該動力伝達機構を介してMG120も回転する。このように、内燃機関103が設けられていない場合であっても、MG120が発電可能な程度に十分に回転することが可能であるため、MG-ECU130は、上記の実施の形態と同様に自律発電制御を実行できる。
【0098】
また、上述の実施の形態では、車両10は、いわゆるマイルドハイブリッド車両であるものとしたが、一般的な走行用の高圧バッテリ(例えば200V)が搭載されたハイブリッド車両であってもよい。
【0099】
また、上述の実施の形態では、バス137における通信プロトコルとしてCANが用いられたが、他の通信プロトコルがCANに代えて用いられてもよい。
【0100】
また、上記の実施の形態では、MG-ECU130は、回転速度センサ106の検出値から内燃機関103の回転速度NRを算出するものとしたが、回転速度センサ104の検出値を取り込んでもよい。
【0101】
また、
図4のフローチャートにおいて、統合ECU125によりSMR110のオフ状態からオン状態への切り替えの開始(ステップS107)は、通信異常の有無の判断(ステップS105)よりも前であってもよい。
【0102】
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内で全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0103】
10 車両、100 モータ制御システム、103 内燃機関、104,106 回転速度センサ、105,135 バッテリ、110 リレー、115 コンデンサ、116 電圧センサ、137 バス、140,145,150 接点、125 統合ECU、130 MG-ECU、TTH1,TTH2 しきい時間。