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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0283 20230101AFI20241008BHJP
   G06Q 50/06 20240101ALI20241008BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20241008BHJP
【FI】
G06Q30/0283
G06Q50/06
G06Q10/02
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022002627
(22)【出願日】2022-01-11
(65)【公開番号】P2023102197
(43)【公開日】2023-07-24
【審査請求日】2023-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139491
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 隆慶
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】伴 健太郎
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-184246(JP,A)
【文献】特開2021-174181(JP,A)
【文献】特開2018-139468(JP,A)
【文献】国際公開第2015/151278(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力の制御対象地域に設けられた充電設備の予約装置が実行する方法であって、
電力取引の対象日についてスポット市場の取引期間が開始すると、前記充電設備の予約表において前記対象日の時間枠ごとに新規利用予約及び予約変更の受付けを開始すること、
その後、前記対象日について時間前市場の取引期間が開始すると、前記制御対象地域における最新の電力需給予測及び前記充電設備の最新の利用予約状況に基づいて、前記予約表における空き時間枠の利用料金を変更する第1処理を実行すること、
その後、前記対象日の各コマについて時間前市場の取引期間が終了すると、前記充電設備の最新の利用予約状況に基づいて、前記予約表における空き時間枠の利用料金の変更又は予約受付けの禁止を行う第2処理を実行すること
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記予約装置は、前記第1処理において、
前記制御対象地域における最新の電力需給予測に基づいて決定される、電力の需給が逼迫すると予測される時間帯の情報を取得し、
前記予約表における空き時間枠が前記時間帯に含まれる場合、前記空き時間枠の利用料金を増加させ、
前記予約表における空き時間枠が前記時間帯に含まれない場合、前記空き時間枠の利用料金を低減させる、方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法であって、
前記予約装置は、前記第2処理において、時間前市場の取引期間が終了したコマに対応する空き時間枠の利用料金を増加させ又は予約受付けを禁止する、方法。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載の方法であって、
前記対象日の各コマについて時間前市場の取引期間が終了すると、取引期間が終了したコマに対応する時間枠が前記取引期間の終了前後で予約されたままである場合、前記時間枠の利用料金を低減させる第3処理を実行することを更に含む、方法。
【請求項5】
電力の制御対象地域に設けられた充電設備の予約装置と通信可能な端末装置が実行する方法であって、
前記充電設備の予約表の情報を前記予約装置から受信すること、
前記予約表から選択した対象日の時間枠の新規利用予約の第1要求を前記予約装置へ送信すること、
前記予約装置によって前記第1要求が受付けられると、荷物の配達に用いられる車両の前記対象日における運行計画を決定するとともに、前記荷物の配達予定時刻を荷受人に通知すること、
前記予約表における空き時間枠の利用料金が前記予約装置によって変更されると、前記荷受人に対して配達予定時刻の変更の許否を確認すること、
前記荷受人によって配達予定時刻の変更が許可された場合、予約枠を利用料金が変更された前記空き時間枠に変更する第2要求を前記予約装置へ送信すること、及び
前記予約装置によって前記第2要求が受付けられると、前記車両の運行計画を修正するとともに、変更後の配達予定時刻を前記荷受人に通知すること
を含む、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
前記荷受人によって配達予定時刻の変更が許可された場合、前記荷受人に対してインセンティブを付与することを更に含む、方法。
【請求項7】
電力の制御対象地域に設けられた充電設備の予約装置、及び前記予約装置と通信可能な端末装置を備えるシステムであって、
前記予約装置は、
電力取引の対象日についてスポット市場の取引期間が開始すると、前記充電設備の予約表において対象日の時間枠ごとに新規利用予約及び予約変更の受付けを開始し、
前記端末装置は、
前記予約表の情報を前記予約装置から受信し、
前記予約表から選択した前記対象日の時間枠の新規利用予約の第1要求を前記予約装置へ送信し、
前記予約装置によって前記第1要求が受付けられると、荷物の配達に用いられる車両の前記対象日における運行計画を決定するとともに、前記荷物の配達予定時刻を荷受人に通知し、
前記予約装置は、
前記対象日について時間前市場の取引期間が開始すると、前記制御対象地域における最新の電力需給予測及び前記充電設備の最新の利用予約状況に基づいて、前記予約表における空き時間枠の利用料金を変更する第1処理を実行し、
前記端末装置は、
前記予約表における空き時間枠の利用料金が前記予約装置によって変更されると、前記荷受人に対して配達予定時刻の変更の許否を確認し、
前記荷受人によって配達予定時刻の変更が許可された場合、予約枠を利用料金が変更された前記空き時間枠に変更する第2要求を前記予約装置へ送信し、
前記予約装置によって前記第2要求が受付けられると、前記車両の運行計画を修正するとともに、変更後の配達予定時刻を前記荷受人に通知し、
前記予約装置は、
前記対象日の各コマについて時間前市場の取引期間が終了すると、前記充電設備の最新の予約状況に基づいて、前記予約表における空き時間枠の利用料金の変更又は予約受付けの禁止を行う第2処理を実行する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、将来の需給を考慮して電力制御を行う技術が知られている。例えば特許文献1には、給電の対象となる車両の蓄電装置を充電する充電装置と、当該車両への充電が行われた時刻、所要時間及び電力量、並びに蓄電量の変化を記録するデータ取得部と、記録された情報に基づいて充電に要する電力及び充電を行うべき時間帯を予測する需要予測部と、需要予測部による予測に基づいて充電装置を制御する給電制御部と、を備える給電管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-107951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
将来の需給を考慮して電力制御を行う技術には改善の余地があった。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、将来の需給を考慮して電力制御を行う技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る方法は、
電力の制御対象地域に設けられた充電設備の予約装置が実行する方法であって、
電力取引の対象日についてスポット市場の取引期間が開始すると、前記充電設備の予約表において前記対象日の時間枠ごとに新規利用予約及び予約変更の受付けを開始すること、
その後、前記対象日について時間前市場の取引期間が開始すると、前記制御対象地域における最新の電力需給予測及び前記充電設備の最新の利用予約状況に基づいて、前記予約表における空き時間枠の利用料金を変更する第1処理を実行すること、
その後、前記対象日の各コマについて時間前市場の取引期間が終了すると、前記充電設備の最新の利用予約状況に基づいて、前記予約表における空き時間枠の利用料金の変更又は予約受付けの禁止を行う第2処理を実行することを含む。
【0007】
本開示の一実施形態に係る方法は、
電力の制御対象地域に設けられた充電設備の予約装置と通信可能な端末装置が実行する方法であって、
前記充電設備の予約表の情報を前記予約装置から受信すること、
前記予約表から選択した対象日の時間枠の新規利用予約の第1要求を前記予約装置へ送信すること、
前記予約装置によって前記第1要求が受付けられると、荷物の配達に用いられる車両の前記対象日における運行計画を決定するとともに、前記荷物の配達予定時刻を荷受人に通知すること、
前記予約表における空き時間枠の利用料金が前記予約装置によって変更されると、前記荷受人に対して配達予定時刻の変更の許否を確認すること、
前記荷受人によって配達予定時刻の変更が許可された場合、予約枠を利用料金が変更された前記空き時間枠に変更する第2要求を前記予約装置へ送信すること、及び
前記予約装置によって前記第2要求が受付けられると、前記車両の運行計画を修正するとともに、変更後の配達予定時刻を前記荷受人に通知することを含む。
【0008】
本開示の一実施形態に係るシステムは、
電力の制御対象地域に設けられた充電設備の予約装置、及び前記予約装置と通信可能な端末装置を備えるシステムであって、
前記予約装置は、
電力取引の対象日についてスポット市場の取引期間が開始すると、前記充電設備の予約表において対象日の時間枠ごとに新規利用予約及び予約変更の受付けを開始し、
前記端末装置は、
前記予約表の情報を前記予約装置から受信し、
前記予約表から選択した前記対象日の時間枠の新規利用予約の第1要求を前記予約装置へ送信し、
前記予約装置によって前記第1要求が受付けられると、荷物の配達に用いられる車両の前記対象日における運行計画を決定するとともに、前記荷物の配達予定時刻を荷受人に通知し、
前記予約装置は、
前記対象日について時間前市場の取引期間が開始すると、前記制御対象地域における最新の電力需給予測及び前記充電設備の最新の利用予約状況に基づいて、前記予約表における空き時間枠の利用料金を変更する第1処理を実行し、
前記端末装置は、
前記予約表における空き時間枠の利用料金が前記予約装置によって変更されると、前記荷受人に対して配達予定時刻の変更の許否を確認し、
前記荷受人によって配達予定時刻の変更が許可された場合、予約枠を利用料金が変更された前記空き時間枠に変更する第2要求を前記予約装置へ送信し、
前記予約装置によって前記第2要求が受付けられると、前記車両の運行計画を修正するとともに、変更後の配達予定時刻を前記荷受人に通知し、
前記予約装置は、
前記対象日の各コマについて時間前市場の取引期間が終了すると、前記充電設備の最新の予約状況に基づいて、前記予約表における空き時間枠の利用料金の変更又は予約受付けの禁止を行う第2処理を実行する、システム。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、将来の需給を考慮して電力制御を行う技術が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
図2】充電設備の利用予約状況の第1例を示す図である。
図3】充電設備の利用予約状況の第2例を示す図である。
図4】充電設備の利用予約状況の第3例を示す図である。
図5】予約装置の概略構成を示すブロック図である。
図6】端末装置の概略構成を示すブロック図である。
図7】予約装置の動作を示すフローチャートである。
図8】端末装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について説明する。
【0012】
(実施形態の概要)
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の概要について説明する。システム1は、予約装置10と、端末装置20と、を備える。予約装置10及び端末装置20は、例えばインターネット等を含むネットワーク30と通信可能に接続される。
【0013】
予約装置10は、例えばサーバ等の任意のコンピュータである。予約装置10は、電力の制御対象地域に設けられた充電設備の利用予約を管理する。制御対象地域は、例えばCEMS(Community Energy Management System)による管理対象の地域であるが、これに限られない。本実施形態では、充電設備は、電気自動車等の車両を充電可能な1つ又は複数の充電器を含む。例えば予約装置10は、所定の時間枠ごとに(例えば、1時間の時間枠ごとに)各充電器の新規利用予約及び予約変更を受付可能である。以下の説明において、ある時間枠について新規利用予約を受付けること、及び、ある時間枠について予約枠の変更先としての指定を受付けることを、特に区別せず「予約受付け」ともいう。
【0014】
端末装置20は、例えばPC(Personal Computer)、スマートフォン、又はタブレット端末等、ユーザによって使用される任意のコンピュータである。上述した充電設備を利用したいと考えるユーザは、端末装置20を用いて、例えば充電設備の新規利用予約及び予約変更等、充電設備の利用予約に関する要求を予約装置10へ送信可能である。当該要求の送信は、例えば端末装置20にインストールされたネイティブアプリケーションプログラムを介して実行されてもよく、或いは汎用のwebブラウザアプリケーションプログラムを介して実行されてもよい。
【0015】
本実施形態では、アグリケーションコーディネータ又はリソースアグリゲータ等の電気事業者が、制御対象地域における電力需給予測に基づいて需要計画及び調達計画を決定し、計画に基づいて電力取引市場からの調達が必要と見込まれる電力を電力取引市場において購入し、制御対象地域に供給し得る。電力取引市場としては、例えばスポット市場(1日前市場)及び時間前市場(当日市場)等が挙げられる。
【0016】
スポット市場は、電力取引の対象日(購入した電力が実際に供給される将来の日)の前日までに電力取引契約を行う市場である。本実施形態では、スポット市場では、例えば対象日の0時~24時が各30分間の48コマに分割されており、コマ単位で取引が行われる。また、スポット市場の取引期間は、対象日の10日前に開始し、対象日の前日12時に終了する。しかしながら、スポット市場の具体的な態様は当該例に限られない。
【0017】
時間前市場は、スポット市場の終了後に開始される市場である。本実施形態では、時間前市場では、上述したスポット市場と同様に、対象日の0時~24時が各30分間の48コマに分割されており、コマ単位で取引が行われる。また、時間前市場の取引期間は、対象日の各コマについて、対象日の前日17時に開始し、各コマの開始1時間前に終了する。このように、時間前市場では対象日のコマの直前まで取引が可能であるため、対象日当日の急激な気候の変化又は発電トラブル等によって電力の需給バランスが崩れた場合であっても、時間前市場を活用して需給バランスを調整し得る。しかしながら、時間前市場の具体的な態様は当該例に限られない。
【0018】
また一般的に、需要計画と需要実績の間に差分が発生した場合(すなわち、計画値同時同量が達成できなかった場合)、電気事業者はインバランス料金を支払う必要がある。このため、電気事業者にとっては、インバランス料金の支払いを回避すべく、あるコマについて時間前市場の取引期間が終了した後は、当該コマに対応する時間帯における電力需要の変動を抑制することが望ましい。
【0019】
ここで、本実施形態に係る予約装置10の動作の概要について説明し、詳細については後述する。予約装置10は、電力取引の対象日についてスポット市場の取引期間が開始すると、充電設備の予約表において対象日の時間枠ごとに新規利用予約及び予約変更の受付けを開始する。その後、予約装置10は、対象日について時間前市場の取引期間が開始すると、制御対象地域における最新の電力需給予測及び充電設備の最新の利用予約状況に基づいて、予約表における空き時間枠の利用料金を変更する第1処理を実行する。そして、予約装置10は、対象日の各コマについて時間前市場の取引期間が終了すると、充電設備の最新の利用予約状況に基づいて、予約表における空き時間枠の利用料金の変更又は予約受付けの禁止を行う第2処理を実行する。
【0020】
このように、本実施形態によれば、時間前市場の取引期間が開始すると、第1処理の実行によって、予約表における空き時間枠の利用料金が変更される。例えば、対象日のうち電力需給が逼迫すると予測される時間帯(以下、「逼迫時間帯」ともいう。)に含まれる空き時間枠の利用料金を増加させてもよい。かかる場合、当該空き時間枠について新規利用予約又は予約枠の変更先としての指定が他の時間枠に優先して行われる蓋然性が低減し、逼迫時間帯における電力需要の増加が抑制可能となる点で、将来の需給を考慮して電力制御を行う技術が改善される。また例えば、逼迫時間帯に含まれない空き時間枠の利用料金を低減させてもよい。かかる場合、当該空き時間枠について新規利用予約又は予約枠の変更先としての指定が他の空き時間枠に優先して行われる蓋然性が増加し、逼迫時間帯における電力需要の増加が抑制可能となる点で、将来の需給を考慮して電力制御を行う技術が改善される。また、電力需給が逼迫していない時間帯での充電設備の利用を促進可能である。
【0021】
さらに、本実施形態によれば、時間前市場の取引期間が終了すると、第2処理の実行によって、予約表における空き時間枠の利用料金が変更され、又は空き時間枠の予約受付けが禁止される。例えば、時間前市場の取引期間が終了したコマに対応する空き時間枠の利用料金を増加させ、又は当該空き時間枠の予約受付けを禁止してもよい。かかる場合、時間前市場の取引期間が終了したコマに対応する時間枠について新規利用予約又は予約枠の変更先としての指定が行われる蓋然性が低減するので、当該コマに対応する時間帯における電力需要の変動を抑制可能となる点で、将来の需給を考慮して電力制御を行う技術が改善される。また例えば、需要計画に対して需要が少ないと見込まれる時間帯時間帯に対応する空き時間枠の利用料金を低減させてもよい。かかる場合、当該空き時間枠について新規利用予約又は予約枠の変更先としての指定が他の空き時間(例えば、時間前市場の取引期間が終了したコマに対応する空き時間枠)に優先して行われる蓋然性が増加するので、当該コマに対応する時間帯における電力需要の変動を抑制可能となる点で、将来の需給を考慮して電力制御を行う技術が改善される。
【0022】
なお、予約装置10は、対象日の各コマについて時間前市場の取引期間が終了すると、取引期間が終了したコマに対応する時間枠が当該取引期間の終了前後で予約されたままである場合、当該時間枠の利用料金を低減させる第3処理を更に実行してもよい。かかる構成によれば、利用料金が低減した時間枠の予約が直前になって取り消されにくくなるので、計画値同時同量の達成可能性が高まる。
【0023】
ここで図2図4を参照して、上述した第1処理、第2処理、及び第3処理によって充電設備の予約表が更新される具体例について説明する。図2図4に示す予約表は、それぞれ異なる時刻における充電設備の利用予約状況を示す。本実施形態において、予約表は、充電器IDと、複数の時間枠と、を含む。充電器IDは、充電設備が有する各充電器を一意に識別する情報である。時間枠は、対応する充電器の利用予約を受付可能な単位時間である。本実施形態では、24時間を24分割した各時間枠について充電器の利用予約を受付可能である。しかしながら、予約表における各時間枠は、当該例に限られず任意に定められてもよい。また、予約表には、充電器ID「No.1」に対応する1つの充電器について、時間枠ごとに「予約状況」及び「利用料金」が定められている。「予約状況」は、「空き」、「予約済み」、及び「禁止」の3つの状況のうち何れか1つを示す。「空き」は、対応する時間枠が予約されておらず、予約受付けが可能であることを示す。「予約済み」は、対応する時間枠が既に予約されており、予約受付けができないことを示す。「禁止」は、予約装置10によって予約受付けが禁止されていることを示す。
【0024】
図2の予約表は、スポット市場の取引開始後、時間前市場の取引期間の開始前の時刻T1における対象日の利用予約状況を示す。なお時刻T1では、時間前市場の取引期間の開始前であるので、上述した第1処理は行われていない。具体的には、対象日の「10:00-11:00」及び「11:00-12:00」の2つの時間枠は、いずれも予約状況が「空き」であり、利用料金が「100」である。また「12:00-13:00」及び「13:00-14:00」の2つの時間枠は、いずれも予約状況が「予約済み」であり、利用料金が「100」である。ここでは説明の簡便のため、当該2つの時間枠は端末装置20の使用者によって予約されているものとする。また「14:00-15:00」の時間枠は、予約状況が「空き」であり、利用料金が「150」である。そして「15:00-16:00」の時間枠は、予約状況が「禁止」であり、利用料金が「150」である。なお、時刻T1における最新の電力需給予測では、14:00-16:00が逼迫時間帯として推定されており、逼迫時間帯に含まれる2つの時間枠「14:00-15:00」及び「15:00-16:00」の利用料金が他の時間枠に比べて高額になっている。
【0025】
図3の予約表は、時間前市場の取引期間の開始後終了前の時刻T2における対象日の利用予約状況を示す。ここで、最新の電力需給予測に基づき逼迫時間帯が13:00-15:00に変化している。また、上述した第1処理の実行により、一部の空き時間枠の利用料金が時刻T1から変更されている。具体的には、逼迫時間帯に含まれない「10:00-11:00」及び「11:00―12:00」の2つの空き時間枠の利用料金が、それぞれ「100」から「80」及び「90」に低減している。一方、逼迫時間帯に含まれる「14:00-15:00」の空き時間枠の利用料金が「150」から「200」に増加している。
【0026】
図4の予約表は、時間前市場の取引期間の終了後の時刻T3における対象日の利用予約状況を示す。上述したように、時間前市場の取引期間は、対象日の各コマの1時間前に終了する。ここでは、時刻T3が13:00であり、14:00-14:30のコマ及びそれ以前のコマについては時間前市場の取引期間が終了しているものとする。また、一部の時間枠の予約状況及び利用料金が時刻T2から変更されている。具体的には、「10:00-11:00」の時間枠の予約状況が、第2処理の実行により「空き」から「禁止」に変更されている。また、「11:00-12:00」の時間枠の予約状況が、「空き」から「予約済み」に変更されている。また、「12:00-13:00」の時間枠の利用料金が、第3処理の実行により「100」から「95」に低減している。また、「13:00-14:00」の時間枠は、予約状況が「予約済み」から「空き」に変更されたため、利用料金が第2処理の実行により「100」から「200」に増加している。また、「14:00-15:00」の時間枠の予約状況が、第2処理の実行により「空き」から「禁止」に変更されている。
【0027】
次に、システム1の各構成について詳細に説明する。
【0028】
(予約装置の構成)
図5に示すように、予約装置10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を備える。
【0029】
通信部11は、ネットワーク30に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば4G(4th Generation)若しくは5G(5th Generation)等の移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、予約装置10は、通信部11及びネットワーク30を介して端末装置20と通信する。
【0030】
記憶部12は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部12に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部12は、予約装置10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部12は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してもよい。
【0031】
制御部13は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるがこれに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるがこれに限られない。制御部13は、予約装置10全体の動作を制御する。
【0032】
(端末装置の構成)
図6に示すように、端末装置20は、通信部21と、出力部22と、入力部23と、記憶部24と、制御部25と、を備える。
【0033】
通信部21は、ネットワーク30に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば移動体通信規格、有線LAN規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、端末装置20は、通信部21及びネットワーク30を介して予約装置10と通信する。
【0034】
出力部22は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力装置を含む。当該出力装置は、例えば情報を映像で出力するディスプレイ、又は情報を音で出力するスピーカ等であるが、これらに限られない。或いは、出力部22は、外部の出力装置を接続するためのインタフェースを含んでもよい。
【0035】
入力部23は、ユーザ入力を検出する1つ以上の入力装置を含む。当該入力装置は、例えば物理キー、静電容量キー、マウス、タッチパネル、出力部22のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクロフォン等であるが、これらに限られない。或いは、入力部23は、外部の入力装置を接続するためのインタフェースを含んでもよい。
【0036】
記憶部24は、1つ以上のメモリを含む。記憶部24に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部24は、端末装置20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部24は、システムプログラム及びアプリケーションプログラム等を記憶してもよい。
【0037】
制御部25は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。制御部25は、端末装置20全体の動作を制御する。
【0038】
なお本実施形態では、配達車両を用いて荷物を配達する物流事業者が端末装置20のユーザである例について説明する。後述するように、端末装置20は、制御対象地域内の充電設備の利用予約を行うとともに、充電設備の予約時間を考慮して配達車両の運行計画を決定可能である。
【0039】
(予約装置の動作フロー)
図7を参照して、本実施形態に係る予約装置10の動作について説明する。当該動作は、電力取引の対象日ごとに行われる。
【0040】
ステップS100:予約装置10の制御部13は、電力取引の対象日についてスポット市場の取引期間が開始したか否かを判定する。取引期間が開始したと判定された場合(ステップS100-Yes)、プロセスはステップS101に進む。一方、取引期間が開始していないと判定された場合(ステップS100-No)、ステップS100が繰り返し行われる。
【0041】
上述したように、スポット市場の取引期間は、例えば対象日の10日前に開始する。かかる場合、制御部13は、対象日の10日前になるとスポット市場の取引期間が開始したと判定する。
【0042】
ステップS101:ステップS100でスポット市場の取引期間が開始したと判定された場合(ステップS100-Yes)、制御部13は、充電設備の予約表において対象日の時間枠ごとに新規利用予約及び予約変更の受付けを開始する。
【0043】
例えば、制御部13は、端末装置20のユーザによって選択された充電器及び時間枠について予約(新規利用予約又は予約枠の変更先としての指定)の要求を端末装置20から受信すると、当該時間枠における当該充電器の予約状況が「空き」である場合、当該予約を受付けて、予約状況を「空き」から「予約済み」に更新する。なお、逼迫時間帯(図2に示す例では、14:00-16:00)に含まれる時間枠の利用料金は、逼迫時間帯に含まれない時間枠よりも高く設定されてもよい。逼迫時間帯は、最新の電力需給予測に基づいてCEMSが決定してもよく、或いはネットワーク30を介してCEMSから最新の電力需給予測を取得した制御部13が決定してもよい。
【0044】
ステップS102:制御部13は、対象日について時間前市場の取引期間が開始したか否かを判定する。取引期間が開始したと判定された場合(ステップS102-Yes)、プロセスはステップS103に進む。一方、取引期間が開始していないと判定された場合(ステップS102-No)、ステップS102が繰り返し行われる。
【0045】
ステップS103:ステップS102で時間前市場の取引期間が開始したと判定された場合(ステップS102-Yes)、制御部13は、制御対象地域における最新の電力需給予測及び充電設備の最新の利用予約状況に基づいて、予約表における空き時間枠の利用料金を変更する第1処理を実行する。
【0046】
具体的には、制御部13は、最新の電力需給予測に基づいて決定される逼迫時間帯の情報を取得する。例えば図3では、逼迫時間帯は13:00-15:00に更新されている。制御部13は、予約表における空き時間枠が逼迫時間帯に含まれる場合、当該空き時間枠の利用料金を増加させてもよい。例えば図3では、逼迫時間帯に含まれる「14:00-15:00」の空き時間枠の利用料金が増加している。また、制御部13は、予約表における空き時間枠が逼迫時間帯に含まれない場合、当該空き時間枠の利用料金を低減させてもよい。例えば図3では、「10:00-11:00」及び「11:00-12:00」の2つの空き時間枠の利用料金が低減している。なお、第1処理による利用料金の変更額は、例えば需要と供給に差があるほど大きくなるように決定されるが、これに限られず任意に決定されてもよい。
【0047】
ステップS104:制御部13は、対象日の各コマについて時間前市場の取引期間が終了したか否かを判定する。対象日のあるコマについて取引期間が終了したと判定された場合(ステップS104-Yes)、プロセスはステップS105に進む。一方、いずれのコマについても取引期間が終了していないと判定された場合(ステップS104-No)、ステップS104が繰り返し行われる。
【0048】
上述したように、対象日の各コマについての時間前市場の取引期間は、例えば各コマの開始1時間前に終了する。かかる場合、制御部13は、あるコマの開始1時間前になると、当該コマについて時間前市場の取引期間が終了したと判定する。
【0049】
ステップS105:ステップS104で対象日のあるコマについて時間前市場の取引期間が終了したと判定された場合(ステップS104-Yes)、制御部13は、制御対象地域における最新の電力需給予測及び充電設備の最新の利用予約状況に基づいて、予約表における空き時間枠の利用料金の変更又は予約受付けの禁止を行う第2処理を実行する。
【0050】
具体的には、制御部13は、最新の電力需給予測に基づいて決定される逼迫時間帯の情報を取得する。ここでは、図4に示すように、逼迫時間帯は13:00-15:00のまま変化していないものとする。また、最新の利用予約状況では、1つの予約枠が「13:00-14:00」の時間枠から「11:00-12:00」の時間枠に変更されているものとする。制御部13は、時間前市場の取引期間が終了したコマに対応する空き時間枠の利用料金を増加させてもよく、予約受付け(新規利用予約又は予約枠の変更先としての指定の受付け)を禁止してもよい。例えば図4に示す例では、10:00-10:30のコマの取引期間が対象日当日の9:00に終了したときに、当該コマに対応する「10:00-11:00」の空き時間枠の予約受付けが制御部13によって禁止されている。また、13:00-13:30のコマの取引期間が対象日当日の12:00に終了したときに、当該コマに対応する「13:00-14:00」の空き時間枠の利用料金が制御部13によって「100」から「200」に増加されている。また、14:00-14:30のコマの取引期間が対象日当日の13:00に終了したときに、当該コマに対応する「14:00-15:00」の空き時間枠の予約受付けが制御部13によって禁止されている。
【0051】
ステップS106:制御部13は、時間前市場の取引期間が終了したコマに対応する時間枠が当該取引期間の終了前後で予約されたままである場合、当該時間枠の利用料金を低減させる第3処理を実行する。
【0052】
例えば図4に示す例では、12:00-12:30のコマの取引期間が対象日当日の11:00に終了したときに、当該コマに対応する「12:00-13:00」の時間枠が当該取引期間の終了前後で「予約済み」のままであったため、当該時間枠の利用料金が制御部13によって「100」から「95」に低減されている。
【0053】
ステップS107:制御部13は、対象日の予約表における全時間枠について、上述したステップS104~S106の処理が終了したか否かを判定する。処理が終了したと判定された場合(ステップS107-Yes)、プロセスは終了する。一方、処理が終了していないと判定された場合(ステップS107-No)、プロセスはステップS104に戻る。
【0054】
以上述べたように、本実施形態に係る予約装置10は、電力取引の対象日についてスポット市場の取引期間が開始すると、充電設備の予約表において対象日の時間枠ごとに新規利用予約及び予約変更の受付けを開始する。その後、予約装置10は、対象日について時間前市場の取引期間が開始すると、制御対象地域における最新の電力需給予測及び充電設備の最新の利用予約状況に基づいて、予約表における空き時間枠の利用料金を変更する第1処理を実行する。そして、予約装置10は、対象日の各コマについて時間前市場の取引期間が終了すると、充電設備の最新の利用予約状況に基づいて、予約表における空き時間枠の利用料金の変更又は予約受付けの禁止を行う第2処理を実行する。
【0055】
予約装置10の上述した動作によれば、例えば逼迫時間帯に含まれる空き時間枠について新規利用予約又は予約枠の変更先としての指定が他の時間枠に優先して行われる蓋然性が低減し、逼迫時間帯における電力需要の増加が抑制可能となる点で、将来の需給を考慮して電力制御を行う技術が改善される。
【0056】
(端末装置の動作フロー)
図8を参照して、本実施形態に係る端末装置20の動作について説明する。上述したように、本実施形態では配達車両を用いて荷物を配達する物流事業者が端末装置20のユーザである。端末装置20の当該動作は、概略として、充電設備の新規利用予約及び予約変更、並びに、充電設備の予約変更に伴う配達車両の運行計画の修正を行う動作である。
【0057】
ステップS200:端末装置20の制御部25は、充電設備の予約表の情報を予約装置10から受信する。
【0058】
具体的には、制御部25は、通信部21を介して予約装置10から、充電設備の予約表の情報を受信する。予約表の情報は、例えば図2に示すように、充電設備が有する各充電器の予約状況及び利用料金を含む。
【0059】
ステップS201:制御部25は、ユーザ(ここでは、物流事業者)が予約表から選択した対象日の充電器及び時間枠の新規利用予約の第1要求を予約装置10へ送信する。
【0060】
ステップS202:予約装置10によって第1要求に係る新規利用予約が受付けられると、制御部25は、配達車両の対象日における運行計画を決定するとともに、当該荷物の配達予定時刻を荷受人に通知する。
【0061】
具体的には、制御部25は、第1要求に係る新規利用予約の受付けが完了したことの通知を予約装置10から受信すると、配達車両の対象日における運行計画を決定する。運行計画は、例えば配達車両の各時刻における位置及び走行経路等を含む情報である。ステップS202では、対象日に配達すべき各荷物を各荷受人に配達しつつ、予約枠の時間帯に充電器で配達車両を充電するように、配達車両の運行計画が決定される。例えば制御部25は、対象日に配達すべき各荷物の配達先の位置情報と、予約した充電器の位置情報及び予約枠に対応する時間帯と、に基づいて、任意の経路探索アルゴリズムにより運行計画を決定可能である。
【0062】
ステップS203:制御部25は、予約表における何れかの空き時間枠の利用料金が予約装置10によって変更されたか否かを判定する。空き時間枠の利用料金が変更されたと判定された場合(ステップS203-Yes)、プロセスはステップS204に進む。一方、空き時間枠の利用料金が変更されなかったと判定された場合(ステップS203-No)、プロセスは終了する。
【0063】
具体的には、制御部25は、通信部21を介して予約装置10から空き時間枠の変更後の利用料金を示す情報を受信すると、当該空き時間枠の利用料金が予約装置10によって変更されたと判定する。
【0064】
ステップS204:ステップS203で空き時間枠の利用料金が変更されたと判定された場合(ステップS203-Yes)、制御部25は、荷受人に対して配達予定時刻の変更の許否を確認する。
【0065】
具体的には、制御部25は、ステップS203で利用料金が変更されたと判定された空き時間枠に予約枠を変更すると仮定した場合に、ユーザである物流事業者が支払うべき充電設備の利用料金が予約枠の変更前よりも低減するという第1条件と、対象日に配達すべき各荷物を各荷受人に配達可能であるという第2条件と、の両方を同時に満たす運行計画の修正案を決定する。第1条件及び第2条件の両方を同時に満たす運行計画の修正案が決定できた場合、制御部25は、運行計画が修正されると配達予定時刻が変更されてしまう各荷受人のコンピュータに対して、配達予定時刻の変更の許否を確認するメッセージを送信する。
【0066】
ステップS205:制御部25は、荷受人によって配達予定時刻の変更が許可されたか否かを判定する。配達予定時刻の変更が許可されたと判定された場合(ステップS205-Yes)、プロセスはステップS206に進む。一方、配達予定時刻の変更が許可されなかったと判定された場合(ステップS205-No)、プロセスは終了する。
【0067】
具体的には、制御部25は、ステップS204で配達予定時刻の変更の許否を確認した各荷受人のコンピュータから、配達予定時刻の変更を許可する旨の応答を受信すると、配達予定時刻の変更が許可されたと判定する。
【0068】
ステップS206:ステップS205で配達予定時刻の変更が許可されたと判定された場合(ステップS205-Yes)、制御部25は、予約枠を、ステップS203の空き時間枠に変更する第2要求を予約装置10へ送信する。
【0069】
ステップS207:予約装置10によって第2要求に係る予約枠の変更が受付けられると、制御部25は、ステップS204の修正案に従い配送車両の運行計画を修正するとともに、変更後の配達予定時刻を荷受人に通知する。その後、プロセスは終了する。
【0070】
以上述べたように、本実施形態に係る端末装置20は、充電設備の予約表の情報を予約装置10から受信する。端末装置20は、予約表から選択した対象日の時間枠の新規利用予約の第1要求を予約装置10へ送信する。予約装置10によって第1要求が受付けられると、端末装置20は、配達車両の対象日における運行計画を決定するとともに、荷物の配達予定時刻を荷受人に通知する。その後、予約表における空き時間枠の利用料金が予約装置10によって変更されると、端末装置20は、荷受人に対して配達予定時刻の変更の許否を確認する。荷受人によって配達予定時刻の変更が許可された場合、端末装置20は、予約枠を利用料金が変更された当該空き時間枠に変更する第2要求を予約装置10へ送信する。そして、予約装置10によって第2要求が受付けられると、配達車両の運行計画を修正するとともに、変更後の配達予定時刻を荷受人に通知する。
【0071】
本実施形態に係る端末装置20によれば、対象日についての充電設備の新規利用予約が受付けられると、対象日に配達すべき各荷物を各荷受人に配達しつつ、予約枠の時間帯に配達車両を充電するように、配達車両の運行計画が自動的に決定される。その後、予約装置10によって空き時間枠の利用料金が変更されると、荷受人に対して配達予定時刻の変更の許否の確認が自動的に行われる。そして、荷受人によって配達予定時刻の変更が許可されると、利用料金が変更された空き時間枠への予約変更が自動的に行われるとともに、予約変更に応じて配達車両の運行計画が自動的に修正される。このため、物流事業者にとって、充電設備の利用料金の変更に応じて充電設備の予約変更、配送車両の運行計画の修正、及び荷受人に対する配達予定時刻の変更拒否の確認を行う作業負担が低減可能である。
【0072】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0073】
例えば、上述した実施形態において、予約装置10又は端末装置20の構成及び動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散させた実施形態も可能である。
【0074】
また、上述した実施形態において端末装置20の制御部25は、上述したステップS207において、配達予定時刻の変更を許可した各荷受人に対してインセンティブを付与してもよい。インセンティブとして、例えば電子マネー又は仮想通貨等の電子データが採用されてもよく、或いはクーポン券又はノベルティ等の物品が採用されてもよい。
【0075】
また、例えば汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る予約装置10又は端末装置20として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る予約装置10又は端末装置20の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 システム
10 予約装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
20 端末装置
21 通信部
22 出力部
23 入力部
24 記憶部
25 制御部
30 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8