(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20241008BHJP
G06Q 10/0875 20230101ALI20241008BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q10/0875
(21)【出願番号】P 2021170238
(22)【出願日】2021-10-18
【審査請求日】2024-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長坂 修
(72)【発明者】
【氏名】大塩 典彦
(72)【発明者】
【氏名】榊原 孝典
(72)【発明者】
【氏名】岡 尚哉
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-040943(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0255120(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が有する車両部品を発注する発注情報と、前記車両のアップグレードの実施有無を含む情報とを取得し、
前記取得した発注情報が、前記車両のアップグレードを実施したことを表示する表示物を貼付する車体の構造部材の発注情報を含み、かつ、前記車両が、アップグレードを実施した車両である場合、前記表示物の発注を指令する指令情報を生成する、
ことを実行する制御部を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関する表示物の発注を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の拠点から送られてくる修理情報に基づいて、記憶部に記憶された部品の在庫数で修理できる車両の数が最大になるように、在庫している部品を、部品を発注した拠点に割り振るシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、車両をアップグレードしたことを表示する表示物を適切な条件の下で発注する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態の一側面は、情報処理装置によって例示される。
本情報処理装置は、制御部を備える。制御部は、車両が有する車両部品を発注する発注情報と、前記車両のアップグレードの実施有無を含む情報とを取得する。前記取得した発注情報が、前記車両のアップグレードを実施したことを表示する表示物を貼付する車体の構造部材の発注情報を含み、かつ、前記車両が、アップグレードを実施した車両である場合、制御部は、前記表示物の発注を指令する指令情報を生成することを実行する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、車両をアップグレードしたことを表示する表示物を適切な条件の下で発注する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態における情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】情報処理装置におけるプロセッサの各機能構成の例を概略的に示すブロック図である。
【
図3】実施形態における情報処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
複数の拠点から送られてくる修理情報に基づいて、記憶部に記憶された部品の在庫数で修理できる車両の数が最大になるように、在庫している部品を、部品を発注した拠点に割り振るシステムが提案されている。しかしながら、車両がアップグレードされたときに、該車両がアップグレードされたことを表示する表示物の発注を適切な条件の下で行いたい場合がある。
【0009】
本開示の実施形態に係る情報処理装置は、制御部を備える。制御部は、車両が有する車両部品を発注する発注情報と、車両のアップグレードの有無を含む情報とを取得する。取得した発注情報が、車両のアップグレードを実施したことを表示する表示物を貼付する車体の構造部材の発注情報を含み、かつ、該車両が、アップグレードを実施した車両である場合、制御部は、表示物の発注を指令する指令情報を生成する。
【0010】
本情報処理装置によれば、車両をアップグレードしたことを表示する表示物を適切な条件の下で発注する技術を提供することができる。
【0011】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、および、その相対配置等は、特に記載がない限りは本開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0012】
(情報処理システムの概略)
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。
図1のように、情報処理システム1は、車両が有する部品(以下、車両部品という)の発注を制御するためのシステムである。情報処理システム1は、管理サーバ100、工場装置201、工場サーバ301を有する。管理サーバ100、工場装置201および工場サーバ301は、ネットワークNにより相互に接続される。ネットワークNとして、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網であるWAN(Wide Area Network)、または携帯電話等の電話通信網が採用されてもよい。ただし、この接続は複数のネットワークで実現されてもよい。例えば、工場装置201と管理サーバ100とを接続するネットワークと、工場サーバ301と管理サーバ100とを接続するネットワークとは異なるネットワークであってもよい。
【0013】
管理サーバ100は、コンピュータによって例示される。例えば、管理サーバ100は、プロセッサ110、主記憶部120、補助記憶部130、および通信部140を有する。本実施形態においては、管理サーバ100が、本開示に係る「情報処理装置」に相当する。
【0014】
プロセッサ110は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)である。主記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)である。補助記憶部130は、例えば、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、またはフラッシュメモリである。補助記憶部130は、リムーバブルメディア(可搬記録媒体)を含んでもよい。リムーバブルメディアは、例えば、USBメモリ、SDカード、または、CD-ROM、DVDディスク、若しくはブルーレイディスクのようなディスク記録媒体である。
【0015】
補助記憶部130には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、および各種情報テーブル等が格納されている。プロセッサ110が、補助記憶部130に記憶されたプログラムを主記憶部120にロードして実行することにより、後述する表示物の発注が実現される。ただし、管理サーバ100における一部または全部の機能はASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)のようなハードウェア回路によって実現されてもよい。管理サーバ100は、必ずしも単一の物理的構成によって実現される必要はなく、互いに連携する複数台のコンピュータによって構成されてもよい。
【0016】
通信部140は、管理サーバ100をネットワークNに接続する機能を有する。通信部140は、通信インターフェース(以下、通信I/F)によって実現することができる。通信部140は、通信I/Fを通じてネットワークN経由で外部の機器と通信を行う。通信I/Fは、例えば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード、または無線通信のための無線通信回路である。
【0017】
整備工場200は、車両を整備する工場である。車両の整備は、車両が有する部品(以下、車両部品という)が損傷または故障した場合、該部品を修理、交換する作業が例示さ
れる。ただし、車両の整備は、これに限らない。車両の整備は、車両が有する部品および機器の機能を高めるための作業であってもよい。車両が有する機器の機能を高めるための作業は、車両をアップグレードする作業(以下、アップグレード作業という)ともいう。アップグレード作業は、車両が既に有する部品、機器を、より高い機能を有する部品、機器に交換する作業が例示される。また、アップグレード作業は、新たな機能を追加する機器を車両に搭載する作業が例示される。具体的には、アップグレード作業として、車両内でAC(Alternating Current)(交流)100ボルト(Voltage)の電源を使用できるようにする機器を搭載する作業が例示される。ただし、アップグレード作業は、これに限らない。アップグレード作業は、車両の前方および後方に障害物を検知するセンサを装着する作業でもよい。アップグレード作業は、車両に搭載されたECU(Electronic Control
Unit)の記憶装置に記憶された、車両を制御するプログラム(以下、制御プログラムという)を、より高い機能を有する制御プログラムに更新する作業でもよい。アップグレード作業は、該制御プログラムに新たな機能を有するプログラムを追加する作業でもよい。
【0018】
整備工場200は1箇所に設けられてもてもよいし、複数の箇所に設けられてもよい。整備工場200が複数の箇所に設けられている場合、同一の車両202について、異なる整備工場200で整備の作業が行われてもよい。例えば、整備工場200が2箇所に設けられている場合、一方の整備工場200において、車両202のアップグレードを実施する作業が行われ、他方の整備工場200において、同一の車両202を修理する作業が行われてもよい。
【0019】
車両202は、整備工場200で整備を受ける車両である。車両202は、自家用車であってもよいし、自家用車以外の車両であってもよい。車両202は、運転者により運転される車両であってもよい。ただし、車両202は、自動で走行する車両であってもよい。車両202は、1台でもよいし、複数台でもよい。
【0020】
作業者203は、整備工場200で車両202の整備に関する作業を行う者である。作業者203が行う作業は、車両202の損傷、故障した部品を修理、交換する作業が例示される。ただし、作業者203が行う作業は、これに限らない。作業者203は、車両202をアップグレードする作業を行ってもよい。作業者203は、車両202の整備に必要な部品を発注する作業を行ってもよい。作業者203は、1人でもよいし、複数人でもよい。
【0021】
工場装置201は、整備工場200が管理し、作業者203が使用する装置である。工場装置201として、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ、またはウェアラブル端末を例示することができる。ただし、工場装置201はこれらに限らない。
【0022】
本実施形態では、作業者203が工場装置201を用いて、車両202の整備に必要な車両部品を発注する情報(以下、発注情報という)を送信する場合が想定されている。発注情報が含む情報は、発注情報の識別子、製造工場300の識別子および名称、発注する車両部品302の識別子、種類および数量、車両202の車台番号、発注日時ならびに配達希望日時が例示される。ただし、指令情報が含む情報は、これらに限らない。発注情報は、車両部品302を発注する作業者203の識別子および名称を含んでもよい。発注情報は、車両202のアップグレードの実施有無の情報を含んでもよい。作業者が発注する車両部品として車両202の車体の構造部材(以下、車体構造部材という)が例示される。ただし、作業者が発注する車両部品は、車体構造部材に限らない。
【0023】
また、本実施形態では、作業者203が工場装置201を用いて、車両202のアップグレードの実施有無を含む情報(以下、アップグレード情報という)を送信する場合が想
定されている。情報処理システム1の管理サーバ100は、送信された発注情報およびアップグレード情報を受信(取得)することができる。管理サーバ100は、取得した発注情報が車両202のアップグレードを実施したことを表示するステッカー303(後述する)を貼付する車体構造部材の発注情報を含むか否かを判定する。管理サーバ100は、車両202がアップグレードを実施済みであるか否かを判定する。該判定がいずれも肯定の判定である場合、管理サーバ100は、車両部品302に加え、ステッカー303の発注を指令する情報(以下、指令情報とも言う)を生成することができる。
【0024】
車両部品302を発注する作業と車両202のアップグレードを実施する作業が、異なる整備工場200で行われる場合がある。この場合、アップグレード作業を実施した整備工場200の工場装置201から車両202のアップグレードの実施有無を含む情報が管理サーバ100に送信されればよい。また車両部品302の発注作業を行った工場装置201から車両部品302の発注情報が管理サーバ100に送信されればよい。
【0025】
製造工場300は、管理サーバ100が生成し、工場サーバ301に送信された指令情報に基づいて、車両202の車両部品302およびステッカー303を製造する工場である。製造工場300は1箇所に設けられてもよいし、複数の箇所に設けられてもよい。工場サーバ301は、製造工場300が管理するサーバである。工場サーバ301は、コンピュータにより例示される。
【0026】
車両部品302は、管理サーバ100から送信され、工場サーバ301が受信した指令情報に基づいて製造される部品である。車両部品302は、車両202が損傷した場合に、損傷した箇所を修理するための部品が例示される。具体的には、車両部品302は、車両202の車体の構造部材が例示される。ただし、車両部品302は、車両202の車体の構造部材に限らない。車両部品302は、車両202をアップグレードするための部品であってもよい。車両部品302は、車両202に関する部品であれば、種類および数量は問わない。
【0027】
ステッカー303は、管理サーバ100から送信され、工場サーバ301が受信した指令情報に基づいて製造されるステッカーである。ステッカー303は、車両202が有する車両部品302のいずれかをアップグレードしたことを表示する。ステッカー303は、車両202が有する車両部品302のいずれかをアップグレードしたことを証明するとも言える。本実施形態では、車両202が有する複数の車両部品302についてアップグレードが実施された場合でも、車両202に貼付するステッカー303は1枚とすることを想定する。車両202に貼付されたステッカー303を確認した者は、車両202に何らかのアップグレードが実施されたことを認識することができる。ステッカー303は、ステッカーの発行番号を含んでもよい。管理サーバ100の記憶装置はステッカー303の発行番号に対応付けて、アップグレードの詳細に関する情報(以下、詳細情報という)を記憶してもよい。アップグレードの詳細とは、例えば、車両202が有する部品について実施されたアップグレードの内容に関する情報である。車両202について実施されたアップグレードの内容を確認したい者は、管理サーバ100にアクセスし、ステッカー303の発行番号を入力装置に入力することにより、該発行番号に対応付けられたアップグレードの詳細情報を確認できるようにしてもよい。ステッカー303は、例えば、車両202の名称、車両202を製造する業者の名称およびアップグレードの名称の情報を表示する。ただし、ステッカー303に表示される情報は、これらに限らない。ステッカー303には、車両202の車台番号が表示されてもよいし、車両202を販売する業者の業者名が表示されてもよい。ステッカー303は、本実施形態における「表示物」の一例である。
【0028】
ステッカー303は、例えば、車両202の車体構造部材における所定の場所に貼付さ
れる。所定の場所は、車両202の車台番号が車体構造部材に表示される場合、該車台番号が表示される場所の近傍が例示される。これにより、車両202を確認する者は、車両202の車台番号および車両202がアップグレードを実施した車両であることを表示するステッカー303をまとめて確認することができる。ただし、ステッカー303が貼付される場所は、これに限らない。
【0029】
工場サーバ301は、管理サーバ100から指令情報を受信する。製造工場300では、受信した指令情報に基づいて、車両部品302が製造される。指令情報がステッカー303を発注する指令を含む場合、車両部品302に加え、ステッカー303が製造される。製造された車両部品302およびステッカー303は、指令情報に含まれる配達希望日時の情報に応じて、製造工場300へ配達される。
【0030】
(機能構成)
情報処理システム1を構成する管理サーバ100のプロセッサ110における機能構成を、
図2に基づいて説明する。
図2は、プロセッサ110の各機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。プロセッサ110は、実行可能な形式で主記憶部120に展開されたコンピュータプログラムを実行する。
図2は、このコンピュータプログラムの処理に対応する構成を例示したものである。したがって、
図2に例示された各部そのものがハードウェアの部品またはプログラムのモジュールであるとは限らない。
【0031】
プロセッサ110は、管理サーバ100において情報処理システム1の制御部として機能する。プロセッサ110は、取得部111、判定部112、指令部113を機能部として含む。
【0032】
取得部111は、車両202が有する車両部品302の発注情報を受信(取得)する機能を有する。取得部111は、車両部品302の発注情報を取得する手段として作用する。取得部111が、車両部品302の発注情報を取得する方法は、公知の方法を採用することができる。例えば、取得部111は、工場装置201が送信した車両部品302の発注情報をネットワークN経由で取得することができる。ただし、取得部111が、車両部品302の発注情報を取得する方法は、これに限らない。
【0033】
取得部111は、車両202のアップグレードの実施有無を含む情報を受信(取得)する機能を有する。取得部111は、車両部品302のアップグレード情報を取得する手段として作用する。取得部111が、車両部品302のアップグレード情報を取得する方法は、公知の方法を採用することができる。例えば、整備工場200で車両202のアップグレードが実施された際に該アップグレードを実施した旨の情報が工場装置201から送信される。取得部111は、該情報をネットワークN経由で取得できる。ただし、取得部111が車両202のアップグレード情報を取得する方法は、これに限らない。車両部品302の発注情報と併せて車両202の車両部品302がアップグレードされた旨の情報が工場装置201から送信される場合、取得部111は、アップグレード情報をネットワークN経由で取得してもよい。管理サーバ100は、取得部111が取得したアップグレード情報を補助記憶部130に蓄積してもよい。管理サーバ100において、後述するプロセッサ110の判定部112が、車両202のアップグレード情報の有無を判定する際に、車両202のアップグレード情報を補助記憶部130から読み出してもよい。
【0034】
判定部112は、取得部111が取得した車両部品302の発注情報が、車両202のアップグレードを実施したことを表示するステッカー303を貼付する車体構造部材の発注情報を含むか否かを判定する機能を有する。判定部112は、車両部品302の発注情報が、車両202のアップグレードを実施したことを表示するステッカー303を貼付する車体構造部材の発注情報を含むか否かを判定する手段として作用する。詳細には、ステ
ッカー303を貼付する車体構造部材は、車両202の前後方向における中央付近に位置し、車両202のドアを保持する柱の部材、いわゆるセンターピラーが例示される。ただし、ステッカー303を貼付する車体構造部材は、車両202のセンターピラーに限らない。車両202がセンターピラーを有しない車両である場合、該表示物を貼付する車体の構造部材は、車両202の前後方向における前方の運転席または助手席の付近に位置する柱の部材、すなわちフロントピラーでもよい。判定部112は、例えば、発注情報に車体構造部材の一例であるセンターピラーを発注する旨の情報が含まれると判定する場合、発注情報が車体構造部材の発注情報を含むと判定することができる。
【0035】
判定部112は、車両202がアップグレードを実施した車両であるか否かを判定する機能を有する。判定部112は、車両202がアップグレードを実施した車両であるか否かを判定する手段として作用する。詳細には、取得部111が取得したアップグレード情報が、例えば、車両202のアップグレードを実施した旨の情報を含む場合、判定部112は、車両202がアップグレードを実施した車両であると判定することができる。ただし、判定部112が、車両202がアップグレードを実施した車両であるか否かを判定する方法は、これに限らない。取得部111が取得したアップグレード情報が、例えば、車両202が有する車両部品302のいずれかについてアップグレードを実施した旨の情報を含む場合、判定部112は、車両202がアップグレードを実施した車両であると判定してもよい。
【0036】
指令部113は、車両部品302の(発注を指令する)指令情報を生成する機能を有する。指令部113は、車両部品302の指令情報を生成する手段として作用する。また、指令部113は、生成した指令情報を工場サーバ301に送信する機能を有する。指令部113は、生成した指令情報を工場サーバ301に送信する手段として作用する。詳細には、取得部111が取得した発注情報が、車両のアップグレードを実施したことを表示するステッカー303を貼付する車体構造部材の発注情報を含み、かつ、車両202が、アップグレードを実施した車両であると判定部112が判定する場合がある。この場合、指令部113は、車両部品302およびステッカー303の指令情報を生成する。取得部111が取得した発注情報が、該車体構造部材の発注情報を含まない、と判定部112が判定した場合、指令部113は(ステッカー303の発注を含まない)車両部品302の指令情報を生成する。また、車両202がアップグレードを実施した車両でない、と判定部112が判定した場合も、指令部113は(ステッカー303の発注を含まない)車両部品302の指令情報を生成する。指令情報が含む情報は、指令情報の識別子、発注する車両部品302の識別子、種類および数量、発注するステッカー303の識別子および数量、車両202の車台番号、製造工場300の識別子および名称、整備工場200の識別子および名称、発注日時ならびに配達希望日時が例示される。ただし、指令情報が含む情報は、これらに限らない。指令情報は、発注情報の識別子および車両202のアップグレード情報を含んでもよい。指令部113は、生成した指令情報を工場サーバ301へ送信する。
【0037】
(情報処理の例)
本実施形態に係る車両部品302およびステッカー303の発注制御における処理のフローを、
図3に基づいて説明する。
図3は、管理サーバ100のプロセッサ110における情報処理の例を示すフローチャートである。車両部品302およびステッカー303の発注における情報処理は、情報処理システム1のプロセッサ110により実行される。車両部品302およびステッカー303の発注における情報処理は、取得部111が取得した、車両202が有する車両部品302の発注情報および車両202のアップグレード情報に基づいて行われる。
【0038】
本フローでは、プロセッサ110の取得部111は、ネットワークN経由で工場装置2
01から車両202が有する車両部品302の発注情報を受信(取得)する(ステップS101)。取得部111は、ネットワークN経由で工場装置201から車両202のアップグレード情報を受信(取得)する(ステップS102)。取得部111によるアップグレード情報の取得は、車両202のアップグレードが実施された際に行われてもよい。取得部111によるアップグレード情報の取得は、ステップS101において発注情報を取得する際にまとめて行われてもよい。取得部111は、取得したアップグレード情報を管理サーバ100の補助記憶部130に蓄積してもよい。なお、ステップS101とステップS102の処理は順番の前後を問わない。取得部111は、例えば、ステップS102に係る車両202のアップグレード情報を受信した後に、ステップS101に係る車両部品302の発注情報を受信してもよい。
【0039】
判定部112は、取得部111が取得した車両部品302の発注情報に所定の車体構造部材が含まれるか否かを判定する(ステップS103)。所定の車体構造部材は、車両部品302のアップグレードを実施したことを表示するステッカー303を貼付する車体構造部材が例示される。ただし、所定の車体構造部材は、これに限らない。取得部111が取得した車両部品302の発注情報に、該車体構造部材が含まれると判定部112が判定する場合(ステップS103でYESと判定)、処理がS104に進む。そうでない場合(ステップS103でNOと判定)、処理がステップS106へ進む。
【0040】
ステップS104では、判定部112は、車両202がアップグレードを実施済みであるか否かを判定する。例えば、取得部111が工場装置201から受信した情報に車両202がアップグレードされた旨の情報が含まれると判定部112が判定する場合がある。この場合、判定部112は、車両202のアップグレードが実施されたと判定(ステップS104でYESと判定)し、処理がステップS105へ進む。そうでない場合(ステップS104でNOと判定)、処理がステップS106へ進む。
【0041】
ステップS105では、指令部113は、判定部112の判定結果に基づいて車両部品302およびステッカー303を発注する指令情報を生成し、処理がステップS107に進む。ステッカー303は、車両202がアップグレードを実施した車両であることを表示(証明)し、車両202の車体構造部材に貼付するステッカーである。ステップS106では、指令部113は、判定部112の判定結果に基づいて車両部品302を発注する指令情報を生成し、処理がステップS107に進む。
【0042】
ステップS107では、指令部113は、生成した指令情報を工場サーバ301へ送信する。工場サーバ301は、受信した指令情報に基づいて車両部品302(およびステッカー303)を製造する。製造された車両部品302(およびステッカー303)は、製造工場300から整備工場200へ配達される。整備工場200では、配達された車両部品302を用いて作業者203が車両202を整備する。車両部品302が所定の車体構造部材を含む場合、作業者203は、該車体構造部材を用いた整備が完了後、車両部品302と併せて配達されたステッカー303を該車体構造部材に貼付する。
【0043】
本情報処理システム1では、プロセッサ110は、取得した発注情報が、車両202をアップグレードしたことを表示するステッカー303を貼付する車体構造部材の発注情報を含み、かつ、車両202が、アップグレードを実施した車両である場合、ステッカー303の発注を指令する情報を生成する。例えば、アップグレードが実施された車両202について、ステッカー303が貼付された車体構造部材(例えば、センターピラー)が損傷した場合、ステッカー303の発注(再交付)は、車両部品302として該車体構造部材を発注する場合に制限し得る。すなわち、本情報処理システム1によると、ステッカー303が余分に発注され、市場に流通することを回避することができる。従って、車両202のアップグレードを実施したことを表示するステッカー303を適切な条件の下で発
注する技術を提供することができる。
【0044】
(まとめ)
本実施形態によると、情報処理システム1の管理サーバ100は情報処理装置に相当する。プロセッサ110は、管理サーバ100において情報処理システム1の制御部として機能する。従って、上記の構成は、制御部を備える情報処理装置と言える。
【0045】
プロセッサ110は、取得部111、判定部112、指令部113を機能部として含む。取得部111は、ネットワークN経由で工場装置201から車両202が有する車両部品302の発注情報を受信する(ステップS101)。取得部111は、ネットワークN経由で工場装置201から車両202のアップグレード情報を受信する(ステップS102)。従って、上記の構成は、車両が有する車両部品を発注する発注情報と、前記車両のアップグレードの実施有無を含む情報とを取得する、ことと言える。
【0046】
判定部112は、取得部111が取得した車両部品302の発注情報に所定の車体構造部材が含まれるか否かを判定する(ステップS103)。所定の車体構造部材が含まれると判定部112が判定する場合、処理がS104に進む。所定の車体構造部材は、車両202のアップグレードを実施したことを表示するステッカー303を貼付する車体構造部材である。ステップS104では、判定部112は、車両202がアップグレードを実施済みであるか否かを判定する。車両202がアップグレードを実施済みであると判定部112が判定する場合、指令部113は、判定部112の判定結果に基づいて車両部品302およびステッカー303を発注する指令情報を生成する(ステップS105)。従って、上記の構成は、前記取得した発注情報が、前記車両のアップグレードを実施したことを表示する表示物を貼付する車体の構造部材の発注情報を含み、かつ、前記車両が、アップグレードを実施した車両である場合、前記表示物の発注を指令する指令情報を生成する、ことと言える。
【0047】
本情報処理システム1によれば、プロセッサ110は、取得した発注情報が、車両202のアップグレードを実施したことを表示するステッカー303を貼付する車体構造部材の発注情報を含み、かつ、車両202が、アップグレードを実施済みの車両である場合、ステッカー303を発注する指令情報を生成する。従って、車両202のアップグレードを実施したことを表示するステッカー303を適切な条件の下で発注する技術を提供することができる。
【0048】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。また、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0049】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0050】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録
商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、または光学式カードのような、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0051】
1・・情報処理システム
100・・管理サーバ
110・・プロセッサ
111・・取得部
112・・判定部
113・・指令部
120・・主記憶部
130・・補助記憶部
140・・通信部
200・・整備工場
201・・工場装置
202・・車両
203・・作業者
300・・製造工場
301・・工場サーバ
302・・車両部品
303・・ステッカー
N・・ネットワーク