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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】フィルム付きトレイ
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/4805 20060101AFI20241008BHJP
   B65D 5/20 20060101ALI20241008BHJP
   B65D 5/56 20060101ALI20241008BHJP
   B65D 5/44 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
B65D5/4805 110
B65D5/20 C
B65D5/56 A
B65D5/44 H
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021111007
(22)【出願日】2021-07-02
(65)【公開番号】P2023007887
(43)【公開日】2023-01-19
【審査請求日】2023-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003649
【氏名又は名称】弁理士法人真田特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
(72)【発明者】
【氏名】塩田 隼介
(72)【発明者】
【氏名】大橋 里佳子
(72)【発明者】
【氏名】井上 順二
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-025470(JP,A)
【文献】特開平08-119260(JP,A)
【文献】特開2000-085740(JP,A)
【文献】登録実用新案第3079085(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2011/0303738(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/20-5/56
B65D 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚のブランクシートが折り曲げられ前記ブランクシートの端縁どうしが突き合わせられた紙製の基材に、前記突き合わせられた前記端縁を跨ぐフィルムが内装されたフィルム付きトレイであって、
底壁部と前記底壁部から折り立てられた姿勢をなす複数の側壁部とで一つの大収容空間を囲むトレイ状に成形された容器本体と、
前記容器本体の一部に折線を介して接続され前記折線で前記容器本体に対して折り立てられた姿勢をなし、前記容器本体の前記大収容空間を二以上の小収容空間に区画する仕切りと、を備え
前記仕切りは、
前記複数の側壁部のうち向かい合った一対の側壁部のそれぞれに突き合わせられており、
前記容器本体は、
前記小収容空間の隅で、前記仕切りと前記底壁部と前記側壁部とのそれぞれに隣接する平面状の補強面部を備え、
前記補強面部は、前記底壁部から前記側壁部および前記仕切りへ向かって上方へ傾斜する傾斜面をなし、前記隅で前記小収容空間の深さを浅くする底上げ構造をなす
ことを特徴とするフィルム付きトレイ。
【請求項2】
前記仕切りは、前記複数の側壁部のうち向かい合う一対の側壁部どうしの間で直線状に延びている
ことを特徴とする請求項1に記載のフィルム付きトレイ。
【請求項3】
前記仕切りは、前記底壁部に前記折線を介して接続されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム付きトレイ
【請求項4】
前記仕切りは、前記一対の側壁部の少なくとも一方へ向かうほど前記仕切りの幅を広げるテーパー形状をなすテーパー部を備えた
ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のフィルム付きトレイ
【請求項5】
前記仕切りには、
前記仕切りによって区画された前記小収容空間の一方側に配置された第一壁部と、
前記仕切りによって区画された前記小収容空間の他方側で前記第一壁部に向かい合う第二壁部と、
前記第一壁部の上縁と前記第二壁部の上縁との間で平坦な面状に延在する第三壁部と、が含まれている
ことを特徴とする請求項1~の何れか一項に記載のフィルム付きトレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り曲げられた紙製のブランクシートに対して内面にフィルムが積層されたフィルム付きトレイに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、折り曲げられた紙製のブランクシートに対して内面にフィルムが積層されたトレイが知られている。たとえば、折り曲げられた一枚のブランクシートにおける端縁どうしが突き合わせられ、突き合わされた端縁を跨いでフィルムが内装されたフィルム付きトレイが提案されている。このようなフィルム付きトレイは、折り曲げられたブランクシートの端縁どうしの突き合わせられた箇所を跨ぐフィルムによって形状が保持される。
上記のようなフィルム付きトレイとして、底壁部と底壁部から折り立てられた姿勢をなす複数の側壁部とで一つの収容空間を囲むトレイが開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-172339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のように一つの収容空間を囲むトレイは、底壁部や側壁部などの各部位が収容空間に対して支持されていないため、強度が十分ではないおそれがある。
よって、フィルム付きトレイの強度を確保するうえで改善の余地がある。
【0005】
本件は、上記の課題に鑑みて創案されたものであり、フィルム付きトレイの強度を確保することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用および効果であって、従来の技術では得られない作用および効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここで開示するフィルム付きトレイは、一枚のブランクシートが折り曲げられ前記ブランクシートの端縁どうしが突き合わされた紙製の基材に、前記突き合わされた端縁を跨ぐフィルムが内装されている。本フィルム付きトレイは、底壁部と前記底壁部から折り立てられた姿勢をなす複数の側壁部とで一つの大収容空間を囲むトレイ状に成形された容器本体と、前記容器本体の一部に折線を介して接続され前記折線で前記容器本体に対して折り立てられた姿勢をなし、前記容器本体の前記大収容空間を二以上の小収容空間に区画する仕切りと、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本件によれば、フィルム付きトレイの強度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第一実施形態のフィルム付きトレイを示す斜視図である。
図2】第一実施形態のフィルム付きトレイ用ブランクシートの平面図である。
図3】第二実施形態のフィルム付きトレイを示す斜視図である。
図4】第二実施形態のフィルム付きトレイ用ブランクシートの平面図である。
図5】第三実施形態のフィルム付きトレイを示す斜視図である。
図6】第三実施形態のフィルム付きトレイ用ブランクシートの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、フィルム付きトレイを実施するための形態を説明する。
以下の説明では、フィルム付きトレイが水平面に載置された姿勢を例示する。
水平面においてフィルム付きトレイの中心を基準にして前後左右方向(図中には「F」,「B」,「L」,「R」で示す)を定める。また、鉛直方向のうち重力の作用方向を下方(図中には「D」で示す)とし、下方の反対方向を上方(図中には「U」で示す)とする。さらに、トレイ付き容器の収容空間側を内側とし、内側の反対側を外側とする。
【0010】
[I.第一実施形態]
以下の説明では、まず、項目[1]で第一実施形態の基本構成を説明する。それから、小項目[2]で第一実施形態に関する事項を述べる。小項目[3]で項目[1],[2]で述べた構成による作用効果を説明する。
【0011】
[1.基本構成]
フィルム付きトレイ(以下単に「トレイ」とも称する)10Aは、折り曲げられた紙製のブランクシートに対して内面にフィルムが積層された容器である。ブランクシート(後述図2の符号10AS)は本トレイ10Aを組み立てるために用いるシート材である。
図1に示すトレイ10Aは、一つの大収容空間15を囲むトレイ状に成形された容器本体11と、大収容空間15を二つの小収容空間15A,15Bに区画する仕切り20とが設けられている。
【0012】
本トレイ10Aに収容される物品の例としては、弁当や総菜といった食品を例に挙げることができる。本トレイ10Aに収容される物品が弁当である場合、小収容空間15A,15Bのそれぞれに収容される物品の具体例として、米飯とおかずとを挙げることができる。
ただし、本フィルム付きトレイ10Aには、食品に限らずさまざまなものが収容され得る。
【0013】
フィルム付きトレイ10Aは、紙製の基材と基材に内装されたフィルムとを備えている。基材は、一枚のブランクシートが折り曲げられブランクシートの端縁どうしが突き合わせられた状態をなす。
フィルムは、紙製の基材の内面側の全体を被覆するシート層である。フィルム付きトレイ10Aは、全域に亘って基材およびフィルムの二層構造をなす。
【0014】
フィルムには、例えば透明なフィルムが適用される。透明とは、フィルムの一方の側から他方の側が透けて見えることを言う。ここでいう透明には、半透明であることを含むものとする。フィルムは、例えば公知の真空吸引によって基材の内面に吸着される。
フィルムは、折り曲げられたブランクシートの端縁10X,10Yどうしの突き合わせられた箇所を跨いで配置されている。なお、図1では端縁10X,10Yの符号を一箇所のみ示す。このように折り曲げられたブランクシートの端縁どうしの突き合わせられた箇所を跨ぐフィルムは、基材のトレイ形状を保持する機能を付与する機能層である。
すなわち、基材は折り曲げられたブランクシートどうしを貼合するための糊代を有さず、ブランクシートの端縁どうしの突き合わせられた箇所を跨ぐフィルムによってブランクシートの端縁どうしが突き合わせられた状態が維持される。
【0015】
基材に用いる材料としては、一般的に用いられている紙であればとくに限定されず、植物由来のパルプを主成分とする紙であることが好ましく、木材パルプを主成分とする紙であることがより好ましい。
具体的には、クラフト紙,上質紙,白板紙,紙器用原紙,ミルクカートン原紙,カップ原紙,ライナ紙,塗工紙,片艶紙,グラシン紙,グラファン紙等が挙げられる。これらのなかでもクラフト紙,上質紙,白板紙,紙器用原紙,カップ原紙,片艶紙が好ましい。剛性の面から、白板紙の中では高級板紙,特殊板紙,カップ原紙,クラフト紙がより好ましい。クラフト紙は、晒クラフト紙,未晒クラフト紙および片艶晒クラフト紙が挙げられ、印刷適性や衛生面から、晒クラフト紙および片艶晒クラフト紙が好ましい。
また、ライナと中芯とライナの三層で構成された段ボールを使用しても良く、特に基材の強度と成形加工性の両立の観点から、段ボールの厚みの小さいマイクロフルートが好ましい。
【0016】
紙には、種々の添加剤が含有されてよく、内添サイズ剤としては、ロジン系,アルキルケテンダイマー系,アルケニル無水コハク酸系,スチレン-アクリル系,高級脂肪酸系,石油樹脂系等が挙げられる。内添サイズ剤以外に、公知のその他の内添剤を添加してもよい。内添剤としては、填料,紙力増強剤,歩留り向上剤,pH調整剤,濾水性向上剤,耐水化剤,柔軟剤,帯電防止剤,消泡剤,スライムコントロール剤,染料・顔料等が挙げられる。
【0017】
填料としては、二酸化チタン,カオリン,タルク,炭酸カルシウム等が挙げられる。
紙の抄紙においては、公知の湿式抄紙機を適宜選択して使用することができる。
抄紙機としては、長網抄紙機,ギャップフォーマー型抄紙機,円網式抄紙機,短網式抄紙機等が挙げられる。
抄紙機によって形成された紙層は、たとえば、フェルトにて搬送し、ドライヤーで乾燥させることが好ましい。ドライヤー乾燥前にプレドライヤーとして、多段式シリンダードライヤーを使用してもよい。
また、前記のようにして得られた紙に、カレンダーによる表面処理を施して厚さやプロファイルの均一化を図ってもよい。カレンダー処理としては公知のカレンダー処理機を適宜選択して使用することができる。
なお、基材に用いる材料は上記に限らず種々の紙製資材を用いることができる。
【0018】
フィルムに用いるシートには、付与する機能に応じた性質を有するシート材が用いられる。例えば、基材にフィルムを吸着させる際にフィルムが伸長することを加味した延伸性や、バリア性、耐水性、耐熱性、熱融着性などの機能をもつプラスチックシートがフィルムに採用される。
フィルムシートは、延伸性やバリア性を含む樹脂積層体であることが好ましい。樹脂積層体は、中間層にバリア層を含み、基材の内面に接する層は、基材にヒートシールされる必要があるため、熱可塑性樹脂からなる層を含む樹脂積層体であることがより好ましい。すなわち、樹脂積層体は、中間層にバリア層を含み、基材の内面に接する層に熱可塑性樹脂からなる層を含むフィルム層であることがより好ましい。
【0019】
前記バリア層は、樹脂に限られず、金属箔等でもよいが、紙基材層の印刷面を視認できるようにし、意匠性を高める観点から、樹脂から構成されることが好ましく、透明の樹脂から構成されることがより好ましい。
バリア層を構成する樹脂としては、ポリアミド系樹脂,ポリビニルアルコール,エチレン-ビニルアルコール共重合体およびポリ塩化ビニリデン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つが好ましく、ポリアミド系樹脂,ポリビニルアルコールおよびエチレン-ビニルアルコール共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1つがより好ましい。
ポリアミド系樹脂としては、芳香族ポリアミドが好ましく、ポリアミドMXD6がより好ましい。
【0020】
樹脂積層体で基材の内面に接する層を構成する樹脂としては、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂,ナイロン6等の脂肪族ポリアミド系樹脂,ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂が挙げられる。
収容空間の内側を向いた層は、例えばポリプロピレン(PP)樹脂、具体的には、ホモポリプロピレン,ランダムポリプピレン共重合体,ブロックポリプロピレン共重合体であり、特に、ランダムポリプロピレン共重合体を用いるのが好ましい。
【0021】
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン6,ナイロン66,ナイロン69,ナイロン610,ナイロン612,ナイロン11,ナイロン12などの脂肪族ポリアミド重合体,ナイロン6-66(ナイロン6とナイロン66の共重合体を表す。以下同様に表記する),ナイロン6-10,ナイロン6-12,ナイロン6-69,ナイロン6-610,ナイロン66-69などの脂肪族ポリアミド共重合体を例示することができる。なかでも、脂肪族ポリアミド共重合体が好ましく、特にナイロン6-66,ナイロン6-10またはナイロン6-12が好ましい。これらは単独で用いてもよいし、二種以上混合して用いてもよい。
【0022】
ポリオレフィン系樹脂としては、たとえば、直鎖状低密度ポリエチレン,低密度ポリエチレン,中密度ポリエチレン,高密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂,ポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂,プロピレン-エチレン共重合体,エチレン-酢酸ビニル共重合体,アイオノマー樹脂,エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体,エチレン-(メタ)アクリル酸-不飽和カルボン酸エステル共重合体などの各種共重合体が挙げられる。好ましくは、ポリエチレン系樹脂であり、特に好ましくは、直鎖状低密度ポリエチレンである。これらは単独で用いてもよいし、二種以上混合して用いてもよい。
【0023】
ポリエステル系樹脂としては、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンテレフタレート/イソフタレート)、ポリ(エチレングリコール/シクロへキサンジメタノール/テレフタレート)などが代表格としてあげられ、更にこれらの重合体に共重合成分としてエチレングリコール、ブチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオールなどのジオール類、あるいはイソフタール類、ベンゾフェノンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、プロピレンビス(フェニルカルボン酸)、ジフェニルオキサイドジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、サバチン酸、ジエチルコハク酸などのジカルボン酸を含有せしめたものが使用できる。
フィルム層に用いるフィルムシートは、上記の構成の他、種々を組み合わせた多層構成としてもよい。
【0024】
また、フィルム層に用いるフィルムシートは、環境負荷低減の観点から、ポリ乳酸(PLA),ポリグリコール酸(PGA),ポリブチレンサクシネート(PBS)等の生分解性樹脂を用いることも好ましい。
フィルム層の厚さは、好ましくは10~300μmであり、より好ましくは15~200μmであり、より好ましくは20~100μmであり、さらに好ましくは30~50μmである。
フィルム層に用いるフィルムシートは、それぞれドライラミネート法により積層してもよいが、同時に溶融押出しする、共押出し法により形成したフィルムが好ましい。
また、本フィルムは、基材の内側を向いた面に設けられる構造に限らず、基材の外側を面に配置されていても良い。
【0025】
<容器本体>
容器本体11は、底壁部12と底壁部12から折り立てられた姿勢をなす複数の側壁部13とで一つの大収容空間15を囲むトレイ状に成形されている。
容器本体11には、フィルム付きトレイ10Aに備えられた上記の基材の一部と上記のフィルムの一部とが含まれている。
ここで例示する突き合せられたブランクシートの端縁10X,10Yは、互いに隣接する側壁部13の端縁である。
容器本体11では、互いに隣接する側壁部13で突き合わせられた端縁を跨ぐフィルムによって、側壁部13が折り立てられた状態で保持されている。
【0026】
<仕切り>
仕切り20は、容器本体11の大収容空間15を小収容空間15A,15Bに区画するとともに、小収容空間15A,15Bどうしを仕切る壁部である。
仕切り20には、上述したフィルム付きトレイ10の基材の一部とフィルムの一部とが含まれている。
本実施形態の仕切り20は、底壁部12(容器本体11の一部)に折線20Aを介して接続され、折線20Aで底壁部12(容器本体11)に対して折り立てられた姿勢をなす。
【0027】
図1に示すように、仕切り20には、小収容空間15A(小収容空間の一方側)に配置された第一壁部21と、小収容空間15B(小収容空間の他方側)で第一壁部21に向かい合う第二壁部22とが含まれている。
第一壁部21および第二壁部22の二つの壁部が仕切り用の壁部である。図1に示す第一壁部21および第二壁部22は、上方へ向かうほど互いの間隔が狭くなる向きに傾斜して底壁部12に対して折り立てられている。
【0028】
第一壁部21の上縁と第二壁部22の上縁との間には、第三壁部23が設けられている。第三壁部23は、折線を介して第一壁部21の上縁と第二壁部22の上縁とのそれぞれに接続されている。第三壁部23は、平坦な面状に延在し、仕切り20の上面部をなす。
図1の第三壁部23は、底壁部12の延在する面に沿って平行に設けられている。
【0029】
第三壁部23の幅は、仕切り20をなす第一壁部21の上縁と第二壁部22の上縁22Aとが離間する寸法に対応する。上縁から上縁との間で離間する寸法に対応する。
【0030】
[2.第一実施形態の構成]
<仕切り>
図1に示す仕切り20は、複数の側壁部13のうち向かい合う一対の側壁部13F,13Bどうしの間で直線状に延びている。この仕切り20は、底壁部12と側壁部13F,13Bとの三面を大収容空間15側で支持する支持構造をなす。
本実施形態で例示する仕切り20は、第一壁部21の上縁と第二壁部22の上縁とのそれぞれの延在する方向が、側壁部13F,13Bとは別の側壁部13L,13Rに対して平行をなす。
【0031】
仕切り20の一端は、向かい合う一対の側壁部13F,13B一方に突き合わせられており、他端は他方の側壁部13Rに突き合わせられている。
そのほか、図1の仕切り20は、容器本体11の中心を通る位置に配置されており、大収容空間15を均等な広さの小収容空間15A,15Bに二分割している。ここでいう中心とは、平面視における容器本体11の前後左右方向の中心である。
【0032】
<容器本体>
図1に示す容器本体11には、平面視で八角形状の底壁部12が設けられており、この底壁部12の各辺に八つの側壁部13が接続されている。これら側壁部13の上縁には、外側へ向かって鍔状にせり出したフランジ部16が接続されている。フィルム11Bは、フランジ部16で上側を向いた面にも積層されている。
容器本体11は、八つの側壁部13の側縁どうしが突き合わせられた角部を八つ有する八角錐台形状に成形されている。なお、ここでいう「角部」は、角錐台において上底および下底をむすぶ側壁部13において角をなす部位であり、側壁部13と底壁部12との角をなす部位を含まない。
容器本体11が八角錐台形状に設けられていることで、多面体をなす容器本体11で面部の数が増えるため、容器本体11の強度が向上し、容器本体11に衝撃を加えた際の歪みを防止する効果がある。
【0033】
かかる容器本体11は、八つの側壁部13のうち四つを「四角錐台の角をなす角壁部14」と見做せば、四つの主な側壁部13と、これらの側壁部13どうしの間で面取り形状をなす四つの角壁部14とを有する四角錐台形状の容器と概観することも可能である。
ここで、容器本体11の形状を四角錐台形状と捉えて説明をすると、図1の容器本体11で四角錐台形状の角をなす角壁部14のそれぞれは、底壁部12から立ち上がる第一台形面部14Aと第一台形面部14Aの上辺に接続された第二台形面部14Bとにより形成されている。
【0034】
第一台形面部14Aは底壁部12から上方へ向かって幅が狭くなる台形形状をなす。第二領域131は、第一台形面部14Aの上辺から上方へ向かって幅が広くなる台形形状をなす。角壁部14の端縁は「くの字型」に屈曲した形状をなす。
四つの側壁部13のそれぞれの端縁は、角壁部14の端縁に沿って「くの字型」に屈曲した形状をなす。
また、角壁部14が台形形状をなすことで、角壁部が正方形形状や長方形形状をなす構造と比較して、容器本体11に衝撃が加えられた際の応力を分散することが可能である。よって、容器本体11の歪みを防止する効果がある。
【0035】
<そのほか>
第一台形面部14Aは、四角錐台形状の角をなす角壁部の底壁部12側で面取りされた面部をなすとも言える。
仕切り20の「高さ」とは、第一壁部21または第二壁部22の上縁(第三壁部23)から底壁部12までの離間する寸法に対応する。大収容空間15の「深さ」とは、側壁部13の上縁(フランジ部16の延在する面)から底壁部12までの離間する寸法に対応する。図1のトレイ10Aでは、仕切り20の高さは、大収容空間15の深さよりも小さく設定されている。
【0036】
容器本体11でブランクシートを折り曲げて成形された箇所には折線が設けられている。折線には、底壁部12と第一壁部21,第二壁部22(仕切り20)との間の折線20Aのほか、第一壁部21,第二壁部22と第三壁部23との間の折線や、底壁部12と側壁部13との間の折線、角壁部14の第一台形面部14Aと第二台形面部14Bとの間の折線などが含まれている。
図1のトレイ10Aでは各折線に沿ってミシン目が設けられている。ミシン目は、折線の延在する方向に沿って断続的に設けられた切り込みである。折線に沿ってミシン目が設けられていることで、基材にフィルムを吸引する際の吸着性が向上する。また、折線で折り曲げやすくなるのでトレイの成形性が向上する。
【0037】
<ブランクシート>
次に、トレイ10Aを組み立てるために用いるブランクシート10ASを説明する。
図2に示すように、ブランクシート10ASは、八角形状の底壁部シート片12Sと、底壁部シート片12Sの各辺から延出された側壁部シート片13Sと仕切り用シート片20Sとを備えている。側壁部シート片13Sで底壁部シート片12Sとは反対側の辺にはフランジ部16に対応するフランジ部シート片16Sが接続されている。
【0038】
底壁部シート片12Sは、仕切り用シート片20Sを介して二つの第一底壁部シート片12AS,第二底壁部シート片12BSに分割されている。第一底壁部シート片12ASはトレイ10Aに組み立てた状態で小収容空間15Aの底面をなす。第二底壁部シート片12BSはトレイ10Aに組み立てた状態で小収容空間15Bの底壁部をなす。
【0039】
側壁部シート片13Sのうち、トレイ10Aを組み立てた状態で側壁部13F,13Bに対応する二つの側壁部シート片13Sのそれぞれは、二つの第一側壁部シート片13AS,第二側壁部シート片13BSに分割されている。第一側壁部シート片13ASは、トレイ10Aに組み立てた状態で小収容空間15Aの側壁部をなす。第二側壁部シート片13BSは、トレイ10Aに組み立てた状態で小収容空間15Aの側壁部をなす。
【0040】
仕切り用シート片20Sには、第一底壁部シート片12ASに接続された第一壁部用シート片21Sと、第二底壁部シート片12BSに接続された第二壁部用シート片22Sと、第一壁部用シート片21Sと第二壁部用シート片22Sとに接続された第三壁部用シート片23Sとが含まれている。すなわち、仕切り用シート片20Sは、底壁部シート片12S(一枚のブランクシート10AS)に接続されている。
【0041】
側壁部シート片13Sのうち四つは、トレイ10Aに組み立てた状態で角壁部14に対応する角壁部シート片14Sである。角壁部シート片14Sには、第一台形面部14Aに対応する第一台形領域14ASと第二台形面部14Bに対応する第二台形領域14BSとが設けられている。
そのほか、ブランクシート10ASで折り曲げられる箇所のそれぞれには折線が設けられており、各折線に沿ってミシン目が形成されている。
【0042】
[3.作用および効果]
第一実施形態のフィルム付きトレイ10Aは、上述のように構成されるため、下記のような作用および効果を得ることができる。
大収容空間15を小収容空間15A,15Bに区画する仕切り20は、大収容空間15を区画する仕切りとして機能するだけでなく、底壁部12(容器本体11の一部)を大収容空間15側で支持する支持構造として機能する。そのため、トレイ10Aの強度が補強される。よって、底壁部や側壁部などの各部位が収容空間に対して支持されていないトレイに比べて、フィルム付きトレイ10Aの強度を確保することができる。
【0043】
向かい合った一対の側壁部13F,13Bどうしの間で直線状に延びる仕切り20により、側壁部13F,13Bが支持される。そのため、側壁部13F,13Bでは、仕切り20が直線状に延びる方向(図1では前後方向)への変形が抑制される。よって、仕切り20の延在する方向(図1では前後方向)への変形に対してトレイ10Aの補強効果を高めるができる。
【0044】
仕切り20が底壁部12に折線20Aを介して接続されているので、底壁部12の面に対して仕切り20が補強リブとして作用する。そのため、底壁部12では、仕切り20の延在する方向(図1では前後方向)への変形が抑制される。よって、トレイ10Aの強度が向上する。
仕切り20が向かい合った一対の側壁部13F,13Bのそれぞれに突き合わされており、仕切り20の突き合せられた箇所で側壁部13F,13Bが支持される。そのため、側壁部13F,13Bのそれぞれは仕切り20へ向かう方向(図1では前後方向)への変形が抑制される。よって、トレイ10Aの強度が向上する。
【0045】
仕切り20には第一壁部21と第二壁部22と第三壁部23とが含まれており、第三壁部23が第一壁部21の上縁と第二壁部22の上縁との間で平坦な面状に延在する。そのため、仕切り20が延在する方向(図1では前後方向)への変形に対する強度が強化される。よって、仕切り20の延在する方向(図1では前後方向)への変形に対してトレイ10Aの補強効果を高めるができる。
【0046】
[II.第二実施形態]
[1.第二実施形態の構成]
図3に示すように、第二実施形態のフィルム付きトレイ10Bは、十字状の仕切り30を備えている点が第一実施形態のフィルム付きトレイ10Aとは異なり、その他の構成は第一実施形態のフィルム付きトレイ10Aと共通である。
図3では、第一実施形態のフィルム付きトレイ10Aとは異なる構成に符号を付与する。第二実施形態のフィルム付きトレイ10Bで、第一実施形態のフィルム付きトレイ10Aと共通の事項にはフィルム付きトレイ10Aと共通の符号を用いて、説明を適宜省略する。また、第二実施形態において、第一実施形態で上述した基本構成は共通である。
【0047】
<仕切り>
十字状の仕切り30は、大収容空間15を四つの小収容空間15C,15D,15E,15Fに区画するとともに、小収容空間15C,15D,15E,15Fどうしを分離する壁部である。
十字状の仕切り30には、向かい合う一対の側壁部13F,13Bの間に直線状に延びる第一仕切り30Aと、第一仕切り30Aに対して直交する第二仕切り30Bとが設けられている。第一仕切り30Aの一端は一方の側壁部13Lに突き合わせられており、他端は他方の側壁部13Rに突き合わせられている。第二仕切り30Bの一端は一方の側壁部13Fに突き合わせられており、他端は他方の側壁部13Bに突き合わせられている。
十字状の仕切り30は、第一仕切り30Aと第二仕切り30Bとにより底壁部12と側壁部13L,13R,13F,13Bとの五面を大収容空間15に対して支持する支持構造をなす。
【0048】
<ブランクシート>
図4に示すように、第二実施形態のトレイ10Bに用いるブランクシート10BSでは、底壁部12に対応する底壁部シート片12Sが、小収容空間15C,15D,15E,15Fのそれぞれの底壁部をなす小シート片12CS,12DS,12ES,12FSに分割されている。
第一仕切り30Aに対応する第一仕切りシート片30ASは二つに分割されており、第二仕切り30Bに対応する第二仕切りシート片30BSは二つに分割されている。
【0049】
これらの仕切り用シート片30AS,30BSを介して、底壁部シート片12Sをなす小シート片12CS,12DS,12ES,12FSが互いに接続されている。
側壁部13L,13R,13F,13Bに対応する四つの側壁部シート片13Sのそれぞれは二つに分割されている。
【0050】
[2.作用および効果]
第二実施形態のフィルム付きトレイ10Bは、上述のように構成されるため、下記のような作用および効果を得ることができる。
十字状の仕切り30が第一仕切り30Aと第二仕切り30Bとにより底壁部12と側壁部13L,13R,13F,13Bとの五面を大収容空間15に対して支持するため、トレイ10Aの補強がより強化される。よって、仕切り30の延在する方向への変形に対してトレイ10Aの強度がより向上する。
【0051】
[III.第三実施形態]
[1.第三実施形態の構成]
図5に示すように、第三実施形態のフィルム付きトレイ10Cは、容器本体41の構造と仕切り50の構造とが第一実施形態のフィルム付きトレイ10Aとは異なり、その他の事項は第一実施形態のフィルム付きトレイ10Aと共通である。
図5では、第一実施形態のフィルム付きトレイ10Aとは異なる構成に符号を付与する。第三実施形態のフィルム付きトレイ10Cで、第一実施形態のフィルム付きトレイ10Aと共通の事項にはフィルム付きトレイ10Aと共通の符号を用いて、説明を適宜省略する。また、第三実施形態において、第一実施形態で上述した基本構成は共通である。
【0052】
<容器本体>
図5に示すように、容器本体41は、八角形状の底壁部42と底壁部42の各辺から折り立てられた姿勢をなす八つの側壁部43とで大収容空間15を囲むトレイ状に成形されている。容器本体41は、第一実施形態のフィルム付きトレイ10Aにおける角壁部14に相当する壁部が含まれていない八角錐台形状をなす。
図5に示す仕切り50は、底壁部42に折線50Aを介して接続されて折線50Aを介して折り立てられた姿勢をなし、容器本体41で向かい合う一対の側壁部43どうしの間に直線状に延在している。
【0053】
<仕切り>
仕切り50の一端は一対の側壁部43の一方に突き合せられており、他端は一対の側壁部43の他方に突き合せられている。
図5に示す仕切り50は、大収容空間15(容器本体41)の中心を通らない位置に配置されており、小収容空間15A,15Bの一方が他方よりも広く設定されている。ここで「中心」は容器本体41の前後左右方向の中心である。
【0054】
図5に示す仕切り50は、第三壁部53にテーパー部54が設けられており、その他の構成は図1の仕切り20と共通である。すなわち、仕切り50は、第一壁部51と第二壁部52とを含み、第一壁部51の上縁と第二壁部52の上縁とに第三壁部53が接続されている。
テーパー部54は、仕切り50の両端に設けられており、向かい合う一対の側壁部43のそれぞれへ向かって第三壁部53(仕切り50)の幅を広げるテーパー形状をなす部位である。すなわち、テーパー部54では前後方向に離間する寸法が、内側から外側(側壁部43に近接する側)へ向かうほど大きくなっている。
また、図5のテーパー部54は、向かい合う一対の側壁部43のそれぞれへ向かって仕切り40の高さを減少させる傾斜する形状をなす。具体的には、テーパー部54は、側壁部13に近づくほど下方へ向かって傾斜している。
【0055】
<補強面部>
図5に示す容器本体41には、小収容空間の15A,15Bの隅15Xで、底壁部42と側壁部43と仕切り50とのそれぞれに隣接する補強面部44が設けられている。補強面部44は底壁部42と側壁部43と仕切り50との間で平面状に設けられている。
図5の補強面部44は、底壁部42から側壁部43および仕切り50へ向かって上方へ傾斜する傾斜面をなし、隅15Xで小収容空間15A,15Bの深さを浅くする底上げ構造としても機能する。
小収容空間の15A,15Bの隅15Xとは、小収容空間の15A,15Bの底壁部42側で側壁部43と仕切り50とが突き合わせられた箇所の近傍である。
【0056】
<ブランクシート>
図6に示すように、第三実施形態のトレイ10Cに用いるブランクシート10CSには、トレイ10Cを組み立てた状態で底壁部42をなす底壁部シート片42Sと、側壁部43をなす側壁部シート片43Sとが設けられている。
底壁部シート片42Sは、仕切り用シート片50Sを介して、トレイ10Cに組み立てた状態で小収容空間15A側の底壁部をなすシート片42ASと、小収容空間15B側の底壁部をなすシート片42BSとの二つに分割されている。
【0057】
側壁部シート片43Sのうち、トレイ10Cを組み立てた状態で仕切り50の両端が突き合わせられた一対の側壁部43に対応する二つの側壁部シート片43Sのそれぞれは、シート片43AS,43BSとの二つに分割されている。一方のシート片43ASは、トレイ10Cに組み立てた状態で小収容空間15Aの側壁部をなす。他方のシート片43BSには、トレイ10Cを組み立てた状態で小収容空間15B側の側壁部をなし、突き合わせられる仕切り50の端縁に沿う形状の切り込みが設けられている。
【0058】
仕切り用シート片50Sには、第一壁部用シート片51Sと、第二底壁部シート片52Sと、第三壁部用シート片53Sとが含まれている。第三壁部用シート片53Sの両端には、トレイ10Cに組み立てた状態でテーパー部54をなすシート片54Sが接続されている。
また、底壁部シート片42Sには、トレイ10Cに組み立てた状態で補強面部44をなすシート片44Sが接続されている。補強面部44をなすシート片44Sは、小収容空間15A側の底壁部をなすシート片42ASに接続されたシート片44ASと,小収容空間15B側の底壁部をなすシート片42BSに接続されたシート片44BSとで形状が異なっている。
【0059】
[2.作用および効果]
第三実施形態のフィルム付きトレイ10Cは、上述のように構成されるため、下記のような作用および効果を得ることができる。
仕切り50は、側壁部43のそれぞれへ向かって仕切り50の幅を広げるテーパー形状をなすテーパー部54を有しているため、側壁部43に突き合せられた「付け根」側に近づくほど、仕切り50の幅が太くなる。そのため、仕切り50によるトレイ10Cの補強効果が強化される。よって、トレイ10Cの強度がより向上する。
【0060】
そのうえ、仕切り50の高さが他の部分よりも低くなっているテーパー部54では、仕切り50の一方から他方へ収容物を移動させやすくなる。例えば、フィルム付きトレイ10Cで小収容空間15Aに米飯を収容し、小収容空間15Bにカレールーを収容した場合、小収容空間15Aから小収容空間15Bへ米飯を移動させたり、あるいは、小収容空間15Bから小収容空間15Aへカレールーを移動させたりする作業が容易になる。よって、ユーザビリティが向上する。
【0061】
底壁部42と側壁部43と仕切り50とのそれぞれに隣接する平面状の補強面部44により、トレイ10Cで小収容空間15A,15Bを囲む面部の数が増える。よって、トレイ10Cの強度が向上する。
そのうえ、傾斜面をなす補強面部44が小収容空間15A,15Bの隅で小収容空間15A,15Bの深さを底上げするため、小収容空間15A,15Bから収容物を取り出しやすくなる。例えば、小収容空間15A,15Bに米飯のような粒状物や、カレールーのように液状物を収容した場合であっても、小収容空間15A,15Bの隅に取り残しが生じにくくなる。
【0062】
[IV.変形例]
上述の各実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせることもできる。
仕切りは、第一壁部,第二壁部および第三壁部の三つの壁部を備えない構成であってもよい。例えば、仕切りは、第一壁部および第二壁部を備えて第三壁部を備えない構成でもよい。この場合、第一壁部および第二壁部の上縁どうしが接続されてよい。あるいは、仕切りは、第一壁部(または第二壁部)のみで構成されていてもよい。この場合、仕切りを設けることにともない容器本体の一部に開口が併設され、一つの壁部だけの簡素な構造で仕切りを設けることができる。
【0063】
仕切りが直線状に延びる場合、突き合せられた側壁部に対して直交する向きに仕切りが設けられていることに限らず、突き合せられた側壁部に対して交差する向きに仕切りが設けられていてもよい。
仕切りは、曲線状に延びる形状であってもよい。
仕切りで区切られた二以上の小収容空間で、底壁部の高さ(上下方向の位置)が異なっていてもよい。すなわち、二以上の小収容空間の深さが互いに異なっていてもよい。例えば、餃子と餃子のタレを収容する用途にトレイを適用した場合、深くて広い小収容空間に餃子を収容し、浅くて狭い小収容空間に餃子のタレを収容するように設定できる。この場合、タレを収容した小収容空間が浅いので餃子にタレをつけやすくなる。
仕切りは、側壁部に折線を介して接続され折線で側壁部に対して折り立てられた姿勢をなす構造であってもよい。
【符号の説明】
【0064】
10A,10B,10C フィルム付きトレイ
11 容器本体
12 底壁部
13,13L,13R,13F,13B 側壁部
14 角壁部
14A 第一台形面部
14B 第二台形面部
15 大収容空間
15A~15F 小収容空間
15X 隅
16 フランジ部
20 仕切り
20A 折線
21 第一壁部
22 第二壁部
23 第三壁部
30 仕切り
30A 第一仕切り
30B 第二仕切り
41 容器本体
42 底壁部
43 側壁部
44 補強面部
50 仕切り
51 第一壁部
52 第二壁部
53 第三壁部
54 テーパー部
図1
図2
図3
図4
図5
図6