(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】運送管理装置、運送管理システム及び運送管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20240101AFI20241008BHJP
【FI】
G06Q10/08
(21)【出願番号】P 2021076281
(22)【出願日】2021-04-28
【審査請求日】2023-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野村 江介
(72)【発明者】
【氏名】関 正人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀昭
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-085041(JP,A)
【文献】特開2003-312856(JP,A)
【文献】特開2008-214044(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両と前記車両に配置されるべき収容部との組み合わせを示したスケジュールデータを保持する保持部と、
所定の撮影領域を有して前記車両及び前記収容部の画像を含む撮影画像を生成するカメラ部から、前記撮影画像の画像データを取得する画像データ取得部と、
前記スケジュールデータと前記撮影画像の画像データとに基づいて、前記撮影領域内の前記車両及び前記収容部の組み合わせの正否を判定する管理部と、を備え
、
前記車両が駐車可能な複数の駐車位置を有する駐車スペースの全部又は一部が前記撮影領域に含められ、
前記管理部は、前記駐車スペースにおいて複数の車両と複数の収容部との組み合わせの切り替え作業が行われた後の、前記撮影領域内の前記車両及び前記収容部の組み合わせの正否を、前記スケジュールデータ及び前記撮影画像の画像データに基づいて判定する
、運送管理装置。
【請求項2】
前記スケジュールデータにおける組み合わせは、前記車両に付与された車両識別情報と前記収容部に付与された収容部識別情報との組み合わせにより示され、前記撮影画像は、前記撮影領域内における前記車両の前記車両識別情報及び前記収容部の前記収容部識別情報の画像を含み、
前記管理部は、前記スケジュールデータと、前記撮影画像中の前記車両識別情報及び前記収容部識別情報の組み合わせとに基づいて、前記撮影領域内の前記車両及び前記収容部の組み合わせの正否を判定する
、請求項1に記載の運送管理装置。
【請求項3】
前記管理部は、前記撮影領域内の前記車両及び前記収容部の組み合わせと前記スケジュールデータにおける組み合わせとが整合しないとき、前記車両に対応付けられた端末装置に対して所定のエラー信号を送信する
、請求項1又は2に記載の運送管理装置。
【請求項4】
前記スケジュールデータは、特定の収容部が配置された特定の車両が前記駐車スペースを含む拠点に到着した際における前記特定の車両の予定駐車位置を示し、
前記管理部は、前記撮影画像の画像データに基づき、前記拠点に到着した際における前記特定の車両の駐車位置が前記予定駐車位置と異なると判断したとき、前記特定の車両に対応付けられた特定の端末装置に対して所定の駐車位置エラー信号を送信する
、
請求項1~3の何れかに記載の運送管理装置。
【請求項5】
前記管理部は、前記撮影画像の画像データに基づき、前記特定の収容部が配置された前記特定の車両が前記拠点に到着したと判定したとき、前記特定の車両に対応付けられた前記特定の端末装置に対し、前記予定駐車位置を示す信号を送信する
、
請求項4に記載の運送管理装置。
【請求項6】
特定の収容部が配置された特定の車両が前記駐車スペースを含む拠点に到着した後、前記切り替え作業を通じて前記特定の車両に対して新たに配置されるべき予定収容部が前記スケジュールデータに示され、
前記管理部は、前記特定の収容部の前記特定の車両からの切り離しを経て前記特定の車両に新たに配置された前記収容部を、前記撮影画像の画像データに基づいて識別し、前記特定の車両に新たに配置された前記収容部が前記予定収容部と異なると判断したとき、前記特定の車両に対応付けられた特定の端末装置に対して所定の接続エラー信号を送信する
、
請求項1~3の何れかに記載の運送管理装置。
【請求項7】
前記駐車スペース内で前記特定の収容部が前記特定の車両から切り離された後、前記管理部が、前記撮影画像の画像データに基づき、特定の駐車位置にて前記特定の車両に対し前記予定収容部と異なる他の収容部が配置されていると判断したとき、前記特定の車両が前記特定の駐車位置にて駐車している段階で、前記特定の端末装置に対して前記接続エラー信号を送信する
、
請求項6に記載の運送管理装置。
【請求項8】
前記スケジュールデータは、前記予定収容部と、前記予定収容部の予定配置位置を示し、
前記管理部は、前記撮影画像の画像データに基づき、前記特定の収容部が配置された前記特定の車両が前記拠点に到着したと判定したとき、前記特定の端末装置に対し、前記予定収容部の予定配置位置を示す信号を送信する
、
請求項6又は7に記載の運送管理装置。
【請求項9】
前記管理部は、前記駐車スペースの内側と外側との間に設けられたゲートを開状態又は閉状態に制御し、
特定の収容部が配置された状態で特定の車両が前記駐車スペースを含む拠点から出発すべきことが前記スケジュールデータにより示され、
前記管理部は、前記撮影画像の画像データに基づき、前記特定の収容部と異なる他の収容部が前記特定の車両に配置されていると判断したとき、前記ゲートを前記閉状態に制御することで前記特定の車両の前記拠点からの出発を禁止する
、
請求項1~3の何れかに記載の運送管理装置。
【請求項10】
前記管理部は、前記撮影画像の画像データに基づき、第1収容部が配置された第1車両が前記駐車スペースを含む拠点に到着したかを判定する第1判定処理、及び、第2収容部が配置された第2車両が前記拠点に到着したかを判定する第2判定処理を行い、
前記駐車スペースにおいて前記第1車両に配置される前記収容部を前記第1収容部から前記第2収容部に切り替えるべきことが前記スケジュールデータにより示され、
前記管理部は、前記第1収容部が配置された前記第1車両が前記拠点に到着したと判定したとき、前記第1車両に対応付けられた端末装置に対し、前記第2判定処理の結果を示す信号を送信する
、
請求項1~9の何れかに記載の運送管理装置。
【請求項11】
前記管理部は、前記第2収容部が配置された前記第2車両が前記拠点に到着したと判定する前に、前記第1収容部が配置された前記第1車両が前記拠点に到着したと判定した場合において、その後、前記第2収容部が配置された前記第2車両が前記拠点に到着したと判定したとき、前記第1車両に対応付けられた前記端末装置に対して所定の相手側到着通知信号を送信する
、
請求項10に記載の運送管理装置。
【請求項12】
請求項1~11の何れかに記載の運送管理装置と、
前記カメラ部と、を備えた
運送管理システム。
【請求項13】
車両と前記車両に配置されるべき収容部との組み合わせを示したスケジュールデータを参照可能な運送管理方法であって、
所定の撮影領域を有して前記車両及び前記収容部の画像を含む撮影画像を生成するカメラ部から、前記撮影画像の画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記スケジュールデータと前記撮影画像の画像データとに基づいて、前記撮影領域内の前記車両及び前記収容部の組み合わせの正否を判定する管理ステップと、を備え
、
前記車両が駐車可能な複数の駐車位置を有する駐車スペースの全部又は一部が前記撮影領域に含められ、
前記管理ステップでは、前記駐車スペースにおいて複数の車両と複数の収容部との組み合わせの切り替え作業が行われた後の、前記撮影領域内の前記車両及び前記収容部の組み合わせの正否を、前記スケジュールデータ及び前記撮影画像の画像データに基づいて判定する
、運送管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運送管理装置、運送管理システム及び運送管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両を用いた輸送の一種では、原動機を有する車両と当該車両に接続(配置又は搭載)自在な収容部(コンテナ等)とを用い、荷物を積み込んだ収容部を車両に接続して目的地まで運ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の輸送において、運送されるべき収容部と異なる収容部を車両に接続して運送を行うと、正しい運送が実現されない(誤った荷物が目的地に届くことになる)。このような事態は、複数の車両を用いて中継輸送を行うときに特に注意すべきである。
【0005】
本発明は、荷物の正確な運送に寄与する運送管理装置、運送管理システム及び運送管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る運送管理装置は、車両と前記車両に配置されるべき収容部との組み合わせを示したスケジュールデータを保持する保持部と、所定の撮影領域を有して前記車両及び前記収容部の画像を含む撮影画像を生成するカメラ部から、前記撮影画像の画像データを取得する画像データ取得部と、前記スケジュールデータと前記撮影画像の画像データとに基づいて、前記撮影領域内の前記車両及び前記収容部の組み合わせの正否を判定する管理部と、を備えた構成(第1の構成)である。
【0007】
上記第1の構成に係る運送管理装置において、前記スケジュールデータにおける組み合わせは、前記車両に付与された車両識別情報と前記収容部に付与された収容部識別情報との組み合わせにより示され、前記撮影画像は、前記撮影領域内における前記車両の前記車両識別情報及び前記収容部の前記収容部識別情報の画像を含み、前記管理部は、前記スケジュールデータと、前記撮影画像中の前記車両識別情報及び前記収容部識別情報の組み合わせとに基づいて、前記撮影領域内の前記車両及び前記収容部の組み合わせの正否を判定する構成(第2の構成)であっても良い。
【0008】
上記第1又は第2の構成に係る運送管理装置において、前記管理部は、前記撮影領域内の前記車両及び前記収容部の組み合わせと前記スケジュールデータにおける組み合わせとが整合しないとき、前記車両に対応付けられた端末装置に対して所定のエラー信号を送信する構成(第3の構成)であっても良い。
【0009】
上記第1~第3の構成の何れかに係る運送管理装置において、前記車両が駐車可能な複数の駐車位置を有する駐車スペースの全部又は一部が前記撮影領域に含められ、前記管理部は、前記駐車スペースにおいて複数の車両と複数の収容部との組み合わせの切り替え作業が行われた後の、前記撮影領域内の前記車両及び前記収容部の組み合わせの正否を、前記スケジュールデータ及び前記撮影画像の画像データに基づいて判定する構成(第4の構成)であっても良い。
【0010】
上記第4の構成に係る運送管理装置において、前記スケジュールデータは、特定の収容部が配置された特定の車両が前記駐車スペースを含む拠点に到着した際における前記特定の車両の予定駐車位置を示し、前記管理部は、前記撮影画像の画像データに基づき、前記拠点に到着した際における前記特定の車両の駐車位置が前記予定駐車位置と異なると判断したとき、前記特定の車両に対応付けられた特定の端末装置に対して所定の駐車位置エラー信号を送信する構成(第5の構成)であっても良い。
【0011】
上記第5の構成に係る運送管理装置において、前記管理部は、前記撮影画像の画像データに基づき、前記特定の収容部が配置された前記特定の車両が前記拠点に到着したと判定したとき、前記特定の車両に対応付けられた前記特定の端末装置に対し、前記予定駐車位置を示す信号を送信する構成(第6の構成)であっても良い。
【0012】
上記第4の構成に係る運送管理装置において、特定の収容部が配置された特定の車両が前記駐車スペースを含む拠点に到着した後、前記切り替え作業を通じて前記特定の車両に対して新たに配置されるべき予定収容部が前記スケジュールデータに示され、前記管理部は、前記特定の収容部の前記特定の車両からの切り離しを経て前記特定の車両に新たに配置された前記収容部を、前記撮影画像の画像データに基づいて識別し、前記特定の車両に新たに配置された前記収容部が前記予定収容部と異なると判断したとき、前記特定の車両に対応付けられた特定の端末装置に対して所定の接続エラー信号を送信する構成(第7の構成)であっても良い。
【0013】
上記第7の構成に係る運送管理装置において、前記駐車スペース内で前記特定の収容部が前記特定の車両から切り離された後、前記管理部が、前記撮影画像の画像データに基づき、特定の駐車位置にて前記特定の車両に対し前記予定収容部と異なる他の収容部が配置されていると判断したとき、前記特定の車両が前記特定の駐車位置にて駐車している段階で、前記特定の端末装置に対して前記接続エラー信号を送信する構成(第8の構成)であっても良い。
【0014】
上記第7又は第8の構成に係る運送管理装置において、前記スケジュールデータは、前記予定収容部と、前記予定収容部の予定配置位置を示し、前記管理部は、前記撮影画像の画像データに基づき、前記特定の収容部が配置された前記特定の車両が前記拠点に到着したと判定したとき、前記特定の端末装置に対し、前記予定収容部の予定配置位置を示す信号を送信する構成(第9の構成)であっても良い。
【0015】
上記第4の構成に係る運送管理装置において、前記管理部は、前記駐車スペースの内側と外側との間に設けられたゲートを開状態又は閉状態に制御し、特定の収容部が配置された状態で特定の車両が前記駐車スペースを含む拠点から出発すべきことが前記スケジュールデータにより示され、前記管理部は、前記撮影画像の画像データに基づき、前記特定の収容部と異なる他の収容部が前記特定の車両に配置されていると判断したとき、前記ゲートを前記閉状態に制御することで前記特定の車両の前記拠点からの出発を禁止する構成(第10の構成)であっても良い。
【0016】
上記第4~第10の構成の何れかに係る運送管理装置において、前記管理部は、前記撮影画像の画像データに基づき、第1収容部が配置された第1車両が前記駐車スペースを含む拠点に到着したかを判定する第1判定処理、及び、第2収容部が配置された第2車両が前記拠点に到着したかを判定する第2判定処理を行い、前記駐車スペースにおいて前記第1車両に配置される前記収容部を前記第1収容部から前記第2収容部に切り替えるべきことが前記スケジュールデータにより示され、前記管理部は、前記第1収容部が配置された前記第1車両が前記拠点に到着したと判定したとき、前記第1車両に対応付けられた端末装置に対し、前記第2判定処理の結果を示す信号を送信する構成(第11の構成)であっても良い。
【0017】
上記第11の構成に係る運送管理装置において、前記管理部は、前記第2収容部が配置された前記第2車両が前記拠点に到着したと判定する前に、前記第1収容部が配置された前記第1車両が前記拠点に到着したと判定した場合において、その後、前記第2収容部が配置された前記第2車両が前記拠点に到着したと判定したとき、前記第1車両に対応付けられた前記端末装置に対して所定の相手側到着通知信号を送信する構成(第12の構成)であっても良い。
【0018】
本発明に係る運送管理システムは、上記第1~第12の構成の何れかに係る運送管理装置と、前記カメラ部と、を備えた構成(第13の構成)である。
【0019】
本発明に係る運送管理方法は、車両と前記車両に配置されるべき収容部との組み合わせを示したスケジュールデータを参照可能な運送管理方法であって、所定の撮影領域を有して前記車両及び前記収容部の画像を含む撮影画像を生成するカメラ部から、前記撮影画像の画像データを取得する画像データ取得ステップと、前記スケジュールデータと前記撮影画像の画像データとに基づいて、前記撮影領域内の前記車両及び前記収容部の組み合わせの正否を判定する管理ステップと、を備えた構成(第14の構成)である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、荷物の正確な運送に寄与する運送管理装置、運送管理システム及び運送管理方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態に係る運送管理システムの全体構成図である。
【
図2】本発明の実施形態に係り、収容部が接続されていない状態の車両の外観側面図(a)と、収容部が接続されている状態の車両の外観側面図(b)である。
【
図3】本発明の実施形態に係り、互いに接続状態にある1組の車両及びコンテナの上面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係り、複数の車両及びコンテナの組み合わせと、各車両に対応する端末装置とを示す図である。
【
図5】本発明の実施形態にて主として想定される中継輸送の説明図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る中継拠点の構成図である。
【
図7】
図3のカメラ部が複数のカメラにて構成される様子を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る運送管理装置の構成図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る端末装置の構成図である。
【
図10】本発明の実施形態に係るスケジュールデータの構造を示す図である。
【
図11】本発明の実施形態に係り、特定のスケジュールに従うコンテナの運送の様子を示す図である。
【
図12】本発明の実施形態に係り、
図11のスケジュールに従うコンテナの接続切り替えの内容を説明するための図である。
【
図13】本発明の実施形態に係り、スケジュールデータに含まれる中継拠点データを示す図である。
【
図14】本発明の実施形態に属する第1実施例に係り、到着駐車位置正誤対応動作のフローチャートである。
【
図15】本発明の実施形態に属する第2実施例に係り、再接続コンテナ正誤対応動作のフローチャートである。
【
図16】本発明の実施形態に属する第3実施例に係り、出庫ゲート制御動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。例えば、後述の“113”によって参照されるスケジュールデータ保持部は(
図8参照)、スケジュールデータ保持部113と表記されることもあるし、保持部113と略記されることもあり得るが、それらは全て同じものを指す。尚、本明細書において、用語「運送」と用語「輸送」とは互いに同義であり、それらを互いに読み替えても良い。
【0023】
図1に本発明の実施形態に係る運送管理システムSYSの全体構成図を示す。運送管理システムSYSは、運送管理装置1と、運送管理装置1に対して有線又は無線にて接続されたカメラ部3を備える。1以上の端末装置TMも運送管理システムSYSの構成要素に含まれると考えても良い。運送管理装置1と各端末装置TMとは、移動体通信網及びインターネット等を含む所定のネットワークNETを介して双方向通信が可能な態様で無線接続される。
【0024】
運送管理システムSYSは、荷物を或る拠点から他の拠点へと複数の車両PPを用いて中継輸送する際に有益に機能し、正確な荷物の運送を担保する。本実施形態において、車両PPとは、原動機を有する車両を指し、一般にトラクタに分類される車を含む。各車両PPに対して荷物を収容した収容部を接続可能である。
【0025】
図2(a)及び(b)を参照する。収容部を符号“QQ”にて参照する。
図2(a)は収容部QQが接続されていない状態の車両PPの外観側面図であり、
図2(b)は収容部QQが接続されている状態の車両PPの概略側面図である。車両PPに対する収容部QQの接続は、収容部QQを車両PPに対して物理的に接続することのみを意味するのではなく、車両PPの荷台への収容部QQの配置又は搭載であり得る。車両PPに対して収容部QQを自在に接続又は非接続にできる。車両PPへの収容部QQの接続と車両PPへの収容部QQの配置又は搭載とは互いに同義であると解して良い。従って例えば、本明細書において、車両PPへの収容部QQの接続という表現を車両PPへの収容部QQの配置(詳細には車両PPの荷台への収容部QQの配置)と読み替えても良く、その逆の読み替えも可能である。
【0026】
収容部QQは荷物を収容可能であって且つ車両PPに接続(配置又は搭載)可能な収容部であれば任意である。例えば、収容部QQは車両PPの荷台に対して搭載可能なコンテナである。収容部QQは、例えば20フィートコンテナ(ISOコンテナ)である。収容部QQはスワップボディコンテナであっても良く、この際、車両PPはスワップボディトラックとも称され得る。収容部QQは車輪を有するトレーラであっても良い。収容部QQがトレーラである場合、車両PPはトレーラを牽引するトラクタである。以下では、収容部QQがスワップボディコンテナ等のコンテナであることを想定し、収容部QQをコンテナQQと称する。
【0027】
運送管理システムSYSの中継輸送では、複数の車両PP及び複数のコンテナQQが運用される。
図3は互いに接続状態にある1組の車両PP及びコンテナQQの上面図である。
【0028】
本実施形態に係る各車両PPには車両IDが割り当てられる。
図3では、符号7にて参照される識別記号“P0123”が車両IDに相当する。車両IDは各車両PPに固有の識別情報であって、各車両PPが複数の車両PPの内の何れの車両であるのかを識別するための車両識別情報である。故に複数の車両PPにおける複数の車両IDは互いに異なる。各車両PPにおいて、車両PPの車体の所定箇所に車両IDが付与される。車両PPの外部に設けられたカメラ部3にて車両PPの車両IDを撮影できるよう、車両PPの車体の外面(例えば上面)の所定箇所に印刷又はシール貼り付け等にて車両IDが付与される。
【0029】
本実施形態に係る各コンテナQQにはコンテナIDが割り当てられる。
図3では、符号8にて参照される識別記号“Q0456”がコンテナIDに相当する。コンテナIDは各コンテナQQに固有の識別情報であって、各コンテナQQが複数のコンテナQQの内の何れのコンテナであるのかを識別するためのコンテナ識別情報(収容部識別情報)である。故に複数のコンテナQQにおける複数のコンテナIDは互いに異なる。各コンテナQQにおいて、コンテナQQの外壁の所定箇所にコンテナIDが付与される。コンテナQQの外部に設けられたカメラ部3にてコンテナQQのコンテナIDを撮影できるよう、コンテナQQの外壁(例えば外壁中の上面)の所定箇所に印刷又はシール貼り付け等にてコンテナIDが付与される。
【0030】
図4を参照し、以下では、複数の車両PPを互いに区別する必要があるとき、複数の車両PPを車両PP[1]~PP[n]にて参照することがある。同様に、複数のコンテナQQを互いに区別する必要があるとき、複数のコンテナQQをコンテナQQ[1]~QQ[m]にて参照することがある。n及びmは2以上の任意の整数値を持つ。n及びmの一致、不一致は問わない。
図4では、車両PP[1]に対してコンテナQQ[1]が接続(搭載)され且つ車両PP[2]に対してコンテナQQ[2]が接続(搭載)される様子が示されているが、任意の車両PP[i]に対し、コンテナQQ[1]~QQ[m]の内の任意のコンテナQQが接続(搭載)され得る。iは任意の整数を表す。
【0031】
各車両PPに端末装置TMが搭載される。車両PP[i]に搭載される端末装置TMを特に端末装置TM[i]と称する。端末装置TM[i]は車両PP[i]に固定された車載装置であって良い。この際、端末装置TM[i]は車両PP[i]におけるカーナビゲーションシステム又はドライブレコーダ等の構成要素であっても良い。但し、車両PP[i]の運転手が所持するスマートホン等の端末装置が端末装置TM[i]であっても良い。何れにせよ、端末装置TM[i]と車両PP[i]とは互いに対応関係にある。端末装置TM[i]と車両PP[i]とが互いに対応関係にあることが予め運送管理装置1に登録されているものとする。
【0032】
図5は本実施形態で想定される中継輸送の概念図である。中継輸送では、荷物を収容したコンテナQQを1以上の中継拠点を経由しつつ且つコンテナQQを輸送する車両PPを2以上の車両PPで切り替えながら、第1拠点610から第2拠点650へと輸送する、或いは、第2拠点650から第1拠点610へと輸送する。
図5の例では、3つの中継拠点620、630及び640が経由される。
【0033】
図5に示される中継輸送は、第1荷物を収容したコンテナQQ[1]を第1拠点610から第2拠点650へと輸送するための第1中継輸送と、第2荷物を収容したコンテナQQ[2]を第2拠点650から第1拠点610へと輸送するための第2中継輸送と、から成る。
【0034】
図5の例に係る第1中継輸送では、車両PP[i
A1]にてコンテナQQ[1]を第1拠点610から中継拠点620まで輸送し、その後、車両PP[i
A2]にてコンテナQQ[1]を中継拠点620から中継拠点630まで輸送し、更にその後、車両PP[i
A3]にてコンテナQQ[1]を中継拠点630から中継拠点640まで輸送し、更にその後、車両PP[i
A4]にてコンテナQQ[1]を中継拠点640から第2拠点650まで輸送する。
【0035】
図5の例に係る第2中継輸送では、車両PP[i
B4]にてコンテナQQ[2]を第2拠点650から中継拠点640まで輸送し、その後、車両PP[i
B3]にてコンテナQQ[2]を中継拠点640から中継拠点630まで輸送し、更にその後、車両PP[i
B2]にてコンテナQQ[2]を中継拠点630から中継拠点620まで輸送し、更にその後、車両PP[i
B1]にてコンテナQQ[2]を中継拠点620から第1拠点610まで輸送する。
【0036】
ここで、iA1~iA4はn以下の互いに異なる自然数を有し、且つ、iB1~iB4はn以下の互いに異なる自然数を有する。4つの等式“iA1=iB1”、“iA2=iB2”、“iA3=iB3”及び“iA4=iB4”が全て成立していても良いし、それら4つの等式の内、任意の1以上の等式が不成立であっても良い。
【0037】
第1中継輸送においては、第1拠点610が荷物の発荷主(荷物を発送する荷主)の拠点であり、第2拠点650が荷物の着荷主(荷物を受け取る荷主)の拠点である。第2中継輸送においては、第2拠点650が荷物の発荷主の拠点であり、第1拠点610が荷物の着荷主の拠点である。
図5に示す例では、第1中継輸送における荷物の発荷主の拠点と第2中継輸送における荷物の着荷主の拠点とが共通(第1拠点610)となっているが、それらの拠点は相違しうる。同様に、
図5に示す例では、第1中継輸送における荷物の着荷主の拠点と第2中継輸送における荷物の発荷主の拠点とが共通(第2拠点650)となっているが、それらの拠点は相違しうる。
【0038】
尚、第1拠点、第2拠点及び中継拠点など、本明細書で述べられる各拠点は、複数の車両PPを駐車させることができると共に、コンテナQQと車両PPとの接続又は切り離し作業及びコンテナQQの車両PPからの積み下ろし作業が可能なスペースを有する。
【0039】
図6に任意の1つの中継拠点700の構成を概略的に示す。中継拠点700は
図5に示される中継拠点620、630及び640の何れかであって良い。
【0040】
中継拠点700には複数の駐車位置を有する駐車スペース710が設けられる。ここでは、駐車スペース710に対して計8つの駐車位置PK1~PK8が設けられている例を挙げる。但し、駐車スペース710に設けられる駐車位置の総数は2以上であれば任意である。駐車位置とは、水平方向において所定の大きさを有する概念であって、コンテナQQが接続された車両PPを1台駐車することが可能な概略矩形状の領域(換言すれば、車両PPとコンテナQQの組を1組駐車させることが可能な領域)を指す。故に、駐車位置を駐車領域と読み替えても良い。尚、各駐車位置に対して、コンテナQQが接続されていない車両PPを駐車させることもできるし、コンテナQQ単体を置くこともできる。
【0041】
駐車位置PK1~PK8は夫々第1~第8駐車位置であって、駐車位置PK1~PK8内の路面に各駐車位置に対して固有の駐車位置記号が塗布されている(
図6において当該塗布の様子は省略)。駐車位置記号は、駐車スペース710内において各駐車位置が第1~第8駐車位置の何れであるかを識別するための識別情報である。車両PPの運転手を含む任意の人物は、駐車位置記号を参照することで各駐車位置を識別することができる。
【0042】
中継拠点700には、入庫ゲート720及び入庫ゲート駆動装置722、並びに、出庫ゲート730及び出庫ゲート駆動装置732が設けられる。
図6において、符号RDは中継拠点700に隣接し且つ中継拠点700の外部に位置する一般車道を表す。
【0043】
入庫ゲート720は一般車道RDと駐車スペース710との間の入庫ゲート位置に設けられる(従って駐車スペース710の内側と外側との間に設けられる)。入庫ゲート駆動装置722により入庫ゲート720が駆動されることで入庫ゲート720の状態は開状態及び閉状態の何れかとされる。任意の車両PPは、入庫ゲート720が開状態であるときにのみ一般車道RDから入庫ゲート位置を通過して駐車スペース710に進入することができる。入庫ゲート720が閉状態であるとき、入庫ゲート位置を通じた一般車道RD及び駐車スペース710間の通路が入庫ゲート720にて封鎖され、任意の車両PPは、入庫ゲート位置を通じて一般車道RDから駐車スペース710へ進入することができない。
【0044】
図6においてスペース750は、一般車道RDと入庫ゲート720(入庫ゲート位置)との間に位置する入庫前待機スペースを表す。一般車道RDから駐車スペース710に進入する車両PPは、まず一般車道RDから入庫前待機スペース750に進み、次いで入庫ゲート720(入庫ゲート位置)を通過して駐車スペース710に進入する。
【0045】
出庫ゲート730は一般車道RDと駐車スペース710との間の出庫ゲート位置に設けられる(従って駐車スペース710の内側と外側との間に設けられる)。出庫ゲート駆動装置732により出庫ゲート730が駆動されることで出庫ゲート730の状態は開状態及び閉状態の何れかとされる。任意の車両PPは、出庫ゲート730が開状態であるときにのみ出庫ゲート位置を通過して駐車スペース710から一般車道RDに進み出ることができる。出庫ゲート730が閉状態であるとき、出庫ゲート位置を通じた一般車道RD及び駐車スペース710間の通路が出庫ゲート730にて封鎖され、任意の車両PPは、出庫ゲート位置を通じて駐車スペース710から一般車道RDに進み出ることができない。
【0046】
図6においてスペース760は、駐車スペース710と出庫ゲート730(出庫ゲート位置)との間に位置する出庫前待機スペースを表す。駐車スペース710から一般車道RDへと進み出る車両PPは、まず駐車スペース710から出庫前待機スペース760に進み、次いで出庫ゲート730(出庫ゲート位置)を通過して一般車道RDに進み出る。
【0047】
中継拠点700に管理棟740が設置される。管理棟740の設置位置は任意であるが、
図6の例では、入庫ゲート位置及び出庫ゲート位置と駐車スペース710との間に管理棟740が設置される。管理棟740に中継拠点700にて勤務する人物が常駐する。この人物は運送管理装置1のユーザと一致しうる。管理棟740に運送管理装置1が設置されて良い。但し、運送管理装置1の設置位置は任意である。
【0048】
図6の中継拠点700との関係で
図1のカメラ部3の構成及び機能を説明する。カメラ部3は所定の撮影領域SR内の各被写体の撮影を行って各被写体の画像を含む撮影画像を生成する。カメラ部3にて生成された撮影画像の画像データは、無線又は有線にて運送管理装置1に送られる。ここで、撮影領域SRは駐車スペース710の全部又は一部を含む。後に駐車位置PK1及びPK2に注目して運送管理装置1の具体的動作例を挙げるが、少なくとも駐車位置PK1及びPK2は撮影領域SRに含まれる。撮影領域SRに含まれない箇所が駐車スペース710に存在していても構わない。
【0049】
撮影領域SRには待機スペース750及び760が含まれる。但し、入庫前待機スペース750が撮影領域SRに含まれることは必須ではなく、同様に、出庫前待機スペース760が撮影領域SRに含まれることは必須では無い。
【0050】
カメラ部3は1又は複数のカメラにて構成される。例えば、駐車スペース710並びに待機スペース750及び760を視野に収める、十分に高い位置に配置されたカメラ(不図示)にてカメラ部3を構成して良い。カメラ部3が複数のカメラにて構成される場合、複数のカメラにおける複数の撮影領域(視野)の合成領域が撮影領域SRに相当し、複数のカメラにて撮影領域SR内の各被写体の撮影を実現する。カメラ部3を構成するカメラは地面に固定された建造物に設置され(設置の様子の図示は省略)、運送管理装置1は、撮影画像内の各位置が、駐車位置PK1~PK8並びに待機スペース750及び760の何れに対応しているのかを予め認識しているものとする。但し、カメラ部3を構成するカメラは、ドローンなどの、中継拠点700の上空を飛行する飛行体に設置されていても良い。
【0051】
以下では、
図7に示す如くカメラ部3が、駐車スペース710を撮影するカメラ3A、入庫前待機スペース750を撮影するカメラ3B、及び、出庫前待機スペース760を撮影するカメラ3Cにて構成されると考える。即ち、カメラ3A、3B、3Cの撮影領域は、夫々、駐車スペース710、入庫前待機スペース750、出庫前待機スペース760を含み、カメラ3A、3B及び3Cの撮影領域の合成領域が撮影領域SRに相当する。
図7では各カメラの撮影領域が概念的に示されている。
【0052】
図8に運送管理装置1の内部構成図を示す。運送管理装置1は、制御部11、記憶部12、通信部13、インターフェース部14及び日時情報取得部15を備える。1又は複数のコンピュータ装置にて運送管理装置1が構成される。運送管理装置1はサーバ装置であっても良い。クラウドコンピューティングを用いて運送管理装置1が構成されても良い。
【0053】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等を含んで構成され、運送管理装置1内の全体動作を統括的に制御する。記憶部12は、磁気ディスク又は半導体メモリ等から成り、或いは、それらの組み合わせから成り、各種プログラム及びデータを格納及び記憶する。記憶部12内のプログラムを制御部11のCPUが実行することで各種機能が実現される。通信部13は、ネットワークNETと有線又は無線にて接続され、運送管理装置1の相手側装置とネットワークNETを介して双方向通信を行う。運送管理装置1の相手側装置に端末装置TMが含まれる。
【0054】
インターフェース部14は、運送管理装置1と運送管理装置1のユーザとの間のマンマシンインターフェースであり、表示部141、操作部142、マイクロホン143及びスピーカ144を備える。運送管理装置1のユーザは運送管理システムSYSの管理者(以下、単に管理者と称する)である。
【0055】
表示部141は液晶ディスプレイパネル等にて構成される表示装置であり、制御部11の制御の下で任意の画像を表示する。操作部142は管理者から任意の操作の入力を受け付ける。表示部141及び操作部142によりタッチパネルが構成されていても良く、操作部142への操作はタッチパネルに対する操作であっても良い。マイクロホン143は、マイクロホン143の周辺音を収音し、収音した音を電気信号に変換する。マイクロホン143の収音の対象は、主として管理者の発話による音声である。スピーカ144は制御部11の制御の下で任意の音を出力する。
【0056】
尚、インターフェース部14の全部又は一部は運送管理装置1の外部に設けられて運送管理装置1に外部接続されるものであっても良い。音声認識機能を有して人物との音声による会話が可能な人工知能を制御部11に設けておいても良く、この場合、マイクロホン143及びスピーカ144を用いて、管理者及び運送管理装置1間の意思疎通が実現されても良い。但し、スピーカ143及びマイクロホン144は省略されても良い。
【0057】
日時情報取得部15は現在の日付及び時刻を示す日時情報を取得する。日時情報取得部15はネットワークNETを介して他の装置(不図示)から日時情報を取得しても良い。
【0058】
制御部11は、画像データデータ取得部111、スケジュールデータ作成部112、スケジュールデータ保持部113及び管理部114を備える。取得部111、作成部112、保持部113及び管理部114は、制御部11のCPU(演算処理装置)が記憶部12に格納されたプログラムを実行することにより形成される機能ブロックである。これらの機能ブロック(111~114)の各機能については後述される。
【0059】
図9に端末装置TMの内部構成図を示す。端末装置TMは、制御部21、記憶部22、通信部23及びインターフェース部24を備える。
【0060】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等を含んで構成され、端末装置TM内の全体動作を統括的に制御する。記憶部22は、磁気ディスク又は半導体メモリ等から成り、或いは、それらの組み合わせから成り、各種プログラム及びデータを格納及び記憶する。記憶部22内のプログラムを制御部21のCPUが実行することで制御部21の各種機能が実現される。通信部23は、ネットワークNETと有線又は無線にて接続され、端末装置TMの相手側装置とネットワークNETを介して双方向通信を行う。端末装置TMの相手側装置に運送管理装置1が含まれる。
【0061】
インターフェース部24は、端末装置TMと端末装置TMのユーザとの間のマンマシンインターフェースであり、表示部241、操作部242、マイクロホン243及びスピーカ244を備える。端末装置TM[i]のユーザは車両PP[i]の運転手である。
【0062】
表示部241は液晶ディスプレイパネル等にて構成される表示装置であり、制御部21の制御の下で任意の画像を表示する。操作部242は端末装置TMのユーザから任意の操作の入力を受け付ける。表示部241及び操作部242によりタッチパネルが構成されていても良く、操作部242への操作はタッチパネルに対する操作であっても良い。マイクロホン243は、マイクロホン243の周辺音を収音し、収音した音を電気信号に変換する。マイクロホン243の収音の対象は、主として端末装置TMのユーザの発話による音声である。スピーカ244は制御部21の制御の下で任意の音を出力する。
【0063】
尚、音声認識機能を有して人物との音声による会話が可能な人工知能を制御部21に設けておいても良く、この場合、マイクロホン243及びスピーカ244を用いて、ユーザ及び端末装置TM間の意思疎通が実現されても良い。
【0064】
制御部11の機能ブロック(111~114;
図8参照)について説明する。
【0065】
画像データ取得部111は、カメラ部3が生成した撮影画像の画像データをカメラ部3から取得する。カメラ部3は所定のフレーム周期にて撮影を行う。このため、所定のフレーム周期にて周期的に撮影画像の画像データが取得部111にて取得される。
【0066】
スケジュールデータ作成部112は、中継輸送のスケジュールを表すスケジュールデータを作成する。
図10にスケジュールデータの構造を示す。スケジュールデータは、第1拠点610でのスケジュールを定めた第1拠点データと、中継拠点620、630、640でのスケジュールを定めた第1、第2、第3中継拠点データと、第2拠点650でのスケジュールを定めた第2拠点データと、を含む。
【0067】
上述の第1中継輸送のスケジュールデータにおいて、第1荷物を収容したコンテナQQ[1]の第1拠点610からの出発予定日時が第1拠点データにより示され、各中継拠点(620、630、640)へのコンテナQQ[1]の到着予定日時及び各中継拠点(620、630、640)からのコンテナQQ[1]の出発予定日時が第1、第2及び第3中継拠点データにより示され、且つ、コンテナQQ[1]の第2拠点650への到着予定日時が第2拠点データにより示される。
【0068】
上述の第2中継輸送のスケジュールデータにおいて、第2荷物を収容したコンテナQQ[2]の第2拠点650からの出発予定日時が第2拠点データにより示され、各中継拠点(640、630、620)へのコンテナQQ[2]の到着予定日時及び各中継拠点(640、630、620)からのコンテナQQ[2]の出発予定日時が第3、第2及び第1中継拠点データにより示され、且つ、コンテナQQ[2]の第1拠点610への到着予定日時が第1拠点データにより示される。
【0069】
スケジュールデータ作成部112は、インターフェース部14又はネットワークNETを通じて、発荷主及び着荷主並びに各運送業者の希望及び予定を表す情報の入力を受け、入力された情報に基づきスケジュールデータを作成する。管理者が操作部142を通じてスケジュールデータの全部又は一部を手動入力することも可能である。
【0070】
スケジュールデータ保持部113は、スケジュールデータ作成部112にて作成されたスケジュールデータを保持する。
【0071】
管理部114は、取得部111を通じて取得された撮影画像の画像データと、作成部112及び保持部113にて作成及び保持されたスケジュールデータと、に基づいて、各車両PPに接続されたコンテナQQに誤りがないか等の検出を行う。また、管理部114は、ゲート駆動装置722及び732(
図6参照)を制御することを通じて入庫ゲート720及び出庫ゲート730の状態を個別に開状態又は閉状態に設定するゲート制御動作が可能であって良い。
【0072】
中継輸送では、中継拠点において複数の車両PPと複数のコンテナQQとの接続切り替え作業(複数の車両PPと複数のコンテナQQとの組み合わせの切り替え作業)が行われる。接続切り替え作業は、複数の車両PPと複数のコンテナQQとの接続関係を変更する作業である。例えば、接続切り替え作業において、車両PP[1]に接続されるコンテナQQをコンテナQQ[1]からコンテナQQ[2]に切り替えると共に車両PP[2]に接続されるコンテナQQをコンテナQQ[2]からコンテナQQ[1]に切り替える。接続切り替え作業が正しく行われないと、正しい中継輸送を実現できない。正しい中継輸送を担保するためのデータがスケジュールデータ中の各中継拠点データに含められる。
【0073】
説明の具体化のため、
図11に示すスケジュールαを想定する。第1荷物を収容したコンテナQQ[1]が車両PP[1]に接続された状態で所定拠点から中継拠点700に到着すること(例えば中継拠点620から中継拠点630に到着すること)、及び、第2荷物を収容したコンテナQQ[2]が車両PP[2]に接続された状態で他の所定拠点から中継拠点700に到着すること(例えば中継拠点640から中継拠点630に到着する)が、スケジュールαにて規定される。更に、車両PP[1]及びPP[2]が中継拠点700に到着した後、コンテナQQの接続切り替えを経て、コンテナQQ[2]が車両PP[1]に接続された状態で中継拠点700から上記所定拠点に向けて出発すること(例えば中継拠点630から中継拠点620に向けて出発すること)、及び、コンテナQQ[1]が車両PP[2]に接続された状態で中継拠点700から上記他の所定拠点に向けて出発すること(例えば中継拠点630から中継拠点640に向けて出発すること)が、スケジュールαにて規定される。更に、車両PP[1]の中継拠点700への到着予定日時DA[1]、車両PP[2]の中継拠点700への到着予定日時DA[2]、車両PP[1]の中継拠点700からの出発予定日時DD[1]、及び、車両PP[2]の中継拠点700からの出発予定日時DD[2]も、スケジュールαで規定される。
【0074】
図12にスケジュールαに従った工程の流れを示す。中継拠点700におけるスケジュールαに従った工程は、到着工程、切り離し工程及び再接続工程を含む。到着工程を経て切り離し工程が行われ、その後に再接続工程が行われる。切り離し工程及び再接続工程により、車両PP[1]及びPP[2]とコンテナQQ[1]及びQQ[2]との接続切り替え作業が実現される。
【0075】
スケジュールαに従う到着工程は、コンテナQQ[1]が接続された車両PP[1]が中継拠点700に到着して駐車位置PK1に駐車する第1到着工程と、コンテナQQ[2]が接続された車両PP[2]が中継拠点700に到着して駐車位置PK2に駐車する第2到着工程と、から成る。第1及び第2到着工程の実施タイミングは一致する場合もあるし、相違する場合もある。
【0076】
スケジュールαに従う切り離し工程は、コンテナQQ[1]を駐車位置PK1にて車両PP[1]から切り離し、切り離したコンテナQQ[1]を駐車位置PK1に置く第1切り離し工程と、コンテナQQ[2]を駐車位置PK2にて車両PP[2]から切り離し、切り離したコンテナQQ[2]を駐車位置PK2に置く第2切り離し工程と、から成る。第1及び第2切り離し工程の実施タイミングは一致する場合もあるし、相違する場合もある。
【0077】
スケジュールαに従う再接続工程は、車両PP[1]が駐車位置PK2に移動して駐車位置PK2にてコンテナQQ[2]を車両PP[1]に接続する第1再接続工程と、車両PP[2]が駐車位置PK1に移動して駐車位置PK1にてコンテナQQ[1]を車両PP[2]に接続する第2再接続工程と、から成る。第1及び第2再接続工程の実施タイミングは一致する場合もあるし、相違する場合もある。
【0078】
図13に中継拠点データ1000の構造を示す。中継拠点データ1000は、
図10の第1、第2又は第3中継拠点データの例である。中継拠点データ1000にて上述のスケジュールαが規定される。本来、中継拠点データ1000には、車両PP[1]及びPP[2]を含む多数の車両PPの運行に関するデータが規定されるが、
図13では、スケジュールαに基づく車両PP[1]及びPP[2]の運行に関するデータのみを示している。中継拠点データ1000はデータ1010、1020、1060及び1070を含む。尚、任意の車両PPに関し、中継拠点700への到着は駐車スペース710への到着と同義であると考えても良いし、中継拠点700からの出発は駐車スペース710からの出発と同義であると考えても良い。
【0079】
データ1010は、中継拠点700に到着する予定の車両PP及びコンテナQQの第1組み合わせに関するデータであって、データ1011~1014を含む。データ1011及び1012は、夫々、第1組み合わせにおける車両PPの車両ID及びコンテナQQのコンテナIDを表す。ここでは、第1組み合わせは車両PP[1]及びコンテナQQ[1]の組み合わせであるとする。そうすると、データ1011及び1012は、夫々、車両PP[1]の車両ID(7_PP[1])及びコンテナQQ[1]のコンテナID(8_PP[1])を表す。データ1013は、第1組み合わせに係る車両PP(従って車両PP[1])の到着予定駐車位置を表す。データ1013における到着予定駐車位置は、第1組み合わせに係る車両PP(従って車両PP[1])が中継拠点700に到着した際に駐車すべき駐車位置に相当し、故に駐車位置PK1である(
図12参照)。データ1014は、第1組み合わせに係る車両PP(従って車両PP[1])の中継拠点700への到着予定日時DA[1]を表す。
【0080】
データ1020は、中継拠点700に到着する予定の車両PP及びコンテナQQの第2組み合わせに関するデータであって、データ1021~1024を含む。データ1021及び1022は、夫々、第2組み合わせにおける車両PPの車両ID及びコンテナQQのコンテナIDを表す。ここでは、第2組み合わせは車両PP[2]及びコンテナQQ[2]の組み合わせであるとする。そうすると、データ1021及び1022は、夫々、車両PP[2]の車両ID(7_PP[2])及びコンテナQQ[2]のコンテナID(8_PP[2])を表す。データ1023は、第2組み合わせに係る車両PP(従って車両PP[2])の到着予定駐車位置を表す。データ1023における到着予定駐車位置は、第2組み合わせに係る車両PP(従って車両PP[2])が中継拠点700に到着した際に駐車すべき駐車位置に相当し、故に駐車位置PK2である(
図12参照)。データ1024は、第2組み合わせに係る車両PP(従って車両PP[2])の中継拠点700への到着予定日時DA[2]を表す。
【0081】
データ1060は、中継拠点700から出発する予定の車両PP及びコンテナQQの第3組み合わせに関するデータであって、データ1061~1064を含む。データ1061及び1062は、夫々、第3組み合わせにおける車両PPの車両ID及びコンテナQQのコンテナIDを表す。ここでは、第3組み合わせは車両PP[1]及びコンテナQQ[2]の組み合わせであるとする。そうすると、データ1061及び1062は、夫々、車両PP[1]の車両ID(7_PP[1])及びコンテナQQ[2]のコンテナID(8_PP[2])を表す。データ1062は、接続切り替え作業を通じて車両PP[1]に対して新たに接続されるべき予定のコンテナQQ(再接続予定コンテナ)を示す。データ1063は、第3組み合わせに係る車両PP(従って車両PP[1])の再接続予定駐車位置を表す。データ1063における再接続予定駐車位置は、第3組み合わせに係る車両PP(PP[1])に対して新たに接続されるべきコンテナQQ(QQ[2])の予定配置位置(再接続予定コンテナの予定配置位置)であり、故に駐車位置PK2である(
図12参照)。データ1064は、第3組み合わせに係る車両PP(従って車両PP[1])の中継拠点700からの出発予定日時DD[1]を表す。
【0082】
データ1070は、中継拠点700から出発する予定の車両PP及びコンテナQQの第4組み合わせに関するデータであって、データ1071~1074を含む。データ1071及び1072は、夫々、第4組み合わせにおける車両PPの車両ID及びコンテナQQのコンテナIDを表す。ここでは、第4組み合わせは車両PP[2]及びコンテナQQ[1]の組み合わせであるとする。そうすると、データ1071及び1072は、夫々、車両PP[2]の車両ID(7_PP[2])及びコンテナQQ[1]のコンテナID(8_PP[1])を表す。データ1072は、接続切り替え作業を通じて車両PP[2]に対して新たに接続されるべきコンテナQQ(再接続予定コンテナ)を示す。データ1073は、第4組み合わせに係る車両PP(従って車両PP[2])の再接続予定駐車位置を表す。データ1073における再接続予定駐車位置は、第4組み合わせに係る車両PP(PP[2])に対して新たに接続されるべきコンテナQQ(QQ[1])の予定配置位置(再接続予定コンテナの予定配置位置)であり、故に駐車位置PK1である(
図12参照)。データ1074は、第4組み合わせに係る車両PP(従って車両PP[2])の中継拠点700からの出発予定日時DD[2]を表す。
【0083】
このように、スケジュールデータは、車両PPと車両PPに接続(配置)されるべきコンテナQQとの組み合わせを示した中継拠点データ1000を含む。一方、管理部114は、カメラ部3による撮影画像の画像データに基づく画像認識処理を行う。撮影画像は撮影領域SR内における、各車両PP及び各コンテナQQの画像を含むと共に各車両PPの車両ID及び各コンテナQQのコンテナIDの画像を含む。画像認識処理は、撮影画像中の各車両PP及び各コンテナQQを検出する第1処理と、撮影画像中の各車両PPの車両ID及び各コンテナQQのコンテナIDを検出する第2処理と、第1処理及び第2処理の結果に基づいて撮影画像中の各車両PPが車両PP[1]~PP[n]の何れであるのかを識別すると共に撮影画像中の各コンテナQQがコンテナQQ[1]~QQ[m]の何れであるのかを識別する第3処理と、車両PPごとに車両PPに接続(配置)されているコンテナQQを識別する第4処理と、を含む。当該画像認識処理により、撮影領域SR内における、互いに接続状態にある車両PP及びコンテナQQの組み合わせ(即ち、互いに接続された車両PP及びコンテナQQの組み合わせ)が検出される。また、画像認識処理は、各車両PPの駐車位置を検出する(車両PPごとに車両PPの駐車位置が駐車位置PK1~PK8の何れであるのかを検出する)第5処理を含む。そして、管理部114は、画像認識処理の結果とスケジュールデータとに基づき、撮影領域SR内の車両PP及びコンテナQQの組み合わせの正否を判定する。
【0084】
つまり、管理部114は、上記画像認識処理にて認識した撮影画像中の車両ID及びコンテナID(互いに接続状態にある車両PP及びコンテナQQの車両ID及びコンテナID)の組み合わせと、スケジュールデータ中の車両ID及びコンテナIDの組み合わせに基づいて、撮影領域SR内の車両PP及びコンテナQQの組み合わせの正否を判定する。撮影領域SR内の車両PP及びコンテナQQの組み合わせの正否の判定とは、撮影領域SR内の車両PP及びコンテナQQの組み合わせがスケジュールデータ中の車両ID及びコンテナIDの組み合わせと整合しているか否かの判定に相当する。
【0085】
より詳細には、管理部114は、駐車スペース710において上記接続切り替え作業が行われた後の、撮影領域SR内の車両PP及びコンテナQQの組み合わせの正否を、スケジュールデータ及び撮影画像の画像データに基づいて判定することができる。この判定は、撮影領域SR内の車両PP及びコンテナQQの組み合わせごとに実施される。
【0086】
例えば、車両PP[1]からコンテナQQ[1]が切り離された後、車両PP[1]に対してコンテナQQ[2]が接続された第1状況を想定する。第1状況はスケジュールαに沿った状況であり、スケジュールデータ(中継拠点データ1000)における組み合わせ(第2組み合わせ)と整合している。故に、第1状況に係る車両PP[1]及びコンテナQQ[2]の組み合わせはスケジュールデータに照らして正しいと判断される。或いは例えば、車両PP[1]からコンテナQQ[1]が切り離された後、車両PP[1]に対してコンテナQQ[3]が接続された第2状況を想定する。第2状況はスケジュールαに沿わない状況であり、スケジュールデータ(中継拠点データ1000)における組み合わせと整合していない。故に、第2状況に係る車両PP[1]及びコンテナQQ[3]の組み合わせはスケジュールデータに照らして誤りであると判断される。
【0087】
上記のような正否の判定を行うことで、誤りのある接続が検知されたときに、その旨を端末装置TMを通じて運転手に伝えたり、誤ったコンテナQQを接続した状態の車両PPの出発を出庫ゲート730を閉状態にすることで禁止したりするといったことが可能となる。つまり、コンテナQQの取り違えによる荷物の誤運送を防止することが可能となる。尚、動力ユニット及びコンテナ装置の夫々にRFIDタグを付与しておき、各RFIDタグに記憶された識別子をリーダシステムにて読み取ることで、動力ユニット及びコンテナ装置間の接続間違いを検出する参考方法(上記特許文献1参照)も検討される。しかしながら、参考方法では、複数の動力ユニット及び複数のコンテナ装置が近接している場合に、本来読み取るべきRFIDタグと異なるRFIDタグを読み取る可能性があり、結果、接続間違いの発生を見逃す可能性がある、或いは、正しい接続を接続間違いと誤検出する可能性がある。特に本実施形態で想定されるような中継拠点では複数の車両等が密集しうるため、参考方法は適用し難い。また、参考方法では、リーダシステム設置用の設備が必須であり、必要コストが増大するおそれがある。本実施形態の方法によれば、簡素な構成で確実にコンテナQQの取り違え及び荷物の誤配送を防止できる。
【0088】
具体的には、撮影領域SR内の或る車両PP[i]について、撮影領域SR内の車両PP[i]及びコンテナQQの組み合わせがスケジュールデータ中の車両PP及びコンテナQQの組み合わせと整合しないとき(例えば接続切り替え作業後において撮影領域SR内の車両PP[i]及びコンテナQQの組み合わせがスケジュールデータ中の車両PP及びコンテナQQの組み合わせと整合しないとき)、管理部114は、撮影領域SR内の車両PP[i]及びコンテナQQの組み合わせが正しくないと判断して、端末装置TM[i]に対し所定のエラー信号を送信すると良い。端末装置TM[i]にて当該エラー信号が受信されると、端末装置TM[i]にて所定のエラーメッセージが出力される。これにより、コンテナQQの取り違えを運転手に知らせることが可能となる。任意の端末装置TM[i]において、任意のメッセージの出力とは、端末装置TM[i]のユーザに当該メッセージを通知することに相当し、当該通知は、端末装置TM[i]の表示部241に当該メッセージを表示する表示通知、及び、端末装置TM[i]のスピーカ244から当該メッセージを音として出力する音声通知の少なくとも一方を含む。故に、端末装置TM[i]に対するエラー信号の送信は、端末装置TM[i]を通じて車両PP[i]の運転手にエラーメッセージを通知することに相当し、当該通知は表示通知及び音声通知の少なくとも一方を含む。エラーメッセージは、車両PP[i]に接続されているコンテナQQがスケジュールデータに照らして正しいコンテナQQでないことを示し、例えば「間違ったコンテナ接続中」といったメッセージである。上記の第2状況では、端末装置TM[1]にてエラーメッセージの通知が行われ、当該エラーメッセージにおいて車両PP[1]に対して接続されるべき正しいコンテナQQが示されていても良い。
【0089】
中継拠点データ1000を含むスケジュールデータは、スケジュールαによる中継輸送が開始される前に(少なくとも車両PP[1]及びPP[2]が中継拠点700に到着する前に)、車両PP[1]及びPP[2]の各運転手に閲覧可能であると良い。この閲覧は、中継拠点データ1000を印刷した紙面が車両PP[1]及びPP[2]の各運転手に配布されることで実現されても良いし、中継拠点データ1000が端末装置TM[1]及びTM[2]の各表示部241に表示されることで実現されても良い。
【0090】
また、管理部114は、ゲート駆動装置722及び732(
図6参照)を制御することを通じて入庫ゲート720及び出庫ゲート730の状態を個別に開状態又は閉状態に設定するゲート制御動作が可能であって良い。
【0091】
以下、複数の実施例の中で、幾つかの具体的な動作例、応用技術、変形技術等を説明する。本実施形態にて上述した事項は、特に記述無き限り且つ矛盾無き限り、以下の各実施例に適用される。各実施例において、上述の事項と矛盾する事項がある場合には、各実施例での記載が優先されて良い。また矛盾無き限り、以下に示す複数の実施例の内、任意の実施例に記載した事項を、他の任意の実施例に適用することもできる(即ち複数の実施例の内の任意の2以上の実施例を組み合わせることも可能である)。尚、以下に示す任意の実施例では、特に記述なき限り、
図11及び
図12に係るスケジュールαが規定されていることを想定する。
【0092】
<<第1実施例>>
第1実施例を説明する。第1実施例では、各車両PPの中継拠点700への到着時に関わる動作を説明する。
【0093】
管理部114は入庫ゲート制御動作が可能である。入庫ゲート制御動作において、管理部114は、互いに接続状態にある車両PP[i]及びコンテナQQ[j]が入庫前待機スペース750に位置しているときに(i及びjは自然数)、撮影画像の画像データと中継拠点データ1000とに基づき、入庫ゲート720の状態を制御する。尚、管理部114は入庫ゲート720を原則として閉状態に制御する。
【0094】
入庫ゲート制御動作において、互いに接続状態にある車両PP[1]及びコンテナQQ[1]、又は、互いに接続状態にある車両PP[2]及びコンテナQQ[2]が待機スペース750に位置していることが撮影画像の画像データに基づいて検出されたとき、管理部114は、入庫ゲート720を閉状態から開状態に切り替える処理を含む入庫許可処理を実行する。中継拠点データ1000において、車両PP[1]及びコンテナQQ[1]の組み合わせ及び車両PP[2]及びコンテナQQ[2]の組み合わせが中継拠点700に到着することが示されているからである。但し、互いに接続状態にある車両PP[1]及びコンテナQQ[1]が待機スペース750に位置していることが撮影画像の画像データに基づいて検出されたとき、その検出された日時が、データ1014における到着予定日時DA[1]から見て所定時間(例えば2時間)以上離れている場合、管理部114は、入庫許可処理を実行せずに入庫ゲート720を閉状態に維持しても良い。車両PP[2]及びコンテナQQ[2]の組み合わせについても同様である。
【0095】
中継拠点データ1000にて到着が予定されていない組み合わせの車両PP及びコンテナQQ(例えばPP[5]及びQQ[5])が待機スペース750に位置しているとき、管理部114は、入庫許可処理を実行せずに入庫ゲート720を閉状態に維持する。尚、管理部114によって入庫許可処理が実行されなかった場合、管理者が、必要に応じ、手動操作を通じて入庫ゲート720を開状態に切り替えることもできる。
【0096】
以下では、入庫許可処理を経て、車両PP[1]及びコンテナQQ[1]の組み合わせ及び車両PP[2]及びコンテナQQ[2]の組み合わせが入庫ゲート位置を通じ、駐車スペース710に進入したことを想定する。
【0097】
スケジュールαに正しく従う正解ケースCASE1aでは、
図12の第1到着工程を経て第1切り離し工程を行われると共に第2到着工程を経て第2切り離し工程を行われる。
【0098】
即ち正解ケースCASE1aにおいて、車両PP[1]の運転手は、入庫ゲート位置を通過した後、閲覧可能な中継拠点データ1000に基づき、コンテナQQ[1]が接続された車両PP[1]をデータ1013に従う到着予定駐車位置PK1まで移動させて駐車位置PK1に駐車させ、その後、駐車位置PK1にてコンテナQQ[1]を車両PP[1]から切り離す作業を行う。同様に、正解ケースCASE1aにおいて、車両PP[2]の運転手は、入庫ゲート位置を通過した後、閲覧可能な中継拠点データ1000に基づき、コンテナQQ[2]が接続された車両PP[2]をデータ1023に従う到着予定駐車位置PK2まで移動させて駐車位置PK2に駐車させ、その後、駐車位置PK2にてコンテナQQ[2]を車両PP[2]から切り離す作業を行う。
【0099】
但し、勘違い等により車両PP[1]又はPP[2]の運転手が到着予定駐車位置と異なる駐車位置に各車両を駐車させる可能性がある。例として、以下の間違いケースCASE1bを考える。間違いケースCASE1bにおいて、車両PP[1]の運転手は、入庫ゲート位置を通過した後、コンテナQQ[1]が接続された車両PP[1]を到着予定駐車位置PK1と異なる駐車位置PK3まで移動させて駐車位置PK3に駐車させ、その後、駐車位置PK3にてコンテナQQ[1]を車両PP[1]から切り離す作業を行う。当該間違いケースCASE1bでは、車両PP[2]の運転手が駐車位置PK1に載置されているはずのコンテナQQ[1]を駐車位置PK1にて車両PP[2]に接続することができない。また、駐車位置PK3に載置されるべきコンテナQQが正しくはコンテナQQ[3]であって且つコンテナQQ[3]の運送を担うべき車両PP[3]が存在するとき、間違いケースCASE1bでは、車両PP[3]に対し誤ってコンテナQQ[1]が接続されることになる。これらの誤りは駐車位置を正しく管理することで解消される。
【0100】
そこで、管理部114は以下の到着駐車位置正誤対応動作を実行する。
図14に到着駐車位置正誤対応動作のフローチャートを示す。到着駐車位置正誤対応動作において、管理部114は、撮影画像の画像データに基づき、コンテナQQ[i]を接続した車両PP[i]が中継拠点700(駐車スペース710)に到着した際における車両PP[i]の駐車位置が到着予定駐車位置PKiと一致するか否かを判定し(ステップS111)、それらが一致している場合には(ステップS111のY)端末装置TM[i]に対して所定の駐車位置正常信号を送信する一方(ステップS112)、それらが一致してない場合には(ステップS111のN)端末装置TM[i]に対して所定の駐車位置エラー信号を送信する(ステップS113)。到着駐車位置正誤対応動作を車両PPごとに(換言すれば車両PP及びコンテナQQの組み合わせごとに)実施することができる。
【0101】
端末装置TM[i]にて駐車位置エラー信号が受信されると、端末装置TM[i]にて所定の駐車位置エラーメッセージが出力される(ステップS113)。つまり、端末装置TM[i]を通じて車両PP[i]の運転手に駐車位置エラーメッセージが通知される。端末装置TM[i]に関する駐車位置エラーメッセージは、車両PP[i]の到着時の駐車位置に誤りがある(スケジュールデータと非整合である)ことを示し、例えば「駐車位置エラー」といったメッセージである。尚、駐車位置エラーメッセージは、正しい到着予定駐車位置を示すメッセージを含んでいて良い。
【0102】
駐車位置エラー信号の送信により、駐車位置(及びコンテナ載置位置)に誤りがあることが運転手に知らされ、駐車位置を正しく修正することが可能となる(以って正しい中継輸送が担保される)。仮に、接続切り替え作業の完了後、出庫ゲート730を通過しようとする直前でコンテナQQの接続誤りが指摘された場合にあっては、そこから駐車スぺース710に戻って接続切り離しを含む接続切り替え作業を改めて行う必要があり、大きな手間がかかる。駐車スペース710に到着して車両PPを駐車させた段階で、駐車位置の誤りに応じ駐車位置エラー信号を送信する方法を採用すれば、誤りを修正するための手間が極めて少なくて済む。
【0103】
端末装置TM[i]にて駐車位置正常信号が受信されると、端末装置TM[i]にて所定の駐車位置正常メッセージが出力される(ステップS112)。つまり、端末装置TM[i]を通じて車両PP[i]の運転手に駐車位置正常メッセージが通知される。端末装置TM[i]に関する駐車位置正常メッセージは、車両PP[i]の到着時の駐車位置が正しい(スケジュールデータと整合している)ことを示し、例えば「駐車位置OK」といったメッセージである。尚、駐車位置正常信号の送信及び駐車位置正常メッセージの通知は省略されても良い。
【0104】
具体的な処理方法として、管理部114は以下のように動作して良い。尚、カメラ部3では所定のフレーム周期にて撮影が行われるが、所定のフレーム周期にて周期的に取得される撮影画像の集まりから成る動画像を、以下、特に撮影動画像と称する。管理部114は、車両PP[i]及びコンテナQQ[i]の組み合わせが入庫ゲート位置を通過して駐車スペース710に進入した後、撮影動画像において、車両PP[i]及びコンテナQQ[i]の組み合わせの動きを検出し、車両PP[i]及びコンテナQQ[i]の組み合わせの位置が特定の駐車位置にて所定時間(例えば20秒)以上継続して停止していることを検知したとき、コンテナQQ[i]を接続した状態で中継拠点700(駐車スペース710)に到着した車両PP[i]が、上記特定の駐車位置にて駐車したと判断する。ここで、“i=1”であれば当該特定の駐車位置とデータ1013中の到着予定駐車位置PK1との整合を確認すれば良く、“i=2”であれば当該特定の駐車位置とデータ1023中の到着予定駐車位置PK2との整合を確認すれば良い。
【0105】
尚、管理部114は、撮影画像の画像データに基づき、コンテナQQ[i]が接続された車両PP[i]が中継拠点700に到着したと判定したとき、端末装置TM[i]に対し、車両PP[i]の到着予定駐車位置PKiを示す所定の駐車位置指定信号を送信しても良い。例えば、互いに接続状態にある車両PP[i]及びコンテナQQ[i]が待機スペース750に位置していることが撮影画像の画像データに基づいて検出されたとき、上記入庫許可処理の中で、駐車位置指定信号の送信を行うことができる。
【0106】
端末装置TM[i]にて駐車位置指定信号が受信されると、端末装置TM[i]にて車両PP[i]の到着予定駐車位置PKiを示す駐車位置指定メッセージが出力される。つまり、端末装置TM[i]を通じて車両PP[i]の運転手に駐車位置指定メッセージが通知される。これにより、駐車すべき位置(及び運んできたコンテナQQを載置すべき位置)が駐車の直前で運転手に明示され、駐車位置の誤りが生じにくくなることが期待される(以って正しい中継輸送が担保される)。
【0107】
<<第2実施例>>
第2実施例を説明する。第2実施例では、中継拠点700での接続切り替え作業時に関わる動作を説明する。
【0108】
管理部114は再接続コンテナ正誤対応動作を実行できる。
図15に再接続コンテナ正誤対応動作のフローチャートを示す。再接続コンテナ正誤対応動作において、管理部114は、コンテナQQ[i]の車両PP[i]からの切り離しを経て車両PP[i]に新たに接続されたコンテナQQを撮影画像の画像データに基づいて識別し、実際に車両PP[i]に対して新たに接続されたコンテナQQ(以下、実再接続コンテナQQと称する)と、車両PP[i]に対して新たに接続されるべき予定のコンテナQQ(以下、再接続予定コンテナQQと称する)とを比較する(ステップS211)。この比較は、撮影画像の画像データに基づいて検出された実再接続コンテナQQのコンテナIDと、再接続予定コンテナQQのコンテナIDと、を照合することで実現される。そして、管理部114は、車両PP[i]について、実再接続コンテナQQが再接続予定コンテナQQに一致している場合には(ステップS212のY)端末装置TM[i]に対して所定の接続正常信号を送信する一方(ステップS213)、実再接続コンテナQQが再接続予定コンテナQQに一致していない場合には(ステップS212のN)端末装置TM[i]に対して所定の接続エラー信号(配置エラー信号)を送信する(ステップS214)。
【0109】
再接続コンテナ正誤対応動作を車両PPごとに(換言すれば車両PP及びコンテナQQの組み合わせごとに)実施することができる。車両PP[1]にとっての再接続予定コンテナQQはデータ1062により示されるコンテナQQ[2]であり、車両PP[2]にとっての再接続予定コンテナQQはデータ1072により示されるコンテナQQ[1]である(
図12及び
図13参照)。
【0110】
端末装置TM[i]にて接続エラー信号が受信されると端末装置TM[i]にて所定の接続エラーメッセージが出力される(ステップS214)。つまり、端末装置TM[i]を通じて車両PP[i]の運転手に接続エラーメッセージが通知される。端末装置TM[i]に関する接続エラーメッセージは、接続切り替え作業を通じて車両PP[i]に対し新たに接続されたコンテナQQに誤りがある(スケジュールデータと非整合である)ことを示し、例えば「接続切り替えエラー」といったメッセージである。尚、接続エラーメッセージは実再接続コンテナQQを示すメッセージを含んでいて良い。
【0111】
接続エラー信号の送信により、新たに接続したコンテナQQに誤りがあることが運転手に知らされ、それを受けて、接続を正しいものへと修正することが可能となる(以って正しい中継輸送が担保される)。
【0112】
端末装置TM[i]にて接続正常信号が受信されると端末装置TM[i]にて所定の接続正常メッセージが出力される(ステップS213)。つまり、端末装置TM[i]を通じて車両PP[i]の運転手に接続正常メッセージが通知される。端末装置TM[i]に関する接続正常メッセージは、接続切り替え作業を通じて車両PP[i]に対し新たに接続されたコンテナQQが正しい(スケジュールデータと整合している)ことを示し、例えば「接続切り替えOK」といったメッセージである。尚、接続正常信号の送信及び接続正常メッセージの通知は省略されても良い。
【0113】
コンテナQQ[1]が車両PP[1]の到着予定駐車位置PK1にて車両PP[1]から切り離された後、駐車位置PK1とは異なる特定の駐車位置(例えば駐車位置PK2又はPK3)にて車両PP[1]に対し再接続予定コンテナQQ[2]と異なる他のコンテナQQ(例えばコンテナQQ[3])に接続される誤りケースCASE2を想定する。誤りケースCASE2において、管理部114は、上記特定の駐車位置(例えば駐車位置PK2又はPK3)にて車両PP[1]に対し上記他のコンテナQQ(例えばコンテナQQ[3])が接続されていると判断すると、車両PP[1]が該特定の駐車位置にて駐車している段階(状態)で、端末装置TM[1]に対して接続エラー信号を送信すると良い。
【0114】
仮に、出庫ゲート730を通過しようとする直前でコンテナQQの接続誤りが指摘された場合にあっては、そこから駐車スぺース710に戻って接続切り離しを含む接続切り替え作業を改めて行う必要があり、大きな手間がかかる。車両PP[1]が上記特定の駐車位置(例えば駐車位置PK2又はPK3)にて駐車している段階で、接続エラー信号を送信する方法を採用すれば、誤りを修正するための手間が少なくて済む。車両PP[1]に注目して接続エラー信号を送信するタイミングを説明したが、他の車両PPについても同様である。
【0115】
具体的な処理方法として、管理部114は以下のように動作して良い。管理部114は、コンテナQQ[i]を接続した状態で中継拠点700(駐車スペース710)に到着した車両PP[i]が到着予定駐車位置PKiにて駐車したと判断した後、撮影動画像内で車両PP[i]及びコンテナQQ[i]を追跡することで、車両PP[i]からコンテナQQ[i]が切り離されたか否かを監視する。そして、車両PP[i]からコンテナQQ[i]が切り離された後、車両PP[i]の移動を経て車両PP[i]及びコンテナQQ[j]が特定の駐車位置にて且つ所定の位置関係にて停止していることを、撮影動画像に基づき検知したとき、管理部114は、特定の駐車位置にて車両PP[i]に対しコンテナQQ[j]が接続された(又は車両PP[i]に対してコンテナQQ[j]を接続する作業が行われそうである)と判断する。この判断を経て、画像認識処理により検出される車両PP[i]の車両ID及びコンテナQQ[j]のコンテナIDと、中継拠点データ1000と、に基づき、再接続コンテナ正誤対応動作を行えば良い。
【0116】
尚、管理部114は、撮影画像の画像データに基づき、コンテナQQ[i]が接続された車両PP[i]が中継拠点700に到着したと判定したとき、端末装置TM[i]に対し、車両PP[i]の到着予定駐車位置PKiを示す駐車位置指定信号を送信し、これに加えて又はこれに代えて、車両PP[i]にとっての再接続予定コンテナQQの予定配置位置(
図13のデータ1063又は1073に対応)を示す再接続位置指定信号を送信しても良い。例えば、互いに接続状態にある車両PP[i]及びコンテナQQ[i]が待機スペース750に位置していることが撮影画像の画像データに基づいて検出されたとき、上記入庫許可処理の中で、端末装置TM[i]に対する駐車位置指定信号及び再接続位置指定信号の送信を行うことができる。駐車位置指定信号については第1実施例で述べた通りである。
【0117】
車両PP[1]にとっての再接続予定コンテナQQはデータ1062により示されるコンテナQQ[2]であり、車両PP[2]にとっての再接続予定コンテナQQはデータ1072により示されるコンテナQQ[1]である(
図13参照)。再接続予定コンテナQQの予定配置位置は、再接続予定コンテナQQが配置される予定の駐車位置である。故に、車両PP[1]にとっての再接続予定コンテナQQ(QQ[2])の予定配置位置は、データ1063に示される再接続予定駐車位置PK2であり、車両PP[2]にとっての再接続予定コンテナQQ(QQ[1])の予定配置位置は、データ1073に示される再接続予定駐車位置PK1である。
【0118】
端末装置TM[i]にて再接続位置指定信号が受信されると、車両PP[i]にとっての再接続予定コンテナQQの予定配置位置を示す所定の再接続位置指定メッセージが端末装置TM[i]にて出力される。つまり、当該再接続位置指定メッセージが端末装置TM[i]を通じて車両PP[i]の運転手に通知される。これにより、何れの位置に配置されたコンテナQQを再接続の対象とすれば良いのかが運転手に明示され、コンテナQQの接続誤りが生じにくくなることが期待される(以って正しい中継輸送が担保される)。
【0119】
<<第3実施例>>
第3実施例を説明する。第3実施例では、中継拠点700から車両PP[i]が出発しようとする際の動作について説明する。
【0120】
管理部114は出庫ゲート制御動作を実行できる。
図16に出庫ゲート制御動作のフローチャートを示す。出庫ゲート制御動作において、管理部114は、コンテナQQ[i]の車両PP[i]からの切り離しを経て車両PP[i]に新たに接続されたコンテナQQを撮影画像の画像データに基づいて識別し、実際に車両PP[i]に対して新たに接続されたコンテナQQ(即ち実再接続コンテナQQ)と、車両PP[i]に対して新たに接続されるべき予定のコンテナQQ(即ち再接続予定コンテナQQ)とを比較する(ステップS311)。この比較は、撮影画像の画像データに基づいて検出された実再接続コンテナQQのコンテナIDと、再接続予定コンテナQQのコンテナIDと、を照合することで実現される。車両PP[1]にとっての再接続予定コンテナQQはデータ1062により示されるコンテナQQ[2]であり、車両PP[2]にとっての再接続予定コンテナQQはデータ1072により示されるコンテナQQ[1]である(
図13参照)。
【0121】
管理部114は、車両PP[i]について、実再接続コンテナQQが再接続予定コンテナQQに一致している場合には(ステップS312のY)出庫ゲート730を開状態に制御することで車両PP[i]の中継拠点700からの出発を許可する(ステップS313)。この際、管理部114は端末装置TM[i]に対して所定の出発許可信号を送信して良い。端末装置TM[i]にて出発許可信号が受信されると端末装置TM[i]にて所定の出発許可メッセージが出力される。つまり、端末装置TM[i]を通じて車両PP[i]の運転手に出発許可メッセージが通知される。出発許可メッセージは、中継拠点700からの出発が許可された旨を示す「出発許可」といったメッセージである。
【0122】
管理部114は、車両PP[i]について、実再接続コンテナQQが再接続予定コンテナQQに一致していない場合には(ステップS312のN)出庫ゲート730を閉状態に制御することで車両PP[i]の中継拠点700からの出発を禁止する(ステップS314)。この際、管理部114は端末装置TM[i]に対して所定の出発禁止信号を送信して良い。端末装置TM[i]にて出発禁止信号が受信されると端末装置TM[i]にて所定の出発禁止メッセージが出力される。つまり、端末装置TM[i]を通じて車両PP[i]の運転手に出発禁止メッセージが通知される。出発禁止メッセージは、中継拠点700からの出発が禁止されている旨を示す「出発禁止」といったメッセージである。
【0123】
出庫ゲート制御動作を車両PPごとに(換言すれば車両PP及びコンテナQQの組み合わせごとに)実施することができる。
【0124】
出庫ゲート制御動作により、接続誤りがある状態で車両PPが出発することが防止され、以って正しい中継輸送が担保される。また、コンテナQQの不正な持ち去りを防止することも可能である。
【0125】
車両PP[i]に対する出庫ゲート制御動作は、例えば、何れかのコンテナQQが接続された状態の車両PP[i]が出庫前待機スペース760に位置しているときに実行されて良い。
【0126】
<<第4実施例>>
第4実施例を説明する。管理部114は、中継拠点700に到着する予定の車両PPごとに車両PPが中継拠点700に到着したかを判定する到着判定処理を実行できる。管理部114は、到着判定処理を撮影画像の画像データに基づく画像認識処理により実行できる。そして、管理部114は、到着判定処理の判定結果を、必要な端末装置TM[i]に対して伝達する機能を有する。この機能の具体的な実現例を、車両PP[1]及びPP[2]に注目して説明する。尚、本実施例において「到着」とは中継拠点700への到着を指す。
【0127】
車両PP[1]及びPP[2]に注目したとき、到着判定処理において、管理部114は、コンテナQQ[1]が接続された車両PP[1]が中継拠点700に到着したかを判定する第1判定処理と、コンテナQQ[2]が接続された車両PP[2]が中継拠点700に到着したかを判定する第2判定処理と、を実行する。
【0128】
管理部114は、撮影画像の画像データに基づく画像認識処理により第1及び第2判定処理を実行できる。例えば、互いに接続状態にある車両PP[i]及びコンテナQQ[i]が待機スペース750に位置していること又は駐車スペース710に進入したことが撮影画像の画像データに基づいて検出されたとき、コンテナQQ[i]が接続された車両PP[i]が中継拠点700に到着したと判定する。
【0129】
中継拠点データ1000(
図13)では、中継拠点700(駐車スペース710)において、車両PP[1]に接続されるコンテナQQをコンテナQQ[1]からコンテナQQ[2]に切り替えるべきこと、及び、車両PP[2]に接続されるコンテナQQをコンテナQQ[2]からコンテナQQ[1]に切り替えるべきことが示されている。但し、車両PP[1]の到着時に車両PP[2]が未到着であれば、車両PP[1]の運転手は必要な接続切り替え作業を完了することができない。逆に、車両PP[2]の到着時に車両PP[1]が未到着であれば、車両PP[2]の運転手は必要な接続切り替え作業を完了することができない。
【0130】
これに鑑み、管理部114は、コンテナQQ[1]が接続された車両PP[1]が中継拠点700に到着したと判定したとき、端末装置TM[1]に対し第2判定処理の結果を示す信号(以下、第2判定処理結果信号と称する)を送信する。端末装置TM[1]にて第2判定処理結果信号が受信されると、端末装置TM[1]にて第2判定処理の結果が出力される。つまり、端末装置TM[1]を通じて車両PP[1]の運転手に第2判定処理の結果が通知される。例えば、当該通知において、車両PP[2]が到着済みであれば「相手側車両到着済み」といったメッセージが通知され、車両PP[2]が未到着であれば「相手側車両未到着」といったメッセージが通知される。
【0131】
同様に、管理部114は、コンテナQQ[2]が接続された車両PP[2]が中継拠点700に到着したと判定したとき、端末装置TM[2]に対し第1判定処理の結果を示す信号(以下、第1判定処理結果信号と称する)を送信する。端末装置TM[2]にて第1判定処理結果信号が受信されると、端末装置TM[2]にて第1判定処理の結果が出力される。つまり、端末装置TM[2]を通じて車両PP[2]の運転手に第1判定処理の結果が通知される。例えば、当該通知において、車両PP[1]が到着済みであれば「相手側車両到着済み」といったメッセージが通知され、車両PP[1]が未到着であれば「相手側車両未到着」といったメッセージが通知される。
【0132】
このような通知機能を設けておくことにより、車両PP[i]の到着時において、車両PP[i]の運転手は必要な接続切り替え作業を進めることができる状態にあるのかを認知することができ、車両PP[i]の運転手にとって時間の有効利用等が可能となる。
【0133】
また、管理部114は、先に到着して待っている運転手に対し、相手側が到着したら、その旨を通知する機能も備える。これにより、各運転手における時間の有効利用及び接続切り替え作業の効率化等が図られる。即ち、管理部114は、コンテナQQ[2]が接続された車両PP[2]が中継拠点700に到着したと判定する前に、コンテナQQ[1]が接続された車両PP[1]が中継拠点700に到着したと判定した場合において、その後、コンテナQQ[2]が接続された車両PP[2]が中継拠点700に到着したと判定したとき、端末装置TM[1]に対して所定の相手側到着通知信号を送信する。逆に、管理部114は、コンテナQQ[1]が接続された車両PP[1]が中継拠点700に到着したと判定する前に、コンテナQQ[2]が接続された車両PP[2]が中継拠点700に到着したと判定した場合において、その後、コンテナQQ[1]が接続された車両PP[1]が中継拠点700に到着したと判定したとき、端末装置TM[2]に対して所定の相手側到着通知信号を送信する。端末装置TM[i]にて相手側到着通知信号が受信されると、端末装置TM[i]にて相手側到着通知メッセージが出力される。つまり、端末装置TM[i]を通じて車両PP[i]の運転手に相手側到着通知メッセージが通知される。相手側到着通知メッセージは、「相手側車両が到着しました」といった、再接続予定コンテナを運んできた車両PPが到着した旨を表すメッセージである。
【0134】
<<第5実施例>>
第5実施例を説明する。第5実施例では、上述の各内容に対する補足事項、応用技術又は変形技術等を説明する。
【0135】
入庫ゲート720及び出庫ゲート730が別々に設けられる例を上述したが、これに代えて、入庫ゲート720及び出庫ゲート730の機能を兼務する単一の入出庫ゲートが中継拠点700に設けられていても良い。
【0136】
1つの中継拠点700に注目して中継拠点700に関わる運送管理システムSYSの動作を説明したが、当該動作は他の任意の中継拠点において実行されて良い。即ち、運送管理システムSYSは複数の中継拠点の夫々に対して中継拠点700に対するものと同様の動作を実行して良い。
【0137】
第1拠点610及び第2拠点650間に3つの中継拠点620、630及び640が存在する例を上述したが、第1拠点610及び第2拠点650間に存在する中継拠点の個数は1以上であれば任意である。
【0138】
車両IDは車両PPに対して固有の識別情報(車両識別情報)であれば任意であり、例えば、車両PPのナンバープレートを車両IDとして用いても良い。同様に、コンテナIDもコンテナQQに対して固有の識別情報(収容部識別情報)であれば任意である。
【0139】
本発明に係る任意の装置(例えば運送管理装置1又は端末装置TM)を、便宜上、対象装置と称する。対象装置を、集積回路等のハードウェア、或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって構成することができる。対象装置にて実現される機能の全部又は一部である任意の特定の機能をプログラムとして記述して、該プログラムを記録媒体に記録しておいて良い。そして、当該プログラムをプログラム実行装置(例えば、対象装置に搭載可能なマイクロコンピュータ)上で実行することによって、その特定の機能を実現するようにしても良い。上記記録媒体は対象装置に搭載又は接続されていても良いし、対象装置と異なる機器(サーバ機器等)に搭載又は接続されていても良い。上記記録媒体は、不揮発性の記録媒体であって、例えば、任意の磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク又は半導体メモリにて構成される。
【0140】
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。
【符号の説明】
【0141】
SYS 運送管理システム
PP 車両
QQ 収容部(コンテナ)
1 運送管理装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 インターフェース部
15 日時情報取得部
111 画像データ取得部
112 スケジュールデータ作成部
113 スケジュールデータ保持部
114 管理部
TM 端末装置
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 インターフェース部
3 カメラ部
700 中継拠点
710 駐車スペース
720 入庫ゲート
722 入庫ゲート駆動装置
730 出庫ゲート
732 出庫ゲート駆動装置
740 管理棟
750 入庫前待機スペース
760 出庫前待機スペース
PK1~PK8 駐車位置