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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】光ファイバの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C03C 25/12 20060101AFI20241008BHJP
   C03B 37/12 20060101ALI20241008BHJP
   C03C 25/1065 20180101ALI20241008BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20241008BHJP
   G02B 6/44 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
C03C25/12
C03B37/12 A
C03C25/1065
G02B6/02 356A
G02B6/44 301B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021116168
(22)【出願日】2021-07-14
(65)【公開番号】P2023012631
(43)【公開日】2023-01-26
【審査請求日】2024-01-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145872
【弁理士】
【氏名又は名称】福岡 昌浩
(74)【代理人】
【識別番号】100187643
【弁理士】
【氏名又は名称】白鳥 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】野村 卓弘
(72)【発明者】
【氏名】相馬 一之
【審査官】三村 潤一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-206156(JP,A)
【文献】特開2008-094687(JP,A)
【文献】特開昭53-032749(JP,A)
【文献】特開2015-096924(JP,A)
【文献】特開平04-154643(JP,A)
【文献】特開2012-006797(JP,A)
【文献】特開昭51-013253(JP,A)
【文献】特開平05-011155(JP,A)
【文献】特開2004-361743(JP,A)
【文献】特開2003-095689(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 25/00 - 25/70
C03B 37/00 - 37/16
G02B 6/00 - 6/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスファイバを形成する工程と、
前記ガラスファイバの外周を覆うように樹脂被覆層を形成する工程と、
所定の硬化装置を用い、前記樹脂被覆層を硬化させる工程と、
前記樹脂被覆層を硬化させた光ファイバを複数のガイドローラおよびキャプスタンにより搬送する工程と、
前記光ファイバをボビンにより巻き取る工程と、
を有し、
前記樹脂被覆層を形成する工程では、
前記樹脂被覆層として第1樹脂被覆層および第2樹脂被覆層を前記ガラスファイバの中心軸側から外周側に向けてこの順で形成し、
前記樹脂被覆層を形成する工程から前記光ファイバを巻き取る工程までの間では、
雰囲気中における前記第2樹脂被覆層の厚さに対して1/4倍以上のサイズを有するパーティクルの密度を、1060個/m以下とする
光ファイバの製造方法。
【請求項2】
前記樹脂被覆層を形成する工程では、
前記第2樹脂被覆層のヤング率を900MPa以上とする
請求項1に記載の光ファイバの製造方法。
【請求項3】
前記光ファイバを搬送する工程から前記光ファイバを巻き取る工程までの工程では、
前記ボビンへの巻取後における前記光ファイバ全体の静電気量の絶対値が6kV以下となるように、前記複数のガイドローラ、前記キャプスタンおよび前記ボビンのうち少なくともいずれかを除電する
請求項1又は請求項2に記載の光ファイバの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光ファイバの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラスファイバの外周を樹脂被覆層によって覆った光ファイバが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-6797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、光ファイバの断線を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、
ガラスファイバを形成する工程と、
前記ガラスファイバの外周を覆うように樹脂被覆層を形成する工程と、
所定の硬化装置を用い、前記樹脂被覆層を硬化させる工程と、
前記樹脂被覆層を硬化させた光ファイバを複数のガイドローラおよびキャプスタンにより搬送する工程と、
前記光ファイバをボビンにより巻き取る工程と、
を有し、
前記樹脂被覆層を形成する工程では、
前記樹脂被覆層として第1樹脂被覆層および第2樹脂被覆層を前記ガラスファイバの中心軸側から外周側に向けてこの順で形成し、
前記樹脂被覆層を形成する工程から前記光ファイバを巻き取る工程までの間では、
雰囲気中における前記第2樹脂被覆層の厚さに対して1/4倍以上のサイズを有するパーティクルの密度を、1060個/m以下とする
光ファイバの製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、光ファイバの断線を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る光ファイバを示す概略断面図である。
図2図2は、本開示の一実施形態に係る光ファイバ製造装置を示す概略構成図である。
図3図3は、第2樹脂被覆層の厚さに対する断線頻度を示す図である。
図4図4は、対象パーティクル密度に対しる断線頻度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[本開示の実施形態の説明]
<発明者等の得た知見>
まず、発明者等の得た知見について説明する。
【0009】
近年では、光ケーブルとして、複数の光ファイバを高密度に実装するために、光ファイバの外周径を細くすることが求められている。具体的には、近年における光ファイバの外周径は、200μm以下のものがある。
【0010】
このような細径を有する光ファイバの製造工程では、従来の外周径を有する光ファイバよりも、光ファイバが断線し易くなっていた。製造工程中に光ファイバの断線が生じると、光ファイバの製造効率が低下してしまう。そのため、今までにない製法上の工夫が求められていた。
【0011】
上述の課題に対し、製造工程での雰囲気中に存在するパーティクルに着目し、検討を行った。
【0012】
製造工程で雰囲気中に存在するパーティクルが光ファイバに付着すると、光ファイバを搬送するガイドローラまたはキャプスタンなどと、当該光ファイバとの間に、パーティクルが介在する。このとき、光ファイバは所定の張力で搬送されるため、光ファイバに付着したパーティクルが局所的に樹脂被覆層に押し付けられる。このため、ガラスファイバに対して局所的な応力が加わる可能性がある。このような場合、ガラスファイバにクラックなどの損傷が生じうる。その結果、ガラスファイバの損傷を起因として、光ファイバが断線するおそれがある。
【0013】
発明者等は、当該パーティクルに関して鋭意検討を行った結果、雰囲気中の特定のパーティクルと、第2樹脂被覆層の厚さとの関係が、光ファイバの断線頻度に影響することを見出した。
【0014】
本開示は、本開示者等が見出した上記知見に基づくものである。
【0015】
[本開示の実施形態の詳細]
次に、本開示の一実施形態を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0016】
<本開示の一実施形態>
(1)光ファイバ
本開示の一実施形態に係る光ファイバ10について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る光ファイバを示す概略断面図である。
【0017】
なお、以下において、ガラスファイバ100の「軸方向」とは、ガラスファイバ100の中心軸に沿った方向のことをいい、ガラスファイバ100の長手方向と言い換えることができる。また、ガラスファイバ100の「径方向」とは、ガラスファイバ100の軸方向に垂直な方向のことをいい、場合によってはガラスファイバ100の短手方向と言い換えることができる。また、ガラスファイバ100の「周方向」とは、ガラスファイバ100の外周に沿った方向(図1では円周方向となる)のことをいう。光ファイバ10についても、ガラスファイバ100と同様の用語を用いることができる。
【0018】
図1に示すように、本実施形態の光ファイバ10は、例えば、ガラスファイバ100の外周を樹脂被覆層200により覆った線状体として構成されている。すなわち、光ファイバ10は、例えば、ガラスファイバ100と、樹脂被覆層200と、をガラスファイバ100の中心軸側から外周側に向けてこの順で有している。
【0019】
なお、ここでいう「光ファイバ10」との用語は、着色する前の光ファイバ素線と、着色した後の光ファイバ心線とを含むものである。以下、例えば、光ファイバ10を光ファイバ素線として説明する。
【0020】
[ガラスファイバ]
ガラスファイバ100は、例えば、光ファイバ10に導入された光を該光ファイバ10の軸方向に沿って伝送する光伝送体として構成されている。なお、ガラスファイバ100は、例えば、「光ファイバ裸線」とも呼ばれる。ガラスファイバ100は、例えば、シリカ(SiO)ガラスを基材(主成分)とし、コア120と、クラッド140と、を有している。
【0021】
[樹脂被覆層]
樹脂被覆層200は、例えば、ガラスファイバ100の外周を覆うように設けられ、ガラスファイバ100を保護するよう構成されている。
【0022】
本実施形態では、樹脂被覆層200は、例えば、第1樹脂被覆層(プライマリ樹脂被覆層)220と、第2樹脂被覆層(セカンダリ樹脂被覆層)240と、を有している。
【0023】
第1樹脂被覆層220は、例えば、ガラスファイバ100のクラッド140の外周を覆うように設けられ、クラッド140の外周に接している。第2樹脂被覆層240は、例えば、第1樹脂被覆層220の外周を覆うように設けられ、第1樹脂被覆層220の外周に接している。
【0024】
第1樹脂被覆層220および第2樹脂被覆層240は、例えば、紫外線硬化型の樹脂組成物を紫外線照射により硬化させた硬化物として構成されている。紫外線硬化型の樹脂組成物におけるベース樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレートなどが挙げられる。
【0025】
本実施形態では、第2樹脂被覆層240のヤング率は、例えば、900MPa以上であることが好ましい。第2樹脂被覆層240のヤング率が900MPa未満であると、製造工程で雰囲気中に存在するパーティクルが光ファイバ10に付着したときに、後述の搬送部550のガイドローラ552などとの接触によって、該パーティクルが局所的に第2樹脂被覆層240内に押し込まれ易くなる。このため、ガラスファイバ100に対して過剰な応力が加わる可能性がある。その結果、光ファイバ10の断線し易くなるおそれがある。これに対し、本実施形態では、第2樹脂被覆層240のヤング率を900MPa以上とすることで、すなわち、第2樹脂被覆層240を硬くすることで、製造工程で雰囲気中に存在するパーティクルが光ファイバ10に付着したとしても、第2樹脂被覆層240内へのパーティクルの局所的な押し込みを抑制することができる。これにより、ガラスファイバ100に対する過剰な応力の印加を抑制することができる。その結果、光ファイバ10の断線を安定的に抑制することができる。
【0026】
なお、第2樹脂被覆層240のヤング率の上限値は、特に限定されるものではない。例えば、1400MPa以下であることが好ましい。
【0027】
なお、第1樹脂被覆層220のヤング率は、例えば、0.15MPa以上1.2MPa以下であることが好ましい。
【0028】
本実施形態では、光ファイバ10は、例えば、細径に構成されている。具体的には、上述の樹脂被覆層200の外周径(すなわち、第2樹脂被覆層240の外周径)は、例えば、190μm以下である。これにより、光ケーブルとして、複数の光ファイバ10を高密度に実装することができる。
【0029】
樹脂被覆層200の外周径は、例えば、160μm以上であることが好ましい。
【0030】
上述の第1樹脂被覆層220の外周径と、第2樹脂被覆層240の外周径との関係から、第2樹脂被覆層240の厚さは、例えば、10μm以上25μm以下であることが好ましい。
【0031】
(2)光ファイバ製造装置
次に、図2を参照し、本実施形態に係る光ファイバ製造装置50について説明する。図2は、本実施形態に係る光ファイバ製造装置を示す概略構成図である。
【0032】
図2に示すように、本実施形態の光ファイバ製造装置50は、例えば、線引炉510と、ファイバ位置測定部522と、冷却装置523と、外径測定部524と、樹脂被覆装置530と、硬化装置540と、搬送部550と、ボビン560と、制御部590と、クリーンブース620と、空調システム640と、を備えている。なお、制御部590、クリーンブース620および空調システム640以外の装置部材は、この順で設けられている。
【0033】
以下、光ファイバ製造装置50の各装置部材において、把持機構512に近い側を「上流」といい、ボビン560に近い側を「下流」という。
【0034】
線引炉510は、ガラスファイバ100を形成するよう構成されている。
【0035】
炉心管514内を加熱し、軟化したガラスを引き延ばすことで、細径を有するガラスファイバ100が形成される。
【0036】
ファイバ位置測定部522は、ガラスファイバ100の水平方向の位置を測定するよう構成されている。
【0037】
冷却装置523は、線引炉510で形成されたガラスファイバ100を冷却するよう構成されている。
【0038】
外径測定部524は、樹脂被覆前のガラスファイバ100の外周径を測定するよう構成されている。
【0039】
樹脂被覆装置530は、ガラスファイバ100の外周を覆うように樹脂被覆層200を形成するよう構成されている。樹脂被覆層200は、ガラスファイバ100を挿通させつつ、ガラスファイバ100の外周に紫外線硬化型の樹脂組成物を塗布するダイスを有している。
【0040】
本実施形態では、樹脂被覆装置530は、第1樹脂被覆層220と、第2樹脂被覆層240とを、ガラスファイバ100の中心軸側から外周側に向けてこの順で形成する2つのダイスを有している。
【0041】
硬化装置540は、樹脂被覆層200に対して紫外線を照射し、樹脂被覆層200を硬化させるよう構成されている。
【0042】
搬送部550は、樹脂被覆層200を硬化させた光ファイバ10を搬送するよう構成されている。具体的には、搬送部550は、例えば、複数のガイドローラ552、556と、キャプスタン554と、を有している。複数のガイドローラ552のうちの1つである直下ローラ552aは、例えば、硬化装置540の直下に位置している。キャプスタン554は、例えば、直下ローラ552aよりも下流側に設けられ、ベルトとローラとの間に光ファイバ10を把持しながら、所定の張力で光ファイバ10を搬送(牽引)するよう構成されている。複数のガイドローラ552のうちのスクリーニングローラ552c、552dおよび552eは、キャプスタン554よりも下流側に設けられ、キャプスタン554とともに光ファイバ10に対してスクリーニング張力を印加するよう構成されている。ガイドローラ556は、スクリーニングローラ552eよりも下流側に設けられ、光ファイバ10の張力の変動に応じて上下動することにより、光ファイバ10の張力を調整するよう構成されている。
【0043】
ボビン560は、例えば、ガイドローラ556よりも下流側に設けられ、光ファイバ10を巻き取るよう構成されている。
【0044】
制御部590は、例えば、光ファイバ製造装置50の各部に接続され、これらを制御するよう構成されている。制御部590は、例えば、コンピュータとして構成されている。
【0045】
ここで、本実施形態では、樹脂被覆装置530からボビン560までの環境は、後述の雰囲気中の対象パーティクル密度の要件を満たすように維持されている。
【0046】
具体的には、光ファイバ製造装置50は、例えば、クリーンブース620および空調システム640を有している。
【0047】
クリーンブース620は、例えば、樹脂被覆装置530からボビン560までの領域を囲むように設けられている。クリーンブース620は、例えば、樹脂被覆装置530からボビン560までの領域と、それら以外の領域と、を区画する樹脂板または樹脂フィルムなどを有している。
【0048】
空調システム640は、例えば、クリーンブース620内の空気を吸引し、フィルタを通してパーティクルを除去し、清浄化された空気をクリーンブース620に供給するよう構成されている。空調システム640におけるフィルタとしては、例えば、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)、またはULPAフィルタ(Ultra Low Penetration Air Filter)などが挙げられる。また、空調システム640は、例えば、クリーンブース620内の圧力を、該クリーンブース620よりも外側の領域の圧力よりも陽圧に維持するよう構成されている。
【0049】
さらに、本実施形態では、複数のガイドローラ552、キャプスタン554およびボビン560のうち少なくともいずれかは、例えば、後述の巻取後の光ファイバ10の静電気量の要件を満たすように除電可能に構成されている。
【0050】
具体的には、複数のガイドローラ552、キャプスタン554およびボビン560のそれぞれには、例えば、イオナイザ580(590a~580h)が設けられている。イオナイザ580は、例えば、対象物に対してイオン化空気を吹き付けて、対象物を除電するよう構成されている。
【0051】
(3)光ファイバの製造方法
次に、図2を参照し、本実施形態に係る光ファイバ10の製造方法について説明する。以下、ステップを「S」と略している。
【0052】
本実施形態の光ファイバ10の製造方法は、例えば、ガラスファイバ形成工程(線引工程)S100と、冷却工程S200と、樹脂被覆層形成工程S300と、硬化工程S400と、搬送工程S500と、巻取工程S600と、を有している。なお、これらの工程は、光ファイバ製造装置50においてこの順で連続的に実施される。また、光ファイバ製造装置50の各構成部材は、制御部590により制御される。
【0053】
[S100:線引き工程]
まず、線引炉510の炉心管514内にガラス母材Gを導入し、発熱体516により炉心管514内のガラス母材Gを加熱する。ガラス母材Gを加熱したら、ガラス母材Gの下端から軟化したガラスを引き延ばし、細径を有するガラスファイバ100を形成する。
【0054】
[S200:冷却工程]
次に、線引炉510で形成されたガラスファイバ100を、冷却装置523に導入して空冷する。
【0055】
このとき、外径測定部524により測定した樹脂被覆前のガラスファイバ100の外周径が一定になるように、ガラス母材の送り込み量などを制御する。
【0056】
[S300:樹脂被覆層形成工程]
次に、樹脂被覆装置530により、ガラスファイバ100の外周を覆うように樹脂被覆層200を形成する。
【0057】
このとき、本実施形態では、樹脂被覆層200として、第1樹脂被覆層220と、第2樹脂被覆層240とを、ガラスファイバ100の中心軸側から外周側に向けてこの順で連続的に形成する。
【0058】
また、このとき、本実施形態では、樹脂被覆層200の外周径を、例えば、190μm以下とする。
【0059】
[S400:硬化工程]
次に、硬化装置540により、樹脂被覆層200に対して紫外線を照射し、樹脂被覆層200を硬化させる。このとき、本実施形態では、第1樹脂被覆層220および第2樹脂被覆層240を同時に硬化させる。硬化後の第2樹脂被覆層240のヤング率を900MPa以上とすることで、当該樹脂被覆層200をパーティクルに傷付けられにくくすることができる。
【0060】
[S500:搬送工程]
次に、搬送部550により、樹脂被覆層200を硬化させた光ファイバ10を搬送する。具体的には、搬送部550において、直下ローラ552a、ガイドローラ552b、キャプスタン554、スクリーニングローラ552c、552d並びに552e、およびガイドローラ556を通して、所定の張力で光ファイバ10を搬送する。
【0061】
[S600:巻取工程]
次に、ボビン560により、光ファイバ10を巻き取る。
【0062】
ここで、本実施形態では、樹脂被覆層形成工程S300から巻取工程S600までの間では、例えば、雰囲気中における第2樹脂被覆層240の厚さに対して1/4倍以上のサイズ(粒径)を有するパーティクルの密度を、1060個/m以下とする。なお、当該パーティクルの密度を「対象パーティクル密度」ともいう。また、単位としてCF(立方フィート:cubic feet)を用いると、上述の対象パーティクル密度は、30個/CF以下とすることに相当する。
【0063】
本実施形態では、対象パーティクル密度を1060個/m以下とすることで、第2樹脂被覆層240の厚さに対するサイズの比率が大きいパーティクルが、光ファイバ10に付着する確率を低くすることができる。
【0064】
なお、対象パーティクル密度の下限値は、低ければ低いほどよいため、特に限定されるものではない。
【0065】
上述の対象パーティクル密度は、例えば、空調システム640のフィルタの種類、空調システム640のフィルタの数、空調システム640の吸気速度、空調システム640の清浄空気の供給速度、クリーンブース620内の圧力などにより調整する。
【0066】
また、本実施形態では、搬送工程S500から巻取工程S600までの工程では、ボビン560への巻取後における光ファイバ10全体の静電気量の絶対値が6kV以下となるように、複数のガイドローラ552、キャプスタン554およびボビン560のうち少なくともいずれかを除電する。上述の静電気量の要件を満たすように各部を除電することで、光ファイバ10の帯電に起因した光ファイバ10へのパーティクルの付着を抑制することができる。
【0067】
なお、ここでいう「ボビン560への巻取後における光ファイバ10全体の静電気量」とは、ボビン560に巻き取られた状態の光ファイバ10全体の静電気量と言い換えることができる。また、巻取後の光ファイバ10全体の静電気量を規定している理由は、光ファイバ10の搬送過程で、光ファイバ10の静電気量を測定することができないためである。上述のように、巻取後の光ファイバ10全体の静電気量を満たすことは、光ファイバ10の搬送過程で、光ファイバ10の静電気の蓄積を抑制することに相当する。
【0068】
なお、巻取後の光ファイバ10の静電気量の下限値は、低ければ低いほどよいため、特に限定されるものではない。
【0069】
具体的な除電方法としては、例えば、光ファイバ10が帯電する極性と反対の極性を有するイオン化空気を、複数のガイドローラ552、キャプスタン554およびボビン560のうち少なくともいずれかに対して、各イオナイザ580により吹き付ける。イオン化空気を吹き付ける箇所は、対象物において光ファイバ10が接触する箇所とすることが好ましい。このような方法により、光ファイバ10の静電気を相殺することができる。その結果、光ファイバ10を安定的に除電することができる。
【0070】
また、本実施形態では、例えば、ボビン560よりも上流側に位置する複数のガイドローラ552およびキャプスタン554のうち少なくともいずれかを、イオナイザ580により除電することが好ましい。ボビン560よりも上流側では、光ファイバ10が搬送されているため、雰囲気中のパーティクルに光ファイバ10が接近し易い傾向がある。したがって、上述のようにボビン560よりも上流側で積極的に除電を行うことで、雰囲気中のパーティクルに光ファイバ10が接近する可能性がある期間であっても、光ファイバ10へのパーティクルの付着を安定的に抑制することができる。
【0071】
また、本実施形態では、例えば、キャプスタン554をイオナイザ580cにより除電することが、さらに好ましい。キャプスタン554では、ベルトとローラとの間で光ファイバ10が擦れるため、光ファイバ10が帯電し易い。したがって、上述のようにキャプスタン554を積極的に除電することで、光ファイバ10の帯電を安定的に抑制することができる。その結果、光ファイバ10へのパーティクルの付着を安定的に抑制することができる。
【0072】
なお、本実施形態では、複数のガイドローラ552、キャプスタン554およびボビン560の全てを、各イオナイザ580により除電することが、最も好ましい。これにより、光ファイバ10の搬送中における光ファイバ10の帯電を確実に抑制することができ、光ファイバ10へのパーティクルの付着を確実に抑制することができる。
【0073】
以上により、本実施形態の光ファイバ10が製造される。
【0074】
(4)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
【0075】
(a)本実施形態の樹脂被覆層形成工程S300から巻取工程S600までの間では、雰囲気中における第2樹脂被覆層240の厚さに対して1/4倍以上のサイズを有するパーティクルの密度を、1060個/m以下とする。
【0076】
対象パーティクル密度が1060個/m超であると、第2樹脂被覆層240の厚さに対するサイズの比率が大きいパーティクルが、光ファイバ10に付着する確率が高くなる。このような大きなパーティクルが光ファイバ10に付着すると、搬送部550のガイドローラ552などとの接触によって、該パーティクルが局所的に第2樹脂被覆層240内に押し込まれ易くなる。このため、ガラスファイバ100に対して過剰な応力が加わる可能性がある。その結果、光ファイバ10の断線し易くなるおそれがある。
【0077】
これに対し、本実施形態では、対象パーティクル密度を1060個/m以下とすることで、第2樹脂被覆層240の厚さに対するサイズの比率が大きいパーティクルが、光ファイバ10に付着する確率を低くすることができる。パーティクルの付着を抑制することで、第2樹脂被覆層240内へのパーティクルの局所的な押し込みを抑制することができる。これにより、ガラスファイバ100に対する過剰な応力の印加を抑制することができる。その結果、光ファイバ10の断線を安定的に抑制することができる。
【0078】
このようにガラスファイバ100の断線頻度を低減させることで、光ファイバ10の製造効率の低下を抑制することが可能となる。
【0079】
(b)本実施形態の樹脂被覆層形成工程S300では、第2樹脂被覆層240のヤング率を900MPa以上とする。すなわち、第2樹脂被覆層240を硬くすることで、製造工程で雰囲気中に存在するパーティクルが光ファイバ10に付着したとしても、第2樹脂被覆層240内へのパーティクルの局所的な押し込みを抑制することができる。これにより、ガラスファイバ100に対する過剰な応力の印加を抑制することができる。その結果、光ファイバ10の断線を安定的に抑制することができる。
【0080】
(c)本実施形態の搬送工程S500から巻取工程S600までの工程では、ボビン560への巻取後における光ファイバ10全体の静電気量の絶対値が6kV以下となるように、複数のガイドローラ552、キャプスタン554およびボビン560のうち少なくともいずれかを除電する。
【0081】
ここで、複数のガイドローラ552およびキャプスタン554による光ファイバ10の搬送と、ボビン560による光ファイバ10の巻取とにおいて(これらを合わせて、光ファイバ10の搬送過程ともいう)、光ファイバ10が各部と接触する。このため、光ファイバ10が帯電しやすい。
【0082】
巻取後の光ファイバ10全体の静電気量の絶対値が6kV未満であることは、上述の光ファイバ10の搬送過程で、光ファイバ10の静電気が蓄積していたことに相当する。上述のように、光ファイバ10の搬送過程で光ファイバ10が帯電していると、光ファイバ10の搬送過程で、パーティクルが静電気によって光ファイバ10に付着し易くなる。パーティクルが光ファイバ10に付着すると、上述のように樹脂被覆層200内へのパーティクルの押し込みに起因して、ガラスファイバ100に対して過剰な応力が加わる可能性がある。その結果、光ファイバ10の断線し易くなるおそれがある。
【0083】
これに対し、本実施形態のように、巻取後の光ファイバ10全体の静電気量を低減することは、光ファイバ10の搬送過程で、光ファイバ10の静電気の蓄積を抑制することに相当する。光ファイバ10の静電気の蓄積を抑制することで、光ファイバ10の帯電に起因した光ファイバ10へのパーティクルの付着を抑制することができる。これにより、樹脂被覆層200内へのパーティクルの押し込みに起因した、ガラスファイバ100に対する過剰な応力の印加を抑制することができる。その結果、光ファイバ10の断線を安定的に抑制することができる。
【0084】
(d)本実施形態では、光ファイバ10の樹脂被覆層200の外周径は、190μm以下である。このような細径の光ファイバ10の製造の際には、後述の実施例のように、第2樹脂被覆層240の厚さに対して1/4倍以上のサイズを有するパーティクルの付着によって、光ファイバ10の断線が生じやすい。したがって、上述した製造方法は、樹脂被覆層200の外周径が190μm以下である光ファイバ10の製造に、特に有効である。
【0085】
<本開示の他の実施形態>
以上、本開示の実施形態について具体的に説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0086】
上述の実施形態では、光ファイバ10が着色する前の光ファイバ素線であるとして図示及び説明したが、上述のように、光ファイバ10は、着色した後の光ファイバ心線であってもよい。すなわち、光ファイバ10は、樹脂被覆層200の外周を覆う着色層を有していてもよい。
【0087】
上述の実施形態では、樹脂被覆層200が2層により構成されている場合について説明したが、この場合に限られない。樹脂被覆層200は、1層のみにより構成されていてもよいし、或いは、3層以上により構成されていてもよい。
【0088】
上述の実施形態では、以下の(i)、(ii)および(iii)の全てを実施する場合について説明したが、この場合に限られない。
(i)樹脂被覆層形成工程S300から巻取工程S600までの間では、雰囲気中における第2樹脂被覆層240の厚さに対して1/4倍以上のサイズを有するパーティクルの密度を、1060個/m以下とする。
(ii)第2樹脂被覆層240のヤング率を900MPa以上とする。
(iii)搬送工程S500から巻取工程S600までの工程では、ボビン560への巻取後における光ファイバ10全体の静電気量の絶対値が6kV以下となるように、複数のガイドローラ552、キャプスタン554およびボビン560のうち少なくともいずれかを除電する。
少なくとも(i)を実施すれば、上述の効果を少なからず得ることができる。ただし、上記(i)に加え、(ii)および(iii)のうち少なくともいずれかを実施したほうが、上述の効果を安定的に得ることができる。
【0089】
上述の実施形態では、クリーンブース620により、樹脂被覆装置530からボビン560までの領域と、それら以外の領域とを区画するとともに、空調システム640によりクリーンブース620内の対象パーティクル密度を低減する場合について説明したが、この場合に限られない。光ファイバ製造装置50が設置されるクリーンルーム内の全体において、空調システムにより対象パーティクル密度を低減してもよい。
【0090】
上述の実施形態では、樹脂被覆層形成工程S300から巻取工程S600までの間では、雰囲気中における第2樹脂被覆層240の厚さに対して1/4倍以上のサイズを有するパーティクルの密度を、1060個/m以下とする場合について説明したが、この場合に限られない。対象パーティクル密度の調整ではなく、第2樹脂被覆層240の厚さを調整してもよい。すなわち、第2樹脂被覆層240の厚さを、例えば、雰囲気中に最も多く(例えば30個/CF超)で存在するパーティクルのサイズに対して4倍以上としてもよい。ただし、第2樹脂被覆層240の厚さは光ファイバ10の仕様によって決まってしまうため、上述のように対象パーティクル密度を調整するほうが好ましい。
【実施例
【0091】
次に、本開示に係る実施例を説明する。これらの実施例は本開示の一例であって、本開示はこれらの実施例により限定されない。
【0092】
(1)光ファイバの作製
以下の条件下で、各サンプルの光ファイバを作製した。
【0093】
各サンプルの作製時には、クリーンブースの開閉具合を変えて、雰囲気中の対象パーティクル密度を調整した。
【0094】
[共通する条件]
ガラスファイバの外周径:125μm
光ファイバの外周径(第2樹脂被覆層の外周径):180μm
樹脂被覆層の層数:2層
製造装置:図2で示した構成
【0095】
[実験1]
第2樹脂被覆層の厚さ:5~30μm(第2樹脂被覆層の外周径は180μmで固定)
パーティクルサイズ(粒径):3.75μm又は5μm
パーティクル密度:30個/CF
第2樹脂被覆層のヤング率:900MPa
搬送部およびボビンにおけるイオナイザによる除電:なし
【0096】
[実験2]
第2樹脂被覆層の厚さ:20μm
対象パーティクル密度:0~50個/CF
第2樹脂被覆層のヤング率:900MPa
搬送部およびボビンにおけるイオナイザによる除電:なし
【0097】
[実験3]
第2樹脂被覆層の厚さ:20μm
対象パーティクル密度:30個/CF
第2樹脂被覆層のヤング率:800~2000MPa
搬送部およびボビンにおけるイオナイザによる除電:あり
巻取後の光ファイバの静電気量(絶対値):6kV
【0098】
[実験4]
第2樹脂被覆層の厚さ:20μm
対象パーティクル密度:30個/CF
第2樹脂被覆層のヤング率:900MPa
搬送部およびボビンにおけるイオナイザによる除電:あり又はなし
巻取後の光ファイバの静電気量(絶対値):0.3~30kV
(サンプルB4-2は、除電なしとした。)
【0099】
(2)評価
[対象パーティクル密度]
樹脂被覆装置からボビンまでの領域を囲むクリーンブース内の対象パーティクル密度を、パーティクルカウンタ(Met One Model237B)により測定した。当該パーティクルカウンタによれば、1CFの空気を吸引したときに含まれるパーティクルのサイズと、その個数を検出することが可能である。
【0100】
[静電気量]
ボビンに巻き取られた後の光ファイバの静電気量の絶対値を、静電気量測定器により測定した。
【0101】
[断線頻度測定]
上述の各サンプルの光ファイバの作製過程において、光ファイバの断線の回数を計測した。各サンプルにおいて、1000km当たりの断線の数を「断線頻度(回/Mm)」として求めた。その結果、断線頻度が5回/Mm未満である場合を「良好」として評価し、断線頻度が5回/Mm以上である場合を「不良」として評価した。
【0102】
(3)結果
[実験1]
図3を参照し、第2樹脂被覆層の厚さの依存性に関する実験1の結果を説明する。
【0103】
図3に示すように、所定のサイズを有するパーティクルが存在する雰囲気での光ファイバの製造において、第2樹脂被覆層の厚さが所定の閾値から薄くなるにつれて、光ファイバの断線頻度が徐々に増加していた。また、異なるサイズを有するパーティクルの比較から、光ファイバの断線頻度が5回/Mm以上となる第2樹脂被覆層の厚さの閾値は、パーティクルサイズの4倍程度であり、パーティクルサイズに比例することが分かった。
【0104】
[実験2]
図4を参照し、対象パーティクル密度の依存性に関する実験2の結果を説明する。
【0105】
図4に示すように、雰囲気中における第2樹脂被覆層の厚さに対して1/4倍以上のサイズを有するパーティクルの密度(対象パーティクル密度)が、所定の閾値から高くなるにつれて、光ファイバの断線頻度が徐々に増加していた。光ファイバの断線頻度が5回/Mm以上となる対象パーティクル密度の閾値は、30個/CFであることが分かった。
【0106】
実験1および実験2の結果から、樹脂被覆層形成工程から巻取工程までの間では、雰囲気中における第2樹脂被覆層の厚さに対して1/4倍以上のサイズを有するパーティクルの密度を30個/CF以下とすることで、光ファイバの断線頻度を低減することができることを確認した。
【0107】
[実験3]
以下の表1を参照し、第2樹脂被覆層のヤング率の依存性に関する実験3の結果を説明する。
【0108】
【表1】
【0109】
第2樹脂被覆層のヤング率を900MPa未満としたサンプルB3-1では、光ファイバの断線頻度が5回/Mm以上であった。
【0110】
サンプルB3-1では、パーティクルが光ファイバに付着したときに、パーティクルが第2樹脂被覆層内に押し込まれ易くなっていた。その結果、サンプルB3-1では、光ファイバの断線し易くなったと考えられる。
【0111】
これに対し、第2樹脂被覆層のヤング率を900MPa以上としたサンプルA3-1~A3-4では、光ファイバの断線頻度が5回/Mm未満であった。また、サンプルA3-1~A3-4では、第2樹脂被覆層のヤング率が高くなるにつれて、光ファイバの断線頻度が低くなる傾向があった。
【0112】
サンプルA3-1~A3-4では、第2樹脂被覆層のヤング率を900MPa以上としたことで、パーティクルが光ファイバに付着したとしても、第2樹脂被覆層内へのパーティクルの局所的な押し込みを抑制することができた。その結果、サンプルA3-1~A3-4では、光ファイバ10の断線を安定的に抑制することができたことを確認した。
【0113】
[実験4]
以下の表2を参照し、静電気量の依存性に関する実験4の結果を説明する。
【0114】
【表2】
【0115】
巻取後の光ファイバの静電気量の絶対値を6kV超としたサンプルB4-1およびB4-2では、光ファイバの断線頻度が5回/Mm以上であった。また、サンプルB4-1およびB4-2では、巻取後の光ファイバの静電気量の絶対値が高くなるにつれて、光ファイバの断線頻度が高くなる傾向があった。
【0116】
サンプルB4-1およびB4-2では、光ファイバの搬送過程で、光ファイバの静電気が蓄積していた。このため、パーティクルが光ファイバに付着し易くなっていた。その結果、サンプルB4-1およびB4-2では、光ファイバ10の断線し易くなっていたと考えられる。
【0117】
これに対し、巻取後の光ファイバの静電気量の絶対値を6kV以下としたサンプルA4-1~A4-3では、光ファイバの断線頻度が5回/Mm未満であった。また、サンプルA4-1~A4-3では、巻取後の光ファイバの静電気量の絶対値が低くなるにつれて、光ファイバの断線頻度が低くなる傾向があった。
【0118】
サンプルA4-1~A4-3では、光ファイバの搬送過程で、光ファイバの静電気の蓄積を抑制することができた。これにより、光ファイバへのパーティクルの付着を抑制することができた。その結果、サンプルA4-1~A4-3では、光ファイバの断線を安定的に抑制することができたことを確認した。
【符号の説明】
【0119】
10 光ファイバ
50 光ファイバ製造装置
100 ガラスファイバ
120 コア
140 クラッド
200 樹脂被覆層
220 第1樹脂被覆層
240 第2樹脂被覆層
430 硬化装置
510 線引炉
512 把持機構
514 炉心管
516 発熱体
518 ガス供給部
522 ファイバ位置測定部
523 冷却装置
524 外径測定部
530 樹脂被覆装置
540 硬化装置
550 搬送部
552 ガイドローラ
552a 直下ローラ
552b ガイドローラ
552c、552d、552e スクリーニングローラ
554 キャプスタン
555 振動抑制部
556 ガイドローラ
560 ボビン
580、580a~580h イオナイザ
590 制御部
620 クリーンブース
640 空調システム
図1
図2
図3
図4