(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】給電制御装置及び給電制御方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241008BHJP
H01H 9/54 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
H02J7/00 302A
H01H9/54 B
(21)【出願番号】P 2021089281
(22)【出願日】2021-05-27
【審査請求日】2023-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】内藤 一孝
(72)【発明者】
【氏名】小田 康太
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-261153(JP,A)
【文献】特開2015-048026(JP,A)
【文献】特開2014-177229(JP,A)
【文献】特開2018-129762(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
H01H 9/30-9/52
H01H 33/00-33/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電スイッチを介した給電を制御する給電制御装置であって、
前記給電スイッチをオン又はオフに切替える切替え器と、
前記給電スイッチのオンへの切替えを指示するオン信号、及び、前記給電スイッチのオフへの切替えを指示するオフ信号を、第1通信線を介して前記切替え器に送信する第1通信部と、
前記第1通信線を介した通信の途絶が発生したか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって、前記途絶が発生したと判定された場合に前記オン信号及びオフ信号を、第2通信線を介して前記切替え器に送信する第2通信部と、
前記第1通信部に前記オン信号又はオフ信号の送信を指示する指示部と、
前記給電スイッチを介して流れるスイッチ電流を取得する取得部と
を備え、
前記判定部は、前記指示部が前記第1通信部に前記オン信号の送信を指示しているにも関わらず、前記取得部が取得したスイッチ電流が所定電流未満である場合、前記途絶が発生したと判定する
給電制御装置。
【請求項2】
前記切替え器、第1通信線及び第2通信線に接続されている通信バスを備え、
前記第1通信部及び第2通信部それぞれは、前記通信バスを介して前記切替え器に前記オン信号又はオフ信号を送信し、
前記第1通信部及び第2通信部は、第1基板に配置され、
前記切替え器及び通信バスは、第2基板に配置されている
請求項1に記載の給電制御装置。
【請求項3】
前記第1通信部に前記オン信号又はオフ信号の送信を指示する指示部と、
前記給電スイッチを介して流れるスイッチ電流を取得する取得部と
を備え、
前記判定部は、前記指示部が前記第1通信部に前記オフ信号の送信を指示しているにも関わらず、前記取得部が取得したスイッチ電流が第2の所定電流以上である場合、前記途絶が発生したと判定する
請求項1
又は請求項2に記載の給電制御装置。
【請求項4】
前記第1通信部に前記オン信号又はオフ信号の送信を指示する指示部を備え、
前記判定部は、前記指示部の動作が停止した場合、前記途絶が発生したと判定する
請求項1から請求項
3のいずれか1項に記載の給電制御装置。
【請求項5】
前記給電スイッチを介して流れる電流の第1電流経路とは異なる第2電流経路に配置されている第2の給電スイッチと、
前記第2の給電スイッチをオン又はオフに切替える第2の切替え器と、
通信の途絶が発生したか否かを判定する第2の判定部と
を備え、
前記第2通信部は、前記第2の給電スイッチのオンへの切替えを指示する第2のオン信号、及び、前記第2の給電スイッチのオフへの切替えを指示する第2のオフ信号を、前記第2通信線を介して前記第2の切替え器に送信し、
前記第2の判定部は、前記第2通信線を介した通信の途絶が発生したか否かを判定し、
前記第1通信部は、前記第2の判定部によって、前記第2通信線を介した通信の途絶が発生したと判定された場合に前記第2のオン信号及び第2のオフ信号を前記第2の切替え器に送信する
請求項1から請求項
4のいずれか1項に記載の給電制御装置。
【請求項6】
給電スイッチを介した給電を制御する給電制御方法であって、
前記給電スイッチをオン又はオフに切替える切替え器に、前記給電スイッチのオンへの切替えを指示するオン信号、及び、前記給電スイッチのオフへの切替えを指示するオフ信号を、第1通信線を介して送信するステップと、
前記第1通信線を介した前記オン信号又はオフ信号の送信を指示するステップと、
前記給電スイッチを介して流れるスイッチ電流を取得するステップと、
前記第1通信線を介した通信の途絶が発生したか否かを判定するステップと、
前記途絶が発生したと判定した場合に前記オン信号及びオフ信号を、第2通信線を介して前記切替え器に送信するステップと、
を含み、
前記第1通信線を介した前記オン信号又はオフ信号の送信を指示しているにも関わらず、取得したスイッチ電流が所定電流未満である場合、前記途絶が発生したと判定する
給電制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は給電制御装置及び給電制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電源から負荷への給電を制御する給電制御装置が開示されている。電源から負荷への給電経路にスイッチが配置されている。マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)は、スイッチのオン又はオフを指示する制御信号を送信する。マイコンが送信した制御信号に従って、スイッチがオン又はオフに切替えられる。これにより、給電が制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、マイコンは、通信線を介して制御信号を送信する。しかしながら、通信線を介した通信の途絶について考慮されていない。通信の途絶が発生した場合、スイッチをオン又はオフに切替えることができない。
【0005】
本開示は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、通信の途絶が発生した場合であっても、スイッチをオン又はオフに切替えることができる給電制御装置及び給電制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る給電制御装置は、給電スイッチを介した給電を制御する給電制御装置であって、前記給電スイッチをオン又はオフに切替える切替え器と、前記給電スイッチのオンへの切替えを指示するオン信号、及び、前記給電スイッチのオフへの切替えを指示するオフ信号を、第1通信線を介して前記切替え器に送信する第1通信部と、前記第1通信線を介した通信の途絶が発生したか否かを判定する判定部と、前記判定部によって、前記途絶が発生したと判定された場合に前記オン信号及びオフ信号を、第2通信線を介して前記切替え器に送信する第2通信部とを備える。
【0007】
本開示の一態様に係る給電制御方法は、給電スイッチを介した給電を制御する給電制御方法であって、前記給電スイッチをオン又はオフに切替える切替え器に、前記給電スイッチのオンへの切替えを指示するオン信号、及び、前記給電スイッチのオフへの切替えを指示するオフ信号を、第1通信線を介して送信するステップと、前記第1通信線を介した通信の途絶が発生したか否かを判定するステップと、前記途絶が発生したと判定した場合に前記オン信号及びオフ信号を、第2通信線を介して前記切替え器に送信するステップとを含む。
【0008】
なお、本開示を、このような特徴的な処理を実行する給電制御装置として実現することができるだけでなく、かかる特徴的な処理をステップとする給電制御方法として実現したり、かかるステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムとして実現したりすることができる。また、本開示を、給電制御装置の一部又は全部を実現する半導体集積回路として実現したり、給電制御装置を含む電源システムとして実現したりすることができる。
【発明の効果】
【0009】
上記の態様によれば、通信の途絶が発生した場合であっても、スイッチをオン又はオフに切替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態1における電源システムの要部構成を示すブロック図である。
【
図4】切替え処理の手順を示すフローチャートである。
【
図5】第1給電制御器及び第2給電制御器の要部構成を示すブロック図である。
【
図6】第1マイコンの要部構成を示すブロック図である。
【
図7】信号送信処理の手順を示すフローチャートである。
【
図8】途絶検知処理の手順を示すフローチャートである。
【
図10】第1バックアップ回路の動作を示す図表である。
【
図11】第2マイコンの要部構成を示すブロック図である。
【
図12】代理送信処理の手順を示すフローチャートである。
【
図13】給電制御装置が行う動作の第1例を示すタイミングチャートである。
【
図14】給電制御装置が行う動作の第2例を示すタイミングチャートである。
【
図15】実施形態2における電源システムの要部構成を示すブロック図である。
【
図17】第1給電制御器及び第2給電制御器の要部構成を示すブロック図である。
【
図18】第1マイコンの要部構成を示すブロック図である。
【
図19】第2マイコンの要部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0012】
(1)本開示の一態様に係る給電制御装置は、給電スイッチを介した給電を制御する給電制御装置であって、前記給電スイッチをオン又はオフに切替える切替え器と、前記給電スイッチのオンへの切替えを指示するオン信号、及び、前記給電スイッチのオフへの切替えを指示するオフ信号を、第1通信線を介して前記切替え器に送信する第1通信部と、前記第1通信線を介した通信の途絶が発生したか否かを判定する判定部と、前記判定部によって、前記途絶が発生したと判定された場合に前記オン信号及びオフ信号を、第2通信線を介して前記切替え器に送信する第2通信部とを備える。
【0013】
(2)本開示の一態様に係る給電制御装置は、前記切替え器、第1通信線及び第2通信線に接続されている通信バスを備え、前記第1通信部及び第2通信部それぞれは、前記通信バスを介して前記切替え器に前記オン信号又はオフ信号を送信し、前記第1通信部及び第2通信部は、第1基板に配置され、前記切替え器及び通信バスは、第2基板に配置されている。
【0014】
(3)本開示の一態様に係る給電制御装置は、前記第1通信部に前記オン信号又はオフ信号の送信を指示する指示部と、前記給電スイッチを介して流れるスイッチ電流を取得する取得部とを備え、前記判定部は、前記指示部が前記第1通信部に前記オン信号の送信を指示しているにも関わらず、前記取得部が取得したスイッチ電流が所定電流未満である場合、前記途絶が発生したと判定する。
【0015】
(4)本開示の一態様に係る給電制御装置は、前記第1通信部に前記オン信号又はオフ信号の送信を指示する指示部と、前記給電スイッチを介して流れるスイッチ電流を取得する取得部とを備え、前記判定部は、前記指示部が前記第1通信部に前記オフ信号の送信を指示しているにも関わらず、前記取得部が取得したスイッチ電流が第2の所定電流以上である場合、前記途絶が発生したと判定する。
【0016】
(5)本開示の一態様に係る給電制御装置は、前記第1通信部に前記オン信号又はオフ信号の送信を指示する指示部を備え、前記判定部は、前記指示部の動作が停止した場合、前記途絶が発生したと判定する。
【0017】
(6)本開示の一態様に係る給電制御装置は、前記給電スイッチを介して流れる電流の第1電流経路とは異なる第2電流経路に配置されている第2の給電スイッチと、前記第2の給電スイッチをオン又はオフに切替える第2の切替え器と、通信の途絶が発生したか否かを判定する第2の判定部とを備え、前記第2通信部は、前記第2の給電スイッチのオンへの切替えを指示する第2のオン信号、及び、前記第2の給電スイッチのオフへの切替えを指示する第2のオフ信号を、前記第2通信線を介して前記第2の切替え器に送信し、前記第2の判定部は、前記第2通信線を介した通信の途絶が発生したか否かを判定し、前記第1通信部は、前記第2の判定部によって、前記第2通信線を介した通信の途絶が発生したと判定された場合に前記第2のオン信号及び第2のオフ信号を前記第2の切替え器に送信する。
【0018】
(7)本開示の一態様に係る給電制御方法は、給電スイッチを介した給電を制御する給電制御方法であって、前記給電スイッチをオン又はオフに切替える切替え器に、前記給電スイッチのオンへの切替えを指示するオン信号、及び、前記給電スイッチのオフへの切替えを指示するオフ信号を、第1通信線を介して送信するステップと、前記第1通信線を介した通信の途絶が発生したか否かを判定するステップと、前記途絶が発生したと判定した場合に前記オン信号及びオフ信号を、第2通信線を介して前記切替え器に送信するステップとを含む。
【0019】
上記の態様に係る給電制御装置及び給電制御方法にあっては、切替え器は、第1通信線を介して送信された信号に従って給電スイッチをオン又はオフに切替える。第1通信線を介した通信の途絶が発生した場合、第2通信線を介してオン信号及びオフ信号が送信される。切替え器は、第2通信線を介して送信された信号に従って給電スイッチをオン又はオフに切替える。従って、第1通信線を介した通信の途絶が発生した場合であっても、切替え器は給電スイッチをオン又はオフに切替えることができる。
【0020】
上記の態様に係る給電制御装置にあっては、第1基板は、第1通信線によって第2基板に接続されている。このため、第1通信線は断線し易い。第1通信線が断線した場合、第1通信線を介した通信が途絶する。第2通信部が第1通信部の代わりにオン信号及びオフ信号を切替え器に送信する。第2通信部が果たす役割は大きい。
【0021】
上記の態様に係る給電制御装置にあっては、指示部が第1通信部にオン信号の送信を指示したにも関わらず、スイッチ電流が小さい場合、通信の途絶の発生が検知される。
【0022】
上記の態様に係る給電制御装置にあっては、指示部が第1通信部にオフ信号の送信を指示したにも関わらず、スイッチ電流が大きい場合、通信の途絶の発生が検知される。
【0023】
上記の態様に係る給電制御装置にあっては、指示部が動作を停止した場合、通信の途絶の発生が検知される。
【0024】
上記の態様に係る給電制御装置にあっては、第2の切替え器は、第2通信線を介して送信された信号に従って第2の給電スイッチをオン又はオフに切替える。第2通信線を介した通信の途絶が発生した場合、第1通信線を介してオン信号及びオフ信号が送信される。第2の切替え器は、第1通信線を介して送信された信号に従って第2の給電スイッチをオン又はオフに切替える。従って、第2通信線を介した通信の途絶が発生した場合であっても、第2の切替え器は第2の給電スイッチをオン又はオフに切替えることができる。
【0025】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係る電源システムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0026】
(実施形態1)
<電源システムの構成>
図1は、実施形態1における電源システム1の要部構成を示すブロック図である。電源システム1は車両Cに搭載されている。電源システム1は、給電制御装置10、直流電源11、負荷12及び操作スイッチ13を備える。直流電源11は、例えばバッテリである。負荷12は電気機器である。負荷12に電力が供給された場合、負荷12は作動する。負荷12への給電が停止した場合、負荷12は動作を停止する。
【0027】
給電制御装置10は給電スイッチ30を有する。給電スイッチ30はNチャネル型のFET(Field Effect Transistor)である。給電スイッチ30がオンである場合、給電スイッチ30のドレイン及びソース間の抵抗値は十分に小さい。このため、給電スイッチ30のドレイン及びソースを介して電流が流れることが可能である。給電スイッチ30がオフである場合、給電スイッチ30のドレイン及びソース間の抵抗値は十分に大きい。このため、給電スイッチ30のドレイン及びソースを介して電流が流れることはない。
【0028】
給電制御装置10の給電スイッチ30のドレイン及びソースそれぞれは、直流電源11の正極、及び、負荷12の一端に接続されている。直流電源11の負極と、負荷12の他端とは接地されている。接地は、例えば、車両Cのボディへの接続によって実現される。操作スイッチ13の一端は給電制御装置10に接続されている。操作スイッチ13の他端は接地されている。
【0029】
給電制御装置10には、車両Cに関連する車両情報が入力される。車両情報は、車両Cの速度、車両Cの加速度、車両C周辺の明るさ等を示す。操作スイッチ13は、車両Cの乗員によってオン又はオフに切替えられる。給電制御装置10は、操作スイッチ13の状態と、入力された車両情報とに基づいて、給電スイッチ30をオン又はオフに切替える。
【0030】
給電制御装置10が給電スイッチ30をオンに切替えた場合、直流電源11の正極から、電流が給電スイッチ30及び負荷12の順に流れ、負荷12に電力が供給される。結果、負荷12は作動する。給電制御装置10が給電スイッチ30をオフに切替えた場合、給電スイッチ30を介した負荷12への給電が停止する。結果、負荷12は動作を停止する。給電制御装置10は、給電スイッチ30をオン又はオフに切替えることによって、給電スイッチ30を介した直流電源11から負荷12への給電を制御する。
【0031】
<給電制御装置10の構成>
給電制御装置10は、IPD(Intelligent Power Device)20、第1給電制御器21、第2給電制御器22、装置抵抗23及び通信バスFを有する。IPD20は給電スイッチ30を有する。IPD20は第1給電制御器21に接続されている。IPD20は、更に、IPD通信線E1によって、通信バスFに接続されている。第1給電制御器21は、更に、第1機器通信線G1によって、通信バスFに接続されている。第1給電制御器21は、更に、第2給電制御器22に接続されている。第2給電制御器22は、更に、第2機器通信線G2によって通信バスFに接続されている。通信バスFは、IPD通信線E1、第1機器通信線G1及び第2機器通信線G2に接続されている。第1機器通信線G1及び第2機器通線G2それぞれは、第1通信線及び第2通信線として機能する。
【0032】
装置抵抗23の一端に一定電圧Vcが印加されている。一定電圧Vcは、例えば、レギュレータが直流電源11の両端間の電圧を降圧することによって生成される。装置抵抗23の他端は操作スイッチ13の一端に接続されている。前述したように、操作スイッチ13の他端は接地されている。装置抵抗23及び操作スイッチ13間の接続ノードは、第1給電制御器21に接続されている。
【0033】
第1給電制御器21及び第2給電制御器22それぞれは、給電スイッチ30のオンへの切替えを指示するオン信号と、給電スイッチ30のオフへの切替えを指示するオフ信号とをIPD20に送信する。第1給電制御器21は、第1機器通信線G1、通信バスF及びIPD通信線E1を介して、オン信号及びオフ信号をIPD20に送信する。第2給電制御器22は、第2機器通信線G2、通信バスF及びIPD通信線E1を介して、オン信号及びオフ信号をIPD20に送信する。
【0034】
IPD20は、オン信号を受信した場合、給電スイッチ30をオンに切替える。IPD20は、オフ信号を受信した場合、給電スイッチ30をオフに切替える。IPD20は、給電スイッチ30を介して流れるスイッチ電流を示すアナログの電流情報を第1給電制御器21に出力する。電流情報は、スイッチ電流に比例する電圧である。
【0035】
車両Cの乗員は、操作スイッチ13をオンに切替えることによって、給電スイッチ30のオンへの切替えを指示する。車両Cの乗員は、操作スイッチ13をオフに切替えることによって、給電スイッチ30のオフへの切替えを指示する。第1給電制御器21には、装置抵抗23及び操作スイッチ13間の接続ノードから、給電スイッチ30のオン又はオフへの切替えを指示する指示信号が入力される。指示信号はハイレベル電圧又はローレベル電圧を示す。ハイレベル電圧は、正の電圧閾値以上の電圧である。ローレベル電圧は、電圧閾値未満の電圧である。一定電圧Vcは電圧閾値以上である。ゼロVは電圧閾値未満である。
【0036】
操作スイッチ13がオンである場合、電流は装置抵抗23及び操作スイッチ13の順に流れる。このとき、装置抵抗23及び操作スイッチ13間の接続ノードの電圧は、ゼロVであり、ローレベル電圧である。従って、操作スイッチ13がオンである場合、指示信号はローレベル電圧を示す。指示信号は、ローレベル電圧を示すことによって、給電スイッチ30のオンへの切替えを指示する。
【0037】
操作スイッチ13がオフである場合、装置抵抗23を介して電流が流れることはない。このとき、装置抵抗23及び操作スイッチ13間の接続ノードの電圧は、一定電圧Vcであり、ハイレベル電圧である。従って、操作スイッチ13がオフである場合、指示信号はハイレベル電圧を示す。指示信号は、ハイレベル電圧を示すことによって、給電スイッチ30のオフへの切替えを指示する。
【0038】
第1給電制御器21には、車両情報が入力される。第1給電制御器21は、指示信号及び車両情報に基づいて、オン信号又はオフ信号を、第1機器通信線G1を介してIPD20に送信する。第1給電制御器21は、通常、ローレベル電圧を第2給電制御器22に出力している。第1給電制御器21は、第1機器通信線G1を介した通信の途絶が発生したか否かを判定する。判定を行う1つの方法では、電流情報が用いられる。第1給電制御器21は、第1機器通信線G1を介した通信の途絶が発生したと判定した場合、指示信号の指示に応じた電圧を第2給電制御器22に出力する。指示信号が給電スイッチ30のオンへの切替えを指示する場合、第1給電制御器21はハイレベル電圧を第2給電制御器22に出力する。指示信号が給電スイッチ30のオフへの切替えを指示する場合、第1給電制御器21はローレベル電圧を第2給電制御器22に出力する。
【0039】
第2給電制御器22は、第1給電制御器21から入力されている電圧がローレベル電圧からハイレベル電圧に切替わった場合、第2機器通信線G2を介して、オン信号をIPD20に送信する。第2給電制御器22は、第1給電制御器21から入力されている電圧がハイレベル電圧からローレベル電圧に切替わった場合、第2機器通信線G2を介して、オフ信号をIPD20に送信する。以上のように、第2給電制御器22は、第1機器通信線G1を介した通信の途絶の発生が検知された場合、第1給電制御器21の代わりにオン信号及びオフ信号をIPD20に送信する。
【0040】
<給電制御装置10の外観>
図2は給電制御装置10の平面図である。給電制御装置10は、制御基板Bc及びスイッチ基板Bsを更に有する。制御基板Bcの主面には、第1給電制御器21及び第2給電制御器22が配置されている。板に関して、主面は、幅が広い面であり、端面とは異なる。スイッチ基板Bsの主面には、IPD20が配置されている。スイッチ基板Bsの主面には、更に、通信バスFが配置されている。前述したように、IPD20は第1給電制御器21に接続されている。IPD20、第1給電制御器21及び第2給電制御器22それぞれは、IPD通信線E1、第1機器通信線G1及び第2機器通信線G2によって通信バスFに接続されている。制御基板Bc及びスイッチ基板Bsそれぞれは、第1基板及び第2基板として機能する。
【0041】
制御基板Bcは、IPD20及び第1給電制御器21間の接続線と、第1機器通信線G1と、第2機器通信線G2とによって、スイッチ基板Bsに接続されている。このため、第1機器通信線G1は断線し易い。第1機器通信線G1が断線した場合、第1機器通信線G1を介した通信が途絶する。結果、第2給電制御器22が、第1給電制御器21の代わりにオン信号及びオフ信号をIPD20に送信する。第2給電制御器22が果たす役割は大きい。
【0042】
<IPD20の構成>
図3はIPD20の要部構成を示すブロック図である。IPD20は、給電スイッチ30に加えて、切替え器31、電流出力回路32及び検出抵抗33を有する。従って、切替え器31、電流出力回路32及び検出抵抗33はスイッチ基板Bsの主面に配置されている。切替え器31は駆動回路40及び制御IC41を有する。ICはIntegrated Circuitの略語である。制御IC41は、IC出力部50、IC通信部51及びIC制御部52を有する。給電スイッチ30のゲートは、切替え器31の駆動回路40に接続されている。駆動回路40は、更に、制御IC41のIC出力部50に接続されている。IC出力部50、IC通信部51及びIC制御部52はICバス53に接続されている。IC通信部51は、更に、IPD通信線E1によって通信バスFに接続されている。
【0043】
給電スイッチ30のドレインは、更に、電流出力回路32に接続されている。電流出力回路32は、検出抵抗33の一端に接続されている。検出抵抗33の他端は接地されている。電流出力回路32及び検出抵抗33の接続ノードは第1給電制御器21に接続されている。
【0044】
給電スイッチ30について、基準電位がソースの電位であるゲートの電圧が一定のオン閾値以上である場合、給電スイッチ30はオンである。基準電位がソースの電位であるゲートの電圧が一定のオフ閾値未満である場合、給電スイッチ30はオフである。オン閾値はオフ閾値以上である。IC出力部50は駆動回路40にハイレベル電圧又はローレベル電圧を出力している。
【0045】
IC出力部50の出力電圧がローレベル電圧からハイレベル電圧に切替わった場合、駆動回路40は、基準電位が接地電位である給電スイッチ30のゲートの電圧を上昇させる。これにより、給電スイッチ30では、基準電位がソースの電位であるゲートの電圧がオン閾値以上の電圧に上昇し、給電スイッチ30はオンに切替わる。
【0046】
IC出力部50の出力電圧がハイレベル電圧からローレベル電圧に切替わった場合、駆動回路40は、基準電位が接地電位である給電スイッチ30のゲートの電圧を低下させる。これにより、給電スイッチ30では、基準電位がソースの電位であるゲートの電圧がオフ閾値未満の電圧に低下し、給電スイッチ30はオフに切替わる。以上のように、駆動回路40は、IC出力部50の出力電圧に応じて、給電スイッチ30をオン又はオフに切替える。
【0047】
IC出力部50は、IC制御部52の指示に従って、駆動回路40に出力している電圧をローレベル電圧又はハイレベル電圧に切替える。IC通信部51は、第1給電制御器21及び第2給電制御器22からオン信号及びオフ信号を受信する。IC制御部52は処理素子、例えば、CPU(Central Processing Unit)を有する。IC制御部52の処理素子は、コンピュータプログラムを実行することによって、給電スイッチ30をオン又はオフに切替える切替え処理を実行する。コンピュータプログラムは、制御IC41が有する図示しない記憶部に記憶されている。なお、IC制御部52が有する処理素子の数は2以上であってもよい。この場合、複数の処理素子が協同で切替え処理を実行してもよい。
【0048】
図4は切替え処理の手順を示すフローチャートである。切替え処理では、IC制御部52は、IC通信部51がオン信号を受信したか否かを判定する(ステップS1)。IC制御部52は、IC通信部51がオン信号を受信していないと判定した場合(S1:NO)、IC通信部51がオフ信号を受信したか否かを判定する(ステップS2)。IC制御部52は、IC通信部51がオフ信号を受信していないと判定した場合(S2:NO)、ステップS1を実行し、IC通信部51がオン信号又はオフ信号を受信するまで待機する。
【0049】
IC制御部52は、IC通信部51がオン信号を受信したと判定した場合(S1:YES)、IC出力部50に、給電スイッチ30のオンへの切替えを指示する(ステップS3)。IC出力部50は、給電スイッチ30のオンへの切替えが指示された場合、駆動回路40に出力している出力電圧をローレベル電圧からハイレベル電圧に切替える。これにより、駆動回路40は給電スイッチ30をオンに切替える。
【0050】
IC制御部52は、IC通信部51がオフ信号を受信したと判定した場合(S2:YES)、IC出力部50に、給電スイッチ30のオフへの切替えを指示する(ステップS4)。IC出力部50は、給電スイッチ30のオフへの切替えが指示された場合、駆動回路40に出力している出力電圧をハイレベル電圧からローレベル電圧に切替える。これにより、駆動回路40は給電スイッチ30をオフに切替える。IC制御部52は、ステップS3,S4の一方を実行した後、切替え処理を終了する。IC制御部52は、切替え処理を終了した後、再び切替え処理を実行する。
【0051】
以上のように、IPD20では、IC通信部51がオン信号を受信した場合、駆動回路40は給電スイッチ30をオンに切替える。IC通信部51がオフ信号を受信した場合、駆動回路40は給電スイッチ30をオフに切替える。電流出力回路32及び検出抵抗33間の接続ノードから第1給電制御器21に電流情報が出力される。
【0052】
図3に示す電流出力回路32は、給電スイッチ30のドレインから電流を引き込み、引き込んだ電流を検出抵抗33に出力する。電流出力回路32が出力する出力電流は(スイッチ電流)/(所定数)で表される。所定数は例えば1000である。検出抵抗33の両端間の電圧は、電流情報として、第1給電制御器21に出力される。電流情報は、(スイッチ電流)・(検出抵抗33の抵抗値)/(所定数)で表される。検出抵抗33の抵抗値及び所定数は一定値であるため、電流情報は、給電スイッチ30を介して流れるスイッチ電流を示す。
【0053】
<第1給電制御器21及び第2給電制御器22の構成>
図5は、第1給電制御器21及び第2給電制御器22の要部構成を示すブロック図である。第1給電制御器21は、第1マイクロコンピュータ60、第1バックアップ回路61及び第1ウォッチドッグタイマ62を有する。以下では、マイクロコンピュータをマイコンと記載する。ウォッチドッグタイマをWDTと記載する。第2給電制御器22は第2マイコン70を有する。
【0054】
第1マイコン60は、IPD20の電流出力回路32及び検出抵抗33間の接続ノードと、装置抵抗23及び操作スイッチ13間の接続ノードとに各別に接続されている。第1マイコン60は、更に、第1機器通信線G1によって通信バスFに接続されている。第1マイコン60は、更に、第1バックアップ回路61及び第1WDT62に各別に接続されている。第1バックアップ回路61は、更に、装置抵抗23及び操作スイッチ13間の接続ノードと、第1WDT62と、第2給電制御器22の第2マイコン70とに接続されている。第2マイコン70は、更に、第2機器通信線G2によって通信バスFに接続されている。
【0055】
装置抵抗23及び操作スイッチ13間の接続ノードから第1マイコン60に指示信号が入力される。第1マイコン60には、更に、車両情報が入力される。第1マイコン60は、入力された指示信号及び車両情報に基づいて、オン信号又はオフ信号を、第1機器通信線G1を介して、IPD20のIC通信部51に送信する。第1マイコン60には、更に、IPD20の電流出力回路32及び検出抵抗33間の接続ノードから電流情報が入力される。第1マイコン60は、入力された電流情報に基づいて、第1機器通信線G1を介した通信の途絶が発生したか否かを判定する。
【0056】
第1マイコン60は、通常、ローレベル電圧を第1バックアップ回路61に出力している。第1マイコン60は、第1機器通信線G1を介した通信の途絶を検知した場合、第1バックアップ回路61に出力している電圧をローレベル電圧からハイレベル電圧に切替える。
【0057】
第1マイコン60は、作動中、第1マイコン60の作動を示す作動信号を周期的に第1WDT62に出力する。第1マイコン60は、動作を停止した場合、周期的な作動信号の出力を停止する。第1WDT62は、作動信号が入力されていない未入力時間を計測している。第1マイコン60から第1WDT62に作動信号が入力された場合、第1WDT62は、未入力時間をゼロにリセットする。第1WDT62は、計測している未入力時間に基づいて、第1マイコン60の動作が停止しているか否かを判定する。第1マイコン60の動作が停止した場合、第1機器通信線G1を介した通信は途絶する。従って、第1WDT62は、第1マイコン60の動作が停止しているか否かを判定することによって、第1機器通信線G1を介した通信の途絶が発生しているか否かを判定する。第1WDT62は判定部として機能する。
【0058】
以下では、作動信号の送信の周期よりも長い一定の時間を時間閾値と記載する。第1WDT62は、未入力時間が時間閾値未満である場合、第1マイコン60は作動していると判定する。このとき、第1WDT62は、第1機器通信線G1を介した通信の途絶は発生していないと判定する。第1WDT62は、未入力時間が時間閾値以上の時間となった場合、第1マイコン60の動作が停止していると判定する。このとき、第1WDT62は、第1機器通信線G1を介した通信の途絶が発生したと判定する。第1マイコン60が動作を停止した場合、未入力時間が時間閾値以上の時間となるので、第1WDT62は、第1機器通信線G1を介した通信の途絶の発生を検知する。
【0059】
第1WDT62は、通常、第1バックアップ回路61にハイレベル電圧を出力している。第1WDT62は、第1機器通信線G1を介した通信の途絶が発生したと判定した場合、第1バックアップ回路61に出力している電圧をハイレベル電圧からローレベル電圧に切替える。
【0060】
第1マイコン60及び第1WDT62それぞれがローレベル電圧及びハイレベル電圧を出力している場合、第1バックアップ回路61は、指示信号が示す電圧に無関係にローレベル電圧を、第2給電制御器22の第2マイコン70に出力している。第1マイコン60が出力電圧をローレベル電圧からハイレベル電圧に切替えた場合、又は、第1WDT62が出力電圧をハイレベル電圧からローレベル電圧に切替えた場合、第1バックアップ回路61は、指示信号が示す指示に応じた電圧を第2マイコン70に出力する。
【0061】
指示信号が給電スイッチ30のオンへの切替えを指示する場合、第1バックアップ回路61はハイレベル電圧を第2マイコン70に出力する。指示信号が給電スイッチ30のオフへの切替えを指示する場合、第1バックアップ回路61はローレベル電圧を第2マイコン70に出力する。
【0062】
第2マイコン70は、第1バックアップ回路61から入力された入力電圧がローレベル電圧からハイレベル電圧に切替わった場合、オン信号を、第2機器通信線G2を介してIPD20のIC通信部51に送信する。第2マイコン70は、第1バックアップ回路61から入力された入力電圧がハイレベル電圧からローレベル電圧に切替わった場合、オフ信号を、第2機器通信線G2を介してIPD20のIC通信部51に送信する。
【0063】
以上のように、第1マイコン60又は第1WDT62が第1機器通信線G1を介した通信の途絶の発生を検知した場合、第1バックアップ回路61は指示信号の指示に応じた電圧を第2マイコン70に出力する。第2マイコン70は、第1マイコン60の代わりに、第1バックアップ回路61の出力電圧に応じて、オン信号及びオフ信号をIPD20のIC通信部51に送信する。
【0064】
<第1マイコン60の構成>
図6は第1マイコン60の要部構成を示すブロック図である。第1マイコン60は、第1機器通信部80、第1情報入力部81、第1A/D変換部82、第1電圧出力部83、第1信号出力部84、第1信号入力部85、第1記憶部86及び第1制御部87を有する。従って、第1機器通信部80、第1情報入力部81、第1A/D変換部82、第1電圧出力部83、第1信号出力部84、第1信号入力部85、第1記憶部86及び第1制御部87は制御基板Bcの主面に配置されている。
【0065】
第1機器通信部80、第1情報入力部81、第1A/D変換部82、第1電圧出力部83、第1信号出力部84、第1信号入力部85、第1記憶部86及び第1制御部87は、第1装置バス88に接続されている。第1機器通信部80は、更に、第1機器通信線G1によって通信バスFに接続されている。第1A/D変換部82は、IPD20の電流出力回路32及び検出抵抗33間の接続ノードに接続されている。第1電圧出力部83は第1バックアップ回路61に接続されている。第1信号出力部84は第1WDT62に接続されている。第1信号入力部85は、装置抵抗23及び操作スイッチ13間の接続ノードに接続されている。
【0066】
第1機器通信部80は、第1制御部87の指示に従って、オン信号及びオフ信号を、第1機器通信線G1、通信バスF及びIPD通信線E1を介して、IPD20のIC通信部51に送信する。第1機器通信部80は第1通信部として機能する。車両情報は、第1情報入力部81に入力される。IPD20の電流出力回路32及び検出抵抗33間の接続ノードから第1A/D変換部82にアナログの電流情報が入力される。第1A/D変換部82は、入力されたアナログの電流情報をデジタルの電流情報に変換する。第1制御部87は、第1A/D変換部82が変換したデジタルの電流情報を取得する。
【0067】
前述したように、電流情報は、給電スイッチ30を介して流れるスイッチ電流を示す。電流情報の取得はスイッチ電流の取得に相当する。第1制御部87は取得部として機能する。
【0068】
第1電圧出力部83は、第1バックアップ回路61にハイレベル電圧又はローレベル電圧を出力している。第1電圧出力部83は、第1制御部87の指示に従って、出力電圧をハイレベル電圧又はローレベル電圧に切替える。第1信号出力部84は、第1制御部87の指示に従って作動信号を第1WDT62に出力する。装置抵抗23及び操作スイッチ13間の接続ノードから指示信号が第1信号入力部85に入力される。
【0069】
第1記憶部86は、例えば、揮発性メモリ及び不揮発性メモリによって構成される。第1記憶部86には第1プログラムP1が記憶されている。第1プログラムP1はコンピュータプログラムである。第1制御部87は、処理を実行する処理素子、例えばCPUを有する。第1制御部87の処理素子は、第1プログラムP1を実行することによって、出力処理、信号送信処理及び途絶検知処理等を実行する。出力処理は、作動信号を第1WDT62に出力する処理である。信号送信処理は、オン信号又はオフ信号を送信する処理である。途絶検知処理は、第1機器通信線G1を介した通信の途絶を検知する処理である。
【0070】
なお、第1プログラムP1は、第1プログラムP1を読み取り可能に記憶した非一時的な第1記憶媒体A1を用いて、第1マイコン60に提供されてもよい。第1記憶媒体A1は、例えば可搬型メモリである。第1記憶媒体A1が可搬型メモリである場合、第1制御部87の処理素子は、図示しない読取装置を用いて第1記憶媒体A1から第1プログラムP1を読み取ってもよい。読み取った第1プログラムP1は第1記憶部86に書き込まれる。更に、第1プログラムP1は、第1マイコン60の図示しない通信部が外部装置と通信することによって、第1マイコン60に提供されてもよい。この場合、第1制御部87の処理素子は、通信部を通じて第1プログラムP1を取得する。取得した第1プログラムP1は第1記憶部86に書き込まれる。第1制御部87が有する処理素子の数は2以上であってもよい。この場合、複数の処理素子は、出力処理、信号送信処理及び途絶検知処理等を協同して実行してもよい。
【0071】
第1制御部87が動作を停止した場合、第1マイコン60は動作を停止する。従って、第1マイコン60の動作の停止は、第1制御部87の動作の停止に相当する。
【0072】
出力処理では、第1制御部87は、1周期が経過する都度、第1信号出力部84に指示して、作動信号を第1WDT62に出力させる。
【0073】
図7は信号送信処理の手順を示すフローチャートである。第1記憶部86には、状態フラグの値が記憶されている。第1制御部87は、状態フラグの値をゼロ又は1に変更する。後述するように、第1制御部87は、第1機器通信部80にオン信号の送信を指示した場合、状態フラグの値を1に変更する。第1制御部87は、第1機器通信部80にオフ信号の送信を指示した場合、状態フラグの値をゼロに変更する。
【0074】
信号送信処理部では、第1制御部87は、まず、状態フラグの値がゼロであるか否かを判定する(ステップS11)。状態フラグの値がゼロではない場合、状態フラグの値は1である。第1制御部87は、状態フラグの値がゼロであると判定した場合(S11:YES)、指示信号によって、給電スイッチ30のオンへの切替えが指示されているか否かを判定する(ステップS12)。指示信号がローレベル電圧を示す場合、指示信号は、給電スイッチ30のオンへの切替えを指示している。第1制御部87は、給電スイッチ30のオンへの切替えが指示されていないと判定した場合(S12:NO)、ステップS12を再び実行する。第1制御部87は、指示信号が示す電圧がハイレベル電圧からローレベル電圧に切替わるまで待機する。
【0075】
第1制御部87は、指示信号によって給電スイッチ30のオンへの切替えが指示されていると判定した場合(S12:YES)、第1情報入力部81に入力されている車両情報に基づいて、給電スイッチ30をオンに切替えてよいか否かを判定する(ステップS13)。負荷12が車両Cのドアを解錠するモータであり、かつ、車両情報が車両Cの速度を示していると仮定する。この場合において、例えば、車両情報が示す速度がゼロであるとき、第1制御部87は、給電スイッチ30をオンに切替えてよいと判定する。同様の場合において、例えば、車両情報が示す速度がゼロを超えているとき、第1制御部87は、給電スイッチ30をオンに切替えてはいけないと判定する。
【0076】
第1制御部87は、給電スイッチ30をオンに切替えてよいと判定した場合(S13:YES)、オン信号の送信を第1機器通信部80に指示する(ステップS14)。これにより、第1機器通信部80は、第1機器通信線G1を介して、オン信号をIPD20のIC通信部51に送信し、IPD20の駆動回路40は給電スイッチ30をオンに切替える。第1制御部87は指示部としても機能する。第1制御部87は、ステップS14を実行した後、状態フラグの値を1に変更する(ステップS15)。第1制御部87は、給電スイッチ30をオンに切替えてはいけないと判定した場合(S13:NO)、又は、ステップS15を実行した後、信号送信処理を終了する。第1制御部87は、信号送信処理を終了した後、再び信号送信処理を実行する。
【0077】
第1制御部87は、状態フラグの値がゼロではないと判定した場合(S11:NO)、指示信号によって、給電スイッチ30のオフへの切替えが指示されているか否かを判定する(ステップS16)。指示信号がハイレベル電圧を示す場合、指示信号は、給電スイッチ30のオフへの切替えを指示している。第1制御部87は、給電スイッチ30のオフへの切替えが指示されていないと判定した場合(S16:NO)、ステップS16を再び実行する。第1制御部87は、指示信号が示す電圧がローレベル電圧からハイレベル電圧に切替わるまで待機する。
【0078】
第1制御部87は、指示信号によって給電スイッチ30のオフへの切替えが指示されていると判定した場合(S16:YES)、第1情報入力部81に入力されている車両情報に基づいて、給電スイッチ30をオフに切替えてよいか否かを判定する(ステップS17)。負荷12が車両Cのヘッドライトであり、かつ、車両情報が車両Cの速度と車両C周辺の明るさとを示していると仮定する。この場合において、例えば、車両情報が示す明るさが大きいとき、第1制御部87は、車両Cの速度に無関係に、給電スイッチ30をオフに切替えてよいと判定する。同様の場合において、例えば、車両Cの速度がゼロを超えており、かつ、車両情報が示す明るさが小さいとき、第1制御部87は、給電スイッチ30をオフに切替えてはいけないと判定する。
【0079】
第1制御部87は、給電スイッチ30をオフに切替えてよいと判定した場合(S17:YES)、オフ信号の送信を第1機器通信部80に指示する(ステップS18)。これにより、第1機器通信部80は、第1機器通信線G1を介して、オフ信号をIPD20のIC通信部51に送信し、IPD20の駆動回路40は給電スイッチ30をオフに切替える。第1制御部87は、ステップS18を実行した後、状態フラグの値をゼロに変更する(ステップS19)。第1制御部87は、給電スイッチ30をオフに切替えてはいけないと判定した場合(S17:NO)、又は、ステップS19を実行した後、信号送信処理を終了する。第1制御部87は、信号送信処理を終了した後、再び信号送信処理を実行する。
【0080】
以上のように、指示信号が給電スイッチ30のオンへの切替えを指示する場合、第1機器通信部80はオン信号をIPD20のIC通信部51に送信する。これにより、駆動回路40は給電スイッチ30がオンに切替える。指示信号が給電スイッチ30のオフへの切替えを指示する場合、第1機器通信部80はオフ信号をIPD20のIC通信部51に送信する。これにより、駆動回路40は給電スイッチ30をオフに切替える。
【0081】
図8は途絶検知処理の手順を示すフローチャートである。途絶検知処理では、第1制御部87は、まず、状態フラグの値を読み出し(ステップS21)、第1A/D変換部82から電流情報を取得する(ステップS22)。前述したように、電流情報の取得はスイッチ電流の取得に相当する。次に、第1制御部87は、ステップS21で読み取った状態フラグの値と、ステップS22で取得した電流情報が示すスイッチ電流とに基づいて、第1機器通信線G1を介した通信の途絶が発生しているか否かを判定する(ステップS23)。第1制御部87は判定部としても機能する。前述したように、第1WDT62も判定部として機能する。
【0082】
ステップS21で読み取られた状態フラグの値がゼロである場合におけるステップS23の判定を説明する。前述したように、信号送信処理では、第1制御部87は、第1機器通信部80にオフ信号の送信を指示した場合、状態フラグの値をゼロに変更する。第1機器通信線G1を介した通信の途絶が発生していない場合においては、状態フラグの値がゼロであるとき、給電スイッチ30はオフである。給電スイッチ30がオフである場合、給電スイッチ30を介して流れるスイッチ電流はゼロAである。
【0083】
ステップS23では、第1制御部87は、ステップS22で取得した電流情報が示すスイッチ電流が一定の第1電流閾値未満である場合、通信の途絶は発生していないと判定する。第1電流閾値は、ゼロA近傍の正値である。第1制御部87は、状態フラグの値がゼロであるにも関わらず、ステップS22で取得した電流情報が示すスイッチ電流が第1電流閾値以上である場合、通信の途絶が発生していると判定する。通信の途絶の発生が検知される。オフ信号がIPD20のIC通信部51によって受信されていないとみなされる。第1電流閾値は第2の所定電流に相当する。
【0084】
ステップS21で読み取られた状態フラグの値が1である場合におけるステップS23の判定を説明する。前述したように、信号送信処理では、第1制御部87は、第1機器通信部80にオン信号の送信を指示した場合、状態フラグの値を1に変更する。第1機器通信線G1を介した通信の途絶が発生していない場合においては、状態フラグの値が1であるとき、給電スイッチ30はオンである。給電スイッチ30がオンである場合、給電スイッチ30を介して流れるスイッチ電流は比較的に大きい。
【0085】
ステップS23では、第1制御部87は、ステップS22で取得した電流情報が示すスイッチ電流が一定の第2電流閾値以上である場合、通信の途絶は発生していないと判定する。第2電流閾値は、ゼロA近傍の正値である。第2電流閾値は、第1電流閾値と同じであってもよいし、異なっていてもよい。第1制御部87は、状態フラグの値が1であるにも関わらず、ステップS22で取得した電流情報が示すスイッチ電流が第2電流閾値未満である場合、通信の途絶が発生していると判定する。通信の途絶の発生が検知される。オン信号がIPD20のIC通信部51によって受信されていないとみなされる。
【0086】
第1制御部87は、通信の途絶が発生していないと判定した場合(S23:NO)、途絶検知処理を終了する。この場合、第1制御部87は、再び途絶検知処理を実行する。第1制御部87は、通信の途絶が発生していると判定した場合(S23:YES)、第1電圧出力部83に指示して、第1電圧出力部83が第1バックアップ回路61に出力している電圧をローレベル電圧からハイレベル電圧に切替えさせる(ステップS24)。
【0087】
第1制御部87は、ステップS24を実行した後、途絶検知処理を終了する。この場合、第1制御部87は途絶検知処理を再び実行することはない。更に、第1制御部87は信号送信処理の実行を停止する。
【0088】
以上のように、第1制御部87は、状態フラグの値とスイッチ電流とに基づいて、第1機器通信線G1を介した通信の途絶の発生を検知する。第1制御部87は、第1機器通信線G1を介した通信の途絶が発生したと判定した場合、第1電圧出力部83に指示して、第1バックアップ回路61に出力している出力電圧をローレベル電圧からハイレベル電圧に切替えさせる。これにより、第1バックアップ回路61は、指示信号の指示に応じた電圧を第2給電制御器22の第2マイコン70に出力する。第2マイコン70は、第1マイコン60の第1機器通信部80の代わりにオン信号及びオフ信号をIPD20のIC通信部51に送信する。
【0089】
<第1バックアップ回路61の構成>
図9は第1バックアップ回路61の回路図である。第1バックアップ回路61は、AND回路Q1、OR回路Q2、第1反転器Q3及び第2反転器Q4を有する。AND回路Q1及びOR回路Q2それぞれは、2つの入力端と、1つの出力端とを有する。第1反転器Q3及び第2反転器Q4それぞれは、1つの入力端と、1つの出力端とを有する。
【0090】
AND回路Q1の出力端は、第2給電制御器22の第2マイコン70に接続されている。AND回路Q1の一方の入力端は、OR回路Q2の出力端に接続されている。OR回路Q2の一方の入力端は、第1反転器Q3の出力端に接続されている。第1反転器Q3の入力端は第1WDT62に接続されている。OR回路Q2の他方の入力端は、第1マイコン60の第1電圧出力部83に接続されている。AND回路Q1の他方の入力端は、第2反転器Q4の出力端に接続されている。第2反転器Q4の入力端は、装置抵抗23及び操作スイッチ13間の接続ノードに接続されている。
【0091】
第1反転器Q3は、第1WDT62の出力電圧がハイレベル電圧である場合、ローレベル電圧をOR回路Q2に出力する。第1反転器Q3は、第1WDT62の出力電圧がローレベル電圧である場合、ハイレベル電圧をOR回路Q2に出力する。OR回路Q2は、第1反転器Q3及び第1電圧出力部83の両方がローレベル電圧を出力している場合、ローレベル電圧をAND回路Q1に出力する。OR回路Q2は、第1反転器Q3及び第1電圧出力部83の少なくとも一方がハイレベル電圧を出力している場合、ハイレベル電圧をAND回路Q1に出力する。
【0092】
第2反転器Q4は、指示信号の電圧がローレベル電圧である場合、ハイレベル電圧をAND回路Q1に出力する。第2反転器Q4は、指示信号の電圧がハイレベル電圧である場合、ローレベル電圧を出力する。AND回路Q1は、OR回路Q2及び第2反転器Q4の両方がハイレベル電圧を出力している場合、ハイレベル電圧を第2マイコン70に出力する。AND回路Q1は、OR回路Q2及び第2反転器Q4の少なくとも一方がローレベル電圧を出力している場合、ローレベル電圧を第2マイコン70に出力する。
【0093】
図10は第1バックアップ回路61の動作を示す図表である。第1WDT62及び第1マイコン60の第1電圧出力部83それぞれがハイレベル電圧及びローレベル電圧を出力している場合、OR回路Q2はローレベル電圧をAND回路Q1に出力する。このため、操作スイッチ13の状態、即ち、指示信号の電圧に無関係に、AND回路Q1はローレベル電圧を第2マイコン70に出力する。
【0094】
第1WDT62がローレベル電圧を出力している場合、OR回路Q2は、第1マイコン60の第1電圧出力部83の出力電圧に無関係にハイレベル電圧をAND回路Q1に出力する。この場合、AND回路Q1は、第2反転器Q4の出力電圧をそのまま第2マイコン70に出力する。従って、操作スイッチ13がオンである場合、AND回路Q1はハイレベル電圧を出力する。操作スイッチ13がオフである場合、AND回路Q1はローレベル電圧を出力する。前述したように、操作スイッチ13がオンである場合、指示信号はローレベル電圧を示す。操作スイッチ13がオフである場合、指示信号はハイレベル電圧を示す。
【0095】
第1マイコン60の第1電圧出力部83がハイレベル電圧を出力している場合、OR回路Q2は、第1WDT62の出力電圧に無関係にハイレベル電圧をAND回路Q1に出力する。この場合、AND回路Q1は、第2反転器Q4の出力電圧をそのまま第2マイコン70に出力する。従って、操作スイッチ13がオンである場合、AND回路Q1はハイレベル電圧を出力する。操作スイッチ13がオフである場合、AND回路Q1はローレベル電圧を出力する。
【0096】
以上のように、第1マイコン60の第1電圧出力部83がハイレベル電圧を出力した場合、又は、第1WDT62がローレベル電圧を出力した場合、第1バックアップ回路61は、指示信号の指示に応じた電圧を第2マイコン70に出力する。
【0097】
<第2マイコン70の構成>
図11は、第2マイコン70の要部構成を示すブロック図である。第2マイコン70は、第2機器通信部90、第2電圧入力部91、第2記憶部92及び第2制御部93を有する。従って、第2機器通信部90、第2電圧入力部91、第2記憶部92及び第2制御部93は制御基板Bcの主面に配置されている。第2機器通信部90、第2電圧入力部91、第2記憶部92及び第2制御部93は第2装置バス94に接続されている。第2機器通信部90は、更に、第2機器通信線G2によって通信バスFに接続されている。第2電圧入力部91は、更に、第1バックアップ回路61のAND回路Q1の出力端に接続されている。
【0098】
第2機器通信部90は、第2制御部93の指示に従って、オン信号及びオフ信号を、第2機器通信線G2、通信バスF及びIPD通信線E1を介してIPD20のIC通信部51に送信する。第2電圧入力部91には、第1バックアップ回路61の出力電圧が入力される。第1バックアップ回路61の出力電圧はAND回路Q1の出力電圧である。第1バックアップ回路61の出力電圧は、ハイレベル電圧又はローレベル電圧である。
【0099】
第2記憶部92は、例えば、揮発性メモリ及び不揮発性メモリによって構成される。第2記憶部92には第2プログラムP2が記憶されている。第2プログラムP2はコンピュータプログラムである。第2制御部93は、処理を実行する処理素子、例えばCPUを有する。第2制御部93の処理素子は、第2プログラムP2を実行することによって、代理送信処理を実行する。代理送信処理は、第1マイコン60の第1機器通信部80の代わりに、第2機器通信部90がオン信号及びオフ信号をIPD20のIC通信部51に送信する処理である。
【0100】
なお、第2プログラムP2は、第2プログラムP2を読み取り可能に記憶した非一時的な第2記憶媒体A2を用いて、第2マイコン70に提供されてもよい。第2記憶媒体A2は、例えば可搬型メモリである。第2記憶媒体A2が可搬型メモリである場合、第2制御部93の処理素子は、図示しない読取装置を用いて第2記憶媒体A2から第2プログラムP2を読み取ってもよい。読み取った第2プログラムP2は第2記憶部92に書き込まれる。更に、第2プログラムP2は、第2マイコン70の図示しない通信部が外部装置と通信することによって、第2マイコン70に提供されてもよい。この場合、第2制御部93の処理素子は、通信部を通じて第2プログラムP2を取得する。取得した第2プログラムP2は第2記憶部92に書き込まれる。第2制御部93が有する処理素子の数は2以上であってもよい。この場合、複数の処理素子は代理送信処理等を協同して実行してもよい。
【0101】
図12は代理送信処理の手順を示すフローチャートである。代理送信処理では、第2制御部93は、まず、第2電圧入力部91に入力されている第1バックアップ回路61の出力電圧がローレベル電圧からハイレベル電圧に切替わったか否かを判定する(ステップS31)。前述したように、第1バックアップ回路61の出力電圧は、AND回路Q1の出力電圧である。第2制御部93は、第1バックアップ回路61の出力電圧がハイレベル電圧に切替わっていないと判定した場合(S31:NO)、第2電圧入力部91に入力されている第1バックアップ回路61の出力電圧がハイレベル電圧からローレベル電圧に切替わったか否かを判定する(ステップS32)。
【0102】
第2制御部93は、第1バックアップ回路61の出力電圧がローレベル電圧に切替わっていないと判定した場合(S32:NO)、ステップS31を再び実行し、第1バックアップ回路61の出力電圧がハイレベル電圧又はローレベル電圧に切替わるまで待機する。第2制御部93は、第1バックアップ回路61の出力電圧がハイレベル電圧に切替わったと判定した場合(S31:YES)、第2機器通信部90にオン信号の送信を指示する(ステップS33)。これにより、第2機器通信部90は、オン信号を、第2機器通信線G2を介してIPD20のIC通信部51に送信する。IPD20の駆動回路40は給電スイッチ30をオンに切替える。
【0103】
第2制御部93は、第1バックアップ回路61の出力電圧がローレベル電圧に切替わったと判定した場合(S32:YES)、第2機器通信部90にオフ信号の送信を指示する(ステップS34)。これにより、第2機器通信部90は、オフ信号を、第2機器通信線G2を介してIPD20のIC通信部51に送信する。IPD20の駆動回路40は給電スイッチ30をオフに切替える。第2制御部93は、ステップS33,S34の一方を実行した後、代理送信処理を終了する。第2制御部93は、代理送信処理を終了した後、代理送信処理を再び実行する。
【0104】
第1機器通信線G1を介した通信の途絶が検知されるまで、第1バックアップ回路61の出力電圧はローレベル電圧に固定されている。このため、通信の途絶が検知されるまで、第2マイコン70の第2機器通信部90はオン信号又はオフ信号を送信することはない。通信の途絶が検知された後においては、第1バックアップ回路61は、指示信号が示す指示に応じた電圧を第2マイコン70の第2電圧入力部91に出力する。第2機器通信部90は、第1マイコン60の第1機器通信部80の代わりに、第1バックアップ回路61の出力電圧に応じてオン信号又はオフ信号を、IPD20のIC通信部51に送信する。
【0105】
<給電制御装置10が行う動作>
図13は、給電制御装置10が行う動作の第1例を示すタイミングチャートである。
図13には、第1マイコン60の出力電圧、第1WDT62の出力電圧、操作スイッチ13の状態、指示信号の電圧、第1バックアップ回路61の出力電圧及び給電スイッチ30の状態の推移が示されている。これらの推移の横軸には時間が示されている。第1マイコン60の出力電圧は第1電圧出力部83の出力電圧である。前述したように、第1バックアップ回路61の出力電圧はAND回路Q1の出力電圧である。
【0106】
図13には、更に、第1マイコン60の第1機器通信部80及び第2マイコン70の第2機器通信部90それぞれがオン信号又はオフ信号を送信するタイミングが示されている。説明を簡単にするため、車両情報に基づいて、給電スイッチ30のオン又はオフの切替えは禁止されていないと仮定する。Hはハイレベル電圧を示す。Lはローレベル電圧を示す。
【0107】
前述したように、操作スイッチ13がオンである場合、指示信号は、ローレベル電圧を示し、給電スイッチ30のオンへの切替えを指示する。操作スイッチ13がオフである場合、指示信号は、ハイレベル電圧を示し、給電スイッチ30のオフへの切替えを指示する。
【0108】
前述したように、第1機器通信線G1を介した通信の途絶の発生が検知されていない場合、第1マイコン60の第1電圧出力部83及び第1WDT62それぞれは、ローレベル電圧及びハイレベル電圧を出力している。この場合、第1バックアップ回路61の出力電圧はローレベル電圧に固定されており、第2マイコン70の第2機器通信部90がオン信号又はオフ信号を送信することはない。
【0109】
第1マイコン60の第1機器通信部80は、指示信号の電圧がハイレベル電圧からローレベル電圧に切替わった場合、オン信号を、第1機器通信線G1を介してIPD20のIC通信部51に送信する。IPD20の駆動回路40は給電スイッチ30をオンに切替える。第1マイコン60の第1機器通信部80は、指示信号の電圧がローレベル電圧からハイレベル電圧に切替わった場合、オフ信号を、第1機器通信線G1を介してIPD20のIC通信部51に送信する。IPD20の駆動回路40は給電スイッチ30をオフに切替える。
【0110】
第1マイコン60の第1制御部87によって、第1機器通信線G1を介した通信の途絶が発生したと判定された場合、第1マイコン60の第1電圧出力部83は、出力電圧をローレベル電圧からハイレベル電圧に切替えさせる。第1マイコン60の出力電圧がハイレベル電圧である場合、第1バックアップ回路61は、指示信号の電圧(指示信号の指示)に応じて出力電圧をハイレベル電圧又はローレベル電圧に切替える。
【0111】
第2マイコン70の第2機器通信部90は、第1バックアップ回路61の出力電圧がローレベル電圧からハイレベル電圧に切替わった場合、オン信号を、第2機器通信線G2を介してIPD20のIC通信部51に送信する。IPD20の駆動回路40は給電スイッチ30をオンに切替える。第2マイコン70の第2機器通信部90は、第1バックアップ回路61の出力電圧がハイレベル電圧からローレベル電圧に切替わった場合、オフ信号を、第2機器通信線G2を介してIPD20のIC通信部51に送信する。IPD20の駆動回路40は給電スイッチ30をオフに切替える。第2機器通信部90は第2通信部として機能する。
【0112】
図14は、給電制御装置10が行う動作の第2例を示すタイミングチャートである。
図14には、
図13と同様に、第1マイコン60の出力電圧、第1WDT62の出力電圧、操作スイッチ13の状態、指示信号の電圧、第1バックアップ回路61の出力電圧及び給電スイッチ30の状態の推移が示されている。これらの推移の横軸には時間が示されている。
図14には、更に、第1マイコン60の第1機器通信部80及び第2マイコン70の第2機器通信部90それぞれがオン信号又はオフ信号を送信するタイミングが示されている。説明を簡単にするため、車両情報に基づいて、給電スイッチ30のオン又はオフの切替えは禁止されていないと仮定する。Hはハイレベル電圧を示す。Lはローレベル電圧を示す。
【0113】
前述したように、第1機器通信線G1を介した通信の途絶の発生が検知されていない場合、第1マイコン60の第1電圧出力部83及び第1WDT62それぞれは、ローレベル電圧及びハイレベル電圧を出力している。この場合、第1バックアップ回路61の出力電圧はローレベル電圧に固定されており、第2マイコン70の第2機器通信部90がオン信号又はオフ信号を送信することはない。第1マイコン60の第1機器通信部80は、指示信号の電圧(指示信号の指示)に応じて、オン信号又はオフ信号を送信する。
【0114】
第1WDT62が第1機器通信線G1を介した通信の途絶を検知した場合、第1WDT62は、第1バックアップ回路61に出力している出力電圧をハイレベル電圧からローレベル電圧に切替える。第1WDT62の出力電圧がローレベル電圧である場合、第1バックアップ回路61は、指示信号の電圧(指示信号の指示)に応じて出力電圧をハイレベル電圧又はローレベル電圧に切替える。
【0115】
前述したように、第2マイコン70の第2機器通信部90は、第1バックアップ回路61の出力電圧に応じて、オン信号又はオフ信号をIPD20のIC通信部51に送信する。IPD20では、IC通信部51がオン信号を受信した場合、駆動回路40は給電スイッチ30をオンに切替える。IC通信部51がオフ信号を受信した場合、駆動回路40は給電スイッチ30をオフに切替える。
【0116】
以上のように、第1機器通信線G1を介した通信の途絶が発生した場合、第2マイコン70の第2機器通信部90が、第1マイコン60の第1機器通信部80の代わりに、オン信号又はオフ信号を、第2機器通信線G2を介してIPD20のIC通信部51に送信する。このため、第1機器通信線G1を介した通信の途絶が発生した場合であっても、IPD20の駆動回路40は給電スイッチ30をオン又はオフに切替えることができる。
【0117】
(実施形態2)
実施形態1では、給電制御装置10が給電を制御する負荷の数は1である。しかしながら、給電制御装置10は、複数の負荷それぞれの給電を制御してもよい。
以下では、実施形態2について、実施形態1と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については、実施形態1と共通しているため、実施形態1と共通する構成部には実施形態1と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0118】
<電源システム1の構成>
図15は、実施形態2における電源システム1の要部構成を示すブロック図である。実施形態2における電源システム1は、実施形態1における電源システム1が備える構成部を同様に備える。実施形態2における電源システム1は、更に、第2の負荷14及び第2の操作スイッチ15を備える。第2の負荷14は、負荷12と同様に電気機器である。第2の負荷14に電力が供給された場合、第2の負荷14は作動する。第2の負荷14への給電が停止した場合、第2の負荷14は動作を停止する。
【0119】
実施形態2における給電制御装置10は、実施形態1における給電制御装置10が有する構成部を同様に有する。実施形態2における給電制御装置10は、更に、第2のIPD24及び第2の装置抵抗25を有する。第2のIPD24は、IPD20と同様に構成されている。従って、第2のIPD24は、給電スイッチ30、切替え器31、電流出力回路32及び検出抵抗33を有する。実施形態1の説明で述べたように、切替え器31は駆動回路40及び制御IC41を有する。制御IC41はIC出力部50、IC通信部51及びIC制御部52を有する。
【0120】
第2のIPD24が有する給電スイッチ30のドレイン及びソースそれぞれは、直流電源11の正極、及び、第2の負荷14の一端に接続されている。第2の負荷14の他端は接地されている。
【0121】
第2の装置抵抗25の一端に一定電圧Vcが印加されている。第2の装置抵抗25の他端は、第2の操作スイッチ15の一端に接続されている。第2の操作スイッチ15の他端は接地されている。第2の操作スイッチ15は、操作スイッチ13と同様に、車両Cの乗員によってオン又はオフに切替えられる。給電制御装置10は、第2の操作スイッチ15の状態と、入力された車両情報とに基づいて、第2のIPD24が有する給電スイッチ30をオン又はオフに切替える。
【0122】
給電制御装置10が第2のIPD24の給電スイッチ30をオンに切替えた場合、直流電源11の正極から、電流が第2のIPD24の給電スイッチ30及び第2の負荷14の順に流れ、第2の負荷14に電力が供給される。結果、第2の負荷14は作動する。給電制御装置10が第2のIPD24の給電スイッチ30をオフに切替えた場合、第2のIPD24の給電スイッチ30を介した第2の負荷14への給電が停止する。結果、第2の負荷14は動作を停止する。
【0123】
実施形態1の説明で述べたように、IPD20の給電スイッチ30がオンである場合、直流電源11の正極から、電流がIPD20の給電スイッチ30及び負荷12の順に流れる。IPD20の給電スイッチ30を介して流れる電流の第1電流経路は、第2のIPD24を介して流れる電流の第2電流経路とは異なる。従って、IPD20の給電スイッチ30を介して流れる電流の第1電流経路とは異なる第2電流経路に第2のIPD24の給電スイッチ30が配置されている。第2のIPD24の給電スイッチ30は第2の給電スイッチとして機能する。
【0124】
以上のように、給電制御装置10は、更に、第2のIPD24の給電スイッチ30をオン又はオフに切替えることによって、第2のIPD24の給電スイッチ30を介した直流電源11から第2の負荷14への給電を制御する。なお、給電制御装置10は、実施形態1と同様に、IPD20の給電スイッチ30をオン又はオフに切替えることによって、IPD20の給電スイッチ30を介した直流電源11から負荷12への給電を制御する。
【0125】
<給電制御装置10の構成>
前述したように、第2のIPD24はIPD20と同様に構成されている。第2のIPD24の電流出力回路32及び検出抵抗33間の接続ノードは、第2給電制御器22の第2マイコン70に接続されている。第2のIPD24は、更に、第2のIPD通信線E2によって、通信バスFに接続されている。通信バスFは、IPD通信線E1、第2のIPD通信線E2、第1機器通信線G1及び第2機器通信線G2に接続されている。第2の装置抵抗25及び第2の操作スイッチ15間の接続ノードは第2給電制御器22に接続されている。
【0126】
車両Cの乗員は、第2の操作スイッチ15をオンに切替えることによって、第2のIPD24の給電スイッチ30のオンへの切替えを指示する。車両Cの乗員は、第2の操作スイッチ15をオフに切替えることによって、第2のIPD24の給電スイッチ30のオフへの切替えを指示する。第2給電制御器22には、第2の装置抵抗25及び第2の操作スイッチ15間の接続ノードから、第2のIPD24が有する給電スイッチ30のオン又はオフへの切替えを指示する第2の指示信号が入力される。第2の指示信号はハイレベル電圧又はローレベル電圧を示す。
【0127】
第2の操作スイッチ15がオンである場合、電流は第2の装置抵抗25及び第2の操作スイッチ15の順に流れる。このとき、第2の装置抵抗25及び第2の操作スイッチ15間の接続ノードの電圧は、ゼロVであり、ローレベル電圧である。従って、第2の操作スイッチ15がオンである場合、第2の指示信号はローレベル電圧を示す。第2の指示信号は、ローレベル電圧を示すことによって、第2のIPD24の給電スイッチ30のオンへの切替えを指示する。
【0128】
第2の操作スイッチ15がオフである場合、第2の装置抵抗25を介して電流が流れることはない。このとき、第2の装置抵抗25及び第2の操作スイッチ15間の接続ノードの電圧は、一定電圧Vcであり、ハイレベル電圧である。従って、第2の操作スイッチ15がオフである場合、第2の指示信号はハイレベル電圧を示す。第2の指示信号は、ハイレベル電圧を示すことによって、第2のIPD24の給電スイッチ30のオフへの切替えを指示する。
【0129】
第1給電制御器21及び第2給電制御器22それぞれは、第2のIPD24の給電スイッチ30のオンへの切替えを指示する第2のオン信号と、第2のIPD24の給電スイッチ30のオフへの切替えを指示する第2のオフ信号とを、第2のIPD24のIC通信部51に送信する。第1給電制御器21は、第1機器通信線G1、通信バスF及び第2のIPD通信線E2を介して、第2のオン信号及び第2のオフ信号を、第2のIPD24のIC通信部51に送信する。第2給電制御器22は、第2機器通信線G2、通信バスF及び第2のIPD通信線E2を介して、第2のオン信号及び第2のオフ信号を、第2のIPD24のIC通信部51に送信する。
【0130】
第2のIPD24のIC通信部51は、第2のオン信号及び第2のオフ信号を受信する。第2のIPD24が有する制御IC41のIC制御部52は、IPD20のIC制御部52と同様に、コンピュータプログラムを実行することによって切替え処理を実行する。IPD20、オン信号及びオフ信号それぞれは、第2のIPD24、第2のオン信号及び第2のオフ信号に対応する。
【0131】
従って、第2のIPD24では、IC通信部51が第2のオン信号を受信した場合、駆動回路40は給電スイッチ30をオンに切替える。IC通信部51が第2のオフ信号を受信した場合、駆動回路40は給電スイッチ30をオフに切替える。第2のIPD24の切替え器31は第2の切替え器として機能する。第2のIPD24の給電スイッチ30を介して流れる第2のスイッチ電流を示すアナログの第2の電流情報は、第2のIPD24の電流出力回路32及び検出抵抗33間の接続ノードから第2給電制御器22に出力される。
【0132】
第2のIPD24では、電流出力回路32及び検出抵抗33間の接続ノードから、第2の電流情報が第2給電制御器22に出力される。第2の電流情報は、第2のスイッチ電流に比例する電圧である。
【0133】
第2給電制御器22にも、車両情報が入力される。第2給電制御器22は、第2の指示信号及び車両情報に基づいて、第2のオン信号又は第2のオフ信号を、第2機器通信線G2を介して第2のIPD24に送信する。第2給電制御器22は、通常、ローレベル電圧を第1給電制御器21に出力している。第2給電制御器22は、第2機器通信線G2を介した通信の途絶が発生したか否かを判定する。判定を行う1つの方法では、第2の電流情報が用いられる。第2給電制御器22は、第2機器通信線G2を介した通信の途絶が発生したと判定した場合、第2の指示信号の指示に応じた電圧を第1給電制御器21に出力する。第2の指示信号が第2のIPD24の給電スイッチ30のオンへの切替えを指示する場合、第2給電制御器22はハイレベル電圧を第1給電制御器21に出力する。第2の指示信号が第2のIPD24の給電スイッチ30のオフへの切替えを指示する場合、第2給電制御器22はローレベル電圧を第1給電制御器21に出力する。
【0134】
第1給電制御器21は、第2給電制御器22から入力されている電圧がローレベル電圧からハイレベル電圧に切替わった場合、第1機器通信線G1を介して、第2のオン信号を第2のIPD24のIC通信部51に送信する。第1給電制御器21は、第2給電制御器22から入力されている電圧がハイレベル電圧からローレベル電圧に切替わった場合、第1機器通信線G1を介して、第2のオフ信号を第2のIPD24のIC通信部51に送信する。以上のように、第1給電制御器21は、第2機器通信線G2を介した通信の途絶の発生が検知された場合、第2給電制御器22の代わりに第2のオン信号及び第2のオフ信号を第2のIPD24のIC通信部51に送信する。
【0135】
なお、第2給電制御器22は、実施形態1と同様に、第1機器通信線G1を介した通信の途絶の発生が検知された場合、第1給電制御器21の代わりにオン信号及びオフ信号をIPD20のIC通信部51に送信する。
【0136】
<給電制御装置10の外観>
図16は給電制御装置10の平面図である。実施形態2では、スイッチ基板Bsの主面に、第2のIPD24が更に配置されている。前述したように、第2のIPD24は第2給電制御器22に接続されている。IPD20、第1給電制御器21、第2給電制御器22及び第2のIPD24それぞれは、IPD通信線E1、第1機器通信線G1、第2機器通信線G2及び第2のIPD通信線E2によって通信バスFに接続されている。
【0137】
従って、制御基板Bcは、IPD20及び第1給電制御器21間の接続線と、第1機器通信線G1と、第2機器通信線G2と、第2のIPD24及び第2給電制御器22間の接続線とによって、スイッチ基板Bsに接続されている。このため、第2機器通信線G2は断線し易い。第2機器通信線G2が断線した場合、第2機器通信線G2を介した通信が途絶する。結果、第1給電制御器21が、第2給電制御器22の代わりに第2のオン信号及び第2のオフ信号を第2のIPD24のIC通信部51に送信する。第1給電制御器21が果たす役割は大きい。
【0138】
<第1給電制御器21及び第2給電制御器22の構成>
図17は、第1給電制御器21及び第2給電制御器22の要部構成を示すブロック図である。実施形態2では、第2給電制御器22は、第2マイコン70に加えて、第2バックアップ回路71及び第2WDT72を有する。第2マイコン70は、実施形態1と同様に、第1バックアップ回路61に接続され、第2機器通信線G2によって通信バスFにされている。
【0139】
実施形態2では、第2マイコン70は、更に、第2の装置抵抗25及び第2の操作スイッチ15間の接続ノードと、第2バックアップ回路71と、第2WDT72とに接続されている。第2の装置抵抗25及び第2の操作スイッチ15間の接続ノードは、更に、第2バックアップ回路71に接続されている。第2WDT72は、更に、第2バックアップ回路71に接続されている。第2バックアップ回路71は更に第1マイコン60に接続されている。
【0140】
第2の装置抵抗25及び第2の操作スイッチ15間の接続ノードから第2マイコン70に第2の指示信号が入力される。第2マイコン70には、更に、車両情報が入力される。第2マイコン70には、更に、第2のIPD24の電流出力回路32及び検出抵抗33間の接続ノードから第2の電流情報が入力される。
【0141】
第2マイコン70は、実施形態1と同様に作用する。実施形態2では、第2マイコン70は、更に、実施形態1における第1マイコン60と同様に作用する。従って、第2マイコン70の第2機器通信部90は、入力された第2の指示信号及び車両情報に基づいて、第2のオン信号又は第2のオフ信号を、第2機器通信線G2を介して、第2のIPD24のIC通信部51に送信する。第2マイコン70の第2制御部93は、入力された第2の電流情報に基づいて、第2機器通信線G2を介した通信の途絶が発生したか否かを判定する。
【0142】
第2マイコン70は、通常、ローレベル電圧を第2バックアップ回路71に出力している。第2マイコン70は、第2機器通信線G2を介した通信の途絶を検知した場合、第2バックアップ回路71に出力している電圧をローレベル電圧からハイレベル電圧に切替える。
【0143】
第2マイコン70は、作動中、第2マイコン70の作動を示す第2の作動信号を周期的に第2WDT72に出力する。第2マイコン70は、動作を停止した場合、周期的な第2の作動信号の出力を停止する。第2WDT72は、第1WDT62と同様に作用する。ここで、作動信号、第1マイコン60及び第1機器通信線G1それぞれは、第2の作動信号、第2マイコン70及び第2機器通信線G2に対応する。従って、第2WDT72は、第2機器通信線G2を介した通信の途絶が発生しているか否かを判定する。
【0144】
第2WDT72は、通常、第2バックアップ回路71にハイレベル電圧を出力している。第2WDT72は、第2機器通信線G2を介した通信の途絶が発生したと判定した場合、第2バックアップ回路71に出力している電圧をハイレベル電圧からローレベル電圧に切替える。
【0145】
第2バックアップ回路71は、第1バックアップ回路61と同様に構成されている。第2WDT72は、第2バックアップ回路71の第1反転器Q3の入力端に接続されている。第2マイコン70は第2バックアップ回路71のOR回路Q2の他方の入力端に接続されている。第2の装置抵抗25及び第2の操作スイッチ15間の接続ノードは、第2反転器Q4の入力端に接続されている。AND回路Q1の出力端は第2マイコン70に接続されている。
【0146】
第1バックアップ回路61及び第2バックアップ回路71の構成部の関係について、第1マイコン60、第1WDT62、第2マイコン70及び指示信号それぞれは、第2マイコン70、第2WDT72、第1マイコン60及び第2の指示信号に対応する。従って、第2マイコン70及び第2WDT72それぞれがローレベル電圧及びハイレベル電圧を出力している場合、第2バックアップ回路71は、指示信号が示す電圧に無関係にローレベル電圧を、第1給電制御器21の第1マイコン60に出力している。第2マイコン70が出力電圧をローレベル電圧からハイレベル電圧に切替えた場合、又は、第2WDT72が出力電圧をハイレベル電圧からローレベル電圧に切替えた場合、第2バックアップ回路71は、第2の指示信号が示す指示に応じた電圧を第1マイコン60に出力する。
【0147】
第2の指示信号が第2のIPD24の給電スイッチ30のオンへの切替えを指示する場合、第2バックアップ回路71はハイレベル電圧を第1マイコン60に出力する。第2の指示信号が第2のIPD24の給電スイッチ30のオフへの切替えを指示する場合、第2バックアップ回路71はローレベル電圧を第1マイコン60に出力する。
【0148】
第1マイコン60は、実施形態1と同様に作用する。第1マイコン60は、更に、実施形態2における第2マイコン70と同様に作用する。従って、第1マイコン60は、第2バックアップ回路71から入力された入力電圧がローレベル電圧からハイレベル電圧に切替わった場合、第2のオン信号を、第1機器通信線G1を介して第2のIPD24のIC通信部51に送信する。第1マイコン60は、第2バックアップ回路71から入力された入力電圧がハイレベル電圧からローレベル電圧に切替わった場合、第2のオフ信号を、第1機器通信線G1を介して第2のIPD24のIC通信部51に送信する。
【0149】
<第1マイコン60の構成>
図18は第1マイコン60の要部構成を示すブロック図である。実施形態2における第1マイコン60は、実施形態1における第1マイコン60が有する構成部を同様に有する。実施形態2における第1マイコン60は、更に、第1電圧入力部89を有する。第1電圧入力部89は、第1装置バス88と、第2バックアップ回路71のAND回路Q1の出力端とに接続されている。
【0150】
第1機器通信部80は、第1制御部87の指示に従って、第2のオン信号及び第2のオフ信号を、第1機器通信線G1、通信バスF及び第2のIPD通信線E2を介して、第2のIPD24のIC通信部51に送信する。第1電圧入力部89には、第2バックアップ回路71のAND回路Q1が出力した電圧が入力される。
【0151】
第1マイコン60の第1制御部87は、実施形態1と同様に、第1プログラムP1を実行することによって、出力処理、信号送信処理及び途絶検知処理等を実行する。第1制御部87は、更に、第2マイコン70の第2制御部93と同様に、代理送信処理を実行する。第1制御部87が実行する代理送信処理は、第2マイコン70の代わりに、、第1機器通信部80が第2のオン信号及び第2のオフ信号を第2のIPD24のIC通信部51に送信する処理である。具体的には、第1制御部87が有する一又は複数の処理素子が種々の処理を実行する。
【0152】
第1制御部87の代理送信処理は、第2制御部93の代理送信処理と同様である。IPD20、第1バックアップ回路61、第2機器通信部90、第2電圧入力部91、第2制御部93、オン信号及びオフ信号それぞれは、第2のIPD24、第2バックアップ回路71、第1機器通信部80、第1電圧入力部89、第1制御部87、第2のオン信号及び第2のオフ信号に対応する。
【0153】
従って、第2機器通信線G2を介した通信の途絶が検知されるまで、第2バックアップ回路71の出力電圧はローレベル電圧に固定されている。このため、通信の途絶が検知されるまで、第1マイコン60の第1機器通信部80は第2のオン信号又は第2のオフ信号を送信することはない。通信の途絶が検知された後においては、第2バックアップ回路71は、指示信号が示す指示に応じた電圧を第1マイコン60の第1電圧入力部89に出力する。第1機器通信部80は、第2マイコン70の第2機器通信部90の代わりに、第2バックアップ回路71の出力電圧に応じて第2のオン信号又は第2のオフ信号を、第2のIPD24のIC通信部51に送信する。
【0154】
<第2マイコン70の構成>
図19は第2マイコン70の要部構成を示すブロック図である。実施形態2における第2マイコン70は、実施形態1における第2マイコン70が有する構成部を同様に有する。実施形態2における第2マイコン70は、更に、第2情報入力部95、第2A/D変換部96、第2電圧出力部97、第2信号出力部98及び第2信号入力部99を有する。これらは、第2装置バス94に接続されている。第2機器通信部90は、第2制御部93の指示に従って、第2のオン信号及び第2のオフ信号を、第2機器通信線G2、通信バスF及び第2のIPD通信線E2を介して、第2のIPD24のIC通信部51に送信する。
【0155】
第2A/D変換部96は、更に、第2のIPD24の電流出力回路32及び検出抵抗33間の接続ノードに接続されている。第2電圧出力部97は、更に、第2バックアップ回路71のOR回路Q2の他方の入力端に接続されている。第2信号出力部98は、更に、第2WDT72に接続されている。第2信号入力部99は、更に、第2の装置抵抗25及び第2の操作スイッチ15間の接続ノードに接続されている。
【0156】
車両情報は、第1マイコン60の第1情報入力部81だけではなく、第2マイコン70の第2情報入力部95にも入力される。第2のIPD24の電流出力回路32及び検出抵抗33間の接続ノードから第2A/D変換部96にアナログの電流情報が入力される。第2A/D変換部96は、入力されたアナログの第2の電流情報をデジタルの第2の電流情報に変換する。第2制御部93は、第2A/D変換部96が変換したデジタルの第2の電流情報を取得する。前述したように、第2の電流情報は、第2のIPD24の給電スイッチ30を介して流れる第2のスイッチ電流を示す。第2の電流情報の取得は第2のスイッチ電流の取得に相当する。
【0157】
第2電圧出力部97は、第2バックアップ回路71のOR回路Q2にハイレベル電圧又はローレベル電圧を出力している。第2電圧出力部97は、第2制御部93の指示に従って、出力電圧をハイレベル電圧又はローレベル電圧に切替える。第2信号出力部98は、第2制御部93の指示に従って、第2の作動信号を第2WDT72に出力する。第2の装置抵抗25及び第2の操作スイッチ15間の接続ノードから第2の指示信号が第2信号入力部99に入力される。
【0158】
第2マイコン70の第2制御部93は、実施形態1と同様に、第2プログラムP2を実行することによって、代理送信処理を実行する。第2制御部93は、更に、第1マイコン60の第1制御部87と同様に、出力処理、信号送信処理及び途絶検知処理等を実行する。第2制御部93の出力処理は、第2の作動信号を第2WDT72に出力する処理である。第2制御部93の信号送信処理は、第2のオン信号又は第2のオフ信号を送信する処理である。第2制御部93の途絶検知処理は、第1機器通信線G1を介した通信の途絶を検知する処理である。具体的には、第2制御部93が有する一又は複数の処理素子が種々の処理を実行する。
【0159】
第2制御部93の出力処理は、第1制御部87の出力処理と同様である。従って、第2制御部93の出力処理では、第2制御部93は、1周期が経過する都度、第2信号出力部98に指示して、第2の作動信号を第2WDT72に出力させる。
【0160】
第2制御部93の信号送信処理は、第1制御部87の信号出力処理と同様である。IPD20、第1機器通信部80、第1情報入力部81、第1記憶部86、第1制御部87、第1機器通信線G1、オン信号、オフ信号及び指示信号それぞれは、第2のIPD24、第2機器通信部90、第2情報入力部95、第2記憶部92、第2制御部93、第2機器通信線G2、第2のオン信号、第2のオフ信号及び第2の指示信号に対応する。
【0161】
第2制御部93の信号送信処理の説明で記載される給電スイッチ30は、第2のIPD24が有する給電スイッチ30である。第2記憶部92に記憶されている状態フラグの値は、第2制御部93が第2機器通信部90に第2のオン信号を指示した場合に、第2制御部93によって1に変更される。第2記憶部92に記憶されている状態フラグの値は、第2制御部93が第2機器通信部90に第2のオフ信号を指示した場合に、第2制御部93によってゼロに変更される。
【0162】
従って、第2の指示信号が第2のIPD24の給電スイッチ30のオンへの切替えを指示する場合、第2機器通信部90は第2のオン信号を第2のIPD24のIC通信部51に送信する。これにより、第2のIPD24の駆動回路40は、第2のIPD24の給電スイッチ30がオンに切替える。第2の指示信号が第2のIPD24の給電スイッチ30のオフへの切替えを指示する場合、第2機器通信部90は第2のオフ信号を第2のIPD24のIC通信部51に送信する。これにより、第2のIPD24の駆動回路40は第2のIPD24の給電スイッチ30をオフに切替える。
【0163】
第2制御部93の途絶検知処理は、第1制御部87の途絶検知処理と同様である。IPD20、第1機器通信部80、第1A/D変換部82、第1電圧出力部83、第1制御部87、第1機器通信線G1、電流情報及びスイッチ電流それぞれは、第2のIPD24、第2機器通信部90、第2A/D変換部96、第2電圧出力部97、第2制御部93、第2機器通信線G2、第2の電流情報及び第2のスイッチ電流に対応する。第2制御部93の途絶検知処理では、第2記憶部92に記憶されている状態フラグの値が用いられる。
【0164】
従って、第2制御部93は、第2記憶部92に記憶されている状態フラグの値と、第2のスイッチ電流とに基づいて、第2機器通信線G2を介した通信の途絶が発生したか否かを判定する。第2制御部93は第2の判定部として機能する。第2制御部93は、第2機器通信線G2を介した通信の途絶が発生したと判定した場合、第2電圧出力部97に指示して、第2バックアップ回路71に出力している出力電圧をローレベル電圧からハイレベル電圧に切替えさせる。これにより、第2バックアップ回路71は、指示信号の指示に応じた電圧を第1給電制御器21の第1マイコン60の第1電圧入力部89に出力する。第1マイコン60の第1機器通信部80は、第2マイコン70の第2機器通信部90の代わりに第2のオン信号及び第2のオフ信号を第2のIPD24のIC通信部51に送信する。
【0165】
<給電制御装置10の効果>
第1マイコン60及び第2マイコン70は実施形態1と同様に作用する。従って、第1機器通信線G1を介した通信の途絶が発生した場合、第2マイコン70の第2機器通信部90が第1マイコン60の第1機器通信部80の代わりに、オン信号又はオフ信号を、第2機器通信線G2を介してIPD20のIC通信部51に送信する。このため、第1機器通信線G1を介した通信の途絶が発生した場合であっても、IPD20の駆動回路40は給電スイッチ30をオン又はオフに切替えることができる。
【0166】
更に、実施形態2における第1マイコン60は、実施形態1における第2マイコン70と同様に作用する。実施形態2における第2マイコン70は、実施形態1における第1マイコン60と同様に作用する。従って、第2機器通信線G2を介した通信の途絶が発生した場合、第1マイコン60の第1機器通信部80が第2マイコン70の第2機器通信部90の代わりに、第2のオン信号又は第2のオフ信号を、第1機器通信線G1を介して第2のIPD24のIC通信部51に送信する。このため、第2機器通信線G2を介した通信の途絶が発生した場合であっても、第2のIPD24の駆動回路40は、第2のIPD24の給電スイッチ30をオン又はオフに切替えることができる。
実施形態2における給電制御装置10は、実施形態1における給電制御装置10が奏する効果を同様に奏する。
【0167】
<実施形態1,2の変形例>
実施形態1,2において、第1マイコン60の第1制御部87は、第1記憶部86の状態フラグの値と、IPD20の給電スイッチ30を介して流れるスイッチ電流とに基づいて、第1機器通信線G1を介した通信の途絶の発生を検知する。第1制御部87が通信の途絶の発生を検知する場合に、スイッチ電流とは異なる値が用いられてもよい。第1制御部87は、例えば、スイッチ電流の代わりに、IPD20の給電スイッチ30のソースの電圧に基づいて通信の途絶の発生を検知してもよい。ソースの電圧の基準電位は接地電位である。
【0168】
IPD20では、給電スイッチ30がオフである場合、給電スイッチ30のソースの電圧はゼロVである。給電スイッチ30がオンである場合、給電スイッチ30のソースの電圧は、直流電源11の両端間の電圧である。第1制御部87は、状態フラグの値がゼロであるにも関わらず、IPD20の給電スイッチ30のソースの電圧が一定の第1電圧以上である場合、通信の途絶の発生を検知する。第1制御部87は、状態フラグの値が1であるにも関わらず、IPD20の給電スイッチ30のソースの電圧が一定の第2電圧未満である場合、通信の途絶の発生を検知する。第1電圧及び第2電圧それぞれは、ゼロV近傍の正値である。第1電圧は第2電圧と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0169】
同様に、実施形態2において、第2マイコン70の第2制御部93は、第2記憶部92の状態フラグの値と、第2のIPD24の給電スイッチ30を介して流れる第2のスイッチ電流とに基づいて、第2機器通信線G2を介した通信の途絶の発生を検知する。第2制御部93が通信の途絶の発生を検知する場合に、第2のスイッチ電流とは異なる値が用いられてもよい。第2制御部93は、例えば、第2のスイッチ電流の代わりに、第2のIPD24の給電スイッチ30のソースの電圧に基づいて通信の途絶の発生を検知してもよい。ソースの電圧の基準電位は接地電位である。
【0170】
第2のIPD24では、給電スイッチ30がオフである場合、給電スイッチ30のソースの電圧はゼロVである。給電スイッチ30がオンである場合、給電スイッチ30のソースの電圧は、直流電源11の両端間の電圧である。第2制御部93は、状態フラグの値がゼロであるにも関わらず、第2のIPD24の給電スイッチ30のソースの電圧が一定の第1電圧以上である場合、通信の途絶の発生を検知する。第2制御部93は、状態フラグの値が1であるにも関わらず、第2のIPD24の給電スイッチ30のソースの電圧が一定の第2電圧未満である場合、通信の途絶の発生を検知する。
【0171】
IPD20及び第2のIPD24それぞれの給電スイッチ30はスイッチとして機能すれば問題はない。このため、各給電スイッチ30は、Nチャネル型のFETに限定されず、Pチャネル型のFET又はバイポーラトランジスタ等であってもよい。指示信号は、装置抵抗23及び操作スイッチ13間の接続ノードから出力される信号に限定されず、例えば、車両Cに搭載されている図示しない電気機器が出力する信号であってもよい。同様に、第2の指示信号は、第2の装置抵抗25及び第2の操作スイッチ15間の接続ノードから出力される信号に限定されず、例えば、車両Cに搭載されている電気機器が出力する信号であってもよい。
【0172】
開示された実施形態1,2はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0173】
1 電源システム
10 給電制御装置
11 直流電源
12 負荷
13 操作スイッチ
14 第2の負荷
15 第2の操作スイッチ
20 IPD
21 第1給電制御器
22 第2給電制御器
23 装置抵抗
24 第2のIPD
25 第2の装置抵抗
30 給電スイッチ(第2の給電スイッチ)
31 切替え器(第2の切替え器)
32 電流出力回路
33 検出抵抗
40 駆動回路
41 制御IC
50 IC出力部
51 IC通信部
52 IC制御部
53 ICバス
60 第1マイコン
61 第1バックアップ回路
62 第1WDT(判定部)
70 第2マイコン
71 第2バックアップ回路
72 第2WDT
80 第1機器通信部(通信部)
81 第1情報入力部
82 第1A/D変換部
83 第1電圧出力部
84 第1信号出力部
85 第1信号入力部
86 第1記憶部
87 第1制御部(判定部、取得部、指示部)
88 第1装置バス
89 第1電圧入力部
90 第2機器通信部(第2通信部)
91 第2電圧入力部
92 第2記憶部
93 第2制御部(第2の判定部)
94 第2装置バス
95 第2情報入力部
96 第2A/D変換部
97 第2電圧出力部
98 第2信号出力部
99 第2信号入力部
A1 第1記憶媒体
A2 第2記憶媒体
Bc 制御基板(第1基板)
Bs スイッチ基板(第2基板)
C 車両
E1 IPD通信線
E2 第2のIPD通信線
F 通信バス
G1 第1機器通信線
G2 第2機器通信線(第2通信線)
P1 第1プログラム
P2 第2プログラム
Q1 AND回路
Q2 OR回路
Q3 第1反転器
Q4 第2反転器