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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-07
(45)【発行日】2024-10-16
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/12 20160101AFI20241008BHJP
   B60M 7/00 20060101ALI20241008BHJP
   B60L 50/53 20190101ALN20241008BHJP
【FI】
H02J50/12
B60M7/00 X
B60L50/53
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022032435
(22)【出願日】2022-03-03
(65)【公開番号】P2023128231
(43)【公開日】2023-09-14
【審査請求日】2024-02-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】久野 剛
(72)【発明者】
【氏名】室田 彰
(72)【発明者】
【氏名】山本 正明
(72)【発明者】
【氏名】神吉 裕之
【審査官】山口 大
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-506129(JP,A)
【文献】特開2001-238372(JP,A)
【文献】特表2011-523336(JP,A)
【文献】特開2017-184487(JP,A)
【文献】特開2012-231665(JP,A)
【文献】特開平11-155245(JP,A)
【文献】特表平08-501435(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/12
B60M 7/00
B60L 50/53
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受電装置を備えた移動体の移動経路に沿って配置された給電線に接続され、前記給電線に交流電流を供給することで前記受電装置に非接触で電力を供給する非接触給電設備の電源装置であって、
交流電流を出力する電源部と、
前記給電線に接続される出力部と、
前記電源部と前記出力部との間の給電回路のキャパシタンスを調整する調整部と、を備え、
前記調整部は、第1キャパシタと、第2キャパシタと、回路切替機構と、を備え、
前記回路切替機構は、操作されることで、前記第1キャパシタと前記第2キャパシタとを前記電源部と前記出力部との間に直列に接続する直列接続状態と、前記第1キャパシタと前記第2キャパシタとを前記電源部と前記出力部との間に並列に接続する並列接続状態と、に切り替えるように構成されている、電源装置。
【請求項2】
前記電源部と前記出力部との一方を切替接続部とし、他方を非切替接続部として、
前記調整部は、前記第1キャパシタの第1電極と前記第2キャパシタの第1電極とに接続された第1導電体と、前記第1キャパシタの第2電極に接続された第2導電体と、前記第2キャパシタの第2電極と前記非切替接続部とに接続された第3導電体と、を備え、
前記回路切替機構は、短絡用導電体と切替接続用導電体とを備え、
前記短絡用導電体は、前記第2導電体と前記第3導電体とを接続する状態と、前記第2導電体と前記第3導電体とを分離する状態と、に状態変更可能な導電体であり、
前記切替接続用導電体は、前記切替接続部と前記第1導電体とを接続する第1接続状態と、前記切替接続部と前記第2導電体とを接続する第2接続状態と、に状態変更可能な導電体である、請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記回路切替機構は、前記切替接続用導電体を回転軸心回りに旋回自在に支持する支持部を備え、
前記切替接続用導電体は、前記回転軸心回りに旋回することにより、前記第1接続状態と前記第2接続状態とに状態変更する、請求項2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記短絡用導電体により接続される前記第2導電体と前記第3導電体との間隔と、前記切替接続用導電体により接続される前記切替接続部と前記第1導電体との間隔と、が異なっており、
前記切替接続用導電体により接続される前記切替接続部と前記第1導電体との間隔と、前記切替接続用導電体により接続される前記切替接続部と前記第2導電体との間隔と、が同じである、請求項2又は3に記載の電源装置。
【請求項5】
前記電源部は、第1電源電極と第2電源電極とを備え、
前記出力部は、第1出力端子と第2出力端子とを備え、
前記調整部を第1調整部とし、前記短絡用導電体を第1短絡用導電体とし、前記切替接続用導電体を第1切替接続用導電体として、
前記第1調整部は前記第1電源電極と前記第1出力端子との間に接続され、
前記第2電源電極と前記第2出力端子との間に接続された第2調整部を更に備え、
前記第2調整部は、第3キャパシタと、第4キャパシタと、前記第3キャパシタの第1電極と前記第4キャパシタの第1電極とに接続された第4導電体と、前記第3キャパシタの第2電極に接続された第5導電体と、前記第4キャパシタの第2電極と前記非切替接続部とに接続された第6導電体と、を備え、
前記回路切替機構は、第2短絡用導電体と第2切替接続用導電体とを備え、
前記第2短絡用導電体は、前記第5導電体と前記第6導電体とを接続する状態と、前記第5導電体と前記第6導電体とを分離する状態と、に状態変更可能な導電体であり、
前記第2切替接続用導電体は、前記切替接続部と前記第4導電体とを接続する状態と、前記切替接続部と前記第5導電体とを接続する状態と、に状態変更可能な導電体である、請求項2から4のいずれか一項に記載の電源装置。
【請求項6】
前記回路切替機構は、前記第1短絡用導電体と前記第2短絡用導電体とを連結する非導電性の第1連結部材と、前記第1切替接続用導電体と前記第2切替接続用導電体とを連結する非導電性の第2連結部材と、を備える、請求項5に記載の電源装置。
【請求項7】
前記第1接続状態とするために前記切替接続用導電体が配置される場所と前記短絡用導電体とに、対応する標章が設けられている、請求項2から6のいずれか一項に記載の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受電装置を備えた移動体の移動経路に沿って配置された給電線に接続され、給電線に交流電流を供給することで受電装置に非接触で電力を供給する非接触給電設備の電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触給電設備の電源装置の一例が、特開平11-155245号公報(特許文献1)に開示されている。以下、この背景技術の説明では、特許文献1における符号を括弧内に引用する。特許文献1の図7に示される電源装置は、交流電流を出力する電源回路(1)と、1次給電線(9)に接続される出力部と、電源回路(1)と出力部との間の給電回路のキャパシタンス(キャパシタ値)を調整するキャパシタ調整回路(7)と、を備えている。キャパシタ調整回路(7)は、受電装置(10a~10n)に設けられた共振回路における共振周波数と、電源回路(1)における発振周波数との差が所定範囲内となるように、給電回路のキャパシタンスを調整する。特許文献1の図9に示される態様では、キャパシタ調整回路(7)は、並列に配置された複数のキャパシタ(コンデンサ)と、各キャパシタに対して直列に接続されたスイッチと、を備えており、各スイッチのオン・オフを制御することで、給電回路のキャパシタンスが調整される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-155245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、給電線(特許文献1では1次給電線)の長さは非接触給電設備毎によって異なり得る。そして、給電線のインダクタンスは、給電線が短くなるに従って小さくなり、給電線が長くなるに従って大きくなる。そのため、給電回路及び給電線を含む経路全体のインピーダンス(具体的には、リアクタンス)を一定に保つためには、給電線が短くなるに従って給電回路のキャパシタンスを大きくし、給電線が長くなるに従って給電回路のキャパシタンスを小さくする必要がある。例えば特許文献1の図9に示される態様では、オン状態とするスイッチの数を増やして並列に接続されるキャパシタの数を増やすことで、給電回路のキャパシタンスを大きくすることができ、オン状態とするスイッチの数を減らして並列に接続されるキャパシタの数を減らすことで、給電回路のキャパシタンスを小さくすることができる。
【0005】
このように、特許文献1の図9に示される態様では、給電線が長い場合には、並列に接続されるキャパシタの数を減らして給電回路のキャパシタンスを小さくすることができるが、キャパシタンスが小さくなるに従ってキャパシタの端子間電圧が高くなり、キャパシタに必要となる耐圧性能(耐電圧性能)が高くなる。特に、並列接続される複数のキャパシタを同じ部品とする場合には、これら複数のキャパシタの全てを耐圧性能の高いキャパシタとする必要がある。そのため、特許文献1の図9に示される態様では、給電線の長さに応じて給電回路のキャパシタンスを調整することはできても、キャパシタに必要とされる耐圧性能が高くなりやすく、コストが増大しやすい。
【0006】
そこで、コストの低減を図りつつ、給電線の長さに応じて給電回路のキャパシタンスを適切に調整することが可能な電源装置の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る電源装置は、受電装置を備えた移動体の移動経路に沿って配置された給電線に接続され、前記給電線に交流電流を供給することで前記受電装置に非接触で電力を供給する非接触給電設備の電源装置であって、交流電流を出力する電源部と、前記給電線に接続される出力部と、前記電源部と前記出力部との間の給電回路のキャパシタンスを調整する調整部と、を備え、前記調整部は、第1キャパシタと、第2キャパシタと、回路切替機構と、を備え、前記回路切替機構は、操作されることで、前記第1キャパシタと前記第2キャパシタとを前記電源部と前記出力部との間に直列に接続する直列接続状態と、前記第1キャパシタと前記第2キャパシタとを前記電源部と前記出力部との間に並列に接続する並列接続状態と、に切り替えるように構成されている。
【0008】
本構成によれば、給電線が比較的長い場合には、回路切替機構によって直列接続状態に切り替えることで、第1キャパシタと第2キャパシタとの合成キャパシタンスを小さくして、給電回路のキャパシタンスを小さくすることができる。一方、給電線が比較的短い場合には、回路切替機構によって並列接続状態に切り替えることで、第1キャパシタと第2キャパシタとの合成キャパシタンスを大きくして、給電回路のキャパシタンスを大きくすることができる。
【0009】
このように、本構成によれば、給電線の長さに応じて給電回路のキャパシタンスを適切に調整することができる。その上で、本構成によれば、給電線が比較的長い場合には回路切替機構によって直列接続状態に切り替えられるため、給電回路のキャパシタンスが小さくなることで高くなる端子間電圧を、第1キャパシタと第2キャパシタとで分担することができる。そのため、このような分担が行われない場合に比べて、第1キャパシタや第2キャパシタに必要とされる耐圧性能を低く抑えて、コストの低減を図ることができる。
【0010】
以上のように、本構成によれば、コストの低減を図りつつ、給電線の長さに応じて給電回路のキャパシタンスを適切に調整することが可能となっている。
【0011】
電源装置の更なる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態に係る非接触給電設備の等価回路図及び電圧ベクトル図
図2】第1の実施形態に係る移動体の一部の正面図
図3】第1の実施形態に係る第1調整部及び第2調整部の平面図
図4】第1の実施形態に係る第1調整部及び第2調整部の平面図
図5】第1の実施形態に係る回路切替機構の一部の斜視図
図6】第1の実施形態に係る回路切替機構の一部の斜視図
図7】第2の実施形態に係る第1調整部及び第2調整部の平面図
図8】第2の実施形態に係る第1調整部及び第2調整部の平面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔第1の実施形態〕
電源装置の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
電源装置1(非接触給電設備100の電源装置1)は、非接触給電設備100において電力の供給源として用いられる装置である。図1に示すように、電源装置1は、給電線Lに接続される。給電線Lは、受電装置91を備えた移動体90の移動経路P(図2参照)に沿って配置される。電源装置1は、給電線Lに交流電流を供給することで受電装置91に非接触で電力を供給する。このように、非接触給電設備100は、給電線Lに交流電流を供給することで受電装置91に非接触で電力を供給する設備である。
【0015】
移動体90の少なくとも一部の動作(例えば、移動経路Pに沿って移動する移動動作)は、受電装置91が受電した電力を用いて行われる。すなわち、受電装置91が受電した電力は、移動体90を動作させるためのアクチュエータ(例えば、後述する駆動モータ96)に供給される。受電装置91は、例えば、ピックアップコイルを備える。ピックアップコイルには、交流電流が供給された給電線Lの周囲に生じる磁界により、交流の電力が誘起される。この交流の電力は、例えば直流に変換されて、移動体90を動作させるためのアクチュエータに供給される。
【0016】
移動体90は、例えば、移動経路Pに沿って走行して物品を搬送する物品搬送車とされる。物品は、例えば、半導体ウェハを収容するFOUP(Front Opening Unified Pod)とされる。図2は、物品搬送車として用いられる移動体90の一例を示している。図2に示すように、移動体90は、移動経路Pに沿って走行する走行部92を備えている。移動体90は、更に、走行部92に連結された本体部93を備えており、物品は、本体部93に収容された状態で、移動体90によって搬送される。移動経路Pは、レールR(ここでは、経路幅方向に離間して配置された一対のレールR)を用いて形成されている。経路幅方向は、移動経路Pの長手方向と上下方向(鉛直方向)との双方に直交する方向(図2における左右方向)である。図2に示す例では、レールRは、天井9から吊り下げ支持されており、移動経路Pは、天井9に沿って形成されている。
【0017】
図2に示すように、走行部92は、レールRの走行面(ここでは、上面)を転動する走行輪94と、走行輪94を回転させる駆動モータ96と、を備えている。駆動モータ96は、受電装置91が受電した電力の供給を受けて、走行輪94を回転させる。走行輪94が駆動モータ96により回転されることで、走行部92が移動経路Pに沿って走行する。図2に示すように、走行部92は、レールRの案内面(ここでは、経路幅方向を向く側面)を転動する案内輪95を備えており、走行部92は、案内輪95がレールRの案内面に接触案内された状態で、レールRに沿って走行する。
【0018】
上述したように、受電装置91に非接触で電力を供給するための給電線Lは、移動経路Pに沿って配置される。図2に示す例では、給電線Lは、移動経路Pを形成するレールRに沿って配置されている。また、図2に示す例では、給電線Lは、受電装置91に対して経路幅方向の両側に配置されている。
【0019】
次に、給電線Lに交流電流を供給する電源装置1について説明する。図1の等価回路図に示すように、電源装置1は、交流電流を出力する電源部10と、給電線Lに接続される出力部20と、電源部10と出力部20との間の給電回路3のキャパシタンスを調整する第1調整部31と、を備えている。本実施形態では、電源装置1は、更に、第2調整部32を備えている。本実施形態では、給電回路3のキャパシタンスは、第1調整部31と第2調整部32とによって調整される。本実施形態では、第1調整部31が「調整部」に相当する。
【0020】
電源部10は、調整部(本実施形態では、第1調整部31及び第2調整部32)のキャパシタンスと給電線Lのインダクタンスとで直列共振状態となるような周波数或いはこれに近い周波数の交流電流を出力する。詳細は省略するが、電源部10の電源回路は、例えば、インバータ回路を備えたスイッチング電源回路を中核として構成される。電源部10は、例えば、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)により、電源回路に交流電流を出力させる。
【0021】
図1の等価回路図に示すように、電源部10は、一対の電極である第1電源電極11と第2電源電極12とを備え、出力部20は、一対の出力端子である第1出力端子21と第2出力端子22とを備えている。第1調整部31は、第1電源電極11と第1出力端子21との間に接続され、第2調整部32は、第2電源電極12と第2出力端子22との間に接続されている。第1出力端子21には、給電線Lの一端が接続され、第2出力端子22には、給電線Lの他端が接続されている。よって、第1電源電極11は、第1調整部31を介して給電線Lの一端に接続され、第2電源電極12は、第2調整部32を介して給電線Lの他端に接続されている。
【0022】
調整部(本実施形態では、第1調整部31及び第2調整部32)は、給電線Lと共に共振回路を形成するように、給電線Lに直列に接続される。調整部のキャパシタンスは、電源部10が出力する交流電流の周波数で共振するように、或いはそれに近い状態となるように、調整される。本実施形態では、第1調整部31と第2調整部32とが、電源部10の2つの電極に分かれて接続されている。これにより、第1調整部31と第2調整部32との双方が電源部10の1つの電極に接続される場合に比べて、給電回路3及び給電線Lを含む経路内の電位差(最大電位差、最大電圧)を小さく抑えることが可能となっている。補足説明すると、図1の下側に示す内接円Wは、電圧ベクトル図(詳細は後述する)を構成するベクトル群が内接する円であり、この内接円Wの直径は、上記の電位差に相当する。本実施形態では、第1調整部31と第2調整部32とを電源部10の2つの電極に分けて接続することで、第1調整部31と第2調整部32との双方が電源部10の1つの電極に接続される場合に比べて、この内接円Wの直径を小さく抑えること、すなわち、上記の電位差を小さく抑えることが可能となっている。
【0023】
図1の下側に示す電圧ベクトル図では、電源部10の電圧(第1電源電極11と第2電源電極12との間の電圧)をVSとし、第1調整部31の端子間電圧をVC1とし、第2調整部32の端子間電圧をVC2とし、給電線Lのインダクタンス(インダクタンス成分)に起因する電圧をVLとし、給電線Lの抵抗(抵抗成分)に起因する電圧をVRとしている。給電回路3及び給電線Lを含む経路全体のインピーダンス(合成インピーダンス)は、4つの電圧(VC1、VL、VR、VC2)のベクトル和で表される。なお、図1に示す電圧ベクトル図は、現実の大きさ(実数成分の大きさ、虚数成分の大きさ)を必ずしも正確に表しているわけではない。
【0024】
図1では、ライン長(給電線Lの長さ)が異なる2つの場合を比較するために、ライン長が短い場合の等価回路図及び電圧ベクトル図を左側に示し、ライン長が長い場合の等価回路図及び電圧ベクトル図を右側に示している。そして、図1では、ライン長が異なる2つの場合の電圧ベクトル図を、給電回路3及び給電線Lを含む経路全体のインピーダンス(具体的には、リアクタンス)が互いに同一となるように示している。
【0025】
ライン長が短くなるに従って、給電線Lのインダクタンスが小さくなり、これに伴い、給電線Lのインダクタンスに起因する電圧(VL)が低くなる。また、ライン長が長くなるに従って、給電線Lのインダクタンスが大きくなり、これに伴い、給電線Lのインダクタンスに起因する電圧(VL)が高くなる。そのため、給電回路3及び給電線Lを含む経路全体のインピーダンス(具体的には、リアクタンス)を一定に保つためには、図1に示すように、給電線Lが短くなるに従って2つの電圧(VC1、VC2)のベクトル和の大きさを小さくし(すなわち、給電回路3のキャパシタンスを大きくし)、給電線Lが長くなるに従って2つの電圧(VC1、VC2)のベクトル和の大きさを大きくする(すなわち、給電回路3のキャパシタンスを小さくする)必要がある。本実施形態の電源装置1は、以下に述べる構成を備えることで、コストの低減を図りつつ、給電線Lの長さに応じて給電回路3のキャパシタンスを適切に調整することが可能となっている。
【0026】
図3及び図4に示すように、第1調整部31は、第1キャパシタ41と、第2キャパシタ42と、回路切替機構4と、を備えている。詳細は後述するが、回路切替機構4は、第1キャパシタ41と第2キャパシタ42とを電源部10と出力部20との間(本実施形態では、第1電源電極11と第1出力端子21との間)に直列に接続する直列接続状態(図4に示す状態)と、第1キャパシタ41と第2キャパシタ42とを電源部10と出力部20との間(本実施形態では、第1電源電極11と第1出力端子21との間)に並列に接続する並列接続状態(図3に示す状態)と、に切り替えるように構成されている。第1キャパシタ41のキャパシタンスは、第2キャパシタ42のキャパシタンスと同じであっても異なっていてもよい。
【0027】
第2調整部32は、第3キャパシタ43と、第4キャパシタ44と、を備えている。第2調整部32は、回路切替機構4を第1調整部31と共有している。詳細は後述するが、回路切替機構4は、第3キャパシタ43と第4キャパシタ44とを電源部10と出力部20との間(本実施形態では、第2電源電極12と第2出力端子22との間)に直列に接続する直列接続状態(図4に示す状態)と、第3キャパシタ43と第4キャパシタ44とを電源部10と出力部20との間(本実施形態では、第2電源電極12と第2出力端子22との間)に並列に接続する並列接続状態(図3に示す状態)と、に切り替えるように構成されている。第3キャパシタ43のキャパシタンスは、第4キャパシタ44のキャパシタンスと同じであっても異なっていてもよい。
【0028】
第1キャパシタ41、第2キャパシタ42、第3キャパシタ43、及び第4キャパシタ44の各キャパシタは、1つ以上のキャパシタ素子C(コンデンサ素子)を備える。図3及び図4に示す例では、これらの各キャパシタ(41~44)は、互いに並列に接続された複数のキャパシタ素子Cを備えている。これら複数のキャパシタ素子Cに、互いにキャパシタンスが異なるキャパシタ素子Cが含まれていてもよい。なお、図3及び図4(後に参照する図7及び図8も同様)では、各キャパシタ(41~44)を構成するキャパシタ素子Cの個数を必ずしも正確に示しているわけではない。また、これらの図では、全てのキャパシタ素子Cを同一形状としているが、互いに異なる形状のキャパシタ素子Cが用いられてもよい。詳細は省略するが、キャパシタ素子Cを取り付け或いは取り外すことで、各キャパシタ(41~44)を構成するキャパシタ素子Cの個数を変更すること(すなわち、キャパシタンスを調整すること)が可能となっている。
【0029】
各キャパシタ(41~44)は、一対の電極である第1電極E1と第2電極E2とを備えている。図3及び図4に示す例では、各キャパシタ(41~44)は、互いに並列に接続された複数のキャパシタ素子Cを備えている。そのため、各キャパシタ(41~44)の第1電極E1は、複数のキャパシタ素子Cのそれぞれの第1電極E1の集合によって形成され、各キャパシタ(41~44)の第2電極E2は、複数のキャパシタ素子Cのそれぞれの第2電極E2の集合によって形成されている。
【0030】
本実施形態では、第1調整部31は、第1導電体51、第2導電体52、及び第3導電体53を備えている。また、本実施形態では、第2調整部32は、第4導電体54、第5導電体55、及び第6導電体56を備えている。これら6つの導電体(51~56)は、互いに接触しないように配置されている。本実施形態では、これらの各導電体(51~56)は、板状の導電体(バスバー)である。また、本実施形態では、第4導電体54は、第1導電体51と同一の形状に形成され、第5導電体55は、第2導電体52と同一の形状に形成され、第6導電体56は、第3導電体53と同一の形状に形成されている。
【0031】
図3及び図4に示す例では、これらの各導電体(51~56)は、電源装置1が備えるケース2に収容されている。具体的には、ケース2の内部には、平面視で矩形状(具体的には、第1方向Xに延びる2つの長辺と第2方向Yに延びる2つの短辺とを有する矩形状)の収容空間が形成されており、各導電体(51~56)は、第1方向Xに延びるように配置されている。図3及び図4に示す例では、第1調整部31を構成する3つの導電体(51~53)と、第2調整部32を構成する3つの導電体(54~56)とは、第2方向Yの互いに異なる位置に配置されている。よって、第2方向Yは、各導電体(51~56)が延びる方向に直交する方向であると共に、第1調整部31と第2調整部32との並び方向でもある。
【0032】
第1導電体51は、第1キャパシタ41の第1電極E1と第2キャパシタ42の第1電極E1とに接続されている。第2導電体52は、第1キャパシタ41の第2電極E2に接続されている。第3導電体53は、第2キャパシタ42の第2電極E2と非切替接続部(本実施形態では、出力部20、具体的には、第1出力端子21)とに接続されている。なお、本明細書では、電源部10と出力部20との一方を切替接続部とし、他方を非切替接続部としている。本実施形態では、電源部10が切替接続部であり、出力部20が非切替接続部である。
【0033】
図3及び図4に示す例では、第2導電体52は、第1導電体51と第2方向Yに対向するように配置されている。そして、第1キャパシタ41は、当該第1キャパシタ41の第1電極E1が第1導電体51に接続され、且つ、当該第1キャパシタ41の第2電極E2が第2導電体52に接続されるように配置されている。また、図3及び図4に示す例では、第3導電体53は、第1導電体51と第2方向Yに対向するように配置されている。そして、第2キャパシタ42は、当該第2キャパシタ42の第1電極E1が第1導電体51に接続され、且つ、当該第2キャパシタ42の第2電極E2が第3導電体53に接続されるように配置されている。図3及び図4に示す例では、第2導電体52と第3導電体53とは、第2方向Yの同じ位置において第1方向Xに並んで配置されている。
【0034】
第4導電体54は、第3キャパシタ43の第1電極E1と第4キャパシタ44の第1電極E1とに接続されている。第5導電体55は、第3キャパシタ43の第2電極E2に接続されている。第6導電体56は、第4キャパシタ44の第2電極E2と非切替接続部(本実施形態では、出力部20、具体的には、第2出力端子22)とに接続されている。
【0035】
図3及び図4に示す例では、第5導電体55は、第4導電体54と第2方向Yに対向するように配置されている。そして、第3キャパシタ43は、当該第3キャパシタ43の第1電極E1が第4導電体54に接続され、且つ、当該第3キャパシタ43の第2電極E2が第5導電体55に接続されるように配置されている。また、図3及び図4に示す例では、第6導電体56は、第4導電体54と第2方向Yに対向するように配置されている。そして、第4キャパシタ44は、当該第4キャパシタ44の第1電極E1が第4導電体54に接続され、且つ、当該第4キャパシタ44の第2電極E2が第6導電体56に接続されるように配置されている。図3及び図4に示す例では、第5導電体55と第6導電体56とは、第2方向Yの同じ位置において第1方向Xに並んで配置されている。
【0036】
ここで、第1キャパシタ41と第2キャパシタ42とが第1電源電極11と第1出力端子21との間に並列に接続され、且つ、第3キャパシタ43と第4キャパシタ44とが第2電源電極12と第2出力端子22との間に並列に接続された状態(図3に示す状態)を、「双方並列接続状態」とする。また、第1キャパシタ41と第2キャパシタ42とが第1電源電極11と第1出力端子21との間に直列に接続され、且つ、第3キャパシタ43と第4キャパシタ44とが第2電源電極12と第2出力端子22との間に直列に接続された状態(図4に示す状態)を、「双方直列接続状態」とする。後述するように、回路切替機構4によって、双方並列接続状態と双方直列接続状態とに切り替えることができる。
【0037】
給電線Lが比較的短い場合には、回路切替機構4によって双方並列接続状態に切り替えることで、第1キャパシタ41と第2キャパシタ42との合成キャパシタンスを大きくすると共に、第3キャパシタ43と第4キャパシタ44との合成キャパシタンスを大きくして、給電回路3のキャパシタンスを大きくすることができる。一方、給電線Lが比較的長い場合には、回路切替機構4によって双方直列接続状態に切り替えることで、第1キャパシタ41と第2キャパシタ42との合成キャパシタンスを小さくすると共に、第3キャパシタ43と第4キャパシタ44との合成キャパシタンスを小さくして、給電回路3のキャパシタンスを小さくすることができる。
【0038】
双方直列接続状態では、第1調整部31のキャパシタンス(具体的には、第1キャパシタ41と第2キャパシタ42との合成キャパシタンス)が小さくなることで高くなる端子間電圧(VC1)を、第1キャパシタ41と第2キャパシタ42とで分担し、第2調整部32のキャパシタンス(具体的には、第3キャパシタ43と第4キャパシタ44との合成キャパシタンス)が小さくなることで高くなる端子間電圧(VC2)を、第3キャパシタ43と第4キャパシタ44とで分担することができる。これにより、このような分担が行われない場合に比べて、各キャパシタ(41~44)に必要とされる耐圧性能を低く抑えて、コストの低減を図ることが可能となっている。
【0039】
次に、本実施形態の電源装置1における回路切替機構4の構成について説明する。図3及び図4に示すように、回路切替機構4は、第1短絡用導電体61と第1切替接続用導電体71とを備えている。本実施形態では、回路切替機構4は、更に、第2短絡用導電体62と第2切替接続用導電体72とを備えている。本実施形態では、第1短絡用導電体61が「短絡用導電体」に相当し、第1切替接続用導電体71が「切替接続用導電体」に相当する。
【0040】
第1短絡用導電体61は、第2導電体52と第3導電体53とを接続する第1短絡状態(図3参照)と、第2導電体52と第3導電体53とを分離する第1分離状態(図4参照)と、に状態変更可能な導電体である。第1切替接続用導電体71は、切替接続部(本実施形態では、電源部10、具体的には、第1電源電極11)と第1導電体51とを接続する第1接続状態(図3参照)と、切替接続部(本実施形態では、電源部10、具体的には、第1電源電極11)と第2導電体52とを接続する第2接続状態(図4参照)と、に状態変更可能な導電体である。
【0041】
第2短絡用導電体62は、第5導電体55と第6導電体56とを接続する第2短絡状態(図3参照)と、第5導電体55と第6導電体56とを分離する第2分離状態(図4参照)と、に状態変更可能な導電体である。第2切替接続用導電体72は、切替接続部(本実施形態では、電源部10、具体的には、第2電源電極12)と第4導電体54とを接続する第3接続状態(図3参照)と、切替接続部(本実施形態では、電源部10、具体的には、第2電源電極12)と第5導電体55とを接続する第4接続状態(図4参照)と、に状態変更可能な導電体である。本実施形態では、第2短絡用導電体62は、第1短絡用導電体61と同じ形状に形成され、第2切替接続用導電体72は、第1切替接続用導電体71と同じ形状に形成されている。
【0042】
本実施形態では、図3に示すように、第1短絡用導電体61を第1短絡状態とし、第2短絡用導電体62を第2短絡状態とし、第1切替接続用導電体71を第1接続状態とし、第2切替接続用導電体72を第3接続状態とすることで、双方並列接続状態が実現される。また、図4に示すように、第1短絡用導電体61を第1分離状態とし、第2短絡用導電体62を第2分離状態とし、第1切替接続用導電体71を第2接続状態とし、第2切替接続用導電体72を第4接続状態とすることで、双方直列接続状態が実現される。
【0043】
図5及び図6に示すように、本実施形態では、回路切替機構4は、第1切替接続用導電体71を回転軸心A回りに旋回自在に支持する支持部5を備えている。ここでは、回転軸心Aは、第1方向X及び第2方向Yの双方に直交する第3方向Zに沿う軸心(仮想軸心)である。本例では、支持用ボルト6が、第1切替接続用導電体71に形成された挿通孔に挿通された状態で、支持部5に形成された雌ねじに螺合している。そして、第1切替接続用導電体71は、支持用ボルト6の軸部に沿う方向(第3方向Z)の両側への移動を支持用ボルト6の頭部と支持部5とにより規制された状態で、支持用ボルト6の軸部に沿う軸心(回転軸心A)回りに旋回するように構成されている。第1切替接続用導電体71は、回転軸心A回りに旋回することにより、第1接続状態(図5参照)と第2接続状態(図6参照)とに状態変更する。第1切替接続用導電体71が支持部5から取り外されない範囲内で支持用ボルト6を緩めて、第1切替接続用導電体71を旋回させるようにすることで、第1切替接続用導電体71が取り外される状態を無くすことができる。なお、第1切替接続用導電体71の旋回時には、後述する固定用ボルト7は取り外される。
【0044】
図5及び図6に示す例では、支持部5は、導電性の部材(ここでは、板状の部材)である。詳細は省略するが、支持部5は切替接続部(本実施形態では、電源部10、具体的には、第1電源電極11)に接続されている。そして、図5に示すように、第1切替接続用導電体71は、当該第1切替接続用導電体71(具体的には、回転軸心Aとは異なる位置に配置された接触部分)が第1導電体51に接触するまで、回転軸心A回りに旋回した状態で、切替接続部と第1導電体51とを接続する。本例では、支持用ボルト6により第1切替接続用導電体71と支持部5とを締結固定すると共に、固定用ボルト7により第1切替接続用導電体71と第1導電体51とを締結固定することで、この状態(第1接続状態)が維持される。また、図6に示すように、第1切替接続用導電体71は、当該第1切替接続用導電体71(具体的には、上記接触部分)が第2導電体52に接触するまで、回転軸心A回りに旋回した状態で、切替接続部と第2導電体52とを接続する。本例では、支持用ボルト6により第1切替接続用導電体71と支持部5とを締結固定すると共に、固定用ボルト7により第1切替接続用導電体71と第2導電体52とを締結固定することで、この状態(第2接続状態)が維持される。
【0045】
本例では、第1導電体51における第1接続状態(図5参照)で第1切替接続用導電体71が固定される部分と、第2導電体52における第2接続状態(図6参照)で第1切替接続用導電体71が固定される部分とは、第1方向Xの同じ位置において、回転軸心Aを挟んで第2方向Yに並んで配置されている。そして、第1切替接続用導電体71は、回転軸心A回りに180度旋回することにより、第1接続状態と第2接続状態とに状態変更する。また、本例では、第1接続状態と第2接続状態との間の状態変更作業の作業性を高めるために、支持部5に対する回転軸心A回りの回転を規制する回り止めを、第1切替接続用導電体71に施している。回り止めは、第1接続状態を実現するための回転位置(図5参照)から第1切替接続用導電体71が回転することを規制し、且つ、第2接続状態を実現するための回転位置(図6参照)から第1切替接続用導電体71が回転することを規制するように設けられている。回り止めとして種々の構造を採用することができるが、図5及び図6に示す例では、第1切替接続用導電体71に設けられた一対の係合部8を支持部5の側面に係合させて、一対の係合部8で支持部5を挟む(ここでは、第1方向Xの両側から挟む)ことで、第1切替接続用導電体71の回り止めが実現される。
【0046】
本実施形態では、第2切替接続用導電体72も、第1切替接続用導電体71と同様に、旋回させて状態を変更するように構成されている。第1切替接続用導電体71と同様であるため、図5及び図6において括弧内に符号を付して詳細は省略するが、第2切替接続用導電体72は、回転軸心A回りに旋回することにより、第3接続状態(図5参照)と第4接続状態(図6参照)とに状態変更する。なお、ここでの回転軸心Aは、第1切替接続用導電体71についての上述した回転軸心Aと平行な軸心である。
【0047】
本実施形態では、第1短絡用導電体61を着脱して当該第1短絡用導電体61の状態を変更し、第2短絡用導電体62を着脱して当該第2短絡用導電体62の状態を変更するように構成されている。具体的には、第1短絡用導電体61は、第2導電体52及び第3導電体53に対して着脱自在に構成されている。そして、第1短絡用導電体61を、第2導電体52と第3導電体53との双方に接触するように第2導電体52及び第3導電体53に対して固定する(本例では、ボルトを用いて締結固定する)ことで、第1短絡状態が実現され(図3参照)、第1短絡用導電体61を、第2導電体52及び第3導電体53から取り外すことで、第1分離状態が実現される(図4参照)。同様に、第2短絡用導電体62は、第5導電体55及び第6導電体56に対して着脱自在に構成されている。そして、第2短絡用導電体62を、第5導電体55と第6導電体56との双方に接触するように第5導電体55及び第6導電体56に対して固定する(本例では、ボルトを用いて締結固定する)ことで、第2短絡状態が実現され(図3参照)、第2短絡用導電体62を、第5導電体55及び第6導電体56から取り外すことで、第2分離状態が実現される(図4参照)。
【0048】
本例では、短絡用導電体(61,62)により接続される2つの導電体は、当該短絡用導電体(61,62)が固定される部分が、第2方向Yの同じ位置において第1方向Xに並んで配置されている。そして、短絡用導電体(61,62)は、第1方向Xに延びるように配置されて、これら2つの導電体を接続する。
【0049】
本実施形態では、第1接続状態とするために第1切替接続用導電体71が配置される場所と第1短絡用導電体61とに、対応する標章が設けられている。同様に、第3接続状態とするために第2切替接続用導電体72が配置される場所と第2短絡用導電体62とに、対応する標章が設けられている。ここで、「標章」は、例えば、しるしとする徽章または記号であり、エンブレム、マーク、シンボルマークを含む。また、「対応する標章」は、互いに一致或いは共通する標章だけでなく、例えば「短絡1」と「短絡2」のように、互いに異なる標章であるものの対応していることが明確なものも含む。
【0050】
図3及び図4に示す例では、第1接続状態とするために第1切替接続用導電体71が配置される場所及び第3接続状態とするために第2切替接続用導電体72が配置される場所に、第1標章M1が設けられている。また、第2接続状態とするために第1切替接続用導電体71が配置される場所及び第4接続状態とするために第2切替接続用導電体72が配置される場所に、第1標章M1とは対応しない第2標章M2が設けられている。そして、第1短絡用導電体61及び第2短絡用導電体62に、第1標章M1に対応する第3標章M3が設けられている。例えば、第1標章M1及び第3標章M3は、同じ色(例えば、青色)のマークとされ、第2標章M2は、第1標章M1及び第3標章M3とは異なる色(例えば、赤色)のマークとされる。なお、第2標章M2が設けられない構成としてもよい。
【0051】
〔第2の実施形態〕
電源装置の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。以下では、本実施形態の電源装置について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。特に明記しない点については、第1の実施形態と同様であり、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0052】
図7及び図8に示すように、本実施形態では、第1の実施形態とは異なり、第1切替接続用導電体71を着脱して当該第1切替接続用導電体71の状態を変更し、第2切替接続用導電体72を着脱して当該第2切替接続用導電体72の状態を変更するように構成されている。なお、図3及び図4に示す例では、電源部10が出力部20に対して図中左側に配置されていたのに対して、図7及び図8に示す例では、電源部10は出力部20に対して図中右側に配置されている。
【0053】
本実施形態では、図7に示すように、第1短絡用導電体61により接続される第2導電体52と第3導電体53との間隔と、第1切替接続用導電体71により接続される切替接続部(本実施形態では、電源部10、具体的には、第1電源電極11)と第1導電体51との間隔とが異なっている。また、第1切替接続用導電体71により接続される切替接続部(本実施形態では、電源部10、具体的には、第1電源電極11)と第1導電体51との間隔と、第1切替接続用導電体71により接続される切替接続部(本実施形態では、電源部10、具体的には、第1電源電極11)と第2導電体52との間隔とが同じである。なお、本実施形態では、電源部10(ここでは、第1電源電極11)に接続された導電体(図7及び図8に示す例では、第1標章M1及び第2標章M2が設けられた板状の導電体)も含めて、切替接続部としている。
【0054】
同様に、本実施形態では、第2短絡用導電体62により接続される第5導電体55と第6導電体56との間隔と、第2切替接続用導電体72により接続される切替接続部(本実施形態では、電源部10、具体的には、第2電源電極12)と第4導電体54との間隔とが異なっている。また、第2切替接続用導電体72により接続される切替接続部(本実施形態では、電源部10、具体的には、第2電源電極12)と第4導電体54との間隔と、第2切替接続用導電体72により接続される切替接続部(本実施形態では、電源部10、具体的には、第2電源電極12)と第5導電体55との間隔とが同じである。なお、本実施形態では、電源部10(ここでは、第2電源電極12)に接続された導電体(図7及び図8に示す例では、第1標章M1及び第2標章M2が設けられた板状の導電体)も含めて、切替接続部としている。
【0055】
図7に示す例では、第1短絡用導電体61により接続される第2導電体52と第3導電体53との間隔と、第2短絡用導電体62により接続される第5導電体55と第6導電体56との間隔とが同じであり、この間隔を第1間隔D1としている。本例では、短絡用導電体(61,62)により接続される2つの導電体は、当該短絡用導電体(61,62)が固定される固定部分が、第2方向Yの同じ位置において第1方向Xに並んで配置されており、第1間隔D1は、これら2つの導電体のそれぞれの上記固定部分同士の間隔(第1方向Xの間隔)である。本例では、上記の固定部分に、ボルトが挿通或いは締結される孔部が形成されており(図8参照)、これら2つの導電体のそれぞれに形成された上記孔部同士の間隔を、第1間隔D1としている。
【0056】
また、図7に示す例では、第1切替接続用導電体71により接続される切替接続部と第1導電体51との間隔と、第1切替接続用導電体71により接続される切替接続部と第2導電体52との間隔と、第2切替接続用導電体72により接続される切替接続部と第4導電体54との間隔と、第2切替接続用導電体72により接続される切替接続部と第5導電体55との間隔とが同じであり、この間隔を第2間隔D2としている。本例では、切替接続用導電体(71,72)により接続される2つの導電体は、当該切替接続用導電体(71,72)が固定される固定部分が、第2方向Yの同じ位置において第1方向Xに並んで配置されており、第2間隔D2は、これら2つの導電体のそれぞれの上記固定部分同士の間隔(第1方向Xの間隔)である。本例では、上記の固定部分に、ボルトが挿通或いは締結される孔部が形成されており(図8図9参照)、これら2つの導電体のそれぞれに形成された上記孔部同士の間隔を、第2間隔D2としている。なお、本例では、第2間隔D2は第1間隔D1よりも狭いが、第2間隔D2が第1間隔D1よりも広い構成としてもよい。
【0057】
本実施形態では、回路切替機構4は、第1短絡用導電体61と第2短絡用導電体62とを連結する非導電性の第1連結部材81と、第1切替接続用導電体71と第2切替接続用導電体72とを連結する非導電性の第2連結部材82と、を備えている。図7及び図8に示す例では、双方並列接続状態(図7参照)を実現するための第1短絡用導電体61及び第2短絡用導電体62のそれぞれの配置場所は、第1方向Xの同じ位置とされている。そそして、第1連結部材81は、第2方向Yに延びるように配置されて第1短絡用導電体61と第2短絡用導電体62とを連結している。詳細は省略するが、上記第1の実施形態において、回路切替機構4が第1連結部材81を備える構成としてもよい。
【0058】
また、図7及び図8に示す例では、双方並列接続状態(図7参照)を実現するための第1切替接続用導電体71及び第2切替接続用導電体72のそれぞれの配置場所は、第1方向Xの同じ位置とされている。また、双方直列接続状態(図8参照)を実現するための第1切替接続用導電体71及び第2切替接続用導電体72のそれぞれの配置場所は、第1方向Xの同じ位置とされている。更に、双方並列接続状態(図7参照)を実現するための第1切替接続用導電体71及び第2切替接続用導電体72のそれぞれの配置場所の第2方向Yの間隔と、双方直列接続状態(図8参照)を実現するための第1切替接続用導電体71及び第2切替接続用導電体72のそれぞれの配置場所の第2方向Yの間隔とが、同じとされている。そして、第2連結部材82は、第2方向Yに延びるように配置されて第1切替接続用導電体71と第2切替接続用導電体72とを連結している。
【0059】
〔その他の実施形態〕
(1)上記第2の実施形態では、第1短絡用導電体61により接続される第2導電体52と第3導電体53との間隔と、第1切替接続用導電体71により接続される切替接続部と第1導電体51との間隔とが異なっている構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、これら2つの間隔が同じである構成とすることもできる。また、上記第2の実施形態では、第2短絡用導電体62により接続される第5導電体55と第6導電体56との間隔と、第2切替接続用導電体72により接続される切替接続部と第4導電体54との間隔とが異なっている構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、これら2つの間隔が同じである構成とすることもできる。
【0060】
(2)上記第2の実施形態では、回路切替機構4が、第1連結部材81及び第2連結部材82を備える構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、回路切替機構4が、第1連結部材81及び第2連結部材82の一方又は双方を備えない構成とすることもできる。
【0061】
(3)上記の各実施形態では、第1接続状態とするために第1切替接続用導電体71が配置される場所と第1短絡用導電体61とに、対応する標章が設けられている構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、このような標章が設けられない構成とすることもできる。また、上記の各実施形態では、第3接続状態とするために第2切替接続用導電体72が配置される場所と第2短絡用導電体62とに、対応する標章が設けられている構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、このような標章が設けられない構成とすることもできる。
【0062】
(4)上記の各実施形態では、第1短絡用導電体61を着脱して当該第1短絡用導電体61の状態を変更し、第2短絡用導電体62を着脱して当該第2短絡用導電体62の状態を変更する構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、第1の実施形態での第1切替接続用導電体71及び第2切替接続用導電体72のように、第1短絡用導電体61を旋回させて当該第1短絡用導電体61の状態を変更し、第2短絡用導電体62を旋回させて当該第2短絡用導電体62の状態を変更する構成とすることもできる。
【0063】
(5)上記の各実施形態では、電源部10が切替接続部であり、出力部20が非切替接続部である構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、出力部20が切替接続部であり、電源部10が非切替接続部である構成とすることもできる。例えば、図3及び図4に示す例において、出力部20が切替接続部であり、電源部10が非切替接続部である構成とした場合、図3及び図4における第1電源電極11、第2電源電極12、第1出力端子21、及び第2出力端子22が、それぞれ、第1出力端子21、第2出力端子22、第1電源電極11、及び第2電源電極12に置き換わる。図7及び図8に示す例についても同様である。
【0064】
(6)上記の各実施形態では、第1調整部31が、第1電源電極11と第1出力端子21との間に接続され、第2調整部32が、第2電源電極12と第2出力端子22との間に接続されている構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、例えば、第1調整部31と第2調整部32とが、第1電源電極11と第1出力端子21との間に直列に接続される構成とし、或いは、第1調整部31と第2調整部32とが、第2電源電極12と第2出力端子22との間に直列に接続される構成とすることもできる。第2電源電極12と第2出力端子22との間に調整部(31,32)が設けられない場合、例えば、第2電源電極12と第2出力端子22とが直接(すなわち、回路素子を介さずに)接続される。また、第1電源電極11と第1出力端子21との間に調整部(31,32)が設けられない場合、例えば、第1電源電極11と第1出力端子21とが直接接続される。
【0065】
(7)上記の各実施形態では、電源装置1が第2調整部32を備える構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、電源装置1が第2調整部32を備えない構成とすることもできる。この場合、第1調整部31は、第1電源電極11と第1出力端子21との間に接続され、或いは、第2電源電極12と第2出力端子22との間に接続される。
【0066】
(8)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用すること(その他の実施形態として説明した実施形態同士の組み合わせを含む)も可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0067】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した電源装置の概要について説明する。
【0068】
受電装置を備えた移動体の移動経路に沿って配置された給電線に接続され、前記給電線に交流電流を供給することで前記受電装置に非接触で電力を供給する非接触給電設備の電源装置であって、交流電流を出力する電源部と、前記給電線に接続される出力部と、前記電源部と前記出力部との間の給電回路のキャパシタンスを調整する調整部と、を備え、前記調整部は、第1キャパシタと、第2キャパシタと、回路切替機構と、を備え、前記回路切替機構は、前記第1キャパシタと前記第2キャパシタとを前記電源部と前記出力部との間に直列に接続する直列接続状態と、前記第1キャパシタと前記第2キャパシタとを前記電源部と前記出力部との間に並列に接続する並列接続状態と、に切り替えるように構成されている。
【0069】
本構成によれば、給電線が比較的長い場合には、回路切替機構によって直列接続状態に切り替えることで、第1キャパシタと第2キャパシタとの合成キャパシタンスを小さくして、給電回路のキャパシタンスを小さくすることができる。一方、給電線が比較的短い場合には、回路切替機構によって並列接続状態に切り替えることで、第1キャパシタと第2キャパシタとの合成キャパシタンスを大きくして、給電回路のキャパシタンスを大きくすることができる。
【0070】
このように、本構成によれば、給電線の長さに応じて給電回路のキャパシタンスを適切に調整することができる。その上で、本構成によれば、給電線が比較的長い場合には回路切替機構によって直列接続状態に切り替えられるため、給電回路のキャパシタンスが小さくなることで高くなる端子間電圧を、第1キャパシタと第2キャパシタとで分担することができる。そのため、このような分担が行われない場合に比べて、第1キャパシタや第2キャパシタに必要とされる耐圧性能を低く抑えて、コストの低減を図ることができる。
【0071】
以上のように、本構成によれば、コストの低減を図りつつ、給電線の長さに応じて給電回路のキャパシタンスを適切に調整することが可能となっている。
【0072】
ここで、前記電源部と前記出力部との一方を切替接続部とし、他方を非切替接続部として、前記調整部は、前記第1キャパシタの第1電極と前記第2キャパシタの第1電極とに接続された第1導電体と、前記第1キャパシタの第2電極に接続された第2導電体と、前記第2キャパシタの第2電極と前記非切替接続部とに接続された第3導電体と、を備え、前記回路切替機構は、短絡用導電体と切替接続用導電体とを備え、前記短絡用導電体は、前記第2導電体と前記第3導電体とを接続する状態と、前記第2導電体と前記第3導電体とを分離する状態と、に状態変更可能な導電体であり、前記切替接続用導電体は、前記切替接続部と前記第1導電体とを接続する第1接続状態と、前記切替接続部と前記第2導電体とを接続する第2接続状態と、に状態変更可能な導電体であると好適である。
【0073】
本構成によれば、短絡用導電体を第2導電体と第3導電体とを分離する状態とし、切替接続用導電体を第2接続状態とすることで、第1キャパシタと第2キャパシタとが電源部と出力部との間に直列に接続された直列接続状態を実現することができる。また、短絡用導電体を第2導電体と第3導電体とを接続する状態とし、切替接続用導電体を第1接続状態とすることで、第1キャパシタと第2キャパシタとが電源部と出力部との間に並列に接続された並列接続状態を実現することができる。従って、回路切替機構による直列接続状態と並列接続状態との切り替えを、比較的容易に行うことができる。
【0074】
上記の構成において、前記回路切替機構は、前記切替接続用導電体を回転軸心回りに旋回自在に支持する支持部を備え、前記切替接続用導電体は、前記回転軸心回りに旋回することにより、前記第1接続状態と前記第2接続状態とに状態変更すると好適である。
【0075】
本構成によれば、切替接続用導電体を旋回させるという比較的容易な動作で、第1接続状態と第2接続状態との間で切替接続用導電体の状態を変更することができる。また、切替接続用導電体を着脱して切替接続用導電体の状態を変更する構成とした場合に比べて、切替接続用導電体の接続先を間違えたり切替接続用導電体を紛失したりする可能性を低減することもできる。
【0076】
また、前記短絡用導電体により接続される前記第2導電体と前記第3導電体との間隔と、前記切替接続用導電体により接続される前記切替接続部と前記第1導電体との間隔と、が異なっており、前記切替接続用導電体により接続される前記切替接続部と前記第1導電体との間隔と、前記切替接続用導電体により接続される前記切替接続部と前記第2導電体との間隔と、が同じであると好適である。
【0077】
本構成によれば、短絡用導電体と切替接続用導電体との双方が着脱自在に構成されている場合であっても、短絡用導電体と切替接続用導電体とが、誤って入れ替えて使用されることを回避できる。
【0078】
また、前記電源部は、第1電源電極と第2電源電極とを備え、前記出力部は、第1出力端子と第2出力端子とを備え、前記調整部を第1調整部とし、前記短絡用導電体を第1短絡用導電体とし、前記切替接続用導電体を第1切替接続用導電体として、前記第1調整部は前記第1電源電極と前記第1出力端子との間に接続され、前記第2電源電極と前記第2出力端子との間に接続された第2調整部を更に備え、前記第2調整部は、第3キャパシタと、第4キャパシタと、前記第3キャパシタの第1電極と前記第4キャパシタの第1電極とに接続された第4導電体と、前記第3キャパシタの第2電極に接続された第5導電体と、前記第4キャパシタの第2電極と前記非切替接続部とに接続された第6導電体と、を備え、前記回路切替機構は、第2短絡用導電体と第2切替接続用導電体とを備え、前記第2短絡用導電体は、前記第5導電体と前記第6導電体とを接続する状態と、前記第5導電体と前記第6導電体とを分離する状態と、に状態変更可能な導電体であり、前記第2切替接続用導電体は、前記切替接続部と前記第4導電体とを接続する状態と、前記切替接続部と前記第5導電体とを接続する状態と、に状態変更可能な導電体であると好適である。
【0079】
本構成によれば、第1短絡用導電体を第2導電体と第3導電体とを分離する状態とし、第2短絡用導電体を第5導電体と第6導電体とを分離する状態とし、第1切替接続用導電体を第2接続状態とし、第2切替接続用導電体を切替接続部と第5導電体とを接続する状態とすることで、第1キャパシタと第2キャパシタとが第1電源電極と第1出力端子との間に直列に接続され、且つ、第3キャパシタと第4キャパシタとが第2電源電極と第2出力端子との間に直列に接続された、双方直列接続状態を実現することができる。給電線が比較的長い場合には、回路切替機構によってこの双方直列接続状態に切り替えることで、給電回路のキャパシタンスを小さくすることができる。また、第1短絡用導電体を第2導電体と第3導電体とを接続する状態とし、第2短絡用導電体を第5導電体と第6導電体とを接続する状態とし、第1切替接続用導電体を第1接続状態とし、第2切替接続用導電体を切替接続部と第4導電体とを接続する状態とすることで、第1キャパシタと第2キャパシタとが第1電源電極と第1出力端子との間に並列に接続され、且つ、第3キャパシタと第4キャパシタとが第2電源電極と第2出力端子との間に並列に接続された、双方並列接続状態を実現することができる。給電線が比較的短い場合には、回路切替機構によってこの双方並列接続状態に切り替えることで、給電回路のキャパシタンスを大きくすることができる。
【0080】
そして、本構成によれば、第1調整部と第2調整部とが、電源部の2つの電極に分かれて接続されるため、第1調整部と第2調整部との双方が電源部の1つの電極に接続される場合に比べて、給電回路及び給電線を含む経路内の電位差(最大電位差、最大電圧)を小さく抑えることができる。給電線が長くなるに従って大きくなるこの電位差は、各部の耐圧性能が満たされる範囲に抑える必要があるが、このように本構成によればこの電位差を小さく抑えることができるため、給電線を長くしやすい。
【0081】
上記の構成において、前記回路切替機構は、前記第1短絡用導電体と前記第2短絡用導電体とを連結する非導電性の第1連結部材と、前記第1切替接続用導電体と前記第2切替接続用導電体とを連結する非導電性の第2連結部材と、を備えると好適である。
【0082】
本構成によれば、第1短絡用導電体と第2短絡用導電体とが、直列接続状態を実現するための状態と並列接続状態を実現するための状態とのうちの互いに異なる状態となることを回避できる。同様に、第1切替接続用導電体と第2切替接続用導電体とが、直列接続状態を実現するための状態と並列接続状態を実現するための状態とのうちの互いに異なる状態となることを回避できる。よって、上述した双方直列接続状態や双方並列接続状態を適切に実現しやすい。
【0083】
また、前記第1接続状態とするために前記切替接続用導電体が配置される場所と前記短絡用導電体とに、対応する標章が設けられていると好適である。
【0084】
本構成によれば、回路切替機構を操作する作業者が、短絡用導電体を短絡状態とする場合には切替接続用導電体を第1接続状態とするべきであることを容易に理解できる。よって、直列接続状態と並列接続状態との切り替え時の間違いを生じ難くすることができる。
【0085】
本開示に係る電源装置は、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができればよい。
【符号の説明】
【0086】
1:電源装置
3:給電回路
4:回路切替機構
5:支持部
10:電源部(切替接続部)
11:第1電源電極
12:第2電源電極
20:出力部(非切替接続部)
21:第1出力端子
22:第2出力端子
31:第1調整部(調整部)
32:第2調整部
41:第1キャパシタ
42:第2キャパシタ
43:第3キャパシタ
44:第4キャパシタ
51:第1導電体
52:第2導電体
53:第3導電体
54:第4導電体
55:第5導電体
56:第6導電体
61:第1短絡用導電体(短絡用導電体)
62:第2短絡用導電体
71:第1切替接続用導電体(切替接続用導電体)
72:第2切替接続用導電体
81:第1連結部材
82:第2連結部材
90:移動体
91:受電装置
100:非接触給電設備
A:回転軸心
E1:第1電極
E2:第2電極
L:給電線
P:移動経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8